明細書
P r RPおよびその受容体の新規用途 技術分野
本発明は、 公知の P rRPおよびその受容体の新規用途として、 パーキンソン 病の予防 ·治療 ·改善薬のスクリーニング方法等に関する。 背景技術
下垂体機能調節作用、 中枢神経機能調節作用、 勝臓機能調節作用を有するヒト 、 ゥシおよびラット由来のリガンドポリペプチド (P rRP) 並びにそれをコ一 ドする cDNA、 および該 P r RPに対するヒトおよびマウス由来のレセプター タンパク質 (P rRP受容体) 並びにそれを:?ードする cDNAが知られている (W097/24436号公報) 。
マウス由来の P r RP並びにそれをコードするゲノム DNA、 および? rRP ノックァゥト動物の製造法とそのためのターゲッティイングベクターが知られて いる (W098/49295号公報) 。
ヒトおよびマウス由来 P rRP受容 #:と高い相同性を有するラット由来ォーフ アン受容体 (UHR- 1) が知られている (Biochemical and Biophysical Research Communications, Vol.209, No.2, pp.606-613, 1995) 。
P r RPがプロラクチン分泌調節作用、 胎盤機能調節作用を有することが知ら れている (WO 98/58962号公報) 。
P r RPがォキシトシン分泌調節作用を有することが知られている (WO00 /38704号公報) 。
P r RPに対するモノクローナル抗体 (P 2 L— 1 C a、 P 2L— 2Ca、 P 2 L- ITa) が知られている (WO 99/601 12号公報) 。
P rRPが副腎皮質刺激ホルモン放出分泌調節作用を有し、 肥満症に対して予 防 ·治療効果があることが知られている (WO00/38704号公報) 。 肥満症等を発症している P r R Pノックァゥト動物が知られている (特許公開 2 004- 121243号公報) 。
P rRPが摂食調節に関与していることが記載されている (Nature
Neuroscience Vol.3, No.7, July 2000) 。
P rRPの投与により、 摂食および体重増加が阻害されることが知られている (Endcrinology February 2002, 143 (2) :360- 367) 。
P r RPとレブチンとの相互作用により、 摂食および体重増加が阻害されるこ とが知られている (Endcrinology February 2002, 143 (2) :368-374) 。 発明の開示
本発明は、 P r RPおよび P r RP受容体のさらなる機能を解明し、 新たな医 薬を提供することを課題とする。
本発明者らは、 上記の課題を解決するために、 鋭意研究を重ねた結果、 P rR P遺伝子発現不全マウス (P'rRPノックアウトマウス) がパーキンソン病を発 症しないことを見出し、 P rRPがパーキンソン病の発症を促進し、 P rRP拮 抗薬がパーキンソン病の治療薬となる可能性がわかった。 本発明者らは、 さらに 検討を重ねた結果、 P r RP中和抗体投与によっても MPTP (パーキンソン病 の誘引物質) 投与によるパーキンソン病が発症しないことも見出し本発明を完成 するに至った。
すなわち、 本発明は、
( 1 ) P rRP受容体と同一または実質的に同一のァミノ酸配列を含有するタン パク質および Zまたは P rRPと同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有 するタンパク質またはその塩を用いることを特徴とする、 P rRP受容体の機能 が関連する疾患 (例、 パーキンソン病、 運動機能障害性疾患、 うつ病、 神経症、 全般性不安障害、 アルツハイマー病、 肝炎、 肝硬変、 肝線維症、 糖尿病、 慢性心 不全、 末端肥大症、 甲状腺機能亢進症、 高血圧、 火傷、 心身症および統合失調症 からなる群から選ばれる疾患;など) の予防 ·治療物質のスクリ一二ング方法;
(2) P rRP受容体および/または P r RPまたはその塩を用いることを特徴 とする、 P r RP受容体の機能が関連する疾患の予防 ·治療物質のスクリ一ニン グ方法;
(3) P rRP受容体またはその塩を用いることを特徴とする、 P rRP受容体 の機能が関連する疾患の予防 ·治療物質のスクリ一ニング方法;
(4) 疾患がパーキンソン病、 運動機能障害性疾患、 うつ病、 神経症、 全般性不 安障害、 アルツハイマー病、 肝炎、 肝硬変、 肝線維症、 糖尿病、 慢性心不全、 末 端肥大症、 甲状腺機能亢進症または心身症である、 上記 (1) から (3) のいず れかに記載のスクリーニング方法;
(5) 疾患がパーキンソン病である、 上記 (1) から (3) のいずれかに記載の スクリーニング方法;
(6) 疾患が統合失調症である、 上記 (1) から (3) のいずれかに記載のスク リーニング方法;
(7) P r RP受容体と P r RPの結合を阻害することを特徴とする P r RP受 容体の機能が関連する疾患 予防 ·治療方法;
(8) 疾患がパーキンソン病、 運動機能障害性疾患、 うつ病、 神経症、 全般性不 安障害、 アルツハイマー病、 肝炎、 肝硬変、 肝線維症、 糖尿病、 慢性心不全、 末 端肥大症、 甲状腺機能亢進症または心身症 (好ましくは、 パーキンソン病、 運動 機能障害性疾患、 うつ病、 神経症、 心身症など;さらに好ましくは、 パーキンソ ン病など) である、 上記 (7) 記載の予防 ·治療方法;
(9) 疾患がパーキンソン病である、 上記 (7) 記載の予防 ·治療方法;
(10) P r RP受容体のアンタゴニストを用いる、 上記 (7) から (9) のい ずれかに記載の予防 ·治療方法;
(1 1) P rRP受容体に対する抗体を用いる、 上記 (7) から (9) のいずれ かに記載の予防 ·治療方法;
(12) P rRPに対する抗体 (好ましくは、 中和抗体) を用いる、 上記 (7) から (9) のいずれかに記載の予防 ·治療方法;
(13) P rRP受容体および Zまたは P rRPの発現を阻害することを特徴と する P r R P受容体の機能が関連する疾患の予防 ·治療方法;
(14) 疾患がパーキンソン病、 運動機能障害性疾患、 うつ病、 神経症、 全般性 不安障害、 アルツハイマー病、 肝炎、 肝硬変、 肝線維症、 糖尿病、 慢性心不全、
末端肥大症、 甲状腺機能亢進症または心身症である、 上記 (13) 記載の予防 - 治療方法;
(15) 疾患がパーキンソン病である、 上記 (13) 記載の予防 ·治療方法;
(16) P r RP受容体および Zまたは P rRPの発現を阻害するアンチセンス ポリヌクレオチドを用いる、 上記 (13) から (15) のいずれかに記載の予防
•治療方法;
(17) P rRP受容体および Zまたは P rRPの発現を阻害する s i RNAを 用いる、 上記 (13) から (15) のいずれかに記載の予防 ·治療方法;
(18) P r RP受容体と P r RPの結合を阻害する物質を含有する P r RP受 容体の機能が関連する疾患の予防 ·治療剤;
(19) 疾患がパーキンソン病、 運動機能障害性疾患、 うつ病、 神経症、 全般性 不安障害、 アルツハイマー病、 肝炎、 肝硬変、 肝線維症、 糖尿病、 慢性心不全、 末端肥大症、 甲状腺機能亢進症または心身症である、 上記 (18) 記載の予防 · 治療剤;
(20) 疾患がパーキンソン病である、 上記 (18) 記載の予防 ·治療剤;
(21) P rRP受容体と P rRPの結合を阻害する物質が P rRP受容体のァ ンタゴ二ストである、 上記 (18) から (21) のいずれかに記載の予防 ·治療 剤;
(22) P r R P受容体と P rRPの結合を阻害する物質が P r R P受容体に対 する抗体である、 上記 (18) から (21) のいずれかに記載の予防 ·治療剤;
(23) P rRP受容体と P rRPの結合を阻害する物質が P rRPに対する抗 体 (好ましくは、 中和抗体) である、 上記 (18) から (21) のいずれかに記 載の予防 ·治療剤;
(24) P r RP受容体および/または P r R Pの発現を阻害する物質を含有す る P r R P受容体の機能が関連する疾患の予防 ·治療剤;
(25) 疾患がパーキンソン病、 運動機能障害性疾患、 うつ病、 神経症、 全般性 不安障害、 アルツハイマー病、 肝炎、 肝硬変、 肝線維症、 糖尿病、 慢性心不全、 末端肥大症、 甲状腺機能亢進症または心身症である、 上記 (24) 記載の予防 - 治療剤;
(26) 疾患がパーキンソン病である、 上記 (24) 記載の予防 ·治療剤;
(27) P rRP受容体および/または P rRPの発現を阻害する物質がアンチ センスポリヌクレオチドである、 上記 (24) から (26) のいずれかに記載の 予防 ·治療剤;
(28) P r RP受容体および Zまたは P r R Pの発現を阻害する物質が s i R NAである、 上記 (24) から (26) のいずれかに記載の予防 ·治療剤;
(29) P rRP受容体と P rRPの結合を促進することを特徴とする P rRP 受容体の機能が関連する疾患の予防 ·治療方法;
(30) 疾患が統合失調症である、 上記 (29) 記載の予防 ·治療方法; (30 a) P rRP受容体の機能を促進する 〔ここで、 「P rRP受容体の機能 を促進する」 とは、 「P r RP受容体の活性を促進する」 、 「P r RP受容体の 機能を 進する」 または 「P'r RP受容体の活性を亢進する」 と同義である。 〕 ことを特徴とする P r RP受容体の機能が関連する疾患の予防 ·治療方法; (30 b) 疾患が統合失調症である、 上記 (30 a) 記載の予防 ·治療方法; (30 c) P r RP受容体のァゴニストを用いる、 上記 (30 a) または (30 b) 記載の予防 ·治療方法;
(31) P r RP受容体の機能を促進する物質を含有する P r RP受容体の機能 が関連する疾患の予防 ·治療剤;
(32) 疾患が統合失調症である、 上記 (31) 記載の予防 ·治療剤;
(33) P r R P受容体の機能を促進する物質が P r R P受容体のァゴニストで ある、 上記 (31) または (32) に記載の予防,治療剤;
(34) P rRP受容体遺伝子および Zまたは P rRP遺伝子の発現量、 または P r RP受容体および Zまたは P r RPの産生量の増減を測定することを特徴と する P r R P受容体の機能が関連する疾患の診断方法;
(34 a) P r RP受容体遺伝子および/または P r R P遺伝子の発現量、 また は P r RP受容体および/または P r RPの産生量の増加を測定することを特徵 とする P r RP受容体の機能が関連する疾患の診断方法;
(34b) P r RP受容体遺伝子および/または P r RP遺伝子の発現量、 また は P r RP受容体および Zまたは P r RPの産生量の減少を測定することを特徴 とする P r RP受容体の機能が関連する疾患の診断方法;
(35) 疾患がパーキンソン病、 運動機能障害性疾患、 うつ病、 神経症、 全般性 不安障害、 アルツハイマー病、 肝炎、 肝硬変、 肝線維症、 糖尿病、 慢性心不全、 末端肥大症、 甲状腺機能亢進症、 高血圧または心身症である、 上記 (34 a) 記 載の診断方法;
(36) 疾患がパーキンソン病である、 上記 (34) 記載の診断方法;
(37) 疾患が統合失調症である、 上記 (34b) 記載の診断方法;
(38) (1) P rRPに対する抗体、 P r R P受容体に対する抗体、 P r RP 遺伝子、 または P rRP受容体遺伝子および (2) 緩衝液類を含有する、 P rR' P受容体の機能が関連する疾患の診断キット;
(39) 疾患がパーキンソン病、 運動機能障害性疾患、 うつ病、 神経症、 全般性 不安障害、 アルツハイマー病、 肝炎、 肝硬変、 肝線維症、 糖尿病、 慢性心不全、 末端肥大症、 甲状腺機能亢進症、 高血圧または心身症である、 上記 (38) 記載 の診断キッ卜;
(40) 疾患がパーキンソン病である、 上記 (38) 記載の診断キット; 、 (41) 疾患が統合失調症である、 上記 (38) 記載の診断キット;
などに関する。
本発明は、 P rRPの機能阻害および発現を抑制することにより、 パーキンソ ン病の予防 ·治療 ·改善薬に有用である。 図面の簡単な説明
図 1は、 生理食塩水または MP TPを投与した P r RPノックァゥトマウスお よび野生型マウスの黒質おけるチロシン水酸化酵素陽性細胞の割合を示す。 値は Me an土 SE (n=5) 。 *は p<0. 05 v s生理食塩水投与野生型マウ ス (S t ud en t ' s t— t e s t) を示す。
図 2は、 生理食塩水または MP TPを投与した P rRPノックアウトマウスお よび野生型マウスの口一夕ロットでの運動量の測定値を示す。 値は Me an±S
E (n=5) 。 令は生理食塩水投与野生型マウスを、 國は MP TP投与野生型マ ウスを、 ▲は生理食塩水投与 P rRPノックアウトマウスを、 〇は MPTP投与 P rRPノックアウトマウスの運動量の変化を示す。
図 3は、 生理食塩水または MP TPを投与した P rRPノックアウトマウスお よび野生型マウスの線状体中力テコラミンの測定値を示す。 値は M e a n士 S E (n=5) 。 黒色のカラムは生理食塩水投与野生型マウスを、 斜線のカラムは生 理食塩水投与 P rRPノックァゥトマウスを、 灰色のカラムは MP TP投与野生 型マウスを、 縦線のカラムは MP TP投与 P rRPノックァゥトマウスの線状体 のカテコラミン量を示す。
図 4は、 抗 P rRP中和抗体および正常マウス IgG投与による MPTP投与時 の黒質緻密部における TH陽性細胞数を示す。 値は Me an士 SE (n=3) 。 黒色のカラムは正常マウス Ig'G投与後に生理食塩水を投与したマウス、 斜線の力 ラムは正常マウス IgG投与後に MPTPを投与したマウス、 灰色のカラムは抗 P r R P中和抗体 (P2L- ICa)投与後に生理食塩水を投与したマウス、 縦線のカラムは抗 P r RP中和抗体 (P2L- ICa)投与後に MPTPを投与したマウスの黒質での TH陽性細 胞数を示す。
*は p<0. 05, 正常マウス IgG投与後に MPTPを投与したマウス vs抗 P r RP 中和抗体 (P2L-lCa)投与後に MPTPを投与したマウス
«は pく 0. 01, 抗 P r R P中和抗体 (P2L-lCa)投与後に生理食塩水を投与した マウス vs. 抗 P rRP中和抗体 (P2L- ICa)投与後に MPTPを投与したマウス
は p<0. 001, 正常マウス IgG投与後に生理食塩水を投与したマウス vs 正常マウス IgG投与後に MPTPを投与したマウス
検定は、 Tukey検定を行った。
図 5は、 抗 P r RP中和抗体および正常マウス IgG投与による MPTP投与時 の線条体における TH神経線維密度を示す。 黒色のカラムは正常マウス IgG投与 後に生理食塩水を投与したマウス、 斜線のカラムは正常マウス IgG投与後に MPTP を投与したマウス、 灰色のカラムは抗 P r RP中和抗体 (P2L-lCa)投与後に生理 食塩水を投与したマウス、 縦線のカラムは抗 P r RP中和抗体 (P2L-lCa)投与後 に生理食塩水を投与したマウスの TH陽性神経線維密度を示す。 正常マウス IgG投
与後に生理食塩水を投与したマウスの TH陽性神経密度を 100%として表示し、 値 は M e a n士 S E (n = 3 ) で示す。 · *は p < 0 . 0 5, 正常マウス IgG投与後に MPTPを投与したマウス vs抗 P r R P 中和抗体 (P2L- ICa)投与後に MPTPを投与したマウス、 正常マウス IgG投与後に生理 食塩水を投与したマウス vs正常マウス IgG投与後に MPTPを投与したマウス、 抗 P r R P中和抗体 (P2L_lCa)投与後に生理食塩水を投与したマウス vs. 抗 P r R P 中和抗体 (P2L- ICa)投与後に MPTPを投与したマウス検定は、 Steel- Dwass検定を行 つ 7こ。 発明を実施するための最良の形態
本明細書中、 P r R Pとは配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしく は実質的に同一のアミノ酸 列を含有するタンパク質をさし、 好ましくは配列番 号: 1で表されるアミノ酸配列を含有するタンパク質である。
本発明において、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的 に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質 (以下、 本発明のタンパク質と略記 することがある) は、 哺乳動物 (例えば、 ヒト、 マウス、 ラッ卜、 ゥサギ、 ヒッ ジ、 ブ夕、 ゥシ、 ゥマ、 トリ、 ネコ、 ィヌ、 サル、 チンパンジーなど) の細胞 ( 例えば、 肝細胞、 脾細胞、 神経細胞、 グリア細胞、 膝臓 細胞、 骨髄細胞、 メサ ンギゥム細胞、 ランゲルハンス細胞、 表皮細胞、 上皮細胞、 杯細胞、 内皮細胞、 平滑筋細胞、 繊維芽細胞、 繊維細胞、 筋細胞、 脂肪細胞、 免疫細胞 (例、 マクロ ファージ、 Τ細胞、 Β細胞、 ナチュラルキラー細胞、 肥満細胞、 好中球、 好塩基 球、 好酸球、 単球) 、 巨核球、 滑膜細胞、 軟骨細胞、 骨細胞、 骨芽細胞、 破骨細 胞、 乳腺細胞、 肝細胞もしくは間質細胞、 またはこれら細胞の前駆細胞、 幹細胞 もしくはガン細胞など) もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、 例えば 、 脳、 脳の各部位 (例、 嗅球、 扁桃核、 大脳基底球、 海馬、 視床、 視床下部、 大 脳皮質、 延髄、 小脳) 、 脊髄、 下垂体、 胃、 膝臓、 腎臓、 肝臓、 生殖腺、 甲状腺 、 胆のう、 骨髄、 副腎、 皮膚、 筋肉、 肺、 消化管 (例、 大腸、 小腸) 、 血管、 心 臓、 胸腺、 脾臓、 顎下腺、 末梢血、 前立腺、 睾丸、 卵巣、 胎盤、 子宮、 骨、 関節
、 骨格筋などに由来するタンパク質であってよく、 合成タンパク質であってもよ い。
配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては 、 配列番号: 1で表わされるアミノ酸配列と約 5 0 %以上、 好ましくは約 6 0 % 以上、 さらに好ましくは約 7 0 %以上、 特に好ましくは約 8 0 %以上、 最も好ま しくは約 9 0 %以上の相同性を有するァミノ酸配列などが挙げられる。
配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有す るタンパク質としては、 例えば、 前記の配列番号: 1で表されるアミノ酸配列と 実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列を 含有するタンパク質と実質的に同質の活性を有するタンパク質などが好ましい。 実質的に同質の活性としては、 例えば、 下垂体初代培養細胞からのプロラクチ ン放出作用、 摂食抑制作用、 '副腎皮質刺激ホルモン分泌促進作用、 ォキシトシン 分泌促進作用、 バソプレツシン分泌促進作用、 血圧上昇作用などが挙げられる。 実質的に同質とは、 それらの性質が性質的に (例、 生理学的に、 または薬理学的 に) 同質であることを示す。 したがって、 転写制御活性が同等 (例、 約 0 . 0 1 〜1 0 0倍、 好ましくは約 0 . 1〜1 0倍、 より好ましくは 0 . 5〜2倍) であ ることが好ましいが、 これらの活性の程度、 タンパク質の分子量などの量的要素 は異なっていてもよい。
また、 本発明で用いられる P r R Pとしては、 例えば、 ( i ) 配列番号: 1で 表されるアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 好 ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数 (1〜5 ) 個) のアミノ酸が欠失 したアミノ酸配列、 (i i ) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列に 1または 2 個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ま しくは数 (1〜5 ) 個) のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、 (i i i ) 配列番 号: 1で表されるアミノ酸配列に 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程 度、 好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数 (1〜5 ) 個) のアミノ酸 が挿入されたアミノ酸配列、 ( i V ) 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 好ましくは 1〜1ひ個程度、 さらに好ましくは数 (1〜5 ) 個) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミ
ノ酸配列、 または (V ) それらを組み合わせたアミノ酸配列を含有するタンパク 質などのいわゆるムテインも含まれる。
上記のようにアミノ酸配列が挿入、 欠失または置換されている場合、 その挿入 、 欠失または置換の位置は特に限定されない。
本明細書中、 P r R P受容体とは配列番号: 9で表されるアミノ酸配列と同一 もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質をさし、 好ましくは 配列番号: 9で表されるアミノ酸配列を含有するタンパク質である。
本発明において、 配列番号: 9で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的 に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質 (以下、 本発明のタンパク質と略記 することがある) は、 哺乳動物 (例えば、 ヒト、 マウス、 ラット、 ゥサギ、 ヒッ ジ、 ブ夕、 ゥシ、 ゥマ、 トリ、 ネコ、 ィヌ、 サル、 チンパンジーなど) の細胞 ( 例えば、 肝細胞、 脾細胞、 神経細胞、 グリア細胞、 膝臓 /3細胞、 骨髄細胞、 メサ ンギゥム細胞、 ランゲルハンス細胞、 表皮細胞、 上皮細胞、 杯細胞、 内皮細胞、 平滑筋細胞、 繊維芽細胞、 繊維細胞、 筋細胞、 脂肪細胞、 免疫細胞 (例、 マクロ ファ一ジ、 T細胞、 B細胞、 ナチュラルキラー細胞、 肥満細胞、 好中球、 好塩基 球、 好酸球、 単球) 、 巨核球、 滑膜細胞、 軟骨細胞、 骨細胞、 骨芽細胞、 破骨細 胞、 乳腺細胞、 肝細胞もしくは間質細胞、 またはこれら細胞の前駆細胞、 幹細胞 もしくはガン細胞など) もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、 例えば 、 脳、 脳の各部位 (例、 嗅球、 扁桃核、 大脳基底球、 海馬、 視床、 視床下部、 大 脳皮質、 延髄、 小脳) 、 脊髄、 下垂体、 胃、 膝臓、 腎臓、 肝臓、 生殖腺、 甲状腺 、 胆のう、 骨髄、 副腎、 皮膚、 筋肉、 肺、 消化管 (例、 大腸、 小腸) 、 血管、 心 臓、 胸腺、 脾臓、 顎下腺、 末梢血、 前立腺、 睾丸、 卵巣、 胎盤、 子宮、 骨、 関節 、 骨格筋などに由来するタンパク質であってよく、 合成タンパク質であってもよ レ^
配列番号: 9で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては 、 配列番号: 9で表わされるアミノ酸配列と約 5 0 %以上、 好ましくは約 6 0 % 以上、 さらに好ましくは約 7 0 %以上、 特に好ましくは約 8 0 %以上、 最も好ま しくは約 9 0 %以上の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。
配列番号: 9で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有す るタンパク質としては、 例えば、 前記の配列番号: 9で表されるアミノ酸配列と 実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、 配列番号: 9で表されるアミノ酸配列を 含有するタンパク質と実質的に同質の活性を有するタンパク質などが好ましい。 実質的に同質の活性としては、 例えば、 下垂体初代培養細胞からのプロラクチ ン放出作用、 摂食抑制作用、 副腎皮質刺激ホルモン分泌促進作用、 ォキシトシン 分泌促進作用、 バソプレツシン分泌促進作用、 血圧上昇作用などが挙げられる。 実質的に同質とは、 それらの性質が性質的に (例、 生理学的に、 または薬理学的 に) 同質であることを示す。 したがって、 転写制御活性が同等 (例、 約 0 . 0 1 〜1 0 0倍、 好ましくは約 0 . 1 ~ 1 0倍、 より好ましくは 0 . 5〜2倍) であ ることが好ましいが、 これらの活性の程度、 タンパク質の分子量などの量的要素 は異なっていてもよい。 '
また、 本発明で用いられる P r R P受容体としては、 例えば、 (i ) 配列番号 : 9で表されるアミノ酸配列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程 度、 好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数 (1〜5 ) 個) のアミノ酸 が欠失したアミノ酸配列、 ( i i ) 配列番号: 9で表されるアミノ酸配列に 1ま たは 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 好ましくは 1〜1 0個程度、 さら に好ましくは数 (1〜5 ) 個) のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、 (i i i ) 配列番号: 9で表されるアミノ酸配列に 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 好ましくは 1〜1 0個程度、 さらに好ましくは数 (1〜5 ) 個) のァ ミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、 (i V ) 配列番号: 9で表されるアミノ酸配 列中の 1または 2個以上 (好ましくは、 1〜3 0個程度、 好ましくは 1〜1 0個 程度、 さらに好ましくは数 (1〜5 ) 個) のアミノ酸が他のアミノ酸で置換され たアミノ酸配列、 または (V ) それらを組み合わせたアミノ酸配列を含有する夕 ンパク質などのいわゆるムティンも含まれる。
上記のようにアミノ酸配列が挿入、 欠失または置換されている場合、 その挿入 、 欠失または置換の位置は特に限定されない。
本明細書におけるタンパク質は、 ペプチド標記の慣例に従って左端が N末端 ( ァミノ末端) 、 右端が C末端 (力ルポキシル末端) である。 配列番号: 1で表わ
されるアミノ酸配列を含有するタンパク質をはじめとする、 本発明のタンパク質 は、 C末端が力ルポキシル基 (一 C O OH) 、 カルポキシレート(一 C O O一)、 アミド (—C ONH2) またはエステル (—C〇〇R) の何れであってもよい。 ここでエステルにおける Rとしては、 例えば、 メチル、 ェチル、 n—プロピル 、 イソプロピル、 n—プチルなどの C Hアルキル基;例えば、 シクロペンチル、 シクロへキシルなどの C3_8シクロアルキル基;例えば、 フエニル、 一ナフチル などの C6_12ァリ一ル基;例えば、 ベンジル、 フエネチルなどのフエ二ルー C j_2ァ ルキル基; ひ—ナフチルメチルなどの —ナフチル _ (^_2アルキル基などの c7_14 ァラルキル基; ピバロィルォキシメチル基などが用いられる。
本発明のタンパク質が C末端以外に力ルポキシル基 (またはカルポキシレート
) を有している場合、 力ルポキシル基がアミド化またはエステル化されているも のも本発明のタンパク質に含まれる。 この場合のエステルとしては、 例えば上記 した C末端のエステルなどが用いられる。
さらに、 本発明のタンパク質には、 N末端のアミノ酸残基 (例、 メチォニン残 基) のァミノ基が保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァセチル基などの アルカノ ィルなどの C Mァシル基など) で保護されているもの、 生体内で切断されて生成 する N末端のダル夕ミン残基がピ口ダル夕ミン酸化したもの、 分子内のアミノ酸 の側鎖上の置換基 (例えば一 O H、 一 S H、 アミノ基、 イミダゾール基、 インド ール基、 グァニジノ基など) が適当な保護基 (例えば、 ホルミル基、 ァセチル基 などの アルカノィル基などの C Mァシル基など) で保護されているもの、 あ るいは糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質などの複合タンパク質なども含まれ る。
本発明のタンパク質の塩としては、 生理学的に許容される酸 (例、 無機酸、 有 機酸) や塩基 (例、 アルカリ金属塩) などとの塩が用いられ、 とりわけ生理学的 に許容される酸付加塩が好ましい。 このような塩としては、 例えば、 無機酸 (例 えば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸) との塩、 あるいは有機酸 (例えば、 酢 酸、 ギ酸、 プロピオン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コハク酸、 酒石酸、 クェン酸 、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸) との塩 などが用いられる。
本発明のタンパク質またはその塩は、 前述した哺乳動物の細胞または組織から 公知のタンパク質の精製方法によって製造することができる。 具体的には、 哺乳 動物の組織または細胞をホモジナイズし、 可溶画分を逆相クロマトグラフィー、 イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーで分離精製することに よって、 本発明のタンパク質またはその塩を製造することができる。
本発明のタンパク質またはその塩は、 公知のぺプチド合成法にしたがって製造 することもできる。
ペプチド合成法は、 例えば、 固相合成法、 液相合成法のいずれであってもよい 。 本発明のタンパク質を構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分と を縮合し、 生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより目的とす るタンパク質を製造することができる。
ここで、 縮合や保護基の脱離は、 公知の方法、 例えば、 以下の (1 ) 〜 (5 ) に記載された方法にしたがって行われる。
( D M. Bodanszkyおよび Μ· A. Ondet t i, ペプチド ·シンセシス (Pept ide Synthesis) , Interscience Publ ishers, New York (1966年)
( 2 ) Schroederおよび Luebke、 ザ ·ペプチド(The Pept ide) , Academic Press, New York (1965年)
( 3 ) 泉屋信夫他、 ペプチド合成の基礎と実験、 '丸善 (株) (1975年)
( 4 ) 矢島治明 および榊原俊平、 生化学実験講座 1、 タンパク質の化学 IV、 205、 (1977年)
( 5 ) 矢島治明監修、 続医薬品の開発、 第 14巻、 ペプチド合成、 広川書店 このようにして得られたタンパク質は、 公知の精製法により精製単離すること ができる。 ここで、 精製法としては、 例えば、 溶媒抽出、 蒸留、 カラムクロマト グラフィ一、 液体クロマトグラフィー、 再結晶、 これらの組み合わせなどが挙げ られる。
上記方法で得られるタンパク質が遊離体である場合には、 該遊離体を公知の方 法あるいはそれに準じる方法によって適当な塩に変換することができるし、 逆に タンパク質が塩として得られた場合には、 該塩を公知の方法あるいはそれに準じ る方法によって遊離体または他の塩に変換することができる。
本発明のタンパク質またはその塩は、 通常、 市販のタンパク質合成用樹脂を用 いて合成される。 このような樹脂としては、 例えば、 クロロメチル樹脂、 ヒドロ キシメチル樹脂、 ベンズヒドリルァミン樹脂、 アミノメチル樹脂、 4—ベンジル ォキシベンジルアルコール樹脂、 4一メチルベンズヒドリルァミン樹脂、 P AM 樹脂、 4—ヒドロキシメチルメチルフエニルァセトアミドメチル樹脂、 ポリアク リルアミド樹脂、 4一 ( 2 ' , 4, ージメトキシフエ二ル一ヒドロキシメチル) フエノキシ樹脂、 4— ( 2, , 4, ージメトキシフエ二ルー F m o cアミノエチ ル) フエノキシ樹脂などが挙げられる。
このような樹脂を用い、 α—ァミノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸 を、 目的とするタンパク質の配列通りに、 公知の各種縮合方法に従い、 樹脂上で 縮合させる。 反応の最後に樹脂からタンパク質を切り出すと同時に各種保護基を 除去し、 さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフイド結合形成反応を行って、 目的 のタンパク質を取得する。
上記した保護アミノ酸の縮合においては、 タンパク質合成に使用できる各種活 性化試薬を用いることができるが、 特に、 カルポジイミド類が好ましい。 力ルポ ジイミド類としては、 D C C、 N , N'—ジイソプロピルカルポジイミド、 N— ェチルー N ' _ ( 3—ジメチルァミノプロリル) カルポジイミドなどが用いられ る。
保護アミノ酸の縮合は、 例えば活性化試薬およびラセミ化抑制添加剤 (例えば 、 H O B t , H O O B t ) とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するか、 あら かじめ保護アミノ酸を対称酸無水物または H O B tエステルあるいは H O O B t エステルとして活性化した後に樹脂に添加することによって行われる。
保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒は、 タンパク質縮合反 応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択される。 例えば、 N, N— ジメチルホルムアミド, N, N—ジメチルァセトアミド, N—メチルピロリドン などの酸アミド類;塩化メチレン, クロ口ホルムなどのハロゲン化炭化水素類; トリフルォロエタノールなどのアルコール類;ジメチルスルホキシドなどのスル ホキシド類; ピリジンなどのアミン類;ジォキサン, テトラヒドロフランなどの エーテル類;ァセトニトリル, プロピオ二トリルなどの二トリル類;酢酸メチル
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, 酢酸ェチルなどのエステル類;あるいはこれらの適宜の混合物などが用いられ る。
反応温度は、 夕ンパク質縮合反応に使用されることが知られている範囲から適 宜選択され、 通常約一 2 0 °C〜5 0 °Cの範囲から適宜選択される。 活性化された アミノ酸誘導体は、 通常 1. 5〜 4倍過剰で用いられる。 ニンヒドリン反応を用 いたテストの結果、 縮合が不十分な場合には、 保護基の脱離を行なうことなく縮 合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行なうことができる。 縮合反応を繰り 返しても縮合が不十分な場合には、 無水酢酸またはァセチルイミダゾ一ルを用い て未反応アミノ酸をァセチル化することによって、 十分な縮合を行なうことがで きる。
原料アミノ酸のァミノ基の保護基としては、 例えば、 Z、 B o c、 t一ペンチ ルォキシカルポニル、 イソポルニルォキシカルポニル、 4—メトキシベンジルォ キシカルボニル、 C 1一 Z、 B r _ Z、 ァダマンチルォキシカルボニル、 トリフ ルォロアセチル、 フタロイル、 ホルミル、 2—二トロフエニルスルフエ二ル、 ジ フエニルホスフィノチオイル、 F m o cなどが挙げられる。
原料アミノ酸のカルボキシル基は、 例えば、 アルキルエステル化 (例えば、 メ チル、 ェチル、 プロピル、 ブチル、 t一ブチル、 シクロペンチル、 シクロへキシ ル、 シクロへプチル、 シクロォクチル、 2—ァダマンチルなどの直鎖状、 分枝状 もしくは環状アルキルエステル化) 、 ァラルキルエステル化 (例えば、 ベンジル エステル、 4一二トロべンジルエステル、 4—メトキシベンジルエステル、 4— クロ口べンジルエステル、 ベンズヒドリルエステル化) 、 フエナシルエステル化 、 ベンジルォキシカルボニルヒドラジド化、 t一ブトキシカルボニルヒドラジド ィ匕、 トリチルヒドラジド化などによつて保護することができる。
セリンの水酸基は、 例えば、 エステル化またはエーテル化によって保護するこ とができる。 エステル化に適する基としては、 例えば、 ァセチル基などの低級 ( C ^) アルカノィル基、 ベンゾィル基などのァロイル基、 ベンジルォキシカルボ ニル基、 ェトキシカルボニル基などの炭酸から誘導される基などが挙げられる。 また、 ェ一テル化に適する基としては、 例えば、 ベンジル基、 テトラヒドロピラ ニル基、 t一ブチル基などが挙げられる。
チロシンのフエノール性水酸基の保護基としては、 例えば、 Bz 1、 C 12- Bz l、 2—二トロベンジル、 B r— Z、 t一ブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、 例えば、 To s、 4—メトキシ -2, 3, 6—トリメチルベンゼンスルホニル、 DNP、 ベンジルォキシメチル 、 Bum、 Bo c、 Tr t、 Fmo cなどが用いられる。
原料アミノ酸のカルボキシル基の活性化されたものとしては、 例えば、 対応す る酸無水物、 アジド、 活性エステル 〔アルコール (例えば、 ペンタクロロフエノ ール、 2, 4, 5—トリクロ口フエノール、 2, 4—ジニトロフエノール、 シァ ノメチルアルコール、 パラニトロフエノール、 HONB、 N—ヒドロキシスクシ ミド、 N—ヒドロキシフタルイミド、 HOB t) とのエステル〕 などが用いられ る。 原料アミノ酸のァミノ基の活性化されたものとしては、 例えば、 対応するリ ン酸アミドが用いられる。 '
保護基の除去 (脱離) 方法としては、 例えば、 Pd—黒あるいは Pd—炭素な どの触媒の存在下での水素気流中での接触還元;無水フッ化水素、 メタンスルホ ン酸、 トリフルォロメ夕ンスルホン酸、 トリフルォロ酢酸あるいはこれらの混合 液などによる酸処理;ジイソプロピルェチルァミン、 トリェチルァミン、 ピペリ ジン、 ピぺラジンなどによる塩基処理;液体アンモニア中ナトリウムによる還元 などが挙げられる。 上記酸処理による脱離反応は、 一般に約一 20°C〜40°Cの 温度で行なわれる。 酸処理においては、 例えば、 ァニソール、 フエノール、 チォ ァニソ一ル、 メタクレゾール、 パラクレゾール、 ジメチルスルフィド、 1, 4— ブタンジチオール、 1, 2—エタンジチオールなどのようなカチオン捕捉剤の添 加が有効である。 また、 ヒスチジンのイミダゾ一ル保護基として用いられる 2, 4—ジニトロフエニル基は、 チォフエノール処理により除去される。 トリプトフ アンのインドール保護基として用いられるホルミル基は、 1, 2—ェタンジチォ ール、 1, 4—ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外に、 希 水酸化ナトリウム溶液、 希アンモニアなどによるアルカリ処理によっても除去さ れる。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護方法ならびに保護基、 およびその 保護基の脱離方法、 反応に関与する官能基の活性化方法などは、 公知の基または 公知の手段から適宜選択しうる。
タンパク質のアミド体は、 公知の方法にしたがい、 該タンパク質のカルポキシ 末端アミノ酸の α—力ルポキシル基をアミド化することによって製造することが できる。
タンパク質のエステル体は、 例えば、 該タンパク質のカルポキシ末端アミノ酸 の α—力ルポキシル基を所望のアルコール類と縮合することによって製造するこ とができる。
さらに、 本発明のタンパク質またはその塩は、 本発明のタンパク質をコードす る D NAを含有する形質転換体を培養し、 得られる培養物から本発明のタンパク 質またはその塩を分離精製す'ることによって製造することもできる。
本発明のタンパク質をコードする D NAとしては、 ゲノム D NA、 ゲノム D N Aライブラリ一、 上記した細胞 ·組織由来の c D N A、 上記した細胞 ·組織由来 の c D NAライブラリー、 合成 D NAなどが挙げられる。 ライブラリ一に使用す るベクターは、 バクテリオファージ、 プラスミド、 コスミド、 ファージミドなど いずれであってもよい。 また、 上記した細胞 ·組織より total R NAまたは mR N A画分を調製したものを用いて直接 Reverse Transcriptase Polymerase Chain React ion (以下、 R T- P C R法と略称する) によって増幅することもできる。 本発明のタンパク質 (P r R P ) をコードする D NAとしては、 例えば、 配列 番号: 2、 配列番号: 4、 配列番号: 6または配列番号: 8で表される塩基配列 を含有する D NA、 または配列番号: 2、 配列番号: 4、 配列番号: 6または配 列番号: 8で表される塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイプリダイ ズする塩基配列を含有し、 前記した配列番号: 1で表されるアミノ酸配列を含有 するタンパク質と実質的に同質の活性 (例、 リガンド結合活性、 シグナル情報伝 達作用など) を有するタンパク質をコードする D NAなどが挙げられる。 以下、 本発明のタンパク質が P r R P受容体を示す場合は、 「配列番号: 2、 配列番号 : 4、 配列番号: 6または配列番号: 8」 を 「配列番号: 1 0」 に読み替えるも のとする。
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配列番号': 2、 配列番号: 4、 配列番号: 6または配列番号: 8で表される塩 基配列とハイストリンジェントな条件下でハイプリダイズできる D NAとしては 、 例えば、 配列番号: 2、 配列番号: 4、 配列番号: 6または配列番号: 8で表 される塩基配列と約 5 0 %以上、 好ましくは約 6 0 %以上、 さらに好ましくは約 7 0 %以上、 より好ましくは約 8 0 %以上、 特に好ましくは約 9 0 %以上、 最も 好ましくは約 9 5 %以上の相同性を有する塩基配列を含有する D N Aなどが用い られる。
ハイブリダィゼーシヨンは、 公知の方法あるいはそれに準じる方法、 例えば、 モレキュラー'クローニング (Molecular Cloning) 2 nd (J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方法などに従って行なうこと ができる。 また、 市販のライブラリ一を使用する場合、 ハイブリダィゼ一シヨン は、 添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。 ハイブリダィ ゼーシヨンは、 好ましくは、 ハイストリンジェントな条件に従って行なうことが できる。
ハイストリンジェントな条件とは、 例えば、 ナトリウム濃度が約 1 9〜4 0 m M、 好ましくは約 1 9〜 2 0 mMで、 温度が約 5 0〜 7 0 °C、 好ましくは約 6 0 〜 6 5 °Cの条件を示す。 特に、 ナトリゥム濃度が約 1 9 mMで温度が約 6 5 °Cの 場合が好ましい。
配列番号: 1で表されるアミノ酸配列を含有するタンパク質をコードする D N Aは、 好ましくは配列番号: 2、 配列番号: 4、 配列番号: 6または配列番号: 8で表される塩基配列を含有する D N Aなどである。
本発明のタンパク質を完全にコードする D NAは、 本発明のタンパク質をコー ドする塩基配列の一部分を有する合成 D NAプライマ一を用いて P C R法によつ て増幅するか、 または適当な発現べクタ一に組み込んだ D NAを本発明のタンパ ク質の一部あるいは全領域をコ一ドする D NA断片もしくは合成 D NAを用いて 標識したものとハイブリダィゼ一シヨンすることによってクロ一ニングすること ができる。 ハイブリダィゼ一シヨンは、 例えば、 モレキュラー ·クローニング ( Molecular Cloning) 2 nd (J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab.
Press, 1989) に記載の方法などに従って行なうことができる。 また、 市販のラ
イブラリーを使用する場合、 ハイブリダィゼーシヨンは、 該ライブラリーに添付 された使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。
DN Aの塩基配列は、 公知のキット、 例えば、 Mutan™- super Express Km (宝 酒造 (株) ) 、 Mutan™- K (宝酒造 (株) ) 等を用いて、 ODA-LA PCR法、 Gapped duplex法、 Kimkel法等の公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従って変換す ることができる。
クローン化されたタンパク質をコードする DNAは、 目的によりそのまま、 ま たは所望により制限酵素で消化するか、 リンカ一を付加した後に、 使用すること ができる。 該 DNAはその 5 ' 末端側に翻訳開始コドンとしての ATGを有し、 また 3 ' 末端側には翻訳終止コドンとしての TAA、 TGAまたは TAGを有し ていてもよい。 これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、 適当な合成 DNA アダプターを用いて付加することができる。
前記した発現ベクターは、 例えば、 本発明のタンパク質をコードする DNAか ら目的とする DNA断片を切り出し、 該 DNA断片を適当な発現べクタ一中のプ 口モーターの下流に連結することにより製造することができる。
発現ベクターとしては、 大腸菌由来のプラスミド (例、 pBR 3 2 2, pBR 3 2 5, pUC 1 2, pUC 1 3) ;枯草菌由来のプラスミド (例、 pUB l l 0, TP 5, p C 1 94) ;酵母由来プラスミド (例、 p SH 1 9, p SH l 5) ; λファージなどのバクテリオファージ;レトロウイルス, ワクシニアウイ ルス, バキュロウィルスなどの動物ウィルス; ρΑΙ _ 1 1、 pXT l、 pRc /CMV、 pRc/RSV、 p cDNA i ZNe oなどが用いられる。
プロモータ一としては、 遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロモー ターであればいかなるものでもよい。 '
例えば、 宿主が動物細胞である場合、 S Rひプロモー夕一、 S V 40プロモー 夕一、 LTRプロモーター、 CMV (サイトメガロウィルス) プロモーター、 H SV-TKプロモーターなどが用いられる。 なかでも、 CMVプロモータ一、 S Rひプロモーターなどが好ましい。
宿主がェシエリヒア属菌である場合、 t r pプロモーター、 l acプロモ一夕
―、 r e cAプロモーター、 APLプロモー夕一、 l ppプロモーター、 Τ7プ 口モーターなどが好ましい。
宿主がバチルス属菌である場合、 SPOlプロモーター、 S P〇2プロモータ 一、 p e η Ρプロモーターなどが好ましい。
宿主が酵母である場合、 ΡΗΟ 5プロモーター、 PGKプロモータ一、 GAP プロモーター、 ADHプロモーターなどが好ましい。
宿主が昆虫細胞である場合、 ポリヘドリンプロモーター、 P 10プロモーター などが好ましい。
発現ベクターとしては、 上記の他に、 所望によりェンハンサー、 スプライシン グシグナル、 ポリ A付加シグナル、 選択マーカー、 SV40複製オリジン (以下 、 S V40 o r iと略称する場合がある) などを含有しているものを用いること ができる。 選択マ一カーとしては、 例えば、 ジヒドロ葉酸還元酵素 (以下、 dh f rと略称する場合がある) 遺伝子 〔メソトレキセート (MTX) 耐性〕 、 アン ピシリン耐性遺伝子 (以下、 Ampfと略称する場合がある) 、 ネオマイシン耐 性遺伝子 (以下、 Ne orと略称する場合がある、 G418耐性) 等が挙げられ る。 特に、 dh f r遺伝子欠損チャイニーズハムス夕一細胞を用い、 dh f r遺 伝子を選択マーカ一として使用する場合、 目的遺伝子をチミジンを含まない培地 によって選択することもできる。
また、 必要に応じて、 宿主に合ったシグナル配列を、 本発明のタンパク質の N 端末側に付加してもよい。 宿主がェシエリヒア属菌である場合、 PhoA 'シグ ナル配列、 〇mp A ·シグナル配列などが;宿主がバチルス属菌である場合、 ひ 一アミラーゼ ·シグナル配列、 サブチリシン ·シグナル配列などが.;宿主が酵母 である場合、 MF ·シグナル配列、 SUC 2 ·シグナル配列などが;宿主が動 物細胞である場合、 インシュリン ·シグナル配列、 —インターフェロン ·シグ ナル配列、 抗体分子 ·シグナル配列などがそれぞれ用いられる。
本発明のタンパク質をコードする DN Aを含有する形質転換体は、 公知の方法 にしたがい、 該 DNAを含有する発現ベクターで、 宿主を形質転換することによ つて製造することができる。
ここで、 発現ベクターとしては、 前記したものが挙げられる。
宿主としては、 例えば、 ェシエリヒア属菌、 バチルス属菌、 酵母、 昆虫細胞、 昆虫、 動物細胞などが用いられる。
ェシエリヒア属菌としては、 例えば、 ェシエリヒア 'コリ (Escherichia col i ) Kl 2 · DH1 〔プロシージングズ .ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォ ブ 'サイェンシィズ 'ォプ ·ザ ·ユーエスエー (Pro Natl. Acad. Sci. USA) , 60巻, 160 (1968)3 , J Μ 103 〔ヌクイレック ·ァシッズ ·リサ一 チ (Nucleic Acids Research) , 9巻, 309 (1981)〕 , J A221 〔ジャ —ナル ·ォブ ·モレキュラー ·ノ ィォロジ一 (Journal of Molecular Biology) , 120巻, 517 (1978)〕 , HB 101 〔ジャーナル'ォブ 'モレキユラ 一'バイオロジー, 41巻, 459 (1969)〕 , C 600 〔ジェネティックス (Genetics) , 39巻, 44'0 (1954)〕 などが用いられる。
バチルス属菌としては、 例えば、 バチルス ·サブチルス (Bacillus subtilis ) M I 1 14 〔ジーン, 24巻, 255 (1983)] , 207-21 〔ジャーナ ル ·ォブ ·バイオケミストリ一 (Journal οί Biochemistry) , 95巻, 87 (1 984)〕 などが用いられる。
酵母としては、 例えば、 サッカロマイセス セレビシェ (Saccliaromyces cerevisiae) AH22, AH 22 R—, NA87 - 1 1 A, DKD- 5D, 20 B— 12、 シゾサッカロマイセス ボンべ (Sdiizosaccharomyces pombe) NC YC 191 3, NCYC 2036 ピキア パストリス (Pichia pastoris) K Μ71などが用いられる。
昆虫細胞としては、 例えば、 ウィルスが Ac NPVの場合、 夜盗蛾の幼虫由来 株化細胞 (Spodoptera frugiperda cell; S f細胞) 、 Trichoplusia niの中腸 由来の MG1細胞、 Trichoplusia niの卵由来の High Five™細胞、 Mamestra brassicae由来の細胞、 Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。 ウィルス が BmNPVの場合、 昆虫細胞としては、 蚕由来株化細胞 (Bombyx mori N細胞 ; BmN細胞) などが用いられる。 該 S f細胞としては、 例えば、 S f 9細胞 ( ATCC C 1711) , S f 21細胞 (以上、 Vaughn, J.L.ら、 イン ·ヴィポ (In Vivo) , 13, 213-217, (1977)) などが用いられる。
昆虫としては、 例えば、 カイコの幼虫などが用いられる 〔前田ら、 ネィチヤ一
(Nature) , 3 15巻, 592 (1985)〕 。
動物細胞としては、 例えば、 サル細胞 COS— 7, Ve r o, チャイニーズハ ムスター細胞 CHO (以下、 CHO細胞と略記) , dh f r遺伝子欠損チヤィニ ーズハムスター細胞 CHO (以下、 CHO (dh f r") 細胞と略記) , マウス L細胞, マウス At T— 20, マウスミエ口一マ細胞, ラット GH3, ヒト FL 細胞などが用いられる。
形質転換は、 宿主の種類に応じ、 公知の方法にしたがって実施することができ る。
ェシエリヒア属菌は、 例えば、 プロシ一ジングズ ·ォブ ·ザ ·ナショナル -ァ 力デミ一'ォブ 'サイェンジィズ 'ォブ ·ザ'ュ一エスェ一 (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 69巻, 2110 (1972)やジーン (Gene) , 17巻, 1 07 (1982)などに記載の方法に従って形質転換することができる。
バチルス属菌は、 例えば、 モレキュラー -アンド -ジェネラル ·ジエネティッ クス (Molecular & General Genetics) , 168巻, 1 1 1 (1979)などに 記載の方法に従って形質転換することができる。
酵母は、 例えば、 メソッズ 'イン ·ェンザィモロジ一 (Methods in
Enzymology) , 194巻, 182— 187 (1991) 、 プロシージングズ ·ォ ブ-ザ.ナショナル ·アカデミー ·ォブ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ ·ユーエス エー (Pro Natl. Acad. Sci. USA) , 75巻, 1929 ( 1 978)などに記載 の方法に従つて形質転換することができる。
昆虫細胞および昆虫は、 例えば、 バイオ Zテクノロジ一 (Bio/Teclmology) , 6, 47- 55 (1988)などに記載の方法に従って形質転換することができる。
動物細胞は、 例えば、 細胞工学別冊 8 新細胞工学実験プロトコール. 263 - 267 (1995) (秀潤社発行) 、 ヴイロロジー (Virology) , 52巻, 4 56 (1973)に記載の方法に従って形質転換することができる。
形質転換体の培養は、 宿主の種類に応じ、 公知の方法にしたがって実施するこ とができる。
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例えば、 宿主がェシエリヒア属菌またはバチルス属菌である形質転換体を培養 する場合、 培養に使用される培地としては液体培地が好ましい。 また、 培地は、 形質転換体の生育に必要な炭素源、 窒素源、 無機物などを含有することが好まし レ^ ここで、 炭素源としては、 例えば、 グルコース、 デキストリン、 可溶性澱粉 、 ショ糖などが;窒素源としては、 例えば、 アンモニゥム塩類、 硝酸塩類、 コー ンスチープ ·リカー、 ペプトン、 カゼイン、 肉エキス、 大豆粕、 バレイショ抽出 液などの無機または有機物質が;無機物としては、 例えば、 塩化カルシウム、 リ ン酸ニ水素ナトリウム、 塩化マグネシウムなどがそれぞれ挙げられる。 また、 培 地には、 酵母エキス、 ビタミン類、 生長促進因子などを添加してもよい。 培地の pHは、 好ましくは約 5〜 8である。
宿主がェシエリヒア属菌である形質転換体を培養する場合の培地としては、 例 えば、 グルコース、 カザミノ酸を含む M 9培地 〔ミラ一 (Miller) , ジャーナル •ォブ ·ェクスペリメンッ ·イン ·モレキュラー ·ジエネティックス (Journal of Experiments in Molecular Genetics) , 431 -433, Cold Spring Harbor Laboratory, New York 1 972] が好ましい。 必要により、 プロモー夕 一を効率よく働かせるために、 例えば、 3 3—インドリルアクリル酸のような薬 剤を培地に添加してもよい。
宿主がェシエリヒア属菌である形質転換体の培養は、 通常約 15〜43°Cで、 約 3〜24時間行なわれる。 必要により、 通気や撹拌を行ってもよい。
宿主がバチルス属菌である形質転換体の培養は、 通常約 30〜40°Cで、 約 6 〜 24時間行なわれる。 必要により、 通気や撹拌を行ってもよい。
宿主が酵母である形質転換体を培養する場合の培地としては、 例えば、 バーク ホールダ一 (Burkholder) 最小培地 〔Bostian, K. L. ら、 プロシージングズ' ォブ.ザ.ナショナル ·アカデミー ·ォブ 'サイェンシィズ'ォブ 'ザ 'ユーェ スエー (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) , 77巻, 4505 (1980)〕 や 0 . 5%カザミノ酸を含有する SD培地 CBitter, G. A. ら、 プロシージングズ- ォブ ·ザ ·ナショナル ·アカデミー ·ォプ ·サイェンシィズ ·ォブ ·ザ,ユーェ スエー (Pro Natl. Acad. Sci. USA) , 81巻, 5330 (1984) 〕 などが挙げられる。 培地の ρΗは、 好ましくは約 5〜8である。 培養は、 通常約
20で〜 35°Cで、 約 24〜72時間行なわれる。 必要に応じて、 通気や撹拌を 行ってもよい。
宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体を培養する場合の培地としては、 例えば Grace's Insect Medium (Grace, T. C. C.,ネイチヤー (Nature)
, 195, 788 (1962)) に非動化した 10 %ゥシ血清等の添加物を適宜加えたものなど が用いられる。 培地の pHは、 好ましくは約 6. 2〜6. 4である。 培養は、 通 常約 27°Cで、 約 3〜5日間行なわれる。 必要に応じて通気や撹拌を行ってもよ い。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する場合の培地としては、 例えば、 約 5〜20%の胎児牛血清を含む MEM培地 〔サイエンス (Science) , 122巻 , 50 1 (1952)〕 , DMEM培地 〔ヴイロロジー (Virology) , 8巻, 39 6 (1959)〕 , RPMI 1640培地 〔ジャーナル'ォブ'ザ'アメリカン ' メティカル-アソシエーション (The Journal of the American Medical Association) 199巻, 5 19 (1967)〕 , 199培地 〔プロシージング' ォブ.ザ.ソサイエティ .フォー .ザ 'バイオロジカル ·メディスン (
Proceeding of the Society for the Biological Medicine) , 73巻, 1 (1 950)〕 などが用いられる。 培地の pHは、 好ましくは約 6〜8である。 培養 は、 通常約 30°C〜40°Cで、 約 15〜60時間行なわれる。 必要に応じて通気 や撹拌を行ってもよい。
以上のようにして、 形質転換体の細胞内、 細胞膜または細胞外に本発明のタン パク質を製造することができる。
前記形質転換体を培養して得られる培養物から本発明のタンパク質を公知の方 法にしたがつて分離精製することができる。
例えば、 本発明のタンパク質を培養菌体あるいは細胞から抽出する場合、 培養 物から公知の方法で集めた菌体あるいは細胞を適当な緩衝液に懸濁し、 超音波、 リゾチームおよび Zまたは凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壌した後
、 遠心分離やろ過によりタンパク質の粗抽出液を得る方法などが適宜用いられる
。 該緩衝液は、 尿素や塩酸グァニジンなどの蛋白質変性剤や、 トリトン X— 10
0™などの界面活性剤を含んでいてもよい。 培養物中に夕ンパク質が分泌される 場合には、 培養物から、 公知の方法で培養上清を集める方法が用いられる。 このようにして得られた培養上清、 あるいは抽出液中に含まれるタンパク質の 精製は、 公知の方法にしたがって分離精製することができる。 このような方法と しては、 塩析ゃ溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法;透析法、 限外ろ過法、 ゲルろ過法、 および S D S—ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主として 分子量の差を利用する方法;イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利 用する方法;ァフィ二ティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する 方法;逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法;等電 点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法;などが用いられる。 これらの方 法は、 適宜組み合わせることもできる。
かくして得られるタンパク質が遊離体として得られた場合には、 公知の方法あ るいはそれに準じる方法によって、 該遊離体を塩に変換することができ、 タンパ ク質が塩として得られた場合には、 公知の方法あるいはそれに準じる方法により 、 該塩を遊離体または他の塩に変換することができる。
なお、 形質転換体が産生するタンパク質を、 精製前または精製後に適当な蛋白 修飾酵素を作用させることにより、 任意に修飾を加えたり、 ポリペプチドを部分 的に除去することもできる。 該蛋白修飾酵素としては、 例えば、 トリプシン、 キ モトリプシン、 アルギニルエンドべプチダーゼ、 プロテインキナーゼ、 ダリコシ ダーゼなどが用いられる。
かくして得られる本発明のタンパク質の存在は、 特異抗体を用いたェンザィム ィムノアツセィゃウエスタンブロッテイングなどにより確認することができる。 本発明のタンパク質が関連する疾患としては、 正常時と比較した場合に、 本発 明のタンパク質の量が増加あるいは減少している疾患が挙げられる。
ここで、 「正常時と比較した場合に、 本発明のタンパク質の量が減少している 疾患」 としては、 例えば統合失調症、 高血圧、 火傷など (好ましくは、 統合失調 症病など) が挙げられる。
「正常時と比較した場合に、 本発明のタンパク質の量が増加している疾患」 と しては、 例えばパーキンソン病、 運動機能障害性疾患 (具体的には、 急性ジスト
ニァ反応、 正座不能 (運動不能) 、 遅発性ジネスキー (口腔顔面) 、 窮迫性運動 障害、 不能性運動障害) 、 うつ病、 神経症、 全般性不安障害、 アルツハイマー病
、 、 肝炎 (慢性肝炎、 劇症肝炎、 亜急性肝炎など)、 肝硬変、 肝線維症、 糖尿病、 慢性心不全、 末端肥大症、 甲状腺機能亢進症、 心身症など (好ましくは、 パ一キ ンソン病など) が挙げられる。
また、 本発明のタンパク質の活性 (または機能; 「P r R Pと P r R P受容体 との結合」 も含む) を促進 (または亢進) することにより、 予防 '治療が可能な 疾患としては、 例えば統合失調症、 高血圧、 火傷など (好ましくは、 統合失調症 病など) が挙げられる。 逆に、 本発明のタンパク質の活性 (または機能; 「P r R Pと P r R P受容体との結合」 も含む) を阻害 (または抑制) することにより
、 予防 ·治療が可能な疾患としては、 例えばばパーキンソン病、 運動機能障害性 疾患 (具体的には、 急性ジス'トニア反応、 正座不能 (運動不能) 、 遅発性ジネス キー (口腔顔面) 、 窮迫性運動障害、 不能性運動障害) 、 うつ病、 神経症、 全般 性不安障害、 アルツハイマー病、 肝炎、 肝硬変、 肝線維症、 糖尿病、 慢性心不全 、 末端肥大症、 甲状腺機能亢進症、 心身症など (好ましくは、 パーキンソン病な ど) が挙げられる。
本発明は、 本発明のタンパク質を用いることを特徴とする、 該タンパク質が関 連する疾患の予防■治療物質のスクリーニング方法に関する。
本発明のスクリーニング方法は、 例えば、
1 ) 本発明のタンパク質 (P r R Pおよび/または P r R P受容体;好ましくは P r R P受容体) を産生する能力を有する細胞を培養した場合と、 本発明のタン パク質を産生する能力を有する細胞を試験化合物の存在下に培養した場合とで、 本発明のタンパク質の生産量を比較すること;
2 ) 本発明のタンパク質 (P r R Pおよび Zまたは P r R P受容体;好ましくは P r R P受容体) を産生する能力を有する細胞を培養した場合と、 本発明のタン パク質 (P r R Pおよび/または P r R P受容体;好ましくは P r R P受容体) を産生する能力を有する細胞を試験ィ匕合物 (P r R Pが共存していてもよい) の 存在下に培養した場合とで、 本発明のタンパク質の活性を比較すること;
3 ) 試験化合物が共存する場合と共存しない場合とで、 本発明のタンパク質 (P r R Pおよび Zまたは P r R P受容体;好ましくは P r R P受容体) の活性を比 較すること;などによって行われる。
本発明のタンパク質を産生する能力を有する細胞は、 該タンパク質を産生する 能力を有する細胞である限り特に限定されないが、 酸化ストレスや増殖因子処理 などの各種刺激に応じて本発明のタンパク質 (好ましくは P r R P ) の産生が誘 導されるものが好ましい。
本発明のタンパク質を産生する能力を有する細胞は、 前記した 「本発明のタン パク質をコードする D NAを含有する形質転換体」 であってもよい。 本発明の夕 ンパク質を産生する能力を有する細胞の好適な例としては、 哺乳動物 (好ましく は、 ヒト、 ラット、 マウスなど) から単離された細胞などが挙げられる。 これら の細胞は不死化されたもので'あつてもよい。
本発明のタンパク質を産生する能力を有する細胞の培養は、 前記した形質転換 体と同様にして行われる。
試験化合物としては、 例えばペプチド、 タンパク質、 非ペプチド性化合物、 合 成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液などが挙げら れる。
本発明のタンパク質は、 公知の方法、 例えば、 本発明のタンパク質に対する抗 体を用いて、 ウェスタン解析、 E L I S A法などの方法またはそれに準じる方法 に従って定量することができる。
本発明のタンパク質に対する抗体は、 本発明のタンパク質を認識し得る抗体で あれば、 モノクローナル抗体またはポリクロ一ナル抗体の何れであってもよい。 また、 · 該抗体は、 抗体分子そのものであってもよいし、 抗体分子の F ( a b ' ) 2 、 F a b '、 あるいは F a b画分であってもよい。 また、 抗体は標識されていて もよい。
抗体の標識に用いられる標識剤としては、 例えば、 放射性同位元素、 酵素、 蛍 光物質、 発光物質などが用いられる。 放射性同位元素としては、 例えば、 〔125 1 〕 、 〔131 I〕 、 〔3H〕 、 〔"C〕 などが用いられる。 酵素としては、 安定で比活 性の大きなものが好ましく、 例えば、 β—ガラクトシダ一ゼ、 ]3—ダルコシダー
ゼ、 アルカリフォスファターゼ、 パ一ォキシダーゼ、 リンゴ酸脱水素酵素などが 用いられる。 蛍光物質としては、 例えば、 フルォレスカミン、 フルォレツセンィ ソチオシァネートなどが用いられる。 発光物質としては、 例えば、 ルミノール、 ルミノール誘導体、 ルシフェリン、 ルシゲニンなどが用いられる。 さらに、 抗体 あるいは抗原と標識剤との結合にピオチン一アビジン系を用いることもできる。 本発明のタンパク質を定量する際、 定量されるタンパク質は、 細胞内に含まれ るものまたは細胞外に分泌、されたもののいずれであってもよく、 さらに両者の合 計であってもよい。
また、 細胞内に含まれる本発明のタンパク質を定量する場合、 細胞を適当な固 定液あるいは膜透過促進剤処理した後に行うことが好ましい。 また、 細胞を適当 な緩衝液に懸濁し、 超音波または凍結融解などによって細胞を破壊した後、 破砕 液中のタンパク質を定量する'こともできる。 必要により、 破砕液中のタンパク質 を分離精製した後に、 タンパク質の定量を行ってもよい。
本発明のスクリーニング方法において用いられる本発明のタンパク質の活性と しては、 例えばド一パミン神経の活性化などが挙げられる。 具体的には、 ドーパ ミン放出促進作用、 ドーパミン受容体の作動作用、 モノアミン酸化酵素 B型阻害 作用などが挙げられる。
該ポリヌクレオチドとしては、 例えば、 後述の配列番号: 2、 配列番号: 4、 配列番号: 6または配列番号: 8で表される塩基配列を含有するポリヌクレオチ ド (好ましくは、 配列番号: 2、 配列番号: 4、 配列番号: 6または配列番号: 8で表される塩基配列を有するポリヌクレオチド) が挙げられる。
上記活性は、 公知の方法、 例えば ΉΡΙ を用いたモノアミン量測定法またはそれ に準じる方法に従って測定することができる。
上記スクリーニング方法によって、 本発明のタンパク質が関連する疾患の予防 ·治療物質、 すなわち、 本発明のタンパク質の産生を調節 (促進または阻害) さ せる化合物、 あるいは本発明のタンパク質の活性 (または機能) を調節 (促進 ( または亢進) または阻害) する化合物をスクリーニングすることができる。
例えば、 本発明のタンパク質の量を約 2 0 %以上、 好ましくは 3 0 %以上、 よ り好ましくは約 5 0 %以上増大させる試験化合物を、 本発明のタンパク質の産生
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を促進する化合物として;本発明のタンパク質の量を約 2 0 %以上、 好ましくは 3 0 %以上、 より好ましくは約 5 0 %以上減少させる試験化合物を本発明のタン パク質の産生を阻害する化合物として、 それぞれ選択することができる。
例えば、 本発明のタンパク質の活性を約 2 0 %以上、 好ましくは 3 0 %以上、 より好ましくは約 5 0 %以上増大させる試験化合物を、 本発明のタンパク質の活 性を促進する化合物 (好ましくは、 P r R P受容体のァゴニスト) として;本発 明のタンパク質の活性を約 2 0 %以上、 好ましくは 3 0 %以上、 より好ましくは 約 5 0 %以上減少させる試験化合物を本発明のタンパク質の活性を阻害する化合 物 (好ましくは、 P r R P受容体のアン夕ゴニスト) として、 それぞれ選択する ことができる。
また、 本発明のタンパク質を定量することによって、 被検体中における該タン パク質の量の増加または減少が確認された場合、 被検体が本発明のタンパク質が 関連する疾患に罹患しているか、 または被検体が該疾患に罹患する可能性が高い と診断することができる。
さらに、 本発明のタンパク質の活性を測定することによって、 被検体中におけ る該タンパク質の活性の増大または減少が確認された場合、 被検体が本発明の夕 ンパク質が関連する疾患に罹患しているか、 または被検体が該疾患に罹患する可 能性が高いと診断することができる。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる本発明のタンパク質が関連する 疾患の予防 ·治療物質は、 ペプチド、 タンパク、 非ペプチド性化合物、 合成化合 物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽出液、 血漿などのいずれ であってもよい。 これらは塩を形成していてもよく、 該塩の具体例としては、 前 記した本発明の夕ンパク質の塩と同様のものが挙げられる。
本発明のタンパク質に対する抗体は、 該タンパク質を抗原として用い、 公知の 抗体または抗血清の製造法に従って製造することができる。 本発明のタンパク質 に対するモノクローナル抗体またはポリク口一ナル抗体は、 例えば以下のように して製造することができる。
〔モノクローナル抗体の作製〕
( a ) モノクローナル抗体産生細胞の作製
本発明のタンパク質を、 哺乳動物に対して、 投与により抗体産生が可能な部位 に、 それ自体あるいは担体、 希釈剤とともに投与する。 投与に際して抗体産生能 を高めるため、 完全フロイントアジュバン卜や不完全フロイン卜アジュバントを 投与してもよい。 投与は通常 2〜 6週毎に 1回ずつ、 計 2〜10回程度行われる 。 用いられる哺乳動物としては、 例えば、 サル、 ゥサギ、 ィヌ、 モルモット、 マ ウス、 ラット、 ヒッジ、 ャギ、 ニヮトリが挙げられるが、 マウスおよびラッ卜が 好ましく用いられる。
例えば、 抗原で免疫された哺乳動物、 例えばマウスから抗体価の認められた個 体を選択し、 最終免疫の 2〜 5日後に脾臓またはリンパ節を採取し、 それらに含 まれる抗体産生細胞を同種または異種動物の骨髄腫細胞と融合させることにより
、 モノクローナル抗体産生ハイプリドーマを調製することができる。 抗血清中の 抗体価の測定は、 例えば、 後記の標識化タンパク質と抗血清とを反応させたのち
、 抗体に結合した標識剤の活性を測定することにより行なうことができる。 融合 操作は、 既知の方法、 例えば、 ケーラーとミルスタインの方法 〔ネイチヤー ( Nature), 256、 495 (1975)] に従い実施することができる。 融合促進剤としては
、 例えば、 ポリエチレングリコール (PEG) やセンダイウィルスなどが挙げら れるが、 好ましくは PEGが用いられる。
骨髄腫細胞としては、 例えば、 NS— 1、 P 3U1、 S P 2/0, AP— 1な どの哺乳動物の骨髄腫細胞が挙げられるが、 P 3 U 1が好ましく用いられる。 用 いられる抗体産生細胞 (脾臓細胞) 数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は、 1 : 1〜 20 : 1程度であり、 PEG (好ましくは PEG1000〜; PEG6000
) が 10〜 80 %程度の濃度で添加され、 20〜 40 °C、 好ましくは 30〜 37
°Cで 1〜 10分間ィンキュペートすることにより効率よく細胞融合を実施できる モノクローナル抗体産生ハイブリド一マは、 例えば、 タンパク質抗原を直接あ るいは担体とともに吸着させた固相 (例、 マイクロプレート) にハイブリド一マ 培養上清を添加し、 次に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロプリン抗体 (細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、 抗マウス免疫グロプリン抗体が用 いられる) またはプロテイン Aを加え、 固相に結合したモノクローナル抗体を検
出する方法;抗免疫グロプリン抗体またはプロティン Aを吸着させた固相にハイ プリドーマ培養上清を添加し、 放射性物質や酵素などで標識したタンパク質を加 え、 固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法;などによりスクリ一二 ングすることができる。
モノクローナル抗体の選別は、 公知あるいはそれに準じる方法に従って行なう ことができる。 モノクローナル抗体の選別は、 通常 HAT (ヒポキサンチン、 ァ ミノプテリン、 チミジン) を添加した動物細胞用培地で行なうことができる。 モ ノクローナル抗体の選別および育種用培地は、 ハイプリドーマが生育できるもの ならばどのような培地を用いても良い。 このような培地としては、 例えば、 1〜 2 0 %、 好ましくは 1 0〜2 0 %の牛胎児血清を含む R P M I 1 6 4 0培地、 1〜1 0 %の牛胎児血清を含む G I T培地 (和光純薬工業 (株) ) あるいはハイ プリドーマ培養用無血清培地 '(S FM— 1 0 1、 日水製薬 (株) ) などを用いる ことができる。 培養温度は、 通常 2 0〜4 0 °C、 好ましくは約 3 7 である。 培 養時間は、 通常 5日〜 3週間、 好ましくは 1週間〜 2週間である。 培養は、 通常 5 %炭酸ガス下で行なうことができる。 ハイプリドーマ培養上清の抗体価は、 上 記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
このようにして得られたモノクローナル抗体は、 公知の方法、 例えば、 免疫グ ロブリンの分離精製法 〔例、 塩析法、 アルコール沈殿法、 等電点沈殿法、 電気泳 動法、 イオン交換体 (例、 D E A E) による吸脱着法、 超遠心法、 ゲルろ過法、 抗原結合固相あるいはプロテイン Aあるいはプロテイン Gなどの活性 P及着剤によ り抗体のみを採取し、 結合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕 に従って分離 精製することができる。
〔ポリクロ一ナル抗体の作製〕
本発明のタンパク質に対するポリクロ一ナル抗体は、 公知の方法に従って製造 することができる。 例えば、 免疫抗原 (タンパク質抗原) 自体、 あるいはそれと キャリア一蛋白質との複合体をつくり、 上記のモノクローナル抗体の製造法と同 様に哺乳動物に免疫を行ない、 該免疫動物から本発明のタンパク質に対する抗体 含有物を採取して、 抗体の分離精製を行なうことにより製造することができる。
哺乳動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリアー蛋白質との複合体 に関し、 キャリア一蛋白質の種類およびキャリア一とハプテンとの混合比は、 キ ャリァ一に架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良くできれば、 どの 様なものをどの様な比率で架橋させてもよいが、 例えば、 ゥシ血清アルブミンや ゥシサイログロブリン、 へモシァニン等を重量比でハプテン 1に対し、 約 0 . 1 〜2 0、 好ましくは約 1〜5の割合で力プリングさせる方法が用いられる。 また、 ハプテンとキャリアーの力プリングには、 種々の縮合剤、 例えばダル夕 ルアルデヒドやカルポジイミド、 マレイミド活性エステル、 チオール基、 ジチォ ピリジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。
縮合生成物は、 哺乳動物に対して、 抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは 担体、 希釈剤とともに投与される。 投与に際して抗体産生能を高めるため、 完全 フロイントアジュバントゃ不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。 投 与は、 通常約 2〜 6週毎に 1回ずつ、 計約 3〜1 0回程度行なわれる。
ポリクロ一ナル抗体は、 上記の方法で免疫された哺乳動物の血液、 腹水など、 好ましくは血液から採取することができる。
抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、 上記の抗血清中の抗体価の測定と 同様にして測定できる。 ポリクローナル抗体の分離精製は、 上記のモノクローナ ル抗体の分離精製と同様の免疫グロプリンの分離精製法に従って行なうことがで きる。
本発明のスクリーニング方法により得られる 「本発明のタンパク質が関連する 疾患の予防 ·治療物質」 (化合物) は、 必要により薬理学的に許容し得る担体と ともに混合して医薬組成物とした後に、 本発明のタンパク質が関連する疾患の予 防 ·治療薬として用いることができる。
ここで、 薬理学的に許容される担体としては、 製剤素材として慣用の各種有機 あるいは無機担体物質が用いられ、 固形製剤における賦形剤、 滑沢剤、 結合剤、 崩壊剤;液状製剤における溶剤、 溶解補助剤、 懸濁化剤、 等張化剤、 緩衝剤、 無 痛化剤などとして配合される。 また必要に応じて、 防腐剤、 抗酸化剤、 着色剤、 甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。
【0 0 5 5】
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賦形剤の好適な例としては、 乳糖、 白糖、 D—マンニトール、 D—ソルビトー ル、 デンプン、 ひ化デンプン、 デキストリン、 結晶セルロース、 低置換度ヒドロ キシプロピルセルロース、 カルポキシメチルセルロースナトリゥム、 アラビアゴ ム、 デキストリン、 プルラン、 軽質無水ゲイ酸、 合成ケィ酸アルミニウム、 メタ ケィ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。
滑沢剤の好適な例としては、 ステアリン酸マグネシウム、 ステアリン酸カルシ ゥム、 タルク、 コロイドシリカなどが挙げられる。
結合剤の好適な例としては、 α化デンプン、 ショ糖、 ゼラチン、 アラビアゴム 、 メチルセルロース、 カルポキシメチルセルロース、 カルポキシメチルセルロー スナトリウム、 結晶セルロース、 白糖、 D—マンニ 1 ^一ル、 トレハロ一ス、 デキ ストリン、 プルラン、 ヒドロキシプロピルセルロース、 ヒドロキシプロピルメチ ルセルロース、 ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
崩壊剤の好適な例としては、 乳糖、 白糖、 デンプン、 カルボキシメチルセル口 ース、 カルポキシメチルセルロースカルシウム、 クロスカルメロ一スナトリウム 、 カルポキシメチルスターチナトリウム、 軽質無水ケィ酸、 低置換度ヒドロキシ プ口ピルセルロースなどが挙げられる。
溶剤の好適な例としては、 注射用水、 生理的食塩水、 リンゲル液、 アルコール 、 プロピレングリコール、 ポリエチレングリコ一ル、 ゴマ油、 トウモロコシ油、 ォリーブ油、 綿実油などが挙げられる。
溶解補助剤の好適な例としては、 ポリエチレングリコール、 プロピレングリコ —ル、 D—マンニ! ル、 トレハロース、 安息香酸ベンジル、 エタノール、 トリ スァミノメタン、 コレステロール、 トリエタノールァミン、 炭酸ナトリウム、 ク ェン酸ナトリウム、 サリチル酸ナトリウム、 酢酸ナトリウムなどが挙げられる。 懸濁化剤の好適な例としては、 ステアリルトリエタノールァミン、 ラウリル硫 酸ナトリウム、 ラウリルアミノプロピオン酸、 レシチン、 塩化ベンザルコニゥム 、 塩化べンゼトニゥム、 モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えば ポリビエルアルコール、 ポリビニルピロリドン、 カルポキシメチルセルロースナ トリウム、 メチルセルロース、 ヒドロキシメチルセルロース、 ヒドロキシェチル
P T/JP2005/017324 セルロース、 ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子;ポリソルベー ト類、 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。
等張化剤の好適な例としては、 塩化ナトリウム、 グリセリン、 D -マンニ 1 ^一 ル、 D—ソルビトール、 ブドウ糖などが挙げられる。
緩衝剤の好適な例としては、 リン酸塩、 酢酸塩、 炭酸塩、 クェン酸塩などの緩 衝液などが挙げられる。
無痛化剤の好適な例としては、 ベンジルアルコールなどが挙げられる。
防腐剤の好適な例としては、 パラォキシ安息香酸エステル類、 クロロブ夕ノー ル、 ベンジルアルコール、 フエネチルアルコール、 デヒドロ酢酸、 ソルピン酸な どが挙げられる。
抗酸化剤の好適な例としては、 亜硫酸塩、 ァスコルビン酸塩などが挙げられる 着色剤の好適な例としては、 水溶性食用タール色素 (例、 食用赤色 2号および 3号、 食用黄色 4号および 5号、 食用青色 1号および 2号などの食用色素、 水不 溶性レーキ色素 (例、 前記水溶性食用タール色素のアルミニウム塩など) 、 天然 色素 (例、 jS—カロチン、 クロロフィル、 ベンガラなど) などが挙げられる。 甘味剤の好適な例としては、 サッカリンナトリウム、 グリチルリチンニカリゥ ム、 アスパルテーム、 ステビアなどが挙げられる。
前記医薬組成物の剤形としては、 例えば錠剤、 カプセル剤 (ソフトカプセル、 マイクロカプセルを含む) 、 顆粒剤、 散剤、 シロップ剤、 乳剤、 懸濁剤などの経 口剤;および注射剤 (例、 皮下注射剤、 静脈内注射剤、 筋肉内注射剤、 腹腔内注 射剤など) 、 外用剤 (例、 経鼻投与製剤、 経皮製剤、 軟膏剤など) 、 坐剤 (例、 直腸坐剤、 膣坐剤など) 、 ペレット、 点滴剤、 徐放性製剤 (例、 徐放性マイクロ カプセルなど) 等の非経口剤が挙げられ、 これらはそれぞれ経口的あるいは非経 口的に安全に投与できる。
医薬組成物は、 製剤技術分野において慣用の方法、 例えば日本薬局方に記載の 方法等により製造することができる。 以下に、 製剤の具体的な製造法について詳 述する。 医薬組成物中の本発明のスクリーニング方法により得られる化合物の含
量は、 剤形、 該化合物の投与量などにより異なるが、 例えば約 0 . 1ないし 1 0 0重量%である。
例えば、 経口剤は、 有効成分に、 賦形剤 (例、 乳糖, 白糖, デンプン, D—マ ンニトールなど) 、 崩壊剤 (例、 カルポキシメチルセルロースカルシウムなど) 、 結合剤 (例、 ひ化デンプン, アラビアゴム, カルボキシメチルセルロース, ヒ ドロキシプロピルセルロース, ポリビニルピロリドンなど) または滑沢剤 (例、 タルク, ステアリン酸マグネシウム, ポリエチレングリコール 6 0 0 0など) な どを添加して圧縮成形し、 次いで必要により、 味のマスキング、 腸溶性あるいは 持続性を目的として、 コーティング基剤を用いて公知の方法でコ一ティングする ことにより製造される。
該コーティング基剤としては、 例えば糖衣基剤、 水溶性フィルムコーティング 基剤、 腸溶性フィルムコーティング基剤、 徐放性フィルムコーティング基剤など が挙げられる。
糖衣基剤としては、 白糖が用いられ、 さらに、 タルク、 沈降炭酸カルシウム、 ゼラチン、 アラビアゴム、 プルラン、 カルナバロウなどから選ばれる 1種または 2種以上を併用してもよい。
水溶性フィルムコーティング基剤としては、 例えばヒドロキシプロピルセル口 ース、 ヒドロキシプロピルメチルセル口一ス、 ヒドロキシェチルセルロース、 メ チルヒドロキシェチルセルロースなどのセルロース系高分子;ポリビニルァセ夕 —ルジェチルァミノアセテート、 アミノアルキルメタァクリレ一トコポリマー E 〔オイドラギッ卜 E (商品名) 、 ロームフアルマ社〕 、 ポリビニルピロリドンな どの合成高分子;プルランなどの多糖類などが挙げられる。
腸溶性フィルムコーティング基剤としては、 例えばヒドロキシプロピルメチル セルロース フタレート、 ヒドロキシプロピルメチルセルロース アセテートサ クシネート、 カルボキシメチルェチルセルロース、 酢酸フタル酸セルロースなど のセルロース系高分子;メタアクリル酸コポリマー L 〔オイドラギット L (商品 名) 、 ロームフアルマ社〕 、 メタアクリル酸コポリマ一 L D 〔オイドラギット L 一 3 0 D 5 5 (商品名) 、 ロームフアルマ社〕 、 メタアクリル酸コポリマ一 S 〔
オイドラギット s (商品名) 、 ロームフアルマ社〕 などのアクリル酸系高分子; セラックなどの天然物などが挙げられる。
徐放性フィルムコ一ティング基剤としては、 例えばェチルセルロースなどのセ ルロース系高分子;アミノアルキルメタァクリレートコポリマー R S 〔オイドラ ギット R S (商品名) 、 ロームフアルマ社〕 、 アクリル酸ェチル ·メタアクリル 酸メチル共重合体懸濁液 〔オイドラギット N E (商品名) 、 ロームフアルマ社〕 などのァクリル酸系高分子などが挙げられる。
上記したコーティング基剤は、 その 2種以上を適宜の割合で混合して用いても よい。 また、 コーティングの際に、 例えば酸化チタン、 三二酸化鉄等のような遮 光剤を用いてもよい。
注射剤は、 有効成分を分散剤 (例、 ポリソルベート 8 0, ポリオキシエチレン 硬化ヒマシ油 6 0など, ポリ チレングリコール, カルボキシメチルセルロース , アルギン酸ナトリウムなど) 、 保存剤 (例、 メチルパラベン, プロピルパラべ ン, ベンジルアルコール, クロロブ夕ノール, フエノ一ルなど) 、 等張化剤 (例 、 塩化ナトリウム, グリセリン, D—マンニ! ル, D—ソルビ] ^一ル, ブドウ 糖など) などと共に水性溶剤 (例、 蒸留水, 生理的食塩水, リンゲル液等) ある いは油性溶剤 (例、 ォリーブ油, ゴマ油, 綿実油, トウモロコシ油などの植物油 、 プロピレングリコール等) などに溶解、 懸濁あるいは乳化することにより製造 される。 この際、 所望により溶解補助剤 (例、 サリチル酸ナトリウム, 酢酸ナト リウム等) 、 安定剤 (例、 ヒト血清アルブミン等) 、 無痛化剤 (例、 ベンジルァ ルコール等) 等の添加物を用いてもよい。 注射液は、 通常、 適当なアンプルに充 填される。
このようにして得られる製剤は、 安全で低毒性であるので、 例えば、 哺乳動物 (例えば、 ヒト、 マウス、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ゥマ、 トリ、 ネコ、 ィヌ、 サル、 チンパンジーなど) に対して経口的にまたは非経口的に投与 することができる。
本発明のタンパク質が関連する疾患の予防 ·治療薬の投与量は、 対象疾患、 投 与対象、 投与ルートなどにより異なるが、 例えば、 パーキンソン病に罹患してい る成人患者 (体重 6 O k g) においては、 一日あたり、 有効成分である本発明の
スクリーニング方法により得られる化合物 (アン夕ゴニストなど) として、 約 0 . 1ないし 100mg、 好ましくは約 1. 0ないし 50mg、 'より好ましくは約 1. 0ないし 20mgである。
本発明のタンパク質に対する抗体は、 本発明のタンパク質が関連する疾患の予 防'治療薬として用いることもできる。
該予防 ·治療薬は、 本発明のタンパク質に対する抗体そのものであってもよい が、 該抗体を薬理学的に許容し得る担体とともに混合して得られる医薬組成物で あることが好ましい。 ここで、 薬理学的に許容される担体としては、 前記した 「 本発明のタンパク質が関連する疾患の予防 ·治療物質」 の場合と同様のものが挙 げられる。
該医薬組成物は、 前記した 「本発明のタンパク質が関連する疾患の予防,治療 物質」 の場合と同様にして製造することができる。
このようにして得られる製剤は、 安全で低毒性であるので、 例えば、 哺乳動物 (例えば、 ヒト、 マウス、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ゥマ、 トリ、 ネコ、 ィヌ、 サル、 チンパンジーなど) に対して経口的にまたは非経口的に投与 する とができる。
本発明のタンパク質が関連する疾患の予防 ·治療薬の投与量は、 対象疾患、 投 与対象、 投与ルートなどにより異なるが、 例えば、 パーキンソン病に罹患してい る成人患者 (体重 60 kg) においては、 一日あたり、 有効成分である本発明の タンパク質に対する抗体 (P r RPまたは P r RP受容体に対する抗体 (好まし くは、 中和抗体) など) として、 約 0. 1ないし 100mg、 好ましくは約 1. 0ないし 50mg、 より好ましくは約 1. 0ないし 20mgである。
本発明は、 さらに本発明のタンパク質をコードするポリヌクレオチド (以下、 本発明のポリヌクレオチドと略記することがある) を用いることを特徴とする、 本発明のタンパク質が関連する疾患の予防 ·治療物質のスクリーニング方法に関 する。
本発明のポリヌクレオチドは、 本発明のタンパク質をコードする塩基配列 (D NAまたは RNA、 好ましくは DNA) を含有するものであればいかなるもので あってもよい。 該ポリヌクレオチドとしては、 本発明のタンパク質をコードする
TJP2005/017324
DNA、 mRNA等の RNAが挙げられ、 これらは二本鎖または一本鎖のいずれ であってもよい。 二本鎖の場合は、 二本鎖 DNA、 二本鎖 RNAまたは DNA: RNAのハイブリッドでもよい。 一本鎖の場合は、 センス鎖 (すなわち、 コード 鎖) であっても、 アンチセンス鎖 (すなわち、 非コード鎖) であってもよい。 な お、 本発明のタンパク質をコードする DNAとしては、 前記したものが挙げられ る。
本発明のスクリーニング方法は、 例えば、 本発明のタンパク質 (P rRPおよ び/または P r RP受容体;好ましくは P r RP受容体) を産生する能力を有す る細胞を培養した場合と、 本発明のタンパク質 (P r RPおよび Zまたは P r R P受容体;好ましくは P rRP受容体) を産生する能力を有する細胞を試験化合 物の存在下に培養した場合とで、 本発明のタンパク質をコードするポリヌクレオ チドの量を比較すること;な'どによって行われる。
ここで、 本発明のタンパク質を產生する能力を有する細胞、 該細胞の培養方法 、 および試験化合物としては、 前記した本発明のタンパク質を用いるスクリー二 ング方法と同様のものが挙げられる。
本発明のタンパク質をコードするポリヌクレオチドは、 公知の方法、 例えば、 モレキュラー ·クローニング (Molecular Cloning) 2nd (J. Sambrook et al. , Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方法またはそれに準じる方法 にしたがって定量することができる。 例えば、 ポリヌクレオチドが mRNAであ る場合、 mRNAは、 公知の方法、 例えば、 プローブとして配列番号: 2、 配列 番号: 4、 配列番号: 6または配列番号: 8、 あるいはそれらの一部を含有する 核酸を用いるノーザンハイブリダィゼーシヨン;プライマ一として配列番号: 2 、 配列番号: 4、 配列番号: 6または配列番号: 8、 あるいはそれらの一部を含 有する核酸を用いる PC R法またはそれに準じる方法;などにしたがって定量す ることができる。
例えば、 本発明のタンパク質をコードするポリヌクレオチド (好ましくは mR NA) の量を約 20%以上、 好ましくは 30%以上、 より好ましくは約 50%以 上増大させる試験化合物を、 本発明の夕ンパク質をコードするポリヌクレオチド の発現を促進する化合物として;本発明のタンパク質をコードするポリヌクレオ
チド (好ましくは mR NA) の量を約 2 0 %以上、 好ましくは 3 0 %以上、 より 好ましくは約 5 0 %以上減少させる試験化合物を、 本発明のタンパク質をコード するポリヌクレオチドの発現を阻害する化合物として選択することができる。 本発明のポリヌクレオチドを用いるスクリーニング方法により得られる本発明 のタンパク質が関連する疾患の予防 ·治療物質は、 ペプチド、 タンパク、 非ぺプ チド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出液、 動物組織抽 出液、 血漿などのいずれであってもよい。 これらは塩を形成していてもよく、 該 塩の具体例としては、 前記した本発明のタンパク質の塩と同様のものが挙げられ る。
該スクリーニング方法により得られる本発明のタンパク質が関連する疾患の予 防 ·治療物質は、 必要により薬理学的に許容し得る担体とともに混合して医薬組 成物とした後に、 本発明のタシパク質が関連する疾患の予防 ·治療薬として用い ることができる。
ここで、 薬理学的に許容される担体としては、 本発明のタンパク質を用いるス クリーニング方法により得られる本発明のタンパク質が関連する疾患の予防 ·治 療物質.の場合と同様のものが挙げられる。
該医薬組成物は、 本発明のタンパク質を用いるスクリーニング方法により得ら れる本発明のタンパク質が関連する疾患の予防 ·治療物質の場合と同様にして製 造することができる。
このようにして得られる製剤は、 安全で低毒性であるので、 例えば、 哺乳動物 (例えば、 ヒト、 マウス、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ゥマ、 トリ、 ネコ、 ィヌ、 サル、 チンパンジーなど) に対して経口的にまたは非経口的に投与 することができる。
本発明のタンパク質が関連する疾患の予防 ·治療薬の投与量は、 対象疾患、 投 与対象、 投与ルートなどにより異なるが、 例えば、 パーキンソン病に罹患してい る成人患者 (体重 6 O k g ) においては、 一日あたり、 有効成分である本発明の スクリーニング方法により得られる化合物として、 約 0 . 1ないし 1 0 0 m g、 好ましくは約 1 . 0ないし 5 O m g、 より好ましくは約 1 . 0ないし 2 0 m gで ある。
本発明のタンパク質が関連する疾患の予防 ·治療物質は、 該タンパク質をコー ドする D N Aのプロモ一夕一活性を検出することによってスクリーニングするこ ともできる。
本発明のタンパク質をコードする DN Aがレポーター遺伝子で置換された細胞 あるいは非ヒト哺乳動物では、 レポーター遺伝子が本発明のタンパク質をコード する DNAのプロモーターの支配下に存在するので、 試験化合物の処理あるいは 投与後に、 レポ一ター遺伝子がコ一ドする物質の発現を確認することにより、 該 プロモータ—の活性を検出することができる。
また、 本発明のタンパク質をコードする DNAの転写調節領域とレポ一夕一遺 伝子が連結されてできたベクターを有する細胞および非ヒト哺乳動物においても 該プロモーターの活性を検出できる。
ここで、 レポ一ター遺伝子'としては、 例えば /3—ガラクトシダ一ゼ遺伝子 (1 a c Z) 、 可溶性アルカリフォスファターゼ遺伝子、 ルシフェラーゼ遺伝子など が挙げられる。
例えば、 本発明のタンパク質をコードする DNA領域の一部を大腸菌由来の /3 —ガラクトシダーゼ遺伝子 (1 a c Z) で置換している場合、 本来、 本発明の夕 ンパク質の発現する組織で、 本発明のタンパク質の代わりに |3—ガラクトシダー ゼが発現する。 したがって、 例えば、 5—ブロモ—4一クロ口— 3—インドリル —/3—ガラクトピラノシド (X— g a l ) のような —ガラクトシダーゼの基質 となる試薬を用いる染色により、 簡便に本発明のタンパク質の発現状態を確認す ることができる。 具体的には、 細胞あるいは組織切片をダルタルアルデヒドなど で固定し、 リン酸緩衝生理食塩液 (PBS) で洗浄後、 X— g a lを含む染色液 で、 室温または 3 7°C付近で、 約 30分ないし 1時間反応させた後、 組織標本を ImM EDTA/PB S溶液で洗浄することによって、 jS—ガラクトシダーゼ 反応を停止させ、 呈色を観察することにより、 細胞あるいは組織における本発明 のタンパク質の発現状態を確認することができる。 また、 常法に従い、 1 a c Z をコードする mRNAを検出してもよい。
本発明のタンパク質をコードする D NAに対するプロモーター活性を促進また は阻害する化合物は、 該タンパク質の発現、 および該タンパク質の活性を調節す るため、 本発明のタンパク質が関連する疾患の予防 ·治療薬として有用である。 本発明のタンパク質は、 例えばパーキンソン病などで発現が増加するため、 ノ\° —キンソン病における早期診断、 症状の重症度の判定、 疾患進行の予測のための マーカーとして有用である。 よって、 本発明のタンパク質に対する抗体、 本発明 の夕ンパク質をコードする D NAのアンチセンスヌクレオチドは、 本発明のスク リーニング方法により得られる化合物と同様に、 本発明のタンパク質が関連する 疾患の予防 ·治療薬として有用である。
ここで、 アンチセンスヌクレオチドとしては、 本発明のタンパク質をコードす る D N Aの塩基配列に相補的な、 または実質的に相補的な塩基配列を有し、 該 D ' N Aの発現抑制作用を有するも'のであればよいが、 ァンチセンス D N Aが好まし い。
本発明のタンパク質をコードする D NAの塩基配列に実質的に相補的な塩基配 列としては、 例えば、 該 D N Aの塩基配列に相補的な塩基配列 (すなわち、 本発 明のタンパク質をコードする D NAの相補鎖) の全塩基配列あるいは部分塩基配 列と約 7 0 %以上、 好ましくは約 8 0 %以上、 より好ましくは約 9 0 %以上、 最 も好ましくは約 9 5 %以上の相同性を有する塩基配列などが挙げられる。 特に、 本発明のタンパク質をコードする D N Aの相補鎖の全塩基配列うち、 該夕ンパク 質の N末端部位をコードする部分の塩基配列 (例えば、 開始コドン付近の塩基配 列など) の相補鎖と約 7 0 %以上、 好ましくは約 8 0 %以上、 より好ましくは約 9 0 %以上、 最も好ましくは約 9 5 %以上の相同性を有するアンチセンスヌクレ ォチドが好ましい。
具体的には、 配列番号: 2、 配列番号: 4、 配列番号: 6または配列番号: 8 で表わされる塩基配列を含有する D NAの塩基配列に相補的な、 もしくは実質的 に相補的な塩基配列、 またはその一部分を有するアンチセンスヌクレオチド;好 ましくは、 配列番号: 2、 配列番号: 4、 配列番号: 6または配列番号: 8で表 わされる塩基配列を含有する D NAの塩基配列に相補的な塩基配列、 またはその 一部分を有するアンチセンスヌクレオチド;さらに好ましくは、 配列番号: 2、
配列番号: 4、 配列番号: 6または配列番号: 8で表わされる塩基配列を含有す る D N Aの塩基配列に相補的な塩基配列、 またはその一部分を有するアンチセン スヌクレオチド;などが挙げられる。
アンチセンスヌクレオチドの構成塩基は、 通常、 1 0〜4 0個程度、 好ましく は 1 5〜3 0個程度である。
ヌクレア一ゼなどの加水分解酵素による分解を防ぐために、 アンチセンスヌク レオチドを構成する各ヌクレオチドのりん酸残基 (ホスフエ一ト) は、 例えば、 ホスホロチォエート、 メチルホスホネート、 ホスホロジチォネートなどの化学修 飾りん酸残基に置換されていてもよい。 また、 各ヌクレオチドの糖 (デォキシリ ポース) は、 2 ' — O—メチル化などの化学修飾糖構造に置換されていてもよい し、 塩基部分 (ピリミジン、 プリン) も化学修飾を受けたものであってもよく、 配列番号: 2で表わされる塩基配列を有する D NAにハイブリダィズするもので あればいずれのものでもよい。 これらのアンチセンスヌクレオチドは、 公知の D NA合成装置などを用いて製造することができる。
本発明のタンパク質をコードする D NAのアンチセンスヌクレオチドは、 低毒 性であり、 生体内における本発明のタンパク質または該タンパク質をコードする D NAの機能 (例、 チロキシン脱 5 ' —ョード化酵素活性) を抑制することがで きるので、 例えば、 本発明のタンパク質が関連する疾患の予防 ·治療薬として使 用することができる。 該アンチセンスヌクレオチドは、 本発明のタンパク質を用 いるスクリ一ニング方法により得られる本発明の夕ンパク質が関連する疾患の予 防-治療物質の場合と同様にして、 製剤化し、 哺乳動物 (例えば、 ヒト、 マウス 、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ゥマ、 トリ、 ネコ、 ィヌ、 サル、 チン パンジーなど) に対して経口的にまたは非経口的に投与することができる。 また 、 7ンチセンスヌクレオチドは、 例えばレトロウイルスベクタ一、 アデノウィル スベクター、 アデノウイルスァソシエーテッドウィルスベクターなどの適当なベ クタ一に挿入した後に投与することもできる。
7ンチセンスヌクレオチドは、 遺伝子銃やハイド口ゲル力テーテルのような力 テーテルによって投与してもよく、 エアロゾル化後、 吸入剤として気管内に局所 投与することもできる。
該アンチセンスヌクレオチドの投与量は、 対象疾患、 投与対象、 投与ルートな どにより異なるが、 例えば、 パーキンソン病に罹患している成人患者 (体重 60 kg) においては、 一日あたり、 約 0. 1ないし 100mg、 好ましくは約 1. 0ないし 50mg、 より好ましくは約 1. 0ないし 20mgである。
さらに、 本発明のタンパク質をコードする DNAのアンチセンスヌクレオチド は、 組織や細胞における該 D N Aの存在やその発現状況を調べるための診断用ォ リゴヌクレオチドプローブとして使用することもできる。
さらに、 本発明は、
(1) 本発明の蛋白質をコードする RN Aの一部を含有する二重鎖 RNA、 (2) 前記二重鎖 RNAを含有してなる医薬、
(3) 本発明の蛋白質をコードする RN Aの一部を含有するリポザィム、
(4) 前記リポザィムを含有してなる医薬も提供する。
上記アンチセンスヌクレオチドと同様に、 二重鎖 RNA (siRNAまたは RNAi; RNA interference法) 、 リポザィムなども、 本発明の蛋白質をコードするポリヌ クレオチド (例、 DNA) の発現を抑制することができ、 生体内における本発明 の蛋白質または DNAの機能、 およびそれに依存した本発明のペプチドの機能を 抑制することができるので、 例えば、 パーキンソン病、 運動機能障害性疾患 (具 体的には、 急性ジストニア反応、 正座不能 (運動不能) 、 遅発性ジネスキー (口 腔顔面) 、 窮迫性運動障害、 不能性運動障害) 、 うつ病、 神経症、 全般性不安障 害、 アルツハイマー病、 肝炎 (具体的には慢性肝炎、 劇症肝炎、 亜急性肝炎など) 、 肝硬変、 肝線維症、 糖尿病、 慢性心不全、 末端肥大症、 甲状腺機能亢進症、 心 身症などの予防 ·治療剤として使用することができる。
ここで、 二重鎖 RNAは、 公知の方法、 例えば) Mature, 411巻, 494頁, 2001年 に記載の方法に準じて、 本発明のポリヌクレオチドの配列を基に設計して製造す ることができる。
リポザィムは、 公知の方法、 例えば TRENDS in Molecular Medicine, 7巻, 221 頁, 2001年に記載の方法に準じて、 本発明のポリヌクレオチドの配列を基に設計 して製造することができる。 例えば、 本発明のタンパク質をコードする RNAの —部に公知のリポザィムを連結することによって、 所望のリポザィムを製造する
ことができる。 本発明のタンパク質をコードする RN Aの一部としては、 公知の リポザィムによって切断され得る本発明の RNA上の切断部位に近接した部分 ( RNA断片) が挙げられる。
上記の二重鎖 RNAまたはリポザィムを本発明のタンパク質が関連する疾患の 予防 ·治療薬として使用する場合、 前記したアンチセンスポリヌクレオチドと同 様にして製剤化し、 投与することができる。
【0067】
本発明のポリヌクレオチドは、 例えば、 プローブとして使用することにより、 哺乳動物 (例えば、 ヒト、 ラット、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 トリ、 ヒッジ 、 ブタ、 ゥシ、 ゥマ、 ネコ、 ィヌ、 サル、 チンパンジーなど) における本発明の タンパク質をコードする DNAまたは mRNAの異常 (遺伝子異常) を検出する ことができるので、 例えば、 '該 DNAまたは mRNAの損傷、 突然変異あるいは 発現低下や、 該 DN Aまたは mRNAの増加あるいは発現過多などの遺伝子診断 薬として有用である。
本発明のタンパク質をコードする DNAを用いる上記の遺伝子診断は、 例えば 、 公知のノーザンハイブリダィゼ一シヨンや PCR—S S CP法 (ゲノミックス (Genomics) , 第 5巻, 874〜 879頁 (1989年) 、 プロシージングズ · ォブ.ザ.ナショナル'アカデミー ·ォブ.サイェンシィズ ·ォブ.ユーェスェ ― (Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America) , 第 86巻, 2766〜2770頁 (1989年) ) などにより実 施することができる。
例えば、 ノーザンハイプリダイゼーシヨンにより発現過多または減少が検出さ れた場合や PC R— S S CP法により DNAの突然変異が検出された場合は、 例 えば、 統合失調症またはパーキンソン病などの本発明のタンパク質が関連する疾 患に罹患している可能性が高いと診断することができる。
本発明は、 さらに、 配列番号: 2、 配列番号: 4、 配列番号: 6または配列番 号: 8で表される塩基配列を有するポリヌクレオチドを含有することを特徴とす る、 本発明のタンパク質が関連する疾患の予防 ·治療薬に関する。 ここで、 配列 番号: 2、 配列番号: 4、 配列番号: 6または配列番号: 8で表される塩基配列
を有するポリヌクレオチドは、 本発明のタンパク質が結合する D NAに対するデ コィヌクレオチドである。
該ポリヌクレオチドは、 公知の方法にしたがって製造することができる。 該ポリヌクレオチドは、 低毒性であり、 生体内における本発明のタンパク質ま たは該タンパク質をコードする D NAの機能 (例、 チロキシン脱 5 ' —ョ一ド化 酵素活性) を抑制することができるので、 本発明のタンパク質が関連する疾患の 予防 ·治療薬として使用することができる。 配列番号: 5または配列番号: 6で 表される塩基配列を有するポリヌクレオチドは、 本発明の夕ンパク質を用いるス クリーニング方法により得られる本発明のタンパク質が関連する疾患の予防 ·治 療物質の場合と同様にして、 製剤化し、 哺乳動物 (例えば、 ヒト、 マウス、 ラッ ト、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ゥマ、 トリ、 ネコ、 ィヌ、 サル、 チンパンジ 一など) に対して経口的にま'たは非経口的に投与することができる。
また、 該ポリヌクレオチドは、 例えばレトロウイルスベクター、 アデノウィル スベクター、 アデノウイルスァソシェ一テツドウィルスベクターなどの適当なベ クタ一に挿入した後に投与することもできる。
該ポリヌクレオチドは、 遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのような力テーテ ルによって投与してもよく、 エアロゾル化後、 吸入剤として気管内に局所投与す ることもできる。
本発明のタンパク質が関連する疾患の予防 ·治療薬の投与量は、 対象疾患、 投 与対象、 投与ルートなどにより異なるが、 例えば、 パーキンソン病に罹患してい る成人患者 (体重 6 0 k g ) においては、 一日あたり、 有効成分である配列番号 : 5または配列番号: 6で表される塩基配列を有するポリヌクレオチドとして、 約 0 . 1ないし 1 0 O m g、 好ましくは約 1 . 0ないし 5 0 m g、 より好ましく は約 1 . 0ないし 2 O m gである。
本発明は、 さらに、 P r R P抑制薬を含有してなるパーキンソン病の予防 ·治 療薬に関する。
P r R P抑制薬としては、 生体内において、 P r R Pの産生もしくは発現;ま たは P r R Pの活性を抑制しうる物質であれば、 特に限定されず、 ペプチド、 夕 ンパク、 非ペプチド性化合物、 合成化合物、 発酵生産物、 細胞抽出液、 植物抽出
液、 動物組織抽出液、 血漿などのいずれであってもよい。 これらは塩を形成して いてもよく、 該塩の具体例としては、 前記した本発明のタンパク質の塩と同様の ものが挙げられる。
パーキンソン病の予防 ·治療薬は、 P rRP抑制薬を用いて、 本発明のタンパ ク質が関連する疾患の予防 ·治療物質の場合と同様にして製剤化することができ る。
本発明のパーキンソン病の予防 ·治療薬は、 安全で低毒性であるので、 例えば 、 哺乳動物 (例えば、 ヒト、 マウス、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブ夕、 ゥシ、 ゥ マ、 トリ、 ネコ、 ィヌ、 サル、 チンパンジーなど) に対して経口的にまたは非経 口的に投与することができる。
本発明のパーキンソン病の予防 ·治療薬の投与量は、 対象疾患、 投与対象、 投' 与ルートなどにより異なるが、 '例えば、 成人患者 (体重 60 kg) においては、 一日あたり、 有効成分である P r RP抑制薬として、 約 0. 1ないし l O Omg 、 好ましくは約 1. 0ないし 5 Omg、 より好ましくは約 1. 0ないし 20mg である。
P r RPをコードする DNAは、 例えば、 プローブとして使用することにより 、 ヒトまたは温血動物 (例えば、 ラット、 マウス、 モルモット、 ゥサギ、 トリ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ゥマ、 ネコ、 ィヌ、 サル等) における P r RPをコードす る DNAまたは mRNAの異常 (遺伝子異常) を検出することができるので、 例 えば、 該 DNAまたは mRNAの損傷、 突然変異あるいは発現低下や、 該 DNA または mRNAの増加あるいは発現過多等の遺伝子診断薬として有用である。 本発明の DNAを用いる上記の遺伝子診断は、 例えば、 公知のノーザンハイブ リダィゼ一シヨンや PCR— S S CP法 (Genomics, 第 5巻, 874〜879頁, 1989年 ) 、 Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America) , 第 86巻, 2766〜2770頁, 1989年) 、 DNAマイクロアレイ等によ り実施することができる。 本明細書において、 塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、 I UPAC— I UB Coimissioii on Biochemical Nomenclature による略号あるいは当該分
野における慣用略号に基づくものであり、 その例を下記する。 またアミノ酸に関 し光学異性体があり得る場合は、 特に明示しなければ L体を示すものとする。
DNA :デォキシリポ核酸
c DNA :相補的デォキシリポ核酸
A :アデニン
T :チミン
G :グァニン
C :シ卜シン
RNA : リポ核酸
mRNA :メッセンジャーリポ核酸
dATP :デォキシアデノシン三リン酸
dTTP :デォキシチミジン三リン酸
dGTP :デォキシグアノシン三リン酸
dCTP :デォキシシチジン三リン酸
ATP :アデノシン三リン酸
EDTA :エチレンジァミン四酢酸
SDS : ドデシル硫酸ナトリウム
G 1 y :グリシン
A 1 a :ァラニン
Va 1 :ノ Jン
Leu :ロイシン
I 1 e :ィソロイシン
S e r :セリン
Th r :スレオニン
Cy s :システィン
Me t :メチォニン
G 1 u :グルタミン酸
As :ァスパラギン酸
L y s . リ ン
A r g :アルギニン
H i s :ヒスチジン
Ph e :フエ二ルァラニン
Ty r :チロシン
T r p : トリブトファン
P r o :プロリン
A s n :ァスパラギン
G 1 n :グルタミン
pG 1 u :ピログルタミン酸 本願明細書の配列表の配列番号は、 以下の配列を示す。
〔配列番号 ·· 1〕 '
ヒト P r RPのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 2〕
ヒト P r RPをコードする cDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号: 3〕
マウス P r RPのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 4〕
マウス P r RPをコードする DNAの塩基配列を示す。 〔配列番号: 5〕
ラット P rRPのァミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 6〕
ラット P r RPをコ一ドする cDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号: 7〕
ゥシ P r RPのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 8〕
ゥシ P r RPをコ一ドする cDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号: 9〕
ヒト P r R P受容体のァミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 1 0〕
ヒト P r R P受容体をコードする c D NAの塩基配列を示す。 以下において、 実験例により本発明をより具体的にするが、 本発明はこれらに 限定されるものではない。 実施例 1
MPTP (me t hy-pheny 1 - 1 e t r aliydopy r i d i ne)投与による P r R Pノックァゥトマウス への影響
パーキンソン病モデル動物の作製として知られている MPTP (me thy- phenyl - tetrahydopyridine)を P r R Pノックァゥトマウスおよび野生型マウスに、 20 x g/kgで腹腔内に 2時間おきに 4回投与した。 投与 5日後の生存していたマウス は、 野生型マウスが 21匹中 11匹で生存率が 52%に対して、 P r R Pノックアウト マウスは 10匹中 10匹が生存し死亡する動物はなく、 生存率は 100 であった。 これ らの結果から、 P 1- R Pノックアウトマウスは、 MPTPに対して極めて耐性である ことが示唆された。 実施例 2
MPTP (me thy-pheny 1 - 1 e t r ahydopyr i d ine)投与による P r R Pノックァゥトマウス の黒質ド一パミン細胞への影響
MPTP (me thy-pheny 1-t e t r ahydopyr id ine)は、 黒質のド一パミン細胞を変性脱落 させることによりパーキンソン病を発症させることが知られている。 そこで、 実 施例 1と同様の方法で MPTPまたはコントロールとして生理食塩水を投与した P r R Pノックアウトマウスおよび野生型マウスの脳を摘出後、 5%ァクロレイン (東 京化成工業) を含む 0. 07Mリン酸緩衝液 (pH 7. 4)で浸漬固定した。 次に 30%ショ 糖を含むリン酸緩衝食塩水 (PBS)に 2日以上浸潰した。 免疫組織化学にはフリー フローティング法を使用した。 まず cryomicrotomeを用いて 40 / πιの厚さの前頭断 凍結切片を作製した。 次に切片を PBSに浸して洗浄および浸水化させた後、 内因 性のペルォキシターゼ活性を 0. 5%メタ過ヨウ素酸ナトリゥムを含む PBSによる処
理 (20分) にて失活させ、 アルデヒド基を 1%水素化ホウ素ナトリウムを含む PBS による処理 (20分) にて還元した。 さらに 1%正常ゥマ血清および 0.4% Triton X - 100 を含む PBS (TNBS)による処理 (1時間) にて非特異反応のブロッキングを 行った。 ドーパミン細胞の局在は、 チロシン水酸化酵素の存在を指標として avidin biotinylated- orseradish-peroxidase (HRP) com lex (ABC)法 (Vector Laboratory社)で可視化した。 すなわち、 切片をチロシン水酸化酵素の特異的モ ノクローナル抗体である TH2 (シグマ社) (40 xg/inl) を含む TNBSと室温で 12時 間以上反応させ、 PBSで十分洗浄した後、 biot in- conjugated donkey anti-mouse IgG (Chemicm International社) を含む TNBS (1:300)と室温で 2時間反応させた 。 PBSで十分洗浄後、 ABCと室温で 30分間反応させ、 その後基質として 0.02% 3, 3- diaminobenzidine- tetrachloride (同仁化学研究所)および 0.006% ¾02を含 む 50mM Tris- HC1 (pH 7.6)で発色反応を行った。 発色を PBS洗浄により止めた後 、 切片をスライドガラスに載せ、 脱水 ·キシレンによる透徹を行いェンテラン (Melck社)に封入し、 光学顕微鏡で黒質におけるド一パミン細胞であるチロシン 水酸化酵素陽性細胞の数を測定した。
野生型マウスでは、 生理食塩水投与群に比べ M PTP投与群では約 60 %の有意 な減少が見られたが、 P rRPノックアウトマウスでは、 生理食塩水投与群に比 ベ MP TP投与群では約 10%程度の減少であり、 有意な変化ではなかった (図 1
実施例 3
MPTP (me i y-pheny 1 - 1 e t r ahydopyr i d ine)投与による P rRPノックアウトマウス の運動量への影響
パーキンソン病と P r RPとの関係を調べるため、 MPTP投与によるパーキンソ ン病の症状として知られる運動量の低下を P r RPノックアウトマウスおよび野 生型マウスで比較した。 ロータロットにおいて各マウスの運動量を測定したとこ ろ、 野生型マウスでは、 生理食塩水投与群に比べ MP TP投与群では運動量が顕 著に減少し、 パーキンソン病と同様な症状を呈することが確認された。 これに対 し P rRPノックアウトマウスでは、 MPTP投与群は、 対照群である生理食塩
水投与群と変わらず、 運動量は正常であった (図 2 ) 。 これらの現象は、 P r R Pノックァゥトマウスは、 MPTPによるパーキンソン病の発症を抑制されている事 を示している。 実施例 4
MPTP (me t liy-pheny 1 -let r ahyd opy r i d i ne)投与による P r R Pノックァゥトマウス の脳内力テコラァミン量の測定
実施例 1と同様の方法で MPTPまたはコントロールとして生理食塩水を投与し、 最終投与 7日後に P r R Pノックァゥトマウスおよび野生型マウスの脳より線状 体部位を素早く摘出し、 液体窒素下で凍結後- 80°Cで保存した。 線状体部位のド —パミン (DA) , ドーパック(D0PM)、 HVAなどのカテコラミンの測定は、 まず、 掛 出した線状体を 100 ng/DiLイソプレテレノール (シグマ社) を含む 0. 2M過塩素酸 中でホモゲナイズ後、 ()°(:で15, 000 g、 20分遠心し、 0. 22 mのフィルタ一でろ過 した。 最終溶液として IO Lを EICOMPAK SC- 50DSカラム(3. 0 腿 x 150 卿、 エイ コム社)を用いて 190 mg/L SDSと 5 nig/L EDTA · 2Naを含む 83% 0. 1 M酢酸-クェン 酸緩衝液 (pH 3. 5) /17%メタノール溶液中で流速 0. 5 mL/minの条件下で分離し電気 化学検出法で測定した。 野生型マウスでは MPTP投与によりカテコラミンである ドーパミン (DA) , ホモゲンチジン酸 (D0PAC) , ホモバニリン酸 (HVA)ともに著しく 減少するが、 PrRPノックアウト動物ではその減少が軽減されていた (図 3 ) 。 実施例 5
MPTP (me thy-phenyl-t e t r ahydopyr id ine)投与に対する抗 P r R P中和抗体 (P2L- lCa ; EP- A-1081222参照)投与による黒質ドーパミン細胞および線条体ド一パミン 神経線維への影響
ベントバルピタール (大日本製薬)麻酔下で、雄性 C57BL/6J (日本クレア社) マ ウス、 14週齢を脳定位固定装置に固定し、頭皮を切開した。 頭蓋骨をドライヤー にて乾燥させた後、ブレダマの座標を測定し、左側脳室 (ブレダマより AP : -0. 2 讓, lateral : +1. 0 nun, depth: +2. 5 匪) の座標を求めた。 左側脳室の位置から ブレダマを挟んで反対側の頭蓋骨にデンタルドリルにて溝をつけた後、 デンタル
セメント(ジーシ一(株)、 ュニファスト I I)固定用にアンカー ·ネジ (エイコム社
) を取り付けた。 左側脳室上の頭蓋骨に、 デン夕ルドリル (浦和工業 (株)、
Model : UC100) を用いてガイド力ニューレが垂直に挿入できる穴を開け、 ガイド 力ニューレ (エイコム社) を脳室に向けて静かに下ろして,脳脊髄液が出るのを 確認した後、 求めた座標でガイド力ニューレを固定した。 固定にはデンタルセメ ントを用い、アンカー ネジが埋没するまでセメント盛り付けた。 セメントが乾 燥したことを確認してから、 マウスを固定装置から外し、 ガイド力ニューレにダ ミー力ニューレ (エイコム社) を挿入してキャップナット (エイコム社) で固定 した。 1週間の回復期間の間、動物の様子を観察すると共にハンドリングを行い馴 化させた。
使用した抗体は、 コントロール抗体として正常マウス IgG (シグマ社)または抗 PrRP中和抗体 P2L- ICaであり、 ' Centriprep (Mi l l ipore社) を用いて抗体液を濃 縮した。 吸光度 (280 nm) を測定して抗体濃度を求めた後、無菌状態の PBS (-)に て 9. 97 mg に希釈した。 希釈後、 Φ 0. 22 zfflのフィルター (Mi l l ipore社) を用 いてろ過滅菌を行った。
抗体の投与は午前中に行い、エーテル麻酔下でマウスからダミー力ニューレを 外し、抗体が入ったィンジェクションカニューレ (エイコム社) を取り付け、 覚 醒後 5分間の回復期間をおいた。 5分後正常マウス IgGまたは P2L- ICa (9. 97 mg/niL) を脳室内投与した (5 L/2 min/mouse) 。 投与後 5分間静置し、インジェ クションカニューレを外した後、エーテル麻酔下にてダミー力ニューレを取り付 けた。 抗体投与から約 24時間後、 生理食塩水 (大塚製薬) または MPTP (20 fflg/kg ) を 2時間おきに 4回腹腔内投与した (5 mL/kg) 。 MPTP投与 1週間後の 4回目の MPTP投与と同時間に、 ペントバルビタール麻酔下で、左心室より PBS (-)を灌流さ せて血液を除いた後、 5% acroleinを含む 1/15M リン酸緩衝液 (pH 7. 4) を灌 流させ、 脳摘出を行った。 その後、 5% acroleinに一晚浸漬固定し、翌日 30% sucrose/PBS (-)に置換した。 置換後、 Tissue- Tek compound (SAKURA)を用いて凍 結包埋し、 - 80°Cに保存した。
組織染色は、 クリオスタツトにて厚さ の前頭断切片を作成し、 PBS (-)に入 れた。 PBS (-)で 3回リンスして coflipoudを洗い流した後、内因性ペルォキシダ一ゼ
の不活化のため 0. 5%メタ過ヨウ素酸ナトリゥム /PBSにて 20分間処理した。 PBS (-) で 3回リンスした後、 1%水素化ホウ素ナトリゥム /PBSにて 20分間処理し、抗原の賦 活化を行つた後、 PBS (-)でリンスし、 TNBSによりプロッキングを 1時間行った。 PBS (-)でリンス後、 黒質および線条体のドーパミンニューロンのマ一力一である 抗 TH抗体 (シグマ社) を TNBSにて 8000倍希釈して一晩反応させた。 翌日、 PBS (-) で 5分 X4回洗浄した後、 TNBSで希釈したピオチン化二次抗体 (Vecotr Lab.社) を 300倍希釈して 2時間反応させ >その後 PBS (-)で 5分 X 4回洗浄した。 ABC反応を 30 分間行い、 PBS (-)で 5分 X 4回洗浄後、 0. 006% ¾02を添加した 0. 02% DAB/ Tris-HCl (pH 7. 6)により発色を行った。 PBS Hでリンスして反応を停止させた後、切片を スライドグラスに貼り付け、 伸展器で一晩乾燥させた。 翌日、 100% エタノール
(和光純薬) で 2回、 キシレン (和光純薬) で 2回、 各 5分ずつ浸潰して脱水- ' 透徹を行い、 MP500にて封入後、観察を行った。
TH陽性細胞数の計測は、ブレダマより - 3. 4 画〜 - 3. 65 腿の黒質緻密部の細胞 をブラインドをかけて 2回計測し、 その平均値を解析に用いた。 TH陽性線維は、 ブレダマより - 0. 62 顏付近の線条体の TH陽性線維密度を画像解析ソフト ( Image-Pro Plus, MediaCybernetics) にて測定した。
各群について 3個体ずっ抗 TH抗体を用いた免疫組織化学を行い、 黒質緻密部の ドーパミン細胞数および線条体の線維密度およびを計測した。 その結果、 正常マ ウス IgG と MPTPを投与した群では、 生理食塩水投与群に比較して黒質緻密部のド —パミン細胞の有意な減少が認められた (P〈0. 001) (図 4 ) 。 ド一パミン神経 線維の投射先である線条体では背外側部でドーパミン神経線維の顕著な減少が見 られ、 画像解析の結果、 生理食塩水投与群に比較して有意な減少が認められた ( Pく 0. 05) (図 5 ) 。 一方、 PrRP中和抗体を投与した P2L- ICa と MPTP投与群では、 正常マウス IgGと MPTPを投与した群に比較してドーパミン細胞 (図 4) およびドー パミン神経線維(図 5)減少に有意な改善効果が認められた。 ' 産業上の利用可能性
本発明のスクリーニング法によれば、 優れた効果を有し、 かつ、 副作用のない パーキンソン病などの予防 ·治療薬をスクリーニングすることができる。