JPH10146192A - 新規生理活性物質、その製造法および用途 - Google Patents

新規生理活性物質、その製造法および用途

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JPH10146192A
JPH10146192A JP8348328A JP34832896A JPH10146192A JP H10146192 A JPH10146192 A JP H10146192A JP 8348328 A JP8348328 A JP 8348328A JP 34832896 A JP34832896 A JP 34832896A JP H10146192 A JPH10146192 A JP H10146192A
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州司 日沼
Yuugo Habatake
祐吾 羽畑
Yuji Kawamata
裕二 川俣
Masaki Hosoya
昌樹 細谷
Akira Fujii
亮 藤井
Masashi Fukuzumi
昌司 福住
Chieko Kitada
千恵子 北田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規生理活性物質、その製造法および用途の提
供。 【解決手段】本発明は、ヒト下垂体およびマウス膵臓由
来のG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩、該
G蛋白質共役型レセプター蛋白質がリガンドとして認識
するポリペプチドに関する。本発明のポリペプチドまた
は該ポリペプチドをコードするDNA等は、組換え型
レセプター蛋白質の発現系を用いたレセプター結合アッ
セイ系の開発と医薬品候補化合物のスクリーニング、
下垂体機能調節剤、中枢機能調節剤または膵臓機能調節
剤などの医薬の開発等に用いることができる。特に、本
発明の組換え型G蛋白質共役型レセプター蛋白質の発現
系を用いたレセプター結合アッセイ系によって、ヒトな
どの温血動物に特異的なG蛋白質共役型レセプターアゴ
ニストまたはアンタゴニストをスクリーニングすること
ができ、該アゴニストまたはアンタゴニストを各種疾病
の治療・予防剤などとして使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なG蛋白質共
役型レセプター蛋白質のリガンドポリペプチド、及びこ
れをコードするDNAを含有するDNAに関する。
【0002】
【従来の技術】多くのホルモンや神経伝達物質は細胞膜
に存在する特異的なレセプターを通じて生体の機能を調
節している。これらのレセプターの多くは共役している
guanine nucleotide-binding protein(以下、G蛋白
質と略称する場合がある)の活性化を通じて細胞内のシ
グナル伝達を行い、また7個の膜貫通領域を有する共通
した構造をもっていることから、G蛋白質共役型レセプ
ターあるいは7回膜貫通型レセプターと総称される。こ
のようなホルモンや神経伝達物質とG蛋白質共役型レセ
プターによる生体の機能を調節する経路の一つとして視
床下部−下垂体系がある。これは、視床下部ホルモン
(向下垂体性ホルモン)によって下垂体からの下垂体ホ
ルモンの分泌が調節され、血中に放出された下垂体ホル
モンを介して標的細胞・器官の機能調節が行われるもの
である。この経路によって、ホメオスタシスの維持や生
殖系、個体の発達、代謝、成長の調節などの生体にとっ
て重要な機能調節が行われている。下垂体ホルモンは視
床下部ホルモンと標的内分泌腺より分泌される末梢ホル
モンによるポジティブフィードバック機構またはネガテ
ィブフィードバック機構によって分泌調節されている。
下垂体に存在する各種のレセプター蛋白質は、視床下部
−下垂体系を調節する上で中心的な役割を担っている。
【0003】また、これらのホルモン・因子およびその
レセプターは視床下部−下垂体系だけに限局して存在す
るのではなく、一般に脳内に広く分布することが知られ
ている。このことは視床下部ホルモンと呼ばれている物
質が、中枢神経系においては神経伝達物質あるいは神経
調節物質として機能していると考えられている。また、
末梢組織においても同様に分布し、それぞれ重要な機能
を担っていると考えられている。膵臓は消化液を分泌す
る他にグルカゴンやインスリンを分泌することにより糖
代謝に重要な役割を果たしている。インスリンは膵臓の
β細胞から分泌されるが、主としてグルコースにより促
進される。しかしβ細胞には様々なレセプターが存在
し、グルコース以外の様々な因子、ペプチドホルモン
(ガラニン、ソマトスタチン、ガストリック・インヒビ
トリー・ポリペプチド、グルカゴン、アミリンなど)、
糖(マンノースなど)、アミノ酸、神経伝達物質などに
より、インスリンの分泌が制御されていることが知られ
ている。これまでに上記G蛋白質共役型レセプター蛋白
質のリガンドを決定する一般的な手段としては、G蛋白
質共役型レセプター蛋白質の一次構造上の類似性から推
定するしかなかった。最近、動物細胞にリガンドが不明
な、いわゆるオーファンG蛋白質共役型レセプター蛋白
質をコードするcDNAを導入し、新規オピオイドペプ
チドを探索した例が報告されている(Reinsheid, R. K.
et al. , Science、270巻、792-794頁、1995年、Menul
ar, J.-C., et al. , Nature 377巻、532-535頁、1995
年)。しかしこの場合は既知G蛋白質共役型レセプター
蛋白質との類似性や組織分布から、容易にリガンドはオ
ピオイドペプチドのファミリーに属することが予想され
ていた。オピオイドレセプターを介して生体に作用する
物質の研究・開発の歴史は長く、種々のアンタゴニスト
・アゴニストが開発されていた。そこで人為的に合成し
た化合物群の中からこの受容体に対するアゴニストを見
出し、それをプローブとして受容体cDNA導入細胞に
おける受容体の発現を検証した後に、アゴニストと同じ
様な細胞内情報伝達系の活性化物質を探索し、これを精
製し、リガンドの構造を決定している。しかし、このよ
うにオーファンG蛋白質共役型レセプター蛋白質の中で
リガンドがおおよそ推定されうるものはほとんどなく、
特に、既知のG蛋白質共役型レセプター蛋白質ファミリ
ーと類似性が低い場合、リガンドに関する情報はほとん
どなく、リガンドを推定することは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】下垂体、中枢神経系お
よび膵臓β細胞等で発現しているオーファンG蛋白質共
役型レセプターに対するリガンドは、医薬として有用で
あると考えられるが、これまでにその構造および機能に
ついては明らかにされていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、オーファ
ンG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするcDN
Aを適当な手段で発現させた細胞を用い、特異的な細胞
刺激(シグナル伝達)活性の測定等を指標に、該レセプ
ター蛋白質がリガンドとして認識するポリペプチドをス
クリーニングすることに成功した。さらに、本発明者ら
は、該活性因子であるリガンドと上記レセプター蛋白質
との結合性を変化させる化合物のスクリーニングを行な
うことができることを見いだした。
【0006】すなわち、本発明は、 (1)配列番号:73で表されるアミノ酸配列と同一も
しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプ
チドまたはそのアミド、エステルもしくはその塩、 (2)配列番号:3、4、5、6、7、8、9、10、
47、48、49、50、51、52、61、62、6
3、64、65または66で表されるアミノ酸配列を含
有するポリペプチドである第(1)項記載のポリペプチ
ド。 (3)配列番号:1、44、45または59で表される
アミノ酸配列を含有するポリペプチドである第(1)項
記載のポリペプチド、(4)第(1)項記載のポリペプ
チドの部分ペプチドまたはそのアミド、エステルもしく
はその塩。 (5)第(1)項記載のポリペプチドまたは第(4)項
記載の部分ペプチドをコードする塩基配列を有するDN
Aを含有するDNA、 (6)配列番号:2、11、12、13、14、15、
16、17、18、46、53、54、55、56、5
7、58、60、67、68、69、70、71または
72で表される塩基配列を有する第(5)項記載のDN
A、 (7)第(5)項記載のDNAを含有する組換えベクタ
ー、 (8)第(5)項記載のDNAまたは第(7)項記載の
組換えベクターを保持する形質転換体、 (9)第(8)項記載の形質転換体を培養することを特
徴とする第(1)項記載のポリペプチドまたは第(4)
項記載の部分ペプチドの製造法、 (10)第(1)項記載のポリペプチドまたはそのアミ
ド、エステルもしくはその塩を含有してなる医薬、 (11)第(4)項記載の部分ペプチドまたはそのアミ
ド、エステルもしくはその塩を含有してなる医薬、 (12)第(5)項記載のDNAを含有してなる医薬、 (13)下垂体機能調節剤である第(10)項、第(1
1)項または第(12)項記載の医薬、 (14)中枢神経機能調節剤である第(10)項、第
(11)項または第(12)項記載の医薬、 (15)膵臓機能調節剤である第(10)項、第(1
1)項または第(12)項記載の医薬、 (16)第(1)項記載のポリペプチドまたは第(4)
項記載の部分ペプチドに対する抗体、 (17)(i)配列番号:21で表されるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
受容体蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩
に、第(1)項記載のポリペプチドまたは第(4)項記
載の部分ペプチドを接触させた場合と(ii)配列番号:
21で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同
一のアミノ酸配列を含有する受容体蛋白質もしくはその
部分ペプチドまたはその塩に、第(1)項記載のポリペ
プチドまたは第(4)項記載の部分ペプチド、および試
験化合物を接触させた場合との比較を行うことを特徴と
する第(1)項記載のポリペプチドまたは第(4)項記
載の部分ペプチドと、配列番号:21で表されるアミノ
酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含
有する受容体蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはそ
の塩との結合性を変化させる化合物のスクリーニング方
法、 (18)第(1)項記載のポリペプチドまたは第(4)
項記載の部分ペプチドと、配列番号:21で表されるア
ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列
を含有する受容体蛋白質もしくはその部分ペプチドまた
はその塩との結合性を変化させる化合物のスクリーニン
グ用キット、 (19)第(1)項記載のポリペプチドまたは第(4)
項記載の部分ペプチドと、配列番号:21で表されるア
ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列
を含有する受容体蛋白質もしくはその部分ペプチドまた
はその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩、
および (20)第(1)項記載のポリペプチドまたは第(4)
項記載の部分ペプチドをリガンドとして認識するG蛋白
質共役型レセプター蛋白質またはその塩に関する。
【0007】さらに、本発明は、 (21)ポリペプチドが、配列番号:73で表わされる
アミノ酸配列、配列番号:73で表わされるアミノ酸配
列中の1個以上15個以下、好ましくは1個以上10個
以下、より好ましくは1個以上5個以下のアミノ酸が欠
失したアミノ酸配列、配列番号:73で表わされるアミ
ノ酸配列に1個以上80個以下、好ましくは1個以上5
0個以下、より好ましくは1個以上10個以下のアミノ
酸が付加したアミノ酸配列、あるいは配列番号:73で
表わされるアミノ酸配列中の1個以上15個以下、好ま
しくは1個以上10個以下、より好ましくは1個以上5
個以下のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸
配列を含有するペプチドである第(1)項記載のポリペ
プチドまたはそのアミド、エステルもしくはその塩、 (22)配列番号:73で表されるアミノ酸配列を含有
するポリペプチドのN末端にさらに配列番号:74で表
されるペプチドが付加したアミノ酸配列を含有するポリ
ペプチドである第(1)項記載のポリペプチド、 (23)ウシ、ラットまたはヒト由来である第(1)項
記載のポリペプチド、および (24)痴呆、鬱病、多動児(微細脳障害)症候群、意
識障害、不安障害、精神分裂症、恐怖症、成長ホルモン
分泌障害、過食症、多食症、高コレステロール血症、高
グリセリド血症、高脂血症、高プロラクチン血症、糖尿
病、癌、膵炎、腎疾患、ターナー症候群、神経症、リウ
マチ関節炎、脊髄損傷、一過性脳虚血発作、筋萎縮性側
索硬化症、急性心筋梗塞、脊髄小脳変性症、骨折、創
傷、アトピー性皮膚炎、骨粗鬆症、喘息、てんかん、不
妊症または乳汁分泌不全などの疾病の治療・予防剤であ
る第(10)項、第(11)項または第(12)項記載
の医薬を提供するものである。
【0008】本発明におけるリガンドポリペプチドに対
するG蛋白質共役型レセプター蛋白質に関して、具体的
には、 (25)配列番号:19で表わされるアミノ酸配列と同
一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列または(およ
び)配列番号:20で表わされるアミノ酸配列と同一ま
たは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴
とする、第(20)項記載のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質またはその塩、 (26)配列番号:21で表わされるアミノ酸配列と同
一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有すること
を特徴とする第(25)項記載のG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質またはその塩、 (27)配列番号:22で表わされるアミノ酸配列と同
一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有すること
を特徴とする第(25)項記載のG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質またはその塩、 (28)配列番号:23で表わされるアミノ酸配列と同
一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有すること
を特徴とする第(25)項記載のG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質またはその塩、 (29)第(25)項〜第(28)項記載のいずれかの
G蛋白質共役型レセプター蛋白質の部分ペプチドまたは
その塩、
【0009】(30)第(25)項記載のG蛋白質共役
型レセプター蛋白質をコードする塩基配列を有するDN
Aを含有するDNA、 (31)第(26)項記載のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードする塩基配列を有するDNAを含有する
DNA、 (32)第(27)項記載のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードする塩基配列を有するDNAを含有する
DNA、 (33)第(28)項記載のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードする塩基配列を有するDNAを含有する
DNA、 (34)配列番号:24で表わされる塩基配列または
(および)配列番号:25で表わされる塩基配列を有す
る第(30)項記載のDNA、 (35)配列番号:26で表わされる塩基配列で表され
る塩基配列を有する第(31)項記載のDNA、 (36)配列番号:27で表わされる塩基配列で表され
る塩基配列を有する第(32)項記載のDNA、 (37)配列番号:28で表わされる塩基配列で表され
る塩基配列を有する第(33)項記載のDNA、 (38)第(30)項〜第(33)項記載のいずれかの
DNAを含有する組換えベクター、 (39)第(38)項記載の組換えベクターを保持する
形質転換体、 (40)第(39)項記載の形質転換体を培養し、形質
転換体の細胞膜にG蛋白質共役型レセプター蛋白質を生
成せしめることを特徴とする第(25)項〜第(28)
項記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩
の製造方法、および (41)第(25)項〜第(28)項記載のいずれかの
G蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくはその塩または
第(29)項記載の部分ペプチドもしくはその塩に対す
る抗体を提供する。
【0010】さらに具体的には、 (42)蛋白質が、(i)配列番号:19で表わされる
アミノ酸配列、配列番号:19で表わされるアミノ酸配
列中の1個以上30個以下、好ましくは1個以上10個
以下のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:1
9で表わされるアミノ酸配列に1個以上30個以下、好
ましくは1個以上10個以下のアミノ酸が付加したアミ
ノ酸配列、あるいは配列番号:19で表わされるアミノ
酸配列中の1個以上30個以下、好ましくは1個以上1
0個以下のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ
酸配列または(および)(ii)配列番号:20で表わさ
れるアミノ酸配列、配列番号:20で表わされるアミノ
酸配列中の1個以上30個以下、好ましくは1個以上1
0個以下のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番
号:20で表わされるアミノ酸配列に1個以上30個以
下、好ましくは1個以上10個以下のアミノ酸が付加し
たアミノ酸配列、あるいは配列番号:20で表わされる
アミノ酸配列中の1個以上30個以下、好ましくは1個
以上10個以下のアミノ酸が他のアミノ酸で置換された
アミノ酸配列を含有する蛋白質である第(25)項記載
のG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩、 (43)蛋白質が、配列番号:21で表わされるアミノ
酸配列、配列番号:21で表わされるアミノ酸配列中の
1個以上30個以下、好ましくは1個以上10個以下の
アミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:21で表
わされるアミノ酸配列に1個以上30個以下、好ましく
は1個以上10個以下のアミノ酸が付加したアミノ酸配
列、あるいは配列番号:21で表わされるアミノ酸配列
中の1個以上30個以下、好ましくは1個以上10個以
下のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列
を含有する蛋白質である第(26)項記載のG蛋白質共
役型レセプター蛋白質またはその塩、 (44)蛋白質が、配列番号:22で表わされるアミノ
酸配列、配列番号:22で表わされるアミノ酸配列中の
1個以上30個以下、好ましくは1個以上10個以下の
アミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:22で表
わされるアミノ酸配列に1個以上30個以下、好ましく
は1個以上10個以下のアミノ酸が付加したアミノ酸配
列、あるいは配列番号:22で表わされるアミノ酸配列
中の1個以上30個以下、好ましくは1個以上10個以
下のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列
を含有する蛋白質である第(27)項記載のG蛋白質共
役型レセプター蛋白質またはその塩、および (45)蛋白質が、配列番号:23で表わされるアミノ
酸配列、配列番号:23で表わされるアミノ酸配列中の
1個以上30個以下、好ましくは1個以上10個以下の
アミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:23で表
わされるアミノ酸配列に1個以上30個以下、好ましく
は1個以上10個以下のアミノ酸が付加したアミノ酸配
列、あるいは配列番号:23で表わされるアミノ酸配列
中の1個以上30個以下、好ましくは1個以上10個以
下のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列
を含有する蛋白質である第(28)項記載のG蛋白質共
役型レセプター蛋白質またはその塩に関する。本明細書
において、「実質的に同一」とはタンパク質の活性、例
えば、リガンドと受容体の結合活性、生理的な特性など
が、実質的に同じことを意味する。アミノ酸の置換、欠
失あるいは挿入はしばしばポリペプチドの生理的な特性
や化学的な特性に大きな変化をもたらさないが、こうし
た場合その置換、欠失あるいは挿入を施されたポリペプ
チドは、そうした置換、欠失あるいは挿入のされていな
いものと実質的に同一であるとされるであろう。該アミ
ノ酸配列中のアミノ酸の実質的に同一な置換物として
は、たとえばそのアミノ酸が属するところのクラスのう
ち他のアミノ酸類から選ぶことができうる。非極性(疎
水性)アミノ酸としては、アラニン、ロイシン、イソロ
イシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプ
トファン、メチオニンなどが挙げられる。極性(中性)
アミノ酸としてはグリシン、セリン、スレオニン、シス
テイン、チロシン、アスパラギン、グルタミンなどが挙
げられる。陽電荷をもつ(塩基性)アミノ酸としてはア
ルギニン、リジン、ヒスチジンなどが挙げられる。負電
荷をもつ(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸、
グルタミン酸などが挙げられる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のリガンドポリペプチド
は、G蛋白質共役型レセプター蛋白質に結合することが
できる、配列番号:73で表されるアミノ酸配列と同一
もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペ
プチドもしくは該部分ペプチドまたはそのアミド、エス
テルもしくはその塩が挙げられる。ここで、配列番号:
73において第10番目のXaaはAlaまたはThr、第11
番目のXaaはGlyまたはSer、第21番目のXaaはH、Gly、
またはGlyArgを示す。本発明のリガンドポリペプチドま
たはそのアミド、エステルもしくはその塩(以下、単に
リガンドポリペプチドまたはポリペプチドと略称する場
合がある)、その製造法および用途を以下にさらに詳細
に説明する。本発明の上記リガンドポリペプチドとして
は、ヒトや温血動物(例えば、モルモット、ラット、マ
ウス、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)のあらゆる組織
(たとえば、下垂体、膵臓、脳、腎臓、肝臓、生殖腺、
甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化
管、血管、心臓など)または細胞などに由来するポリペ
プチドであって、配列番号:73で表わされるアミノ酸
配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有
するものであればよい。例えば、本発明のリガンドポリ
ペプチドとしては、配列番号:73で表わされるアミノ
酸配列を含有する蛋白質などの他に、配列番号:73で
表わされるアミノ酸配列と約50〜99.9%(好まし
くは70〜99.9%、より好ましくは80〜99.9
%、さらに好ましくは90〜99.9%)の相同性を有
するアミノ酸配列を含有し、配列番号:73で表わされ
るアミノ酸配列を含有する蛋白質と実質的に同質の活性
を有する蛋白質などが挙げられる。実質的に同質の活性
としては、例えばレセプター結合活性、シグナル伝達活
性などが挙げられる。実質的に同質とは、レセプター結
合活性などが性質的に同質であることを示す。したがっ
て、レセプター結合活性の強さなどの強弱、ポリペプチ
ドの分子量などの量的要素は異なっていてもよい。
【0012】さらに具体的には、本発明のリガンドポリ
ペプチドとしては、配列番号:73で表わされるアミノ
酸配列を含有するラット全脳、ウシ視床下部またはヒト
全脳由来のポリペプチドなどが挙げられる。また、本発
明のリガンドポリペプチドとしては、配列番号:73で
表わされるアミノ酸配列中の1個以上15個以下、好ま
しくは1個以上10個以下、より好ましくは1個以上5
個以下のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:
73で表わされるアミノ酸配列に1個以上80個以下、
好ましくは1個以上50個以下、より好ましくは1個以
上10個以下のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列
番号:73で表わされるアミノ酸配列中の1個以上15
個以下、好ましくは1個以上10個以下、より好ましく
は1個以上5個以下のアミノ酸が他のアミノ酸で置換さ
れたアミノ酸配列を含有するポリペプチドなどの実質的
に同一のアミノ酸配列も挙げられる。配列番号:73で
表されるアミノ酸配列を示せば、配列番号:8,9,1
0,50,51,52,64,65または66である。
また、配列番号:73で表されるアミノ酸配列と実質的
に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドとして
は、具体的には配列番号:1,3,4,5,6,7,4
4,45,47,48,49,59,61,62または
63で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドな
どを挙げることができる。上記のうち好ましくは配列番
号:73で表されるアミノ酸を含有するポリペプチド及
び配列番号:73で表されるアミノ酸配列を含有するポ
リペプチドのN末端に配列番号:74で表されるペプチ
ドがさらに付加したアミノ酸配列を含有するポリペプチ
ドなどを挙げることができる。さらに、本発明のポリペ
プチドもしくは部分ペプチドには、GlnのN端側が生
体内で切断され、該Glnがピログルタミン酸化したも
のなども含まれる。本明細書におけるペプチドはペプチ
ド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右
端がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:7
3で表されるポリペプチドはC末端が通常カルボキシル
基(-COOH)またはカルボキシレート(-COO-)であるが、
C末端がアミド(-CONH2)またはエステル(-COOR)であっ
てもよい。エステルのRとしては、例えばメチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチルな
どのC1-6アルキル基、シクロペンチル、シクロヘキシ
ルなどのC3-8シクロアルキル基、フェニル、α−ナフ
チルなどのC6-12アリール基、ベンジル、フェネチル、
ベンズヒドリルなどのフェニル−C1-2アルキル、もし
くはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1-2
ルキルなどのC7-14アラルキル基のほか、経口用エステ
ルとして汎用されるピバロイルオキシメチルエステルな
どが挙げられる。配列番号:73で表されるポリペプチ
ドがC末端以外にカルボキシル基またはカルボキシレー
トを有している場合、それらの基がアミド化またはエス
テル化されているものも本発明のポリペプチドに含まれ
る。この時のエステルとしては、例えば上記したC末端
のエステルなどが用いられる。本発明のリガンドポリペ
プチドとしては特にC末端がアミドであるペプチドが好
ましい。なかでも、配列番号:5、8、47、50、6
1、64で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド
のC末端がアミドであるポリペプチドが好ましい。本発
明のポリペプチドの塩としては、生理学的に許容される
塩基(例えばアルカリ金属など)や酸(有機酸、無機
酸)との塩が用いられるが、とりわけ生理学的に許容さ
れる酸付加塩が好ましい。このような塩としては例えば
無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)と
の塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオ
ン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエ
ン酸、リンゴ酸、シュウ酸、安息香酸、メタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。本
発明のリガンドポリペプチドまたはそのアミド、エステ
ルもしくはその塩は、ヒトや温血動物の組織または細胞
からポリペプチドを精製する方法によって製造すること
もできるし、後述のポリペプチド合成法に準じて製造す
ることもできる。また、後述するポリペプチドをコード
するDNAを含有する形質転換体を培養することによっ
ても製造することができる。ヒトや温血動物の組織また
は細胞から製造する場合、ヒトや温血動物の組織または
細胞をホモジナイズした後、酸などで抽出を行い、該抽
出液を逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグ
ラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどのク
ロマトグラフィーを組み合わせることにより精製単離す
ることができる。
【0013】上記したように本発明のリガンドポリペプ
チドは、自体公知のポリペプチドの合成法に従って製造
することができる。ペプチドの合成法としては、例えば
固相合成法、液相合成法のいずれによっても良い。すな
わち、蛋白質を構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ
酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する場
合は保護基を脱離することにより目的のペプチドを製造
することができる。公知の縮合方法や保護基の脱離とし
てはたとえば、以下の〜に記載された方法が挙げら
れる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptide),
Academic Press, New York (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合成
広川書店 また、反応後は通常の精製法、たとえば、溶媒抽出・蒸
留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィ
ー・再結晶などを組み合わせて本発明のポリペプチドを
精製単離することができる。上記方法で得られるポリペ
プチドが遊離体である場合は、公知の方法によって適当
な塩に変換することができるし、逆に塩で得られた場合
は、公知の方法によって遊離体に変換することができ
る。
【0014】ポリペプチドのアミド体は、アミド形成に
適したペプチド合成用樹脂を用いることができる。その
ような樹脂としては例えば、クロロメチル樹脂、ヒドロ
キシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、アミノメ
チル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルアルコール樹
脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹脂、
4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセトアミドメチ
ル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−(2',4'-ジメト
キシフェニル−ヒドロキシメチル)フェノキシ樹脂、4
−(2',4'-ジメトキシフェニル−Fmocアミノエチル)フ
ェノキシ樹脂などを挙げることができる。このような樹
脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基を適当に保護した
アミノ酸を、目的とするペプチドの配列通りに、自体公
知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮合させる。反応の
最後に樹脂からペプチドを切り出すと同時に各種保護基
を除去し、目的のポリペプチドを取得する。上記した保
護されたアミノ酸を縮合させるには、ペプチド合成に使
用できる各種活性化試薬を用いることができるが、特
に、カルボジイミド類がよい。カルボジイミド類として
はDCC、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド、N-エチル
-N'-(3-ジメチルアミノプロリル)カルボジイミドなど
が挙げられる。これらによる活性化にはラセミ化抑制添
加剤(例えば、HOBt)とともに保護されたアミノ酸を直
接樹脂に添加するかまたは、対称酸無水物またはHOBtエ
ステルあるいはHOOBtエステルとしてあらかじめ保護さ
れたアミノ酸の活性化を行ったのちに樹脂に添加するこ
とができる。保護されたアミノ酸の活性化や樹脂との縮
合に用いられる溶媒としては、ペプチド縮合反応に使用
しうることが知られている溶媒から適宜選択されうる。
たとえばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの酸アミ
ド類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭
化水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール
類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリ
ジンなどの三級アミン類、ジオキサン、テトラヒドロフ
ランなどのエーテル類、アセトニトリル、プロピオニト
リルなどのニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどの
エステル類あるいはこれらの適宜の混合物などが用いら
れる。反応温度はペプチド結合形成反応に使用され得る
ことがしられている範囲から適宜選択され、通常約−2
0℃〜50℃の範囲から適宜選択される。活性化された
アミノ酸誘導体は通常1.5-4倍過剰で用いられる。ニン
ヒドリン反応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場
合には保護基の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返す
ことにより十分な縮合を行うことができる。反応を繰り
返しても十分な縮合が得られないときには、無水酢酸ま
たはアセチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をア
セチル化することができる。原料アミノ酸のアミノ基の
保護基としては、たとえば、Z、Boc、ターシャリーア
ミルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニ
ル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、Cl-Z、Br
-Z、アダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロアセ
チル、フタリル、ホルミル、2−ニトロフェニルスルフ
ェニル、ジフェニルホスフィノチオイル、Fmocなどが挙
げられる。カルボキシル基の保護基としては、たとえば
上記したC1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、C
7-14アラルキル基の他、2−アダマンチル、4−ニトロ
ベンジル、4−メトキシベンジル、4−クロロベンジ
ル、フェナシル基およびベンジルオキシカルボニルヒド
ラジド、ターシャリーブトキシカルボニルヒドラジド、
トリチルヒドラジドなどが挙げられる。セリンおよびス
レオニンの水酸基は、たとえばエステル化またはエーテ
ル化によって保護することができる。このエステル化に
適する基としては例えばアセチル基などの低級アルカノ
イル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジルオキ
シカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭素から
誘導される基などが挙げられる。また、エーテル化に適
する基としては、たとえばベンジル基、テトラヒドロピ
ラニル基、ターシャリーブチル基などである。チロシン
のフェノール性水酸基の保護基としては、たとえばBz
l、Cl2-Bzl、2−ニトロベンジル、Br-Z、ターシャリー
ブチルなどが挙げられる。ヒスチジンのイミダゾールの
保護基としては、Tos、4-メトキシ-2,3,6-トリメチル
ベンゼンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bu
m、Boc、Trt、Fmocなどが挙げられる。原料のカルボキ
シル基の活性化されたものとしては、たとえば対応する
酸無水物、アジド、活性エステル[アルコール(たとえ
ば、ペンタクロロフェノール、2,4,5-トリクロロフェノ
ール、2,4-ジニトロフェノール、シアノメチルアルコー
ル、パラニトロフェノール、HONB、N-ヒドロキシスクシ
ミド、N-ヒドロキシフタルイミド、HOBt)とのエステ
ル]などが挙げられる。原料のアミノ基の活性化された
ものとしては、たとえば対応するリン酸アミドが挙げら
れる。
【0015】保護基の除去(脱離)方法としては、たと
えばPd黒あるいはPd-炭素などの触媒の存在下での水素
気流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタン
スルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフル
オロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、
ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペ
リジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アン
モニア中ナトリウムによる還元なども挙げられる。上記
酸処理による脱離反応は一般に−20℃〜40℃の温度
で行われるが、酸処理においてはアニソール、フェノー
ル、チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾー
ル、ジメチルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-
エタンジチオールのようなカチオン捕捉剤の添加が有効
である。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として
用いられる2,4-ジニトロフェニル基はチオフェノール処
理により除去され、トリプトファンのインドール保護基
として用いられるホルミル基は上記の1,2-エタンジチオ
ール、1,4-ブタンジチオールなどの存在下の酸処理によ
る脱保護以外に、希水酸化ナトリウム、希アンモニアな
どによるアルカリ処理によっても除去される。原料の反
応に関与すべきでない官能基の保護および保護基、なら
びにその保護基の脱離、反応に関与する官能基の活性化
などは公知の基あるいは公知の手段から適宜選択しう
る。ポリペプチドのアミド体を得る別の方法としては、
まず、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基を
アミド化した後、アミノ基側にペプチド鎖を所望の鎖長
まで延ばした後、α−アミノ基の保護基を除いたカルボ
キシル末端側ペプチドと所望ペプチドからカルボキシル
末端側を除いたアミノ末端側ペプチドのα−カルボキシ
ル基の保護基のみを除去し、α−アミノ基や側鎖官能基
に上記したような適当な保護基を付けた保護ペプチドを
上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳
細については上記と同様である。縮合により得られた保
護ペプチドを精製した後、上記方法によりすべての保護
基を除去し、所望の粗ペプチドを得ることができる。こ
の粗ペプチドは既知の各種精製手段を駆使して精製し、
主要画分を凍結乾燥することで所望のポリペプチドのア
ミド体を得ることができる。ポリペプチドのエステル体
を得るにはカルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル
基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとし
た後、ポリペプチドのアミド体と同様にして所望のポリ
ペプチドのエステル体を得ることができる。
【0016】本発明のリガンドポリペプチドの部分ペプ
チドまたはそのアミド、エステルもしくはその塩として
は、上記した配列番号:73で表されるアミノ酸配列と
同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポ
リペプチドと同様の作用(下垂体機能調節作用、中枢神
経機能調節作用または膵臓機能調節作用など)を有して
いるものであれば、どのようなペプチドであってもよ
い。このようなペプチドとしてはたとえば、上記した配
列番号:73で表されるアミノ酸配列を有するペプチド
から1ないし15個以下のアミノ酸が欠失したアミノ酸
配列を有するペプチドを挙げることができる。具体的に
は、配列番号:73で表されるアミノ酸配列の第2番
目から第21番目のアミノ酸配列を有するペプチド、
配列番号:73で表されるアミノ酸配列の第3番目から
第21番目のアミノ酸配列を有するペプチド、配列番
号:73で表されるアミノ酸配列の第4番目から第21
番目のアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号:7
3で表されるアミノ酸配列の第5番目から第21番目の
アミノ酸配列を有するペプチド、配列番号:73で表
されるアミノ酸配列の第6番目から第21番目のアミノ
酸配列を有するペプチド、配列番号:73で表される
アミノ酸配列の第7番目から第21番目のアミノ酸配列
を有するペプチド、配列番号:73で表されるアミノ
酸配列の第8番目から第21番目のアミノ酸配列を有す
るペプチド、配列番号:73で表されるアミノ酸配列
の第9番目から第21番目のアミノ酸配列を有するペプ
チド、配列番号:73で表されるアミノ酸配列の第1
0番目から第21番目のアミノ酸配列を有するペプチ
ド、■配列番号:73で表されるアミノ酸配列の第11
番目から第21番目のアミノ酸配列を有するペプチド、
■配列番号:73で表されるアミノ酸配列の第12番目
から第21番目のアミノ酸配列を有するペプチド、■配
列番号:73で表されるアミノ酸配列の第13番目から
第21番目のアミノ酸配列を有するペプチド、■配列番
号:73で表されるアミノ酸配列の第14番目から第2
1番目のアミノ酸配列を有するペプチド、■配列番号:
73で表されるアミノ酸配列の第15番目から第21番
目のアミノ酸配列を有するペプチドなどが好ましい。さ
らに、配列番号:74で表されるアミノ酸配列を有する
ペプチドなども好ましい。リガンドポリペプチドまたは
該部分ペプチドはさらに抗リガンドポリペプチド抗体の
調製のための抗原として用いることができる。このよう
な抗原としてのポリペプチドは上記したリガンドポリペ
プチドまたは該部分ペプチドの他に、上記リガンドポリ
ペプチドのN末端ペプチド、C末端ペプチド、中央部分
のペプチドが用いられ、より具体的にはたとえば配列番
号:92、93、94で表される部分ペプチドが好まし
く用いられる。部分ペプチドとしては、個々のドメイン
を個別に含むペプチドも用い得るが、複数のドメインを
同時に含む部分のペプチドでも良い。本明細書における
部分ペプチドもC末端がアミド(-CONH2)またはエステ
ル(-COOR)であってもよい。ここでエステル基の例とし
ては上記したポリペプチドの場合と同様である。該部分
ペプチドがC末端以外にカルボキシル基またはカルボキ
シレートを有している場合、それらの基がアミド化また
はエステル化されているものも本発明の部分ペプチドに
含まれる。この時のエステルとしては、例えば、上記し
たC末端のエステルなどが用いられる。本発明のリガン
ドポリペプチドまたはその部分ペプチドは、さらに、機
能あるいは性質がよく知られているタンパク質との融合
タンパク質であってもよい。本発明のリガンドポリペプ
チドの部分ペプチドの塩としては、前述のポリペプチド
の塩と同様のものが用いられる。本発明のリガンドポリ
ペプチドの部分ペプチドまたはそのアミド、エステルも
しくはその塩は、上記したポリペプチドの場合と同様の
合成法に従って、あるいは本発明のポリペプチドを適当
なペプチダーゼで切断することによって製造することが
できる。
【0017】本発明のリガンドポリペプチドまたはその
部分ペプチドをコードするDNAとしては、本発明の配
列番号:73で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実
質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコ
ードする塩基配列を含有するものであればいかなるもの
であってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAラ
イブラリー、組織・細胞由来のcDNA、組織・細胞由
来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよ
い。ライブラリーに使用するベクターはバクテリオファ
ージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいずれ
であってもよい。また、組織・細胞よりRNA画分を調
製したものを用いて直接RT-PCR法によって増幅す
ることもできる。より具体的には、配列番号:1または
配列番号:44のアミノ酸配列を含有するラット全脳あ
るいはウシ視床下部由来のポリペプチドをコードするD
NAとしては、配列番号:2で表わされる塩基配列を有
するDNAなどが用いられる。ここで、配列番号:2に
おいて第129番目のRはGまたはAを、第179番目
および240番目のYはCまたはTを示す。第179番
目のYがCのとき、配列番号:1で表されるアミノ酸配
列をコードし、第179番目のYがTのとき、配列番
号:44で表されるアミノ酸配列をコードする。また、
配列番号:3、4、5、6、7、8、9または10で表
されるアミノ酸配列を含有するウシ由来ポリペプチドを
コードするDNAとしては、配列番号:11、12、1
3、14、15、16、17または18で表わされる塩
基配列を有するDNAなどが用いられる。ここで、配列
番号:11、13、14、15の第63番目のRおよび
配列番号:12、16、17、18の第29番目のRは
GあるいはAを示す。また、配列番号:45、47、4
8、49、50、51または52で表されるラット由来
ポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:
46、53、54、55、56、57または58で表さ
れる塩基配列を有するDNAなどが用いられる。さら
に、配列番号:59、61、62、63、64、65ま
たは66で表されるヒト由来ポリペプチドをコードする
DNAとしては、配列番号:60、67、68、69、
70、71または72で表される塩基配列を有するDN
Aなどが用いられる。また、本発明の配列番号:1、配
列番号:44で表されるアミノ酸配列を含有するウシ型
ポリペプチド、配列番号:45で表されるアミノ酸配列
を含有するラット型ポリペプチド、または配列番号:5
9で表されるアミノ酸配列を含有するヒト型ポリペプチ
ドをコードするDNAの中で例えば6個以上90個以下
(好ましくは6個以上60個以下、より好ましくは9個
以上30個以下、さらに好ましくは12個以上30個以
下)の部分塩基配列を含有するDNA断片はDNA検出
プローブとしても好ましく用いられる。
【0018】本発明のポリペプチドまたはその部分ペプ
チドをコードするDNAは以下の遺伝子工学的手法によ
っても製造することができる。本発明のポリペプチドま
たはその部分ペプチドを完全にコードするDNAのクロ
ーニングの手段としては、ポリペプチドまたはその部分
ペプチドの部分塩基配列を有する合成DNAプライマー
を用いてPCR法によって増幅するか、または適当なベ
クターに組み込んだDNAを例えばヒト由来ポリペプチ
ドの一部あるいは全領域を有するDNA断片もしくは合
成DNAを用いて標識したものとのハイブリダイゼーシ
ョンによって選別する。ハイブリダイゼーションの方法
は、例えば Molecular Cloning (2nd ed.;J. Sambr
ook et al., Cold Spring HarborLab. Press, 1989)に
記載の方法などに従って行われる。また、市販のライブ
ラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法
に従って行う。クローン化されたポリペプチドまたはそ
の部分ペプチドをコードするDNAは目的によりそのま
ま、または所望により制限酵素で消化したり、リンカー
を付加したりして使用することができる。該DNAはそ
の5’末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有し、
また3’末端側には翻訳終止コドンとしてのTAA、T
GAまたはTAGを有していてもよい。これらの翻訳開
始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプ
ターを用いて付加することもできる。ポリペプチドまた
はその部分ペプチドの発現ベクターは、例えば、(イ)
本発明のポリペプチドまたはその部分ペプチドをコード
するDNAから目的とするDNA断片を切り出し、
(ロ)該DNA断片を適当な発現ベクター中のプロモー
ターの下流に連結することにより製造することができ
る。ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド(例、
pBR322,pBR325,pUC12,pUC1
3)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB110,p
TP5,pC194)、酵母由来プラスミド(例、pS
H19,pSH15)、λファージなどのバクテリオフ
ァージ、レトロウイルス,ワクシニアウイルス,バキュ
ロウイルスなどの動物ウイルスなどが用いられる。本発
明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に
用いる宿主に対応して適切なプロモーターであればいか
なるものでもよい。
【0019】形質転換する際の宿主がエシェリヒア属菌
である場合は、trp プロモーター、lac プロモーター、
recAプロモーター、λPLプロモーター、lpp プロモ
ーターなどが、宿主がバチルス属菌である場合は、SP
O1プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロ
モーターなど、宿主が酵母である場合は、PHO5プロ
モーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、
ADHプロモーターなどが好ましい。宿主が動物細胞で
ある場合には、SV40由来のプロモーター、レトロウ
イルスのプロモーター、メタロチオネインプロモータ
ー、ヒートショックプロモーター、サイトメガロウイル
スプロモーター、SRαプロモーターなどがそれぞれ利
用できる。なお、発現にエンハンサーの利用も効果的で
ある。また、必要に応じて、宿主に合ったシグナル配列
を、ポリペプチドまたはその部分ペプチドのN端末側に
付加する。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、アル
カリフォスファターゼ・シグナル配列、OmpA・シグナ
ル配列などが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−
アミラーゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配
列などが、宿主が酵母である場合は、メイテイングファ
クターα・シグナル配列、インベルターゼ・シグナル配
列など、宿主が動物細胞である場合には、例えばインシ
ュリン・シグナル配列、α−インターフェロン・シグナ
ル配列、抗体分子・シグナル配列などがそれぞれ利用で
きる。このようにして構築されたポリペプチドまたはそ
の部分ペプチドをコードするDNAを含有するベクター
を用いて、形質転換体を製造する。
【0020】宿主としては、たとえばエシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫、動物細胞などが用いら
れる。エシェリヒア属菌、バチルス属菌の具体例として
は、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・
DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・ア
カデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエス
エー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,1
60(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・アシッ
ズ・リサーチ,(Nucleic Acids Research),9巻,3
09(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ・モ
レキュラー・バイオロジー(Journal ofMolecular Biol
ogy)〕,120巻,517(1978)〕,HB101
〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,4
1巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティック
ス(Genetics),39巻,440(1954)〕などが用
いられる。バチルス属菌としては、たとえばバチルス・
サチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジーン,
24巻,255(1983)〕,207−21〔ジャーナ
ル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Biochemis
try),95巻,87(1984)〕などが用いられる。
【0021】酵母としては、たとえばサッカロマイセス
セレビシエ(Saccaromyces cerevisiae)AH22,A
H22R-,NA87−11A,DKD−5D,20B
−12などが用いられる。昆虫としては、例えばカイコ
の幼虫などが用いられる〔前田ら、ネイチャー(Natur
e),315巻,592(1985)〕。動物細胞として
は、たとえばサル細胞COS−7,Vero,チャイニー
ズハムスター細胞CHO,DHFR遺伝子欠損チャイニ
ーズハムスター細胞CHO(dhfr-CHO細胞),
マウスL細胞,マウスミエローマ細胞,ヒトFL細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌を形質転換するに
は、たとえばプロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユー
エスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69
巻,2110(1972)やジーン(Gene),17巻,1
07(1982)などに記載の方法に従って行なわれる。
バチルス属菌を形質転換するには、たとえばモレキュラ
ー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molecula
r & General Genetics),168巻,111(197
9)などに記載の方法に従って行われる。酵母を形質転
換するには、たとえばプロシージングズ・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・
ザ・ユーエスエー(Proc. Natl.Acad. Sci. USA),
75巻,1929(1978)に記載の方法に従って行な
われる。
【0022】昆虫細胞を形質転換するには、たとえばバ
イオ/テクノロジー(Bio/Technology),6, 47-55(198
8))などに記載の方法に従って行なわれる。動物細胞を
形質転換するには、たとえばヴィロロジー(Virolog
y),52巻,456(1973)に記載の方法に従って
行なわれる。このようにして、ポリペプチドまたはその
部分ペプチドをコードするDNAを含有する発現ベクタ
ーで形質転換された形質転換体が得られる。宿主がエシ
ェリヒア属菌、バチルス属菌である形質転換体を培養す
る際、培養に使用される培地としては液体培地が適当で
あり、その中には該形質転換体の生育に必要な炭素源、
窒素源、無機物その他が含有せしめられる。炭素源とし
ては、たとえばグルコース、デキストリン、可溶性澱
粉、ショ糖など、窒素源としては、たとえばアンモニウ
ム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、ペプト
ン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出液な
どの無機または有機物質、無機物としてはたとえば塩化
カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシウ
ムなどが挙げられる。また、酵母、ビタミン類、生長促
進因子などを添加してもよい。培地のpHは約5〜8が
望ましい。
【0023】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えばグルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York 1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、たとえば3β−インドリル
アクリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主が
エシェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で
約3〜24時間行い、必要により、通気や撹拌を加える
こともできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常
約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通
気や撹拌を加えることもできる。宿主が酵母である形質
転換体を培養する際、培地としては、たとえばバークホ
ールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L.
ら、「プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,45
05(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD
培地〔Bitter, G. A. ら、「プロシージングズ・オブ・
ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・
オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA),81巻,5330(1984)〕が挙げられ
る。培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培
養は通常約20℃〜35℃で約24〜72時間行い、必
要に応じて通気や撹拌を加える。
【0024】宿主が昆虫である形質転換体を培養する
際、培地としては、Grace's Insect Medium(Grace, T.
C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(1962))に非動化
した10%ウシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが
用いられる。培地のpHは約6.2〜6.4に調整する
のが好ましい。培養は通常約27℃で約3〜5日間行
い、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿主が動物細胞
である形質転換体を培養する際、培地としては、たとえ
ば約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM培地〔サイエ
ンス(Seience),122巻,501(1952)〕,D
MEM培地〔ヴィロロジー(Virology),8巻,396
(1959)〕,RPMI 1640培地〔ジャーナル・
オブ・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーション
(The Jounal of the American Medical Association)
199巻,519(1967)〕,199培地〔プロシー
ジング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バイオ
ロジカル・メディスン(Proceeding of the Society fo
r the Biological Medicine),73巻,1(195
0)〕などが用いられる。pHは約6〜8であるのが好
ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜60時
間行い、必要に応じて通気や撹拌を加える。
【0025】上記培養物からポリペプチドまたはその部
分ペプチドを分離精製するには、例えば下記の方法によ
り行なうことができる。ポリペプチドまたはその部分ペ
プチドを培養菌体あるいは細胞から抽出するに際して
は、培養後、公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、こ
れを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび
/または凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊
したのち、遠心分離やろ過によりポリペプチドまたはそ
の部分ペプチドの粗抽出液を得る方法などが適宜用い得
る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどのたんぱく
変性剤や、トリトンX−100(登録商標。以下、TM
と省略することがある。)などの界面活性剤が含まれて
いてもよい。培養液中にポリペプチドまたはその部分ペ
プチドが分泌される場合には、培養終了後、自体公知の
方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、上清を集め
る。このようにして得られた培養上清、あるいは抽出液
中に含まれるポリペプチドまたはその部分ペプチドの精
製は、自体公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行
なうことができる。これらの公知の分離、精製法として
は、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透
析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差
を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの
荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラ
フィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液
体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方
法、等電点電気泳動法やクロマトフォーカシングなどの
等電点の差を利用する方法などが用いられる。かくして
得られるポリペプチドまたはその部分ペプチドが遊離体
で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準
じる方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得
られた場合には自体公知の方法あるいはそれに準じる方
法により、遊離体または他の塩に変換することができ
る。なお、組換え体が産生するポリペプチドを、精製前
または精製後に適当な蛋白修飾酵素を作用させることに
より、任意に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に
除去することもできる。蛋白修飾酵素としては、例え
ば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニルエンドペ
プチダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなど
が用いられる。かくして生成するポリペプチドまたはそ
の部分ペプチドの活性はレセプターとの結合実験および
特異抗体を用いたエンザイムイムノアッセイなどにより
測定することができる。
【0026】本発明のリガンドポリペプチドをコードす
るDNA、リガンドポリペプチドまたは該部分ペプチド
は、G蛋白質共役型レセプター蛋白質のリガンドの一
部、あるいは全長の合成、本発明のリガンドポリペプ
チドまたは該部分ペプチドの有する生理作用の探索、
合成オリゴヌクレオチドプローブあるいはPCRのプラ
イマーの作成、G蛋白質共役型レセプター蛋白質のリ
ガンドや前駆体蛋白質をコードするDNAの入手、組
換え型レセプター蛋白質の発現系を用いたレセプター結
合アッセイ系の開発と医薬品候補化合物のスクリーニン
グ、抗体および抗血清の入手、該抗体または抗血清
を用いた診断薬の開発、下垂体機能調節剤、中枢神経
機能調節剤あるいは膵臓機能調節剤などの医薬の開発、
遺伝子治療等に用いることができる。特に、後述の組
換え型G蛋白質共役型レセプター蛋白質の発現系を用い
たレセプター結合アッセイ系によって、ヒトなどの温血
動物に特異的なG蛋白質共役型レセプターアゴニストま
たはアンタゴニストをスクリーニングすることができ、
該アゴニストまたはアンタゴニストを各種疾病の予防・
治療剤などとして使用することができる。
【0027】さらに、上記に関し、本発明のリガンド
ポリペプチド、該部分ペプチド、またはそれをコードす
るDNAは下垂体、中枢神経系、膵臓β細胞などで発現
しているG蛋白質共役型レセプター蛋白質がリガンドと
して認識するものであるので、安全で低毒性な医薬とし
て有用である。本発明のリガンドポリペプチド、該部分
ペプチド、またはそれをコードするDNAは下垂体機能
調節作用、中枢神経機能調節作用あるいは膵臓機能調節
作用に関与していることから、たとえば老人性痴呆、脳
血管性痴呆、系統変成型の退行変成疾患(例:アルツハ
イマー病、パーキンソン病、ピック病、ハンチントン病
など)に起因する痴呆、感染性疾患(例:クロイツフェ
ルト−ヤコブ病などの遅発ウイルス感染症など)に起因
する痴呆、内分泌性・代謝性・中毒性疾患(例:甲状腺
機能低下症、ビタミンB12欠乏症、アルコール中毒、
各種薬剤・金属・有機化合物による中毒など)に起因す
る痴呆、腫瘍性疾患(例:脳腫瘍など)に起因する痴
呆、外傷性疾患(例:慢性硬膜下血腫など)に起因する
痴呆などの痴呆、鬱病、多動児(微細脳障害)症候群、
意識障害、不安障害、精神分裂症、恐怖症、成長ホルモ
ン分泌障害(例:巨人症、末端肥大症など)、過食症、
多食症、高コレステロール血症、高グリセリド血症、高
脂血症、高プロラクチン血症、糖尿病性合併症、糖尿病
性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病、
癌(例:乳癌、リンパ性白血病、膀胱癌、卵巣癌、前立
腺癌など)、膵炎、腎疾患(例:慢性腎不全、腎炎な
ど)、ターナー症候群、神経症、リウマチ関節炎、脊髄
損傷、一過性脳虚血発作、筋萎縮性側索硬化症、急性心
筋梗塞、脊髄小脳変性症、骨折、創傷、アトピー性皮膚
炎、骨粗鬆症、喘息、てんかん、不妊症または乳汁分泌
不全などの疾病の治療・予防剤として用いることができ
る。さらに手術後の栄養状態改善剤、昇圧剤などとして
も用いることができる。本発明のポリペプチド、該部分
ペプチド、またはそれをコードするDNAを上述の医薬
として使用する場合、常套手段に従って実施することが
できる。例えば、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプ
セル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして
経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容
し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤
の形で非経口的に使用できる。例えば、該化合物または
その塩を生理学的に認められる担体、香味剤、賦形剤、
ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に
認められた製薬実施に要求される単位用量形態で混和す
ることによって製造することができる。これら製剤にお
ける有効成分量は指示された範囲の適当な容量が得られ
るようにするものである。
【0028】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスター
チ、トラガントガム、アラビアゴムのような結合剤、結
晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラ
チン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マ
グネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカ
リンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油または
チェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形
態がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさら
に油脂のような液状担体を含有することができる。注射
のための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活
性物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油な
どを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施にした
がって処方することができる。注射用の水性液として
は、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を
含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニト
ール、塩化ナトリウムなど)などがあげられ、適当な溶
解補助剤、たとえばアルコール(たとえばエタノー
ル)、ポリアルコール(たとえばプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤
(たとえばポリソルベート80(TM)、HCO−5
0)などと併用してもよい。油性液としてはゴマ油、大
豆油などがあげられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジ
ル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。また、
緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝
液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸
プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミ
ン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、
ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤な
どと配合してもよい。調整された注射液は通常、適当な
アンプルに充填される。このようにして得られる製剤は
安全で低毒性であるので、例えばヒトや哺乳動物(例え
ば、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ニワトリ、
ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サル、マントヒヒ、
チンパンジーなど)に対して投与することができる。本
発明のポリペプチド、該部分ペプチド、またはそれをコ
ードするDNAの投与量は、症状などにより差異はある
が、経口投与の場合、一般的に成人(60kgとして)
においては、一日につき約0.1から100mg、好ま
しくは約1.0から50mg、より好ましくは約1.0
から20mgである。非経口的に投与する場合は、その
1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法など
によっても異なるが、たとえば注射剤の形では通常成人
(60kgとして)においては、一日につき約0.01
から30mg程度、好ましくは約0.1から20mg程
度、より好ましくは約0.1から10mg程度を静脈注
射により投与するのが好都合である。他の動物の場合
も、60kg当たりに換算した量を投与することができ
る。
【0029】上記本発明のリガンドポリペプチドに対す
るG蛋白質共役型レセプター蛋白質としては、ヒトや温
血動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ブタ、
ヒツジ、ウシ、サルなど)のあらゆる組織(例えば、下
垂体、膵臓、脳、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆の
う、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管、血管、心臓
など)または細胞などに由来するG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質であって、配列番号:19、20、21、2
2または23で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは
これらのアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を
含有するものであれば如何なるものであってもよい。す
なわち、本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質とし
ては、配列番号:19、20、21、22または23で
表わされるアミノ酸配列を含有する蛋白質などの他に、
配列番号:19、20、21、22または23で表わさ
れるアミノ酸配列と約90〜99.9%の相同性を有す
るアミノ酸配列を含有し、配列番号:19、20、2
1、22または23で表わされるアミノ酸配列を含有す
る蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質などが挙
げられる。これらの蛋白質が示す活性としては、例えば
リガンド結合活性、シグナル伝達などが挙げられる。実
質的に同質とは、リガンド結合活性などが性質的に同質
であることを示す。したがって、リガンド結合活性の強
さなどの強弱、レセプター蛋白質の分子量などの量的要
素は異なっていてもよい。
【0030】さらに具体的には、G蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質としては、配列番号:19または(および)
配列番号:20で表わされるアミノ酸配列を含有するヒ
ト下垂体由来のG蛋白質共役型レセプター蛋白質、配列
番号:22で表わされるアミノ酸配列を含有するマウス
膵臓由来のG蛋白質共役型レセプター蛋白質、配列番
号:23で表わされるアミノ酸配列を含有するマウス膵
臓由来のG蛋白質共役型レセプター蛋白質などが挙げら
れる。そして、配列番号:19および配列番号:20で
表わされるアミノ酸配列を含有するヒト下垂体由来のG
蛋白質共役型レセプター蛋白質としては、具体的には配
列番号:21で表わされるアミノ酸配列を含有するヒト
下垂体由来のG蛋白質共役型レセプター蛋白質などが挙
げられる。また、G蛋白質共役型レセプター蛋白質とし
ては、配列番号:19、20、21、22または23で
表わされるアミノ酸配列中の1以上30個以下、より好
ましくは1個以上10個以下のアミノ酸が欠失したアミ
ノ酸配列、配列番号:19、20、21、22または2
3で表わされるアミノ酸配列に1個以上30個以下、よ
り好ましくは1個以上10個以下のアミノ酸が付加した
アミノ酸配列、配列番号:19、20、21、22また
は23で表わされるアミノ酸配列中の1個以上30個以
下、より好ましくは1個以上10個以下のアミノ酸が他
のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を含有する蛋白質
なども挙げられる。ここで、配列番号:21で表される
アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配
列を含有する蛋白質は、ヒト下垂体由来G蛋白質共役型
レセプター蛋白質の全アミノ酸配列を含有するものであ
る。配列番号:19または(および)配列番号:20で
表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有する蛋白質は、該配列番号:21で表
されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ
ノ酸配列を含有する蛋白質の断片あるいは部分ペプチド
である。さらに、配列番号:22または配列番号:23
で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
アミノ酸配列を含有する蛋白質は、マウス膵臓由来のG
蛋白質共役型レセプター蛋白質であるが、配列番号:1
9または(および)配列番号:20で表されるアミノ酸
配列に非常に高い類似性を示す(実施例8、特に〔図1
3〕)ことから、配列番号:22または23で表される
アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配
列を含有する蛋白質も同様に、配列番号:21で表され
るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸
配列を含有する蛋白質の断片あるいは部分ペプチドの中
に含まれる。すなわち、上述の配列番号:21で表され
るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸
配列を含有する蛋白質もしくは後述する該蛋白質の部分
ペプチドまたはその塩は、配列番号:19、20、22
または23で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質
的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質またはその塩
をも含むものである。さらに、G蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質には、N末端のMetが保護基(例えば、ホルミ
ル基、アセチル基などのC1-6アシル基など)で保護さ
れているもの、GluのN端側が生体内で切断され、該
Gluがピログルタミン化したもの、分子内のアミノ酸
の側鎖が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル
基などのC1-6アシル基など)で保護されているもの、
あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖蛋白質などの複合蛋
白質なども含まれる。
【0031】G蛋白質共役型レセプター蛋白質の塩とし
ては、上記したリガンドポリペプチドと同様のものが挙
げられる。G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその
塩または該部分ペプチドは、ヒトや温血動物の組織また
は細胞から自体公知の蛋白質の精製方法によって製造す
ることもできるし、前述のポリペプチドをコードするD
NAを含有する形質転換体を培養する方法と同じ方法に
よっても製造することができる。また、前述のペプチド
合成法に準じて製造することもできる。G蛋白質共役型
レセプター蛋白質の部分ペプチドとしては、例えば、G
蛋白質共役型レセプター蛋白質分子のうち、細胞膜の外
に露出している部位などが用いられる。具体的には、
〔図3〕、〔図4〕、〔図8〕、〔図11〕または〔図
14〕で示される本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋
白質の疎水性プロット解析において細胞外領域(親水性
(Hydrophilic)部位)であると分析された部分を含む
ペプチドである。また、疎水性(Hydrophobic)部位を
一部に含むペプチドも同様に用いることができる。個々
のドメインを個別に含むペプチドも用い得るが、複数の
ドメインを同時に含む部分のペプチドでも良い。G蛋白
質共役型レセプター蛋白質の部分ペプチドの塩として
は、上記したリガンドポリペプチドの塩と同様のものが
用いられる。
【0032】G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコード
するDNAとしては、配列番号:19、20、21、2
2または23のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同
一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードする塩基配列を含有するものであればい
かなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノ
ムDNAライブラリー、組織・細胞由来のcDNA、組
織・細胞由来のcDNAライブラリー、合成DNAのい
ずれでもよい。ライブラリーに使用するベクターはバク
テリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミド
などいずれであってもよい。また、組織・細胞よりRN
A画分を調製したものを用いて直接RT-PCR法によ
って増幅することもできる。具体的には、配列番号:1
9のアミノ酸配列を含有するヒト下垂体由来のG蛋白質
共役型レセプター蛋白質をコードするDNAとしては、
配列番号:24で表わされる塩基配列を有するDNAな
どが用いられる。配列番号:20のアミノ酸配列を含有
するヒト下垂体由来のG蛋白質共役型レセプター蛋白質
をコードするDNAとしては、配列番号:25で表わさ
れる塩基配列を有するDNAなどが用いられる。配列番
号:21のアミノ酸配列を含有するヒト下垂体由来のG
蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAとし
ては、配列番号:26で表わされる塩基配列を有するD
NAなどが用いられる。配列番号:22のアミノ酸配列
を含有するマウス膵臓由来のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードするDNAとしては、配列番号:27で
表わされる塩基配列を有するDNAなどが用いられる。
配列番号:23のアミノ酸配列を含有するマウス膵臓由
来のG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDN
Aとしては、配列番号:28で表わされる塩基配列を有
するDNAなどが用いられる。
【0033】G蛋白質共役型レセプター蛋白質を完全に
コードするDNAのクローニングの方法、用い得るベク
ター、プロモーター、宿主、形質転換方法、培養方法、
分離精製の方法については上記したリガンドポリペプチ
ドの場合と同様である。たとえば、後述する実施例5で
得られるプラスミドphGR3を制限酵素SalIで消化
し、hGR3をコードするcDNAの完全長の翻訳枠部
分を取り出す。これを同じくSalI消化後に自己閉環を防
止するためにBAP(Bacterial AlkalinePhosphatase)
処理を施した動物細胞用発現ベクターpAKKO-111等とラ
イゲーション反応を行う。ライゲーション反応完了後は
反応液の一部を用いて大腸菌DH5等を形質転換する。
得られた形質転換体のうち、hGR3をコードするcD
NAが発現ベクターにあらかじめ組み込んであるSRα
などのプロモーターに対して順方向に挿入されているも
のを制限酵素切断によるマッピングあるいは塩基配列の
決定によって選別しそのプラスミドDNAを大量に調製
する。作成した発現ベクターのDNAを用い、リン酸カ
ルシウム法あるいはリポソーム法などにもとづく動物細
胞への遺伝子導入用のキットを用いてCHO dhfr-細胞
に導入してG蛋白質共役型レセプター蛋白質(hGR
3)高発現CHO細胞株を得る。得られたCHO細胞を
核酸不含の選択培地でCO2インキュベーターで37℃、
5%CO2の条件下で1〜4日培養することによりG蛋白
質共役型レセプター蛋白質(hGR3)を産生させる。
該CHO細胞からG蛋白質共役型レセプター蛋白質ある
いはその部分ペプチドに対する抗体を担体に架橋させて
作製されたアフィニティーカラムあるいはG蛋白質共役
型レセプター蛋白質に対するリガンドを担体に架橋させ
たアフィニティーカラムを用いてG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質を分離精製する。
【0034】かくして生成するG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質の活性は標識したリガンドとの結合実験および
特異抗体を用いたエンザイムイムノアッセイなどにより
測定することができる。G蛋白質共役型レセプター蛋白
質をコードするDNAおよびG蛋白質共役型レセプター
蛋白質は、G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対する
リガンドの決定方法、抗体および抗血清の入手、組
換え型レセプター蛋白質の発現系の構築、同発現系を
用いたレセプター結合アッセイ系の開発と医薬品候補化
合物のスクリーニング、構造的に類似したリガンド・
レセプターとの比較にもとづいたドラッグデザインの実
施、遺伝子診断におけるプローブ、PCRプライマー
の作成、遺伝子治療等に用いることができる。特に、
組換え型G蛋白質共役型レセプター蛋白質の発現系を用
いたレセプター結合アッセイ系によって、ヒトなどの温
血動物に特異的なG蛋白質共役型レセプターアゴニスト
またはアンタゴニストをスクリーニングすることがで
き、該アゴニストまたはアンタゴニストを各種疾病の予
防・治療剤などとして使用することができる。本発明の
リガンドポリペプチドおよびそれに対するG蛋白質共役
型レセプター蛋白質、リガンドポリペプチドおよびG蛋
白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAおよび
抗体等の用途について、以下にさらに具体的に説明す
る。
【0035】(1)G蛋白質共役型レセプター蛋白質に
対するリガンドの決定方法、該リガンドの製造法および
用途 上記したG蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくはその
塩または該部分ペプチドもしくはその塩は、G蛋白質共
役型レセプター蛋白質に対するリガンドを探索しまたは
決定するための試薬として有用である。すなわち、G蛋
白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチド
と、試験化合物とを接触させることを特徴とするG蛋白
質共役型レセプター蛋白質に対するリガンドの決定方法
を提供する。
【0036】試験化合物としては、公知のリガンド(例
えば、アンギオテンシン、ボンベシン、カナビノイド、
コレシストキニン、グルタミン、セロトニン、メラトニ
ン、ニューロペプチドY、オピオイド、プリン、バソプ
レッシン、オキシトシン、VIP(バソアクティブ イ
ンテスティナル アンド リレイテッド ペプチド)、
ソマトスタチン、ドーパミン、モチリン、アミリン、ブ
ラジキニン、CGRP(カルシトニンジーンリレーティ
ッドペプチド)、ロイコトリエン、パンクレアスタチ
ン、プロスタグランジン、トロンボキサン、アデノシ
ン、アドレナリン、αおよびβ−chemokine(IL−
8、GROα、GROβ、GROγ、NAP−2、EN
A−78、PF4、IP10、GCP−2、MCP−
1、HC14、MCP−3、I−309、MIP1α、
MIP−1β、RANTESなど)、エンドセリン、エ
ンテロガストリン、ヒスタミン、ニューロテンシン、T
RH、パンクレアティックポリペプタイド、ガラニンな
ど)の他に、例えばヒトや温血動物(例えば、マウス、
ラット、ブタ、ウシ、ヒツジ、サルなど)の組織抽出
物、細胞培養上清などが用いられる。例えば、該組織抽
出物、細胞培養上清などをG蛋白質共役型レセプター蛋
白質に添加し、細胞刺激活性などを測定しながら分画
し、最終的に単一のリガンドを得ることができる。
【0037】具体的には、上記したG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質もしくはその塩、または該部分ペプチドも
しくはその塩を用いるか、または組換え型レセプター蛋
白質の発現系を構築し、該発現系を用いたレセプター結
合アッセイ系を用いることによって、G蛋白質共役型レ
セプター蛋白質に結合して細胞刺激活性(例えば、アラ
キドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+
離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシ
トールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリ
ン酸化、c−fos活性化、細胞外pHの低下などを促
進する活性または抑制する活性)を有する化合物(例え
ば、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合
物、発酵生産物など)またはその塩を決定する方法を提
供する。細胞刺激活性の測定としては上記した中でも特
にアラキドン酸遊離を促進する活性または抑制する活性
を測定するのが好ましい。
【0038】G蛋白質共役型レセプター蛋白質に結合す
るリガンドを決定する具体的な方法としては、 標識した試験化合物を、G蛋白質共役型レセプター蛋
白質もしくはその塩または本発明の部分ペプチドもしく
はその塩に接触させた場合における、標識した試験化合
物の該蛋白質もしくはその塩、または該部分ペプチドも
しくはその塩に対する結合量を測定することを特徴とす
るG蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するリガンドの
決定方法、 標識した試験化合物を、G蛋白質共役型レセプター蛋
白質を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた
場合における、標識した試験化合物の該細胞または該膜
画分に対する結合量を測定することを特徴とするG蛋白
質共役型レセプター蛋白質に対するリガンドの決定方
法、 標識した試験化合物を、G蛋白質共役型レセプター蛋
白質をコードするDNAを含有する形質転換体を培養す
ることによって細胞膜上に発現したG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質に接触させた場合における、標識した試験
化合物の該G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対する結
合量を測定しすることを特徴とするG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質に対するリガンドの決定方法、
【0039】試験化合物を、G蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質を含有する細胞に接触させた場合における、G
蛋白質共役型レセプター蛋白質を介した細胞刺激活性
(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細
胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP
生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞
内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、細胞外pH
の低下などを促進する活性または抑制する活性など)を
測定することを特徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋
白質に対するリガンドの決定方法、および 試験化合物を、G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコ
ードするDNAを含有する形質転換体を培養することに
よって細胞膜上に発現したG蛋白質共役型レセプター蛋
白質に接触させた場合における、G蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質を介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン
酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞
内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリ
ン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、
c−fosの活性化、細胞外pHの低下などを促進する
活性または抑制する活性など)を測定することを特徴と
する方法を挙げることができる。リガンド決定方法の具
体的な説明を以下にする。まず、リガンド決定方法に用
いるG蛋白質共役型レセプター蛋白質としては、上記し
たG蛋白質共役型レセプター蛋白質または該G蛋白質共
役型レセプター蛋白質の部分ペプチドを含有するもので
あれば何れのものであってもよいが、動物細胞を用いて
大量発現させたG蛋白質共役型レセプター蛋白質が適し
ている。G蛋白質共役型レセプター蛋白質を製造するに
は、前述の方法が用いられるが、該蛋白質をコードする
DNAを哺乳動物細胞や昆虫細胞で発現することにより
行うことができる。目的部分をコードするDNA断片に
は相補DNAが用いられるが、必ずしもこれに制約され
るものではない。例えば、遺伝子断片や合成DNAを用
いてもよい。G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコード
するDNA断片を宿主動物細胞に導入し、それらを効率
よく発現させるためには、該DNA断片を昆虫を宿主と
するバキュロウイルスに属する核多角体病ウイルス(nu
clear polyhedrosis virus;NPV)のポリヘドリンプ
ロモーター、SV40由来のプロモーター、レトロウイ
ルスのプロモーター、メタロチオネインプロモーター、
ヒトヒートショックプロモーター、サイトメガロウイル
スプロモーター、SRαプロモーターなどの下流に組み
込むのが好ましい。発現したレセプターの量と質の検査
はそれ自体公知の方法で行うことができる。例えば、文
献〔Nambi,P.ら、ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジ
カル・ケミストリー(J. Biol. Chem.),267巻,19555〜
19559頁,1992年〕に記載の方法に従って行うことができ
る。
【0040】したがって、リガンド決定方法において、
G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはG蛋白質共役型
レセプター蛋白質の部分ペプチドを含有するものとして
は、それ自体公知の方法に従って精製したG蛋白質共役
型レセプター蛋白質または該G蛋白質共役型レセプター
蛋白質の部分ペプチドであってもよいし、該蛋白質を含
有する細胞を用いてもよく、また該蛋白質を含有する細
胞の膜画分を用いてもよい。リガンド決定方法におい
て、G蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有する細胞を
用いる場合、該細胞をグルタルアルデヒド、ホルマリン
などで固定化してもよい。固定化方法はそれ自体公知の
方法に従って行うことができる。G蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質を含有する細胞としては、G蛋白質共役型レ
セプター蛋白質を発現した宿主細胞をいうが、該宿主細
胞としては、大腸菌、枯草菌、酵母、昆虫細胞、動物細
胞などが挙げられる。膜画分としては、細胞を破砕した
後、それ自体公知の方法で得られる細胞膜が多く含まれ
る画分のことをいう。細胞の破砕方法としては、Potter
−Elvehjem型ホモジナイザーで細胞を押し潰す方法、ワ
ーリングブレンダーやポリトロン(Kinematica社製)に
よる破砕、超音波による破砕、フレンチプレスなどで加
圧しながら細胞を細いノズルから噴出させることによる
破砕などが挙げられる。細胞膜の分画には、分画遠心分
離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法が
主として用いられる。例えば、細胞破砕液を低速(50
0rpm〜3000rpm)で短時間(通常、約1分〜
10分)遠心し、上清をさらに高速(15000rpm
〜30000rpm)で通常30分〜2時間遠心し、得
られる沈澱を膜画分とする。該膜画分中には、発現した
G蛋白質共役型レセプター蛋白質と細胞由来のリン脂質
や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれる。
【0041】該G蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有
する細胞や膜画分中のG蛋白質共役型レセプター蛋白質
の量は、1細胞当たり103〜108分子であるのが好ま
しく、105〜107分子であるのが好適である。なお、
発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活性(比
活性)が高くなり、高感度なスクリーニング系の構築が
可能になるばかりでなく、同一ロットで大量の試料を測
定できるようになる。G蛋白質共役型レセプター蛋白質
に結合するリガンドを決定する前記の〜の方法を実
施するためには、適当なG蛋白質共役型レセプター画分
と、標識した試験化合物が必要である。G蛋白質共役型
レセプター画分としては、天然型のG蛋白質共役型レセ
プター画分か、またはそれと同等の活性を有する組換え
型G蛋白質共役型レセプター画分などが望ましい。ここ
で、同等の活性とは、同等のリガンド結合活性などを示
す。標識した試験化合物としては、〔3H〕、
125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識した上記の
試験化合物などが好適である。
【0042】具体的には、G蛋白質共役型レセプター蛋
白質に結合するリガンドの決定方法を行うには、まずG
蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有する細胞または細
胞の膜画分を、決定方法に適したバッファーに懸濁する
ことによりレセプター標品を調製する。バッファーに
は、pH4〜10(望ましくはpH6〜8)のリン酸バ
ッファー、トリス−塩酸バッファーなどのリガンドとレ
セプターとの結合を阻害しないバッファーであればいず
れでもよい。また、非特異的結合を低減させる目的で、
CHAPS、Tween−80TM(花王−アトラス
社)、ジギトニン、デオキシコレートなどの界面活性剤
やウシ血清アルブミンやゼラチンなどの各種蛋白質をバ
ッファーに加えることもできる。さらに、プロテアーゼ
によるレセプターやリガンドの分解を抑える目的でPM
SF、ロイペプチン、E−64(ペプチド研究所製)、
ペプスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加すること
もできる。0.01ml〜10mlの該レセプター溶液
に、一定量(5000cpm〜500000cpm)の
3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識し
た試験化合物を共存させる。非特異的結合量(NSB)
を知るために大過剰の未標識の試験化合物を加えた反応
チューブも用意する。反応は0℃から50℃、望ましく
は4℃から37℃で20分から24時間、望ましくは3
0分から3時間行う。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過
し、適量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙
に残存する放射活性を液体シンチレーションカウンター
あるいはγ−カウンターで計測する。全結合量(B)か
ら非特異的結合量(NSB)を引いたカウント(B−N
SB)が0cpmを越える試験化合物を本発明のG蛋白
質共役型レセプター蛋白質に対するリガンドとして選択
することができる。
【0043】G蛋白質共役型レセプター蛋白質に結合す
るリガンドを決定する前記の〜の方法を実施するた
めには、G蛋白質共役型レセプター蛋白質を介する細胞
刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン
遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内
cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変
動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、細
胞外pHの低下などを促進する活性または抑制する活性
など)を公知の方法または市販の測定用キットを用いて
測定することができる。具体的には、まず、G蛋白質共
役型レセプター蛋白質を含有する細胞をマルチウェルプ
レート等に培養する。リガンド決定を行なうにあたって
は前もって新鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さない適
当なバッファーに交換し、試験化合物などを添加して一
定時間インキュベートした後、細胞を抽出あるいは上清
液を回収して、生成した産物をそれぞれの方法に従って
定量する。細胞刺激活性の指標とする物質(例えば、ア
ラキドン酸など)の生成が、細胞が含有する分解酵素に
よって検定困難な場合は、該分解酵素に対する阻害剤を
添加してアッセイを行なってもよい。また、cAMP産
生抑制などの活性については、フォルスコリンなどで細
胞の基礎的産生量を増大させておいた細胞に対する産生
抑制作用として検出することができる。
【0044】G蛋白質共役型レセプター蛋白質に結合す
るリガンド決定用キットは、G蛋白質共役型レセプター
蛋白質またはその塩、その部分ペプチドまたはその塩、
G蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有する細胞、ある
いはG蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有する細胞の
膜画分を含有するものである。リガンド決定用キットの
例としては、次のものが挙げられる。 1.リガンド決定用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 G蛋白質共役型レセプター蛋白質標品 G蛋白質共役型レセプター蛋白質を発現させたCHO細
胞を、12穴プレートに5×105個/穴で継代し、3
7℃、5%CO2、95%airで2日間培養したも
の。 標識試験化合物 市販の〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで
標識した化合物、または適当な方法で標識化したもの。
適当な溶媒または緩衝液に溶解したものを4℃あるいは
−20℃にて保存し、用時に測定用緩衝液にて1μMに
希釈する。水に難溶性を示す試験化合物については、ジ
メチルホルムアミド、DMSO、メタノール等に溶解す
る。 非標識試験化合物 標識化合物を同じものを100〜1000倍濃い濃度に
調製する。
【0045】2.測定法 12穴組織培養用プレートにて培養したG蛋白質共役
型レセプター蛋白質を発現させた細胞を、測定用緩衝液
1mlで2回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を
各穴に加える。 標識試験化合物を5μl加え、室温にて1時間反応さ
せる。非特異的結合量を知るためには非標識試験化合物
を5μl加えておく。 反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識試験化合物を0.2N NaO
H−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレーター
A(和光純薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)
を用いて放射活性を測定する。
【0046】(2)リガンドポリペプチドまたはG蛋白
質共役型レセプター蛋白質欠乏症の予防・治療剤 上記(1)の方法において、明らかにされたG蛋白質共
役型レセプター蛋白質に対するリガンドポリペプチドが
有する作用に応じて、リガンドポリペプチドまたはG蛋
白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAをリガ
ンドポリペプチドまたはG蛋白質共役型レセプター蛋白
質欠乏症の予防・治療剤としても使用することができ
る。例えば、生体内において、リガンドポリペプチドま
たはG蛋白質共役型レセプター蛋白質が減少しているた
めにリガンドの生理作用(下垂体機能調節作用、中枢神
経機能調節作用あるいは膵臓機能調節作用など)が期待
できない患者がいる場合に、(イ)リガンドポリペプチ
ドまたはG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードする
DNAを該患者に投与し発現させることによって、ある
いは(ロ)脳細胞などにリガンドポリペプチドもしくは
G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAを
挿入し発現させた後に、該脳細胞を該患者に移植するこ
となどによって、該患者の脳細胞におけるリガンドポリ
ペプチドまたはG蛋白質共役型レセプター蛋白質の量を
増加させ、リガンドポリペプチドの作用を充分に発揮さ
せることができる。したがって、リガンドポリペプチド
またはG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするD
NAは、安全で低毒性なリガンドポリペプチドまたはG
蛋白質共役型レセプター蛋白質欠乏症の予防・治療剤な
どとして用いることができる。上記DNAを上記治療剤
として使用する場合は、該DNAを単独あるいはレトロ
ウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノウ
イルスアソシエーテッドウイルスベクターなどの適当な
ベクターに挿入した後、上記したリガンドポリペプチド
もしくは該部分ペプチドをコードするDNAを医薬とし
て使用する場合と同様の手段に従って実施することがで
きる。
【0047】(3)リガンドポリペプチドに対するG蛋
白質共役型レセプター蛋白質の定量法本発明のリガンド
ポリペプチドはG蛋白質共役型レセプター蛋白質または
その塩や該レセプター蛋白質の部分ペプチドまたはその
塩に対して結合性を有しているので、生体内におけるG
蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくはその塩、または
該レセプター蛋白質の部分ペプチドまたはその塩の濃度
を感度良く定量することができる。この定量法は、例え
ば競合法と組み合わせることによって用いることができ
る。すなわち、被検体を本発明のリガンドポリペプチド
と接触させることによって被検体中のG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質もしくはその塩、またはG蛋白質共役型
レセプター蛋白質の部分ペプチドもしくはその塩の濃度
を測定することができる。具体的には、例えば、以下の
またはなどに記載の方法あるいはそれに準じる方法
に従って用いることができる。 入江寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和4
9年発行) 入江寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和
54年発行)
【0048】(4)G蛋白質共役型レセプター蛋白質
と、本発明のリガンドポリペプチド、該部分ペプチドま
たはそれらのアミド、エステルもしくはそれら塩(以
下、リガンドまたはリガンドポリペプチドと略称する場
合がある。)との結合性を変化させる化合物のスクリー
ニング方法 G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩や該部分
ペプチドもしくはその塩を用いるか、または組換え型レ
セプター蛋白質の発現系を構築し、該発現系を用いたレ
セプター結合アッセイ系を用いることによって、リガン
ドポリペプチドとG蛋白質共役型レセプター蛋白質との
結合性を変化させる化合物(例えば、ペプチド、蛋白
質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物な
ど)またはその塩をスクリーニングすることができる。
このような化合物には、G蛋白質共役型レセプターを介
して細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチ
ルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生
成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細
胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの
活性化、pHの低下などを促進する活性または抑制する
活性など)を有する化合物(即ちG蛋白質共役型レセプ
ターアゴニスト)と該細胞刺激活性を有しない化合物
(即ちG蛋白質共役型レセプターアンタゴニスト)など
が含まれる。「リガンドとの結合性を変化させる」と
は、リガンドとの結合を阻害する場合とリガンドとの結
合を促進する場合の両方を包含するものである。
【0049】すなわち、本発明は、(i)本発明のG蛋
白質共役型レセプター蛋白質もしくはその塩または該レ
セプター蛋白質の部分ペプチドもしくはその塩に、本発
明のリガンドを接触させた場合と(ii)上記したG蛋白
質共役型レセプター蛋白質もしくはその塩または該レセ
プター蛋白質の部分ペプチドもしくはその塩に、本発明
のリガンドおよび試験化合物を接触させた場合との比較
を行なうことを特徴とする本発明のリガンドと上記した
G蛋白質共役型レセプター蛋白質との結合性を変化させ
る化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供す
る。本発明のスクリーニング方法においては、(i)上
記したG蛋白質共役型レセプター蛋白質または該レセプ
ター蛋白質の部分ペプチドに、本発明のリガンドポリペ
プチドを接触させた場合と(ii)上記したG蛋白質共役
型レセプター蛋白質または該レセプター蛋白質の部分ペ
プチドに、本発明のリガンドポリペプチドおよび試験化
合物を接触させた場合における、例えば該G蛋白質共役
型レセプター蛋白質または該レセプター蛋白質の部分ペ
プチドに対するリガンドの結合量、細胞刺激活性などを
測定して、比較する。
【0050】本発明のスクリーニング方法は具体的に
は、 標識した本発明のリガンドポリペプチドを、上記した
G蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくはその塩または
G蛋白質共役型レセプター蛋白質の部分ペプチドまたは
その塩に接触させた場合と、標識した本発明のリガンド
ポリペプチドおよび試験化合物をG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質もしくはその塩またはG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質の部分ペプチドもしくはその塩に接触させた
場合における、標識した本発明のリガンドポリペプチド
の該G蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくはその塩、
または該部分ペプチドもしくはその塩に対する結合量を
測定し、比較することを特徴とする本発明のリガンドポ
リペプチドとG蛋白質共役型レセプター蛋白質との結合
性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方
法、 標識した本発明のリガンドポリペプチドを、G蛋白質
共役型レセプター蛋白質を含有する細胞または該細胞の
膜画分に接触させた場合と、標識した本発明のリガンド
ポリペプチドおよび試験化合物をG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触
させた場合における、標識した本発明のリガンドポリペ
プチドの該細胞または該膜画分に対する結合量を測定
し、比較することを特徴とする本発明のリガンドポリペ
プチドとG蛋白質共役型レセプター蛋白質との結合性を
変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、 標識した本発明のリガンドポリペプチドを、G蛋白質
共役型レセプター蛋白質をコードするDNAを含有する
形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現した
G蛋白質共役型レセプター蛋白質に接触させた場合と、
標識した本発明のリガンドポリペプチドおよび試験化合
物をG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDN
Aを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜
上に発現したG蛋白質共役型レセプター蛋白質に接触さ
せた場合における、標識した本発明のリガンドポリペプ
チドの該G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対する結合
量を測定し、比較することを特徴とする本発明のリガン
ドポリペプチドとG蛋白質共役型レセプター蛋白質との
結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニン
グ方法、
【0051】G蛋白質共役型レセプター蛋白質を活性
化する化合物(例えば、本発明のリガンドポリペプチ
ド)をG蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有する細胞
に接触させた場合と、G蛋白質共役型レセプターを活性
化する化合物および試験化合物をG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質を含有する細胞に接触させた場合における、
G蛋白質共役型レセプターを介した細胞刺激活性(例え
ば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内C
2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、
イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白
質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下などを
促進する活性または抑制する活性など)を測定し、比較
することを特徴とする本発明のリガンドポリペプチドと
G蛋白質共役型レセプター蛋白質との結合性を変化させ
る化合物またはその塩のスクリーニング方法、および G蛋白質共役型レセプターを活性化する化合物(例え
ば、本発明のリガンドポリペプチドなど)をG蛋白質共
役型レセプター蛋白質をコードするDNAを含有する形
質転換体を培養することによって細胞膜上に発現したG
蛋白質共役型レセプター蛋白質に接触させた場合と、G
蛋白質共役型レセプターを活性化する化合物、および試
験化合物をG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードす
るDNAを含有する形質転換体を培養することによって
細胞膜上に発現したG蛋白質共役型レセプター蛋白質に
接触させた場合における、G蛋白質共役型レセプターを
介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセ
チルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生
成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細
胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの
活性化、pHの低下などを促進する活性または抑制する
活性など)を測定し、比較することを特徴とする本発明
のリガンドポリペプチドとG蛋白質共役型レセプター蛋
白質との結合性を変化させる化合物またはその塩のスク
リーニング方法である。
【0052】G蛋白質共役型レセプターアゴニストまた
はアンタゴニストをスクリーニングする場合、まずラッ
トなどのG蛋白質共役型レセプター蛋白質を含む細胞、
組織またはその細胞膜画分を用いて候補化合物を得て
(一次スクリーニング)、その後に該候補化合物が実際
にヒトのG蛋白質共役型レセプター蛋白質とリガンドと
の結合を阻害するか否かを確認する試験(二次スクリー
ニング)が必要である。しかし、細胞、組織または細胞
膜画分をそのまま用いれば他のレセプター蛋白質も混在
するために、目的とするレセプター蛋白質に対するアゴ
ニストまたはアンタゴニストを実際にスクリーニングす
ることは困難である。しかしながら、ヒト由来G蛋白質
共役型レセプター蛋白質を用いることによって、一次ス
クリーニングの必要がなくなり、リガンドポリペプチド
とG蛋白質共役型レセプターとの結合性を変化させる化
合物を効率良くスクリーニングすることができる。さら
に、スクリーニングされた化合物がG蛋白質共役型レセ
プターアゴニストかG蛋白質共役型レセプターアンタゴ
ニストかを評価することができる。本発明のスクリーニ
ング方法の具体的な説明を以下にする。まず、本発明の
スクリーニング方法に用いるG蛋白質共役型レセプター
蛋白質としては、上記のG蛋白質共役型レセプター蛋白
質またはG蛋白質共役型レセプター蛋白質の部分ペプチ
ドを含有するものであれば何れのものであってもよい
が、ヒトや温血動物の臓器の膜画分が好適である。しか
し、特にヒト由来の臓器は入手が極めて困難なことか
ら、スクリーニングに用いられるものとしては、組換え
体を用いて大量発現させたG蛋白質共役型レセプター蛋
白質が適している。G蛋白質共役型レセプター蛋白質を
製造するには、前述の方法が用いられる。本発明のスク
リーニング方法において、G蛋白質共役型レセプター蛋
白質を含有する細胞あるいは該細胞膜画分を用いる場
合、前述の調製法に従えばよい。
【0053】本発明のリガンドとG蛋白質共役型レセプ
ターとの結合性を変化させる化合物をスクリーニングす
る前記の〜を実施するためには、適当なG蛋白質共
役型レセプター画分と、標識した本発明のリガンドポリ
ペプチドが必要である。G蛋白質共役型レセプター画分
としては、天然型のG蛋白質共役型レセプター画分か、
またはそれと同等の活性を有する組換え型G蛋白質共役
型レセプター画分などが望ましい。ここで、同等の活性
とは、同等のリガンド結合活性などを示す。標識したリ
ガンドとしては、標識したリガンド、標識したリガンド
アナログ化合物などが用いられる。例えば〔3H〕、〔
125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識されたリガン
ドなどを利用することができる。具体的には、リガンド
ポリペプチドとG蛋白質共役型レセプター蛋白質との結
合性を変化させる化合物のスクリーニングを行うには、
まずG蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有する細胞ま
たは細胞の膜画分を、スクリーニングに適したバッファ
ーに懸濁することによりレセプター標品を調製する。バ
ッファーには、pH4〜10(望ましくはpH6〜8)
のリン酸バッファー、トリス−塩酸バッファーなどのリ
ガンドとレセプターとの結合を阻害しないバッファーで
あればいずれでもよい。また、非特異的結合を低減させ
る目的で、CHAPS、Tween−80TM(花王−ア
トラス社)、ジギトニン、デオキシコレートなどの界面
活性剤をバッファーに加えることもできる。さらに、プ
ロテアーゼによるレセプターやリガンドの分解を抑える
目的でPMSF、ロイペプチン、E−64(ペプチド研
究所製)、ペプスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添
加することもできる。0.01ml〜10mlの該レセプ
ター溶液に、一定量(5000cpm〜500000c
pm)の標識したリガンドを添加し、同時に10-4M〜
10-10 Mの試験化合物を共存させる。非特異的結合量
(NSB)を知るために大過剰の未標識のリガンドを加
えた反応チューブも用意する。反応は0℃から50℃、
望ましくは4℃から37℃で20分から24時間、望ま
しくは30分から3時間行う。反応後、ガラス繊維濾紙
等で濾過し、適量の同バッファーで洗浄した後、ガラス
繊維濾紙に残存する放射活性を液体シンチレーションカ
ウンターまたはγ−カウンターで計測する。拮抗する物
質がない場合のカウント(B0)から非特異的結合量(N
SB)を引いたカウント(B0−NSB)を100%と
した時、特異的結合量(B−NSB)が例えば50%以
下になる試験化合物を拮抗阻害能力のある候補物質とし
て選択することができる。
【0054】本発明のリガンドとG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質との結合性を変化させる化合物をスクリーニ
ングする前記の〜の方法を実施するためには、G蛋
白質共役型レセプター蛋白質を介する細胞刺激活性(例
えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内
Ca遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、
イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白
質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下などを
促進する活性または抑制する活性など)を公知の方法ま
たは市販の測定用キットを用いて測定することができ
る。具体的には、まず、G蛋白質共役型レセプター蛋白
質を含有する細胞をマルチウェルプレート等に培養す
る。スクリーニングを行なうにあたっては前もって新鮮
な培地あるいは細胞に毒性を示さない適当なバッファー
に交換し、試験化合物などを添加して一定時間インキュ
ベートした後、細胞を抽出あるいは上清液を回収して、
生成した産物をそれぞれの方法に従って定量する。細胞
刺激活性の指標とする物質(例えば、アラキドン酸な
ど)の生成が、細胞が含有する分解酵素によって検定困
難な場合は、該分解酵素に対する阻害剤を添加してアッ
セイを行なってもよい。また、cAMP産生抑制などの
活性については、フォルスコリンなどで細胞の基礎的産
生量を増大させておいた細胞に対する産生抑制作用とし
て検出することができる。細胞刺激活性を測定してスク
リーニングを行なうには、適当なG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質を発現した細胞が必要である。本発明のG蛋
白質共役型レセプター蛋白質を発現した細胞としては、
天然型の本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質を有
する細胞株(例えば、マウス膵臓β細胞株MIN6な
ど)、前述の組換え型G蛋白質共役型レセプター蛋白質
発現細胞株などが望ましい。試験化合物としては、例え
ばペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合
物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽
出液などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であ
ってもよいし、公知の化合物であってもよい。
【0055】本発明のリガンドとG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質との結合性を変化させる化合物またはその塩
のスクリーニング用キットは、G蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質またはその塩、G蛋白質共役型レセプター蛋白
質の部分ペプチドまたはその塩、G蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質を含有する細胞、あるいはG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質を含有する細胞の膜画分、および本発明
のリガンドポリペプチドを含有するものである。本発明
のスクリーニング用キットの例としては、次のものが挙
げられる。 1.スクリーニング用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 G蛋白質共役型レセプター標品 G蛋白質共役型レセプター蛋白質を発現させたCHO細
胞を、12穴プレートに5×105個/穴で継代し、3
7℃、5%CO2、95%airで2日間培養したも
の。 標識リガンド 市販の〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで
標識したリガンド適当な溶媒または緩衝液に溶解したも
のを4℃あるいは−20℃にて保存し、用時に測定用緩
衝液にて1μMに希釈する。 リガンド標準液 リガンドを0.1%ウシ血清アルブミン(シグマ社製)
を含むPBSで1mMとなるように溶解し、−20℃で
保存する。
【0056】2.測定法 12穴組織培養用プレートにて培養したG蛋白質共役
型レセプター蛋白質を発現させた細胞を、測定用緩衝液
1mlで2回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を
各穴に加える。 10-3〜10-10Mの試験化合物溶液を5μl加えた
後、標識リガンドを5μl加え、室温にて1時間反応さ
せる。非特異的結合量を知るためには試験化合物のかわ
りに10-3Mのリガンドを5μl加えておく。 反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識リガンドを0.2N NaOH
−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレーターA
(和光純薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)
を用いて放射活性を測定し、Percent Maximum Binding
(PMB)を次の式〔数1〕で求める。
【数1】 PMB:Percent Maximum Binding B :検体を加えた時の値 NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量) B0 :最大結合量
【0057】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、本発明のリガンドポリペプチドとG蛋白質共役型レ
セプターとの結合を変化させる(結合を阻害あるいは促
進する)化合物であり、具体的にはG蛋白質共役型レセ
プターを介して細胞刺激活性を有する化合物またはその
塩(いわゆるG蛋白質共役型レセプターアゴニスト)、
あるいは該刺激活性を有しない化合物(いわゆるG蛋白
質共役型レセプターアンタゴニスト)である。該化合物
としては、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、
合成化合物、発酵生産物などが挙げられ、これら化合物
は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であっ
てもよい。該G蛋白質共役型レセプターアゴニストは、
G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するリガンドポリ
ペプチドが有する生理活性と同様の作用を有しているの
で、該リガンド活性に応じて安全で低毒性な医薬として
有用である。逆に、G蛋白質共役型レセプターアンタゴ
ニストは、G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するリ
ガンドポリペプチドが有する生理活性を抑制することが
できるので、該リガンド活性を抑制する安全で低毒性な
医薬として有用である。本発明のリガンドポリペプチド
は下垂体機能調節作用、中枢神経機能調節作用または膵
臓機能調節作用に関与していることから、上記したアゴ
ニストあるいはアンタゴニストをたとえば老人性痴呆、
脳血管性痴呆、系統変成型の退行変成疾患(例:アルツ
ハイマー病、パーキンソン病、ピック病、ハンチントン
病など)に起因する痴呆、感染性疾患(例:クロイツフ
ェルト−ヤコブ病などの遅発ウイルス感染症など)に起
因する痴呆、内分泌性・代謝性・中毒性疾患(例:甲状
腺機能低下症、ビタミンB12欠乏症、アルコール中
毒、各種薬剤・金属・有機化合物による中毒など)に起
因する痴呆、腫瘍性疾患(例:脳腫瘍など)に起因する
痴呆、外傷性疾患(例:慢性硬膜下血腫など)に起因す
る痴呆などの痴呆、鬱病、多動児(微細脳障害)症候
群、意識障害、不安障害、精神分裂症、恐怖症、成長ホ
ルモン分泌障害(例:巨人症、末端肥大症など)、過食
症、多食症、高コレステロール血症、高グリセリド血
症、高脂血症、高プロラクチン血症、低血糖症、下垂体
機能低下症、下垂体性小人症、糖尿病(例:糖尿病性合
併症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜
症など)、癌(例:乳癌、リンパ性白血病、膀胱癌、卵
巣癌、前立腺癌など)、膵炎、腎疾患(例:慢性腎不
全、腎炎など)、ターナー症候群、神経症、リウマチ関
節炎、脊髄損傷、一過性脳虚血発作、筋萎縮性側索硬化
症、急性心筋梗塞、脊髄小脳変性症、骨折、創傷、アト
ピー性皮膚炎、骨粗鬆症、喘息、てんかん、不妊症また
は乳汁分泌不全などの疾病の治療・予防剤として用いる
ことができる。さらに催眠鎮静剤、手術後の栄養状態改
善剤、昇圧剤、降圧剤などとしても用いることができ
る。
【0058】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
を上述の医薬として使用する場合、上記のリガンドポリ
ペプチドを医薬として実施する場合と同様にして実施す
ることができる。
【0059】(5)本発明のリガンドポリペプチドまた
はG蛋白質共役型レセプター蛋白質に対する抗体または
抗血清の製造 本発明のリガンドポリペプチドまたはG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質に対する抗体(例えば、ポリクローナル
抗体、モノクローナル抗体)または抗血清は、本発明の
リガンドポリペプチドまたはG蛋白質共役型レセプター
蛋白質を抗原として用い、自体公知の抗体または抗血清
の製造法に従って製造することができる。例えば、ポリ
クローナル抗体は、後述の方法に従って製造することが
できる。
【0060】[ポリクローナル抗体の作製]上記抗原と
してのペプチドもしくは蛋白質は、キャリアー用蛋白と
結合される。該キャリアー用蛋白としては、例えば、牛
チログロブリン、牛血清アルブミン、牛ガンマグロブリ
ン、ヘモシアニン、フロインドの完全アジュバント(デ
ィフコ社製)などがあげられる。該抗原としての蛋白質
とキャリアー用蛋白との結合には、公知の常套手段を用
いて実施し得る。結合に用いる試薬としては、例えば、
グルタールアルデヒド、水溶性カルボジイミドなどがあ
げられる。抗原としての蛋白質とキャリアー用蛋白との
使用比は、約1対1ないし約1対10が適当であり、反
応のpHは、中性付近、特に約6〜8前後が良好な結果
を与える場合が多い。また、反応に要する時間は、約1
〜12時間が良い場合が多いが、特に、約2〜6時間が
適当である。このようにして作成された複合物は、常套
手段で約0〜18℃前後で水に対して透析し、凍結して
保存しても良いし、凍結乾燥して保存しても良い。ポリ
クローナル抗体を製造するためには、上記のようにして
製造した免疫原を温血動物に接種される。上記抗体の製
造に用いられる温血動物としては、例えば、哺乳温血動
物(例、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ラット、マウス、モル
モット、ウシ、ウマ、ブタ)、鳥類(例、ニワトリ、ハ
ト、アヒル、ガチョウ、ウズラ)などが挙げられる。免
疫原を、温血動物に接種する方法としては、動物に接種
する免疫原は、抗体産生をする有効な量でよく、例え
ば、ウサギに1回1mgを1mlの生理食塩水およびフロイ
ンドの完全アジュバントで乳化して、背部ならびに後肢
掌皮下に4週間おきに5回接種すると抗体を産生させる
場合が多い。このようにして、温血動物中に形成された
抗体を採取する方法としては、例えばウサギでは、通常
最終接種後7日から12日の間に耳静脈から採取し、遠
心分離して血清として得られる。得られた抗血清は、通
常、各抗原ペプチドを保持させた担体を用いるアフィニ
ティクロマトグラフィーで吸着した画分を回収すること
によりポリクローナル抗体を精製することができる。
【0061】また、モノクローナル抗体は、後述の方法
に従って製造することができる。 〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクロナール抗体産生細胞の作製 本発明のリガンドポリペプチドまたはG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質は、温血動物に対して投与により抗体産
生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤ととも
に投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、
完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュ
バントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に1回
ずつ、計2〜10回程度行われる。用いられる温血動物
としては、たとえばサル、ウサギ、イヌ、モルモット、
マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリがあげられる
が、マウスおよびラットが好ましく用いられる。
【0062】モノクローナル抗体産生細胞の作製に際し
ては、抗原を免疫された温血動物、たとえばマウスから
抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後
に脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体
産生細胞を骨髄腫細胞と融合させることにより、モノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することができ
る。抗血清中の抗体価の測定は、例えば後記の標識化ポ
リペプチドまたは標識化G蛋白質共役型レセプターと抗
血清とを反応させたのち、抗体に結合した標識剤の活性
を測定することによりなされる。融合操作は既知の方
法、たとえばケーラーとミルスタインの方法〔ネイチャ
ー(Nature)、256、495 (1975)〕に従い実施できる。融
合促進剤としてはポリエチレングリコール(PEG)や
センダイウィルスなどが挙げられるが、好ましくはPE
Gが用いられる。骨髄腫細胞としてはたとえばNS−
1、P3U1、SP2/0、AP−1などがあげられる
が、P3U1が好ましく用いられる。用いられる抗体産
生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数との好ましい比率
は1:1〜20:1程度であり、PEG(好ましくはP
EG1000〜PEG6000)が10〜80%程度の
濃度で添加され、20〜40℃、好ましくは30〜37
℃で1〜10分間インキュベートすることにより効率よ
く細胞融合を実施できる。抗リガンドポリペプチド抗体
または抗G蛋白質共役型レセプター抗体産生ハイブリド
ーマのスクリーニングには種々の方法が使用できるが、
たとえばリガンドポリペプチド抗原またはG蛋白質共役
型レセプター抗原を直接あるいは担体とともに吸着させ
た固相(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ培養
上清を添加し、次に放射性物質や酵素などで標識した抗
免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞がマウ
スの場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる)
またはプロテインAを加え、固相に結合した抗リガンド
ポリペプチドモノクローナル抗体または抗G蛋白質共役
型レセプターモノクローナル抗体を検出する方法、抗免
疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着させた固相
にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性物質や酵素
などで標識したリガンドポリペプチドまたはG蛋白質共
役型レセプターを加え、固相に結合した抗リガンドポリ
ペプチドモノクローナル抗体または抗G蛋白質共役型レ
セプターモノクローナル抗体を検出する方法などがあげ
られる。抗リガンドポリペプチドモノクローナル抗体ま
たは抗G蛋白質共役型レセプターモノクローナル抗体の
選別は、自体公知あるいはそれに準じる方法に従って行
なうことができる。通常HAT(ヒポキサンチン、アミ
ノプテリン、チミジン)を添加した動物細胞用培地で行
なわれる。選別および育種用培地としては、ハイブリド
ーマが生育できるものならばどのような培地を用いても
良い。例えば、1〜20%、好ましくは10〜20%の
牛胎児血清を含むRPMI 1640培地、1〜10%
の牛胎児血清を含むGIT培地(和光純薬工業(株))
あるいはハイブリドーマ培養用無血清培地(SFM−1
01、日水製薬(株))などを用いることができる。培
養温度は、通常20〜40℃、好ましくは約37℃であ
る。培養時間は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間
〜2週間である。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なわ
れる。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血
清中の抗リガンドポリペプチド抗体価または抗G蛋白質
共役型レセプター抗体価の測定と同様にして測定でき
る。
【0063】(b)モノクロナール抗体の精製 抗リガンドポリペプチドモノクローナル抗体または抗G
蛋白質共役型レセプターモノクローナル抗体の分離精製
は通常のポリクローナル抗体の分離精製と同様に免疫グ
ロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコール沈殿
法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体(例、D
EAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原
結合固相あるいはプロテインAあるいはプロテインGな
どの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合を解離さ
せて抗体を得る特異的精製法〕に従って行われる。以上
の(a)および(b)の方法に従って製造させる本発明
のリガンドポリペプチド抗体またはG蛋白質共役型レセ
プター抗体は、それぞれリガンドポリペプチドまたはG
蛋白質共役型レセプターを特異的に認識することができ
るので、被検液中のリガンドポリペプチドまたはG蛋白
質共役型レセプターの定量、特にサンドイッチ免疫測定
法による定量などに使用することができる。すなわち、
本発明は、例えば、(i)本発明のリガンドポリペプチ
ドまたはG蛋白質共役型レセプターに反応する抗体と、
被検液および、標識化リガンドポリペプチドまたは標識
化G蛋白質共役型レセプターとを競合的に反応させ、該
抗体に結合した標識化リガンドポリペプチドまたは標識
化G蛋白質共役型レセプターの割合を測定することを特
徴とする被検液中のリガンドポリペプチドまたはG蛋白
質共役型レセプターの定量法、(ii)被検液と担体上に
不溶化した抗体および標識化された抗体とを同時あるい
は連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の活
性を測定することを特徴とする被検液中のリガンドポリ
ペプチドまたはG蛋白質共役型レセプターの定量法にお
いて、一方の抗体が、リガンドポリペプチドまたはG蛋
白質共役型レセプターのN端部を認識する抗体で、他方
の抗体がリガンドポリペプチドまたはG蛋白質共役型レ
セプターのC端部に反応する抗体であることを特徴とす
る被検液中のリガンドポリペプチドまたはG蛋白質共役
型レセプターの定量法を提供する。
【0064】本発明のリガンドポリペプチドまたはG蛋
白質共役型レセプターを認識するモノクローナル抗体
(以下、抗リガンドポリペプチド抗体または抗G蛋白質
共役型レセプター抗体と称する場合がある)を用いてリ
ガンドポリペプチドまたはG蛋白質共役型レセプターの
測定を行なえるほか、組織染色等による検出を行なうこ
ともできる。これらの目的には、抗体分子そのものを用
いてもよく、また、抗体分子のF(ab')2 、Fab'、
あるいはFab画分を用いてもよい。本発明の抗体を用
いる測定法は、 特に制限されるべきものではなく、被
測定液中の抗原量(例えばリガンドポリペプチド量また
はG蛋白質共役型レセプター量)に対応した抗体、抗原
もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的手
段により検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用
いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、い
ずれの測定法を用いてもよい。例えば、ネフロメトリ
ー、競合法、イムノメトリック法およびサンドイッチ法
が好適に用いられるが、感度、特異性の点で、後述する
サンドイッチ法を用いるのが特に好ましい。標識物質を
用いる測定法に用いられる標識剤としては、放射性同位
元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが挙げられる。放
射性同位元素としては、例えば〔125I〕、〔131I〕、
3H〕、〔14C〕などが、上記酵素としては、安定で
比活性の大きなものが好ましく、例えばβ−ガラクトシ
ダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスファター
ゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素等が、蛍光
物質としては、フルオレスカミン、フルオレッセンイソ
チオシアネートなどが、発光物質としては、ルミノー
ル、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなど
がそれぞれ挙げられる。さらに、抗体あるいは抗原と標
識剤との結合にビオチン−アビジン系を用いることもで
きる。
【0065】抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また通常蛋白質あるいは酵素等
を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用いる
方法でもよい。担体としては、アガロース、デキストラ
ン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレン、ポ
リアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、あるいはガ
ラス等が挙げられる。サンドイッチ法においては不溶化
した抗リガンドポリペプチド抗体または抗G蛋白質共役
型レセプター抗体に被検液を反応させ(1次反応)、さ
らに標識化抗リガンドポリペプチド抗体または標識化抗
G蛋白質共役型レセプター抗体を反応させ(2次反応)
たのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することに
より被検液中のリガンドポリペプチドまたはG蛋白質共
役型レセプター量を定量することができる。1次反応と
2次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行なって
もよいし時間をずらして行なってもよい。標識化剤およ
び不溶化の方法は前記のそれらに準じることができる。
また、サンドイッチ法による免疫測定法において、固相
用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ずしも
1種類である必要はなく、測定感度を向上させる等の目
的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。本発明
のサンドイッチ法によるリガンドポリペプチドまたはG
蛋白質共役型レセプターの測定法においては、1次反応
と2次反応に用いられる抗リガンドポリペプチド抗体ま
たは抗G蛋白質共役型レセプター抗体はリガンドポリペ
プチドまたはG蛋白質共役型レセプターの結合する部位
が相異なる抗体が好ましく用いられる。即ち、1次反応
および2次反応に用いられる抗体は、例えば、2次反応
で用いられる抗体が、リガンドポリペプチドまたはG蛋
白質共役型レセプターのC端部を認識する場合、1次反
応で用いられる抗体は、好ましくはC端部以外、例えば
N端部を認識する抗体が用いられる。
【0066】本発明のリガンドポリペプチド抗体または
G蛋白質共役型レセプター抗体をサンドイッチ法以外の
測定システム、例えば、競合法、イムノメトリック法あ
るいはネフロメトリーなどに用いることができる。競合
法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競
合的に反応させたのち、未反応の標識抗原と(F)と抗
体と結合した標識抗原(B)とを分離し(B/F分
離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被検液中の抗
原量を定量する。本反応法には、抗体として可溶性抗体
を用い、B/F分離をポリエチレングリコール、前記抗
体に対する第2抗体などを用いる液相法、および、第1
抗体として固相化抗体を用いるか、あるいは、第1抗体
は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗体を用い
る固相化法とが用いられる。イムノメトリック法では、
被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化抗体に
対して競合反応させた後固相と液相を分離するか、ある
いは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体とを反応さ
せ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体を固相に
結合させたのち、固相と液相を分離する。次に、いずれ
かの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を定量する。
また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは溶液中で抗
原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の量を測定す
る。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の沈降物しか
得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザー
ネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0067】これら個々の免疫学的測定法を本発明の測
定方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えてリガ
ンドポリペプチドまたはG蛋白質共役型レセプターの測
定系を構築すればよい。これらの一般的な技術手段の詳
細については、総説、成書などを参照することができる
〔例えば、入江 寛編「ラジオイムノアッセイ〕(講談
社、昭和49年発行)、入江 寛編「続ラジオイムノア
ッセイ〕(講談社、昭和54年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(医学書院、昭和53年発行)、石
川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第2版)(医学書院、
昭和57年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」
(第3版)(医学書院、昭和62年発行)、「Methods
in ENZYMOLOGY」 Vol. 70(Immunochemical Techniques(P
art A))、 同書 Vol. 73(Immunochemical Techniques(P
art B))、 同書 Vol. 74(Immunochemical Techniques(P
art C))、 同書 Vol. 84(Immunochemical Techniques(P
art D:Selected Immunoassays))、 同書 Vol. 92(Immun
ochemical Techniques(Part E:Monoclonal Antibodies
and General Immunoassay Methods))、 同書 Vol. 121
(Immunochemical Techniques(Part I:Hybridoma Techno
logy and Monoclonal Antibodies))(以上、アカデミッ
クプレス社発行)など参照〕。以上のように、本発明の
リガンドポリペプチド抗体またはG蛋白質共役型レセプ
ター抗体を用いることによって、リガンドポリペプチド
またはG蛋白質共役型レセプターを感度良く定量するこ
とができる。本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commision on Biochemical Nomenclature による略号あ
るいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、
その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があ
り得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとす
る。
【0068】 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム EIA :エンザイムイムノアッセイ GlyまたはG :グリシン AlaまたはA :アラニン ValまたはV :バリン LeuまたはL :ロイシン IleまたはI :イソロイシン SerまたはS :セリン
【0069】 ThrまたはT :スレオニン CysまたはC :システイン MetまたはM :メチオニン GluまたはE :グルタミン酸 AspまたはD :アスパラギン酸 LysまたはK :リジン ArgまたはR :アルギニン HisまたはH :ヒスチジン PheまたはF :フェニルアラニン TyrまたはY :チロシン TrpまたはW :トリプトファン ProまたはP :プロリン AsnまたはN :アスパラギン GlnまたはQ :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキ
サミド基
【0070】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 BHA:ベンズヒドリルアミン pMBHA:p−メチルベンズヒドリルアミン Tos:p−トルエンスルフォニル CHO:ホルミル HONB:N−ヒドロキシ−5−ノルボルネンー2,3
−ジカルボキシイミド OcHex:シクロヘキシルエステル Bzl:ベンジル Bom:ベンジルオキシメチル Br−Z:2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc:t−ブチルオキシカルボニル DCM:ジクロロメタン HOBt:1−ヒドロキシベンズトリアゾール DCC:N、N‘−ジシクロヘキシルカルボジイミド TFA:トリフルオロ酢酸 DIEA:ジイソプロピルエチルアミン Fmoc:N−9−フルオレニルメトキシカルボニル DNP:ジニトロフェニル Bum:ターシャリーブトキシメチル Trt:トリチル
【0071】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕pBOV3に含まれるウシ視床下部由
来リガンドポリペプチドの全長アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:2〕ウシ視床下部由来リガンドポリペプチ
ドcDNAの全塩基配列を示す。 〔配列番号:3〕ウシ視床下部由来リガンドポリペプチ
ドを精製し、P-3画分のN末端配列分析をした結果得ら
れたアミノ酸配列を示す。配列番号:1の第23〜51
番目のアミノ酸配列に対応している。 〔配列番号:4〕ウシ視床下部由来リガンドポリペプチ
ドを精製、P-2画分のN末端配列分析をした結果得られ
たアミノ酸配列を示す。配列番号:1の第34〜52番
目のアミノ酸配列に対応している。 〔配列番号:5〕ウシ視床下部由来リガンドポリペプチ
ドのアミノ酸配列を示す。配列番号:1の第23〜53
番目のアミノ酸配列に対応している。 〔配列番号:6〕ウシ視床下部由来リガンドポリペプチ
ドのアミノ酸配列を示す。配列番号:1の第23〜54
番目のアミノ酸配列に対応している。 〔配列番号:7〕ウシ視床下部由来リガンドポリペプチ
ドのアミノ酸配列を示す。配列番号:1の第23〜55
番目のアミノ酸配列に対応している。 〔配列番号:8〕ウシ視床下部由来リガンドポリペプチ
ドのアミノ酸配列を示す。配列番号:1の第34〜53
番目のアミノ酸配列に対応している。 〔配列番号:9〕ウシ視床下部由来リガンドポリペプチ
ドのアミノ酸配列を示す。配列番号:1の第34〜54
番目のアミノ酸配列に対応している。 〔配列番号:10〕ウシ視床下部由来リガンドポリペプ
チドのアミノ酸配列を示す。配列番号:1の第34〜5
5番目のアミノ酸配列に対応している。 〔配列番号:11〕ウシ視床下部由来リガンドポリペプ
チド(配列番号:3)をコードするDNAの塩基配列を
示す。 〔配列番号:12〕ウシ視床下部由来リガンドポリペプ
チド(配列番号:4)をコードするDNAの塩基配列を
示す。 〔配列番号:13〕ウシ視床下部由来リガンドポリペプ
チド(配列番号:5)をコードするDNAの塩基配列を
示す。 〔配列番号:14〕ウシ視床下部由来リガンドポリペプ
チド(配列番号:6)をコードするDNAの塩基配列を
示す。 〔配列番号:15〕ウシ視床下部由来リガンドポリペプ
チド(配列番号:7)をコードするDNAの塩基配列を
示す。 〔配列番号:16〕ウシ視床下部由来リガンドポリペプ
チド(配列番号:8)をコードするDNAの塩基配列を
示す。 〔配列番号:17〕ウシ視床下部由来リガンドポリペプ
チド(配列番号:9)をコードするDNAの塩基配列を
示す。 〔配列番号:18〕ウシ視床下部由来リガンドポリペプ
チド(配列番号:10)をコードするDNAの塩基配列
を示す。 〔配列番号:19〕p19P2に含まれるヒト下垂体由
来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA断片にコー
ドされるヒト下垂体由来G蛋白質共役型レセプター蛋白
質の部分アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:20〕p19P2に含まれるヒト下垂体由
来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA断片にコー
ドされるヒト下垂体由来G蛋白質共役型レセプター蛋白
質の部分アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:21〕phGR3に含まれるヒト下垂体由
来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNAにコードさ
れるヒト下垂体由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質の
全アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:22〕pG3−2およびpG1−10にそ
れぞれ含まれるマウス膵臓β細胞株MIN6由来G蛋白
質共役型レセプター蛋白質cDNA断片の塩基配列から
導きだした塩基配列(配列番号:27)を有するマウス
膵臓β細胞株MIN6由来G蛋白質共役型レセプター蛋
白質cDNA断片にコードされるマウス膵臓β細胞株M
IN6由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質の部分アミ
ノ酸配列を示す。 〔配列番号:23〕p5S38にコードされるマウス膵
臓β細胞株MIN6由来G蛋白質共役型レセプター蛋白
質の部分アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:24〕p19P2に含まれるヒト下垂体由
来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA断片の塩基
配列を示す。 〔配列番号:25〕p19P2に含まれるヒト下垂体由
来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA断片の塩基
配列を示す。 〔配列番号:26〕phGR3に含まれるヒト下垂体由
来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNAの全塩基配
列を示す。 〔配列番号:27〕pG3−2およびpG1−10にそ
れぞれ含まれるマウス膵臓β細胞株MIN6由来G蛋白
質共役型レセプター蛋白質cDNA断片の塩基配列をも
とに導き出したマウス膵臓β細胞株MIN6由来G蛋白
質共役型レセプター蛋白質cDNA断片の塩基配列を示
す。 〔配列番号:28〕p5S38に含まれるマウス膵臓β
細胞株MIN6由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質c
DNA断片の塩基配列を示す。 〔配列番号:29〕G蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするcDNAのスクリーニングに使用した合成D
NA 〔配列番号:30〕G蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするcDNAのスクリーニングに使用した合成D
NA 〔配列番号:31〕G蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするcDNAのスクリーニングに使用した合成D
NA 〔配列番号:32〕G蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするcDNAのスクリーニングに使用した合成D
NA 〔配列番号:33〕G蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするcDNAのスクリーニングに使用した合成D
NA 〔配列番号:34〕G蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするcDNAのスクリーニングに使用した合成D
NA 〔配列番号:35〕本発明のウシ視床下部由来リガンド
ポリペプチドをコードするcDNAのスクリーニングに
使用した合成DNA(P5−1) 〔配列番号:36〕本発明のウシ視床下部由来ポリガン
ドリペプチドをコードするcDNAのスクリーニングに
使用した合成DNA(P3−1) 〔配列番号:37〕本発明のウシ視床下部由来リガンド
ポリペプチドをコードするcDNAのスクリーニングに
使用した合成DNA(P3−2) 〔配列番号:38〕本発明のウシ視床下部由来リガンド
ポリペプチドをコードするcDNAのスクリーニングに
使用した合成DNA(PE) 〔配列番号:39〕本発明のウシ視床下部由来リガンド
ポリペプチドをコードするcDNAのスクリーニングに
使用した合成DNA(PDN) 〔配列番号:40〕本発明のウシ視床下部由来リガンド
ポリペプチドをコードするcDNAのスクリーニングに
使用した合成DNA(FB) 〔配列番号:41〕本発明のウシ視床下部由来リガンド
ポリペプチドをコードするcDNAのスクリーニングに
使用した合成DNA(FC) 〔配列番号:42〕本発明のウシ視床下部由来リガンド
ポリペプチドをコードするcDNAのスクリーニングに
使用した合成DNA(BOVF) 〔配列番号:43〕本発明のウシ視床下部由来リガンド
ポリペプチドをコードするcDNAのスクリーニングに
使用した合成DNA(BOVR) 〔配列番号:44〕ウシゲノム由来リガンドポリペプチ
ドの全長アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:45〕pRAV3に含まれるラット型リガ
ンドポリペプチドの全長アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:46〕ラット型リガンドポリペプチドcD
NAの全塩基配列を示す。 〔配列番号:47〕ラット型リガンドポリペプチドのア
ミノ酸配列を示す。配列番号:45の第22〜52番目
のアミノ酸配列に対応している。 〔配列番号:48〕ラット型リガンドポリペプチドのア
ミノ酸配列を示す。配列番号:45の第22〜53番目
のアミノ酸配列に対応している。 〔配列番号:49〕ラット型リガンドポリペプチドのア
ミノ酸配列を示す。配列番号:45の第22〜54番目
のアミノ酸配列に対応している。 〔配列番号:50〕ラット型リガンドポリペプチドのア
ミノ酸配列を示す。配列番号:45の第33〜52番目
のアミノ酸配列に対応している。 〔配列番号:51〕ラット型リガンドポリペプチドのア
ミノ酸配列を示す。配列番号:45の第33〜53番目
のアミノ酸配列に対応している。 〔配列番号:52〕ラット型リガンドポリペプチドのア
ミノ酸配列を示す。配列番号:45の第33〜54番目
のアミノ酸配列に対応している。 〔配列番号:53〕ラット型リガンドポリペプチド(配
列番号:47)をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:54〕ラット型リガンドポリペプチド(配
列番号:48)をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:55〕ラット型リガンドポリペプチド(配
列番号:49)をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:56〕ラット型リガンドポリペプチド(配
列番号:50)をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:57〕ラット型リガンドポリペプチド(配
列番号:51)をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:58〕ラット型リガンドポリペプチド(配
列番号:52)をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:59〕pHOB7に含まれるヒト型リガン
ドポリペプチドの全長アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:60〕ヒト型リガンドポリペプチドcDN
Aの全塩基配列を示す。 〔配列番号:61〕ヒト型リガンドポリペプチドのアミ
ノ酸配列を示す。配列番号:59の第23〜53番目の
アミノ酸配列に対応している。 〔配列番号:62〕ヒト型リガンドポリペプチドのアミ
ノ酸配列を示す。配列番号:59の第23〜54番目の
アミノ酸配列に対応している。 〔配列番号:63〕ヒト型リガンドポリペプチドのアミ
ノ酸配列を示す。配列番号:59の第23〜55番目の
アミノ酸配列に対応している。 〔配列番号:64〕ヒト型リガンドポリペプチドのアミ
ノ酸配列を示す。配列番号:59の第34〜53番目の
アミノ酸配列に対応している。 〔配列番号:65〕ヒト型リガンドポリペプチドのアミ
ノ酸配列を示す。配列番号:59の第34〜54番目の
アミノ酸配列に対応している。 〔配列番号:66〕ヒト型リガンドポリペプチドのアミ
ノ酸配列を示す。配列番号:59の第34〜55番目の
アミノ酸配列に対応している。 〔配列番号:67〕ヒト型リガンドポリペプチド(配列
番号:61)をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:68〕ヒト型リガンドポリペプチド(配列
番号:62)をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:69〕ヒト型リガンドポリペプチド(配列
番号:63)をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:70〕ヒト型リガンドポリペプチド(配列
番号:64)をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:71〕ヒト型リガンドポリペプチド(配列
番号:65)をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:72〕ヒト型リガンドポリペプチド(配列
番号:66)をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:73〕本発明のリガンドポリペプチドのア
ミノ酸配列を示す。ここで、第10番目のXaaはAlaまた
はThr、第11番目のXaaはGlyまたはSer、第21番目の
XaaはH、Gly、またはGlyArgを示す。 〔配列番号:74〕本発明のリガンドポリペプチド断片
のアミノ酸配列を示す。ここで、第3番目のXaaはAlaま
たはThrを示し、第5番目のXaaはGlnまたはArgを示し、
第10番目のXaaはIleまたはThrを示す。 〔配列番号:75〕本発明のラット型リガンドポリペプ
チドをコードするcDNAのスクリーニングに使用した
合成DNA(RA) 〔配列番号:76〕本発明のラット型リガンドポリペプ
チドをコードするcDNAのスクリーニングに使用した
合成DNA(RC) 〔配列番号:77〕本発明のラット型リガンドポリペプ
チドをコードするcDNAのスクリーニングに使用した
合成DNA(rF) 〔配列番号:78〕本発明のラット型リガンドポリペプ
チドをコードするcDNAのスクリーニングに使用した
合成DNA(rR) 〔配列番号:79〕本発明のヒト型リガンドポリペプチ
ドをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合
成DNA(R1) 〔配列番号:80〕本発明のヒト型リガンドポリペプチ
ドをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合
成DNA(R3) 〔配列番号:81〕本発明のヒト型リガンドポリペプチ
ドをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合
成DNA(R4) 〔配列番号:82〕本発明のヒト型リガンドポリペプチ
ドをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合
成DNA(HA) 〔配列番号:83〕本発明のヒト型リガンドポリペプチ
ドをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合
成DNA(HB) 〔配列番号:84〕本発明のヒト型リガンドポリペプチ
ドをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合
成DNA(HE) 〔配列番号:85〕本発明のヒト型リガンドポリペプチ
ドをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合
成DNA(HF) 〔配列番号:86〕本発明のヒト型リガンドポリペプチ
ドをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合
成DNA(5H) 〔配列番号:87〕本発明のヒト型リガンドポリペプチ
ドをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合
成DNA(3HN) 〔配列番号:88〕ラット型G蛋白質共役型レセプター
蛋白質(UHR−1)をコードするcDNAのスクリー
ニングに使用した合成DNA(rRECF) 〔配列番号:89〕ラット型G蛋白質共役型レセプター
蛋白質(UHR−1)をコードするcDNAのスクリー
ニングに使用した合成DNA(rRECR) 〔配列番号:90〕G3PDH,UHR−1,リガンド
の増幅に使用した合成DNA(r19F) 〔配列番号:91〕G3PDH,UHR−1,リガンド
の増幅に使用した合成DNA(r19R) 〔配列番号:92〕抗原として使用したリガンドポリペ
プチドのN末端側ペプチド(ペプチド−I) 〔配列番号:93〕抗原として使用したリガンドポリペ
プチドのC末端側ペプチド(ペプチド−II) 〔配列番号:94〕抗原として使用したリガンドポリペ
プチドの中央部分のペプチド(ペプチド−III) 〔配列番号:95〕ラット型G蛋白質共役型レセプター
蛋白質(UHR−1)をコードするcDNAのスクリー
ニングに使用した合成DNA 〔配列番号:96〕ラット型G蛋白質共役型レセプター
蛋白質(UHR−1)をコードするcDNAのスクリー
ニングに使用した合成DNA
【0072】後述の実施例2で得られた形質転換体エシ
ェリヒア コリ(Escherichia coli) INVαF’/p
19P2および実施例4で得られた形質転換体エシェリ
ヒアコリ(Escherichia coli)INVαF’/pG3−
2は、それぞれ平成6年8月9日から通商産業省工業技
術院生命工学工業技術研究所(NIBH)にそれぞれ寄
託番号FERM BP−4776およびFERM BP
−4775として寄託されており、また平成6年8月2
2日から財団法人発酵研究所(IFO)にそれぞれIF
O 15739およびIFO 15740として寄託さ
れている。後述の実施例5で得られた形質転換体エシェ
リヒア コリ(Escherichia coli) JM109/phG
R3は、平成6年9月27日から通商産業省工業技術院
生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託番号FER
M BP−4807として寄託されており、また平成6
年9月22日から財団法人発酵研究所(IFO)にIF
O 15748として寄託されている。後述の実施例8
で得られた形質転換体エシェリヒア コリ(Escherichi
a coli) JM109/p5S38は、平成6年10月2
7日から通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所
(NIBH)に寄託番号FERM BP−4856とし
て寄託されており、また平成6年10月25日から財団
法人発酵研究所(IFO)にIFO 15754として
寄託されている。後述の実施例20で得られた形質転換
体エシェリヒア コリ(Escherichia coli) JM109
/pBOV3は、平成8年2月13日から通商産業省工
業技術院生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託番
号FERM BP−5391として寄託されており、ま
た平成8年1月25日から財団法人発酵研究所(IF
O)にIFO 15910として寄託されている。後述
の実施例29で得られた形質転換体エシェリヒア コリ
(Escherichia coli) JM109/pRAV3は、平成
8年9月12日から通商産業省工業技術院生命工学工業
技術研究所(NIBH)に寄託番号FERM BP−5
665として寄託されており、また平成8年9月3日か
ら財団法人発酵研究所(IFO)にIFO 16012
として寄託されている。後述の実施例32で得られた形
質転換体エシェリヒア コリ(Escherichia coli) JM
109/pHOV7は、平成8年9月12日から通商産
業省工業技術院生命工学工業技術研究所(NIBH)に
寄託番号FERM BP−5666として寄託されてお
り、また平成8年9月5日から財団法人発酵研究所(I
FO)にIFO 16013として寄託されている。
【0073】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をより詳細に
説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものでは
ない。
【0074】
【参考例1】G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコード
するDNAを増幅させるための合成DNAプライマーの
製造 公知のヒト由来TRHレセプター蛋白質(HTRH
R)、ヒト由来RANTESレセプター蛋白質(L10
918、HUMRANTES)、ヒトバーキットリンパ
腫由来リガンド不明レセプター蛋白質(X68149、
HSBLR1A)、ヒト由来ソマトスタチンレセプター
蛋白質(L14856、HUMSOMAT)、ラット由
来μ−オピオイドレセプター蛋白質(U02083、R
NU02083)、ラット由来κ−オピオイドレセプタ
ー蛋白質(U00442、U00442)、ヒト由来ニ
ューロメジンBレセプター蛋白質(M73482、HU
MNMBR)、ヒト由来ムスカリン作動性アセチルコリ
ンレセプター蛋白質(X15266、HSHM4)、ラ
ット由来アドレナリンα1Bレセプター蛋白質(L08
609、RATAADRE01)、ヒト由来ソマトスタ
チン3レセプター蛋白質(M96738、HUMSST
R3X)、ヒト由来C5aレセプター蛋白質(HUMC
5AAR)、ヒト由来リガンド不明レセプター蛋白質
(HUMRDC1A)、ヒト由来リガンド不明レセプタ
ー蛋白質(M84605、HUMOPIODRE)およ
びラット由来アドレナリンα2B(M91466、RA
TA2BAR)の第1膜貫通領域付近のアミノ酸配列を
コードするcDNAの塩基配列を比較し、類似性の高い
部分を見いだした。
【0075】また、公知のマウス由来リガンド不明レセ
プター蛋白質(M80481、MUSGIR)、ヒト由
来ボンベジンレセプター蛋白質(L08893、HUM
BOMB3S)、ヒト由来アデノシンA2レセプター蛋
白質(S46950、S46950)、マウス由来リガ
ンド不明レセプター蛋白質(D21061、MUSGP
CR)、マウス由来TRHレセプター蛋白質(S433
87、S43387)、ラット由来ニューロメジンKレ
セプター蛋白質(J05189、RATNEURA)、
ラット由来アデノシンA1レセプター蛋白質(M690
45、RATA1ARA)、ヒト由来ニューロキニンA
レセプター蛋白質(M57414、HUMNEKA
R)、ラット由来アデノシンA3レセプター蛋白質(M
94152、RATADENREC)、ヒト由来ソマト
スタチン1レセプター蛋白質(M81829、HUMS
RI1A)、ヒト由来ニューロキニン3レセプター蛋白
質(S86390、S86371S4)、ラット由来リ
ガンド不明レセプター蛋白質(X61496、RNCG
PCR)、ヒト由来ソマトスタチン4レセプター蛋白質
(L07061、HUMSSTR4Z)およびラット由
来GnRHレセプター蛋白質(M31670、RATG
NRHA)の第6膜貫通領域付近のアミノ酸配列をコー
ドするcDNAの塩基配列を比較し、類似性の高い部分
を見いだした。
【0076】上記の( )内の略語はDNASIS Gene/Prot
einシークエンスデータベース(CD019、日立ソフ
トウエアエンジニアリング)を用いて GenBank/EMBL Da
ta Bank を検索した際に示される整理番号であり、それ
ぞれ通常Accession Numberおよびエントリーネームと呼
ばれるものである。ただし、HTRHRは特開平7−3
04797号に記載されている配列である。特に、多く
のレセプター蛋白質をコードするcDNAで一致する塩
基部分を基準とし、その他の部分においてもなるべく多
くのレセプターcDNAと配列の一致性を高めるために
混合塩基の導入を計画した。この配列をもとに、共通す
る塩基配列に相補的である配列番号:29または配列番
号:30で表わされる塩基配列を有する合成DNA2本
を作成した。 〔合成DNA〕5'−CGTGG(GまたはC)C(A
またはC)T(GまたはC)(GまたはC)TGGGC
AAC(A、G、CまたはT)(CまたはT)CCTG
−3’(配列番号:29) 5’−GT(A、G、CまたはT)G(AまたはT)
(AまたはG)(AまたはG)GGCA(A、G、Cま
たはT)CCAGCAGA(GまたはT)GGCAAA
−3'
(配列番号:30) ( )内は合成時に複数の塩基に混合して合成する。
【0077】
【実施例1】ヒト下垂体由来cDNAを用いたPCR法
による受容体cDNAの増幅 ヒト下垂体由来cDNA(QuickClone、クロンテック
社)を鋳型として用い、参考例1で合成したDNAプラ
イマーを用いてPCR法による増幅を行った。反応液の
組成は、合成DNAプライマー(配列:5’プライマー
配列および3’プライマー配列)各1μM、鋳型cDN
A 1ng、0.25mM dNTPs、Taq DNA
polymerase 1μlおよび酵素に付属のバッファーで、
総反応溶液量は100μlとした。増幅のためのサイク
ルはサーマルサイクラー(パーキン・エルマー社)を用
い、95℃・1分、55℃・1分、72℃・1分のサイ
クルを30回繰り返した。Taq DNA polymerase
を添加する前に、残りの反応液を混合し、95℃・5
分、65℃・5分の加熱を行った。増幅産物の確認は
1.2%アガロースゲル電気泳動およびエチジウムブロ
マイド染色によって行った。
【0078】
【実施例2】PCR産物のプラスミドベクターへのサブ
クローニングおよび挿入cDNA部分の塩基配列の解読
による新規レセプター蛋白質候補クローンの選択実施例
1で行なったPCR後の反応産物は0.8%の低融点ア
ガロースゲルを用いて分離し、バンドの部分をカミソリ
で切り出した後、熱融解、フェノール抽出、エタノール
沈殿を行ってDNAを回収した。TAクローニングキッ
ト(インビトロゲン社)の処方に従い、回収したDNA
をプラスミドベクターpCRTMII(TMは登録商標を意
味する)へサブクローニングした。これを大腸菌INV
αF’ competent cell(インビトロゲン社)に導入し
て形質転換したのち、cDNA挿入断片を持つクローン
をアンピシリンおよびX−galを含むLB寒天培地中
で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌したつま楊
枝を用いて分離し、形質転換体エシェリヒア コリ(Es
cherichia coli) INVαF’/p19P2を得た。個
々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養
し、自動プラスミド抽出装置(クラボウ社)を用いてプ
ラスミドDNAを調製した。調製したDNAの一部を用
いてEcoRIによる切断を行い、挿入されているcD
NA断片の大きさを確認した。残りのDNAの一部をさ
らにRNase処理、フェノール・クロロフォルム抽出
し、エタノール沈殿によって濃縮した。塩基配列の決定
のための反応は DyeDeoxy Terminator Cycle Sequencin
g Kit(ABI社)を用いて行い、蛍光式自動シーケン
サーを用いて解読し、得られた塩基配列の情報はDNA
SIS(日立システムエンジニアリング社)を用いて行
った。下線で示した部分は合成プライマーに相当する部
分である。決定した塩基配列〔配列番号:24(図1の
塩基配列から下線部分を除いた塩基配列)および配列番
号:25(図2の塩基配列から下線部分を除いた塩基配
列)〕をもとにホモロジー検索を行なった結果、形質転
換体E. Coli INVαF’/p19P2の保有す
るプラスミドp19P2に挿入されたcDNA断片が新
規G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードすることが
分かった。それをさらに確認するために、DNASIS
(日立システムエンジニアリング社)を用い、塩基配列
をアミノ酸配列に変換した〔配列番号:19(図1のア
ミノ酸配列から下線部分を除いたアミノ酸配列)および
配列番号:20(図2のアミノ酸配列から下線部分を除
いたアミノ酸配列)〕。疎水性プロット〔図3および図
4〕およびアミノ酸配列に基づくホモロジー検索を行な
い、ニューロペプチドY受容体等との相同性を見いだし
た〔図5〕。
【0079】
【実施例3】マウス膵臓β細胞株MIN6からのpoly
(A)+RNA画分の調製およびcDNAの合成 マウス膵β細胞株MIN6(Jun-ichi Miyazaki et al.
Endocrinology, Vol.127, No.1, p126-132)よりグア
ニジンイソチオシアネート法により Total RNAを調
製後(Kaplan B.B. et al., Biochem. J. 183, 181-184
(1979))、mRNA精製キット(ファルマシア社)を
用いて、 poly(A)+RNA画分を調製した。次に、poly
(A)+RNA画分5μgにプライマーとしてランダムD
NAヘキサマー(BRL社)を加え、モロニイマウス白
血病ウイルスの逆転写酵素(BRL社)により、添付バ
ッファーを用いて相補DNAを合成した。反応後の産物
はフェノール:クロロホルム(1:1)で抽出し、エタ
ノール沈殿を行った後、30μlのTEに溶解した。
【0080】
【実施例4】MIN6由来cDNAを用いたPCR法に
よる受容体cDNAの増幅と塩基配列の決定 実施例3でマウス膵β細胞株MIN6より調製したcD
NA 5μlを鋳型として使用し、参考例1で合成した
DNAプライマーを用いて実施例1と同条件でPCR法
を行った。得られたPCR産物は実施例2に記載の方法
と同様にして、プラスミドベクターpCRTMIIにサブク
ローニングし、プラスミドpG3−2を得た。このプラ
スミドで大腸菌INVαF’を形質転換し、形質転換体
エシェリヒア コリ(Escherichia coli)INVαF’
/pG3−2を得た。また、マウス膵β細胞株MIN6
より調製したcDNA 5μlを鋳型として使用し、Lib
ert, Fら(Science 244:569-572, 1989)に記載されて
いる合成DNAプライマー、すなわち、5'−CTGT
G(CまたはT)G(CまたはT)(GまたはC)AT
(CまたはT)GCIIT(GまたはT)GA(Cまた
はT)(AまたはC)G(GまたはC)TAC−3'
(配列番号:3
1) 〔Iはイノシンを示す。〕で表される合成プライマーお
よび5'−A(GまたはT)G(AまたはT)AG(A
またはT)AGGGCAGCCAGCAGAI(Gまた
はC)(AまたはG)(CまたはT)GAA−3'(配
列番号:32) 〔Iをイノシンを示す。〕で表される合成プライマーを
用いて、実施例1と同条件でPCR法を行った。得られ
たPCR産物は実施例2に記載の方法と同様にして、プ
ラスミドベクターpCRTMIIにサブクローニングし、プ
ラスミドpG1−10を得た。
【0081】塩基配列の決定のための反応は DyeDeoxy
Terminator Cycle Sequencing Kit(ABI社)を用い
て行い、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、得ら
れた塩基配列の情報はDNASIS(日立システムエン
ジニアリング社)を用いて行った。pG3−2およびp
G1−10の配列をもとにマウス膵β細胞株MIN6由
来のG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDN
Aの塩基配列(配列番号:27)およびこれにコードさ
れるアミノ酸配列(配列番号:22)を〔図6〕に示し
た。下線で示した部分は合成プライマーに相当する部分
である。決定した塩基配列〔図6〕をもとにホモロジー
検索を行なった結果、得られたcDNA断片が新規G蛋
白質共役型レセプター蛋白質をコードすることが分かっ
た。それをさらに確認するために、DNASIS(日立
システムエンジニアリング社)を用い、塩基配列をアミ
ノ酸配列に変換した後〔図6〕、疎水性プロットを行な
ったところ、6個の疎水性領域の存在が確認できた〔図
8〕。また、アミノ酸配列を実施例2で得たp19P2
と比較したところ、〔図7〕に示すとおり高い相同性を
見いだした。その結果、pG3−2およびpG1−10
にコードされるマウス膵β細胞株MIN6由来G蛋白質
共役型レセプター蛋白質とヒト下垂体由来p19P2に
コードされるG蛋白質共役型レセプター蛋白質は由来す
る動物種は異なるが、同一のリガンドを認識するレセプ
ター蛋白質であることが強く示唆された。
【0082】
【実施例5】ヒト下垂体由来cDNAライブラリーから
のレセプター蛋白質の全コード領域を含むcDNAのク
ローニング ヒト下垂体由来cDNAライブラリーとしては、クロー
ンテック社製のλgt11ファージベクターを使ったラ
イブラリーを用いた(クローンテック、CLHL113
9b)。2×106pfu(プラーク・フォーミング・
ユニット)分のヒト下垂体cDNAライブラリーを、硫
酸マグネシウムで処理した大腸菌Y1090-と混ぜ、
37℃、15分間インキュベートした後、0.5%アガ
ロース(ファルマシア社)LBを加え、1.5%寒天
(和光純薬社)LBプレート(50μg/ml Ampicilin含
有)に播いた。プラークのできたプレートにニトロセル
ロースフィルターを置き、フィルター上にプラークを転
写した。このフィルターをアルカリ処理することによっ
て変性させた後、80℃、3時間の加熱によってDNA
の固定を行った。このフィルターを、50% formamid
e,5×SSPE,5× Denhardt's溶液,0.1% SD
S,100μg/ml salmon sperm DNAを含むバッファ
ー中で以下に述べるプローブと42℃で一晩インキュベ
ートし、ハイブリダイズさせた。プローブとしては、実
施例2で得られたプラスミドp19P2に挿入されたD
NA断片をEcoRIで切断し、回収後、ランダムプラ
イムDNAラベリングキット(アマシャム社)を用いて
32P〕dCTP(デュポン社)を取り込ませることに
よって標識して用いた。洗浄は、2×SSC,0.1%
SDSで55℃、1時間行い、その後、−80℃でオー
トラジオグラフィを行ってハイブリダイズするプラーク
を検出した。
【0083】このスクリーニングにより、3個の独立し
たプラークにハイブリダイゼーションのシグナルが認め
られた。この3個のクローンからそれぞれDNAを調製
し、EcoRIで消化したものをアガロース電気泳動
後、スクリーニングに用いたものと同じプローブを用い
て、サザンブロットにより解析を行ったところ、各々約
0.7kb,0.8kb,2.0kbのところにそれぞれ
ハイブリダイズするバンドを生じ、このうち約2.0k
bのバンドを生じるもの(λhGR3)を選択した。λ
hGR3のハイブリダイズするサイズのEcoRI断片
をプラスミドpUC18のEcoRIサイトにサブクロ
ーニングした後、このプラスミドで大腸菌JM109を
形質転換し、形質転換体 E.coli JM109/p
hGR3を得た。このプラスミドphGR3を、実施例
2で示された塩基配列から予想される制限酵素地図をも
とにして制限酵素地図を作製したところ、実施例2で示
されるレセプター蛋白質をコードするDNAから予想さ
れるレセプター蛋白質の全長をコードするDNAを保持
していることが分かった。
【0084】
【実施例6】ヒト下垂体由来レセプター蛋白質cDNA
の塩基配列の決定 実施例5で得られたプラスミドphGR3に挿入したE
coRI断片のうち、レセプター蛋白質をコードしてい
ると考えられるEcoRIサイトからNheIサイトま
での約1330bpの塩基配列を決定した。具体的に
は、EcoRI断片中に存在する制限酵素サイトを利用
して、不必要な部分を除き、または必要な断片をサブク
ローニングし、配列解析のための鋳型プラスミドを調製
した。塩基配列決定のための反応は Dye Deoxy Termina
tor Cycle Sequencing Kit(ABI社)を用いて行い、
蛍光式DNAシーケンサー(ABI社)を用いて解読
し、データー解析にはDNASIS(日立ソフトウェア
エンジニアリング社)を使用した。phGR3のコード
するEcoRIサイト直後からNheIサイトまでの塩
基配列を〔図9〕に示した。そして、ヒト下垂体由来レ
セプタータンパク質をコードするDNAの塩基配列は、
〔図9〕の塩基配列の第118番目〜第1227番目の
塩基配列(配列番号:26)に対応する。そして、これ
にコードされるレセプター蛋白質のアミノ酸配列は配列
番号:21で表わされるアミノ酸配列であることが分か
った。
【0085】
【実施例7】ヒト下垂体由来レセプター蛋白質をコード
するphGR3を用いたノーザンハイブリダイゼーショ
ン 実施例5で得られたプラスミドphGR3にコードされ
るヒト下垂体由来レセプター蛋白質の下垂体での発現を
mRNAレベルで検出するため、ノーザンブロットを行
った。mRNAとしてはヒト下垂体mRNA(クローン
テック社)2.5μgを用い、プローブは実施例5で用
いたものと同じものを用いた。また、ノーザンブロット
用のフィルターは、Nylon membrane(Pall Biodyne, U.
S.A.)を用い、mRNAの泳動フィルターへの吸い上げ
は Molecular cloning, Cold Spring Harbor Laborator
y Press (1989)の方法に従って作製した。ハイブリダ
イゼーションは、上に述べたフィルターとプローブを5
0% formamide,5×SSPE,5×Denhardt's溶液,
0.1% SDS,100μg/ml salmon sperm DNAを
含むバッファー中で、42℃一晩インキュベートした。
フィルターの洗浄は0.1×SSC,0.1%SDSで5
0℃にて行い、風乾後3日間−80℃でX線フィルム
(XAR5,コダック)に感光させた。その結果を〔図
10〕に示した。〔図10〕から、phGR3がコード
するレセプター遺伝子はヒト下垂体で発現していると考
えられる。
【0086】
【実施例8】MIN6由来cDNAを用いたPCR法に
よる受容体cDNAの増幅と塩基配列の決定 実施例3でマウス膵β細胞株MIN6より調製したcD
NA 5μlを鋳型として使用し、実施例4で合成したL
ibert, F.ら(Science 244:569-572, 1989)に記載され
ている合成DNAプライマー、すなわち、5'−CTG
TG(CまたはT)G(CまたはT)(GまたはC)A
T(CまたはT)GCIIT(GまたはT)GA(Cま
たはT)(AまたはC)G(GまたはC)TAC−3'
(配列番号:3
1) 〔Iはイノシンを示す。〕で表される合成プライマーお
よび5'−A(GまたはT)G(AまたはT)AG(A
またはT)AGGGCAGCCAGCAGAI(Gまた
はC)(AまたはG)(CまたはT)GAA−3'(配
列番号:32) 〔Iをイノシンを示す。〕で表される合成プライマーを
用いて、実施例1と同条件でPCR法を行った。得られ
たPCR産物は実施例2に記載の方法と同様にして、プ
ラスミドベクターpCRTMIIにサブクローニングし、プ
ラスミドp5S38を得た。このプラスミドで大腸菌J
M109を形質転換し、形質転換体エシェリヒア コリ
(Escherichia coli)JM109/p5S38を得た。
【0087】塩基配列の決定のための反応は DyeDeoxy
Terminator Cycle Sequencing Kit(ABI社)を用い
て行い、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、得ら
れた塩基配列の情報はDNASIS(日立システムエン
ジニアリング社)を用いて行った。p5S38の配列を
もとにマウス膵β細胞株MIN6由来のG蛋白質共役型
レセプター蛋白質をコードするDNAの塩基配列(配列
番号:28)およびこれにコードされるアミノ酸配列
(配列番号:23)を〔図12〕に示した。下線で示し
た部分は合成プライマーに相当する部分である。決定し
た塩基配列〔図12〕をもとにホモロジー検索を行なっ
た結果、得られたcDNA断片が新規G蛋白質共役型レ
セプター蛋白質をコードすることが分かった。それをさ
らに確認するために、DNASIS(日立システムエン
ジニアリング社)を用い、塩基配列をアミノ酸配列に変
換した後〔図12〕、疎水性プロットを行なったとこ
ろ、4個の疎水性領域の存在が確認できた〔図14〕。
また、アミノ酸配列を実施例2で得たp19P2および
実施例4で得たpG3−2と比較したところ、〔図1
3〕に示すとおり高い相同性を見いだした。その結果、
p5S38にコードされるマウス膵β細胞株MIN6由
来G蛋白質共役型レセプター蛋白質とp19P2にコー
ドされるヒト下垂体由来G蛋白質共役型レセプター蛋白
質は、由来する動物種は異なるが、同一のリガンドを認
識するレセプター蛋白質であることが強く示唆された。
また、p5S38にコードされるマウス膵β細胞株MI
N6由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質とpG3−2
およびpG1−10にコードされるマウス膵β細胞株M
IN6由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質は、同一の
リガンドを認識するレセプター蛋白質であり、互いに近
縁なレセプター蛋白質(いわゆる、サブタイプ)である
ことが示唆された。
【0088】
【実施例9】phGR3発現CHO細胞の作製 ヒト下垂体由来レセプター蛋白質の全長アミノ酸配列を
コードするcDNAを組み込んだプラスミドphGR3(実
施例5)を制限酵素Nco I で切断し、アガロースゲル電
気泳動後に約1kbの断片を回収した。回収した断片の両
端をDNA blunting kit(宝酒造)を用いて平滑化した
後、Sal Iリンカーを付加しさらにSal Iで処理した後、
pUC119のSal I siteに組み込んでプラスミドS10を得
た。S10をSalIおよびSac IIで処理することにより約700
bpの断片(N末端側のコード領域を含む)を調製した。
次にphGR3よりSac II およびNhe I で切り出され
る約700bpの断片(終始コドンを含むC末端側コード領
域を含む)を調製した。これらの2つの断片をSal Iお
よびNhe I処理した動物細胞発現用ベクタープラスミド
pAKKO−111H(Biochim. Biophys. Acta, Hinu
ma, S., et al. 1219巻、251-259頁、1994年記載のpAKK
O1.11Hと同一のベクタープラスミド)に加えてligation
を行い全長レセプター蛋白質発現用プラスミドpAKK
O−19P2 を構築した。pAKKO−19P2で形
質転換した大腸菌を培養後、QUIAGEN Maxiによ
って大量にpAKKO−19P2のプラスミドDNAを
調製した。そのうち20μgのプラスミドDNAを1mlの
滅菌PBSに溶解した後、ジーントランスファー(和光
純薬)のバイアルに入れ、十分にボルテックスを行うこ
とによってリポソームの形成を行わせた。24時間前に直
径10cmシャーレに1×106個ずつ継代し、直前に新鮮な培
地に交換したCHOdhfr-細胞に125μlのリポソーム溶
液を添加し、一晩培養した。新鮮な培地に交換してさら
に一日培養した後、選択培地に交換して1日間培養し
た。形質転換体を効率良く選別するために、低細胞密度
で継代を行い、選択培地中で増殖してくる細胞のみを選
択し、全長レセプター蛋白質発現CHO細胞株 CHO−1
9P2を樹立した。
【0089】
【実施例10】CHO−19P2細胞株での全長レセプ
ター蛋白質の発現量の転写レベルでの確認 Fast Track kit (Invitrogen社)を用い、キットの処方
にしたがってpAKKO−19P2を導入して形質転換
したCHO細胞とmock CHO細胞からpoly(A)+RN
Aを調製した。このpoly(A)+RNAを0.02μg用い、RNA PC
R Kit (宝酒造)を用いてcDNAの合成を行った。用
いたプライマーの種類はrandom 9merで、反応液の全容
量は40μlとした。また、cDNA合成のネガティブコ
ントロールとして、リバーストランスクリプターゼを添
加しない反応液も準備した。最初、30℃で10分間のイン
キュベートを行ってプライマーからの伸長反応をある程
度行わせた。その後、42℃で30分間インキュベートし
て十分に逆転写反応を進行させ、99℃で5分間加熱して
酵素を失活し、さらに5℃で5分間冷却した。逆転写反
応終了後に反応液の一部を回収し、蒸留水で希釈した
後、フェノール/クロロフォルム抽出、ジエチルエーテ
ル抽出を行った。これをエタノール沈殿し、一定量の蒸
留水に溶解したものをcDNAの試料とした。このcD
NA溶液およびプラスミドDNA(pAKKO−19P
2)を段階的に希釈したものを作成し、全長レセプター
蛋白質に特異的なプライマーを用いてPCRを行った。
全長レセプター蛋白質のコード領域の塩基配列に基づい
て作成したプライマーの配列は、5’側がCTGACT
TATTTTCTGGGCTGCCGC(配列番号:3
3)、3’側がAACACCGACACATAGACG
GTGACC(配列番号:34)である。PCR反応
は、プライマー各1μMおよびTaq DNA polymerase (宝酒
造)0.5μl、酵素に添付の反応バッファーおよびdNTPs
と10μlの鋳型DNA(cDNAあるいはプラスミド溶
液)を用いて全容量100μlで行った。最初に94℃で2分
間熱処理を行って鋳型DNAの変性を十分に行った後
に、95℃で30秒、65℃で30秒、72℃で60秒のサイクルを
25回行った。反応終了後に10μlの反応液を用いてアガ
ロースゲル電気泳動を行い増幅産物の検出および量的な
比較を行った。その結果全長レセプター蛋白質をコード
するcDNAの配列から推定される大きさ(400bp)の
PCR産物が、検出された〔図15〕。リバーストラン
スクリプターゼを添加しなかった逆転写反応産物を鋳型
として用いたPCR反応液のレーンに特異的なバンドは
検出されず、CHO細胞のゲノムDNA由来のPCR産
物である可能性は除外され、また、mock細胞のレー
ンにも特異的なバンドが出現しないことから、CHO細
胞にもとから発現しているmRNA由来ではないことが
確認された〔図15〕。
【0090】
【実施例11】ラット全脳抽出液に含まれるCHO−1
9P2細胞株から特異的にアラキドン酸代謝物の遊離を
促進する活性の検出 ラット全脳よりペプチド粗画分を以下の方法で調整し
た。屠殺後、直ちに摘出したラット全脳を液体窒素にて
凍結、-80℃にて保存した。凍結保存したラット全脳20g
(ラット10匹分)を細かく砕き、蒸留水80mlで10分間煮沸
した。煮沸後、氷上にて急冷し、終濃度 1.0M となるよ
う酢酸を4.7ml加え、ポリトロン(20,000rpm、6min)を用
いてホモジナイズした。ホモジェネートは、一晩撹拌し
た後、遠心(10,000rpm、20min)により上清をとり、沈殿
物を1.0M酢酸40mlでホモジナイズし遠心にて再度上清を
得た。上清をまとめ、3倍量のアセトンを加え、氷上に3
0分間放置した後遠心(10,000rpm、20min)にて上清を回
収した。回収したアセトン上清は、エバポレーションに
て脱アセトン、濃縮を行った。濃縮された脱アセトン上
清に、2倍量の0.05%トリフルオロ酢酸(TFA)/H2Oを加
え、ガラス製カラムに詰めた逆相C18カラム(Prep C18 1
25Å 10ml:ミリポア)に添加した。上清を添加後、0.05
%TFA/H2O でカラムを洗浄、10%、20%、30%、40%、50%、
60% CH3CN/0.05%TFA/H2O で段階的に溶出し、それぞれ
の画分を10等分して凍結乾燥した。1匹分の全脳由来の
乾燥標品を、ジメチルスルホキシド(DMSO)20μlにて溶
解し、0.05%ウシ血清アルブミン(BSA)を加えたハンクス
氏液(HBSS)1mlに懸濁し、ペプチド粗画分とした。全長
レセプター蛋白質発現CHO細胞およびmock CHO
細胞を、24well plateに0.5x105cells/wellで播種し、2
4時間培養後、[3H]アラキドン酸を0.25μCi/well とな
るよう添加した。[3H]アラキドン酸添加16時間後、細胞
を0.05%BSAを含むHBSSで洗浄、上述のペプチド粗画分を
400μl/wellで添加した。37℃で30分間インキュベート
した後に、反応液400μl中300μlをシンチレーター4ml
に加え、反応液中に遊離された[3H]アラキドン酸代謝物
の量をシンチレーション・カウンターによりモニターし
た。その結果、30%CH3CNの溶出画分に全長レセプター蛋
白質発現CHO細胞(CHO−19P2)特異的なアラ
キドン酸代謝物遊離活性が検出された〔図16〕。
【0091】
【実施例12】ウシ視床下部抽出液に含まれるCHO−
19P2細胞株から特異的にアラキドン酸代謝物の遊離
を促進する活性の検出 実施例11と同様の方法でウシ視床下部を含む脳組織片
360g(10頭分)よりペプチド粗画分を調製した。0.5頭分
由来の乾燥ペプチド標品を40μlのDMSO に溶解し、0.05
%BSAを含む2mlのHBSSに懸濁し、実施例11と同様の方
法でアラキドン酸代謝物遊離活性の検出を試みた。その
結果、ウシ視床下部ペプチド粗画分のC18カラム30%CH3C
N溶出画分に、CHO−19P2細胞株から特異的にア
ラキドン酸代謝物の遊離を促進する活性が検出された
〔図17〕。
【0092】
【実施例13】ウシ視床下部からのCHO−19P2細
胞株から特異的にアラキドン酸代謝物の遊離を促進する
活性物質(ペプチド)の精製 CHO−19P2細胞株から特異的アラキドン酸代謝物
の遊離を促進する活性物質についてウシ視床下部から精
製した代表例を以下に具体的に述べる。視床下部を含む
凍結脳組織片4.0kg(80頭分)を小片化し、蒸留水8.0L中
で20分間煮沸した。氷上にて急冷した後、終濃度1.0Mと
なるように酢酸540mlを加え、ポリトロン(10,000rpm、1
2min)にてホモジナイズした。ホモジェネートを一晩撹
拌した後、遠心(9,500rpm、20min)にて上清を得た。沈
殿物は1.0M酢酸4.0Lに懸濁し、ポリトロンにてホモジナ
イズし遠心にて再度上清を得た。上清を一つにまとめ、
終濃度0.05%となるようにTFAを加え、ガラス製カラムに
詰めた逆相C18カラム(PrepC18 125Å 160ml:ミリポア)
に添加した。添加後、0.05%TFA/H20 320ml でカラムを
洗浄後、10%、30%、50% CH3CN/0.05%TFA/H2O で3段階に
溶出した。30% CH3CN/0.05%TFA/H2O 溶出画分に2倍量
の 20mM CH3COONH4/H2O を加え、陽イオン交換カラム H
iPrep CM-Sepharose FF (Pharmacia)に添加した。20mM
CH3COONH4/10% CH3CN/H2O でカラムを洗浄後、100mM、
200mM、500mM、1000mM CH3COONH4/10%CH3CN/H2O で4段
階に溶出した。200mM CH3COONH4 溶出画分にCHO−1
9P2細胞株から特異的にアラキドン酸代謝物の遊離を
促進する活性が見いだされたので、この溶出画分に3倍
量のアセトンを加え、遠心して除タンパク質を行った
後、エバポレーションによる濃縮を行った。濃縮された
画分にTFA(終濃度0.1%)を加えた後さらに 酢酸を加えて
pH4に調製し、逆相カラム RESOURCE RPC 3ml(Pharmaci
a)に添加した。15%-30% CH3CN 濃度勾配による溶出で、
19%-21% CH3CN の画分にCHO−19P2細胞株から特
異的にアラキドン酸代謝物の遊離を促進する活性が検出
された。RESOURCE RPC の活性画分を 凍結乾燥後、DMSO
で溶解したのち、50mM MES pH5.0/10% CH3CN に懸濁
し、陽イオン交換カラム RESOURCE S 1ml(Pharmacia)に
添加した。0M-0.7M NaCl 濃度勾配による溶出で、0.32M
-0.46MNaCl の画分にCHO−19P2細胞株から特異
的にアラキドン酸代謝物の遊離を促進する活性が検出さ
れた。RESOURCE S の活性画分を 凍結乾燥後、DMSOに溶
解したのち、0.1%TFA/H2O に懸濁し、逆相カラム C18 2
18TP5415(Vydac) に添加した。20%-30% CH3CN 濃度勾配
による溶出で、22.5%、23%、23.5% CH3CN の3つの画分
(活性画分をそれぞれP-1、P-2、P-3とする)にそれぞ
れCHO−19P2細胞株から特異的にアラキドン酸代
謝物の遊離を促進する活性が検出された〔図18〕。3
つに分離した活性のうちの 23.5% CH3CN の画分(p-3)
を凍結乾燥後、DMSOで溶解したのち、0.1%TFA/H2O に懸
濁し、逆相カラム diphenyl 219TP5415(Vydac) に添加
した。22%-25% CH3CN 濃度勾配による溶出で、23% CH3C
N で溶出される1つのピークにCHO−19P2細胞株
から特異的にアラキドン酸代謝物の遊離を促進する活性
は収束した〔図19〕。逆相カラムdiphenyl 219TP5415
で活性と一致したピークの画分を凍結乾燥後、0.1%TFA
/H2O に懸濁し、逆相カラム μRPC C2/C18 SC 2.1/10(P
harmacia) に添加した。22%-23.5% CH3CN 濃度勾配によ
る溶出で 23.0% と 23.2% CH3CN で溶出される二つのピ
ークにそれぞれCHO−19P2細胞株から特異的にア
ラキドン酸代謝物の遊離を促進する活性が検出された
〔図20〕。
【0093】
【実施例14】ウシ視床下部から精製したCHO−19
P2細胞株から特異的にアラキドン酸代謝物の遊離を促
進する活性ペプチドのアミノ酸配列決定 実施例13で精製されたCHO−19P2細胞株から特
異的にアラキドン酸代謝物の遊離を促進する活性ペプチ
ド(P-3)のアミノ酸配列の決定を行った。逆相カラム μ
RPC C2/C18 SC 2.1/10 で活性と一致したピークの画分
を凍結乾燥後、70% CH3CN 20μl に溶解し、ペプチドシ
ークエンサー(ABI.491) によるアミノ酸配列の分析を行
った。その結果、配列番号:3が得られた。ただし、7
番目と19番目の配列はアミノ酸配列の分析のみでは決
定されていない。
【0094】
【実施例15】ウシ視床下部からのCHO-19P2細
胞株から特異的にアラキドン酸代謝物の遊離を促進する
活性物質(ペプチド)の精製 実施例13において Vydac C18 218TP5415
で分離された3つの活性のうち23.0% CH3CNの
活性画分(P-2)のさらなる精製を行った。この活性
画分を凍結乾燥後、DMSOで溶解したのち0.1% TFA
/蒸留水に懸濁し、逆相カラムdiphenyl 219TP5
415(Vydac)に添加した。21.0%−24.0% C
3CN濃度勾配による溶出で、21.9% CH3CNで
溶出される一つのピークにCHO-19P2細胞株から
特異的にアラキドン酸代謝物の遊離を促進する活性が検
出された。この画分を凍結乾燥後、DMSOで溶解したのち
0.1% TFA/蒸留水に懸濁し、逆相カラムμRPC
C2/C18 SC 2.1/10(Pharmacia)に添加
した。21.5%−23.0% CH3CN濃度勾配による
溶出で、22.0% CH3CNで溶出される一つのピー
クにCHO-19P2細胞株から特異的にアラキドン酸
代謝物の遊離を促進する活性が収束した〔図21〕。
【0095】
【実施例16】ウシ視床下部から精製されたCHO-1
9P2細胞株から特異的にアラキドン酸代謝物の遊離を
促進するペプチド(P-2)のアミノ酸配列決定 実施例15で精製されたCHO-19P2細胞株から特
異的にアラキドン酸代謝物の遊離を促進するペプチド
(P-2)のアミノ酸配列の決定を行った。逆相カラム
μRPC C2/C18 SC 2.1/10で活性と一致
したピークの画分を凍結乾燥後、70% CH3CN 2
0μlに溶解し、ペプチドシークエンサー(ABI,4
92)によるアミノ酸配列の分析を行った(配列番号:
4)。
【0096】
【実施例17】ウシ視床下部からの poly(A)+RNA画
分の調製およびcDNAの合成 ウシ1頭分の視床下部より Isogen(ニッポンジーン
社)により total RNAを調製後、FastTrack(Invitr
ogen社)を用いて poly(A)+RNA画分を調製した。次
にこの poly(A)+RNA画分1μgから、3' RACE
system(GIBCO BRL)および Marathon cDNA amplifica
tion kit(Clontech)により、マニュアルに従ってcD
NAを合成し、それぞれ20および10μlに溶解し
た。
【0097】
【実施例18】実施例14で明らかとなったアミノ酸配
列部分をコードするcDNAの取得 実施例14で明らかとなったアミノ酸配列を含むポリペ
プチドをコードするcDNAを取得するため、まず配列
番号:1をコードする塩基配列の取得をめざした。そこ
でプライマーP5-1(配列番号:35)、P3-1(配
列番号:36)、P3-2(配列番号:37)を合成し
た(配列表においてIはイノシンを示す)。実施例17
で3' RACE system を用いて調製したcDNA 0.
5μlを鋳型として、DNA polymerase としてEXT
aq(宝酒造)を用い、添付のバッファー2.5μl、d
NTP 200μMと、プライマーP5-1,P3-1を
それぞれ200nMとなるように加え水で25μlとし
て、94℃・1分後、98℃・10秒、50℃・30
秒、68℃・10秒のサイクルを30回繰り返した。こ
の反応液をトリシン・EDTAバッファーで50倍に希
釈したもの2.5μlを鋳型として、プライマーをP5-
1とP3-2に組み合わせに換え、その他は同じ条件で
反応を行った。サーマルサイクラーは GeneAmp9600(パ
ーキンエルマー社)を用いた。増幅産物を4%アガロー
ス電気泳動、エチジウムブロマイド染色し約70bp
のバンドを切り出し、熱融解、フェノール抽出、エタノ
ール沈殿した。回収したDNAをTAクローニングキッ
ト(Invitrogen)のマニュアルに従い、プラスミドベク
ターpCRTMIIへサブクローニングした。これを大腸菌
JM109に導入して、得られた形質転換体をアンピシ
リンを含むLB培地で培養後、自動プラスミド抽出器
(クラボウ)でプラスミドを調製した。このプラスミド
を Dye Terminator Cycle Sequencing Kit(ABI)で
マニュアルに従い反応し、蛍光自動DNAシーケンサー
(ABI)により解読した。その結果〔図22〕に示す
配列が得られ、これが配列番号:1をコードする塩基配
列の一部であることを確認した。
【0098】
【実施例19】実施例18で明らかになった配列を用い
てのRACE法による生理活性ポリペプチドcDNAの
取得 まず5'側の配列を増幅する(5’RACE)のために
〔図22〕に示した配列を利用してPE(配列番号:3
8)とPDN(配列番号:39)の2本のプライマーを
合成した。実施例17で Marathon cDNA amplification
kit により調製したcDNAをトリシン・EDTAバ
ッファーで100倍に希釈したもの2.5μlを鋳型と
して、実施例2と同様の方法で反応液を調製し、キット
添付のアダプタープライマーAP1とPEの組み合わせ
で、94℃・1分後、98℃・10秒、68℃・5分の
サイクルを30回繰り返した。さらにこの反応液をトリ
シン・EDTAバッファーで50倍に希釈したもの2.
5μlを鋳型として、プライマーをAP1とPDNの組
み合わせに換え、94℃・1分後、98℃・10秒、7
2℃・5分のサイクルを4回、98℃・10秒、70℃
・5分のサイクルを4回、98℃・10秒、68℃・5
分のサイクルを26回繰り返した。増幅産物を1.2%
アガロース電気泳動、エチジウムブロマイド染色し約1
50bp のバンドを切り出し、遠心濾過チューブ(ミ
リポア社)で遠心濾過後、フェノール抽出、エタノール
沈殿した。回収したDNAをTAクローニングキット
(Invitrogen)のマニュアルに従い、プラスミドベクタ
ーpCRTMIIへサブクローニングした。これを大腸菌J
M109に導入して、得られた形質転換体を実施例18
と同様の方法で挿入されたcDNA断片の配列を解析し
た。その結果、〔図23〕に示す配列が得られた。さら
にこの配列を基にプライマーFB(配列番号:40),
FC(配列番号:41)を合成し、3'側の配列取得を
行った(3’RACE)。鋳型は5’RACEと同じも
のを同量用い、キット添付のアダプタープライマーAP
1とFCの組み合わせで、94℃・1分後、98℃・1
0秒、72℃・5分のサイクルを5回、98℃・10
秒、70℃・5分のサイクルを5回、98℃・10秒、
68℃・5分のサイクルを25回繰り返した。さらにこ
の反応液をトリシン・EDTAバッファーで50倍に希
釈したもの2.5μlを鋳型として、プライマーを、や
はりキット添付のAP2とFBの組み合わせに換え、9
4℃・1分後、98℃・10秒、72℃・5分のサイク
ルを4回、98℃・10秒、70℃・5分のサイクルを
4回、98℃・10秒、68℃・5分のサイクルを27
回繰り返した。増幅産物を1.2%アガロース電気泳
動、エチジウムブロマイド染色し約400bp のバン
ドを切り出し、5’RACEのときと同様の方法でDN
Aを回収した。このDNA断片をプラスミドベクターp
CRTMIIへサブクローニング後、大腸菌JM109に導
入して、得られた形質転換体に挿入されたcDNA断片
の配列を解析した。5'および3’RACEの結果か
ら、配列番号:1に示した生理活性ポリペプチドの全コ
ード領域をコードするcDNA配列〔図24〕を得た。
具体的には、図24(a)および(b)において、第1
34番目の塩基がGのものであって、第184番目の塩
基がTおよびCのもの、第245番目の塩基がTおよび
Cのものが得られた。図24に示したcDNAは98ア
ミノ酸からなるポリペプチドをコードしていた。第1か
ら第22番目のアミノ酸が疎水的なアミノ酸が集合して
いることと実施例14に示したように活性ペプチドのN
末端が第23番目のSerから始まっていることを考え合
わせると、第1から22番目のアミノ酸は分泌シグナル
の配列であると推定された。一方、ポリペプチドの第5
4番目から57番目に存在するGlyArgArgArg配列は生理
活性ペプチドが切断される場合に存在する典型的なアミ
ノ酸配列モチーフであることが分かった。またこの切断
モチーフの場合にはGlyが存在するためしばしば生成す
るペプチドのC末端はアミド化されることが知られてい
る。実施例14のP-3のN末端配列および実施例16のP
-2のN末端配列情報とこのGlyArgArgArg配列を考え合わ
せるとこのcDNAにコードされるポリペプチドから切
り出されてくる生理活性ペプチドの少なくとも一部は配
列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:
6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9もしく
は配列番号:10であると考えられた。
【0099】
【実施例20】PCR法によるウシ型生理活性ポリペプ
チドcDNAの全コード領域を含むDNA断片の取得 実施例17で Marathon cDNA amplification kit によ
り調製したcDNAを鋳型として生理活性ポリペプチド
cDNAの全コード領域を含むDNA断片の取得を行っ
た。まず実施例19で明らかとなったcDNAの配列を
基に、配列番号:42、配列番号:43で表される塩基
配列を有するプライマーを2本合成した。 BOVF 5'-GTGTCGACGAATGAAGGCGGTGG
GGGCCTGGC-3'
(配列番号:42) BOVR(24mer) 5'-AGGCTCCCGCTGTTATTCCTGGA
C-3'(配列番号:43) BOVFは生理活性ポリペプチドcDNAのスタートコ
ドンを含み、制限酵素SalI部位を付加した−2〜+
22(スタートコドンATGのAを+1とする)に対応
するセンス配列で、BOVRは生理活性ポリペプチドc
DNAのストップコドンを含む+285〜+309に対
応するアンチセンス配列である。PCR反応は実施例1
7で Marathon cDNA amplification kit により調製し
たcDNAをトリシン・EDTAバッファーで100倍
に希釈したもの2.5μlを鋳型として、実施例2と同
様の方法で反応液を調製し、94℃・1分後、98℃・
10秒、72℃・5分のサイクルを3回、98℃・10
秒、70℃・5分のサイクルを3回、98℃・10秒、
68℃・5分のサイクルを27回繰り返した。増幅産物
を2%アガロース電気泳動、エチジウムブロマイド染色
し約320bp のバンドを切り出し、実施例3と同様
の方法でDNAを回収、プラスミドベクターpCRTMII
へサブクローニングした。これを大腸菌JM109に導
入して、形質転換体エシェリヒア コリ(Escherichia c
oli)JM109/pBOV3を得た。得られた形質転換
体に挿入されたcDNA断片の配列を解析した。その結
果このDNA断片は生理活性ポリペプチドcDNAの全
コード領域を含む断片であることが確認された。
【0100】
【実施例21】Ser-Arg-Ala-His-Gln-His-Ser-Met-Glu-
Ile-Arg-Thr-Pro-Asp-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp-Tyr-Ala-Gl
y-Arg-Gly-Ile-Arg-Pro-Val-Gly-Arg-Phe-NH2(19P
2−L31)の合成。 1)Ser(Bzl)-Arg(Tos)-Ala-His(Bom)-Gln-His(Bom)-Se
r(Bzl)-Met-Glu(OcHex)-Ile-Arg(Tos)-Thr(Bzl)-Pro-As
p(OcHex)-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp(CHO)-Tyr(Br-Z)-Ala-Gl
y-Arg(Tos)-Gly-Ile-Arg(Tos)-Pro-Val-Gly-Arg(Tos)-P
he-pMBHA-resinの合成。 市販p−メチルBHA樹脂(アプライド バイオシテム
ズ、現パ−キンエルマ−社製)0.71g(0.5 m mole)をペ
プチド合成機(アプライド バイオシテムズ社製430
A)の反応器に入れ、DCMで膨潤させた後、最初のア
ミノ酸Boc-PheをHOBt/DCC法で活性化しp−メチルBH
A樹脂に導入した。樹脂を50%TFA/DCMで処理
し、Boc基を除去してアミノ基を遊離させ、DIEAで中和
した。このアミノ基に次のアミノ酸Boc-Arg(Tos)をHOBt
/DCC法で縮合した。未反応アミノ基の有無をニンヒドリ
ンテストで調べ反応完了を確認後同様に、Boc-Gly、Boc-
Val、Boc-Pro、Boc-Arg(Tos)、Boc-Ile、Boc-Gly、Boc-Arg(T
os)、Boc-Gly、Boc-Ala、Boc-Tyr(Br-Z)を順次縮合、ニン
ヒドリンテストで縮合が不十分であると判明したBoc-Al
a、 Boc-Tyr(Br-Z)は再縮合し反応を完了した。樹脂を乾
燥して半量の樹脂を取り出した残りに、Boc-Trp(CHO)、B
oc-Ala、Boc-Pro、Boc-Asn、Boc-Ile、Boc-Asp(OcHex)、Boc-
Pro、Boc-Thr(Bzl)、Boc-Arg(Tos)、Boc-Ile、Boc-Glu(OcHe
x)、Boc-Met、Boc-Ser(Bzl)、Boc-His(Bom)、Boc-Gln、Boc-H
is(Bom)、Boc-Ala、Boc-Arg(Tos)、Boc-Ser(Bzl)を同様に
ニンヒドリンテストで十分な縮合が得られるまで再縮合
をくり返した。19P2−L31の全配列アミノ酸が導
入され樹脂を50%TFA/DCMで処理し樹脂上のBoc基
を除去後、樹脂を乾燥し1.28gのペプチド樹脂を合成し
た。 2)Ser-Arg-Ala-His-Gln-His-Ser-Met-Glu-Ile-Arg-Th
r-Pro-Asp-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp-Tyr-Ala-Gly-Arg-Gly-
Ile-Arg-Pro-Val-Gly-Arg-Phe-NH2(19P2−L3
1)の合成。 1)で得た樹脂をp−クレゾール3.8g、1、4-ブタンジチ
オ−ル1ml、弗化水素10mlと共にテフロン製弗化水素反
応装置中で0℃ 60分間反応した。弗化水素、1、4-ブ
タンジチオ−ル1mlを減圧留去し、残留物にジエチルエ
ーテル100mlを加え撹袢後、グラスフィルター上に濾
取、乾燥した。これを50%酢酸水溶液50ml中に懸濁、撹
袢し、ペプチドを抽出した後樹脂と分離し減圧下に約5
mlまでに濃縮した後、セファデックスG-25(2x90c
m)のカラムに付し50%酢酸水で展開し114 ml〜181 ml
の画分を集め凍結乾燥し、19P2−L31を含む白色
粉末290 mgを得た。これをLiChroprep RP-18(MER
CK社製)を充填した逆相系カラムにつけ0.1% TFA
水と0.1% TFA含有30%アセトニトリル水溶液を用
いたグラジエント溶出での精製をくり返し、アセトニト
リル濃度25%前後に溶出される部分を集め凍結乾燥
し、白色粉末71mgを得た。 質量分析による(M+H)+ 3574.645 HPLC溶出時間 18.2分 カラム条件 カラム: Wakosil 5C18 (4.6x100mm) 溶離液:A液(0.1% TFA水) B液(0.1% TFA含有50%アセトニトリル水)を用い A液からB液へ直線型濃度勾配溶出(25分) 流速: 1.0 ml/分
【0101】
【実施例22】Ser-Arg-Ala-His-Gln-His-Ser-Met(O)-G
lu-Ile-Arg-Thr-Pro-Asp-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp-Tyr-Ala
-Gly-Arg-Gly-Ile-Arg-Pro-Val-Gly-Arg-Phe-NH2(19
P2−L31(O))の合成。 合成19P2−L31 6mgを5%−酢酸水溶液20
mlに溶解し30%−過酸化水素水40μlを加えMet
部分のみを酸化し、反応終了後直ちにLiChroprep RP-18
(MERCK社製)を充填した逆相系カラムにつけて精
製し目的物 5.8mgをえた。 質量分析による(M+H)+ 3590.531 HPLC溶出時間 17.9分 カラム条件 カラム: Wakosil 5C18 (4.6x100mm) 溶離液:A液(0.1% TFA水) B液(0.1% TFA含有50%アセトニトリル水)を用い A液からB液へ直線型濃度勾配溶出(25分) 流速: 1.0 ml/分
【0102】
【実施例23】Thr-Pro-Asp-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp-Tyr-
Ala-Gly-Arg-Gly-Ile-Arg-Pro-Val-Gly-Arg-Phe-NH
2(19P2−L20)の合成。 実施例21の1)でBoc-Tyr(Br-Z)までを縮合した樹脂
にさらにBoc-Trp(CHO)、Boc-Ala、Boc-Pro、Boc-Asn、Boc-I
le、Boc-Asp(OcHex)、Boc-Pro、Boc-Thr(Bzl)を同様に縮合
し、 Boc-Thr(Bzl)-Pro-Asp(OcHex)-Ile-Asn-Pro-Ala-T
rp(CHO)-Tyr(Br-Z)-Ala-Gly-Arg(Tos)-Gly-Ile-Arg(To
s)-Pro-Val-Gly-Arg(Tos)-Phe-pMBHA-resin1.14g
を得た。これを実施例21の2)と同様に弗化水素処
理、カラム精製し、白色粉末60mgを得た。 質量分析による(M+H)+ 2242.149 HPLC溶出時間 10.4分 カラム条件 カラム: Wakosil 5C18 (4.6x100mm) 溶離液:A液(0.1% TFA含有15%アセトニトリル水) B液(0.1% TFA含有45%アセトニトリル水)を用い A液からB液へ直線型濃度勾配溶出(15分) 流速: 1.0 ml/分
【0103】
【実施例24】合成ペプチド(19P2−L31)によ
るアラキドン酸代謝物遊離活性の測定 実施例11と同様に、実施例21で合成されたペプチド
(19P2−L31)によるCHO−19P2細胞株か
らの特異的なアラキドン酸代謝物の遊離を測定した。合
成ペプチドは、脱気処理した蒸留水に10-3Mの濃度で
溶解し、0.05%BSAを含むHBSSで希釈して、
それぞれの濃度におけるCHO−19P2細胞株からの
アラキドン酸代謝物の遊離を[3H]アラキドン酸代謝
物の量を指標に測定した。その結果、10-12M〜10
-6Mで濃度依存的なアラキドン酸代謝物遊離の活性が検
出された〔図25〕。さらに、実施例22で合成された
19P2−L31のメチオニン酸化体であるペプチド1
9P2−L31(O)について19P2−L31とのア
ラキドン酸代謝物遊離活性の比較を行った結果、〔図2
6〕に示すように19P2−L31(O)は19P2−
L31と同等の活性を示すことが分かった。
【0104】
【実施例25】合成ペプチド(19P2−L20)によ
るアラキドン酸代謝物遊離活性の測定 実施例11と同様に、実施例23で合成された天然品P
−2に相当するペプチド(19P2−L20)によるC
HO−19P2細胞株からの特異的なアラキドン酸代謝
物の遊離を測定した。合成ペプチドは、脱気処理した蒸
留水に10-3Mの濃度で溶解し、0.05%BSAを含
むHBSSで希釈して、それぞれの濃度におけるCHO
−19P2細胞株からのアラキドン酸代謝物の遊離を[
3H]アラキドン酸代謝物の量を指標に測定した。その
結果、10-12〜10-6Mで濃度依存的なアラキドン酸
代謝物遊離の活性が19P2−L31とほぼ同程度に検
出された〔図27〕。
【0105】
【実施例26】ウシゲノムDNAにおけるコード領域の
塩基配列の解析 pBOV3を制限酵素EcoRIで消化し、アガロースゲル電気泳
動で分離した後、cDNA断片部分のDNAを回収してプローブ
を調製した。これをマルチプライムDNAラベリングキ
ット(アマシャム社)を用いて32P標識した。クローニ
ングベクターEMBL3 SP6/T7を用いて構築したBovine Gen
omic Library (CLONTECH社 BL1015j)の約2.0x106個のフ
ァージを大腸菌K802を宿主としてLB寒天培地プレート
に播種し、一晩培養してプラークを形成させた。これを
ニトロセルロースフィルターに転写し、アルカリ変性、
中和処理を行った後、熱処理(80℃、2時間)によってD
NAを固定化した。このフィルターを50%ホルムアミ
ドを含むハイブリバッファー(50%formamide、5xDenh
ardt's溶液、4xSSPE、0.1mg/ml Salmon spermDNA、
0.1%SDS)中で標識プローブと42℃で一晩インキュベー
ションし、ハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーシ
ョン後のフィルターを室温で2xSSC、0.1%SDS中で1.
5時間洗浄した後、さらに55℃の同バッファー中で3
0分間洗浄した。プローブとハイブリダイズするクロー
ンの検出は、コダック社のX線フィルム(X-OMATTMAR)と
増感スクリーンを用い、−80℃で4日間の露光によっ
て行った。X線フィルムを現像した後、フィルムとプレ
ートの位置を対応させながらハイブリダイズしている部
分のファージを回収した。さらに上記の方法によって再
プレーティングとハイブリダイゼーションを繰り返して
行い、ファージのクローン化を行った。クローン化した
ファージをプレートライセート法によって大量に調製
し、ファージDNAを抽出した後、ベクターのクローニ
ングサイトの両端に存在する制限酵素SalIおよびBamHI
切断部位で切断してウシゲノムDNA由来の挿入断片の検
出を1.2%アガロースゲル電気泳動によって行った
〔図28〕。その結果、BamHI消化では3本の断片がフ
ァージ由来のバンドの他に検出された。また、SalI消化
ではファージ由来のバンドに重なって1本のバンドが検
出された。SalI消化断片が全長を保持していると考え、
この断片をプラスミドベクターにサブクローニングする
ために、SalI消化後にBAP(大腸菌由来のアルカリフォス
フォターゼ)処理したプラスミドベクターpUC18(ファ
ルマシア社)とライゲーション反応を行い、大腸菌JM10
9に導入した。この菌からゲノム由来のSalI断片が挿入
されたプラスミドDNAを大量に調製し、パーキンエル
マー・アプライドバイオシステムズ社の370A蛍光式シー
ケンサーおよび同社のキットを用いてコード領域付近の
塩基配列の解析を行った。その結果、〔図29〕に示す
ような配列が得られた。cDNAのコード領域と比較す
ると、ゲノムDNA由来であるために472bpのイントロ
ンによってコード領域が2つに分割されている〔図3
0〕。〔図31〕および配列番号:44には、このウシ
のゲノムのコード領域(イントロン部分を除いたもの)
から推定されるアミノ酸配列を示す。
【0106】
【実施例27】ラット延髄背側部poly(A)+RNA画分
の調製およびcDNAの合成 ラットの延髄背側部よりIsogen(ニッポンジーン社)に
よりtotal RNAを調製後、FastTrack(Invitrogen
社)を用いてpoly(A)+RNA画分を調製した。次にこ
のpoly(A)+RNA 5μgにプライマーとしてランダム
DNAヘキサマー(BRL社)を加え、モロニーマウス
白血病の逆転写酵素(BRL社)により、添付バッファ
ーを用いて相補DNAを合成した。反応後の産物はエタ
ノール沈殿を行った後、12μlの蒸留水に溶解した。
またこのpoly(A)+RNA 1μgから、Marathon cD
NA amplification kit(Clontech)により、マニュア
ルに従ってcDNAを合成し、10μlに溶解した。
【0107】
【実施例28】RACE法によるラット型生理活性ポリ
ペプチドのcDNAの取得 ラット型生理活性ポリペプチドcDNAの全コード領域
を取得するため、ウシ型を取得した方法に準じて実験を
行った。まず実施例18で使用したプライマーP5−1
(配列番号:35)、P3−1(配列番号:36)をプ
ライマーとし、鋳型には実施例27でプライマーとして
ランダムDNAヘキサマー(BRL社)を加え、モロニ
ーマウス白血病の逆転写酵素(BRL社)により合成し
た相補DNAを鋳型としてPCRを行った。反応液は鋳
型cDNAを1.25μl、dNTP200μM,プラ
イマーを各1μM,DNA polymeraseとしてExTaq(宝
酒造)を用い、添付のバッファー2.5μlを加えて、
さらに水で全量を25μlとした。反応は94℃・1分
後、98℃・10秒、50℃・30秒、72℃・5秒の
サイクルを40回繰り返した後、72℃で20秒放置し
た。サーマルサイクラーはGeneAmp2400(パーキンエル
マー社)を用いた。増幅産物を4%アガロース電気泳
動、エチジウムブロマイド染色し約80bpのバンドを
切り出し、実施例19に示した方法でDNAを回収、プ
ラスミドベクターpCRTMIIへサブクローニング、大腸
菌JM109へ導入し挿入されたcDNA断片の配列を
解析した。その結果ラット型生理活性ポリペプチドの部
分配列を得ることができた。この配列を基に3' RAC
E用にRA(配列番号:75),5' RACE用にRC
(配列番号:76)の2本のプライマーを合成し、5'
および3' RACEを行った。 RA:5'−CARCAYTCCATGGAGACAA
GAACCCC−3'(ここでRはAまたはG、YはT
またはCを示す。)(配列番号:75) RC:5'−TACCAGGCAGGATTGATAC
AGGGG−3'(配列番号:76) 鋳型は実施例27でMarathon cDNA amplification
kit(Clontech)により合成したものを添付のトリシン
−EDTAバッファーで40倍に希釈したもの2.5μ
lを使用した。プライマーには3' RACEにはRAと
キット付属のアダプタープライマーAP1を、また5'
RACEにはRCとAP1をそれぞれ用いたほかは上記
と同様に反応液を調製した。反応条件は94℃・1分
後、98℃・10秒、72℃・45秒のサイクルを5
回、98℃・10秒、70℃・45秒のサイクルを3
回、98℃・10秒、68℃・45秒のサイクルを40
回繰り返した。その結果3' RACEからは約400b
p、5' RACEからは約400bpと250bpのバ
ンドが得られた。これらを上記と同様の方法で回収し、
これらを鋳型として反応に用いたプライマーでDye Term
inator Cycle SequencingKit(ABI)により反応し配
列を解析した。その結果5'ノンコーディング領域と推
定される部分からpolyAまでの配列を得ることができ
た。
【0108】
【実施例29】PCRによるラット型生理活性ポリペプ
チドの全長cDNAの取得 実施例28で得られた配列を基に開始コドンを含む領域
にrF(配列番号:77)、また終止コドンより3'側
にrR(配列番号:78)の2本のプライマーを合成し
全長cDNAを含む断片を増幅することとした。 rF:5'−GGCATCATCCAGGAAGACG
GAGCAT−3'(配列番号:77) rR:5'−AGCAGAGGAGAGGGAGGGT
AGAGGA−3'(配列番号:78) 実施例27でモロニーマウス白血病の逆転写酵素を用い
て調製したcDNAを鋳型とし、ExTaq(宝酒造)を用
いて、95℃・30秒、68℃・60秒のサイクルを4
0回繰り返してPCRを行った。増幅産物をアガロース
電気泳動、エチジウムブロマイド染色し約350bpの
バンドを切り出し、実施例19に示した方法でDNAを
回収、プラスミドベクターpCRTMIIへサブクローニン
グ、大腸菌JM109へ導入した。生じた形質転換体か
らプラスミドを抽出し、塩基配列を決定した結果、ラッ
ト型生理活性ポリペプチドの全長cDNAを保有するE.
coli JM109/pRAV3を得た〔図32〕。
【0109】
【実施例30】ヒト Brain poly(A)+RNA画分からの
cDNAの合成 ヒト Brain poly(A)+RNA画分(Clontech)1μgか
ら、Marathon cDNA amplification kit(Clontec
h)により、マニュアルに従ってcDNAを合成し、1
0μlに溶解した。また同poly(A)+RNA画分5μg
にプライマーとしてランダムDNAヘキサマー(BRL
社)を加え、モロニーマウス白血病の逆転写酵素(BR
L社)により、添付バッファーを用いて相補DNAを合
成した。反応後の産物はエタノール沈殿を行った後、3
0μlのTEに溶解した。
【0110】
【実施例31】RACE法によるヒト型生理活性ポリペ
プチドのcDNAの取得 実施例28で明らかになったラット型生理活性ポリペプ
チドのアミノ酸配列から〔図33〕に示したように特に
ラット型とウシ型で保存性の高かった領域を選び以下の
R1(配列番号:79)、R3(配列番号:80 )、
R4(配列番号:81)の3本のプライマーを合成し、
ヒトのcDNAを鋳型としてPCRをすることによりこ
れらに挟まれた領域の増幅を試みた。ここで、図33に
おいてbovine.aaはウシ型ポリペプチドのアミノ酸配
列、bovine.seqはウシ型ポリペプチドをコードするDN
Aの塩基配列、rat.seqはラット型ポリペプチドをコー
ドするDNAの塩基配列を示す。 R1:5’−ACGTGGCTTCTGTGCTTGC
TGC−3’(配列番号:79) R3:5’−GCCTGATCCCGCGGCCCGT
GTACCA−3’(配列番号:80) R4:5’−TTGCCCTTCTCCTGCCGAA
GCGGCCC−3’(配列番号:81) 実施例30でMarathon cDNA amplification kit(C
lontech)により調製したcDNAをトリシン−EDT
Aバッファーで30倍に希釈したもの2.5μlを鋳型
として使用した。反応液はdNTP200μM,プライ
マーをR1とR4を各0.2μM,Taq Start Antibody
(Clontech)と等量混合したDNA polymerase ExTaq
(宝酒造)を用い、添付のバッファー2.5μlを加え
て、さらに水で全量を25μlとした。反応は94℃・
1分後、98℃・10秒、68℃・40秒のサイクルを
42回繰り返した後、72℃で1分間放置した。さらに
この反応液をトリシン−EDTAバッファーで100倍
に希釈したもの1μlを鋳型として、プライマーの組み
合わせをR1とR3に変えた以外は上記と同様の反応液
を調製して94℃・1分後、98℃・10秒、68℃・
40秒のサイクルを25回繰り返した。増幅産物を4%
アガロース電気泳動、エチジウムブロマイド染色したと
ころ、期待される約130bpのバンドが得られたた
め、これを実施例28と同様の方法で回収し、その回収
した断片を鋳型として、Dye Terminator Cycle Sequenc
ing Kit(ABI)を用いて反応し配列を解析した結
果、ヒト型生理活性ポリペプチドの部分配列を得ること
ができた。そこでこの配列を基に3'RACE用にプラ
イマーHA(配列番号:82),HB(配列番号:8
3)を、5' RACE用にプライマーHE(配列番号:
84),HF(配列番号:85)を合成し、5'および
3' RACEを行った。 HA:5'−GGCGGGGGCTGCAAGTCGT
ACCCATCG−3'(配列番号:82) HB:5'−CGGCACTCCATGGAGATCC
GCACCCCT−3'(配列番号:83) HE:5'−CAGGCAGGATTGATGTCAG
GGGTGCGG−3'(配列番号:84) HF:5'−CATGGAGTGCCGATGGGTA
CGACTTGC−3'(配列番号:85) 鋳型は実施例30で調製したものをトリシン−EDTA
バッファーで20倍に希釈したもの2.5μlを使用し
た。1回目のPCRは3' RACEにはHAとアダプタ
ープライマーAP1を、5' RACEにはHEとAP1
を用いこれまでと同様に反応液を調製した。反応条件は
94℃・1分後、98℃・10秒、72℃・35秒のサ
イクルを5回、98℃・10秒、70℃・35秒のサイ
クルを5回、98℃・10秒、68℃・35秒のサイク
ルを40回繰り返した。さらにこの反応液をトリシン−
EDTAバッファーで100倍に希釈したもの1μlを
鋳型として、1回目の反応サイクルと同じサイクルで2
回目のPCRを行った。ただし3' RACEはプライマ
ーをHBとAP1に、5' RACEはHFとAP2に変
え、またDNA polymeraseとしてKlen Taq(Clontech)
を使用し、添付のバッファーで反応液を調製した。その
結果、3' RACEでは約250bpのバンドまた5'
RACEでは約150bpのバンドが得られ、これらを
上記と同様の方法で配列を読み、先に得られた部分配列
と併せてヒト型生理活性ポリペプチドの、5'ノンコー
ディング領域と推定される部分からpolyAまでの配列を
得ることができた。
【0111】
【実施例32】PCR法によるヒト型生理活性ポリペプ
チドの全長cDNAの取得 実施例31で得られた配列を基に5H(配列番号:8
6)と3HN(配列番号:87)の2本のプライマーを
合成し全長cDNAを含む断片を増幅することとした。 5H:5'−GGCCTCCTCGGAGGAGCCA
AGGGATGA−3'(配列番号:86) 3HN:5'−GGGAAAGGAGCCCGAAGG
AGAGGAGAG−3'(配列番号:87) 実施例30でモロニーマウス白血病の逆転写酵素(BR
L社)を用いて調製したcDNA2.5μlを鋳型と
し、Klen Taq DNA polymerase(Clontech)を用いた
反応液で、94℃・1分後、98℃・10秒、68℃・
30秒のサイクルを40回繰り返した。得られた約36
0bpの断片を実施例29と同様の方法で、回収、サブ
クローニング(ただし、ベクターはpCRTM2.1を用
いた。)、プラスミド回収し、塩基配列を決定した結
果、ヒト型生理活性ポリペプチドの全長cDNAを保有
するE. coli JM109/pHOV7を得た〔図3
4〕。またこのヒト型生理活性ポリペプチドと実施例2
0に示したウシ型、および実施例29に示したラット型
の翻訳領域についてアミノ酸配列を比較した〔図3
5〕。
【0112】
【実施例33】(1)UHR−1発現CHO細胞の作製 最近、Susan K. Welchらによってラット視交叉上核より
オーファンレセプターであるUHR−1がクローニング
されている(Biochemical and Biophysical Research C
ommunications, Vol.209, No.2, pp.606-613, 1995)。
本発明者らは、この報告をもとにUHR−1遺伝子によ
りコードされる蛋白質のアミノ酸配列とhGR3により
コードされる蛋白質のアミノ酸配列の比較を行った。そ
の結果、両者は359アミノ酸にわたり91.6%のア
イデンティティーを有することから、UHR−1はph
GR3のホモログであることが推定された。UHR−1
によりコードされる蛋白が19P2−L31のレセプタ
ーとして機能することを確認するために以下に述べるよ
うに、本発明者らはUHR−1 cDNAをクローニン
グし、それをCHO細胞に導入して安定的な発現細胞株
を作製した。ラットの下垂体前葉からFast Tra
ckTM kit(Invitrogen社)を用いて抽出した poly
(A)+RNAを調製した。次に、得られた poly(A)+
NA0.2μgを鋳型とし、TaKaRa RNA PCR
kit(宝酒造)を用いて全量40μlの反応スケー
ルでcDNAを合成した。反応産物は、フェノール:ク
ロロホルム(1:1)で抽出し、エタノール沈澱を行っ
た後、10μlの蒸留水に溶解した。既知のラット・U
HR−1 cDNAの塩基配列(GenBank, Accession Nu
mber S77867)をもとに、以下に示す2種の合成
DNAプライマーを作成した。 (1)5'−GTTCACAG(GTCGAC)ATG
ACCTCAC−3'(括弧内はSalI認識配列を示
す) (配列番号:95) (2)5’−CTCAGA(GCTAGC)AGAGT
GTCATCAG−3’(括弧内はNheI認識配列を
示す) (配列番号:96) 上記のプライマー(1)と(2)を一組として用いて、
上述の方法で合成したcDNAを鋳型としてPCRを行
った。反応には、調製したcDNA溶液を5倍に希釈し
たものを5μl、Ex Taq(宝酒造)とTaq Start Antibo
dy(クロンテック)を1:1で混合したものを1μl、
Ex Taqに添付の10×反応バッファーを5μlおよびd
NTPを4μl、50μMの濃度に調製したプライマー
を各1μl使用し、蒸留水にて液量を50μlに調製し
た。PCRは、95℃・2分ののち、95℃・30秒、
65℃・30秒、72℃・1分の3ステップを1サイク
ルとして27回繰り返して行い、その後に72℃・7分
の伸長反応を加えた。反応終了後に、反応液の一部を用
いてアガロースゲル電気泳動を行った。エチジウムブロ
マイド染色し約1.1kbpのバンドを切り出し、遠心
濾過チューブ(ミリポア社)で遠心濾過し、フェノール
抽出次いでエタノール沈澱を行ってDNAを回収した。
回収したDNAをTAクローニングキット(Invitrogen
社)のマニュアルに従い、プラスミドベクターpCRTM
IIへサブクローニングし(以下、pCRII−UHR−1
と称する)、大腸菌JM109に導入し、得られた形質
転換体をアンピシリンを含むLB培地で培養後、自動プ
ラスミド抽出器(クラボウ社)でプラスミドを得た。こ
のプラスミドをABI PRISM Dye Terminator Cycle Seque
ncing kit,FS(パーキンエルマー社)を用い、マニュ
アルに従い反応させ、塩基配列を蛍光自動DNAシーケ
ンサー(ABI社)により解読した。塩基配列の解析の
結果、PCRによって入手したcDNA断片は1116
bpから成ることが確認された〔図52〕。〔図52〕
は、発現ベクターpAKKO−UHR−1上で構築され
たラット・UHR−1の完全なコード領域の塩基配列
と、それにコードされるアミノ酸配列を示す。図中、ア
ンダーラインを付したprimer(1),(2)は、それぞれのプ
ライマー配列の一部に相当する部分を示す。また、二重
線は公知の塩基配列と異なる部分を示す(664番目の
C、865番目のG、897番目のG)。ここで、公知
の塩基配列はデータバンクGenBank Accession No. S7
7867を引用したものである。これらの塩基置換のう
ち、一つは289Leu(CTC)→289Val(GTC)
のアミノ酸置換を伴うものであった。UHR−1発現ベ
クターの構築は以下の様にして行った。pCRII−UH
R−1を制限酵素NheI(宝酒造)およびSalI
(宝酒造)で切断した。切断したサンプルをアガロース
ゲル電気泳動した後エチジウムブロマイド染色し、その
バンド部分をカミソリで切り出した。このゲル断片をフ
ィルター付き遠心チューブ(ミリポア)に入れ、冷凍庫
内で凍結、その後に室温にて融解させた後、チューブを
8000回転で1分間遠心して、フィルターの下部にD
NA断片を含む溶液を溶出させた。この溶液を、定法に
従ってフェノール抽出、フェノール・クロロホルム
(1:1)抽出、ジエチルエーテル抽出して不純物を除
去した後、エタノール沈澱によってDNAを沈澱させc
DNA断片を得た。pAKKO−111Hを制限酵素N
heI(宝酒造)およびSalI(宝酒造)で切断した
後、上述と同様の方法によりベクター部分をアガロース
ゲルから分離、抽出した。こうして得られたcDNA断
片とpAKKO−111Hの制限酵素消化物をライゲー
ション・システム(宝酒造)を用い、16℃で30分反
応させた。ライゲーション反応産物の一部を用いて、大
腸菌JM109を形質転換させ、形質転換体Escherichi
a coli JM109/pAKKO−UHR−1を得た。
得られた形質転換体Escherichia coli JM109/p
AKKO−UHR−1をアンピシリン(50μg/ml)を
含むLB培地2ml中で一晩培養し、プラスミド自動抽出
装置(クラボウ社)によってプラスミドDNA(pAK
KO−UHR−1)を調製した。蛍光式シーケンサーを
用いて、cDNA断片とpAKKO−111Hの連結部
位の塩基配列を解析し、発現ベクターpAKKO−UH
R−1の構築が完了したことを確認した。 (2)CHOdhfr-細胞へのUHR−1発現ベクタ
ーの導入 直径10cmの組織培養用シャーレに1×106個のCH
Odhfr-細胞を播種し、24時間培養した。(1)
で得られたUHR−1発現ベクターpAKKO−UHR
−1を20μg用い、リポソーム法による遺伝子導入キ
ット(ジーントランスファー、ニッポンジーン社)を用
いて、DNA・リポソームの複合体を形成させた。培地
を新鮮なものに交換し、これにDNA・リポソームの複
合体を添加して一晩インキュベートした。培地を新鮮な
ものと交換してさらに1日間培養した後、形質転換体選
択用の培地に交換して2日間培養した。さらに、トリプ
シン−EDTA処理によってシャーレ内の細胞を回収
し、細胞密度が希薄な状態にて再培養を行うことによっ
て、形質転換体の割合の増加を図った。これにより、U
HR−1を安定に高発現する細胞株CHO−UHR−1
のクローンを得た。
【0113】
【実施例34】19P2−L31の125Iによる標識お
よび標識体を用いたレセプター結合実験 19P2−L31のヨードラベル化は〔125I〕−Bolto
n−Hunter Reagent(NEN/DuPont;NEX-120)を用いて行
った。まず、〔125I〕−Bolton−Hunter Reagent(2
200Ci/mmol)200μlを500μlエッペンドルフ
チューブに移し、窒素ガスにて完全に乾燥させた。アセ
トニトリル2μlにて再溶解し、さらに50mMリン酸バ
ッファーpH8.0 4μl、合成19P2−L31 3×
10-4M4μlを加え、混和し、室温にて40分間反応
させた。反応後、1.0Mグリシン5μlを加えて反応を
停止し、反応液全量を逆相カラム(TOSO;TSKgel ODS−
80TMCTP)にかけ、〔125I〕標識19P2−L31(〔
125I〕−19P2−L31)を分離した。〔125I〕−
19P2−L31を含む画分は、2倍量の50mM Tr
is−HCl pH7.5、0.1%BSA、0.05%C
HAPSにて希釈し、少量ずつ分注の後、−20℃にて
保存した。レセプター結合実験ではレセプター発現CH
O細胞としてCHO−19P2−9、CHO−UHR−
1およびmock CHOを用いた。CHO−19P2
−9細胞はCHO−19P2細胞を96穴マイクロプレ
ートを用いた限界希釈法により、19P2−L31によ
るアラキドン酸代謝物の遊離促進反応がより強いクロー
ンとして選択したものである。mock CHO細胞
は、発現ベクターpAKKO単独でトランスフォームし
たコントロール細胞である。組織培養用フラスコで培養
したこれらの細胞を5mM EDTA/PBSにて剥離
し、0.05%BSA、0.05%CHAPSを含むHB
SSに0.5×107cells/mlとなるよう再懸濁した。こ
の細胞浮遊液100μlに、〔125I〕−19P2−L3
1を200pMとなるように、さらに一部の細胞浮遊液に
はNSB(non specific binding;非特異的結合)とし
て19P2−L31を200nMとなるように追加し、室
温にて2.5時間反応させた。反応後、ガラスフィルタ
ーGF/F(Wattman)を用いて、B/F分離を行い、
フィルターにトラップされたカウントをレセプター結合
量としてγ−カウンターにて測定した。〔図36〕に
は、生細胞における〔125I〕−19P2−L31を用
いたレセプター結合実験の結果を示す。細胞浮遊液0.
5×107cells/ml 100μlに〔125I〕−19P2−
L31を200pMとなるように加え、室温2.5時間の
反応でレセプターに結合した〔125I〕−19P2−L
31の量および非特異的結合量をγ−カウンターで測定
した。実験はtriplicateで行い、その平均値および標準
偏差を示した。hGR3とUHR−1を発現させたCH
O細胞において、〔125I〕−19P2−L31の特異
的結合が観察された。これらの結果はhGR3およびU
HR−1によってコードされる蛋白質が19P2−L3
1の特異的なレセプターとして機能していることを示し
ている。
【0114】
【実施例35】19P2−L31によるCHO−19P
2−9およびCHO−UHR1からの特異的なアラキド
ン酸代謝物の遊離促進 実施例11と同様の方法でCHO−19P2−9、CH
O−UHR1およびmock CHOにおける19P2
−L31によるアラキドン酸代謝物遊離活性を測定し
た。〔図37〕にはCHO−19P2−9およびCHO
−UHR1における19P2−L31によるアラキドン
酸代謝物遊離活性の測定結果を示す。実験はduplicate
で行い、その平均値を示した。UHR1を発現させたC
HO細胞でも、CHO−19P2−9と同様の19P2
−L31によるアラキドン酸代謝物遊離の活性が確認さ
れた。これらの結果はUHR−1によってコードされる
蛋白質がhGR3と同様に19P2−L31の特異的な
レセプターとして機能していることを示している。
【0115】
【実施例36】RT−PCRによるラット組織のリガン
ドポリペプチドおよびラット型G蛋白質共役型レセプタ
ー(UHR−1)の発現定量 (1)ラットの組織からの poly(A)+RNA調製 8週齢のラット(♂)より各種組織の poly(A)+RNA
を、Isogen(Nippon gene)による total RNA
調製に引き続き、オリゴdTセルロースカラム(Pharma
cia)を用いて約5〜30μg調製した。poly(A)+RN
A画分中の genome DNAを完全に除くため、DNas
eI(Gibco BRL. amplification grade)を1ユニット
用いて室温でDNAを分解した。25mM EDTAを加
え、65℃で10分処理し、DNaseIを不活性化し
た。水で40ng/μlに希釈し、その160ngから10ユ
ニットAMV reverse transcriptase XL(Takara),
2.5μM random 9mer(Takara、終濃度
2.5μM),10mM Tris-HCl(pH 8.3),0.4m
Mの各dNTPを用いてcDNAを合成した。合成反応
は30℃・10分の後、42℃・30分、99℃・5
分、5℃・5分とした。反応産物をエタノール沈殿しト
リシン−EDTAバッファーで40μlに溶解した(4n
g poly(A)+RNA/μl)。 (2)ポジティブコントロール用プラスミドベクターの
調製 ラットのグリセロールアルデヒド−3−リン酸−脱水素
酵素(G3PDH,GenBank accession number M17
701)は、FastTrack(Invitrogen)で調製
したラット下垂体由来細胞株GH3の poly(A)+RNA
から、上記(1)と同様の方法で合成したcDNAを鋳
型として、Clontech社のG3PDH増幅用プライマーセ
ットを用いてPCR法で増幅させた。UHR−1はやは
りGH3のcDNAを鋳型として、 rRECF:5'−CCTGCTGGCCATTCTC
CTGTCTTAC−3'(配列番号:88) と、 rRECR:5'−GGGTCCAGGTCCCGCA
GAAGGTTGA−3'(配列番号:89) を用いて増幅し、TAクローニングキット(Invitrogen)
のpCRTM2.1ベクターへサブクローニングして得
た。これらを大腸菌JM109に導入して形質転換体を
得た。またリガンドペプチドはJM109/pRAV3
として寄託したものを用いた。これらの形質転換体はア
ンピシリンを含むLB培地で培養後、Qiagen P
lasmid Midi kit(QIAGEN)でプラスミ
ドを精製し、吸光度により濃度を定量してポジティブコ
ントロール用プラスミドベクターとした。 (3)RT−PCR 上記(1)および(2)で調製したcDNA溶液および
ポジティブコントロール用プラスミドベクターをそのま
まあるいは適当な濃度に水で希釈して鋳型とした。G3
PDH,UHR−1およびリガンドペプチド増幅用プラ
イマーは、それぞれClontech社のG3PDH増幅用プラ
イマーセット、rRECFとrRECR、 r19F:5'−GAAGACGGAGCATGGCC
CTGAAGAC−3'(配列番号:90) と、 r19R:5'−GGCAGCTGAGTTGGCCA
AGTCCAGT−3'(配列番号:91) を終濃度200nMで使用した。反応液は希釈した鋳型4
μl、各200nMプライマー、dNTP(終濃度各1
00μM)、DNA polymeraseとしてKlenTaq
(Clontech)を用い、KlenTaq添付のバッファーと水で
25μlとした。反応はG3PDHは94℃・1分の
後、98℃・10秒、65℃・20秒、72℃・40秒
のサイクルを26回、UHR−1とリガンドペプチドは
94℃・1分の後、98℃・10秒、68℃・25秒の
サイクルを34回繰り返した。増幅産物をあらかじめエ
チジウムブロマイド染色した1.2%あるいは4%のア
ガロースゲルを用いて電気泳動し、得られた泳動図をC
CDカメラ(FOTODYNE,Foto/Ecrips)で取り込み、解
析ソフト(Advanced American Biotechnology)でバン
ドの濃さを数値化、定量した。定量値はG3PDHは4
ng poly(A)+RNAあたりのpgで、またUHR−1とリ
ガンドペプチドは4ng poly(A)+RNAあたりのpgおよ
びその値をG3PDHのpgで割った値として算出した
〔図38、39〕。その結果、UHR−1とリガンドペ
プチドは調べた組織全てで発現が確認された。UHR−
1は下垂体で発現量が多く、脳全体にも広く分布してい
たが、末梢の組織では副腎を除いて発現はあまり高くな
かった。一方、リガンドペプチドは、脳では延髄、視床
下部で発現が高く、下垂体での発現は低かった。末梢組
織においても肺、胸腺、膵臓、腎臓、副腎、精巣などで
比較的高い発現が認められた。これらの結果はUHR−
1とそのリガンドペプチドが様々な組織においてその機
能調節に重要な役割を果たしていることを示している。
【0116】
【実施例37】19P2−L31のグルコースによる血
漿インスリン濃度の増加に及ぼす影響 ペントバルビタール(65mg/kg、腹腔内投与)で麻酔
したWistarラット(8−10週齢 ♂)に総頸静脈から
一過性にグルコース(86mg/ラット)を単独で、ある
いは同グルコースと19P2−L31(ラットあたり各
675pmol、2.25nmol、6.75nmol、67.5nmo
l)を同時投与し、投与した反対側の総頸静脈から経時
的に採血し血漿中のインスリン濃度をラジオイムノアッ
セイで測定した。測定にはアマシャム社のインスリンア
ッセイキットを使用した。19P2−L31は投与量6
75pmol、2.25nmol、6.75nmolでは、グルコース
による投与2分後の急激な第一相目のインスリン濃度の
増加、および投与後6分以降に見られる緩徐な第二相目
の血漿インスリン濃度の増加を部分的に抑制した。6
7.5nmolの19P2−L31は第一相と第二相両方の
インスリン濃度の増加を完全に抑制した〔図40〕。
【0117】
【実施例38】マウスの行動量に及ぼすリガンドポリペ
プチドの影響 本発明者らは、19P2−L31、19P2−L20の
マウス側脳室内投与が行動量に及ぼす影響を検討した。
成熟ICR系雄性マウス(手術時体重:約35g)をペ
ントバルビタール50mg/kgの腹腔内投与にて麻酔し、
脳定位固定装置に固定した。頭蓋骨を露出し、一側脳室
にガイドカニューレを埋め込むために歯科用ドリルを用
いて骨に穴を開けた。側脳室内薬液注入用のステンレス
製ガイドカニューレ(24G、長さ5mm)の先端をA
P:+0.6mm(ブレグマより)、L:左1mm、H:−
1mm(硬膜より)の位置に挿入した。ガイドカニューレ
は頭蓋骨に接着剤で固定した。術後、マウスは3日以上
飼育して術後の回復を待ってから行動解析実験を行っ
た。マウスの自発運動量の測定には、防音箱内の24×
37×30cmの透明アクリル製の自発運動測定用ケージ
を用いた。マウスを該ケージに一匹ずつ入れ、12時間
毎の明暗条件(明:6−18時)で、また、水と餌は自
由に摂取できる条件下で自発運動量と立ち上がり行動量
をそれぞれ測定した。行動量の測定には、Superm
ex(室町機械)を用いた。薬物あるいはリン酸緩衝生
理食塩水(PBS)は午後2:30±30分に投与し
た。投与時には、ステンレス製マイクロインジェクショ
ンカニューレ(30G、長さ6mm)をガイドカニューレ
に挿入した。マイクロインジェクションカニューレは、
テフロンチューブを用いてマイクロシリンジポンプにつ
なぎ、PBSあるいはペプチドを溶解したPBSを流速
2μl/分で2分間注入した。注入後は、2分間以上待っ
てからマイクロインジェクションカニューレを外し、行
動量を測定した。結果は、平均値±S.E.M.で表
し、これらペプチド処置とPBS処置とが体温に及ぼす
影響に有意差があるか否かの検定は Student's t-test
によって行った。判定は、両側検定で危険率(p)が5
%以下を統計的に有意であるとした。〔図41〕に示す
ごとく、19P2−L31を10nmol投与した場合、マ
ウスの自発運動量は投与後70分後から105分後ま
で、有意に増加した。立ち上がり行動も同様に有意な変
化を示した。19P2−L31を1nmol投与した場合、
自発運動量には変化が認められず、立ち上がり行動量が
投与105分後で有意な低下を示したのみであった〔図
42〕。19P2−L31を0.1nmol投与した場合、
自発運動量は、投与後25分および40分、70分にお
いて有意な増加を示した。立ち上がり行動量にも同様の
増加傾向は認められたが有意ではなかった〔図43〕。
また、19P2−L31を0.01nmol投与した場合、
自発運動量は、投与後20分および40分で有意に増加
した。立ち上がり行動も同じように増加傾向を示したが
有意な変化は認められなかった〔図44〕。
【0118】
【実施例39】マウスのレセルピン誘発低体温に及ぼす
リガンドポリペプチドの影響 成熟ICR系雄性マウス(手術時体重:約35g)をペ
ントバルビタール50mg/kgの腹腔内投与にて麻酔し、
脳定位固定装置に固定した。頭蓋骨を露出し、一側脳室
にガイドカニューレを埋め込むために歯科用ドリルを用
いて骨に穴を開けた。側脳室内薬液注入用のステンレス
製ガイドカニューレ(24G、長さ5mm)の先端をA
P:+0.6mm(ブレグマより)、L:左1mm、H:−
1mm(硬膜より)の位置に挿入した。ガイドカニューレ
は頭蓋骨に接着剤で固定した。術後、マウスは3日以上
飼育して術後の回復を待ってから体温測定を行った。レ
セルピン(アポプロン注1mg、第一製薬)3mg/kgを皮
下注射し、その15時間後にマウスを個別の測定用ケー
ジに移した。ステンレス製マイクロインジェクションカ
ニューレ(30G、長さ6mm)をガイドカニューレに挿
入した。マイクロインジェクションカニューレは、テフ
ロンチューブを用いてマイクロシリンジポンプにつな
ぎ、PBSあるいはペプチドを溶解したPBSを流速2
μl/分で2分間注入した。注入後は、2分間以上待って
からマイクロインジェクションカニューレを外し、直腸
温を測定した。結果は、平均値±S.E.M.で表し、
これらペプチド処置とPBS処置とが体温に及ぼす影響
に有意差があるか否かの検定は Student's t-testによ
って行った。判定は、両側検定で危険率(p)が5%以
下を統計的に有意であるとした。〔図45〕に示すよう
に、19P2−L31を10nmol投与した場合、レセル
ピンによって低下していた体温はPBSを投与した対照
群に比し有意に上昇した。この体温の上昇は、19P2
−L31投与後45分でピークに達した。一方、1nmol
の19P2−L20投与群と対照群との間には差が認め
られなかった。
【0119】
【実施例40】リガンドポリペプチドがラットの血圧に
及ぼす影響 本発明者らは、19P2−L31の延髄最後野への注入
が血圧に及ぼす影響を検討した。成熟Wistar系雄性ラッ
ト(手術時体重:約300g)をペントバルビタール5
0mg/kgの腹腔内投与にて麻酔し、ラット脳定位固定装
置に固定した。切歯用バーはインターオーラルラインか
ら3.3mm低くした。頭蓋骨を露出し、ガイドカニュー
レを埋め込むために歯科用ドリルを用いて骨に穴を開け
た。また、その周囲の2ケ所にアンカービスを埋めた。
ステンレス製ガイドカニューレ、AG−12(内径0.
4mm、外径0.5mm、エイコム社)を、その先端が最後
野の上部に位置するように挿入した。そのために、ガイ
ドカニューレは垂直方向から20度の角度をつけて前方
より挿入した(〔図46〕、但し図中にはガイドカニュ
ーレより1.0mm長いマイクロインジェクションカニュ
ーレを示す)。定位座標は、PaxinosとWatson(1986)
のアトラスを参考にしてAP:−0.6mm(インターオ
ーラルラインより)、L:0.0mm、H:+1.5mm(イ
ンターオーラルラインより)とした。ガイドカニューレ
は瞬間接着剤と歯科用セメントおよびアンカービスで頭
蓋骨に固定した。ガイドカニューレにはステンレス製ダ
ミーカニューレ、AD−12(外径0.35mm、エイコ
ム社)を挿入し、キャップナット(エイコム社)で固定
した。その後、ラットは個別のケージで飼育した。ガイ
ドカニューレを埋め込んでから約1週間飼育して術後の
回復を待ち、無麻酔血圧測定用の手術を行った。ラット
をペントバルビタール50mg/kgの腹腔内投与にて麻酔
し、解剖用パッドの上に背位に固定して左側の大腿動脈
を露出させた。ポリエチレンチューブSP35(内径
0.5mm、外径0.9mm、夏目製作所)を約60cmの長さ
に切り、200単位/mlヘパリン含有生理食塩水で満た
した後、大腿動脈に約2.5cm挿入し固定した。チュー
ブのもう一端は背側の皮下を通して頸部(背側)より露
出させた。術後一晩待ってからポリエチレンチューブを
トランスデューサー(Spectramed)に接続し、血圧を測
定した。安定した血圧が測定可能になった後、ラットの
頭蓋骨に装着したキャップナットとダミーカニューレを
取り外し、代わりにテフロンチューブ(長さ50cm、内
径0.1mm、外径0.4mm、エイコム社)につなげたステ
ンレス製マイクロインジェクションカニューレ、AMI13
(内径0.17mm、外径0.35mm、エイコム社)を挿入
した。マイクロインジェクションカニューレの長さは、
その先端1mmがガイドカニューレから露出するように調
節しておいた〔図46〕。テフロンチューブの一方をマ
イクロシリンジポンプにつなぎ、PBSまたは19P2
−L31を溶解させたPBSを1.0μl/分の流速で計
2μlを最後野に注入した。血圧測定後、19P−L3
1を注入したマイクロインジェクションカニューレを外
し、色素(エバンスブルー)注入用マイクロインジェク
ションカニューレに替えた。色素は、19P−L31と
同様に流速1.0μl/分で2分間注入した後約3分間待
ってからマイクロインジェクションカニューレを外し
た。ラットを断頭し、速やかに脳を摘出し、凍結した。
クリオスタットを用いて凍結切片を作製し、色素の注入
位置を確認した。上記実験の結果、延髄最後野に19P
2−L31を10nmol注入すると血圧の上昇が認められ
た。脈波および平均血圧の典型例を〔図47〕に示す。
【0120】
【実施例41】リガンドポリペプチドが血漿中下垂体ホ
ルモン量に及ぼす影響 本発明者らは、19P2−L31の第三脳室内投与が血
漿中の下垂体ホルモン量に及ぼす影響を検討した。成熟
Wistar系雄性ラット(手術時体重:約290〜350
g)をペントバルビタール50mg/kgの腹腔内投与にて
麻酔し、ラット脳定位固定装置に固定した。切歯用バー
はインターオーラルラインから3.3mm低くした。頭蓋
骨を露出し、ガイドカニューレを埋め込むために歯科用
ドリルを用いて骨に穴を開けた。また、その周囲の一ケ
所にアンカービスを埋めた。ステンレス製ガイドカニュ
ーレ、AG−12(内径0.4mm、外径0.5mm、エイコ
ム社)を、その先端が第三脳室の上部に位置するように
挿入した。定位座標は、PaxinosとWatson(1986)のア
トラスに従い、AP:+7.2mm(インターオーラルラ
インより)、L:0.0mm、H:+2.0mm(インターオ
ーラルラインより)とした。ガイドカニューレは瞬間接
着剤と歯科用セメントおよびアンカービスで頭蓋骨に固
定した。ガイドカニューレにはステンレス製ダミーカニ
ューレ、AD−12(外径0.35mm、エイコム社)を
挿入し、キャップナット(エイコム社)で固定した。術
後、ラットを個別のケージで3日以上飼育し、術後の回
復を待ってから、実験を行った。上記手術を施したラッ
トをペントバルビタール50mg/kgの腹腔内投与にて麻
酔し、解剖用パッドの上に背位に固定した。両側の頸静
脈を露出させた後、容量1mlのツベルクリン用注射筒と
24G注射針(いずれもテルモ社)を用いて400μl
の血液を採取した。血液凝固を防止するため、注射筒に
は予め200単位/mlのヘパリンを含有する生理食塩水
を20μl入れておいた。ラットの頭蓋骨に装着したキ
ャップナットとダミーカニューレを取り外し、代わりに
テフロンチューブ(長さ50cm、内径0.1mm、外径0.
4mm、エイコム社)につなげたステンレス製マイクロイ
ンジェクションカニューレ、AMI13(内径0.17mm、外
径0.35mm、エイコム社)を挿入した。マイクロイン
ジェクションカニューレの長さは、その先端1mmがガイ
ドカニューレから露出するように調節しておいた。テフ
ロンチューブの一方をマイクロシリンジポンプにつな
ぎ、PBSまたは19P2−L31を溶解させたPBS
を2.5μl/分の流速で計10μlを第三脳室に注入し
た。注入終了後1分間待ってからマイクロインジェクシ
ョンカニューレを取り外し、再びダミーカニューレをキ
ャップナットで固定した。脳室内投与を開始する直前、
および脳室内投与の開始時点から10、20、30、4
0、60分後に頸静脈より400μlずつ採血した。採
取した血液は微量高速冷却遠心機(MR-150,トミー精
工)を用いて遠心(5,000rpm、10分間)し、上清
(血漿)を回収した。血漿中に含まれる下垂体ホルモン
(プロラクチン、黄体形成ホルモン(LH)、副腎皮質
刺激ホルモン(ACTH)、甲状腺刺激ホルモン(TS
H)、成長ホルモン(GH))量をそれぞれラジオイム
ノアッセイを用いて測定した。結果は、平均値±S.
E.M.で表した。19P2−L31を溶解させたPB
S投与群とPBSのみを投与した対照群との間に有意差
があるか否かの検定にはStudent's t-testを用いた。判
定は、両側検定で危険率5%以下を統計的に有意である
とした。〔図48〕に示すごとく、血漿中成長ホルモン
量は、50nmolの19P2−L31を第三脳室に投与後
20分において対照群に比し有意に減少した。投与後1
0、30、40分においても減少傾向は認められたが、
有意ではなかった。また、投与60分後では対照群との
間に差は認められなかった。また、血漿中プロラクチ
ン、LH、ACTH、TSH量は有意な変化を示さなか
った。
【0121】
【実施例42】リガンドポリペプチドが自由行動下ラッ
トにおける血漿中成長ホルモン量に及ぼす影響 成熟Wistar系雄性ラットをペントバルビタール50mg/k
gの腹腔内投与にて麻酔し、実施例41と同様にステン
レス製ガイドカニューレ、AG−12(内径0.4mm、
外径0.5mm、エイコム社)を、その先端が第三脳室の
上部に位置するように固定した。術後、ラットを個別の
ケージで3日以上飼育し、術後の回復を待ってからペン
トバルビタール麻酔下(50mg/kg、i.p.)でヘパリン
(200単位/ml)含有生理食塩水を満たしたカニュー
レ(長さ30cm、内径0.5mm、外径0.9mm、夏目製作
所)を右頸静脈より右心房に挿入した。ラットを一晩飼
育して完全に麻酔から覚醒させた後、透明アクリル製ケ
ージ(30×30×35cm)に移した。容量1mlのツベ
ルクリン用注射筒と24G注射針(いずれもテルモ社)
を心房に挿入したカニューレに接続し、300μlの血
液を採取した。血液凝固を防止するため、注射筒には予
め200単位/mlのヘパリンを含有する生理食塩水を2
0μl入れておいた。第三脳室に挿入したガイドカニュ
ーレにテフロンチューブ(長さ50cm、内径0.1mm、
外径0.4mm、エイコム社)につなげたステンレス製マ
イクロインジェクションカニューレ、AMI13(内径0.1
7mm、外径0.35mm、エイコム社)を挿入した。マイ
クロインジェクションカニューレの長さは、その先端1
mmがガイドカニューレから露出するように調節しておい
た。テフロンチューブの一方をマイクロシリンジポンプ
につなぎ、PBSまたは19P2−L31を溶解させた
PBSを2.5μl/分の流速で計10μlを第三脳室に
注入した。第三脳室内投与開始10分後に心房に挿入し
たカニューレを通して生理食塩水に溶解させた成長ホル
モン放出ホルモン(GHRH)を5μg/kg投与した。脳
室内投与を開始する直前、およびGHRH投与時点から
10、20、30、40、60分後に頸静脈より300
μlずつ採血した。採取した血液は遠心(5,000rp
m、10分間)し、上清(血漿)を回収した。血漿中に
含まれる成長ホルモン(GH)量はラジオイムノアッセ
イを用いて測定した。結果は、平均値±S.E.M.で
表した。19P2−L31を溶解させたPBS投与群と
PBSのみを投与した対照群との間に有意差があるか否
かの検定にはStudent's t-testを用いた。判定は、両側
検定で危険率5%以下を統計的に有意であるとした。
〔図49〕に示すごとく、5μg/kgのGHRH投与は血
漿中GH量を増加させた。しかし、50nmolの19P2
−L31を第三脳室に投与するとGHRHによる血漿中
GH量の増加は有意に抑制された。
【0122】
【実施例43】ウサギポリクローナル抗体の作製 ウシ19P2−L31のN末端側ペプチド[ペプチド−
I、SRAHQHSMEIRTPDC(配列番号:92)]、c末端側ペ
プチド[ペプチド−II、CAWYAGRGIRPVGRFNH2(配列番
号:93)]および中央部分のペプチド[ペプチド-II
I、CEIRTPDINPAWYAG(配列番号:94)]を化学合成
し、常法通りKLHと結合した。フロインドの完全アジュ
バント(FCA)と生理食塩水に溶解した上記ペプチド60
0μgを混合し、均一なエマルジョンにした後、それぞ
れ3羽ずつのウサギ(NZW、♂、2.5kg)の背部に皮
下注射した。さらに3週間後追加免疫として、フロイン
ドの不完全アジュバント(FIA)と生理食塩水に溶解した
上記のペプチドとKLHのコンジュゲイトを混合し、均一
なエマルジョンにした後ウサギ背部に皮下注射した。3
週間間隔で計3回追加免疫を行った。抗体価の測定は以
下のように行った。最終免疫の2週間後、ウサギ耳の静
脈から採血し、血液を37℃で1時間保温後、4℃で1
昼夜放置したのち遠心し、抗血清を得た。抗血清を各濃
度に希釈し、予め、ヤギ抗ウサギIgG(Fc)抗体を固定し
たポリスチレン性96穴マイクロプレートに100μl
ずつ加え、4℃で16時間インキュベートした。抗血清
を除去し、洗浄後、HRP標識ペプチド−I、II、IIIを添
加した。室温で4時間インキュベートし、十分にウエル
を洗浄した後、反応基質を加え、呈色反応を行った。酵
素反応停止溶液100μlを加えて反応を停止させた
後、マイクロプレート用比色計を用い450nmにおけ
る吸光度を測定した。〔図50〕に示すように免疫後の
血清中に各ペプチドに対する結合活性が検出された。抗
体は以下のようにして調製した。抗血清は硫安塩析によ
りIgG画分を濃縮し、ホウ酸バッファーに溶解後、透析
した。抗ペプチド−IのIgG画分をペプチド−Iセルロフ
ァインカラムに、さらに抗ペプチド−IIおよび抗ペプチ
ド−IIIのIgG画分を19P2−L31−セファロ−ズ4
Bカラムに負荷し、ホウ酸バッファーおよび酢酸バッフ
ァー(100mM、pH4.5)で洗浄後、グリシン塩
酸バッファー(200mM、pH2.0)でそれぞれ溶
出した。溶出液には1Mのトリスを加えて中和した後、
精製抗体として使用した。
【0123】
【実施例44】ウサギポリクローナル抗19P2−L3
1抗体による19P2−L31の生物活性の中和作用 実施例43の方法で調製した3種類のIgG抗体の19P
2−L31に対する中和活性を実施例11記載のアラキ
ドン酸代謝物放出活性測定系により検討した。すなわ
ち、IgG抗体を各濃度に希釈し、19P2−L31(5
x10-10M)と室温で1時間インキュベーション後、
残存活性を19P2レセプター発現CHO細胞を使用し
て測定した〔図51〕。ペプチド−IIに対するポリクロ
ーナル抗体に最も強い19P2−L31に対する中和活
性が認められた。
【0124】
【製剤例1】日局注射用蒸留水50mlに実施例21で
得られた化合物50mgを溶解した後、日局注射用蒸留
水を加えて100mlとする。この溶液を滅菌条件下で
瀘過し、次にこの溶液1mlずつを取り滅菌条件下注射
用バイアルに充填し凍結乾燥し密閉する。
【製剤例2】日局注射用蒸留水50mlに実施例21で
得られた化合物100mgを溶解した後、日局注射用蒸
留水を加えて100mlとする。この溶液を滅菌条件下
で瀘過し、次にこの溶液1mlずつを取り滅菌条件下注
射用バイアルに充填し凍結乾燥し密閉する。
【0125】
【発明の効果】本発明の生理活性物質であるリガンドポ
リペプチドまたはそのアミド、エステルもしくはその
塩、該部分ペプチドまたは該リガンドポリペプチドをコ
ードするDNAは、下垂体、中枢神経系あるいは膵臓を
はじめ様々な組織・臓器(心臓、肺、肝臓、脾臓、胸
腺、腎臓、副腎、骨格筋、精巣など)の機能調節作用を
有し、医薬として有用である。また、該リガンドポリペ
プチドは、G蛋白質共役型レセプター蛋白質のアゴニス
トまたはアンタゴニスト化合物のスクリーニングに有用
である。該スクリーニングにより得られる化合物もまた
上記した組織・臓器の機能調節作用を有し、医薬として
有用である。本発明のリガンドポリペプチド、該アゴニ
ストまたはアンタゴニストの作用について以下に詳細に
説明する。上記の実施例37〜41は、リガンドポリペ
プチドの局所投与により、自発運動量、立ち上がり行動
量の増加、体温の上昇、血圧上昇、血漿中成長ホルモン
量の低下などを引き起こすことを証明したものである。
これらの生理活性は、リガンドポリペプチドが中枢神経
系および下垂体内分泌系に作用した場合に生じる種々の
顕著な生理学的変化を最初に証明したものである。この
ように、本発明のリガンドポリペプチドまたはその塩
は、ヒトあるいは温血動物(例えば、ラット、マウス、
モルモット、ニワトリ、ウサギ、イヌ、ブタ、ウシ、ヒ
ツジ、サルなど)の中枢神経系に作用し、種々の薬理学
的変化を惹起するので、脳内神経系あるいは内分泌系を
変化させるものである。19P2−L31をマウスに側
脳室内投与したところ、0.01〜10nmolで行動量が
増加した。この事実は、リガンドポリペプチドが中枢神
経系のG蛋白質共役型レセプターを介して運動系の変化
を引き起こさせたものである。また、本ペプチドのマウ
ス側脳室内投与では体温上昇が認められ、ラットの延髄
最後野に投与した場合には血圧が上昇した。これらの作
用は既知の中枢神経系刺激剤(例えば、アンフェタミ
ン、コカイン、メチルフェニデートなど)の薬理作用と
類似している。したがって、リガンドポリペプチドは、
主として生体アミン(ドーパミン、ノルアドレナリン、
セロトニン)を神経終末の貯蔵部位から放出させるもの
であることがわかる(融道男と吉川武男 生体の科学 4
2:535-536;1991)。さらに、ラットの第三脳室に19
P2−L31を注入したところ、血漿中の成長ホルモン
量が減少した。このことは、本リガンドポリペプチドが
視床下部に作用し、視床下部−下垂体系を介した下垂体
ホルモン分泌に関与していることを示すものである。第
三脳室近傍には下垂体からの成長ホルモン分泌を調節す
る作用を有する成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)
やソマトスタチンが存在する(遠山正弥ら 化学的神経
機能解剖学:167-216;1987)。したがって、19P2
−L31は神経系を介してあるいは直接下垂体に作用し
て、これらの物質の放出を調節しているものである。上
記の事実は、リガンドポリペプチドが中枢神経系に作用
して自律神経系を調節しているペプチドであることを示
すものである。本リガンドポリペプチドおよびその受容
体のmRNAが視床下部や延髄に高発現しているという
事実も、リガンドポリペプチドが自律神経系の調節に関
与していることを示す。事実、自律神経末梢路に対する
上位中枢は延髄と視床下部であり、ここで交感神経系と
副交感神経系の統合が行われ、神経性調節、体液性調節
の両方に重要な役割を果たしていることが知られてい
る。これらの知見に基づけば、リガンドポリペプチド、
該アゴニストまたはそれらの塩は、自発運動亢進を生ず
る中枢神経系刺激剤として有用であり、例えば老人性痴
呆、脳血管性痴呆(脳血管障害に起因する痴呆)、系統
変性型の退行変性疾患(例えば、アルツハイマー病、パ
ーキンソン病、ピック病、ハンチントン病など)に起因
する痴呆、感染性疾患(例えば、クロイツフェルト−ヤ
コブ病などの遅発ウィルス感染症)に起因する痴呆、内
分泌性・代謝性・中毒性疾患(例えば、甲状腺機能低下
症、ビタミンB12欠乏症、アルコール中毒、各種薬剤
・金属・有機化合物による中毒など)に起因する痴呆、
腫瘍性疾患(例えば、脳腫瘍など)に起因する痴呆、外
傷性疾患(例えば、慢性硬膜下血腫など)に起因する痴
呆、鬱病、多動児(微細脳障害)症候群もしくは意識障
害の予防・治療剤などとして用いることができる。一
方、リガンドポリペプチドのアンタゴニストあるいはそ
の塩は、中枢神経系抑制剤などとして有用であり、例え
ば抗精神病剤、抗ハンチントン病剤、抗不安剤、催眠鎮
静剤などとして用いることができる。延髄最後野にリガ
ンドポリペプチドを注入すると血圧が上昇することが明
らかになった。したがって、リガンドポリペプチド、リ
ガンドポリペプチドのアゴニストまたはそれらの塩は、
昇圧剤などとして有用である。一方、リガンドポリペプ
チドのアンタゴニストあるいはその塩は、降圧剤などと
して有用である。リガンドポリペプチドが視床下部に作
用すると血漿中の成長ホルモン量が低下することが観察
された。成長ホルモンの過剰な分泌は巨人症や末端肥大
症を引き起こす(片桝ら 内分泌症候群:78-80;199
3、廣井ら 内分泌症候群:149-151;1993)。したがっ
て、成長ホルモンの分泌を抑制するリガンドポリペプチ
ド、リガンドポリペプチドのアゴニストまたはそれらの
塩は、巨人症、末端肥大症などの予防・治療剤などとし
て用いることができる。また、成長ホルモンは肝臓から
のグルコースの放出を促進し、筋肉や脂肪組織による血
中からのグルコースの取り込みを抑制する結果、高血糖
や糖尿を引き起こす(小林英司 内分泌現象、1980)。
実際、糖尿病患者では成長ホルモン分泌量が増加してい
るといわれている(清野裕 内分泌・代謝病学:385-40
2;1994)。したがって、リガンドポリペプチド、リガ
ンドポリペプチドのアゴニストまたはそれらの塩は、糖
尿病などの予防・治療剤などとして用いることができ
る。一方、上記実施例で得られた結果から、リガンドポ
リペプチドのアンタゴニストは成長ホルモンの分泌を促
進する。したがって、リガンドポリペプチドのアンタゴ
ニストまたはその塩は、成長ホルモンが減少する下垂体
機能低下症や下垂体性小人症、低血糖症などの予防・治
療剤などとして用いることができる。また、成長ホルモ
ンや成長ホルモンによって分泌されるインスリン様成長
因子は筋委縮性側索硬化症、骨粗鬆症、腎不全、手術後
の栄養状態改善などに効果がある(鎮目ら 内分泌症候
群:84-87;1993、日経バイオ年鑑96:453-454;1996、
飛梅らホルモンと臨床 44:1205-1214;1996)ので、
リガンドポリペプチドのアンタゴニストまたはその塩は
これら疾患の予防・治療剤として用いることができる。
【0126】
【配列表】
【配列番号:1】 配列の長さ:98 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Lys Ala Val Gly Ala Trp Leu Leu Cys Leu Leu Leu Leu Gly Leu 1 5 10 15 Ala Leu Gln Gly Ala Ala Ser Arg Ala His Gln His Ser Met Glu Ile 20 25 30 Arg Thr Pro Asp Ile Asn Pro Ala Trp Tyr Ala Gly Arg Gly Ile Arg 35 40 45 Pro Val Gly Arg Phe Gly Arg Arg Arg Ala Ala Pro Gly Asp Gly Pro 50 55 60 Arg Pro Gly Pro Arg Arg Val Pro Ala Cys Phe Arg Leu Glu Gly Gly 65 70 75 80 Ala Glu Pro Ser Arg Ala Leu Pro Gly Arg Leu Thr Ala Gln Leu Val 85 90 95 Gln Glu
【0127】
【配列番号:2】 配列の長さ:294 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 ATGAAGGCGG TGGGGGCCTG GCTCCTCTGC CTGCTGCTGC TGGGCCTGGC CCTGCAGGGG 60 GCTGCCAGCA GAGCCCACCA GCACTCCATG GAGATCCGCA CCCCCGACAT CAACCCTGCC 120 TGGTACGCRG GCCGTGGGAT CCGGCCCGTG GGCCGCTTCG GCCGGCGAAG AGCTGCCCYG 180 GGGGACGGAC CCAGGCCTGG CCCCCGGCGT GTGCCGGCCT GCTTCCGCCT GGAAGGCGGY 240 GCTGAGCCCT CCCGAGCCCT CCCGGGGCGG CTGACGGCCC AGCTGGTCCA GGAA 294
【0128】
【配列番号:3】 配列の長さ:29 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Arg Ala His Gln His Ser Met Glu Ile Arg Thr Pro Asp Ile Asn 1 5 10 15 Pro Ala Trp Tyr Ala Gly Arg Gly Ile Arg Pro Val Gly 20 25
【0129】
【配列番号:4】 配列の長さ:19 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Thr Pro Asp Ile Asn Pro Ala Trp Tyr Ala Gly Arg Gly Ile Arg Pro 1 5 10 15 Val Gly Arg 19
【0130】
【配列番号:5】 配列の長さ:31 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Arg Ala His Gln His Ser Met Glu Ile Arg Thr Pro Asp Ile Asn 1 5 10 15 Pro Ala Trp Tyr Ala Gly Arg Gly Ile Arg Pro Val Gly Arg Phe 20 25 30
【0131】
【配列番号:6】 配列の長さ:32 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Arg Ala His Gln His Ser Met Glu Ile Arg Thr Pro Asp Ile Asn 1 5 10 15 Pro Ala Trp Tyr Ala Gly Arg Gly Ile Arg Pro Val Gly Arg Phe Gly 20 25 30
【0132】
【配列番号:7】 配列の長さ:33 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Arg Ala His Gln His Ser Met Glu Ile Arg Thr Pro Asp Ile Asn 1 5 10 15 Pro Ala Trp Tyr Ala Gly Arg Gly Ile Arg Pro Val Gly Arg Phe Gly 20 25 30 Arg 33
【0133】
【配列番号:8】 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Thr Pro Asp Ile Asn Pro Ala Trp Tyr Ala Gly Arg Gly Ile Arg Pro 1 5 10 15 Val Gly Arg Phe 20
【0134】
【配列番号:9】 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Thr Pro Asp Ile Asn Pro Ala Trp Tyr
Ala Gly Arg Gly Ile Arg Pro 1 5
10 15 Val Gly Arg Phe Gly 20
【0135】
【配列番号:10】 配列の長さ:22 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Thr Pro Asp Ile Asn Pro Ala Trp Tyr
Ala Gly Arg Gly Ile Arg Pro 1 5
10 15 Val Gly Arg Phe Gly Arg 20
【0136】
【配列番号:11】 配列の長さ:87 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 AGCAGAGCCC ACCAGCACTC CATGGAGATC CGCACCCCCG ACATCAACCC TGCCTGGTAC 60 GCRGGCCGTG GGATCCGGCC CGTGGGC 87
【0137】
【配列番号:12】 配列の長さ:57 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 ACCCCCGACA TCAACCCTGC CTGGTACGCR GGCCGTGGGA TCCGGCCCGT GGGCCGC 57
【0138】
【配列番号:13】 配列の長さ:93 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 AGCAGAGCCC ACCAGCACTC CATGGAGATC CGCACCCCCG ACATCAACCC TGCCTGGTAC 60 GCRGGCCGTG GGATCCGGCC CGTGGGCCGC TTC 93
【0139】
【配列番号:14】 配列の長さ:96 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 AGCAGAGCCC ACCAGCACTC CATGGAGATC CGCACCCCCG ACATCAACCC TGCCTGGTAC 60 GCRGGCCGTG GGATCCGGCC CGTGGGCCGC TTCGGC 96
【0140】
【配列番号:15】 配列の長さ:99 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 AGCAGAGCCC ACCAGCACTC CATGGAGATC CGCACCCCCG ACATCAACCC TGCCTGGTAC 60 GCRGGCCGTG GGATCCGGCC CGTGGGCCGC TTCGGCCGG 99
【0141】
【配列番号:16】 配列の長さ:60 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 ACCCCCGACA TCAACCCTGC CTGGTACGCR GGCCGTGGGA TCCGGCCCGT GGGCCGCTTC 60
【0142】
【配列番号:17】 配列の長さ:63 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 ACCCCCGACA TCAACCCTGC CTGGTACGCR GGCCGTGGGA TCCGGCCCGT GGGCCGCTTC 60 GGC 63
【0143】
【配列番号:18】 配列の長さ:66 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 ACCCCCGACA TCAACCCTGC CTGGTACGCR GGCCGTGGGA TCCGGCCCGT GGGCCGCTTC 60 GGCCGG 66
【0144】
【配列番号:19】 配列の長さ:91 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Leu Val Leu Val Ile Ala Arg Val Arg Arg Leu His Asn Val Thr Asn 1 5 10 15 Phe Leu Ile Gly Asn Leu Ala Leu Ser Asp Val Leu Met Cys Thr Ala 20 25 30 Cys Val Pro Leu Thr Leu Ala Tyr Ala Phe Glu Pro Arg Gly Trp Val 35 40 45 Phe Gly Gly Gly Leu Cys His Leu Val Phe Phe Leu Gln Pro Val Thr 50 55 60 Val Tyr Val Ser Val Phe Thr Leu Thr Thr Ile Ala Val Asp Arg Tyr 65 70 75 80 Val Val Leu Val His Pro Leu Arg Arg Arg Ile 85 90
【0145】
【配列番号:20】 配列の長さ:59 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly Leu Leu Leu Val Thr Tyr Leu Leu Pro Leu Leu Val Ile Leu Leu 1 5 10 15 Ser Tyr Val Arg Val Ser Val Lys Leu Arg Asn Arg Val Val Pro Gly 20 25 30 Cys Val Thr Gln Ser Gln Ala Asp Trp Asp Arg Ala Arg Arg Arg Arg 35 40 45 Thr Phe Cys Leu Leu Val Val Val Val Val Val 50 55
【0146】
【配列番号:21】 配列の長さ:370 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Ala Ser Ser Thr Thr Arg Gly Pro Arg Val Ser Asp Leu Phe Ser 1 5 10 15 Gly Leu Pro Pro Ala Val Thr Thr Pro Ala Asn Gln Ser Ala Glu Ala 20 25 30 Ser Ala Gly Asn Gly Ser Val Ala Gly Ala Asp Ala Pro Ala Val Thr 35 40 45 Pro Phe Gln Ser Leu Gln Leu Val His Gln Leu Lys Gly Leu Ile Val 50 55 60 Leu Leu Tyr Ser Val Val Val Val Val Gly Leu Val Gly Asn Cys Leu 65 70 75 80 Leu Val Leu Val Ile Ala Arg Val Arg Arg Leu His Asn Val Thr Asn 85 90 95 Phe Leu Ile Gly Asn Leu Ala Leu Ser Asp Val Leu Met Cys Thr Ala 100 105 110 Cys Val Pro Leu Thr Leu Ala Tyr Ala Phe Glu Pro Arg Gly Trp Val 115 120 125 Phe Gly Gly Gly Leu Cys His Leu Val Phe Phe Leu Gln Pro Val Thr 130 135 140 Val Tyr Val Ser Val Phe Thr Leu Thr Thr Ile Ala Val Asp Arg Tyr 145 150 155 160 Val Val Leu Val His Pro Leu Arg Arg Arg Ile Ser Leu Arg Leu Ser 165 170 175 Ala Tyr Ala Val Leu Ala Ile Trp Ala Leu Ser Ala Val Leu Ala Leu 180 185 190 Pro Ala Ala Val His Thr Tyr His Val Glu Leu Lys Pro His Asp Val 195 200 205 Arg Leu Cys Glu Glu Phe Trp Gly Ser Gln Glu Arg Gln Arg Gln Leu 210 215 220 Tyr Ala Trp Gly Leu Leu Leu Val Thr Tyr Leu Leu Pro Leu Leu Val 225 230 235 240 Ile Leu Leu Ser Tyr Val Arg Val Ser Val Lys Leu Arg Asn Arg Val 245 250 255 Val Pro Gly Cys Val Thr Gln Ser Gln Ala Asp Trp Asp Arg Ala Arg 260 265 270 Arg Arg Arg Thr Phe Cys Leu Leu Val Val Val Val Val Val Phe Ala 275 280 285 Val Cys Trp Leu Pro Leu His Val Phe Asn Leu Leu Arg Asp Leu Asp 290 295 300 Pro His Ala Ile Asp Pro Tyr Ala Phe Gly Leu Val Gln Leu Leu Cys 305 310 315 320 His Trp Leu Ala Met Ser Ser Ala Cys Tyr Asn Pro Phe Ile Tyr Ala 325 330 335 Trp Leu His Asp Ser Phe Arg Glu Glu Leu Arg Lys Leu Leu Val Ala 340 345 350 Trp Pro Arg Lys Ile Ala Pro His Gly Gln Asn Met Thr Val Ser Val 355 360 365 Val Ile 370
【0147】
【配列番号:22】 配列の長さ:206 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Leu Val Leu Val Ile Ala Arg Val Arg Arg Leu Tyr Asn Val Thr Asn 1 5 10 15 Phe Leu Ile Gly Asn Leu Ala Leu Ser Asp Val Leu Met Cys Thr Ala 20 25 30 Cys Val Pro Leu Thr Leu Ala Tyr Ala Phe Glu Pro Arg Gly Trp Val 35 40 45 Phe Gly Gly Gly Leu Cys His Leu Val Phe Phe Leu Gln Ala Val Thr 50 55 60 Val Tyr Val Ser Val Phe Thr Leu Thr Thr Ile Ala Val Asp Arg Tyr 65 70 75 80 Val Val Leu Val His Pro Leu Arg Arg Arg Ile Ser Leu Arg Leu Ser 85 90 95 Ala Tyr Ala Val Leu Ala Ile Trp Val Leu Ser Ala Val Leu Ala Leu 100 105 110 Pro Ala Ala Val His Thr Tyr His Val Glu Leu Lys Pro His Asp Val 115 120 125 Arg Leu Cys Glu Glu Phe Trp Gly Ser Gln Glu Arg Gln Arg Gln Leu 130 135 140 Tyr Ala Trp Gly Leu Leu Leu Val Thr Tyr Leu Leu Pro Leu Leu Val 145 150 155 160 Ile Leu Leu Ser Tyr Ala Arg Val Ser Val Lys Leu Arg Asn Arg Val 165 170 175 Val Pro Gly Arg Val Thr Gln Ser Gln Ala Asp Trp Asp Arg Ala Arg 180 185 190 Arg Arg Arg Thr Phe Cys Leu Leu Val Val Val Val Val Val 195 200 205
【0148】
【配列番号:23】 配列の長さ:126 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Val Val Leu Val His Pro Leu Arg Arg Arg Ile Ser Leu Arg Leu Ser 1 5 10 15 Ala Tyr Ala Val Leu Gly Ile Trp Ala Leu Ser Ala Val Leu Ala Leu 20 25 30 Pro Ala Ala Val His Thr Tyr His Val Glu Leu Lys Pro His Asp Val 35 40 45 Ser Leu Cys Glu Glu Phe Trp Gly Ser Gln Glu Arg Gln Arg Gln Ile 50 55 60 Tyr Ala Trp Gly Leu Leu Leu Gly Thr Tyr Leu Leu Pro Leu Leu Ala 65 70 75 80 Ile Leu Leu Ser Tyr Val Arg Val Ser Val Lys Leu Arg Asn Arg Val 85 90 95 Val Pro Gly Ser Val Thr Gln Ser Gln Ala Asp Trp Asp Arg Ala Arg 100 105 110 Arg Arg Arg Thr Phe Cys Leu Leu Val Val Val Val Val Val 115 120 125
【0149】
【配列番号:24】 配列の長さ:273 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA特徴を決定した方法:S 配列 CTGGTGCTGG TGATCGCGCG GGTGCGCCGG CTGCACAACG TGACGAACTT CCTCATCGGC 60 AACCTGGCCT TGTCCGACGT GCTCATGTGC ACCGCCTGCG TGCCGCTCAC GCTGGCCTAT 120 GCCTTCGAGC CACGCGGCTG GGTGTTCGGC GGCGGCCTGT GCCACCTGGT CTTCTTCCTG 180 CAGCCGGTCA CCGTCTATGT GTCGGTGTTC ACGCTCACCA CCATCGCAGT GGACCGGTAC 240 GTCGTGCTGG TGCACCCGCT GAGGCGGCGC ATC 273
【0150】
【配列番号:25】 配列の長さ:177 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 GGCCTGCTGC TGGTCACCTA CCTGCTCCCT CTG
CTGGTCA TCCTCCTGTC TTACGTCCGG 60 GTGTCAGTGA AGCTCCGCAA CCGCGTGGTG CCG
GGCTGCG TGACCCAGAG CCAGGCCGAC 120 TGGGACCGCG CTCGGCGCCG GCGCACCTTC TGC
TTGCTGG TGGTGGTCGT GGTGGTG 177
【0151】
【配列番号:26】 配列の長さ:1110 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 ATGGCCTCAT CGACCACTCG GGGCCCCAGG GTT
TCTGACT TATTTTCTGG GCTGCCGCCG 60 GCGGTCACAA CTCCCGCCAA CCAGAGCGCA GAG
GCCTCGG CGGGCAACGG GTCGGTGGCT 120 GGCGCGGACG CTCCAGCCGT CACGCCCTTC CAG
AGCCTGC AGCTGGTGCA TCAGCTGAAG 180 GGGCTGATCG TGCTGCTCTA CAGCGTCGTG GTG
GTCGTGG GGCTGGTGGG CAACTGCCTG 240 CTGGTGCTGG TGATCGCGCG GGTGCGCCGG CTG
CACAACG TGACGAACTT CCTCATCGGC 300 AACCTGGCCT TGTCCGACGT GCTCATGTGC ACC
GCCTGCG TGCCGCTCAC GCTGGCCTAT 360 GCCTTCGAGC CACGCGGCTG GGTGTTCGGC GGC
GGCCTGT GCCACCTGGT CTTCTTCCTG 420 CAGCCGGTCA CCGTCTATGT GTCGGTGTTC ACG
CTCACCA CCATCGCAGT GGACCGCTAC 480 GTCGTGCTGG TGCACCCGCT GAGGCGGCGC ATC
TCGCTGC GCCTCAGCGC CTACGCTGTG 540 CTGGCCATCT GGGCGCTGTC CGCGGTGCTG GCG
CTGCCCG CCGCCGTGCA CACCTATCAC 600 GTGGAGCTCA AGCCGCACGA CGTGCGCCTC TGC
GAGGAGT TCTGGGGCTC CCAGGAGCGC 660 CAGCGCCAGC TCTACGCCTG GGGGCTGCTG CTG
GTCACCT ACCTGCTCCC TCTGCTGGTC 720 ATCCTCCTGT CTTACGTCCG GGTGTCAGTG AAG
CTCCGCA ACCGCGTGGT GCCGGGCTGC 780 GTGACCCAGA GCCAGGCCGA CTGGGACCGC GCT
CGGCGCC GGCGCACCTT CTGCTTGCTG 840 GTGGTGGTCG TGGTGGTGTT CGCCGTCTGC TGG
CTGCCGC TGCACGTCTT CAACCTGCTG 900 CGGGACCTCG ACCCCCACGC CATCGACCCT TAC
GCCTTTG GGCTGGTGCA GCTGCTCTGC 960 CACTGGCTCG CCATGAGTTC GGCCTGCTAC AAC
CCCTTCA TCTACGCCTG GCTGCACGAC 1020 AGCTTCCGCG AGGAGCTGCG CAAACTGTTG GTC
GCTTGGC CCCGCAAGAT AGCCCCCCAT 1080 GGCCAGAATA TGACCGTCAG CGTGGTCATC
1110
【0152】
【配列番号:27】 配列の長さ:618 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 CTGGTGCTGG TGATCGCGCG GGTGCGCCGG CTG
TACAACG TGACGAATTT CCTCATCGGC 60 AACCTGGCCT TGTCCGACGT GCTCATGTGC ACC
GCCTGCG TGCCGCTCAC GCTGGCCTAT 120 GCCTTCGAGC CACGCGGCTG GGTGTTCGGC GGC
GGCCTGT GCCACCTGGT CTTCTTCCTG 180 CAGGCGGTCA CCGTCTATGT GTCGGTGTTC ACG
CTCACCA CCATCGCAGT GGACCGCTAC 240 GTCGTGCTGG TGCACCCGCT GAGGCGGCGC ATC
TCGCTGC GCCTCAGCGC CTACGCTGTG 300 CTGGCCATCT GGGTGCTGTC CGCGGTGCTG GCG
CTGCCCG CCGCCGTGCA CACCTATCAC 360 GTGGAGCTCA AGCCGCACGA CGTGCGCCTC TGC
GAGGAGT TCTGGGGCTC CCAGGAGCGC 420 CAGCGCCAGC TCTACGCCTG GGGGCTGCTG CTG
GTCACCT ACCTGCTCCC TCTGCTGGTC 480 ATCCTCCTGT CTTACGCCCG GGTGTCAGTG AAG
CTCCGCA ACCGCGTGGT GCCGGGCCGC 540 GTGACCCAGA GCCAGGCCGA CTGGGACCGC GCT
CGGCGCC GGCGCACCTT CTGCTTGCTG 600 GTGGTGGTCG TGGTGGTG
618
【0153】
【配列番号:28】 配列の長さ:378 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 GTGGTTCTGG TGCACCCGCT ACGTCGGCGC ATTTCACTGA GGCTCAGCGC CTACGCGGTG 60 CTGGGCATCT GGGCTCTATC TGCAGTGCTG GCGCTGCCGG CCGCGGTGCA CACCTACCAT 120 GTGGAGCTCA AGCCCCACGA CGTGAGCCTC TGCGAGGAGT TCTGGGGCTC GCAGGAGCGC 180 CAACGCCAGA TCTACGCCTG GGGGCTGCTT CTGGGCACCT ATTTGCTCCC CCTGCTGGCC 240 ATCCTCCTGT CTTACGTACG GGTGTCAGTG AAGCTGAGGA ACCGCGTGGT GCCTGGCAGC 300 GTGACCCAGA GTCAAGCTGA CTGGGACCGA GCGCGTCGCC GCCGCACTTT CTGTCTGCTG 360 GTGGTGGTGG TGGTAGTG 378
【0154】
【配列番号:29】 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CGTGGSCMTS STGGGCAACN YCCTG 25
【0155】
【配列番号:30】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GTNGWRRGGC ANCCAGCAGA KGGCAAA 27
【0156】
【配列番号:31】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CTGTGYGYSA TYGCNNTKGA YMGSTAC 27
【0157】
【配列番号:32】 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AKGWAGWAGG GCAGCCAGCA GANSRYGAA 29
【0158】
【配列番号:33】 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CTGACTTATT TTCTGGGCTG CCGC 24
【0159】
【配列番号:34】 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AACACCGACA CATAGACGGT GACC 24
【0160】
【配列番号:35】 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GCICAYCARC AYTGYATGGA 20
【0161】
【配列番号:36】 配列の長さ:26 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CCIACGGGIC KDATGCCICK GCCIGC 26
【0162】
【配列番号:37】 配列の長さ:26 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ACGGGCCKDA TGCCICKGCC IGCRTA 26
【0163】
【配列番号:38】 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CCGGCGTACC AGGCAGGGTT 20
【0164】
【配列番号:39】 配列の長さ:28 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AGGCAGGGTT GATGTCGGGG GTGCGGAT 28
【0165】
【配列番号:40】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CTGCCAGCAG AGCCCACCAG CAC
TCCA 27
【0166】
【配列番号:41】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GTGGGGGCCT GGCTCCTCTG CCT
GCTG 27
【0167】
【配列番号:42】 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GTGTCGACGA ATGAAGGCGG TGGGGGCCTG GC 32
【0168】
【配列番号:43】 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AGGCTCCCGC TGTTATTCCT GGA
C 24
【0169】
【配列番号:44】 配列の長さ:98 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Lys Ala Val Gly Ala Trp Leu Leu
Cys Leu Leu Leu Leu Gly Leu 1 5
10 15 Ala Leu Gln Gly Ala Ala Ser Arg Ala
His Gln His Ser Met Glu Ile 20 25
30 Arg Thr Pro Asp Ile Asn Pro Ala Trp
Tyr Ala Gly Arg Gly Ile Arg 35 40
45 Pro Val Gly Arg Phe Gly Arg Arg Arg
Ala Ala Leu Gly Asp Gly Pro 50 55
60 Arg Pro Gly Pro Arg Arg Val Pro Ala
Cys Phe Arg Leu Glu Gly Gly 65 70
75 80 Ala Glu Pro Ser Arg Ala Leu Pro Gly
Arg Leu Thr Ala Gln Leu Val 85
90 95 Gln Glu
【0170】
【配列番号:45】 配列の長さ:83 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Ala Leu Lys Thr Trp Leu Leu Cys Leu Leu Leu Leu Ser Leu Val 1 5 10 15 Leu Pro Gly Ala Ser Ser Arg Ala His Gln His Ser Met Glu Thr Arg 20 25 30 Thr Pro Asp Ile Asn Pro Ala Trp Tyr Thr Gly Arg Gly Ile Arg Pro 35 40 45 Val Gly Arg Phe Gly Arg Arg Arg Ala Thr Pro Arg Asp Val Thr Gly 50 55 60 Leu Gly Gln Leu Ser Cys Leu Pro Leu Asp Gly Arg Thr Lys Phe Ser 65 70 75 80 Gln Arg Gly
【0171】
【配列番号:46】 配列の長さ:249 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 ATGGCCCTGA AGACGTGGCT TCTGTGCTTG CTGCTGCTAA GCTTGGTCCT CCCAGGGGCT 60 TCCAGCCGAG CCCACCAGCA CTCCATGGAG ACAAGAACCC CTGATATCAA TCCTGCCTGG 120 TACACGGGCC GCGGGATCAG GCCTGTGGGC CGCTTCGGCA GGAGAAGGGC AACCCCGAGG 180 GATGTCACTG GACTTGGCCA ACTCAGCTGC CTCCCACTGG ATGGACGCAC CAAGTTCTCT 240 CAGCGTGGA 249
【0172】
【配列番号:47】 配列の長さ:31 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Arg Ala His Gln His Ser Met Glu Thr Arg Thr Pro Asp Ile Asn 1 5 10 15 Pro Ala Trp Tyr Thr Gly Arg Gly Ile Arg Pro Val Gly Arg Phe 20 25 30
【0173】
【配列番号:48】 配列の長さ:32 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Arg Ala His Gln His Ser Met Glu Thr Arg Thr Pro Asp Ile Asn 1 5 10 15 Pro Ala Trp Tyr Thr Gly Arg Gly Ile Arg Pro Val Gly Arg Phe Gly 20 25 30
【0174】
【配列番号:49】 配列の長さ:33 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Arg Ala His Gln His Ser Met Glu
Thr Arg Thr Pro Asp Ile Asn 1 5
10 15 Pro Ala Trp Tyr Thr Gly Arg Gly Ile
Arg Pro Val Gly Arg Phe Gly 20 25
30 Arg
【0175】
【配列番号:50】 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Thr Pro Asp Ile Asn Pro Ala Trp Tyr
Thr Gly Arg Gly Ile Arg Pro 1 5
10 15 Val Gly Arg Phe 20
【0176】
【配列番号:51】 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Thr Pro Asp Ile Asn Pro Ala Trp Tyr Thr Gly Arg Gly Ile Arg Pro 1 5 10 15 Val Gly Arg Phe Gly 20
【0177】
【配列番号:52】 配列の長さ:22 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Thr Pro Asp Ile Asn Pro Ala Trp Tyr Thr Gly Arg Gly Ile Arg Pro 1 5 10 15 Val Gly Arg Phe Gly Arg 20
【0178】
【配列番号:53】 配列の長さ:93 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 AGCCGAGCCC ACCAGCACTC CATGGAGACA AGAACCCCTG ATATCAATCC TGCCTGGTAC 60 ACGGGCCGCG GGATCAGGCC TGTGGGCCGC TTC 93
【0179】
【配列番号:54】 配列の長さ:96 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 AGCCGAGCCC ACCAGCACTC CATGGAGACA AGAACCCCTG ATATCAATCC TGCCTGGTAC 60 ACGGGCCGCG GGATCAGGCC TGTGGGCCGC TTCGGC 96
【0180】
【配列番号:55】 配列の長さ:99 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 AGCCGAGCCC ACCAGCACTC CATGGAGACA AGAACCCCTG ATATCAATCC TGCCTGGTAC 60 ACGGGCCGCG GGATCAGGCC TGTGGGCCGC TTCGGCAGG 99
【0181】
【配列番号:56】 配列の長さ:60 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 ACCCCTGATA TCAATCCTGC CTGGTACACG GGCCGCGGGA TCAGGCCTGT GGGCCGCTTC 60
【0182】
【配列番号:57】 配列の長さ:63 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 ACCCCTGATA TCAATCCTGC CTGGTACACG GGC
CGCGGGA TCAGGCCTGT GGGCCGCTTC 60 GGC
63
【0183】
【配列番号:58】 配列の長さ:66 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 ACCCCTGATA TCAATCCTGC CTGGTACACG GGC
CGCGGGA TCAGGCCTGT GGGCCGCTTC 60 GGCAGG
66
【0184】
【配列番号:59】 配列の長さ:87 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Lys Val Leu Arg Ala Trp Leu Leu Cys Leu Leu Met Leu Gly Leu 1 5 10 15 Ala Leu Arg Gly Ala Ala Ser Arg Thr His Arg His Ser Met Glu Ile 20 25 30 Arg Thr Pro Asp Ile Asn Pro Ala Trp Tyr Ala Ser Arg Gly Ile Arg 35 40 45 Pro Val Gly Arg Phe Gly Arg Arg Arg Ala Thr Leu Gly Asp Val Pro 50 55 60 Lys Pro Gly Leu Arg Pro Arg Leu Thr Cys Phe Pro Leu Glu Gly Gly 65 70 75 80 Ala Met Ser Ser Gln Asp Gly 85
【0185】
【配列番号:60】 配列の長さ:261 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 ATGAAGGTGC TGAGGGCCTG GCTCCTGTGC CTGCTGATGC TGGGCCTGGC CCTGCGGGGA 60 GCTGCAAGTC GTACCCATCG GCACTCCATG GAGATCCGCA CCCCTGACAT CAATCCTGCC 120 TGGTACGCCA GTCGCGGGAT CAGGCCTGTG GGCCGCTTCG GTCGGAGGAG GGCAACCCTG 180 GGGGACGTCC CCAAGCCTGG CCTGCGACCC CGGCTGACCT GCTTCCCCCT GGAAGGCGGT 240 GCTATGTCGT CCCAGGATGG C 261
【0186】
【配列番号:61】 配列の長さ:31 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Arg Thr His Arg His Ser Met Glu Ile Arg Thr Pro Asp Ile Asn 1 5 10 15 Pro Ala Trp Tyr Ala Ser Arg Gly Ile Arg Pro Val Gly Arg Phe 20 25 30
【0187】
【配列番号:62】 配列の長さ:32 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Arg Thr His Arg His Ser Met Glu Ile Arg Thr Pro Asp Ile Asn 1 5 10 15 Pro Ala Trp Tyr Ala Ser Arg Gly Ile Arg Pro Val Gly Arg Phe Gly 20 25 30
【0188】
【配列番号:63】 配列の長さ:33 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Arg Thr His Arg His Ser Met Glu Ile Arg Thr Pro Asp Ile Asn 1 5 10 15 Pro Ala Trp Tyr Ala Ser Arg Gly Ile Arg Pro Val Gly Arg Phe Gly 20 25 30 Arg
【0189】
【配列番号:64】 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Thr Pro Asp Ile Asn Pro Ala Trp Tyr Ala Ser Arg Gly Ile Arg Pro 1 5 10 15 Val Gly Arg Phe 20
【0190】
【配列番号:65】 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Thr Pro Asp Ile Asn Pro Ala Trp Tyr Ala Ser Arg Gly Ile Arg Pro 1 5 10 15 Val Gly Arg Phe Gly 20
【0191】
【配列番号:66】 配列の長さ:22 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Thr Pro Asp Ile Asn Pro Ala Trp Tyr Ala Ser Arg Gly Ile Arg Pro 1 5 10 15 Val Gly Arg Phe Gly Arg 20
【0192】
【配列番号:67】 配列の長さ:93 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 AGTCGTACCC ATCGGCACTC CATGGAGATC CGCACCCCTG ACATCAATCC TGCCTGGTAC 60 GCCAGTCGCG GGATCAGGCC TGTGGGCCGC TTC 93
【0193】
【配列番号:68】 配列の長さ:96 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 AGTCGTACCC ATCGGCACTC CATGGAGATC CGCACCCCTG ACATCAATCC TGCCTGGTAC 60 GCCAGTCGCG GGATCAGGCC TGTGGGCCGC TTCGGT 96
【0194】
【配列番号:69】 配列の長さ:99 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 AGTCGTACCC ATCGGCACTC CATGGAGATC CGC
ACCCCTG ACATCAATCC TGCCTGGTAC 60 GCCAGTCGCG GGATCAGGCC TGTGGGCCGC TTC
GGTCGG 99
【0195】
【配列番号:70】 配列の長さ:60 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 ACCCCTGACA TCAATCCTGC CTGGTACGCC AGT
CGCGGGA TCAGGCCTGT GGGCCGCTTC 60
【0196】
【配列番号:71】 配列の長さ:63 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 ACCCCTGACA TCAATCCTGC CTGGTACGCC AGTCGCGGGA TCAGGCCTGT GGGCCGCTTC 60 GGT 63
【0197】
【配列番号:72】 配列の長さ:66 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 ACCCCTGACA TCAATCCTGC CTGGTACGCC AGTCGCGGGA TCAGGCCTGT GGGCCGCTTC 60 GGTCGG 66
【0198】
【配列番号:73】 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:第10番目のXaaはAlaもしくはThr、第1
1番目のXaaはGlyもしくはSer、第21番目のXaaはH、G
lyもしくはGlyArgを示す。 配列 Thr Pro Asp Ile Asn Pro Ala Trp Tyr Xaa Xaa Arg Gly Ile Arg Pro 1 5 10 15 Val Gly Arg Phe Xaa 20
【0199】
【配列番号:74】 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:第3番目のXaaはAlaもしくはThr、第5番
目のXaaはGlnもしくはArg、第10番目のXaaはIleもし
くはThrを示す。 配列 Ser Arg Xaa His Xaa His Ser Met Glu
Xaa Arg 1 5
10
【0200】
【配列番号:75】 配列の長さ:26 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CARCAYTCCA TGGAGACAAG AAC
CCC 26
【0201】
【配列番号:76】 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TACCAGGCAG GATTGATACA GGGG 24
【0202】
【配列番号:77】 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GGCATCATCC AGGAAGACGG AGC
AT 25
【0203】
【配列番号:78】 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AGCAGAGGAG AGGGAGGGTA GAG
GA 25
【0204】
【配列番号:79】 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ACGTGGCTTC TGTGCTTGCT GC 22
【0205】
【配列番号:80】 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GCCTGATCCC GCGGCCCGTG TAC
CA 25
【0206】
【配列番号:81】 配列の長さ:26 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TTGCCCTTCT CCTGCCGAAG CGG
CCC 26
【0207】
【配列番号:82】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GGCGGGGGCT GCAAGTCGTA CCCATCG 27
【0208】
【配列番号:83】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CGGCACTCCA TGGAGATCCG CAC
CCCT 27
【0209】
【配列番号:84】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CAGGCAGGAT TGATGTCAGG GGT
GCGG 27
【0210】
【配列番号:85】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CATGGAGTGC CGATGGGTAC GACTTGC 27
【0211】
【配列番号:86】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GGCCTCCTCG GAGGAGCCAA GGG
ATGA 27
【0212】
【配列番号:87】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GGGAAAGGAG CCCGAAGGAG AGG
AGAG 27
【0213】
【配列番号:88】 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CCTGCTGGCC ATTCTCCTGT CTTAC 25
【0214】
【配列番号:89】 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GGGTCCAGGT CCCGCAGAAG GTT
GA 25
【0215】
【配列番号:90】 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GAAGACGGAG CATGGCCCTG AAG
AC 25
【0216】
【配列番号:91】 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GGCAGCTGAG TTGGCCAAGT CCAGT 25
【0217】
【配列番号:92】 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Arg Ala His Gln His Ser Met Glu
Ile Arg Thr Pro Asp Cys 1 5
10 15
【0218】
【配列番号:93】 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Cys Ala Trp Tyr Ala Gly Arg Gly Ile
Arg Pro Val Gly Arg Phe 1 5
10 15
【0219】
【配列番号:94】 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Cys Glu Ile Arg Thr Pro Asp Ile Asn Pro Ala Trp Tyr Ala Gly 1 5 10 15
【0220】
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒト下垂体由来cDNAを用いてPCR法によ
って単離したcDNAクローンp19P2に含まれるヒ
ト下垂体由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA
断片の塩基配列およびそれにコードされるアミノ酸配列
を示す。配列決定に用いたプライマーは−21M13で
ある。下線で示した部分は合成プライマーに相当する部
分である。
【図2】ヒト下垂体由来cDNAを用いてPCR法によ
って単離したcDNAクローンp19P2に含まれるヒ
ト下垂体由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA
断片の塩基配列およびそれにコードされるアミノ酸配列
を示す。配列決定に用いたプライマーはM13RV-N
(タカラ)である。下線で示した部分は合成プライマー
に相当する部分である。
【図3】図1に示したアミノ酸配列をもとに作成した、
p19P2に含まれるヒト下垂体由来G蛋白質共役型レ
セプター蛋白質cDNA断片にコードされる蛋白質の部
分疎水性プロットを示す。
【図4】図2に示したアミノ酸配列をもとに作成した、
p19P2に含まれるヒト下垂体由来G蛋白質共役型レ
セプター蛋白質cDNA断片にコードされる蛋白質の部
分疎水性プロットを示す。
【図5】図1および図2に示したp19P2に含まれる
ヒト下垂体由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDN
A断片にコードされる蛋白質の部分アミノ酸配列を、公
知のG蛋白質共役型レセプター蛋白質であるS1286
3と比較した図を示す。黒く塗った部分は一致している
部分を示す。p19P2の第1番目〜第99番目のアミ
ノ酸配列は図1の第1番目〜第99番目のアミノ酸配列
に対応し、第156番目〜第230番目のアミノ酸配列
は図2の第1番目〜第68番目のアミノ酸配列に対応す
る。
【図6】MIN6由来cDNAを用いてPCR法によっ
て単離したcDNAクローンpG3−2およびpG1−
10にそれぞれ含まれるMIN6由来のG蛋白質共役型
レセプター蛋白質cDNA断片の塩基配列に基づいて導
き出したMIN6由来のG蛋白質共役型レセプター蛋白
質cDNA断片の塩基配列およびそれにコードされるア
ミノ酸配列を示す。下線で示した部分は合成プライマー
に相当する部分である。
【図7】図6に示したMIN6由来のG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質の部分アミノ酸配列(pG3−2/pG
1−10)を、図1および図2に示したp19P2にコ
ードされる蛋白質の部分アミノ酸配列と比較した図を示
す。黒塗りの部分は配列が一致している部分を示す。p
19P2の第1番目〜第99番目のアミノ酸配列は図1
の第1番目〜第99番目のアミノ酸配列に対応し、第1
56番目〜第223番目のアミノ酸配列は図2の第1番
目〜第68番目のアミノ酸配列に対応する。pG3−2
/pG1−10の第1番目〜第223番目のアミノ酸配
列は図6の第1番目〜第223番目のアミノ酸配列に対
応する。
【図8】図6に示した部分アミノ酸配列をもとに作成し
た、MIN6由来のG蛋白質共役型レセプター蛋白質の
部分疎水性プロットを示す。
【図9】p19P2に挿入されているDNA断片をプロ
ーブとして用いて、ヒト下垂体由来cDNAライブラリ
ーよりプラークハイブリダイゼーション法によって単離
したcDNAクローンphGR3に含まれるヒト下垂体
由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNAの全塩基
配列およびそれにコードされるアミノ酸配列を示す。
【図10】ヒト下垂体由来のcDNAクローンphGR
3がコードするレセプター遺伝子のヒト下垂体mRNA
に対するノーザンブロットの結果を示す。
【図11】図9に示したアミノ酸配列をもとに作成し
た、phGR3に含まれるヒト下垂体由来G蛋白質共役
型レセプター蛋白質cDNAにコードされる蛋白質の疎
水性プロットを示す。
【図12】MIN6由来cDNAを用いてPCR法によ
って単離したcDNAクローンp5S38に含まれるM
IN6由来のG蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA
断片の塩基配列およびそれにコードされるアミノ酸配列
を示す。下線で示した部分は合成プライマーに相当する
部分である。
【図13】図12に示したMIN6由来のG蛋白質共役
型レセプター蛋白質の部分アミノ酸配列(p5S38)
を、図1および図2に示したp19P2に含まれるcD
NA断片にコードされるG蛋白質共役型レセプター蛋白
質の部分アミノ酸配列、および図6に示したpG3−2
ならびにpG1−10にそれぞれ含まれるcDNA断片
の塩基配列から導きだした塩基配列にコードされるG蛋
白質共役型レセプター蛋白質の部分アミノ酸配列と比較
した図を示す。黒塗りの部分は配列が一致している部分
を示す。p5S38の第1番目〜第144番目のアミノ
酸配列は図12の第1番目〜第144番目のアミノ酸配
列に対応する。p19P2の第1番目〜第99番目のア
ミノ酸配列は図1の第1番目〜第99番目のアミノ酸配
列に対応し、第156番目〜第223番目のアミノ酸配
列は図2の第1番目〜第68番目のアミノ酸配列に対応
する。pG3−2/pG1−10の第1番目〜第223
番目のアミノ酸配列は図6の第1番目〜第223番目の
アミノ酸配列に対応する。
【図14】図12に示した部分アミノ酸配列をもとに作
成した、p5S38に含まれるMIN6由来G蛋白質共
役型レセプター蛋白質cDNA断片にコードされる蛋白
質の部分疎水性プロットを示す。
【図15】pAKKO-19P2を導入したCHO細胞でmRNAが発現
していることを確認するためにRT-PCRを行った。レーン
1から7は比較のためにpAKKO-19P2を段階的に希釈して
PCRを行ったもので、10μg/μlのプラスミドをそれぞれ
原液(レーン1)、1/2希釈(レーン2)、1/4希釈(レ
ーン3)、1/64希釈(レーン4)、1/256希釈(レーン
5)、1/1024希釈(レーン6)、1/4096希釈(レーン
7)した鋳型を使ってPCRを行ったものについて1.2%ア
ガロースゲル電気泳動により解析した結果である。レー
ン8から11はCHO-19P2細胞株から調製したcDNAをそれぞ
れ1/10希釈(レーン8)、1/100希釈(レーン9)、1/1
000希釈(レーン10)したものを鋳型としてPCRを行った
ものを電気泳動した。レーン11はcDNA の合成をreverse
transcriptaseなしで行ったものを鋳型としてPCRを行
ったものを電気泳動した。レーン12および13はそれぞれ
mock CHO細胞からreverse transcriptase添加および無
添加で調製したcDNAを鋳型としてPCRを行ったものを電
気泳動した。MはDNAのサイズマーカーであり両端のレー
ンはλ/Sty I digest(ニッポンジーン)を右から2番
目はφχ174/Hinc II digest(ニッポンジーン)をそれ
ぞれ1μgを電気泳動した。矢印は約400bpのPCRにより増
幅されたバンドの位置を示している。
【図16】ラット全脳から抽出した粗リガンドペプチド
画分についてCHO-19P2細胞株からのアラキドン酸代謝物
の遊離を促進する活性を測定した。アラキドン酸代謝物
の遊離促進活性は0.05%BSAを含むHBSSを加えた時に遊離
された[3H]アラキドン酸代謝物の量を100%として、リ
ガンドペプチド粗画分を加えた時に放出されるアラキド
ン酸代謝物の量を%として表した。30% CH3CN の画分に
CHO-19P2細胞株からアラキドン酸代謝物の遊離を促進す
る活性が認められた。
【図17】ウシ視床下部から抽出した粗リガンドペプチ
ド画分についてCHO-19P2細胞株からのアラキドン酸代謝
物の遊離を促進する活性を測定した。アラキドン酸代謝
物の遊離を促進する活性は0.05%BSAを含むHBSSを加えた
時に遊離された[3H]アラキドン酸代謝物の量を100%と
して、リガンドペプチド粗画分を加えた時に放出される
アラキドン酸代謝物の量を%として表した。ラット全脳
から抽出した粗リガンドペプチド画分と同様に30% CH3C
N の画分にCHO-19P2細胞株からアラキドン酸代謝物の遊
離を促進する活性が認められた。
【図18】逆相カラム C18 218TP5415 で精製した画分
についてCHO-19P2細胞株に特異的なアラキドン酸代謝物
の遊離を促進する活性を測定した。RESOURCE Sの活性画
分を C18 218TP5415 で分離した。流速 1ml/min、20%-3
0% CH3CN/0.1%TFA/H2O の濃度勾配でクロマトグラフィ
ーを行い、溶出液を1ml ずつ分取し、凍結乾燥後、各フ
ラクションに含まれるCHO-19P2細胞株に特異的なアラキ
ドン酸代謝物遊離促進活性を測定した。その結果、活性
は、3つ(溶出順にそれぞれP-1、P-2、P-3と呼ぶ)に分
離した。
【図19】逆相カラム diphenyl 219TP5415 で精製した
画分についてCHO-19P2細胞株に特異的なアラキドン酸代
謝物の遊離を促進する活性を測定した。C18 218TP5415
のP-3活性画分を diphenyl 219TP5415 で分離した。流
速 1ml/min、22%-25% CH3CN/0.1%TFA/H2O の濃度勾配で
クロマトグラフィーを行い、溶出液を1mlずつ分取し、
凍結乾燥後、各フラクションに含まれるCHO-19P2細胞株
に特異的なアラキドン酸代謝物遊離促進活性を測定し
た。その結果、活性は1つのピークに収束した。
【図20】逆相カラム μRPC C2/C18 SC 2.1/10 で精製
した画分についてCHO-19P2細胞株に特異的なアラキドン
酸代謝物の遊離を促進する活性を測定した。diphenyl 2
19TP5415 で活性と一致したピークの画分を μRPC C2/C
18 SC 2.1/10 で分離した。流速 100μl/min、22%-23.5
% CH3CN/0.1%TFA/H2O の濃度勾配でクロマトグラフィー
を行い、溶出液を100μl ずつ分取し、凍結乾燥後、各
フラクションに含まれるCHO-19P2細胞株に特異的なアラ
キドン酸代謝物遊離促進活性を測定した。その結果、活
性は単一の物質(ペプチド)と思われる二つのピークに一
致した。
【図21】逆相カラムμRPC C2/C18 SC 2.
1/10で精製したP-2画分についてCHO-19P2
細胞株から特異的にアラキドン酸代謝物の遊離を促進す
る活性を測定した。流速100μl/min、21.5%−2
3.0% CH3CN/0.1% TFA/蒸留水の濃度勾
配でクロマトグラフィーを行い、溶出液を100μlず
つ分取し、凍結乾燥後、各フラクションに含まれるCH
O-19P2細胞株から特異的にアラキドン酸代謝物の
遊離を促進する活性を測定した。その結果、活性は、単
一のペプチドと思われるペプチドのピークに一致した。
【図22】ウシ視床下部由来cDNAを用いてPCR法
によって単離したcDNAクローンに含まれるウシ視床
下部由来のCHO−19P2細胞株から特異的にアラキ
ドン酸代謝物の遊離を促進するリガンドポリペプチドc
DNA断片の塩基配列に基づいて導き出した該ウシ視床
下部由来リガンドポリペプチドcDNA断片の塩基配列
およびそれにコードされるアミノ酸配列を示す。矢印で
示した部分は合成プライマーに相当する部分である。
【図23】ウシ視床下部由来cDNAを用いてPCR法
によって単離したcDNAクローンに含まれるウシ視床
下部由来のCHO−19P2細胞株から特異的にアラキ
ドン酸代謝物の遊離を促進するリガンドポリペプチドc
DNA断片の塩基配列に基づいて導き出した該ウシ視床
下部由来リガンドポリペプチドcDNA断片の塩基配列
およびそれにコードされるアミノ酸配列を示す。矢印で
示した部分は合成プライマーに相当する部分である。
【図24】ウシ視床下部由来のCHO−19P2細胞株
から特異的にアラキドン酸代謝物の遊離を促進するリガ
ンドポリペプチドのアミノ酸配列(a),(b)および
配列番号:1、配列番号44に示したリガンドポリペプ
チドの全コード領域をコードするcDNA配列である。
【図25】合成リガンドポリペプチド(19P2−L3
1)についてCHO−19P2細胞株からの特異的なア
ラキドン酸代謝物遊離活性を濃度依存的に測定した。合
成ペプチドは、脱気処理した蒸留水に10-3Mの濃度で
溶解し、0.05%BSAを含むHBSSで10-12
〜10-6Mの濃度に希釈した。アラキドン酸代謝物遊離
活性は、希釈液を細胞に添加した時に上清に遊離される
3H]アラキドン酸代謝物の実測放射線量で表した。
その結果、19P2−L31によるCHO−19P2細
胞株に特異的なアラキドン酸代謝物遊離活性が濃度依存
的に認められた。
【図26】合成リガンドポリペプチド(19P2−L3
1(O))についてCHO−19P2細胞株からの特異
的なアラキドン酸代謝物遊離活性を濃度依存的に測定し
た。合成リガンドポリペプチドは、脱気処理した蒸留水
に10-3Mの濃度で溶解し、0.05%BSAを含むH
BSSで10-12M〜10-6Mの濃度に希釈した。アラ
キドン酸代謝物遊離活性は、希釈液を細胞に添加した時
に上清に遊離される[3H]アラキドン酸代謝物の実測
放射線量で表した。その結果、19P2−L31(O)
によるCHO−19P2細胞株に特異的なアラキドン酸
代謝物遊離活性が濃度依存的に認められた。
【図27】合成リガンドポリペプチド19P2−L20
についてCHO−19P2細胞株からの特異的なアラキ
ドン酸代謝物遊離活性を濃度依存的に測定した。合成ペ
プチドは、脱気処理した蒸留水に10-3Mの濃度で溶解
し、0.05%BSAを含むHBSSで10-12M〜1
-6Mの濃度に希釈した。アラキドン酸代謝物遊離活性
は、希釈液を細胞に添加した時に上清に遊離される[3
H]アラキドン酸代謝物の実測放射線量で表した。その
結果、19P2−L20によるCHO−19P2細胞株
に特異的なアラキドン酸代謝物遊離活性が濃度依存的に
認められた。
【図28】ウシゲノムライブラリーよりクローン化した
ファージのDNAを制限酵素BamHI(B)およびSalI
(S)で切断し、1.2%アガロースゲル電気泳動を行
ったパターンを示す。DNAのサイズマーカー(M)に
はλファージDNAのStyI消化物を用いた。Bのレーン
ではマーカーの1番目(19,329bp)と2番目(7,743bp)の
バンドの間に相当する位置にベクター由来の2本のバン
ドが検出され、その他に3番目(6,223bp)から5番目(3,
472bp)の間に挿入断片由来の3本のバンドが検出され
た。Sのレーンでは同じくベクター由来の2本のバンド
が検出されているが、挿入断片由来のバンドが重なって
いるために上側のバンドがBのレーンに比べて太くなっ
ている。
【図29】ウシゲノムDNAから解読したコード領域付
近の塩基配列を示す。1〜3番目の塩基(ATG)が翻
訳開始コドンに相当し、767〜769番目の塩基(T
AA)が翻訳終止コドンに相当する。
【図30】ウシゲノムDNAから解読したコード領域付
近の塩基配列(genome)をPCR法によってクローニング
したウシcDNAの塩基配列(cDNA)と比較した結果を示
す。配列の一致している部分は網掛けで示した。101
番目〜572番目の部分はcDNAの塩基配列には相当
する部分が無く、イントロンであることが判明した。
【図31】ウシゲノムDNAから解読したコード領域付
近の塩基配列からイントロン部分を除き、コードされる
アミノ酸配列に翻訳した結果を示す。
【図32】ラット型リガンドポリペプチドの全長アミノ
酸配列および全コード領域をコードするcDNA配列で
ある。
【図33】ウシ型リガンドポリペプチドのアミノ酸配列
およびウシ型ポリペプチド、ラット型ポリペプチドをコ
ードするDNAの塩基配列を示す。矢印で示した部分は
合成プライマーに相当する部分である。
【図34】ヒト型リガンドポリペプチドの全長アミノ酸
配列および全コード領域をコードするcDNA配列であ
る。
【図35】ウシ型リガンドポリペプチド、ラット型リガ
ンドポリペプチドおよびヒト型リガンドポリペプチドの
翻訳領域についてアミノ酸配列を比較したものである。
【図36】生細胞におけるヨードラベル化リガンドポリ
ペプチドを用いたレセプター結合実験の結果を示す。
【図37】CHO−19P2−9およびCHO−UHR
1におけるリガンドポリペプチドによるアラキドン酸代
謝物遊離活性の測定結果を示す。
【図38】ラット組織におけるUHR−1のRT−PC
Rによる定量結果を示す。定量値は3回のPCRの平均
値S.E.M.で表した。
【図39】ラット組織におけるリガンドポリペプチドの
RT−PCRによる発現定量結果を示す。定量値は3回
のPCRの平均値S.E.M.で表した。
【図40】リガンドポリペプチドのグルコースによる血
漿インスリン濃度の増加をラジオイムノアッセイで測定
した結果を示す。
【図41】リガンドポリペプチド10nmolをマウスに投
与したときの行動量の測定結果を示す。図(a)は自発
運動量、図(b)は立ち上がり行動量の測定結果を示
す。
【図42】リガンドポリペプチド1nmolをマウスに投与
したときの行動量の測定結果を示す。図(a)は自発運
動量、図(b)は立ち上がり行動量の測定結果を示す。
【図43】リガンドポリペプチド0.1nmolをマウスに
投与したときの行動量の測定結果を示す。図(a)は自
発運動量、図(b)は立ち上がり行動量の測定結果を示
す。
【図44】リガンドポリペプチド0.01nmolをマウス
に投与したときの行動量の測定結果を示す。図(a)は
自発運動量、図(b)は立ち上がり行動量の測定結果を
示す。
【図45】3mg/kgのレセルピンを皮下投与した15時
間後のマウスにリガンドポリペプチドを脳室内投与した
ときの体温変化を測定した結果を示す。図中、一つの星
印は危険率:p<0.05、二つの星印はp<0.01を示す。
【図46】延髄最後野(area postrema: AP)に角度2
0度でマイクロインジェクションカニューレを刺した場
合の模式図を示す。
【図47】リガンドポリペプチドを延髄最後野に注入し
たときの脈波および平均血圧の典型例を示す。ラットの
延髄最後野にリガンドポリペプチドを10nmol(流速1
μl/min)注入し、無麻酔下で測定したものであ
る。
【図48】ペントバルビタール麻酔下ラットの第三脳室
に50nmolのリガンドポリペプチドを投与したときの血
漿中のGH量を測定した結果を示す。
【図49】第三脳室へのリガンドポリペプチドの投与に
よる血漿中成長ホルモン量の変化を示す。自由行動下の
ラットに5μg/kgのGHRHを静脈下投与し、10分後
に第三脳室へリガンドポリペプチドまたはPBSを投与
した。ペプチドを投与した時間を0分とした。図中、一
つの星印は危険率:p<0.05、二つの星印はp<0.01を示
す。
【図50】リガンドポリペプチド抗血清と吸光度の関係
を示す。
【図51】抗リガンドポリペプチドポリクローナル抗体
によるアラキドン酸代謝物放出活性の測定結果を示す。
【図52】発現ベクターpAKKO−UHR−1上で構
築されたラットUHR−1の完全なコード領域の塩基配
列と、それにコードされるアミノ酸配列を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/70 ADP A61K 31/70 ADP ADU ADU 35/76 ADN 35/76 ADN 38/00 ACJ 48/00 AAB 48/00 AAB C07H 21/00 C07H 21/00 C07K 14/47 C07K 14/47 C12P 21/02 C C12N 5/10 C12Q 1/02 C12P 21/02 G01N 33/566 C12Q 1/02 A61K 37/02 ACJ G01N 33/566 C12N 5/00 B //(C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91) (31)優先権主張番号 特願平8−246573 (32)優先日 平8(1996)9月18日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 細谷 昌樹 茨城県土浦市板谷1丁目711番地の83 (72)発明者 藤井 亮 茨城県つくば市春日1丁目7番地9 武田 春日ハイツ303号 (72)発明者 福住 昌司 茨城県つくば市並木3丁目17番地6 ロイ ヤルシティ並木302号 (72)発明者 北田 千恵子 大阪府堺市南向陽町1丁2番8号

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号:73で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポ
    リペプチドまたはそのアミド、エステルもしくはその
    塩。
  2. 【請求項2】配列番号:3、配列番号:4、配列番号:
    5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列
    番号:9、配列番号:10、配列番号:47、配列番
    号:48、配列番号:49、配列番号:50、配列番
    号:51、配列番号:52、配列番号:61、配列番
    号:62、配列番号:63、配列番号:64、配列番
    号:65または配列番号:66で表されるアミノ酸配列
    を含有するポリペプチドである請求項1記載のポリペプ
    チド。
  3. 【請求項3】配列番号:1、配列番号:44、配列番
    号:45または配列番号:59で表されるアミノ酸配列
    を含有するポリペプチドである請求項1記載のポリペプ
    チド。
  4. 【請求項4】請求項1記載のポリペプチドの部分ペプチ
    ドまたはそのアミド、エステルもしくはその塩。
  5. 【請求項5】請求項1記載のポリペプチドまたは請求項
    4記載の部分ペプチドをコードする塩基配列を有するD
    NAを含有するDNA。
  6. 【請求項6】配列番号:2、配列番号:11、配列番
    号:12、配列番号:13、配列番号:14、配列番
    号:15、配列番号:16、配列番号:17、配列番
    号:18、配列番号:46、配列番号:53、配列番
    号:54、配列番号:55、配列番号:56、配列番
    号:57、配列番号:58、配列番号:60、配列番
    号:67、配列番号:68、配列番号:69、配列番
    号:70、配列番号:71または配列番号:72で表さ
    れる塩基配列を有する請求項5記載のDNA。
  7. 【請求項7】請求項5記載のDNAを含有する組換えベ
    クター。
  8. 【請求項8】請求項5記載のDNAまたは請求項7記載
    の組換えベクターを保持する形質転換体。
  9. 【請求項9】請求項8記載の形質転換体を培養すること
    を特徴とする請求項1記載のポリペプチドまたは請求項
    4記載の部分ペプチドの製造法。
  10. 【請求項10】請求項1記載のポリペプチドまたはその
    アミド、エステルもしくはその塩を含有してなる医薬。
  11. 【請求項11】請求項4記載の部分ペプチドまたはその
    アミド、エステルもしくはその塩を含有してなる医薬。
  12. 【請求項12】請求項5記載のDNAを含有してなる医
    薬。
  13. 【請求項13】下垂体機能調節剤である請求項10、請
    求項11または請求項12記載の医薬。
  14. 【請求項14】中枢神経機能調節剤である請求項10、
    請求項11または請求項12記載の医薬。
  15. 【請求項15】膵臓機能調節剤である請求項10、請求
    項11または請求項12記載の医薬。
  16. 【請求項16】請求項1記載のポリペプチドまたは請求
    項4記載の部分ペプチドに対する抗体。
  17. 【請求項17】(i)配列番号:21で表されるアミノ
    酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含
    有する受容体蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはそ
    の塩に、請求項1記載のポリペプチドまたは請求項4記
    載の部分ペプチドを接触させた場合と(ii)配列番号:
    21で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同
    一のアミノ酸配列を含有する受容体蛋白質もしくはその
    部分ペプチドまたはその塩に、請求項1記載のポリペプ
    チドまたは請求項4記載の部分ペプチド、および試験化
    合物を接触させた場合との比較を行うことを特徴とする
    請求項1記載のポリペプチドまたは請求項4記載の部分
    ペプチドと、配列番号:21で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する受
    容体蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩との
    結合性を変化させる化合物のスクリーニング方法。
  18. 【請求項18】請求項1記載のポリペプチドまたは請求
    項4記載の部分ペプチドと、配列番号:21で表される
    アミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配
    列を含有する受容体蛋白質もしくはその部分ペプチドま
    たはその塩との結合性を変化させる化合物のスクリーニ
    ング用キット。
  19. 【請求項19】請求項17記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項18記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られる、請求項1記載のポリペプチドまたは請求項4
    記載の部分ペプチドと、配列番号:21で表されるアミ
    ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を
    含有する受容体蛋白質もしくはその部分ペプチドまたは
    その塩との結合性を変化させる化合物またはその塩。
  20. 【請求項20】請求項1記載のポリペプチドまたは請求
    項4記載の部分ペプチドをリガンドとして認識するG蛋
    白質共役型レセプター蛋白質またはその塩。
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WO2000020455A1 (fr) * 1998-10-01 2000-04-13 Takeda Chemical Industries, Ltd. Nouvelle proteine receptrice couplee a la proteine g d'origine humaine, et son adn
WO2006030956A1 (ja) * 2004-09-15 2006-03-23 Takeda Pharmaceutical Company Limited PrRPおよびその受容体の新規用途

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