WO2004009641A1 - aPC非中和抗体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、活性化プロテインC(aPC)の不活性化を抑制する抗aPC抗体およびその利用を提供する。抗aPC抗体のスクリーニングにより、血中におけるaPCの不活性化を抑制する活性を持つ抗aPC抗体を単離することに成功した。本発明の抗体は、aPCの不活性化を抑制することを通してaPCの活性を維持し、血液凝固系の活性化の抑制または抗炎症作用などのaPCの生理活性の効果を持続させるために使用することができる。また本発明は、血栓症および敗血症などのaPCによる治療における本発明の抗体の使用を提供する。aPC投与による治療において、本発明の抗体をaPCに結合させることにより、治療効果を持続させることができる。本発明の抗体は、血栓症および敗血症などの治療および予防において利用される。

Description

明細書 aPC非中和抗体 技術分野
本発明は活性化プ口ティン Cの非中和抗体に関する。 背景技術
下肢関節置換術、 あるいは開腹手術後には高頻度で静脈血栓症が発症する。 現 在その治療は主として低分子へパリンおよびヮーファリンにより予防的に行われ ている。 しかし低分子へパリンは連日の皮下投与が必要であり、 ヮーフアリンは 経口投与であるがタンパク結合率が非常に高いため他薬との相互作用により併用 には制限がある。 またいずれの薬物も出血傾向を呈する。 したがって、 作用が長 時間持続し出血傾向を呈さない抗血栓薬があれば、 術直後およぴ退院直前に投与 する事により、 血栓症を予防しかつ患者の Q0Lを向上させることができる。 その他 の血栓症についても、 特に作用持続の長い抗血栓薬の開発が望まれている。
血栓は血小板と血液凝固系が活性化することにより形成され、 一般には動脈血 栓には血小板が、 静脈血栓には凝固系が主として働くと考えられている。 血液凝 固系が活性化され生成されたトロンビンは血栓網の主体となるフイブリンを生成 するとともに、 血管内皮上に存在するトロンボモデュリンと結合して性質が変化 し、 プロテイン C ( protein C; PC) を活性化させる。 活性化された PC ( activated protein C; aPC) はプロテイン S (protein S) をネ甫酵素として、 Factor Vaおよび Villaを不活化し凝固系の回転を抑制する方向に働く。 また aPCは PAI - 1 (Plasminogen Activator Inhibitor - 1 ) や TAFI hrombin ActivataD丄 e Fibrinolysis Inhibitor) などの線溶阻害物質抑制作用も有するため、 線溶系を 促進する。 したがって PCおよび aPCは活性ィ匕した血液凝固系に対するネガティブフ イードバック機構として重要な働きをすると考えられており、 実際、 先天性 PC欠 乏症、 あるいは Factor Va変異による aPC不応症は血栓症の発現因子の一つである ことからも aPCは血栓症の治療および予防に有効であると考えられる。
一方、 敗血症にはこれまで効果的な薬剤が存在しなかったが、 最近になってリ コンビナント aPCが敗血症の治療に有効であることが報告されている (N. Engl. J. Med. 2001, 344: 699-709) 。 また、 aPCが血管内皮に作用し抗炎症作用を有す ることが示唆されており (J. Biol. Chem. 2001, 276: 11199-11203) 、 敗血症モ デルにおいてトロンビンの産生抑制以外の作用で抗炎症作用を発揮することも報 告されている (J. Clin. Invest. 1987, 79: 918 - 25) 。
しかしながら aPCは血中半減期が 20〜30分と非常に短いために、 静脈内持続投与 や長期にわたる連続投与が必要である。 半減期が短い理由は、 aPCが生体内の生理 的な阻害物質、 すなわちプロテイン Cインヒビター (protein C inhibitor; PCI ) や α ΐアンチトリプシン (α ΐ- antitrypsin; AAT) により非可逆的に不活化され ることによる。 また、 もし aPCの前駆体である PCを製剤化したとしても生体内半減 期は 6〜8時間と短く、 持続あるいは頻回投与が必要となり医療経済学的に非効率 である。 発明の開示
前述の通り、 aPCは血液凝固系のフィードパックとして機能するため、 その生成 と作用は凝固系が活性ィ匕されている局所に限定されている。 したがって aPCを全身 投与する場合には、 必要とされる局所へ供給し、 かつ不活化による消費を捕うた めに大量持続投与せざるを得な!/、。 局所で内因性に生成される aPCの作用を増強す る薬物があれば、 作用は限定的で、 しかも通常は薬物そのものは消費されないた め、 少量かつ一度の投与で作用が持続することになり効率的である。 そこで本発 明者らは、 aPCの不活化を抑制し半減期を延長することにより内因性 aPCの作用を 増強することができる薬剤の開発を行った。 このために本発明者らは、 aPCに対するモノクローナル抗体を産生するハイプリ ドーマのクローニングを行った。 そしてハイプリ ドーマの大規模なスクリーニン グにより、 血中における aPCの不活性化を抑制する抗体をスクリ一二ングした結果 、 aPCの不活性化を強く抑制する抗 aPC抗体を単離することに成功した。 これらの 抗体は、 PCIによる aPCの不活性化も抑制することが確認された。 本発明の抗体は 、 aPCの不活性化の抑制を通して血液凝固系の働きを抑制するため、 血栓症の治療 および予防のために極めて有用である。 また本発明の抗体は、 敗血症等の治療に おいて、 aPCと併用して、 あるいは単独で用いることにより、 血中における aPCの 不活化を抑制することにより aPCの作用を増強し、 治療する薬剤として利用するこ とができる。
すなわち本発明は、 aPCの不活性ィ匕を抑制する抗 aPC抗体おょぴその利用に関し 、 より具体的には、
( 1 ) プロテイン Cもしくは活个生ィ匕プロテイン C (aPC) に対する抗体であって、 生 体内において活性ィヒプロテイン Cの作用を増強する活性を有する抗体、
( 2 ) プロテイン Cもしくは活' |·生ィ匕プロテイン Cに対する抗体であって、 生体内で の活性ィ匕プロテイン Cの不活性化を抑制する活性を有する抗体、
( 3 ) プロテイン Cもしくは活' I·生ィ匕プロテイン Cに対する抗体であって、 (a ) 血 液による活性化プロテイン Cの不活性化、 または (b ) 活性化プロテイン Cの生理 的な阻害物質による活性ィ匕プロテイン cの不活性化、 あるいはそれらの両方を抑制 する活性を有する抗体、
( 4 ) 活性ィ匕プロテイン Cの生理的な阻害物質がセリンプロテアーゼインヒビター (SERPINs) である、 (3 ) に記載の抗体、 '
( 5 ) セリンプロテアーゼインヒビター (SERPINs) がプロテイン Cインヒビター または α 1 -アンチトリプシンである、 (4 ) に記載の抗体、
( 6 ) ( 1 ) から (3 ) のいずれかに記載の抗体であって、 以下の (a ) から ( f ) のレ、ずれかのァミノ酸配列からなる相補性決定領域またはこれと機能的に同 等の相補性決定領域を有する抗体、
(a) 配列番号: 9、 10、 および 1 1に記載のァミノ酸配列、
(b) 配列番号: 21 、 22 、 および 23に記載のァミノ酸配列、
(c) 配列番号: 31 、 32 、 および 33に記載のアミノ酸配列、
(d) 配列番号: 24 、 25 、 および 34に記载のァミノ酸配列、
( e ) 配列番号: 15 、 16 、 および 17に記载のァミノ酸配列、
( f ) 配列番号: 27 、 28 、 および 29に記載のァミノ酸配列、
(7) 抗体がヒト抗体、 ヒト化抗体、 キメラ抗体、 抗体断片、 一本鎖抗体、 およ ぴダイアポディーからなる群より選択される、 (1) から (3) のいずれかに記 載の抗体、
(8) (1) から (3) のいずれかに記載の抗体および薬学的に許容される担体 を含む組成物、
(9) さらにプロテイン Cおよび Zまたは活性化プロテイン Cを含む、 (8) に記 載の組成物、
(10) 活性ィ匕プロテイン Cの活性の低下ないしは不足によって発症および/また は進展する疾患の予防または治療に用いられる医薬組成物である、 (8) または
(9) に記載の組成物、
(1 1) 疾患が血液凝固反応の亢進および/または炎症反応の亢進によって惹起 される疾患である (10) に記載の糸且成物、
(12) 血液凝固反応の亢進および/"または炎症反応の亢進によって惹起される 疾患が、 敗血症、 播種性血管内凝固症候群、 動脈血栓症、 および静脈血栓症から なる群より選択される、 (11) に記載の組成物、
(13) (1) から (3) のいずれかに記載の抗体をプロテイン Cまたは活性化プ ロティン Cに接触させる工程を含む、 不活性化が抑制されたプロティン Cまたは活 性ィ匕プロティン Cの製造方法、
(14) 活个生ィ匕プロテイン Cの活 "生の低下ないしは不足によって発症および また は進展する疾患を予防または治療する方法であって、 (a ) プロテイン Cおよび //または活性化プロテイン C、 並びに (b ) ( 1 ) 力 ら ( 3 ) のいずれかに記載 の抗体、 を投与する工程を含む方法、
( 1 5 ) 活性ィ匕プロテイン Cの活性の低下ないしは不足によって発症おょぴ /また は進展する疾患の予防または治療に使用されるキットであって、 (a ) プロティ ン 活性化プロテイン C、 および (1 ) 力 ら ( 3 ) のいずれかに記載の抗体か らなる群から選択される少なくとも一つ、 および (b ) 治療有効量のプロテイン Cおよび/または活性ィヒプロテイン Cと該抗体とを併用することの記載または該 記載へのリンクを含む記録媒体、 を含むキット、 に関する。 本発明は、 aPCの不活性化を抑制し、 半減期を延長する aPCの非中和抗体を提供 する。 本発明者らは、 aPCの非中和抗体の中には、 血中において PCIまたは MTによ り aPCの抗血液凝固作用が不活性化されるのを防止することにより aPCの生体内で の寿命を延長させて活性を増強することが可能な抗体が存在することを見出した 。 ここで aPCの不活性化とは、 aPCの生物学的活性の低下または喪失を言う。 具体 的には、 aPCの不活性ィ匕とは、 血液あるいは PCIまたは MT等の生体内の生理的な阻 害物質により aPCが非可逆的に不活性化されることを言う。 具体的には、 例えば aPCの抗血液凝固作用が不活性化されることである。 aPCは、 例えば aPCを血漿中で インキュベートすることにより不活性化される。 また、 PCIまたは MT等の生体内 の阻害物質と接触させることによつても不活性化される。 本発明の抗体は、 血漿 および/または aPCの生理的阻害物質 (PCIなど) による aPCの不活性化を抑制する 抗体である。 本発明の抗体を用いれば、 生体内での aPCの不活性ィ匕を抑制し、 生体 内における活性ィ匕プロティン Cの作用を、 該抗体がない場合に比べて相対的に増強 することが可能である。 aPCの不活性ィ匕の抗体による抑制は、 実施例に記載された ような方法またはその他の方法により測定することができる。 具体的には、 例え ば被検抗体と aPCとをィンキュベートし、 その後または同時に、 該 aPCを血漿また は PCI等の aPC阻害物質とインキュベートした後、 aPCの活性を測定する。 該抗体と ィンキュベートしない aPCを血漿または aPC阻害物質とインキュベートした対照に 比べ、 aPCの不活性化の程度を減少させる抗体は、 aPCの不活性化を抑制する活性 を有すると判断される。 aPCの活性としては、 抗血液凝固作用が挙げられ、 例えば 公知の方法により APTT (活性ィヒ部分トロンボプラスチン時間) を測定して定量す ることができる。 あるいは発色基質 pyroGlu - Pro- Arg-pNA · HC1 (S-2366) などの 低分子化合物を用いて aPC活性をアツセィすることも可能である。
aPCの生理的な阻害物質としては、 例えばセリンプロテアーゼインヒビター ( SERPINs) が挙げられ、 特にプロテイン Cインヒビター (PCI, Suzuki, K. et al. , J. Biol. Chem. 1983, 258 : 163 - 168; Suzuki, K. , Fibrinolysis Proteolysis 2000, 14: 133-145 Suzuki, K. et al. , J. Biol. Chem. 1987, 262: 611 - 616 ; Zechmeister-Machhart, M. et. al. , Gene, 186, 61 - 66, 1997; Wakita, T. et. al. , FEBS Lett. , 429, 263—268, 1998 ; Yuasa, J. et. al. , Thromb. Haemost. 83, 262-267, 2000 ) および 1 -アンチト リプシン (MT, Heeb, M. J. and Griffin, J. H., J. Biol. Chem. 1988, 263 : 11613-11616) を例示することができ る。
また本発明は、 aPCに対する抗体であって、
i ) aPCに対する抗体を結合させたまたは結合させていない aPCの、 血液による 不活性化を測定する工程、
ii) 該抗体を結合させていない aPCに比べ、 該抗体を結合させた aPCの該不活性 化が抑制されるような抗体を選択する工程、 により得ることができる抗体を提供 する。
また本発明は、 aPCに対する抗体であって、
i ) aPCに対する抗体を結合させたまたは結合させていない aPCの、 aPC不活性化 因子による不活性化を測定する工程、
ii) 該抗体を結合させていない aPCに比べ、 該抗体を結合させた aPCの該不活性 化が抑制されるような抗体を選択する工程、 により得ることができる抗体を提供 する。
血液としては、 全血または血漿であってよい。 また aPC不活性ィ匕因子としては、 aPCの生理的な阻害物質が挙げられ、 例えば PCIおよび MTが例示できる。 aPCに対 する抗体を aPCに結合させるには、 両者を溶液中で共存させればよく、 例えば両者 を含む溶液を 5分〜数時間、 例えば 1時間程度ィンキュベートすることができる。 血液または aPC不活'性化因子による aPCの不活性化は、 例えば血液または aPC阻害物 質と aPCとを共存させることにより実施することができ、 例えば両者を含む溶液を 5分〜数時間、 例えば 1時間程度ィンキュベートすることにより実施することがで さる。
本発明の抗 aPC抗体は、 モノクローナル抗体 (全長モノクローナル抗体を含む)、 ポリクローナル抗体、 またはそれらの抗体の変異体であってもよい。 均質な抗体 を安定に生産できる点でモノクローナル抗体が好ましい。
本発明における 「モノクローナル抗体」 とは、 実質的に均質な抗体の集団、 即 ち、 集団を構成する個々の抗体が、 天然において起こり得る少量で存在する変異 体を除いては均一である抗体集団から得られた抗体を指す。 モノクローナル抗体 は高度に特異的であり、 単一の抗原部位に対して作用するものである。 さらに、 異なる抗原決定基(ェピトープ)に対する異なる抗体を典型的には含む慣用なポリ クローナル抗体調製物と比べて、 各モノクローナル抗体は、 抗原上の単一の抗原 決定基に向けられる。 その特異性に加えて、 モノクローナル抗体は、 他の免疫グ 口プリンにより汚染されていないハイプリ ドーマ培養により合成される点で有利 である。 「モノクローナル」 という修飾語は、 実質的に均一な抗体の集団より得 られた抗体の特性を示唆するものであって、 抗体が特定の方法により製造される ことを限定するものではない。 例えば、 本発明において用いられるモノクローナ ル抗体を、 例えばハイブリ ドーマ法 (Kohler and Milstein, Nature 256: 495 (1975) ) 、 または、 組換え方法(米国特許第 4, 816, 567号) により製造してもよい 。 本発明において使用するモノクローナル抗体はまた、 ファージ抗体ライブラリ 一から単離してもよい (Clackson et al. , Nature 352 :624 - 628 (1991) ; Marks et al. , J. Mol. Biol. 222 : 581-597 (1991) ) 。 本発明におけるモノクローナル抗 体には、 特に、 重鎖 (H鎖) 及ぴ Zまたは軽鎖 (L鎖) の一部が特定の種、 または 特定の抗体クラス若しくはサブクラス由来であり、 鎖の残りの部分が別の種、 ま たは別の抗体クラス若しくはサブクラス由来である 「キメラ j 抗体 (免疫グロプリ ン)、 抗体変異体、 並びに抗体の断片が含まれる (米国特許第 4, 816, 567号; Morrison et al. , Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81: 6851-6855 (1984) ) 。
本発明において、 「抗体変異体」 とは、 1またそれ以上のアミノ酸残基が改変さ れた、 抗体のアミノ酸配列バリアントを指す。 例えば、 抗体の可変領域を、 抗原 との結合性等の抗体の生物学的特性を改善するために改変することができる。 こ のような改変は、 部位特異的変異(Kunkel, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82: 488 (1985)参照)、 PCR変異、 カセット変異等の方法により行うことができる。 このよ うな変異体は、 抗体の重鎖若しくは軽鎖の可変領域のァミノ酸配列と少なくとも 70%、 より好ましくは少なくとも 75%、 より好ましくは少なくとも 80%、 さらに 好ましくは少なくとも 85%、 さらにより好ましくは少なくとも 90%、 そして、 最 も好ましくは少なくとも 95%のアミノ酸配列の同一性を有する。 本明細書におい て配列の同一性は、 配列同一性が最大となるように必要に応じ配列を整列化し、 適宜ギャップ導入した後、 元となった抗体のアミノ酸配列の残基と同一の残基の 割合として定義される。
具体的には、 塩基配列おょぴアミノ酸配列の同一性は、 Karlin and Altschulに よるアルゴリズム BLAST (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90 : 5873- 5877, 1993) に よって決定することができる。 このアルゴリズムに基づいて、 BLASTNおよび BLASTXと呼ばれるプログラムが開発されている (Altschul et al. J. Mol. Biol. 215:403- 410, 1990) 。 BLASTに基づいて BLASTNによって塩基配列を解析する 場合には、 ノ、。ラメ一ターは例えば score = 100、 wordlength = 12とする。 また、 BLASTに基づいて BLASTXによってアミノ酸配列を解析する場合には、 パラメーター は例えば score = 50、 wordlength = 3とする。 BLASTと Gapped BLASTプログラムを 用いる場合には、 各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。 これらの解 析方法の具体的な手法は公知である (NCBI (National Center for Biotechnology Information) の BLAST (Basic Local Alignment Search Tool) のウェブサイト を参照; http: //www. ncbi. nlm. nih. gov) 0
ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体は当業者に周知の方法により作 製することができる。 例えば以下の方法により作製することができる。
動物の免疫に用いる aPCとしては、 組換え DNA法又は化学合成により調製した aPC のアミノ酸配列の全部若しくは一部のペプチドなどが挙げられる。 ヒトおよびそ の他の哺乳動物の aPCのアミノ酸配列は公知である (Mather, T. et al. , EMB0 J. 15 :6822 - 6831 (1996); Foster, D. C. , Proc. Natl. Acad. Sci. 82 :4673-4677 (1985) ) 。 例えば、 市販の aPC (protein C activated, from human plasma (ヒト 血漿由来), SIGMA, #P2200) を抗原として用いることができる。 抗原としては aPC またはその部分ぺプチド自体を用いることもできるし、 キヤリァー蛋白質に結合 させて免疫することもできる。 キャリアー蛋白質を用いる場合は、 例えば抗原で ある aPCをキャリアー蛋白質 (例えばサイログロブリン) に結合させた後、 アジュ パントを添加する。 アジュパントとしては、 フロイント完全アジュバント、 フロ イントの不完全なアジュパント等が挙げられ、 これらの何れのものを混合しても よい。
上記のようにして得られた抗原を哺乳動物、 例えばマウス、 ラット、 ハムスタ 一、 モルモッ ト、 ゥマ、 サル、 ゥサギ、 ャギ、 ヒッジなどの哺乳動物に投与する 。 免疫は、 既存の方法であれば何れの方法をも用いることができるが、 主として 静脈内注射、 皮下注射、 腹腔内注射などにより行う。 また、 免疫の間隔は特に限 定されず、 数日から数週間間隔で、 好ましくは 4〜21日間隔で免疫する。 抗原蛋白 質の免疫量は 1回にマウス 1匹当たり、 例えば 10〜100 ;u g (例えば 20〜40 g) を用いることができるが、 これに制限されない。
初回免疫前および 2回目以降の免疫から 3〜7日後に動物から採血し、 血清を抗 体力価について分析する。 また、 免疫応答を増幅するため、 ミヨウパン等の凝集 剤が好ましくは用いられる。 選択された哺乳動物抗体は通常、 抗原に対して十分 に強い結合親和性を有する。 抗体の親和性は、 飽和結合、 酵素結合ィムノソルべ ント検定法 (ELISA)、 及ぴ競合分析 (例えば、 放射性免疫分析)により決定すること ができる。
ポリクローナル抗体のスクリーニング法としては、 Antibodies, A Laboratory Manual (Cold Spring Harbor Laboratoriey 、 Harlow and David Lane edit. (1988) )に記載されるような慣用の交差結合分析を行うことができる。 また 、 代わりに、 例えば、 ェピトープマッピング (Champe et al., J. Biol. Chem. 270: 1388-1394 (1995) ) を行ってもよい。 ポリペプチドまたは抗体の効力の測定 方法として好ましいのは、 抗体結合親和性の定量化を用いた方法であるが、 その 他の態様では、 それに加えて、 または結合親和性測定に代えて抗体の 1若しくはそ れ以上の生物学的特性を評価する方法を含む。 このような分析法は特に、 抗体の 治療的な有効性を示すので有用である。 通常、 必ずしもではないが、 このような 分析において改善された特性を示す抗体はまた、 結合親和性も増幅されている。 モノクローナル抗体の調製におけるハイプリ ドーマの作製は、 例えば、 ミルス ティンらの方法 (Kohler, G. , and Milstein, C. , Methods Enzymol. 1981, 73, 3-46. ) 等に準じて行うことができる。 抗体産生細胞と融合させるミエローマ (骨 髄腫) 細胞として、 マウス、 ラット、 ヒ トなど種々の動物に由来し、 当業者が一 般に入手可能な株化細胞を使用する。 使用する細胞株としては、 薬剤抵抗性を有 し、 未融合の状態では選択培地 (例えば HAT培地) で生存できず、 融合した状態で のみ生存できる性質を有するものが用いられる。 一般的に 8—ァザグァニン耐性 株が用いられ、 この細胞株は、 ヒポキサンチンーグァニン一ホスホリボシルトラ ンスフェラーゼを欠損し、 ヒポキサンチン.アミノプテリン 'チミジン (HAT) 培 地に生育できないものである。 ミエローマ細胞は、 既に公知の種々の細胞株、 例 えば P3x63Ag8. 653 ( J. Immunol. (1979) 123: 1548 - 1550 ) 、 P3x63Ag8U. 1 ( Current Topics in Microbiology and Immunology (1978) 81 : 丄- 、 NS - 1 ( Kohler, G. and Milstein, C. , Eur. J. Immunol. (1976) 6: 511—519) 、 MPC - 11
(Margulies, D. H. et al. , Cell (1976) 8: 405—415) 、 SP2/0 (Shulman, M. et al. , Nature (1978) 276: 269-270) 、 F0 (de St. Groth, S. F. et al. , J. Immunol. Methods (1980) 35: 1-21) 、 S194 (Trowbridge, I. S. , J. Exp. Med. (1978) 148: 313-323) 、 R210 (Galfre, G. et al. , Nature (1979) 277: 131- 133 ) 、 P3U1 ( J. Exp. Med. 1979 ; 150 : 580; Curr Top Microbiol. Immunol. 1978 ; 81 : 1) 等が好適に使用される。 また、 ヒトミエローマ、 及び、 マウス-ヒト heteromyclomaセルラインも、 ヒトモノクローナ抗体の産生に用いることができる
(Kozbar, J. Immunol. 133 : 3001 (1984); Brodeur et al. , Monoclonal Antibody Production Techniques and Application, pp. 51 - 63 (Marcel Dekker, Inc., New- York, 1987) ) 。 抗体産生細胞は、 例えば最終の免疫日から 2〜3日後に犠牲死させ た動物から採取する。 抗体産生細胞としては、 脾臓細胞、 リンパ節細胞、 末梢血 細胞が挙げられるが、 一般に脾臓細胞が用いられる。 具体的には、 前記各種動物 から脾臓、 リンパ節等を摘出又は採取し、 これら組織を破砕する。 得られる破碎 物を PBS、 DMEM、 RPMI 1640等の培地又は緩衝液に懸濁し、 ステンレスメッシュ等で 濾過後、 遠心分離を行うことにより目的とする抗体産生細胞を調製する。
次に、 上記ミエローマ細胞と抗体産生細胞とを細胞融合させる。 細胞融合は、 MEM、 DMEM、 RPMI- 1640培地などの動物細胞培養用培地中で、 ミエローマ細胞と抗 体産生細胞とを、 混合比 1 : 1〜1 : 20 で融合促進剤の存在下、 30〜37°Cで 1〜15分 間接触させることによって行われる。 細胞融合を促進させるためには、 平均分子 量 1,000〜6, 000 (Da) のポリエチレングリコール、 ポリビュルアルコール又はセ ンダイウィルスなどの融合促進剤や融合ウィルスを使用した市販の細胞融合装置 を用いて抗体産生細胞とミエローマ細胞とを融合させることもできる。 細胞融合処理後の細胞から目的とするハイプリ ドーマを選別する。 その方法と して、 選択培地における細胞の選択的増殖を利用する方法等が挙げられる。 すな わち、 細胞懸濁液を適切な培地で希釈後、 マイクロタイタープレート上にまき、 各ゥエルに選択培地 (HAT培地など) を加え、 以後適当に選択培地を交換して培養 を行う。 その結果、 生育してくる細胞をハイプリ ドーマとして得ることができる また別の態様として、 McCaffertyら(Nature 348: 552-554 (1990) )により記載さ れた技術を用いて製造された抗体ファージライブラリーより抗体、 または抗体断 片は単離することができる。 Clacksonら(Nature 352: 624-628 (1991) )、 及ぴ Marksら(J. Mol. Biol. 222 : 581 - 597 (1991) )は、 各々、 ファージライプラリーを用 いたマウス及ぴヒト抗体の単離について記載している。 また、 高親和性 (nM範囲) ヒ ト抗体のチェーンシャッフリングによる製造(Marks et al. , Bio/Technology 10 : 779 - 783 (1992))、 そして、 巨大なファージライブラリーを構築するための方 法としてのコンビナトリアル感染、 及び in vivo組換え(Waterhouse et al. , Nucleic Acids Res. 21 : 2265-2266 (1993) )などが知られている。 これらの技術も 、 モノクローナル抗体の単離のために従来のモノクローナル抗体ハイプリ ドーマ 技術に代えて利用し得る。
本発明の非中和抗 aPC抗体は、 例えば以下のスクリーニングにより選択すること ができる。
• 1次スクリーニング
抗体の結合特異性を、 公知技術、 例えば EIA (ェンザィムィムノアツセィ) 、 RIA (ラジオィムノアツセィ) 、 ELISA (酵素連結ィムノソルベントアツセィ) 、 HTRF ( homogenous time-resolved fluorescence ) 、 または蛍光免疫法等 ( Antibodies A Laboratory Manual. Ed Harlow, David Lane, Cold Spring Haroor Laboratory, 1988) により測定し、 aPCへ結合するものを選択する。
• 2次スクリーニング ヒト血漿を用いて APTT (活' I"生化部分トロンポプラスチン時間) を測定し、 aPCの 抗血液凝固作用を増強する抗体を選択する。 または、 aPCに MTまたは PCIを添加し aPCの不活化を測定し、 MTおよび/または PCIによる aPC不活化を阻害する抗体を選 択する。 例えば、 ハイプリ ドーマなどの抗体産生細胞から得られた抗体を用いて アツセィしているならば、 目的の活性を有する抗体を産生する抗体産生細胞を同 定し、 クローンを限界希釈法によりサブクローニングし、 標準的な方法により生 肯させる ( Goding, Monoclonal Antioodies: Principals an Practice, pp. 59- 103, Academic Press, 1986) 。 培養培地としては、 例えば D- MEMまたは RPIM - 1640培地を用いることができる。 スクリーニングを繰り返して、 より強い aPC不活 化抑制抗体を産生する抗体産生細胞 (ハイプリ ドーマなど) を選択することによ り、 抗体産生細胞のクローニングを行うことが可能である。
本発明の抗体は、 血液または aPC阻害物質による aPCの不活性化を抑制する抗体 である。 このような抑制レベルは不活性化抑制率 (%)と定義され、 血液または aPC 阻害物質により不活性化した場合の aPCの活性と同レベルの aPC活性を 0%、 しない 場合の aPC活性と同レベルの aPC活性を 100%とした相対値で表される。 .
不活性化抑制率は適宜抗体の用量を変えながら至適条件で測定すればよく、 具 体的には、 以下の手順で決定することができる。 lO /x g/mLの aPC (SIGMA, P-2200 など) 溶液 と 40 / Lの抗体溶液 (ハイプリ ドーマのスクリーニングであれば 、 例えばハイプリ ドーマ培養上清) あるいはコントロールとして抗体を含まない 溶液 (例えばミエローマ細胞の培養上清または HAT培地など) を混合し、 室温で一 定時間 (例えば 60分) インキュベートする。 この混合液に血漿 (例えばヒ ト標準 血漿) を 50 / L添加し、 さらに室温で一定時間 (例えば 60分) インキュベートする 。 APTT試薬 (例えば DADE BEHRING、 GAA-200A) 50 ;u Lを添カロする。 血漿とインキ ュベーションを行わない aPCの血液凝固時間は、 APTT試薬添加直前に血漿に加えて 測定する。 例えば 37°Cで 3分間インキュベートした後、 20 mmol/L CaCl2 (例えば DADE BEHRING, GMZ-310) 50 μ ίを添カ卩し、 凝固までの時間を測定する。 血液凝固 時間は、 血液凝固自動測定装置 (例えば Amelung、 KC-10A) などにより測定する ことができる。
血漿とインキュベートしなかった aPCを加えた場合の凝固時間 (a) を 100%、 コ ントロールとして抗体を含まない溶液 (例えば上記のようにミエローマ細胞の培 養上清など) とインキュベート後に血漿とインキュベートした aPCを加えた場合の 凝固時間 (b) を 0%とし、 ハイプリ ドーマ培養上清などの抗体溶液とインキュべ ート後に血漿とインキュベートした aPCを加えた場合の凝固時間 (c) 力 ら、 ハイ プリ ドーマ培養上清などの抗体溶液の凝固時間延長に対する作用を求める (不活 性化抑制率 (%) = { (c-b) / (a-b) } X 100) 。 この値が大きいほど、 aPC不活性化に 対する抑制作用が強いと判断される。 S - 2366等の基質化合物を用いて aPC活性を測 定する場合でも、 上記と同様に抗体とインキュベートせずに血漿で不活性化させ た aP (:、 およぴ血漿とインキュベートしない aPCを比較に用いて aPC活性を測定し、 不活性ィヒ抑制率 (%)を算出することができる。 本発明の抗体は、 この不活化抑制率 (%)が、 好ましくは 10以上、 より好ましくは 15以上、 より好ましくは 18以上、 よ り好ましくは 20以上、 より好ましくは 25以上、 より好ましくは 30以上、 より好ま しくは 35以上、 より好ましくは 40以上、 より好ましくは 45以上、 より好ましくは 50以上である。
あるいは、 本発明の抗体は、 好ましくは PCIまたは AATなどの aPC阻害物質の aPC 不活化に対する阻害作用を有している。 この作用は、 低分子基質を用いた chroraogenic assayにより測定することができる。 一例を挙げれば、 精製抗体溶液 40 μ Lと 10 μ g/mLの aPC溶液 10 しとを室温で 60分間反応させる。 aPCと抗体の混合 液 50 / Lをへパリン 10 Uを含む buffer (最終濃度: 70 mmol/L Tris pH8. 0, 125 mraol/L NaCl, 10 mmol/L CaCl2, 0. 1% BSA) に加え 180 Lとする。 組み換え PCI (Flagタグ付き) 100 ;z g/mLを 20 /i L添加し、 37°Cで 30分間反応させる。 低分子基質 S-2366 (2 mmol/L) 50 を添加し、 60分後の吸光度(405 nm)を測定する。
PCI未添加 aPCを用いた場合の吸光度に比べ、 PCIを添加すると吸光度は低下する 。 PCIの添加による aPC活性を 0%、 PCI未添加の aPC活性を 100%として、 抗体の相 対活性を吸光度の平均値を基にもとめる。 本発明の抗体は、 この相対値が好まし くは 1以上、 より好ましくは 2以上、 より好ましくは 3以上、 より好ましくは 5以上 、 より好ましくは 7以上、 より好ましくは 10以上、 より好ましくは 12以上である。 本発明の抗体は、 例えば、 上記の血漿を用いた APTT測定による抗血液凝固作用 または上記の PCIの aPC不活化に対する阻害作用のどちらかを有しているものであ つてよいが、 より好ましくは、 これらの両方の活性を有している。 すなわち本発 明の抗体は、 好ましくは血液および aPC阻害物質による aPCの不活性化を抑制する 抗体である。
本発明の抗体は、 例えば aPCの生理的阻害物質と相互作用する aPC部位に結合す る抗体であってよい。 そのような aPCのアミノ酸としては、 例えば E215、 S216、 ま たは S336 が同定されている (Shen, L., Biochemistry 39 :2853-2860 (2000) ) 。 本発明の抗体は、 aPC中のこれらのいずれかのアミノ酸あるいはその近傍 (例え ば 10アミノ酸以内の部位) に結合する抗体であってよい。 このような抗体を作製 するには、 目的の aPC部分を含むオリゴペプチドを合成し、 それを抗原として動物 に免疫して抗体を産生させればよい。 なお、 aPC活性部位として、 H211、 D257、 お ょぴ S360 が知られている (Foster, D. C. , Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82 :4673-4677 (1985) ) 。 これらのアミノ酸を含む領域に結合する抗体は、 aPCの 活性を阻害する可能性があることから好ましくないと考えられる。
取得したハイブリ ドーマからモノクローナル抗体を採取する方法としては、 通 常の細胞培養法や腹水形成法等が挙げられる。 細胞培養法においては、 ハイプリ ドーマを 10〜20%ゥシ胎児血清含有 RPMI- 1640培地、 MEM培地、 又は無血清培地等 の動物細胞培養培地中で、 通常の培養条件 (例えば 37°C、 5%C02濃度) で 2〜14 日間培養し、 その培養上清から抗体を取得する。 腹水形成法においては、 ミエ口 一マ細胞由来の哺乳動物と同種の動物の腹腔内にハイプリ ドーマを投与し、 ハイ プリ ドーマを大量に増殖させる。 そして、 1〜4週間後に腹水又は血清を採取する 。 腹水形成を促進するために、 例えばプ リ ス タ ン ( 2, 6, 10, 14 - tetraraethylpentadecane) などを予め腹腔内投与することができる。
本発明で使用される抗体は、 プロテイン A -セファロース、 ハイドロキシァパタ イトクロマトグラフィー、 硫黄塩析法、 イオン交換クロマトグラフィー、 ァフィ 二ティーク口マトグラフィーなどの公知の方法を適宜選択して、 又はこれらを組 み合わせることにより精製することができる。
また、 本発明では、 上記の方法にしたがって得られた抗体の遺伝子をハイプリ ドーマからクローユングし、 適当なベクターに組み込んで、 これを宿主に導入し 、 遺伝子組換え技術を用いて産生させた遺伝子組換え型抗体を用いることができ る (例えば、 Carl, A. K. Borrebaeck, James, W. Larrick, THERAPEUTIC MONOCLONAL ANTIBODIES, Published in the United Kingdom by MCMILLAN PUBLISHERS LTD, 1990参照) 。 本発明は、 本発明の抗体をコードする核酸おょぴ 該核酸を有するベクターを提供する。 具体的には、 ハイプリドーマの mRNAから逆 転写酵素を用いて抗体の可変領域 (V領域) の cDNAを合成する。 目的とする抗体の V領域をコードする DNAが得られれば、 これを所望の抗体定常領域 (C領域) をコー ドする DNAと連結し、 これを発現ベクターへ組み込む。 または、 抗体の V領域をコ ードする DNAを、 抗体 C領域の DNAを含む発現べクタ一^組み込んでもよい。 発現制 御領域、 例えば、 ェンハンサー、 プロモーターの制御のもとで発現するよう発現 ベクターに組み込む。 次に、 この発現ベクターにより宿主細胞を形質転換し、 抗 体を発現させることができる。 本発明は、 本発明の抗体を発現する細胞を提供す る。 本発明の抗体を発現する細胞としては、 このような抗体遺伝子で形質転換さ れた細胞、 およびハイプリ ドーマが含まれる。
本発明の抗体としては、 実施例において単離されたいずれかのモノクローナル 抗体 (表 1 ) とェピトープが重複する (または同一の) 抗体が特に好ましい。 こ のような抗体を、 本発明においては実質的に同じ部位に結合する抗体と呼ぶ。 例 えば、 実施例に記載のモノクローナル抗体のェピトープを、 aPCの部分ペプチドな どを用いた公知のェピトープマッピング法により解析し、 同定されたェピトープ を含むペプチドを抗原に用いて、 これに結合する抗体を調製することにより、 上 記モノクロ^ "ナル抗体の aPC結合部位と実質的に同じ部位に結合する抗体を得るこ とができる。 このような抗体は、 aPC活性の低下に対して実施例で単離した抗体と 同様の抑制作用を発揮することが期待される。 2つの抗体が抗原蛋白質と実質的 に同じ部位に結合するかどうかは、 例えば競合実験により決定することができる 。 具体的には、 第一の抗 aPC抗体と aPCとの結合が、 第二の抗 aPC抗体によって競合 阻害を受けるとき、 第一の抗体と第二の抗体は実質的に同じ抗原部位に結合して いると判断される。 このように、 実施例で単離した抗体の aPC結合部位と実質的に 同じ部位に結合する抗体であって、 血液および/または aPC阻害物質による aPCの不 活性化を阻害する作用を有する抗体は本発明に含まれる。
また本発明の抗体には、 実施例において単離されたいずれかのモノクローナル 抗体 (表 1 ) の相補性決定領域 (CDRs) またはこれと機能的に同等の相補性決定 領域を含む抗体が含まれる。 機能的に同等とは、 実施例において単離されたいず れかのモノクローナル抗体の CDRsのアミノ酸配列と類似したアミノ酸配列を有し 、 血液および/または aPC阻害物質による aPCの不活性ィ匕を阻害する作用を有するこ とを言う。 CDRとは抗体の可変領域 (V領域とも言う) に存在する抗原への結合の 特異性を決定している領域であり、 H鎖と L鎖にそれぞれ 3箇所ずつ存在し、 それぞ れ N末端側から CDR1、 CDR2、 CDR3と命名されている。 CDRを挟むようにフレームヮ ークと呼ばれるァミノ酸配列の保存性の高い 4つの領域が介在する。 CDRは他の抗 体に移植することが可能であり、 所望の抗体のフレームワークと組み合わせるこ とにより組み換え抗体を作製することができる。 また抗原に対する結合性を維持 しながら 1または数個の CDRのアミノ酸を改変することが可能である。 例えば、 CDR中の 1または数個のアミノ酸を、 置換、 欠失、 および/または付加することが できる。
変異するアミノ酸残基においては、 アミノ酸側鎖の性質が保存されている別の アミノ酸に変異されることが望ましい。 例えばアミノ酸側鎖の性質としては、 疎 水性アミノ酸 (A、 I、 L、 M、 F、 P、 W、 Y、 V) 、 親水性アミノ酸 (R、 D、 N、 C、 E 、 Q、 G、 H、 K、 S、 T) 、 脂肪族側鎖を有するアミノ酸 (G、 A、 V、 L、 I、 P) 、 水 酸基含有側鎖を有するアミノ酸 (S、 Τ、 Υ) 、 硫黄原子含有側鎖を有するアミノ酸 (C、 M) 、 カルボン酸及ぴアミド含有側鎖を有するアミノ酸 (D、 N、 E、 Q) 、 塩 基含有側鎖を有するアミノ離 (R、 K、 Η) 、 芳香族含有側鎖を有するアミノ酸 (Η 、 F、 Y、 W) を挙げることができる (括弧内はいずれもアミノ酸の一文字標記を表 す) 。 これらの各グループ内のアミノ酸の置換を保存的置換と称す。 あるアミノ 酸配列に対する 1又は複数個のァミノ酸残基の欠失、 付加及び/又は他のァミノ 酸による置換により修飾されたァミノ酸配列を有するポリぺプチドがその生物学 的活性を維持することはすでに知られている (Mark, D. F. et al. , Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1984) 81, 5662—5666 、 Zoller, M. J. &amp ; Smith, M. Nucleic Acids Research (1982) 10, 6487 - 6500 、 Wang, A. et al. , Science 224, 1431-1433 、 Dalbadie— McFarland, G. et al: , Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1982) 79, 6409-6413) 。 変異するアミノ'酸数は特に制限されないが、 通常 、 各 CDRのアミノ酸の 40%以内であり、 好ましくは 35%以内であり、 さらに好まし くは 30%以内 (例えば、 25%以内) である。 アミノ酸配列の同一性は本明細書に 記載したようにして決定すればよい。
本発明に含まれる抗体には、 実施例に記載した #79、 #123、 #281、 または #285の CDRsと機能的に同等の相補性決定領域を含む抗体が含まれる。 このような抗体と しては、 例えば DSYMN (配列番号: 9) 、 EVYPETGNSYYNEKFKG (配列番号: 10) 、 および GGTGFDY (配列番号: 11) のァミノ酸配列からなる 3つの CDRまたはこれら と機能的に同等の CDRを有する抗体が挙げられる。 それぞれのアミノ酸配列は、 抗 体 H鎖の CDR1、 CDR2、 および CDR3に対応する。 これらの CDRを、 所望の H鎖可変領域 のフレームワークの間の CDR1、 CDR2、 および CDR3に相当する位置に挿入すれば、 本発明の抗体を作製することができる。 上記の各 CDRのアミノ酸は、 適宜置換など により改変してもよい。 例えば、 各 CDRのアミノ酸を保存的に置換された抗体は本 発明の抗体に含まれる。 これらの抗体は、 クローン #79と同等の活性を有すること が期待される。
上記の H鎖 CDRを含む抗体には、 適宜抗体 L鎖の可変領域を組み合わせて用いるこ とができる。 L鎖 CDRとしては、 例えば TASSSVSSSYLH (配列番号: 21 ) 、 STSNLASGAPT (配列番号: 22) 、 および YHRSPFT (配列番号: 23) のアミノ酸配列 からなる CDRまたはこれらと機能的に同等の CDRを組み合わせることが好ましい。 それぞれのアミノ酸配列は、 抗体 L鎖の CDR1、 CDR2、 および CDR3に対応する。 また 、 これらの L鎖 CDRsは、 上記の H鎖とは独立に用いてもよい。 これらの CDRは、 所望 の L鎖可変領域のフレームワークの間の CDR1、 CDR2、 および CDR3に相当する位置に 挿入される。 上記の各 CDRのアミノ酸は、 適宜置換などにより改変してもよい。 例 えば、 各 CDRのァミノ酸を保存的に置換された抗体は本発明の抗体に含まれる。 具体的には、 本発明の抗体には、 以下の H鎖相補性決定領域を有する抗体であつ て、 血液および/または aP邙且害物質による aPCの不活性化を阻害する作用を有する 抗体が含まれる。
( a ) 配列番号: 9、 10、 および 11に記載のアミノ酸配列からなる相補性決定領域
( b ) 配列番号: 9、 10、 および 11の任意のアミノ酸を保存的置換した配列からな る相補性決定領域。
( c ) 配列番号: 9の 2個以内、 配列番号: 10の 8個以内、 および配列番号: 11の 3 個以内のアミノ酸が、 置換、 欠失および/または付カ卩されたアミノ酸配列からなる 相補性決定領域。
( d ) 配列番号: 9、 10、 および 11とそれぞれ 70%以上の同一性を有するアミノ酸 配列からなる相補性決定領域。
ここで (c ) におけるアミノ酸の改変数は、 好ましくは配列番号: 9のうち 1個 である。 また好ましくは配列番号: 10の 7個以内、 さらに好ましくは 6個以内、 さ らに好ましくは 5個以内、 さらに好ましくは 4個以内、 さらに好ましくは 3個以内、 さらに好ましくは 2または 1個である。 また好ましくは配列番号: 11の 2個以内、 さ らに好ましくは 1個である。 また (d ) における同一生は、 好ましくは 75%以上、 さらに好ましくは 80%以上、 さらに好ましくは 90%以上、 さらに好ましくは 95% 以上である。
また本発明の抗体には、 以下の L鎖相補性決定領域を有する抗体であって、 血液 および/または aPC阻害物質による aPCの不活性化を阻害する作用を有する抗体が含 まれる。
( a ) 配列番号: 21、 22、 および 23に記載のアミノ酸配列からなる相補性決定領 域。
( b ) 配列番号: 21、 22、 および 23の任意のアミノ酸を保存的置換した配列から なる相補性決定領域。
( c ) 配列番号: 21の 5個以内、 配列番号: 22の 5個以内、 および配列番号: 23の 3 個以内のアミノ酸が、 置換、 欠失および/または付加されたアミノ酸配列からなる 相補性決定領域。
( d ) 配列番号: 21、 22、 および 23とそれぞれ 70%以上の同一性を有するアミノ酸 配列からなる相補性決定領域。
ここで (c ) におけるアミノ酸の改変数は、 好ましくは配列番号: 21の 4個以内 、 さらに好ましくは 3個以内、 さらに好ましくは 2個以内、 さらに好ましくは 1個で ある。 また好ましくは配列番号: 22の 4個以内、 さらに好ましくは 3個以内、 さら に好ましくは 2個以内、 さらに好ましくは 1個である。 また好ましくは配列番号: 23の 2個以内、 さらに好ましくは 1個である。 また (d ) における同一性は、 好ま しくは 75%以上、 さらに好ましくは 80%以上、 さらに好ましくは 90%以上、 さら に好ましくは 95%以上である。 特に、 これらの H鎖相補性決定領域と L鎖相補性決 定領域の両方を有する抗体は、 本発明の抗体として好適である。 また本発明の抗体と しては、 (S/R) SWMN (配列番号 : 31 ) 、 RIYPGDGD (T/S) (N/I) YNGKF (R/K) G ( 配 列 番 号 : 32 ) 、 お よ び WG (I/S) (T/S) (T/G) (A/S) (A/S) WFAY (配列番号: 33) のァミノ酸配列からなる CDR またはこれらと機能的に同等の CDRを有する抗体が挙げられる。 上記と同様に、 そ れぞれのアミノ酸配列は、 抗体 H鎖の CDR1、 CDR2、 および CDR3に相当する。 このよ うな抗体の H鎖 CDRとして好ましいァミノ酸配列をより具体的に例示すれば、 CDR1 としては SSWM (配列番号: 12) または RSWMN (配列番号: 18) 、 CDR2としては RIYPGDGDTNYNGKFRG (配列番号: 13) または RIYPGDGDSIYNGKFKG (配列番号: 19) 、 CDR3としては WGITTAAWFAY (配列番号: 14) または WGSSGSSWFAY (配列番号: 20) が挙げられる。 具体的には、 モノクローナル抗体 #123または #285の H鎖の CDR1, 2, および 3の組み合わせを用いることができる。 これらの抗体は、 #123ま たは #285と同等の活性を有することが期待される。 この場合は L鎖 CDRsとして、 例 えば RTSENIYSYLA (配列番号: 24) 、 NAKTLAEGVPS (配列番号: 25) 、 および YYG (T/S) P (P/Y) T (配列番号: 34) のァミノ酸配列からなる CDRまたはこれらと機 能的に同等の CDRを組み合わせることが好ましい。 それぞれのァミノ酸配歹 IJは、 抗 体 L鎖の CDR1、 CDR2、 および CDR3に対応する。 また、 これらの L鎖 CDRsは、 上記の H 鎖とは独立に用いてもよい。 L鎖 CDR3として好ましいアミノ酸配列をより具体的に 例示すれば、 YYGTPPT (配列番号: 26) または YYGSPYT (配列番号: 30) が用いら れるが、 これらの配列には制限されない。
具体的には、 本発明の抗体には、 以下の H鎖相補性決定領域を有する抗体であつ て、 血液および/または aPCP且害物質による aPCの不活性化を阻害する作用を有する 抗体が含まれる。
( a ) 配列番号: 31、 32、 および 33に記載のアミノ酸配列からなる相補性決定領 域。
( b ) 配列番号: 31、 32、 および 33の任意のアミノ酸を保存的置換した配列から なる相補性決定領域。 ( c ) 配列番号: 31の 2個以内、 配列番号: 32の 8個以内、 および配列番号: 33の 5 個以内のアミノ酸が、 置換、 欠失および/または付加されたアミノ酸配列からなる 相補性決定領域。
( d ) 配列番号: 31、 32、 および 33とそれぞれ 70%以上の同一性を有するアミノ酸 配列からなる相補性決定領域。
ここで (c ) におけるアミノ酸の改変数は、 好ましくは配列番号: 31の 1個であ' る。 また好ましくは配列番号: 32の 7個以内、 さらに好ましくは 6個以内、 さらに 好ましくは 5個以内、 さらに好ましくは 4個以内、 さらに好ましくは 3個以内、 さら に好ましくは 2または 1個である。 また好ましくは配列番号: 33の 4個以内、 さら に好ましくは 3個以内、 さらに好ましくは 2個以内、 さらに好ましくは 1個である。 また (d ) における同一性は、 好ましくは 75%以上、 さらに好ましくは 80%以上 、 さらに好ましくは 90%以上、 さらに好ましくは 95%以上である。
また本発明の抗体には、 以下の L鎖相補性決定領域を有する抗体であって、 血液 および/または aPC阻害物質による aPCの不活性ィ匕を阻害する作用を有する抗体が含 まれる。
( a ) 配列番号: 24、 25、 および 34に記載のアミノ酸配列からなる相補性決定領 域。
( b ) 配列番号: 24、 25、 および 34の任意のアミノ酸を保存的置換した配列から なる相補性決定領域。
( c ) 配列番号: 24の 5個以内、 配列番号: 25の 5個以内、 および配列番号: 34の 4 個以内のアミノ酸が、 置換、 欠失および/または付加されたアミノ酸配列からなる 相補性決定領域。
( d ) 配列番号: 24、 25、 および 34とそれぞれ 70%以上の同一性を有するアミノ酸 配列からなる相補性決定領域。
ここで ( c ) におけるァミノ酸の改変数は、 好ましくは配列番号: 24の 4個以内 、 さらに好ましくは 3個以内、 さらに好ましくは 2個以内、 さらに好ましくは 1個で ある。 また好ましくは配列番号: 25の 4個以内、 さらに好ましくは 3個以内、 さら に好ましくは 2個以内、 さらに好ましくは 1個である。 また好ましくは配列番号: 34の 3個以内、 さらに好ましくは 2個以内、 さらに好ましくは 1個である。 また (d ) における同一性は、 好ましくは 75%以上、 さらに好ましくは 80%以上、 さらに 好ましくは 90%以上、 さらに好ましくは 95%以上である。 特に、 これらの H鎖相捕 性決定領域と L鎖相補性決定領域の両方を有する抗体は、 本発明の抗体として好適 である。
また本発明の抗体としては、 DYSLH (配列番号: 15) 、 WINTETGEPTYADDLKG (配 列番号: 16) 、 および GITLDY (配列番号: 17) のアミノ酸配列からなる CDRまた はこれらと機能的に同等の CDRを有する抗体が挙げられる。 上記と同様に、 それぞ れのアミノ酸配列は、 抗体 H鎖の CDR1、 CDR2、 および CDR3に相当する。 これらの抗 体は、 #281と同等の活性を有することが期待される。 この場合は L鎖 CDRとして、 例えば KSSQSLLSSSNQKNFLA (配列番号: 27) 、 SWASTRHSGVPD (配列番号: 28) 、 および YYRYPLT (配列番号: 29) のァミノ酸配列からなる CDRまたはこれらと機能 的に同等の CDRを組み合わせることが好ましい。 それぞれのァミノ酸配列は、 抗体 L鎖の CDR1、 CDR2、 および CDR3に対応する。
具体的には、 本発明の抗体には、 以下の H鎖相補性決定領域を有する抗体であつ て、 血液および/または aPC阻害物質による aPCの不活性ィ匕を阻害する作用を有する 抗体が含まれる。
( a ) 配列番号: 15、 16、 および 17に記載のアミノ酸配列からなる相補性決定領 域。
( b ) 配列番号: 15、 16、 および 17の任意のアミノ酸を保存的置換した配列から なる相補性決定領域。
( c ) 配列番号: 15の 2個以内、 配列番号: 16の 8個以内、 および配列番号: 17の 5 個以内のアミノ酸が、 置換、 欠失および/または付加されたアミノ酸配列からなる 相補性決定領域。 ( d ) 配列番号: 15、 16、 および 17とそれぞれ 70%以上の同一性を有するアミノ酸 配列からなる相補性決定領域。
( c ) におけるアミノ酸の改変数は、 好ましくは配列番号: 15の 1個である。 ま た好ましくは配列番号: 16の 7個以内、 さらに好ましくは 6個以内、 さらに好まし くは 5個以内、 さらに好ましくは 4個以内、 さらに好ましくは 3個以内である。 また 好ましくは配列番号: 17の 4個以内、 さらに好ましくは 3個以内、 さらに好ましく は 2個以内、 さらに好ましくは 1個である。 また (d ) における同一性は、 好まし くは 75%以上、 さらに好ましくは 80%以上、 さらに好ましくは 90%以上、 さらに 好ましくは 95%以上である。
また本発明の抗体には、 以下の L鎖相補性決定領域を有する抗体であって、 血液 および/または aPC阻害物質による aPCの不活性ィヒを阻害する作用を有する抗体が含 まれる。
( a ) 配列番号: 27、 28、 および 29に記載のアミノ酸配列からなる相補性決定領 域。
( b ) 配列番号: 27、 28、 および 29の任意のアミノ酸を保存的置換した配列から なる相補性決定領域。
( c ) 配列番号: 27の 8個以内、 配列番号: 28の 5個以内、 および配列番号: 29の 3 個以内のアミノ酸が、 置換、 欠失およぴ /または付加されたァミノ酸配列からなる 相補性決定領域。
( d ) 配列番号: 27、 28、 および 29とそれぞれ 70%以上の同一性を有するアミノ酸 配列からなる相補性決定領域。
( c ) におけるァミノ酸の改変数は、 好ましくは配列番号: 27の 7個以内、 さら に好ましくは 6個以内、 さらに好ましくは 5個以内、 さらに好ましくは 4個以内、 さ らに好ましくは 3個以内、 さらに好ましくは 2個以内、 さらに好ましくは 1個である 。 また好ましくは配列番号: 28の 4個以内、 さらに好ましくは 3個以内、 さらに好 ましくは 2個以内、 さらに好ましくは 1個である。 また好ましくは配列番号: 29の 2 個以内、 さらに好ましくは 1個である。 また (d ) における同一†生は、 好ましくは 75%以上、 さらに好ましくは 80%以上、 さらに好ましくは 90%以上、 さらに好ま しくは 95%以上である。 特に、 これらの H鎖相補性決定領域と L鎖相補性決定領域 の両方を有する抗体は、 本発明の抗体として好適である。
また本発明の抗体としては、 配列番号: 1、 2、 3、 または 4のアミノ酸配列から なる抗体 H鎖可変領域またはこれらと機能的に同等の可変領域を有する抗体が挙げ られる。 この場合は L鎖として、 それぞれ配列番号: 5、 6、 7、 または 8のアミノ酸 配列からなる可変領域またはこれらと機能的に同等の可変領域を持つ L鎖を組み合 わせることが好ましい。 具体的には、 本発明の抗体には、 以下の H鎖可変領域を有 する抗体であって、 血液および/または aPC阻害物質による aPCの不活性ィ匕を阻害す る作用を有する抗体が含まれる。
( a ) 配列番号: 1、 2、 3、 または 4に記載のアミノ酸配列からなる可変領域。
( b ) 配列番号: 1、 2、 3、 または 4の任意のアミノ酸を保存的置換した配列から なる可変領域。
( c ) 配列番号: 1、 2、 3、 または 4において 1または複数のアミノ酸が置換、 欠 失および/または付加されたァミノ酸配列からなる可変領域。
( d ) 配列番号: 1、 2、 3、 または 4とそれぞれ 70%以上の同一性を有するアミノ酸 配列からなる可変領域。
( c ) におけるアミノ酸の改変数は、 好ましくは 30個以内、 さらに好ましくは 25個以内、 さらに好ましくは 20個以内、 さらに好ましくは 15個以内、 さらに好ま しくは 10個以内、 さらに好ましくは 5個以内である。 また (d ) における同一性は 、 好ましくは 75%以上、 さらに好ましくは 80%以上、 さらに好ましくは 90%以上 、 さらに好ましくは 95%以上である。
また本発明の抗体には、 以下の L鎖可変領域を有する抗体であって、 血液おょぴ /または aPC阻害物質による aPCの不活性ィヒを阻害する作用を有する抗体が含まれる ( a ) 配列番号: 5、 6、 7、 または 8に記載のアミノ酸配列からなる可変領域。
( b ) 配列番号: 5、 6、 7、 または 8の任意のアミノ酸を保存的置換した配列から なる可変領域。
( c ) 配列番号: 5、 6、 7、 または 8において 1または複数のアミノ酸が置換、 欠 失および/または付加されたァ.ミノ酸配列からなる可変領域。
( d ) 配列番号: 5、 6、 7、 または 8とそれぞれ 70%以上の同一性を有するアミノ酸 配列からなる可変領域。
( c ) におけるアミノ酸の改変数は、 好ましくは 30個以内、 さらに好ましくは 25個以内、 さらに好ましくは 20個以内、 さらに好ましくは 15個以内、 さらに好ま しくは 10個以内、 さらに好ましくは 5個以内である。 また (d ) における同一†生は 、 好ましくは 75%以上、 さらに好ましくは 80%以上、 さらに好ましくは 90%以上 、 さらに好ましくは 95%以上である。 特に、 これらの H鎖可変領域と L鎖可変領域 の両方を有する抗体は、 本発明の抗体として好適である。
アミノ酸配列を改変するには、 例えばアミノ酸配列を改変した可変領域をコー ドする複数のオリゴヌクレオチドを合成し、 これらを基に PCRにより可変領域をコ 一ドする核酸を生成させる。 これを適当な発現ベクターに組み込んで発現させる ことにより、 所望の CDRを有する抗体を得ることができる。 例えば、 オリゴヌタレ ォチドの合成時に塩基を混合させて、 CDRの特定の位置に様々なァミノ酸を有する 抗体をコードする DNAライプラリーを作製する。 このライブラリーから、 aPCに結 合しその活性抑制を阻害する抗体をコードするクローンを選択することによって 、 本発明の抗体を得ることができる。 本発明は、 本発明の抗体をコードする核酸 、 該核酸を含むベクター、 およぴ該核酸または該ベクターを含む宿主細胞に関す る。 核酸は DNAであっても RNAであってもよい。 ベクターは、 プラスミド、 ファー ジ、 ゥイノレスべクタ一等の公知のベクターであってよい。 宿主細胞は、 パクテリ ァ、 酵母、 昆虫、 植物細胞、 および哺乳動物細胞などが含まれる。 本発明では、 ヒ トに対する異種抗原性を低下させること等を目的として人為的 に改変した遺伝子組換え型抗体、 例えば、 キメラ (Chimeric) 抗体、 ヒ ト化 ( Humanized) 抗体などを使用できる。 これらの改変抗体は、 既知の方法を用いて製 造することができる。 キメラ抗体は、 抗体の可変領域と定常領域が互いに異種で ある抗体などが挙げられ、 例えばヒ ト以外の哺乳動物、 例えば、 マウス抗体の重 鎖、 軽鎖の可変領域とヒ ト抗体の重鎖、 軽鎖の定常領域からなる抗体が挙げられ る。 このような抗体は、 マウス抗体の可変領域をコードする DNAをヒ ト抗体の定常 領域をコードする DNAと連結し、 これを発現ベクターに組み込んで宿主に導入し産 生させることにより得ることができる。
ヒ ト化抗体は、 再構成 (reshaped) ヒ ト抗体とも称され、 ヒ ト以外の哺乳動物 、 例えばマウス抗体などの非ヒ ト抗体の重鎖または軽鎖の相補性決定領域 (CDR; complementarity determining region をヒ ト饥体の相補个生決疋領域に さ たものであり、 その一般的な遺伝子組換え手法も知られている (例えば、 Jones et al. , Nature 321: 522—525 (1986); Reichmann et al. , Nature 332: 323 - 329 (1988) ; Presta Curr. Op. Struct. Biol. 2: 593 - 596 (1992)参照) 。 具体的には、 マウス抗体の CDRとヒト抗体のフレームワーク領域 (framework region; FR) を連 結するように設計した DNA配列を、 末端部にオーバーラップする部分を有するよう に作製した数個のオリゴヌクレオチドから PCR法により合成する。 得られた DNAを ヒ ト抗体定常領域をコードする DNAと連結し、 次いで発現ベクターに組み込んで、 これを宿主に導入し産生させることにより得られる (欧州特許出願公開番号 EP 239400、 国際特許出願公開番号 W0 96/02576参照) 。 CDRを介して連結されるヒ ト 抗体の FRは、 相補性決定領域が良好な抗原結合部位を形成するものが選択される 。 ヒ ト化抗体は、 レシピエント抗体に導入させた CDRまたはフレームワーク配列の どちらにも含まれないアミノ酸残基を含んでいてもよい。 通常、 このようなアミ ノ酸残基の導入は、 抗体の抗原認識 ·結合能力をより正確に至適化するために行 われる。 例えば必要に応じ、 再構成ヒ ト抗体の相補性決定領域が適切な抗原結合 部位を形成するように抗体の可変領域のフレームワーク領域のアミノ酸を置換し てもよい (Sato, K. et al. , Cancer Res. (1993) 53, 851 - 856) 。
また、 ヒト抗体の取得方法も知られている。 例えば、 ヒトリンパ球を in vitro で所望の抗原または所望の抗原を発現する細胞で感作し、 感作リンパ球をヒトミ エローマ細胞、 例えば U266と融合させ、 抗原への結合活性を有する所望のヒト抗 体を得ることもできる (特公平 1 - 59878参照) 。 また、 ヒト抗体遺伝子の一部ま たは全てのレパートリーを有するトランスジヱニック (Tg) 動物を抗原で免疫す ることで所望のヒ ト抗体を取得することができる (Nature Genetics 7 : 13 - 21 (1994); Nature Genetics 15: 146-156 (1997); Nature 368: 856-859 (1994) ; 国 際特許出願公開番号 WO 93/12227, W0 92/03918, W0 94/02602, W0 94/25585, W0 96/34096, W0 96/33735参照)。 このような Tg動物は、 具体的には、 非ヒト哺乳動 物の内在性免疫グロブリン重鎖および軽鎖の遺伝子座が破壊され、 代わりに酵母 人工染色体(Yeast artificial chromosome, YAC)ベクターなどを介してヒト免疫 グロプリン重鎖および軽鎖の遺伝子座が導入された遺伝子組み換え動物を、 ノッ クァゥト動物おょぴ Tg動物の作製、 およびこれらの動物同士の掛け合わせにより 作り出す。 免疫グロブリン重鎖遺伝子座の機能的な不活性ィ匕には、 例えば、 J領域 または C領域 (例えば C μ領域)の一部に障害を導入することにより達成でき、 免疫 グロブリン軽鎖 (例えば κ鎖)の機能的不活性化には、 例えば、 J領域若しくは C領 域の一部、 または J領域及び C領域にまたがる領域を含む領域に障害を導入するこ とにより達成可能である。
また、 遺伝子組換え技術により、 そのようなヒト化抗体の重鎖及び軽鎖の各々 をコードする cDNA、 好ましくは該 cDNAを含むベクタ一により真核細胞を形質転換 し、 遺伝子組換えヒトモノクローナル抗体を産生する形質転換細胞を培養するこ とにより、 この抗体を培養上清中から得ることもできる。 ここで、 該宿主は例え ば所望の真核細胞、 好ましくは CH0細胞、 リンパ球やミエ口一マ等の哺乳動物細胞 である。 さらに、 ヒト抗体ライブラリーを用いて、 パンニングによりヒト抗体を取得す る技術も知られている。 例えば、 ヒト抗体の可変領域を一本鎖抗体 (scFv) とし てファージディスプレイ法によりファージの表面に発現させ、 抗原に結合するフ ァージを選択することができる。 選択されたファージの遺伝子を解析すれば、 抗 原に結合するヒト抗体の可変領域をコードする DNA配列を決定することができる。 抗原に結合する scFvの DNA配列が明らかになれば、 当該配列を有する適当な発現べ クタ一を作製し、 適当な宿主に導入して発現させることによりヒト抗体を取得す ることができる。 これらの方法は既に衆知であり、 W0 92/01047, W0 92/20791, W0 93/06213, W0 93/11236, W0 93/19172, W0 95/01438, W0 95/15388を参考に実 施することができる。
抗体遺伝子を一旦単離した後、 適当な宿主に導入して抗体を作製する場合には 、 適当な宿主と発現ベクターの組み合わせを使用することができる。 真核細胞を 宿主として使用する場合、 動物細胞、 植物細胞、 真菌細胞を用いることができる 。 動物細胞としては、 (1) 哺乳類細胞、 例えば、 CHO, COS, ミエローマ、 BHK ( baby hamster kidney) , HeLa, Vero, (2) 両生類細胞、 例えば、 アフリカッメガ エル卵母細胞、 あるいは (3) 昆虫細胞、 例えば、 Sf9, Sf21, Tn5など、 あるいは カイコなどの個体が挙げられる。 植物細胞としては、 ニコティアナ (Nicotiana) 属、 例えばニコティアナ ·タパカム (Nicotiana tabacum) 由来の細胞が知られて おり、 これをカルス培養すればよい。 真菌細胞としては、 酵母、 例えば、 サッカ 口ミ セス ( Saccharomyces ) 属、 例えばサッカロミセス ' セレビシェ ( Saccharomyces serevisiae) 、 糸状囷、 例えば、 ァスヘルキノレス (Aspergillus) 属、 例えばアスペスギルス ·二ガー (Aspergillus nigerノ ど力知られ飞いる。 原核細胞を使用する場合、 細菌細胞を用いる産生系がある。 細菌細胞としては、 大腸菌 (E. coli) 、 枯草菌が知られている。 これらの細胞に、 目的とする抗体遺 伝子を形質転換により導入し、 形質転換された細胞を in vitroで培養することに より抗体が得られる。 本発明の抗体のアイソタイプとしては制限はなく、 例えば IgG (IgGl, IgG2, IgG3, IgG4) 、 IgM、 IgA (IgAl, IgA2) 、 IgDあるいは IgE等が挙げられるが、 好 ましくは IgGまたは IgMである。 また本発明の抗体は、 抗体の抗原結合部を有する 抗体の断片又はその修飾物であってもよい。 「抗体断片」 とは、 全長抗体の一部 を指し、 一般に、 抗原結合領域または可変領域を含む断片のことである。 例えば 、 抗体の断片としては、 Fab、 F (ab' ) 2、 Fv, または重鎖おょぴ軽鎖の Fvを適当な リンカ一で連結させたシングルチェイン Fv (scFv) 、 diabody (diabodies) N 線状 抗体、 及ぴ抗体断片より形成された多特異性抗体などが挙げられる。 従来、 抗体 断片は天然の抗体のプロテアーゼによる消化により製造されてきたが、 現在では 、 遺伝子工学的に組み換え抗体として発現させること方法も公知である ( Morimoto et a丄., Journal of Biochemical and Biophysical Methods 24: 107— 117 (1992) ; Brennan et al. , Science 229 : 81 (1985) ; Co, M. S. et al. , J. Immunol. , 1994, 152, 2968-2976; Better, M. & Horwitz, A. H. , Methods in Enzymology, 1989, 178, 476-496, Academic Press, Inc.; Plueckthun, A. & Skerra, A. , Methods in Enzymology, 1989, 178, 476 - 496, Academic Press, Inc.; Lamoyi, E., Methods in Enzymology, 1989, 121, 663-669 ; Bird, R. E. et al. , TIBTECH, 1991, 9, 132-137参照) 。
「FvJ 断片は最小の抗体断片であり、 完全な抗原認識部位と結合部位を含むも のである。 この領域は 1つの重鎖および軽鎖の可変領域が非共有結合により強く連 結されたダイマーである (VH-VLダイマー) 。 各可変領域の 3つの相補性決定領域 ( CDR) が相互作用し、 VH-VLダイマーの表面に抗原結合部位を形成する。 即ち、 重鎖 と軽鎖をあわせて 6つの CDRが抗体の抗原結合部位として機能している。 しかしな がら、 1つの可変領域 (または、 抗原に特異的な 3つの CDRのみを含む Fvの半分) で あっても、 全結合部位を含む場合よりは低い親和性ではあるものの、 抗原を認識 し、 結合する能力を有していることが知られている。 従って、 本発明における抗 体断片は Fv断片が好ましいが、 これに限定されるものではなく、 重鎖または軽鎖 の CDRが保存され抗原を認識し、 結合する能力を有する抗体の断片を含むポリぺプ チドであってよい。
また、 Fab断片 (F (ab)とも呼ばれる) はさらに、 軽鎖の定常領域おょぴ重鎖の 定常領域 (CH1)を含む。 例えば抗体のパパイン消化により、 Fab断片と呼ばれる、 1 つの抗原結合部位を形成する重鎖および軽鎖の可変領域を含む抗原結合断片、 及 ぴ、 残りの容易に結晶化するために 「Fc」 と呼ばれる断片が生じる。 Fab'断片は 、 抗体のヒンジ領域からの 1またはそれ以上のシスティンを含む重鎖 CH1領域の力 ルポキシ末端由来の数個の残基を付加的に有する点で Fab断片と異なるが、 1つの 抗原結合部位を形成する重鎖およぴ軽鎖の可変領域を含む抗原結合断片である点 で構造的に Fabと同等である。 本発明においては、 プロテアーゼによる消化で生成 した抗体断片と同一でなくても、 ノ パイン消化により得られるものと同等な、 1つ の抗原結合部位を形成する重鎖おょぴ軽鎖の可変領域を含む抗原結合断片を Fab様 抗体と称する。 Fab' - SHとは、 定常領域の 1またはそれ以上のシスティン残基が遊 離のチオール基を有する Fab'を示すものである。 F (ab,)断片は、 F (ab' ) 2のヒンジ 部のシスティンにおけるジスルフィド結合の切断により製造される。 化学的に結 合されたその他の抗体断片も当業者には知られている。 抗体をペプシンで消化す ると、 2つの抗原結合部位を有し、 抗原を交差結合し得る F (ab' )2断片、 及び、 残 りの別な断片 (pFc と呼ばれる)が得られる。 本発明において、 ペプシン消化によ り得られるのも同等な、 2つの抗原結合部位を有し抗原を交差結合し得る抗体断片 を F (ab' ) 2様抗体と称する。 例えば、 これらの抗体断片は組換技術により製造する ことも可能である。 例えば、 上述の抗体ファージライブラリーから抗体断片を単 離することもできる。 また、 大腸菌等の宿主より直接 F (ab' ) 2- SH断片を回収し、 F (ab' ) 2断片の形態に化学的結合させるこ と もできる (Carter et al., Bio/Technology 10 : 163 - 167 (1992) )。 さらにまた別の方法としては、 F (ab,)2断 片を直接、 組換宿主培養物から単離することもできる。
さらに、 本発明で使用される抗体は多特異性抗体であってもよい。 多特異性抗 体は、 少なくとも 2種類の異なる抗原に対して特異性を有する抗体である。 通常こ のような分子は 2個の抗原を結合するものであるが (即ち、 二重特異性抗体 (bispecific antibody) ) 、 本発明における 「多特異性抗体」 は、 それ以上(例え ば、 3種類)の抗原に対して特異性を有する抗体を包含するものである。 多特異性 抗体は全長からなる抗体、 またはそのような抗体の断片 (例えば、 F(ab' )2二特異 性抗体)であり得る。 二重特異性抗体は 2種類の抗体の重鎖と軽鎖 (HL対) を結合 させて作製することもできるし、 異なるモノクローナル抗体を産生するハイブリ ドーマを融合させて、 二重特異性抗体産生融合細胞を作製し、 得ることもできる (Millstein et al. , Nature 305 : 537 - 539 (1983))。 さらに、 遺伝子工学的手法に より二重特異性抗体を作製することも可能である。 具体的には、 結合特異性を有 する抗体の可変領域を免疫グロブリンの定常ドメイン配列に融合する。 該定常ド メイン配列は、 好ましくは免疫グロブリンの重鎖の定常領域の内、 ヒンジ、 CH2及 ぴ CH3領域の一部を少なくとも含むものである。 好ましくは、 さらに軽鎖との結合 に必要な重鎖の CH1領域が含まれる。 免疫グロプリン重鎖融合体をコードする DNA 、 及び、 所望により免疫グロブリン軽鎖をコードする DNAをそれぞれ別々の発現べ クタ一に挿入し、 適当な宿主生物に形質転換する。 別々の発現ベクターに各遺伝 子を揷入することにより、 それぞれの鎖の存在割合が同じでない方が、 得られる 抗体の収量が上がる場合に、 各鎖の発現割合の調節が可能となり都合が良いが、 当然ながら、 複数の鎖をコードする遺伝子を一つのベクターに挿入して用いるこ とも可能である。
ダイアポディ (diabody; Db) は、 遺伝子融合により構築された二価 (bivalent) の抗体断片を指す (p. Holliger et al. , Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 6444 - 6448 (1993)、 EP404, 097号、 W093/11161号等) 。 一般にダイアポディは、 2本のポ リペプチド鎖から構成されるダイマーであり、 ポリペプチド鎖は各々、 同じ鎖中 で軽鎖可変領域 及び重鎖可変領域 (vH)が、 互いに結合できない位に短い、 例え ば、 5残基程度のリンカ一により結合されている。 同一ポリペプチド鎖上にコード される と VHとは、 その間のリンカーが短いため単鎖 V領域フラグメントを形成す ることが出来ず二量体を形成するため、 ダイアポディは 2つの抗原結合部位を有す ることとなる。 このとき 2つの異なる抗原 (a、 b)に対する VLと VHを VLa - VHbと VLb- VHa の組合わせで 5残基程度のリンカーで結んだものを同時に発現させると二種特異性 Dbとして分泌される。 本発明の抗体としては、 このような Dbであってもよい。 一本鎖抗体 (scFvとも記載する) は、 抗体の重鎖 V領域と軽鎖 V領域とを連結す ることにより得られる。 scFvの総説については、 Pluckthun 『The Pharmacology of Monoclonal Antibodies』 Vol. 113 (Rosenburg及ぴ Moore編、 Springer Verlag, New York, pp. 269-315 (1994) )参照。 一本鎖抗体を作成する方法は当技術分野に おいて周知である(例えば、 米国特許第 4, 946, 778号、 米国特許第 5, 260, 203号、 米 国特許第 5, 091, 513号、 米国特許第 5, 455, 030号等を参照)。 この scFvにおいて、 重 鎖 V領域と軽鎖 V領域は、 リンカ一、 好ましくはポリペプチドリンカ一を介して連 結される (Huston, J. S. et al. , Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A, 1988, 85, 5879-5883) 。 scFvにおける重鎖 V領域および軽鎖 V領域は、 同一の抗体に由来して もよく、 別々の抗体に由来してもよい。 V領域を連結するペプチドリンカ一として は、 例えば 12〜: 19残基からなる任意の一本鎖ペプチドが用いられる。 scFvをコー ドする DNAは、 前記抗体の重鎖または重鎖 V領域をコードする DNA、 および軽鎖また は軽鎖 V領域をコードする DNAのうち、 それらの配列のうちの全部又は所望のアミ ノ酸配列をコードする DNA部分を鎊型とし、 その両端を規定するプライマー対を用 いて PCR法により増幅し、 次いで、 さらにペプチドリンカ一部分をコードする DNA 、 およびその両端が各々重鎖、 軽鎖と連結されるように規定するプライマー対を 組み合わせて増幅することにより得られる。 また、 一旦 scFvをコードする DNAが作 製されると、 それらを含有する発現ベクター、 およぴ該発現ベクターにより形質 転換された宿主を常法に従って得ることができ、 また、 その宿主を用いることに より、 常法に従って scFvを得ることができる。 これらの抗体断片は、 前記と同様 にして遺伝子を取得し発現させ、 宿主により産生させることができる。 抗体の修 飾物として、 ポリエチレングリコール (PEG) 等の各種分子と結合した抗体を使用 することもできる。 抗体の修飾方法はこの分野においてすでに確立されている。 本発明における 「抗体」 にはこれらの抗体も包含される。
得られた抗体は、 均一にまで精製することができる。 抗体の分離、 精製は通常 の蛋白質で使用されている分離、 精製方法を使用すればよい。 例えばクロマトグ ラフィーカラム、 フィルター、 限外濾過、 塩祈、 透析、 調製用ポリアクリルアミ ドゲル電気泳動、 等電点電気泳動等を適宜選択、 組み合わせれば、 抗体を分離、 精製す る こ と 力 S で き る (Strategies for Protein Purification and Charcter i zat ion: A Laboratoy Course Manual, Daniel R. Marshak et al. eds. , Cold Spring Harbor Laboratory Press (1996) ; Antibodies : A Laboratory Manual. Ed Harlow and David Lane, Cold Spring Harbor Laboratory, 1988) 力 s 、 これらに限定されるものではない。 クロマトグラフィーとしては、 ァフィニテ ィークロマトグラフィー、 イオン交換クロマトグラフィー、 疎水性クロマトグラ フィ一、 ゲル濾過、 逆相クロマトグラフィー、 吸着クロマトグラフィー等が挙げ られる。 これらのクロマトグラフィーは、 HPLCや FPLC等の液相クロマトグラフィ 一を用いて行うことができる。 ァフィ二ティークロマトグラフィーに用いるカラ ムとしては、 プロテイン Aカラム、 プロテイン Gカラムが挙げられる。 例えばプロ ティン Aカラムを用いたカラムとして、 Hyper D, P0R0S, Sepharose F. F. (Pharmacia) 等が挙げられる。 また抗原を固定化した担体を用いて、 抗原への結 合性を利用して抗体を精製することも可能である。
本発明は、 本発明の抗体を含む、 PCまたは aPCの不活性化の抑制剤を提供する。 また本発明は、 本発明の抗体の、 PCまたは aPCの不活性ィ匕の抑制のための使用に関 する。 本発明の抗体を PCまたは aPCと接触させることにより、 PCIまたは MT等の aPC阻害物質の存在下における PCまたは aPCの不活性化、 または血中における PCま たは aPCの不活性化を抑制することができる。 本発明は、 本発明の aPC抗体を PCま たは aPCと接触させる工程を含む、 該 PCまたは aPCの不活性化を抑制する方法に関 する。 本発明の抗体を投与する場合、 抗体は単独で投与することも可能であり、 また、 PCおよび/または aPCと併用することも可能である。 さらに、 in vitroで本 発明の抗体で処理した PCまたは aPCを投与することも可能である。 また本発明は、 本発明の抗体を PCまたは aPCに結合させる工程を含む、 不活性化が抑制された PCま たは aPCの製造方法、 およぴ該方法により製造された、 不活性ィ匕が抑制された PCお よび aPCを提供する。
aPCは血液凝固および炎症を抑制する作用が知られており、 本発明の aPC非中和 抗体を投与する工程により、 血液凝固または炎症を抑制する aPCの効果を高めるこ とが可能となる。 本発明は、 本発明の抗体を投与する工程を含む、 血液凝固また は炎症を抑制する方法に関する。 該方法においては、 さらに PCおよび/または aPC を投与する工程を含んでもよい。 この場合、 PCおよび/または aPCに予め本発明の 抗体を結合させておき、 それを投与することが好ましい。 本発明の抗体を有効成 分として含有する aPC不活性ィヒの抑制剤を用いることにより、 aPCによる処置 (例 えば血栓症および敗血症等の予防および治療) における aPCの効果をより高めるこ とが可能となる。 なお本発明の抗体を 「有効成分として含有する」 とは、 本発明 の抗体を活性成分の少なくとも 1つとして含むという意味であり、 本発明の抗体 の含有率を制限するものではない。 本発明の抗体は、 活性ィ匕プロテイン Cの活性の 低下ないしは不足によって発症および/または進展する疾患の予防または治療に有 用であり、 その中でも血液凝固反応の亢進および/または炎症反応の亢進によって 惹起される疾患の予防および/または治療に特に有効である。 そのような疾患とし ては、 具体的には例えば動脈血栓症、 静脈血栓症、 播種性血管内凝固 ( Disseminated Intravascular Coagulation; DIC) 症候群、 敗血症等カ挙けられる また本発明は、 (a ) 本発明の抗体、 および (b ) PCおよび/または aPCを含む キットを提供する。 このキットは、 活' !·生ィ匕プロテイン Cの活4の低下ないしは不足 によつて発症および/または進展する疾患の予防または治療に使用することができ る。 さらに本発明は、 活性ィヒプロテイン Cの活性の低下ないしは不足によって発症 および/または進展する疾患の予防または治療に使用されるキットであって、 (a ) PC、 aPC、 およぴ本発明の抗体からなる群から選択される少なくとも一つ、 およ び (b ) 治療有効量の PCおよび/または aPCと該抗体とを併用することの記載また は該記載へのリンクを含む記録媒体、 を含むキットを提供する。 このような疾患 としては、 上記のように血液凝固反応の亢進および/または炎症反応の亢進によつ て惹起される疾患が挙げられ、 具体的には動脈血栓症、 静脈血栓症、 DIC、 敗血症 等が含まれる。 本キットは、 内因的 aPCあるいは生体外から投与した PCまたは aPC の体内における活性を相対的に上昇させるために有用であり、 これにより上記疾 患の予防および治療を行うことができる。 記録媒体としては、 紙およびプラスチ ックなどの印刷媒体、 フレキシブルデイスク (FD) 、 コンパクトディスク (CD) 、 デジタルビデオディスク (DVD) 、 半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能 な記録媒体など所望の記録媒体が挙げられる。 典型的には、 キットに添付される 指示書などが挙げられ、 そこに治療有効量の PCおよび/または aPCと該抗体とを併 用することが記載されているものであってよい。 リンクとは、 直接には治療有効 量の PCおよび/または aPCと該抗体とを併用することは記載されていないが、 印な どによって該記載と関連付けられていることを言い、 その印を通して該記載にた どり着ける場合である。 例えば指示書には別紙または URLなどを参照するように指 示または示唆する記載があり、 別紙または URLに該記載がある場合などが含まれる 本発明の抗体は、 経口、 非経口投与のいずれでも可能であるが、 好ましくは非 経口投与であり、 具体的には、 注射剤型、 経鼻投与剤型、 経肺投与剤型、 経皮投 与型などが挙げられる。 注射剤型の例としては、 例えば、 静脈内注射、 筋肉内注 射、 腹腔内注射、 皮下注射などにより全身または局部的に投与することができる 。 また、 患者の年齢、 症状により適宜投与方法を選択することができる。 投与量 としては、 例えば、 一回につき体重 lkgあたり O. OOOlragから lOOOmgの範囲で選ぶこ とが可能である。 あるいは、 例えば、 患者あたり 0. 001〜100000mg/bodyの範囲で 投与量を選ぶことができる。 し力 しながら、 本発明の抗体はこれらの投与量に制 限されるものではない。
本発明の抗体は、 常法に従って製剤化することができ (例えば、 Remington' s Pharmaceutical science, latest edition, Mark PUD丄 lsning Company, Easton, U. S. A) 、 医薬的に許容される担体および/または添加物を供に含むものであって もよレ、。 本発明は、 本発明の抗体、 ならびに医薬的に許容される担体および/また は添加物を含む組成物 (試薬および医薬を含む) に関する。 例えば界面活性剤 ( PEG, TVeen等) 、 賦形剤、 酸化防止剤 (ァスコルビン酸等) 、 着色料、 着香料、 保存料、 安定剤、 緩衝剤 (リン酸、 クェン酸、 他の有機酸等) 、 キレート剤 ( EDTA等) 、 懸濁剤、 等張化剤、 結合剤、 崩壌剤、 滑沢剤、 流動性促進剤、 矯味剤 等が挙げられるが、 これらに制限されず、 その他常用の担体を適宜使用すること ができる。 具体的には、 軽質無水ケィ酸、 乳糖、 結晶セルロース、 マンニトール 、 デンプン、 カノレメロースカルシウム、 カルメロースナトリウム、 ヒ ドロキシプ ロピノレセルロース、 ヒ ドロキシプロピノレメチルセノレロース、 ポリビニノレァセター ルジェチルァミノアセテート、 ポリビニルピロリ ドン、 ゼラチン、 中鎖脂肪酸ト リグリセライド、 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 60、 白糖、 カルボキシメチル セルロース、 コーンスターチ、 無機塩類等を挙げることができる。 また、 その他 の低分子量のポリペプチド、 血清アルブミン、 ゼラチンや免疫グロプリン等の蛋 白質、 グリシン、 グルタミン、 ァスパラギン、 アルギニン及ぴリシン等のアミノ 酸を含んでいてもよい。 注射用の水溶液とする場合には、 例えば生理食塩水、 ブ ドウ糖やその他の補助薬を含む等張液、 例えば、 D-ソルビトール、 D-マンノース 、 D一マンニトール、 塩ィ匕ナトリウムが挙げられ、 適当な溶解補助剤、 例えばアル コール (エタノール等) 、 ポリアルコール (プロピレングリコール、 PEG等) 、 非 ィオン性界面活性剤 (ポリソルベート 80、 HC0-50) 等と併用してもよい。
また、 必要に応じ本発明の抗体をマイクロカプセル (ヒ ドロキシメチルセル口 ース、 ゼラチン、 ポリ [メチルメタクリル酸]等のマイクロカプセル) に封入した り、 コロイ ドドラッグデリバリーシステム(リボソーム、 ァノレプミンミクロスフエ ァ、 マイクロエマルジヨン、 ナノ粒子及ぴナノカプセル等)とすることもできる (
"Remington s Pharmaceutical Science 16th edition", Oslo Ed. (1980)等参照) 。 さらに、 薬剤を徐放性の薬剤とする方法も公知であり、 本発明の抗体に適用し 得る (Langer et al. , J. Biomed. Mater. Res. 15: 167 - 277 (1981) ; Langer, Chem. Tech. 12: 98-105 (1982);米国特許第 3, 773, 919号;欧州特許出願公開(EP) 第 58, 481号; Sidman et al. , Biopolymers 22: 547-556 (1983) ;ΕΡ第 133, 988号) また、 本発明の抗体をコードする遺伝子を遺伝子治療用ベクターに組込み、 遺 伝子治療を行うことも考えられる。 投与方法としては、 nakedプラスミドによる直 接投与の他、 リボソーム等にパッケージングするか、 レトロウイルスベクター、 アデノウイルスベクター、 ワクシニアウイノレスベタター、 ボックスウィルスべク ター、 アデノ随伴ウィルスベクター、 HVJベクター等の各種ウィルスベクターとし て形成するか (Adolph『ウィルスゲノム法』 , CRC Press, Florid (1996)参照) 、 または、 コロイド金粒子等のビーズ担体に被覆 (W093/17706等)して投与するこ とができる。 しかしながら、 生体内において抗体が発現され、 その作用を発揮で きる限りいかなる方法により投与してもよい。 好ましくは、 適当な非経口経路 ( 静脈内、 腹腔内、 皮下、 皮内、 脂肪組織内、 乳腺組織内、 吸入または筋肉内の経 路を介して注射、 注入、 またはガス誘導性粒子衝撃法 (電子銃等による) 、 添鼻 薬等粘膜経路を介する方法等) により十分な量が投与される。 ex vivoにおいてリ ポソームトランスフエクシヨン、 粒子衝撃法 (米国特許第 4, 945, 050号) 、 または ウィルス感染を利用して細胞に投与し、 該細胞を動物に再導入することにより本 発明の抗体をコードする遺伝子を投与してもよい。 図面の簡単な説明 図 1は、 aPC不活化を抑制する抗 aPC抗体の H鎖及ぴ L鎖の可変領域のァミノ酸配 列を示す図である。 図中のアミノ酸配列は、 aPC#79、 aPC#123、 aPC#281、 および aPC#285、 の VH領域のアミノ酸配列をそれぞれ配列番号: 1〜4、 aPC#79、 aPC#123 、 aPC#281、 および aPC#285、 の VL領域のアミノ酸配列をそれぞれ配列番号: 5〜8 とした。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明を実施例により、 さらに具体的に説明するが本発明はこれら実施 例に制限されるものではない。 なお、 本明細書に引用された文献は、 全て本明細 書の一部として組み込まれる。
[実施例 1 ] 抗ヒト aPCモノクローナル抗体の作製
aPC (Sigma P-2200) を抗原として BALBんマウスに腹部への皮下投与にて免疫を 行った。 血清抗体価が上昇したことを確認した後、 最終免疫として抗原を 20 μ g/mouseで尾静脈投与した。 最終免疫の 3日後に脾臓を摘出し脾臓細胞を調整 した後 P3U1細胞と fusionを行い、 2648 ゥヱルの融合細胞を得た。
fusion当日を Day 0として Day 1, 2, 3, 5 に HAT培地 (RPMI1640, 10% FCS, 0. 1% penicillin-sreptomycin, 2% BM-Condimed HI, および HATを含む) への培地 交換を行い、 HAT培地によるハイプリ ドーマの選別を行った。 Day 8に培養上清を 回収し ELISAによる 1次スクリーニングを行った。
[実施例 2 ] 1次スクリーニング
1次スクリーニングは aPC (SIGMA P-2200) を抗原とした ELISAにより行った。 aPCは coating buffer (100 mmol/L NaHC03 pH9. 6, 0. 02 w/v% NaN3) で 0. 5 μ g/mL の濃度に希釈した後、 ELISA用 96 well プレート (Nunc、 Maxisorp) に 100 z L/wellつつ分注し固相ィ匕した。 プレートを micro plate washer (Bio - Rad、 Model 1550) を用いて rinse buffer (PBS (-), 0. 05% T een 20) で洗浄し、 diluent buffer (1 w/v BSA, 50 mmol/L Tris-HCl pH8. 1, 150 mmol/L NaCl, 1 墮 ol/L MgCl2, 0. 05 % Tween 20, 0. 02 w/v% NaN3) を 200 μ L/well添加し室温で 1 時間放置した。 Diluent bufferを除いた後、 ハイブリ ドーマ培養上清を 100 L/well添加し室温で 1時間反応させた。 プレートを rinse ktfferで洗浄し、 アル カリホスファターゼ標識抗マウス IgG抗体 (Zymed 62-6522) を 100 ^u L/well添加 し室温で 1時間放置した。 プレートを rinse bufferで洗浄し、 substrate buffer (50 腿 ol/L NaHC03 pH9. 8, 10 讓 ol/L MgCl2) で 1 mg/mLに調製した基質 (p_ nitrophenyl phosphate di sodium) (Sigma 104) を 100 i L/well添加し、 1時間後 に microplate reader (Bio-Rad Model 3550) で 0D405/655nmを測定した。
陽性対照として aPCへの結合を示す市販の抗 aPC抗体 (SIGMA P7058) を用いた。 陽性対照濃度が 111 ng/mLで示した吸光度よりも高値を示した培養上清を陽性とし た。 2648 wellのハイブリ ドーマ培養上清を検討した結果、 308 wellを陽性として 選択した。
[実施例 3 ] 2次スクリーニング
aPCは抗凝固作用により血漿凝固時間を延長させる作用を持つが、 aPCは血漿中 で経時的に不活化されるため、 血漿とインキュベートされる時間が長いほどこの 作用は減弱する。 抗体にこの aPC不活ィ匕を抑制する作用があれば、 血漿とインキュ ベートする前に aPCに加えることで aPCの抗凝固作用は保持される。 逆に抗体が aPC 中和作用を持っていれば、 aPCの抗凝固作用は失われる。 ここでは凝固時間の指標 として APTT (活性化部分トロンポプラスチン時間) を用い、 ハイプリ ドーマ培養 上清による aPC不活ィ匕抑制作用を検討した。
10
Figure imgf000041_0001
(SIGMA, P- 2200) 溶液 10 しと、 40 ;u Lのハイプリ ドーマ培養上 清 (37°C、 5% C02で 3日間培養) または P3U1の培養上清とを混合し、 室温で 60分ィ ンキュペートした。 この混合液にヒ ト標準血漿 (DADE BEHRING、 GCH-100A) 50 を添加し、 さらに室温で 60分間インキュベートした。 血液凝固自動測定装置 (Amelung、 KC- 10A) にセットし、 APTT試薬 (DADE BEHRING, GM - 200A) を添 カロした。 血漿とインキュベーションを行わない aPCは APTT試薬添加直前に血漿に加 えた。 37°Cで 3分間インキュベートした後、 20 mraol/L CaCl2 (DADE BEHRING、 GMZ-310) 50 Lを添カ卩し、 凝固までの時間を測定した。
上記の血漿とインキュベートしなかった aPCを加えた場合の凝固時間 (A) を 100 %、 P3U1培養上清とインキュベートした後に血漿とインキュベートした aPCを加え た場合の凝固時間 (B) を 0%とし、 ハイプリ ドーマ培養上清とインキュベート後 に血漿とインキュベートした aPCを加えた場合の凝固時間 (C) からハイプリ ドー マ培養上清の凝固時間延長に対する作用を求めた (不活化抑制率 (%) = { (C-B) I (A - Β) } χ100)
実験は 2回行い (実験 1および 2) 、 20%以上の凝固時間回復が 2回とも認められ た場合を陽性とした。 19株のハイプリ ドーマ培養上清が陽性とみなされた。
表 1 ゥエ口ル 不活化抑制率 (%)
¾■■¾■ 実験 1 実験 2
19 36.83 20.48
41 46.81 55.49
50 23.74 21.14
64 45.70 32.02
79 87.96 68.33
123 23.45 20.68
143 25.27 34.10
172 25.52 58.64
181 26.22 33.66
192 21.36 30.18
223 26.87 22.92
236 24.56 21.66
240 22.18 22.19
243 21.25 27.87
263 21.00 27.96
281 33.82 21.64
285 24.50 28.23
298 32.29 27.19
302 27.30 20.75 [実施例 4 ] 抗体精製及び PCIによる aPC不活化に対する作用検討
ゥエル番号 19, 41, 64, 79, 281, 298 のハイブリ ドーマを 10% ultra low IgG FCS含有 HAT培地で培養した培養上清より IgG画分を protein G columnにより精製し 、 PCIの aPC不活ィヒに対する作用を低分子基質を用いて測定した。
具体的には、 10% ultra low IgG FCS含有 HAT培地 50mLで培養したハイブリ ドー マの培養上清を回収した。 培養上 ί肓は protein G column (Amersham Pharmacia Biotech, HiTrap protein G column) に吸着させた。 Binding buffer (20腿 ol/L phosphate buffer pH7. 0) lOmLで洗浄した後、 Elution buffer (0. lmol/L Glycine buffer pH2. 7) で溶出した。 回収した IgG画分は Centriprep (Millipore 、 YM-30) を用いて濃縮した後、 TBSに bufferを置換した。 得られた IgG画分 40 μ L と 10 μ g/mLの aPC溶液 10 μ Lを室温で 60分間反応させた。 aPCと抗体の混合液 50 μ L をへパリン 10Uを含む buffer (最終濃度: 70匪 ol/L Tris pH8. 0, 125mraol/L NaCl, lOmmol/L CaCl2, 0. 1% BSA) に加え 180 /x Lとした。 組み換え PCI (Flagタグ付き) 100 z g/mLを 添加し、 37°Cで 30分間反応させた。 低分子基質 S - 2366 (2mmol/L) 50 /z Lを添加し、 60分後の吸光度(405nm)を測定した。 表 2
Figure imgf000043_0001
PCI未添加 aPC (表中の "-PCI") では吸光度が 0. 707となるところ力 SPCIの添加に より 0. 262まで減少した (表中の"対照")。 PCIの添加による aPC活性を 0%、 PCI未 添加の aPC活性を 100%として各ハイブリ ドーマ由来の抗体の相対活性を吸光度の 平均値を基にもとめたところ、 ゥエル番号 79で 21%、 281で 17°/。、 41で 12%と PCIに よる aPC不活化を抑制した。 aPC不活ィ匕を全く抑制しなかった 298は培養上清のアイ ソタイピングにより IgMである可能性が示唆された。 そのため、 IgG精製では活性 画分が得られなかった可能性がある。 以上の精製抗体と低分子基質を用いた chromogenic assayにより、 血漿凝固時間延長作用を有する aPC不活化抑制抗体は 、 PCIによる不活化も抑制することが明らかとなつた。
[実施例 5 ] 抗 aPC不活化抑制抗体の H鎖及び L鎖の解析
各抗体を産生するハイブリ ドーマ約 1 X 107個の細胞より Rneasy Plant Mini Kits (QIAGEN、 Cat. No. 74904) を用いて total RNAの抽出を行った。 SMART RACE cDNA Amplification Kit (Clontech、 Cat. No. K1811- 1)を用いて、 total RNAか ら cDNAの合成を行った。 # 281、 # 285は IgGlの定常領域特異的な primer、 また # 79、 # 123は IgG2bの定常領域特異的な primerを用いて Advantage2 PCR Kitにて 5' - RACEによる PCRを行レ、、 H鎖及び L鎖の増幅を行った。 増幅された H鎖及び L鎖の DNA 断片は pGEM- T easy vector (Promega, Cat. No. A1360)を用いてクローユングし 、 塩基配列の決定を行った。
得られた塩基配列を解析した結果、 H鎖及び L鎖の可変領域のァミノ酸配列はそ れぞれ図 1に示したようになった。 # 123と # 285は類似した配列を有しておりこ れら 2クローンはお互いのェピトープが近傍にあることが予測された。 産業上の利用の可能性
本発明により、 aPCの不活性化を抑制する非中和抗 aPC抗体が提供された。 本発 明の抗体は、 aPCの不活性化を抑制することを通して aPCの活性を維持し、 血液凝 固系の活性ィヒの抑制または抗炎症作用などの aPCの生理活性の効果を持続させる働 きを有する。 本発明の抗体は、 活性ィ匕プロテイン Cの活性の低下ないしは不足によ つて発症および/または進展する疾患または傷害の予防または治療に用いることが でき、 特に血栓症および敗血症などの aPCによる予防おょぴ治療において有用であ る。

Claims

請求の範囲
1 . プロテイン Cもしくは活性ィ匕プロテイン C (aPC) に対する抗体であって、 生体 内において活性ィ匕プロテイン cの作用を増強する活性を有する抗体。
2 . プロテイン Cもしくは活性ィ匕プロテイン Cに対する抗体であって、 生体内での 活性化プロティン Cの不活性化を抑制する活性を有する抗体。
3 . プロテイン Cもしくは活性化プロテイン Cに対する抗体であって、 (a ) 血液 による活性化プロテイン Cの不活性化、 または (b ) 活性ィ匕プロテイン Cの生理的 な阻害物質による活性ィ匕プロティン cの不活性化、 あるいはそれらの両方を抑制す る活性を有する抗体。
4 . 活性化プロテイン Cの生理的な阻害物質がセリンプロテアーゼインヒビター ( SERPINs) である、 請求項 3に記載の抗体。
5 . セリンプロテアーゼインヒビター (SERPINs) がプロテイン Cインヒビターま たは α 1 -アンチトリプシンである、 請求項 4に記載の抗体。
6 . 請求項 1から 3のいずれかに記載の抗体であって、 以下の (a ) から (f ) のいずれかのアミノ酸配列からなる相補性決定領域またはこれと機能的に同等の 相補性決定領域を有する抗体。
( a ) 配列番号: 9、 1 0、 および 1 1に記載のァミノ酸配列。
( b ) 配列番号: 2 1 、 2 2 、 および 2 3に記載のァミノ酸配列。
( c ) 配列番号: 3 1 、 3 2 、 および 3 3に記載のァミノ酸配列。
( d ) 配列番号: 2 4 、 2 5 、 および 3 4に記載のァミノ酸配列。
( e ) 配列番号: 1 5 、 1 6 、 および 1 7に記載のァミノ酸配列。
( f ) 配列番号: 2 7 、 2 8 、 および 2 9に記載のァミノ酸配歹 1』。
7 . 抗体がヒト抗体、 ヒト化抗体、 キメラ抗体、 抗体断片、 一本鎖抗体、 および ダイアポディーからなる群より選択される、 請求項 1から 3のいずれかに記載の 体。
8 . 請求項 1から 3 のいずれかに記載の抗体おょぴ薬学的に許容される担体を含 む組成物。
9 . さらにプロテイン Cおよぴノまたは活性ィ匕プロテイン Cを含む、 請求項 8に記 載の組成物。
1 0 . 活性ィ匕プロテイン Cの活性の低下ないしは不足によって発症おょぴ/または 進展する疾患の予防または治療に用いられる医薬組成物である、 請求項 8または 請求項 9に記載の組成物。
1 1 . 疾患が血液凝固反応の亢進および または炎症反応の亢進によって惹起さ れる疾患である請求項 1 0に記載の組成物。
1 2 . 血液凝固反応の亢進および/または炎症反応の亢進によって惹起される疾 患が、 敗血症、 播種性血管内凝固症候群、 動脈血栓症、 および静脈血栓症からな る群より選択される、 請求項 1 1に記載の組成物。
1 3 . 請求項 1から 3のいずれかに記載の抗体をプロテイン Cまたは活性化プロテ ィン Cに接触させる工程を含む、 不活性化が抑制されたプロティン Cまたは活性化 プロテイン Cの製造方法。
1 4 . 活性ィ匕プロテイン Cの活性の低下ないしは不足によって発症および/または 進展する疾患を予防または治療する方法であって、 (a ) プロテイン Cおよび Z または活性化プロテイン C、 並びに (b ) 請求項 1から 3のいずれかに記載の抗 体、 を投与する工程を含む方法。
1 5 . 活性ィ匕プロテイン Cの活性の低下ないしは不足によって発症および Zまたは 進展する疾患の予防または治療に使用されるキットであって、 (a ) プロテイン C、 活性化プロテイン C、 および請求項 1から 3のいずれかに記載の抗体からな る群から選択される少なくとも一つ、 および (b ) 治療有効量のプロテイン Cお よび/または活性化プロティン Cと該抗体とを併用することの記載または該記載 へのリンクを含む記録媒体、 を含むキット。
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