WO2003103935A1 - タイヤの成型方法及びタイヤ成型ドラム - Google Patents

Description

明 細 書 夕ィャの成型方法及び夕ィャ成型ドラム 技術分野

本発明は、 タイヤの成型方法およびそれに用いるタイヤ成型ドラムに関するも のであり、 とくには、 力一カスとビードフイラ一との間へのエアの残留を有効に 防止する技術を提案するものである。

背景技術

タイヤの成型にあたっては、 円筒状の力一カスバンド、 円環状のビ一ドコアお よびビードフイラ一を主体とする、 あらかじめ成型されたグリーンケースを、 夕 ィャ成型ドラムの外周側に配置するとともに、 そのタイヤ成型ドラムにより、 ビ —ドコァの拘束下で両ビ一ドコアを相互に近接変位させながら、 成型ドラムに設 けた成形ブラダーの作用下で、 グリーンケースの中央部分を膨出変形させて、 そ の外周側にあらかじめ配置されたベルトとトレッドとを主体とするベルトトレツ ドバンドの内周面にダリ一ンケースのその中央部分を圧着させ、 その後、 成形ブ ラダーのそれぞれの端部に隣接させて配設されて、 半径方向の内外に二重となる 折返ブラダーにより、 カーカスバンドの端部分をビードコアの周りに巻き返すこ とが行われている。

タイヤをこのように成型するにあたっては、 カーカスとビードフイラ一との間 へのエアの残留を防止するため、 成形ブラダーの内側に内部ブラダ一を配設し、 この内部ブラダーを膨径させた状態で、 半径方向の内外に二重に積層配置された 折返しブラダーを膨径させて、 力一カスバンドの端部分を折返すとともに、 力一 カスバンド、 ビードフイラ一およびピ一ドコアを、 内部ブラダ一と外側の折返し ブラダーの間に強く挟持して、 力一カスとビードフイラ一との間のエアを排除し て、 それら両者の密着性を高めることが提案されている。

しかし、 このような従来技術によれば、 内部ブラダーが補強層を具えるゴム膜 体からなり、 膨径した状態でも、 剛性が比較的低く、 カーカスとビードフイラ一 との圧着力を十分に高めることができないので、 依然としてビ一ド部にエアが残 留するおそれがあって、 製品タイヤのュニフォミティを良好に保つことができな いことがあり、 甚だしくはその残留エアがビ一ド部の if久性低下の一因ともなる という問題点があった。

そこで本発明は、 ビ一ド部を形成するにあたり、 力一カスとビードフイラ一と の間の残留エアを十分に排除することで、 製品タイヤのュニフォミティを良好に 保ち、 ビード部の耐久性を向上させることができるタイヤの成型方法およびタイ ャ成型ドラムを提供する。

発明の開示

本発明に係る、 タイヤの成型方法は、 例えば 2ステージ成型において、 円筒状 をなすカーカスバンド、 円環状のビ一ドコアおよびビードフィラ一を主体とする グリーンケースを、 タイヤ成型ドラムの外周側に配置するとともに、 そのタイヤ 成型ドラムにより、 ビ一ドコアの拘束下で、 両ビードコアを相互に近接変位させ ながら、 グリーンケースの中央部分を半径方向に膨出変形させて、 ベルトとトレ ッドを主体とするベルトトレツドバンドの内周面に、 そのグリーンケースを圧着 させ、 その後の、 カーカスバンドの両端部分の、 ビ一ドコアの周りへの巻き返し にあたり、 力一カスバンドを、 ビ一ドコアおよびビードフイラ一の配設域の全体 にわたつて、 それらとともに、 軸線方向の内側に配設した剛性支持部材に押圧す るにある。

ここでは、 カーカスバンドの端部分の巻き返しに当って、 カーカスバンドを、 ビードフイラ一等とともに、 軸線方向の外側から剛性支持部材に押圧し、 ゴム製 のブラダ一に比してはるかに高い剛性を有するこの剛性支持部材により、 その押 圧力を、 逃げ変形等なしに、 確実かつ十分に支持することで、 カーカスバンドと ビ一ドフィラーとの圧着力をビードフィラーの配設域の全体にわたって従来技術 に比して大きく高めることができ、 この結果として、 それらの間の残留エアをよ り効果的に押出し排除することができる。

従って、 製品タイヤのュニフォミティが向上され、 ビード部の耐久性が向上さ れることになる。

また、 本発明に係る他の成型方法は、 例えばシングルステージ成型において、 成型ドラム上で円筒状のカーカスバンドを成型するとともに、 このカーカスバン ドの外周側にビ一ドコアおよびビードフィラーを配設してグリーンケ一スを成型 し、 ビ一ドコアの拘束下で、 両ビ一ドコアを相互に近接変位させながら、 ダリー ンケースの中央部分を半径方向に膨出変形させて、 ベルトおよびトレッドを主体 とするベルトトレッドバンドの内周面に、 そのグリーンケースを圧着させ、 その 後の、 カーカスバンドを、 ビードコアおよびビ一ドフイラ一の配設域の全体にわ たって、 それらとともに、 軸線方向の内側に配設した剛性支持部材に押圧するに ある。

グリーンケースを成型ドラムの上で成型するこの方法によってもまた、 剛性支 持部材の、 上述したと同様の作用の下で、 カーカスバンドとビードフイラ一とを ビードフィラーの配設域の全体にわたって大きな力で挟持することで、 それらの 間の残留エアを十分に排除することができる。

また、 本発明に係るタイヤ成型ドラムは、 ほぼ円筒形状をなし半径方向に膨出 可能な成形ブラダーと、この成形ブラダーのそれぞれの端部に隣接して位置して、 相互に接近および離隔変位するとともに、 ともに拡径変位する一対のビード口ッ ク手段と、 それぞれのビ一ドロック手段の外側に隣接して位置する、 半径方向の 内外二重の折返しブラダ一とを具え、 成形ブラダーの内部で、 ビ一ドロック手段 の内側に隣接する位置に、 半径方向に拡縮変位され、 少なくとも拡径姿勢では周 方向に隙間なく整列配列され、 成形ブラダーの中心軸線に直交してそれを横切る 平面内で半径方向に所定の幅を有する円環状の平面を形成する、 複数の剛性支持 部材を設けたものである。

この成型ドラムを用いてグリーンタイヤを成型する場合には、予め成型された、 全体として円筒状をなすグリーンケースを、 グリーンケース保持搬送手段により タイヤ成型ドラムの外周側に配置し、 次いで、 ビードロック手段を拡径作動させ てビ一ドコアをロックし、 そして、 ビ一ドコアのこの拘束下でそれぞれのビ一ド ロック手段、 ひいては、 両ビードコアを近接変位させながら、 成形ブラダ一を拡 径変形させて、 グリーンケースの中央部分を半径方向に膨出変形させ、 それを、 ベルトトレツドバンド保持搬送手段により成型ドラムの外周側に予め配置された ベルトトレツドバンドの内周面に圧着させる。

さらに、 成形ブラダー内で、 ビ一ドロック手段の内側に隣接させて配設した複 数の剛性支持部材を拡径変位させて、 所定の幅をもって円環状に連続するそれら を、 ビードコアおよびビードフイラ一の内側に対応させて位置決めし、 その後、 半径方向の内外に二重に配設したそれぞれの折返しブラダーをともに拡径変形さ せ、 これによつて、 力一カスバンドの端部をビ一ドコアの周りに折り返すととも に、 その力一カスバンドを、 ビ一ドコアおよびビードフイラ一の配設域の全体に わたって、 それらとともに剛性支持部材に押圧する。

この場合、 剛性支持部材は、 それ自身の剛性に基づき、 上記押圧力を、 逃げ変 形等無しに、 確実かつ十分に支持するので、 ビードフイラ一とカーカス間の圧着 力を従来の技術に比して大きく高めることができ、 その結果として残留エアをよ り効果的に排除することができる。

従って、 製品タイヤのュニフォミティが向上され、 ビ一ド部の耐久性が向上さ れることができる。

ここで好ましくは、 複数の剛性支持部材を拡径姿勢としたときに形成される円 環状の平面の、 半径方向の幅を、 ビードコアおよびビードフイラ一の半径方向長 さより広幅とする。

これによれば、剛性支持部材に、ビ一ドフィラー及びビードコアのそれぞれを、 それらの全体にわたって強く押圧することができ、 残留エアをより確実に取り除 くことができる。

また、 好ましくは、 ビ一ドロック手段の外周面のビ一ド受け面を、 成形ブラダ 一の中心軸線を含むそれの断面内での形状が、 半径方向外方に開口する U字形状 または、 中心軸線の中央部側が大径で端部側が小径のつば形状とする。

これによれば、 両ビ一ドコアを近接変位させて、 グリーンケースの中央部分を 半径方向に膨出変形させるに際し、カーカスバンドに作用する弓 I張力に起因して、 カーカスバンドコードがビ一ドコアに対して成形ブラダーの側に抜け出すことや、 ビ一ドコアが成形ブラダーの側へ落下するのを、 ビード受け面がそれら、 直接的 には力一カスバンドに及ぼす大きな拘束力に基づいてより効果的に防止すること ができる。

そしてまた好ましくは、 半径方向の外側に位置する折返しブラダ一の、 成形ブ ラダーの中心軸線中央部寄りの部分を、 ビード受け面の全体を覆う位置までせり 出させて配設する。

かかる構成によれば、 力一カスバンドの折返しに際する、 外側の折返しブラダ —への内圧の供給に伴って、 カーカスバンドおよびビ一ドコアに拡径方向の力を 及ぼすことができ、 カーカスバンドとビードコアとの圧着力を高め、 それらの間 の残留エアを有効に排除することができ、 つ、 コ一ド抜けに対する拘束力を高 めることができる。

図面の簡単な説明

図 1は本発明を適用できるタイヤの成型設備の概略レイアウトを示す略線平面 図である。

図 2は本発明に係るタイヤ成型ドラムの中心軸線を含む断面をその半部につい て模式的に表す図である。

図 3は本発明に係るタイヤ成型ドラムの剛性支持部材の配設態様を四半分につ いて例示する図である。

図 4は本発明に係るタイャ成型ドラムにおける剛性支持部材を半径方向に拡縮 径させる機構を表す模式図である。

図 5はタイヤの成型工程時を模式的に示す断面図である。

図 6は本発明に係るタイャ成型ドラムのビードロック手段の断面形状を例示す る図である。

発明を実施するための最良の形態

図 1において、 1はこの発明の対象となるタイヤ成型ドラムを示し、 2は図の 左端にあって、 成型ドラム 1に搬送される、 グリ一ンケースを成型するバンド成 型ドラムを、 そして、 3は、 図では成型ドラム 1の右側に隣接して位置するベル トトレツド成型ドラムをそれぞれ示す。 ここで、 バンド成型ドラム 2は、 カー力 スバンド、 ビ一ドコアおよびビードフィラーを主体とするグリーンケースの成型 に供され、 ベルトトレッド成型ドラム 3は、 ベルトとトレッドを主体とするベル トトレツドバンドの成型に供される。

また、 図中 4はグリーンケースの保持搬送手段を示し、 このグリーンケース保 持搬送手段 4は、 バンド成型ドラム 2上で成型された図示しないグリーンケース を、 そこから成型ドラム 4に搬送してそこに引き渡すべく機能する。

5はベルトトレツドバンドの保持搬送手段を示し、 このベルトトレツドバンド 保持搬送手段 5は図示しないベルトトレツドバンドを、 ベルトトレッドドラム 2 からタイヤ成型ドラム 1に配置されたグリーンケースの外周側位置に搬送し、 そ こに位置決め保持するべく機能する。

図 2において、 6は、 通常状態では円筒状をなし、 半径方向に膨出変形可能な 成形ブラダ一を示し、 この成形ブラダ一 6の両端部に隣接する位置には、 円周方 向に隣接する複数の円弧状エレメントで構成され半径方向に拡縮変位が可能なビ ードロック手段 7を配設する。 また、 このようなビ一ドロック手段 7の外側に隣 接させて、 半径方向の外側に位置することとなる折返しブラダー 8を配設し、 こ の折返しブラダー 8のさらに外側に隣接させて半径方向の内側に位置する折返し ブラダー 9を配設する。

また、 成形ブラダー 6の内部には、 ビードロック手段 7の内側に隣接させて、 半径方向に拡縮径が可能な複数の剛性支持部材 1 0 a、 1 0 bを配設する。 図 3は、 これらの複数の剛性支持部材 1 0 a、 1 0 の、 成形ブラダーの中心 軸線に直交してそれを横切る平面内での配設態様を、 四半分について例示する図 であり、 拡径時を実線で、 そして縮径時を仮想線にて表わす。

ここでは、 一種類の剛性支持部材 1 0 aを、 図示の姿勢でほぼ扇形状をなすも のとし、 他の一種類の剛性支持部材 1 O bを、 ほぼ台形状をなすものとして、 こ れらのそれぞれの剛性支持部材 1 0 a、 1 0 bを周方向に 6枚ずつ交互に、 かつ 等間隔に配設する。

これらの剛性支持部材 1 0 a、 1 0 bは、 拡径時には周方向に隙間なく交互に 整列配列されて、 それらの両部材 1 0 a、 1 0 bに共通の、 半径方向に所定の幅 dを有する、 図では一点鎖線に挟まれる、 円環状の平面領域 Dを形成する。 ここ で、 この所定の幅 dは、 後述するように、 ビ一ドコアおよびビードフイラ一の半 径方向の長さより広幅とする。

一方、 剛性支持部材 1 0 a、 1 0 bは、 それらの縮径時には図 3に仮想線で示 すように変位され、 台形状のそれぞれの剛性支持部材 1 O bは、 扇形状の剛性支 持部材 1 0 aより半径方向内周側に位置して、 それらの相互が周方向に隣接する 形態で整列配列され、 一方、 扇形状の剛性支持部材 1 0 aは、 それらの外周側で 相互に隣接させて整列配列される。

図 4 ( a) ( b )はそれぞれ、剛性支持部材 1 0 aおよび剛性支持部材 1 0 bを 拡縮径させる機構を表す。

図 4 ( a ) に示す、 扇形状の剛性支持部材 1 0 aの拡縮機構は、 半径方向に往 復運動される剛性支持部材 1 0 aと、 剛性支持部材 1 0 aのブラケットに一端部 をヒンジ連結したリンク 1 1と、 このリンク 1 1の他端部をヒンジ連結されて、 成形ブラダーの中心軸線とほぼ平行に配設されて、 そのリンクの他端部を、 成形 ブラダ一の中心軸線方向に往復運動させるシリンダ 1 2と、 剛性支持部材 1 0 a の中心軸線に対する垂直姿勢を維持して拘束しつつ、 剛性支持部材 1 0 aの半径 方向変位を案内するガイド 1 3とを設けてなる。 図中実線は、 剛性支持部材 1 0 a、リンク 1 1、シリンダ 1 2の拡径状態を表し、仮想線は剛性支持部材 1 0 a、 リンク 1 1、 シリンダ 1 2の縮径状態を表す。

この機構によれば、 シリンダ 1 2の、 タイヤ成型ドラムの中心軸線上の往復運 動に従って、 剛性支持部材 1 0 aは半径方向に拡縮径運動を行うことができる。 図 4 ( b ) に示す、 台形状の剛性支持部材 1 O bの拡縮機構は、 リンク 1 1に 比して全長が長いリンク 1 4と、 ストローク量が同じでストローク位置が異なる シリンダ 1 5と、 ガイド 1 3よりストローク量が大きいガイド 1 6とを用いてな り、その結果として、台形状の剛性支持部材 1 0 bの、半径方向の拡縮変位量を、 扇形状の剛性支持部材 1 0 aに比して大きくしている。

これらの拡縮機構によれば、 拡径時の、 扇形状の剛性支持部材 1 0 aおよび台 形状の剛性支持部材 1 0 bのそれぞれの外周面の、 中心軸線からの距離をともに 同一にして、 それぞれの剛性支持部材 1 0 a、 1 0 bを、 周方向に隙間なく交互 に整列配列させることができる。

この一方で、 縮径時には、 それぞれの剛性支持部材 1 0 a、 1 0 の、 上述し たような拡縮変位量の違いに基づき、 台形状の剛性支持部材 1 O bの外周面の、 中心軸線からの距離を、 扇形状の剛性支持部材 1 0 aの外周面のそれよりも小さ くして、それぞれの剛性支持部材 1 0 bを周方向に隣接する形態で整列配列させ、 また、 剛性支持部材 1 0 aを、 それの外周側で、 相互に隣接して整列配列させる ことができる。

またここでは、 図 2に示すところから明らかなように、 ビ一ドロック手段 7の 半径方向外周面、 直接的には、 複数個の円弧状のエレメントのそれぞれの外周面 に形成されるビ一ド受け面 1 7の、 成形ブラダ一 6の中心軸線を含む断面内での 形状を、 成形ブラダーの中心軸線の中央部側が大径で、 端部側が小径のつば形状 とする。

加えてここでは、 半径方向外側の折返しブラダー 8の、 成形ブラダー 6の中心 軸線の中央部寄りの部分を、 ビ一ド受け面 1 7の全体を覆う位置までせり出させ て配設し、 好ましくは、 このせり出し部分をビード受け面 1 7上に抜け止め嵌合 させることにより、 そのせり出し部分のビ一ド受け面 1 7に対する不測の位置ず れを防止する。

なおここで、 好ましくは、 ビ一ドロック手段 7の、 相互に隣接するそれぞれの 円弧状エレメントの隣接対向面を、 外周側から見て仮想円周線分に対して 4 5度 程度傾斜させ、また、半径方向に平行な平面を有するものとする。これによれば、 円周方向において、 相互に隣接する円弧状エレメントのそれぞれが、 それらの全 幅にわたって完全に途切れるのを防止して、 ビードコアおよび力一カスバンドに 対する支持力を、 途切れが生じる場合に比して高めることができる。

図 5 ( a ) はグリーンケース保持搬送手段 4を用いて、 グリーンケースを成型 ドラム 1上に搬送した状態を表す。

図中 1 8は搬送されたグリーンケースを示し、 このグリーンケース 1 8は、 円 筒状の力一カスバンド 1 9と円環状のビードコア 2 0およびビードフイラ一 2 1 を主体とするも、 ここでは、 力一カスバンド 1 9の内周面に圧着させたインナ一 ライナー 2 2および、 このインナ一ライナー 2 2の内周面に、 その両端部分で圧 着させたサイドウオールゴム 2 3をも具えている。

図 5 ( b ) は、 ビードコアをロックした状態を示し、 ここでは、 グリーンケー ス 1 8のビードコア 2 0と、 ビ一ドロック手段 7のビード受け面 1 7の位置を合 わせて、 ビードロック手段 7ひいては、 それぞれの円弧状エレメントを半径方向 に拡径変位させることで、 ビ一ド受け面 1 7をもって、 ビ一ドコア 2 0を高い拘 束力の下でロックする。

図 5 ( c ) は、 両ビードコアを近接変位させながらグリーンケースをベルトト レツドバンドに圧着させる工程を表す模式図である。

図中 2 4はベルトトレツドパンドを示し、 このベルトトレッドバンド 2 4は、 トレッドゴム 2 5およびベルト 2 6を主体としてなる。

ベルトトレツドバンド 2 4はベル卜卜レツドバンド保持搬送手段 5により、 ベ ルトトレッド成型ドラム 3から搬送されて、 グリーンケース 1 8の外周側で、 そ れの中央部分に予め配置されて、 位置決め保持される。

グリーンケース 1 8のビ一ドコア 2 0の、ビードロック手段 7による拘束下で、 そのビ一ドロック手段 7を相互に近接変位させることに基づいて、 両ビ一ドコア 2 0を相互に近接変位させ、 併せて、 グリーンケース 1 8の中央部分を、 成形ブ ラダー 6により膨出変形させることにより、 ベルトトレツドバンド 2 4の内周面 に、 グリーンケース 1 8のその中央部分を圧着させる。

ところで、 ここでは、 先に述べたように、 ビ一ドロック手段 7のビード受け面 1 7の、 成形ブラダーの中心軸線を含む断面内での形状を、 その中心軸線の中央 部側が大径で端部側が小径のつば形状としたことにより、 このビード受け面 1 7 は、 グリーンケース 1 8のこのような膨出変形に際して、 カーカスバンド 1 9に 作用する引張力に対し、 平坦面よりなる従来のビ一ド受け面に比してより大きな 拘束力を発揮することができ、 これがため、 力一カスバンド 1 9に作用するその 引張力に起因して、 力一カスバンドコ一ドがビ一ドコア 2 0に対して引き抜ける ことや、 ビ一ドコア 2 0が成形ブラダー 6の中心軸線の中央部側へ落下すること をより有利に防止することができる。

図 5 ( d) は力一カスバンド端をビ一ドコアの周りに折り返してビード部分を 成型する工程を表す模式図である。

まず、 図に示すように、 複数の剛性支持部材 1 0 a、 1 0 bを半径方向外側に 拡径変位させて、 先に述べた円環状の平面領域 Dを、 ビードコア 2 0およびビ一 ドフイラ一 2 1に対応する位置にもたらす。 その後、 半径方向外側の折返しブラ ダー 8と半径方向内側の折返しブラダー 9をともに、 それらへの内圧供給に基づ いて膨張変形させることで、 カーカスバンド 1 9の端部分をインナーライナ一 2 2およびサイドウオールゴム 2 3とともに、ビ一ドコア 2 0の周りに折り返して、 ビード部分を成型する。

この場合、 ビードコア 2 0およびビードフイラ一 2 1は、 複数の剛性支持部材 1 0 a , 1 0 bのビードコア 2 0およびビードフィラー 2 1の半径方向長さより 広い所定の幅 dをもつ円環状の平面領域 Dに、それらの半径方向全域にわたって、 内側から強固に支持されることになる。

従って、 ビードコア 2 0およびビ一ドフイラ一 2 1は、 複数の剛性支持部材 1 0 a、 1 0 bの円環状の平面領域 Dと、 半径方向外側の折返しブラダ一 8および 半径方向内側の折返しブラダ一 9とにより、 力一カスバンド 1 9と共に強く挟持 されて、 カーカスバンド 1 9とビードフイラ一 2 1との圧着力を高められること になり、 この結果として、 カーカスパンド 1 9とビードフイラ一 2 0との間の残 留エアが効果的に排除されることになる。

それ故に、 製品タイヤのュニフォミティを高め、 併せて、 耐久性を向上させる ことができる。

またここでは、 折返しブラダー 8の、 ビード受け面 1 7上への迫り出し部分も また、 その折返しブラダ一 8への内圧の供給に基づいて、 膨張変形するので、 力 —カスバンド 1 9はビードコア 2 1に対し拡径方向にも押圧されることになり、 カーカスバンド 1 9とビードコア 2 0との圧着力を高めることができる。

以上に述べた一連の工程により、 ビードフィラ一とカーカスバンドとの間の残 留エアを効果的に排除したグリーンタイヤを成型することができる。

ここで、 図 5は、 グリーンケ一スをタイヤ成型ドラムとは別個の、 カーカスバ ンド成型ドラム上で成型する場合について示したが、 このことに代えて、 タイヤ 成型ドラム上で、 円筒状のカーカスバンドを成型するとともに、 この力一カスバ ンドの外周側にビ一ドコアおよびビードフィラーを配設する等してグリーンケー スを成型することもでき、 この場合にはカーカスバンドの両端部分をビ一ドコア の周りに巻き返すに当たって、 複数の剛性支持部材を上述したと同様に機能させ ることで、 ビ一ドコアおよびビードフイラ一を内側から強固に支持して、 カー力 スバンドとビードフイラ一との圧着力を高めることができ、 これにより、 カー力 スバンドとビードフイラ一との間の残留エアを効果的に排除することができる。 3

なお、 図 2および図 5に示すところでは、 図 6 ( a ) に詳細に示すように、 ビ —ド受け面 1 7をつば形状とした場合を示しているが、図 6 (b )に示すように、 そのビ一ド受け面の断面形状を半径方向外方に開口する U字形状とすることもで きる。この場合には、ビード受け面の、カーカスバンド 1 9との接触する面積が、 つば形状に比べて大きくなるので、 さらに、 ビ一ド受け面がカーカスバンドコー ドに及ぼす拘束力が強まり、 より効果的に、 力一カスバンドコードのビードコア 2 0に対する抜けや、 ビードコア 2 0の落ちを防止することができる。

産業上の利用可能性

以上に述べたところから明らかなように、 本発明によれば、 グリーンケースを ベルトトレツドバンドに圧着させた後の、 カーカスバンドの両端部分の、 ビード コアの周りへの巻き返しにあたり、 カーカスバンドを、 ビードコアおよびピ一ド フィラーとともに、 力一カスバンドの内周側に配設した剛性支持部材に押圧する ことにより、 カーカスバンドとビードフイラ一との圧着力を高めて、 ビードフィ ラーとカーカスとの間の残留エアをより効果的に排除することができる。 これに より、 製品タイヤのュニフォミティを良好に保ち、 ビ一ド部の耐久性が向上され る。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 円筒状をなす力一カスバンド、 円環状のビードコアおよびビードフイラ一 を主体とするグリーンケースを、タイヤ成型ドラムの外周側に配置するとともに、 そのタイヤ成型ドラムにより、 ビ一ドコアの拘束下で、 両ビードコアを相互に近 接変位させながら、 グリーンケースの中央部分を半径方向に膨出変形させて、 ベ ルトおよびトレツドを主体とするベルトトレツドバンドの内周面に、 そのダリー ンケースを圧着させ、 その後の、 カーカスバンドの両端部分の、 ビ一ドコアの周 りへの巻き返しにあたり、 カーカスバンドを、 ビ一ドコアおよびビードフイラ一 の配設域の全体にわたって、 それらとともに、 軸線方向の内側に配設した剛性支 持部材に押圧するタイヤの成型方法。

2 . タイヤ成型ドラム上で円筒状のカーカスバンドを成型するとともに、 この 力一カスバンドの外周側にピードコァおよびビ一ドフィラーを配設してグリーン ケ一スを成型し、 ビードコアの拘束下で、 両ビ一ドコアを相互に近接変位させな がら、 グリーンケースの中央部分を半径方向に膨出変形させて、 ベルトおよびト レツドを主体とするベルトトレツドバンドの内周面に、 そのグリーンケースを圧 着させ、 その後の、 カーカスバンドの両端部分の、 ビ一ドコアの周りへの巻き返 しにあたり、 力一カスバンドを、 ビードコアおよびビードフイラ一の配設域の全 体にわたって、 それらとともに、 軸線方向の内側に配設した剛性支持部材に押圧 するタイヤの成型方法。

3 . ほぼ円筒形状をなし半径方向に膨出可能な成形ブラダーと、 この成形ブラ ダ一のそれぞれの端部に隣接して位置して、 相互に接近および離隔変位するとと もに、 ともに拡径変位する一対のビ一ドロック手段と、 それぞれのビードロック 手段に隣接して位置する、 半径方向の内外の折返しブラダーとを具えるタイヤ成 型ドラムであって、

成形ブラダーの内部で、 ピードロック手段の内側に隣接する位置に、 半径方向 に拡縮変位され、 少なくとも拡径姿勢では周方向に隙間なく整列配列され、 成形 ブラダ一の中心軸線に直交してそれを横切る平面内で半径方向に所定の幅を有す る円環状の平面を形成する、複数の剛性支持部材を設けてなるタイヤ成型ドラム。

4. 複数の剛性支持部材を拡径姿勢としたときに形成される円環状の平面の半 径方向の幅を、 ビードコアおよびビードフィラーの半径方向長さより広幅として なる請求の範囲 3に記載のタィャ成型ドラム。

5 . ビード口ック手段のビード受け面の、 成形ブラダーの中心軸線を含む断面 内での形状を、 半径方向外方に開口する U字形状または、 上記中心軸線の中央部 側が大径で、 端部側が小径のつば形状としてなる請求の範囲 3もしくは 4に記載 のタイヤ成型ドラム。

6 . 半径方向の外側に位置する折返しブラダーの、 成形ブラダーの中心軸線の 中央部寄りの部分を、 前記ビード受け面の全体を覆う位置までせり出させて配設 してなる請求の範囲 3〜 5のいずれかに記載のタイャ成型ドラム。

7 . 円周方向に交互に配置される二種類の剛性支持部材と、 それぞれの剛性支 持部材を一端部でヒンジして、 剛性支持部材の半径方向の拡縮変位をもたらすそ れぞれのリンクと、 それらのリンクの他端部をヒンジされて、 リンクの他端部を 成型ドラムの中心軸線の方向に往復運動させるそれぞれのシリンダと、 剛性支持 部材の拡縮変位の方向を半径方向に限定するガイド機構とを具える拡縮径機構を 設けてなる請求の範囲 3〜 6のいずれかに記載のタイヤ成型ドラム。