WO2003082987A1 - Composition polymere - Google Patents

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Takahiko Terada
Tetsuji Kawakami
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Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K21/00Fireproofing materials
    • C09K21/14Macromolecular materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/0008Organic ingredients according to more than one of the "one dot" groups of C08K5/01 - C08K5/59
    • C08K5/0066Flame-proofing or flame-retarding additives

Definitions

  • the present invention has been made in view of the above-mentioned points, and a main object of the present invention is to provide a polymer composition having low toxicity and environmentally friendly flame retardancy, and a method for producing the same. is there.
  • the composition of the polymer and the flame-retardant polymer in the polymer composition of the present invention is determined by the type of the polymer and the flame-retardant polymer and the properties required for the final product (for example, In general, it is preferable to contain the flame-retardant polymer in a ratio of 5 parts by weight or more and 50 parts by weight or less with respect to 1 part by weight of the polymer. Since the flame-retardant polymer is typically in the form of a powder, it has a low bulk density and a large volume effect (or surface area effect) compared to the weight ratio. However, in order to surely obtain the flame-retardant effect, it is preferably added in an amount of at least 5 parts by weight, more preferably at least 10 parts by weight.
  • the flame-retardant polymer used particularly for the polymer composition for bulk molded articles preferably has a thermal decomposition temperature of more than 300 ° C. and less than 550 ° C.
  • heterocyclic compounds having nitrogen as a hetero atom include adenine, guanine, cytosine, peracil, and thymine.
  • the thermal decomposition temperature reached 10% by using Rigaku's thermal analyzer TAS 100 (TG / DTA-DSC) under a nitrogen atmosphere and a temperature rise condition of 1 ot / min. Temperature.

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Description

明 細 書 高分子組成物 技術分野
本発明は、 毒性が少なく、 高分子の本来の性質を損なわない難燃 性を有する高分子組成物およびその製造方法に関する。 背景技術
高分子は、 木材などと同じく燃えるものに分類される。 このため. 燃えては都合が悪い用途にはそのままでは使用できず、 種々の難燃 化が施されている。
なお、 本明細書において、 高分子 ( 「樹脂」 または 「プラスチッ ク」 ということもある。 ) は、 熱可塑性高分子だけでなく熱硬化性 高分子を含むものとし、 高分子組成物は、 高分子と他の材料 (例え ば無機充填剤) との混合物を含む。
一般に、 高分子の難燃化は、 種々の難燃剤を配合するか、 高分子 の骨格に置換基を導入することによって行われている。 また、 難燃 剤は、 ハロゲン系難燃剤とノンハロゲン系難燃剤とに大別される。 ハロゲン系難燃剤については、 燃焼時に発生する臭化水素、 塩化 水素などの酸性ガスによる毒性が従来から指摘されており、 さらに 最近ではダイォキシンが発生する恐れがあることも問題視されてい る。 このために近年はノンハロゲン系難燃剤が注目されている。 ノンハロゲン系難燃剤としては、 金属水酸化物ゃリン系の難燃剤 が挙げられる。 例えば水酸化マグネシウムなどのような金属水酸化 物は、 ハロゲン系難燃剤と比較して燃焼時に発生するガスの毒性は 低いものの、 難燃性能が劣るといった欠点がある。 従って、 金属水 酸化物を用いて高分子を難燃化するためには、 金属酸化物を高分子 中に多量に配合しなければならず、 高分子の性質を損なうという問 題が生じている。
また、 ノンハロゲン系難燃剤としてトリアジン化合物の硫酸塩を 熱可塑性高分子に配合した難燃性高分子組成物が特開平 8 - 4 8 8 1 2号公報に開示されている。 しかし、 この組成物は、 かなりの燃 焼抑制効果を示すものの難燃性が十分ではなく、 さらに良好な難燃 性を有する難燃剤および難燃性高分子組成物の開発が望まれている, また、 地球規模の環境問題の観点からは、 石油などの資源枯渴や. マテリアルリサィクルまたはケミカルリサイクルできない高分子の 廃棄処理時の焼却による地球温暖化がますます深刻化しており、 生 分解性高分子の開発が進んでいる。 特に、 石油などの化石資源を使 用せずバイオマスを原料とする生分解性高分子の開発が盛んに行わ れつつある。 その中でも、 とうもろこしや芋など比較的短いサイク ル (例えば 1年) で大気中の二酸化炭素を固定化した植物起源のバ ィォマスを用いると、 焼却によって炭酸ガスが発生しても固定化さ れるサイクルが短いので、 長期的には地球温暖化に寄与しないとい う利点があるので注目されている。
上述したように、 ダイォキシンなど有毒ガスの発生がなく、 高分 子の特性を損なわずに、 且つ、 十分な難燃性を有する難燃剤および 難燃性高分子を開発することが望まれている。 更に、 これまで、 バ ィォマスを原料として難燃剤を製造する、 あるいは、 難燃剤そのも のに生分解性を付与するという視点での技術開発がなされていなか つた 発明の開示
本発明は上記諸点に鑑みてなされたものであり、 本発明の主な目 的は、 毒性が少なく、 地球環境にやさしい難燃性を有する高分子組 成物およびその製造方法を提供することにある。
本発明の高分子組成物は、 高分子と難燃剤とを含む高分子組成物 であって、 前記難燃剤は難燃性化合物を側鎖に有する重合体を含む ことを特徴とし、 そのことによって上記目的が達成される。
前記難燃性化合物は、 加熱された時に、 吸熱分解反応、 ラジカル 化合物生成反応、 不活性ガス生成反応、 不燃物生成反応でなる反応 種群から選ばれる少なくとも 1つの反応を発現する化合物であるこ とが好ましい。
ある実施形態において、 前記重合体の熱分解温度は、 1 0 0 °Cよ りも高く且つ前記高分子の熱分解温度よりも低い。
ある実施形態において、 前記重合体の熱分解温度は 3 0 0 超 5 5 0 未満の範囲にある。
ある実施形態において、 前記重合体の融点または軟化温度は、 前 記高分子の軟化温度以下である。
ある実施形態において、 前記高分子 1 0 0重量部に対して、 前記 重合体を 5重量部以上 5 0重量部以下の比率で含む。 ある実施形態において、 前記重合体は、 窒素をへテロ原子とする 複素環状化合物を側鎖に有する。
ある実施形態において、 前記複素環状化合物は、 ヒダントイン、 ジメチルヒダントイン、 トリァジン、 ジアミノ トリアジン、 ァセト グアナミン、 アミノ トリアゾール、 アミノピリジン、 イソシァヌル 酸、 イミダゾ一ル、 メチルイミダゾール、 トリァリルシアヌレート. トリアリルイソシァヌレート、 ピラジン、 メラミン、 核酸塩基、 ヌ クレオチド、 ヌクレオシドからなる群から選択された少なくとも 1 種の化合物を含む。
ある実施形態において、 前記重合体は付加重合体である。
ある実施形態において、 前記付加重合体における重合性基は、 ビ ニル基、 ァリル基、 アクリル基、 メタクリル基からなる群から選択 された少なくとも 1種を含む。
ある実施形態において、 前記高分子は生分解性高分子を含む。 ある実施形態において、 前記高分子は植物起源の原料から製造さ れた高分子である。
ある実施形態において、 前記高分子はポリ乳酸系高分子である。 ある実施形態において、 前記高分子はポリスチレンを含む。
ある実施形態において、 前記高分子は不飽和ポリエステルを含む, ある実施形態において、 熱可塑性を有し射出成形され得る。
本発明による高分子組成物からなる成形体は、 上記のいずれかに の高分子組成物からなることを特徴とする。
ある実施形態において、 前記成形品は、 前記難燃性化合物を表面 近傍に内部よりも高い密度で含む。 本発明による成形体は、 電気機器用筐体に好適に用いられる。 本発明による難燃性を有する高分子組成物の製造方法は、 高分子 と、 難燃性化合物を含む重合性化合物とを用意する工程と、 前記高 分子と前記重合性化合物とを加熱しながら混合し、 前記難燃性化合 物を側鎖に有する重合体を生成する工程とを包含することを特徴と する。
ある実施形態において、 前記難燃性化合物は、 加熱された時に、 吸熱分解反応、 ラジカル化合物生成反応、 不活性ガス生成反応、 不 燃物生成反応でなる反応種群から選ばれる少なくとも 1つの反応を 発現する化合物である。
ある実施形態において、 前記重合性化合物は、 窒素をへテロ原子 とする複素環状化合物を含む。
ある実施形態において、 前記高分子は生分解性高分子を含む。 ある実施形態において、 前記高分子はポリスチレンを含む。
ある実施形態において、 前記高分子はゴム混入ポリスチレンであ つて、 前記重合性化合物はビニルジアミノ 卜リァジンである。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明の実施形態を詳細に説明する。 以下の説明において, 実施例および比較例を掲げて説明するが、 本発明はこれらの実施例 になんら限定されるものではない。
本発明者は、 毒性が少なく、 地球環境にやさしい難燃性を有する 高分子組成物を提供することを目的に、 特に、 バイオマスを原料と して難燃剤を製造する、 あるいは、 難燃剤そのものに生分解性を付 与するという視点から研究開発を行い本発明に想到した。
本発明による難燃性高分子組成物は、 高分子と難燃剤とを含む高 分子組成物であって、 難燃剤は難燃性化合物を側鎖に有する重合体 を含む。
本発明による難燃性高分子組成物は、 難燃性化合物を側鎖に有す る重合体を含み、 この重合体は、 難燃性化合物そのもののよりも高 分子に対する分散性が低いので、 均一に分散し難く、 例えば、 射出 成形などの成形工程において、 表面近傍 (スキン層と言われること もある) に内部よりも高い密度で存在するので、 従来よりも高い難 燃効果を得ることができる。 すなわち、 本発明の高分子組成物にお いては、 難燃剤が難燃効果を発揮する表面近傍により多く存在して いるので、 従来よりも少ない配合量で従来と同等以上の難燃性を得 ることができる。 また、 難燃性化合物の重合体なので、 難燃性化合 物をそのまま (低分子で) 用いるよりも、 高分子の特性 (機械特 性) を低下させ難い。 これは、 所望の難燃性を得るための配合量を 減らせること、 および Zまたは分子量が大きいことによって得られ る。
難燃性重合体の分子量は、 好ましくは 3 0 0〜 1 0 0, 0 0 0、 さらに好ましくは 5 0 0〜 1 0, 0 0 0である。 分子量が大きいほ うが、 高分子への分散性が低下する傾向にある。 そのため、 低分子 での均一分散に比べて、 混練後あるいは成形後においては、 表面付 近においてはスキン層を形成するために難燃性重合体の濃度が高く なり、 難燃性の効果は高くなる。 しかしながら、 分子量が大きすぎ ると、 難燃性重合体の分散性が低下し、 難燃性重合体の凝集による 機械特性の低下や成形品の表面の平滑性の低下、 あるいは成形性の 低下が起こることがある。 そのため、 難燃性重合体の分子量は、 3 0 0〜1 0 0, 0 0 0であることが好ましい。
また、 難燃性重合体における難燃性化合物 (好ましくは、 後述ゥ する窒素をへテロ原子とする複素環状化合物) を含む側鎖の分子量 は、 5 0 0以下が好ましい。 さらに好ましくは、 3 5 0以下である < 側鎖の分子量が大きくなると、 重合体に高分子反応によって側鎖を 結合させる場合においても、 重合性化合物 (典型的には単量体) と 側鎖を結合させてから重合させる場合においても、 反応性は低下し. 収率は低下する。 そのため、 側鎖の分子量は、 5 0 0以下が好まし い。
また、 難燃性重合体の側鎖の構造によっても、 側鎖を結合させる 際の反応性が影響される。 例えば、 難燃性化合物として窒素をへテ 口原子とする複素環状化合物を用いる場合、 ヌクレオチドのリン酸 の数が増えれば、 その分嵩高くなり、 立体障害効果により反応性は 低下する。 しかし、 リン酸部位が多いほうが、 ポリリン酸形成能が 高まり、 難燃効果が高い。 従って、 難燃性化合物としてヌクレオチ ドを用いる場合には、 一リン酸および三リン酸よりも、 二リン酸が 最も効果的である。
本発明の高分子組成物における難燃剤が含む重合体を形成する重 合方法は、 付加重合、 縮合重合、 重付加、 付加縮合、 開環重合など が挙げられる。 付加重合の場合は、 ビニル、 ァリル、 アクリル、 メ タクリルなどの付加重合性基を有した単量体による重合である。 縮 合重合の場合は、 酸とアルコールによるエステル重合、 アルコール 同士のエーテル重合、 酸とァミンのアミ ド (ナイロン) 重合などが 挙げられる。 重付加は、 イソシアナ一ト基とアルコールによるウレ 夕ン重合や、 ジイソシアナ一トとジアミンの尿素重合などが挙げら れる。 また、 付加縮合は、 付加反応と縮合反応の繰り返しによる重 合であり、 フエノールとホルムアルデヒドによるフエノール樹脂形 成に見られる重合や、 尿素あるいはメラミンと、 ホルムアルデヒド による重合反応が挙げられる。 開環重合は、 ラクトンゃラクタム、 環状エーテルや環状ホルマールなどによる環の開裂、 生長反応によ る重合である。
いずれの重合反応を利用する場合でも、 難燃性化合物を側鎖に重 合体は、 高分子と混合する前に調製 (合成) してもよいし、 高分子 と混合 (例えば加熱混練) する過程で、 重合性化合物 (例えば難燃 性単量体) を重合することによって生成してもよい。 勿論、 両者を 併用することもできる。
難燃剤として用いる難燃性重合体の側鎖として含まれる難燃性化 合物は、 公知の化合物から適宜選択されるが、 窒素をへテロ原子と する複素環状化合物が好ましい。
窒素をへテロ原子とする複素環状化合物としては、 ヒダントイン、 ジメチルヒダントイン、 トリアジン、 ジアミノ トリアジン、 ァセト グアナミン、 アミノ トリアゾ一ル、 アミノピリジン、 イソシァヌル 酸、 イミダゾ一ル、 メチルイミダゾ一ル、 トリァリルシアヌレート、 トリアリルイソシァヌレ一ト、 ピラジン、 メラミン、 核酸塩基、 ヌ クレオチド、 ヌクレオシドからなる群から選択された少なくとも 1 種の化合物を挙げることができる。 後に具体的な実施例を例示するように、 これら窒素をへテロ原子 とする複素環状化合物を側鎖に有する重合体は窒素原子を含有して いるので、 従来から難燃剤として使用されている窒素含有化合物、 例えば、 脂肪族ァミン化合物、 芳香族ァミン化合物、 シアン化合物. 脂肪族アミ ド、 芳香族アミ ド、 尿素およびチォ尿素と同様に難燃作 用を発揮する。
特に、 窒素をへテロ原子とする複素環状化合物は含窒素複素環を 有しているので、 高温に晒されたとき、 吸熱分解することによって 高分子の熱分解を抑え燃焼の燃料供給を断つと共に、 且つ、 高分子 の周囲に不活性な雰囲気 (窒素ガス雰囲気) を形成することによつ て酸素との接触機会を低下させ、 難燃化する作用が高いと考えられ る。
また、 難燃性重合体の融点あるいは軟化点は、 高分子組成物の成 形温度以下であることが好ましい。 高分子組成物の成形時に、 難燃 性重合体が、 液滴または移動容易な状態であり、 より表面付近に局 在するので、 難燃効果がさらに高まる。
難燃性重合体として、 付加重合体を利用する場合、 重合性基は、 ビニル、 ァリル、 アクリル、 メタクリルからなる群から選択された 少なくとも 1種をあげることができる。 付加重合体を用いると射出 成形に適した高分子組成物に好適に用いられ、 さらに、 加熱 · 混練 工程において生成させることも容易にできる。
上記窒素をへテロ原子とする複素環状化合物のうち、 核酸塩基、 ヌクレオチド、 ヌクレオシドは、 いずれも生物起源の物質であり、 且つ、 生分解性を有する。 従って、 石油などの化石燃料から合成さ れる化合物と異なり、 バイオマスを原料として製造され、 且つ、 生 分解性を有する地球環境に優しい材料である。
なお、 本発明に高分子組成物が含有する難燃剤は、 上記難燃性化 合物を側鎖に含む重合体の他に従来の難燃剤を含んでも良いが、 本 発明の効果を得るためには、 窒素をへテロ原子とする複素環状化合 物を側鎖に有する重合体のみを難燃剤として用いることが好ましい, 上記高分子組成物の難燃剤として好適に作用するためには、 難燃 性化合物は、 加熱された時に、 吸熱分解反応、 ラジカル化合物生成 反応、 不活性ガス生成反応、 不燃物生成反応でなる反応種群から選 ばれる少なくとも 1つの反応を発現する化合物であることが好まし く、 これらの反応を発現する温度 (すなわち熱分解温度) は、 高分 子組成物の加工温度 (成形温度など) よりも高く、 高分子の熱分解 温度よりも低いことが好ましい。
本発明による高分組成物は、 配合される高分子の特性に応じて、 シート、 フィルムや筐体など、 種々の形態の成形品に加工すること が可能であり、 また、 成形材料に限られず、 接着剤、 塗料やパテな どの材料として用いることができる。 一般的な高分子の加工温度は 約 1 0 0 °C以上約 3 0 0 :以下であり、 また、 一般な高分子材料は 燃焼するときに約 4 0 0 以上約 5 5 0 °C以下の温度 (熱分解温度 に相当する) に到達する。 従って、 難燃性重合体は、 配合される高 分子の種類およびノまたは加工温度に応じて、 所望の熱分解温度を 有する難燃性重合体を用いればよい。 すなわち、 熱分解温度が 1 0 0 °C超 5 5 0 °C未満の難燃性重合体を用途に応じて適宜用いること ができる。
0 本発明の高分子組成物は、 特に難燃性が要求される、 例えば電気 機器 (電子機器や電子部品などを含む) の用途において、 その利点 が発揮される。 また、 本発明による難燃性重合体は、 高分子の機械 特性を大きく低下させることなく、 難燃性を付与することができる ので、 筐体などのバルク成形品の材料として好適に用いられる。
これらの用途の高分子組成物を構成する高分子としては、 加工温 度 (成形温度) が、 約 2 5 0 以上約 3 0 0 °C以下である高分子 (典型的には従来のいわゆる汎用エンジニアリングプラスチック (ここでいう 「プラスチック」 は狭義のプラスチックであり、 熱可 塑性榭脂を指す。 ) が用いられており、 これらの高分子の加工中に 熱分解が起こらないように、 難燃性重合体の熱分解温度は約 3 0 0 よりも高いことが好ましい。 従って、 熱分解温度が約 3 0 0 °C超 5 5 0 °C未満の難燃性重合体を用いることによって、 本発明の利点 が特に発揮される。
なお、 本明細書における熱分解温度は、 熱重量計 (T G ) を用い て、 窒素雰囲気下において 1 o °c z分の昇温条件で重量変化を測定 し、 重量減少 1 0 %に到達した温度を熱分解温度とする。
本発明の高分子組成物における高分子と難燃性重合体との配合組 成は、 高分子および難燃性重合体の種類および最終的な製品に要求 される特性 (例えば、 難燃性や機械特性) に依存するが、 一般に、 高分子 1 ひ 0重量部に対して、 上記難燃性重合体を 5重量部以上 5 0重量部以下の比率で含むことが好ましい。 難燃性重合体は、 典型 的には粉末状をとるので、 嵩密度が小さく重量の比率に比べ体積効 果 (あるいは表面積効果) が大きいため、 比較的少量から難燃作用 を発揮し得るが、 難燃効果を確実に得るためには 5重量部以上配合 することが好ましく、 1 0重量部以上配合することが更に好ましい, 一方、 難燃性重合体の配合量が 5 0重量部を超えると、 高分子の特 性 (例えば機械特性) が低下し過ぎることがある。 特に、 バルク成 形品の用途等において高分子の物性の低下を抑制するためには、 難 燃性重合体の配合量は 1 0 0重量部以下であることが好ましく、 3 0重量部以下であることが更に好ましい。
以下、 難燃性重合体の側鎖を構成する難燃性化合物として用いら れる窒素をへテロ原子とする複素環状化合物の好適例である核酸塩 基、 ヌクレオチド、 ヌクレオシドの具体例を示す。
核酸塩基とは、 良く知られているようにベント一スおよびリン酸 と共に核酸を構成する物質である。 アデニン、 グァニン、 シトシン, ゥラシル、 チミンおよびヒポキサンチンを好適に用いることができ る。 また、 これらの核酸塩基の硫酸塩、 硝酸塩、 硼酸塩、 塩酸塩な らびにイソシァヌル酸塩も好適に用いられる。 例えば、 アデニン硫 酸塩、 グァニン塩酸塩、 グァニン硫酸塩などを例示することができ る。
また、 ヌクレオシドとしては、 アデノシン、 グアノシン、 シチジ ン、 ゥリジン、 チミジン、 イノシンを例示することができる。
ヌクレオチドとしては、 例えば、 アデニル酸、 グァニル酸、 シチ ジル酸、 ゥリジル酸、 チミジル酸、 イノシン酸を好適に用いること ができる。 また、 ヌクレオチドの金属塩としては、 5 ' —アデニル 酸ナトリウム塩、 アデノシン三リン酸ナトリウム塩、 5 ' —グァ二 ル酸ナトリウム塩、 5 ' —ゥリジル酸ナトリウム塩、 5 ' —イノシ ン酸ナトリゥム塩を例示することができる。
上記核酸塩基、 ヌクレオシドおよびヌクレオチドの窒素原子に結 合した水素原子を、 炭素数 1〜4のアルキル基、 炭素数 6〜 1 0の ァリール基、 アルコキシ基またはメルカプト基に置換した化合物も 難燃性を有する。 このような化合物として、 2—メチルアデニン、 6ージェチルアデニン、 6—ァリルアデニンなどを使用することも できる。
ここで、 炭素数 1〜4のアルキル基とは、 例えば、 メチル基、 ェ チル基、 プロピル基、 ブチル基などが挙げられ、 炭素数 6〜 1 0の ァリール基としては、 例えば、 フエニル基、 トリル基、 キシリル基. ナフチル基等を挙げることができる。 アルコキシ基としては、 メト キシ基、 エトキシ基、 ブトキシ基等が挙げることができる。 なお、 炭素数があまり多いと難燃性が低下することがある。
上述したように、 特にバルク成形品用の高分子組成物に用いられ る難燃性重合体は、 3 0 0 °C超 5 5 0 °C未満の熱分解温度を有して いることが好ましく、 このような窒素をへテロ原子とする複素環状 化合物として、 アデニン、 グァニン、 シトシン、 ゥラシル、 および チミンを例示することができる。 なお、 熱分解温度は、 リガク製の 熱分析装置 TAS 1 0 0 (T G/D T A - D S C) を用いて、 窒素 雰囲下、 1 ot /分の昇温条件における重量減が 1 0 %に到達した 温度とした。
ヌクレオチド、 またはヌクレオチドの窒素原子に結合した水素原 子を、 炭素数 1〜 4のアルキル基、 炭素数 6〜 1 0のァリール基、 アルコキシ基、 およびメルカプト基からなる群から選択された原子 団 (基) に置換された化合物は、 リン酸を構成単位として有してお り、 これらの化合物は高温下に晒された時にポリ リン酸化合物を生 成して、 耐熱性の皮膜を形成することにより、 および または、 固 体酸による炭化促進機構により、 難燃効果を示すと考えられる。 従 つて、 これら化合物は、 リン酸による難燃作用と含窒素複素環によ る難燃作用と有するので、 より大きい効果が期待できる。
本発明の高分子組成物に使用される高分子には、 ポリスチレン、 A B S樹脂、 ポリアミ ド樹脂、 ポリプロピレン、 ポリウレタン、 P P S樹脂などの熱可塑性樹脂や、 エポキシ樹脂、 フエノール樹脂、 ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂など汎用の高分子を用いるこ とができるが、 生分解性高分子を用いることが好ましい。 本発明の うち、 窒素をへテロ原子とする複素環状化合物の好適例である核酸 塩基、 ヌクレオチド、 ヌクレオシドを含む難燃性重合体と生分解性 高分子とを用いることによって、 生分解性の高分子組成物を得るこ とができるので、 酵素および Zまたは微生物による分解を利用して 廃棄処理することが可能で、 また、 地中に埋設しても分解され、 自 然の物質循環に組み込まれ得る。
生分解性高分子には、 ポリ力プロラクトン、 ポリプロピオラク ト ンのようなラク トンの開環重合により得られる重合体、 ポリ乳酸、 ポリダリコ一ル酸のようなヒドロキシ酸の重合体、 ポリエチレンァ ジペート、 ポリブチレンアジべ一ト、 ポリテトラメチレンアジべ一 ト、 ポリエチレンサクシネート、 ポリブチレンサクシネートのよう なダリコールと脂肪族ジカルボン酸とからなる共重合体、 ポリカブ ロラク トンジオールやポリ力プロラク トントリオールのような末端 に官能基を有する重合体、 3—ヒドロキシプロピオナ一ト、 3—ヒ ドロキシブチレート、 3—ヒドロキシバリレート、 3—ヒドロキシ ォク夕ノエ一卜のような微生物の発酵により得られるポリエステル などを好適に用いることができる。
生分解性高分子のなかでも比較的短いサイクル (例えば 1年) で 大気中の二酸化炭素を固定化した植物起源のバイオマスを用いて製 造される高分子が特に好ましい。 これらの高分子は、 化石資源を必 要としない上に、 焼却によって炭酸ガスが発生しても固定化される サイクルが短いので、 長期的には地球温暖化に寄与しないという利 点がある。 このような高分子として、 例えば、 トウモロコシ、 サッ マイモなどの主成分であるでんぷんや、 草木や稲わらの主成分であ るセルロース、 あるいはその構成単位であるグルコースなどの糖類 を原料とする高分子であり、 ポリ乳酸や酢酸セルロースを例示する ことができる。
本発明に用いられる窒素含有複素環を側鎖に有する重合体は、 高 温下に晒された時、 窒素含有複素環を側鎖部分が吸熱分解して配合 される高分子から熱を奪い且つ不活性な雰囲気を形成するために、 高分子の難燃効果を示す難燃性重合体である。 窒素含有複素環を側 鎖に有する単量体としては、 ァリルハイダントイン、 ビニル— 4, 6 —ジァミノ— 1, 3, 5 —トリアジンが挙げられ、 窒素含有複素 環としては、 トリアジンゃ、 核酸塩基、 ヌクレオシド、 ヌクレオチ ドから選ばれる核酸塩基類を由来とすることができる。 ァリルアデ
5 ニン、 ァリルアデノシン、 Ύリルイノシン、 メタクリル酸とアデ二 ンあるいはアデノシンとのアミ ド化合物などがその例である。
また、 窒素含有複素環を側鎖に有する単量体を重合してポリマを 形成してから高分子に混ぜても良いし、 窒素含有複素環を側鎖に有 する単量体を高分子に混ぜる過程で加熱混練して、 この単量体の重 合を促進しても良い。 単量体で混ぜ始め混練時に重合させることに よって、 混練時初期には良好なプレンドとなって混入が容易になる が、 混練時あるいは成形時の加熱によって、 重合し高分子から相分 離して分散性が低下し、 スキン層となって表目付近に位置する確率 が高まり、 難燃効果としては増大することになる。
また、 本発明の高分子組成物は、 母材である高分子と、 難燃剤の 他に、 本発明の効果を損なわない範囲で、 必要に応じて従来公知の 添加剤成分を含有しても良い。
それらの例としては、 酸化防止剤 (フエノール系、 ホスファイ ト 系、 チォエーテル系など) 、 耐候剤 (ベンゾフエノン系、 サリチレ ート系、 ベンゾトリアゾール系、 ヒンダ一ドアミン系など) 、 金属 不活性剤、 ハロゲン捕捉剤、 滑剤 (ォレフイン、 脂肪酸およびその 誘導体など) 、 結晶化核剤 (金属塩、 タルク、 ソルビトール系な ど) 、 充填剤 (タルク、 炭酸カルシウム、 硫酸バリウム、 ガラス繊 維、 マイ力など) 、 ブルーミング防止剤、 アンチブロッキング剤、 防曇剤、 粘着剤、 着色剤、 艷消し剤、 帯電防止剤、 酸素や炭酸ガス の吸収剤、 ガス吸着剤、 鮮度保持剤、 酵素、 消臭剤、 香料等が挙げ られる。
6 本発明の高分子組成物は、 原料成分を配合した後に混合および溶 融混練することにより得られる。 各成分の配合順序、 混練方法など は特に限定されない。 例えば、 ニーダ、 ミキシングロール、 タンブ ラー式プレンダー、 V型プレンダー、 ヘンシェルミキサー、 リポン ミキサーなどを用いて常法により行えば良い。 また、 溶融混練の方 法も特に限定されず、 例えば、 スクリユー押出機、 加熱式二一ダ、 バンバリ一ミキサー、 加熱ミキシングロールなどを使用して、 熱可 塑性樹脂の融点以上の温度で行うのが良い。 この溶融混練は窒素ガ スなどの不活性気流下で行うこともできる。
本発明の高分子組成物は、 難燃性が求められるさまざまなバルク 成形品に好適に用いられる。 そのような成形品の例としては、 各種 電気製品 (洗濯機、 冷蔵庫、 食器乾燥機、 炊飯器、 扇風機、 換気扇. テレビ、 パソコン、 ステレオ、 電話、 電子レンジ、 暖房便器、 アイ ロンなど) の部品およびカバー ; 光熱機器 (エアコン、 ストーブ、 コン口、 ファンヒータ一、 給湯機など) の部品およびカバー ; 建築 物の内装材および外装材; 自動車、 船舶、 航空機などの部品または 内装材、 などを挙げることができる。
以下、 本発明による実施例および比較例を説明する。
[実施例 1〜 7および比較例 1〜: L 0 ]
まず、 本発明による高分子組成物の実施例 1〜 7と、 従来の難燃 剤を分散した高分子組成物の比較例 1〜 1 0の試料を作製した。 そ れぞれの試料の配合比を表 1および表 2に示す。
熱可塑性高分子を用いた高分子組成物については、 それぞれ高分 子の溶融温度以上に加温して難燃剤と混合して作製した。 得られた 高分子組成物をペレタイズしたものを射出成形機によって成形した, 成形の標準の条件を、 金型温度 6 0 °C、 射出圧力 8 0 MP a、 射出 時間 1 0秒 (冷却時間 40秒) 、 射出速度 40 mm/ s e c とし、 材料によって調整しながら成形を行った。 また、 難燃性試験用の試 験片として、 圧縮成形法 (加圧 4. 9 MP a) により、 1 2. 7 m mx 3 mmX 1 2 7 mmの短冊状試験片を作製した。 また、 熱硬化 性高分子を用いた高分子組成物については、 プレプリグ状態で難燃 剤と混合した後に、 加熱硬化して試験片を作製した。
難燃性試験は、 上記試験片を用いて、 UL 9 4安全規格 「機器の 部品用プラスチック材料の燃焼試験」 に従って行った。 燃焼試験と して、 水平燃焼試験 9 4 HB (参照規格 A S TM— D 6 3 5 ) と、 2 0 mm垂直燃焼試験 94 V (参照規格 A S TM-D 3 8 0 1 ) と 行った。
9 4 HB試験において、 Ί 5 mmの区間での燃焼速度が 1分あた り 4 0 mmを超えない場合、 または、 7 5 mmに達する前に燃焼が 止まる場合に、 94 HBに分類した (表中では 「HB」 と表記) 。
9 4 V試験において、 5枚の試験片について、 いずれの残炎時間 も 1 0秒以下である場合、 全ての試験片の残炎時間の合計が 5 0秒 以下である場合、 あるいは、 各試験片の接炎後の残炎時間と残燼時 間との合計が 3 0秒以下である場合に、 9 4 V 0に分類した (表中 では 「V— 0」 と表記) 。
8 [表 1 ]
Figure imgf000020_0001
なお、 実施例 1および 5の難燃剤であるァリルヒダントインと、 実施例 2および 6の難燃剤であるピエル一 4 , 6ージアミノー 1 ,
3 , 5— トリアジンは関東化学株式会社から市販されているものを 用いた。 実施例 3、 4および 7の難燃性単量体 (モノマ) は以下の ようにしてそれぞれ合成した。
実施例 3 : アデニン (例えばャマサ醤油株式会社製) 5 . 3 5 g と、 水酸化ナトリウム 3 . 2 gを水 1 0 0 m 1 に加え溶解液 1を得 る。 また、 塩化メ夕クリロイル (例えば和光純薬工業株式会社製)
4 . 2 3 gをクロロフオルム 1 0 0 m l に溶かし溶解液 2を得る。 溶解液 1を強力に攪拌する。 これに滴下漏斗を通して一度に溶解液 2を加える。 すると直ちに微粉状のモノマが析出した。 これを濾過
9 してよく水洗いをし、 次いでよくメタノールで洗浄し、 6 0 °Cにて 減圧乾燥し、 モノマを得た。 これを KB r錠剤法により赤外吸収を 確認したところ、 アミド結合による吸収波長を確認することができ た。 このモノマは、 メタクリル酸—アデニンであり、 実施例 3の難 燃性重合体めモノマとして用いた。
実施例 4 : アデノシン (例えばャマサ醤油株式会社製) 1 0. 6 0 gと、 水酸化ナトリウム 3. 2 gを水 1 0 0 m 1 に加え溶解液 3 を得る。 また、 塩化メ夕クリロイル 4. 2 3 gをクロロフオルム 1 0 0m l に溶かし溶解液 4を得る。 溶解液 3を強力に攙拌する。 こ れに滴下漏斗を通して一度に溶解液 4を加える。 すると直ちに微粉 状のモノマが析出した。 これを濾過してよく水洗いをし、 次いでよ くメタノールで洗浄し、 6 0 にて減圧乾燥し、 モノマを得た。 こ れを KB r錠剤法により赤外吸収を確認したところ、 アミ ド結合に よる吸収波長を確認することができた。 このモノマは、 メタクリル 酸一アデノシンであり、 実施例 4の難燃性重合体のモノマとして用 いた。
実施例 7 : アデニン 5. 3 5 gと、 水酸化ナトリウム 3. 2 gを 水 1 0 0 m 1 に加え溶解液 5を得る。 また、 ァリルクロライ ド 3. 0 9 gをクロロフオルム 1 0 0m l に溶かし溶解液 6を得る。 溶解 液 5を強力に攪拌する。 これに滴下漏斗を通して一度に溶解液 6を 加える。 すると直ちに微粉状のモノマが析出した。 これを濾過して よく水洗いをし、 次いでよくメタノールで洗浄し、 6 0°Cにて減圧 乾燥し、 モノマを得た。 これを KB r錠剤法により赤外吸収を確認 したところ、 アミ ド結合による吸収波長を確認することができた。 このモノマは、 ァリルァデニンであり、 実施例 7の難燃性重合体の モノマとして用いた。
[表 2 ]
Figure imgf000022_0001
上記の実施例 1 〜 7および比較例 1 〜 1 0の高分子組成物は、 成 形性や機械強度などの基本物性については、 ほとんど変わりなかつ た。
一方、 難燃性についてみると、 本発明の実施例 1 〜 7の高分子組 成物は全て、 V— 0に相当する難燃グレードを有していたのに対し、 比較例の高分子組成物は、 ハロゲン系難燃剤であるテトラブロモピ スフエノ一ル Aを用いた比較例 6と、 特許文献 1に記載されている 難燃剤を 1 0 0重量部配合した比較例 9および 1 0とが V— Oであ つたが、 その他の配合では H Bグレードであった。 本発明の実施例 の高分子組成物はいずれも難燃性重合体を 3 0重量部以下しか配合 していないにも拘わらず、 優れた難燃性を示すことがわかる。
また、 実施例 3から 7の難燃性重合体は、 バイオマスを原料 (核 酸関連物質) とするものであり、 地球環境に優しい材料である。 さ らに、 実施例 5から 7の高分子組成物は、 高分子もバイオマスを原 料とする高分子であり、 難燃剤を含む高分子組成物がバイォマスか ら構成されており、 地球環境にとっては理想的な材料である。
[実施例 8〜 9 ]
上記の実施例 1〜 7では、 難燃性単量体を高分子と加熱混練しな がら重合させることによつて難燃性重合体を生成した例を示したが. 予め難燃性重合体を調製した後、 高分子と混合 (混練). してもよい, ここでは、 下記の表 3に示すように、 窒素含有複素環を側鎖に有 する単量体を付加重合して得られた難燃性重合体を高分子と混合し た場合 (実施例 8 ) と、 窒素含有複素環を側鎖に有する単量体 (重 合性化合物) と高分子とを加熱混練しながら難燃性重合体を生成し た場合 (実施例 9 ) とを比較する。 高分子としては、 ゴム混入ポリ スチレンであるハイインパク トポリスチレンを用いた。
[表 3 ]
Figure imgf000024_0001
表 3の結果からわかるように、 実施例 8の高分子組成物も優れた 難燃性を有している。 但し、 コーンカロリメ一夕によって測定した 最高発熱速度を比較すると、 実施例 8よりも実施例 9の高分子組成 物の方が最高発熱速度が遅く、 難燃性に優れていることがわかる。 これは、 重合性の難燃性化合物を高分子と加熱混練しながら重合さ せた方が、 難燃性重合体が成形体の表面近傍に偏在しやすいためと 考えられる。 実施例 8、 実施例 9、 および難燃剤を加えない八イイ ンパクトポリスチレンの成形体の外観を比較すると、 難燃剤なし、 実施例 8、 実施例 9の順に、 表面の滑らかさが増え、 また表面の白 色度合いも同様にこの順に高くなる。 このことからも、 表面におけ る難燃性重合体の含有率が実施例 9の方が実施例 8よりも高いと考 えられる。 また、 実施例 9の方が難燃性重合体が微細に分散してい るために、 難燃性をさらに向上させていると考えられる。
なお、 本発明による難燃性高分子組成物の構成および製造方法は- 本実施例に限定されることはなく、 例えば、 炭酸カルシウム、 珪酸 カルシウム、 硫酸バリウム、 水酸化アルミニウム、 タルク、 マイ力 などのフイラ一や、 ガラス繊維、 炭素繊維などの強化剤、 その他、 増粘剤、 離型剤、 着色剤などを混合していても良い。
また、 上記の実施例では、 板状に成形した例を用いたが、 これに 限定されることなく、 その他の形状を有する成形体、 および塗料、 パテ、 接着剤などであっても良い。 産業上の利用可能性
本発明によると、 毒性が少なく、 地球環境にやさしい難燃性を有 する高分子組成物およびその製造方法が提供される。 本発明による と、 従来よりも難燃剤の配合量を減らしながち従来と同等以上の難 燃性を有する高分子組成物が得られるだけでなく、 バイオマスを原 料とする重合体を難燃剤として用いることによって、 資源枯渴ゃ地 球温暖化に寄与しない難燃剤およびこれを用いた高分子組成物が提 供される。
なお、 本発明の高分子組成物は、 トランスファー成形や、 圧縮成 形、 射出成形などによって成形加工することができる。
また、 本発明の高分子組成物から得られる最終成形品は、 家具、 雑貨のような家庭用品、 建設資材、 土木資材、 輸送機器のボディや 部品、 住宅機器、 化粧板、 装飾品などの様々な分野で使用され得る (

Claims

請 求 の 範 囲
1 . 高分子と難燃剤とを含む高分子組成物であって、 前記難燃 剤は難燃性化合物を側鎖に有する重合体を含む、 高分子組成物。
2 . 前記難燃性化合物は、 加熱された時に、 吸熱分解反応、 ラ ジカル化合物生成反応、 不活性ガス生成反応、 不燃物生成反応でな る反応種群から選ばれる少なくとも 1つの反応を発現する化合物で ある、 請求項 1に記載の高分子組成物。
3 . 前記重合体の熱分解温度は、 1 0 0 よりも高く且つ前記 高分子の熱分解温度よりも低い、 請求項 1または 2に記載の高分子 組成物。
4 . 前記重合体の熱分解温度は 3 0 0 超 5 5 0 °C未満の範囲 にある、 請求項 1から 3のいずれかに記載の高分子組成物。
5 . 前記重合体の融点または軟化温度は、 前記高分子の軟化温 度以下である、 請求項 1 から 4のいずれかに記載の高分子組成物
6 . 前記高分子 1 0 0重量部に対して、 前記重合体を 5重量部 以上 5 0重量部以下の比率で含む、 請求項 1から 5のいずれかに記 載の高分子組成物。
7 . 前記重合体は、 窒素をへテロ原子とする複素環状化合物を 側鎖に有する、 請求項 1から 6のいずれかに記載の高分子組成物。
8 . 前記複素環状化合物は、 ヒダントイン、 ジメチルヒダント イン、 卜リアジン、 ジァミノ 卜リアジン、 ァセ卜グアナミン、 アミ ノ トリアゾ一ル、 アミノピリジン、 イソシァヌル酸、 イミダゾ一ル. メチルイミダゾール、 トリァリルシアヌレート、 トリァリルイソシ ァヌレート、 ピラジン、 メラミン、 核酸塩基、 ヌクレオチド、 ヌク レオシドからなる群から選択された少なくとも 1種の化合物を含む, 請求項 7に記載の高分子組成物。
9 . 前記重合体は付加重合体である、 請求項 1から 8のいずれ かに記載の高分子組成物。
1 0 . 前記付加重合体における重合性基は、 ビニル基、 ァリル 基、 アクリル基、 メタクリル基からなる群から選択された少なくと も 1種を含む、 請求項 9に記載の高分子組成物。
1 1 . 前記高分子は生分解性高分子を含む、 請求項 1から 1 0 のいずれかに記載の高分子組成物。
1 2 ; 前記高分子は植物起源の原料から製造された高分子であ る、 請求項 1から 1 1のいずれかに記載の高分子組成物。
1 3 . 前記高分子はポリ乳酸系高分子である請求項 1 2に記載 の高分子組成物。
1 4 . 前記高分子はポリスチレンを含む請求項 1から 1 0のい ずれかに記載の高分子組成物。
1 5 . 前記高分子は不飽和ポリエステルを含む請求項 1から 1 0のいずれかに記載の高分子組成物。 1 6 . 熱可塑性を有し射出成形され得る請求項 1から 1 5のい ずれかに記載の高分子組成物。
1 7 . 請求項 1から 1 6のいずれかに記載の高分子組成物から なる成形品。
1 8 . 前記成形品は、 前記難燃性化合物を表面近傍に内部より も高い密度で含む、 請求項 1 7に記載の成形品。
1 9 . 請求項 1から 1 6のいずれかに記載の高分子組成物から なる電気機器用筐体。
2 0 . 難燃性を有する高分子組成物の製造方法であって、 高分子と、 難燃性化合物を含む重合性化合物とを用意する工程と、 前記高分子と前記重合性化合物とを加熱しながら混合し、 前記難 燃性化合物を側鎖に有する重合体を生成する工程と、
を包含する、 高分子組成物の製造方法。 2 1 . 前記難燃性化合物は、 加熱された時に、 吸熱分解反応、 ラジカル化合物生成反応、 不活性ガス生成反応、 不燃物生成反応で なる反応種群から選ばれる少なくとも 1つの反応を発現する化合物 である、 請求項 2 0に記載の高分子組成物の製造方法。 2 2 . 前記重合性化合物は、 窒素をへテロ原子とする複素環状 化合物を含む、 請求項 2 1に記載の高分子組成物の製造方法。
2 3 . 前記高分子は生分解性高分子を含む、 請求項 2 0から 2 2のいずれかに記載の高分子組成物の製造方法。
2 4 . 前記高分子はポリスチレンを含む、 請求項 2 0から 2 2 のいずれかに記載の高分子組成物の製造方法。
2 5 . 前記高分子はゴム混入ポリスチレンであって、 前記重合 性化合物はビニルジアミノ トリァジンである、 請求項 2 4に記載の 高分子組成物の製造方法。
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