明細書 文字入力システム 技術分野
本発明は、 携帯電話を含む携帯端末の文字入力システムに関する。 背景技術
従来、 インターネットを介した電子メールが広く行われている。 この 電子メールの利点は、 VO I C E t o VO I C Eの会話と違って、 相手の都合を気にしなくて済むことである。
パソコンによる電子メールの利用については、 利用の都度、 端末にス イッチを入れ、 更に、 メールソフトを立ちあげる必要があるので手間が かかったが、 携帯電話を利用した電子メールは、 その使い勝手のよさが 起因して、 携帯電話の利用者に広く利用されている。
携帯電話によるインターネットに関して、 約 8割の利用者が電子メー ル利用を目的として加入していると言われる。 また、 飛躍的に普及しつ つあるモバイルコンピュータゃパームコンピュータなど PDA (P e r s o n a l D i g i t a l A s s i s t a n t s ) に してもメー ルサービス機能を含んだインターネット接続サービスの展開が進んでい る。
片手の手のひらに納まるサイズの PDAや携帯電話における文字入力 に関しては、 「0〜9」、 「#」、 「*」の 1 2個の入力キーが基本的に利用 されている。 これらの入力キーは、 本来、 電話番号の入力用に設定され ており、 文字入力は後から付加された機能であり、 一般に利用されてい る文字入力は、 「あいうえお」 5 0音の入力において、 1回から最多 5回
のキータッチによる入力が行われている。 また、 テンキーを利用して、 1打目で行を選定し、 2打目での段の選定で文字を確定する方法が公開 されている。 また、 テンキーにおける 1 0個のキーの押下を行 '段で組 合せて 5 0音表示する方法が公開されている。
また、 +字キー (四方向キー) は、 カーソルの移動や機能選択キーと して利用されている。
また、 2つのジョイスティックを使用して、 各々八方向、 即ち 1 6方 向へのタツチ (動作) の組み合わせになっているため、 両手を同時に使 う技術も公表されている。
しかしながら、 従来技術には以下に掲げる問題点があった。
携帯電話を利用した電子メールの入力は、 一般に親指による 「片手打 ち」 、 両手の親指を使った 「両手打ち」 で、 1 2個のキー入力を行う 力 キースペースが狭く、 熟練者による操作でさえもパソコンを用いた キーボード入力に比較して単位時間当たりの入力文字数が少ない。また、 テンキーにおける 1 0個のキーを利用した入力システムでは、 キーの押 下し直しにおける指の移動距離について考慮されておらず、 片手入力の 操作が中断される。 また、 2つのジョイスティックや入力キーボードを 左右の手 (指) で操作をし、 文字 ·記号を入力することは携帯電話など の携帯端末へ利用することに無理があるという問題点があった。 本発明は、 このような問題点を解消し得る文字入力システムを提供す ることを目的とする。 発明の開示
請求の範囲第 1項記載の本発明の要旨は、 携帯電話などの携帯端末に 利用する文字入力システムであって、 利用者の操作により文字が入力さ
れる文字入力手段と、 該文字入力手段からの入力信号の組合せを文字信 号に変換する文字信号変換手段と、 該文字信号変換手段により変換され た文字信号を前記利用者が確認するための表示手段とを備え、 前記文字 ' 入力手段は、 入力操作のやり直しなどをするための機能キー及ぴ該機能 キーの周り八方向への移動、 又は、 押下の操作ができる基本キーを含む キー入力部と、 前記基本キーの操作毎に入力信号を発生させる入力信号 発生部とを有し、 前記文字信号変換手段は、 前記入力信号の組合せに対 応する前記文字信号が登録された文字信号変換テーブルと、 入力された 前記文字信号の組合せを、 前記文字信号変換テーブルを参照して該当す る文字信号に変換する文字信号処理部とを有し、 該文字信号処理部は、 変換された前記文字信号を前記表示手段に送り、 前記利用者により確認 された前記文字信号を本体制御部に送り、前記文字信号変換テーブルは、 順次入力された 2つの前記入力信号の組合せに対応する 「あ 'か ' さ ' た -な · は · ま .や■ ら ■わ」 行の音を含む清音の文字信号が登録され ることを特徴とする文字入力システムに存する。
請求の範囲第 2項記載の本発明の要旨は、 前記基本キーは、 前記機能 キーの周りに上下左右及び左上■右上 ·左下■右下の八方向へ 8つ配置 され、 各々基本キーの押下に伴い、 前記入力信号発生部に入力信号を発 生させることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の文字入力システム に存する。
請求の範囲第 3項記載の本発明の要旨は、 前記基本キーは、 前記機能 キーを中心とする略ドーナツ状をなし、 略ドーナツ状の輪における上下 左右及ぴ左上 ·右上■左下■右下の押下に伴い、 前記入力信号発生部に 入力信号を発生させることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の文字 入力システムに存する。
請求の範囲第 4項記載の本発明の要旨は、 前記文字信号変換テーブル
は、順次入力された 2つの前記入力信号の組合せに対応する「つ」'「ん J - 「一」 の促音■撥音 ·長音の文字信号が登録されることを特徴とする請 求の範囲第 1乃至 3項のいずれかに記載の文字入力システムに存する。 請求の範囲第 5項記載の本発明の要旨は、 前記表示手段は、 最初の画 面である第 1の画面に 「か ' さ 'た ·な■ は ·ま ■や · ら ·わ」 行及ぴ 「あ 'レヽ ' う ■ え ·お」 と、 「つ」 ' 「ん」 ■「一」 の促音 ·撥音■長音とを 入力するための前記基本キーの位置を示す入力ガイド表示をし、 前記第 1の画面に従った前記利用者による前記入力キーの操作に基づき、 「あ '力 さ 'た 'な 'は ·ま ■や · ら ■わ」 行毎の 「あ 'い ' う 'え - お」 5段に対応する音、 又は、 「つ」 ·「ん」■「一」 の音を確定する前記基 本キーの位置を示す入力ガイ ド表示を第 2の画面において行う
ことを特徴とする請求の範囲第 1乃至 4項のいずれかに記載の文字入 カシステムに存する。
請求の範囲第 6項記載の本発明の要旨は、 前記基本キーの入力ガイ ド 表示は、 第 1の画面で 「か · さ ·た ·な · は ·ま ■ ら」 行の子音が選択 された場合、前記子音を確定する第 2の画面において、 「あ 'ぃ'う 'え - お」 段に対応する子音毎に共通する位置に表示されることを特徴とする 請求の範囲第 1乃至 5項のいずれかに記載の文字入力システムに存する c 請求の範囲第 7項記載の本発明の要旨は、 母音の入力をガイ ドする前 記入力ガイ ド表示は、前記第 1の画面において、前記第 2の画面の「あ - い · う ■え ·お」段に対応する子音と共通する位置に該当する 「あ ·い う ·え ·お」 の母音が表示され、
該当する母音を確定する前記基本キーの位置は、 各々選択された母音 に基づき表示された前記第 2の画面における共通の位置に表示されるこ とを特徴とする請求の範囲第 6項に記載の文字入力システムに存する。 請求の範囲第 8項記載の本発明の要旨は、 前記機能キーは、 前記利用
者の入力操作により 1つ前の画面に表示された入力ガイド表示、 又は、 第 1の画面に表示される入力ガイド表示を行い、 前記基本キーの入力ガ ィ ド表示は、子音を確定する最後の入力ガイ ド表示において、 「あ 'い う - え ·お」 段に対応した 5つの子音を有する行の各段に共通する位置 に表示されることを特徵とする請求の範囲第 1乃至 7項のいずれかに記 载の文字入力システムに存する。
請求の範囲第 9項記載の本発明の要旨は、 前記文字信号変換テーブル は、順次入力された 3つの前記入力信号の組合せに対応する 「がざだば」 行の濁音と、 「ぱぴぷぺぽ」 の半濁音と、 「きや ■ しゃ 'ちゃ ' にや 'ひ や .みや . りや」 行の拗音との文字信号が登録されることを特徴とする 請求の範囲第 1乃至 8項のいずれかに記載の文字入力システムに存する。 請求の範囲第 1 0項記載の本発明の要旨は、 前記文字信号変換テープ ルは、順次入力された 3つの前記入力信号の組合せに対応する「きゆう - きょう - しゅう ■ しょう ' ちゅう ' ちょう , にゅう - にょう ·ひゆう · ひょう ·みゆう ·みょう ■ りゅう ■ りょう」 の拗音及び長音の文字信号 が登録されることを特徴とする請求の範囲第 1乃至 9項のいずれかに記 载の文字入力システムに存する。
請求の範囲第 1 1項記載の本発明の要旨は、 前記文字信号変換テープ ルは、順次入力された 3つの前記入力信号の組合せに対応する 「ふあ J · 「うあ」 ' 「う、、 あ」 の各行の音に対応する文字信号が登録されることを 特徴とする請求の範囲第 1乃至 1 0項のいずれかに記載の文字入力シス テムに存する。
請求の範囲第 1 2項記載の本発明の要旨は、 前記文字信号変換テープ ルは、順次入力された 3つの前記入力信号の組合せに対応する「あ 'い · う · え · お」 と、 「や · ゆ · よ」 と、 「、」 ·「。」 の句読点とに対応する文 字信号が登録されることを特徴とする請求の範囲第 1乃至 1 1項のいず
れかに記載の文字入力システムに存する。
請求の範囲第 1 3項記載の本発明の要旨は、 前記文字信号変換テープ ルは、 順次入力された 4つの前記入力信号の組合せに対応する 「ぎや - ぎゆ ' ぎよ」、 「じや · じゅ ' じょ」、 「でい 'でゆ」、 「ぴゃ 'びゆ 'びよ」 の濁音及び拗音と、 「ぎゆう ·ぎょう ' じゅう ' じょう 'ぴゆう ,びょう」 の濁音、拗音及び長音と、 「ぴや、ぴゅ ·びよ」の半濁音及び拗音と、 「ぴ ゆう ·びょう」 の半濁音、 拗音及び長音とに対応する文字信号が登録さ れることを特徴とする請求の範囲第 1乃至 1 2項のいずれかに記載の文 字入力システムに存する。
請求の範囲第 1 4項記載の本発明の要旨は、 前記基本キーは、 前記機 能キーの周囲八方向へ略花びら状に配置されることを特徴とする請求の 範囲第 1乃至 1 3項のいずれかに記載の文字入力システムに存する。 請求の範囲第 1 5項記載の本発明の要旨は、 前記機能キーは、 所定の 時間内の 2回操作や所定の時間以上の押下など、 予め設定された操作に 従い、 「ひらがな」 と 「カタカナ」 との文字入力の切替を行うことを特徴 とする請求の範囲第 1乃至 1 4項のいずれかに記載の文字入力システム に存する。
請求の範囲第 1 6項記載の本発明の要旨は、 前記文字入力手段は、 3 つの補助キーを備え、 8つの前記基本キーに数字の 「1〜4」 及び 「6 ~ 9」、前記機能キーに数字の「5」、前記捕助キーに「*」■数字の「0」 · 「#」 を割当てることでダイヤル操作用のテンキーに対応させ、 前記利 用者による前記テンキーの操作に従い文字入力がされることを特徴とす る請求の範囲第 1乃至 1 5項のいずれかに記載の文字入力システムに存 する。
請求の範囲第 1 7項記載の本発明の要旨は、 前記文字信号変換テープ ルは、 英語、 ギリシャ語、 ロシア語などのインド ' ヨーロッパ言語族の
文字に対応する文字信号が登録され、 前記表示手段は、 前記文字信号に 対応する文字表示を行うことを特徴とする請求の範囲第 1乃至 1 6項の いずれかに記載の文字入力システムに存する。
請求の範囲第 1 8項記載の本発明の要旨は、 前記機能キーは、 八方向 の略ドーナツ状に配置された前記基本キーの略中心、 又は、 内側に配置 され、 前記機能キーの押下により、 表示手段における入力ガイ ド表示に おいて、 8つの前記基本キーにモード、 次文節、 確定、 伸文節、 クリア、 縮文節、 変換、 前文節の 8つの機能を各々選択できるように割当てられ た状態が表示されることを特徴とする請求の範囲第 1乃至 1 7項のいず れかに記載の文字入力システムに存する。
請求の範囲第 1 9項記載の本発明の要旨は、 前記モードの機能の選択 により、 入力ガイ ド表示において数字、 アルファべッ トの小文字、 ひら がな、 アルファベッ トの大文字の入力機能、 及び、 一時記憶域であるク リップポードを利用した編集の機能が選択できる機能を選択できる表示 がされ、 前記編集の機能においては、 入力途中のひらがなについて、 前 記クリップボードを利用したコピー、 切取り、 張付け、 削除の操作が行 えることを特徴とする請求の範囲第 1乃至 1 8項のいずれかに記載の文 字入力システム。
請求の範囲第 2 0項記載の本発明の要旨は、 請求の範囲第 1乃至 1 9 項のいずれかに記載の文字入力システムを備えることを特徴とする携帯 電話を含む携帯端末に存する。
請求の範囲第 2 1項記載の本発明の要旨は、 請求の範囲第 1乃至 1 9 項のいずれかに記載の文字入力システムを利用した携帯端末を含む端末 における文字入力方法であって、 利用者による 8つの基本キー及び 1つ の機能キーの操作に伴い順番に発生する入力信号の組合せを文字信号に 変換し、 変換された文字信号の文字表示を行い、 確認された前記文字表
示に基づき、 前記文字信号を端末の本体制御部に送ることを特徴とする 文字入力方法に存する。
請求の範囲第 2 2項記載の本発明の要旨は、 利用者による前記機能キ 一の操作に基づき、 前記基本キーの操作に伴う前記入力信号の取消しを 行い、 前記入力信号の入力し直し、 クリップボードを利用した文章の編 集を行うことを特徴とする請求の範囲第 2 1項に記載の文字入力方法に 存する。
請求の範囲第 2 3項記載の本発明の要旨は、 請求の範囲第 2 1又は 2 2項に記載の文字入力方法における端末の動作を実現可能なコンビユー タ用のプログラムであって、 請求の範囲第 2 1又は 2 2項に記載の動作 をコード化したことを特徴とするプログラムに存する。
請求の範囲第 2 4項記載の本発明の要旨は、 請求の範囲第 2 1又は 2 2項に記載の文字入力方法を実行可能なプログラムが記録された記憶媒 体に存する。 図面の簡単な説明
第 1図は、本発明の文字入力システムの概要を示すプロック図である。 第 2図は、 第 1図におけるキー入力部の構成の一例を示す図である。 第 3図は、 第 2図におけるキー入力部の入力手順の一例を示す図であ る。
第 4図は、 第 3図のか行及びさ行の入力手順の一例を示す図である。 第 5図は、 第 3図のあ行の入力手順の一例を示す図である。
第 6図は、 第 3図のや行及びわ行の入力手順の一例を示す図である。 第 7図は、 第 2図におけるキー入力部の入力手順の一例を示す図であ る。 '
第 8図は、 第 2図におけるキー入力部の入力手順のその他の一例を示
す図である。
第 9図は、 第 2図におけるキー入力部の入力手順のその他の一例を示 す図である。
第 1 0図は、 本発明の文字入力システムを利用した実績データの一例 を示す図である。
第 1 1図は、 本発明の文字入力システムを英語のアルファべットに応 用した一例を示す図である。
第 1 2図は、 第 1図のキー入力部 6 2における入力キーの応用例を示 す図である。
第 1 3図は、 第 1 2図が切り換えられた状態を示す図である。
第 1 4図は、 第 1 3図が切り換えられた状態を示す図である。
第 1 5図は、 第 1 4図が切り換えられた状態を示す図である。
第 1 6図は、 第 1 5図が切り換えられた状態を示す図である。
第 1 7図は、 第 1 4図が切り換えられた状態を示す図である。
第 1 8図は、 第 1 7図が切り換えられた状態を示す図である。
第 1 9図は、 第 1 4図が切り換えられた状態を示す図である。
第 2 0図は、 第 1 4図が切り換えられた状態を示す図である。
第 2 1図は、 本実施の形態に係る文字入力システムを利用した実績デ ータの他の一例を示す図である。 発明を実施するための最良の形態
本発明をより詳細に説明するために、 添付図面を参照してこれを説明 する。
第 1図は、 本実施の形態に係る文字入力システムの概要を示すプロッ ク図である。
第 1図に示すように、 本実施の形態に係る文字入力システムは、 携帯
電話などの携帯端末へ文字を入力する 9つの入力キーを含む文字入力部 (文字入力手段) 6 0と文字信号変換部 (文字信号変換手段) 7 0と表 示部 (表示手段) 8 0とで概略構成される。
文字入力部 6 0は、 入力キーを含むキー入力部 6 2と入力信号発生部 6 4とを備える。
文字信号変換部 7 0は、 文字信号処理部 7 2と文字信号変換テーブル 7 4とを備える。
文字信号処理部 7 2は、 キー入力部 6 2の操作による入力信号の組合 せに対応する文字信号 7 0 aが登録された文字信号変換テーブル 7 4を 参照して、入力信号発生部 6 4から送られた入力信号 6 0 aの組合せを、 該当する文字信号 7 0 aに変換する。
表示部 8 0は、 文字入力部 6 0から入力された文字を表示する。 操作 者により文字入力部 6 0において入力された入力信号 6 0 aは、 文字信 号変換部 7 0で文字信号 7 0 aに変換されて表示部 8 0に表示される。 操作者により確認された入力文字に該当する文字信号 7 0 aは、 文字 信号変換部 7 0から携帯端末の本体制御部 9 0に送られる。
このようにして操作者は文字を確認しながら入力作業を進めることが できる。 また、 通信相手などから本体制御部 9 0へ送られた文字などの 情報は、 表示部 8 0にて表示することができる。
第 2図は第 1図におけるキー入力部 6 2の構成の一例を示す図である c 第 2図に示すように、 キー入力部 6 2は入力キーを有し、 この入力キ 一は基本キー 1 1〜 1 4、 1 6〜 1 9と、 補助キー 1 a〜 1 cと、 機能 キー 1 5とで概略構成され、 8つの基本キー 1 1〜 1 4、 1 6〜 1 9は、 機能キー 1 5を中心とした周囲八方向へ略花びら状に配置される。
基本キー 1 1 ~ 1 4、 1 6〜 1 9は、 第 1のキー (左上) 1 1、 第 2 のキー (上) 1 2、 第 3のキー (右上) 1 3、 第 4のキー (左) 1 4、
第 6のキー (右) 1 6、 第 7のキー (左下) 1 7、 第 8のキー (下) 1 8、 第 9のキー (右下) 1 9とで概略構成される。
また、 第 5のキー 1 5は、 バックスペース又はやり直しの機能を有す る機能キー 1 5として、 八方向に配置された基本キー 1 1〜 1 4、 1 6 〜1 9の中心に備えられる。 また、 機能キーは、 所定の時間内に複数回 の押下や所定時間以上の押下を続けるなどの操作を行うことで、 「ひら がな」 と 「カタカナ」、 「アルファベッ ト」 の切替や、 本体制御部 9 0へ のメニュー切替指示などに利用できる。
また、 機能キー 1 5の周りに配置された基本キー 1 1〜 1 4、 1 6〜 1 9を、 機能キー 1 5を中心とした略ドーナツ状をなす 1つの入力キー とすることもできる。 更に、 補助キー 1 a〜 l cは、 例えば、 基本キー 1 7〜 1 9の各々下方の位置など、 基本キー 1 1〜1 4、 1 6〜 1 9の 周囲に配置される。
補助キー 1 aを 「*」、 補助キー 1 bを 「0」、 補助キー 1 cを 「#」 と設定することで、 基本キー 1 1〜 1 4、 1 6〜 1 9と機能キー 1 5と 補助キー 1 a〜 l cとを、 一般に利用されている携帯電話におけるテン キーの配置に対応させることができる。
次に、本実施の形態に係る文字入力システムを用いた方法を説明する。 第 3図は、 第 2図におけるキー入力部の入力手順の一例を示す図であ る。
第 1打目の入力時における各入力キーの割当てを示す第 2図と第 3図 とを参照して、 基本入力である清音の入力手順を説明する。
第 2図に示すように、 最初の画面 (第 1の画面) は 「あかさたなはま やらわ」 行と 「あいうえお」 とを含む清音に対応する基本キー 1 1〜 1 4、 1 6〜 1 9の位置を示す入力ガイ ド表示がされる。
か行 2 0 bを入力する場合、 第 1打目は、 か行 2 O bの選択を意味す
る左上 1 1を押下する。 次の画面 (第 2の画面) には 「かきくけこ」 の 各段を含む音に対応する基本キー 1 1〜1 4、 1 6〜1 9の位置を示す 入力ガイ ド表示がされる。
第 2の入力画面の入力ガイ ド表示に従った第 2打目は、 第 1段の選択 を意味する上 1 2を押下することで「か」が選択されて画面表示される。 同様に、 第 1打目に左上 1 1を押下した後、 第 2段の選択を意味する 左上 1 1の押下で「き」、 第 3段の選択を意味する左 1 4の押下で 「く」、 第 4段の選択を意味する右上 1 3の押下で「け」、第 5段の選択を意味す る右 1 6の押下で 「こ」 が選択されて画面表示する。
ここで、 第 2打目において、 5つの段を確定する左上 1 1、 上 1 2、 右上 1 3、 左 1 4、 右 1 6を第 1キーグループと称す。
更に、 第 1打目において、 さ行 2 0 cは右上 1 3、 た行 2 0 dは上 1 2、 な行 2 0 eは左 1 4、 は行 2 0 f は左下 1 7、 ま行 2 0 gは右 1 6、 ら行 2 0 iは右下 1 9を押下し、 第 2打目で該当する第 1キーグループ のキーを押下することで、 目的の清音が入力できる。
なお、 第 1打目において、 「あ」 は上 1 2、 「い」 は左上 1 1、 「う」 は 左 1 4、 「え」 は右上 1 3、 「お」 は右 1 6を押下した後、 第 1キーダル ープ以外のキー、 例えば左下 1 7を押下することで、 目的とするあ行 2 0 aを入力することができる。
第 4図は、 第 3図のか行 2 0 b及びさ行 2 0 cの入力手順の一例を示 す図である。
第 3図と第 4図とに示すように、 左上 1 1、 左 1 4の組合せで 「く」 となり、 右上 1 3、 右上 1 3の組合せで 「せ」 が入力できる。
第 5図は、 第 3図のあ行 2 0 aの入力手順の一例を示す図である。 第 3図と第 5図とに示すように、 上 1 2、 左下 1 7の組合せで 「あ」 となり、 右 1 6、 左下 1 7の組合せで 「お」 が入力できる。
第 6図は、 第 3図のや行 2 0 h及ぴゎ行 2 0 j の入力手順の一例を示 す図である。
第 3図と第 6図とに示すように、 「や」、 「ゆ」、 「よ」 のや行 2 0 hと 「わ」、 「を」 のわ行 2 0 j については、第 1打目に下 1 8を押下した後、 第 2打目において第 1キーグループのキーを押下することで目的の清音 が入力できる。 例えば、 「や」 は上 1 2、 「ゆ」 は左 1 4、 「よ」 は右 1 6、 「わ」 は左上 1 1、 「を」 は右上 1 3を対応させる。
第 7図は、 第 2図におけるキー入力部の入力手順の一例を示す図であ る。
第 1打目の入力時における各入力キーの割当てを示す第 2図と第 7図 とを参照して、 濁音、 半濁音及び拗音の入力手順を説明する。
最初に濁音の入力を説明する。 が行 3 0 bを入力する場合、 第 1打目 はか行 2 0 bの選択を意味する左上 1 1を押下し、 第 2打目は濁音を示 す右下 1 9を押下する。 第 3打目は清音の基本と同様に 5つの段の選択 であり、 第 1キーグループを押下することで、 「ぎ」、 「ぐ」、 「げ」、 「ご」 など目的の濁音が入力できる。
更に、 第 1打目において、 ざ行 3 0 cは右上 1 3、 だ行 3 0 dは上 1 2、 ば行 3 0 f は左下 1 7を押下し、 第 2打目はが行 3 0 bと同様に濁 音を意味する右下 1 9を押下する。 第 3打目は清音の基本と同様に 5つ の段の選択を第 1キーグループの押下で行う。
次に、 半濁音の入力を説明する。 ぱ行 4 0 f を入力する場合、 第 1打 目はは行 2 0 f の選択を意味する左下 1 7を押下し、 第 2打目は半濁音 を示す左下 1 7を押下する。 第 3打目は清音の基本と同様に 5つの段の 選択であり、 第 1キーグループを押下することで、 「び」、 「ぶ」、 「ぺ J、 「ぽ」 など目的の半濁音が入力できる。
次に拗音の入力を説明する。 第 1打目において、 きや行 5 O bは左上
1 1、 しゃ行 5 0 cは右上 1 3、 ちゃ行 5 0 dは上 1 2、 にや行 5 0 e は左 1 4、 ひや行 5 0 ίは左下 1 7、 みや行 5 0 gは右 1 6、 りや行 5 0 iは右下 1 9を押下し、 第 2打目は拗音を示す卞 1 8を押下する。 第 3打目は各々 「あ段」、 「う段」、 「お段」 に対応する上 1 2、 左 1 4、 右 1 6の押下で目的の拗音 (きや、 きゆ、 きょ等) を入力できる。
第 8図は、 第 2図におけるキー入力部の入力手順のその他の一例を示 す図である。
第 1打目の入力時における各入力キーの割当てを示す第 2図と第 8図 とを参照して、 促音、 撥音、 長音の入力手順を説明する。
促音 '撥音 '長音 5 5 aに示すように、 促音 「つ」 は第 1打目、 第 2 打目ともに右下 1 9、 撥音 「ん」 は第 1打目、 第 2打目ともに下 1 8、 長音 「一」 は第 1打目を下 1 8、 第 2打目を右下 1 9の押下をする。 次に、 拗音 +長音 5 5 b ~ 5 5 g、 iの説明をする。 まず、 拗音 +長 音 5 5 bの 「きゅう」 は第 1打目を左上 1 1、 第 2打目を下 1 8、 第 3 打を左下 1 7の押下をする。 また、 「きょう」 は第 1打目を左上 1 1、 第 2打目を下 1 8、 第 3打を右下 1 9の押下をする。
同様に、拗音 +長音 5 5 cの 「しゅう」、 「しょう」、拗音 +長音 5 5 d の 「ちゅう」、 「ちょう」、 拗音 +長音 5 5 eの 「にゅう」、 「にょう」、 拗 音 +長音 5 5 f の 「ひゆう」、 「ひょ う」、拗音 +長音 5 5 gの 「みゆう」、 「みょう」、拗音 +長音 5 5 iの 「りゅう」、 「りょう」 も基本キー 1 1〜 1 4、 1 6〜 1 9の 3回の押下で入力できる。
更に、濁音 +拗音 5 6 bの 「ぎや」、 「ぎゆ」、 「ぎよ」、濁音 +拗音 5 6 。の 「じや」、 「じゅ」、 「じょ」、 濁音 +拗音 5 6 dの 「でい」、 「でゆ」、 濁音 +拗音 5 6 f の 「ぴや」、 「ぴゆ」、 「びよ」 も基本キー 1 1〜 1 4、 1 6〜 1 9の 3回の押下で入力できる。
第 9図は、 第 2図におけるキー入力部の入力手順のその他の一例を示
す図である。
第 1打目の入力時における各入力キーの割当てを示す第 2図と第 9図 とを参照して、 その他の音の入力手順を説明する。
濁音 +拗音 +長音である特殊音 5 7 bの 「ぎゆう」 の第 1打を左上 1 1、 第 2打を下 1 8、 第 3打を下 1 8、 第 4打を左下 1 7、 特殊音 5 7 の 「ぎょう」 の第 1打を左上 1 1、 第 2打を下 1 8、 第 3打を下 1 8、 第 4打を右下 1 9の 4回の押下で入力できる。
同様に、 特殊音 5 7 cの 「じゅう」、 「じょう」、 特殊音 5 7 f は 「びゆ う」、 「びょう」 も基本キー 1 1〜1 4、 1 6〜 1 9の 4回の押下で入力 できる。
同様に、 半濁音 +拗音である特殊音 5 8 aの 「ぴや」、 「ぴゆ」、 「ぴよ」、 半濁音 +拗音 +長音である特殊音 5 8 bの「ぴゅう」、 「ぴょう」、その他 の特殊音 5 8 cの「ふあ」、 「ふい」、 「ふう」、 「ふえ」、 「ふお」、特殊音 5 8 dの 「うあ」、 「うい」、 「うえ」、 「うお」、 特殊音 5 8 eの 「う、、 あ」、 「う、、 い」、 「う、、 え」、 「う、、 お」、 特殊音 5 8 f の 「あ」、 「い」、 「う」、 「え」、 「お」、 特殊音 5 8 gの 「や」、 「ゆ」、 「よ」、 句読点である特殊音 5 8 hの 「、」、 「。」 も同様に、 基本キー 1 1〜1 4、 1 6〜 1 9の 3回 又は 4回の押下で入力できる。
以上のように、 本実施の形態に係る文字入力システムの入力イメージ は、 ゲーム機の八方向キーと同様であり、 8つの基本キーは、 8方向の 動きに相当する。 中心の機能キーを含めて 9通りの入力が可能である。
日本語入力は、 各基本キーに表記 (印刷) されたひらがな、 又は、 入 力ガイド表示を参照して行う。
基本的な考え方は、 子音と母音に対応する基本キーの押下の組合せで 文字が確定する。
基本キー 1 1〜1 4、 1 6は、 2つのひらがなが表記されている。 例
えば、左上の基本キー 1 1は、 「た ·あ」 と表記されているが、これは「子 音 .タ行キー」 と 「母音 .あキー」 を兼ねる基本キーという意味である。 清音は行と段の組合せで表現できる (か行 ·さ行 ·た行'な行■は行 - ま行 'や行■ ら行 ·わ行)。 そのうち、 (や行■わ行) は五音がないので、 1つの位置に収めた。
基本的には、 行口段の 2タツチで確定する。 例外は (あ行) で、 段を 選んで左下のあ行の確定キーで確定する。
濁音 (が行 · ざ行 ·だ行 ·ば行)、 半濁音 (ぱ行)、 拗音 (きや行 · し や行 · ちゃ行 · にや行 ·ひや行 ·みや行 · りや行) は、 清音の変化开$と 捉え、 2タツチ (押下) 目に判断し、 3タツチ目に各音を確定する。 撥音 (ん) 右下 2タツチ、 促音 (つ) 下 2タツチ、 また、 長音 (一) 下□右下 2タツチは、 漢語や洋語に使われるので特別に設定した。 これ らは語句の先頭に出てくることはない。
「は行」 を左下に当てはめて、 半濁音キーと重複させたのは、 「は行」 だけが、 清音の五音と濁音 .半濁音 .拗音に変化するので 8つの基本キ 一 1 1〜1 4、 1 6〜1 9の配置に対応する 8マスを利用するからであ る。 五音とダブらないかぎり、 左下, 下、 右下のどこに配置されてもよ いが、 指使いを考えてこの位置に設定した。
「か行 . さ行 .た行」 は、 清音の五音と濁音 '拗音に変化する。 また、 左下の 「あ行」 の決定キーとで、 8マスが利用される。
「な行 ·ま行 · ら行」 は、 清音の五音と拗音の変化だけであり、 6マ スが利用される。 また、 「や行 ·わ行」 は合わせて 5マスの利用となる。 拗音キーの選択を下キーで行うのは、拗音の長音 (きゅう、 きょう等) 力 S (ゆう、 よう) の語尾のみであることによる。 左右に振り分けて打つ ように設定した。 このように、 漢語や洋語を打つときにリズムを崩さな いように。 拗音が打ちやすくなるように配慮した。
濁音は (が行 · ざ行 ·だ行 · ば行) だけなので、 3ポジション 3タツ チになるようにするために、 右下に、 濁音キーを配置した。
残りの半濁音は、 左下で、 は行を 1タツチして同じ位置にある半濁音 キーを 2タツチ目に押すようにした。 3タツチ目で五音に対応する配置 になる。
「あいうえお」 の五音を、 左から左上に向かって 「ういあえお」 と配 列したのは、 拗音を打ちやすく したためである。
日本語は、 か行と.、 た行と、 さ行で始まる言葉で約半数が占められ、 2対 1.対 2く らいの割合と言われる。 これらを左上 ·上 ·右上に配置し た。
濁音■半濁音 ·拗音キーなど特殊なキーは左下 ·下 ·右下に集めた。 更に、 本来の日本語にはなく、 洋語でのみ使う音である 「ふあ行 - う あ行 · う、' あ行」 は左下 ·下■右下から始まるようにした。
「中根式簡易速記法」 によると、 漢字の音読み、 字音は伝来の時期に よって、呉音、 漢音、唐音、宋音などに区別されが、 語尾が 「か行のき - く、 た行のち ·つ、 あ行のい · う、 ん」 で終わるものが多いと言われる。 これらに該当するキーの配置は、 左上 ·左 ·左下に集めた。
入力ミスを前提としてすぐに修正ができるように、 中心にやり直しを 指示する機能キーを配置した。
また、 標準キーにおける入力信号の割当ての空きについて、 変換ゃ複 写などの日本語入力に必要な機能を割当てることもできる。
八方向キーを用いた場合、 周辺八方向のポジションは親指で触れたま まの 「ずらし打ち」 ができるが、 中心の機能キーの操作は押下が主とな るので、 微妙な指使いの違いを前提として入力キーの形状を別にする。 (実施例)
第 1 0図は、 本実施の形態に係る文字入力システムを利用した実績デ
ータの一例を示す図である。
図に示すように、 性別 1 2 0が男 4人、 女 6人、 年齢 1 3 0が 2 0〜 4 7歳の被験者 1 1 0を対象として実験を行った。
具体的には、 本実施の形態に係る文字入力システムにおける基本キー 1 1〜1 4、 1 6〜1 9をパソコンのテンキーに対応させて、 被験者 1 1 0に一般の小学校における漢字読取りテス トの文例を利用した 「ひら がな」 入力を行わせた。 この実績データをお花キー 1 4 0の数値として 示す。
例えば、 「かれは濃厚な人がらだ。」や「学校時代の恩師にめぐりあう。」 など 3 0 0以上の文章を対象とし、 被験者 1 1 0は 「かれはのうこうな ひとがらだ。 jや「がっこうじだいのおんしにめぐりあう。」 と入力した。 以上の条件で、 1 日 3 0分程度、 7日間の入力練習を続け、 7日後に お花キー 1 4 0及び比較のため、 従来の携帯電話 1 5 0における文字入 力方法を用いた 1分当たりの入力文字数を測定した。
図中, 比率 1 6 0は、 お花キー 1 4 0の入力文字数 ÷携帯電話 1 5 0 の入力文字数を示す。
1分間の入力文字数は、 従来の文字入力を用いた携帯電話 1 5 0にお ける文字数の平均値は約 2 7文字であり、 一方、 本実施の形態に係る文 字入力システムを利用した方法では、平均値は約 6 1文字程度であった。 —般のパソコンのテンキーを利用した押下スピードは、 一般の携帯電 話におけるテンキーの押下スピードに比べて 1 . 1倍程速くなると言わ れるが大きな差がない。
以上の実験結果から、 本実施の形態に係る文字入力システムを利用し た携帯電話のテンキーによる文字入力は、 同じ携帯電話のテンキーを用 いた従来の文字入力に比較して 2倍程度 (6 1 * 0 . 9 : 2 7 ) 速くな ると推測される。
また、 本実施の形態に係る文字入力システムにおける八方向キーを利 用すれば、 1分間に 2 0〜3 0文字程度と言われる携帯電話のテンキー を利用した従来の入力文字数に比較して、 効果的な文字入力が期待でき る。
なお、 本実施の形態に係る文字入力システムは、 英語などインド - ョ 一口ッパ語族の文字にも容易に対応できる。
第 1 1図は、 本実施の形態に係る文字入力システムを英語のアルファ ベットに応用した一例を示す図である。
第 1 1図に示すように、 アルファべットについても同様な入力方法が 可能である。 アルファベッ トには濁音や拗音がないので、 2回の押下で 入力ができる。
図中には、 英語のアルファべットに対応するキー入力部 6 2 Xとキー 入力部 6 2 Yとを示す。
キー入力部 6 2 Xに示すように、 従来の十字キーにおける 「ずらし打 ち」 を利用できるようにアルファベットを配列した。 1つの基本キーに は、 記号を含めた 3つ、 又は、 4つの文字が設定される。
文字入力は各々の基本キーとその両となり、 又は、 対角線上に位置す る基本キーを 「ずらし打ち」 することで入力できる。
例えば、 「A」 を入力したい場合は、 基本キー 6 2 Aを押下する。 その 後、 左となりの基本キー 6 2 Bを押下する。 この基本キー 6 2 Bの押下 が確定操作となり、 第 2の画面における入力ガイ ド表示には 「A」 の文 字が表示される。
また、 「B」 を入力する場合は、同じ位置の基本キー 6 2 Aの押下が確 定操作になる。 更に、 「C」 を入力する場合は、右となりの基本キー 6 2 Cの押下が確定操作になる。 また、 「Y」 を入力する場合は、対角線上に 位置する基本キー 6 2 Dの押下が確定操作となる。
このように、 最初の押下が 「グループ指定」 に対応する指定操作とな り、 2回目の押下が確定操作に対応する。 また、 指定操作の基本キーの 両となり、 又は、 は対角線上に位置する基本キーが確定操作に設定され る。
この設定により、 少しの指のずらしのみで、 文字入力が可能となる。 即ち、 2つの基本キーの押下を行うが、 指の動きは 1つの動作 (ワンタ ツチ) の感覚で入力ができる。
キー入力部 6 2 Xにおける配置は、 英語のアルファべッ トの順番通り に設定されている。 また、 キー入力部 6 2 Yは、 通常のキーボードの配 列に対応する設定がされている。
更に、 アラビア文字やギリシャ文字、 ロシア語のキリル文字 (図示せ ず) も 2回の押下で対応できる (具体的には 8 x 8 == 6 4個の文字まで 対応できる)。
実施の形態に係る文字入力システムは上記の如く構成されているので、 以下に掲げる効果を奏する。
中心の機能キーと 8つの基本キーを略花びら状に配置し、 マンダラ模 様の 9マスにおいて、 入力キーとやり直しの機能キーを対応させる。 こ れにより一般のテンキーのタツチが有効に利用できる。
清音の子音に関しては、 基本的に行から段の 2打(押下) で確定する。 また、 あ行の母音は、 段を先に選んだ後、 所定のあ行の確定キーで確定 する。 これにより基本的な清音は、 行と段の組合せによる 2打で表現で きる。
また、 か行 · さ行■た行 ·は行のかなが表す音節に対応する濁音 (が 行 · ざ行 ·だ行■ば行) や、 半濁音 (ぱ行)、 拗音 (きや行 · しゃ行 -ち や行 · にや行 'ひや行 ·みや行 ' りや行) は、 清音の変化形と捉えて 2 打目で行を判断し、 3打目で各段を確定する。 これにより、 キータッチ
の練習による段の規則性が習得できる。
頻繁に使用される、語中又は語尾で一音節をなす鼻音である撥音(ん)、 原則として語中の清音か · さ · た ·ば行音の前で、 その子音の閉鎖音、 又は、 摩擦音と同じ調音の態勢で一音節分の休止又は持続があることを 表す促音 (つ)、 長くのばして発せられる音を表す長音 (一) は 2打で確 定できる。
現行のキーポードは、 アルファべットでの文字入力を前提に考えられ たシステムであり、 また携帯電話のキーは数字入力が前提であるが、 本 実施の形態は真ん中の機能キーを基準にした十字キーの利点と、 現行の キーボードの機能を 9個のキーにまとめることで、 覚えやすい 2タツチ で基本的な文字入力をカバーできる。
従来の携帯電話におけるテンキーでの入力方法に比較し、 行 ·段を一 組とすることで、 パソコンなどのキーボードにおけるローマ字かな入力 と同様に、 音声に基づく入力ができる。
十字キーを応用した八方向キーの利用と、 2タツチでの基本文字 (清 音) の入力システムにより、 各々のキータッチについて、 指を離す必要 がなく、 方向をずらすだけでキー入力ができる。
また十字キーの利点を備えた八方キーの中心を基準にすることで、 利 用者にとって位置関係がイメージしゃすく、 真中の機能キーを基準にし て、 母音は扇型に配置され、 子音は円形に配置され、 更に濁音、 拗音な どは左下■下 ·右下に配置されることで、 簡単な規則に従う配列を記憶 しゃすい。
入力ガイ ド表示をすることで、 利用者が初心者でも各基本キーの位置 が確認できる。
なお、 文字を入力するための入力信号を発生させるのは、 入力キーの 操作だけでなく、 八方向に移動するジョイスティックや、 八方向の押下
に対応できるポインタも利用できる。 文字信号変換テーブル 7 4に対応 するキー配列や入力信号の組合せを替えることもできる。
以下に、 本実施の形態における応用例を、 機能キー 1 5の使用例をあ げて説明する。 また、 各機能の内容は、 ディスプレイなどの表示部 8 0 に入力ガイドとして表示できるので、 機能の内容が表示された図を参照 して説明を進める。
第 1 2図は、 第 1図のキー入力部 6 2における入力キーの応用例を示 す図である。
第 1 2図に示すように、 キー入力部 6 2は入力キーを有し、 この入力 キーは基本キー 1 1 ~ 1 4、 1 6〜 1 9と、 機能キー 1 5とで概略構成 され、 8つの基本キー 1 1〜 1 4、 1 6〜 1 9は、 機能キー 1 5を中心 とした周囲八方向へ略花びら状に配置される。
上記したキーの構成は、 図 2と同様であるが、 文字 '記号の割当ては、 図 2の変形例を採用しているが信号の組合わせと文字が対応する基本的 な考え方は図 2と同様である。
日本語には文字として 「ひらかな」 だけでなく 「カタカナ」 も 「漢字」 もあるし、 文章の中には 「大小の英字」 や 「数字」 も使われる。 入力の 局面だけでなく編集局面でも文字の入力は必要になる。
キー入力部 6 2 (お花キー) では、 漢字変換やモード切替などへの機 能切り替えができる機能キー 1 5の役割を中心部のスィッチ (機能キー 1 5 ) に持たせてある。
機能キー 1 5は入力されたひらがなを漢字やカタカナに変換する変換 キーや、 英字や数字、 編集局面にモードの切り替えをするモード変換キ 一の役割を持つので、機能キー 1 5の略中心 (内側) に配置されており、 —般のパーソナルコンピュータのキーボードにおける周辺に配置される 一般の機能キーに比べて、 重要で、 且つ、 多様な機能を有する。 しかし
ながら、 携帯電話を含む端末の形状と、 利用者の手の形状や大きさ (右 手、 又は、 左手、 又は、 身体に障害のある者の手の形状) に合わせて、 機能キー 1 5を八方向に配置された基本キー 1 1〜1 4、 1 6〜 1 9の 中心 (内側) ではなく、 外部に配置することもできる。
第 1 3図は、 第 1 2図が切り換えられた状態を示す図である。
基本の状態は、 第 1 2図に示すようにひらがなモードであるが、 第 1 2図において、 機能キー 1 5を押すと、 第 1 3図に示すように、 基本キ 一 1 1〜 1 4、 1 6〜1 9の各位置が、 ひらかなの変換 ·確定■クリア 一に必要な 「変換 ·確定■縮文節 ·伸文節■前文節 ·次文節 ·クリァー」 とモード切替に必要な 「モード」 の機能に役割が切り替わる。
真ん中の機能キー 1 5 (取消) を押すと、 第 1 2図に示す切り替え前 のモードに戻る。
第 1 4図は、 第 1 3図が切り換えられた状態を示す図である。
第 1 3図において、 基本キー 1 2 (モード) を押すと、 第 1 4図に示 すように、 数字 ·英小文字 ·ひらかな■英大文字 ·編集のモード選択画 面に切り替わる。 また、 第 1 4図において、 基本キー 1 2 (かな) のモ ードを選ぶと、 第 1 2図のひらがな選択画面に戻る。
第 1 5図は、 第 1 4図が切り換えられた状態を示す図である。
基本キー 1 4 (数字) のモードを選ぶと、 第 1 5図に示すように、 数 字 「1、 2、 3、 4、 6、 7、 8、 9、」 の数字選択画面に機能が切り替 わる。
第 1 6図は、 第 1 5図が切り換えられた状態を示す図である。
この第 1 5図の数字選択画面で機能キー 1 5を押すと、 第 1 6図に示す ように、 残りの数字 「0、 5 J と 「モード · クリア 'スペース ·ェンタ —」 の機能に切り替わる。
第 1 7図は、 第 1 4図が切り換えられた状態を示す図である。
第 1 4図において、 基本キー 1 1 (英小) のモードを選ぶと、 図 1 7 に示すように、 英小文字の選択画面に切り替わる。 図 1 4においては、 英語のァノレフアベッ トを基本キーに対応させているが、 ィンドョ一口ッ パ語グループのアルファべットも適用できる。
第 1 8図は、 第 1 7図が切り換えられた状態を示す図である。
第 1 7図において、 機能キー 1 5を押すと、 第 1 8図に示すように、 .「モード .クリア . スペース . エンター」 の機能が表れる。
第 1 9図は、 第 1 4図が切り換えられた状態を示す図である。
第 1 4図において、 基本キー 1 3 (英大) のモードを選ぶと、 第 1 9 図に示すように、 英大文字の選択画面が表れる。 図 1 4においては、 英 語のアルファべットを基本キーに対応させているが、 インドヨーロッパ 語グループのアルファベットも適用できる。 第 1 9図において、 機能キ 一 1 5を押すと、 第 1 8図に示す 「モード ' クリア ' スペース ■ェンタ 一」 の機能が表れる。
第 2 0図は、 第 1 4図が切り換えられた状態を示す図である。
第 1 4図の基本キー 1 6 (編集) のモードを選ぶと、 第 2 0図に示す ように、 編集機能の選択画面が表れる。 第 2 0図において、 機能キー 1 5を押すと、 第 1 8図に示す 「モード ' クリア · スペース · エンター」 の機能が表れる。
第 2 1図は、 本実施の形態に係る文字入力システムを利用した実績デ ータの他の一例を示す図である。
第 2 1図における実績データは、 第 1 2図〜第 2 0図で説明した機能 キー 1 5を用いて、 第 1 0図と同様に、 性別 1 2 0が男 4人、 女 6人、 年齢 1 3 0が 2 0〜 4 7歳の被験者 1 1 0を対象とした。 この条件で、 1日 3 0分程度、 7日間の入力練習を続け、 7日後にお花キー 1 4 0を 用いた 1分当たりの入力文字数を測定した。 また、 お花キー 1 4 0は、
ゲーム用の 8方向キーを利用した携帯電話 1 5 0のデータは、 第 1 0図 のデータと同じものである。
図に示すように、 お花キー 1 4 0での文字入力数は 1 0 0文字 Z分程 度となり、 第 1 0図におけるお花キー 1 4 0のデータに比較し、 著しい 好結果が示された。
効率的に文字入力、 特に日本語入力を行うためには下記の 8つの、 基 本キーで日本語の音節を表すには、 いくつかの配列が考えられるが、 下 記の原則を守ることで、 少ないタツチ (押下) 数での覚えやすい組み合 わせを作ることができる。
①ほとんどの音節が 5つの母音で終わるという日本語の特徴があるため、 段を表す 5つの母音キーが音節の決定に使える。 したがって、 行選択→ 清音 (変化なし) 、 拗音や濁音など清音以外 (変化あり) かの選択→ 段決定の順序でタツチして表示するのが基本形となる。
②本来 1 0行ある清音は、 ローマ字表記では子音 +母音で表せる。 母音 で始まるあ行を除いて、 や行とわ行を重ねると、 8行に収まるので、 8 つの基本キーに配列でき、 ①に示した行選択→清音 (変化なし) →段決 定の順序で、 2タツチ表示できる。
③ 2番目に行数の多い拗音 7行は、 拗音キーを 「や .わ」 と同じ位置に おくことで、 3タツチにすることができる。
④ 3番目に行数の多い濁音 4行は、 5母音キーと拗音キーに重ならない 位置に濁音キーを持ってくることで、 3タツチにすることができる。 し たがって、 同じ行数になる濁拗音 4行は 4タツチになる。
⑤ぁ行は 1行であるが、 5母音キーと拗音キーと濁音キー以外のところ に母音決定キー持つことで、 2タツチとなる。
⑥半濁音 1行。 半濁拗音 1行。 ファ行音 1行。 ヴァ行音 1行。 ゥァ行音 1行。 その他特殊音は、 タツチ数ゃ覚えやすさなど、 何を優先するかに
よって、 配列とタツチ数が決められる。
⑦撥音、 促音、 長音、 句読点など、 母音で終わらない日本語に不可欠な 音節や記号は、 5母音キー以外のところに 2タツチの組み合わせを収め なければならない。
本実施の形態は①〜⑦の組合わせに基づき、 8つの基本キーと 1つの 機能キー 1 5とでかな入力を容易にしたものであるが、 日本語ゃィンド ョ一口ツバの言語グループの文章内の文字配列に対応して、 基本キーへ の文字割当てを変えることができる。
また、 本実施の形態においては、 本発明はそれに限定されず、 本発明 を適用する上で好適な文字入力システムに適用することができる。
また、 上記構成部材の数、 位置、 形状等は上記実施の形態に限定され ず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。 なお、 各図において、 同一構成要素には同一符号を付している。 産業上の利用可能性
清音は行と段の組合せによる 2打 (押下) で確定でき、 第 2打目にお ける清音の子音の確定には段の規則性を持たせることで、 訓練に伴い効 果的な入力が期待できる。
また、 か行■ さ行 ·た行 ·は行のかなが表す音節に対応する濁音や、 半濁音、 拗音、 清音の変化形と捉えて 2打目で行を判断し、 3打目で各 段を確定することで、 キータツチの練習による段の規則性が容易に習得 できる。
頻繁に使用される、 撥音、 促音及び長音を 2打で確定することで、 効 率のよい入力ができる。
中心に配置された機能キーを基準位置とする十字キーの利点を保持し た八方向キーと、 現行のキーボードで利用されるローマ字かな変換を連
想させる子音 ·母音の組合せ入力とを融合することで、 かな文字におけ る基本的な清音については、 記憶しやすい 2タツチでの文字入力ができ る。
十字キーを応用した八方向キーの利用と、 2タツチを基本入力とする ことで、 各々のキータッチについて、 指を離すことなく、 方向をずらす だけでキー入力ができる。
ディスプレイなどの入力手段に入力ガイ ド表示をすることで、 利用者 が初心者でも各基本キーの位置が確認できる。
従来、十字キーや八方向キーによる文字入力を効率的に行うためには、 2つの ( 2系統の) キーボード (ジョイスティック) が必要であつたが、 八方向キーによる押下順序を効率的に組合わせ、 ひらがな、 カタカナへ の入力ガイ ド選択と効率的な漢字変換、 及び、 クリップボード機能を利 用した編集を可能とする機能キーを八方向キーの內側に配置したことで、 1つのキーボード (片手、 又は、 1本の指による押下) で、 パーソナル コンピュータの一般的なキーボードからの文字入力数に匹敵する、 文字 入力数、 特に日本語の入力が可能となる。