JP4190951B2 - キー入力装置、携帯電話機およびキー入力方法 - Google Patents

キー入力装置、携帯電話機およびキー入力方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キー入力装置、携帯電話機およびキー入力方法に関し、詳しくは、キーが表示可能な画面を備え、その画面に表示されるキーを選択して文字(英字、かな、数字、記号等)を入力することができるキー入力装置、携帯電話機およびキー入力方法に関する。
【0002】
【背景技術】
近年、携帯電話機は通話だけでなく、電子メールの送受信やインターネットの閲覧等も可能なように高機能化している。
この携帯電話機のような小型の機器では、キーボードのように80個ものキーを配置することはできない。このため、例えば、携帯電話機では、電話番号入力用に設けられた12個程度のキーに、数字、かな文字、英字を設定し、入力モードを切り替えるモードキーを順次押して、画面のモード表示を見ながら、数字入力モード、かな入力モード、英字入力モードに切り替えて数字および文字を入力するようにしている。
【0003】
例えば、従来の携帯電話機では、日本語(ひらがな)を入力するために、「1」〜「0」の番号入力用のキーに「あ」行、「か」行、「さ」行、…、「ら」行、「わをん」と50音配列で文字を設定していた。
そして、例えば「あ」行に設定されたキーでは、1回押すと「あ」が、2回押すと「い」が、3回押すと「う」が、4回押すと「え」が、5回押すと「お」がそれぞれ入力されるように構成されていた。同様に、他のキーも、1〜5回打鍵することで、日本語の各文字(かな)を入力していた。
【0004】
また、英語を入力するために、7個のキーにそれぞれ「ABC」、「DEF」、「GHI」、「JKL」、「MNO」、「PQRS」、「TUV」、「WXYZ」とアルファベット順の文字を設定し、それぞれのキーを押す回数によって各文字を選択入力していた。
【0005】
このような携帯電話機における文字入力の配列は、既に広く利用されるようになっており、多くの人が利用するようになっている。しかし、各文字を入力するために各キーを1〜5回打鍵しなければならないため、キー打鍵回数が多くなり、入力操作性が低いという問題がある。
【0006】
このような問題を解決すべく、通常の文字キーとは別に追加キーを設け、文字キーを複数回打鍵するのではなく、文字キー入力に続いて追加キーを押すことで文字入力を確定するようにした文字入力キーボードを備えた電子機器も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特許第3222445号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記電子機器は、文字キーの打鍵後に追加キーを打鍵して文字が確定するため、少なくとも2回の連続する入力操作が必要となり、入力に時間が掛かるという問題がある。
例えば、五十音の日本語入力の場合、「い」〜「お」段の文字は各行の指定文字キーの打鍵後、各段に対応する追加キーを打鍵することで確定する。また、「あ」段の文字も各行の指定文字キーのみで確定することはできず、制御キーを打鍵して確定しなければならない。これは、その指定文字キーを打鍵した状態では、続いて追加キーの打鍵があるかをその時点では判断できないためである。このため、「あい」等の同一行の文字が続いて入力される場合には、文字キー+制御キー+文字キー+追加キーと各2回ずつのキー打鍵操作が必要となり、その分、入力時間をあまり短縮できず、高速入力が難しいという問題がある。
このような問題は、携帯電話機などの小型の電子機器に組み込まれてキーボードなどに比べて10〜20個程度とキー数が少ないキー入力装置に共通する問題である。
【0009】
本発明の目的は、キー数が少なくても文字の高速入力が可能なキー入力装置、携帯電話機およびキー入力方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のキー入力装置は、少なくとも10個のメインキー21〜29,31と、少なくとも5個の機能キー51A〜51Eと、各キーの入力を処理するキー入力処理手段102とが設けられ、前記各メインキーには、仮名五十音図の10行5段の配列に対応して「あ」行から「わ」行までの各行を指定する機能が個別に設定され、前記各機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とが設定され、各機能キーの第2の機能には、仮名五十音図の10行5段の配列に対応して「あ」段から「お」段までの各段に対応する母音が個別のキーにそれぞれ設定され、前記キー入力処理手段は、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記いずれかの機能キーが1回押された場合には、前記メインキーに設定された「あ」行から「わ」行の各行と、前記機能キーに設定された母音との組合せで特定される文字を入力し、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、同一もしくは異なる各機能キーが順次押された場合には、前記メインキーに設定された「あ」行から「わ」行の各行と、最初に押された機能キーに設定された母音との組合せで特定される文字および2回目以降に押された機能キーに設定された各母音をその入力順に入力し、前記メインキーが機能キーの第2機能を実行するシフトキーとして機能していることを特徴とする。
【0011】
このような本発明では、各メインキーを押すことで、日本語の「あ」行から「わ」行までのいずれかの行が指定される。このメインキーを押しながら、第2の機能に母音が設定された5つの機能キーのいずれかのキーを押すと、キー入力処理手段は、前記メインキーのシフト機能を働かせ、機能キーの第2の機能に設定された母音を入力する。このため、最初に押された機能キーに設定された行と、機能キーに設定された母音(「あ」から「お」段)とで特定される文字が入力される。
このため、各キー21〜32を例えば2〜5回連続して打鍵しなければ入力できなかった各文字を、メインキー21〜32を押しながら機能キーを打鍵するという1回の操作で入力できる。このため、キー数が10〜20個程度と少ない場合でも、入力に必要なキー打鍵回数を大幅に低減できて入力操作性を向上でき、
文字の高速入力が可能なキー入力装置とすることができる。
また、母音は、機能キーの第2機能に設定されており、メインキーのシフト機能を利用して入力されるので、機能キーの第1機能には、カーソル移動機能等の他の機能を設定することができる。このため、キー数を増やすことなく、文字入力およびカーソル移動機能等の機能を実現可能なキー入力装置を提供することができる。
【0012】
本発明のキー入力装置は、少なくとも9個のメインキー22〜29,31と、少なくとも5個の機能キー51A〜51Eと、各キーの入力を処理するキー入力処理手段102とが設けられ、前記各メインキーには、日本語のローマ字入力において母音と組み合わされて日本語の清音を入力する子音を表す「K、S、T、N、H、M、Y、R、W」の9個のアルファベットが個別に設定され、前記各機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とが設定され、各機能キーの第2の機能には、日本語のローマ字入力において母音を表すアルファベットである「A」、「I」、「U」、「E」、「O」の各文字が個別のキーにそれぞれ設定され、前記キー入力処理手段は、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記いずれかの機能キーが1回押された場合には、前記メインキーに設定された子音と、前記機能キーに設定された母音との組合せで特定される文字を入力し、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、同一もしくは異なる各機能キーが順次押された場合には、前記メインキーに設定された子音と、最初に押された機能キーに設定された母音との組合せで特定される文字および2回目以降に押された機能キーに設定された各母音をその入力順に入力し、前記メインキーが機能キーの第2機能を実行するシフトキーとして機能していることを特徴とする。
【0013】
このような本発明では、各メインキーを押すことで、日本語のローマ字入力の子音が入力される。このメインキーを押しながら、第2の機能に母音A,I,U,E,Oが設定された5つの機能キーのいずれかのキーを押すと、キー入力処理手段は、前記メインキーのシフト機能を働かせ、機能キーの第2の機能に設定された母音を入力する。このため、最初に押された機能キーに設定された子音と、機能キーに設定された母音とでローマ字入力により特定される文字が入力される。
このため、各キー21〜32を例えば2〜5回連続して打鍵しなければ入力できなかった各文字を、メインキー21〜32と機能キーの同時打鍵という1回の操作で入力できる。このため、キー数が10〜20個程度と少ない場合でも、入力に必要なキー打鍵回数を大幅に低減できて入力操作性を向上でき、文字の高速入力が可能なキー入力装置とすることができる。
また、母音は、機能キーの第2機能に設定されており、メインキーのシフト機能を利用して入力されるので、機能キーの第1機能には、カーソル移動機能等の他の機能を設定することができ、キー数を増やすことなく、文字入力およびカーソル移動機能等の機能を実現可能なキー入力装置を提供することができる。
【0014】
ここで、母音が設定された5個の機能キー51A〜51E以外に、複数の機能キー52〜55が設けられ、これらの機能キーのうちの1つの機能キー52には、第2機能として濁点が設定され、前記キー入力処理手段102は、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記母音が設定されたいずれかの機能キー51A〜51Eおよび前記濁点が設定された機能キー52が順次押された場合には、前記メインキーと、最初に押された機能キーに設定された母音との組合せで特定される文字に濁点を付けた濁音を入力することが好ましい。
このようなキー入力装置によれば、清音の入力操作に濁点が設定された機能キー52を押す操作を追加するだけでよく、濁音を容易に入力できる。さらに、濁点を入力する第2の機能が設定された機能キー52は、第1の機能として別の機能を設定することができ、キー数を増やすことなく実行可能な機能を増やすことができる。
【0015】
また、母音が設定された5個の機能キー51A〜51E以外に、複数の機能キー52〜55が設けられ、これらの機能キーのうちの1つの機能キー53には、第2機能として撥音「ん」が設定され、前記キー入力処理手段102は、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記母音が設定されたいずれかの機能キー51A〜51Eおよび前記撥音が設定された機能キー52が順次押された場合には、前記メインキーと、最初に押された機能キーに設定された母音との組合せで特定される文字と撥音「ん」とをこの順序(文字+ん)で入力することが好ましい。
このようなキー入力装置によれば、文字の入力操作に撥音が設定された機能キー53を押す操作を追加するだけでよく、撥音を容易に入力できる。さらに、撥音を入力する第2の機能が設定された機能キー53は、第1の機能として別の機能を設定することができ、キー数を増やすことなく実行可能な機能を増やすことができる。
【0016】
また、母音が設定された5個の機能キー51A〜51E以外に、複数の機能キー52〜55が設けられ、これらの機能キーのうちの1つの機能キー55には、第2機能として促音「っ」が設定され、前記キー入力処理手段102は、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記母音が設定されたいずれかの機能キーおよび前記促音が設定された機能キーが順次押された場合には、前記メインキーと、最初に押された機能キーに設定された母音との組合せで特定される文字と促音「っ」とをこの順序(文字+っ)で入力することが好ましい。
このようなキー入力装置によれば、文字の入力操作に促音が設定された機能キー55を押す操作を追加するだけでよく、促音を容易に入力できる。さらに、促音を入力する第2の機能が設定された機能キー55は、第1の機能として別の機能を設定することができ、キー数を増やすことなく実行可能な機能を増やすことができる。
【0017】
さらに、母音が設定された5個の機能キー51A〜51E以外に、複数の機能キー52〜55が設けられ、これらの機能キーのうちの1つの機能キー54には、第2機能として半母音(y)が設定され、前記キー入力処理手段102は、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記半母音が設定された機能キー54および前記母音が設定されたいずれかの機能キー51A〜51Eが順次押された場合には、前記メインキーと、最初に押された機能キーに設定された半母音と、次に押された機能キーの母音の組合せで特定される拗音を入力することが好ましい。
このようなキー入力装置によれば、文字の入力操作中に半母音が設定された機能キー54を押す操作を追加するだけでよく、半母音を容易に入力できる。さらに、半母音を入力する第2の機能が設定された機能キー54は、第1の機能として別の機能を設定することができ、キー数を増やすことなく実行可能な機能を増やすことができる。
【0018】
本発明のキー入力装置は、少なくとも8個のメインキー22〜29と、少なくとも9個の機能キー51A〜51E,52〜55と、各キーの入力を処理するキー入力処理手段102とが設けられ、前記各メインキー22〜29には、アルファベット26文字が3個または4個ずつ、各メインキーの第1から第4の文字として個別に設定され、前記各機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とが設定され、各機能キーにおいて5個の機能キー51A〜51Eの第2の機能には、アルファベットの母音である「A」、「I」、「U」、「E」、「O」の各文字が個別のキーにそれぞれ設定され、他の4個の機能キー52〜55は、メインキーの1〜4番目に設定された各文字を指定する文字指定機能が第2の機能として設定され、英語において入力頻度の高い4つの子音(t,n,s,r)が第3の機能として個別に設定され、前記キー入力処理手段102は、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記文字指定機能が設定された機能キー52〜55が1回押された場合には、前記メインキーに設定された複数の文字のうち、前記機能キーで指定された文字を入力し、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記母音機能が設定された機能キー51A〜51Eが1回押された場合には、前記メインキーの第1の文字および機能キーの母音をその順序で入力し、前記メインキーが押された状態で文字指定機能が設定された機能キー52〜55が押された後、更に、同一もしくは他の文字指定機能が設定された機能キー52〜55が押された場合には、前記メインキーに設定された複数の文字のうち、前記最初に押された機能キーで指定された文字および次に押された機能キーの第3の機能に設定された子音をその入力順に入力し、前記メインキーが押された状態で文字指定機能が設定された機能キー52〜55が押された後、更に、母音が設定された機能キー51A〜51Eが押された場合には、前記メインキーに設定された複数の文字のうち、前記最初に押された機能キーで指定された文字および次に押された機能キーに設定された母音をその入力順に入力し、前記メインキーが機能キーの第2機能または第3機能を実行するシフトキーとして機能していることを特徴とする。
【0019】
このような構成であれば、英字入力で頻度の高い母音(a,i,u,e,o)と、子音(t,n,s,r)とを機能キー51A〜51E,52〜55の第2、第3の機能に設定し、メインキーのシフト機能によって入力することができるように構成したので、母音や頻度の高い子音を容易に入力することができ、英語の入力操作性を向上することができる。その上、各メインキーに複数設定された3〜4個の子音は、文字指定機能が設定された機能キー52〜55と同時に入力する1回の操作で入力することができ、従来のように、メインキーを所定回数打鍵して入力する必要がないため、キー数が10〜20個程度と少ない場合でも、入力に必要なキー打鍵回数を大幅に低減できて入力操作性を向上でき、文字の高速入力が可能なキー入力装置とすることができる。
【0020】
ここで、前記キー入力処理手段102は、メインキー22〜29のいずれか1つのキーが押された後、他のメインキーが押された場合には、前記メインキーの第1の文字の入力を確定することが好ましい。
このような構成であれば、メインキー22〜29の第1の文字は、第1の文字を指定する機能キー52と同時に打鍵する場合に限らず、メインキーのみを単独で入力することでも入力でき、第1の文字を容易に入力できる。
【0021】
また、前記各メインキー22〜29には、それぞれ「ABC」、「DEF」、「GHI」、「JKL」、「MNO」、「PQRS」、「TUV」、「WXYZ」とアルファベット順に配列された文字が設定されていることが好ましい。
このような構成であれば、各英字がアルファベット順に配列されているので、その配置を把握し易い。さらに、一般的な携帯電話機に設定されたアルファベット配列と同じ配列にでき、かつ、一般的な携帯電話機では、キーを2〜4回打鍵しなければ入力できない各英字を、機能キー52〜55との同時打鍵で入力できるため、入力操作性を向上できる。
【0022】
本発明のキー入力装置は、少なくとも9個のメインキー22〜29、31と、少なくとも9個の機能キー51A〜51E,52〜55と、各キーの入力を処理するキー入力処理手段102とが設けられ、前記各メインキーには、中国語をローマ字表記した際の子音となるアルファベットが2個から4個ずつ、各メインキーの第1から第4の文字として個別に設定され、前記各機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とが設定され、各機能キーにおいて5個の機能キー51A〜51Eの第2の機能には、中国語の基本母音である「A」、「I」、「U」、「E」、「O」の各文字が個別のキーにそれぞれ設定され、他の4個の機能キー52〜55は、メインキーの1〜4番目に設定された各文字を指定する文字指定機能が第2の機能として設定され、中国語において声調符号を表す符号が第3の機能として個別に設定され、前記キー入力処理手段102は、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記文字指定機能が設定された機能キー52〜55が1回押された後、さらに母音が設定された機能キー51A〜51Eが押された場合には、前記メインキーに設定された複数の文字のうち、前記機能キーで指定された文字と、前記機能キーに設定された母音を入力し、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記文字指定機能が設定された機能キー52〜55が1回押されて母音が入力された後、または、母音が設定された機能キー51A〜51Eが押されて母音が入力された後に、声調符号が設定された機能キー52〜55が押された場合には、その前に入力された母音に声調符号を付けることを特徴とする。
このような構成であれば、キー数が10〜20個程度と少ない場合でも、中国語をピンイン入力(ローマ字入力)によって入力することができるうえ、声調符号や母音等を簡単な操作で入力でき、かつ、入力に必要なキー打鍵回数を大幅に低減できて入力操作性を向上できるので、中国語を効率的に入力できる。
【0023】
また、前記文字指定機能および声調符号が設定された4個の機能キー52〜55には、前記「A」、「I」、「U」、「E」、「O」以外の母音や鼻母音、特殊母音から選択された4つの母音が第4の機能として設定され、前記キー入力処理手段102は、声調符号が入力された後あるいは声調符号が付かない母音が入力された後に、前記メインキーの1つのキーが押された状態のままで、前記機能キーが押された場合には、第4の機能に設定された母音を入力することが好ましい。
このような構成によれば、中国語において、鼻母音、特殊母音等を容易に入力することができる。
【0024】
ここで、前記4個の機能キー52〜55における第4の機能には、「Uウムラウト、n、r、g」で表記される各母音がそれぞれ設定されていてもよい。
これらの文字が設定されていれば、中国語の入力効率をより向上できる。
【0025】
本発明のキー入力装置は、複数個のメインキー21〜32と、複数個の機能キー51A〜51E,52〜55と、各キーの入力を処理するキー入力処理手段102とが設けられ、前記各メインキーには、所定の文字が設定され、前記機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とが設定され、この機能キーの第2の機能には、文字入力に用いられる文字や記号が予め設定され、前記キー入力処理手段102は、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記各機能キーが押された場合には、前記メインキーに設定された文字を入力し、続けて前記各機能キーの第2機能に設定された文字や記号を機能キーの押された順序で入力し、前記メインキーが機能キーの第2機能を実行するシフトキーとして機能していることを特徴とする。
【0026】
このような本発明では、メインキーの他に、キー入力装置が設けられた機器における各種の機能、例えば、携帯電話機であれば、携帯電話機用の各種機能を実行するために設けられている機能キーの第2機能に母音等の頻度の高い文字や記号を設定し、メインキーを押しながらこの機能キーを押すことでこれらの文字などを入力できるため、キー数が10〜20個程度と少ない場合でも、入力操作性を向上できて文字を高速に入力することができる。
【0027】
本発明のキー入力装置は、複数個のメインキー21〜32と、複数個の機能キー52〜55と、各キーの入力を処理するキー入力処理手段102とが設けられ、前記各メインキーには複数の文字が割り当てられ、これらの各文字はそのメインキーの打鍵回数に対応して入力されるとともに、前記各機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とが設定され、各機能キー52〜55の第2の機能は、前記メインキーの打鍵回数に相当する情報を指定する打鍵回数指定機能が設定され、前記キー入力処理手段102は、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記各機能キーが押された場合には、前記メインキーを機能キーに設定された打鍵回数に対応する回数だけ連続打鍵した場合と同じ文字を入力し、前記メインキーが機能キーの第2機能を実行するシフトキーとして機能していることを特徴とする。
このような本発明では、各メインキー21〜32の2回以上の各打鍵回数に対応する機能キー53〜55を設けたので、各キー21〜32を例えば2〜4回連続して打鍵しなければ入力できなかった各文字を、メインキー21〜32を押しながら機能キー53〜55を打鍵するという1回の操作で入力できる。このため、キー数を少なくでき、かつ入力に必要なキー打鍵回数を大幅に低減でき、文字の高速入力が可能なキー入力装置とすることができる。
【0028】
ここで、前記機能キーは、前記メインキーの1回から4回の打鍵回数に対応する打鍵回数指定機能が第2機能に設定された4つの機能キー52〜55を備えて構成され、これらの機能キーのうちの1つの機能キーと前記1つのメインキーとを同時に打鍵した際に、そのメインキーの1回から4回の打鍵で入力される文字が確定されることが好ましい。
メインキーの1回の打鍵に対応する機能キー52も備えていれば、メインキーおよび機能キー52を打鍵することで、メインキーによる文字入力を確定できる。このため、同じメインキーに設定された文字を続けて入力する場合に、別途送りキーを押す必要が無く、この点で入力操作の効率化を図ることができる。
【0029】
また、前記各機能キーのうちの4つの機能キー51A〜51Dは、第1の機能として画面に表示されるカーソルを移動させるカーソル移動機能を備え、前記キー入力処理手段102は、これらの機能キーが単独で押された場合には、第1の機能を実行することが好ましい。
移動キー51A〜51Dを機能キーとしても機能するようにして兼用すれば、新たな機能キーを設ける必要が無く、移動キーはキー入力装置に予め設けられているため、キー入力装置の構造も変更する必要がなく、キー入力時のソフトウェア等を変更すれば対応できる。このため、本発明のキー入力装置を低コストで製造できる。
【0030】
さらに、前記メインキー21〜32は、キー入力装置の表面に配置され、前記機能キー61〜64は、キー入力装置の側面に一列に並んで配置され、かつ、各機能キーの配置間隔は、機能キーと同方向に並ぶ前記メインキーの配置間隔と同一とされていることが好ましい。
機能キー61〜64がキー入力装置の側面に配置されていれば、機能キーが目立つことが無く、表面の配列や機能は従来のものと同一にできる。また、側面にあるため、キー入力装置を保持する手でも比較的押しやすく、利き手以外の手でも操作しやすい。さらに、機能キーが独立して配置されているので、機能キーの存在を把握しやすく、操作性を向上することができる。その上、キー間隔がメインキーと同一であるため、より一層操作性を向上できる。
【0031】
また、前記メインキー21〜32は、キー入力装置の表面に配置され、前記機能キー61〜63は、メインキーが配置された面と同一面に一列に並んで配置され、かつ、各機能キーの配置間隔は、機能キーと同方向に並ぶ前記メインキーの配置間隔と同一とされていてもよい。
前記機能キー61〜63がメインキー21〜32と同一面に配置されているので、利き手の違いに関係なく操作できる。また、各機能キーの配置間隔が機能キーと同方向に並ぶメインキーの配置間隔と同一なので、各キー位置を容易に把握でき、ブラインドタッチも容易に実現できる。
【0032】
本発明の携帯電話機は、前記キー入力装置と、このキー入力装置で入力された文字が表示される画面とを備えることが好ましい。
このような携帯電話機は、キー数が少なくても文字を効率的に入力できるので、携帯電話機に設けられたダイヤルボタンをメインキーとして利用でき、移動ボタンや機能ボタンを機能キーとして利用できる。従って、携帯電話機のハードウェアを変更することなく、ソフトウェアの変更のみで本発明の携帯電話機を実現でき、低コストで提供することができる。
【0033】
本発明のキー入力方法は、少なくとも10個のメインキーと、少なくとも5個の機能キーとを用いたキー入力方法であって、前記各メインキーには、仮名五十音図の10行5段の配列に対応して「あ」行から「わ」行までの各行をそれぞれ指定する機能を設定しておき、前記各機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とを設定し、各機能キーの第2の機能には、仮名五十音図の10行5段の配列に対応して「あ」段から「お」段までの各段に対応する母音をそれぞれ設定し、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記いずれかの機能キーが1回押された場合には、前記メインキーに設定された「あ」行から「わ」行の各行と、前記機能キーに設定された母音との組合せで特定される文字を入力し、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、同一もしくは異なる各機能キーが順次押された場合には、前記メインキーに設定された「あ」行から「わ」行の各行と、最初に押された機能キーに設定された母音との組合せで特定される文字および2回目以降に押された機能キーに設定された各母音をその入力順に入力し、前記メインキーを機能キーの第2機能を実行するシフトキーとして機能させることを特徴とする。
【0034】
本発明のキー入力方法は、少なくとも9個のメインキーと、少なくとも5個の機能キーとを用いたキー入力方法であって、前記各メインキーには、日本語のローマ字入力において母音と組み合わされて日本語の清音を入力する子音を表す「K、S、T、N、H、M、Y、R、W」の9個のアルファベットを個別に設定しておき、前記各機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とを設定し、各機能キーの第2の機能には、日本語のローマ字入力において母音を表すアルファベットである「A」、「I」、「U」、「E」、「O」の各文字を個別のキーにそれぞれ設定し、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記いずれかの機能キーが1回押された場合には、前記メインキーに設定された子音と、前記機能キーに設定された母音との組合せで特定される文字を入力し、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、同一もしくは異なる各機能キーが順次押された場合には、前記メインキーに設定された子音と、最初に押された機能キーに設定された母音との組合せで特定される文字および2回目以降に押された機能キーに設定された各母音をその入力順に入力し、前記メインキーを機能キーの第2機能を実行するシフトキーとして機能させることを特徴とする。
【0035】
本発明のキー入力方法は、少なくとも8個のメインキーと、少なくとも9個の機能キーとを用いたキー入力方法であって、前記各メインキーには、アルファベット26文字を3個または4個ずつ、各メインキーの第1から第4の文字として個別に設定し、前記各機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とを設定し、各機能キーにおいて5個の機能キーの第2の機能には、アルファベットの母音である「A」、「I」、「U」、「E」、「O」の各文字を個別のキーにそれぞれ設定し、他の4個の機能キーには、メインキーの1〜4番目に設定された各文字を指定する文字指定機能を第2の機能として設定し、英語において入力頻度の高い4つの子音を第3の機能として個別に設定し、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記文字指定機能が設定された機能キーが1回押された場合には、前記メインキーに設定された複数の文字のうち、前記機能キーで指定された文字を入力し、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記母音機能が設定されたメインキーが1回押された場合には、前記メインキーの第1の文字および機能キーの母音をその順序で入力し、前記メインキーが押された状態で文字指定機能が設定された機能キーが押された後、更に、同一もしくは他の文字指定機能が設定された機能キーが押された場合には、前記メインキーに設定された複数の文字のうち、前記最初に押された機能キーで指定された文字および次に押された機能キーの第3の機能に設定された子音をその入力順に入力し、前記メインキーが押された状態で文字指定機能が設定された機能キーが押された後、更に、母音が設定された機能キーが押された場合には、前記メインキーに設定された複数の文字のうち、前記最初に押された機能キーで指定された文字および次に押された機能キーに設定された母音をその入力順に入力し、前記メインキーを機能キーの第2機能または第3機能を実行するシフトキーとして機能させることを特徴とする。
【0036】
本発明のキー入力方法は、少なくとも9個のメインキーと、少なくとも9個の機能キーとを用いたキー入力方法であって、前記各メインキーには、中国語をローマ字表記した際の子音となるアルファベットを2から4個ずつ、各メインキーの第1から第4の文字として個別に設定し、前記各機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とを設定し、各機能キーにおいて5個の機能キーの第2の機能には、中国語の基本母音である「A」、「I」、「U」、「E」、「O」の各文字を個別のキーにそれぞれ設定し、他の4個の機能キーには、メインキーの1〜4番目に設定された各文字を指定する文字指定機能を第2の機能として設定し、中国語において声調符号を表す符号を第3の機能として個別に設定し、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記文字指定機能が設定された機能キーが1回押された後、さらに母音が設定された機能キーが押された場合には、前記メインキーに設定された複数の文字のうち、前記機能キーで指定された文字と、前記機能キーに設定された母音を入力し、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記文字指定機能が設定された機能キーが1回押されて母音が入力された後、または、母音が設定された機能キーが押されて母音が入力された後に、声調符号が設定された機能キーが押された場合には、その前に入力された母音に声調符号を付けることを特徴とする。
【0037】
本発明のキー入力方法は、複数個のメインキーと、複数個の機能キーとを用いたキー入力処理方法であって、前記各メインキーには、所定の文字を設定し、前記機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とを設定し、この機能キーの第2の機能には、文字入力に用いられる文字や記号を予め設定し、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記各機能キーが押された場合には、前記メインキーに設定された文字を入力し、続けて前記各機能キーの第2機能に設定された文字や記号を機能キーの押された順序で入力し、前記メインキーを機能キーの第2機能を実行するシフトキーとして機能させることを特徴とする。
【0038】
本発明のキー入力方法は、複数個のメインキーと、複数個の機能キーとを用いたキー入力処理方法であって、前記各メインキーには複数の文字を割り当て、これらの各文字をそのメインキーの打鍵回数に対応して入力するとともに、前記各機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とを設定し、各機能キーの第2の機能には、前記メインキーの打鍵回数に相当する情報を指定する打鍵回数指定機能を設定し、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記各機能キーが押された場合には、前記メインキーを機能キーに設定された打鍵回数に対応する回数だけ連続打鍵した場合と同じ文字を入力し、前記メインキーを機能キーの第2機能を実行するシフトキーとして機能させることを特徴とする。
【0039】
これらの各キー入力方法によれば、前述したキー入力装置と同様の作用効果を奏することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0041】
[第1実施形態]
図1に示すように、本実施形態のキー入力装置を組み込んだ携帯電話機1は、ヒンジ部分で折り曲げ可能に連結された上ケース部1Aおよび下ケース部1Bを備えて折りたたみ可能に構成されている。
上ケース部1Aには液晶ディスプレイ2が設けられ、下ケース部1Bには複数のキーが配置されたキー入力装置(キー入力部)3が設けられている。
【0042】
本発明に係るキー入力装置3には、図2にも示すように、上部に各種操作を行うための機能キー部50が設けられるとともに、下部に上下5段左右3列の計15個のキーが配置されており、その下部の4段3列の計12個のキー21〜32で数字や文字を入力するメインキーが構成されている。また、上段の3個のキーには各種電話機能等を行うための電話機能キー41〜43が設定されている。
【0043】
さらに、これらの15個のキー21〜32,41〜43の上側の機能キー部50には、カーソル移動キー51と、確定、メニュー表示、電話帳表示、メール、文字等の各種機能を実行する4つの機能キー52〜55が配置されている。
【0044】
カーソル移動キー51は、カーソル(文字入力位置)の移動のほかに、スペースの入力、また仮名入力では漢字変換の候補選択等にも用いられる。さらに、このカーソル移動キー51は、英語入力モードや日本語入力モードにおいて、本発明のサブキーとしても機能するように設定されている。なお、本実施形態では、上、右、下、左の各移動キー51A〜51Dが一体とされ、これらの移動キー51A〜51Dの中心に別体の機能キー51Eが設けられた移動キー51とされている。
確定用の機能キー52は、漢字変換時に選択した漢字を決定するため等の入力を確定するために用いられる。メニュー表示用の機能キー53はメニュー表示に用いられる。
また、機能キー54,55は、例えば、メール機能や電話帳表示などの機能を実行する機能キーとして設定されている。
【0045】
メインキー21〜32には、各文字等が設定されている。
すなわち、各メインキー21〜32のキートップの左側には、電話番号を入力する場合などに用いられる数字が表記され、右側には、日本語入力用のかな文字および英語入力に用いられるアルファベットが表記されている。
【0046】
具体的には、図2に示すように各キー21〜32のキートップ左側には、数字配列として、上段左側から順にキー21に数字「1」が、キー22に数字「2」が、キー23に数字「3」が、キー24に数字「4」が、キー25に数字「5」が、キー26に数字「6」が、キー27に数字「7」が、キー28に数字「8」が、キー29に数字「9」が、キー30に記号「*」が、キー31に数字「0」が、キー32に記号「#」が表記され、電話操作や数字の入力が行えるように設定されている。
【0047】
また、各メインキー22〜29のキートップ右下側には、従来のアルファベット順の英語入力用の英字「A〜Z」が各キーに3〜4個ずつ表記されている。具体的には、各メインキー22〜29には、「ABC」、「DEF」、「GHI」、「JKL」、「MNO」、「PQRS」、「TUV」、「WXYZ」の各文字がそれぞれ設定されている。
【0048】
また、メインキー21〜29のキートップ右上側には、従来の50音順の日本語入力用の仮名文字「あ、か、さ、た、な、は、ま、や、ら」がそれぞれ表記されている。さらに、キー31のキートップには、仮名文字「わ、を、ん」が表記されている。
【0049】
次に前述のようなキー配列のキー入力装置3における入力処理機能について、図3に示すブロック図を参照して説明する。
まず、各キー21〜32,41〜43,51〜55が打鍵されたか否かをキー入力検出手段101で検出する。例えば、一定サイクル(例えば1〜10ms)でタイマ割込を行い、各キーに割り当てられたI/Oポート等をチェックしてキー入力があるか否かをチェックすればよい。
【0050】
キー入力無しと判断されたら、タイマ割込を一定サイクルで繰り返してキー入力を待つ。一方、キー入力有りと判断されれば、キー入力処理手段102において入力処理が行われる。
ここで、メインキー21〜32が押されたまま、機能キーとして機能する各移動キー51A〜51Eや各機能キー52〜55が打鍵された場合には、機能キーシフト入力処理部110が機能し、各機能キー51A〜51Eに設定された第2,3機能が実行される。本実施形態では、機能キーシフト入力処理部110は、母音を入力する母音入力部111、メインキー21〜32に設定された複数の英字を指定する文字指定部112、濁音、撥音、促音、拗音を入力する高速入力部113を備えて構成されている。
【0051】
キー入力処理手段102では、設定された入力モードと入力されたキーに応じて所定の文字や数字等が出力されるように処理する。
そして、出力された文字や数字は、画面制御手段104を介して液晶ディスプレイ2に表示される。
以下に各モード時の入力操作に関して具体的に説明する。
【0052】
[1.連続打鍵方式]
本実施形態の携帯電話機1は、後述するモード切替操作で選択した各入力モードにおいて、各メインキー21〜32を1〜5回打鍵すると、その打鍵回数に応じた文字(数字、アルファベット、かな)が入力される従来の連続打鍵方式での入力も可能とされている。具体的には、以下のように入力される。
【0053】
[1−1.通常(数字)モード時]
通常モード時は、携帯電話機1として機能するモードであるため、各キー21〜32を押すと、キー入力装置3は、そのキー21〜32に設定された数字を出力する。従って、電話の発信状態であれば、電話番号を入力して電話を掛けることができる。
また、数字を入力できるモードであるため、電話帳で電話番号を入力する場合や、メール内で数字を記載する場合のように、数字の入力時にも利用できる。
【0054】
[1−2.英字入力モード時]
英字入力モードに切り替えた場合に、従来の携帯電話機と同様に、各キー21〜32を1〜4回押すと、各キートップに表記されたアルファベットが入力される。
すなわち、各キー21〜29を1回打鍵すると、各キー21〜29の1番目の文字「A,D,G,J,M,P,T,W」がそれぞれ入力される。また、各キー21〜29を2回打鍵すると、各キー21〜29の2番目の文字「B,E,H,K,N,Q,U,X」がそれぞれ入力される。また、各キー21〜29を3回打鍵すると、各キー21〜29の3番目の文字「C,F,I,L,O,R,V,Y」がそれぞれ入力される。また、各キー27,29を4回打鍵すると、各キー21〜29の4番目の文字「S,Z」がそれぞれ入力される。
各キー21〜32の連続打鍵は、他のキーまたは確定キーを押すと確定される。また、各キーの最大打鍵回数以上を押すと、再度、1回打鍵に戻りその後の打鍵回数に応じて入力文字が順次変更される。
【0055】
[1−3.日本語入力モード時]
日本語入力モードに切り替えた場合に、従来の携帯電話機と同様に、各キー21〜29,31を1〜5回押すと、各キートップ上側に表記された「あ行〜わ行」の各段の文字が適宜入力される。すなわち、1〜5回の各打鍵回数は「あ段〜お段」に対応しており、各行の文字が設定されたキー21〜29を打鍵した回数により「あ〜ら」の各文字が入力される。
なお、本実施形態では、キー31は、1回打鍵で「わ」、2回打鍵で「を」、3回打鍵で「ん」の各文字が入力されるように設定されている。また、キー28は、1回打鍵で「や」、2回打鍵で「ゆ」、3回打鍵で「よ」の各文字が入力されるように設定されている。
【0056】
[2.シフトモード入力方式]
本実施形態の携帯電話機1は、本発明を適用したシフトモード入力を利用することもできる。ここで、機能キーとして設けられたカーソル移動キー51は、上、右、下、左の各移動キー51A〜51Dと、これらの各移動キー51A〜51Dの中心に配置された機能キー51Eとで構成されている。これらの移動(機能)キー51A〜51Dは、単独で押された場合に機能する第1機能として、前記カーソル移動機能が設定され、機能キー51Eは、第1機能として入力などの確定機能が設定されている。
また、機能キー51A〜51Eは、メインキー21〜32が押されている状態で押された時に働く第2機能として、母音「あ、い、う、え、お(a,i,u,e,o)」が設定されている。この母音入力機能(第2機能)は、キー入力処理手段102の母音入力部111で実現されている。
【0057】
また、機能キー52〜55は、単独で押された場合に機能する前記第1機能の他、英字入力モード時にメインキー21〜32に設定された複数の文字を個別に指定する文字指定機能と、日本語入力モード時に濁音、撥音、促音、拗音を入力する高速入力機能とが第2の機能として設定されている。この文字指定機能および高速入力機能は、キー入力処理手段102の文字指定部112、高速入力部113でそれぞれ実現されている。
【0058】
[2−1.日本語入力モード]
日本語(かな)入力モードにおける各かなの入力に関し説明する。
【0059】
[2−1−1.清音の入力]
例えば、図4に示すように、メインキー21〜32を右の親指で押しながら、カーソル移動キー51を左の親指で押して操作して、各メインキー21〜32を押しながら、各機能キー51A〜51Eを押すと日本語の清音が入力される。
すなわち、メインキー21〜32を押すことで「あ」行から「わ」行のいずれかの行が特定され、メインキー21〜32を押しながら各機能キー51A〜51Eを押すと、各機能キー51A〜51Eの第2機能に設定された母音(「あ」段から「お」段)が特定され、これらの行および母音の組合せで特定される清音が入力される。
【0060】
例えば、各メインキー21〜32を押しながら、カーソル移動キー51の上移動キー51Aを同時に押すと、各行の「あ」段の文字、すなわち「あ、か、さ、た、な、は、ま、や、ら、わ」が入力される。同様に、各メインキー21〜32を押しながら右移動キー51Bを押すと、各行の「い」段の文字が入力され、各メインキー21〜32を押しながら下移動キー51Cを押すと、各行の「う」段の文字が入力され、各メインキー21〜32を押しながら左移動キー51Dを押すと、各行の「え」段の文字が入力され、各メインキー21〜32を押しながら確定キー51Eを押すと、各行の「お」段の文字が入力される。
【0061】
なお、各メインキー21〜32のみを1回打鍵した後に、他のメインキー21〜32を打鍵した場合には、母音「あ」の入力が省略されたと判断し、各行の「あ」段の文字が入力される。従って、「あ」段の文字は、メインキー21〜32のみを押すことで入力する方法と、前述した移動キー51Aを利用して入力する方法との2つの方法で入力できる。
この2つの方法を設定した理由は、次の通りである。すなわち、各メインキー21〜32を打鍵する回数で「あ段」から「お段」の各文字を入力する従来の入力方法を併用している場合、各メインキー21〜32を1回打鍵しただけでは、続けてそのキーが打鍵されるかが不明なため、「あ段」の文字を確定できない。特に、他のキーが押されればその時点で確定することもできるが、「あい」などと同じ「あ段」の文字を続けて入力する場合には送りキーなどの特別なキーを押さなければ確定できない。このため、各メインキー21〜32を押しながら機能キー51Aを押すことで、各メインキー21〜32の「あ」段の文字を確定できるようにしている。
【0062】
なお、カーソル移動キー51を単独で入力した場合には、前述のように、カーソル移動機能などが実行される。
【0063】
以上の各メインキー21〜32と、各機能キー51A〜51Eとを打鍵した際のかなの入力例の一覧を図5に示す。図5において、数字は各メインキー21〜32を、そのキーに設定された数字で示したものである。また、母音「a,i,u,e,o」は各機能キー51A〜51Eを示しており、「数字+母音」は、数字で指定された各メインキー21〜32を押しながら、母音で指定された各機能キー51A〜51Eを押すことを示す。
【0064】
[2−1−2.濁音・半濁音・小文字入力]
図5に示すように、日本語入力モードにおいて、濁音を入力するには、メインキー22,23,24,26を押しながら、濁点が設定されている機能キー52を押すと、濁音「が、ざ、だ、ば」が入力される。また、メインキー22,23,24,26を押しながら、各移動キー51B〜51Eを押し、さらに、濁点が設定されている機能キー52を押すと、濁音「ぎ、ぐ、げ、ご、じ、ず、ぜ、ぞ、ぢ、づ、で、ど、び、ぶ、べ、ぼ」が入力される。
また、メインキー26を押しながら機能キー52を2回押したり、メインキー26を押しながら各移動キー51B〜51Eを押し、さらに濁点が設定されている機能キー52を2回押すと、半濁音「ぱ、ぴ、ぷ、ぺ、ぽ」が入力される。
さらに、メインキー21,28,31を押しながら機能キー52を押すと、あ行、や行、わ行の小文字「ぁ、ぃ、ぅ、ぇ、ぉ、ゃ、ゅ、ょ、ゎ」がそれぞれ入力される。
【0065】
[2−1−2.撥音(ん)の入力]
撥音は、メインキー31を押しながら、機能キー53を押すことで単独で入力される。
【0066】
[2−2.英字入力]
英字は、前述のように、各メインキー22〜29を3〜4回打鍵することでも入力できるが、機能キー52〜55を利用したシフトモード入力も行えるようになっている。
すなわち、機能キー52〜55の第2機能には、文字指定部112を働かせて各メインキー22〜29の1〜4番目の文字を指定する文字指定機能が設定されている。
具体的には、機能キー52の第2機能には、各メインキー22〜29の1番目(I)の文字を指定する文字指定機能が設定され、機能キー53の第2機能には、各メインキー22〜29の2番目(II)の文字を指定する文字指定機能が設定され、機能キー55の第2機能には、各メインキー22〜29の3番目(III)の文字を指定する文字指定機能が設定され、機能キー54の第2機能には、各メインキー22〜29の4番目(IV)の文字を指定する文字指定機能が設定されている。
【0067】
従って、メインキー22〜29を押しながら、各機能キー52〜55を押して機能キーの第2機能を実行すると、各メインキー22〜29の1〜4番目の文字が入力される。
なお、各メインキー22〜29を1回打鍵した後、他のメインキーや機能キーを打鍵した場合には、各メインキー22〜29の1番目の文字が入力される。
また、各メインキー(ダイヤルボタン)22〜29を押しながら、各機能キー52〜55を2回押すと、各英字の大文字および小文字が切り替えられるように設定してもよい。
【0068】
[2−3.記号入力]
各モード毎によく使う記号は、記号キー32を押しながら各機能キー52〜55を押すことで入力される。すなわち、記号キー32には、1〜4番目の文字として4種類の記号が設定されており、記号キー32を押しながら各機能キー52〜55を押すことで、1〜4番目の記号がそれぞれ入力される。
なお、記号キー32に設定される記号は、各入力モードに応じて設定される。例えば、かな入力モード(日本語入力モード)では、1〜4番目の記号として、長音「ー」、句点「。」、読点「、」等が設定される。また、英字入力モードでは、カンマ「,」、ピリオド「.」等が設定される。
これらの記号は、入力モードに応じて予め設定されているが、利用者が設定を変更することもできるようにされている。
【0069】
[2−4.モード切替]
かなモード、英字モード、数字モード等の各モードは、文字キー(文字ボタン)の機能を有する機能キー41を押しながら、機能キー52〜55を押すことで切り替えられる。例えば、機能キー41を押しながら機能キー52を押すとかな入力モードに切り替わり、機能キー41を押しながら機能キー53を押すとカタカナ入力モードに切り替わり、機能キー41を押しながら機能キー54を押すと数字入力モードに切り替わり、機能キー41を押しながら機能キー55を押すと記号入力モードに切り替わるように設定されている。
【0070】
上記のようなシフトモード入力を利用した入力例を、図6に示す。図6では、左側に入力文を示し、右側にその文のキー入力操作を、各メインキー21〜32に表記された数字と、各機能キー51A〜51E、52〜55に表記された母音やローマ数字で示している。
このようなシフトモード入力を利用すれば、従来の、各キーを複数回打鍵して入力する場合に比べて、入力打鍵回数を少なくでき、簡単にかつ高速に入力することができる。
【0071】
[2−5.日本語の高速入力]
日本語の音読みの熟語では、二重母音、撥音、促音、長音、拗音が含まれていることが多く、これらの文字を簡単に入力できると日本語の入力効率が向上する。このため、本実施形態では、日本語の高速入力処理が可能となるように、既に機能キー51A〜51E、52、53で効率よく入力可能に設定した母音、濁点、撥音の他に、促音(っ)や半母音(y)を機能キー55,54に設定している。これらの高速入力は、キー入力処理手段102の高速入力部113で実現されている。
これにより、図7に示すように、二重母音、撥音、促音、拗音が含まれる漢字(熟語)を容易に入力することができるようにされている。
【0072】
具体的には、各メインキー(ダイヤルボタン)21〜32を押しながら複数の移動キー(カーソルボタン)51A〜51Eを連続して入力すると、2番目以降に押した移動キー51A〜51Eに対応する母音が続けて入力される。すなわち、移動キー51A〜51Eの第2機能(シフトモード入力)には、A,I,U,E,Oの各母音が設定されているので、メインキー21〜32を押しながら2番目以降に移動キー51A〜51Eを押すと、それぞれ「あ、い、う、え、お」の各母音が入力される。従って、1つのダイヤルボタン(メインキー)21〜32を押しながら、複数の機能キー51A〜51Eを押すと二重母音を含む熟語を簡単に入力することができる。
【0073】
具体的には、「2」のキー22を押しながら、「o」が設定された機能キー51Eと機能キー51Cとを順次打鍵することで「こう」が入力される。この「こう」はローマ字で示せば「KOU」であり、「OU」と母音が連続する二重母音を含むものである。
このような入力ルールによって、図7に例示するように、二重母音を含む熟語(交通、経済、対応)を簡単に入力できる。なお、「ざい」のように、濁音が含まれる場合には、前述した濁音の入力と同様に、メインキー21〜32を押しながら、母音が設定された移動キー51A〜51E、濁点が設定された機能キー52、母音が設定された移動キー51A〜51Eの順で打鍵すればよい。メインキー21〜32の打鍵が継続されているので、各機能キー51A〜51E,52の第2機能に設定された母音や、濁点が入力され、濁音を含む二重母音の文字を入力することができるからである。なお、「ざい」の場合、本来のキー入力操作は、「3+a゛i」であるが、「3」のメインキー23の後に他のキー52を打鍵しているので、前述の通り、「a」の入力操作は省略されている。
【0074】
撥音を含む漢字は、図7に示すように、各メインキー(ダイヤルボタン)21〜32を押しながら、機能キー51A〜51Eおよび撥音が設定された機能キー53を順次打鍵することで入力できる。このような入力ルールによって、撥音を含む漢字(音信、根本、原因)を簡単に入力することができる。
また、促音を含む漢字は、図7に示すように、各メインキー(ダイヤルボタン)21〜32を押しながら、機能キー51A〜51Eおよび促音が設定された機能キー55を順次打鍵することで入力できる。このような入力ルールによって、促音を含む漢字(実行、発端、斡旋)を簡単に入力することができる。なお、「発端」の「たん」や、「斡旋」の「あっ」では、「ざい」と同様に、母音「a」の入力が省略されている。
【0075】
さらに、や行の拗音を含む漢字は、各メインキー(ダイヤルボタン)21〜32を押しながら、半母音「y」が設定された機能キー54と、母音が設定された機能キー51A〜51Eを順次打鍵することで入力できる。このような入力ルールによって、拗音を含む漢字(著者、状況、重要)を簡単に入力することができる。
上記のような高速入力を利用することで、日本語の音読み漢字の熟語を簡単に入力でき、日本語を効率よく入力することができる。
【0076】
このような本実施形態によれば次のような効果がある。
(1) 日本語入力では、メインキー21〜32を押しながら、各機能キー51A〜51Eを押すことで、日本語の清音を入力でき、英字入力では、メインキー21〜32を押しながら、各機能キー52〜55を押すことで、各メインキー21〜32の1〜4番目に設定された英字を入力できる。
このため、従来の携帯電話機等では、各メインキー21〜32を1〜5回打鍵しなければ入力することができなかった各文字を、メインキー21〜32を押しながら機能キー51A〜51E,52〜55を打鍵するという打鍵タイミング的には各キーをほぼ同時に打鍵する操作、つまり1回の操作(ショートカット入力)で入力できる。このため、入力に必要なキー打鍵回数を大幅に低減でき、携帯電話機1において高速でかつ簡単なキー入力操作を実現できる。
また、50音のかな入力と、英語入力との両方で前記ショートカット入力を実現できる。このため、特に国際標準となっている英語配列において高速かつ簡易な入力操作を実現できるため、世界各国の携帯電話機において本発明を活用することができ、近年の携帯電話機1を利用したメール作成時の文書入力操作も簡単にかつ高速に行うことができる。
【0077】
(2) 従来の携帯電話機では、同じメインキー21〜32に設定された文字(かなや英字)を入力する場合、1つの文字を入力した後に、送りボタンを押して確定しなければならない。これに対し、本実施形態では、メインキー21〜32を押しながら、各機能キー51A〜51E,52〜55を順次押すことで、同じメインキー21〜32に設定されている文字を入力することができる。このため、同じキー21〜32に設定された文字を続けて入力する場合も、送りボタン(通常は移動キー51B等が兼用される)を使わずに入力することができ、その分、打鍵回数を少なくできて入力操作性を向上できる。
【0078】
(3) 機能キーをカーソル移動キー51の各移動キー51A〜51Eに設定して兼用できるようにしたので、機能キーを新たに独立して設ける必要がない。このため、各キーの入力を処理するキー入力処理手段102のソフトウェアを変更追加し、機能キーシフト入力処理部110を設けるだけで本機能を実現でき、携帯電話機1自体の構造等は従来のものが利用できる。従って、ケース部1A,1Bの製造用の金型等も変更する必要がないため、低コストで本発明の携帯電話機1を製造することができる。
また、機能キー52〜55も携帯電話機の各種機能を実行するために予め用意されていることが多いため、機能キー52〜55も新たに独立して設ける必要が無く、この点でもコストを低減できる。
【0079】
(4) 各キー21〜32を連続打鍵すれば従来の入力方式も実行できるため、従来の入力方式に慣れた利用者も抵抗無く利用することができる。従って、従来の入力方式を利用していた操作者も、徐々に同時打鍵操作を体験することができ、慣れていないという理由だけで敬遠していたユーザーも、同時打鍵操作に移行して効率的なキー入力を行うことができる。
特に、同時打鍵入力はメインキー21〜32と、このメインキー21〜32の上側に離れて配置された各機能キー51A〜51E,52〜55とを共に押しているときだけ実現できるので、従来の片手での入力操作時に利用者が意図しないで同時打鍵入力操作を行うこともないため、誤入力が生じにくく、取り扱いやすい携帯電話機1にすることができる。
【0080】
(5) 携帯電話機1の製造メーカにおいても、入力方式が異なる2種類の携帯電話機1を製造する必要が無く、かつ携帯電話機1自体の構造等も従来と変える必要が無く、メーカは、本実施形態用の入力処理プログラムを追加すればよいため、製造コストを低減できて導入リスクを少なくでき、効率的な文字入力方式を求めている市場のニーズにも答えることができる。
【0081】
(6) かなや英字の入力だけでなく、各モードでよく使う記号や面倒なモード切替操作も、キー41を押しながら各機能キー52〜55を押すという簡単な操作で行えるため、操作性をより一層向上できる。
【0082】
(7) 機能キー51A〜51E,52〜55の第2機能に、母音、濁点、撥音、促音、半母音を設定し、日本語において頻度の高い二重母音、濁音、撥音、促音、拗音等の入力を高速に行えるように設定されているので、入力に慣れると日本語の文章を高速に入力することができる。
【0083】
(8) 本実施形態では、携帯電話機1を両手で持って操作しなければならないが、両手で持つことで安定して入力操作を行え、かつ左右の親指も楽に動かせるのでブラインドタッチ操作も容易に行うことができる。
その上、左右の親指による同時入力は、近年ではゲーム機のコントローラなどでよく利用される操作体系であるため、操作性も容易に向上できる。
【0084】
(9) 機能キー52〜55は、入力モードに応じて、高速入力機能および文字指定機能を兼用しているので、キー数を増やすことなく、日本語や英語の高速入力が可能となる。このため、キー数が20個程度と少なくて携帯電話機1にも組み込み可能な小型のキー入力装置3において、入力操作性を向上できる。
【0085】
(10) 機能キーとして下ケース部1Bの表面に設けられた移動キー51A〜51Eや機能キー52〜55を利用しているので、左右いずれの親指でも機能キーを押すことができる。このため、利き手の違いに関係なく携帯電話機1を1種類にでき、いずれが利き手の場合も操作性を向上できる。
【0086】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態について、図8〜10を参照して説明する。
本実施形態は、英語入力を効率化するために、英語の効率入力機能を設定したものである。
第2実施形態の携帯電話機1においては、図8に示すように、メインキー21〜32には、前記第1実施形態と同じく、英字が3〜4個ずつ設定されている。一方、機能キー52〜55には、第2の機能に、メインキーの1〜4番目に設定された各文字を指定する文字指定機能が設定されている点は前記第1実施形態と同じであるが、さらに第3の機能として、英語において入力頻度の高い4つの子音「t,n,r,s」が個別に設定されている。
【0087】
すなわち、英語の入力において、各英字の使用頻度を調べると、図9に示すようになる。この図から分かるように、英語では、5つの母音(a,i,u,e,o)と、4つの子音(t,n,s,r)の使用頻度が極めて高く、わずか9文字で英語入力のほぼ70%を占めてしまう。これらの使用頻度の高い文字をパソコンのキーボードのように1回の打鍵操作で入力できれば効率がよいが、携帯電話では、「a,t」は1回打鍵で入力できるものの、他の文字は頻度が高いにもかかわらず、2〜4回の打鍵入力が必要となり、1文字の平均打鍵回数が2.2回にもなって、入力効率があまりよくない。
【0088】
本実施形態では、機能キー51A〜51Eの第2機能に各母音(a,i,u,e,o)を設定すると共に、機能キー52〜55の第2機能に頻度の高い子音(t,n,r,s)を設定している。
これにより、メインキー21〜32を押しながら、メインキー21〜32に設定された文字を指定するための機能キー52〜55を押し、続けて機能キー51A〜51E,52〜55を押すことで、前記第2機能に設定された母音や子音を各1回の打鍵操作で入力でき、入力効率を向上できる。
【0089】
この英語の効率入力の例を、図10に示す。
例えば、英語の単語の文字のすべての文字あるいは単語の頭文字以外の文字が、母音か前記頻度の高い子音の場合には、頭文字を入力するために、各メインキー21〜32を押しながら、文字指定機能キー52〜55を押し、続いて、母音や頻度の高い子音が設定された機能キー51A〜51E、52〜55を順次押すことで、図10に示す「ダイヤルボタン1回の操作で入力する単語」を入力することができる。
また、メインキー22〜29で入力しなければならない文字が2つあるいは3つ以上含まれている単語の場合には、図10の「ダイヤルボタン2回の操作で入力する単語」や「ダイヤルボタン3回以上の操作で入力する単語」の入力例のように、入力すればよい。
【0090】
すなわち、メインキー22〜29を押している間は、シフトモードの機能が働き続けるので、各機能キー51A〜51E,52〜55の第2機能に設定された母音や子音を、それらのキーを打鍵することで入力することができ、英語の入力効率を向上できる。
なお、機能キー52〜55には、文字指定機能(第2機能)と、子音(第3機能)との2つの機能が設定されているが、文字指定機能はメインキー21〜29が押された直後にのみ働くものであり、この文字指定用の機能キー52〜55が押された後や母音入力用の機能キー51A〜51Eが押された後に、前記機能キー52〜55が押された場合には子音入力と判断でき、これらは押す順序で使い分けられるので、矛盾なく入力できる。
また、メインキー22〜29の第1の文字の直後に、機能キー51A〜51Eが押された場合や、他のメインキー22〜29が押された場合には、第1の文字を指定する機能キー52の入力は省略できる。
【0091】
このような本実施形態においても、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、母音を機能キー51A〜51Eに設定するだけでなく、英語において入力頻度の高い子音「t,n,s,r」を機能キー52〜55の第3機能に設定し、メインキー22〜29を押しながら入力できるように構成したので、英語を少ない打鍵数で効率よく入力することができる。
【0092】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態について、図11〜13を参照して説明する。
本実施形態は、中国語の入力を可能とし、さらに効率化するために、中国語の効率入力機能を設定したものである。
現代の中国語はローマ字で表記され、アルファベットを入力可能なキーボードを有するワープロやパソコンで入力できる。中国語は綴りに規則性があり、連続する母音が多いので、日本語の音読み漢字と同様に効率のよい入力ができる。
中国語の綴りは、図12に示すように、12個の子音、6個の基本母音、2個の鼻母音、1個の特殊母音で構成され、主となる母音の上には、アクセントの高低を示す4種類の声調符号がつけられる。
【0093】
中国語の携帯電話機は、アルファベット順に英字が並ぶ世界共通の配列を採用している。本実施形態では、この配列をベースとし、各音節の初めの子音や一部の母音をメインキー21〜29の英字で入力するが、入力頻度の高い各種の母音や声調符号を機能キー51A〜51E,52〜55に配置して、簡単に入力できるようにしている。
さらに、2文字からなる子音「zh、ch、sh」は、数字「0」が設定されているメインキー31に配置し、メインキー31を押しながら各機能キー52〜55を押す1回の打鍵操作で入力できるようにしている。
【0094】
このようなキー配列を採用することで、図13に示すように、中国語を簡単に入力することができる。
すなわち、本実施形態において中国語を入力するには、まず、最初の英字をメインキー22〜31を押したまま、文字指定機能を有する機能キー52〜55を押して入力し、さらに、機能キー51A〜51E,52〜55を数回続けて押すことで1漢字(1音節)ごとに入力する。その一連の入力操作は次の順序で行う。
【0095】
初めに、メインキー22〜31を押したまま、入力する文字の番号(1〜4)に対応する機能キー52〜55を押す。
続けて、メインキー22〜31を押したまま、基本母音や特殊母音(r)が設定された機能キー51A〜51E,54を押し、声調符号がつく母音の後にはその符号を機能キー52〜55を押して入力する。
次に、鼻母音がある場合は、その鼻母音(n,g)を機能キー53,55を押して入力し、メインキー22〜31を離して1漢字の入力を終える。
【0096】
これらの入力操作によって、図13に示すように様々な中国語を入力することができる。
なお、機能キー52〜55に設定された各母音と、声調符号とが正しく選別されない場合には、変換候補から選択すればよい。
【0097】
このような本実施形態においても、前記各実施形態と同様に、入力頻度の高い母音や、声調符号を、各機能キー51A〜51E,52〜55の第2機能や第3機能に設定し、メインキー22〜29を押しながら入力できるように構成したので、中国語のローマ字入力(ピンイン入力)を少ない打鍵数で効率よく行うことができる。
【0098】
[第4実施形態]
次に本発明の第4実施形態について、図14〜16を参照して説明する。
本実施形態は、第1実施形態の携帯電話機1とほぼ同じものであるため、同一または相当構成部分には、同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
本実施形態では、機能キー(機能ボタン)52に濁点以外に長音符(ー)が設定されている点が前記第1実施形態と相違し、他のキー構成は同一である。
この際、機能キー52には、濁点および長音符の2つが設定されるが、以下のように入力操作を異ならせることで、区別して入力できるようになっている。
すなわち、メインキー22〜24,26を押しながら、濁点が設定されている機能キー52を押した後、さらに母音が設定されている各移動キー51A〜51Eを押すと、濁音が入力される。つまり、母音キーの前に機能キー52を押した場合には、濁点が入力される。
一方、メインキー21〜29,31を押しながら母音が設定されている各移動キー51A〜51Eを押した後、機能キー52を押すと、文字+長音(ー)が入力される。
従って、濁音および長音を入力する場合には、図15の「リゾート」の例のように、メインキー22〜24,26を押しながら、機能キー52、母音用の移動キー51A〜51E、機能キー52の順序で入力すればよい。
【0099】
本実施形態における二重母音、撥音、促音、半母音等の入力は第1実施形態と同様に、母音キー(移動キー)51A〜51E、機能キー(機能ボタン)53〜55を利用して、高速入力部113で実現されるものであるため、説明を省略する。
【0100】
このような本実施形態での「かな・漢字」の入力例を図15に、「英語、記号、数字」の入力例を図16に示す。なお、各メインキー(ダイヤルボタン)21〜29,31は、前記各実施形態では各キーに表示された「数字」で表示していたが、図15,16においては各キーに表示された「ひらがな」で表示している。
また、図16に示すように、入力モード切替操作は前記第1実施形態と同様である。一方、記号入力操作は、前記第1実施形態では、記号キー32を押しながら各機能キー52〜55を押すことで4種類の記号を入力できるようにしていたが、本実施形態では、番号I、II、III、IVが設定された各機能キー52〜55を複数押すことで、各入力モードにおいて、1番目から14番目までの14種類の記号を入力できるように設定されている。具体的には、図16に示すように、5〜10番目までは、各番号を足し算した際にその番号となるキーの組み合わせで入力されるようになっており、11〜14番目は、十の位と一の位とをそれぞれの番号で指定する組合せで入力される。
【0101】
このような本実施形態によれば前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、機能キー52に濁点だけでなく、長音符も設定したので、長音符の入力も容易に行うことができる。その上、子音キー(メインキー21〜29,31)の直後に機能キー52を押した場合(母音キーの前に押した場合)には濁点が入力され、母音キー(機能キー51A〜51E)の直後に機能キー52を押した場合には長音符が入力されて、その入力操作を区別できるので、操作性を低下させることもなく、容易に入力できる。
さらに、記号キー32と複数の機能キー52〜55とを組み合わせて入力することで、各入力モードにおいて14個もの記号を入力できるので、記号入力も容易に行うことができる。
【0102】
[第5実施形態]
次に本発明の第5実施形態について、図17〜19を参照して説明する。
本実施形態は、第1,4実施形態の携帯電話機1とほぼ同じものであるため、同一または相当構成部分には、同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。本実施形態では、英字入力時の文字指定や、入力モードの切替、記号入力を行うために設定された番号(I,II,III,IV,V)を、機能キー52〜55ではなく、母音が設定されている各機能キー51A〜51Eに設定した点と、これにより設定可能な番号をI〜Vの5個に増やした点が前記第1,4実施形態と主に相違する。なお、文字キーが機能キー43に設定されている点も相違する。
このため、各機能キー52〜55には、濁点(゛)、長音符号(ー)、撥音(ん)、促音(っ)、半母音(y)が単独で設定されている。
【0103】
本実施形態における「かな・漢字」の入力例を図18に、「英語、記号、数字」の入力例を図19に示す。なお、各メインキー(ダイヤルボタン)21〜29,31は、第4実施形態と同様に各キーに表示された「ひらがな」で表示している。
「かな・漢字」の入力は、前記第1,4実施形態と同様であり、図18に示すように、メインキー(ダイヤルボタン)21〜29,31を押しながら、各機能キー51A〜51Eを押すことで、各行(あ行〜わ行)と、各段(あ段〜お段)が指定され、子音と母音とを組み合わせるローマ字入力と同様な操作で清音を入力できる。
さらに、メインキー(ダイヤルボタン)21〜29,31を押しながら、各機能キー51A〜51Eや機能キー52〜55を押すと、二重母音、濁点、長音符号、撥音、促音、半母音等を含む文字を効率よく入力できる。
【0104】
「英語・記号・数字」の入力も、基本的には前記第1,4実施形態と同様である。英語は、図19に示すように、同じキーを1回または複数回押して英字を入力する代わりに、メインキー(ダイヤルボタン)21〜29,31を押しながら、その回数に応じた番号が設定された機能キー51A〜51Eを押すことで入力される。
記号は、記号キー32を押しながら、対応する番号が設定された各機能キー51A〜51Eを押して入力される。この際、各機能キー51A〜51Eには、I〜V(1番〜5番)までの番号が設定されているので、1〜5番までの記号は、記号キー32を押しながら機能キー51A〜51Eを押すことで入力される。一方、6〜10番目までの記号は、記号キー32を押しながら番号Vが設定された機能キー51Eと、番号I〜Vが設定された機能キー51A〜51Eとを順次押すことで入力される。
さらに、10〜15番目までの記号は、記号キー32を押しながら番号Iが設定された機能キー51Aと、番号I〜Vが設定された機能キー51A〜51Eとを順次押すことで入力される。
【0105】
なお、入力モードの切替は、文字キー43を押しながら、番号I〜IVが設定された機能キー51A〜51Dを押すことで実行される。
【0106】
このような本実施形態によれば前記第1,4実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、前記実施形態と異なり、機能キー51A〜51Eに番号I〜Vを設定したので、機能キー52〜55には、濁点、長音符号、撥音、促音、半母音等の機能のみを設定することができる。このため、例えば、番号キーと同時に打鍵する必要がある文字キーや記号キーの機能を各機能キー52〜55に設定することもでき、キー配列の自由度を向上できる。
さらに、機能キー51A〜51Eには、母音機能と番号機能とが設定されることになるが、番号機能は、文字キー43、記号キー32が押された状態で機能キー51A〜51Eが押された場合と、英字モードにおいてメインキー21〜29,31が押された状態で機能キー51A〜51Eが押された場合に機能するため、英字モードで機能キー51A〜51Eが単独で押された場合や、かなモードにおいてメインキー21〜29,31が押された状態で機能キー51A〜51Eが押された場合のように母音入力操作と明確に区別することができるため、各機能キー52〜55が母音および番号機能を兼用していても入力操作性が低下することがなく、効率よく入力できる。
【0107】
また、記号キー32と複数の機能キー52〜55とを組み合わせて入力することで、各入力モードにおいて15個もの記号を入力できるので、記号入力も容易に行うことができる。その上、6〜10番目の記号は、番号Vのキー51Eと、番号I〜Vのキー51A〜51Eとを順次押すことで入力できるが、この組み合わせは、各番号を足すと各番号の数字となる組合せであるため、非常に覚えやすく、操作性を向上できる。同様に、11〜15番目の記号は、十の位を示す番号Iと、一の位を示す番号I〜Vの組合せであるため、非常に覚えやすく、この点でも操作性を向上できる。
【0108】
[第6実施形態]
次に本発明の第6実施形態について、図20〜22を参照して説明する。
本実施形態は、第2実施形態の携帯電話機1と同様に英語の効率入力機能を設定したものである。なお、本実施形態の携帯電話機1は、第2実施形態とほぼ同じものであるため、同一または相当構成部分には、同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
本実施形態では、番号機能(文字指定機能)が機能キー52〜55ではなく、機能キー51A〜51Eに設定されている点が第2実施形態と相違する。
【0109】
このような本実施形態においても、前記実施形態と同様に、入力する文字が含まれているメインキー(ダイヤルボタン)22〜29を押しながら、その文字がキーの何番目に設定されているかに応じた番号キー(機能キー)51A〜51Dを押すことで英字が入力される。さらに、入力した英字に、使用頻度の高い母音(a,i,u,e,o)や子音(t,n,s,r)が続く場合には、前記メインキー22〜29を押しながら、母音が設定された機能キー51A〜51Eや、頻度の高い子音が設定された機能キー52〜55を順次押して入力できる。
このような英語の効率入力の入力操作例を図21に示す。なお、英字は、従来の携帯電話のように、各メインキー22〜29を1〜4回打鍵して入力する方法も併用できる。
【0110】
さらに、本実施形態では、図22に示すような、英語の曖昧入力モードに切り替えて曖昧入力を行うこともできるようにされている。なお、この曖昧入力モードは、例えば、文字キーを押しながら番号Vが設定された機能キー51Eを押すことなどで切り替えることができる。
曖昧入力モードでは、複数のキーを押した際に、それらの各キーに設定された複数の英字の組み合わせのうち、頻度の高い単語から表示して選択させるものである。例えば、英字「G,H,I」が設定されたメインキー24と、英字「M,N,O」が設定されたメインキー26とをこの順序で打鍵すると、1文字目が「G,H,I」のいずれかで、2文字目が「M,N,O」のいずれかの単語、例えば、「in」、「go」のうちの頻度の高い単語をまず選択候補とし、入力者が適宜選択するものである。例えば、「in」を入力する場合、従来の携帯電話機であれば、メインキー24を3回打鍵して「i」を入力し、次にメインキー26を2回打鍵して「n」を入力しなければならず、計5回もの打鍵操作が必要である。これに対し、曖昧入力では、各キー24,26を各1回ずつ押して、入力候補を表示し、選択するだけでよく、選択操作を含めても計3回の操作で確定できる。
【0111】
本実施形態では、母音および4つの子音は各機能キー51A〜51E、52〜55を利用して入力できるという特徴を生かし、メインキー22〜29を押しながら上記各機能キー51A〜51E、52〜55を順次押すことで、母音や頻度の高い子音「t,n,s,r」が直接特定されるため、従来の曖昧入力よりも候補が絞られ、精度の高い入力を行うことができる。このような曖昧入力と英語効率入力とを組み合わせた入力例を図23に示す。例えば、従来の曖昧入力では、各キー24,26をこの順序で押した場合、変換候補として「in」及び「go」が存在し、選択しなければならない。一方、図23に示すように、キー24を押しながら「n」が設定された機能キー53を押した場合には、2文字目が「n」と確定されているので、文字の組合せとしては「in、gn、hn」のみとなり、この中で最も頻度の高い「in」が変換候補として直接選択されるため、「in」及び「go」から選択する操作を不要にできて操作回数を1回分少なくでき、精度が高くかつ操作性の高い入力を行うことができる。
【0112】
このような本実施形態によれば前記第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、曖昧入力モードにおいては、母音や一部の子音を各機能キー51A〜51E、52〜55を利用して直接指定できるので、入力候補をより絞ることができ、精度が高く、かつ入力操作性の高い入力を行うことができる。
さらに、前記第2実施形態と異なり、機能キー51A〜51Eに番号I〜Vを設定したので、機能キー51A〜51Eに母音および番号が設定されている点は前記第5実施形態と共通にできる。従って、入力モードを切り替えた際に、各機能キー52〜55に設定される文字や機能が切り替えられるように設定しておけば、1つの携帯電話機において、第5,6実施形態の両方を実現することができ、日本語および英語の効率入力を実現できる。
【0113】
[第7実施形態]
次に本発明の第7実施形態について、図23〜24を参照して説明する。
本実施形態は、第3実施形態の携帯電話機1と同様に中国語の入力機能を設定したものである。なお、本実施形態の携帯電話機1は、第3実施形態とほぼ同じものであるため、同一または相当構成部分には、同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
本実施形態では、番号機能(文字指定機能)が機能キー52〜55ではなく、機能キー51A〜51Eに設定されている点が第3実施形態と相違する。従って、メインキー22〜29,31の次に押す文字指定用のキーが機能キー51A〜51Eである点を除けば、入力操作も前記第3実施形態と同じである。
この中国語の入力例を図24に示す。なお、図24では、メインキー22〜29,31の入力を、そのキーにおいて入力される英字で示している。
【0114】
このような本実施形態によれば前記第3実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、前記第3実施形態と異なり、機能キー51A〜51Eに番号I〜Vを設定したので、機能キー51A〜51Eに母音および番号が設定されている点は前記第5,6実施形態と共通にできる。従って、入力モードを切り替えた際に、各機能キー52〜55に設定される文字や機能が切り替えられるように設定しておけば、第5〜7実施形態に示す日本語、英語、中国語の効率的な入力モードを備える携帯電話機1を容易に実現できる。なお、日本語と中国語や、英語と中国語の2カ国の入力モードのみを備える携帯電話機1も容易に実現できる。
【0115】
なお、本発明は前記各実施形態に記載されたものに限らない。
例えば、機能キーとしては、前記各実施形態のような移動キー51や携帯電話機能が設定された機能キー52〜55と兼用する場合に限らず、図25〜27に示すように、独立したキーとして設けてもよい。すなわち、図25に示す携帯電話機では、画面2が形成された上ケース部1Aの側面に上下一列に並ぶ4つの機能キー61〜64が配置されている。
これらの機能キー61〜64は、前記各実施形態の機能キー52〜55と同様に、メインキー21〜32が押された状態で打鍵された場合には、そのメインキーの第1〜4の文字を指定したり、設定された母音、子音等を入力する機能を果たすように構成されている。
【0116】
また、機能キー61〜64の配置間隔、すなわち図27に示すように、各機能キー61〜64の配置方向に沿った方向において各キー61〜64の中央位置間の間隔aは、互いに同一であり、かつ図26に示すように、各メインキー21〜32の機能キー61〜64の配置方向と同方向の中央位置間隔bとも同一とされていることが好ましい。
なお、各メインキー21〜32や機能キー61〜64に設定されるキー配列は、図26に示すように第1実施形態と同一の配列でもよいし、第2,3実施形態と同一の配列でもよい。
【0117】
このような携帯電話機においても、図28に示すように、左手の親指で機能キー61〜64を打鍵し、右手の親指で各メインキー21〜32を打鍵することで操作すればよい。この際、各機能キー61〜64の配置間隔aが、メインキー21〜32の配置間隔bと同じであれば、機能キー61〜64の位置を把握しやすく、左の親指で操作する際の操作性を向上できる。
さらに、各機能キー61〜64を上ケース部1Aの側面に設けたので、機能キー61〜64が目立つことが無く、表面の配列や機能は従来のものと変更する必要がないため、機能キーが携帯電話機1のデザイン性を低下させることもなく、製造コストの上昇も抑えることができる。
また、機能キー61〜64が独立して配置されているので、機能キー61〜64の存在を把握しやすく、操作性を向上することができる。
【0118】
さらに、機能キーとしては、他のキーと兼用する場合には、電話機能キー41〜43を機能キーとして利用できるようにしてもよい。
また、機能キーを独立して設ける場合には、上ケース部1Aに設ける場合に限らず、図29に示すようにメインキー21〜32などが形成される下ケース部1Bの側面に設けたり、図30に示すように下ケース部1Bの表面に設けてもよい。特に、下ケース部1Bには、通常、各キー21〜32等の入力を検出するキー入力検出手段101、キー入力処理手段102等の制御装置が組み込まれるため、この制御回路と機能キー61〜64との間の回路配線も容易に配置でき、上ケース部1Aに機能キーを設ける場合に比べて製造が簡単になるという利点がある。なお、図30においては、各機能キーの間隔は、各メインキー21〜32の横方向の間隔と同一であることが好ましい。
【0119】
また、利用者の利き手を考慮し、機能キーはケースの左側面に設ける場合に限らず、右側面に設けてもよい。なお、前記実施形態のように、ケース表面にサブキーを設ければ、利用者の利き手の違いで機能キーの位置が異なる2種類の携帯電話機を製造する必要がなく、機種を統一できる点で有利である。
【0120】
さらに、携帯電話機としては、前記第1〜7実施形態の日本語入力モード、英語効率入力モード、中国語効率入力モードがそれぞれ組み込まれており、モード切替操作で選択できるようにしてもよいし、これらのうちの2つのモードが組み込まれていてもよい。この場合、メインキー21〜32のアルファベット配列および機能キー51A〜51Eの母音および番号設定は第1〜4実施形態、第5〜7実施形態でそれぞれ共通化できるが、機能キー52〜55に設定される文字は、各モードによって異なる。このため、各モード毎の文字を携帯電話機の表面に印字してもよいが、これらのキー表記を無くしてもよい。キー表記が無くても、4つのキーに設定される4〜5種類の文字であるため、利用者は容易に把握でき、入力に差し支えることはない。なお、前記各実施形態においても、機能キー51A〜51E、52〜55に併記されたキー表記は無くしてもよい。
【0121】
また、キー配列は、前記各実施形態に限らない。例えば、メインキー21〜29,31に、「A,K,S,T,N,H,M,Y,R,W」の各英字(母音および子音)を設定し、前記機能キー51A〜51Eに設定された母音との組合せで、日本語の清音をローマ字入力できるように配列してもよい。
また、機能キーの数は、機能キーで入力する文字数等に応じて適宜設定すればよい。
【0122】
さらに、本発明が適用されるキー入力装置としては、携帯電話機1に限らず、通常の卓上の電話やFAXに適用してもよい。さらに、電話に限らず、腕時計、電卓、電子手帳、携帯用パソコン、PDA(携帯情報端末)、携帯型ゲーム機、パソコン等に接続されるテンキーボード等に適用してもよい。
例えば、図31に示すように、画面2を挟んで左右にメインキー21〜32と、機能キー51〜55とを配置したり、図32に示すように、上部に画面2を配置し、下部にメインキー21〜32と機能キー51〜55とを配置して、本発明のキー入力装置が組み込まれたPDA、携帯型ゲーム機、電子辞書、電子ブックプレーヤ等の電子機器200を構成してもよい。
これらの電子機器200の場合、左右の手、例えば親指で各キーを打鍵することで、各文字を簡単に入力することができる。特に、左側にカーソルキー51が配置され、右側にボタンが配置された配列は、携帯型ゲーム機等で採用されているため、利用者は操作に慣れており、その修得も容易である。なお、電子機器200において、ゲームを操作する場合には、カーソルキー51およびメインキー21〜32の中の所定のキーを利用して行えば、一般的なゲーム機と同等の操作性を確保できる上、ゲーム機では入力が困難であった文字入力を容易に行うことができる。
【0123】
さらに、本発明は、日本語、英語、中国語を入力するキー入力装置に限定されず、他の言語においても適用でき、要するに、母音のような頻度の高い文字等を機能キーの第2機能、第3機能に設定し、メインキーによるシフト入力機能を利用してこれらの機能キーに設定された文字を入力できるものであればよい。
【0124】
【発明の効果】
請求項1および請求項2記載の発明によれば、各キー21〜32を例えば2〜5回連続して打鍵しなければ入力できなかった各文字を、メインキー21〜32を押しながら機能キー51A〜51Eを打鍵するという1回の操作で入力できるため、キー数が10〜20個程度と少ない場合でも、入力に必要なキー打鍵回数を大幅に低減でき、文字の高速入力が可能なキー入力装置とすることができる。
【0125】
請求項3に記載の発明によれば、清音の入力操作に濁点が設定された機能キー52を押す操作を追加するだけでよく、濁音を容易に入力できるとともに、濁点を入力する第2の機能が設定された機能キー52は、第1の機能として別の機能を設定することができ、キー数を増やすことなく実行可能な機能を増やすことができる。
【0126】
請求項4に記載の発明によれば、文字の入力操作に撥音が設定された機能キー53を押す操作を追加するだけでよく、撥音を容易に入力できるとともに、機能キー53は、第1の機能として別の機能を設定することができ、キー数を増やすことなく実行可能な機能を増やすことができる。
【0127】
請求項5に記載の発明によれば、文字の入力操作に促音が設定された機能キー55を押す操作を追加するだけでよく、促音を容易に入力できるとともに、機能キー55は、第1の機能として別の機能を設定することができ、キー数を増やすことなく実行可能な機能を増やすことができる。
【0128】
請求項6に記載の発明によれば、文字の入力操作中に半母音が設定された機能キー54を押す操作を追加するだけでよく、半母音を容易に入力できるとともに、機能キー54は、第1の機能として別の機能を設定することができ、キー数を増やすことなく実行可能な機能を増やすことができる。
【0129】
請求項7に記載の発明によれば、英字入力で頻度の高い母音および子音を機能キー51A〜51E,52〜55の第2、第3の機能に設定し、メインキーのシフト機能によって入力することができるように構成したので、母音や頻度の高い子音を容易に入力することができ、英語の入力操作性を向上することができる。その上、各メインキーに複数設定された3〜4個の子音は、文字指定機能が設定された機能キー52〜55と同時に入力する1回の操作で入力することができ、従来のように、メインキーを所定回数打鍵して入力する必要がないため、キー数が10〜20個程度と少ない場合でも、入力に必要なキー打鍵回数を大幅に低減できて入力操作性を向上でき、文字の高速入力が可能なキー入力装置とすることができる。
【0130】
請求項8に記載の発明によれば、メインキー22〜29の第1の文字は、第1の文字を指定する機能キー52と同時に打鍵する場合に限らず、メインキーのみを単独で入力することでも入力でき、第1の文字を容易に入力できる。
【0131】
請求項9に記載の発明によれば、各英字がアルファベット順に配列されているので、その配置を把握し易くできる。さらに、一般的な携帯電話機に設定されたアルファベット配列と同じ配列にでき、かつ、一般的な携帯電話機では、キーを2〜4回打鍵しなければ入力できない各英字を、機能キー52〜55との同時打鍵で入力できるため、入力操作性を向上できる。
【0132】
請求項10に記載の発明によれば、キー数が10〜20個程度と少ない場合でも、中国語をピンイン入力(ローマ字入力)によって入力することができるうえ、声調符号や母音等を簡単な操作で入力でき、かつ、入力に必要なキー打鍵回数を大幅に低減できて入力操作性を向上できるので、中国語を効率的に入力できる。
【0133】
請求項11に記載の発明によれば、中国語において、鼻母音、特殊母音等を容易に入力することができる。また、請求項12に記載の発明によれば、中国語の入力効率をより向上できる。
【0134】
請求項13に記載の発明によれば、メインキーの他に、キー入力装置が設けられた機器における各種の機能、例えば、携帯電話機であれば、携帯電話機用の各種機能を実行するために設けられている機能キーの第2機能に母音等の頻度の高い文字や記号を設定し、メインキーを押しながらこの機能キーを押すことでこれらの文字などを入力できるため、キー数が10〜20個程度と少ない場合でも、入力操作性を向上できて文字を高速に入力することができる。
【0135】
請求項14に記載の発明によれば、各メインキー21〜32の2回以上の各打鍵回数に対応する機能キー53〜55を設けたので、各キー21〜32を例えば2〜4回連続して打鍵しなければ入力できなかった各文字を、メインキー21〜32を押しながら機能キー53〜55を打鍵するという1回の操作で入力できる。このため、キー数を少なくでき、かつ入力に必要なキー打鍵回数を大幅に低減でき、文字の高速入力が可能なキー入力装置とすることができる。
【0136】
請求項15に記載の発明によれば、メインキーの1回の打鍵に対応する機能キー52も備えていれば、メインキーおよび機能キー52を打鍵することで、メインキーによる文字入力を確定できる。このため、同じメインキーに設定された文字を続けて入力する場合に、別途送りキーを押す必要が無く、この点で入力操作の効率化を図ることができる。
【0137】
請求項16に記載の発明によれば、移動キー51A〜51Dを機能キーとしても機能するようにして兼用しているので、新たな機能キーを設ける必要が無く、移動キーはキー入力装置に予め設けられているため、キー入力装置の構造も変更する必要がなく、キー入力時のソフトウェア等を変更すれば対応できる。このため、本発明のキー入力装置を低コストで製造できる。
【0138】
請求項17に記載の発明によれば、機能キー61〜64がキー入力装置の側面に配置されているので、機能キーが目立つことが無く、表面の配列や機能は従来のものと同一にできる。また、側面にあるため、キー入力装置を保持する手でも比較的押しやすく、利き手以外の手でも操作しやすい。さらに、機能キーが独立して配置されているので、機能キーの存在を把握しやすく、操作性を向上することができる。その上、キー間隔がメインキーと同一であるため、より一層操作性を向上できる。
【0139】
請求項18に記載の発明によれば、前記機能キー61〜63がメインキー21〜32と同一面に配置されているので、利き手の違いに関係なく操作できる。また、各機能キーの配置間隔が機能キーと同方向に並ぶメインキーの配置間隔と同一なので、各キー位置を容易に把握でき、ブラインドタッチも容易に実現できる。
【0140】
請求項19に記載の発明によれば、キー数が少なくても文字を効率的に入力できるので、携帯電話機に設けられたダイヤルボタンをメインキーとして利用でき、移動ボタンや機能ボタンを機能キーとして利用できる。従って、携帯電話機のハードウェアを変更することなく、ソフトウェアの変更のみで本発明の携帯電話機を実現でき、低コストで提供することができる。
【0141】
請求項20〜25に記載の各発明によれば、請求項1、2,7,10,13,14の各発明と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の携帯電話機を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態の携帯電話機のキー入力装置を示す平面図である。
【図3】第1実施形態のキー入力装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態の携帯電話機の入力操作例を示す斜視図である。
【図5】第1実施形態におけるかな入力の一覧を示す図である。
【図6】第1実施形態における日本語の入力例を示す図である。
【図7】第1実施形態における日本語の高速入力の一覧を示す図である。
【図8】第2実施形態の携帯電話機のキー入力装置を示す平面図である。
【図9】英語の使用頻度と打鍵効率の関係を示す図である。
【図10】第2実施形態における入力例を示す図である。
【図11】第3実施形態の携帯電話機のキー入力装置を示す平面図である。
【図12】中国語のローマ字入力で使用される文字を示す図である。
【図13】第3実施形態における入力例を示す図である。
【図14】第4実施形態の携帯電話機のキー入力装置を示す平面図である。
【図15】第4実施形態における入力例を示す図である。
【図16】第4実施形態における入力例を示す図である。
【図17】第5実施形態の携帯電話機のキー入力装置を示す平面図である。
【図18】第5実施形態における入力例を示す図である。
【図19】第5実施形態における入力例を示す図である。
【図20】第6実施形態の携帯電話機のキー入力装置を示す平面図である。
【図21】第6実施形態における入力例を示す図である。
【図22】第6実施形態における入力例を示す図である。
【図23】第7実施形態の携帯電話機のキー入力装置を示す平面図である。
【図24】第7実施形態における入力例を示す図である。
【図25】変形例の携帯電話機を示す斜視図である。
【図26】変形例の携帯電話機のキー入力装置を示す平面図である。
【図27】変形例のサブキーを示す側面図である。
【図28】変形例の携帯電話機の入力操作例を示す斜視図である。
【図29】他の変形例の携帯電話機を示す斜視図である。
【図30】他の変形例の携帯電話機を示す斜視図である。
【図31】他の変形例の電子機器を示す平面図である。
【図32】他の変形例の電子機器を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 携帯電話機
1A 上ケース部
1B 下ケース部
2 液晶ディスプレイ(画面)
3 キー入力装置
21〜32 メインキー(ダイヤルボタン)
41〜43 電話機能キー
50 機能キー部
51 カーソル移動キー(カーソルキー)
51A〜51E 機能キー
52〜55 機能キー
61〜64 機能キー
101 キー入力検出手段
102 キー入力処理手段
104 画面制御手段
110 機能キーシフト入力処理部
111 母音入力部
112 文字指定部
113 高速入力部

Claims (25)

  1. 少なくとも10個のメインキーと、少なくとも5個の機能キーと、各キーの入力を処理するキー入力処理手段とが設けられ、
    前記各メインキーには、仮名五十音図の10行5段の配列に対応して「あ」行から「わ」行までの各行を指定する機能が個別に設定され、
    前記各機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とが設定され、
    各機能キーの第2の機能には、仮名五十音図の10行5段の配列に対応して「あ」段から「お」段までの各段に対応する母音が個別のキーにそれぞれ設定され、
    前記キー入力処理手段は、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記いずれかの機能キーが1回押された場合には、前記メインキーに設定された「あ」行から「わ」行の各行と、前記機能キーに設定された母音との組合せで特定される文字を入力し、
    メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、同一もしくは異なる各機能キーが順次押された場合には、前記メインキーに設定された「あ」行から「わ」行の各行と、最初に押された機能キーに設定された母音との組合せで特定される文字および2回目以降に押された機能キーに設定された各母音をその入力順に入力し、前記メインキーが機能キーの第2機能を実行するシフトキーとして機能していることを特徴とするキー入力装置。
  2. 少なくとも9個のメインキーと、少なくとも5個の機能キーと、各キーの入力を処理するキー入力処理手段とが設けられ、
    前記各メインキーには、日本語のローマ字入力において母音と組み合わされて日本語の清音を入力する子音を表す「K、S、T、N、H、M、Y、R、W」の9個のアルファベットが個別に設定され、
    前記各機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とが設定され、
    各機能キーの第2の機能には、日本語のローマ字入力において母音を表すアルファベットである「A」、「I」、「U」、「E」、「O」の各文字が個別のキーにそれぞれ設定され、
    前記キー入力処理手段は、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記いずれかの機能キーが1回押された場合には、前記メインキーに設定された子音と、前記機能キーに設定された母音との組合せで特定される文字を入力し、
    メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、同一もしくは異なる各機能キーが順次押された場合には、前記メインキーに設定された子音と、最初に押された機能キーに設定された母音との組合せで特定される文字および2回目以降に押された機能キーに設定された各母音をその入力順に入力し、前記メインキーが機能キーの第2機能を実行するシフトキーとして機能していることを特徴とするキー入力装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のキー入力装置において、
    母音が設定された5個の機能キー以外に、複数の機能キーが設けられ、
    これらの機能キーのうちの1つの機能キーには、第2機能として濁点が設定され、
    前記キー入力処理手段は、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記母音が設定されたいずれかの機能キーおよび前記濁点が設定された機能キーが順次押された場合には、前記メインキーと、最初に押された機能キーに設定された母音との組合せで特定される文字に濁点を付けた濁音を入力することを特徴とするキー入力装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のキー入力装置において、
    母音が設定された5個の機能キー以外に、複数の機能キーが設けられ、
    これらの機能キーのうちの1つの機能キーには、第2機能として撥音「ん」が設定され、
    前記キー入力処理手段は、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記母音が設定されたいずれかの機能キーおよび前記撥音が設定された機能キーが順次押された場合には、前記メインキーと、最初に押された機能キーに設定された母音との組合せで特定される文字と撥音「ん」とをこの順序で入力することを特徴とするキー入力装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のキー入力装置において、
    母音が設定された5個の機能キー以外に、複数の機能キーが設けられ、
    これらの機能キーのうちの1つの機能キーには、第2機能として促音「っ」が設定され、
    前記キー入力処理手段は、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記母音が設定されたいずれかの機能キーおよび前記促音が設定された機能キーが順次押された場合には、前記メインキーと、最初に押された機能キーに設定された母音との組合せで特定される文字と促音「っ」とをこの順序で入力することを特徴とするキー入力装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のキー入力装置において、
    母音が設定された5個の機能キー以外に、複数の機能キーが設けられ、
    これらの機能キーのうちの1つの機能キーには、第2機能として半母音が設定され、
    前記キー入力処理手段は、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記半母音が設定された機能キーおよび前記母音が設定されたいずれかの機能キーが順次押された場合には、前記メインキーと、最初に押された機能キーに設定された半母音と、次に押された機能キーの母音の組合せで特定される拗音を入力することを特徴とするキー入力装置。
  7. 少なくとも8個のメインキーと、少なくとも9個の機能キーと、各キーの入力を処理するキー入力処理手段とが設けられ、
    前記各メインキーには、アルファベット26文字が3個または4個ずつ、各メインキーの第1から第4の文字として個別に設定され、
    前記各機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とが設定され、
    各機能キーにおいて5個の機能キーの第2の機能には、アルファベットの母音である「A」、「I」、「U」、「E」、「O」の各文字が個別のキーにそれぞれ設定され、
    他の4個の機能キーは、メインキーの1〜4番目に設定された各文字を指定する文字指定機能が第2の機能として設定され、英語において入力頻度の高い4つの子音が第3の機能として個別に設定され、
    前記キー入力処理手段は、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記文字指定機能が設定された機能キーが1回押された場合には、前記メインキーに設定された複数の文字のうち、前記機能キーで指定された文字を入力し、
    メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記母音機能が設定されたメインキーが1回押された場合には、前記メインキーの第1の文字および機能キーの母音をその順序で入力し、
    前記メインキーが押された状態で文字指定機能が設定された機能キーが押された後、更に、同一もしくは他の文字指定機能が設定された機能キーが押された場合には、前記メインキーに設定された複数の文字のうち、前記最初に押された機能キーで指定された文字および次に押された機能キーの第3の機能に設定された子音をその入力順に入力し、
    前記メインキーが押された状態で文字指定機能が設定された機能キーが押された後、更に、母音が設定された機能キーが押された場合には、前記メインキーに設定された複数の文字のうち、前記最初に押された機能キーで指定された文字および次に押された機能キーに設定された母音をその入力順に入力し、
    前記メインキーが機能キーの第2機能または第3機能を実行するシフトキーとして機能していることを特徴とするキー入力装置。
  8. 請求項7に記載のキー入力装置において、
    前記キー入力処理手段は、メインキーのいずれか1つのキーが押された後、他のメインキーが押された場合には、前記メインキーの第1の文字の入力を確定することを特徴とするキー入力装置。
  9. 請求項7または請求項8に記載のキー入力装置において、
    前記各メインキーには、それぞれ「ABC」、「DEF」、「GHI」、「JKL」、「MNO」、「PQRS」、「TUV」、「WXYZ」とアルファベット順に配列された文字が個別に設定されていることを特徴とするキー入力装置。
  10. 少なくとも9個のメインキーと、少なくとも9個の機能キーと、各キーの入力を処理するキー入力処理手段とが設けられ、
    前記各メインキーには、中国語をローマ字表記した際の子音となるアルファベットが2個から4個ずつ、各メインキーの第1から第4の文字として個別に設定され、
    前記各機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とが設定され、
    各機能キーにおいて5個の機能キーの第2の機能には、中国語の基本母音である「A」、「I」、「U」、「E」、「O」の各文字が個別のキーにそれぞれ設定され、
    他の4個の機能キーは、メインキーの1〜4番目に設定された各文字を指定する文字指定機能が第2の機能として設定され、中国語において声調符号を表す符号が第3の機能として個別に設定され、
    前記キー入力処理手段は、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記文字指定機能が設定された機能キーが1回押された後、さらに母音が設定された機能キーが押された場合には、前記メインキーに設定された複数の文字のうち、前記機能キーで指定された文字と、前記機能キーに設定された母音を入力し、
    メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記文字指定機能が設定された機能キーが1回押されて母音が入力された後、または、母音が設定された機能キーが押されて母音が入力された後に、声調符号が設定された機能キーが押された場合には、その前に入力された母音に声調符号を付けることを特徴とするキー入力装置。
  11. 請求項10に記載のキー入力装置において、
    前記文字指定機能および声調符号が設定された4個の機能キーには、前記「A」、「I」、「U」、「E」、「O」以外の母音や鼻母音、特殊母音から選択された4つの母音が第4の機能として設定され、
    前記キー入力処理手段は、声調符号が入力された後あるいは声調符号が付かない母音が入力された後に、前記メインキーの1つのキーが押された状態のままで、前記機能キーが押された場合には、第4の機能に設定された母音を入力することを特徴とするキー入力装置。
  12. 請求項11に記載のキー入力装置において、
    前記4個の機能キーにおける第4の機能には、「Uウムラウト、n、r、g」で表記される各母音がそれぞれ設定されていることを特徴とするキー入力装置。
  13. 複数個のメインキーと、複数個の機能キーと、各キーの入力を処理するキー入力処理手段とが設けられ、
    前記各メインキーには、所定の文字が設定され、
    前記機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とが設定され、
    この機能キーの第2の機能には、文字入力に用いられる文字や記号が予め設定され、
    前記キー入力処理手段は、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記各機能キーが押された場合には、前記メインキーに設定された文字を入力し、続けて前記各機能キーの第2機能に設定された文字や記号を機能キーの押された順序で入力し、前記メインキーが機能キーの第2機能を実行するシフトキーとして機能していることを特徴とするキー入力装置。
  14. 複数個のメインキーと、複数個の機能キーと、各キーの入力を処理するキー入力処理手段とが設けられ、
    前記各メインキーには複数の文字が割り当てられ、これらの各文字はそのメインキーの打鍵回数に対応して入力されるとともに、
    前記各機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とが設定され、
    各機能キーの第2の機能は、前記メインキーの打鍵回数に相当する情報を指定する打鍵回数指定機能が設定され、
    前記キー入力処理手段は、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記各機能キーが押された場合には、前記メインキーを機能キーに設定された打鍵回数に対応する回数だけ連続打鍵した場合と同じ文字を入力し、前記メインキーが機能キーの第2機能を実行するシフトキーとして機能していることを特徴とするキー入力装置。
  15. 請求項14に記載のキー入力装置において、
    前記機能キーは、前記メインキーの1回から4回の打鍵回数に対応する打鍵回数指定機能が第2機能に設定された4つの機能キーを備えて構成され、
    これらの機能キーのうちの1つの機能キーを、前記1つのメインキーを押しながら打鍵した際に、そのメインキーの1回から4回の打鍵で入力される文字が確定されることを特徴とするキー入力装置。
  16. 請求項1から請求項15のいずれかに記載のキー入力装置において、
    前記各機能キーのうちの4つの機能キーは、第1の機能として画面に表示されるカーソルを移動させるカーソル移動機能を備え、
    前記キー入力処理手段は、これらの機能キーが単独で押された場合には、第1の機能を実行することを特徴とするキー入力装置。
  17. 請求項1から請求項16のいずれかに記載のキー入力装置において、
    前記メインキーは、キー入力装置の表面に配置され、
    前記機能キーは、キー入力装置の側面に一列に並んで配置され、かつ、各機能キーの配置間隔は、機能キーと同方向に並ぶ前記メインキーの配置間隔と同一とされていることを特徴とするキー入力装置。
  18. 請求項1から請求項16のいずれかに記載のキー入力装置において、
    前記メインキーは、キー入力装置の表面に配置され、
    前記機能キーは、メインキーが配置された面と同一面に一列に並んで配置され、かつ、各機能キーの配置間隔は、機能キーと同方向に並ぶ前記メインキーの配置間隔と同一とされていることを特徴とするキー入力装置。
  19. 請求項1から請求項18のいずれかに記載のキー入力装置と、このキー入力装置で入力された文字が表示される画面とを備えることを特徴とする携帯電話機。
  20. 少なくとも10個のメインキーと、少なくとも5個の機能キーとを用いたキー入力方法であって、
    前記各メインキーには、仮名五十音図の10行5段の配列に対応して「あ」行から「わ」行までの各行をそれぞれ指定する機能を設定しておき、
    前記各機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とを設定し、
    各機能キーの第2の機能には、仮名五十音図の10行5段の配列に対応して「あ」段から「お」段までの各段に対応する母音をそれぞれ設定し、
    メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記いずれかの機能キーが1回押された場合には、前記メインキーに設定された「あ」行から「わ」行の各行と、前記機能キーに設定された母音との組合せで特定される文字を入力し、メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、同一もしくは異なる各機能キーが順次押された場合には、前記メインキーに設定された「あ」行から「わ」行の各行と、最初に押された機能キーに設定された母音との組合せで特定される文字および2回目以降に押された機能キーに設定された各母音をその入力順に入力し、
    前記メインキーを機能キーの第2機能を実行するシフトキーとして機能させることを特徴とするキー入力方法。
  21. 少なくとも9個のメインキーと、少なくとも5個の機能キーとを用いたキー入力方法であって、
    前記各メインキーには、日本語のローマ字入力において母音と組み合わされて日本語の清音を入力する子音を表す「K、S、T、N、H、M、Y、R、W」の9個のアルファベットを個別に設定しておき、
    前記各機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とを設定し、
    各機能キーの第2の機能には、日本語のローマ字入力において母音を表すアルファベットである「A」、「I」、「U」、「E」、「O」の各文字を個別のキーにそれぞれ設定し、
    メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記いずれかの機能キーが1回押された場合には、前記メインキーに設定された子音と、前記機能キーに設定された母音との組合せで特定される文字を入力し、
    メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、同一もしくは異なる各機能キーが順次押された場合には、前記メインキーに設定された子音と、最初に押された機能キーに設定された母音との組合せで特定される文字および2回目以降に押された機能キーに設定された各母音をその入力順に入力し、
    前記メインキーを機能キーの第2機能を実行するシフトキーとして機能させることを特徴とするキー入力方法。
  22. 少なくとも8個のメインキーと、少なくとも9個の機能キーとを用いたキー入力方法であって、
    前記各メインキーには、アルファベット26文字を3個または4個ずつ、各メインキーの第1から第4の文字として個別に設定し、
    前記各機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とを設定し、
    各機能キーにおいて5個の機能キーの第2の機能には、アルファベットの母音である「A」、「I」、「U」、「E」、「O」の各文字を個別のキーにそれぞれ設定し、
    他の4個の機能キーには、メインキーの1〜4番目に設定された各文字を指定する文字指定機能を第2の機能として設定し、英語において入力頻度の高い4つの子音を第3の機能として個別に設定し、
    メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記文字指定機能が設定された機能キーが1回押された場合には、前記メインキーに設定された複数の文字のうち、前記機能キーで指定された文字を入力し、
    メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記母音機能が設定されたメインキーが1回押された場合には、前記メインキーの第1の文字および機能キーの母音をその順序で入力し、
    前記メインキーが押された状態で文字指定機能が設定された機能キーが押された後、更に、同一もしくは他の文字指定機能が設定された機能キーが押された場合には、前記メインキーに設定された複数の文字のうち、前記最初に押された機能キーで指定された文字および次に押された機能キーの第3の機能に設定された子音をその入力順に入力し、
    前記メインキーが押された状態で文字指定機能が設定された機能キーが押された後、更に、母音が設定された機能キーが押された場合には、前記メインキーに設定された複数の文字のうち、前記最初に押された機能キーで指定された文字および次に押された機能キーに設定された母音をその入力順に入力し、
    前記メインキーを機能キーの第2機能または第3機能を実行するシフトキーとして機能させることを特徴とするキー入力方法。
  23. 少なくとも9個のメインキーと、少なくとも9個の機能キーとを用いたキー入力方法であって、
    前記各メインキーには、中国語をローマ字表記した際の子音となるアルファベットを2から4個ずつ、各メインキーの第1から第4の文字として個別に設定し、
    前記各機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とを設定し、
    各機能キーにおいて5個の機能キーの第2の機能には、中国語の基本母音である「A」、「I」、「U」、「E」、「O」の各文字を個別のキーにそれぞれ設定し、
    他の4個の機能キーには、メインキーの1〜4番目に設定された各文字を指定する文字指定機能を第2の機能として設定し、中国語において声調符号を表す符号を第3の機能として個別に設定し、
    メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記文字指定機能が設定された機能キーが1回押された後、さらに母音が設定された機能キーが押された場合には、前記メインキーに設定された複数の文字のうち、前記機能キーで指定された文字と、前記機能キーに設定された母音を入力し、
    メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記文字指定機能が設定された機能キーが1回押されて母音が入力された後、または、母音が設定された機能キーが押されて母音が入力された後に、声調符号が設定された機能キーが押された場合には、その前に入力された母音に声調符号を付けることを特徴とするキー入力方法。
  24. 複数個のメインキーと、複数個の機能キーとを用いたキー入力処理方法であって、
    前記各メインキーには、所定の文字を設定し、
    前記機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とを設定し、
    この機能キーの第2の機能には、文字入力に用いられる文字や記号を予め設定し、
    メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記各機能キーが押された場合には、前記メインキーに設定された文字を入力し、続けて前記各機能キーの第2機能に設定された文字や記号を機能キーの押された順序で入力し、
    前記メインキーを機能キーの第2機能を実行するシフトキーとして機能させることを特徴とするキー入力方法。
  25. 複数個のメインキーと、複数個の機能キーとを用いたキー入力処理方法であって、
    前記各メインキーには複数の文字を割り当て、これらの各文字をそのメインキーの打鍵回数に対応して入力するとともに、
    前記各機能キーには、少なくとも第1の機能と、第2の機能とを設定し、
    各機能キーの第2の機能には、前記メインキーの打鍵回数に相当する情報を指定する打鍵回数指定機能を設定し、
    メインキーのいずれか1つのキーが押された状態で、前記各機能キーが押された場合には、前記メインキーを機能キーに設定された打鍵回数に対応する回数だけ連続打鍵した場合と同じ文字を入力し、
    前記メインキーを機能キーの第2機能を実行するシフトキーとして機能させることを特徴とするキー入力方法。
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