多ピース基板およびその製造方法
技術分野
本発明は, 1枚の基板中に複数のピース部が含まれる多ピー ス基板に関する。 さ ら に詳細には, 1枚の基板が良品のビース 明
部ばか, り を含むよう に構成した多ピース基板 (いわゆる ジグソ 細
一基板) およびその製造方法に関する ものである。
背景技術
配線基板には, 1枚の基板中に複数のピース部が含まれる多 ピース基板がある。 多ピース基板については, 後工程の要請上 , 例えば全ピース部が良品である こ とが求められる場合がある 。 しか しながら現実のプロ セス上では, 不良品の ピース部を含 んだ多ピース基板がで きて しま う こ とを完全には排除し難い。 しかし, 1 つでも不良品のピース部が含まれているから といつ て, その基板中の他の良品のピース部までスクラ ッ プに して し まう のは, 資源の有効利用上問題がある。
このため, 不良品のピース部と良品のピース部とをと も に含 む基板 (以下, 「混載板」 という ) がある場合には, 不良品の ピース部を取り 除き, その空き地に他の混載板か ら取り 外した 良品のビース部を取り付けていわゆるジグソ一基板とする こ と が行われている。 これによ り , 資源を有効利用 しつつ, 全ピー ス部が良品である多ピース基板を後工程に提供で きる よ う に し ている。
しかしながら , 従来のジグソ一基板では, ピース部の取り 外 しおよび取り付けを, 最外層形成後にピース部とフ レーム部 と を繋ぐ ブリ ッ ジの切断および接合によ り行っていた。 このため , 次のよ う な問題点があっ た。 すなわち, フ レーム部およびそ のフ レーム部にも とも と付いている ピース部と, 切 り貼 りで取 り付けたピース部との間に段差が生じる場合がある。 このため , 後工程における例えば電子部品搭載用の半田ペース ト を印刷 する工程で, 基板表面の段差によ り 良好な印刷ができない場合 があった。 この場合, 半田が不十分なために不具合が発生する 可能性が高かっ た。 また, 切 り貼 り によ り ブリ ヅ ジ (継ぎ目部 分) の強度が低下しているため, 後の工程で予期せぬ脱落を起 こす場合があった。
また, 従来のジグソ一基板では, 不良品のピース部の代わ り に取り付けたピース部以外は, フ レーム部を含めて一緒に製造 された基板であ り , 基本的に同じよ う な材質である。 このため , 次のよ う な問題もあった。 すなわち, 多ピース基板を取り 扱 う後工程では, 作業上, フ レーム部にある程度の強度が要求さ れる。 その一方で近年では, コ ンパク ト化の要請から , 最終製 品の一部をなすピース部の薄肉化が設けられている。 ピース部 を薄肉化する と フ レーム部も薄く なるので, 従来の多ピース基 板では, 強度の要求との ト レー ドオフ となっていたのである。 フ レーム部を幅広にすればよいのだが, それではピース部の取 り数が稼げない。
また, フ レーム部はピース部が使用された後は不要物となる が, 基本的にピース部と同 じ材質のものであるために, 廃棄や 再生が必ずしも容易ではない。
そこで, 本発明は上記した問題点を解決するためになされた ものである。 すなわちその課題とする と こ ろは, ピース部の切 り貼 り を行って も , 切 り貼 り したピース部と他の部分との間の フ ラ ッ ト性を確保する こ とができる と と も に, 継ぎ目部分の強 度の低下を防止する こ とができ, さ ら に, フ レーム部の材質を , ピース部と無関係に定める こ とができ る多ピース基板および それらの製造方法を提供する こ とを課題とする。 発明の開示
上記した課題を解決するためになされた本発明に係る多ピー ス基板によれば, フ レーム部と, 前記フ レーム部に対して接続 された複数のピース部とを有する多ピース基板において, 少な く と も 1 つのビース部について, フ レームとの接続箇所の内層 に継ぎ目を有し, その継ぎ目が上層によ り覆われている こ とを 特徴とする。 なお, 「上層」 には, 継ぎ目が存在する層よ り も 外側に積層される層のすべてが含まれる。 例えば, 接合強度が あればソルダレジス ト層でも良い。
この多ピース基板では, 切り貼 り した ピース部とフ レーム部 との継ぎ目が, その接続箇,所の内層に存在している。 こ こで, 継ぎ目は, 接続箇所自体 (いわゆる ブリ ッ ジ) の他, 接続箇所 近傍のフ レーム部あるいはピース部に存在していても良い。 た だし, ピース部側に継ぎ目が存在する場合には, 製品となる ピ 一ス部を傷つける こ とになるから現実的ではない。 このよう に ピース部の取り 外しおよび取り付けを, ピース部とフ レーム部 との接続箇所の切断および接合によ り行っているため, 切り 貼 り によ り形成された継ぎ目部分における強度の低下が懸念され
る。 と こ ろが, 継ぎ目は接続箇所の内層に存在し, その継ぎ 目 は上層によって しつか り と覆われている。 すなわち, 上層によ り 継ぎ目部分の強度の補強が行われているのであ る。 これによ り , 継ぎ目部分の強度の低下が防止される。 よって, ピース部 の切 り貼 り を行って も , 本来的に基板が持っている強度と同程 度の強度を, 継ぎ目部分に持たせる こ とができる。 これによ り , 後の工程で予期せぬ脱落を起こすこ とがない。
また, 継ぎ目が上層によ り覆われている。 つま り , フ レーム 部と ピース部とを継ぎ合わせた後に, 上層がさ ら に積層される 。 そ して, 上層を形成する際にはプレスが行われるため, 切 り 貼 り したピース部と他の部分との間のフ ラ ッ ト性が確保される 。 さ ら に, 継ぎ目が上層で覆われているために, 外部か ら継ぎ 目が見えな く なるので, 美麗な外観が得られる。
本発明に係る多ピース基板の製造方法によれば, フ レ ーム部 と , フ レーム部に対して接続された複数のピース部とを有する 多ピース基板の製造方法において, 未だ最外層パターンが形成 されていない状態における , 不良品のピース部と良品のピース 部とを含む多ピース基板が複数ある場合に, 一の多ピース基板 における不良品のピース部のまわ り に切れ目 を入れて当該ピー ス部を除去し, 他の多ピース基板から同様に して良品のピース 部を切 り 出し, 不良品のピース部を除去した空き地に, 他の多 ピース基板から切 り 出された良品のピース部を揷入し, その状 態で上層を積層して継ぎ目を覆う こ とを特徴とする。
この製造方法では, 未だ最外層パターンが形成されていない 一の混載板から , 不良品のピース部が切 り 出される。 そのと き の切れ目は, 接続箇所あるいはその近傍, よ り具体的には, ピ
—ス部とフ レーム部とを繋いでいる プリ ッジ, またはプリ ヅ ジ の付け根付近のフ レーム部に入れればよい。 同様にして, 未だ 最外層パターンが形成されていない他の混載板から , 良品のピ —ス部が切 り 出される。 そ して, これら両者の切れ目同士を継 ぎ合わせる。 これで継ぎ目が形成される。 継ぎ目が形成された 状態で, さ ら に上層を積層して継ぎ目を覆う 。 これによ り , 接 続箇所の内層に, 継ぎ目が存在する多ピース基板が製造される また, 本発明に係る多ピース基板の製造方法においては, 切 れ目同士を接着剤によ り継ぎ合わせた後に, 上層を積層する こ とが好ま しい。 このよ う にする こ とによ り , 接着剤によ り継ぎ 目の接合強度が確保されるからである。 そ して, 上層によって 継ぎ目 を しつか り と覆う こ とによ り , 継ぎ目部分の強度が補強 される。 従って, 切 り貼 り によ り形成された継ぎ目部分の強度 の低下が確実に防止される。
あるいは, 本発明に係る多ピース基板の製造方法においては , 上層 と して, 接着剤成分を含有する ものを用いる こ と も好ま しい。 このよ う にする こ とによ り , 上層に含まれる接着剤成分 が積層時に継ぎ目に浸み込んで, 切れ目同士が接着されるか ら である。 そ して, 上層によ り継ぎ目部分の強度補強がなされる ので, 切り 貼 り によ り形成された継ぎ目部分の強度の低下が確 実に防止される。
また, 本発明の他の多ピース基板は, フ レーム部と, フ レー ム部に対してプリ ヅ ジによ り接続された複数のピース部とを有 する ものであって, フ レーム部が, 流動物を成型して得たもの であ り , 複数のピース部が, フ レーム部の成型に先立って製造
されたものである。
また, 本発明に係る多ピース基板の製造方法では, フ レーム 部と, フ レーム部に対してブリ ッ ジによ り接続された複数のピ ース部とを有する多ピース基板を製造するに当た り , あ らか じ め製造された各ピース部を, 多ピース基板中のピース部が存在 すべき位置に配置し, 配置された各ピース部を囲むよう に流動 物を注入し, 成型して フ レーム部とする。 か く して, 前述の多 ピース基板が製造される。
この多ピース基板では, 流動物を成型してフ レーム部と して いる。 このため, ピース部の材質と無関係に流動物を選択で き る。 したがって , 後工程でピース部が取 り 除かれた後の廃棄や 再生がしやすいよう な材質のものを選べばよい。
この多ピース基板はさ ら に, フ レーム部に食い込んだ位置に 突起部を有し,, 突起部が, ピース部にブ リ ッ ジによ り接続され てお り , ピース部と と も に製造されたものである こ と望ま しい 。 このよう にする こ とによ り , ピース部 とフ レ一ム部とめ間の 接合面積がよ り 大き く 確保される。 これによ り , ピース部と フ レーム部との間のよ り確実な接合強度が得られる。
そのためには, その製造において, 配置する各ピース部と し て, プリ ヅ ジによ り接続された突起部を有する も のを用い, 流 動物の成型によ り , 突起部がフ レーム部に食い込んだ状態とす ればよい。
さ ら に, フ レーム部の成型の際, 多ピース基板においてフ レ ーム部の縁辺よ り外側となる位置から流動物を注入し, 成型後 に注入位置の凸状部を折り取る こ と とする と よい。 これによ り , フ レーム部の平坦性をよ り良好に確保でき るのである。 すな
わち, 注入口の箇所には不可避的に凸状のバ リ ができて しま う 。 その部分を折 り取って しまえば残る フ レーム部にはバ リ がな いのである。
また, 本発明の他の多ピース基板は, フ レーム部と, フ レー ム部に対してブリ ッジによ り接続された複数のピース部 とを有 する ものであって, 複数のピース部のすべてが, フ レーム部と は別に製造され, フ レーム部に接合されたものである。 また, 本発明の多ピース基板の製造方法では, ピース部を配置する た めの空き地を複数有する フ レーム部と, フ レーム部とは別に製 造された複数のピース部とを用意し, フ レーム部の各空き地に 各ピース部を配置し, 各ピース部をフ レーム部に接合して多ピ —ス基板となす。
この多ピース基板では, フ レ ーム部が どのピース部 と も別 に製造されたものである。 言い替える と の多ピース基板は, ピース部と フ レーム部とを別々に製造し そのフ レーム部にピ
—ス部を接合したものである。 したがって, すべてのピース部 を良品とする こ とが容易にでき る こ とはも ち ろん, フ レ ーム部 と ピース部とで材質を別々にする こ と も容易にで きる。 よって , 薄肉も のの場合であって も , フ レーム部を幅広にする こ とな く強度を確保できる。
本発明の多ピース基板は, 各ピース部とフ レーム部との間の 各継ぎ目が, フ レーム部に, ブリ ッ ジの付け根を囲んで設けら れている と よ り よい。 また, 本発明の多ピース基板の製造方法 では, ピース部と して, 配線パターンを含む機能部と, 機能部 の周囲に設けられた突起部とを有する も のを用い, フ レ ーム部 と して, ピース部の突起部に対応する凹部が各空き地の縁辺に
設けられている ものを用い, 接合によ り 突起部が凹部にはめ合 わされてフ レームの一部をなすこ と とする とよ り よい。
このよ う にする.と, 各ピース部と フ レーム部との間の各継ぎ 目の面積が, ブ リ ッジに継ぎ目を設けた場合と比較して大きい 。 このため接合強度が高く , 後工程で予期せぬ脱落を起こすこ とがない。
また, 本発明の他の多ピース基板は, フ レーム部とピース部 との継ぎ目を, フ レーム部と ピース部に跨って覆う接着シー ト を有する ものである。 継ぎ目 と しては, ピース部に突起部を有 する ものと, フ レーム部にピース部の突起部に対応する凹部を 有する ものとを継ぎ合わせる もの等がある。
この多ピース基板では, 各ピース部と フ レーム部との間の接 合強度が高い。 また, ピース部に突起部を有し, フ レーム部の 凹部に組み合わせる ものにこれを適用する と, 当該突起部と対 応する凹部とを接着シー トで覆う こ とに よ り , ピース部の本体 部分にシー ト を接着する こ とな く , よ り 高い接合強度が得ら れ る。
本発明に係る多ピース基板の製造方法によれば, フ レーム部 と, フ レーム部に対して接続された複数のピース部とを有する 多ピース基板の製造方法において, あ ら かじめ前記フ レーム部 と前記ピース部とを組み合わせておき, 後から当該継ぎ 目を接 着シー トで覆う こ と とする。 か く して, 前述の多ピース基板が 製造される。
さ ら に, 各ピース部とフ レーム部との間の設けた接着シー ト に, 金属箱を被せる こ と とする と よ り よい。 これによ り , 多ピ —ス基板の割れを軽減する こ とができる 。 また, 樹脂フ ローを
軽減する こ ともできる。
また, ピース部と して, 位置決め目標パターンを有したもの を用いた場合は, 接着シー ト によ り位置決め目標パターン部分 を覆い隠して しま う こ とがある。 そのため, 位置決め目標パ夕 ーンを隠さないよう に該当部分の接着シー ト をあ らかじめ切 り 取ってお く こ とが望ま しい。 これによ り , 接着シー トで覆われ て しま う こ とな く , 位置決め目標パターンを使用する こ とがで きる o 図面の簡単な説明
第 1 図は, 第 1 の形態に係る配線基板の断面図である。
第 2 図は, 多ピース基板における プリ ッ ジの拡大図である。 第 3 図は, 元の多ピース基板から不良ピース部を取り 除いた 状態を示す平面図である。
第 4 図は, 他の多ピース基板から切 り 出した良品ピース部を 示す平面図である。
第 5 図は, 元の多ピース基板から不良ピース部を取り 除いた 部分に良品ピース部を取り付けた状態を示す平面図である。
第 6 図は, 多ピース基板の全体構成の例を示す断面図である 第 7 図は, 多ピース基板の製造の 1 過程 (内層パターン形成 ) を示す断面図である。
第 8 図は, 多ピース基板の製造の 1 過程 (組み合わせプレス ) を示す断面図である。
第 9 図は, 多ピース基板の製造の 1過程 (パターンレジス ト 形成) を示す断面図である。
第 1 0 図は, 多ビース基板の製造の 1 過程 (外層パターン形 成) を示す断面図である。
第 1 1 図は, ワーク における多ピース基板の配置例を示す図 である。
第 1 2 図は, 第二の形態に係る多ピース基板の平面図である 第 1 3 図は, 多ピース基板における ブリ ッ ジ付近の拡大図で ある。
第 1 4 図は, 多ピース基板の製造に用いる ピース部の平面図 である。
第 1 5 図は, 多ピース基板の製造に用いる下金型の平面図で ある。
第 1 6 図は, 多ピース基板の製造に用いる上金型の平面図で ある。
第 1 7 図は, 突起部付近における ビース部 と金型との間の隙 間の状況を示す部分平面図である。
第 1 8 図は, 突起部の形状の変形例を示す部分平面図である 第 1 9 図は, 第三の形態に係る多ピース基板の平面図である o
第 2 0 図は, 多ピース基板における ブリ ッ ジ付近の拡大図で ある。
第 2 1 図は, 多ピース基板の製造に用いる ビース部の平面図 である。
第 2 2 図は, 多ピース基板の製造に用いる フ レーム部の平面 図である。
第 2 3 図は, 継ぎ目の形状の変形例 (その 1 ) を示す図であ る o
第 2 4図は, 継ぎ目の形状の変形例 (その 2 ) を示す図であ る。
第 2 5 図は, ワーク における多ビース基板の配置例を示す図 である。
第 2 6 図は, 多ピース基板における ブリ ッ ジ付近の拡大図で ある。
第 2 7 図は, 接着シー ト を用いた多ピース基板の断面図であ る。
第 2 8 図は, 接着シー トおよび銅箔を用いた多ピース基板の 断面図である。
第 2 9 図は, 多ピース基板における接合部にフ ィ デューシ ャ ルパッ ドがあるプリ ッジ付近の拡大図である。
発明を実施するための最良の形態
以下, 本発明を具体化した実施の形態について, 添付図面を 参照しつつ詳細に説明する。
[第一の形態]
本形態に係る多ピ一ス基板 1 0 1 は, 図 1 に示すよう に, フ レーム部 1 0 2 と, 4つのピース部 1 0 3 〜 1 0 6 とを有して いる。 各ピース部 1 0 3 〜 1 0 6 と フ レーム部 1 0 2 との間に は, ス リ ッ ト 1 0 7 が開けられている。 そ して, 各ピース部 1 0 3 - 1 0 6 をフ レーム部 2 に固定する プリ ヅ ジ 1 0 8 が随所 に設けられている。 図 1 では, ピース部 1 0 3 と ピース部 1 0
5 , ピース部 1 0 4 と ピース部 1 0 6 が, それぞれ同じパター ンを有している。 ピース部 1 0 3およびビース部 1 0 5 と, ピ —ス部 1 0 4およびピース部 1 0 6 のパターンは異なっている 。 しかしこれら は互いに裏向きに配置ざれているのであって, 製品と しては同 じものである。 図 1 の多ピース基板 1 の寸法は , 1 4 c m x 2 4 c m程度である。
ピース部 1 0 3 〜 1 0 6 の 1 つである ピース部 1 0 3 におけ る ブリ ッ ジ 1 0 8 の概略構造を図 2 に示す。 図 2 では, フ レー ム部 1 0 2 と ビース部 1 0 3 とを繋げる ブリ ッ ジ 1 0 8 のほぼ 中央に継ぎ目 1 0 9 が存在している。 こ の継ぎ目 1 0 9 は, ブ リ ッジ 1 0 8 の内層部に存在してお り , 外部から は見えない。 そ して, 継ぎ目 1 0 9 には接着剤が介在している。 つま り , 継 ぎ 目 1 0 9 は, 接着剤によ り接合され, さ ら に上層によって し つか り と覆われているのである。 なお, 接着剤を使用する場合 には, 基板の裏側に耐熱テープ (ポ リ イ ミ ドテープ等) を貼つ てお く とよい。 接着剤の浸み出しによる望まぬ汚染を防 く、ため である。 また, ピース部 1 0 3 のまわ り のすべてのブリ ッ ジ 1 0 8 にの内層部には, 図 2 に示すよ う な継ぎ目 1 0 9 が存在し ている。 ただ し, 上層の積層によ り実際には, 継ぎ目 1 0 9 は 明確に残らない場合もあ り得る。 一方, 他のピース部 1 0 4 〜 1 0 6 のまわ り のプリ ヅ ジ 1 0 8 の内層部には, 図 2 に示すよ う な継ぎ目 1 0 9 は存在しない。
図 1 の多ピース基板 1 は, も とも とは最外層パターンを形成 する前の状態において, ピース部 1 0 4 〜 1 0 6 が良品で, ピ —ス部 1 0 3 の とこ ろに不良品のピース部が付いていた混載板 であったものである。 そ して, その不良品のピース部を取り 除
いて, 代わ り に他の混載板から切 り取った良品のピース部 1 0 3 をその空き地に取り付けて, 全ピース部が良品である基板と し, さ ら に上層を積層 して最外層パターンを形成したのが図 1 の状態である。 このよ う に多ピース基板 1 0 1 では, も とも と の部分 (フ レーム部 1 0 2 およびピース部 1 0 4 〜 1 0 6 ) と 切 り貼 り した部分 (ピース部 1 0 3 ) との間の継ぎ目 1 0 9 が , ピース部 1 0 3 のまわ り のブリ ッ ジ 1 0 8 の内層部に存在し ている。 . このため, 多ピース基板 1 0 1 では, 切り貼 り で取り付けた ピース部 1 0 3 について, そのまわ り の各ブリ ッ ジ 1 0 8 の強 度の低下を懸念する向きも あろ う かと思われる。 しかし, ピー ス部 1 0 3 とペース部 1 0 2 とがブリ ッ ジ 1 0 8 の切れ目同士 で接着剤によ り接合され, さ ら に上層が積層されている。 すな わち, 継ぎ目 1 0 9 は上層に しっか り と覆われている。 従って , 切 り貼 り で取 り付けたピース部 1 0 3 のまわ り の各ブリ ッ ジ 1 0 8 の強度補強が図 られている。 これによ り , 切り貼 り で取 り 付けたピース部 1 0 3 のまわ り の各ブリ ッ ジ 1 0 8 は, も と も と付いていたピース部 1 0 4 〜 1 0 6 のまわ り の各ブリ ッ ジ 1 0 8 とほぼ同等の強度が確保されている。 また, 継ぎ目 1 0 9 が形成された後に上層を積層するので, この積層の際に行わ れる プレス によ り継ぎ 目 1 0 9 の両側がフラ ッ 卜 になっている 。 さ ら に, 継ぎ目 1 0 9 は, 上層によって覆い隠されるので外 観が美麗である。
多ピース基板 1 0 1 は, 概略次のよう な切 り貼 り プロセスを 経て製造される。 まず, 最外層パターンが形成される前の状態 における多ピース基板についてのピース部ごとの良否検査が行
われる。 そ して, その良否検査によ り混載板が 2枚以上発見さ れる と, ある混載板 (なるべく 良品のピース部が多いものが望 ま しい) について, その良品のピース部を残し不良品のピース 部を除去して図 3の状態とする。 混載板の不良品のピース部を 除去する際には, 除去しょう とする ピース部のまわりの各プリ ッ ジ 1 0 8 のほぼ中央にルー夕一等で切れ目を入れる。 これに よ り , 除去しょう とするピース部と, そのまわり の各ブリ ッ ジ 1 0 8 に一部とが, 混載板から切り取られる。
—方, 他の混載板から良品のピース部 1 0 3を切り出す。 そ の際, 同様にブリ ッジ 1 0 8 のほぼ中央に切れ目を入れる。 切 り 出されたピース部 1 0 3 には, 図 4 に示すよう に, 周囲の各 ブリ ッジ 1 0 8 の一部が付いている。 なお, 両者の切れ目の形 状は, 組み付け時に互いにほぼ一致する よう になっている。 そ して, 図 3 中の空き地 1 1 1 のところに図 4のピース部 1 0 3 を配置し, 両者の切れ目を接着剤によ り接合する。 これによ り 図 5 の状態が得られる。 図 5 に示すよう に, 継ぎ目 1 0 9 はブ リ ッジ 1 0 8 のほぼ中央に存在する。
なお, 切れ目同士の接合の際に用いる接着剤は, 液状のもの であっても よいし, 固形粒状のものを用いて加熱等の処理を施 してもよい。 ただし, 上層に接着剤成分が含有されてお り , そ こから接着剤成分が供給される場合には, 両者の切れ目同士の 接合に接着剤を用いなく ても よい。 なお, ピース部 1 0 3の配 置に際しては, フ レーム部 1 0 2 あるいは他のピース部との相 対位置精度をよ く するため, 位置決めピンを立てた治具を使用 し, そのまま接着剤を硬化させる とよい。
そして, 図 5 の状態からさ ら に上層を積層していき最外層パ
ターンの形成を行う こ とによ り , 図 1の状態が得られる。 この 状態では, 継ぎ 目 1 0 9が上層に覆い隠されるため, 継ぎ目 1 0 9は外部からは見えない。
次に, 上述のビース部の切り貼 り を, 多層配線板の具体的製 造プロセス 中でいかに行う かを説明する。 こ こでは例と して, 図 6に示す断面構造を作成する 6層貫通サブ ト ラ クティ ブ法を 前提とする。 まず, 図 6の断面構造に至るための製造プロセス を簡単に説明する。 最初に, ベ一ス基材と して, 2枚の両面銅 貼 り板のそれぞれの面にパターン加工を施す。 これによ り , 図 7に示すよ う な内層パターン 1 1 4が形成される。 内層パ夕一 ン 1 1 4は, 図 6 中の L a y 2 ~ 5 に相当する。 そ して, これ ら を組み合わせてプレスする と, 図 8の状態となる。 すなわち , 両基材 1 1 5 , 1 1 5の上下にプリ プレグ 1 1 6 , 1 1 6 を 介して銅箔 1 1 7 , 1 1 7を配置し, さ ら に両基材 1 1 5 , 1 1 5の間に も.プ リ プレ グ 1 1 6を挟み込んでプレスによ り一体 化するのである。
そして, これに貫通穴 1 1 8を開けて全面に化学銅めつ き 1 1 9を施し, さ ら に表裏面にパターンレジス ト 1 2 0を形成し て図 9の状態を得る。 次いで, パ タ ー ン レ ジ ス ト 1 2 0のない 領域に電気銅めつ き 1 2 1 を形成し, パターンレジス ト 1 2 0 を剥離し, さ ら にクイ ッ クエッチによ り 余計な銅を除去して図 1 0の状態を得る。 これによ り , 外層の L a y l , 6が形成さ れる。 そ して, ソルダレジス ト 1 2 2 を形成する と図 6の状態 となる。 その後, 外形加工, さ ら に導通検査へと進む。
上記の製造プロセスにおいて, 上述したビース部の切 り貼 り を行う こ とがで き るのは, 最外層パターンが形成される以前に
, 何ら かのパターン形成がされ良否チェ ッ クがなされた時点で ある。 具体的には図 7 の状態である。 こ の状態で切 り貼 り を行 う こ とによ り , プリ ヅ ジ 1 0 8 に存在する継ぎ目 1 0 9 は上層 (プリ プレ ダ 1 1 6 , ソルダレジス ト 1 2 2 ) によ り覆い隠さ れる。 このため, ピース部 1 0 3 の切り貼 り によ り プリ ヅ ジ 1 0 8 の強度が低下しても , 上層によ り プリ ッ ジ 1 0 8の強度の 補強が行われる。 つま り , 切 り貼 り によ る ブリ ッ ジの強度低下 が抑制されるのである。 また, 上層を積層する際のプレス によ り , 平坦性も確保される。 さ ら に, 継ぎ目 1 0 9 が上層で覆わ れて見えな く なるので, 美麗な外観が得られる。
さ ら に, 図 7 の状態で切 り貼 り を行う ため, L a y 1 , 6 の パターン形成工程が残っている。 このため, 例えば部品実装後 の機能検査に使用するパ ッ ドへの引き出 し線等, ピース部同士 の間を結ぶ配線, あるいはピース部とフ レーム部 との間を結ぶ 配線がほしい場合に, L a y l, 6 を利用 してそのよう な配線 を切れ目な く 引き回すこ とができる。 また, このよう に早い段 階で切 り貼 り を行う こ とによ り , 不良なピース部の上に上層を 積み上げる よう な無駄が排除される。 また, この時点では 2枚 のベース基材が別々に存在しているので, 切 り貼 り も別々に行 われる こ と となる。 よって, 不良なピース部を除去しつつ, 良 品のピース部をなるベく 活用する こ とができる。
以上詳細に説明したよ う に本形態では, 多ビース基板の製造 において, L a y 1, 6 が形成されていない状態で, 良品のピ ース部と不良品のピース部とを含む混載板が 2枚以上あった場 合に, フ レーム部 1 0 2 と ピース部 1 0 3 とを繋 く、 プリ ヅ ジ 1 0 8 に切れ目を入れて, その切れ目同士を継ぎ合わせ, さ ら に
上層を積層する こ とによ り , いわゆるジグソ一基板とする。 こ こで, ジグソ一基板の継ぎ 目 1 0 9 はブリ ッ ジ 1 0 8 の内層部 に存在するが, その継ぎ目 1 0 9 は上層に しっか り と覆われて いる。 このため, 切り貼 り によ る ブリ ッ ジ 1 0 8 の強度の低下 が抑制され, ブリ ッジ 1 0 8 が本来的に有していた強度とほぼ 等しい強度が確保されている。 これによ り , 切り 貼 り した ピー ス部 1 0 3 が後工程でのハン ド リ ング上不用意に脱落して しま う こ とがない。
なお, 本形態は単なる例示にすぎず, 本発明を何ら限定する ものではない。 したがって本発明は当然に, その要旨を逸脱し ない範囲内で種々の改良, 変形が可能である。 例えば, 本形態 では, ブリ ッ ジ 1 0 8 に継ぎ目 1 0 9 が存在しているが, 継ぎ 目はブリ ッ ジ 1 0 8でな く ブリ ヅ ジ 1 0 8付近のフ レーム部 2 に存在 していて も よい。 すなわち, ピース部の切 り貼 り をプリ ッ ジでな く , フ レーム部で行って も よい。 また, 対象とする基 板の層数やサイ ズ, 外形, 各層の材質等は本形態に記したもの と異なっていて もかまわない。 また, 基板によっては図 1 1 に 示すよ う に, ワークの全体サイ ズ中に複数のフ レームがあ り , さ ら に各フ レーム中に複数のピースがある ものも ある。 このよ う なも のにも本発明は適用可能である。 この場合, ピース ごと に切 り 貼 り して も よい し, フ レームごと切 り貼 り しても よい。
[第二の形態]
本形態に係る多ピース基板 2 0 1 は, 図 1 2 に示すよ う に, フ レーム部 2 0 2 と, 4つのピース部 2 0 3 〜 2 0 6 とを有し ている。 各ピース部 2 0 3 〜 2 0 6 とフ レーム部 2 0 2 との間 には, ス リ ッ ト 2 0 7 が開けられている。 そ して, 各ピース部
2 0 3 〜 2 0 6 をフ レーム部 2 0 2 に固定するブリ ッジ 2 0 8 が随所に設けられている。 図 1 2 では, ピース部 2 0 3 と ピ一 ス部 2 0 5 , ピース部 2 0 4 と ピース部 2 0 6 , がそれぞれ同 じパターンを有している。 ピース部 2 0 3およびピース部 2 0 5 と, ピース部 2 0 4およびピース部 2 0 6 のパターンは異な つている。 しかしこれらは互いに裏向き に配置されているので あって, 製品と しては同じものである。 図 1 2 の多ピース基板 1 の寸法は, 1 4 c m X 2 4 c m程度である。
図 1 2 の多ピース基板 2 0 1 中のフ レーム部 2 0 2 は, 各ピ ース部 2 0 3 〜 2 0 6 とは全く異なる素性のものである。 詳細 は後述するが, 個片状の各ピース部 2 0 3 〜 2 0 6 を並べてお いてそ こへ液状樹脂を供給して成型し固化したものがフ レーム 部 2 0 2 である。 なお, フ レーム部 2 0 2 の四隅には, 後工程 でのフ レーム搬送時の位置決め用の穴 2 1 0 が形成されている o
ピース部 2 0 3 - 2 0 6 の 1 つである ビース部 2 0 3 につい て, その周囲のブリ ッ ジ 2 0 8 のフ レーム部 2 0 2への付け根 の近傍を図 1 3 に示す。 図 1 3 では, フ レーム部 2 0 2 におけ るブリ ッジ 2 0 8 の付け根の近傍に, 継ぎ目 2 0 9 が存在して いる。 継ぎ目 2 0 9 は, ブリ ッ ジ 2 0 8 の付け根を囲んでいる 。 継ぎ目 2 0 9 に囲まれた部分が突起部 2 1 6 である。 突起部 2 1 6 は, 多ピース基板 2 0 1 の全体形状か らはフ レーム部 2 0 2 の一部であるかのよう に見えるが, 実はピース部 2 0 3 の 一部である。 すなわち多ピース基板 2 0 1 では, ピース部 2 0 3 の一部である突起部 2 1 6 が, フ レーム部 2 0 2 に食い込ん だ状態となっているのである。 ピース部 2 0 3 のまわ り のすべ
てのブリ ヅ ジ 2 0 8 について, そのフ レーム部 2 0 2への付け 根は図 1 3 のよ う になっている。 同様に, 他のピース部 2 0 4 〜 2 0 6 についても , それらのまわ りのブリ ッ ジ 2 0 8 の近傍 は図 1 3のよ う になつている。
フ レーム部 2 0 2 が成型される前の状態における ピース部 2 0 3 ~ 2 0 6 の平面図を, 図 1 4 に示す。 各ピース部 2 0 3 〜 2 0 6 は, 図 1 4 に示すよう に, 周囲に突起部 2 1 6 を有して いる。 各突起部 2 1 6 は, プリ ヅジ 2 0 8 を介して主要部 2 1 7 (フ レーム部 2 0 2 本来の機能部分) につながっている。 各 ピース部 2 0 3 ~ 2 0 6 はむろん, 導体パターン層と層間絶縁 層 とを交互に積層してなる公知の積層構造を有する。 なお, 各 ピース部 2 0 3 〜 2 0 6 には, 位置決め穴 2 1 9 が開けられて いる。 位置決め穴 2 1 9 は, ピース部内のパターン形成の際に 位置基準と して用い られた穴と同時に形成された ものである。
多ピース基板 2 0 1 は, 概略次のよう なプロセスを経て製造 される。 すなわち, あ らかじめ, ピース部 2 0 3 〜 2 0 6 を製 造してお く 。 この製造は公知の方法によ り行えばよい。 なお, ピース部 2 0 3 〜 2 0 6 は, 積層配線板の一般的な製造方法に よ り最外層まで形成して, 図 1 2 と同じよう な形状の一般的な 多ピース基板と し, そ こから ピース部をル一夕一等で切 り抜い て製造される。 むろん, この段階で良否検査を行い, 良品のみ を用いる。 なお, ピース部 2 0 3 〜 2 0 6 は, この段階でも配 線板と して完成している ものであ り , 突起部 2 1 6 を除去すれ ば電子機器への組みつけは可能である。
そ して, 各ピース部 2 0 3 〜 2 0 6 を金型上に配置して, 液 状樹脂の射出成型によ り フ レーム部 2 0 2 を形成する。 そこで
まず下側の金型を説明する。 図 1 5 にその平面図を示す下金型 2 2 0 は, 図 1 2 に示した多ピース基板 2 0 1 よ りやや大きい 面内寸法を有している。 下金型 2 2 0の外縁に沿って, 外郭凸 部 2 2 1 が設けられている。 外郭凸部 2 2 1 の内縁は, 後述す る注入部 2' 3 1 の箇所を除き, フ レーム部 2 0 2 の外辺に対応 する。 外郭凸部 2 2 1 の内側は, 外郭凸部 2 2 1 よ り低く され ている。 その高低差は, ピース部 2 0 3〜 2 0 6 の厚さ と同じ である。
外郭凸部 2 2 1の内側の部分には, 略四角形状をなす仕切り 堤防 2 2 7 が 4組設けられている。 仕切 り堤防 2 2 7の頂部の 高さは, 外郭凸部 2 2 1 の高さ と同じである。 すなわちピース 部 2 0 3〜 2 0 6の厚さと同じである。 仕切 り堤防 2 2 7 によ り仕切られた内部の略四角形状の部分が, 各ピース部 2 0 3 〜 2 0 6 を配置するための載置箇所 2 2 3〜 2 2 6 である。 その 外側の部分が, フ レーム部 2 0 2 に対応するフ レーム型部分 2 2 2である。 すなわち仕切り堤防 2 2 7 は, 多ピース基板 2 0 1 におけるス リ ヅ ト 2 0 7 に対応する。 さらに仕切り堤防 2 2 7 には, ピース部 2 0 3〜 2 0 6のプリ ヅジ 2 0 8 に対応する 各位置に切れ目 2 2 8が設けられている。
各載置箇所 2 2 3〜 2 2 6 には, ピ ン立て穴 2 2 9 が形成さ れている。 各ピース部 2 0 3〜 2 0 6 を配置する ときに位置決 めピンを立てるためである。 また, フ レーム型部分 2 2 2の四 隅には, フ レーム部 2 0 2 にフ レーム搬送時用の位置決め穴 2 1 0 を形成するための凸部 2 3 0が形成されている。 凸部 2 3 0 の頂部の高さは, 外郭凸部 2 2 1 の高さと同じである。 さ ら に, フ レーム型部分 2 2 2 の外辺の 4か所に, 注入部 2 3 1 が
設けられている。 注入部 2 3 1 は, 略四角形の湾状をな してい る。
次に上側の金型を説明する。 図 1 6 にその平面図を示す上金 型 2 4 0は, 図 1 5 に示し下金型 2 2 0 と同じ面内寸法を有し ている。 しかし, 下金型 2 2 0 と異な り , 4 か所の注入口 2 4 1 を除き平坦である。 各注入口 2 4 1 (直径 1 . 0 mm程度) は, 上金型 2 4 0 を下金型 2 2 0の上に重ね合わせたと きに注 入部 2 3 1 の上に来る位置に設けられている。
続いて, 上記の金型 2 2 0 , 2 4 0 を用いての多ピース基板 2 0 1 の製造手順を説明する。 用意するのは, 上下の金型 2 2 0 , 2 4 0 の他, ピース部 2 0 3〜 2 0 6 とする必要な個数の 良品のピース部である。 この他, 位置決め用のピンや成型用の 適当な樹脂材料等を用意する。 位置決め用のピンは, ピース部 2 0 3〜 2 0 6 の厚さにピン立て穴 2 2 9の深さを足した長さ と同じ長さのものを使用する。
まず, 下金型 2 2 0の各ピン立て穴 2 2 9 に位置決め用のピ ンを立て, 下金型 2 2 0 を暖機する。 そして, 下金型 2 2 0の 各載置箇所 2 2 3〜 2 2 6 に, ピース部 2 0 3〜 2 0 6 を配置 する。 このとき, 各ピン立て穴 2 2 9 に立てたピンに各ピース 部 2 0 3〜 2 0 6 の位置決め穴 2 1 9 を通すよう にする。 これ によ り , 各ピース部 2 0 3〜 2 0 6 の位置決めがなされる。 前 述のよう に位置決め穴 2 1 9 は, ピース部内のパターン形成の 際に位置基準と して用いられた穴と同時に形成されたものであ るから, 基板全体に対する各ピース部 2 0 3〜 2 0 6の位置や , 各ピース部 2 0 3〜 2 0 6 同士での相対的な位置は, かな り 精度の高いものとなる。 ピース部 2 0 3 〜 2 0 6 を配置した状
態では, 各ピース部 2 0 3〜 2 0 6 の縁辺と , 各仕切り堤防 2 2 7の内辺とがー致している (プリ ヅ ジ 2 0 8および切れ目 2 2 8の箇所を除 く ) 。 そ して, 仕切 り堤防 2 2 7 の各切れ目 2 2 8の箇所には, 各ピース部 2 0 3〜 2 0 6 のブ リ ッジ 2 0 8 が挟ま っている。 そ して, 各ピース部 2 0 3 〜 2 0 6の突起部 2 1 6 が, フ レーム型部分 2 2 2 に食い込んでいる。
ピース部 2 0 3 〜 2 0 6 を正し く 配置した ら , 下金型 2 2 0 および各ピース部 2 0 3〜 2 0 6の上に上金型 2 4 0 をセ ッ ト する。 上金型 2 4 0はあ らかじめ暖機してお く 。 これによ り , 上金型 2 4 0 と下金型 2 2 0 との外辺が互いに一致する よう に する。 このとき, 上金型 2 4 0の面は, 下金型 2 2 0の外郭凸 部 2 2 1 , 仕切 り 堤防 2 2 7 , および凸部 2 3 0 , そ して各ピ ース部 2 0 3 ~ 2 0 6 に接触している。 また, 上金型 2 4 0 の 各注入口 2 4 1 が, 下金型 2 2 0の各注入部 2 3 1 の上に位置 している。
そ して, 上下の金型 2 2 0 , 2 4 0 を互いに加圧しつつ, 加 熱して溶融状態と した成型用の樹脂材料を上金型 2 4 0の注入 口 2 4 1 か ら注入する。 注入された樹脂材料は, 上金型 2 4 0 と下金型 2 2 0 との間の隙間へ進入する。 そ して溶融樹脂は, 各注入部 2 3 1 から フ レーム型部分 2 2 2 に流れ込む。 これに よ り , 突起部 2 1 6の断面に液状の樹脂が接触する。 なお, 突 起部 2 1 6 と仕切 り堤防 2 2 7 との間の隙間から溶融樹脂がピ —ス部 2 0 3〜 2 0 6 の本体の縁辺へ進入する こ とはない。 そ の理由は後述する。 '
各注入部 2 3 1 およびフ レーム型部分 2 2 2 を充填するのに 十分な量の樹脂を流し込んだ ら , 注入をやめて冷却する。 温度
が室温まで下がった ら , 上金型 2 4 0 を取り 除く 。 この とき, フ レーム型部分 2 2 2 および各注入部 2 3 1 は硬化した樹脂で 充填されている。 この硬化した樹脂がフ レーム部 2 0 2 である 。 また, 各突起部 2 1 6 の断面と硬化樹脂とは接着された状態 となっている。 よって , フ レーム部 2 0 2 および各ピース部 2 0 3 〜 2 0 6 を一体的に下金型 2 2 0 から取り 出すこ とができ る。 取り 出したものが多ビース基板である。
この状態での多ピース基板には, 各注入口 2 4 1 の箇所に, 直径 1 . 0 m m程度, 高さ 0 . 5 m m程度の凸状の樹脂バ リ が で きている。 そ こで, 各注入部 2 3 1 の箇所を折 り取る。 これ によ り , 図 1 2 の状態の多ピース基板 2 0 1 となる。 この状態 での多ピース基板 2 0 1 には樹脂バ リ がな く 平坦性が良好であ る。 このよう なこ とをする理由は, も し図 1 2 の状態のフ レー ム部 2 0 2 のどこかに樹脂バ リ がある と, 後工程での作業に支 障を来すおそれがあるからである。
こ こで, 樹脂注入時に, 突起部 2 1 6 と仕切 り 堤防 2 2 7 と の間からの溶融樹脂のもれが起きない理由について説明する。 溶融樹脂のもれが起きないためには, ピース部 2 0 3〜 2 0 6 と仕切 り堤防 2 2 7 との間の隙間が, 溶融樹脂の流動性限界 ( 進入可能な限界ギャ ッ プ) よ り 小さい必要がある。 そのために は, 樹脂注入時の条件 (温度および圧力) 下での流動性限界が 仮に 5 0 mである とすれば, ビース部の本体と突起部 2 1 6 との間のギヤ ヅ プ a (図 1 7参照) と, 仕切 り堤防 2 2 7 の幅 b との差が 5 0 m以下でなければならない。
—方, ピース部の本体と突起部 2 1 6 との間のギャ ッ プ aは , 元の基板から ピース部 2 0 3 〜 2 0 6 を切 り だ したと きの外
径ル一夕加工によるギャ ッ プである。 よって, このギヤ ヅ プ幅 と等しい直径のル一夕バイ ト を用いる こ とによ り , ± 5 m程 度の比較的高い寸法精度が得られる。 したがって , 当該ギヤ ッ プ aが, 幅 b よ り大き く かつその差が 5 0 〃 mを超えないよ う にする こ とは十分可能である。 このため, 樹脂注入時に, 突起 部 2 1 6 と仕切 り堤防 2 2 7 との間からの溶融樹脂のもれが起 きないのである。 なお, ルー夕加工の位置自体の精度はかな り 高いものの ± 2 0 z m程度の誤差はある。 しかしその程度の誤 差は, 下金型 2 2 0上にピース部 2 0 3 - 2 0 6 を配置する段 階でカバ一できるので問題はない。
以上詳細に説明したよう に本形態によれば, 多ピース基板 2 0 1 を製造する に当た り , あ らかじめ用意した個片と しての良 品のピース部 2 0 3 〜 2 0 6 を下金型 2 2 0上に配置し, 溶融 樹脂をピース部間に供給して成型する こ とによ り フ レーム部 2 0 2 を形成する こ と と している。 これによ り , ビース部 2 0 3 〜 2 0 6 の素性と無関係なフ レ ーム部 2 0 2 を有する多ピース 基板 2 0 1 およびその製造方法を実現している。 このため, フ レーム部 2 0 2 の原料たる成型用樹脂と して, 再利用 しやすい ものを選択する こ とによ り , 後工程で発生した空のフ レーム部 を容易に新たな多ピース基板のフ レーム部と して再生する こ と ができる。 よって, 後工程にて無用の廃棄物を発生させるこ と がな く , 環境保全や資源の有効利用に大き く 貢献する ものであ る。
特に, あ らかじめ用意する個片と してのピース部 2 0 3〜 2 0 6 に突起部 2 1 6 を含め, 成型後において突起部 2 1 6 がフ レーム部 2 0 2 に食い込んだ状態となる よう に している。 こ の
ため, ピース部 2 0 3 ~ 2 0 6 とフ レーム部 2 0 2 との間の接 合面積が広 く , 確実な接合が図られている。 したがって, 多ビ ース基板 2 0 1 を製造してから後工程での処理に供する までの 間に, ピース部 2 0 3〜 2 0 6 がフ レーム部 2 0 2 から予期せ ぬ脱落を起こすこ とがない。
さ ら に, 成型用の金型 2 2 0 , 2 4 0 において, フ レーム部 2 0 2 の外辺よ り外側の位置に注入部 2 3 1および注入口 2 4 1 を設けている。 このため, 成型後に注入部 2 3 1 の部分を折 り取って しま う こ とによ り , 注入に伴う樹脂バリ が多ピース基 板 2 0 1 に残ら ないよう に している。 したがって, 後工程での 作業に支障が生じない平坦な多ピース基板 2 0 1 が得られる も のである。
なお, 本形態は単なる例示にすぎず, 本発明を何ら限定する ものではない。 したがって本発明は当然に, その要旨を逸脱し ない範囲内で種々の改良, 変形が可能である。 例えば, 図 1 8 に示すよう に, 突起部 2 1 6 の形状を工夫して, ピース部の本 体から離れるほど突起部 2 1 6の幅が広がる よう に して も よい 。 このよう にする と, ブリ ッジ 2 0 8のすく、際 (きわ) まで溶 融樹脂が進入するので, よ り確実な接合が得られる。
[第三の形態]
本形態に係る多ピース基板 3 0 1 は, 図 1 9 に示すよ う に, フ レーム部 3 0 2 と, 4つのピース部 3 0 3 〜 3 0 6 とを有 し ている。 各ビース部 3 0 3 - 3 0 6 と フ レーム部 3 0 2 との間 には, ス リ ッ ト 3 0 7が開けられている。 そ して, 各ピース部 3 0 3 〜 3 0 6 をフ レーム部 3 0 2 に固定する ブリ ッ ジ 3 0 8 が随所に設けられている。 図 1 9 では, ピース部 3 0 3 と ピ一
ス部 3 0 5 , ピース部 3 0 4 と ピース部 3 0 6 , がそれそれ同 じパターンを有している。 ピース部 3 0 3およびピース部 3 0 5 と, ビース部 3 0 4およびピース部 3 0 6 のパターンは異な つている。 しかしこれらは互いに裏向きに配置されているので あって, 製品と しては同じものである。 図 1 9の多ピース基板 3 0 1 の寸法は, 1 4 c m x 2 4 c m程度である。
ピース部 3 0 3〜 3 0 6 の 1 つである ビース部 3 0 3 につい て, その周囲のブリ ッ ジ 3 0 8 のフ レーム部 3 0 2への付け根 の近傍を図 2 0 に示す。 図 2 0では, フ レーム部 3 0 2 におけ る プリ ッ ジ 3 0 8の付け裉の近傍に, 継ぎ目 3 0 9が存在して いる。 継ぎ目 3 0 9は, ブリ ッ ジ 3 0 8の付け根を囲んでい る 。 そ して, 継ぎ目 3 0 9の 2箇所に, 小孔 3 1 0, 3 1 0が設 け られている。 小孔 3 1 0, 3 1 0 は接着剤で充填されてい る 。 接着剤と しては流動性の高いものが使用されている。 このた めその接着剤は毛細管現象によ り , 小孔 3 1 0 , 3 1 0以外の 部分の継ぎ目 3 0 9 にも浸み込んでお り , 継ぎ目 3 0 9 を挟む 両側は しつか り と接着されている。 ピース部 3 0 3のまわ り の すべてのプリ ヅ ジ 3 0 8 について, そのフ レーム部 3 0 2への 付け根は図 2 0のよう になっている。 同様に, 他のピース部 3 0 4〜 3 0 6 についても , それらのまわ り のブリ ッジ 3 0 8 は 図 2 0 のよ う になっている。 このため多ビース基板 3 0 1 にお ける継ぎ目 3 0 9は, ブリ ッ ジ 3 0 8の箇所で接合して継ぎ 目 と した場合と比較して, 接合面積が著し く広いため接合強度が 強い。
なお, このよ う に流動性の高い接着剤が使用されている場合 には, 基板の裏側に耐熱テープ (ポ リ イ ミ ドテープ等) を貼つ
てお く と よい。 接着剤の浸み出 しによる望まぬ汚染を防 く、ため である。
図 1 9 の多ビース基板 3 0 1 は, 各ピース部 3 0 3〜 3 0 6 (図 2 1参照) を, 図 2 2 に示すフ レーム部 3 0 2 に取 り付け た ものである。 図 2 1 に示すピース部 3 0 3〜 3 0 6は, 周囲 に突起部 3 1 6 を有している。 各突起部 3 1 6 は, プリ ヅ ジ 3 0 8 を介して主要部 3 1 7 (フ レーム部 3 0 2本来の機能部分 ) につながっている。 ピース部 3 0 3〜 3 0 6 はむろん, 導体 パターン層 と層間絶縁層とを交互に積層 してなる公知の積層構 造を有する。 一方, 図 2 2 に示すフ レーム部 3 0 2には, ピー ス部 3 0 3 〜 3 0 6 を収納する ための空き地 3 1 1が形成され ている。 そ して, 各空き地 3 1 1 の縁辺には, 継ぎ目 3 0 9 に 相当する各箇所に, 凹部 3 1 5 が形成されている。 凹部 3 1 5 と突起部 3 1 6 とは, 互いにはめ合わせられる形状である。 た だ し, はめ合わせる と間に小孔 3 1 0 , 3 1 0ができる よ う に なっている。
フ レーム部 3 0 2の材質は, ピース部 3 0 3〜 3 0 6 と同じ く 導体層 と絶縁層との積層構造と して も よいが, そうである必 要はない。 金属や樹脂, セラ ミ ッ クスなどのいずれかによる単 層構造でも よい。 そ して, ピース部 3 0 3〜 3 0 6 と比較して , 厚さ当た りの強度が高い材質または構造とするのがよい。 多 ピース基板 3 0 1全体と しての剛性を確保で きるからである。 このためには例えば, 耐熱性や耐食性を も考慮してアル ミ ニゥ ムゃステン レス鋼などが推奨される。 樹脂系材料であって も , ガラスエポキシ等を用いればビース部 3 0 3 〜 3 0 6 よ り高い 強度を得る こ とが可能である。 また, フ レーム部 3 0 2 の厚さ
は, 一般的には, 後工程からの要請上, ビース部 3 0 3〜 3 0 6 と同じ厚さ とすべきである。 ただ し, 後工程が許容するな ら ば, ピース部 3 0 3〜 3 0 6 よ り厚 く して強度を稼いでも よい 多ピース基板 3 0 1 は, 概略次のよう なプロセスを経て製造 される。 すなわち, あ らかじめ, フ レーム部 3 0 2 とピース部 3 0 3〜 3 0 6 とを別々に製造してお く 。 これらの製造は公知 の方法によ り行えばよい。 なお, ピース部 3 0 3〜 3 0 6 は, 積層配線板の一般的な製造方法によ り最外層まで形成して, 図 1 9 と同じよ う な形状の一般的な多ビース基板と し, そこから ピース部をル一夕一等で切 り抜いて製造される。 むろん, この 段階で良否検査を行い, 良品のみを用いる。 なお, ピース部 3 0 3〜 3 0 6 は, この段階でも配線板と して完成している もの であ り , 突起部 3 1 6 を除去すれば電子機器への組みつけは可 能である。
そ して, フ レーム部 3 0 2 の各空き地 3 1 1 に ピース部 3 0 3〜 3 0 6 を配置し, 各凹部 3 1 5 と各突起部 3 1 6 とをはめ 合わせる。 そ して, 小孔 3 1 0, 3 1 0 に接着剤を挿入して接 合する。 これによ り 図 1 9 の状態が得られる。 なお接着剤は, 液状のものを小孔 3 1 0, 3 1 0 に注入して も よい し, 固形粒 状のものを小孔 3 1 0 , 3 1 0 に挟み込んで加熱等の処理を施 しても よい。 なお, ビース部 3 0 3 の配置に際しては, フ レー ム部 3 0 2 あるいは他のビース部との相対位置精度をよ く する ため, 位置決めピンを立てた治具を使用 し, そのまま接着剤を 硬化させる と よい。
図 2 0 に示した継ぎ目 3 0 9 の具体的形状には, 種々の変形
が可能である。 以下, 変形例を列挙する。 図 2 3 に示すのは, 突起部 3 1 6の形状を, 抜け止め形状と したものである。 すな わちこの形状では, 突起部 3 1 6の幅が, 奥の方ほど広く なつ ている。 このため, ピース部 3 0 3 が図 2 3 中下向きに引っ張 られても フ レーム部 3 0 2 の全体部分から抜け落ちるこ とがな い。 よって, 配置から接着完了までの間のハン ド リ ングにおい てさほど気を使わずに済む。
図 2 4 に示すのは, ピース部 3 0 3 とフ レーム部 3 0 2 の全 体部分との相互間での位置決めのためのヅメ 3 1 2 , 3 1 2 , 3 1 3 を突起部 3 1 6 に設けた形状である。 すなわちこの形状 では, ヅメ 3 1 2 , 3 1 2 が図 2 4 中横方向の位置決めを担当 し, ヅメ 3 1 3 が図 2 4中縦方向の位置決めを担当している。 これによ り , 図 1 9 に示したジグソ一多ピース基板において, 各ピース部 3 0 3 〜 3 0 6 間の位置関係の精度を, 通常の多ピ ース基板の場合と同程度に確保できる。 この形状ではまた, 突 起部 3 1 6 とフ レーム部 3 0 2の全体の側との間に隙間 3 1 4 が生じるので, 敢えて小孔 3 1 0 , 3 1 0のような形状を設け な くても接着剤を入れるスペースが確保される。 なおヅメ 3 1 2 , 3 1 2 , 3 1 3 は, 突起部 3 1 6の側に設ける代わ り にフ レーム部 3 0 2 の全体の側に設けてもよい。 また, 図 2 3のよ う な抜け止め形状と図 2 4のような位置決め形状とを兼ね備え た形状としてもよい。
以上詳細に説明したよう に本形態では, 多ピース基板 3 0 1 の製造において, あらかじめフ レーム部 3 0 2 を, ピース部 3 0 3 〜 3 0 6 とは別に製造してお く 。 また, 一般的な多ピース 基板の製造方法によ り最外層まで形成した多ピース基板から ピ
一ス部を切 り抜いて, その良品のみを集めて ピース部 3 0 3 〜 3 0 6 とする。 そ して, フ レーム部 3 0 2 の各空き地 3 1 1 に ピース部 3 0 3 ~ 3 0 6 を配置して継ぎ合わせて多ピース基板 3 0 1 とするのである。 よって, 良品のピース部のみを含む多 ピース基板が得られる。 そればか り でな く , フ レーム部 3 0 2 の材質 (後工程が許容すれば厚さ も ) を ピース部 3 0 3 ~ 3 0 6 とは別に決定できる。 このため, ピース部 3 0 3〜 3 0 6 の 肉厚が薄い場合であっても , フ レーム部 3 0 2 を幅広化する こ とな く , 多ピース基板 3 0 1 全体と しての強度を確保できる多 ピース基板およびその製造方法が提供されている。
また, フ レーム部 3 0 2 には各空き地 3 1 1 の縁辺に凹部 3 1 5 を設け, 各ピース部 , 3 0 3 〜 3 0 6 にはブリ ッジ 3 0 8 を 介して突起部 3 1 6 を設けている。 これによ り , 接合後の状態 において , 継ぎ目 3 0 9 がプリ ヅ ジ 3 0 8 ではな く フ レーム部 3 0 2 に存在する よう に している。 よって, ブリ ッジ 3 0 8 の 本来の強度が維持されてお り , かつ, 継ぎ目 3 0 9 も広い接合 面積によ り 十分な接合強度を有している。 これらのこ とによ り , 切 り貼 り した ピース部 3 0 3 が後工程でのハン ド リ ング上不 用意に脱落して しまう こ とのない多ピース基板およびその製造 方法が提供されている。 また, 後工程における実装ライ ンが変 更された場合でも , フ レーム部 3 0 2 のみそれに合わせた新た なものを作れば済む。
なお, 本形態は単なる例示にすぎず, 本発明を何ら限定する ものではない。 したがって本発明は当然に, その要旨を逸脱し ない範囲内で種々の改良, 変形が可能である。 例えば, 対象と する基板の層数やサイズ, 外形, 各層の材質等は何でも よい。
また, 例えば図 2 3 の抜け止め形状は, 図示のよ う な台形に限 らず, 円形など他の形状でも よい。 また, 図 2 0 , 図 2 3 にお いて, 継ぎ目 3 0 9 をジグザグ状とする こ とによ り , 接合面積 をよ り 多 く稼ぐ こ とができる。 また, 1 枚の多ピース基板中に 仕様の異なる ピース部を混載する こ とも容易にできる。 さ ら に , 基板によっては図 2 5 に示すよう に, ワークの全体サイ ズ中 に複数のフ レームがあ り , さ ら に各フ レーム中に複数のピース がある ものも ある。 このよ うなものにも本発明は適用可能であ る。 この場合, ピース ごとに切 り貼 り しても よい し, フ レーム ごと切 り 貼 り して も よい。
[第四の形態] ' 本形態に係る多ピース基板 4 0 1 は, 図 2 6 に示すよう にフ レーム部 4 0 2 と, ピース部 4 0 3 とを有している。 ピース部 4 0 3 と フ レーム部 4 0 2 との間には, ス リ ッ ト 4 0 7 が開け られている。 また, ピース部 4 0 3 をフ レーム部 4 0 2 に固定 する ブリ ッ ジ 4 0 8 が設けられている。 ピース部 4 0 3 は, パ 夕一ン加工を施した積層配線板である。 さ ら に, 多ピース基板 4 0 1 は, 当該基板の表面に接着シー ト 4 0 4 を設けている。 なお, 多ピース基板 4 0 1 の全体平面図 と しては, 前述の第三 の形態 (図 1 9 ) とほぼ同様のものである。
次に, 図 2 7 と して接着シー ト 4 0 4 を貼 り付けた多ピース 基板 4 0 1 の断面図を示す。 図 2 7 中, フ レーム部 4 0 2 と ピ —ス部 4 0 3 との一部が接着シー ト 4 0 4 に覆われている。 接 着シー ト 4 0 4 と しては, 例えば≡井金属社製の M R 5 0 0 が 使用可能である。 これによ り フ レーム部 4 0 2 と ピース部 4 0 3 との接合部の両面は, 接着シー ト 4 0 4 によ り接着され, し
つか り と固定されている。
多ピース基板 4 0 1 の接合部は, 例えば, 第三の形態に示 し たよ う な, フ レーム部 4 0 2 に凹部を設け, ピース部 4 0 3 の 突起部 と合わせる構造となっている。 本形態では, 接着シー ト 4 0 4 を当該接合部およびその接合箇所近傍を覆い隠すよう に 貼 り付けている。 これによ り , 多ピース基板 4 0 1 における接 合部は, フ レーム部 4 0 2 の凹部と ピース部 4 0 3 の突起部 と の継ぎ 目を接着剤等によ り接着したもの と比較して, 接合強度 がよ り強い。 ま た, 本形態では接着剤は必須ではない。 しか し , 接着剤を接合部に使用しても よい。 その場合は, 接着シー ト 4 0 4 の存在に よ り , 接合部からの接着剤の漏れによる基板同 士の接着が防止される。 接着シー ト 4 0 4 が接合部を覆ってい るからである。
また, 図 2 8 の多ピース基板 4 0 1 の断面図に示すよ う に, 接着シー ト 4 0 4の表面を銅箔 4 0 5 で覆って も よい。 これに よ り , 多ピース基板 4 0 1 の割れを軽減する こ とができる。 ま た, 樹脂フ ロ一を軽減するこ ともできる。
また, 図 2 9 の多ピース基板 4 0 1 の接合部の拡大図に示す よ う に, ピース部 4 0 3 には, フ レーム 4 0 2 に対する ピース 4 0 3 の位置や, ピース 4 0 3 に対する実装部品の位置を決定 するためのフ イ デュ一シャルパ ヅ ド 4 0 6 が印刷されている こ とがある。 このよう なピース部 4 0 3 を使用する場合には, フ イ デュ一シャルパヅ ド 4 0 6 を覆わない形状の接着シー ト 4 0 4 を用いる と よい。 接着シー ト 4 0 4が接合箇所全体を覆う と , フ イ デュ一シャルパ ッ ド 4 0 6 が隠れて しまい, 位置決めに 支障を来たすためである。
以上詳細に説明したよう に本形態では, 多ピース基板 4 0 1 において, あ ら かじめ突起部を有したピース部 4 0 3 とその突 起部に対応する凹部を有したフ レーム部 4 0 2 と を製造し, 組 み合わせてお く 。 次に, フ レーム部 4 0 2 と ピース部 4 0 3 と の接合部および該当箇所近傍を, 接着シー ト 4 0 4で覆う こ と と している。 これによ り , 多ピース基板 4 0 1 全体と しての強 度が高い多ピース基板が製造されている。
なお, 本形態は単なる例示にすぎず, 本発明を何ら限定する ものではない。 したがって本発明は当然に, その要旨を逸脱し ない範囲内で種々の改良, 変形が可能である。 例えば, 図 2 6 に示したものでは, 接着シー ト 4 0 4 が, ビース部 4 0 3 と, フ レーム部 4 0 2 と, ブリ ッ ジ 4 0 8 とを覆う こ と と したが, ピース部 4 0 3 の突起部およびフ レーム部 4 0 2 のみを覆う こ と と して も よい。 これによ り , ピース部 4 0 3 の本体部は, 接 着シー ト 4 0 4 に覆われる こ とな く , 接着シー ト 4 0 4 がピ一 ス部 4 0 3 に残って しま う不備が回避される。 産業上の利用可能性
以上の説明か ら明らかなよう に本発明によれば, ピース部の 切 り貼 り を行っても , 切り貼 り した ピース部と他の部分との間 のフ ラ ッ ト性を確保するこ とができ る と と も に, 継ぎ目部分の 強度の低下を防止する こ とができ, さ ら に, フ レーム部の材質 を, ピース部と無関係に定める こ とができる多ピース基板およ ぴそれらの製造方法が提供されている。