WO2002053951A1

WO2002053951A1 - Systeme de cames et dispositif de positionnement de cames

Info

Publication number: WO2002053951A1
Application number: PCT/JP2001/008880
Authority: WO
Inventors: Atsushi Ogasawara; Masao Yuuki; Shigeru Maniwa; Shohei Hayakawa
Original assignee: Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha; Hirata Technical Co.,Ltd.
Priority date: 2000-12-28
Filing date: 2001-10-10
Publication date: 2002-07-11
Also published as: TW494173B; EP1365174A1; BR0116572A; JP2002195385A; JP3820347B2; CN1612986A; EP1365174A4

Description

明細書力ム組立体および力ム位置決め装置技術分野

本発明は、金属製のカムに関連する技術に関し、特に、カム軸の周方向に所定角度互いに取付位相をずらせて 2つの板力ムを同軸に組み付けたカム組立体で、たとえば内燃機関の排気バルブや吸気バルブの開閉制御などに使用するのに適した、力ム組立体およびその力ム組立体に備えた板力ムを位置決めする力ム位置決め装置に関する。背景技術

従来、たとえば自動二輪車などの内燃機関には、図 1 2に示すように、回転手段として、カム軸 1上に 2つの板カム 2 · 2やギヤ 3を組み付けた金属製のカム組立体 4が一般に使用されている。このように内燃機関に使われるカム組立体 4 は、ともに輪郭を円弧カム形状に形成した板カム 2 · 2をカム軸 1の周方向に所定角度互いに取付位相をずらせて同軸に組み付けた構成になっている。

このようなカム組立体 4を組み立てる場合は、例えば各々打抜き加工した板力ム 2 · 2およびギヤ 3を、各々のシャフト揷通孔 5を揃えて位置決め保持し、特に板カム 2 · 2をカム軸の周方向に所定角度互いに取付位相をずらせて位置決めし、共通のシャフト揷通孔 5にカム軸 1を圧入して組み付けるようにしている。そして、内燃機関での使用時は、ギヤ 3に、図示省略するが、機関サイクルと同期して回転するクランク軸上のタイミングギヤが嚙み合ってカム軸 1を回転し、そのカム軸 1の回転に応じて板カム 2 · 2を回動し、それらと対応する排気弁または吸気弁の開閉制御を行うようになっている。

ところが、従来、そのようなカム組立体 4の組立時、板カム 2 · 2をカム軸 1 に対して所定角度互いに取付位相をずらせて位置決めするとき、板カム 2 · 2に位置ずれを生じ易く、カム間で所定の位相差が得られず、ずれたままカム軸 1が圧入されると、板カム 2 · 2のカム軸 1に対する組付精度が低下し、その結果、カム作動時に、バルブなど従節に対するカム面 2 aの当たりが不揃いになったり、当接位置がずれたりして作用精度が低下し、カムとしての耐久性を向上させることが困難であった。

そこで、本発明の目的は、上述のような従来の課題を解決し、カム組立体の組立時に、位相の異なる 2つの板カムをズレなく所定の位相差にて位置決め保持しカム軸に対する組付精度を向上させることにある。発明の開示

本発明は、上記目的を達成すべく、以下のように構成されている。すなわち、本発明は、第 1および第 2の金属製板カムに有するシャフト揷通孔にカム軸を圧入してカム組立体を組み立てるとき、前記第 1および第 2の板力ムを前記力ム軸の周方向に所定角度互いに取付位相をずらせて位置決め保持するカム位置決め装置であって、前記第 1の板カムの外形状に合わせてそれと略同一形状に穿設して底部に該板カムの着座面を形成した位置決め穴を設け、前記第 1の板カムを位置決め保持するとき、前記位置決め穴に該板カムを嵌め込んで着座面上に載置する第 1のカム位置決め治具と、前記第 2の板カムの外形状に合わせてそれと略同一形状に穿設して底部に該板カムの着座面を形成した位置決め穴を設け、前記第 2 の板力ムを位置決め保持するとき、前記位置決め穴に該板カムを嵌め込んで着座面上に載置する第 2のカム位置決め治具と、前記板カム間の位相差に合わせて所定角度向きを違えた相対位置に、互いの前記位置決め穴を配置して前記第 1および第 2の位置決め治具を固定する位置決め台とを備えてなることを特徴とする。したがって、本発明では、カム組立体の組立時に、第 1および第 2の板カムを、所定位相差の位置決め穴にそれぞれ嵌め込んでカム軸をシャフト挿通穴に圧入すると、両板カムは、互いの位相差分の所定角度、周方向に離隔したカム軸上の所定取付位相にて組み付けられる。このことによって、本発明は、第 1および第 2. の板カムは、ズレなく所定の位相差にてカム軸上で位置決め保持することができ、これにより、両板カムのカム軸に対する組付精度を著しく向上させることができる。その結果、カム作動時に、バルブなど従節に対するカム面の当たりが不揃いになったり、当接位置がずれたりするような事をなくして作用精度を向上させることができ、また、カムとしての耐久性を向上させることができる。

また、本発明のカム位置決め装置は、前記位置決め穴と、該位置決め穴に嵌め込んだ前記板力ムとの間の空気を前記着座面下方から空気通路を通して抜き出す真空装置と、前記位置決め穴と前記板カム間の真空度をそれぞれ検出し、その真空度から前記着座面に対する前記板力ムの密着度を確認する真空度検出装置とを備えてなることを特徴とする。したがって、第 1およぴ第 2の板カムを位置決め保持するとき、このようにそれぞれ位置決め治具の位置決め穴に嵌め込んで、該位置決め穴の着座面上に載置し、位置決め穴内で板カム間を真空引きし、そのとき得られる真空度から、着座面に対する板カムの密着度を確認することにより、板カムが傾くなど位置ズレの発生を防止してカム位置決めをより確実に行うことができる。

次に、本発明は、次のように構成して上記目的を達成することができる。すなわち、本発明は、第 1および第 2の金属製板カムに有するシャフト揷通孔にカム軸を圧入し、そのカム軸の周方向に所定角度互いに取付位相をずらせて前記第 1 および第 2の板カムを同軸に組み付けてなるカム組立体であって、前記第 1およぴ第 2の板カムを、それぞれ一側板面に凸部を設け、その真裏の他側板面に凹部を設けて形成するとともに、いずれか一方の板カム、たとえば第 1の板カムには、前記凹凸部を、該板カムの取付位相から他方の板カム、たとえば第 2の板カムとの位相差分だけ角度的に離隔した位置に設置し、前記両板カムを、互いの凹部と凸部の嵌め合いで連結して一体化してなることを特徴とする。したがって、本発明では、第 1および第 2の板カムを、互いの凹部と凸部を嵌め合わせて連結すると、両板カムは、所定の位相差だけ角度的に離隔した所定の相対位置に、予め位置決められて一体化される。このことにより、シャフト揷通穴にカム軸を圧入してカム組立体を組み立てるときに、第 1および第 2の板カムを、カム軸上でズレなく所定の位相差にて位置決め保持することができ、これにより、板カムのカム軸に対する組付精度を著しく向上させることができる。その結果、カム作動時、バルブなど従節に対するカム面の当たりが不揃いになったり、当接位置がずれたりするような事をなくして作用精度を向上させることができ、また、カムとしての耐久性を向上させることができる。次にまた、本発明は、以下のように構成して前記目的を達成することができる。すなわち、本発明は、第 1および第 2の金属製板カムに有するシャフト揷通孔にカム軸を圧入し、そのカム軸の周方向に所定角度、互いに取付位相をずらせて前記第 1および第 2の板カムを同軸に組み付けてなる力ム組立体であって、前記第 1および第 2の板カムを連結する連結板を備え、前記第 1および第 2の板カムには、それぞれ一側板面に凸部を設け、その真裏の他側板面に凹部を設けるとともに、前記連結板には、前記両板カムの位相差に合わせて角度的に互いに離隔した相対位置において、前記両板カムの前記凹凸部と嵌め合う凹凸部を設け、前記両板カムを、前記連結板を間に挟んで凹部と凸部の嵌め合いにより重ね合わせて一体化してなることを特徴とする。

したがって、本発明では、連結板の一側板面にて、第 1の板カムを互いの凸部と凹部を嵌めて重ね合わせ、他側板面にて、第 2の板カムを互いの凹部と凸部を嵌めて重ね合わせて連結すると、両板カムは、所定の位相差に合わせて角度的に離隔した所定の相対位置に、予め位置決めされて一体化される。このことにより、シャフト揷通穴にカム軸を圧入してカム組立体を組み立てるとき、第 1および第 2の板力ムを、力ム軸上でズレなく所定の位相差にて位置決め保持することができ、これにより、板カムのカム軸に対する組付精度を著しく向上させることができる。その結果、上述したと同様に、カム作動時、バルブなど従節に対するカム面の当たりが不揃いになったり、当接位置がずれたりするような事をなくして作用精度を向上させることができ、また、カムとしての耐久性を向上させることができる。図面の簡単な説明

図 1は、本発明によるカム位置決め装置に備えるカム位置決め治具の配置構成を説明する概略平面図である。

図 2は、カム位置決め治具の構成を示す部分縦断面図である。

図 3は、カム位置決め治具の外観斜視図である。

図 4は、力ム組立体の組立設備に備えたギヤ組立装置の部分縦断面図である。図 5 ( 5 A) は、板カムの正面図、（5 B ) は、板カムの側断面図である。図 6は、組立設備で組み立てる力ム組立体の斜視図である。

図 7は、組立設備の概略構成を示す斜視図である。

図 8は、連結状態の第 1および第 2の板力ムを示す正面図である。

図 9は、図 8中線 X— Xに沿って得た縦断面図である。

図 1 0は、連結板で連結した第 1および第 2の板カムを示す正面図である。図 1 1は、図 1 0中線 Y— Yに沿って得た縦断面図である

図 1 2は、カム軸上に位相の異なる 2つの板カムを組み付けた従来のカム組立体を示す斜視図である。発明を実施するための最良の形態

以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について更に詳細に説明する。図 7に、本発明のカム位置決め装置を備える組立設備を示す。この組立設備は、完成品として、たとえば図 6に示すカム組立体 Cを組み立てる手段である。

カム組立体 Cは、たとえば自動二輪車用内燃機関で使われる金属製の回転手段で、第 1および第 2の板カム 1 0 · 1 1を、カム軸 1 2の周方向に所定角度互いに取付位相をずらせてカム軸 1 2上に組み付け、同様にギヤ 1 3を 1つ組み付けて構成されている。特に、板カム 1 0 · 1 1は、たとえばファインブランキング (精密打抜き）法を使用して打抜き成形されたもので、図 5 A、 5 Bでも示すが、シャフト揷通孔 2 2から一方向外向きに延在部 1 4を有する円弧カム形状をなし、一側板面に円柱状の凸部 1 4 aを設け、その凸部 1 4 aの真裏で他側板面に円柱状の凹部 1 4 bを設けてなる。使用時は、ギヤ 1 3に、機関サイクルと同期して回転するクランク軸上のタイミングギヤが嚙み合ってカム軸 1 2を回転し、そのカム軸 1 2の回転に応じて板カム 1 0 · 1 1を回動し、それらと対応する排気弁または吸気弁の開閉制御を行う。

さて、このカム組立体の組立設備は、図 7に示すように、縦長に構成した設備本体 1 5を備える。設備本体 1 5は、下部側に組付台 1 6を備え、上部側にギヤ組立装置 1 7を備える。ギヤ組立装置 1 7は、プレス（望ましくは油圧式）を備え、図 4でも示すように、そのプレスから垂下するプレスラム 1 8下端に、ロードセル 1 9を介してギヤ位置決め治具 2 0を取り付けてなる。ギヤ位置決め治具 2 0は、短円柱状をなし、下面中央部に、上記ギヤ 1 3と略同径の円盤形状にあけた位置決め凹部 2 0 aを設けるとともに、位置決め凹部 2 0 aの中心に、シャフト逃げ穴 2 0 bを穿設してなる。位置決め凹部 2 0 aには、図 4中上面にギヤ 1 3の板面と整合する着座面 2 0 cを形成するとともに、図示省略したが、内周壁の一部にギヤ 1 3の歯部が嚙み合う位置決め用の歯形部を突設してなる。そして、位置決め凹部 2 0 aに空気通路 2 1を設け、その空気通路 2 1に図外の連結部材を介して真空ポンプのような真空装置（図示省略）を接続してなる。

組付台 1 6上には、図 7に示すように、上側に水平ガイド盤 2 3が固設されている。そして、水平ガイド盤 2 3に備えるガイドレール上に位置決め台 2 6を係合し、位置決め台 2 6上に第 1および第 2のカム位置決め治具 2 4 · 2 5を搭載し、本発明でいうカム位置決め装置 Aを構成している。図示例において、カム位置決め装置 Aは、カム位置決め治具 2 4 · 2 5とともにシャフト保持具 2 7を並設し、同じ位置決め台 2 6上に固定している。

シャフト保治具 2 7は、中心に、カム軸 1 2を鉛直方向に立てて保持するシャフト位置決め手段である。水平ガイド盤 2 3は、その端部に駆動モータ 2 8を備え、該駆動モータ 2 8で位置決め台 2 6を図中左右に往復動し、カム位置決め治具 2 4 · 2 5と、シャフト保持具 2 7を、適宜選択的にギヤ位置決め治具 2 0の真下で、所定位置に割り出して位置決めするように構成されている。

カム位置決め治具 2 4 · 2 5は、図 3に示すように、下部に環状鍔部 2 9 aを有する短円柱状の取付台 2 9を備え、取付台 2 9上に円盤状の位置決めガバリ 3 0を取り付けてなる。位置決めガバリ 3 0は、上面中央部に、円形凹部 3 0 aを設け、さらに該円形凹部 3 0 aの中心で板厚方向に貫通する位置決め穴 3 1を穿設している。位置決め穴 3 1は、上記円弧カム形状の板カム 1 0 · 1 1に合わせてそれと略同一形状に穿設し、取付台 2 9上面の一部をなす円弧カム形状の着座面 Sが外部に臨むように形成されている。

取付台 2 9は、位置決め穴 3 1の下方のカム軸 1 2揷通位置で貫通するシャフト逃げ穴 2 9 aを穿設し、その横の板カム 1 0 · 1 1の前記凹凸部位置で貫通する空気通路 3 2を穿設している。空気通路 3 2は、その入口の上端開口部を、図 2に示すように板カム 1 0 · 1 1の凸部 1 4 a形状に合わせて、やや拡径な円筒状に形成し、そこに位置決め用の係合凹部 2 9 bを形成している。

ところで、カム位置決め装置 Aにおいて、上記カム位置決め治具 2 4 · 2 5は、図 1に示すように、互いの位置決め穴 3 1が前記板カム 1 0 · 1 1の位相差に合わせて所定角度 α向きを違えた相対位置に配置される取付部位にて、位置決め台 2 6上に固定してなる。

さらに、カム位置決め治具 2 4 . 2 5は、図 2に示すように、空気通路 3 2の下端開口を、図外の連結部材を介して真空ポンプのような真空装置 Ρに接続し、空気通路 3 2を通して位置決めガバリ 3 0と板カム 1 0 · 1 1間をそれぞれ真空引きすることができるようにしている。また、真空計のような真空度検出装置 τ を備え、真空引きしたときに位置決めガバリ 3 0と板カム 1 0 · 1 1間の真空度をそれぞれ検出できるように構成している。

さて、上述した組立設備を用いてカム組立体 Cを組み立てる場合は、図 4に示すように、ギヤ 1 3を位置決め凹部 2 0 aに嵌め込んでセットする。このギヤ 1 3のセットを、たとえば図外の適宜センサで検知すると、ギヤ組立装置 1 7の上記真空装置を作動し、空気通路 2 1を通して位置決め凹部 2 0 aとギヤ 1 3との間の空気を抜き出し、このときの真空圧でギヤ 1 3を着座面 2 0 cに吸着して落下しないように保持する。

そのようにギヤ 1 3を真空引きするときは、位置決め凹部 2 0 aとギヤ 1 3間の真空度を、たとえば図外の真空度検出装置で検出し、その検出した真空度から、位置決め凹部 2 0 aの着座面 2 0 cに対するギヤ 1 3の密着度を確認する。この場合、所定の真空度が得られたときは、そのままギヤ 1 3を位置決め凹部 2 0 a に保持する。所定の真空度が得られないときは、ギヤ 1 3の傾き等を正して所定位置にセットし直す。

一方、カム軸 1 2は、シャフト保持具 2 7で鉛直に立てて位置決めセットする。他方、板カム 1 0 · 1 1は、それぞれカム位置決め装置 2 4 · 2 5により位置决め保持する。

第 1の板カム 1 0を位置決め保持するときは、図 2に示すように、凸部 1 4 a を下向きの状態で第 1の板カム 1 0を位置決めガバリ 3 0の位置決め穴 3 1に嵌め込んで、凸部 1 4 aを位置決め係合凹部 2 9 bに係合し、着座面 S上に載置してセットする。

次いで、第 1の板カム 1 0のセットを、たとえば図外の適宜センサで検知すると、真空装置 Pを作動し、空気通路 3 2を通して位置決めガバリ 3 0と板カム 1 0間の空気を抜き出し、このときの真空圧で板カム 1 0を着座面 Sに吸着して保持する。そのように板カム 1 0を真空引きするとき、位置決めガバリ 3 0と板力ム 1 0間の真空度を真空度検出装置 Tで検出し、その検出した真空度から、位置決めガバリ 3 0の着座面 Sに対する板カム 1 0の密着度合いを確認する。この場合、所定の真空度が得られたときは、そのまま板カム 1 0を位置決め穴 3 1内で保持する。所定の真空度が得られないときは、板カム 1 0の傾きなどを正して所定位置にセットし直す。なお、本発明では、たとえば板カム ·ギヤと位置決めガバリ間に圧縮空気を送り込み、その間を負圧状態にする構成によっても、位置決めガバリの着座面に対する板カム等の密着度合いを確認することもできる。

一方、第 2の板カム 1 1を位置決め保持する場合も、同様に、該板カム 1 1を、第 2のカム位置決め治具 2 5の位置決め穴 3 1に嵌め込んで着座面 S上に載置してから、真空装置 Pで真空引きを行い、位置決めガバリ 3 0の着座面 Sに対する板カム 1 1の密着度を確認して所定位置にセットする。すると、本発明による力ム位置決め装置 Aでは、第 1および第 2の板カム 1 0 · 1 1力 S、カム軸 1 2上における所定の位相差に合わせて、図 1に示すように、角度ひ周方向に取付位相を互いにずらせた相対位置に位置決め保持される。

こうしてギヤ 1 3、カム軸 1 2および板カム 1 0 · 1 1をそれぞれ位置決め保持して後、駆動モータ 2 8を作動して位置決め台 2 6を移動し、まず、シャフト保持具 2 7をギヤ位置決めガバリ 2 0の真下の組付位置に案内し、カム軸 1 2と、ギヤ 1 3のシャフト逃げ穴 2 0 bの中心を合わせる。

次いで、ギヤ組立装置 1 7の油圧式プレスを作動し、プレスラム 1 8を、図 7 の待機位置から所定高さ下降し、図 4に示すように、ギヤ 1 3のシャフト揷通穴 1 3 aにカム軸 1 2を圧入し、ギヤ 1 3をカム軸 1 2上の所定長さ位置に組み付ける。

しかる後、プレスラム 1 8を待機位置に戻す一方、再び位置決め台 2 6を移動し、今度は、第 1のカム位置決め治具 2 4を、ギヤ位置決めガバリ 2 0の真下の組付位置に案内し、カム軸 1 2と第 1板カム 1 0のシャフト揷通孔 2 2の中心を合わせる。

そして、再びプレスラム 1 8を所定高さ下降し、第 1の板カム 1 0のシャフト挿通穴 2 2にカム軸 1 2を圧入し、該板カム 1 0をカム軸 1 2上の所定長さ位置に組み付ける。一方、第 2の板カム 1 1についても、同様に、ギヤ位置決めガバリ 2 0の真下の組付位置でカム軸 1 2を圧入する。すると、第 2の板カムは、力ム軸 1 2上の所定長さ位置において、第 1の板カム 1 0に対し角度ひ周方向にずらせた所定角度位置に組み付けられる。

なお、上述した板カム 1 0 · 1 1は、両板面に凸部 1 4 aと凹部 1 4 bを設けて成形したカムであつたが、図示例では、板面にそのような凹凸のないフラットな板カムを用いる場合を除外するものではない。

さて、以上には、カム位置決め装置 2 4 . 2 5を用いて、第 1および第 2の板カム 1 0 · 1 1をカム軸 1 2の周方向に所定角度 ct互いに取付位相をずらせて位置決めする例を示した。しかし、本発明は、カム組立体 Cにおいて、第 1および第 2の板カム 1 0 · 1 1を以下の如く構成することにより、それら板カムを互いに所定の位相差 αをあけた相対位置に位置決めすることもできる。

この図示実施の形態では、まず、第 2の板カム 1 1の構成から説明すると、該板カム 1 1は、たとえばファインプランキング法を使用して打抜き成形し、図 5 Α、 5 Βに示したものと同様に、シャフト揷通孔 2 2から一方向外向きに延在部 1 4を有する円弧カム形状に形成し、一側板面に凸部 1 4 aを設け、その凸部 1 4 aの真裏で他側板面に凹部 1 4 bを設けてなる。

一方、第 1の板カム 1 0は、第 2の板カム 1 1と同様に打抜き成形するが、たとえば図 8および図 9に示すように、シャフト揷通孔 2 2が穿設される円弧カム形状のカム本体部 1 0 aと、シャフト揷通孔 2 2から横向きに延出する同じ板状の連結突部 1 0 bとで形成してなる。

連結突部 1 0 bは、第 2の板力ム 1 1より若干突出長さが短く、その延在部 1 4の外形状に合わせて外縁を丸く形成する。しかも、連結突部 1 0 bには、第 1 の板カム 1 0の取付位相から、第 2の板カム 1 1との位相差（角度 ο; ) 分だけ角度的に離隔させた位置において、一側板面に凸部 1 0 cを設け、凸部 1 0 cの真裏で他側板面に凹部 1 0 dを設けて形成してなる。

第 1および第 2の板カム 1 0 . 1 1は、この連結突部 1 0 bにて重ね合わせ、互いの凹部 1 0 dと凸部 1 4 aを嵌め合わせて連結し、一体化してなる。これによって、両板カム 1 0 · 1 1は、この凹部 1 0 dと凸部 1 4 aの嵌め合いで規制し合い、互レヽに位相差 αだけ角度的に離隔した所定の取付位相に位置決められる。したがって、図示例では、カム組立体 Cの組立時に、図示省略するが、たとえばカム軸 1 2を圧入してギヤ 1 3を,組み付けて後、上記構成の一体カム 1 0 · 1 1を、適宜の位置決め治具を用いて位置決め支持し、シャフト揷通孔 2 2にカム軸 1 2を圧入すると、所定角度 α分だけ位相をずらせた所定の相対位置にてカム軸 1 2上に組み付けられる。

なお、この図示例では、第 2の板カム 1 1に対し、第 1の板カム 1 0の側に連結突部 1 0 bを形成し、そこに凹凸部 1 0 d · 1 0 cを設けた変形カム形状としたが、本発明では、反対に、第 1の板カム 1 0に対して第 2の板カム 1 0の側を同様な変形カム形状に形成する構成にすることもできる。

また、本発明は、カム組立体 Cにおいて、次のような構成にすることにより、第 1および第 2の板カム 1 0 · 1 1を互いに所定の位相差 αをあけた取付位相に位置決めすることもできる。

この図示実施の形態では、カム立体 Cにおいて、第 1および第 2の板カム 1 0 · 1 1は、同様にファインブランキング法を使用して打抜き成形し、ともに図 5 A、 5 Bに示したものと同一の円弧カム形状に形成し、一側板面に凸部 1 4 a を設け、凸部 1 4 aの真裏で他側板面に凹部 1 4 bを設けて形成してなる。さらに、これら板カム 1 0 · 1 1間には、図 1 0および図 1 1に示すように連結板 3 5を配置し、該連結板 3 5で両板カム 1 0 · 1 1を一体に連結する構成になってレヽる。

連結板 3 5は、同様にファインプランキング法を使用して打抜き成形し、第 1 および第 2の板カム 1 0 · 1 1と同じシャフト挿通孔 2 2を設け、該シャフト揷通孔 2 2から分岐して外向きに突出する板片部 3 6 · 3 7を設けて形成してなる。板片部 3 6 · 3 7は、それぞれ第 1および第 2の板カム 1 0 · 1 1より若干突出長さが短く、延在部 1 4の外形状に合わせて外縁を丸く形成してなる。さらに、板片部 3 6 · 3 7には、両板カム 1 0 · 1 1の位相差 _αに合わせて角度的に離隔させた相対位置において、たとえば凸部 3 6 aと穴状凹部 3 7 aを設ける。凸部 3 6 aの真裏には、凹部 3 6 bを設けて形成してなる。

かかる形状の連結板 3 5は、一方の板片部 3 6にて、第 1の板カム 1 0を互いの凸部 3 6 aと凹部 1 4 bを嵌めて重ね合わせ、他方の板片部 3 7にて、第 2の板カム 1 1を互いの凹部 3 7 aと凸部 1 4 aを嵌めて重ね合わせて、両板カム 1 0 · 1 1を連結して一体化してなる。これによつて、両板カム 1 0 · 1 1は、それぞれ連結板 3 5との凹凸の嵌め合いで規制され、互いに位相差ひだけ角度的に離隔した所定の取付位相に位置決められる。

したがって、図示例では、カム組立体 Cの組立時に、上記したと同様、カム軸 1 2を圧入してギヤ 1 3を組み付けて後、上記構成の一体カム 1 0 · 1 1は、シャフト揷通孔 2 2にカム軸 1 2を圧入すると、所定角度ひだけ位相をずらせた所定の相対位置で力ム軸 1 2上に組み付けられる。

なお、上述した凹凸部 1 4 b · 1 4 aなどは、いずれも円柱状であつたが、角柱状など他の適宜形状であつてもよい。

以上には、自動二輪車用内燃機関で使用される力ム組立体 Cを組み立てる例を示したが、本発明は、内燃機関以外に用いられるカム組立体を組み立てる場合にも広く適用することができるのは、勿論である。また、本発明は、板カムを 2つ用いる例を示したが、 2つ以上の板カムを用いる場合にも適用できるのは当然である。産業上の利用可能性

以上のように、本発明は、自動二輪車などの各種内燃機関に使われる金属製のカム組立体として有用であり、また、そのカム組立体に備える板カムを、取付位相をずらせて位置決めするカム位置決め装置として有用であり、さらには、内燃機関以外に使われるカム組立体としても有用であり、また、そのカム組立体の板力ムを取付位相をずらせて位置決めする力ム位置決め装置としても有用である。

Claims

請求の範囲

1 . 第 1および第 2の金属製板カムに有するシャフト揷通孔にカム軸を圧入して力ム組立体を組み立てるとき、前記第 1およぴ第 2の板力ムを前記力ム軸の周方向に所定角度互いに取付位相をずらせて位置決め保持するカム位置決め装置であつて、

前記第 1の板カムの外形状に合わせてそれと略同一形状に穿設して底部に該板カムの着座面を形成した位置決め穴を設け、前記第 1の板カムを位置決め保持するとき、前記位置決め穴に該板カムを嵌め込んで着座面上に載置する第 1のカム位置決め治具と、

前記第 2の板カムの外形状に合わせてそれと略同一形状に穿設して底部に該板カムの着座面を形成した位置決め穴を設け、前記第 2の板カムを位置決め保持するとき、前記位置決め穴に該板カムを嵌め込んで着座面上に载置する第 2のカム位置決め治具と、

前記板カム間の位相差に合わせて所定角度向きを違えた相対位置に、互いの前記位置決め穴を配置して前記第 1および第 2の位置決め治具を固定する位置決め台と、

を備えてなることを特徴とする力ム位置決め装置。

2 . 前記位置決め穴と、該位置決め穴に嵌め込んだ前記板カムとの間の空気を前記着座面下方から空気通路を通して抜き出す真空装置と、

前記位置決め穴と前記板カム間の真空度をそれぞれ検出し、その真空度から前記着座面に対する前記板力ムの密着度を確認する真空度検出装置と、

を備えてなることを特徴とする請求項 1に記載の力ム位置決め装置。

3 . 第 1および第 2の金属製板カムに有するシャフト揷通孔にカム軸を圧入し、そのカム軸の周方向に所定角度互いに取付位相をずらせて前記第 1および第 2の板カムを同軸に組み付けてなる力ム組立体であって、

前記第 1および第 2の板カムを、それぞれ一側板面に凸部を設け、その真裏の他側板面に凹部を設けて形成するとともに、いずれか一方の板カムには、前記凹凸部を、該板カムの取付位相から他方の板力ムとの位相差分だけ角度的に離隔した位置に設置し、前記両板カムを、互いの凹部と凸部の嵌め合いで連結して一体化してなることを特徴とする力ム組立体。

4 . 第 1および第 2の金属製板カムに有するシャフト揷通孔にカム軸を圧入し、そのカム軸の周方向に所定角度互いに取付位相をずらせて前記第 1および第 2の板カムを同軸に組み付けてなる力ム組立体であって、

前記第 1および第 2の板カムを連結する連結板を備え、

前記第 1およぴ第 2の板カムには、それぞれ一側板面に凸部を設け、その真裏の他側板面に凹部を設けるとともに、前記連結板には、前記両板カムの位相差に合わせて角度的に互いに離隔した相対位置において、前記両板カムの前記凹凸部と嵌め合う凹 ώ部を設け、前記両板カムを、前記連結板を間に挾んで凹部と凸部の嵌め合レ、により重ね合わせて一体化してなることを特徴とする力ム組立体。

補正書の請求の範囲

[2002年 3月 11日（11. 03. 02) 国際事務局受理：出願当初の請求の範囲 1-2は補正された；他の請求の範囲は変更なし。（1頁） ]

1 . (補正後）第 1および第 2の金属製板カムに有するシャフト揷通孔にカム軸を圧入してカム組立体を組み立てるとき、前記第 1および第 2の板力ムを前記力ム軸の周方向に所定角度互いに取付位相をずらせて位置決め保持するカム位置決め装置であって、

前記第 1の板カムの外形状に合わせてそれと略同一形状に穿設して底部に該板 , カムの着座面を形成した位置決め穴を設け、前記第 1の板カムを位置決め保持するとき、前記位置決め穴に該板カムを嵌め込んで着座面上に載置する第 1のカム位置決め治具と、

前記位置決め穴と、該位置決め穴に嵌め込んだ前記板カムとの間の空気を前記着座面下方から空気通路を通して抜き出す真空装置と、

を備えてなることを特徴とする力ム位置決め装置。.

2 . (補正後）前記第 1および第 2の板カムを、それぞれ一側板面に凸部を設け、その真裏の他側板面に凹部を設けて形成する一方、前記第 1および第 2の板カムが嵌め込まれる前記位置決め穴の前記着座面に、それぞれ前記第 1および第 2の板カムの前記凸部が係合する係合凹部を設けるとともに、該係合凹部を、その下面にて前記空気通路と連通させて形成してなることを特徴とする請求項 1に記載のカム位置決め装置。

3 . 第 1およぴ第 2の金属製板カムに有するシャフト揷通孔にカム軸を圧入し、

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補正された ^銃 (条約篛糊条約 1 9条に基づく説明書請求範囲第 1項は、カム位置決め装置に、引用例にない真空装置と真空度検出装置を備えることを明確にした。

本発明は、第 1および第 2の板カムを各々位置決め穴内に嵌め込んだとき、その着座面に対する密着度を、真空装置と真空度検出装置を用いて確認し、'位置ズレなく確実に板カム相互の位置決めが行える効果を得たものである。

請求範囲第 2項は、補正後の第 1項による効果を更に高めるために、第 1および第 2の板カムには、各板面の表裏に凹 ώ部を設ける一方、位置決め穴内の着座面には、特に凸部を係合させる係合凹部を設け、係合凹部をその下面にて真空ポンプへ通ずる空気通路と連通させる構成にしたことを明確にした。