WO2002002348A1 - Procede de formation d'images - Google Patents

Description

明 細 書 画像形成方法 技術分野

本発明は表面に樹脂層を有するフィルム製品へカラ一画像を付与する技術 に関する。 さらに詳しく言えば、 転写紙に印刷したカラー画像を樹脂層を有 するフィルム製品へ熱転写して転写画像を得る従来の方法に比べて、 より簡 便に鮮明で光沢性のある画像を形成する方法に関する。 背景技術

従来、 予め転写紙に印刷したカラ一画像を熱転写する昇華熱転写染色法が 知られている。 これは、 色材として昇華性染料を含有する昇華インクを用い て画像状にインクジエツト印刷した転写紙とポリエステル布帛とを密着させ て加圧しながら、 大気圧下で 1 9 0〜2 0 0 °C程度の温度で 3 0〜6 0秒間 加熱して昇華牲染料を蒸発させてポリエステル布帛を染色する方法である。 また、 この発展形態として、 ロール形態や枚葉形態のポリエステルフィル ムゃポリ力一ポネートフィルムなどの耐熱性のあるフィルム製品や、 より汎 用的なフィルム製品上に架橋タイプのクリァ一樹脂層を積層したフィルム製 品に対して前記転写紙を真空密着させ、 1 5 0〜1 7 0 °C程度の温度で 2分 〜 5分間程度加熱して表層のクリァー樹脂を染色する方法も行われている。 これらについては、 事前に裏面に粘着加工を施したものとして提供されてい るケースも多い。

前記ポリエステル布帛への昇華熱転写染色法は、 インク溶媒と一体化した 昇華性染料を転写紙に浸透乾燥させ、 凝集して存在している昇華性染料を加 熱により蒸発させて、 加圧により密着度の高まったポリエステル布帛との接 触面およびその近傍に到達させ、 さらにポリエステル繊維中へも拡散させて 染色するものである。 このようなポリエステル布帛に染色する場合には、 3 0 0 g Z c m²程度の加圧と、 1 9 0 °C程度以上の高温を必須とする。 これは 布帛が繊り構造のため大量の空気を内包した断熱体となっているので内包空 気を排除して布帛の軽写紙との接触面の温度を実質的に上げる必要があるた め、 および加圧によっても転写紙と接触できていない部分にまで昇華牲染料 を到達させるために、 昇華牲染料を高温化させてガス状態にする必要がある ためである。 さらに、 ポリエステル繊維の場合、 紡糸プロセスにおける配向 で結晶度が上がって染料が拡散しにくくなつており、 より大きなエネルギー を必要とするためでもある。

また、 前記耐熱性フィルム製品への昇華熱転写染色法においては、 加圧し て転写紙とフィルム製品との密着度を上げた場合、 同時に加わる熱の作用も あってフィルム製品が軟化状態となっており、 転写紙の粗面のテクスチャー がフィルム製品表面にエンボス模様として転写されてしまい、 フィルム製品 表面が当初保持している光沢が大きく損なわれ光沢のある鮮明な転写画像が 得られなくなるため、 せいぜい真空密着レベルの加圧で熱転写が行われてい る。 しかし、 それでも、 当初のフィルム製品が保持していた光沢を維持する ことは不可能である。 このように耐熱性の高いフィルム製品の場合において も、 完璧に熱転写を行うことはできない。 まして耐熱性の低いフィルム製品 については、 光沢面が得られないという問題以外に、 転写紙とフィルム製品 とが接着してしまう問題があるため昇華熱転写染色法は到底実施することが できない。

従って、 本発明の第 1の課題は、 昇華インクを用いたインクジェットプリ ンタを使用して、 表面に樹脂層を有する任意のフィルム製品に、 そのフィル ム表面の当初の高光沢を保持したフル力ラー画像を付与することができる画 像形成方法を提供することにある。 一方、 昇華熱転写染色法で使用されるフィルム製品としてはロール状に巻 き取られる製品だけでなく、 I Dカードや写真のように用途分野においてス タンダード化されたサイズにカットしたもの、 定形用紙サイズ （八4ゃ八3 など） にカットしたものなど、 枚葉で利用されるものも多い。 これらの場合 においては、 一旦転写紙にインクジェット印刷して、 これを枚葉のフィルム 製品と精密に位置合わせして密着させ加熱する。 この方法では 1枚ごとに精 密な位置合わせ作業を必要とするので、 枚数が多い場合には大変な手間を要 する。 また、 転写紙は常温での吸湿のレベルによって、 転写後の加熱工程で 縦横サイズが数％以上変動するため熱転写後のフィルム製品の画像サイズを 所定のサイズに精密に維持することができないという問題もある。

従って、 本発明の第 2の課題は、 昇華性染料を含有するインクを用いたィ ンクジェットプリンタを使用して、 大量の所定サイズの枚葉形態のフィルム 製品に、 簡便で安価に所定のフルカラー画像を付与する画像形成方法を提供 することにある。 発明の開示

前記課題に鑑み、 鋭意検討した結果、 本発明者はカラー画像を形成するフ イルム製品の上に予めインクジエツト受容層を積層しておいて、 このインク ジエツト受容層の上にインクジエツト法により昇華インクでカラ一印刷した 後加熱することより、 印刷画像がインクジェット受容層を通りフィルム製品 の表面、 さらには一部はフィルム製品の内部に拡散し、 その後インクジエツ ト受容層をフィルム層として剥離することにより、 インクジエツト受容層に 描かれた画像がフィルム製品上に光沢のある鮮明な転写画像として移行する ことを見出し、 本発明を完成した。

すなわち、 本発明は以下の画像形成方法を提供するものである。

1 . 樹脂製のフィルム、 または表面に樹脂層を有する支持体上に ット受容層を設けてなる積層フィルムのインクジエツト受容層上に、 昇華牲 または蒸発性染料を含有するインクを用いてインクジエツト印刷した後、 印 刷画像を有するインクジエツト受容層を加熱して、 印刷画像を前記樹脂製フ イルムまたは支持体上の表面樹脂層に移行せしめ、 次いでインクジエツト受 容層をフィルム層として剥離することを特徴とする画像形成方法。

2 . 前記樹脂製フィルムまたは支持体上の表面樹脂層の樹脂として、 昇華性 染料に対して親和性のある樹脂と、 その上の昇華性染料に対して非親和性の 樹脂からなる積層樹脂を使用する前項 1に記載の画像形成方法。

3 . 前記昇華性染料に対して非親和性の樹脂が、 フッ素系樹脂、 シリコーン 系樹脂またはォレフィン系樹脂である前項 2に記載の画像形成方法。

4 . 前記樹脂製フィルムまたは支持体上の表面樹脂層の上に潤滑剤、 離型剤 またはブロッキング防止剤をコーティングし、 その上にインクジエツト受容 層を設けてなる積層フィルムを使用する前項 1に記載の画像形成方法。

5 . 加熱を非接触方式にて行う前項 1に記載の画像形成方法。 発明の詳細な説明

昇華熱転写染色法で使用される昇華性染料は、 一般に分子量が 3 0 0程度 以下と小さいため、 蒸発温度に達しなくても、 分子的拡散プロセスにより樹 脂内部に拡散していく性質がある。 この現象は拡散しやすい、 しにくいのレ ベルの差はあるにしても樹脂一般に対して共通に認められる現象である。 前 述の耐熱性樹脂フィルムへの昇華熱転写染色法が、 一般的な染料の蒸発温度 以下である 1 5 0 °C程度で効率よく実施できるのは、 この性質に基づく分子 の拡散作用が関与しているためと考えられる。

このことは、 現行の転写紙を使用する昇華熱転写染色法におけるように転 写紙粗面とフィルム製品とを物理的に重ね合わせて接触させずとも、 異なつ た樹脂材料を予め連続層とて積層した構造であれば、 分子的拡散により比較 的低温で効率的に昇華牲染料を積層接触面を越えて拡散させることができる ことを意味している。 すなわち、 転写紙を用いることなく、 フィルム製品上 に、 水溶性の樹脂を主成分とするインクジエツト受容層を積層した構造のィ ンク受容フィルムを作成し、 昇華インクでその上にダイレクトに印刷する方 式にすれば実現できることを意味する。

一般に、 インクジエツト印刷のためのインクジエツト受容層として積層さ れる樹脂層の厚みは、 2 0 z/ m程度以下と極めて薄いので、 昇華牲染料は周 辺部に滲むことなく、 ベースの樹脂層にスムーズに拡散して行ける。 しかも、 昇華性染料に対して親和性が少ない水溶性樹脂には、 加熱した時その中に昇 華性染料は残留せずに大部分が目的とするフィルム製品に拡散するので好都 合である。

フィルム製品のインクジエツト受容層上にインクジエツト印刷した時点で は、 インク （昇華性染料） はインクジェ 'ット受容層の深部にまで浸透し、 ベ —ス樹脂層との界面、 もしくはその近傍に達した状態になっている。 この状 態で加熱を行うと、 昇華性染料はインクジェット受容層を構成する榭脂、 お よび連続接蝕している樹脂層の表面から内部に均一に分子が拡散して移行し て行く。 ここで重要なことは、 インクジェット受容層とフィルム製品とはコ 一ティングにより均一に接触しているので、 加圧の必要が全くないことであ る。 フィルム製品の材料特性や熱容量などにも依存するが、 恒温室に放置す る非接触の加熱方式をとつた場合、 2 0 0 °Cでは 1分間程度、 1 6 0 °Cでは 2〜 5分程度で染色は完了する。

次いで、 インクジエツト受容層をフィルム製品よりフィルム層として剥離 することにより表面に画像が形成されたされたフィルム製品が得られる。 本発明の方法によれば、 現行の転写紙による昇華熱転写染色法のように加 熱により軟化しているフィルム製品表面に圧力が加わることなく染色が行わ れるので、 フィルム製品表面の当初の光沢が損なわれず、 光沢のある鮮明な 画像が得られる。

本発明の方法で染色を施すフィルム製品は特に限定されるものではない。 金属、 紙、 木材など任意のフィルム状基材の上に樹脂層を積層したものにつ いても同様に処理することにより、 それぞれ光沢のある鮮明な画像を得るこ とができる。

前述のように、 本発明の方式では、 転写紙を使用するという概念がないた め、 従来の昇華熱転写染色法で必須の加圧を必要としない。 そのため、 転写 面積全面に一定の圧力をかけるため必要であった従来型の大仕掛けな熱転写 機は必要としない。

フィルム製品上に積層されたインクジエツト受容層に昇華インクで直接印 刷した後、 昇華性染料を、 インクジェット受容層からフィルム製品に拡散移 行させるための加熱は、 一定量の熱が均一に加えられるものであればいずれ の加熱方式をも採用できる。

製品品質面およびコスト面から見て、 例えば恒温室に一定時間放置する方 式や、 恒温室を印刷済みフィルムを一定のスピードで通過させる方式が好ま しい。 後者の方式では、 インクジェットプリンタから連続的に出力されてく るフィルムを、 それと同期してこの加熱装置内を通過させるという、 インク ジエツトプリン夕と一体化した装置も可能である。

本発明の方法では、 転写紙とフィルム製品との精密な位置合わせ作業がな いので、 加熱工程において殆ど人手を要しない。 枚葉形態のフィルム製品の 場合でも、 全工程を自動化ラインとして設計することが可能である。

また、 印刷後の画像が、 フィルム製品と一時的に一体化しているインクジ エツト受容層に形成された画像が、 加熱工程でそのまま下部のフィルム製品 の表層に拡散移行するので、 雰囲気の湿度の影響を受けずに常に所定サイズ の画像を得ることができる。

なお、 フィルム製品表面の光沢に拘らなければ、 加熱方式は非接触に限ら れない。 本発明の方式は、 従来の印刷済み転写紙とこれに重ね合わせるフィ ルム製品が最初から一体化しているものと考えることができる。 この観点か ら従来のアイ口ンプレス型熱転写機や輪転型熱転写機が同様に使用できるこ とは明らかである。 このような加熱方法でも、 本発明の方法では転写紙を使 用しなくてもよいことからくる用紙コスト面および工程合理化面からのコス トダウンの効果は大きい。

インクジェット受容層は、 加熱工程後、 フィルム製品からスムーズにフィ ルム層として剥離できるものとする必要がある。 インクジエツト受容層の剥 離性はフィルム製品の表面自体の化学的活性度、 もしくはその上にコーティ ングが行われている場合はそのコーティング樹脂の化学的活性度と、 インク ジェット受容層を構成する樹脂の接着強度に依存する問題である。

しかし、 このインクジエツト受容層は 2 0 0 °C程度の加熱工程を経ている ので、 水分含有率がゼロの乾燥状態となっており、 フィルム製品との接着力 は非常に弱くなつているとともに、 フィルム性を高めている。 また、 ポリビ ニルアルコールなどにおいては、 加熱により結晶化が進むので更にフィルム 性を高めている。 これらのことから加熱後のインクジエツト受容層は容易に フィルム層として剥離できるケースが多い。

一般的には、 フィルム製品表面に、 フッ素系の樹脂、 シリコーン系の樹脂、 ォレフィン系の樹脂などの化学的に不活性な樹脂からなる層を設けたもので あれば殆どの場合、 染色加熱後スムーズに剥離できる。

ここで、 フッ素系の樹脂としては、 例えばフルォロォレフイン類の単独重 合体、 フルォロォレフイン類の共重合体、 あるいはフルォロォレフイン類と フルォロォレフイン類以外の単量体との共重合体が用いられる。具体的には、 ポリビニルフルオライド、 ポリビニリデンフルオラィド、 ポリテトラフルォ 口エチレン、 テトラフルォロエチレン—パーフルォロアクリルビニルエーテ ル共重合体、テトラフルォロエチレン一へキサフルォロブ口ピレン共重合体、 テトラフルォロエチレン一エチレン共重合体、 ポリクロ口トリフルォロェチ レンなどを挙げることができる。

シリコーン系の樹脂としては、 純シリコーン樹脂、 シリコーン変性 （アル キド、 エポキシ、 フエノール、 ウレタン、 アクリル、 メラミン） 樹脂などを 挙げることができる。

ォレフィン系の樹脂としては、 ポリエチレン、 ポリプロピレン、 ポリ塩ィ匕 ビニルなどを挙げることができる。

この場合、本発明者が「ラミネートされた染色製品の製造方法」の発明（日 本特許第 2,847,588号、 米国特許第 5,364,412号） において開示しているよう に、 化学的に不活性な種類の樹脂は同時に昇華性染料に対しても親和牲がな く、 それらにポリエステル樹脂ゃポリウレタン樹脂などの昇華牲染料に対し て親和性の高い樹脂が同時に積層された構成をとる場合、 非親和牲樹脂上の 昇華性染料は加熱時に非親和性樹脂層を通過して親和性樹脂層に染色される。 このため、 本発明の方法を実施する場合、 最上層にフッ素系樹脂などの昇 華性染料に親和性のない樹脂を積層しているケースにおいては、 その下層に は常に前述の親和性樹脂が隣接して存在するように設計することが重要であ る。 また、 フィルム製品がポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂などの非常 に硬質な樹脂の場合も、 インクジエツト受容層の接着強度は弱くスムーズに フィルム層として剥離できる場合が多い。

なお、 剥離しにくいインクジェット受容層の場合には、 フィルム製品の表 面に事前にフッ素系やシリコーン系の潤滑剤、 離型剤、 ブロッキング防止剤 などをコーティングしておけばよい。

本発明でインクジエツト印刷に用いる昇華インクは水を溶媒とする水系ィ ンクである。 このためインクジェット受容層を構成する樹脂は、 インクを迅 速に吸収受容し得る水溶牲樹脂を主体に構成される。 水溶牲樹脂とは水溶性 または親水性の天然または合成ポリマーである。 例えば、 ポリビニルアルコール系樹脂、 ポリビニルァセタール系樹脂、 ポ リピニルメチルエーテル、 ビニルメチルエーテル一無水マレイン酸共重合体、 ポリビニルピロリドン、 ビニルピロリドン一スチレン共重合体、 ピニルピロ リドン一酢酸ビニル共重合体、 アクリル酸、 メタクリル酸、 アクリル酸エス テル、 メタクリル酸エステルなどの単量体およびその他の単量体から合成さ れる水溶性アクリル樹脂、 ポリアクルルアミドなどのピニル系樹脂、 ポリエ チレンオキサイド、 ポリグルタミン酸などの合成樹脂、 カルポキシメチルセ ルロ一ス、 メチルセルロースなどのセルロース誘導体などの半合成樹脂、 キ チン、 キトサン、 デンプン、 ゼラチンなどの天然樹脂などから選択される 1 種または 2種以上を使用することができる。

また、 ポリアクリル酸、 ポリスチレンスルホン酸などのアルカリ金属塩な どのポリア二オンの高分子電解質、 あるいはポリエチレンィミン、 ポリビニ ルァミン、 ポリアリルァミン、 ポリビニルアルキルアンモニゥムハライド、 ポリビニルペンジルアルキルァンモニゥムハライドなどのポリカチオンの高 分子電解質、 あるいは両性高分子電解質も使用できる。

また、 インクジエツト受容層の上にインクの乾燥性ゃ耐ブロッキング性を 向上させる目的で、 無機微粒子 （シリカ、 酸化チタン等） を分散させた親水 性樹脂などからなるオーバ一コート層を設けてもよい。 親水性樹脂とは、 少 なくとも常温では水に不溶であるがインク透過性を有する樹脂である。 例え ばポリビニルホルマール、 ポリビニルァセトァセタール、 ポリビニルブチラ ールなどのポリビニルァセタール系樹脂、 ポリビニルイソブチルエーテルな どのポリアルキルビニルエーテル、 アクリル酸、 メタアクリル験あるいはそ れらのエステル類などから合成される親水性ァクリル樹脂、 水性ポリエステ ル樹脂などを挙げることができる。

インクジェット受容層の厚みは一般的には 3〜 2 0 ] Ώ、 好ましくは 5〜 1 5 ^ m程度がよい。 厚みが薄すぎると、 印刷時に迅速に着地インクを吸収 することができず、 着地したィンク同志が表面で合体してしまうので高画質 な画像を印刷することができない。 逆に厚すぎると昇華性染料がィンクジェ ット受容層から樹脂層表面に拡散していくうえで到達距離が長くなりすぎ、 高濃度性と高解像怯を実現するうえで障害となる。

本発明に用いられる昇華性染料は、 昇華牲または蒸発性の機能を有する染 料であればよい。 好ましくは、 大気圧下、 7 0〜2 6 0 °Cで昇華または蒸発 する染料である。 これらの染料としては、 例えばァゾ、 アントラキノン、 キ ノフタロン、 スチリル、 ジまたはトリフエニルメタン、 ォキサジン、 トリア ジン、 キサンテン、 メチン、 ァゾメチン、 ァクリジン、 ジァジンなどの昇華 または蒸発性を有する染料が挙げられる。

これらの他に、 1 , 4—ジメチルァミノアントラキノン、 臭化または塩化 1， 5—ジヒドロォキシ _ 4， 8—ジァミノアントラキノン、 1 , 4ージァ ミノー 2， 3ージクロ口アントラキノン、 1—アミノー 4ーヒドロォキシァ ントラキノン、 1一アミノー 4—ヒドロォキシ _ 2 _ メトキシーエト キシ） 一アントラキノン、 1—ァミノ一 4—ヒドロォキシ一 2—フエノキシ アントラキノン、 1 , 4—ジァミノ一アントラキノン— 2—カルボキシル酸 のメチル、 ェチル、 プロピルまたはブチルエステル、 1ーァミノ— 4ーァニ リドーアントラキノン、 1一アミノー 2—シァノー 4ーァニリド （またはシ クロへキシルァミノ） 一アントラキノン、 1ーヒドロォキシ一 2— ( p—ァ セトァミノフエニルァゾ) 一 4 _メチルベンゼン、 3—メチルー 4一 (二卜 口フエニルァゾ） 一ピラゾロン、 3—ヒドロォキシキノフタロンなどの染料 が挙げられる。

また、 塩基牲染料として、 例えばマラカイトグリーン、 メチルバイオレツ ト等を用いることができ、 さらに酢酸ナトリウム、 ナトリウムエタレート、 ナトリゥムメチラ一ト等で変性した染料をも使用することができる。 発明を実施するための最良の形態

以下実施例を挙げて本発明を説明するが、 本発明は下記の例に限定される ものではない。 実施例 1

5 0 mの厚みのポリエステルフィルム上に、 ウレタン樹脂系の染料定着 層およびトリフルォロエチレン樹脂層をこの順に各 1 5 i mの厚みにコーテ ィングして架橋させ、 更にフィルム背面に粘着剤層およびセパレ一タを貼合 してなる昇華熱転写用の光沢フィルム （紀和化学工業社製） を準備した。 こ の上にインクジエト受容層として、 架橋タイプのウレタン系インクジェット 用コ一ティング剤 「パテラコール I J一 5 0」 （商品名、 大日本インキ化 学工業社製） を 8 の厚みに積層しインクジェット受容層を形成した。 こ の上にインクジェットプリンタ 「M J— 8 0 0 0 CJ (商品名、 セイコーェ プソン社製） を使用して 4色セットの昇華インク （E C S社製） を吐出して フルカラー画像を印刷した。 この印刷済みフィルムを 1 6 0 の恒温室に 4 分間放置した後取り出した。 このフィルムの端部に粘着テープを押圧した後 引っ張ることにより、 インクジエツト受容層全体はフィルム層として容易に 剥離できた。 この結果、 光沢フィルムは濃度濃く、 鮮明な画像状に染色され ていた。 しかもフィルム表面の光沢は当初のままであった。 このフィルム断 面を観察したところ、 昇華性染料の大部はトリフルォロエチレン樹脂層を通 過して、 染料定着層を染色していた。 実施例 2

インクジエツト受容層として、 実施例 1のパテラコールの代わりにポリビ ニルアルコール 「P VA 2 1 7」 （商品名、 重合度 1700、 鹼化度 8 8モル％、 クラレ社製） をコーティング剤したこと以外は実施例 1と全く同じ条件で実 施したところ実施例 1と同様の結果が得られた。 実施例 3

インクジエツト受容層として、 実施例 1のパテラコールの代わりにスチレ ンー第 4級アンモニゥム塩共重合体 「ゴーセフアイマー C一 8 2」 （商品 名、 日本合成化学社製） をコーティングした以外は実施例 1と全く同じ条件 で実施したところ同様の結果が得られた。 実施例 4

実施例 1で使用した光沢フィルムの代わりに 1 0 0 mの厚みのポリカー ポネートフィルム 「ポリ力エース E C G 1 0 0」 （商標、 筒中プラスチッ ク工業社製） を用いたこと以外は実施例 1と全く同じ条件でインクジエツ卜 受容層の積層、 フルカラー画像印字および加熱を行った。 加熱後のフィルム の端部に粘着テープを押圧した後引っ張ることによってインクジヱット受容 層全体をフィルム層として容易に剥離できた。 ポリカーボネートフィルム上 は高濃度で、 鮮明な画像状に染色されていた。 ポリカーボネートフィルムフ イルム表面の光沢は当初のままであった。 実施例 5

実施例 4で用いたインクジエツト受容層としてのパテラコールの代わりに 実施例 2で使用した P VA 2 1 7をコーティングしたこと以外は実施例 4と 全く同じ条件で実施したところ同様の結果が得られた。 実施例 6

実施例 4で用いたインクジエツト受容層としてのパテラコールの代わりに 実施例 3で使用したゴーセフアイマーをコーティングしたこと以外は実施例 4と全く同じ条件で実施したところ、 同様の結果が得られた。 実施例 7

実施例 1で使用した光沢フィルムの代わりに、 5 0 x mの厚みの透明ポリ エステルフィルム 「ティジンテトロンフィルム S 6」 （商品名、 帝人社製） にシリコーン系のブロッキング防止剤 「サイマック U S— 3 5 2」 （商標、 東亜合成社製） を 1 mの厚みにコーティングしたフィルムを用いたこと以 外は実施例 1と全く同じ条件でインクジエツト受容層を形成し、 フルカラー 画像印刷および加熱を行った。 加熱後、 フィルムの端部に粘着テープを押圧 した後引っ張ることにより、インクジエツト受容層全体を容易に剥離できた。 ポリエステルフィルムは高濃度に、 鮮明な画像状に染色されていた。 しかも ポリエステルフィルム表面の光沢は当初のままであった。 実施例 8

実施例 7でプロッキング防止剤を使用せず、 かつィンクジエツト受容層と してのパテラコールの代わりに実施例 2で使用した P VA 2 1 7をコーティ ングしたこと以外は実施例 7と全く同じ条件で実施したところ同様の結果が 得られた。 実施例 9

実施例 7でブロッキング防止剤を使用せず、 かつインクジエツト受容層と してのパテラコールの代わりに実施例 3で使用したゴーセフアイマーをコー ティングしたこと以外は実施例 7と全く同じ条件で実施したところ同様の結 果が得られた。 実施例 1 0 実施例 1の光沢フィルムの代わりに、 ポリエステル系可塑剤 「アデ力サイ ザ一 P N— 1 7 0」 （商標、 旭電化工業社製） を可塑剤に使用した白色およ び透明の 2種類のポリ塩化ビニル樹脂を、 キャスティング製膜装置 （朝日化 学工業製） によりそれぞれ 5 0 mずつ、 合計 1 0 0 mの厚みに積層した フィルムを準備した。 積層フィルムの透明フィルム面にインクジェット受容 層として実施例 1に記載のパテラコールを 8 mの厚みに積層した。 その後 は実施例 1と全く同じ条件でフルカラ一画像印刷および加熱を行った。 加熱 後のフィルムの端部に粘着テープを押圧したあと引っ張ることにより、 イン クジエツト受容層全体をフィルム層として容易に剥離できた。 この結果ポリ 塩化ビニル樹脂の透明フィルムは白色フィルムを背景に濃度濃く、 鮮明な画 像状に染色されていた。 透明ポリ塩化ビニルフィルム表面の光沢は当初のま まであった。 実施例 1 1

実施例 1 0でパテラコールの代わりに実施例 2に記載の P VA 2 1 7をコ 一ティングしたほかは実施例 1 0と全く同様の条件で実施したところ同様の 結果が得られた。 実施例 1 2

実施例 1 0のパテラコールの代わりに実施例 3に記載のゴ一セフアイマー をコ一ティングしたほかは実施例 1 0と全く同様の条件で実施したところ同 様の結果が得られた。 産業上の利用可能性

本発明によれば、昇華インクを用いたインクジエツトプリンタを使用して、 表面に樹脂層を有する任意のフィルムに、 そのフィルムの当初の光沢を完全 に保持した状態で鮮明なフルカラー画像を付与することが可能となった。 ま た、 枚葉形態のフィルム製品についても、 転写紙とフィルム製品との精密位 置合わせという従来の昇華熱転写染色法で要する作業がないので、 殆ど人手 を要せず所定サイズのフルカラー画像を大量ロットで作製することが可能と なった。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 樹脂製のフィルムまたは表面に樹脂層を有する支持体上にインクジェ ット受容層を設けてなる積層フィルムのインクジエツト受容層上に、 昇華牲 または蒸発性染料を含有するインクを用いてインクジェット印刷した後、 印 刷画像を有するインクジエツト受容層を加熱して、 印刷画像を前記樹脂製フ イルムまたは支持体上の表面樹脂層に移行せしめ、 次いでインクジエツト受 容層をフィルム層として剥離することを特徴とする画像形成方法。

2 . 前記樹脂製フィルムまたは支持体上の表面樹脂層の樹脂として、 昇華性 染料に対して親和性のある樹脂と、 その上の昇華性染料に対して非親和性の 樹脂からなる積層樹脂を使用する請求の範囲 1に記載の画像形成方法。

3 . 前記昇華性染料に対して非親和性の樹脂が、 フッ素系樹脂、 シリコーン 系樹脂またはォレフィン系樹脂である請求の範囲 2に記載の画像形成方法。

4. 前記樹脂製フィルムまたは支持体上の表面樹脂層の上に潤滑剤、 離型剤 またはブロッキング防止剤をコーティングし、 その上にインクジエツ卜受容 層を設けてなる積層フィルムを使用する請求の範囲 1に記載の画像形成方法。

5 . 加熱を非接触方式にて行う請求の範囲 1に記載の画像形成方法。