JP2000052637A - 被記録媒体、該被記録媒体を用いた画像形成方法、及び画像形成用媒体セット - Google Patents

被記録媒体、該被記録媒体を用いた画像形成方法、及び画像形成用媒体セット

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JP2000052637A
JP2000052637A JP10221709A JP22170998A JP2000052637A JP 2000052637 A JP2000052637 A JP 2000052637A JP 10221709 A JP10221709 A JP 10221709A JP 22170998 A JP22170998 A JP 22170998A JP 2000052637 A JP2000052637 A JP 2000052637A
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layer
ink
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Kenji Suzuki
謙二 鈴木
Toru Nagata
徹 永田
Hiroshi Ochiai
博 落合
Yoshinari Yasui
義成 康井
Hiroshi Miyamura
宏 宮村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多孔性無機粒子を含むインク受容層を基材上
に設けた構成の被記録媒体と、透明フィルム形成用のラ
ッテクス層を有するラミネート用部材とを組み合わせ
て、インクジェット記録方法により形成された画像が形
成されたインク受容層上に透明フィルムをラミネートし
た銀塩写真や各種印刷法におけるカラー印刷に匹敵す画
質の印字物を作製する際に、透明フィルムとインク受容
層の間の密着性を高めること。 【解決手段】 被記録媒体のインク受容層側と、ラミネ
ート用部材の透明フィルム形成用材料層側に、互いに化
学反応を起してこれらの層間の密着性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
法を利用した画像形成方法、特に、インクジェット記録
法により形成した画像面に透明フィルムをラミネートし
て、画像濃度が高く、色調が鮮明であり、画像面に優れ
た保護機能が付与された印画物をインクジェット記録法
により形成する画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット法は、インク等の記録用
の液体(記録液)の微小液滴を紙等の被記録媒体に付着
させ、画像、文字、各種パターン等を記録できるもので
あり、多色記録への適用も容易であり、技術的な進歩に
応じて、より高度な記録技術への適用が試みられてい
る。例えば、コンピュータやネットワークにおいて電子
的に取り込まれた、あるいは蓄積された画像情報のアウ
トプットや、デジタルカメラ、デジタルビデオ、スキャ
ナ等で取り込んだ画像情報のアウトプットへのインクジ
ェット記録法の適用が求められている。なかでも、イン
クジェット記録法を適用して銀塩によるカラー写真や各
種印刷法における多色印刷に匹敵する画質を有する画像
をインクジェット記録法を利用して形成でれば、画像形
成単価を大幅に低減できる可能性があり、かかる技術に
ついての要望が拡大しつつある。
【0003】銀塩写真や多色印刷に匹敵する多色画像を
インクジェット記録法で形成することを目的とする技術
としては、基材上に、シリカやアルミナ等の白色もしく
は透明な多孔性微粒子を含むインク受容層を設けた構成
を有する記録紙を用い、インクジェット記録による画像
形成後にインク受容層表面に透明被覆層を形成して、画
像表面の光沢度や平滑度を上げることで画像の品位を上
昇させる方法が知られている。この場合の透明被覆層の
形成には、例えば、インク受容層上にラテックス等を用
いて樹脂粒子を含み、インク透過性を有する層を形成し
ておき、画像形成後にこの樹脂粒子を加熱溶融して被膜
化する方法や、画像形成後に透明フィルムをインク受容
層上に転写(ラミネート)する方法等が用いられてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】インクジェット用記録
紙のインク受容層上に透明フィルムを転写して画像品質
を向上させる技術においては、インク受容層と透明フィ
ルムとの間に十分な密着性を得ることが必要である。
【0005】一般にこのような透明フィルム保護層の転
写形成では加熱圧着手段を用いて熱的に転写させる工程
を用いるのが通例である。しかし、機器のスループット
や印字されたインク受容層へのダメージを考慮すると、
加熱圧着手段で印加できる熱の温度や時間は限られたも
のとならざるを得ず、従来知られた方法では、その密着
は十分でない場合があった。このため、粘着テープを用
いたピールテストで透明フィルム層が容易に剥離してし
まったり、また、フレーム等に入れた場合、ガラス面に
密着して剥離してしまう等の問題が生じる場合があっ
た。とりわけ、近年開発の盛んな高速インク吸収性のイ
ンクジェット用記録媒体の場合、多孔性無機微粒子を高
い対バインダ組成比で用いるため、表面に凹凸が形成さ
れ、そこへの透明フィルム層の密着性は著しく低下する
傾向がある。これは凹部にまで十分な透明フィルム材料
の溶融侵入が起りづらいためである。
【0006】本発明の目的は、被記録媒体のインク受容
層と、それを被覆する透明フィルムとの間により強固な
接着性を得ることができる画像形成方法を提供すること
にある。とりわけ、高い無機微粒子組成を有する高速イ
ンク吸収性のインクジェット用被記録媒体を用いた場合
において、被記録媒体のインク受容層と、それを被覆す
る透明フィルムとの間に強固な接着性を得ることができ
る方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の画像形成方法
は、基材上に多孔性無機粒子を含むインク受容層を有す
る被記録媒体に、インクジェット記録法により画像を形
成する工程と、画像が形成されているインク受容層表面
に、耐熱性基材に保持された透明フィルム形成用材料層
を加熱圧着し、該インク受容層上に透明フィルム層を形
成する工程と、インク受容層上の透明フィルムから耐熱
性基材を剥離する工程と、を有する画像形成方法におい
て、前記インク受容層と前記透明フィルム層の間に化学
結合が生じることを特徴とする。
【0008】本発明の被記録媒体は、基材上に多孔性無
機粒子を含むインク受容層を有し、該インク受容層への
インクジェット記録による画像形成後に該インク受容層
上に透明フィルム層がラミネートされる被記録媒体にお
いて、前記インク受容層と前記透明フィルムとに、これ
らの間に化学結合を生じる成分を含むことを特徴する。
【0009】本発明の画像形成用媒体セットは、基材上
に多孔性無機粒子を含むインク受容層を有する被記録媒
体と、該インク受容層へのインクジェット記録による画
像形成後に該インク受容層上に透明フィルム層を形成す
るための透明フィルム形成用材料層を基材上に有するラ
ミネート用部材とを有する画像形成用媒体セットであっ
て、前記インク受容層と前記透明フィルムとの間に化学
結合を生じる成分を、前記インク受容層及び前記透明フ
ィルム形成用材料層に含有していることを特徴する。
【0010】本発明によれば、被記録媒体のインク受容
層とその上にラミネートされた透明フィルムとの間に化
学結合による結合が形成されるので、これらの層間の接
着性をより強固なものとすることができ、耐久性の更に
優れた印画物を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる被記録
媒体は、基材上にシリカ、アルミナ等の多孔性無機粒子
を含有するインク受容層を設けた構成を有する。被記録
媒体用の基材としては、延伸ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミ
ドフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチ
レン等の比較例分子量の大きいポリマーよりなるフィル
ム、ポリ塩化ビニル、ポリ臭化ビニル等のポリハロゲン
化ビニルよりなるフィルムを挙げることができ、これら
の中では延伸PETフィルムとりわけプレアニールされ
熱収特性が制御されたPETフィルムが好ましい。
【0012】基材上に設けられるインク受容層は、多孔
性無機粒子を用いて形成され、例えば、多孔性無機粒子
と結着材を含む塗工液を基材の表面に塗工し、乾燥させ
ることにより得ることができる。
【0013】結着材としては、ポリビニルアルコール、
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹
脂、アルキル樹脂、その他の多孔性無機粒子を含むイン
ク受容層の骨格材として用い得る多くのポリマーが使用
でき、本発明の効果を損なわない範囲で、これらの2種
以上を組み合わせて用いることができる。
【0014】多孔性無機粒子と結着材との配合比は、多
孔性無機粒子に対する結着材比率を10〜300重量%
(多孔性無機粒子100重量部に対して結着材を10〜
300重量部)とすることが望ましい。高速インク吸収
性を発現するという点からは結着材比率を10〜150
重量%とすることが更に好ましく、このような配合比の
インク受容層において、本発明は特に大きな効果を有す
る。
【0015】更に、インク受容層には、その上にラミネ
ートされる透明フィルム層との化学結合のための化学結
合形成用材料を含む。なお、ポリビニルアルコールよう
に化学結合形成用材料が結着材の機能を有するものであ
るときは、結着材に化学結合形成用材料を兼用させても
よい。
【0016】化学結合形成用材料の配合量は、透明フィ
ルムを画像を受像しているインク受容層にラミネートす
る効果を損なわず、かつ所望とするインク受容層と透明
フィルム層との間の化学結合が得られるように設定され
る。
【0017】更に、インク受容層には分散剤、蛍光染
料、pH調整剤、潤滑剤、界面活性剤等の各種添加剤を
本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて添加でき
る。
【0018】インク受容層の形成は、例えばシリカ、結
着材及び化学結合形成用材料を含む水性等の塗工液を、
ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、ス
プレーコーティング法、エアナイフコーティング法等の
各種の方法で基材上に塗工することができる。このとき
の塗工量は、所望とするインク受容層の乾燥厚(例えば
10〜80μm)が得られる量とされ、例えば、ウエッ
ト厚30〜400μm程度とすることができる。
【0019】本発明において用いられるラミネート用部
材は、耐熱性基材上に透明フィルム形成用材料層を設け
た構成のものが利用できる。この透明フィルム形成用材
料層は、インクジェット記録により画像を受像したイン
ク受容層上に透明フィルムをラミネートでき、かつ、イ
ンク受容層中に配合した化学結合形成用材料との間で化
学反応を起すことのできる化学結合形成用材料を含むも
のである。透明フィルム形成用材料層の層厚は、所望と
する透明フィルム厚が得られるように設定され、例え
ば、2〜30μm、好ましくは3〜20μmとされる。
【0020】耐熱性基材としては、ラミネート処理時に
おける加熱加圧条件下で形状を安定して維持でき、かつ
インク受容層上に透明フィルムが形成された段階で剥離
が容易なものであればよく、例えば、PETフィルム上
に剥離用の処理を施したシートを用いることができる。
透明フィルム材料とPETフィルムの親和性が低下する
組合せを選べば剥離処理は省略できる。耐熱性基材の厚
さもラミネート処理に適した厚さとすればよく、例え
ば、3〜50μmの範囲から選択することができる。
【0021】ラミネート用部材の透明フィルム形成用材
料層は、例えば、 それ自身がインク受容層側に化学結合形成用材料との
間で化学結合を生じる部位を有し、耐熱性基材上に層を
維持して保持可能であり、かつインク受容層に転写され
て透明フィルム層を形成できる材料、 耐熱性基材上に層を維持して保持可能であり、かつイ
ンク受容層上に転写されて透明フィルム層を形成できる
材料に、インク受容層側の化学結合形成用材料との間で
化学結合を形成し得る材料(ラミネート用部材側化学結
合形成用材料)を配合して得られる混合材料等から形成
することができる。
【0022】本発明で用い得るインク受容層とその上に
ラミネートされた透明フィルム層との間の化学結合とし
ては、ポリマーの側鎖間での、必要に応じてモノマー、
オリゴマー、ポリマー等を介した架橋反応等が挙げられ
る。被記録媒体のインク受容層側と、ラミネート用部材
の透明フィルム層側に配合する化学結合形成用材料の組
合せとしては、例えば、被膜形成やコーティングの分野
において利用されている材料から選択された以下の組合
せを挙げることができる。 (1)インク受容層側に、ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリエーテル等の反応性の水酸基やカルボキシル基
を有する重合体を用い、透明フィルム層側にイソシアネ
ート基を有するポリマー、オリゴマー、モノマー等を用
いる。 (2)インク受容層側にアルキド樹脂を用い、透明フィ
ルム層側にメラミン樹脂を用いるか、これとは逆に 透
明フィルム層側にアルキド樹脂を用い、インク受容層側
にメラミン樹脂を用いる。 (3)インク受容層側にアミノ樹脂、フェノール樹脂、
アミン類化合物、ポリアミドを用い、透明フィルム側に
エポキシ樹脂を用いる。
【0023】透明フィルム形成用材料層は、形成用材料
が熱可塑性樹脂を主体とするものであれば、材料を溶融
して基材上でフィルム化する方法により形成できる。更
に、必要とされる構成材料を溶剤と混合して塗工液を調
製し、これを、ロールコーティング法、ロッドバーコー
ティング法、スプレーコーティング法、エアナイフコー
ティング法等の各種の方法で基材上に塗工し、乾燥する
ことで形成することもできる。
【0024】更に、透明フィルム形成用材料は、所望に
応じて2層以上の多層構造とすることができ、この場合
も、それぞれの層厚を、最終的に被記録媒体のインク受
容層上にラミネートされた透明フィルムの厚さが所望の
画像品質を満たすように設定すればよく、透明フィルム
形成用材料層全体の層厚は上記の一層の層厚の場合と同
様に設定することができる。
【0025】以上説明した構成の被記録媒体及びラミネ
ート用部材を用いてインクジェット記録法による画像形
成を行うことができる。インクジェット記録は、静電吸
引方式、圧電素子を用いる方式、発熱素子を用いる方式
など種々の方式によるものが利用でき、特に限定されな
い。
【0026】インクジェット記録に用いるインクとして
は、水性媒体に、染料や顔料等の着色材を含有させたも
のなど、インクジェット記録方式に適用できるものであ
ればよい。カラー記録を行う場合も、常法に従って、シ
アン、マゼンタ及びイエロー、更には必要に応じてブラ
ックを用いた減色混合によりフルカラー画像を印字する
ことができる。
【0027】本発明の効果はインクジェット記録の条件
には特に左右されないが、本発明は多量のインクを打ち
込む条件下で高速インク吸収性のインク受容層を使用す
る場合にとりわけ大きな効果を発揮する。近年、フォト
調の画像を形成するために同じ色調で染料濃度の異る複
数の濃淡インクを用いる印字形式のインクジェットプリ
ンターが研究され、製品化されている。このようなプリ
ンターは中間濃淡の二次色、三次色でインク打ち込み量
が極めて多く、インク受容層に高インク吸収性能が要求
される。多孔性無機粒子の使用がこの要求を満たすもの
であるが、表面の平滑性を損なうため本発明の適用がと
りわけ望ましい。
【0028】被記録媒体のインク受容層に画像情報に応
じてインクジェット記録法によりインクを打ち込んで画
像を形成したところで、被記録媒体のインク受容層の側
の面に、ラミネート用部材の透明フィルム形成用材料層
側から重ね合せ、一対の対向するローラ間にこれらを通
す等の方法によって、必要に応じた加熱下で、加圧密着
させるすることで、透明フィルム形成用材料層をインク
受容層に圧着するとともに透明フィルム層として固着す
る。更に、ラミネート用部材の基材をインク受容層上の
透明フィルムから剥離してラミネート処理を完了する。
ラミネート処理における必要に応じた加熱下での加圧条
件は、透明フィルム形成用材料層から、所望とする厚さ
や特性を有する透明フィルムが得られ、かつインク受容
層との間に化学結合を起させるのに十分な条件を選択す
ればよく、例えば、加熱温度80〜200℃程度、加圧
力は100g〜10kg/cm2が選択し得る。加圧条
件は、加熱された樹脂材料の粘性で大きく最適性が異な
りほとんど圧力を要しない場合もある。
【0029】なお、透明フィルム形成用材料層は少なく
ともインク受容層への転写後に透明であればよく、転写
前に透明性を有する必要はない。
【0030】本発明を適用可能な画像形成の一例の要部
を図1に模式的に示す。図1の装置は、ロールに巻取ら
れた状態の被記録媒体のインク受容層側の面に対してイ
ンクジェット記録を行うインクジェット記録部1と、ラ
ミネート処理を行うラミネート処理部2とを有して構成
されている。インクジェット記録部1はインクジェット
記録ヘッド3を有し、図2(a)に示す被記録媒体4の
基材4b上のインク受容層4aに対して画像情報に応じ
てインクを付与し、画像を形成する。画像形成後、カッ
ター9により画像は適当な大きさに裁断される。次に、
図2(b)に示すように、被記録媒体4のインク受容層
4aに対してラミネート用部材5が透明フィルム形成用
材料層5a側から積層され、積層状態を保ったまま、一
対のローラ6間を通り、必要に応じた加熱下で加圧され
る。この処理によって透明フィルム形成用材料層5a
が、インク受容層4aに圧着されるととも、これらの層
間で化学反応が生じる。ローラ対6通過後にインク受容
層4a上に形成された透明フィルム層から、巻取り装置
7でラミネート用部材5の基材5bを引っ張ることで剥
離して、図2(c)に示すように画像を受像したインク
受容層4a上に透明フィルム層5cを有する印画物8を
得ることができる。
【0031】なお、図1の例はロールに巻取った状態の
被記録媒体を利用する場合についてのものであるが、所
望の長さのシート状として処理できるように各部の構成
を適宜変更してもよい。
【0032】
【実施例】以下、実施例等により本発明を更に詳細に説
明する。 実施例1 以下の成分を混合して、塗工用のエマルジョンを調製し
た。 エマルジョン組成: シリカ(水沢化学工業;ミズカシル P−50) 200重量部 カチオン性ポリマー(日東紡ダンフィックスT) 20重量部 ポリビニルアルコール 80重量部 水 600重量部 この塗工液を、基材としての厚手紙(坪量180g/m
2)上に、乾燥後の膜厚が50μmとなるようにダイコ
ーターで塗工し、乾燥させて被記録媒体を得た。
【0033】一方耐熱性基材として厚さ38μmのポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルム上に以下の
成分からなる2層の透明フィルム形成用材料層を積層塗
工した。第1層は塩化ビニル酢酸ビニル系ラテックスコ
ポリマー(日信化学製602)を水に固形分重量比率1
0%に分散させたエマルジョン系塗工液を用い、ウエッ
ト厚40μmの条件でマイクログラビアコーターを用い
て塗工した後、140℃2分間の乾燥炉条件で乾燥させ
た。塗工層の乾燥厚は略4μmであった。上記のラテッ
クスコポリマーは造膜温度130℃の均質であるので、
乾燥炉中で溶融しフィルム化した状態で積層される。
【0034】次に、第2層を第1層の上に以下の方法で
塗工した。塗工液はブロック型イソシアネート(日本ポ
リウレタン;コロネート2513)をキシレン溶媒に固
形分重量比率12%に溶解させたものを用い、ウエット
厚20μmにマイクログラビアコーターで塗工し、乾燥
炉温度90℃、90秒にて乾燥させた。上記ブロック型
イソシアネートは140℃以上でブロック剤が解離し、
イソシアネートが活性化されるので、比較的低温での転
層が望ましい。第2層は乾燥厚略2.5μmの塗膜とし
て第1層上に形成された。第1層のラテックスコポリマ
ー層と第2層のイソシアネートの層との間には良好な密
着性が得られた。
【0035】次に、上記の被記録媒体のインク受容層に
対して、キヤノン(株)社製インクジェットプリンター
BJ C−600を用いて、水性ブラックインク、水性
シアンインク、水性マゼンタインク、水性イエローイン
クを用いてフルカラー画像を形成した。次に、ラミネー
ト用部材の透明フィルム形成用材料層側と記録後の被記
録媒体におけるインク受容層側が接触するようにこれら
を重ね合わせて、回転する一対のローラ間(ロール直径
63mm;線圧1kg/cm2、温度140℃)に通
し、加熱加圧処理を行い、インク受容層上に透明フィル
ムからなるラミネート層を形成するとともに、PET基
材を剥離して、受像したインク受容層上に透明フィルム
のラミネートを有する印字物を得た。
【0036】本実施例においては、インク受容層中のP
VAが持つOH基をラミネート層中のイソシアネート間
が以下の反応により架橋することで、両者が強く結合
し、これらの層間の密着性が向上する。
【0037】
【化1】 特に、ブロック型イソシアネートは、ブロック剤が回転
加圧ローラ対で加熱解離されるまでは安定な非反応性材
料であるため、保存特定に優れる。このようなイソシア
ネート材料以外にも比較的反応性の低い脂肪酸系イソシ
アネート(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート)
等を同様に用い加熱系で活性化して架橋反応に供するこ
とが可能である。
【0038】得られた印字物の画像品質は良好で、銀塩
写真や各種カラー印刷によるカラー画像に匹敵する品質
を有していた。更に、インク受容層と透明フィルム層と
の密着性も向上しており、耐久性に優れたものとなっ
た。
【0039】実施例2 インク受容層側にアルキド樹脂を用い、透明フィルム層
側にメラミン樹脂を用いて印画物の形成を行った。メラ
ミン樹脂とアルキド樹脂の組合せは高い光沢と耐熱性、
耐化学薬品性があり、本発明の画像形成用媒体セットに
用いる材料の組合せとして好適なものである。
【0040】まず、インク受容層を形成するために以下
の成分を混合し、塗工液を調製した 。シリカ(小沢化学工業、シズカシルP−50) 240重量部 カチオン性ポリマー (日華化学、ネオフィックスRX−100) 30重量部 ウレタン樹脂 60重量部 二塩基酸トリオールグリコールポリマー 30重量部 これを水に加え、粘度150cpsに調整した後、ダイ
コーターを用い、坪量186g/m2の厚手紙上に乾燥
厚50μmに塗工して被記録媒体を得た。
【0041】一方、透明フィルム形成用材料層は、38
μm厚の基材としてのPETフィルム上に塩化ビニル酢
酸ビニルラテックスコポリマー(日信化学240)を1
0重量%、水溶性メラミン樹脂を10重量%含む混合水
分散液を調製し、乾燥厚8μmとなるようにマイクログ
ラビアコーターで塗工し、乾燥して形成した。
【0042】メラミン樹脂の反応性が高いため、乾燥炉
は80℃、3分間の条件とした。ラテックスコポリマー
は粒径0.2〜0.5μmの粒子状であるため、これら
のラテックス粒子をメラミン樹脂が結着する形態に塗膜
が形成される。
【0043】以上のインク受容層を有する被記録媒体
と、透明フィルム形成用材料層を有するラミネート用部
材を用い、実施例1と同様にしてインクジェットプリン
ターで印字を行い、加熱加圧ローラーでラミネート層を
転写し、基材を剥離して透明フィルム層をインク受容層
上に積層形成したところ、これらの層間に良好な密着性
が得られた。本実施例では、メラミン樹脂とアルキル樹
脂の結合はかなり低温でも進行するためローラー温度を
90℃まで下げても十分な強度のラミネートができるこ
とを確認した。
【0044】本実施例における結合は、以下のタイプの
ものによると考えられる。
【0045】
【化2】 メラミン樹脂の利用としては、この他、溶剤系のメラミ
ン樹脂を用いることもでき、この場合には水系のポリマ
ー塗工を第1層として行った後、その上に第2層として
この溶剤系のメラミン樹脂を塗工する方法の利用が可能
である。
【0046】比較例1 第1層のラテックス層のみを基材上に設けてラミネート
用部材を形成する以外は実施例1と同様にして、インク
受容層上に透明フィルムのラミネートを有する印字物を
得た。
【0047】比較例2 化学結合を生ずる成分を除いた組成(ラテックスコポリ
マーのみを使用)を用いてラミネート用部材を形成する
以外は実施例2と同様にして、インク受容層上に透明フ
ィルムのラミネートを有する印字物を得た。
【0048】試験例1 以上の実施例1、2で得られた透明フィルム層で印字部
分が覆われた印字物の透明フィルム層の表面に市販の粘
着テープを用いて剥離テストを行ったところ、透明フィ
ルム層の剥離は全く発生しなかった。また、PETフィ
ルムにエポキシ系の強化接着剤を塗布したテストピース
で剥離テストを行ったところ、剥離はインク受容層と基
材紙との間で発生し、ラミネートした透明フィルム層と
インク受容層との間では発生しなかった。
【0049】一方、比較例1、2で得られた印字物につ
いて上記と同様の剥離テストを行ったところ、インク受
容層と透明フィルム層との間で容易に剥離が発生した。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、多孔性無機粒子を含む
インク受容層を基材上に設けた構成の被記録媒体と、透
明フィルム形成用のラッテクス層を有するラミネート用
部材とを組み合わせて、インクジェット記録方法により
形成された画像が形成されたインク受容層上に透明フィ
ルムをラミネートした銀塩写真や各種印刷法におけるカ
ラー印刷に匹敵する画質の印字物を作製する際に、透明
フィルムとインク受容層の両方に化学結合を生じる物質
を配合させて、これらの層の密着性を化学結合により強
化することができ、密着耐久性の向上した印字物を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用し得る画像形成装置の一例の要部
を模式的に示す図である。
【図2】(a)〜(c)は、本発明を適用し得る画像形
成方法における被記録媒体のインク受容層上への透明フ
ィルム層の形成工程を説明するための図である。
【符号の簡単な説明】
1 インクジェット記録部 2 ラミネート処理部 3 インクジェット記録ヘッド 4 被記録媒体 4a インク受容層 4b 基材5b 5 ラミネート用部材 5a 透明フィルム形成用材料層 5b 基材 6 ローラ対 7 基材巻取り装置 8 印画物 9 カッター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 落合 博 神奈川県海老名市門沢橋148−1 株式会 社ラボ内 (72)発明者 康井 義成 神奈川県海老名市門沢橋148−1 株式会 社ラボ内 (72)発明者 宮村 宏 神奈川県海老名市門沢橋148−1 株式会 社ラボ内 Fターム(参考) 2C056 HA44 2H086 BA02 BA15 BA32

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に多孔性無機粒子を含むインク受
    容層を有する被記録媒体に、インクジェット記録法によ
    り画像を形成する工程と、画像が形成されているインク
    受容層表面に、耐熱性基材に保持された透明フィルム形
    成用材料層を加熱圧着し、該インク受容層上に透明フィ
    ルム層を形成する工程と、インク受容層上の透明フィル
    ム層から耐熱性基材を剥離する工程と、を有する画像形
    成方法において、 前記インク受容層と前記透明フィルム層の間に化学結合
    が生じることを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 前記インク受容層が、多孔性無機粒子と
    結着材とを含み、多孔性無機粒子を主体としてなり、か
    つ、該結着材が前記透明フィルム層を構成する成分と化
    学結合する成分を含む請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記インク受容層が、多孔性無機粒子、
    結着材及び前記透明フィルム層を構成する成分と化学結
    合する成分を含む請求項1に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 前記多孔性無機粒子に対して前記結着材
    を10〜300重量%含有する請求項1〜3のいずれか
    に記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 基材上に多孔性無機粒子を含むインク受
    容層を有し、該インク受容層へのインクジェット記録に
    よる画像形成後に該インク受容層上に透明フィルム層が
    ラミネートされる被記録媒体において、 前記インク受容層と前記透明フィルムとに、これらの間
    に化学結合を生じる成分を含むことを特徴する被記録媒
    体。
  6. 【請求項6】 前記インク受容層が、多孔性無機粒子と
    結着材とを含み、多孔性無機粒子を主体としてなり、か
    つ、該結着材が前記透明フィルム層を構成する成分と化
    学結合する成分を含む請求項5に記載の被記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記インク受容層が、多孔性無機粒子、
    結着材及び前記透明フィルム層を構成する成分と化学結
    合する成分を含む請求項5に記載の被記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記多孔性無機粒子に対して前記結着材
    を10〜300重量%含有する請求項5〜7のいずれか
    に記載の被記録媒体。
  9. 【請求項9】 基材上に多孔性無機粒子を含むインク受
    容層を有する被記録媒体と、該インク受容層へのインク
    ジェット記録による画像形成後に該インク受容層上に透
    明フィルム層を形成するための透明フィルム形成用材料
    層を基材上に有するラミネート用部材とを有する画像形
    成用媒体セットであって、 前記インク受容層と前記透明フィルムとの間に化学結合
    を生じる成分を、前記インク受容層及び前記透明フィル
    ム形成用材料層に含有していることを特徴する画像形成
    用媒体セット。
  10. 【請求項10】 前記インク受容層が、多孔性無機粒子
    と結着材とを含み、多孔性無機粒子を主体としてなり、
    かつ、該結着材が前記透明フィルム層を構成する成分と
    化学結合する成分を含む請求項9に記載の画像形成用媒
    体セット。
  11. 【請求項11】 前記インク受容層が、多孔性無機粒
    子、結着材及び前記透明フィルム層を構成する成分と化
    学結合する成分を含む請求項9に記載の画像形成用媒体
    セット。
  12. 【請求項12】 前記多孔性無機粒子に対して前記結着
    材を10〜300重量%含有する請求項9〜11のいず
    れかに記載の画像形成用媒体セット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004050378A1 (ja) * 2002-11-29 2004-06-17 Sony Corporation インクジェット被記録媒体、インクジェット画像形成方法及び印画物

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