JP2908518B2 - 液体噴射記録装置 - Google Patents

液体噴射記録装置

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JP2908518B2 JP2124233A JP12423390A JP2908518B2 JP 2908518 B2 JP2908518 B2 JP 2908518B2 JP 2124233 A JP2124233 A JP 2124233A JP 12423390 A JP12423390 A JP 12423390A JP 2908518 B2 JP2908518 B2 JP 2908518B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は液体噴射記録部と記録物の加熱加圧部とが一
体化された液体噴射記録装置に関する。なかでも、ラミ
ネート材層をあらかじめ記録層上に積層した被記録媒体
にラミネート材層側から記録を行い、しかる後ラミネー
ト材層を溶融させて記録層を保護するラミネート層を形
成するタイプの被記録媒体からの記録物の形成に好適な
液体噴射記録装置に関する。
〔従来の技術〕 通常水を主体とするインク等の記録用の液体を用いる
液体噴射記録法によって得られる記録物においては、記
録用の液体を被記録媒体へ付着させてからの乾燥・定着
までの時間が比較的長いために、記録終了後に直に記録
物を利用できない場合が多いという問題があった。
そこで、インクの吸着・定着の良い記録層の開発や、
高速での乾燥・定着のための装置の利用について種々の
試みがなされてきた。
例えば、記録直後の記録面にラミネート材をラミネー
トして記録面を保護し、記録物を直に利用できるように
する方法が知られている。
このラミネート処理は、例えば、フィルム状のラミネ
ート材を記録物の記録面に重ね合せた状態で加熱、加圧
してこれらを融着して記録面上にラミネート層を形成す
る方法、被記録媒体の記録面にあらかじめラミネート層
形成用のラミネート材層を設けておき、ラミネート材層
上から記録を行なってインクを記録面へ透過させた後、
加熱、加圧処理して、記録面上にラミネート層を形成す
る方法等により行なうことができる。
〔発明が解決しようとしている課題〕
上述のラミネート材層をあらかじめ記録材の記録層上
に設けておく方法は、ラミネート処理に先立つラミネー
ト用のフィルム等の記録物への重ね合せ操作が省略で
き、かつ加熱による透明化を利用するOHP(オーバヘッ
ドプロジェクター)用の被記録媒体からの透光性記録物
の形成に好適に利用できるという利点を有する。
しかしながら、従来技術においては、ラミネート処理
中にラミネート材層やラミネート層のふくれ、はがれ、
あるいは加熱加圧手段とのブロッキング等が生じる場合
が多い。特に、複数の色のインクを重ね打ちするカラー
記録の場合はこれらの問題の発生がより顕著となってい
た。
本発明はこのような液体噴射記録を用いた場合のラミ
ネート処理における問題点を解決するためになされたも
のであり、その目的はあらかじめラミネート材層を設け
た被記録媒体における良好なラミネート処理を可能とす
る構成を有する液体噴射記録装置を提供することにあ
る。
〔問題を解決するための手段〕
本発明液体噴射記録装置は、ラミネート材層を有する
被記録媒体に記録用の液滴を付与して記録を行なう液体
噴射記録部と、前記被記録媒体をラミネート処理するた
めの加熱加圧部とを有する液体噴射記録装置において、 前記加熱加圧部が、加熱及び加圧手段と、該加熱及び
加圧手段と前記液体噴射記録部との間に設けられた前加
熱手段とを有し、該前加熱手段による前記被記録媒体の
加熱温度が、該加熱及び加圧手段での該被記録媒体の加
熱温度よりも低く、前記ラミネート材層が透明化しない
温度であることを特徴とする。
また、本発明の記録物の製造方法は、記録層と該記録
層上に設けたラミネート層形成用のラミネート材層を有
する被記録媒体に記録用のインク液滴を付与して記録を
行い、その後、加熱加圧手段を作用させてラミネート層
を形成することにより記録物を製造する方法であって、
前記加熱加圧手段を作用させる前に、前記ラミネート材
層が透明化しない温度で前記被記録媒体を加熱すること
を特徴とする。
本発明によれば、ラミネート処理のための加熱加圧部
における加熱及び/または加圧の条件を段階的に調節し
てラミネートに最適な条件での加熱加圧が行なえ、常に
良好な状態にラミネート処理された記録物が得られる。
以下、OHP用の被記録媒体を用いる場合を代表例とし
て、本発明を説明する。
第1図は、本発明の装置の一例の要部を示す側面図で
ある。なお、図示を省略した液体噴射記録部としては、
種々の構成の液体噴射記録装置を制限なく利用できる。
この装置の図示した加熱加圧部において、1は温風フ
ァン、2は温度用ヒーター、3はベルト駆動ローラー、
4は定着ベルト、5は圧着ローラー、6は分離ローラ
ー、7は前乾燥用ヒータ、8は耐熱フィルム、9は定着
ヒータ、10は冷却ファン、11はローラーである。
ラミネート処理される被記録媒体は、図中Aの位置か
ら矢印方向に給紙され、前乾燥、熱加圧、冷却分離の各
過程を通り排紙される。
被記録媒体としては、例えばポリエチレンテレフタレ
ート(PET)フィルム等の基材上にポリビニルアルコー
ル(PVA)等からなる記録層及びラミネート層を形成す
るための各種ポリマーからなるラミネート材層をこの順
に設けた構成を有するOHP用等の透過光を利用する記録
物を得るためのものが用いられる。
このような被記録媒体としては、例えば支持体として
の基材と、該基材上に形成された実質的にインク或いは
記録剤を吸収及び捕捉する記録層と、該記録層上に形成
され、インクを直接受容し、通液性を有し、実質的に記
録剤が残留しないラミネート材層により構成されるもの
が利用できる。
但し、ラミネート材層又は記録層が基材としての機能
を兼備するものである場合には、基材は必ずしも必要で
はない。
上記被記録媒体に用いる基材としては、従来公知のも
のがいずれも使用でき、具体的には、ポリエステル樹
脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリスチ
レン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリメタクリレート樹脂、セロハン、セルロイド、ポリ
塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂等のプラスチックフィ
ルム、板或いはガラス板等が挙げられる。これらの基材
の厚みはいずれでもよいが、一般的には、1μm乃至5,
000μm程度である。
尚、OHP用の記録物のような透光性記録物を得る場合
には、基材は透明であることが必要である。
更に、基材として耐水性、耐摩耗性、耐ブロッキング
性等を有するものを選択することによって、得られる印
画物に耐水性、耐摩耗性、耐ブロッキング性等も付与す
ることがでかきる。
本発明に用いる被記録媒体を構成するラミネート材層
の有する通液性とは、インクを速やかに通過させ、該層
内にインク中の記録剤を実質的に残留せしめない性質を
言う。
通液性を有するラミネート材層の好ましい態様は、該
層内部に亀裂や連通孔を有する多孔質構造を有するもの
であり、加熱及び/又は加圧により透明化し得るもので
ある。
上記の特性を満足するためのラミネート材層として
は、主として樹脂粒子と結着剤とから構成されるものが
利用できる。
このような樹脂粒子としては、インク中の記録剤に対
して非吸着性の熱可塑性樹脂であり、加熱及び/又は加
工により融着し均一化し得る樹脂等の有機粒子、例え
ば、ポリエチレン、ポリメタクリレート、エラストマ
ー、エチレン一酢酸ビニル重合体、スチレン−アクリル
共重合体、ポリエステル、ポリアクリル、ポリビニルエ
ーテル等の樹脂粉体及びエマルジョンのうちの少なくと
も1種が所望により使用される。
尚、被記録媒体の構成に用いる樹脂粒子は、上記の樹
脂粒子に限定されるものではなく、記録剤に対して非吸
着性のものであり、且つ透明化できるものであれば、他
の周知の材料でも構わない。
又、使用する結着材は、上記樹脂粒子同士及び/又は
記録層とを結着させる機能を有するものであり、樹脂粒
子と同様に記録剤に対して非吸着性であることが必要で
ある。
また、結着剤としては好ましい材料は、前記の機能を
有するものであれば、従来公知の材料がいずれも使用で
き、例えば、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ス
チレン−アクリル共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、デンプン、ポリビニルブチラー
ル、ゼラチン、カゼイン、アイオノマー、アラビアゴ
ム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、メラミン樹
脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエンゴン、ユリア
樹脂、フェノール樹脂、α−オレフィン樹脂、クロロプ
レン、ニトリルゴム等の樹脂のうち1種以上が所望によ
り使用できる。
更に、ラミネート材層としての前記機能を向上させる
ために、必要に応じて、各種の添加剤、例えば、界面活
性剤、蛍光増白剤、防腐・防バイ剤、浸透剤、架橋剤等
を表層に添加してもよい。
前記粒子と結着剤との混合比(重量比)は、粒子/結
着剤=1/2乃至50/1の範囲が好ましく、より好適には3/1
乃至20/1の範囲である。
この混合比において結着剤が多すぎるときは、ラミネ
ート材層の亀裂や連通孔が少なくなり、インク吸収効果
が減少してしまう。又、混合比において粒子が多すぎる
と、粒子同士又はインク保持層と粒子との接着が十分で
なくなり、ラミネート材層を形成し得なくなる。
ラミネート材層の厚さは、インク適量にも依存する
が、好ましくは1乃至200μmであり、より好適には3
乃至50μmである。
次に、インク又は、記録剤を実質的に捕捉する非多孔
質の記録層は、ラミネート材層を通過してきたインクを
吸収及び保持し、実質的に恒久保持するものである。
記録層は、ラミネート材層よりもインク吸収力が強い
ことが必要である。これは、記録層の吸収力が、ラミネ
ート材層の吸収力よりも弱い場合、ラミネート材層表面
に付与されたインクが、ラミネート材層内を通過し、そ
のインクの先端が記録層に到達した際に、ラミネート材
層中にインクが滞留することにより、ラミネート材層と
記録層の界面でインクがラミネート材層内を必要以上に
横方向に浸透及び拡散して行くことになる。その結果、
記録画像の解像力が低下し、高品質の記録画像を形成し
得なくなるからである。なお、OHP用の記録物のような
透光性記録物を得る場合には記録層は光透過性であるこ
とが必要である。
光透過性の記録層は、記録剤を吸着する光透過性樹脂
及び/又はインクに対して溶解性及び膨潤性を有する光
透過性樹脂により構成されることが好ましい。
例えば、記録剤として酸性染料又は直接染料を含有す
る水性インクを用いた場合、インク保持層は、上記染料
に対して吸着性を有するカチオン性樹脂、例えば、四級
化されたポリアミン類及び/又は水系インクに対して膨
潤性を有する水溶性乃至親水性ポリマーにより構成され
るのが好ましい。
なお、記録層を構成する材料は、インクを吸収及び捕
捉する機能を有し、非多孔質層を形成し、インクジェッ
ト記録後のラミネート層形成のための処理(透明化処
理)に対して十分安定であり、記録層としての機能を消
失しないものであれば特に限定されるものではない。
記録層の厚さは、インクを吸収及び捕捉するのに十分
であればよく、インク適量によっても異なるが、好まし
くは1乃至50μmであり、より好適には3乃至20μmで
ある。
尚、記録層を構成する材料は、水性インクを吸収し、
インク中の記録剤を保持できる材料であればいずれの材
料でもよいが、インクが主として水性インクであること
ろから水溶性乃至親水性ポリマーから形成するのが好ま
しい。
このような水溶性乃至親水性のポリマーとしては、例
えば、アルブミン、ゼラチン、カゼイン、でんぷん、カ
チオンでんぷん、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等の
天然樹脂、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポ
リエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、四級化ポリ
ビニルピロリドン、ポリビニルピリジウムハライド、メ
ラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリウレ
タン、ポリビニルアルコール、イオン変性ポリビニルア
ルコール、ポリエステル、ポリアクリル酸ソーダ等の合
成樹脂、好ましくはこれらのポリマーを架橋処理して水
不溶性にした親水性ポリマー、2種以上のポリマーから
なる親水性且つ水不溶性のポリマーコンプレックス、親
水性セグメントを有する親水性且つ水不溶性のポリマー
等が挙げられる。
更に、前記したように記録層としての機能を低下させ
ない程度には、各種の添加物、例えば、耐水化剤、界面
活性剤、防腐剤、防バイ剤等が添加可能である。
基材上に記録層とラミネート材層を形成する方法とし
ては、上記で好適に挙げた材料を適当な溶剤に溶解又は
分散させて塗工液を調製し、該塗工液を、例えば、ロー
ルコーティング法、ロッドバーコティング法、スプレー
コーティング法、エアナイフコーティング法等の公知の
方法により基材上に塗工し、その後速やかに乾燥させる
方法が好ましく、前記の材料をホットメルトコーティン
グ法或いは前記の材料から一旦、単独のシ−トを形成し
ておき、該シートを基材にラミネートする如きの方法で
もよい。
但し、基材上に記録層を設ける際には、例えば、アン
カーコート層を形成する等の方法で基材と記録層との密
着を強固にし、空間をなくすのが好ましい。
基材として記録層との間に空間が存在すると、記録画
像の観察表面が乱反射し、実質的に画像光学濃度を下げ
ることになるので好ましくない。
上記構成の被記録媒体を用いた記録に用いるインクと
しては、従来公知の水系及び/又は油系のインクを用い
ることができるが、ラミネート材層に速やかに浸透し、
記録層で速やかに吸収及び捕捉させるためには、例えば
インクの粘度を500cps以下とするのが良い。好ましくは
粘度が100cps以下、好適には50cps以下である。
又、火気に対する安全性や環境に対する耐汚染性等を
考慮すれば、水系のインクが好ましい。インクに含有せ
しめる記録剤としては、従来公知の染料や顔料等の着色
剤及びその他の発色性を有する材料を用いることができ
る。インクジェット記録に用いられる記録剤としては、
例えば直接染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素等
に代表される水溶性染料が好ましい。
本発明において、被記録媒体にインクを以って記録後
にラミネート材層からラミネート層を形成するための透
明化を行なう方法としては、加熱による方法、加圧によ
る方法及び加熱と加圧とを併用する方法等が挙げられ
る。
例えば、加熱によって透明化する方法を具体的に説明
すると、加熱によってラミネート材層を形成する樹脂粒
子を溶融し、均一な被膜にする方法がある。
加熱によって透明化を行なう場合、記録層も溶融して
しまっては、画像が乱れてしまい、又、支持体が軟化し
てしまうことも変形を誘発して望ましくない。
よって、ラミネート材層を形成する樹脂の溶融温度
は、記録層の溶融温度や基材の軟化温度より低いことが
必須である。通常、好ましく用いられるポリエチレンテ
レフタレートフィルムを基材として用いる場合には、15
0℃以下でラミネート材層を加熱することが必要であ
る。
又、基材上に記録層やラミネート材層を形成する工程
には、通常、乾燥工程が含まれるが、実用上乾燥工程で
十分な効率を得るには、乾燥温度が60℃以上、好ましく
は80℃以上であり、従ってラミネート材層を構成する樹
脂の溶解温度はこの温度以上であることが必要である。
透明化の方法として、加熱の他に加圧によってラミネ
ート材層の樹脂粒子を融着させる方法等が挙げられる
が、本発明で用いられるのは加熱及び加圧(加熱圧着)
方法である。
例えば、ラミネート材層としては、常温では不透明な
層として被記録媒体の記録層上に設けられ、約80℃以上
での加熱溶融により透明化してラミネート層となるもの
が通常用いられる。
また、このラミネート材層は、上述のようにその表面
に不図示の液体噴射記録部において付与されたインク等
の記録用の液体の少なくとも記録成分をその下層を形成
する記録層に透過させるインク輸送層としても機能する
ものであり、このような特性を満足するような構成を有
するようにその材料及び形成方法が適宜選択されてい
る。
図示した加熱加圧部における給紙位置Aは、不図示の
液体噴射記録部の記録物の排紙部に接続されており、該
記録部において記録印字した記録物は図示した加熱加圧
部に供給され、透明化されると同時にラミネート処理さ
れる。従って、記録物の記録印字の行なわれた面は、直
にラミネート層により保護されるので、記録印字の行な
われた面を露出して利用する場合のようにインクの乾燥
・定着を持つ必要がない。
図示した加熱加圧部においては、給紙位置Aから供給
された記録物はベルト駆動ローラー3及びローラー11の
回転により矢印方向に駆動される定着ベルトにより矢印
方向に搬送され、まず前乾燥用ヒータ7によって前加熱
処理される。この前加熱処理は、記録物に付与されたイ
ンクを乾燥させるのと同時に記録物のラミネート材層中
に残されたインクの記録層への輸送を促進するための条
件、すなわち、インクの粘度が低くなり、多孔質である
ラミネート材層にインクが浸透し易くなる条件で行なわ
れる。従って、この前加熱処理における加熱条件は、用
いる被記録媒体の構成、記録印字時でのインクの付着量
等を考慮して決定すればよい。
なお、この前加熱処理においてラミネート材層を透明
化してしまうと、最終的に良好な透明状態を得られない
ので、加熱条件は、ラミネート材層の透明化が生じない
条件とする必要がある。
次に、前加熱処理された記録物は、耐熱フィルム8と
圧着ローラー5との間に挿入され、これらによって加圧
されるとともに定着ヒーター9により加熱され、ラミネ
ート材層から透明なラミネート層が形成される。このラ
ミネート処理における加熱加圧条件は定着ヒーター9に
よる加熱下で定着ベルト4を介した加圧により記録物の
記録層に吸収されたインクの良好な定着状態が得られ、
かつラミネート材層から平滑な表面のラミネート層が形
成され、その状態で冷却ファン10による冷却によりラミ
ネート層が冷却されて分離ローラー6の位置で定着ベル
ト4から分離できるように設定される。
なお、定着ベルト4としては、このような良好なラミ
ネート層との分離操作が行なえるように、ラミネート層
との剥離性(離型性)のよい記録物との接触面を有する
ものが用いられる。
本発明の装置においては、前加熱処理においてラミネ
ート材層にインクが残留しにくいので、インクの残留に
よって形成されるラミネート層の定着ベルトとのブロッ
キングや定着ベルトから形成されたラミネート層を分離
した際の記録物からのラミネート層のはがれ等が生じに
くくなり、より良好なラミネート処理が行なえる。
なお、上述のような前加熱処理を行なわないで直接ラ
ミネート層の形成を行なうと、記録物のPVA層までイン
クが充分に達せずラミネート材層中に残留している場
合、後の加熱加圧処理で形成されるラミネート層にふく
れを生じさせたり、さらにはオフセットや、はがれを生
じさせる。これに対して、本発明における前加熱処理を
行なうことで、これらの問題を効果的に防止できる。
〔実施例〕
以下、図示した装置におけるラミネート処理の実施例
等を説明する。
実施例1 まず、PETフィルムの(厚さ100μm)上にPVAからな
る記録層(約8〜10μm)を形成し、さらにこの上にラ
ミネート材層であるポリオレフィン水性ディスパージョ
ンを約30μmコートした被記録媒体を用意した。
次に、この被記録媒体のラミネート材層上に液体噴射
記録部(不図示)において記録印字を行ない、そこから
排紙された記録物をAの位置から図示した加熱加圧部に
供給し、前乾燥用ヒーター7で75℃で加熱した。すなわ
ち、前乾燥用ヒーター7のプレート温度を75℃に保ち、
なるべく熱容量を大きくし、記録物の温度低下を防止で
きるようにした。
温風ファン1は約1m/秒の風速の微風を生じるように
セットした。この温風ファンからの風速が高すぎると、
定着ベルト4の温度低下を生じるので好ましくない。温
風用ヒーター2は、温風ファンからの風の温度が75℃と
なるように設定した。記録物は、このようにして前乾燥
ヒーター7で前加熱処理される。なお、この前乾燥ヒー
ター7での記録物の処理時間は用いた記録物の構成、サ
イズ等に応じて調節した。なお、この処理時間は、定着
ベルト4での搬送スピードの調節により行なうことがで
きる。
次に、記録物は前乾燥ヒーター7にガイドされて、圧
着ローラー5と定着ヒーター9によって定着ベルト4と
耐熱フィルム8の間に挟持された状態で加熱加圧処理さ
れた。
定着ベルト4としては、記録物との離型性及び加熱の
為の耐熱性を考慮し、表面材質としては、シリコン或い
は、フッ素系のゴムや樹脂が好ましい。又、構成として
は、熱可塑性樹脂や、耐熱性ゴムの多層状のものでもよ
い。本実施例に於いては、PFA単層で約200μmのシーム
レスベルトを用いた。
この圧着ローラー5と定着ヒーター9とによる加熱加
圧条件は、加圧量(全圧)約10Kg、ニップ約5mm、加熱
温度190℃であった。この加熱加圧処理を経た記録物は
冷却ファン10の設置位置に搬送され、約75℃以下に冷却
され、分離ローラー6の位置で定着ベルト4から分離さ
れた。なお、テンションローラー11は、熱容量があるの
で、そのローラーより図における右側(排紙側)で温度
差が保てる役割も果たす。また、分離ローラー6は小径
とすることによって分離時の曲率を上げスムーズに記録
物の分離操作ができるようにした。分離時の記録物の温
度は前述のように75℃以下となるように定着ローラー5
からの搬送距離や冷却ヒーターを制御してあるので、記
録物のラミネート材層中のラミネート材が加熱加圧下で
溶融した後冷却されて、安定した透明ラミネート層が得
られる。
以上の操作において、記録物のラミネート層の定着ベ
ルト4とのブロッキングやラミネート層のはがれ等の発
生のない良好なラミネート処理を行なうことができた。
また、このようにしてラミネート処理された記録物にお
いては、PVAからなる記録層上にラミネート層が良好な
状態で融着した構成を有し、その透明性も良好であり、
OHP等に好適に適用できるものであった。
参考例1 第2図に、ラミネートドラムを用いた本発明における
加熱加圧部の他の例を示した。図において21は搬送ベル
ト、22は搬送路分離用帯電ローラー、23は排紙ガイド、
24は排紙センサー、25は定着ドラム、26は冷却ファン、
27は加圧ローラー、28は圧着ローラー、29は圧着ベル
ト、30は圧着分離ローラーである。
実施例1では、被記録媒体が数種に及ぶ記録装置にお
いて、コート紙等熱に弱い被記録媒体を他搬送路により
加熱加圧部に供給されないようにして排紙するには、そ
のための特別な装置が必要となるので本実施例ではラミ
ネート処理の必要な記録物と不要な記録物の選別を容易
とするラミネート時専用のドラムを設けた。
本実施例を第2図を用いて説明する。記録物は、搬送
ベルト21によりユニット内に給紙される。この時記録物
がコート紙等のラミネート・ユニットを通したくない被
記録媒体を用いて形成された場合は、搬送路分離用帯電
ローラー22は、帯電されずかつ上がったままであり、ラ
ミネートドラム25が回転することにより、そのまま直線
的に排紙される。
また、実施例1で用いたOHP用記録物のようにラミネ
ート・ユニット内を通過させる場合には、搬送路分離用
帯電ローラー22が下がり、OHPフィルムはラミネート・
ドラム25に静電吸着される。そして、例えば150℃の加
熱加圧ローラー27と、圧着ローラー28間で、加熱圧着を
行なう。そこでOHP用記録物は、表層が溶け、圧着ベル
ト29に溶着し、ラミネート・ドラム25から分離し、下方
へ搬送される。そして冷却ファン26により、約75℃以下
に冷却された後、分離ローラー30の曲率によって分離
し、排紙ガイド23により、排紙される。この際、実施例
1のような前乾燥はラミネート・ドラムを冷却するファ
ンにより、約80〜70℃に冷却されているので、帯電ロー
ラー22によって吸着された時から、圧着ローラー28に加
熱圧着される間に行なわれていることになる。
実施例2 第3図は本発明における加熱加圧部の他の実施例を示
す。本実施例の加熱加圧部は、より簡素化した構成で、
ラミネート・ドラム上でほとんどのラミネート工程を行
なえるようにしたものである。
図において、21は搬送ベルト、7は前乾燥用ヒータ
ー、23は排紙ガイド、24は排紙センサー、25はラミネー
ト・ドラム、30は帯電ローラー兼分離爪、31は加熱圧着
ローラー、32は冷却ファン、33は冷却兼前乾燥用ファ
ン、34は送風ガイドである。この第3図を用いて本実施
例を以下に説明する。
通常、コート紙等は、分離爪30が上がっている状態で
通紙されるので、前実施例のように直線的に排紙される
のでジャムに危険性が少なく、しかも搬送長が長くなら
ないので、速度が落ちることがない。また、実施例1で
用いたOHP用の記録物の場合は、この分離爪30が下りて
いる状態で搬送し、帯電ローラーによってラミネート・
ドラム25に吸着する。そして、加熱圧着ローラー31によ
り、約150℃でラミネート処理され冷却ファン32,33によ
り、約75℃に冷却される。さらに、分離爪30によりラミ
ネート・ドラムより、分離/排紙する。この実施例での
前加熱処理は効率を上げるために前乾燥用ヒーター7を
設けて行なっているが、参考例1のように、ラミネート
・ドラムが約75℃になっているので、ドラムに接するだ
けでも前記加熱処理の効果はある。しかしながら参考例
1との相異は、ドラム25に吸着する面が、本実施例の場
合、記録物のラミネート材層を有する面、すなわち印字
面である。この場合、前加熱処理中に蒸発する水分等
が、逃げ場がなくなり、結局、火ぶくれ現象を生じさせ
る可能性がある。そこで、ファン33と、ヒーター2を設
けて蒸発する水分等を効率よく排除できるようにした。
以上OHP用の被記録媒体における記録物のラミネート
層形成のための処理について述べたが、本発明の装置は
これに限定されず、透明化を必要としない場合や、ラミ
ネート用フィルムと記録物とを記録後に重ね合せて加熱
圧着処理する場合及び、ラミネート補助用媒体(剥離紙
等)を用いる場合にも好適に適用し得る。
〔発明の効果〕
本発明の装置を用いることにより、ラミネート層の記
録物への加熱圧着処理を段階的な温度及び/または圧力
を制御して行なうことができ、良好なラミネート処理操
作とラミネート層の記録物への融着状態を得ることがで
き、その処理時間も従来の乾燥方式に比べ大幅に短縮で
きる。
特に、本発明によればラミネート材層を記録層上にあ
らかじめ設けた被記録媒体を用いて形成した記録物のラ
ミネート処理において従来では達成し得なかった良好な
ラミネート操作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第3図はそれぞれ本発明の液体噴射記録装置
の有する加熱加圧部の要部を、また第2図は参考例の加
熱加圧部の要部を示す側面図である。 1……温風用ファン、2……温風用ヒーター、3……ベ
ルト駆動ローラー、4……圧着ベルト、5……圧着ロー
ラー、6……分離ローラー、7……前乾燥用ヒーター、
8……耐熱フィルム、9……加熱ヒーター、10……冷却
ファン、11……ローラー、12……温度センサ、21……搬
送ベルト、22……搬送路分離用帯電ローラー、23……排
紙ガイド、24……排紙センサ、25……ラミネート・ドラ
ム、26……冷却ファン、27……加熱加圧ローラー、28…
…圧着ローラー、29……圧着ベルト、30……帯電ローラ
ー兼分離爪、31……加熱加圧ローラー、32……冷却ファ
ン、33……冷却兼前乾燥用ファン、34……送風ガイド。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/01 B41J 29/00 B41M 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラミネート材層を有する被記録媒体に記録
    用の液滴を付与して記録を行なう液体噴射記録部と、前
    記被記録媒体をラミネート処理するための加熱加圧部と
    を有する液体噴射記録装置において、 前記加熱加圧部が、加熱及び加圧手段と、該加熱及び加
    圧手段と前記液体噴射記録部との間に設けられた前加熱
    手段とを有し、該前加熱手段による前記被記録媒体の加
    熱温度が、該加熱及び加圧手段での該被記録媒体の加熱
    温度よりも低く、前記ラミネート材層が透明化しない温
    度である ことを特徴とする液体噴射記録装置。
  2. 【請求項2】記録層と該記録層上に設けたラミネート層
    形成用のラミネート材層を有する被記録媒体に記録用の
    インク液滴を付与して記録を行い、その後、加熱加圧手
    段を作用させてラミネート層を形成することにより記録
    物を製造する方法であって、前記加熱加圧手段を作用さ
    せる前に、前記ラミネート材層が透明化しない温度で前
    記被記録媒体を加熱することを特徴とする記録物の製造
    方法。
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