' 明 細 書 性ホルモン依存性疾患の治療用医薬製剤 技術分野
本発明は、 ①黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物またはその 塩の投与後に黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはそ の塩を投与するための、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物ま たはその塩および黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物また はその塩とを組み合わせてなる性ホルモン依存性疾患の治療用医薬製剤、 ②黄 体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物またはその塩の投与後に黄体 形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩を投与するこ とを特徴とする、 性ホルモン依存性疾患の治療用医薬組成物を製造するための 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物もしくはその塩または黄体 形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩の使用方法な どに関する。 , 背景技術
LHRH (もしくは GnRH) として知られる黄体形成ホルモン放出ホルモンは視床 下部から放出され, 下垂体のレセプ夕一に結合する。 これによつて放出される LH (黄体形成ホルモン) と FSH (卵胞刺激ホルモン) は性腺に作動してステロイ ド性ホルモンを合成する。 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用が強い化合物の 連続投与は, 利用可能なレセプ夕一数の減少をもたらし, 性腺由来ステロイド 性ホルモンの形成が抑制される。 このことを利用して黄体形成ホルモン放出ホ ルモン作用を有する化合物は前立腺癌, 良性前立腺肥大, 子宮内膜症, 子宮筋 腫, 子宮線維腫, 思春期早発症, 乳癌等の性ホルモン依存性疾患などの治療薬 として臨床適応されている。
上記の性ホルモン依存性の疾患 (特に前立腺癌) が性ホルモン非依存性に変 化することを予防 ·遅延する治療法として黄体形成ホルモン放出ホルモン作用
を有する化合物の製剤投与を一旦中止して休薬し、 回復した濃度の性ホルモン に曝すことによって該疾患を治療可能なホルモン依存性に保つ間歇療法が採用 されている (例えば、 Cancer, 71 (1993) 2782-2790) 。 '
黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物は LHRH レセプ夕一に 対する作動薬であるため、 その製剤を初回投与直後には化合物本来の下垂体 性腺刺激作用でテストステロンゃェストロジェン濃度が上昇し、 一過性の疾 患の悪化 (フレア一現象) が認められる。 その後 LHRHレセプ夕一数が減少し てホルモン依存性疾患の治療に有効になるが、 薬効発現濃度以下の血中濃度 になって以降も LHRH レセプター数が急速には回復せず、 間歇療法に必要な 濃度のホルモンに曝されるには余分な期間を必要とする。 このため、 間歇療 法において明確な休薬期間を規定できる、 あるいは投薬期間中は性ホルモン 抑制を達成しながらもその終了後により明確な性ホルモン回復を促進する治 療法が待望されている。 発明の開示
本発明の発明者らは、 上記の問題点を解決するために鋭意研究の結果、 本発 明を完成するに至った。
すなわち、 本発明は、
( 1 ) 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物またはその塩の投与 後に黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩を投 与するための、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物またはその 塩および黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩 とを組み合わせてなる性ホルモン依存性疾患の治療用医薬製剤、
( 2 ) 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物またはその塩がぺプ チド性化合物またはその塩である上記 (1 ) 記載の製剤、
( 3 ) ペプチド性化合物が天然型ホルモンまたはその類縁体である上記 (2 ) 記載の製剤、
( 4 ) ぺプチド性化合物が式 5- 0X0- Pro-His- Τι·ρ- Ser- Tyr- Y_Leu- Arg- Pro - Z 〔式中、 Yは DLeu、 DAI a, DT卬、 DSer (tBu) , D2Nalおよび DHi s (ImBz l)から選
ばれる残基を、 Zは NH-C2H5または G - NH2をそれぞれ示す〕 で表わされるぺプ チドである上記 (2) 記載の製剤、
(5) ペプチド性化合物またはその塩がリュ一プロレリン、 ゴナドレリン、 ブ セレリン、 トリプトレリン、 ゴセレリン、 ナファレリン、 ヒストレリン、 デス ロレリン、 メテレリンおよびレシレリンから選ばれる化合物またはその塩であ る上記 (2) 記載の製剤、
(6) 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物またはその塩が注射 剤として用いられる上記 (1) 記載の製剤、 .
(7) 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物またはその塩が徐放 性製剤として用いられる上記 (1) 記載の製剤、
(8) 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物またはその塩が経鼻 投与製剤として用いられる上記 (1) 記載の製剤、
(9) 黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を肴する化合物またはその塩が ペプチド性ィ匕合物またはその塩である上記 (1) 記載の製剤、
(10) 黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有するペプチド性化合物ま たはその塩が
NAcD2Nal-D4ClPhe-D3Pal-Ser-NMeTyr-DLys (Nic) -Leu-Lys (Ni sp) -Pro-DAl aNH2, N(4H2-furoyl)Gly-D2Nal-D4ClPhe-D3Pal-Ser-NMeTyr-DLys(Nic)-Leu-Lys(Nisp ) - Pro- DAlaNH2、 セトロレリクス、 ガ'二レリクス、 アンタレリクス、 デチレリク ス、 ァザリン、 アン夕イド、 ラモレリクスおよびアバレリクスから選ばれる化 合物またはその塩である上記 (9) 記載の製剤、
(11) 黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩 が注射剤として用いられる上記 (1) 記載の製剤、
(12) 黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩 が徐放性製剤として用いられる上記 (1) 記載の製剤、
(13) 黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩 が経鼻投与製剤として用いられる上記 (1) 記載の製剤、
(14) 黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩 が非ペプチド性化合物またはその塩である上記 (1) 記載の製剤、
(15) 非ペプチド性化合物またはその塩が、 式 (I)
〔式中、 R 1および R2は、 それぞれ水素原子、 ヒドロキシ基、 4アルコキ シ基、 C ^4アルコキシ—力ルポニル基または置換基を有していてもよい アル午ル基を、'
R3は水素原子、 ハロゲン原子、 ヒドロキシ基または置換基を有していても'よい アルコキシ基を示すか、 または
隣接する 2つの R 3が連結して アルキレンジォキシ基を形成してもよく、
R 4は水素原子または C 4アルキル基を、
R
6は置換基を有していてもよい(^_
4アルキル基または式
(式中、 R 5は水素原子を示すか、 または R 4と R 5とが連結して複素環を形成し てもよい) で表される基を、 および
nは 0 5の整数を示す〕 で表される化合物またはその塩である上記 (1) 記 載の製剤、
(16) 非ペプチド性化合物またはその塩が、 5— (N—べンジルー N—メチ ルアミノメチル) 一 1— (2, 6—ジフルォロベンジル) —6— [4- (3—メ トキシゥレイド) フエニル] —3—フエニルチエノ 〔2, 3— d〕 ピリミジン一 2, 4 (1H, 3H) ージオンまたはその塩である上記 (14) 記載の製剤、
(17) 非ペプチド性化合物またはその塩が、 式 (VIII) :
〔式中、 R9は置換されていてもよいじ ?アルキル基、 置換されていてもよい
C 3 _ 7シクロアルキル基、 置換されていてもよい C — 6アルコキシァミノ基また は置換されていてもよいヒドロキシァミノ基を、
R1Qは置換されていてもよい C^— 7アルキル基または置換されていてもよいフ ェニル基を示す〕 で表される化合物またはその塩である上記 (14) 記載の製 剤、
(18) 非ペプチド性化合物またはその塩が、 3— (N—ベンジル— N—メチ ルアミノメチル) 一 4, 7—ジヒドロー 5—イソプチリル— 7— (2, 6—ジ フルォロベンジル) —2— [4- [ (1—ヒドロキシシクロプロピル) 力ルポ ニルァミノ] フエニル] 一 4一才キソチエノ [2, 3— b] ピリジンまたはそ の塩である上記 (14) 記載の製剤、 '
(19) 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物またはその塩の投 与前、 投与中または投与直後に黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有す る化合物またはその塩を投与する上記 (1) 記載の製剤、
(20) 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物またはその塩の投 与後に黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩を 投与することを特徴とする性ホルモン依存性疾患の治療用医薬製剤を製造する ための、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物もしくはその塩お よび/または黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはそ
の塩の使用方法、
( 2 1 ) 性ホルモン依存性疾患の治療のために、 黄体形成ホルモン放出ホルモ ン作用を有する化合物またはその塩の投与後に黄体形成ホルモン放出ホルモン 拮抗作用を有する化合物またはその塩を投与することを特徴とする、 黄色体形 成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物またはその塩または黄色体形成ホ ルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩を含有する性ホルモ ン依存性疾患の治療用医薬製剤、
( 2 2 ) 黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩 を含有することを特徴とするホルモン療法維持剤、
( 2 3 ) 黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩 を用いることを特徵とする休薬期間の規定方法、
( 2 4 ) 黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩 を用いることを特徴とする生体内性ホルモン濃度の回復方法、
( 2 5 ) 哺乳動物に対して、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合 物またはその塩の有効量を投与した後に黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作 用を有する化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする性ホルモ ン依存性疾患の治療方法、
( 2 6 ) 哺乳動物に対して、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合 物またはその塩の有効量を投与した後に黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作 用を有する化合物またはその塩の有効量を投与することを特徵とするホルモン 療法の維持方法、
( 2 7 ) 哺乳動物に対して、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合 物またはその塩の有効量を投与した後に黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作 用を有する化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする休薬期間 の規定方法、
( 2 8 ) 哺乳動物に対して、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合 物またはその塩の有効量を投与した後に黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作 用を有する化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする生体内性 ホルモン濃度の回復方法、 および
( 2 9 ) 哺乳動物に対して、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合 物またはその塩の有効量を投与した後に黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作 用を有する化合物またはその塩の有効量を投与することにより性ホルモン依存 性を回復させることを特徴とする性ホルモン依存性疾患の治療方法などに関す る。 発明を実施するための最良の形態
本明細書において、 性ホルモン依存性疾患とは、 性ホルモン依存性癌 (例、 前立腺癌、 子宮癌、 乳癌、 下垂体腫瘍など) 、 前立腺肥大症、 子宮内膜症、 子 宮筋腫、 思春期早発症、 月経困難症、 無月経症、 月経前症候群、 多房性卵巣症 候群などの疾患を意味する。
本発明で用いられる黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物また は黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物としては、 薬理学的 に有用なものであれば特に限定を受けないが、 非べプチド性化合物でもべプチ ド性化合物でもよい。 ペプチド性化合物としては、 例えば、 分子量約 3 0 0〜 約 4 0, 0 0 0、 好ましくは約 4 0 0〜約 3 0 , 0 0 0、 さらに好ましくは約 5 0 0〜約 2 0, 0 0 0の生理活性べプチドなどが好適である。
具体的には、 トリートメント ウイズ G n RH アナログ:コントラバ一シス アンド ノ^ースぺクティブ (Treatment wi th GnRH analogs : Controvers ies and perspect ives) [パルテノン バブリツシング グループ (株) (The Parthenon Publ ishing Group Ltd. )発行 1996年] 、 特表平 3— 5 0 3 1 6 5号公報、 特開 平 3— 1 0 1 6 9 5号、 同 7— 9 7 3 3 4号および同 8— 2 5 9 4 6 0号公報 などに記載されているペプチド類などが挙げられる。
黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有するぺプチド性化合物として具体的 には、 例えば、 式
5-oxo-Pro-His-Trp-Ser-Tyr-Y-Leu-Arg-Pro-Z
〔式中、 Yは DLeu、 DAla、 DTrp, DSer (tBu) , D2Nalおよび DHis (ImBzl)から選 ばれる残基を、 Zは NH-C2H5または Gly-皿2をそれぞれ示す〕 で表わされるぺプ チドなどが用いられる。 特に、 Yが DLeuで、 Zが NH- であるペプチド (即
ち、 5- oxo- Pro- His-T卬- Ser- Tyr- DLeu- Leu- Arg_Pro- NH- C2H5で表されるぺプチ ド; リュープロレリン) またはその酢酸塩が好適である。
さらに、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有するペプチド性化合物とし て具体的には、 ゴナドレリン、 ブセレリン、 トリプトレリン、 ゴセレリン、 ナ ファレリン、 ヒストレリン、 デスロレリン、 メテレリンおよびレシレリンなど が挙げられる。
黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有するぺプチド性化合物として具 体的には、 例えば、 式
X-D2Nal-D4ClPhe-D3Pal-Ser-A-B-Leu-C-Pro-DAlaNH2
〔式中、 Xは N(4H2-furoyl)Glyまたは NAcを、 Aは NMeTyr、 Tyr、 Aph (Atz), 匪 eAph(Atz)から選ばれる残基を、 Bは DLys(Nic)、 DCit、 DLys (AzaglyNic) , DLys(AzaglyFur), DhArg(Et2)、 DAph(Atz)および DhCiから選ばれる残基を、 C は Lys(Nisp)、 Argまたは hArg(Et2)をそれぞれ示す〕 で表わされるペプチドな どが用いられる。特に、 Xが NAc、 Aが醒 eTyr、 Bが DLys(Nic;)、 Cが Lys(Nisp) であるペプチド (即ち、
NAcD2Na卜 D4ClPhe- D3Pa卜 Ser-NMeTyr- DLys(Nic)- Leu- Lys(Nisp)_Pro- DAIaNH2で 表されるペプチド) が好適である。
さらに、 黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有するぺプチド性化合物 として具体的には、
NAcD2Nal-D4ClP e-D3Pal-Ser-NMeTyr-DLys (Nic)-Leu-Lys (Nisp)- Pro- DAI aNH2、 N(4H2-furoyl)Gly-D2Nal-D4ClPhe-D3Pal-Ser-NMeTyr-DLys (Nic)-Leu-Lys (Nisp ) - Pro- DAlaN 、 セトロレリクス、 ガニレリクス、 アンタレリクス、 デチレリク ス、 ァザリン、 アン夕イド、 ラモレリクスおよびアバレリクスなどが挙げられ る。
これらのペプチドは、 前記文献あるいは公報記載の方法あるいはこれに準じ る方法で製造することができる。
本発明で用いられる黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物また は黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物はそれ自身であって も、 薬理学的に許容される塩であってもよい。
このような塩としては、 該黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合 物または黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物がアミノ基等 の塩基性基を有する場合、 無機酸 (無機の遊離酸とも称する) (例、 炭酸、 重 炭酸、塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸等)、有機酸(有機の遊離酸とも称する) (例、 コハク酸、 酢酸、 プロピオン酸、 トリフルォロ酢酸等) などとの塩が挙げられ る。
生理活性物質が力ルポキシル基等の酸性基を有する場合、 無機塩基 (無機の 遊離塩基とも称する) (例、 ナトリウム、 カリウム等のアルカリ金属、 カルシ ゥム、 マグネシウム等のアルカリ土類金属など) や有機塩基 (有機の遊離塩基 とも称する) (例、 トリエヂルァミン等の有機アミン類、 アルギニン等の塩基 性アミノ酸類等) などとの塩が挙げられる。 また、 生理活性ペプチドは金属錯 体化合物 (例、 銅錯体、 亜鉛錯体等) を形成していてもよい。
特に、 上述の
NAcD2Na卜 D4ClPhe-D3Pa卜 Ser-NMeTyr-DLys (Nic)_Leu-Lys (Nisp) -Pro-DAlaNH2で 表されるペプチド、 および
5 - oxo-Pro- His- Trp-Ser- Tyr-DLeu- Leu- Arg- Pro-NH- C2H5 (リユープロレリン)で 表されるペプチドは共に酢酸塩として好ましく用いられる。
さらに、 黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する非べプチド性化合 物としては、 黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物であれば、 いずれのものを用いてもよいが、 例えば、 前記化合物 (I) 、 化合物 (VI I I) な どが挙げられる他、 TO99/21553号、 W099/21557号、 W099/41251号、 W099/41252 号、 W099/51231号、 W099/51232号、翻/ 51233号、 W099/51234号、細/ 51595 号、 TO99/51596号、 W099/44987号、 W099/50275号、 W099/50276号、 W0 00/04013 号、 W0 00/12521号、 W0 00/12522号、 W0 00/29380号、 W0 00/20358号などに 記載の化合物などが挙げられる。
上記式 (I) 中の各置換基の定義を以下に記す。
R 1または R 2で示される 「(^— 4アルコキシ基」 としては、 例えば、 メトキ シ、 エトキシ、 プロボキシ、 イソプロボキシ、 ブトキシ、 tert-ブトキシなどが 挙げられる。 このうち、 (^ _3アルコキシ基が好ましい。 さらに好ましくはメト
キシである。
R 1または R 2で示される rc^— 4アルコキシ—カルボ二ル基」 とレては、 例 えば、 メトキシカルポニル、 エトキシカルポニル、 プロポキシ力ルポニル、 ィ ソプロポキシ力ルポニル、 ブトキシカルポニル、 tert-ブトキシカルポニルなど が挙げられる。 このうち、 ( ェ アルコキシ一力ルポニル基が好ましい。 さらに 好ましくはメトキシカルポニルである。
R 1または R 2で示される 「置換基を有していてもよい アルキル基」 の 「(: 4アルキル基」 としては、 例えば直鎖状 ( ト 4アルキル基 (例、 メチル、 ェチル、プロピル、ブチルなど)、分岐状 C 3— 4アルキル基(例、イソプロピル、 イソプチル、 sec-ブチル、, tert-ブチルなど) などが挙げられる。 このうち、 C i_3アルキル基が好ましい。 とりわけ、 ェチルが好ましい。
R 1または R 2で示される 「置換基を有していてもよい(^ _4アルキル基」 の 「置換基」 としては、 例えば(i) ヒドロキシ、 (i i) (: ?ァシルォキシ(例、 ァセトキシ、 プロピオニルォキシなどの — 6アルキル一力ルポニルォキシ) 、 (i i i) ベンゾィルォキシ、 (iv) アルコキシ一力ルポニル (例、 メトキ シカルボニル、 エトキシカルボニル、 tert—ブトキシカルポニルなど) 、 ベン, ジルォキシカルポニル、 (^ _4ァシル (例、 ァセチル、 プロピオニルなどの _ 3アルキル一力ルポニルなど) 、 C i_4アルキル (例、 メチル、 ェチル、 プロピ ル、 ブチルなど)および アルキルスルホニル(例、 メタンスルホニルなど) などから選ばれる置換基を 1または 2個有していてもよいアミノ基 (例、 アミ ノ、 ジメチルァミノ、 メトキシカルポニルァミノ、エトキシカルポニルァミノ、 tert—ブトキシカルボニルァミノ、 ベンジルォキシカルポニルァミノ、 ァセチ ルァミノ、 メタンスルホニルァミノなど) 、 (V) ( 。アルコキシ (例、 メト キシ、 エトキシ、 プロボキシ、 tert—ブトキシなど) 、 (vi) C 3— 7シクロアル キルォキシ力ルポ二ルー C — 3アルコキシ(例、 シクロへキシルォキシ力ルポ二 ルォキシー 1 一エトキシなど) 、 Cvi i) アルコキシ一 C — 3アルコキシ
(例、 メトキシメトキシ、 メトキシェトキシなど) などが挙げられる。 このう ち、 ヒドロキシが好ましい。
R 1または R 2で示される 「置換基を有していてもよい アルキル基」 の
「C i一 4アルキル基」は、例えば上記置換基を、置換可能な位置に 1ないし 5個、 好ましくは 1ないし 3個有していてもよく、 置換基数が 2個以上の場合、 '各置 換基は同一または異なっていてもよい。
R 1および R 2は、 どちらか一方が水素原子、 他方が アルコキシ基が好 ましい。
R 3で示される 「ハロゲン原子」 としては、 例えば、 フッ素、 塩素、 臭素、 ョ ゥ素が挙げられる。 このうち塩素が好ましい。
R 3で示される 「置換基を有していてもよい C — 4アルコキシ基」 の 「(^-4 アルコキシ基」'としては、 例えば、 メトキシ、 エトキシ、 プロボキシ、 イソプ ロボキシ、 ブトキシ、 t er t-ブトキシなどが挙げられる。 このうち、 メトキシが 好ましい。
R
3で示される 「置換基を有していてもよい — 4アルコキシ基」 の「置換基」 としては、 前記 R
1または R
2で示される 「置換基を有していてもよい(^ _
4ァ ルキル基」 の 「置換基」 と同様のものが挙げられる。 このうち
アルコキシ 基が好ましい。
該 アルコキシ基は、例えば上記置換基を、置換可能な位置に 1ないし 5 個、 好ましくは 1ないし 3個有していてもよく、 置換基数が 2個以上の場合、 各置換基は同一または異なっていてもよい。
隣接する 2つの R 3が連結して形成する 「(^ _4アルキレンジォキシ基」 とし ては、 例えばメチレンジォキシ、 エチレンジォキシなどが挙げられる。
R 3は、 水素原子が好ましい。
R 4で示される 「じ 4アルキル基」 としては、 例えば直鎖状 アルキル 基(例、メチル、ェチル、プロピル、ブチルなど)、分岐状 C 3_4アルキル基(例、 • イソプロピル、イソプチル、 sec -プチル、 ter t-ブチルなど)などが挙げられる。 このうち — 3アルキル基が好ましい。 とりわけ、 メチルが好ましい。
R 6で示される 「置換基を有していてもよい(^_4アルキル基」 としては、 R 1 または R 2で示される 「置換基を有していてもよい アルキル基」 が挙げら れる。
R 4と R 5とが連結して形成される 「複素環」 としては、 5または 6員含窒素
複素環基が挙げられる。 R4と R5とが連結するとき、 式
で表される基などが挙げられる。 このうち、 式
で表される基が好ましい
c
R
6は、 式
〔式中、 R
5は前記と同意義を示す〕 で表される基が好ましい。
R 4は Cェ _ 3アルキル基および R 5は水素原子が好ましい。
nは 0 2の整数が好ましい。
化合物 (I) 中、 好ましい化合物としては、 R1がヒドロキシ基、 メトキシ基 または 3アルキル基;
R2が水素原子または ( 3アルキル基; R4が ( 3アルキル基; R6がべンジ ル基;および nが 0である化合物またはその塩などが挙げられる。.
中でも好ましくは、 R1が アルコキシ基; R 2および R 5がそれぞれ水素 原子; R が C 3アルキル基; R 6がベンジル基;および nが 0である化合物ま
たはその塩などが挙げられる。
化合物 (I) の具体例としては、 .
5 - (N—ベンジル— N—メチルアミノメチル) 一 1一 (2, 6—ジフルォ口べ ンジル) -6- [4- (3—メトキシゥレイド) フエニル] 一 3—フエニルチ エノ 〔2, 3— d〕 ピリミジン一 2, 4 (1H, 3H) —ジオン、
5- (N—ベンジルー N—メチルアミノメチル) 一 1一 (2, 6—ジフルォ口べ ンジル) - 6 - [4— (3—ヒドロキシゥレイド) フエニル] —3—フエニル チエノ 〔2, 3— d〕 ピリミジン一 2, 4 (1H, 3H) —ジオン、
5— (N—べンジルー N—メチルアミノメチル) —1— (2, 6—ジフルォ口べ ンジル) 一6— [4— (3—メチルウレイド) フエニル] —3—フエニルチェ ノ 〔2, 3— d〕 ピリミジン一 2, 4 (1H, 3H) ージオン、
5- (N—べンジルー N—メチルアミノメチル) 一 1一 (2, 6—ジフルォ口べ ンジル) - 6 - [4一 (3—ェチルゥレイド) フエニル] —3—フエニルチェ ノ 〔2, 3— d〕 ピリミジン一 2, 4 (1H, 3H) ージオンまたはこれらの塩が 挙げられる。
なかでも、 5一 (N—ベンジルー N—メチルアミノメチル) 一 1一 (2, 6- ジフルォロベンジル) 一 6— [4— (3—メトキシゥレイド) フエニル] _3 一フエニルチエノ 〔2, 3—d〕 ピリミジン一 2, 4 (1H, 3H) —ジオンまた はその塩が好ましい。
上記式 (VIII) 中の各置換基の定義を以下に記す。
R9で示される 「置換されていてもよい(^— 7アルキル基」 の 「(: ?アルキ ル基」'としては、例えば直鎖 C^?アルキル基(例、 メチル、ェチル、 プロピル、 プチル、 ペンチル、 へキシル、 ヘプチルなど) 、 分枝 C3_7アルキル基 (例、 ィ ソプロピル、 イソブチル、 sec-ブチル、 tert-ブチル、 イソペンチル、 ネオペン チルなど) などが挙げられる。 このうち、 分枝 C3_7アルキル基が好ましい。 と りわけ、 イソプロピルが好ましい。
R9で示される 「置換されていてもよい アルキル基」 の 「置換基」 とし ては、 例えば(i) ヒドロキシ基、 (ii) ( 卜 7ァシルォキシ(例、 ァセトキシ、 プロピオニルォキシなどの C i— eアルキル一力ルポニルォキシ;ベンゾィルォキ
シなど) 、 (i i i) ^— 6アルコキシ—カルポニル (例、 メトキシカルボニル、 エトキシカルポニル、 tert—ブトキシカルポニルなど) 、 ベンジルォキシカル ポニル、 — 3ァシル (例、 ァセチル、 プロピオニルなどの — 2アルキル一力 ルポニルなど) 、 (^_3アルキルスルホニル (例、 メタンスルホニルなど) およ び — 3アルキル (例、 メチル、 ェチルなど) などから選ばれる置換基を 1また は 2個有していてもよいアミノ (具体例:ァミノ、 メトキシカルポニルァミノ、 ェトキシカルポニルァミノ、 tert—ブトキシカルポエルベンジルォキシカルボ ニルァミノ、 ァセチルァミノ、 メタンスルホニルァミノ、 メチルァミノ、 ジメ チルァミノなど) 、 (iv) C 3— 7シクロアルキルォキシカルポニル (例、 シクロ へキシルォキシカルポニルォキシなど)および アルコキシ(例、メトキシ、 エトキシなど)から選ばれる置換基を 1ないし 3個有していてもよい 。(好 ましくは アルコキシ (例、 メトキシ、 エトキシ、 プロボキシ、 tert—ブ トキシ、 シクロへキシルォキシカルボニルォキシー 1—エトキシ、 メトキシメ トキシ、 エトキシメトキシなど) 、 (V) C^— 6アルコキシ一力ルポニル (例、 メトキシカルボニル、 エトキシカルボニル、 プロポキシカルポニルなど) など が挙げられる。 このうちヒドロキシ基が好ましい。
該「(: ^ 7アルキル基」 は、 例えば上記置換基を、 置換可能な位置に 1ないし
5個、好ましくは 1ないし 3個有していてもよく、置換基数が 2個以上の場合、 各置換基は同一または異なっていてもよい。
R 9で示される 「置換されていてもよい C 3— 7シクロアルキル基」 の 「C 3_7 シクロアルキル基」 としては、 例えば、 シクロプロピル、 シクロプチル、 シク 口ペンチル、 シクロへキシソレ、 シクロへプチルなどが挙げられる。 このうち、 好ましくは、 シクロプロピルが挙げられる。
R 9で示される 「置換されていてもよい C 3_7シクロアルキル基」 の 「置換基」 としては、前記 R 9で示される「置換されていてもよい(^ アルキル基」の「置 換基」 と同様のものが 1ないし 3個挙げられる。 置換基数が 2個以上の場合、 各置換基は同一または異なっていてもよい。
R 9で示される 「置換されていてもよい — 6アルコキシァミノ基」 の 「じ
6アルコキシァミノ基」 としては、 例えば、 モノーまたはジー d— 6アルコキシ
アミノ基 (例、 メトキシァミノ、 エトキシァミノ、 ジメトキシァミノ、 ジエト キシァミノ、 エトキシメトキシァミノなど) が挙げられる。 このうち、 モノ— アルコキシァミノ基 (例、 メトキシァミノなど) が好ましい。
R 9で示される 「置換されていてもよい(^ _6アルコキシァミノ基」 の 「置換 基」 としては、 前記 R 9で示される 「置換されていてもよい (^_7アルキル基」 の 「置換基」 と同様のものが同個数挙げられる。 置換基数が 2個以上の場合、 各置換基は同一または異なっていてもよい。 該 「置換基」 は、 C ^ 6アルコ^シ ァミノ基の 「( ^ 6アルコキシ基」 または「ァミノ基の窒素原子」 を置換してい てもよい。
該「置換されていてもよい アルコキシァミノ基」 の具体例としては、 メ トキシァミノ、 N—メチルー N—メトキシァミノ、 N—エヂルー N—メトキシ ァミノ、 エトキシァミノ、 ジメトキシァミノ、 ジエトキシァミノ、 エトキシメ トキシァミノなどが挙げられる。好ましい例としては、 (: 3アルコキシァミノ 基、 N— 3アルキル一 N— アルコキシァミノ基などが挙げられる。
R 9で示される 「置換されていてもよいヒドロキシァミノ基」 の 「置換基」 と しては、 ヒドロキシァミノ基の 「ヒドロキシ基」 または 「ァミノ基の窒素原子」 を置換していてもよく、 該 「ヒドロキシ基」 上の置換基としては、 (i) C , _ 7 ァシルォキシ基 (例、 ァセトキシ、 プロピオニルォキシなどの — 6アルキル一 力ルポニルォキシ;ベンゾィルォキシなど) 、 (i i) 6アルコキシ一力ルポ ニル (例、 メトキシカルポニル、 エトキシカルボニル、 tert—ブトキシカルボ ニルなど) 、 ベンジルォキシカルポニル、 。ト 3ァシル (例、 ァセチル、 プロピ ォニルなどの Cト 2アルキル一力ルポニルなど)、 C x _ 3アルキルスルホニル (例、 メタンスルホニルなど) および (^— 3アルキル (例、 メチル、 ェチルなど) など から選ばれる置換基を 1または 2個有していてもよいアミノ基 (具体例:アミ ノ、 メトキシカルボニルァミノ、 エトキシカルボニルァミノ、 ier t—ブトキシ カルボ二ルペンジルォキシカルポニルァミノ、 ァセチルァミノ、 メタンスルホ ニルァミノ、 メチルァミノ、 ジメチルァミノなど) 、 (i i i) C 3_7シクロアル キルォキシカルポニル (例、 シクロへキシルォキシカルポニルォキシなど) お よび ( ト 3アルコキシ (例、 メトキシ、.エトキシなど) から選ばれる置換基を 1
ないし 3個有していてもよい C i— (好ましくは (: アルコキシ基 (例、 メトキシ、 エトキシ、 プロボキシ、 tert—ブトキシ、 シクロへキシルォキシ力 ルポニルォキシー 1—エトキシ、 メトキシメトキシ、 エトキシメトキシなど) などが挙げられ、 該 「ァミノ基の窒素原子」 上の置換基としては、 上記 (i) 〜 .(i i i) 記載の基および アルキル基 (例、 メチル、 エヂル、 プロピル、 ィ ソプロピル、 ブチル、 イソブチル、 sec-ブチル、 ter t-ブチル、 ペンチル、 イソ ペンチル、 ネオペンチル、 へキシルなど) などが挙げられる。 ヒドロキシアミ ノ基の置換基の数は、 通常 1ないし 5個、 好ましくは 1ないし 3個である。 置 換基数が 2個以上の場合、 各置換基は同一または異なっていてもよい。
「置換されていてもよいヒドロキシァミノ基」 の好ましい例としては、 N— アルキル— N—ヒドロキシァミノ基(例、 N—メチルー N—ヒドロキシァ ミノ、 N—ェチル一N—ヒドロキシァミノなど) などが挙げられる。 さらに好 ましくは N—C ^sアルキル一 N—ヒドロキシァミノ基などである。
R 1 Qで示される 「置換されていてもよい ( ?アルキル基」 の 「(: 7アルキ ル基」としては、例えば直鎖または分枝 (^ - 7アルキル基(例、メチル、ェチル、 プロピル、 イソプロピル、 ブチル、 イソブチル、 sec-ブチル、 tert -プチル、 ぺ ンチル、 イソペンチル、 ネオペンチル、 へキシル、 ヘプチルなど) などが挙げ られる。 このうち アルキル基 (例、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロ ピルなど) が好ましい。 特に好ましくはイソプロピルである。
R 1 (5で示される 「置換されていてもよい (^ _7アルキル基」 の 「置換基」 とし ては、 前記 R 9で示される 「置換されていてもよい(^— 7アルキル基」 の 「置換 基」 と同様のものが同個数挙げられる。 置換基数が 2個以上の場合、 各置換基 は同一または異なっていてもよい。
R 1 Qで示される「置換されていてもよいフエニル基」の「置換基」 としては、 例えばハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、 C — 3アルキル基(例、 メチル、ェチル、プロピル、イソプロピルなど)、 C^— 3アルコキシ基(例えば、 メトキシ、 エトキシ、 プロボキシ、 イソプロポキシなど) が挙げられる。 中で もハロゲン (好ましくはフッ素) が好ましい。
該「フエニル基」 は、例えば上記置換基を、置換可能な位置に 1ないし 5個、
好ましくは 1ないし 3個有していてもよく、 置換基数が 2個以上の場合、 各置 換基は同一または異なっていてもよい。
R
9は、 好ましくは、 置換された分枝 C
3—
7アルキル基または置換された C
3_
7シクロアルキル基、 さらに好ましくは、 ヒドロキシ基で置換された
アル キル基またはヒドロキシ基で置換された C
3_
7シクロアルキル基である。このう ち、 置換された C
3_
7シクロアルキル基が好ましい。 また、 ヒドロキシ基で置換 されていてもよい(^_
3アルキル基、 ヒドロキシ基で置換されていてもよい c
3 —
7シクロアルキル基、 モノー ^ アルコキシァミノ、 N— C^—
3アルキル一 N ーヒドロキシァミノ基、 ヒ,ドロキシァミノ基なども好まレぃ。 : R
9は、 特に好ま しくは、 ヒドロキシ基で置換されていてもよいシクロプロピル基またはメトキ シァミノ基などである。 最も好ましくは、 ヒドロキシ基で置換されたシクロプ 口ピル基である。
R1Qは、好ましくは、置換されていてもよい アルキル基である。 さらに 好ましくは、ヒドロキシ基で置換されていてもよい — 3アルキル基などである。 特に好ましくはイソプロピルである。 また、 フエニルも好ましい。
化合物 (VIII) の好ましい例としては、
R9が、 ヒドロキシ基で置換されていてもよい アルキル基、 ヒドロキシ基 で置換されていてもよい C 3— 7シクロアルキル基またはモノ— — 3アルコキ シァミノ基;
R1Dが、 アルキル基である化合物またはその塩などが挙げられる。
さらに好ましくは、
R9が (1) 1または 2個のヒドロキシ基で置換された ^— 4アルキル基、 (2) ヒドロキシ基で置換された C3_7シクロアルキル基、 または (3) 。ト 3アルコ キシァミノ基;
R1Gがイソプロピル基またはフエニル基である化合物またはその塩などが挙げ られる。
化合物 (VIII) の具体例としては、
3— (N—ベンジル一 N—メチルアミノメチル) 一 4, 7—ジヒドロー 5— イソブチリルー 7— (2, 6—ジフルォロベンジル) 一 2_ (4—シクロプ
口パンカルボニルァミノフエニル) 一 4—ォキソチエノ [2, 3 - b] ピリ ジン、
5一べンゾィルー 3 - (N—ベンジルー メチルアミノメチル)一 7—(2, 6—ジフルォロベンジル) 一 4, 7—ジヒドロー 4—ォキソ一2— [4- (3 ーヒドロキシ一 2—メチルプロピオニルァミノ) フエニル] チエノ [2, 3 一 b] ピリジン、
5— (4一フルォ口べンゾィル) 一 3— (N—ベンジルー N—メチルァミノ メチル) 一 7— (2, 6—ジフルォロベンジル) 一 4, 7—ジヒドロー 4 _ ォキソ一 2— (4—シクロプロパン力ルポニルァミノフエニル)チエノ [2, 3-b] ピリジン、
3— (N—べンジルー N—メチルアミノメチル) 一 4, 7—ジヒドロ— 5— イソプチリル _ 7— (2, 6—ジフルォロベンジル) 一 2— [4一 (3—ヒド 口キシー 2—メチルプロピオニルァミノ)フエニル]一 4ーォキソチエノ [2, 3-b] ピリジン、
3— (N—ベンジルー N—メチルアミノメチル) 一 4, 7—ジヒドロー 5—ィ ソブチリルー 7— (2, 6—ジフルォロベンジル) 一 2— (4-N'ーメトキシ ウレイドフエ二ル) 一 4一才キソチエノ [2, 3-b] ピリジン、
3— (N—ベンジルー N—メチルアミノメチル) —4, 7—ジヒドロ— 5— イソプチリル— 7— (2, 6—ジフルォロベンジル) —2— [4 - [ (1 - ヒドロキシシクロプロピル) カルボニルァミノ] フエニル] —4—ォキソチ エノ [2, 3 -b] ピリジン、
(R) 一 4, 7—ジヒドロ一 2— [4一 (3」ヒドロキシ一 2—メチルプロ ピオニルァミノ) フエニル] 一 7— (2, 6—ジフルォロベンジル) — 3— (N—べンジルー N—メチルアミノメチル) 一 5—イソプチリル— 4ーォキ ソチエノ [2, 3-b] ピリジン、
4, 7—ジヒドロ— 2— [4一 (2—ヒドロキシー 2—メチルプロピオニル ァミノ) フエニル] 一 7— (2, 6ージフルォロベンジル) 一 3— (N—べ ンジル—N—メチルアミノメチル) 一 5—イソブチリルー 4—ォキソチエノ [2, 3-b] ピリジン、
4, 7—ジヒドロ _ 2— [4一 (3—ヒドロキシ一 3—メチルプチリルアミ ノ) フエニル] — 7— (2, 6—ジフルォロベンジル) 一 3 _ (N—ベンジ ルー N—メチルアミノメチル)― 5—イソブチリルー 4—ォキソチエノ [2, 3— b] ピリジン、 .
(R) -4, 7—ジヒドロー 2— [4- (2, 3—ジヒドロキシプロピオ二 ルァミノ) フエニル] 一 7_ (2, 6—ジフルォロベンジル) — 3— (N— ベシジル _N—メチルアミノメチル) ― 5—イソブチリルー 4一ォキソチェ ノ [2, 3— b] ピリジン、
3一(N—ベンジルー N—メチルアミノメチル)一 5—ベンゾィルー 7— (2, 6—ジフルォロベンジル) 一 4, 7—ジヒドロー 2— [4一 [ (1—ヒドロ キシシクロプロピル)力ルポニルァミノ ]フエニル]一 4ーォキソチエノ [2, 3— b ] ピリジンまたはそれらの塩などが挙げられる。
なかでも、 3— (N—べンジルー N—メチルアミノメチル) 一 4, 7—ジ ヒドロー 5—イソプチリル一 7 _ (2, 6—ジフルォロベンジル) 一 2— [4 一 [ (1—ヒドロキシシクロプロピル) 力ルポニルァミノ] フエニル] 一 4 一才キソチエノ [2, 3 _b] ピリジンまたはその塩が好ましい。
化合物 (I) および化合物 (VIII) の塩としては、 生理学的に許容される酸 付加塩が好ましい。 このような塩としては、 例えば無機酸 (例、 塩酸、 臭化 水素酸、 硝酸、 硫酸、 リン酸など) との塩、 または有機酸 (例、 ギ酸、 酢酸、 トリフルォロ酢酸、 フマール酸、 シユウ酸、 酒石酸、 マレイン酸、 クェン酸、 コハク酸、 リンゴ酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸、 ρ-トルエン スルホン酸など) との塩などが用いられる。 化合物 (I) が酸性基を有してい る場合は、 無機塩基 (例、 ナトリウム、 カリウム、 カルシウム、 マグネシゥ ムなどのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属、 アンモニアなど) または 有機塩基(例、 トリメチルァミン、 トリェチルァミン、 ピリジン、 ピコリン、 エタノールァミン、 ジエタノールァミン、 トリエ夕ノールァミン、 ジシクロ へキシルァミン、 Ν,Ν'-ジベンジルエチレンジァミンなど) と生理学的に許 容される塩を形成してもよい。
化合物 (I) は、 自体公知の方法、 例えば、 特開平 9一 169768号公報、
WO 96/24597号公報に記載の方法またはこれらに準ずる方法により 製造することができる。 具体例として、 以下の製造法 1および製造法 2が挙げ られる。 反応式中の化合物は塩を形成している場合も含み、 該塩としては、 例 えば化合物 (I) の塩と同様のものなどが挙げられる。
(製造法 1 )
RvNH
(III)
化合物 (I)
上記式中、 Lは脱離基を、 その他の各記号は前記と同意義を示す。
Lで示される 「脱離基」 としては、例えば 1—イミダゾリル、 ハロゲン原子、 置換基を有していてもよいアルコキシ基などが挙げられる。 該 「置換基を有し ていてもよいアルコキシ基」 としては、 1ないし 3個のハロゲン原子 (例、 塩 素、 臭素等) を有していてもよい(^_4アルコキシ基 (例、 2, 2, 2—トリク ロロエトキシ基) などが挙げられる。
化合物 (II) は、 特開平 9一 169768号公報に記載の方法またはこれに 準ずる方法により得られる。
化合物 (II) と力ルポニルジイミダゾール (Ν,Ν'—力ルポエルジイミダゾ —ル; CD I) またはホスゲン(二量体および三量体も含む)等とを反応させ、 化合物 (IV) を得、 次いで化合物 (ΙΠ) を反応させ、 化合物 (I) を得る。 化 合物 (IV) は単離せずに反応を続けてもよく、 また、 単離して次工程に使用し てもよい。
また、 化合物 (IV) は、 化合物 (II) とクロ口ぎ酸エステル化合物 (例、 ク
ロロぎ酸 2 , 2 , 2—トリクロロェチル、 クロ口ぎ酸 1一クロ口ェチル等) な どとを反応させても得られる。
化合物 (I I) とカルボエルジイミダゾールまたはホスゲン等との反応におい て、 力ルポニルジイミダゾ一ルまたはホスゲン等の使用量は、 化合物 (I I) 1 モルに対し、 それぞれ約.1〜 3モルである。
本反応は、 通常反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒中で行われる。
該溶媒としては、 例えば、 エーテル類 (例、 ェチルエーテル、 ジォキサン、 ジメトキシェタン、 テトラヒドロフランなど) 、 芳香族炭化水素類 (例、 ベン ゼン、 トルエンなど) 、 アミド類 (例、 ジメチルホルムアミド、 ジメチルァセ トアミドなど) 、 ハロゲン化炭化水素類 (例、 クロ口ホルム、 ジクロロメタン など) 等が用いられる。
反応温度は、 通常、 約 0〜約 1 5 0 °C、 好ましくは、 室温下 (約 1 5〜約 2 5 °C) である。 反応時間は通常約 1〜約 3 6時間である。
本反応は、 必要に応じ、 塩基の存在下に行われる。
該 「塩基」 としては、 例えば、 炭酸ナトリウム、 炭酸水素ナトリウム、 炭酸 カリウム、 炭酸水素カリウム、 水酸化ナトリウム、 水酸化カリウム、 水酸化夕 リウムなどの無機塩基、 あるいはトリェチルァミン、 ピリジンなどの有機塩基 が用いられる。
該 「塩基」 の使用量は、 化合物 (Π) 1モルに対し、 約 2モル〜 2 0モル、 好ましくは、 約 5モル〜 1 2モルである。
次いで行われる化合物 (I I I) との反応条件は、 化合物 (I I) と力ルポニルジ イミダゾールまたはホスゲンとを反応させる条件と同様に行えばよい。 化合物
(I I I) の使用量は、 化合物 (Π) または化合物 (IV) 1モルに対し、 約 2〜2 0モル、 好ましくは、 約 5〜 1 0モルである。 反応温度は、 通常、 約 0〜1 5 0 であり、 好ましくは室温下 (約 1 5〜2 5 °C) である。 反応時間は、 通常 約 1〜6時間である。
また、 力ルポニルジイミダゾールまたはホスゲンと化合物 (I I I) とは、 同時 に化合物 (I I) と反応させてもよい。
:製造法 2 )
(V)
化合物 (I)
上記式中、 R7は水素原子またはアルキル基を、' R8はアルキル基を、 その 他の各記号は前記と同意義を示す。
R7または R8で示される 「アルキル基」 としては、 R1または R2で示され る 「置換基を有していてもよい アルキル基」 の 「(^-4アルキル基」 と 同様のものが挙げられる。 ·
化合物 (V) は、 自体公知の方法、 例えば p—二トロフエニルアセトン、 シァ ノ酢酸エステル誘導体および硫黄を反応させ (例、 Cheni. Ber., 99巻, 94-100 頁, 1966年等) 、 得られる 2—ァミノ— 4ーメチルー 5— (4—二トロフエ二 ル) チォフェンを、 特開平 9— 169768号、 WO 96/24597号公報 等に記載の方法またはこれに準ずる方法に付すことにより得られる。
① R 7が水素原^の場合、 化合物 (V) を、 縮合試薬の存在下、 式
〔式中、 各記号は前記と同意義を示す〕 で表される化合物またはその塩 (以 下、 化合物 (Ή) と略記する) と反応させ、 化合物 (VI I) を得、 次いで閉環 反応に付し、 化合物 (I) を得る。
該 「縮合試薬」 としては、 例えば、 ベンゾトリァゾ—ルー 1ーィルォキシ トリピロリジノホスフォニゥム へキサフルォロホスフエ一ト
(benzotr i azol-l-y l oxytr ipyrrol idinophosphonium hexaf luorophosphate: PyBOP) などが挙げられる。
該 「縮合試薬」 の使用量は、 化合物 (V) 1モルに対し、 約 1〜3モルであ る。
本反応は、 通常反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒中で行われる。
該溶媒としては、例えば、アルコール類(例、エタノール、メタノールなど)、 芳香族炭化水素類 (例、 ベンゼン、 トルエンなど) 、 アミド類 (例、 ジメチル ホルムアミド、 ジメチルァセトアミドなど) 、 ハロゲン化炭化水素類 (例、 ク ロロホルム、 ジクロロメタンなど) 等が用いられる。
反応温度は、 通常、 約 0〜約 1 5 0 °C、 好ましくは、 室温下 (約 1 5〜約 2 5 °C) である。 反応時間は通常約 1〜約 3 6時間である。
生成物は反応液のまま、 あるいは粗製物として次の反応に用いることもでき るが、 常法に従って反応混合物から単離することもできる。
化合物 (VI I) を塩基の存在下、 閉環反応に付す。
該 「塩基」 としては、 例えば、 ナトリウムメトキシド、 炭酸ナトリウム、 炭 酸水素ナトリウム、 炭酸カリウム、 炭酸水素カリウム、 水酸化ナトリウム、 水 酸化カリウム、 水酸化タリウムなどの無機塩基、 あるいはトリェチルァミン、 ピリジンなどの有機塩基が用いられる。
該 「塩基」 の使用量は、 化^物 (VI I) 1モルに対し、 約 2モル〜 2 0モル、
好ましくは、 約 5モル〜 1 2モルである。 '
本反応は、 通常反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒中で行われる。
該溶媒としては、例えば、アルコール類(例、エタノール、メタノールなど)、 芳香族炭化水素類 (例、 ベンゼン、 トルエンなど) 、 アミド類 (例、 ジメチル ホルムアミド、 ジメチルァセトアミドなど) 、 ハロゲン化炭化水素類 (例、 ク ロロホルム、 ジクロロメタンなど) 等が用いられる。
反応温度は、 通常、 約 0〜約 1 5 0 °C、 好ましくは、 室温下 (約 1 5〜約 2
5 °C) である。 反応時間は通常約 1〜約 3 6時間である。
② R 7がアルキル基の場合、 化合物 (V) を活性化された化合物 (VI) と反応さ せ、 化合物 (I) を得る。
' 活性化された化合物 (VI) は、 自体公知の方法に従い製造でき、 例えぼ、 反 応に悪影響を与えない適当な溶媒中、 有機アルミニウム試薬と化合物 (VI) と を反応させることにより得られる。
該 「有機アルミニウム試薬」 としては、 例えば、 トリメチルアルミニウム、 ジメチルアルミニウムクロライドなど、 またはこれらを含有する溶液などが挙 げられる。
該 「有機アルミニウム試薬」 の使用量は、 化合物 (VI) 1モルに対し、 1〜 5モル、 好ましくは 1モルである。
該溶媒としては、 例えばハロゲン化炭化水素類 (例、 クロ口ホルム、 ジクロ ロメタンなど) が好ましい。
反応温度は、 通常、,,約 0〜1 5 0 °C、 好ましくは室温下 (約 1 5〜2 5 °C) である。 反応時間は、 通常約 1〜 6時間である。
化合物 (V) ·を活性ィヒされた化合物 (VI) と反応させることにより、 閉環反応 が行われ、 化合物 (I) が得られる。
該 「化合物 (V) 」 の使用量は、 化合物 (VI) および有機アルミニウム 薬の 混合物に対し、 約 1 Z 5量が好ましい。
本反応は、 通常反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒中で行われる。
該溶媒としては、 活性化された化合物 (VI) を得る反応に用いられた溶媒が 好ましい。
反応温度は、 通常、 約 0〜1 5 0 °C、 好ましくは室温下 (約 1 5〜2 5 °C) である。 反応時間は、 通常約 1〜4 8時間である。
化合物 (I) は、 自体公知の分離手段、 例えば再結晶、 蒸留、 クロマトダラ フィ一などにより単離、 精製することができる。
化合物 (I) が遊離体で得られた場合には、 自体公知の方法あるいはそれに 準じる方法によって目的とする塩に変換することができ、 逆に塩で得られた 場合に.は、自体公知の方法あるいはそれに準ずる方法により、遊離体または、 目的とする他の塩に変換することができる。 化合物 (I) は、 水和物であって もよく、 非水和物であってもよい。 該水和物としては、 例えば、 1水和物、 1 . 5水和物および 2水和物などが挙げられる。 化合物 (I) が光学活性体の 混合物として得られる場合には、 自体公知の光学分割手段により目的とする (R)体または(S )体に分離することができる。化合物(I)は同位元素(例、 3 H、 1 4 C、 3 5 S ) などで標識されていてもよい。
化合物 (VI I I) またはその塩は、 自体公知の方法、 例えば、 WO 9 5 / 2 8 4 0 5号公報、 WO 0 0 Z 0 0 4 9 3号公報に記載の方法またはこれに準 ずる方法により製造することができる。
黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物もしくはその塩または 黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物もしくはその塩は、 必要に応じて糖衣を施した錠剤、 カプセル剤、 エリキシル剤、 徐放性製剤な どとして経口的に、 あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液と の無菌性溶液、 または懸濁液剤、 徐放性製剤などの注射剤、 または溶液、.懸 濁液剤などの経鼻投与製剤の形で非経口的に使用できる。 例えば、 黄体形成 ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物もしくはその塩または黄体形成ホ ルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物もしくはその塩を生理学的に認 められる公知の担体、 香味剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 安定剤、 結合剤 などとともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和す ることによって上記製剤を製造することができる。
錠剤、 カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、'例えばゼ ラチン、 コーンスターチ、 トラガント、 アラビアゴムのような結合剤、 結晶
性セルロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 アルギン酸など のような膨化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖 またはサッカリンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモノ油またはチェリ 一のような香味剤などが用いられる。 調剤単位形態がカプセルである場合に は、 前記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができ る。 注射のための無菌組成物は注射用水のようなべヒクル中の活性物質、 胡 麻油、 椰子油などのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなど の通常の製剤実施に従って処方することができる。注射用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液 (例えば、 D 一ソルビトール、 D—マンニトール、塩化ナトリウムなど)などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコ一 ル (例、 プロピレングリコール、 ポリエチレングリコ一ル) 、 非イオン性界 面活性剤 (例、 ポリソルベート 8 0 ( TM) 、 H C O— 5 0 ) などと併用し てもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが用いられ、 溶解 補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。 また、 上記製剤は、 例えば、 緩衝剤 (例えば、 リン酸塩緩衝液、 酢酸ナト リウム緩衝液) 、 無痛化剤 (例えば、 塩化ベンザルコニゥム、 塩酸プロカイ ンなど) 、 安定剤 (例えば、 ヒト血清アルブミン、 ポリエチレングリコール など) 、 保存剤 (例えば、 ベンジルアルコール、 フエノールなど) 、 酸化防 止剤などと配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なパイアル、 ァ ンプルに充填される。
なかでも、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物もしくはその 塩または黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物もしくはその 塩は、 経鼻投与製剤、 または徐放性製剤などの注射剤として好ましく用いられ る。
黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物もしくはその塩または黄 体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物もしくはその塩を含有し てなる徐放性製剤 (好ましくは徐放性注射剤) は、 自体公知の方法、 例えば、 特開昭 6 0— 1 0 0 5 1 6号、 特開昭 6 2— 2 0 1 8 1 6号、 特開平 4一 3 2
1 6 2 2号、 特開平 6— 1 9 2 0 6 8号、 特開平 9— 1 3 2 5 2 4号、 特開平 9— 2 2 1 4 1 7号、 特開平 1 1一 2 7 9 0 5 4号、 WO 9 9 / 3 6 0 0 9 9 号公報などに記載の方法に従って製造することができる。
黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物もしくはその塩または黄 体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物もしくはその塩の経口剤、 注射剤および経鼻剤も公知の方法またはそれに準じた方法によって製造できる 本発明においては、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物もし くはその塩またはそれを含有する製剤(好ましくは徐放性製剤)を投与した後、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物もしくはその塩の薬効期間 内に、 黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物もしくはその塩 またはそれを含有する製剤 (好ましくは徐放性製剤) を投与する。
各化合物もしくはその塩またはそれを含有する製剤の投与間隔は、 好ましく は、 1日以上で、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物の薬効期 間内から適宜選ぶことができる。 例えば、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用 を有する化合物もしくはその塩を含有する徐放性製剤を用いる場合、 黄体形成 ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物またはその塩の薬効期間は通常 7臼 以上、 12ヶ月以内、 好ましくは 10日以上、 6ヶ月以内、 より好ましくは 14日 以上、 4ヶ月以内であり、 これらの薬効期間内から適宜選ぶことができる。
必要とされる治療期間中には、 先行して投与される黄体形成ホルモン放出ホ ルモン作用を有する化合物もしくはその塩またはそれを含有する製剤 (好まし くは徐放性製剤) の薬効期間で規定される投与間隔で連続投与されてもよい。 黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物もしくはその塩または それを含有する製剤 (好ましくは徐放性製剤) は治療期間中の最後の投薬とし て使用されるが、 休薬期間の規定を確実にするために連続投与されてもよい。 また、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物もしくはその塩ま たはそれを含有する製剤の投与前 (例えば、 1〜3週間前) 、 投与中または投 与直後 (例えば、 1〜6時間後) に、 黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用 を有する化合物もしくはその塩またはそれを含有する製剤を投与してもよい。 該徐放性製剤の場合、 その薬効期間は EIA、 RIAなどの自体公知の方法または
それに準じた方法で生体内性ホルモン (例、 テストステロン、 LH、 FSH、 ェスト ロジェンなど) 濃度あるいは PSA濃度等を測定することによって判断できる。 該黄体形成ホルモン放出ホルモン作用あるいは拮抗作用を有する化合物また はその塩は、 哺乳動物 (例、 ヒト、 サル、 ィヌ、 ゥシ、 ヒッジ、 ブタ、 マウス、 ラット等) に安全で低毒性な医薬として投与することができる。
該黄体形成ホルモン放出ホルモン作用あるいは拮抗作用を有する化合物また はその塩の投与量は、 対象疾病、 対象動物などによって種々異なるが、 1回当た りの投与量としては、例えば、好ましくは成人の前立腺癌患者 1人当たり約 0. 01 mg-100 mgZkg体重の範囲から適宜選ぶことができる。さらに好ましくは約 0. 05 mg-50 mgZkg体重の範囲から適宜選ぶことができる。
該黄体形成ホルモン放出ホルモン作用あるいは拮抗作用を有する化合物また はその塩を含有する徐放性製剤の投与量は、 主薬である黄体形成ホルモン放出 ホルモン作用あるいは拮抗作用を有する化合物またはその塩の種類と含量、 剤 形、 主薬の放出持続時間、対象疾患、対象動物などによって異なるが、 例えば、 薬効期間が 1ケ月である徐放性製剤の場合、 1回当たりの徐放性製剤の投与量は 成人の前立腺癌患者 1人当たり好ましくは, 約 0. 1 mg-500 mg/kg体重の範囲 から適宜選ぶことができる。 さらに好ましくは約 0. 2 mg-300 mg/kg体重の範 囲から適宜選ぶことができる。
後述の実施例 1に示すように、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する 化合物もしくはその塩またはそれを含有する製剤 (好ましくは徐放性製剤) の 投与後に黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物もしくはその 塩またはそれを含有する製剤 (好ましくは徐放性製剤) を投与すると、 黄体形 成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物もしくはその塩の薬効期間後 の性ホルモン (例、 テストステロン、 LH、 FSH、 ェストロジェンなど) 濃度の回 復が速やかであるため、 本発明の使用方法は、 間歇療法における明確な休薬期 間規定を可能にする。
すなわち、 本発明は、 黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合 物もしくはその塩を含有する製剤 (好ましくは徐放性製剤) を用いる (好まし くは、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物もしくはその塩を含
有する製剤 (好ましくは徐放性製剤) と、 黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗 作用を有する化合物もしくはその塩を含有する製剤 (好ましくは徐放性製剤) とを組み合わせて用いる) ことを特徴とする休薬期間の規定方法、 および生体 内性ホルモン (例、 テストステロン、 LH、 FSH、 エストロジェンなど).濃度の回 復方法を提供するものである。
本発明において、 休薬期間は生体内性ホルモン (例、 テストステロン、 LH、 FSH、 エス卜ロジェンなど) 濃度あるいは PSA濃度等を測定することにより規定 することができる。 休薬期間とは、 生体内性ホルモンの濃度が、 黄体形成ホル モン放出ホルモン作用を有する化合物もしくはその塩を含有する製剤を投与し ていない時 (正常時) の濃度に回復してから次に投与するまでの期間をいう。 本発明における生体内性ホルモン濃度の回復は、 医学的に通常行われる性ホ ルモンの測定基準によって評価できる。 生体内性ホルモンの濃度は測定方法、 採血時間などによって変動するため、 「回復」 を一義的に数値化することは困 難であるが、 例えば黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物もしく はその塩を含有する製剤を投与していない時(正常時)の濃度の約 5 0 %以上、 好ましくは約 6 0 %以上、 さらに好ましくは約 7 0 %以上になることを 「回復 する」 という。
このように黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物もしくは その塩を含有する製剤を用いることによって、 黄体形成ホルモン放出ホルモン 作用を有する化合物もしくはその塩を含有する製剤の投与に伴い低下した生体 内性ホルモンの濃度を速やかに回復させることができ、 休薬期間をより明確に かつ短く規定できる。
また、 黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有するィ匕合物もしくはその 塩またはそれを含有する製剤 (好ましくは徐放性製剤) を用いることにより、 生体内性ホルモン (例、 テストステロン、 LH、 FSH、 エストロジェンなど) 濃度 が速やかに回復するため、 明確に生じる休薬期間によって性ホルモン依存性の 疾患をホルモン依存性に保つことが可能である。 従って、 本発明は、 黄体形成 ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物もしくはその塩を含有すること を特徴とするホルモン療法維持剤をも提供する。
性ホルモン濃度が回復した後、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する 化合物もしくはその塩またはそれを含有する製剤および Zまたは黄体形成ホル モン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物もしくはその塩またはそれを含有す ' る製剤を投与することができる。
さらに、 本発明は、 上述の、
(A) 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物またはその塩の投与 後に黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩を投 与するための、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物またはその 塩および黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩 とを組み合わせてなる性ホルモン依存性疾患の治療用医薬製剤、
(B) 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物またはその塩の投与 後に黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩を投 与することを特徴とする性ホルモン依存性疾患の治療用医薬製剤を製造するた めの、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物もしくはその塩およ び/または黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその 塩の使用方法、
( C) 性ホルモン依存性疾患の治療のために、 黄体形成ホルモン放出ホルモン 作用を有する化合物またはその塩の投与後に黄体形成ホルモン放出ホルモン拮 抗作用を有する化合物またはその塩を投与することを特徴とする、 黄色体形成 ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物またはその塩または黄色体形成ホル モン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩を含有する性ホルモン 依存性疾患の治療用医薬製剤、
(D) 黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩を 含有することを特徴とするホルモン療法維持剤、
(E) 黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩を 用いることを特徴とする休薬期間の規定方法、
( F) 黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩を 用いることを特徵とする生体内性ホルモン濃度の回復方法のみならず、
(G) 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物またはその塩の投与
後に黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作 を有する化合物またはその塩を投 与するための組合せ投与剤形からなり、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を 有する化合物またはその塩および黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有 する化合物またはその塩との組合せを含有することを特徴とする性ホルモン依 存性疾患の治療用医薬組成物、 ,
(H) 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物またはその塩の投与 後に黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩を投 与することを特徴とする、 性ホルモン依存性疾患の治療方法、
( I ) 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物またはその塩の投与 後に黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩を投 与し、 黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩の 薬効期間後のホルモン濃度を測定することを特徴とする、 性ホルモン依存性疾 患の間歇療法における休薬期間を規定する方法、
( J ) 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物またはその塩を投与 した後に黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物またはその塩 を投与することにより性ホルモン依存性を回復させることを特徴とする性ホル モン依存性疾患の治療方法などにも関する。
薬効期間中または薬効期間後の性ホルモン (例、 テストステロン、 LH、 FSH、 エストロジェンなど) 濃度は、 自体公知の方法 (EIA、 RIAなど) またはそれに 準じた方法によつて測定することができる。
また、 本発明の使用方法などにおいて、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用 を有する化合物もしくはその塩またはそれを含有する製剤 (好ましくは徐放性 製剤) の投与前に黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物もし くはその塩またはそれを含有する製剤 (好ましくは徐放性製剤) を投与するこ とにより、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物もしくはその塩 またはそれを含有する製剤 (好ましくは徐放性製剤) の投与後に見られるフレ ァー現象の惹起を防止することができる。
本明細書中で使用される略号の意味は次のとおりである。
略号 名称
N(4H2-furoyl)Gly
NAc N-ァセチル基
D2Nal D - 3- (2 -ナフチル)アラこ
D4ClPhe D-3- (4-クロ口)フエ二ルァラニン残基
D3Pal D-3- (3-ピリジル)ァラニン残基
NMeTyr N -メチルチロシン残基
Aph (Atz) N— [5'-(3'—アミノー 1'Η— Γ,2',4'—トリァゾリル)]フエ二 ルァラニン残基
NMeAph(Atz) Ν -メチル- [5' - (3' -ァミノ- 1 ' Η- Γ, 2' , 4' -トリアゾリ ル)]フエ二ルァラニン残基
DLys(Nic) D -(e_N-二コチノィル)リシン残基
Dcit D-シトルリン残基
DLys (AzaglyNic) D- (ァザグリシルニコチノィル)リシン残基
DLys (AzaglyFur) D -(ァザダリシルフラニル)リシン残基
D Arg(Et2) D-(N, N' -ジェチル)ホモアルギニン残基
DAph (Atz) D - Ν_[5'- (3'-アミノ- ΓΗ- Γ,2',4'-トリァゾリル)] フエ二ルァラニン残基
DhCi D -ホモシトルリン残基
Lys (Nisp) (e-N-ィソプロピル)リシン残基
hArg(Et2) (N, N' -ジェチル)ホモアルギニン残基
D2Nal D-3- (2-ナフチル)ァラニン残基
DSer(tBu) 〇 - tert-ブチル— D—セリン
Dhis(ImBzl) Nim -べンジルー D—ヒスチジン
その他アミノ酸に関し、略号で表示する場合、 IUPAC-IUBコミッション ·ォブ. ノヾィオケミカリレ'ノーメンクレーチユア一 (Commission on Biochemical Nomenclature) (ョ一ロピアン'ジャーナル'ォブ 'パイオケミストリー(European Journal of Biochemistry)第 138巻、 9〜37頁 (1984年) ) による略号また は該当分野における慣用略号に基づくものとし、 また、 アミノ酸に関して光学 異性体がありうる場合は、 特に明示しなければ L体を示すものとする。
実施例
以下に参考例および実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、 れらは本発明を限定するものではない。
NAcD2Nal-D4ClPhe-D3Pal-Ser-N eTyr-DLys (Nic) -Leu-Lys (Ni sp) -Pro-DAl aNH2 の酢酸塩 (TAP社製 LHRH拮抗化合物) 480 mg を、 グリコール酸 (GA) - 2-ヒ'ド ロキシ酪酸 (腿) 共重合体 (GA/HBA: 60/40 (mol %) , Mw: 16, 300) とポリ乳 酸 (Mw: 4, 200) との等重量混合物 3. 52 g をジクロロメタン 4. 5 ml に溶解し た液に加えて溶解した。 この溶液を 16°C 冷却した後、予め 16 に調節してお いた 0. 1% ポリビエルアルコール水溶液 1, 000 ml 中に注入し、 夕一ビン型ホ モミキサーを用い、 7, 000 rpmで油 Z水エマルシヨンとした。 このエマルショ ンを室温で 3時間撹拌してジクロロメタンを揮散させ、 油相を固化させた後、 遠心分離機 (05PR- 22、 日立製作所) を用いて 2, 000 rpmで捕集した。 これを 再び蒸留水に分散後、 さらに遠心分離を行い、 遊離薬物等を洗浄した。 捕集さ れたマイクロカプセルは少量の蒸留水を加えて再分散した後、 D-マンニトール 1 g を加え、 この分散液を凍結乾燥して粉末として得られた。 マイクロカプセ ル中への LHRH拮抗化合物の封入率は 88%であった。
このマイクロカプセル約 15 mg を分散媒 (2. 5 mgのカルボキシメチルセル口 ース、 0. 5 mgのポリソルべ一ト 80、 25 mgのマンニトールを溶解した蒸留水) 0. 5 ml に分散して 10週齢雄性 S Dラットの背部皮下に 2 2 G注射針で投与し た (LHRH拮抗化合物としての投与量 3 mg/kg) 。 投与後一定時間毎に下大動脈 から脱血して屠殺した後、 投与部位に残存するマイクロカプセルを回収し、 そ の中の LHRH拮抗化合物を HPLCで定量した結果、 このマイクロカプセルから LHRH拮抗化合物がその初期含量の約 8 0 %を 4週間連続的に放出されたことを 確認した。 各時点で採取した血液中のテストステロン濃度が 4週間検出限界
(0. 05 ng/ml)以下に抑制され、 6週間後には無投与ラッ卜の平均値(2. 5 ng/ml) の約 50% に回復したことから、 この投与量での LH皿拮抗化合物の徐放剤の薬 効期間を 4週間と判定した。
実施例 1
10週齢雄性 SDラットを用い、 以下の 4群で実験を行った。 第 1回投与 4週 後に第 2回投与を行い、 第 2回投与前および第 2回投与 1日、 1週、 2週、 3 週、 4週、 6週、 8週後に採血して得た血清中のテストステロンを RIA法で測 定した。
第 1回投与製剤 第 2回投与製剤
I群 投与せず 参考例製剤
II群 リュープリン注射用 3.75
III群 投与せず リュープリン注射用 3.75 IV群 リュ一プリン注射用 3.75 参考例 1で得られた LHRH拮抗化合物の徐放性マイクロカプセルあるいはリ ュ一プリン注射用 3.75 (LHRH作動化合物の 1力月型徐放性マイクロカプセル、 武田薬品工業 (株) 製、 S130) をそれぞれ化合物として 3 rag/kgで皮下投与し た。 なお、 採用した RIAでの検出限界 0.05 ng/mL以下のテストステロン濃度 は 0.00 ng/mL として計算した。
表 1にはテストステロン平均濃度と標準偏差 (SE, n=5) (単位: ng/mL) を示 す。
〔表 1〕
I群 Π群 m群 画
第 2回投与前 2.48 (0.38) 0.35 (0.12) 2.49 (0.41) 0.00 (0.00) 第 2回投与 1 0.00 (0.00) 0.00 (0.00) 4.50 (0.60) 0.07 (0.03) 日後
第 2回投与 1 0.00 (0.00) 0.00 (0.00) 0.30 (0.05) 0.00 (0.00) 週後
第 2回投与 2 0.00 (0.00) 0.00 (0.00) 0.28 (0.05) 0.00 (0.00) 週後
第 2回投与 3 0.00 (0.00) 0.00 (0.00) 0.29 (0.08) 0.13 (0.07) 週後
第 回投与 ϋ.Οϋ (0.00) 0.00 (0.00; 0.35 (0.12; 0.22 (0.08) 週後
; Π ΠΟ Λ 1 1 \
1. D U. lo) 1, UZ \J.41 U. OZ Ό.1 U n C 0 /n 1
U. bo U.丄つ、 週後
第 2回投与 8 2.40 (0. 3) 2.06 (0.42) 1.34 (0.27) 1.21 (0.14) 週後
第 2回目に LHRH拮抗化合物の徐放性マイクロカプセルを投与した I、 II 群の方が、 LHRH作動化合物の徐放性マイクロカプセルを投与した IIIおよび IV 群に比較して投与 6週あるいは 8週後のテストステロンが正常値 2.5 ng/mL に近く、 最後に LHRH拮抗化合物の製剤を投与することによってより早く回 復し、 休薬の開始時期が明確になっており、 間歇投与療法としてより適する ことが示される。 産業上の利用可能性
黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する化合物もしくはその塩また はそれを含有する製剤 (好ましくは徐放性製剤) を含む本発明の製剤を用いる ことにより、 黄体形成ホルモン放出ホルモン作用を有する化合物もしくはその 塩またはそれを含有する製剤 (好ましくは徐放性製剤単独治療群に比較して) 薬効期間後の性ホルモン (例、 テストステロン、 LH、 FSH、 エストロジェンなど) 濃度の回復が速やかになり、 間歇療法における明確な休薬期間規定を可能にす る。