明 細
感圧転写粘着テープ
技術分野
本発明は、 テープ基材上に粘着剤層を設けた感圧転写粘着テー プに関する ものである。
背景技術
両面粘着テープの一つに支持体 (芯材) を有さず粘着剤層のみを被 着材に転写する無支持体両面粘着テープがあ り、感圧転写粘着テープ と して様々な分野 ·用途で使用されている。 その構造としては剥離ラ イ ナ一あるいは剥離性基材の片面に粘着剤層を設けてロール状に卷 いたものが多く、最近では主に事務用途向けと してこれらを小卷にし て転写装置に装着した転写具が 「テープのり」 などの名称で上市され ている。
この転写具は感圧転写粘着テープを巻き付ける送出 リ ールと、 この送出 リ ールよ り供給される感圧転写粘着テープの粘着剤層を 基材から剥離しながら被転写体へ転写させる転着へッ ド と、 転写 使用後に残った基材を卷き取る卷回 リ ールと を片手で把持使用が 可能な器体内に装備したこ とを特徴とする。
この転写具を第 1 図に示す。 第 1 図において、 感圧転写粘着テ ープ 5 をロール状に巻き付け、 保持する送出 リ ール 2 と粘着剤層 を転写使用 した後に残った基材を卷き取り 、 収納する巻回 リール 3 とを片手で把持可能な感圧転写具の本体となる器体 1 に装備し . 粘着剤層を基材から剥離しながら被転写体に転写させる転着へッ ド 4 を被転着体に当接で き る よ う容器の先端か ら その一部を露出
して備える ものである。 これらは、紙の接着において一般に用いられている液体の りや固形 の り とは異なり、手を汚すこ となく簡単に粘着剤を被着材へと転写で き、 接着するまでの乾燥時間が不要である、 被着材である紙がしわに ならないなどの利点がある。 さ らにこれらは、 必要長さの粘着剤を被 着材に転写した後に転写具を被着材から垂直に持ち上げた り横に払 うなどすることによって粘着剤層を切断できるので、支持体を有する 一般的な両面テープのよう にあらかじめテープを必要な長さに切断 しておく必要がな く、 また、 粘着剤層を転写し終えた剥離性基材は転 写具内のリールに巻き取られるので使用時にごみが発生しないなど、 非常に便利な接着用品である。
しかしながら、 これらにおいては粘着剤層を切断する際、 粘着剤層 の粘着剤が連続状に塗布されているため切断時に粘着剤が糸を引 く ように伸びてしまい円滑に切断できない、 いわゆる 「のり切れ」 が悪 いという問題があった。
この問題を回避するため、 従来、 粘着剤層を細かい ドッ ト状にした り、間隔を大き く開けてブロ ック状に配する といつた方法が考案され ているが、 これらの方法では連続状に塗工した場合に比べ接着力が低 下する という欠点がある。
そこで、 本発明者は上記の点を改良すべく種々検討した結果、 本発 明を完成したもであって、本発明の目的は十分な接着力を保持しつつ 良好なの り切れ性を有する感圧転写粘着テープを提供する ものであ る。
発明の開示 上記の課題は基材上に粘着剤層を有する感圧転写粘着テープであ つて、前記粘着剤層は粘着剤が不連続な島模様状に塗布されており、 しかもその粘着剤の 1つの島の大きさが 1 〜 1 0 0 m m 2、 かつ隣接 する島相互の間隔が 0 . 1 〜 4 m mであるこ とを特徴とする島模様状
の粘着剤層を基材上に積層した感圧転写式粘着テープとするこ とに よって解決される。
更に、基材上に粘着剤層が設けられた感圧転写粘着テープであって、 該粘着剤層の表面が凹凸形状を有し、凹部の厚みが該凸部の厚みの 8 0 %以下であり、 かつ、 該粘着剤層のゲル分率が 1 5重量%以上であ ることを特徴とする感圧転写粘着テープとするこ とによつても達成 される。
そして、 これらの粘着剤層の塗工時における粘着剤組成物の粘度が 2 5 °Cにおいて 0. 1〜 5 0 P a · sであ り、 かつ該粘着剤組成物の 不揮発分が 1 0 ~ 8 0 %であるこ とが好ま しい。 図面の簡単な説明
第 1図 ( a) は、 本発明の感圧転写粘着テープでうする使用する感 圧転写具一例を示す正面断面図、 同図 ( b ) は該転写具の側面図であ る。 この転写具は、 上で説明した感圧転写粘着テープ 5を巻き付け、 保持する送出リール 2 と粘着剤層を転写使用した後に残った基材を 卷き取り、収納する卷回リール 3 とを片手で把持可能な感圧転写具の 本体となる器体 1 に装備し、粘着剤層を基材から剥離しながら被転写 体に転写させる転着へッ ド 4 を被転着体に当接できるよう容器の先 端からその一部を露出して備えるものである。
第 2 図は、 糊切れ性の試験方法の説明図である。
発明を実施するための最良の形態 本発明をよ り詳細に説明する。
先ず、本発明における粘着剤層の粘着剤が不連続な島模様状に塗布 されている場合について説明する。上記島模様状に塗布した粘着剤層 の個々の島の大きさは 1〜 1 0 0 mm 2、 好ま しく は 3〜 3 6 mm2で. 隣接する島相互の間隔は 0. l〜 4 mm、 好ま し く は 0. 3〜 2. 5 mmである。 個々の島の大きさを 1 0 0 mm2以上にする と粘着剤層
を切断する位置の自由度がな く な り、 1 m m 2以下だと粘着剤の被着 材への接触が 「面」 ではなく 「点」 に近く なるこ とから十分な接着力 が得られない。また隣接する島相互の間隔を 4 m m以上にする と被着 面に対する有効粘着剤面積が低下し十分な接着力を得られない。間隔 が 0 . 1 m m以下では粘着剤がもつ流動性ゆえに隣り合った区画の粘 着剤層どう しが接触して しまうため、粘着剤を基材上に意図した模様 で塗布することが難し く良好なの り切れ性が得られない。
ここでいう島模様状とは粘着剤が点々とア トランダムに、或いは規 則的な配列をなしてパターン状に存在するこ とを意味し、個々の島の 形状については任意の形状でよ く、また個々の島は完全に独立分断さ れているこ とが好ま しい。 粘着剤層の厚みは通常 1 〜 5 0 〃m、 好ま し くは 2〜 3 0 mである。これら粘着剤の種類や塗布厚さなどを変 えるこ とによ り、 永久接着タイ プ、 再剥離可能タイ プなど用途に合わ せて特性の異なった粘着剤層を得ることができる。
本発明における感圧転写粘着テープの粘着剤層は剥離性基材上に 粘着剤を鳥模様状に塗布した層である。
粘着剤と しては従来知られている粘着剤がいずれも使用できる。た とえばアク リル系、 ゴム系、 シ リ コン系、 ロジン系などのものがあげ られ、 さ らに必要に応じてフ ィ ラーや保存剤、 着色剤などの各種添加 剤を配合することができる。
基材と しては粘着剤に対して剥離効果さえあれば適宜のものを使 用できる。 例えばポリエチレン、 ポリエチレンテレフ夕レー ト、 ポリ プロピレン、 ポリ塩化ビニル等のプラスチックフィルム、 グラシン紙 等の紙、 金属箔等であ り、 剥離効果を付与するために必要に応じて片 面も し く は両面にシ リ コン樹脂やフ ッ素樹脂などからなる剥離層が 設けられる。 基材の厚さは 1 0〜 6 O / mが適当である。 また、 不連 続な島模様状に粘着剤を塗布する方法と しては、 シルクスク リーン、 グラビア、 イ ンクジェ ヅ ト等何れの手段も用いるこ とができる。 次に粘着剤層の表面が凹凸形状を有する場合について説明する。凹
凸形状については、 凹部の厚みが凸部の厚みの 8 0 %以下である。 こ の凹部の厚みが凸部の厚みの 8 0 %よ り大では、良好なのり切れ性を 発揮するこ とが出来ない。好ま し く は 6 0 %以下になるよう にする。 具体的に凸部の厚みは 2〜 2 0 0 z m、好ま し く は 5〜 6 0 〃 mであ る。 粘着剤層において、 厚い所が凸部の厚みで、 薄い所が凹部の厚み である。
粘着剤層の厚さは次のような方法で測定する。 即ち、 試料を液体窒 素で凍結して鋭利な刃物で裁断した後、その裁断面を光学顕微鏡或い は電子顕微鏡で観察し、 粘着剤層の凹部及び凸部の厚さを測定する。
凹凸形状を有する粘着剤層が設けられている基材 Aと して使用で きる材質は、粘着剤層に対して剥離効果さえあれば適宜のものを使用 できる。 例えばポリエチレン ( P E ) 、 ポリエチレンテレフ夕 レー ト ( P E T ) 、 ポリ プロ ピレン ( P P ) 、 ポリ塩化ビニル ( P V C ) 等 のプラスチックフ ィルム、 グラシン紙等の紙、 金属箔等であ り、 剥離 効果を付与するために必要に応じて片面も し く は両面にシ リ コ ン樹 脂やフ ッ素樹脂などからなる剥離層が設けられる。基材 Aの厚さは 1 0〜 6 0 mが適当である。
更に、 本発明では粘着剤層のゲル分率が 1 5 %以上、 好ま し く は 3 0 %以上であるこ とを要する。 ゲル分率が低い場合、 粘着剤層の凝集 力が低く な り、 エンボスセパレー夕をはがして (剥離性) 基材にて巻 き取る場合、 巻き取り圧によ り粘着剤層が流動し、 凹凸形状が不明確 となる不都合が生じる。そのため本発明では粘着剤層のゲル分率を 1 5 %以上、 好ま し く は 3 0 %以上程度にする。 実際のアク リル系粘着 層のゲル分率は架橋度をかな り上げても 1 0 0 %にはならず、 9 8 % 程度が上限値である。
ゲル分率の測定方法は次の方法によって行なう。
汀正された用紙 (規則 91 )
即ち、 感圧転写粘着テープを所定の大きさに切り取り、 これから基 材をはぎ取った粘着剤層を試料とする。 まず、 この試料の重量を測定 する。 次に、 この試料を 2 3 °C、 6 5 % R Hの条件下で酢酸ェチル中 に 2 日間浸漬した後、 2 0 0メ ッシュの金網で不溶分を濾別してその 重量を測定し、 先に測定した試料の重量に対する割合 (% )を算出、 これをゲル分率とする。
次に粘着剤層が凹凸形状である感圧粘着テープの製造方法につい て述べる。 粘着剤層に凹凸形状を設ける手段と しては、 スク リーン方 式、 グラ ビア方式、 エンボスセパレー夕方式など何れの方法でも良い が、 特に、 エンボスセパレー夕方式が好ま しい。
エンボスセパレ一夕方式は、 エンボス処理、 サン ドブラ ッシング、 或いは化学的処理法などによつて凹凸形状を設けた剥離基材(なお、 この剥離基材をエンボスセパレー夕または単に基材 B という)を「型」 として使用する方式で、エンボスセパレー夕上に粘着剤組成物を塗工 し、乾燥などの工程を経てエンボスセパレ一夕上に粘着剤層を形成さ せた後、その上に基材 Aを貼り合わせて該粘着剤層を基材 A上に転写 させ、 しかる後、 エンボスセパレ一夕を剥離するこ とによって、 感圧 転写粘着テープとする。
エンボスセパレ一夕を剥離する時期と しては、形成された凹凸形状 の粘着剤層の凹凸が崩れなければよ く、熟成期間を必要とする場合で あっても、 その前にエンボスセパレー夕を剥離しても良い。 勿論、 粘 着剤層の形成が完全に終了するまで貼り合わせてあっても良い。或い はエンボスセパレー夕を剥離するこ とな く製品と し使用時にこれを 剥離しても良い。 また、 粘着剤層に基材 Aを貼り合わせることなく、 使用したエンボスセパレー夕をそのまま感圧転写粘着テープの基材 Aとしても良い。
エンボスセパレー夕方式は、 スク リーン方式、 グラ ビア方式と異な り、 粘着剤組成物が、 塗工された後、 少な く とも乾燥工程などによつ て流動性が低く なる まで凹凸の型であるエンボスセパレー夕上にと どまるために凹凸形状を形成しやすく、 また、 スク リーン方式ゃグラ
ビア方式では意図する凹凸形状に合わせたロールゃスク リーン (版) を作るため模様の変更が容易でないが、エンボスセパレ一夕方式は通 常の平塗り用塗工機を用いて凹凸形状の粘着剤層が得られる、 といつ た利点がある。
エンボスセパレ一夕方式で使用するエンボスセパレー夕と しては、 それ自体が剥離性を有するもの、或いはフ ィ ルム等の基材に剥離処理 を施したものの何れでも良く、 これらの材質と してはとしては、 例え ば、 ポリエチレン ( P E ) 、 ポリエチレンテレフ夕 レー ト ( P E T ) 、 ポリ プロ ピレン ( P P ) 、 ポリ塩化ビニル ( P V C ) 等のプラスチッ クフ ィ ルム、 グラシン紙等の紙、 金属箔等を挙げることが出来るが、 これに限定させるものではない。 また、 剥離処理は剥離効果を付 与するために必要に応じてエンボスセパレ一夕 (基材 B ) の片面も し く は両面にシリ コン樹脂ゃフ ッ素樹脂などからなる剥離処理剤を施 すことによって行なう。 剥離処理はエンボスセパレ一夕 (基材 B ) に 凹凸形状を設ける工程前後の何れでも良い。使用できるエンボスセパ レー夕の厚さと しては約 2 0 / m〜 3 0 0 z m程度である。
エンボスセパレー夕の凹凸形状のパターンは、円形や三角形以上の 多角形、波形などの他ランダムなものも含めた任意の形とすることが できるが、 好ま し く は円形、 正三角形、 正方形、 菱形、 正五角形、 正 六角形、 正八角形等が用いられる。 また、 その数は 0 . 2 5〜 1 0 0 0個/ c m 2、 好ま しく は 2〜 4 0 0個/ c m 2が用いられる。
エンボスセパレー夕上に粘着剤組成物を塗工する手段と しては口 ールコ一夕一、 ダイ コー夕一、 グラビアコ一夕一、 ノ ーコ一夕一、 ナ ィ フコー夕一等通常の塗工工程で使用される塗工機を使用するこ と ができる。
本発明の感圧転写粘着テープにおいて粘着剤層を構成する粘着剤 と しては、従来この種のテープにおいて用いられている粘着剤はいず れも使用できる。 例えばアク リル系、 ゴム系、 シ リ コン系、 ロジン系、 ウレタ ン系、 ポリ ビニルエーテル系等のものが挙げられ、 また、 これ らは溶剤型、 ェマルジヨ ン型、 無溶剤型などの何れのタイ プと しても
使用できる。これらの粘着剤には硬化剤を配合するこ とが好ま しく、 さらに必要に応じてフイ ラ一、 保存剤、 着色剤などの各種添加剤を配 合するこ とができる。
本発明で使用する粘着剤組成物の粘度が低いとエンボスセパレー 夕上で粘着剤組成物のハジキが発生し良好な塗工表面が得られず、 ま た、 粘度が高いと塗工ムラ、 スジが発生しやすく塗工表面の平滑性が 落ち凹凸形状の形成状態や粘着物性低下の原因となる。本発明では 2
5 °Cにおける粘度が 0 . 1 〜 5 0 P a · s、 好ま し く は 2 . 0〜 2 0 P a · sの粘着剤組成物を使用する。 また、 粘着剤組成物の不揮発分 は 1 0〜 8 0 %であ り、 1 0 %未満では凹凸形状が良好に形成せず、 また、 8 0 %を越える と凹凸形状の形成状態は良く なるが、 塗工時コ —夕—へッ ド部のク リ アラ ンスを狭く する必要があ りエンボスセパ レー夕が切れやすく なる等の製造上の問題が発生する傾向がある。 本発明において使用する粘着剤組成物の粘度測定は J I S K 6 8 3 3 6 . 3 に準拠し、 粘度計として (株) 東京計器製の B M型も し くは B L型粘度計を使用し、 2 5 °C ± 2 °Cの温度条件で測定した。 また、本発明で使用する粘着剤組成物の不揮発成分は 1 0〜 8 0 % である。不揮発分の測定方法と しては J I S K 5 4 0 4 4に準 拠して行なった。 即ち、 試料である粘着剤組成物 1 〜 1 . 5 gを直径
6 0 m m、 高さ 4 0 m mのガラス容器にいれ、 蓋をせずに 1 0 5〜 1 1 0 °Cの恒温乾燥器内で 3時間加熱して揮発分を揮散させ残分の重 量の最初に採取した試料の重量に対する割合 (%) を求め、 これを不 揮発分とする。
実施例 以下、 実施例によって本発明をよ り具体的に示すが、 本発明はこれ らによって何ら限定されるものではない。
実施例 1
アク リル系粘着剤を両面剥離処理した P E T製テープ基材上にス
ク リーン印刷方式で、粘着剤層が島模様状でかつその粘着剤層の島の 大きさが 2 0 mm2, 隣接する島相互の間隔が l mmとなるよう塗工 し、 感圧転写粘着テープを得た。
比較例 1
島状粘着剤層の島の大きさを 1 0 5 mm2と した以外は実施例 1 と 同様と した。
比較例 2
島状粘着剤層の島の大きさを 0. 8 mm2と した以外は実施例 1 と 同様と した。
比較例 3
島状粘着剤層の隣接する島相互の間隔を 5 mmと した以外は実施 例 1 と同様とした。
比較例 4
島状粘着剤層の隣接する島相互の間隔を 0. 0 5 mmと した以外は 実施例 1 と同様と したが、間隔が狭いため隣接する島同士が繋がって しまい、 意図したような島状模様にはならなかった。
これらによって得られた感圧転写粘着テープを転写具に装着して 使用し、 その際のの り切れ性、 接着力を の 3段階で評価した。 結果を第 1表に示す。
なお、 のり切れ性の評価には 「意図した位置で切れる」 こ とも含ま れる。
これらの実施例及び比較例の結果、粘着剤層の粘着剤を不連続な島 模様状に塗布し、 しかもその粘着剤の 1つの島の大きさが 1〜 1 0 0 mm2、 かつ隣接する島相互の間隔が 0. 1〜 4 mmと特定すること によって、十分な接着力を維持しつつ粘着剤層の糸引きによる切断不 良を回避するこ とができる。
第 1表
島の大きさの単位は m m 2であリ、 岛相互の幅の単位は m mである, 実施例 2〜 7
第 2表に示されている各アク リル系ポリ マー及び硬化剤を次の方 法によつて調合して粘着剤組成物を得た。
A . 粘着剤組成物の調合
( 1 ) アク リル系ポリマ一
アク リル系モノマー 1 0 0部を溶剤と混合し、 これをフ ラスコに入 れ、 窒素流入下で 6 5 °Cまで加熱を行い、 開始剤を加え重合を行う。 ( 2 ) 硬化剤
上記( 1 )で得られたポリマー溶液に硬化剤と してコロネー ト L (曰 本ポリ ウレタン (株) 製) を固形分比と して 2部添加した。
( 3 ) 粘着剤組成物
以上の方法で得られた粘着剤組成物の 2 5 °Cにおける粘度及び不 揮発分は第 2表に示す通りであった。
B . 試料作製
任意にノ ヅクアップロールとのク リ アラ ンスを調整できるマイ ク ロバ一が設置されている粘着剤塗工用のコ一夕を用いて試料を作製 した。 即ち、 上述の方法によって得られた粘着剤組成物をエンボスセ パレー夕の剥離処理面に塗工後、両面に剥離処理した P E T フ ィ ルム を貼り合わせて巻取り、 粘着剤の熟成を行なう。
熟成終了後エンボスセパレー夕を剥がし、 1 c m巾にス リ ツ 卜 しな
がら背面巻きのテープと した。このテープについて c項で述べる試験 方法によって試験を行なった。
ここで使用したエンボスセパレ一夕は、剥離処理を行なった 3 8 J L m P E Tフィルムを剥離処理面が凹部で、 また凹凸の差が 3 0 Π1と なるエンボスロールを使用して作製した。
比較例 5 〜 9
実施例の場合と同じエンボス窪み高さ ( 3 0 〃 m ) を有するェンボ スセパレ一夕を使用した以外は第 2表に示されている組成、不揮発分、 粘度の異なる粘着剤組成物を用いて実施例 1 と同様の方法によって 試料を作製した。 対上質紙粘着性及び糊切れ性の測定を行つた。
C . 試験方法
実施例 2 〜 7及び比較例 5 〜 9 の方法によって得られた試料につ いて、次の試験方法によって対上質紙粘着性及び糊切れ性を測定した。 ( 1 ) 対上質紙粘着性
上述の方法によって得られたテープを 2 c m幅に裁断した上質紙 に貼り合わせる。 剥離 P E T フ ィ ルムを剥がし、 上質紙を貼り合わせ、 1 k gローラーで一往復する。圧着後直ちに上質紙を剥がし剥離の状 態を観察する。
〇は上質紙の全面ムシリあ り を表す。
Xは上質紙のムシ リ無しを表す。
( 2 ) 糊切れ性
上述の方法によって得られたテープの端部から 5 c mの所にマ一 クを入れ、 テープを展開し、 2 c m幅に裁断した上質紙にマーク部ま で貼合わせる。貼り合わせた部分の剥離 P E T フ ィ ルム端部を上質紙 から垂直方向に剥がして行き、端部から 5 c m部の切れ具合を観察す る (第 2図参照) 。
糊切れ性〇 ; マークから 3 m m未満に粘着剤層が切れる。
糊切れ性 X ; 糊切れまでマークから 5 m m以上必要である。
以上の結果を第 2表及び第 3表に示した。
第 2表
以上の実施例及び比較例から見て、基材上に凹凸形状を有する粘着 剤層において、該粘着剤層の凹部の厚みが該凸部の厚みの 8 0 %以下 丁正された用紙 (規則 91)
であり、 しかも粘着剤層のゲル分率が 1 5重量%以上であるような感 圧転写粘着テープと したこ とによって糊切れの良い感圧転写粘着テ —プを提供するこ とが出来た。 産業上の利用可能性
以上述べたよう に、 本発明は感圧転写接着テープにおいて、 粘着剤 を不連続な島模様状に塗布するか、或いは粘着剤層の表面を凹凸形状 になるよう に塗布する こ とによって十分な接着力を保持しつつ良好 なのり切れ性を有する感圧転写粘着テープを提供することが出来た。