JP3852484B2 - 多孔性薄葉紙材およびそれを用いた粘着テープ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、多孔性薄葉紙材およびそれを用いた粘着テープに関する。さらに詳しくは、粘着テープを切る際、切断方向へ手で容易に、且つまっすぐ綺麗に切れる(手切れ性の良い)粘着テープに関し、およびそのような粘着テープを与えうる多孔性薄葉紙材に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、多孔性薄葉紙材は、叩解した木材パルプや合成短繊維を混抄した坪量15〜80g/m2 のものであり、それらの少なくとも片面に感圧性粘着剤層を設けたものが所謂「紙テープ」として使用されている。紙テープは、通常のプラスチックテープと比べて比較的安価であり、かつ「手」で切り易く作業性が良いということで、包装用や塗装用のテープに広く利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の様な構成の粘着テープを、例えばその巾方向に手で切る際、使用者は巾方向に真っすぐ切りたいのに、長さ方向と巾方向の強度バランスによって長さ方向に切れてしまうことがしばしばあった。
この現象はテープの巾が広く(例えば40mm以上)なると不具合が顕著になり、具体的には切ったあと再度テープを巻き戻す際、長さ方向に切れていってしまう等、作業性が悪いものであった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記問題点を解決する為に、鋭意検討した結果、かかる現象はテープ基材の長さ方向の破断強度と巾方向の破断強度の比に密接な関係があること、即ち、切断方向の破断強度およびそれと垂直方向の破断強度の比を特定の範囲の値にすることによって、望む方向へ手で容易に、且つ真っすぐに切り得ることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0005】
すなわち本発明は、
(1)一方向の破断強度Aおよびそれと垂直方向の破断強度Bの比が、0.95≧A/B≧0.25であり、かつ破断強度Bが2〜15kg/18mmであることを特徴とする叩解された木材パルプとこれに一種以上の合成短繊維を混抄した和紙の少なくとも片面に粘着剤層を有してなり、該和紙の破断強度Aを有する方向が巾方向、破断強度Bを有する方向が長さ方向である粘着テープ、
(2)粘着テープの巾方向の破断強度Cおよび長さ方向の破断強度Dの比が、0.7≧C/D≧0.4であることを特徴とする(1)記載の粘着テープ、
(3)破断強度Dが4〜15kg/18mmであることを特徴とする(2)記載の粘着テープに関する。
【0006】
本発明の多孔性薄葉紙材は、一方向の破断強度Aとその垂直方向の破断強度Bの比が、0.95≧A/B≧0.25の範囲にあれば特に限定されないが、0.8≧A/B≧0.3が好ましく、0.7≧A/B≧0.4がより好ましい。
本発明の多孔性薄葉紙材は、後述の粘着テープに用いる場合、切断方向へ手で容易に、且つまっすぐ綺麗に切ることができるように、該多孔性薄葉紙材の破断強度Aを有する方向を切断方向として使用する。
例えば該多孔性薄葉紙材の破断強度Aを有する方向を巾方向として用いた粘着テープを、その巾方向に切断する場合、破断強度比A/Bが0.95を越え、1以下であると、破断強度AとBの差が小さすぎて、切断したい方向と垂直な方向(破断強度Bを有する方向)にも切れてしまうものであり、破断強度比A/Bが0.25未満であると、破断強度Bを有する方向の強度が強すぎて、切断したい方向に切ろうとしても、これと垂直な破断強度Bを有する方向に切れてしまうものである。また、A/Bが1を越えるものは、抄紙方法上、非常に困難であり、仮に出来たとしても、破断強度Bを有する方向の破断強度が極端に小さくなり、巻戻し時や再剥離時に粘着テープが切れ易くなる、粘着テープが長さ方向にカールしてしまう等の不具合が生じる。
【0007】
多孔性薄葉紙材の破断強度Bは、2〜15kg/18mmが好ましく、4〜8kg/18mmがより好ましい。上記と同様に当該多孔性薄葉紙材を後述の粘着テープに用いる場合、破断強度Bが2未満であると、粘着テープの絶対的な強度が不足し、簡単に破れたり、粘着テープ養生後、再度剥がす際に切れ易くなる傾向がある。また15kg/18mmを超えると、粘着テープの剛性が強くなりすぎ、被着体に追従しないといった不具合が生じる傾向がある。
【0008】
本発明の多孔性薄葉紙材の破断強度比は、多孔性薄葉紙材を抄造する際の繊維の配向性を調整したり、配合する繊維グレードで調整したり、抄造方法によって調整することができる。
【0009】
本発明において破断強度は、JIS Z−0237に従って、インストロン型引張り試験機を用いて測定した。
【0010】
本発明の多孔性薄葉紙材としては、上記特性を満足すれば特に制限されず、例えばクラフト紙、クレープ紙、和紙(例えば、叩解された木材パルプ、あるいはこれに一種以上の合成短繊維を混抄された和紙等)等の繊維状物質からなる紙材が挙げられる。中でも、叩解された木材パルプ、あるいはこれに一種以上の合成短繊維を混抄された和紙が強度、伸び等に優れる点で好ましい。かかる合成短繊維の材質としては、例えば、ポリビニルアルコール(ビニロン)、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等が挙げられる。
【0011】
また、多孔性薄葉紙材の坪量は特に限定されないが、通常15〜80g/m2 、好ましくは25〜50g/m2 である。
【0012】
多孔性薄葉紙材の厚みは、目的によって異なるが、紙材の剛性や層間強度の点から、40〜120μmが好ましく、50〜80μmがより好ましい。
【0013】
本発明においては、例えば特開平2−151427号公報に記載されるように、多孔性薄葉紙材にゴムおよび/または合成樹脂等を含浸することができる。
【0014】
本発明の粘着テープは、上記多孔性薄葉紙材の少なくとも片面に粘着剤層を有してなる。
【0015】
本発明の粘着テープは、前記の多孔性薄葉紙材を用いておれば特に制限されないが、テープの強度や手切れ性の点より、粘着テープの一方向の破断強度Cおよびそれと垂直方向の破断強度Dの比が、0.7≧C/D≧0.4であることが好ましく、0.65≧C/D≧0.45がより好ましい。
本発明の粘着テープは、切断方向へ手で容易に、且つまっすぐ綺麗に切ることができるように、該粘着テープの破断強度Cを有する方向を切断方向として使用する。
【0016】
また、テープを巻戻す際の適度な強度や貼付け作業性の点より、粘着テープの破断強度Dは、4〜15kg/18mmであることが好ましく、5〜10kg/18mmがより好ましい。
【0017】
本発明に使用する粘着剤は、特に限定されないが、粘着テープの上記特性を満足するものが好ましく、例えば、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系粘着剤、ホットメルト系粘着剤が挙げられる。
【0018】
本発明の粘着テープの破断強度比は、使用する紙材やその含浸剤、バックサイズ剤等、また粘着剤やその厚み等によって調整することができる。
【0019】
粘着剤層の厚さは、通常、10〜70μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。
【0020】
粘着剤層には、粘着付与剤、架橋剤、可塑剤、老化防止剤、安定剤、充填剤、顔料、酸化防止剤等の公知の添加剤が配合されていてもかまわない。
【0021】
粘着テープの製造方法には、従来一般に使用されている方法が使用でき、例えば、ロールコーター、リバースコーター、ドクターブレード法、バーコーターを用いて、粘着剤を多孔性薄葉紙材に塗布する方法等が挙げられる。また、粘着テープの製造にあたって、粘着剤は、溶剤タイプ、エマルジョンタイプ、ホットメルトタイプ等の態様で使用できる。
【0022】
また必要に応じて、粘着テープに、目止めや背面処理等の公知の処理を施してもよい。
【0023】
粘着テープの場合、前記多孔性薄葉紙材の破断強度Aまたは粘着テープの破断強度Cを有する方向を粘着テープの巾方向とし、多孔性薄葉紙材の破断強度Bまたは粘着テープの破断強度Dを有する方向を粘着テープの長さ方向として使用することが好ましい。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
実施例1
坪量30g/m2 の紙材(木材パルプ:ビニロン=70:30(重量比))を破断強度比A/B=0.5(破断強度B=6.0kg/18mm)になるよう抄紙、アクリルエマルジョン型の含浸剤を塗布した後、天然ゴム系粘着剤(溶剤タイプ)を乾燥厚み30μmになるよう塗布し、巻きとって粘着テープを得た(粘着テープの破断強度比C/D=0.5、破断強度D=7.0kg/18mm)。
【0026】
実施例2
坪量35g/m2 の紙材(パルプ:ポリエチレンテレフタレート(PET)=90:10(重量比))を破断強度比A/B=0.3(破断強度B=4.5kg/18mm)になるよう抄紙、天然ゴム系粘着剤(エマルジョンタイプ)を乾燥厚み20μmになるよう塗布し、巻きとって粘着テープを得た(粘着テープの破断強度比C/D=0.4、破断強度D=6.3kg/18mm)。
【0027】
実施例3
坪量40g/m2 の紙材(パルプ:PET:ビニロン=70:20:10(重量比))を破断強度比A/B=0.7(破断強度B=6.4kg/18mm)になるよう抄紙、合成ゴム系粘着剤(溶剤タイプ)を乾燥厚み30μmになるよう塗布し粘着テープを得た(粘着テープの破断強度比C/D=0.65、破断強度D=7.2kg/18mm)。
【0028】
実施例4
坪量26g/m2 の紙材(パルプ:ビニロン=85:15(重量比))を破断強度比A/B=0.7(破断強度B=4.0kg/18mm)になるよう抄紙、これに酢ビエマルジョンを塗布、更にアクリル系粘着剤(エマルジョンタイプ)を乾燥厚み25μmになるよう塗布、粘着テープを得た(粘着テープの破断強度比C/D=0.7、破断強度D=5.8kg/18mm)。
【0029】
比較例1
破断強度比A/B=0.23(破断強度B=8.2kg/18mm)になるように抄紙した紙材を用いた以外は実施例1と同様にして粘着テープを得た(粘着テープの破断強度比C/D=0.20、破断強度D=9.4kg/18mm)。
【0030】
比較例2
破断強度比A/B=0.97(破断強度B=3.2kg/18mm)になるように抄紙した紙材を用いた以外は実施例2と同様にして粘着テープを得た(粘着テープの破断強度比C/D=0.99、破断強度D=4.3kg/18mm)。
【0031】
上記実施例および比較例の粘着テープを用いて、以下の評価を行った。
【0032】
〔引裂き状況〕
この様にして得られた粘着テープを23℃×65RHにて1週間放置した後、JIS Z−0237に従って引裂き力の測定を行い(巾方向の引裂き)、粘着テープの切れ具合を目視にて判定した(n=5)。
○:真っすぐ切れる
×:殆ど垂直方向に切れる
【0033】
〔被着体追従〕
テープを巾18mmにカットし、23℃×65%にて1週間放置した後、半径150mmの円に沿ってテープを貼り、被着体への追従性を目視にて判定した。
○:シワが入らず上手く貼れる。
【0034】
〔貼りつけ後の引き剥がし〕
テープを巾18mmにカットし、SUS−304BAに貼り付ける。60℃×1時間加熱した後、試料を取り出し、23℃×65%にて2時間放置した。緩急の差をつけ、テープを剥がし、引き剥がし時の裂けを目視にて判定した。
○:破れず、綺麗に剥がれる。
【0035】
上記試験結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
以上のように、実施例は真っすぐ綺麗に切断されたが、比較例は殆ど垂直方向に切れたり、色々な方向に切れて再現性がないものであった。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、切断方向の破断強度とそれと垂直方向の破断強度のバランスが保たれているので、切断したい方向に真っすぐ綺麗に切れる粘着テープ、およびそのような粘着テープを与えうる多孔性薄葉紙材を提供できる。
Claims (3)
- 一方向の破断強度Aおよびそれと垂直方向の破断強度Bの比が、0.95≧A/B≧0.25であり、かつ破断強度Bが2〜15kg/18mmであることを特徴とする叩解された木材パルプとこれに一種以上の合成短繊維を混抄した和紙の少なくとも片面に粘着剤層を有してなり、該和紙の破断強度Aを有する方向が巾方向、破断強度Bを有する方向が長さ方向である粘着テープ。
- 粘着テープの巾方向の破断強度Cおよび長さ方向の破断強度Dの比が、0.7≧C/D≧0.4であることを特徴とする請求項1記載の粘着テープ。
- 破断強度Dが4〜15kg/18mmであることを特徴とする請求項2記載の粘着テープ。
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JP01292395A JP3852484B2 (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 多孔性薄葉紙材およびそれを用いた粘着テープ |
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JPH08209592A JPH08209592A (ja) | 1996-08-13 |
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1995
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