JP3879939B2 - 多孔性基材を用いた粘着テープ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、多孔性基材を用いた粘着テープ又はシート(以下、粘着テープという)に関するもので、更に詳しくは目的とする被着体の表面に確実に追従させて貼り付けることができ、かつ不要になった時は破断等なくキレイに剥がすことができる粘着テープを提供する。
【0002】
【従来の技術】
従来、粘着テープを被着面に貼り付け、目的終了と共に剥がす用途の粘着テープとしては、一般に多孔性基材の片面に溶剤型感圧性接着剤を塗布し、所定の巾に切断してなる粘着テープが知られている。 かかる多孔性基材としては、一般に叩解した木材パルプや、必要に応じて(例えば強度や伸び向上のため)、これと合成短繊維とを混抄した多孔性薄葉紙材や、さらにブチルゴム、天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、アクリル系樹脂等を含浸した多孔性薄葉紙材等が用いられている。
【0003】
しかし、上記のような構成の粘着テープを使用する際、巻き戻しを行うといわゆる波うち現象や、カール、ねじれが発生する場合があった。かかる現象は、粘着テープの切断巾、保存条件、使用条件等で発生したりしなかったり、また消失したりするが、結果として、品質のバラツキを生じ製品の信頼性に欠け、目的とする被着体の表面に確実に追従させて貼り付けることができないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、前記問題点を解決するために鋭意検討した結果、かかる現象は、テープ基材として紙材等の多孔性基材を用いているためと共に、感圧性接着剤として溶剤型を用いているため、切断後のテープの巾方向での水分率に差が生じやすく、すなわちテープ切断面は露出しているため紙基材の吸水速度が速く、一方中央付近は吸水速度が遅いため巾方向での水分率に差が生じるため、テープ切断端部が吸水によって伸びることにより発生することを見い出した。そこで、本発明者らは溶剤型感圧性接着剤の代わりに水分散型感圧性接着剤を用いると共に、粘着テープの巾方向の両端部と中央部における水分率の差を0〜2%にすることにより前記問題点を解決できることを見い出した。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、多孔性基材を用いた粘着テープであって、該基材の少なくとも片面に水分散型感圧性接着剤が設けられており、また、該基材が木材パルプと一種以上の合成短繊維を混抄してなる多孔性薄葉紙材からなり、さらに、該テープの巾方向の両端部と中央部における水分率の差が0〜2%であることを特徴とする多孔性基材を用いた粘着テープを提供する。
【0006】
本発明において用いる多孔性基材としては、木材パルプと一種以上の合成短繊維を混抄してなる多孔性薄葉紙材が使用される。このような多孔性薄葉紙材(和紙)が強度、伸び等に優れる点で好ましい。かかる合成短繊維の材質としては、例えば、ポリビニルアルコール(ビニロン)、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等が挙げられる。また、多孔性薄葉紙材の坪量は特に限定されないが、通常15〜80g/m2、好ましくは25〜50g/m2である。
【0007】
なお本発明においては、特に強度や伸度の向上、適度な剛性を付与できるという点から、混抄する合成短繊維がビニロンであってその混抄比率が5%以上、好ましくは5〜70%、さらに好ましくは15〜50%とした多孔性薄葉紙材を用いることが好ましい。
【0008】
また本発明においては、例えば特開平2−151427号公報に記載の如く、多孔性基材にゴム及び/又は合成樹脂を含浸させることにより、剥離時に裂けや破断を防ぐことができる。かかるゴム、合成樹脂としては、例えば、ブチルゴム、天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
【0009】
この多孔性基材の少なくとも片面に設けられる感圧性接着剤は、水分散型であれば特に限定されず、例えばエマルジョン型、ディスパージョン型等のゴム系、アクリル系等の粘着剤が挙げられる。
【0010】
本発明の粘着テープは、上記多孔性基材の少なくとも片面に、水分散型の感圧性接着剤を塗布し、常法にて乾燥して、所定長さに巻き取った後、所定巾に切断して得られる。得られた切断後の粘着テープは、巾方向の両端部と中央部における水分率の差が0〜2%であることを特徴とする。ここで、水分率とは、K.F法(カール・フィッシャー法)という加熱減少法により測定し、以下で定義される値である。
【数1】
【0011】
本発明の粘着テープは、その用途に何ら限定されるものではないが、巻き戻しの際にいわゆる波打ち現象が発生しないため、被着体への追従性に優れ、従って特に塗装時などに使用されるマスキングテープとして好適であり、またその他封緘用、包装用としても好適に使用し得るものである。
【0012】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例にてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
坪量30g/m2の紙材(木材パルプ:ビニロン=70:30の混抄比率)に、アクリル酸エステル共重合体のエマルジョンを含浸処理した多孔性基材に、ゴム系エマルジョン型粘着剤を30μm(乾燥厚み)になるように塗布し、巻き取って粘着テープロールを得た。
【0013】
参考例1
坪量40g/m2の紙材(木材パルプ:ポリエステル(PET)=80:20の混抄比率)に、ブチルゴムを含浸処理した多孔性基材に、アクリル系エマルジョン型粘着剤を20μm(乾燥厚み)になるように塗布し、巻き取って粘着テープロールを得た。
【0014】
実施例2
坪量30g/m2の紙材(木材パルプ:ビニロン=85:15の混抄比率)に、アクリル系樹脂を含浸処理した多孔性基材に、アクリル系エマルジョン型粘着剤を30μm(乾燥厚み)になるように塗布し、巻き取って粘着テープロールを得た。
【0015】
参考例2
坪量25g/m2の紙材(木材パルプ:ポリエステル(PET)=85:15の混抄比率)に、アクリル系のディスパージョン型粘着剤を40μm(乾燥厚み)になるように塗布し、巻き取って粘着テープロールを得た。
【0016】
比較例1
実施例1において塗布する粘着剤をゴム系溶剤型粘着剤にした以外は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
【0017】
比較例2
実施例1において塗布する粘着剤をアクリル系溶剤型粘着剤にした以外は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
【0018】
比較例3
参考例1において塗布する粘着剤をスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)系溶剤型粘着剤にした以外は、参考例1と同様にして粘着テープを得た。
【0019】
このようにして得られた粘着テープロールを、18mm巾に切断し、23℃×65%に1週間放置した後、テープを巻き戻し、テープの波うち、カール、ねじれ現象を目視にて確認し、以下の基準にて評価した。 その結果を表1に示す。
○ 波うち、カール、ねじれ、なし
△ 波うち、カール、ねじれが一部分にある
× 波うち、カール、ねじれが全体にある
【0020】
【表1】
【0021】
また粘着テープの端部及び中央部における水分率を、前記のカール・フィッシャー法で測定し、またテープの引張り強度及び伸びを、JIS Z−0237に準ずる方法で測定し、これらの結果を表1に併せて示す。
【0022】
【発明の効果】
本発明の粘着テープは、切断後の巾方向の両端部と中央部における水分率の差が0〜2%であるため、寸法変化がなく、巻き戻して使う際、波うちやカール、ねじれなどの現象が発生しないため、安定した品質を維持できる。 よって、目的とする被着体の表面に確実に追従させて貼ることができる。 特に塗装のマスキング用途に用いた場合は、良好な仕上がり(見切り線)が得られるという効果がある。
Claims (1)
- 多孔性基材を用いた粘着テープであって、該基材の少なくとも片面に水分散型感圧性接着剤が設けられており、また、該基材が木材パルプとビニロン短繊維を95:5〜70:30の比率で混抄してなる多孔性薄葉紙材からなり、さらに、該粘着テープを巻き取ったテープロールを18mm巾に切断し、23℃×65%相対湿度で1週間放置した後に巻き戻したときの、カール・フィッシャー法で測定した巾方向の両端部と中央部における水分率の差が0〜2%であることを特徴とする多孔性基材を用いた粘着テープ。
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JP18244894A JP3879939B2 (ja) | 1994-08-03 | 1994-08-03 | 多孔性基材を用いた粘着テープ |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006220548A Division JP4627523B2 (ja) | 2006-08-11 | 2006-08-11 | 多孔性基材を用いたマスキングテープ |
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JPH0839715A JPH0839715A (ja) | 1996-02-13 |
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-
1994
- 1994-08-03 JP JP18244894A patent/JP3879939B2/ja not_active Expired - Lifetime
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