WO2001029988A1

WO2001029988A1 - Dispositif adaptatif d'antenne reseau et dispositif adaptatif d'antenne reseau pour station de base

Info

Publication number: WO2001029988A1
Application number: PCT/JP2000/007332
Authority: WO
Inventors: Kazunari Kihira; Isamu Chiba
Original assignee: Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha
Priority date: 1999-10-22
Filing date: 2000-10-20
Publication date: 2001-04-26
Also published as: EP1146662A1; KR20010099884A; AU7952500A; EP1146662A4; US6404387B1

Description

明細書

ァダプティブアレーアンテナ装置及び基地局用ァダプティブアレーアンテナ装置技術分野

この発明は移動通信において通信品質を確保するアンテナ装置、特に直接拡散方式をとる C D MA方式を用いる通信システムのアンテナ装置に関する発明である。背景技術

移動通信における多重反射波や他ユーザからの干渉を除去するため、複数のァンテナを用いてそれらの重み付けを適応的に制御して干渉信号方向に指向性のヌルを向けるァダプティブアレーアンテナがある。例えば、第 1 0図は特開平 9— 1 6 2 7 9 9に開示されたァダプティブ機能を有するアンテナ装置の実施例である。 1 0は送受信機、 1 9はアンテナ、 2 0はァダプティブ制御部である。

第 1 0図に示されるように、 2素子で受信した信号を分配し、それらを各送受信機 1 0の入力とする。そして、各送受信機 1 0 (各ユーザ）毎にァダプティブ制御部 2 0を配置して、各々で干渉除去を行う。このような構成とされるのは、通常、移動通信に用いられるアルゴリズムが所望信号に似た（相関の高い）参照信号を用いる最小 2乗誤差法に基づいているからである。最小 2乗誤差法の評価関数 Qは次式で表される。

E [■ ]：期待値

r(t), y{t) ：参照信号およびアレー出力以上に述べたように従来の構成では、各送受信機毎にァダプティブ制御装置が必要となり、チャネル数の増加とともに装置規模も増大する問題があった。 C D MAシステムにおいては逆拡散後にァダプティブ処理を行う必要があるため、チャネル数の増加に伴い、装置規模の問題が大きくなる。また、既存装置にァダプティブ機能を追加する場合などは、ァダプティブ制御を考慮した送受信機全体の設計を行い、すべてを交換する必要があった。よって、他の装置への影響も大きく、また、消費電力、設備費、設置性など各種の面で問題となる。

この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、簡易な構成により他ユーザにとって通信品質劣化の要因となる干渉信号を除去する移動通信におけるアンテナ装置を実現することを目的とする。発明の開示

この発明にかかるァダプティブアレーアンテナ装置は、主アンテナと、この主アンテナよりも小型の補助アンテナと、所定の重み係数を用いて、前記主アンテナおよび前記補助アンテナから出力された信号にそれそれ重み付けをする重み付け手段、この重み付け手段にてそれそれ重み付けがされた前記主アンテナおよび前記補助アンテナから出力された信号を合成する合成手段、この合成手段から出力される信号の電力が最小になるように重み係数を演算し、演算した重み係数を前記重み付け手段に出力して重み付けを制御する重み付け制御装置を有し、前記合成手段より出力された信号を送受信機に出力するァダプティブ制御装置とを設けたものである。

また、この発明にかかるァダプティブアレーアンテナ装置は、 C D MA方式を採用する送信側において拡散変調された広帯域信号から干渉信号を除去した信号を、広帯域信号より狭帯域信号に逆拡散する整合フィル夕を有する送受信機に出力するァダプティブ制御装置を設けたものである。

また、この発明にかかるァダプティブアレーアンテナ装置は、主アンテナが受信した信号のうち、一部の信号はァダプティブ制御装置に出力し、残りの信号を前記ァダプティブ制御装置を通さずに送受信機に出力する分配器を設けたものである。

また、この発明にかかるァダプティブアレーアンテナ装置は、受信信号に含まれる成分のうち、熱雑音成分に所定の擬似雑音成分を付加して重み係数を演算することにより重み係数を変化させる重み付け制御装置を設けたものである。また、この発明にかかるァダプティブアレーアンテナ装置は、主アンテナおよび補助アンテナの受信した電力の大きな信号を最大比合成する重み係数を演算するとともにァダプティブ制御装置に出力し、電力の大きな信号を送信するときに、送受信機より前記ァダプティブ制御装置に入力される信号の重み付けを制御する重み付け制御装置を設けたものである。

この発明にかかる基地局用ァダプティブアレーアンテナ装置は、基地局に設けられた主アンテナと接続され、この主アンテナが受信した信号を分配して出力する分配合成器と、基地局を設置する環境の干渉信号レベルに依存してサイズが決定される補助アンテナと、所定の重み係数を用いて、前記主アンテナおよび前記補助アンテナから出力された信号にそれそれ重み付けをする重み付け手段、この重み付け手段にてそれそれ重み付けがされた前記主アンテナおよび前記補助ァンテナから出力された信号を合成する合成手段、この合成手段から出力される信号の電力が最小になるように重み係数を演算し、演算した重み係数を前記重み付け手段に出力して重み付けを制御する重み付け制御装置を有し、前記合成手段より出力された信号を送受信機に出力するァダプティブ制御装置とを設けたものである。図面の簡単な説明

第 1図は本発明の実施の形態 1に係るァダプティブアレーアンテナ装置の構成を示すブロック図である。第 2図は所望信号の S I N Rと補助アンテナの必要利得との関係を示すグラフである。第 3図は本発明にかかるァダプティブァレーアンテナ装置の S I N R出力特性を示すグラフである。第 4図は本発明の実施の形態 2に係るァダプテイブアレーアンテナ装置の構成を示すブロック図である。第 5図は本発明の実施の形態 3に係るァダプティブアレーアンテナ装置の構成を示すプロック図である。第 6図は本発明の実施の形態 3に係るァダプティブアレーアンテナ装置の構成を示すブロック図である。第 7図は本発明の実施の形態 3に係るァダプテイブアレーアンテナ装置の構成を示すブロック図である。第 8図は本発明の実施の形態 4に係るァダプティブァレ一アンテナ装置の構成を示すプロック図である。第 9図は本発明の実施の形態 5にかかる基地局用アンテナ装置の構成を示すブロック図である。第 1 0図は従来のァダプティブアレーアンテナ装置の構成を示すプロック図である。発明を実施するための最良の形態

実施の形態 1 .

第 1図は、本発明の実施の形態 1に係るァダプティブアレーアンテナ装置の構成を示すブロック図である。 1は主アンテナ、 2は補助アンテナ、 3はユーザ用分配合成器、 4は主アンテナ 1からの信号が入力される乗算器、 5は補助アンテナ 2からの信号が入力される乗算器、 6は加算器、 7は重み付け制御装置、 8はァダプティブ制御装置、 9は A/D変換器、 1 0は送受信機、 1 1は整合フィル夕である。

C D MA (Code Divis ion Multiple Access ) とは符号分害 ij多元接続のことで、情報信号のスぺクトルをその帯域幅に比べて十分に広い帯域に拡散して伝送するスぺクトル拡散通信によって多元接続を行う技術である。つまり、伝送には広帯域信号を用いるため、 C D MAにおいては高速マルチメディアサービスの提供が可能となり、動画などの高速データ伝送が実現できる。しかしながら、高速伝送になるほど多くの帯域を使用するために信号の送信電力も大きくなる。したがって、通常の音声伝送などを行うユーザにとってはこれらの高速伝送を行うユーザは通信品質を著しく劣化させる干渉信号となる。

次に第 1図に示すァダプティブアレーアンテナ装置の動作について説明する。まず主アンテナ 1および補助アンテナ 2で受信された信号を A/D変換器 9によりベースバンド信号に変換してァダプティブ制御装置 8に入力する。ァダプティブ制御装置 8は電力最小化法を用いてァダプティブ制御を行いアレー信号を出力する。具体的にはァレ一合成の出力電力の期待値が最小化されるよう重み付け制御装置 7により補助アンテナ 2の受信信号の振幅位相を演算、すなわち重み係数を演算し、この重み係数を用いて乗算器 5にて受信信号の重み付けを行う。そして、重み付けされた補助アンテナ 2の受信信号を加算器 6に入力して、乗算器 4 より出力された信号と合成してアレー信号を出力する。アレー信号が入力されたユーザ用分配合成器 3は送受信機 1 0に信号を選択的に分配する。各送受信機 1 0は入力された信号をそれそれの整合フィル夕 1 1にて逆拡散処理して所望信号より情報信号を取り出すことができる。

本発明は、送信側である C D MAシステムにおいて拡散された拡散信号が、 SNR (信号電力対熱雑音電力比）が非常に低い状態で送信される性質であることを利用している。通常、音声などの低速伝送ユーザにおいては熱雑音レベル以下の送信電力で送信される。また、ビットレートに比例して送信電力も大きくなる。画像、動画などの伝送を行う高速伝送ユーザは多くの帯域（チャネル）を使用するので送信電力も大きくなる。つまり、熱雑音レベル以上の干渉信号が受信されることになる。このような C D MAならではの状況において、受信側で逆拡散処理をする前の信号では、音声伝送などを行う所望信号は雑音に埋もれた状態となつている。従って、単純な電力最小化法を用いて干渉信号を除去すると、熱雑音レベル以上の大電力の干渉信号のみ除去されることになる。

従来のァダプティブアレーアンテナ装置の採用していたァダプティブ制御アルゴリズムである最小 2乗誤差法は、所望信号の性質を事前知識としてァダプティブ制御を行うものであった。これに対して、本発明が採用する電力最小化法は、このような事前知識を必要とせず、完全なブラインド処理が可能である。このような出力電力最小化に用いるアルゴリズムとしてパワーインバージョン（P I ： Power Invers ion) アルゴリズムがある。以下、 P Iアルゴリズムについて説明する。重み係数 Wは次式で与えられる。

：入力信号の相関行列

S ：主アンテナの重みを固定として [1 0 ... 0 となる式（2 ) を 2素子 2波モデルに書き下すと以下のようになる。

_ x + a

D 一一

^Xdl '> ^Xd 主アンテナ、補助アンテナで受信される所望信号成分

x , x_i2 ：主アンテナ、補助アンテナで受信される干渉信号成分

σ² ：熱雑音電力

Z) = d J ( 4 ) このように所望信号と干渉信号が無相関であれば、重み係数は所望信号、干渉信号、熱雑音の各成分により記述できる。このとき、各信号電力と熱雑音電力の関係から特性が決まることになり、熱雑音に比べて大きな信号ほど抑圧対象となる。移動通信においては受信状態は時々刻々と変化するために信号電力と熱雑音電力の関係が逆転することも考えられる。そこで、仮想的な擬似雑音成分を式（ 3 ) の cr²に加えることでァダプティブアレーアンテナの性能を多少鈍らせて、所望信号を抑圧しにくくすることが可能となる。またこうすることにより、適切な擬似雑音を付加することで抑圧対象とする信号を選択することもできる。

また、上記説明したァダプティブアレーアンテナ装置が有する干渉除去効果は補助アンテナの大きさに依存している。そして、補助アンテナのサイズは除去すベき干渉信号のレベルに応じて決定される。要求品質を満足するために必要な干渉抑圧の程度は各基地局環境によって異なるので、補助アンテナのサイズは設置環境において必要な干渉信号の抑圧レベルに応じて決定される。以下、補助アンテナのサイズの決定法について説明する。まず、主アンテナに対する補助アンテナの必要利得（Gain) を求める。

- b : ■4ac

rain ( 5 )

2a a = 2xjX; (l - p)- SINR . (2« -

+ o² x_d~ + x )²}

b = 2χ χ:σ²(\ -p)- SINR . σ² + x f + 2o²{x_d ² + xf)} ( _g )

c = χ σ - SINR · (jccr⁴ + a⁶)

b 4flc≥0

あるいは、干渉信号電力が所望信号電力に比べて非常に大きく所望信号が無視できるとすれば、 a = 2x;x,⁴(l - p)- SINR . {σ^{2 4} }

b = 2χ]χ.σ²{1 -p)- SINR a² c' + 2σ²χ[ } (7)

c = χ]σ'一 SINR · (x o⁴ + σ⁶ )

X_d ：主アンテナでの所望信号の受信振幅

：主アンテナでの干渉信号の受信振幅

σ² ：熱雑音電力

SINR：所望の SINR値 p = cos(kd(s θ_ά一 sin β ))

ん：波数

^素子間隔

，：所望信号、干渉信号の到来方向すなわち、所望の SINRを設定し、受信時の SIR、 SNRおよび各信号の到来方向、素子間隔、周波数を与えることにより補助アンテナの必要利得が求められる。以上のようにして求めた必要利得から補助アンテナのサイズが概算可能となる。例として、 SIR=— 1 0 dB、 SNR=0 dBの場合の必要利得を第 2図に示す。横軸が所望の SINR、縦軸が補助アンテナの必要利得を表す。図より、 SINR=— 1 0 dB を達成した場合は補助アンテナの必要利得は約- 1 OdBとなり、主アンテナに対して 1 0分の 1程度のサイズでよいことがわかる。

以上説明したァダプティブアレーアンテナ装置の効果について説明する。主ァンテナと補助アンテナの 2素子の構成において所望信号と干渉信号の 2波が到来する環境におけるァダプティブ制御後の出力 SINR (Signal to Interference plus Noise power Ratio) 特性の結果を第 3図に示す。横軸は S IR (所望信号電力対干渉信号電力）を示し、縦軸の SINRが大きいほど干涉信号を除去し、良好な特性が得られることを示す。入力 SNR (信号電力対熱雑音電力比）は— 5 dB とし、 C D MAにおける逆拡散前の状態を模擬している。第 3図中の AGRは補助アンテナと主アンテナの電界利得比を表し、小さいほど補助ァンテナの利得が低いことを表す。

つまり、アンテナのサイズが小さくなることを表している。第 3図の実線で示す主アンテナのみでの受信に対して本発明のァダプティブ制御をおこなうことで、特性の大きな改善が見られる。よって、利得の小さいアンテナすなわちサイズの小さな補助アンテナを用いることでアンテナ装置の小形化を図りながら干渉除去機能の実現も可能となる。また、 SIRが大きい、すなわち大きな干渉信号がない場合でも所望信号をほとんど除去していないことがわかる。

以上説明したように、本発明にかかるァダプティブアレーアンテナ装置は、ァダブティブ制御を各送受信機（各ユーザ）に分配する前に行うため、各送受信機においてァダプティブ制御装置を用意する必要がなく、消費電力や演算量、装置規模に大きな影響を与えない。そして、最小 2乗誤差法ではなく電力最小化法を用いてァダプティブ制御を行うので、参照信号との同期などを取る必要がなくなり簡易な構成により大電力の干渉信号の除去が可能である。サイズの小さな補助アンテナを用いることで装置規模の小型化と干渉除去機能を両立させることができる。また、参照信号との同期を取る必要がないので完全なブラインド処理が可能となった。高速サンプリングも必要ないので非常に簡易な構成により実現できる。

なお、以上説明したァダプティブアレーアンテナ装置は、除去したい干渉の数に応じて補助アンテナの数を増加させることにより、要求品質を満足することが可能である ₍ の場合、補助アンテナの数が除去できる干渉信号の数と等しくなる。実施の形態 2 .

第 4図は実施の形態 2に係るァダプティブアレーアンテナ装置の構成を示すプロック図である。第 4図において、第 1図に示すものと同一の符号は同一または相当部分を示すものであるため説明は省略する。実施の形態 1に示すァダプティブアレーアンテナ装置は、 C D MA方式の信号の受信および干渉除去に適するものであった。以下説明するァダプティブアレーアンテナ装置は、受信した信号が C D MA方式の信号かその他の方式の信号かに関わらず、干渉信号の電力が所望信号の電力に比べて大きければ、あらゆる変調方式の信号に対しても適用できるものである。

主アンテナ 1および補助アンテナ 2で受信された信号を A/D変換器 9によりベースバンド信号に変換し、それら出力よりァダプティブ制御装置 8を用いて電力最小化法に基づくァダプティブ制御を行う。具体的にはアレー合成の出力電力の期待値が最小化されるよう重み付け制御装置 7により補助アンテナ 2の受信信号の振幅位相を演算し、さらに重み係数を調整して加算器 6により主アンテナ 1 の出力と合成する。こうすることにより、同じ伝送品質を要求される信号がすべて同一の電力で受信されるように制御されたシステムでは、所望信号に対して大きい電力の干渉信号のみを除去することが可能となる。実施の形態 3 .

実施の形態 1、 2にて説明したァダプティブアレーアンテナ装置は、電力の大きい信号は干渉として除去の対象としていた。しかしながら、動画像などの情報を伝送する高速伝送信号は多くの帯域を使用するために送信電力も大きくなる。従って、電力の大きい信号を一律に干渉として除去すると、動画像を含む所望信号まで除去してしまう可能性がある。第 5図は本発明の実施の形態 3に係るァダプティブアレーアンテナ装置の構成を示すプロック図である。第 5図において、 1 2は分配合成器、 1 3は大電力信号用経路である。第 5図において第 1図に示すものと同一の符号は同一または相当部分を示すので説明は省略する。実施の形態 3に係るァダプティブアレーアンテナ装置は、第 5図に示すように、主アンテナ 1の出力を分配合成器 1 2により 2分酉己し、一方をァダプティブ制御装置 8に、もう一方の信号を大電力ユーザ用の大電力信号用経路 1 3を介してユーザ用分配合成器 3に入力する。

次に第 5図に示すァダプティブァレ一アンテナ装置の動作について説明する。主アンテナ 1が受信した信号は A/D変換器 9によりベ一スバンド信号に変換された後、分配合成器 1 2に入力される。一方、補助アンテナ 2が受信した信号は A/D変換器 9によりベースバンド信号に変換されてァダプティブ制御装置 8に入力される。分配合成器 1 2は、主アンテナ 1が受信した信号を分配し、一方をァダプティブ制御装置 8に、もう一方をユーザ用分配合成器 3を経由して送受信機 1 0に出力する。

大電力ユーザに関しては、このように分配合成器 1 2のもう一方の系統をそのまま後段の送受信機に入力することで対応可能である。このような構成を採用することで大電力ユーザとの通信に支障をきたすことのない構成となる。また、もしァダプティブ制御後に抽出した信号のレベルが小さいなら、大電力ユーザ用の系統を用いて、両者の出力レベルの比較を行うなどして、より高い出力レベルの系統を選択することも可能となる。

また、第 6図は第 5図に示すァダプティブアレーアンテナ装置を示すブロック図である。第 6図において第 5図と同一の符号は同一または相当部分を示すので説明は省略する。第 6図に示すァダプティブアレーアンテナ装置は、分配合成器 1 2において、受信した動画像情報などを含む電力の大きな信号は 2分配されて、一方はァダプティブ制御装置 8に、もう一方は大電力ユーザ用経路 1 3によってユーザ用分配合成器 3に出力される。従って、ァダプティブ制御装置 8に入力された信号から大電力信号が除去されても、大電力ユーザ用経路に出力された信号から所望信号を取り出すことができるので、大電力ユーザを保護することができる。以上説明したように、大電力ユーザを保護するとともに、電力の大きな信号の及ぼす干渉を抑制し、音声情報を伝達する通常ユーザの通信品質を良好に保つことができるのは第 5図に示すァダプティブアレーアンテナ装置と同様である。一方、電力の大きな信号を送信するときには、送受信機 9より大電力の送信信号を入力されたユーザ用分配合成器 3は、大電力送信信号をァダプティブ制御装置 8に出力する。また、電力の小さな信号を送信するときには、ァダプティブ制御装置 8を介さずに送信する。

このァダプティブ制御装置 8は、大電力ユーザ方向にビーム走査することにより消費電力の低減および他ュ一ザへの不要放射による干渉を低減するために補助アンテナを利用したァダプティブ制御を行うものである。具体的には大電力のュ一ザと通信を行う際には、受信時に各素子への入力信号を最大比合成する重み係数を求めておき、これを送信時の重み付けとして用いる。大電力の信号が存在すればこの重み係数は大電力信号を最大比合成するものにほぼ等しくなる。よって、大電力ユーザ方向にビームを向けて送信可能となり、送信局の消費電力削減を実現することができる。また、ビームを走査することにより他のユーザへの不要放射を低減できるので、他ユーザの通信品質の改善も可能となる。

また、第 7図は、以上説明したァダプティブアレーアンテナ装置を複数個、ダィバーシチ制御装置 1 4に設けた状態を示すブロック図である。第 7図に示すように各アンテナ装置からの出力を復調し、それらをダイバーシチ制御装置 1 4によりダイバ一シチ合成することにより受信後の SNRを改善し、通信品質を向上させることが可能となる。実施の形態 4 .

実施の形態 1〜 3にて説明したァダプティブアレーアンテナ装置では、アンテナ出力を A/D変換器 9によりべ一スパンド信号に変換して信号処理を行っていた。これを第 8図に示すように、補助アンテナ出力を移相器 1 6と減衰器 1 7により調整し、合成器 1 5にて主アンテナ 1の出力と合成する構成にすることで、 R F信号あるいは I F信号のままアナログ回路により実現し、ァダプティブ制御装置 8の後段に設けた A/ D変換器 9にて A / D変換するようにしてもよい。このように構成したァダプティブアレーアンテナ装置は、アンテナ直下に干渉除去機能を有する信号処理系を構成することができ、前段にてベースバンドへのダウンコンバートおよび A/D変換器によるディジ夕ル化等の処理系の構成を行う必要がないために装置の小型化、設置性の改善が可能となる。実施の形態 5 .

第 9図は本発明の実施の形態 5に係る基地局用アンテナ装置の構成を示すプロヅク図である。 1 8は基地局用アンテナ装置である。第 9図において第 5図に示すものと同一の符号は同一または相当部分を示すので説明は省略する。基地局用アンテナ装置 1 8は補助アンテナ 2、ァダプティブ制御装置 8、分配合成器 1 2 を有しており、この基地局用アンテナ装置 1 8を基地局に設けられた主アンテナ 1と接続して、既存の設備に追加することにより、基地局の機能に干渉除去機能を付加することができる。

上記基地局用アンテナ装置 1 8は、基地局など既存のアンテナ装置に大幅な改造、仕様変更を施すことなく干渉除去機能の追加を行うことが可能となる。また、受信信号を各送受信機に分配する前にァダプティブ制御を行うので、例えば、既存の基地局装置のセクタアンテナなどの直下に本発明の装置を挿入することができる。従って、後段の送受信機など無線制御装置へほとんど影響を与えることなく干渉除去機能の追加が可能である。また、補助アンテナも小型のもので十分な干渉除去機能を果たすので、元のサイズからあまり変わることのないようにできる。以上説明したような、基地局用アンテナ装置を基地局に設置する作業は、ァダブティブ制御を考慮して既存の設備を改造する必要性も小さいので、低コスト、低労力にて実施できる。

Claims

請求の範囲

1 . 主アンテナと、この主アンテナよりも小型の補助アンテナと、所定の重み係数を用いて、前記主アンテナおよび前記補助アンテナから出力された信号にそれそれ重み付けをする重み付け手段、この重み付け手段にてそれそれ重み付けがされた前記主アンテナおよび前記補助アンテナから出力された信号を合成する合成手段、この合成手段から出力される信号の電力が最小になるように重み係数を演算し、演算した重み係数を前記重み付け手段に出力して重み付けを制御する重み付け制御装置を有し、前記合成手段より出力された信号を送受信機に出力するァダプティブ制御装置とを設けたことを特徴とするァダプティブアレーアンテナ

2 . ァダプティブ制御装置は、 C D MA方式を採用する送信側において拡散変調された広帯域信号から干渉信号を除去した信号を、広帯域信号より狭帯域信号に逆拡散する整合フィル夕を有する送受信機に出力することを特徴とする請求の範囲第 1項に記載のァダプテイブアレーアンテナ装置。

3 . 主アンテナが受信した信号のうち、一部の信号はァダプティブ制御装置に出力し、残りの信号を前記ァダプティブ制御装置を通さずに送受信機に出力する分配器を設けたことを特徴とする請求の範囲第 1項に記載のァダプティブアレー

4 . 重み付け制御装置は、受信信号に含まれる成分のうち、熱雑音成分に所定の擬似雑音成分を付加して重み係数を演算することにより重み係数を変化させることを特徴とする請求の範囲第 3項に記載のァダプティブアレーマ +

5 . 重み付け制御装置は、主アンテナおよび補助アンテナの受信した電力の大きな信号を最大比合成する重み係数を演算するとともにァダプティブ制御装置に出力し、電力の大きな信号を送信するときに、送受信機より前記ァダプティブ制御装置に入力される信号の重み付けを制御することを特徴とする請求の範囲第 3 項に記載のァダプティブァレ一アンテナ装置。

6 . 基地局に設けられた主アンテナと接続され、この主アンテナが受信した信号を分配して出力する分配合成器と、基地局を設置する環境の干渉信号レベルに依存してサイズが決定される補助アンテナと、所定の重み係数を用いて、前記主アンテナおよび前記補助アンテナから出力された信号にそれぞれ重み付けをする重み付け手段、この重み付け手段にてそれそれ重み付けがされた前記主アンテナおよび前記補助アンテナから出力された信号を合成する合成手段、この合成手段から出力される信号の電力が最小になるように重み係数を演算し、演算した重み係数を前記重み付け手段に出力して重み付けを制御する重み付け制御装置を有し、前記合成手段より出力された信号を送受信機に出力するァダプティブ制御装置とを設けたことを特徴とする基地局用ァダプティブアレーアンテナ装置。