JP2004325239A - アンテナゲイン特定装置および無線通信装置 - Google Patents

アンテナゲイン特定装置および無線通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】任意のアンテナゲインを持つアンテナが接続されてもそのアンテナゲインを特定できる。
【解決手段】無線通信装置10は、任意のアンテナゲインを持つ第1アンテナ30を接続する第1コネクタ26と、既知のアンテナゲインを持つ第2アンテナ24と、電波を受信する受信回路14と、受信回路14が第1コネクタ26に接続された第1アンテナ30を用いて受信した第1の電波の強さ、および受信回路14が第2アンテナ24を用いて受信した第2の電波の強さを用いて、第2アンテナ24に対する第1アンテナ30の相対的なアンテナゲインを特定し、かつ第1の電波の強さが相対的なアンテナゲインに基づいて補正された第3の電波の強さに基づいて、受信回路14を制御する制御回路12とを含む。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンテナゲイン特定装置および無線通信装置に関し、特に、アンテナゲインを適切に演算できるアンテナゲイン特定装置および無線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、無線で信号を通信する機器は、アンテナを取り付けることにより、送信時の空中線電力をアンテナゲイン分だけ大きくすることができる。また、受信時、そのような機器は、見かけ上アンテナゲイン分だけ受信感度が大きくなったように動作する。結果として、そのような機器は、より小さい信号を受信することができるようになる。この現象を利用して、様々に機器を制御する装置が開発されている。
【0003】
具体的には、特許文献1には、受信した電波の強度を表わす複数の値を積分または平均することにより、受信する電波の強度が最も高いアンテナを選択するダイバーシティ受信装置が開示されている。また、特許文献2には、受信電界強度の検出精度を向上させるため、アンテナが受信した電波によって特定される周辺レベル信号が無線信号に同期しているか否かに基づいて、時定数が変更される周辺レベル検出装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−148973号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2000−151318公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示されているように、受信した電波の強度を表わす複数の値を積分または平均することによりアンテナを選択する場合、電波の強度が真に最高のアンテナを選択できないことがあるという問題がある。この問題は、外部コネクタなどを使用して外部のアンテナを取り外しできる構造の無線機器に生じる問題である。
【0007】
このような機器は、外部コネクタの形状が一致すれば、任意のアンテナを取り付けることができる。このことは、機器使用者にとって見れば、どのようなアンテナでも使用可能になるので非常に便利なことである。一方このことは、機器設計者にとって見れば、任意のアンテナすなわち任意のアンテナゲインを持った不特定のアンテナが接続されるということになる。
【0008】
任意のアンテナが取りつけられると、設計上は正確なゲイン設計ができなくなる。特にアンテナ端子で信号レベルの大きさを測定することによってキャリアセンスを行っている機器の場合、取りつけるアンテナのゲインによってアンテナ端子に現れる信号レベルが変化する。信号レベルが変化すると、正しい信号レベル判定ができなくなる。これにより、正しい動作が保証できなくなる。
【0009】
この問題を解決するため、上述のような問題が生じ得る機器の構造は、本来任意のアンテナが取りつけられる構造であっても、事実上はアンテナゲインが既知のものだけしか使用できない構造であった。そのような機器は、アンテナを取り替える場合、次のような方法で正しく動作するような構造となっていた。その方法とは、取り付けたアンテナのゲインを別途設けたスイッチなどを操作することによって設定するなどの方法である。
【0010】
上述の問題は、アンテナダイバーシティ機能を有することにより、アンテナを切り替えて使用できる機器の場合、特に顕著になる。その理由は、複数のアンテナが外部に取りつけられる構造になっていると、取りつける複数のアンテナのゲインがすべて異なっている可能性があるからである。このような機器は、ダイバーシティ機能によってアンテナを切り替えた場合に、正しい動作が保証できない。この問題を解決するためには、接続されたアンテナそれぞれに対して、アンテナゲインを個別に設定しなければならない。この操作は実用的と言い難いほど非常に複雑な操作である。
【0011】
特許文献2に開示されているように、受信した電波によって特定される周辺レベル信号が無線信号に同期しているか否かに基づいて、時定数を変更する場合にも、上述の場合と同様の問題がある。
【0012】
本発明は上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、任意のアンテナゲインを持つアンテナが接続されてもそのアンテナゲインを特定できるアンテナゲイン特定装置および無線通信装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、アンテナゲイン特定装置は、任意のアンテナゲインを持つ第1のアンテナを接続するための接続手段と、既知のアンテナゲインを持つ第2のアンテナと、アンテナを用いて電波を受信するための受信手段と、受信手段が接続手段に接続された第1のアンテナを用いて受信した第1の電波の強さ、および受信手段が第2のアンテナを用いて受信した第2の電波の強さを用いて、第2のアンテナに対する第1のアンテナの相対的なアンテナゲインを特定するための特定手段とを含む。
【0014】
すなわち、接続手段は、任意のアンテナゲインを持つ第1のアンテナを接続する。第2のアンテナは、既知のアンテナゲインを持つ。受信手段は、アンテナを用いて電波を受信する。これにより、特定手段は、受信手段が接続手段に接続された第1のアンテナを用いて受信した第1の電波の強さ、および受信手段が第2のアンテナを用いて受信した第2の電波の強さを用いて、第2のアンテナに対する第1のアンテナの相対的なアンテナゲインを特定できる。その結果、任意のアンテナゲインを持つアンテナが接続されてもそのアンテナゲインを特定できるアンテナゲイン特定装置を提供することができる。
【0015】
また、上述の第2のアンテナは固定されたアンテナであることが望ましい。
すなわち、第2のアンテナは固定されたアンテナであることができる。これにより、特定手段は、第1のアンテナの相対的なアンテナゲインを、第2のアンテナのアンテナゲインに対して固定的な値として特定できる。その結果、任意のアンテナゲインを持つアンテナが接続されてもそのアンテナゲインを特定できるアンテナゲイン特定装置を提供することができる。
【0016】
また、上述の接続手段は複数の第1のアンテナを接続するための手段を含むことが望ましい。あわせてアンテナゲイン特定装置は、複数の第1のアンテナが受信する電波の強度に基づいて、複数の第1のアンテナのいずれかを選択するための選択手段をさらに含むことが望ましい。あわせて受信手段は、選択手段によって選択された複数の第1のアンテナのいずれかを用いて電波を受信するための手段を含むことが望ましい。
【0017】
すなわち、接続手段は複数の第1のアンテナを接続することができる。選択手段は、複数の第1のアンテナが受信する電波の強度に基づいて、複数の第1のアンテナのいずれかを選択することができる。受信手段は、選択手段によって選択された複数の第1のアンテナのいずれかを用いて電波を受信することができる。これにより、特定手段は、複数の第1のアンテナのいずれかについて、第2のアンテナに対する相対的なアンテナゲインを特定できる。その結果、任意のアンテナゲインを持つ複数のアンテナが接続されても、それらのアンテナのいずれかについてアンテナゲインを特定できるアンテナゲイン特定装置を提供することができる。
【0018】
また、上述の特定手段は、第1の電波の強さと第2の電波の強さとの強度差に基づいて、相対的なアンテナゲインを演算するための演算手段を含むことが望ましい。
【0019】
すなわち、演算手段は、第1の電波の強さと第2の電波の強さとの強度差に基づいて、相対的なアンテナゲインを演算できる。これにより、演算手段は、相対的なアンテナゲインをより容易に特定できる。その結果、任意のアンテナゲインを持つアンテナが接続されてもそのアンテナゲインを容易に特定できるアンテナゲイン特定装置を提供することができる。
【0020】
もしくは、上述の演算手段は、相対的なアンテナゲインとして、強度差を演算するための手段を含むことが望ましい。
【0021】
すなわち、演算手段は、相対的なアンテナゲインとして、強度差を演算できる。これにより、演算手段は、相対的なアンテナゲインをさらに容易に特定できる。その結果、任意のアンテナゲインを持つアンテナが接続されてもそのアンテナゲインをさらに容易に特定できるアンテナゲイン特定装置を提供することができる。
【0022】
本発明の他の局面に従うと、無線通信装置は、任意のアンテナゲインを持つ第1のアンテナを接続するための接続手段と、既知のアンテナゲインを持つ第2のアンテナと、アンテナを用いて電波を受信するための受信手段と、受信手段が接続手段に接続された第1のアンテナを用いて受信した第1の電波の強さ、および受信手段が第2のアンテナを用いて受信した第2の電波の強さを用いて、第2のアンテナに対する第1のアンテナの相対的なアンテナゲインを特定するための特定手段と、第1の電波の強さが相対的なアンテナゲインに基づいて補正された第3の電波の強さに基づいて、受信手段を制御するための制御手段とを含む。
【0023】
すなわち、接続手段は、任意のアンテナゲインを持つ第1のアンテナを接続する。第2のアンテナは、既知のアンテナゲインを持つ。受信手段は、アンテナを用いて電波を受信する。特定手段は、受信手段が接続手段に接続された第1のアンテナを用いて受信した第1の電波の強さ、および受信手段が第2のアンテナを用いて受信した第2の電波の強さを用いて、第2のアンテナに対する第1のアンテナの相対的なアンテナゲインを特定する。これにより、制御手段は、第1の電波の強さが相対的なアンテナゲインに基づいて補正された第3の電波の強さに基づいて、受信手段を制御できる。その結果、任意のアンテナゲインを持つアンテナが接続されてもそのアンテナゲインを特定できる無線通信装置を提供することができる。
【0024】
また、上述の受信手段は、電波の強さを測定するときのみ第2のアンテナを用いて電波を受信するための手段を含むことが望ましい。
【0025】
すなわち、受信手段は、電波の強さを測定するときのみ第2のアンテナを用いて電波を受信できる。制御手段は、第1の電波の強さが相対的なアンテナゲインに基づいて補正された第3の電波の強さに基づいて、受信手段を制御できる。これにより、受信手段は、第3の電波の強さに基づいて制御される。その結果、任意のアンテナゲインを持つアンテナが接続されてもそのアンテナゲインを特定でき、かつ電波の強さを測定する以外のときはより的確に電波を受信できる無線通信装置を提供することができる。
【0026】
また、上述の受信手段は、第1のアンテナのみを用いて、情報を表わす電波を受信するための手段を含むことが望ましい。
【0027】
すなわち、受信手段は、第1のアンテナのみを用いて、情報を表わす電波を受信できる。制御手段は、第1の電波の強さが相対的なアンテナゲインに基づいて補正された第3の電波の強さに基づいて、受信手段を制御できる。これにより、受信手段は、第3の電波の強さに基づいて制御された状態で、情報を表わす電波を受信する。その結果、任意のアンテナゲインを持つアンテナが接続されてもそのアンテナゲインを特定でき、かつ情報を表わす電波を受信するときはさらに的確に電波を受信できる無線通信装置を提供することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0029】
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置10について説明する。
【0030】
図1を参照して、本実施の形態に係る無線通信装置10は、制御回路12と、受信回路14と、送信回路16と、切替スイッチ18と、ゲイン測定スイッチ20と、ダイバーシティスイッチ22と、第2アンテナ24と、第1コネクタ26と、第2コネクタ28と、第1アンテナ30と、第3アンテナ32とを含む。制御回路12は、以下の役割を担当する。第1の役割は、スイッチを含む無線通信装置10の各部を制御することである。第2の役割は、無線通信装置10に接続されたアンテナのアンテナゲインを特定することである。受信回路14は、アンテナを用いて電波を受信する。受信回路14は、受信した電波を基に次の処理を実施する。第1の処理は、復調して情報を受信する処理である。第2の処理は、受信した信号の信号レベルを測定する処理である。送信回路16は、アンテナを使用して、送信すべき情報を電波として送信する。切替スイッチ18は、制御回路12の制御により、アンテナの接続先を受信回路14および送信回路16のいずれかに切り替える。ゲイン測定スイッチ20は、制御回路12の制御により、第2アンテナ24とその他のアンテナとの間で接続を切り替える。ダイバーシティスイッチ22は、制御回路12の制御により、第1コネクタ26と第2コネクタ28との間で接続を切り替える。第2アンテナ24は、無線通信装置10に固定されたアンテナである。第2アンテナ24は、電波の強さを測定するためにのみ使用するアンテナである。電波の強さは、アンテナゲインを特定するために測定される。第1コネクタ26および第2コネクタ28は、任意のアンテナゲインを持つアンテナを接続する端子である。第1アンテナ30および第3アンテナ32は、それぞれ第1コネクタ26および第2コネクタ28に接続されたアンテナである。これらのアンテナは、任意のアンテナゲインを持つ。これらのアンテナは、自由に第1コネクタ26および第2コネクタ28に着脱できる。
【0031】
図2を参照して、無線通信装置10で実行されるプログラムは、アンテナの相対的なアンテナゲインを測定する処理に関し、以下のような制御構造を有する。
【0032】
ステップ(以下、ステップをSと略す。)にて、制御回路12は、ゲイン測定スイッチ20を制御する。制御回路12は、切替スイッチ18を制御する。これによって、第2アンテナ24は受信回路14に接続される。
【0033】
S102にて、受信回路14は、第2アンテナ24を用いて電波を受信する。受信回路14は、第2アンテナを用いて受信した電波の信号レベルを測定する。受信回路14は、その信号レベルを基準レベルとする。
【0034】
S104にて、制御回路12は、ダイバーシティ切替スイッチ22を切り替える。これにより、第1アンテナ30および第3アンテナ32のいずれかが選択される。S106にて、制御回路12は、ゲイン測定スイッチ20を切り替える。これにより、S104にて選択されたアンテナ(以下、「選択アンテナ」と称する。)が受信回路14に接続される。
【0035】
S108にて、受信回路14は、選択アンテナを用いて電波を測定する。受信回路14は、測定した電波の信号レベルを測定する。受信回路14は、測定した信号レベルを選択アンテナの信号レベルとする。
【0036】
S110にて、制御回路12は、受信回路が測定した第2アンテナ24の基準レベルおよび選択アンテナの信号レベルの差を求める。制御回路12は、その差を選択アンテナの相対的なアンテナゲインとする。
【0037】
図3を参照して、無線通信装置10で実行されるプログラムは、キャリアセンス処理に関し、以下のような制御構造を有する。
【0038】
S120にて、制御回路12は、受信回路14を用いて、選択アンテナのアンテナゲインを測定する。この処理は、図2にて説明した一連の処理と同一である。
【0039】
S122にて、受信回路14は、選択アンテナを用いて電波を受信する。受信回路14は、受信した電波に基づいて信号レベルを測定する。受信回路14は、その信号レベルを選択アンテナの信号レベルとする。
【0040】
S124にて、制御回路12は、受信回路14が測定した選択アンテナの信号レベルを用いて、以下の式により選択アンテナが受信した電波の実際の信号レベルを算出する。これにより、選択アンテナが受信した電波の信号レベルは補正される。
【0041】
(実際の信号レベル)=(選択アンテナの信号レベル)−(選択アンテナのアンテナゲイン)
S126にて、制御回路12は、選択アンテナが受信した電波の信号レベルが予め制御回路12の内部に記憶されていた規定の信号レベルより大きいか否かを判断する。規定の信号レベルより大きいと判断した場合(S126にてYES)、処理はS128へと移される。もしそうでないと(S126にてNO)、処理はS130へと移される。
【0042】
S128にて、制御回路12は、受信回路14が受信した信号が復調できるか否かを判断する。復調できると判断した場合には(S128にてYES)、処理はS132へと移される。もしそうでないと(S128にてNO)、処理はS130へと移される。S130にて、制御回路12は内部のフラグ(図示せず)をキャリアがないことを表わす値に設定する。S132にて、制御回路12は内部のフラグをキャリアがあることを表わす値に設定する。
【0043】
図4を参照して、無線通信装置10で実行されるプログラムは、送信処理に関し、以下のような制御構造を有する。
【0044】
S140にて、制御回路12は選択アンテナのキャリアセンス処理を実施する。この処理は、図3で説明した一連の処理と同じ処理である。
【0045】
S142にて、制御回路12はフラグの値がキャリアがあることを表わす値か否かを判断する。キャリアがあることを表わす値と判断した場合には(S142にてYES)、処理はS144へと移される。もしそうでないと(S142にてNO)、処理はS146へと移される。
【0046】
S144にて、制御回路12は、ダイバーシティスイッチ22を選択アンテナに接続されるように制御する。S146にて、制御回路12は、予め設定された任意の時間動作を停止する。
【0047】
S148にて、制御回路12は、切替スイッチ18を選択アンテナが送信回路16に接続されるように切り替える。S150にて、送信回路16は、送信しようとする情報に基づいて信号を変調し、アンテナを用いて電波を送信する。
【0048】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、無線通信装置10の動作について説明する。
【0049】
アンテナゲインが不明な第1アンテナ30を用いて情報を送信する場合の一連の処理について説明する。
【0050】
制御回路12は、ゲイン測定スイッチ20を第2アンテナ24が接続されるように切り替える(S100)。ゲイン測定スイッチ20が切り替えられると、受信回路14は第2アンテナ24の信号レベルを測定する(S102)。この信号レベルが基準レベルとされる。基準レベルが測定されると、制御回路12はダイバーシティスイッチ22を、第1アンテナ30が接続されるように切り替える(S104)。ダイバーシティ22が切り替えられると、制御回路12は、ゲイン測定スイッチ20を、第1アンテナ30が接続されるように切り替える(S106)。ゲイン測定スイッチ20が切り替えられると、受信回路14は、第1アンテナ30を用いて信号レベルを測定する(S108)。第1アンテナ30の信号レベルが測定されると、制御回路12は、第1アンテナ30のゲインを特定する(S110)。
【0051】
第1アンテナ30のゲインが特定されると、受信回路14は、第1アンテナ30の信号レベルを測定する(S122)。第1アンテナ30の信号レベルが測定されると、制御回路12は、第1アンテナ30の信号レベルを補正する(S124)。第1アンテナ30の信号レベルが補正されると、制御回路12は、補正された信号レベルが規定の信号レベルより大きいか否かを判断する(S126)。この場合、補正された信号レベルは規定の信号レベルより大きいので(S126にてYES)、制御回路12は、受信した信号を復調できるか否か判断する(S128)。当初、受信した信号を復調できると判断するので(S128にてYES)、制御回路12は、内部のフラグをキャリアがあることを表わす値に設定する(S132)。内部のフラグがキャリアがあることを表わす値に設定されているので(S142にてNO)、制御回路12は、所定の時間動作を停止し、時間待ちする(S146)。
【0052】
所定の時間が経過すると、無線通信装置10の各部は、S120からS126の処理を経て、制御回路12は、受信した信号を復調できるか否か判断する(S128)。この場合、受信した信号を復調できないと判断するので(S128にてNO)、制御回路12は、内部のフラグをキャリアがないことを表わす値に設定する(S130)。内部のフラグがキャリアがないことを表わす値に設定されているので(S142にてYES)、制御回路12は、ダイバーシティスイッチ22を第1アンテナ30に接続されるように制御する(S144)。ダイバーシティスイッチ22が制御されると、制御回路12は、切替スイッチ18を制御する(S148)。切替スイッチ18が制御されると、送信回路16は信号を変調し、電波を送信する(S150)。
【0053】
以上のようにして、本実施の形態に係る無線通信装置10は、相対的なアンテナゲインに基づいて補正された電波の強さに基づいて、受信回路および送信回路を制御できる。これにより、任意のアンテナゲインを持つ複数のアンテナが接続されても、キャリアセンスなどの正しい動作を保証できる。無線通信装置10は、そのアンテナの相対的なアンテナゲインを特定できるからである。その結果、任意のアンテナゲインを持つ複数のアンテナが接続されても、そのアンテナゲインを容易に特定することにより、的確に電波を送受信できる無線通信装置を提供することができる。
【0054】
なお、第1アンテナ30および第3アンテナ32は、第1コネクタ26および第2コネクタ28によって無線通信装置10に取外せないように固定されてもよい。
【0055】
さらに、S110にて、相対的なアンテナゲインは、信号レベルと基準レベルとの差に限らない。たとえば、それらの差に定数を乗じてもよい。それらの差を関数に代入して求められた値でもよい。それらの値を直接関数にに代入して求められた値でもよい。
【0056】
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信装置10について説明する。
【0057】
本実施の形態に係る無線通信装置10のハードウェア構成は、前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0058】
図5を参照して、無線通信装置10で実行されるプログラムは、相対的なアンテナゲインを測定する処理に関し、以下のような制御構造を有する。なお、図5に示すフローチャートの中で、前述の図2に示した処理は同じステップ番号を付してある。それらの処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0059】
S160にて、受信回路14は、第2アンテナ24の信号レベルを測定する。このときの処理は、後述する図6における一連の処理と同一である。S162にて、受信回路14は、選択アンテナの信号レベルを測定する。この処理も、後述する、図6の一連の処理と同一である。
【0060】
図6を参照して、無線通信装置10で実行されるプログラムは、信号レベルの測定処理に関し、以下のような制御構造を有する。
【0061】
S170にて、受信回路14は、選択アンテナの信号レベルを読取る。S172にて、受信回路14は、受信した信号の信号レベルが3回連続で同一レベルか否かを判断する。3回連続で同一レベルと判断した場合には(S172にてYES)、処理はS174へと移される。もしそうでないと(S172にてNO)、処理はS170へと移される。この場合、前回の測定値に比べて、測定した信号レベルの大小差が、「±3」dB以内であれば、受信した信号レベルは同一レベルと見なす。
【0062】
S174にて、受信回路14は、測定した信号レベルをそのアンテナの信号レベルと確定する。測定した信号レベルが、「±3」dB以内の範囲でばらついている場合、受信回路14はそれらの測定値の平均値を信号レベルと見なす。
【0063】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、選択アンテナが第1アンテナ30の場合の無線通信装置10の動作について説明する。
【0064】
ゲイン測定スイッチ20が切り替えられると、受信回路14は、第1アンテナ30を用いてその信号レベルを測定する(S170)。信号レベルが測定されると、受信回路14は、測定した信号レベルが3回連続で同じレベルか否かを判断する(S172)。3回連続で同一レベルと判断すると(S172にてYES)、受信回路14は、受信した信号レベルの測定値を確定する(S174)。
【0065】
信号レベルが確定されると、制御回路12は、S104、S106の処理を経て、各スイッチを切り替える。スイッチが切り替えられると、受信回路14は、第1アンテナ30の信号レベルを測定する(S162)。第1アンテナ30の信号レベルが測定されると、S110からS150の処理を経て、情報が送信される。
【0066】
以上のようにして、本実施の形態に係る無線通信装置は、電波の強さに基づいて制御された状態で、情報を送信する処理をすることができる。その結果、任意のアンテナゲインを持つアンテナが接続されてもそのアンテナゲインを特定でき、かつ情報を表わす電波を受信するときはさらに的確にかつ確実に電波を受信できる無線通信装置を提供することができる。
【0067】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置の全体構成図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る無線通信装置の相対的なアンテナゲインを測定する処理の制御の手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置のキャリアセンス処理の制御の手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る無線通信装置の送信処理の制御の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る無線通信装置の相対的なアンテナゲインを測定する処理の制御の手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る無線通信装置の信号レベルの測定処理の制御の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 無線通信装置、12 制御回路、14 受信回路、16 送信回路、18 切替スイッチ、20 ゲイン測定スイッチ、22 ダイバーシティスイッチ、24 第2アンテナ、26 第1コネクタ、28 第2コネクタ、30 第1アンテナ、32 第3アンテナ。

Claims (8)

  1. 任意のアンテナゲインを持つ第1のアンテナを接続するための接続手段と、
    既知のアンテナゲインを持つ第2のアンテナと、
    アンテナを用いて電波を受信するための受信手段と、
    前記受信手段が前記接続手段に接続された第1のアンテナを用いて受信した第1の電波の強さ、および前記受信手段が前記第2のアンテナを用いて受信した第2の電波の強さを用いて、前記第2のアンテナに対する前記第1のアンテナの相対的なアンテナゲインを特定するための特定手段とを含む、アンテナゲイン特定装置。
  2. 前記第2のアンテナは固定されたアンテナである、請求項1に記載のアンテナゲイン特定装置。
  3. 前記接続手段は複数の前記第1のアンテナを接続するための手段を含み、
    前記アンテナゲイン特定装置は、前記複数の第1のアンテナが受信する電波の強度に基づいて、前記複数の第1のアンテナのいずれかを選択するための選択手段をさらに含み、
    前記受信手段は、前記選択手段によって選択された前記複数の第1のアンテナのいずれかを用いて電波を受信するための手段を含む、請求項1または2に記載のアンテナゲイン特定装置。
  4. 前記特定手段は、前記第1の電波の強さと前記第2の電波の強さとの強度差に基づいて、前記相対的なアンテナゲインを演算するための演算手段を含む、請求項1から3のいずれかに記載のアンテナゲイン特定装置。
  5. 前記演算手段は、前記相対的なアンテナゲインとして、前記強度差を演算するための手段を含む、請求項4に記載の記載のアンテナゲイン特定装置。
  6. 任意のアンテナゲインを持つ第1のアンテナを接続するための接続手段と、
    既知のアンテナゲインを持つ第2のアンテナと、
    アンテナを用いて電波を受信するための受信手段と、
    前記受信手段が前記接続手段に接続された第1のアンテナを用いて受信した第1の電波の強さ、および前記受信手段が前記第2のアンテナを用いて受信した第2の電波の強さを用いて、前記第2のアンテナに対する前記第1のアンテナの相対的なアンテナゲインを特定するための特定手段と、
    前記第1の電波の強さが前記相対的なアンテナゲインに基づいて補正された第3の電波の強さに基づいて、前記受信手段を制御するための制御手段とを含む無線通信装置。
  7. 前記受信手段は、電波の強さを測定するときのみ前記第2のアンテナを用いて電波を受信するための手段を含む、請求項6に記載の無線通信装置。
  8. 前記受信手段は、前記第1のアンテナのみを用いて、情報を表わす電波を受信するための手段を含む、請求項6または7に記載の無線通信装置。
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