WO2000017058A1 - Contenant, contenant isolant et dispositifs, et procede utilise pour fabriquer ces contenants - Google Patents

Description

明細書

容器、 断熱容器、 並びにそれらの容器の製造に使用する装置及び方法 技術分野

本発明は、 熱湯を注いで調理するインスタント食品、 電子レンジを用いて加熱 調理する食品等に使用される紙製の断熱容器及びその断熱容器等の製造に好適な 装置に関する。 背景技術

インスタントラーメン等の食品に使用される紙製の断熱容器として、 紙製の力 ップ本体の胴部外周に紙製の断熱材を装着して断熱性を付与した容器が知られて いる。 断熱材としては、 縦方向に延びる凸条と凹条とがカップ本体の周方向に交 互に並べられた波板状のものが一般に使用されている。

特開平 8— 1 1 3 2 7 4号公報には、 断熱材の凹条の幅を凸条のそれよりも減 少させて容器の側面の平面部分を増加させた断熱容器が提案されている。 実開平 4 - 4 5 2 1 6号公報、 又は特開平 8— 1 0 4 3 7 2号公報には、 コルゲート加 ェ、 又はエンボス加工された断熱材の上にライナ一あるいは薄紙を巻いて表面の 凹凸を無くした断熱容器が提案されている。 実開平 4一 4 5 2 1 2号公報には、 波板状の断熱材を使用せず、 2重のカツプの間に形成した空間によつて断熱性を 付与する構成が提案されている。

上述した従来の断熱容器は、 容器の物理的強度の制約により、 開口部の外径が 高さよりも小さいコップ型の形状に限定され、 その容量は 7 5 0 c c程度が上限 であった。 その理由は、 断熱容器の素材としての板紙を変更せずに開口部の外径 を増加させて内容量を大きくすると、 ひねり、 横からの圧縮、 折り曲げ等の応力 によって容器全体の変形が起きやすくなり、 給湯後、 手で持つときに危険を伴う ためである。 また、 従来の紙製の断熱容器は、 給湯調理が容易であり、 片手で持ち易いとい う利点がある反面、 使用者が丼、 碗、 ボウル等の食器の感覚を味わうことができ ない。 食べ易さもカップ型のものと比較して劣る。 バラエティ一に富んだ具を視 覚的に楽しみながら食事をする用途にも適さない。

さらに、 凹凸形状の断熱材が容器の側面に露出していると、 その側面に高級感 のある意匠を設けることが難しく、 側面に印刷された文字、 図柄等が非常に見に くくなる。

調理済食品の断熱容器としては、 上述したカップ型の紙製断熱容器の他に、 開 口部の外径が高さよりも大きく、 広い開口部を有する丼状、 碗状のブラスチック 製の断熱容器も使用されている。 しかし、 プラスチック製の容器は、 給湯調理あ るいは電子レンジによる加熱調理の際に、 プラスチック素材から有害成分が熱湯 に溶出したり、 廃棄、 焼却が紙製容器に較べて行いにくいという衛生的、 環境的 問題がある。 発明の開示

本発明の第 1の目的は、 高さよりも上方開口部の外径の方が大きな丼や碗に近 い形状を持ちながら、 形状及び断熱性に関する安定性があって持ちやすく、 意匠 性に優れ、 印刷表現の自由度が高く、 さらに衛生的で、 環境負荷の少ない紙製の 断熱容器を提供することにある。

この目的を達成するため、 第 1の発明の断熱容器は、 上部が開口する筒状の胴 部と、 該胴部の下部を塞ぐ底部とを有し、 少なくとも内面にポリオレフイン系樹 脂層が形成された紙カップ本体と、 前記紙カップ本体の前記胴部の外周面の間に 間隙を形成するように装着された紙スリーブとを備え、 前記紙カップ本体は、 前 記胴部上端の開口部の外径が、 前記紙力ップ本体の高さより大きく形成されたも のである。

前記紙カップ本体には前記胴部を周回する方向にリブが形成されてもよい。 前 記リブは、 前記胴部を連続して周回するように形成されてもよいし、 前記胴部を 断続して周回するように形成されてもよい。 前記紙スリーブの下端部には内向き カール部が形成されてもよく、 該内向きカール部は前記胴部の下部の外周面に当 接してもよい。 前記間隙には断熱部材が揷入されてもよい。 なお、 紙カップ本体 ば断熱容器の容器本体として機能し、 その胴部は容器本体の側壁を構成する。 本発明の第 2の目的は、 高温に加熱された大型容器であっても、 あまり熱さを 感じないで、 安全に、 かつ清潔に手で持つことができる製造コストの安い断熱容 器を提供することにある。

この目的を達成するため、 第 2の発明の断熱容器は、 内面にポリオレフイン系 樹脂がコートされ、 上方開口縁に外向きカール部が形成された有底の紙カップ本 体と、 逆円錐台形状の紙スリーブとが組み合わされて、 前記紙カップ本体の胴部 外面と前記紙スリーブの内面との間に空間が形成され、 前記紙スリーブの側壁に は、 所定の長さを有し、 前記側壁の略円周方向に形成された折線と該折線の両端 部を結ぶ切れ目線とによって区画され、 前記折線によって外側に折り返し可能な 少なくとも一対のつかみ片が形成されたものである。

前記折線は前記側壁の周方向の 2点を結ぶ最短距離の直線であってもよいし、 その直線よりも下方に湾曲してもよい。 前記切れ目線の途中に容易に切り離し可 能な繋ぎ部が形成されてもよい。 前記つかみ片の周辺の一部に切り欠きが形成さ れてもよい。 前記つかみ片の先端部が小折線によって折り返し可能であってもよ い。 前記切れ目線の両端部がアールを描いて終結してもよい。 なお、 紙カップ本 体は断熱容器の容器本体として機能し、 その胴部は容器本体の側壁を構成する。 上述した断熱容器では、 所定の断熱性を確保するために紙力ップ本体とスリ一 ブとの間に充分な間隔を確保する必要がある。 一方、 容器を手で持つ場合には、 スリーブまたはそのつかみ片を把持して容器全体を支持する必要がある。 このた め、 紙カップ本体とスリーブとを十分な強度で接着しなければならない。 このよ うに、 紙カップ本体とスリーブとの間に充分な間隔を確保しつつ、 両者を充分な 強度で接着するためには、 紙カップ本体およびスリーブの間の相対的な形状ゃ寸 法の関係等について考慮を払う必要がある。 また、 これらの関係は両者を組み立 てる工程を円滑なものとし、 不良を発生させないための条件を満たすものでなけ ればならない。 本発明の第 3の目的は、 紙力ップ本体等の容器本体とスリ一ブとを充分な強度 で接着することができるとともに、 両者の組み立て適性に優れる断熱容器を提供 することにある。

この目的を達成するため、 第 3の発明は以下に述べる一群の断熱容器を含んで いる。

すなわち、 第 3の発明に係る断熱容器は、 側壁 （胴部） および前記側壁の下端 側に配置された底部を有する容器本体と、 シート状のスリーブ材からなり、 下端 側には前記スリーブ材を容器の中心側に向けてカールさせてなる内向きカール部 が形成され、 上端側には前記容器本体の前記側壁に対して接着される接着部が形 成され、 前記内向きカール部および前記接着部の間の少なくとも一部では前記側 壁の外側に空間を確保しつつ配置されるスリーブと、 を備え、 前記内向きカール 部では、 前記容器本体の中心線を含む平面での断面について、 前記スリーブ材の 先端の向きが前記容器本体の中心線に沿う上向き方向を超えるまで、 前記スリー ブ材が巻き込まれているものである。

また、 第 3の発明の他の断熱容器は、 側壁 （胴部） および前記側壁の下端側に 配置された底部を有する容器本体と、 シート状のスリーブ材からなり、 下端側に は前記スリーブ材を容器の中心側に向けてカールさせてなる内向きカール部が形 成され、 上端側には前記容器本体の前記側壁に対して接着される接着部が形成さ れ、 前記内向きカール部および前記接着部の間の少なくとも一部では前記側壁の 外側に空間を確保しつつ配置されるスリーブと、 を備え、 前記内向きカール部に 巻き込まれる前記スリーブ材の先端は、 前記内向きカール部における前記容器本 体の中心線に最も接近した部位よりも容器外側に位置している。

第 3の発明のさらに他の断熱容器は、 側壁 （胴部） 、 前記側壁の下端側に配置 された底部、 および前記側壁からその下端側に延長して形成された糸尻を有する 容器本体と、 シート状のスリーブ材からなり、 下端側には前記スリーブ材を容器 の中心側に向けてカールさせてなる内向きカール部が形成され、 上端側には前記 容器本体の前記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記内向きカール部 および前記接着部の間の少なくとも一部では前記側壁の外側に空間を確保しつつ 配置されるスリーブと、 を備え、 前記内向きカール部に巻き込まれる前記スリー ブ材の先端と、 前記スリーブの内壁面との間の隙間が l mm以下とされている。 これらの断熱容器によれば、 容器本体とスリ一ブとを相互に組み立てる際に、 糸尻が内向きカール部に引つかかりにくく、 両者を円滑に組み立てることができ るとともに歩留まりを向上させることができる。

第 3の発明の断熱容器は、 側壁（胴部） 、 前記側壁の下端側に配置された底部、 およ 前記側壁からその下端側に延長して形成された糸尻を有する容器本体と、 シ一卜状のスリーブ材からなり、 下端側には前記スリーブ材を容器の中心側に向 けてカールさせてなる内向きカール部が形成され、 上端側には前記容器本体の前 記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記内向きカール部および前記接 着部の間の少なくとも一部では前記側壁の外側に空間を確保しつつ配置されるス リーブと、 を備え、前記内向きカール部に巻き込まれる前記スリーブ材の先端と、 前記スリーブの内壁面との間の隙間が前記糸尻の厚さよりも小さくされたもので もよい。

この断熱容器によれば、 容器本体とスリーブとを相互に組み立てる際に、 糸尻 が内向きカール部に入り込んで内向きカール部を押し開くおそれがなくなる。 し たがって、 両者を円滑に組み立てることができるとともに歩留まりを向上させる ことができる。

第 3の発明の断熱容器は、 側壁（胴部） 、 前記側壁の下端側に配置された底部、 および前記側壁からその下端側に延長して形成された糸尻を有する容器本体と、 シート状のスリーブ材からなり、 下端側には前記スリ一ブ材を容器の中心側に向 けてカールさせてなる内向きカール部が形成され、 上端側には前記容器本体の前 記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記内向きカール部および前記接 着部の間の少なくとも一部では前記側壁の外側に空間を確保しつつ配置されるス リーブと、 を備え、 前記容器本体の中心線を含む平面での断面について、 前記糸 尻が前記側壁の外面を延長した直線よりも容器内側に位置付けられるように前記 糸尻が倒し込まれたものでもよい。

第 3の発明の断熱容器は、 側壁（胴部） 、 前記側壁の下端側に配置された底部、 および前記側壁からその下端側に延長して形成された糸尻を有する容器本体と、 シ一卜状のスリ一ブ材からなり、 下端側には前記スリ一ブ材を容器の中心側に向 けてカールさせてなる内向きカール部が形成され、 上端側には前記容器本体の前 記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記内向きカール部および前記接 着部の間の少なくとも一部では前記側壁の外側に空間を確保しつつ配置されるス リーブと、 を備え、 前記糸尻のバリが容器内側に突出しているものでもよい。 第 3の発明の断熱容器は、 側壁（胴部） 、 前記側壁の下端側に配置された底部、 および前記側壁からその下端側に延長して形成された糸尻を有する容器本体と、 シート状のスリ一ブ材からなり、 下端側には前記スリーブ材を容器の中心側に向 けてカールさせてなる内向きカール部^/ ί形成され、 上端側には前記容器本体の前 記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記内向きカール部および前記接 着部の間の少なくとも一部では前記側壁の外側に空間を確保しつつ配置されるス リーブと、 を備え、 前記糸尻の下端の外周位置は前記内向きカール部における前 記容器本体の中心線に最も接近した部位よりも前記容器本体中心線寄りに位置し ているものでもよい。 そして、 前記糸尻の下端の外周位置と、 前記内向きカール 部における前記容器本体の中心線に最も接近した部位との間の変位量は、 前記容 器本体の半径方向について 0 . 0 1〜 l mmの範囲に設定されてもよい。

これらの断熱容器によれば、 容器本体とスリーブとを相互に組み立てる際に、 糸尻が内向きカール部に引っ掛かりにくく、 両者を円滑に組み立てることができ るとともに歩留まりを向上させることができる。

第 3の発明の断熱容器は、 側壁 （胴部） 、 および前記側壁の下端側に配置され た底部を有する容器本体と、 シート状のスリーブ材からなり、 下端側には前記ス リーブ材を容器の中心側に向けてカールさせてなる内向きカール部が形成され、 上端側には前記容器本体の前記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記 内向きカール部および前記接着部の間の少なくとも一部では前記側壁の外側に空 間を確保しつつ配置されるスリーブと、 を備え、 前記内向きカール部と、 前記部 位に向き合う前記容器本体の外面との間に隙間が形成されたものでもよい。

この断熱容器によれば、 内向きカール部と、 この部位に向き合う容器本体の外 面との間に隙間が形成されているので、 容器本体にしわが発生しない

前記隙間は、 0 . 0 l〜 l mmの範囲に設定されてもよい。 この場合、 容器本 体にしわが発生せず、 また断熱容器の変形を充分抑制できる。 第 3の発明の断熱容器は、 側壁 （胴部） および前記側壁の下端側に配置された 底部を有する容器本体と、 シート状のスリーブ材からなり、 前記側壁の外側に空 間を確保しつつ配置されるスリーブと、 を備え、 前記容器本体の下端は前記スリ —ブの下端よりも下方に突出されたものでもよい。

この断熱容器によれば、 容器本体の下端が直接テーブル等に接触し、 スリーブ の下端が接触する場合に生じるような容器の歪みを発生させないため、 断熱容器 を安定して置くことができる。

前記スリーブの下端側には前記スリーブ材を容器の中心側に向けてカールさせ てなる内向きカール部が形成され、 前記スリーブの上端側には前記容器本体の前 記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記スリーブは、 前記内向きカー ル部および前記接着部の間の少なくとも一部では前記側壁の外側に空間を確保し つつ配置されてもよい。 この断熱容器によれば、 容器本体の下端が直接テーブル 等に接触し、 内向きカール部の下端が接触する場合に生じるような容器の歪みを 発生させないため、 断熱容器を安定して置くことができる。

前記容器本体には、 前記側壁からその下端側に延長して形成された糸尻が形成 され、 前記糸尻の下端は前記容器本体の下端を構成されてもよい。 この断熱容器 によれば、 硬く平面性の良好な糸尻の下端がテーブル等に接触するので、 断熱容 器を安定して置くことができる。

前記容器本体の下端は、 前記スリーブの下端に対して 0 . 0 1〜5 mmの突出 量で突出されてもよい。 この場合、 容器本体の突出が外観上判別できず容器のデ ザィンを害しない。

第 3の発明の断熱容器は、 側壁 （胴部） および前記側壁の下端側に配置された 底部を有し、 前記側壁の上端側には容器の外側に向けてカールしてなる外向き力 —ル部が形成された容器本体と、 シート状のスリーブ材からなり、 上端側には前 記容器本体の前記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記側壁の外側に 空間を確保しつつ配置されるスリーブと、 を備え、 前記容器本体の中心線を含む 平面での断面について、 前記側壁は、 前記接着部に対向する部位が、 前記部位の 下方の部位の延長線に対して容器内側方向に傾くように形成されたものでもよい。 この断熱容器によれば、接着部の部位において側壁とスリーブとがよく密着し、 o よって接着強度を向上させることができる。 また、 接着部の部位の側壁を傾ける ようにしたので、 側壁と密着させるためにスリーブを湾曲させる必要がなく、 容 器の外観に影響を与えることもない。

第 3の発明の断熱容器は、 側壁 （胴部） および前記側壁の下端側に配置された 底部を有し、 前記側壁の上端側には容器の外側に向けてカールしてなる外向き力 ール部が形成された容器本体と、 シ一ト状のスリーブ材からなり、 上端側には前 記容器本体の前記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記側壁の外側に 空間を確保しつつ配置されるスリーブと、 を備え、 前記容器本体の中心線を含む 平面での断面について、 前記側壁は、 前記接着部に対向する部位が前記スリーブ 材に沿うように湾曲して形成されたものでもよい。

この断熱容器によれば、接着部の部位において側壁とスリーブとがよく密着し、 よって接着強度を向上させることができる。 また、 側壁を湾曲させているので、 側壁と密着させるためにスリーブを湾曲させる必要がなく、 容器の外観に影響を 与えることもない。

第 3の発明の断熱容器は、 側壁 （胴部） および前記側壁の下端側に配置された 底部を有し、 前記側壁の上端側には容器の外側に向けてカールしてなる外向き力 ール部が形成された容器本体と、 シート状のスリーブ材からなり、 上端側には前 記容器本体の前記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記側壁の外側に 空間を確保しつつ配置されるスリーブと、 を備え、 前記容器本体の中心線を含む 平面での断面について、 前記スリーブは、 前記接着部が前記側壁に沿うように湾 曲して形成されたものでもよい。

この断熱容器によれば、接着部の部位において側壁とスリーブとがよく密着し、 よって接着強度を向上させることができる。

第 3の発明の断熱容器は、 側壁 （胴部） および前記側壁の下端側に配置された 底部を有し、 前記側壁の上端側には容器の外側に向けてカールしてなる外向き力 ール部が形成された容器本体と、 シート状のスリーブ材からなり、 上端側には前 記容器本体の前記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記側壁の外側に 空間を確保しつつ配置されるスリーブと、 を備え、 前記容器本体の前記外向き力 ール部直下における外径と、 前記外向きカール部直下に対向する部位における前 記スリーブの内径との差が一 1 . 0〜+ 0 . 5 mmの範囲となるように形成され た前記容器本体および前記スリーブを前記接着部を介して接着してなるものでも よい。

この断熱容器によれば、 接着部における充分な接着力を確保するとともに、 容 器本体の側壁にしわを発生させるおそれもない。

第 3の発明の断熱容器は、 側壁 （胴部） および前記側壁の下端側に配置された 底部を有し、 前記側壁の上端側には容器の外側に向けてカールしてなる外向き力 ール部が形成された容器本体と、 シート状のスリーブ材からなり、 上端側には前 記容器本体の前記側壁に対して接着剤を介して接着される接着部が形成され、 前 記側壁の外側に空間を確保しつつ配置されるスリーブと、 を備え、 前記接着部の 上端は、 前記外向きカール部の下端から容器本体の中心線の方向に沿って 1 mm 以上下方に離された位置に設定されたものでもよい。

この断熱容器によれば、 接着部の接着剤が外向きカール部に付着するおそれが ない。

第 3の発明の断熱容器は、 側壁 （胴部） および前記側壁の下端側に配置された 底部を有し、 前記側壁の上端側には容器の外側に向けてカールしてなる外向き力 ール部が形成された容器本体と、 シート状のスリーブ材からなり、 上端側には前 記容器本体の前記側壁に対して接着剤を介して接着される接着部が形成され、 前 記側壁の外側に空間を確保しつつ配置されるスリーブと、 を備え、 前記接着部は 容器本体の中心線の方向について 3 mm以上の幅にわたって設けられたものでも よい。

この断熱容器によれば、 接着部における充分な接着強度を確保できる。

第 3の発明の断熱容器は、 側壁 （胴部） および前記側壁の下端側に配置された 底部を有し、 前記側壁の上端側には容器の外側に向けてカールしてなる外向き力 ール部が形成された容器本体と、 シート状のスリーブ材からなり、 上端側には前 記容器本体の前記側壁に対して接着剤を介して接着される接着部が形成され、 前 記側壁の外側に空間を確保しつつ配置されるスリーブと、 を備え、 前記接着部の 上端は、 前記スリ一ブの上端よりも下方に位置するものでもよい。

この断熱容器によれば、 接着部の接着剤がスリーブの上端からはみ出すおそれ がない < 上述した断熱容器では、 スリーブにある程度の強度を持たせる必要から、 その 素材にかなり厚みのある板紙を使用しなければならない。 しかし、 厚みのある板 紙を加工して上記のような内向きのカール部を形成することは容易でなく、 紙に 亀裂が発生したり、 カールの形状が歪んだりするおそれがある。 また、 スリーブ は、 所定形状にカットされたブランクの両端部を接着することにより、 円筒形や 円錐台形に形成される。 このためブランクの両端部が重なり合う接着部では、 厚 みが倍増してカールの形成が特に困難となり、 良好な形状のカールが形成できな い可能性がある。

本発明の第 4の目的は、 スリーブの内向きカール部を容易に形成でき、 良好な カール形状を得ることができる断熱容器を提供することにある。

この目的を達成するため、 第 4の発明に係る断熱容器は、 側壁 （胴部） および 前記側壁の下端側に配置された底部を有する容器本体と、 シート状のスリーブ材 からなり、 下端側には前記スリーブ材を容器の中心側に向けてカールさせてなる 内向きカール部が形成され、 上端側には前記容器本体の前記側壁に対して接着さ れる接着部が形成され、 前記内向きカール部および前記接着部の間の少なくとも 一部では前記側壁の外側に空間を確保しつつ配置されるスリーブと、 を備え、 前 記内向き力一ル部における前記スリーブ材の曲率半径が 0 . 6〜2 . 0 mmの範 囲に設定されたものである。 前記曲率半径は 1 . 1〜： L . 5 mmの範囲がさらに 好ましい。 前記スリーブ材として紙を用いてもよく、 その紙の坪量は 1 5 0〜4 0 0 g Zm²の範囲に設定するとよい。

この断熱容器によれば、 スリ一ブ材に亀裂が生じる可能性を小さくすることが できるとともに、 容器本体とスリーブとを相互に組み立てる際に容器本体が内向 きカール部に引っ掛かりにくくなり、 円滑な組み立てが可能となる。

第 4の発明の他の断熱容器は、 側壁 （胴部） および前記側壁の下端側に配置さ れた底部を有する容器本体と、 シート状のスリーブ材からなり、 下端側には前記 スリーブ材を容器の中心側に向けてカールさせてなる内向きカール部が形成され、 上端側には前記容器本体の前記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記 内向きカール部および前記接着部の間の少なくとも一部では前記側壁の外側に空 間を確保しつつ配置されるスリーブと、 を備え、 前記内向きカール部に対応する 領域の前記スリーブ材表面には摩擦低減層が形成されたものである。

この断熱容器によれば、 内向きカール部を形成する際にスリーブ材の滑りが良 くなり、 内向きカール部を容易に形成することができるとともに、 スリーブ材に 亀裂が発生しにくくなる。

前記摩擦低減層としては、 セルロース系樹脂を含む組成物を用いてもよいし、 アクリル系樹脂を含む組成物を用いてもよい。 前記摩擦低減層として、 印刷面を 保護するためのオーバープリン卜ニスを用いてもよい。 この場合は製造工程を削 減できる。

前記摩擦低減層は前記スリーブ材の容器外側に向いた表面に形成されてもよい。 この場合、 スリーブ材の容器外側に印刷面が形成されていれば、 オーバ一プリン 卜ニスを摩擦低減層として兼用できる。

第 4の発明のさらに他の断熱容器は、 側壁 （胴部） および前記側壁の下端側に 配置された底部を有する容器本体と、 シート状のスリーブ材からなり、 下端側に は前記スリーブ材を容器の中心側に向けてカールさせてなる内向きカール部が形 成され、 上端側には前記容器本体の前記側壁に対して接着される接着部が形成さ れ、 前記内向きカール部および前記接着部の間の少なくとも一部では前記側壁の 外側に空間を確保しつつ配置されるスリーブと、 を備え、 前記スリーブは、 前記 容器本体の周囲に巻きつけられた帯状のスリーブ材の両端部を互いに重ね合せて 接着することにより形成され、 前記スリ一ブ材にはその重ね合わせ面積を減少さ せるためのカツト部が形成され、 前記カツト部は前記内向きカール部に対応する 領域からそれ以外の領域にわたって前記スリーブ材をカツ卜して形成されたもの ある。

第 4の発明のさらに別の断熱容器は、 側壁 （胴部） および前記側壁の下端側に 配置された底部を有する容器本体と、 シート状のスリーブ材からなり、 下端側に は前記スリーブ材を容器の中心側に向けてカールさせてなる内向きカール部が形 成され、 上端側には前記容器本体の前記側壁に対して接着される接着部が形成さ れ、 前記内向きカール部および前記接着部の間の少なくとも一部では前記側壁の 外側に空間を確保しつつ配置されるスリーブと、 を備え、 前記スリーブは、 前記 容器本体の周囲に巻きつけられた帯状のスリーブ材の両端部を互いに重ね合せて 接着することにより形成され、 前記スリーブ材にはその重ね合わせ面積を減少さ せるためのカツト部が形成され、 前記カツト部は内向きカール部に対応する領域 における重ね合わせ面積を 5 0パーセント以上減少させるように前記スリーブ材 をカツ卜して形成されたものである。

これらの断熱容器によれば、 容易に内向きカール部を形成することができると ともに、 内向きカール部の形状を良好なものとすることができる。

前記カット部は、 前記スリーブ材の前記両端部のうち、 容器内側に配される側 の端部に形成されてもよい。 この場合、 カット部のカット端部がスリーブの外側 に露出しないため、 容器の外観に影響を与えない。

前記カツ卜部は、 前記スリーブ材の隅を前記両端部のうちの一の端辺に対して 斜めに切り落として形成されてもよい。 上述した断熱容器のような紙製の容器においては、 その開口端の外向きのカー ル部に対して、 金属や樹脂を積層して構成されたフィルム状の蓋材が接着されて 容器内が密封されることがある。 ところが、 蓋材が接着されるカール部は容器の 開口端を型部材で押し込んで丸めることにより形成されており、 その成形後の断 面形状はほぼ真円に近い。従って、蓋材とカール部との接着部分は線接触に近く、 接着剤による接着面積が不足してその接合強度を十分に確保できないおそれがあ る。

また、 従来の容器の充填ラインでは、 大面積の圧板を利用して、 多数の容器の のそれぞれに蓋材を同時に押しつけて接着するようにしている。 この場合、 各容 器に対する圧板の位置精度は良くないが、 各容器に加えられる圧力が容器の弾性 変形によって均一化され、 これにより比較的均一な状態で蓋材が接着される。 し かし、 紙製の容器のような弾性の乏しい容器に対して従来の製造ラインを用いる と、 容器が十分に変形しないので蓋材が均一に接着できない。

本発明の第 5の目的は、 蓋材の接着に適したカール部を有する容器を提供する ことにある。 この目的を達成するため、 第 5の発明に係る容器は、 開口部の周緣にカール部 が形成された側壁 （胴部） と、 前記開口部に対向する底部とを備え、 前記カール 部の容器軸線方向の幅を 「A」 、 前記カール部の容器半径方向の幅を 「B」 、 前 記側壁の厚みを 「t」 とするとき、

2 t <A< B

の条件を満たすものである。

また、 第 5の発明の他の断熱容器は、 開口部の周縁にカール部が形成された側 壁 （胴部） と、 前記開口部に対向する底部とを有する容器本体と、 一端側には前 記容器本体の前記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記側壁の外側に 空間を確保しつつ配置されるスリーブと、 を備え、 前記カール部の容器軸線方向 の幅を「A」 、 前記カール部の容器半径方向の幅を「B」、前記側壁の厚みを Γ t J とするとき、

2 t <A< B

の条件を満たすものである。

これらの容器によれば、 蓋材をカール部に接着したときに、 接着剤を介して接 合される幅を拡大して蓋材を所定の強度で確実に接合することができる。 また、 蓋材を押し付けたときにカール部が容器軸線方向に容易に変形するので、 容器の 素材として紙等の弹性変形しにくい材質を用いた場合であっても、 発泡スチ口一 ル等を素材とする容器に蓋材を接着するための従来のラインをそのまま用いるこ とができるので、 経済的である。

前記カール部には前記開口部を塞ぐフィルム状の蓋材が接着され、前記蓋材は、 前記カール部に対して剥離力が 4 0 0〜9 0 0 g f Z l 5 mm幅の範囲となるよ うな接着力で接着されてもよい。 この場合、 接着剤を介して接合される蓋材およ びカール部の接合幅を拡大して蓋材を所定の強度で確実に接合することができる。 また、 蓋材を一部剥がした状態でカップ本体内に熱湯を注ぎ、 一定時間経過後に 蓋材を取り除く場合等に好適な剥離力が実現される。 なお、 前記側壁は紙で形成 されてもよい。 本発明の断熱容器に用いるスリーブは、 例えば扇状のブランクを所定のマンド レルの外周に巻き付けつつその両端部を貼り合わせて製造される。この製造では、 ブランクをその貼り合わせ部分に接着剤を塗布した上でマンドレルの直下に供給 したり、 マンドレル上でスリーブの軸端にカール部を加工する必要があり、 その ような処理を効率的に行える装置の開発が望まれている。 しかも、 スリーブは薄 くて強度も低いために、 カール部の加工には注意が必要である。 カール部の加工 等により、 スリーブがマンドレル上に堅く密着することがあり、 そのような状態 でもスリーブを傷めることなく装置から取り出せるよう配慮することも必要であ る。

本発明の第 6の目的は、 断熱容器のスリーブの製造に伴う各種の処理を合理的 かつ効率よく行える装置を提供することにある。

この目的を達成するため、 第 6の発明は次に述べるスリーブ製造装置、 ブラン ク供給装置、 及びスリーブ排出装置を提供する。

すなわち、 第 6の発明に係るスリーブ製造装置は、 扇状のブランクから、 断熱 容器の外装として使用されるテ一パ筒状のスリーブを成形する断熱容器のスリ一 ブ製造装置であって、 前記スリーブの内周に嵌合可能なテ一パ軸状の胴部を有す るマンドレルと、前記マンドレルを所定の周回経路に沿って搬送する搬送装置と、 前記周回経路上の所定位置に繰り出される前記マンドレルの直下に、 前記ブラン クをその一端部に前記接着剤を塗布して供給するブランク供給装置と、 前記ブラ ンク供給装置から供給された前記ブランクを前記一端部に塗布された接着剤が他 端部と重なるようにして前記マンドレルに巻き付ける巻き付け装置と、 前記マン ドレル上にて形成された前記スリーブの継ぎ目部を相互に押さえ付けるシール装 置と、 前記周回経路に沿って並べて設けられ、 前記マンドレルからの前記スリー ブの突出部に加工治具を押し付けてカール部を加工する複数のカール加工装置と、 前記カール部が加工された前記スリーブを前記マンドレルから取り外すスリーブ 排出装置と、 を備え、 前記複数のカール加工装置の少なくとも一つは、 前記加工 治具を加熱して前記スリーブの前記突出部に押し付けるものである。

このスリーブ製造装置によれば、 加工治具の熱によりスリーブが軟化するため に、 加熱しない場合と比較して小さい力でカール部を加工できる。 加工に必要な 力が小さくなれば、 マンドレル上のスリーブに加わる負荷が減少する。 製造後に マンドレルからスリーブを取り出す際もその作業を容易に行えるようになり、 装 置の構成を簡素化できる。

前記複数のカール加工装置の少なくとも二つは前記加工治具を加熱して前記ス リーブの前記突出部に押し付けるように構成されてもよく、 それら加熱される加 ェ治具のうち、 前記搬送経路の上流側の加工治具よりも下流側の加工治具の方が 温度が低く設定されてもよい。 一般に、 スリーブに対するカール部の加工を複数 の工程に分けて行う場合、 後工程ではスリーブに折りぐせがついて前工程よりも 加工が容易となる。 そこで、 上記のように後工程での加工治具の加熱温度を下げ ることにより、 カール部の加工性に影響を与えることなく、 スリーブの印刷等に 対する熱の影響を最小限に止めることができる。

前記複数のカール加工装置のうち、 前記搬送経路の最も上流側に配置される力 —ル加工装置は、 前記加工治具を回転させながら前記スリーブの前記突出部に押 し付けるように構成されてもよい。

この場合、 カール部の加工に対する抵抗が最も大きい最初の工程で加工治具を 回転させることにより、 その加工治具を加熱する必要がなくなるか、 またはあつ てもその加熱温度を下げることができる。 これにより、 スリーブに対する熱の負 担を低下させることができる。 カール加工の準備としてシリコン液のような下処 理材をスリーブに塗る場合には、 加工治具の回転によってその下処理材をスリ一 ブの全周に均一に広げることができる。

第 6の発明のブランク供給装置は、 断熱容器のスリーブを形成するための扇状 のブランクを、 テーパ軸状の胴部を有するマンドレルの直下まで搬送するブラン ク供給装置であって、 前記ブランクをその貼り合わせられるべき一端部が前記マ ンドレルの中心線の方向に設定された搬送方向と平行に保持された状態で搬送す る第 1の搬送装置と、 前記第 1の搬送装置にて搬送される前記ブランクの前記一 端部の下面側に接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、 前記接着剤の塗布された前 記ブランクを前記搬送方向と直交する方向に延びる回転軸線の周りに回転させて 上下に反転させる反転装置と、 前記反転されたブランクを、 前記マンドレルの前 記中心線に関して左右対称な姿勢で搬送する第 2の搬送装置と、 を備えている。 このブランク供給装置によれば、 接着剤の塗布後におけるブランクの動作に上 下方向の反転が加わるため、 ブランクがマンドレル下まで達するのに時間がかか るようになる。 これにより、 ブランクに塗布された接着剤の余分な水分が蒸発し て最適な接着強度が得られるようになる。 その結果、 接着強度の不足による製品 不良の発生率が減少する。 接着剤をブランクの下面側に塗布するので、 上面側か ら塗る場合よりもローラ列等を簡素に構成できる利点もある。 第 1の搬送装置お よび第 2の搬送装置の搬送方向がマンドレルの中心線と平行になるため、 マンド レルの中心線に対してブランク供給装置を真っ直ぐにレイァゥトできる。

前記反転装置は、 前記回転軸線の周りに旋回可能な一対のホイールを具備して もよく、 前記一対のホイールのそれぞれには前記第 1の搬送装置にて送られる前 記ブランクを取り込み可能なスリットが設けられてもい。 さらに、 前記第 2の搬 送装置は前記スリットから前記ブランクを取り出して前記マンドレルの直下まで 搬送してもよい。

この場合には、 ホイ一ルの回転を利用してブランクを容易に反転させることが できる。 スリットの中でブランクが動けるので、 重力を利用してブランクの姿勢 を修正する機会を設けることもできる。

前記一対のホイールは、 前記マンドレルの前記中心線に関して対称に配置され てもよく、 その場合、 前記回転軸線から各ホイールの前記スリットの内周側の端 部までの距離が互いに等しくされることが好ましい。 このような構成によれば、 スリッ卜に取り込まれたブランクをホイールの回転に伴ってすくい上げると、 そ のブランクがスリツ卜の内周側の端部にてホイールの半径方向に揃えられる。 こ れにより、 ブランクをマンドレルの中心線に関して対称に位置決めできる。

前記一対のホイールのそれぞれには、 前記スリツ卜が前記ホイールの周方向に 一定の間隔をおいて複数設けられてもよい。 これにより、 接着剤が塗布された多 数のブランクを次々とホイールに取り込んで適度に乾燥させることができる。 前記第 1の搬送装置から前記ホイールの前記スリッ卜に取り込まれた前記ブラ ンク力 前記第 1の搬送装置による搬送面よりも持ち上げられるようにして前記 第 2の搬送装置側へ送られるように前記ホイールの回転方向が設定されてもよい。 これにより、 スリッ卜に取り込まれたブランクをホイールから落とすことなくほ ぼ 1 8 0 ° 回転させて上下に反転させることができる。 第 6の発明の他のブランク供給装置は、 断熱容器のスリ一ブを形成するための 扇状のブランクを、 テーパ軸状の胴部を有するマンドレルの直下まで搬送するブ ランク供給装置であって、 前記ブランクをその貼り合わせられるべき一端部が前 記マンドレルの中心線の方向に設定された搬送方向と平行に保持された状態で搬 送する第 1の搬送装置と、 前記第 1の搬送装置にて搬送される前記ブランクの前 記一端部に接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、 前記接着剤の塗布された前記ブ ランクを前記第 1の搬送装置による搬送方向に対して迂回させる迂回装置と、 前 記迂回装置から前記ブランクを受け取って前記マンドレルの直下まで搬送する第 2の搬送装置と、 を備えている。

このブランク供給装置によれば、 ブランクが迂回装置にて迂回する間に接着剤 の余分な水分が蒸発する。

上記のブランク供給装置においても、 前記迂回装置は、 前記第 1の搬送装置の 搬送方向と直交する方向に延びる回転軸線の周りに旋回可能な一対のホイールを 具備してもよく、 前記一対のホイールのそれぞれには前記第 1の搬送装置にて送 られる前記ブランクを取り込み可能なスリットが設けられてもよい。 さらに、 前 記第 2の搬送装置は前記スリットから前記ブランクを取り出して前記マンドレル の直下まで搬送してもよい。

第 6の発明のスリーブ排出装置は、 マンドレルのテーパ軸状の胴部に巻き付け られた前記スリーブを前記マンドレルから取り外すスリーブ排出装置であって、 前記胴部上の前記スリーブに回転中のローラを押し当てて前記胴部の小径側の端 部から前記スリーブを脱出させるローラ機構と、 前記ローラ機構により取り出さ れた前記スリーブをその内周側から受け止めるスリーブ受け部を備えたスリーブ 保持体と、 を備えたものである。

このスリーブ排出装置によれば、 マンドレル上から排出されたスリーブの外周 を受け止める必要がなく、 スリーブ外周の印刷を傷めるおそれがない。 スリーブ 受け部がスリーブの内周に緩く挿入している状態でもスリーブを十分に保持でき るので、 ローラの回転速度を落としてスリーブの負担を軽減できる。 この点でも スリーブを傷めるおそれが低下する。

前記スリーブ保持体は、 所定の回転軸線の周りに回転可能としてもよく、 その 回転軸線の周りに前記スリ一ブ受け部が一定間隔で複数設けられてもよい。 こ 場合、 スリーブ保持体を回転させてスリーブを次々と受け止めることにより、 ス リーブを効率的に回収できる。 上述した断熱容器を製造する場合、 熱湯等の注入物の適量位置を示すピーター 線や容器本体を補強するリブの加工、 あるいは容器本体のカール部をフィルム状 の蓋材の接着に適した形状に加工する等の種々の処理が必要であり、 それらの一 連の作業を効率よく処理できる装置の開発が望まれている。

本発明の第 7の目的は、 上述した断熱容器を効率よく製造できる装置およびそ の製造装置に適した検査装置を提供することを目的とする。

この目的を達成するため、 第 7の発明は次に述べる断熱容器の製造装置および 検査装置を含んでいる。

すなわち、 第 7の発明の断熱容器の製造装置は、 容器本体の外周にスリーブを 組み合わせて断熱容器を製造する製造装置であって、 前記容器本体の端縁に設け られたカール部を受けるカール受け部材および前記容器本体の側壁 （胴部） をそ の内側から受ける側壁受け部材を備えた容器保持具と、 前記容器本体の前記力一 ル部を前記カール受け部材に押し付けて変形させるカール加工装置と、 前記容器 本体の前記側壁を前記側壁受け部材に押し付けて変形させるリブ加工装置と、 前 記カール加工装置および前記リブ加工装置による加工をそれぞれ受けた前記容器 本体の外周に接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、 前記接着剤が塗布された前記 容器本体の外周に前記スリーブを被せるスリーブ供給装置と、 を備えている。 この製造装置によれば、 容器本体のカール部の加工や側壁に対するリブ等の加 ェと、 それらの加工を受けた容器本体とスリーブの貼り合わせとが同一の装置内 で続けて行われるので、 断熱容器を効率よく製造できる。

前記製造装置には、 前記スリーブ供給装置にて供給されたスリ一ブを前記容器 保持具上に保持された前記容器本体に向かって押し込むスリーブ合わせ装置が設 けられてもよい。 この場合、 容器本体に対してスリーブを正しい位置に装着して 両者を確実に接合させることができる。

前記製造装置には、 前記スリーブ合わせ装置による処理後に、 前記容器本体と 前記スリーブとの組み合わせの良否を検査する組み合わせ検査装置が設けられて もよい。 この場合には、 スリーブの組み付け不良を検出して適切な対策を講じる ことができる。

前記製造装置には、 前記スリーブ合わせ装置による処理後に、 前記スリーブの 成形の良否を検査するスリーブ検査装置が設けられてもよい。 この場合には、 ス リーブの成形不良を検出して適切な対策を講じることができる。

前記製造装置は、 前記容器保持具を所定の搬送経路に沿って搬送する搬送装置 を具備してもよく、 前記カール加工装置、 前記リブ加工装置、 前記接着剤塗布装 置および前記スリーブ供給装置は前記搬送経路に沿って設けられてもよい。 この 場合、 カール加工装置、 リブ加工装置、 接着剤塗布装置およびスリーブ供給装置 を搬送経路に沿って互いに邪魔にならないように配置して各装置による処理を効 率よく連携させることができる。

第 7の発明の他の製造装置は、 容器本体の外周にスリーブを組み合わせて断熱 容器を製造する製造装置であって、 前記容器本体を上下に反転させた状態で保持 する容器保持具と、 前記容器保持具に保持された前記容器本体の外周に、 当該容 器本体の上方から前記スリーブを被せるスリーブ供給装置と、 前記容器本体に被 せられた前記スリーブを前記容器本体に向かって押し込むスリーブ合わせ装置と を具備し、 前記スリーブ合わせ装置は、 前記容器本体に被せられたスリーブの上 端部と対向する合わせ治具と、 前記合わせ治具を前記容器保持具に向かって駆動 する治具駆動手段とを具備し、 前記合わせ治具には、 前記スリーブの上端部に当 接可能な押し込み部を有する治具本体と、 前記押し込み部による前記スリーブの 押し込みに先行して前記スリーブと係合し、 当該スリーブを前記容器本体と芯が 合うように半径方向に変位させる芯合わせ部材とが設けられ、 前記芯合わせ部材 は、 前記治具本体に対して同軸かつ前記スリーブの押し込み方向に移動可能に設 けられ、 前記芯合わせ部材の前記スリーブと対向する端部の外周には、 前記スリ ーブ側に向かうほど径が減少する芯出し面が設けられているものである。

この製造装置によれば、 容器本体の外周に被せられたスリーブを、 芯合わせ部 材の芯出し面により容器本体の半径方向に変位させて容器本体と芯合わせした上 で、 容器本体側へ押し込むことができる。 これにより、 スリーブと容器本体との 芯がずれたままスリーブが押し込まれて製造不良が生じるおそれが減少する。 芯 合わせ治具の治具本体に対して芯合わせ部材が同軸に設けられているため、 芯合 わせ部材を治具本体に対して円滑に案内してその芯合わせ作用の確実性を高める ことができる。

第 7の発明のさらに他の製造装置は、 容器本体の外周にスリーブを組み合わ せて断熱容器を製造する製造装置であって、 前記容器本体を保持しつつ当該容器 本体の軸線周りに回転可能な回転体を有する容器保持具と、 前記容器保持具上に 保持された前記容器本体の外周に向かって接着剤を吹き付けるノズル手段を備え た接着剤塗布装置とを具備し、 前記接着剤塗布装置には、 前記ノズル手段と前記 容器本体の前記側壁の接着範囲との間に設定された撮影範囲の画像を撮影する撮 像手段と、 前記撮影範囲の画像内における前記接着剤に対応した階調の領域が占 める割合に基づいて、 前記接着剤の吹き付け状態の良否を判断する判定手段とが 付設されたものである。

この製造装置によれば、 回転体上に支持された容器本体を回転させつつその外 周に接着剤を吹き付けることにより、 容器本体の外周にその周方向に沿って満逼 なく接着剤を供給することができる。 ノズル手段から吐出される接着剤の量が過 剰または過小であったり、量は適切でもその吐出方向が不適切となった場合には、 撮影範囲の画像内にて接着剤に対応した階調の領域が占める割合が異常を示すた め、 接着剤の供給不良を確実に検出して適切な対策を講じることができる。

第 7の発明の検査装置は、 容器本体の外周にスリーブが組み合わされた断熱容 器を検査する検査装置であって、 前記断熱容器を上下に反転させた状態でその軸 線周りに回転自在に保持する回転体を備えた容器保持具と、 前記回転体を回転駆 動する回転駆動手段と、 前記回転体の駆動に連動して、 前記容器保持具の周囲の 所定位置にて前記断熱容器の上端部の高さの変化を検出し、 その検出結果に応じ た情報を出力する高さ情報検出手段と、 前記高さ情報検出手段が出力した情報に 基づいて前記組み合わせの良否を判定する判定手段とを備えているものである。 この検査装置によれば、 スリーブが容器本体に対して不適切に被せられている と、 容器本体の一部にスリーブが乗り上げ、 その乗り上げた部分にて容器本体の 高さが正常値から変化する。 この変化を、 回転中高さ情報検出手段からの情報に Z丄 基づいて検出することにより、 容器本体とスリーブとの組み合わせ不良を確実に 検出して適切な対策を講じることができる。

前記高さ情報検出手段は、 前記容器保持具上に保持された前記断熱容器の上端 部を挟んで対向配置された発光部および受光部を有し、 前記発光部から前記受光 部に向けて所定幅の検査光を照射するとともに前記受光部から前記検査光の受光 量に応じた信号を出力してもよい。 この場合には、断熱容器の高さが変化すると、 それに応じて断熱容器の上端部にて検査光が遮られる量が増加または減少して受 光部からの出力信号に変化が生じるようになる。

前記検査装置には、 前記回転体の駆動に連動して、 前記容器保持具の周囲の所 定位置から前記断熱容器のスリーブの外周までの距離の変化を検出し、 その検出 結果に応じた情報を出力する距離情報検出手段と、 前記距離情報検出手段が出力 した情報に基づいて前記スリーブの成形の良否を判定する成形判定手段とが設け られてもよい。 この場合には、 スリーブがその貼り合わせ部分の不良等によって 歪んでいると、距離情報検出手段にてその歪みに応じた距離の変化が検出される。 従つて、スリーブの成形不良を確実に検出して適切な対策を講じることができる。 上述したように、 断熱容器の開口端のカール部に蓋材を装着する場合には、 力 ール部の全周を同時に押し潰す処理が行われるが、 その処理は口径が比較的小さ い容器に限って実用的なものに過ぎない。即席麵等に用いる口径の大きい容器 (直 径で 1 4 0 mm程度） のカール部を同様の方法で平たく押し潰そうとすると、 き わめて大きなプレス力が必要となり、 実用化が困難である。 しかも、 プレス力が 大きいと、 プレス装置の各部も強化する必要があり、 その結果、 装置のコストが 上昇する。

本発明の第 8の目的は、 比較的小さな力で容器のカール部を蓋材の接着に適し た形状に加工できる加工装置および加工方法を提供することを目的とする。

この目的を達成するため、 第 8の発明に係る容器の加工装置は、 容器の端緣に 設けられたカール部の一部に対して接触可能なブレス部材と、 前記カール部を挟 んで前記プレス部材と対向するように設けられたカール受け部材と、 前記プレス 部材と前記カール受け部材との間で前記カール部が挟み込まれるように前記ブレ ス部材または前記カール受け部材を前記カール部に向かって駆動するブレス駆動 手 ¾と、 前記ブレス部材と前記カール受け部材とによって前記カール部が挟まれ る位置が前記容器の周方向に変化するように、 前記プレス部材または前記容器を 回転駆動する回転駆動手段と、 を具備するものである。

この加工装置によれば、 プレス部材とカール受け部材とでカール部の一部を挟 み込むだけなので、 カール部の全体を同時に押し潰す場合と比較して小さい力で カール部を所望の形状に加工できる。 ブレス部材または容器の回転により、 カー ル部に対する加工位置が周方向に変化し、 カール部がその全周に亘つて所望の形 状に加工される。

前記カール受け部材は前記カール部をその全周に亘つて受けるように設けられ てもよい。 この場合には、 カール受け部材にて容器のカール部を安定して保持で さる。

前記加工装置は、 前記容器を保持する容器保持具を具備してもよく、 その容器 保持具には、 前記容器を保持しつつ当該容器の軸線の周りに回転可能な回転体が 設けられてもよい。 さらに、 前記カール受け部材は前記回転体上に設けられても よく、 前記回転駆動手段は前記回転体を回転駆動してもよい。 この場合には、 容 器保持具にて容器を一定の姿勢に保持しつつ、 容器保持具の回転体に回転を加え て容器をその軸線の周りに回転させることができる。 この回転を利用してカール 部以外の加工を行うこともできる。

前記回転駆動手段は、 前記回転体の外周に接触する駆動ホイールと、 前記駆動 ホイールを回転駆動する駆動源とを有してもよい。 この場合には、 駆動ホイール を回転体に接触させるだけで容器を回転させることができる。 また、 駆動ホイ「 ルを回転体から離すだけで容器への回転の伝達を遮断することができる。

前記プレス部材は、 前記容器の半径方向に延びる軸線の周りに回転自在なロー ラであってもよい。 この場合には、 プレス部材と容器のカール部とが相対的に回 転する際の摩擦抵抗が小さくなり、 カール部を円滑に加工できる。

前記加工装置においては、 前記プレス部材と前記カール受け部材とによって前 記カール部が押し込まれているときに、 前記プレス駆動手段から供給される押し 付け力に抗して前記プレス部材または前記カール受け部材を前記カール部から離 れる方向に変位可能としてもよい。 この場合には、 容器の貼り合わせ等によって カール部に段差が生じていても、 その段差に合わせてプレス部材またはカール受 け部材が逃げることにより、 段差部分が過剰に押し潰されることがなくなる。 前記プレス駆動手段として、 エア一シリンダを設けてもよい。 この場合には、 エア一シリンダ内に閉じ込められた空気がクッションとして働くため、 ェアーシ リンダにて駆動されるブレス部材またはカール受け部材がカール部の段差に応じ て変位できるようになる。

前記回転体上には、 前記容器の側壁 (胴部） をその内面側から全周に亘つて受 ける側壁受け部材が設けられてもよく、 前記容器保持具の側方には、 前記側壁受 け部材と対向しかつ前記側壁の周方向の一部と接触可能な型押し部材と、 その型 押し部材を前記側壁に向かって駆動する型駆動手段とが設けられてもよい。 この 場合には、 カール部の加工に連動して型押し部材と側壁受け部材とで容器の側壁 を挟み込むことにより、容器の側壁をその周方向に沿って加工することができる。 前記プレス部材と前記カール部との接触位置は、 前記型押し部材と前記側壁と の接触位置に対して前記容器の半径方向反対側に設定されてもよい。 この場合に は、 プレス部材ゃ型押し部材による加工作用に伴って容器がその保持具から浮き 上がって加工不良が生じるおそれがなくなる。

前記加工装置においては、 前記容器の底側を前記容器保持具に向かって押し付 ける抜け止め手段を設けてもよい。 この場合には、 プレス部材ゃ型押し部材によ る加工作用に伴って容器がその保持具から浮き上がって加工不良が生じるおそれ がなくなる。

前記容器は、 前記カール部を備えた容器本体とその外周に被せられるスリーブ とを有する断熱容器であってもよく、 前記プレス部材と前記カール受け部材とに よる前記カール部の加工は前記スリーブの装着前の前記容器本体に対して行われ るものでもよい。 この場合には、 スリーブに邪魔されることなくカール部を加工 できる。

第 8の発明の加工方法は、 容器の端縁に設けられたカール部の一部をプレス部 材と受け部材とで挟み込み、 その挟み込む位置を前記カール部の周方向に沿って 漸次変化させて当該カール部の全周を所定形状に加工するものである。 この加工方法によれば、 上記の加工装置と同様の理由により、 カール部の全体 を同時に押し潰す場合と比較して小さい力でカール部をその全周に亘つて所望の 形状に加工できる。 本発明のさらなる目的、 特徴、 作用効果は以下に述べる発明の実施の形態を通 じて明らかになるであろう。 図面の簡単な説明

第 1図は本発明による第 1の実施形態の断熱容器を示す図：

第 2図は本発明による第 2の実施形態の断熱容器を示す図：

第 3図は第 1図及び第 2図の断熱容器に設けられた力ップ本体の底面図： 第 4図は第 1図の断熱容器の第 1実施例サンプルの寸法図；

第 5図は本発明による第 3の実施形態のつかみ片付き断熱容器を示す図： 第 6図は第 5図の断熱容器に使用されるスリーブのブランクの展開図： 第 7図は第 6図のブランク上に設けられたつかみ片の拡大図：

第 8図は第 5図のつかみ片付き断熱容器の使用状態を示す図：

第 9図は第 5図のつかみ片付き断熱容器の実施例サンプルの寸法図： 第 1 0図は本発明による第 4の実施形態の断熱容器を示す図：

第 1 1図は第 1 0図の断熱容器の製造工程を示す図；

第 1 2図は第 1 0図のスリーブの内向きカール部の拡大断面図；

第 1 3図 （a ) 〜 （c ) は第 1 0図のスリーブに設けられた内向きカール部の 種々の形状を示す図；

第 1 4図 （a ) 〜 （c ) は第 1 0図のスリーブに設けられた内向きカール部の さらに種々の形状を示す図；

第 1 5図は第 1 0図のカップ本体に設けられた糸尻部分の拡大断面図： 第 1 6図はカップ本体とスリーブとの接着部付近を示す拡大断面図： 第 1 7図はスリーブの下端が糸尻よりも上方に位置する別の例を示す断面図； 第 1 8図はスリーブの内向きカール部の形状を示す断面図；

第 1 9図はスリーブを形成するためのブランクの一部を示す平面図； 第 2 0図は本発明による第 5の実施形態の断熱容器を示す図；

第 2 1図は第 2 0図の断熱容器の製造手順を示す図；

第 2 2図は、 第 2 0図の断熱容器を構成するカップ本体のカール部の拡大断面 図；

第 2 3図は第 2 0図のスリーブを製造する装置の平面図：

第 2 4図は第 2 3図の製造装置の矢印 XXIV方向からの側面図；

第 2 5図は第 2 3図の XXV部の拡大図；

第 2 6図は第 2 3図の製造装置に設けられたマンドレルと主シール装置とを示 す図；

第 2 7図は第 2 3図の製造装置に設けられるブランク供給装置の前半部の側面 図；

第 2 8図はブランク供給装置の前半部の平面図；

第 2 9図は第 2 7図の XXIX— XXIX線に沿った断面図：

第 3 0図はブランク供給装置の後半部の側面図；

第 3 1図はブランク供給装置の後半部の平面図；

第 3 2図は第 2 3図の製造装置に設けられた巻き付け装置の詳細を示す図： 第 3 3図は第 2 3図の製造装置に設けられた補助シール装置の要部を示す図： 第 3 4図は第 2 3図の製造装置に設けられたカール加工装置の詳細を示す図： 第 3 5図は第 3 4図の変形例を示す図：

第 3 6図は第 2 3図の製造装置に設けられたスリーブ排出装置の詳細を示す 図；

第 3 7図はスリーブ排出装置の平面図：

第 3 8図はスリーブのカール部の例を示す図；

第 3 9図は第 2 0図の紙力ップの製造装置の平面図：

第 4 0図は第 3 9図の矢印 XXXX方向からの装置の側面図；

第 4 1図は第 4 0図の矢印 XXXXI方向からの装置の側面図；

第 4 2図は第 3 9図の装置に設けられたカップ供給装置の断面図；

第 4 3図は第 4 2図のカップ供給装置の平面図；

第 4 4図は第 3 9図の装置に設けられた加工装置の要部を示す図： 第 4 5図は第 4 4図の矢印 XXXXV方向からの背面図；

第 4 6図は第 4 4図の装置によりカツプ本体の側壁にリブを加工する様子を示 す図；

第 4 7図は第 4 4図の加工装置によりカップ本体のカール部を加工している様 子を示す図：

第 4 8図は複数のプレスローラを使用してカップ本体のカール部を加工する例 を示す図；

第 4 9図は第 3 9図の装置に設けられた糊付け装置の要部を示す図； 第 5 0図は第 3 9図の装置に設けられたスリーブ供給装置の要部を示す図； 第 5 1図は第 3 9図の装置に設けられたスリーブ合わせ装置の全体を示す図； 第 5 2図は第 5 1図の装置の要部を示す図；

第 5 3図は第 3 9図の装置に設けられた検査装置の構成を示す図；

第 5 4図は第 3 9図の装置に設けられた排出装置の構成を示す図：そして、 第 5 5図は第 5 4図の矢印 XXXXXV方向からの排出装置の側面図。 発明を実施するための最良の形態

第 1図は本発明による第 1の実施形態の断熱容器を示し、 各図 （a ) 〜 （c ) の中心線よりも右側が側面を、 左側が断面をそれぞれ示している。 第 2図 （a ) 〜 （c ) についても同様である。

第 1図の断熱容器 1 0は、 第 1図 （a ) に示す紙カップ本体 1 O Aと、 第 1図 ( b ) に示す紙スリーブ （紙筒状体） 1 0 Bとを組み合わせて構成されている。 カップ本体 1 O Aは、 上部が開口した筒状の胴部 （側壁） 1 1と、 胴部 1 1の下 部を塞ぐ底部 （底板） 1 2とを有している。 カップ本体 1 O Aの少なくとも内面 には、 ポリオレフイン系樹脂層が形成されている。 スリーブ 1 0 Bは、 胴部 1 1 の外周面との間に間隙を形成するようにしてカップ本体 1 O Aに装着される。 断 熱容器 1 0は、 第 1図 （c ) に示すように胴部 1 1の上端の開口部の外径が高さ より大きく形成され、 どんぶり、 碗、 ボウル等に近い形状を有している。

カップ本体 1 O Aの剛性を高めるために、 第 1図 （a ) に示すように、 カップ 本体 1 O Aの胴部 1 1には、 外向きに突出する水平リブ 1 3、 あるいは内向きに 突出する水平リブ 13 ' が少なくとも一本形成されている。 複数の水平リブ 13 又は水平リブ 1 3' が形成されてもよい。 同一のカップ本体 1 OAに水平リブ 1 3と水平リブ 13' とが共存してもよい。

カップ本体 1 OAの上端には外向きのトップカール部 14が形成されている。 カップ本体 1 OAの下端では、 底部 12と胴部 1 1とが互いに巻き締められて接 合されている。

トップカール部 14は、 カップ本体 1 OAの強度の補強のほか、 蓋材 （図示せ ず） を接合する際のヒートシール面を提供する。 トツプカール部 14の断面形状 は円形に限らず、 上下方向に押しつぶされた形状であってもよい。

第 1図 （b) に示すように、 スリーブ 10Bは逆円錐台形状の側壁 15を有し ている。 スリーブ 10 Bの下端部には内向きカール部 16が形成されている。 以上のカップ本体 1 OAにスリーブ 10 Bが装着されることにより、 両者の間 に断熱空間 Aが形成される。

カップ本体 1 OAに装着されたスリーブ 10 Bの内向きカール部 16の内周は カップ本体 10 Aの胴部 1 1の下端部に当接する。 スリーブ 10Bの上端部は、 カップ本体 10八の胴部1 1の上端部と直接接触するか、 あるいは第 2図に示す ように断熱部材 17を介して接触する。 第 2図の実施形態の詳細は後述する。 ス リーブ 10 Bが抜け落ちないように、 カップ本体 1 OAとスリーブ 10Bとはそ れらの上下端の接触部分のいずれかにて接着固定される。

以上の断熱容器 1 0において、 外向きに突出する水平リブ 1 3あるいは内向き に突出する水平リブ 1 3 ' は、 胴部 1 1の外向きカール部 14、 底部 12の周辺 の巻き締め部とともに、カップ本体 1 OAの強度補強に重要な役割を果している。 リブ 1 3の本数と、 それが形成される位置、 高さあるいは深さ、 幅、 断面形状 等は、カップ本体 1 OAの大きさ、板紙素材の剛性等を考慮して決定すればよい。 一本のリブ 1 3又は 13' は、 カップ本体 1 OAに対する給湯量の適正レベルを 指示する線、 すなわち熱湯の入れ目線 （ピー夕一線） として機能する位置に設け るとよい。

第 1図の断熱容器 10では、 外向きに突出する水平リブ 13が断熱空間 Aの形 成に重要な役割を果たす。 容器 10の側壁 （胴部 1 1) を手で持ったとき、 水平 リブ 1 3がスリ一ブ 1 0 Bの側壁 1 5を支持して側壁 1 5の内側への撓みを制限 できるためである。

スリーブ 1 0 Bをカップ本体 1 O Aと組み合わせた状態で、 スリーブ 1 0 Bと 外向きに突出するリブ 1 3とは当接してもよいし、 離れていてもよい。 当接しな い場合には断熱空間 Aが広がり、 断熱空間 A内で空気が上下方向に対流して熱が 分散され易くなる。 このため、 給湯後に手で胴部 1 1を持ったとき、 スリーブ 1 0 Bの側壁 1 5が内側に若干撓むものの、 容器 1 0を手で持つ前からスリーブ 1 0 Bとリブ 1 3とが当接している場合と比較して、 側壁 1 5の表面温度が低下し て持ち易くなる。

第 2図は本発明が適用された第 2の実施形態の断熱容器を示している。

給湯後、 あるいは電子レンジ加熱後の丼状の器をユーザーが手で持つ場合、 容 器胴部の上半分を両側から両手の指で左右から支えるように持つことが一般的で ある。 第 2図の断熱容器では、 ユーザーの指が当たる部分の断熱性の効果と安定 化を図っている。 すなわち、 第 2図の断熱容器 1 0では、 予めカップ本体 1 O A の胴部 1 1の上部に断熱部材 1 7が巻き付けられて接着され、 その上からスリ一 ブ 1 0 Bが装着されている。

断熱部材 1 7には、 例えば、 ダンボールの中芯紙のようにコルゲート加工され て縦方向に凸条と凹条とが交互に配列した板紙片、 又はエンボス加工によって凹 凸形状が形成された所定幅の板紙片を使用できる。

断熱部材 1 7をカップ本体 1 O Aとスリーブ 1 0 Bとの間に設けると、 断熱空 間 Aが狭くなつている胴部上部の断熱性の向上、及び安定化を図ることができる。 このため、 給湯あるいは電子レンジによる加熱調理後、 安心して断熱容器 1 0を 手で持つことができる。 第 2図の断熱容器 1 0は、 断熱容器のトップ部まで給湯 するような場合に特に効果的である。

なお、 カップ本体 1 0 Aに装着されたスリーブ 1 0 Bの抜け落ちを防ぐために は、 内向きカール部 1 6の内周とカップ本体 1 O Aとを接着させるか、 断熱部材 1 7の内外面を力ップ本体 1 0 A及びスリーブ 1 0 Bとそれぞれ接着させる。 第 3図は、 第 1図又は第 2図の断熱容器に使用されるカップ本体 1 O Aの底面 図である。 上述したように、 カップ本体 1 OAには、 第 3図に示すように、 胴部 1 1の所 定の位置において胴部 1 1を周回するように水平リブ 13又は 13 * が設けられ ている。 水平リブ 1 3、 1 3： は第 3図 （a) に示すように胴部 1 1を連続的に 周回するように設けることができる。 第 3図 （b) に示すように、 切欠部 19に よって断続されつつ胴部 1 1を周回するように水平リブ 13、 13' を設けても よい。

第 1図の断熱容器 10の場合、 水平リブ 13の本数が一定であれば、 リブ 13 を断続的に周回させた場合には、 連続的なリブ 13を設ける場合と比較して、 ス リーブ 10Bの側壁 15の撓み防止の点で若干劣る。 しかし、断熱空間が拡がり、 断熱空間が上下に連通して断熱空間全体における加熱空気の移動が行われ易くな る。 このため、 温度上昇が均質化され、 結果として断熱性がよくなる効果が得ら れる。 リブ 1 3を断続させる場合には、 一つのリブ 13を胴部 1 1の全周に対し て 4〜8個の部分に分割することが好ましい。 切欠部 19が胴部 1 1の全周に対 して占める比率は 30%以下であることが好ましい。

第 3図には糸尻部 18が示されている。 内向きカール部 16は糸尻部 18の空 間 （断熱空間 Aの下端側の開口） を埋めるように機能する。 従って、 糸尻部 18 からゴミが入ったり、 水が侵入したりする心配がなく、 衛生的な断熱容器を提供 できる。

以上の断熱容器 10の構成によれば、 従来の紙製断熱容器と同一の板紙素材を 使用して、 120〜200mmの範囲の開口部外径を有する丼型の紙製断熱容器 を提供できる。 内容積は満注で 600〜1500 c cの範囲に設定できる。

断熱容器 10の成形に使用される板紙素材は、 内容積が大きくなるにも係わら ず従来と略同じ坪量のものが使用できる。 すなわち、 カップ本体 1 OAの成形に は、 坪量 190〜450 gZm²のカップ原紙を使用できる。 また、 スリーブ 1 0Bの成形には、 坪量 230〜450 gZm²のカード系、 コ一卜ボール系等の 板紙を使用できる。 スリーブ 10 Bの原紙の坪量がこの限度未満であると、 スリ —ブ 10Bの剛性が低下し、 高熱時に撓みが大きくなりすぎて必要な断熱性が得 られないおそれがある。 また、 スリーブ 10 Bの原紙の坪量が上記の限度を越え ると、 剛性は高くなるが、 内向きカール部 16の加工適正が悪化し、 材料コスト も高くなるので好ましくない。

スリーブ 1 0 Bの素材には、 樹脂コートあるいは樹脂含浸処理等を施してもよ い。 この場合には、 断熱容器 1 0の全体の剛性、 耐圧縮性、 耐圧潰性等を高め、 物流時に加わる外的な力から内容物を保護するように断熱容器 1 0を機能させる ことができる。

一般に、 カップ原紙の内面には、 2 0〜 8 0 mの範囲で低密度ポリエチレン 榭脂、 中密度ポリエチレン樹脂、 高密度ポリエチレン樹脂、 線状低密度ポリェチ レン榭脂等のポリオレフイン系樹脂層が押出しコートされて形成される。 ポリオ / レフイン系樹脂層は、 板紙 （カップ本体 1 O Aの素材） への内容物の浸透防止、 内容物の保護適性の向上の他に、 底部、 カール部、 胴貼り部におけるカップ成形 性を改善し、 蓋材 （図示せず） のトップカール部におけるヒートシールによる封 緘性をも良好にする。

以上の断熱容器 1 0では、 側壁 （外周壁） に凹凸がなく、 かつスリーブ 1 0 B の内向きカール部 1 6が容器の底部において適度なアールを形成しているので、 外観、 意匠性が向上する。

断熱容器 1 0の側壁の表面は平坦であり、 スリーブ 1 0 Bへの印刷の自由度は 高い。 オフセット、 グラビア、 フレキソ等の公知の印刷のみならず、 各種オーバ 一コーティング、 箔押し、 ェンボッシング等の印刷後加工もスリーブ 1 0 Bに自 由に施すことができる。 従って、 前述の優れた意匠性と相まって、 優れた美粧効 果を発揮することができる。

スリーブ 1 0 Bの側壁面や内向きカール部 1 6の表面に O Pニス等のオーバー コーティング層を設けることにより、 それらの面を濡れにくく、 かつ汚れにくく 改質することができる。

一般的に、 容器内面のプラスチック面あるいはプラスチック層に熱湯が接触す る場合に充分配慮しなければならないことは、 プラスチック内に残留しているモ ノマー、 重合触媒に使用される重金属類、 その他添加物等の溶出が起こりやすく なり、 それらにより食品汚染が生じるという問題である。 これらの溶出量が食品 衛生法の定める基準値を越えないように容器を構成することは当然であるが、 こ の数値以下の極微量であっても、 例えば、 哺乳瓶や学校給食用食器に多用されて いるポリカーボネート樹脂から溶出するビスフエノール A、 また、 発泡ポリスチ レン容器から溶出するスチレンオリゴマ一のように生物の内分泌を乱す危惧があ ると指摘されている環境ホルモン （外因性内分泌攪乱化学物質） 類を溶出する榭 脂の使用は、 予防原則から避けることが望ましい。

上述した断熱容器 1 0では、 このようなリスクの少ないポリオレフイン系榭脂 の中から、 さらに無添加の樹脂を選んで内面のコートに使用しているので、 安心 感がある。

次に第 1図又は第 2図の断熱容器 1 0の製造方法について説明する。

先ず、 紙カップ成形機によって扇状のブランクから円錐台形状の胴部 1 1を成 形し、 胴部 1 1の下部を底板で巻き締めして底部 1 2を成形する。 また、 胴部 1 1の上端部に外向きのトップカール部 1 4を成形する。 次いで、 胴部 1 1の所定 の位置に、 外あるいは内方向に突出する水平リブ 1 3、 1 3 ' を成形してカップ 本体 1 O Aを製造する。

外方向に突出するリブ 1 3の加工方法は、 カップ成形機に対してインラインあ るいはオフラインで行うことができる。 すなわち、 予め水平リブ 1 3に相当する 部分が溝状に切削されている金型のキヤビティに成形済みのカップ本体 1 O Aを 嵌め込み、 カップ本体 1 O Aを回転させる。 この状態で、 カップ本体 1 O Aの内 側から上述の溝状部分に向かって回転口一ラーをエキスパンダーで強く押し当て る。 これにより、 外側に突出するリブ 1 3を形成する。

その場合に、カツプ本体 1 0 Aの全周にわたって回転ローラーを押し当てれば、 第 3図 （a ) に示す連続的に周回するリブ 1 3が得られる。 回転ローラを断続的 にカップ本体 1 O Aに押し当てれば、 第 3図 （b ) に示すような断続的に周回す るリブ 1 3を形成することができる。

以上の成形方法では、 リブ 1 3の加工後にカップ本体 1 O Aを金型のキヤビテ ィから引き抜く必要がある。 第 1図又は第 2図において水平リブ 1 3の頂点より も上側の斜面を下側の斜面よりもなだらかに形成した場合には、 カップ本体 1 0 Aをキヤビティから容易に引き抜くことができる。 リブ 1 3の形成は雄雌型を使 用した絞り加工によっても可能である。

第 2図の断熱容器 1 0におけるリブ 1 3 ' は次の手順で形成される。 成形済み のカップ本体 1 OAを、 予めリブ 1 3 ' に相当する部分が溝状に切削されている マシドレルの外周に嵌め込む。 次に、 カップ本体 1 OAをマンドレルとともに回 転させながら、 カップ外側から回転ローラーを上述した溝状部分に向かって強く 押し当てる。 これにより、 内側に突出するリブ 1 3 ' を形成することができる。 扇状のブランクから円錐台形状のスリーブ 10 Bを成形し、 その下部に内向き力 —ル部 1 6を成形する。 このスリーブ 1 0 Bと、 成形されたカップ本体 1 OAと を、 両者が互いに当接する位置で接着させながら組み合わせれば断熱容器 1 0が 得られる。 完成した本発明による断熱容器 10はス夕ッキングしてユーザ一に供 給が可能である。 第 1図の断熱容器 10の実施例サンプルとして、 第 4図に示した 2種類のサン プル A、 サンプル Bを次の仕様に従って作成した。 また、 水平リブ 1 3、 1 3' が省略されている他は実施例サンプル A, Bと同一の仕様の比較例サンプル A' , B' (図示せず） を用意した。

サンプル A

カップ本体 1 OAの仕様

内容量 ； 804. 2 c c (満注時）

499. 7 c c (上部より 22 5 mm充 開口部外径 143. 5 mm φ

開口部内径 1 35. 0 πιπι

底板径 1 1 5. 2 πιιηφ

高さ 72. 1 mm

水平リブの本数 2

水平リブの上段幅 2 mm

下段幅 6 mm

素材構成 ポリエチレン 25 μ mZカツプ原紙 280 g /m¹ スリーブ 1 0 Βの仕様

内向きカール部外径 9 4 mm

内向きカール部厚み 2 6 mm 上端部外径 135. 0 mm

素材構成 OPニス層 Z印刷層 コートボール 310 g/m² サンプル B

カップ本体 1 OAの仕様

内容量 1045. 1 c c (満注時）

659. 5 c c (上部より 30. 9 mm充填時） 開口部外径 139. 5 πιιτιφ

開口部内径 131 0 mm0

底板径 101 2 mm Φ

高さ 105 0 mm

水平リブの本数 2

水平リブの上段幅 2 mm

下段幅 6 mm

素材構成 ポリエチレン 25 mZカップ原紙 280 g/m² スリーブ 10 Bの仕様

内向きカール部外径 105. 6 mm

内向きカール部厚み 2. 6 mm

上端部外径 131. 0 mm

素材構成 OPニス層ノ印刷層 コートボール 310 g/m² 以上のカップ本体 1 OAの外周に以上のスリーブ 10Bを装着し、 底部 12の 当接箇所をァクリル系ェマルジョンタイプの接着剤によって接着して第 4図 (a) 、 (b) に示す側面と断面とを有する実施例サンプル A、 サンプル Bを作 成した。 また、 水平リブ 13、 13' を省略した比較例サンプル A' , B' を用 意し、 実施例サンプル Aと比較例サンプル A' を、 また実施例サンプル Bと比較 例サンプル B' をそれぞれ次のように比較した。

95° Cの熱湯を、 サンプル Α、 Α' には 500 c c, サンプル Β, Β' には 660 c cそれぞれ注入し、 3分後に各サンプルの胴部の上段を両手で両側から 持つようにして、 官能的に外部表面温度を比較した。 その結果、 実施例サンプル A, Bの方が比較例サンプル A ' 、 Β ' よりも変形が少なく、 断熱性に優れ、 持 ち易いことがわかった。 また、 胴部をしつかり持つほど比較例サンプルの方が、 熱さを強く感じた。

以上の断熱容器 1 0によれば、 従来と略同じ仕様の板紙素材を用いて成形され た開口部の外径が高さよりも大きい丼型の形状であって、 しかも、 従来のカップ 型の場合より内容量が大きくなつているにも係わらず、 満杯に給湯しても、 容器 の変形を少なく止め、 良好な断熱性を持たせることができる。

従って、 容器ごと熱湯調理、 あるいは電子レンジ加熱調理して、 丼あるいはボ ウルに代わる広口のテーブルウェアとして食事の場に種々な食品を供し、楽しく、 食べ易くさせることが可能となり、 また、 一般消費者、 特に高齢者や、 身体障害 者、 子供等に対するバリアーフリー商品の提供を可能とする。

また、 断熱容器 1 0は、 胴部外壁に凹凸がなく、 良好な意匠性と印刷の自由度 があり、 広口の蓋材への印刷効果も相まって、 店頭における優れた販促効果を発 揮することができる。

断熱容器 1 0の内面のポリオレフイン系榭脂層からは、 これまでの断熱容器に 使用されている発泡性ポリスチレンに見られる環境ホルモン等の疑惑物質の溶出 がない。 内向きカール部 1 6は、 カップ本体 1 O Aとスリーブ 1 0 Βとの間隙を 底面の糸尻部 8において埋め、 ゴミゃ異物の胴部への侵入、 あるいは板紙端面か らの液の吸収を防止し、 底部からの汚れを防止できる。 従って、 衛生面に関する 安全性、 信頼性を向上させることができる。

内容量が増えても従来と略同仕様の板紙素材が使用できるので、材料コスト面、 製造面でコス卜の上昇を抑えることができ、 合理的な経済コス卜で断熱容器を提 供できる。

断熱容器 1 0は、 使用後は紙製品として廃棄され、 また減容化が容易であるの で廃棄処理性が良好であり、 さらに、 リサイクルも可能であるので、 環境負荷の 低減に貢献することができる。 第 5図は本発明による第 3の実施形態の断熱容器を示し、 各図 （a ) 〜 （c ) の中心線よりも右側が側面を、 左側が断面をそれぞれ示している。 第 5図の断熱容器 20は、 逆円錐台形状の紙製のスリーブ 2 OAと紙カップ本 体 20 Bとが組み合わされて構成されている。 カップ本体 20 Bは、 筒状の胴部 31と、 その胴部 31下部に巻き締めて固定される底部 32とを有している。 胴 部 3 1の上方開口縁には外向きカール部 33が形成され、 胴部 31には外方向に 突出する水平リブ 34と内方向に突出する水平リブ 35が形成されている。 スリ —ブ 2 OAの側壁 2 1の内面とカップ本体 20 Bの胴部 31の外面との間には断 熱空間が形成されている。 カップ本体 2 OAの内面にはポリオレフィン系榭脂が コートされる。 スリーブ 2 OAの側壁 21には、 一対のつかみ片 23, 23が互 いに対向するように設けられている。 なお、 第 5図には、 一方のつかみ片 23の みが現れている。 カップ本体 20 Bの上端開口部の外径は、 容器 20の高さより も大きく設定されている。

断熱容器 20の断熱空間の形成は、 第 5図に示すようにカップ本体 20Bの胴 部 31に設けられた外方向に突出する水平リブ 34と、 スリーブ 2 OAの下部に 形成された内向きカール 22とによって実現されている。 ただし、 放置状態 （容 器を手で持たず、 テーブル等の上に置いた状態） では、 スリーブ 2 OAの側壁 2 1と外方向に突出する水平リブ 34が当接している必要はない。

水平リブ 34の主な役割はカップ本体 20の胴部 31の補強にある。 また、 .水 平リブ 35は胴部 3 1を補強するとともに、 カップ本体 20に注入される熱湯の 適正量の目安を与える機能も果たす。

第 6図はスリーブ 2 OAを製造するためのブランクの展開図である。

スリーブ 2 OAのブランク 2 OA' は、 第 6図に示すように、 板紙を扇状に打 ち抜いたものである。 ブランク 2 OA' の左右両端部は胴貼り部 N、 下端部は内 向きカール部 22のカール成形部 Cとなっている。カール成形部 C以外の部分は、 スリーブ 20 Aの側壁 21を形成する部分である。

ブランク 2 OA' の胴貼り部 N同志が接着されて逆円錐台形状のスリーブ 20 Aが形成される。 ブランク 2 OA' には、 折線 25と切れ目線 24とによって区 画される一対のつかみ片 23、 23が打ち抜かれ、 それらは、 スリーブ 2 OAに 成形された時に互いに対向するよう位置決めされている。 また、 折線 25はブラ ンク 2 OA' の円弧に沿って設けられている。 第 7図は、 ブランク 2 OA' 上におけるつかみ片 23の拡大図である。

第 7図 （a) はっかみ片 23の一態様を示すものである。 つかみ片 23は、 ブ ランク 2 OA' の外周と平行な円弧、 換言すればブランク 2 OA' の外周に対し て一定の距離をおいて延びる円弧上の 2点 p 1, p 2を結ぶ直線状、 もしくはそ の直線よりも下側に湾曲する曲線状の折線 25と、 その折線 25の両端 （p i, P 2) を結びかつ折線 25よりも下部に湾曲する切れ目線 24とによって区画さ れている。 そして、 つかみ片 23は折線 25によって外側に折り返しが可能であ る。

また、 切れ目線 24の途中には、 繫ぎ部 26が形成されている。

繫ぎ部 26は、 ブランク 2 OA' がスリーブ 2 OAに成形されてカップ本体 2 0Bに組み付けられ、 その後につかみ片 23が使用されるときまで、 つかみ片 2 3を側壁 2 1に繫ぎ止めておくために設けられている。 繫ぎ部 26は、 つかみ片 23の使用時に僅かな指先の力で破壊できるように、 0. 3〜1. 0mm (板紙 の厚みが 0. 2〜0. 5 mmの場合）程度の幅を有することが好ましい。 一般に、 紙を引きちぎって切断する場合に、 紙目と直交する方向に切断するよりも、 紙目 方向に切断する方が力を必要とする。 従って、 繋ぎ部 26が切れ目線 24の片側 で複数個設けられる場合には、 各繫ぎ部 26の幅方向が図中に矢印で示す紙目の 方向と平行な方向に近づくほど繫ぎ部 26の幅を大きくすることが望ましい。 こ れにより、 各繋ぎ部 26の切断力を均一化することができる。

つかみ片 23の下部周辺には切欠 27が形成されている。 切欠 27は、 つかみ 片 23の形成時に、 つかみ片 23を起こすために使用される。 切欠 27は、 ユー ザ一の指先あるいは爪が入り込む程度の大きさであればよい。 また、 切欠 27は つかみ片 23の最下部にあることが好ましい。

第 7図 （b) は、 つかみ片の他の態様を示している。 この態様では、 切欠 27 に代えてつかみ片 23の下部周辺に小折線 25 ' が設けられている。 この構成に よれば、 小折線 25 ' に沿ってつかみ片 23の下部を容易に折り曲げることがで き、 その折り曲げた部分を摘まみ片として、 つかみ片 23全体を引き出すことが できる。

切れ目線 24の端部には、 第 7図 （b) に示すように、 つかみ片 23の下部に 向かって戻るように弧を描くアール部 2 4 aを設けることが好ましい。 切れ目線 2 4の端部の延びる方向が紙目と平行な方向に近づくので、 つかみ片 2 3を引き 出す際に切れ目線 2 4の最終端 p 1 , p 2から上方にブランク 2 O A ' が裂ける おそれがあり、 このおそれをアール部 2 4 aの追加によって解消できる。

以上の折線 2 5、 小折線 2 5 ' 、 切れ目線 2 4、 紫ぎ部 2 6、 切欠 2 7の総て は、 ブランク 2 O A ' の打ち抜き加工と同時に形成可能である。 従って、 これら の要素の加工は断熱容器 2 0の製造コストを上昇させる要因にはならない。

また、 ブランク 2 O A ' の殆どの領域は、 ブランク 2 O A ' の加工前に印刷さ れており、 情報媒体として機能する部分であるが、 以上のつかみ片 2 3の加工に よつて印刷効果、 あるいは意匠効果が大きく妨げられることはない。

第 8図は、 上記のつかみ片付き断熱容器 2 0の使用状態を示している。

第 8図 （a ) は、 本発明によるつかみ片付き断熱容器 2 0のっかみ片 2 3が起 こされた状態を示す側面図である。

つかみ片 2 3は、 第 5図に示すように、 逆円錐曲面に折線 2 5を上側にして設 けられている。 ここで、 スリーブ 2 O Aの側壁 2 1と紙カップ本体 2 0 Bの胴部 3 1との間に空間がない 2重容器を想定すると、 つかみ片 2 3を最下部から引き 起こす際に力を要し、 起こされたつかみ片 2 3には皺が入る。 引き裂き強度の弱 い板紙がスリーブ 2 O Aに使用されていると、 折線 2 5の両端で板紙に引き裂き が起こり易い。

しかし、 第 5図のつかみ片付き断熱容器 2 0の場合には、 スリーブ 2 O Aの側 壁 2 1と、 カップ本体 2 0 Bの胴部 3 1との間に空間が存在するので、 つかみ片 2 3を引き出す際に、 折線 2 5の中央部分の側壁 2 1が第 8図 （a ) に矢印で示 す方向に変形し、 つかみ片 2 3を弱い力で容易に起こすことができる。 折線 2 5 は、 逆円錐面の水平方向の 2点 p 1 , p 2の最短距離を結ぶ線よりも若干下方向 に湾曲している方が開け易さの点で好ましい。 例えば、 長さが 5 O mmの折線の 場合に、 その中央部で 0 . 5〜2 . O mm程度下方に湾曲していることが好まし い。

この折線 2 5に沿ってつかみ片 2 3を起こした場合、 上述したように側壁 2 1 が変形するとともに、 つかみ片 2 3の左右が僅かに持ち上がって反り返るように 変形し、 その結果、 つかみ片 2 3は第 8図 （a ) に示すように側壁 2 1と略直角 な位置に保持される。 つかみ片 2 3を押し下げれば、 元の状態 （スリーブ 2 O A の側壁 2 1と略面一の状態） に戻すことができる。

第 8図 （b ) は、 つかみ片付き断熱容器 2 0の加熱調理直前の状態を示す斜視 図である。

断熱容器 2 0は、 熱湯調理加熱、 及び電子レンジ加熱のいずれにも好適に使用 可能である。 第 7図 （a ) に示すつかみ片 2 3の場合には、 加熱調理に先立って、 切欠 2 7に指先あるいは爪を差し込んでっかみ片 2 3を上方に持ち上げる。 第 7 図 （b ) に示すつかみ片 2 3の場合には、 加熱調理に先立って、 つかみ片 2 3の 先端部を小折線 2 5 ' で折り返して摘まみ片を形成し、 この摘まみ片を指で挟ん でっかみ片 2 3を上方に持ち上げる。 このようにして持ち上げたつかみ片 2 3を 第 8図に示すように略水平に保持し、 この状態で加熱調理を行えばよい。

なお、 熱湯調理加熱の場合は、 蓋材 Lを一旦開いて給湯後、 蓋材 Lを再度閉め て 3〜4分間放置する。 電子レンジ調理の場合には、 蓋材 Lを僅かにあけた状態 で加熱調理すればよい。

調理後は、 つかみ片 2 3を両手で持つことによって、 熱さを感じることなく、 安全に所定の位置まで加熱調理済食品を容器ごと運ぶことができる。

通常の丼状の容器を使用する場合、容器をその縁に指を掛けて運ぶ必要があり、 その際に指が食品に触れるという衛生上の問題がある。 つかみ片 2 3を利用して 持ち運ぶ場合にはこの問題も解消する。

なお、 つかみ片 2 3に予めエンボス加工を施すか、 スリップ防止剤を予め部分 コー卜する等の方法で、 つかみ片 2 3のスリッブ防止を行っておいてもよい。 以上の断熱容器 2 0では、 従来の紙製断熱容器に使用されている板紙素材と同 じものを使用して、 1 2 0〜 2 0 Ο ιηπι φの範囲の開口部外径を有する丼型の紙 製断熱容器を提供することができる。 また、 内容積は、 満注で 6 0 0〜 1 5 0 0 c cの範囲の断熱容器に適用可能である。

断熱容器 2 0の成形に使用される板紙素材は、 内容積が大きくなるにも係わら ず従来と略同じ坪量のものを使用することができる。

通常、 カップ原紙の内面には、 2 0〜8 0 / mの範囲で低密度ポリエチレン榭 脂、 中密度ポリエチレン樹脂、 高密度ポリエチレン樹脂、 線状低密度ポリエチレ ン榭脂等のポリオレフイン系樹脂層が押出しコートされて形成される。

このポリオレフイン系樹脂層は、 内容物の板紙への浸透防止、 内容物保護適性 の向上の他に、 底部、 カール部、 胴貼り部におけるカップ成形性をよくし、 蓋材 (図示せず） のトツプカール部におけるヒートシールによる封緘性をも良好にす る効果をもたらしている。

カップ本体 20 Bの原紙の坪量は、 190〜450 gZm²程度である。

一方、 スリーブ 2 0 Aの成形には、 坪量 230〜450 g/m²の力一ド系、 コートポール系等の板紙を使用することができる。 坪量が、 この限度未満である とスリーブ 2 OAの剛性が不足し、 高熱時に撓みが大きくなりすぎて必要な断熱 性が得られないおそれがある。 また、 坪量が上記の限度を越えると、 剛性は高く なるが、 内向きカール 2 2の加工適正が悪化し、 材料コストも高くなるので好ま しくない。

スリーブ 2 OAの表面加工は、 従来の断熱容器の場合、 OPニス加工で十分で あつたが、つかみ片付き断熱容器 20の場合は、つかみ片 23を取り付けるため、 表面加工によって耐引き裂き性を持たせることが好ましい。 また、 本発明による つかみ片付き断熱容器入り食品が、 チルド、 冷凍状態で流通される場合には、 耐 水性を持たせておくことが好ましい。

そのために、 表面から順に次のような積層構成を持たせることができる。

P E 3 0 zzmZ紙 270 g/m²

P E 2 0 m/紙 270 g/m²/P E 20

OP P 30 m/PE 1 5 mZ紙 270 g/m²

P ET 1 2 IT /P E 1 5 mノ紙 2 7 0 g/m²

ΟΡ Ρ 30 ΙΠ/ΡΕ 1 5 mZ紙 270 g /m PE 1 5 um P ET 1 2 (im/PE 1 5 u mZ紙 270 g /m PE 1 5 rn また、 製紙段階で耐水性を付与した耐水両面コートボールを使用してもよい。 ブランク 2 OA'を打ち抜く前のフラッ卜な板紙にプレブリントが可能なため、 スリーブ 2 OAの表面に対する印刷の自由度は高く、 オフセット、 グラビア、 フ レキソ等の公知の印刷のみならず、 各種オーバーコーティング、 箔押し、 ェンボ ッシング等の印刷後加工も自由に施すことができる。 なお、 印刷後、 前述のよう なつかみ片 2 3の加工が施されるが、 この加工は、 平面性を阻害するものではな く、 印刷による美粧効果、 情報媒体機能はそのまま保たれる。

第 5図の断熱容器 20においても、 ポリオレフィン系樹脂の中からさらに無添 加の樹脂を選んで内面のコートに使用しているので、 第 1、 第 2の実施形態の断 熱容器 1 0と同様に安心感がある。

第 5図のつかみ片付き断熱容器 20は上述した第 1、 第 2の実施形態の断熱容 器 1 0と同様の手順にて製造できる。 但し、 スリーブ 2 OAの原料としての板紙 を扇状に打ち抜くときに、 つかみ片 23の加工も同時に行ってブランク 2 OA' を作成する必要がある。 第 9図は、 第 5図のつかみ片付き断熱容器 20の実施例サンプルの寸法を示し ている。 細部の仕様は次の通りである。 また、 つかみ片 23が形成されない以外 は全く同一仕様の比較例サンプルを用意した。 実施例サンプル

力ップ本体 20 Bの仕様

内容量 ： 804. 2 c c (満注時）

500. 0 c c (上部より 22. 5 mm充填時） 開口部外径 143. 5

開口部内径 1 35. 0 ϊΐΐπι

底外径 1 1 3. 8 πΐΓη

高さ 72. 1 mm

水平リブの本数 2

水平リブの上段幅 2 mm

下段 6 mm

素材構成 P E 25 mZ力ップ原紙 280 g /m² スリーブ 2 OAの仕様 内向きカール部外径 1 1 9 . 4 mm

内向きカール部厚み 2 . 6 mm

上端部内径 1 3 5 . 0 mm

素材構成 P E 2 0 ノコ一トポール 2 7 0 g /m P E

2 0 u rn

つかみ片の仕様

折線の長さ 5 0 mm

折線の湾曲度 折線の両端を結ぶ最短直線と折線中央部との距離

1 mm つかみ片 2 3を予め起こした実施例サンプルと、 比較例サンプルのそれぞれに 9 5 ° Cの熱湯を 5 0 0 c c注入した。 3分後に実施例サンプルのっかみ片 2 3 を両手で両側から持つ場合と、 比較例サンプルの胴部の上部を両手で持つ場合と を官能的に比較したところ、 実施例サンプルの方が比較例サンプルより遙に持ち 易く、 安全に取り扱えることが判った。

本発明のつかみ片付き断熱容器は上記の実施形態に限定されることなく、 本発 明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。

例えば、 カップ本体 2 0 Bとスリーブ 2 O Aとの間の断熱空間は、 スリーブ 2 O Aの内向きカール部 2 2とカップ本体 2 0 Bの水平リブ 3 4とによって規定さ れるものに限定されない。 カップ本体 2 0 Bの胴部 3 1とスリーブ 2 O Aの側壁 2 1との間に断熱部材を介在させてもよい。 但し、 つかみ片 2 3の上部には自由 空間のあることが望ましい。

本発明によるつかみ片付き断熱容器 2 0によれば、 容器の外装となるスリーブ 2 O Aの側壁 2 1の対向する位置に 2枚のつかみ片 2 3を設けているので、 内容 量が大きく、 形状が例えば丼型、 鍋型であっても、 熱湯調理、 あるいは電子レン ジ加熱調理後、 熱さを余り感じないで、 容易に持つことができる。 従って、 安全 に、 衛生的に食事の場に種々な調理食品を供し、 楽しく、 食べ易くさせることが 可能となる。 この効果は、 特に高齢者や、 身体障害者、 子供等に対するバリアー フリ一商品の提供を可能とするものである。 本発明による断熱容器 2 0は、 胴部外壁に凹凸がなく、 印刷の自由度が高く、 美しい、 精細な印刷が可能であって、 優れた印刷媒体となり、 広口の容器の場合 は、 蓋材への印刷効果も相まって、 店頭における優れた販促効果を発揮すること ができる。

本発明によるつかみ片付き断熱容器 2 0の内面のポリオレフィン系榭脂層から は、 これまでの断熱容器に使用されている発泡性ポリスチレンに見られる環境ホ ルモン等の疑惑物質の溶出がなく、 衛生面で安心感を与えることができる。

つかみ片 2 3を設けることによるコスト上昇は殆どなく、 合理的な経済コスト で断熱容器を提供することができる。

本発明による断熱容器は、 使用後は紙製品として廃棄され、 また減容化が容易 であるので廃棄処理性が良好であり、 さらに、 リサイクルも可能であるので、 環 境負荷の低減に貢献することができる。 第 1 0図は本発明による第 4の実施形態の断熱容器としての紙カップを、 第 1 1図はその紙カップの製造手順の概略をそれぞれ示している。

第 1 0図に示すように、紙カップ 4 1は容器本体としての紙カツプ本体 4 2と、 その外周を覆うスリーブ 4 3とを組み合わせて構成される。 カップ本体 4 2は胴 部 （側壁） 4 2 aと底部 4 2 bとを有する略円錐台形に形成されている。 底部 4 2 bはその外周端を第 1 0図において下方に折り曲げるように絞り加工され、 こ れにより底部 4 2 bは第 1 0図においてその断面形状が下方に向けて開口する略 「コ j の字型に形成される。 この底部 4 2 bの外周部の折り曲げ部分には、 胴部 4 2 aが外側から包み込むように接着されている。 これにより、 カップ本体 4 2 の糸尻 4 2 fが形成される。

カップ本体 4 2の口部には外側に向かってカールされたカール部 4 2 cが設け られる。 カップ本体 4 2の胴部 4 2 aには、 リブ 4 2 d、 4 2 eが胴部 4 2 aを それぞれ一周するように設けられる。 リブ 4 2 dは胴部 4 2 aの内側に突出し、 リブ 4 2 eは胴部 4 2 aの外側に突出する。 これらのリブ 4 2 d、 4 2 eにより カップ本体 4 2が補強される。 上側のリブ 4 2 dは、 カップ本体 4 2への注入物

(例えば湯） の適量位置を示すピー夕一線としても機能する。 下側のリブ 4 2 e はリブ 4 2 dよりも幾らか大きく形成される。 リブ 4 2 d、 4 2 eはスリーブ 4 3の内面と接触しないようにそれぞれの突出量が定められる。

なお、 リブ 4 2 dはカップ本体 4 2の外側に突出させてもよく、 リブ 4 2 eは カップ本体 4 2の内側に突出させてもよい。

カップ本体 4 2の素材としては、 例えば坪量 1 5 0〜4 0 0 g /m²の紙 （例 えば、 厚み 0 . 3〜 0 . 3 4 mm程度の紙） が使用される。 カップ本体 4 2の少 なくとも内面は、耐熱性や耐水性を高めるための被覆層（例えばポリエチレン層） にて覆われる。 なお、 上述した各実施形態と同様に、 ポリオレフイン系樹脂の中 からさらに無添加の樹脂を選んで力ップ本体 4 2の被覆層に使用することが望ま しい。

スリーブ 4 3は紙カップ 4 1の断熱性を高めるために設けられる。 第 1 0図に 示すように、 スリーブ 4 3の下端には内側に向けてカールされたカール部 4 3 a が形成される。 スリーブ 4 3の上端部 4 3 bはカップ本体 4 2の胴部 4 2 aに接 着されるとともに、 カール部 4 3 aはカップ本体 4 2の糸尻 4 2 f の側面に対向 する。 カール部 4 3 aがスぺ一サ一として機能してスリーブ 4 3がカップ本体 4 2から引き離され、 これによりカップ本体 4 2の胴部 4 2 aとスリーブ 4 3とめ 間に断熱層として機能する空間が確保される。 スリーブ 4 3の素材には、 例えば 坪量 1 5 0〜4 0 0 g Zm²の紙が用いられる。 なお、 スリーブ 4 3は特に湯や 水に触れないため、 カップ本体 4 2のような被覆層は省略してもよい。

第 1 1図に示すように、 胴部 4 2 aと底部 4 2 bとを接着した後、 リブ 4 2 d およびリブ 4 2 eを形成してカップ本体 4 2が形成される。 また、 扇形のブラン ク 4 3 ' の両端部 4 3 c、 4 3 cを貼り合わせ、 下端に内向きのカール部 4 3 a を形成してスリーブ 4 3が形成される。 そして、 カップ本体 4 2のカール部 4 2 cの下方に設定された所定の接着範囲 （第 1 1図のハッチング領域） B Dに接着 剤をスプレー塗布してカップ本体 4 2とスリーブ 4 3とを組み合わせ、 スリーブ 4 3の上端部 4 3 bとカップ本体 4 2の胴部 4 2 aとを相互に接着して紙カップ 4 1が形成される （接着範囲 B Dについて第 1 6図参照） 。

なお、 リブ 4 2 dがカップ本体 4 2の半径方向外側に膨らむ場合には、 接着範 囲 B Dがリブ 4 2 dにかからないように設定される。 第 1 2図はスリーブ 4 3のカール部 4 3 a周辺を示す拡大断面図、 第 1 3図お よび第 1 4図はカール部 4 3 aの形状を説明する断面図である。 なお、 第 1 2図 〜第 1 4図は力ップ本体 4 2の中心線 C Lを鉛直方向に設定した場合における鉛 直断面を示す。

第 1 2図に示すように、糸尻 4 2 f の下端、すなわちカップ本体 4 2の下端は、 カール部 4 3 aの下端、 すなわちスリーブ 4 3の下端よりも下方に突出されてい る。 したがって紙カップ 4 1をテーブル等に置いた場合には、 内容物が入れられ たカップ本体 4 2がテーブル等と直接接触する。 カップ本体 4 2の糸尻 4 2 f は 丈夫であり、 その下端の平面性 （高さが揃っていること） は比較的良好である。 このため、 紙カップ 4 1が安定する。 なお、 第 1 2図における 「Aj はカール部 4 3 aからのカップ本体 4 2の突出量を示す。

これに対して、 仮にカール部 4 3 aの下端がテーブル等と接触する場合には、 カール部 4 3 aの下端の平面性が糸尻 4 2 f に比べて劣るうえに、 カップ本体 4 2がスリーブ 4 3を介して支持されることになつてスリーブ 4 3の変形を招くた め、 紙カップ 4 1の安定性が悪くなる。

糸尻 4 2 f の下端はカール部 4 3 aの下端に対して 0 . 0 l〜5 mmの突出量 で突出させることが望ましい。 この範囲であれば、 カップ本体 4 2の突出が目視 で気にならず、 しかも確実に糸尻 4 2 fがテーブル等に当接して紙カップ 4 1が 安定する。

なお、 容器本体の下端をスリーブの下端よりも下方に突出させる構成は、 スリ ーブに内向きのカール部が形成されていない場合やカップ本体に糸尻が形成され ていない断熱容器にも適用できる。

第 1 2図に示すように、 糸尻 4 2 f の下端の外周位置は、 カール部 4 3 aにお けるカップ本体 4 2の中心線 C Lに最も接近した部位 （カール部 4 3 aの内周側 の端部） よりもカップ本体 4 2の中心線 C L側に位置する。 第 1 2図の 「B j は 糸尻 4 2 f の外周の下端と、 カール部 4 3 aとの間の、 カップ本体 4 2の半径方 向における変位量を示す。 この変位量を 0 . 0 1〜 l mmの範囲に設定すること により、 組み立ての円滑性を確保しつつ、 紙カップ 4 1の変形を抑制することが できる。 また、 カール部 4 3 aにおけるカップ本体 4 2の中心線 C Lに最も接近 45 した部位と、 この部位に向き合う糸尻 4 2 f の側面との間に隙間が形成されてい る。 この隙間 （第 1 2図の 「D」 ） を 0 . 0 1〜 l mmの範囲に設定することに より、 組み立ての円滑性を確保しつつ紙カップ 4 1の変形を抑制できる。

第 1 2図および第 1 3図において、 「X」 は鉛直軸の方向 （カップ本体 4 2の 中心線の方向に等しい） を、 「Y」 はカール部 4 3 aに巻き込まれた紙の先端が 指し示す方向 （カール部 4 3 aの先端を延長した方向） をそれぞれ示す。 第 1. 2 図に示すように、 カール部 4 3 aでは、 巻き込まれた紙の先端の向きが鉛直上向 き方向を超えて時計回りに回転する状態となるまで紙の先端が巻き込まれている。 これにより、 カップ本体 4 2とスリーブ 4 3とを組み立てるに際して、 糸尻 4 2 fがカール部 4 3 aの紙の先端に引っ掛かりにくくなり、 両者を円滑に組み立て ることができる。

これに対して、 第 1 3図 （a ) では紙の先端の向きが鉛直上向き方向に到るま で紙の先端が巻き込まれていない。 このように、 紙の先端が鉛直上向きに到らず カール部 4 3 aが上向きに開いた状態とされている場合には、 カップ本体 4 2と スリーブ 4 3とを組み立てるに際して、 カール部 4 3 aにカップ本体 4 2の糸尻 4 2 f が引っ掛かりカール部 4 3 aを押し開きやすくなるので好ましくない。 なお、 第 1 3図 （b ) では紙の先端が鉛直上向き方向を超えて回転するまで巻 き込まれた状態の一例を示しており、 カール部 4 3 aに糸尻 4 2 fが引っ掛かり にくくなつている。 また、 第 1 2図では、 カール部 4 3 aの紙の先端が第 1 3図 ( b ) の状態からさらに時計回り方向に巻き込まれた状態を示し、 さらに糸尻 4 2 f が引っ掛かりにくい。

また、 第 1 3図 （c ) ではカール部 4 3 aにおける紙の先端の向きが鉛直上向 き方向に到らないが、 カール部 4 3 aにおけるカップ本体 4 2の中心線 C Lに最 も接近した部位よりも、 この紙の先端が容器の外側方向に位置している。 なお、 第 1 3図 （c ) の 「P」 はカール部 4 3 aの内周面に接する鉛直線、 すなわち力 ール部 4 3 aがカップ本体 4 2の中心線 C Lに最も接近した水平方向の位置を示 している。

このように、 カール部 4 3 aにおけるカップ本体 4 2の中心線 C Lに最も接近 した部位よりも、 この紙の先端が容器の外側方向に位置するという要件を満たし ていればカール部 43 aに糸尻 42 fが引っ掛かりにくくなる。 なお、 第 12図 および第 13図 （b) は、 双方とも上記要件を満す場合を示している。 一方、 第 13図 （a) では、 紙の先端部において最もカップ本体 42の中心線 CLに接近 しており、 上記要件を満たしていない。 この場合には、 糸尻 42 fがカール部 4 3 aの紙の先端に引っ掛かりやすい。

さらに、 カール部 43 aに巻き込まれる紙の先端と、 スリーブ 43の内壁面と の間の隙間を lmm以下とすることにより、 カップ本体 42とスリーブ 43とを 組み立てるに際して糸尻 42 fがカール部 43 aに引っ掛かりにくくなる。また、 この隙間を糸尻 42 f の厚さよりも狭く設定することにより、 組み立て時に糸尻 42 f がこの隙間からカール部 43 aの内側に進入してカール部 43 aを押し開 くおそれが著しく減少する。第 14図（a)、第 14図（b)および第 14図（c) はそれぞれこの隙間が C 1、 C 2および C 3 (C 1>C 2〉C 3) の場合を示し ており、 第 14図 （b) の C 2は糸尻 42 f の厚みに一致している。 また、 第 1 4図 （c) は第 12図のカール部 43 aに相当する。

第 1 5図 （a) は糸尻 42 f の付近を示す断面図である。 第 15図 （a) に示 すように、 糸尻 42 f は糸尻 42 f よりも上方の胴部 42 aの外壁面を延長して 得られる延長線 Rよりも容器内側に位置付けられるように、 容器内側に向けて倒 しこまれている。 このように糸尻 42 f を容器内側に傾けることにより、 カップ 本体 42とスリーブ 43とを組み立てるときに糸尻 42 fがカール部 43 aに引 つ掛かりにくくなる。

また、 第 1 5図 （a) に示すように、 糸尻 42 f の先端には容器内側に向けて バリ 42 gが突出している。 カップ本体 42の製造工程において、 糸尻 42 f を 形成した後にカール部 42 cを形成するが、 カール部 42 cの形成工程ではカツ プ本体 42を固定させるために糸尻 42 f を当て部材に強く押しつけるため、 糸 尻 42 f の先端部には必然的にバリが生じる。 しかし、 ノ、'リを第 1 5図 （a) に 示すように容器内側に向けて突出させ、 容器外側に突出するバリを生じさせない ように構成することにより、 さらに糸尻 42 f がカール部 43 aに引っ掛かりに くくなる。

第 1 5図 （b) では、 糸尻が胴部 （側壁） の延長線 Rに沿って延びるとともに、 容器外側にバリ 4 2 hが突出している。 この形状は通常の紙カップに相当するも のであるが、 このような形状にカップ本体 4 2を形成した場合にはバリ 4 2 hが 延長線 Rの外側にまで突出するため、 糸尻がカール部 4 3 aに引つかかりやすく なる。

糸尻 4 2 f を容器内側に向けて倒しこむように形成するためには、 底部 4 2 b と胴部 4 2 aとを重ね合わせて糸尻 4 2 f .を形成する際に、 糸尻 4 2 f を容器内 側に押し倒すような圧力を加えつつ、 底部 4 2 bと胴部 4 2 aとを互いに接着す ればよい。 例えば、 ローレットロールにより接着する場合には、 糸尻 4 2 f を外 側から受ける受け部材の受け面を容器内側に傾けるとともに、 糸尻 4 2 f を内側 から押さえ付ける回転体の側面を、受け部材に合わせたテーパー面とすればよい。 糸尻 4 2 fが予め内側に傾けられている場合には、 その後の工程、 例えばカール 部 4 2 cの形成工程において糸尻 4 2 f の先端に生じるバリは内側に突出するも のとなるため、 最終的に第 1 5図 （a ) に示すような形状の糸尻 4 2 f を形成す ることができる。

また、 糸尻を形成した後、 カール部 4 2 cを形成する前に、 糸尻に圧力を加え て糸尻を第 1 5図 （a ) に示すような形状に加工してもよいし、 カール部 4 2 c の形成時に糸尻の先端を内側に絞り込むような形状の当て部材を用いて、 カップ 本体 4 2を固定するようにしてもよい。 後者の場合には、 カール部 4 2 cの形成 と同時に糸尻全体あるいは糸尻の先端部を内側に倒し込むことができる。

第 1 6図 （a ) は、 カップ本体 4 2の中心線 C Lを鉛直方向に置いた場合にお ける、 カップ本体 4 2とスリーブ 4 3との接着部分を示す鉛直断面図である。 第 1 6図 （a ) に示すように、 胴部 4 2 aは湾曲して形成され、 接着範囲 B Dに対 向する部位が、 この部位よりも下方の部位の延長線 （第 1 6図の直線 「S j ) に 対して容器内側方向に傾いている。 これにより、 接着範囲 B Dにおける胴部 4 2 aの方向とスリーブ 4 3の方向とがー致して両者がよく密着するため、 充分な接 着強度を得ることができる。 なお、 第 1 6図の直線 「T」 は接着範囲 B Dにおけ る胴部 4 2 aの方向を示す。 胴部 4 2 aを湾曲させる代わりに、 第 1 6図 （b ) の鉛直断面図に示すように、 スリーブ 4 3を湾曲させて胴部 4 2 aと密着させて もよい。 第 16図 （a) において直線 「U」 はカール部 42 cの下端を通る水平面を、 直線 「V」 は接着範囲 BDの上端を通る水平面を、 直線 「W」 は接着範囲 BDの 下端を通る水平面を、 それぞれ示す。 ここで接着範囲 BDの鉛直方向の幅、 すな わち第 16図 （a) における直線 「V」 と直線 「W」 との距離は 3mm以上とさ れ、 これにより充分な接着強度を得るようにしている。 また、 接着範囲 BDの上 端とカール部 42 cの下端との間の距離、 すなわち第 16図 （a) における直線 「V」 と直線 「U」 との距離は lmm以上とされ、 これによりユーザーが口をつ ける部位であるカール部 42 cに接着剤が付着しないように考慮されている。 さ らに、 直線 「V」 で示す接着範囲 BDの上端は、 スリーブの上端 43 cよりも下 方に位置する。 これにより、 スリーブ 43の上端 43 c側から接着剤がはみ出す おそれがなくなる。

第 1 1図に示す工程に従って紙カップ 41を製造する際に、 カップ本体 42'の カール部 42 c直下の外径 （第 10図において 「E」 で示す部位） と、 その部位 におけるスリーブ 43の内径との差が— 1. 0〜十 0. 5 mmの範囲となるよう にカップ本体 42およびスリーブ 43を予め形成し、 接着範囲 BDを介して両者 を接着している。 このような寸法関係を採用することにより、 接着範囲 BDにお ける充分な接着力を確保するとともに、 カップ本体 42の胴部 42 aにしわを発 生させるおそれもない。

第 1 7図に示すように、 スリーブ 43のカール部 43 aを糸尻 42 f よりも上 方の胴部 42 aに対向させてもよい。 この場合には、 カール部 43 aと胴部 42 aとの隙間 （D' ) を 0. 0 l〜lmmの範囲に設定することにより、 紙カップ 41の変形を抑制できるとともに、 胴部 42 aにしわを発生させることもない。 本実施形態の紙カップ 41において、 カール部 43 aを形成する紙の曲率半径

(第 12図の断面における曲率半径） は 0. 6〜2. 0mmの範囲とするのが望 ましい。 この範囲に設定することにより、 紙が割れることなく、 しかもカップ本 体 42とスリーブ 43とを組み立てる際に、 カップ本体 42の糸尻 42 f が力一 ル部 43 aに引っ掛かることが防止され、 円滑な組み立てが可能となる。 上記曲 率半径のさらに好ましい範囲は、 1. 1〜1. 5mmである。 第 18図 （a) 〜

(d) では、 それぞれこの曲率半径が順に小さくされたカール部 43 aの形状の 例が示されている。 すなわち R 1>R2>R3>R4である。 なお、 第 12図に 示すカール部 43 aの形状は、 第 18図 （d) に対応している。

第 19図 （a) および第 19図 （b) は、 扇形のブランク 43 ' の一部拡大図 である。 第 19図 （a) の符号 51は、 ブランク 43 ' の他端と重ね合わされて 接着される重ね合わせ領域を、 符号 52はカール部 43 aが形成される領域をそ れぞれ示す （第 1 1図参照） 。 第 19図 （a) に示すように、 領域 5 1および領 域 52はブランク 43' の角部で互いに重なり合つている。 その重複部分には、 ブランク 43' の隅を直線で切り落としたカット部 53が形成されている。 外観 上目立つことがないように、 カット部 53は接着されるブランク 43 ' の両端部 のうちの容器内側に配される側の端部に設けられる。

第 19図 （a) に示すように、 カット部 53により切り落とされた領域は、 力 —ル部 43 aに対応する領域 52をこえて上方に延びている。 また、 第 1 9図 (b) に示すように、 カット部 53によって、 カール部 43 aに対応する領域 5 2における重ね合わせ面積が 50パーセント以上減らされている。 すなわち、 第 19図 （b) において、 符号 54はカット前の領域 52および領域 5 1が重なり 合った重なり領域のうち、 カット部 53の形成によりカツ卜された領域を示して おり、 領域 54は重なり領域全体の 50%以上の面積を占めている。

このようなカット部 53を設けることにより、 ブランク 43' が重なり合った 部分についても連続的なカール形状が形成でき、 カール部 43 aの全体にわたり 良好な形状を得ることができる。

カール部 43 aに対応する領域 52では、スリーブ 43の外周面に OPニス（ォ —バープリントニス） が塗布されている。 この OPニスは、 スリーブ 43の外周 面に形成された印刷面の保護層として、 印刷面の上から印刷等によって塗布され る。 例えば、 グラビア印刷の場合にはセルロース系樹脂を、 オフセット印刷の場 合にはアクリル樹脂を、 それぞれ主成分とする OPニス等が用いられる。 その厚 みとしては、 グラビア印刷の場合には、 2〜3 zm程度、 オフセット印刷の場合 には、 1 im程度である。

このような OPニスによる保護層は、 カール部 43 aの形成時にブランク 4 3' の滑りを良くする摩擦低減層として機能するため、 保護層を設けることによ りカール部 4 3 aを容易に形成することができる。

上記の実施形態では、 印刷面を保護するための O Pニスを摩擦低減層として兼 用する場合について説明したが、 領域 5 2に印刷層の保護層とは別の摩擦低減層 を設けても良い。 また、 印刷層の保護層を形成しない場合において、 領域 5 2に 摩擦低減層を形成してもよい。 さらに、 摩擦低減層をスリーブ 4 3の内面 （容器 中心に向いた面）に形成してもよいし、内面および外面の両面に形成してもよい。 なお、 第 1 0図では、 紙カップ 4 1を開口部の外径が高さよりも小さいコップ 型として示したが、 上述した第 1〜第 3の実施形態と同様に、 紙カップ 4 1は開 口部の外径が高さよりも大きい丼又はボウル型に形成してもよい。 スリーブ 4 3 にっかみ片を設けてもよい。 第 2 0図は本発明による第 5の実施形態の断熱容器としての紙カップを、 第 2 1図はその紙力ップの製造手順の概略をそれぞれ示している。

これらの図に示すように、 紙カップ 6 1は、 容器本体としての紙カップ本体 6 2とその外周を覆うスリーブ 6 3とを組み合わせて構成される。 カップ本体 6 2 は胴部 （側壁） 6 2 aと底部 6 2 bとを有する略円錐台形に形成される。 カップ 本体 6 2の口部には外側に向かってカール部 6 2 cが形成される。 カール部 6 2 cの成形後、 胴部 6 2 aにリブ 6 2 d , 6 2 eがそれぞれ力ップ本体 6 2の半径 方向内側または外側に膨らむように形成される。 リブ 6 2 dはカップ本体 6 2へ の注入物（例えば湯） の適量位置を示すピー夕一線として設けられている。一方、 リブ 6 2 eはカップ本体 6 2を補強するために設けられる。 リブ 6 2 eはリブ 6 2 dよりも幾らか大きく形成される。 リブ 6 2 d , 6 2 eはスリーブ 6 3の内面 と接触しないようにそれぞれの突出量が定められる。 カップ本体 6 2の素材には 例えば坪量 1 5 0〜4 0 0 g /m²の紙が使用され、 少なくともその内面は耐熱 性や耐水性を高めるための被覆層（例えばポリエチレン層） にて覆われる。なお、 リブ 6 2 dは力ップ本体 6 2の外側に突出させてもよく、 リブ 6 2 eはカツプ本 体 6 2の内側に突出させてもよい。

スリーブ 6 3は紙カップ 6 1の断熱性を高めるために設けられる。 第 2 1図か ら明らかなように、 扇形のブランク 6 3 ' の両端部 6 3 c、 6 3 cを貼り合わせ、 下端に内向きのカール部 6 3 aを形成してスリーブ 6 3が形成される。 そして、 カップ本体 6 2のカール部 6 2 cの直下に設定された所定の接着範囲 （第 2 1図 のハッチング領域） B Dに接着剤 6 4を塗布してカップ本体 6 2とスリーブ 6 3 とを組み合わせ、 スリーブ 6 3の上端部 3 bとカップ本体 6 2の胴部 6 2 aとを 相互に接着して紙カップ 6 1が形成される。 なお、 リブ 6 2 dがカップ本体 6 2 の半径方向外側に膨らむ場合には、 接着範囲 B Dがリブ 6 2 dを含まないように 設定される。 スリーブ 6 3の素材には例えば坪量 1 5 0〜4 0 0 g /m²の紙が 用いられる。 スリーブ 6 3が湯や水に触れるおそれがない場合、 カップ本体 6 2 のような被覆層をスリーブ 6 3に設ける必要はない。

第 2 2図に示すように、 カール部 6 2 cの断面形状は、 真円をカップ本体 6 2 の軸線方向 （第 2 2図の上下方向） に押し潰したような形状、 換言すればカップ 本体 6 2の軸線方向と直交する方向に扁平な形状であり、 その外周端には霽線 6 2 f が薄く生じている。 そして、 カップ本体 6 2の厚さを tとしたとき、 カール 部 6 2 cの軸線方向の高さ Aと、それに直交する方向の幅 Bとの間には下式（1 ) の関係がある。

2 t <A < B …… （1 )

すなわち、 カール部 6 2 cの高さ Aは、 カップ本体 6 2の厚さ tの 2倍よりも 大きくカール部 6 2 cの幅 Bよりも小さい。 このようにカール部 6 2 cを扁平な 形状に形成すれば、 カール部 6 2 cにフィルム状の蓋材 6 6を貼り付けるとき、 カール部 6 2 cと蓋材 6 6とが接着剤 6 5を介して接合される幅 Cを拡大して蓋 材 6 6を所定の強度で確実に接合することができる。 なお、 接合強度の好適範囲 はカップ本体 6 2の内部に収容される物品の種類に応じて変化する。一例として、 即席麵のように蓋材 6 6を一部剥がした状態でカップ本体 6 2内に熱湯を注ぎ、 一定時間経過後に蓋材 6 6を取り除く場合には、 蓋材 6 6を剥離する力が 4 0 0 〜9 0 0 g f 1 5 mm幅となるように接合強度を設定するとよい。

なお、 第 2 0図では、 紙カップ 6 1を開口部の外径が高さよりも大きい丼型に 描いている力 紙カップ 6 1は開口部の外径が高さよりも小さいコップ型の断熱 容器として構成してもよい。 スリーブ 6 3の外周面には商標等の印刷が施される 、 その印刷はブランク 6 3 ' の段階で行われる。 以下では、 印刷が施される面 をブランク 6 3 ' の表面と呼び、 その反対側の面を裏面と呼ぶ。 第 2 3図〜第 2 5図は上述したスリーブ 6 3の製造装置を示すもので、 第 2 3 図は平面図、 第 2 4図は第 2 3図の XXIV方向からの側面図、 第 2 5図は第 2 3図の XXV部の拡大図である。 これらの図に示すように、 製造装置 1 0 1 0は、 工場の床面上に設置されるフレーム 1 0 1 1と、 駆動装置 1 0 1 2とを有してい る。 駆動装置 1 0 1 2は、 駆動源としてのモー夕 1 1 2 0の回転をチェーン、 ギ ャ等の周知の伝達要素を介して製造装置 1 0 1 0の各部に分配する。 フレーム 1 0 1 1の上部には、 ターンテーブル 1 0 1 3が鉛直方向の回転軸 1 1 3 0を中心 として回転可能に設けられている。 ターンテーブル 1 0 1 3の外周には、 ブラン ク 6 3 ' を巻き付けるための 8個のマンドレル 1 0 1 4 ··· 1 0 1 4が夕一ンテー ブル 1 0 1 3の回転方向に等間隔 （4 5 ° ) で取り付けられている。

第 2 6図にも示したように、 マンドレル 1 0 1 4は、 先端に向かうほど直径が 減少するテーパ軸状の外周面を備えた胴部 1 1 4 0を有している。 胴部 1 1 4 0 の中心線はターンテーブル 1 0 1 3の半径方向に向けられている。 胴部 1 1 4 0 はスリーブ 6 3の寸法に応じて変更されるが、 その全長はスリーブ 6 3の軸線方 向の高さよりも短い。 ターンテーブル 1 0 1 3の中心軸 1 1 3 0は間欠駆動機構 1 0 1 5を介して駆動装置 1 0 1 2と連結される。 間欠駆動機構 1 0 1 5は、 駆 動装置 1 0 1 2から導かれる連続的な回転運動をターンテーブル 1 0 1 3の間欠 的な回転運動に変換する。 このような間欠駆動機構 1 0 1 5としては、 例えばゼ ネバ機構等の周知の機構を用いることができる。

間欠駆動機構 1 0 1 5により、 夕一ンテーブル 1 0 1 3は一回につき 4 5 ° の 割合で第 2 5図の矢印 F方向に間欠的に回転駆動される。 これにより、 ターンテ —ブル 1 0 1 3の周囲にはマンドレル 1 0 1 4の停止位置として、 マンドレル 1 0 1 4と同数のステーション S T〜S Tが規定される。 そして、 ターンテーブル 1 0 1 3の周囲には、 スリーブ 6 3の製造に必要な装置として、 巻き付け装置 1 0 3 0、 補助シール装置 1 0 5 0、 カール準備装置 1 0 6 0、 カール加工装置 1 0 7 0 A、 1 0 7 0 B、 1 0 7 0 Cおよびスリーブ排出装置 1 0 8 0が各ステー シヨン S Tに振り分けるようにして設けられている。 また、 巻き付け装置 1 0 3 0の側方にはブランク供給装置 1 0 2 0が設けられている （第 2 3図および第 2 4図参照） 。 さらに、 ターンテーブル 1 0 1 3の上方には主シール装置 1 0 4 0 が設けられている。 各装置の概要は次の通りである。

ブランク供給装置 1 0 2 0は、 ブランク 6 3 ' の一端部 6 3 cに接着剤を塗布 して巻き付け装置 1 0 3 0に一枚ずつ供給する。 巻き付け装置 1 0 3 0は、 供給 されたブランク 6 3 ' をマンドレル 1 0 1 4に巻き付ける。 主シール装置 1 0 4 0は、マンドレル 1 0 1 4上に巻き付けられたスリーブ 6 3の継ぎ目部 6 3 d (第 2 1図参照） を拘束してその接着を促進する。 補助シール装置 1 0 5 0は、 継ぎ 目部 6 3 dのうち、 マンドレル 1 0 1 4の先端からはみ出た部分を押さえてその 接着を促進する。 カール準備装置 1 0 6 0は力一ル部 6 3 aの加工に備えてスリ ーブ 6 3の端部にカールを促進する材料 （例えばシリコン液） を塗布する。 カー ル加工装置 1 0 7 0 A、 1 0 7 0 B、 1 0 7 0 Cはスリーブ 6 3の軸端にカール 部 6 3 aを加工する。 そして、 スリーブ排出装置 1 0 8 0は、 完成したスリーブ 6 3をマンドレル 1 0 1 4から取り出して装置 1 0 1 0の外へ搬出する。

第 2 7図〜第 3 1図はブランク供給装置 1 0 2 0の詳細を示している。 第 2 7 図および第 2 8図に示すように、 ブランク供給装置 1 0 2 0の前半部には、 ブラ ンクホルダ 1 0 2 1と、 ブランク取り出し装匱 1 0 2 2と、 コンベア （第 1の搬 送装置） 1 0 2 3と、 接着剤塗布装置 1 0 2 4とが設けられている。 また、 第 3 0図および第 3 1図に示すように、 ブランク供給装置 1 0 2 0の後半部には、 ホ ィール装置 （反転装置、 迂回装置） 1 0 2 5と、 ブランク送り込み装置 （第 2の 搬送装置） 1 0 2 6とが設けられている。

第 2 7図〜第 2 9図に示すように、 ブランクホルダ 1 0 2 1は、 フレーム 1 0 1 1に支持されたべ一ス 1 2 1 0と、 そのベース 1 2 1 0の取出口 1 2 1 0 aの 周囲に取り付けられた多数のロッド 1 2 1 1とを有している。 ロッド 1 2 1 1の 下端には拡大部 1 2 1 1 aが設けられ、 それらの上方に多数のブランク 6 3 ' が その表面 （印刷が施された面） を上にして積層される。

ブランク取り出し装置 1 0 2 2は、 ブランクホルダ 1 0 2 1の取出口 1 2 1 0 aの下方に配置された吸引ュニット 1 2 2 0と、 その吸引ュニッ卜 1 2 2 0を上 下に駆動するエアーシリンダ 1 2 2 1とを有している。 吸引ュニット 1 2 2 0は その上端に複数の吸盤 1 2 2 2… 1 2 2 2を備えている。装置 1 0 1 0の稼働中、 エアーシリンダ 1 2 2 1は一定の周期で吸引ュニット 1 2 2 0を上下に往復駆動 する。 吸引ュニット 1 2 2 0が上昇すると吸盤 1 2 2 2がブランクホルダ 1 0 2 1の下端のブランク 6 3 ' の下面に押し付けられ、 それに同期して不図示の吸引 手段により吸盤 1 2 2 2の吸着面からエアーが吸引されてブランク 6 3 ' が吸盤 1 2 2 2に吸着される。 吸着されたブランク 6 3 ' は、 吸引ュニット 1 2 2 0の 下降に伴ってロッド 1 2 1 1の拡大部 1 2 1 1 aを乗り越え、 コンベア 1 0 2 3 のガイドレール 1 2 3 0 , 1 2 3 1上に移される。 ブランク 6 3 ' がレール 1 2

3 0 , 1 2 3 1上に取り出されると、 吸盤 1 2 2 2からのエアーの吸引が停止し て吸盤 1 2 2 2がブランク 6 3 ' の下方へ離間する。 この動作の繰り返しによつ てブランク 6 3 ' が一枚ずっコンベア 1 0 2 3へ取り出される。 なお、 吸盤 1 2 2 2がブランク 6 3 ' の裏面に吸着するため、 印刷を傷めるおそれがない。

コンベア 1 0 2 3は、 上述したガイドレール 1 2 3 0 , 1 2 3 1と、 スプロケ ット 1 2 3 2 a , 1 2 3 2 b間に巻き掛けられてガイドレール 1 2 3 0と平行に 走行する一対のチェーン 1 2 3 3 , 1 2 3 3とを有している。 各チェーン 1 2 3

3にはブランク 6 3 ' と係合する複数の爪 1 2 3 4— 1 2 3 4が所定の間隔で取 り付けられている。 上述した駆動装置 1 0 1 2のチェーン 1 1 2 1等を介して駆 動部 1 2 3 5に伝達される回転運動により、 各チェーン 1 2 3 3は第 2 7図の矢 印 F方向に一定速度で連続的に駆動される。 これにより、ガイドレール 1 2 3 0 ,

1 2 3 1上に取り出されたブランク 6 3 ' がホイール装置 1 0 2 5に向けて一定 速度で送られる。 なお、 第 2 8図から明らかなように、 ブランク 6 3 ' は、 その 一端部 6 3 cがコンベア 1 0 2 3の搬送方向と平行になるようにして搬送される。 第 2 3図から明らかなように、 コンベア 1 0 2 3の搬送方向は、 巻き付け装置 1

0 3 0の直上に繰り出されるマンドレル 1 0 1 4の中心線 C Lと平行である。 第 2 7図および第 2 8図に示すように、 接着剤塗布装置 1 0 2 4は、 接着剤を 蓄える糊皿 1 2 4 0と、 下部が糊皿 1 2 4 0内の接着剤に浸される塗布ローラ 1

2 4 1と、 その塗布ローラ 1 2 4 1の上部に対向して配置された押えローラ 1 2

4 2と、 そのローラ 1 2 4 2を上下に駆動するエア一シリンダ 1 2 4 3とを有し ている。 塗布ローラ 1 2 4 1は、 コンベア 1 0 2 3の駆動部 1 2 3 5からチェ一 ン 1 2 4 4、 軸 1 2 4 5、 チェーン 1 2 4 6等を介して伝達される動力により、 コンベア 1 0 2 3によるブランク 6 3 ' の搬送に同期して一定速度で回転駆動さ れる。

チェーン 1 2 3 3により搬送されるブランク 6 3の一端部 6 3 cがガイドレー ル 1 2 3 0の搬送面 1 2 3 0 aからローラ 1 2 4 1の上端へと移動すると、 エア ーシリンダ 1 2 4 3によりローラ 1 2 4 2がローラ 1 2 4 1側へ押し込まれて口 ーラ 1 2 4 1 , 1 2 4 2間にブランク 6 3 ' の一端部 6 3 cが挟まれる。 これに より、 糊皿 1 2 4 0に蓄えられた接着剤が塗布ローラ 1 2 4 1の外周を介してブ ランク 6 3 ' の一端部 6 3 cの裏面側に塗布される。 接着剤塗布後のブランク 6 3 ' はコンベア 1 0 2 3によりホイール装置 1 0 2 5まで送られる。

第 3 0図および第 3 1図に示すように、 ホイール装置 1 0 2 5は、 フレーム 1 0 1 1により、 コンベア 1 0 2 3の搬送方向に対して直交する軸線の周りに回転 自在に支持されたホイール軸 1 2 5 0と、 そのホイール軸 1 2 5 0に一体回転可 能に取り付けられた互いに平行な一対のホイール 1 2 5 1 , 1 2 5 1とを有して いる。 ホイール軸 1 2 5 0は、 コンペァ 1 0 2 3によるブランク 6 3 ' の搬送面 1 2 3 0 aとほぼ同一の高さに支持されている。 また、 各ホイール 1 2 5 1には ブランク 6 3 ' を受け入れるスリット 1 2 5 2— 1 2 5 2が周方向に一定のピッ チで形成されている。 ホイ一ル 1 2 5 1の直径は互いに等しく、 スリット 1 2 5 2の数および半径方向の深さも互いに等しい。 換言すれば、 ホイール軸 1 2 5 0 の中心から各スリット 1 2 5 2の内周側の端部までの距離はすべて同一である。 また、 各ホイール 1 2 5 1 , 1 2 5 1は、 装置 1 0 1 0を上方からみたときに、 巻き付け装置 1 0 3 0の真上に繰り出されたマンドレル 1 0 1 4の中心線 しに 関して対称に配置される。

第 3 1図から明らかなように、 ホイール軸 1 2 5 0の一端には、 間欠駆動機構 1 0 1 5から取り出された間欠的な回転運動がチェーン 1 2 5 3、 1 2 5 4およ びウォーム機構 1 2 5 5を介して入力される。ターンテーブル 1 0 1 3の回転と、 ホイール 1 2 5 2の回転との関係は、 ターンテーブル 1 0 1 3が 4 5 ° 回転する とそれに同期してホイール 1 2 5 2がスリツ卜 1 2 5 2のピッチ角だけ第 3 0図 の矢印 R方向に回転駆動されるように設定されている。 従って、 コンベア 1 0 2 3の終端 （第 3 0図の右端） には、 ターンテーブル 1 0 1 3が所定角度回転する毎に、 空のスリツト 1 2 5 2がほぼ水平となるように 割り出される。 その割り出されたスリット 1 2 5 2の内部に接着剤の塗布された ブランク 6 3 ' が搬入される。 スリット 1 2 5 2に搬入されたブランク 6 3 ' は、 ホイール 1 2 5 1の更なる回転によってブランク供給装置 1 0 2 3の後端側へ 徐々に搬送される。

ホイール 1 2 5 1によってホイール軸 1 2 5 0の周りにほぽ 1 8 0。 搬送きれ たブランク 6 3 ' は、 ブランク送り込み装置 1 0 2 6によってスリット 1 2 5 2 から抜き取られて巻き付け装置 1 0 3 0に送られる。 この段階で、 ブランク 6 3 ' はその表面 （印刷面） が下となるように反転されている。 しかも、 そのブランク 6 3 ' と、 巻き付け装置 1 0 3 0上のマンドレル 1 0 1 4の中心線 C Lとの関係 は、 ホイール 1 2 5 1への取り込み前と比較して、 ブランク 6 3 ' が中心線 C L に関して左右対称となるように変化している。 その理由は、 ブランク 6 3 ' がホ ィール 1 2 5 1の回転に伴って上昇する過程でブランク 6 3 ' がスリット 1 2 5 2内を滑り落ち、 ブランク 6 3 ' の小径側の端縁 6 3 f (第 2 1図参照） が各ホ ィ一ル 1 2 5 1とスリット 1 2 5 2の内周側の端部で接触して支持されるためで ある。 ホイール 1 2 5 1によって 1 8 0 ° 搬送される間にブランク 6 3 ' の端部 6 3 cに塗布された接着剤は適度に乾燥する。 そのため、 巻き付け装置 1 0 3 0 にてマンドレル 1 0 1 4に巻き付けられたブランク 6 3 ' の継ぎ目部 6 3 dの接 着強度が高まる。

送り込み装置 1 0 2 6は、 ホイール 1 2 5 1によって搬送されてきたブランク 6 3 ' を受け止める一対のガイドレール 1 2 6 0 , 1 2 6 0と、 それらガイドレ ール 1 2 6 0と平行に延びる一対のキャリア 1 2 6 1 , 2 6 1と、 これらキヤり ァ 1 2 6 1を上下に駆動するエア一シリンダ 1 2 6 2と、 エアーシリンダ 1 2 6 2を支持するスライダ 1 2 6 3と、 そのスライダ 1 2 6 3をガイドレール 1 2 6 0と平行に移動可能に支持する直線案内装置 1 2 6 4とを有している。 スライダ 1 2 6 3には上下に延びるカム溝 1 2 6 3 aが形成され、 そのカム溝 1 2 6 3 a はカムホイール 1 2 6 5に取り付けられたカムフォロア 1 2 6 5 aと嵌合する。 カムホイール 1 2 6 5は、 駆動装置 1 0 1 2からチェーン 1 1 2 2等を介して 伝達される回転運動により一定方向に一定速度で回転駆 »Jされる。 このカムホイ ール 1 2 6 5の回転がカムフォロア 1 2 6 5 aとカム溝 1 2 6 3 aとによってス ライダ 1 2 6 3の直線運動に変換されてキヤリァ 1 2 6 1がガイドレール 1 2 6 0と平行な方向に往復運動する。

キャリア 1 2 6 1が巻き付け装置 1 0 3 0に向かって前進するときは、 エアー シリンダ 1 2 6 2によってキャリア 1 2 6 1が持ち上げられ、 キャリア 1 2 6 1 の後端 （第 3 0図の左端） の爪 1 2 6 1 aがガイドレール 1 2 6 0に受け止めら れたブランク 6 3 ' と係合する。 そのため、 キャリア 1 2 6 1の前進に伴ってブ ランク 6 3 ' がホイール 1 2 5 1から送り出される。 キャリア 1 2 6 1がホイ一 ル 1 2 5 1側へ戻るときはキャリア 1 2 6 1が下降する。 これにより、 爪 1 2 6 1 aはホイール 1 2 5 1の次の回転によってガイドレール 1 2 6 0上に降りてく る次のブランク 6 3 ' と干渉することなくそのブランク 6 3 ' の内周側に戻され る。

爪 1 2 6 1 aによってホイール 1 2 5 1から取り出されたブランク 6 3 ' は、 次にキヤリア 1 2 6 1が前進するときにその先端の爪 1 2 6 1 bと係合して巻き 付け装置 1 0 3 0の直上まで送り込まれる。 このとき、 ブランク 6 3 ' は、 所定 の位置決め基準面 （不図示） に突き当てられて中心線 C Lの方向に正確に位置決 めされる。 なお、 キャリア 1 2 6 1の往復運動の周期は、 ターンテーブル 1 0 1 3の間欠的な回転運動の周期と等しい。 ターンテーブル 1 0 1 3が回転してスリ —ブ 6 3が巻かれていないマンドレル 1 0 1 4が巻き付け装置 1 0 3 0の真上に 繰り出されるとき、 キャリア 1 2 6 1が前進して巻き付け装置 1 0 3 0にブラン ク 6 3 ' が供給される。

第 3 2図は巻き付け装置 1 0 3 0の詳細を示している。 巻き付け装置 1 0 3 0 は、 フレーム 1 0 1 1に固定されたべ一ス 1 0 3 1と、 そのべ一ス 1 0 3 1に軸 1 3 1 0を介して回動可能に取り付けられた一対のアーム 1 0 3 2 , 1 0 3 2と、 それらアーム 1 0 3 2、 1 0 3 2を軸 1 3 1 0の周りに駆動する駆動機構 1 0 3 3と、 軸 1 3 1 0に重なり合うようにしてベース 1 0 3 1に取り付けられたセン 夕押し装置 1 0 3 4とを有している。 アーム 1 0 3 2には、 マンドレル 1 0 1 4 の軸部 1 1 4 0の外周面に沿って湾曲した内周面 1 3 2 0 aを有する巻き付け具 1 3 2 0が取り付けられている。

駆動機構 1 0 3 3は水平な駆動軸 1 3 3 0を備えている。 駆動軸 1 3 3 0の軸 端にはスプロケッ卜 1 3 3 0 aが設けられ、 そのスプロケット 1 3 3 0 aにはチ ェ一ン 1 1 2 6 (第 2 4図参照） を介して駆動装置 1 0 1 2の連続的な回転運動 が入力される。 駆動軸 1 3 3 0に導かれた回転はクランク機構 1 3 3 1 , 1 3 3

1によってプッシュロッド 1 3 3 2 , 1 3 3 2の往復上下運動に変換される。 各 プッシュロッド 1 3 3 2はベース 1 0 3 1のガイド 1 3 1 1により上下方向のみ に案内される。

プッシュロッド 1 3 3 2の上端はピン 1 3 3 3、 リンク 1 3 3 4、 およびピン 1 3 3 5を介してアーム 1 0 3 2と連結されている。 これにより、 ブッシュロッ ド 1 3 3 2の上下運動に連係してアーム 1 0 3 2が軸 1 3 1 0を中心に一定の周 期で揺動する。 アーム 1 0 3 2の揺動運動の周期は夕一ンテーブル 1 0 1 3の間 欠的な回転運動の周期と等しい。 セン夕押し装置 1 0 3 4は、 マンドレル 1 0 1 4の下端と対向するように配置された押え具 1 3 4 0と、 その押え具 1 3 4 0を マンドレル 1 0 1 4の下端に押し付けるエア一シリンダ 1 3 4 1とを有している。 巻き付け装置 1 0 3 0の上方にブランク 6 3 ' およびマンドレル 1 0 1 4が供 給されるとき、 アーム 1 0 3 2は想像線で示したようにブランク 6 3 ' よりも下 方に後退する。 ブランク 6 3 ' が供給されると、 ェアーシリンダ 1 3 4 1により 押え具 1 3 4 0が押し上げられてブランク 6 3 ' の中心がマンドレル 1 0 1 4の 下端に押さえ付けられる。 続いて、 アーム 1 0 3 2がマンドレル 1 0 1 4に向か つて回動し、 ブランク 6 3 ' が徐々にマンドレル 1 0 1 4の胴部 1 1 4 0に巻き 付けられる。 プッシュロッド 1 3 3 2がその移動範囲の上端まで移動すると、 第 3 2図に実線で示したようにアーム 1 0 3 2の巻き付け具 1 3 2 0がマンドレル 1 0 1 4の外周をその上端を除いてほぼ完全に包囲する。 これにより、 ブランク 6 3 ' が胴部 1 1 4 0の外周にほぼ完全に巻き付けられる。 このとき、 ブランク 6 3 ' の端部 6 3 c , 6 3 cがマンドレル 1 0 1 4の上端で重なり合って継ぎ目 部 6 3 d (第 2 1図参照） が形成される。 なお、 裏面に接着剤の塗布された端部 6 3 c力 反対側の端部 6 3 cよりも継ぎ目部 6 3 dの外側に位置するように、 アーム 1 0 3 2 , 1 0 3 2の動作タイミングは僅かにずらされる。 この後、 プッシュロッド 1 3 3 2が下降に転じてアーム 1 0 3 2がマンドレル 1 0 1 4から遠ざかるとともに、 エアーシリンダ 1 3 4 1により押え具 1 3 4 0 が下方に引き込まれる。 それに合わせてターンテーブル 1 0 1 3が回転して次の マンドレル 1 0 1 4およびブランク 6 3 ' が巻き付け装置 1 0 3 0へと搬入され る。 そして、 プッシュロッド 1 3 3 2が再び上昇を開始して上記と同様にブラン ク 6 3 ' の巻き付けが行われる。

巻き付け装置 1 0 3 0にてマンドレル 1 0 1 4上に形成されたスリーブ 6 3の 継ぎ目部 6 3 dは主シール装置 1 0 4 0にてマンドレル 1 0 1 4上に押し付けら れる。

第 2 6図に示したように、 主シール装置 1 0 4 0は、 マンドレル 1 0 1 4の上 方に配置されたエアーシリンダ 1 0 4 1と、 そのエアーシリンダ 1 0 4 1の可動 部 1 4 1 0から吊り下げられた鏝 1 0 4 2とを有している。 エア一シリンダ 1 0 4 1および鏝 1 0 4 2は各マンドレル 1 0 1 4に対して一ずつ設けられており、 エアーシリンダ 1 0 4 1はサポート 1 0 4 3を介してターンテーブル 1 0 1 3に 取り付けられている。 従って、 ェアーシリンダ 1 0 4 1およびそこから吊り下げ られた鏝 1 0 4 2はターンテーブル 1 0 1 3の駆動に応じてマンドレル 1 0 1 4 と一体的に回転する。

エア一シリンダ 1 0 4 1の可動部 1 4 1 0は鉛直方向に動作可能である。 鏝 1 0 4 2はマンドレル 1 0 1 4の外周面に沿って傾けられており、 その長さはマン ドレル 1 0 1 4の全長にほぼ等しい。鏝 1 0 4 2は、 内蔵するヒーター （不図示） により、継ぎ目部 6 3 dの接着を促進するために適切な温度（例えば 1 0 0 ° C ) に加熱される。

巻き付け装置 1 0 3 0によりマンドレル 1 0 1 4にブランク 6 3 ' が巻き付け られる際、 鏝 1 0 4 2はエアーシリンダ 1 0 4 1によってマンドレル 1 0 1 4力 ら上方に離れた位置に保持される。 巻き付け装置 1 0 3 0の巻き付け具 1 3 2 0 によってブランク 6 3 ' がマンドレル 1 0 1 4に巻き付けられると、 それら巻き 付け具 1 3 2 0がマンドレル 1 0 1 4から離れるよりも前にエアーシリンダ 1 0 4 1によって鏝 1 0 4 2が継ぎ目部 6 3 dに押し付けられる。 これにより、 継ぎ 目部 6 3 dが加熱かつ押圧されて接着剤による接着が促進される。 鏝 1 0 4 2に よる継ぎ目部 6 3 dの加熱および押圧は、 マンドレル 1 0 1 4がスリーブ排出装 置 1 0 8 0 (第 2 5図参照） に達するまで継続して行われる。 そして、 マンドレ ル 1 0 1 4が排出装置 1 0 8 0に搬入されると、 エア一シリンダ 1 0 4 1によつ て鏝 1 0 4 2がマンドレル 1 0 1 4の上方へ引き離される。

サポート 1 0 4 3の上部には、 ェアーシリンダ 1 0 4 1への圧縮エアーの供給 方向を切り換える方向切換弁 1 0 4 4が各エアーシリンダ 1 0 4 1に対して 1つ ずつ設けられている。方向切換弁 1 0 4 4はデテントタイプのスプール（不図示） を内蔵する。 そのスプールの位置は、 方向切換弁 1 0 4 4の両端に突出した押釦 1 4 4 0 , 1 4 4 1を択一的に押し込み操作することによって切り換わる。 押釦 1 4 4 0が押し込まれたときは、 エアーシリンダ 1 0 4 1を下方へ駆動するよう に方向切換弁 1 0 4 4の位置が変化する。 押釦 1 4 4 1が押し込まれたときには ェアーシリンダ 1 0 4 1を上方へ駆動するように方向切換弁 1 0 4 4の位置が変 化する。 巻き付け装置 1 0 3 0の近傍には、 この方向切換弁 1 0 4 4を押し込み 操作するための可動部 1 4 5 0を有するエア一シリンダ 1 0 4 5が設けられてい る （第 2 5図参照） 。 巻き付け装置 1 0 3 0がマンドレル 1 0 1 4にブランク 6 3 ' を巻き付けるタイミングに合わせてェアーシリンダ 1 0 4 5が駆動されてそ の可動部 1 4 5 0が押釦 1 4 4 0を押し込み操作する。 これに応答して、 エアー シリンダ 1 0 4 1が下方へ駆動されて鏝 1 0 4 2がスリーブ 6 3の継ぎ目部 6 3 dに押し当てられる。 また、 第 2 6図に想像線で示すように、 排出装置 1 0 8 0 の近傍には、 押釦 1 4 4 1を押し込み操作するためのロッド 1 0 4 6が設けられ ている。 ロッド 1 0 4 6は、 その先端にベアリング 1 4 6 0を有している。 マン ドレル 1 0 1 4が排出装置 1 0 8 0へと搬入されるとき、 押釦 1 4 4 1がベアり ング 1 4 6 0に接触して押し込まれることにより、 排出装置 1 0 8 0によるスリ ーブ 6 3の排出操作に先立って鏝 1 0 4 2がマンドレル 1 0 1 4から引き離され る。

第 3 3図は補助シール装置 1 0 5 0の要部を示している。 補助シール装置 1 0 5 0は、 上下に並べられた一対の挟み具 1 0 5 1 , 1 0 5 1と、 それら挟み具 1 0 5 1 , 1 0 5 1を互いに接離するように駆動するェアーシリンダ等のァクチュ ェ一夕 1 0 5 2とを有している。 ァクチユエ一夕 1 0 5 2およびそれに支持され た挟み具 1 0 5 1は、 上述した駆動装置 1 0 1 2から供給される動力により、 次 のように駆動される。

まず、 ターンテーブル 1 0 1 3が停止しているときはァクチユエ一夕 1 0 5 2 が第 3 3図 （b ) の位置で停止する。 このとき、 ァクチユエ一夕 1 0 5 2によつ て挟み具 1 0 5 1 , 1 0 5 1が互いに接近する方向に駆動される。 それにより、 スリーブ 6 3の継ぎ目部 6 3 dのうち、 マンドレル 1 0 1 4からの突出部 6 3 e に含まれる部分が挟み具 1 0 5 1 , 1 0 5 1にて互いに挟み込まれる。 挟み具 1 0 5 1は、 内蔵する不図示のヒータ一により適温 （主シール装置 1 0 4 0の加熱 温度よりも高温） に加熱される。 挟み具 1 0 5 1による加熱と加圧とによって継 ぎ目部 6 3 dのマンドレル 1 0 1 4からの突出部分の接着が促進される。

ターンテーブル 1 0 1 3が回転するときには、 第 3 3図 （a ) に示すようにァ クチユエ一夕 1 0 5 2によって挟み具 1 0 5 1が互いに離れる方向に保持される。 そして、 駆動装置 1 0 1 2からの動力により、 ァクチユエ一夕 1 0 5 2はターン テーブル 1 0 1 3の半径方向外側へ一旦後退して次のマンドレル 1 0 1 4の搬入 が許容される。 ターンテーブル 1 0 1 3の回転が半ばを過ぎると、 ァクチユエ一 夕 1 0 5 2の動作方向が反転して挟み具 1 0 5 1がマンドレル 1 0 1 4側へ前進 する。 ターンテーブル 1 0 1 3の回転が停止するとァクチユエ一夕 1 0 5 2が第 3 3図 （b ) の位置に復帰し、 それに同期してァクチユエ一夕 1 0 5 2が駆動さ れて挟み具 1 0 5 1による継ぎ目部 6 3 dの挟み込みが開始される。

第 2 5図に示すように、 カール準備装置 1 0 6 0は、 マンドレル 1 0 1 4と対 向するパッド 1 0 6 1を有している。 パッド 1 0 6 1には、 上述したカールを促 進する材料として、 シリコン液が含浸されている。 パッド 1 0 6 1は駆動装置 1 0 1 2から供給される動力により夕一ンテ一ブル 1 0 1 3の半径方向に駆動され る。 夕一ンテーブル 1 0 1 3が回転しているときはパッド 1 0 6 1がマンドレル 1 0 1 4上のスリーブ 6 3から離れている。 夕一ンテ一ブル 1 0 1 3が停止する と、 パッド 1 0 6 1がスリーブ 6 3の突出部 6 3 eに押し付けられてシリコン液 が塗布される。

第 3 4図に示すように、 カール加工装置 1 0 7 O Aは、 夕一ンテ一ブル 1 0 1 3の半径方向に移動可能なスライダ 1 0 7 1と、 そのスライダ 1 0 7 1の夕一ン テーブル 10 1 3と対向する側に複数のばね 1072— 1072を介して取り付 けられた加工治具 1073とを有している。 加工治具 1073は、 内蔵する不図 示のヒータ一により所定の温度 （例えば 170〜 190° C) に加熱される。 ス ライダ 107 1は、 駆動装置 1012から供給される動力によりターンテーブル 10 13の回転に連係して半径方向に繰り返し駆動される。 ターンテーブル 10 13が回転しているときは加工治具 1073がマンドレル 10 14上のスリーブ 63から離れている。 ターンテーブル 1013が停止すると、 加工治具 1073 がスリーブ 63の突出部 63 eに押し付けられる。 加工治具 1073による加熱 と加圧とによってスリーブ 63の突出部 63 eは徐々に内側へとカールする。 な お、 加工治具 1073のマンドレル 1014との対向面には、 突出部 63 eの力 ール方向を設定する溝 1730が設けられる。

力一ル加工装置 1070 B、 1070 Cもカール加工装置 1 070 Aと同一の 構成を有している。 但し、 スリーブ 63を加工装置 107 OA, 1070 B, 1 070 Cへ順に搬送するにつれてカール部 67 aを徐々に成形するために、 各装 置 1070 A, 1070B, 1070 Cの加工治具 1073の溝 1730は互い に異なっている。また、最初の加工装置 107 OAの加工治具 1073の温度は、 他の加工装置 1 070 B, 1070 Cの加工治具 1073の温度よりも高く設定 するとよい。 加工装置 107 OAでは、 スリーブ 63の突出部 63 eがカールし ていないために他の装置 1070 B, 1070 Cと比較して加工の抵抗が大きい ため、 加熱量を増やして加工をし易くする必要があり、 その一方、 加工の抵抗が 相対的に小さくなる加工装置 1070 B, 1070 Cでは加熱温度を低下させて スリーブ 63の印刷等に与える影響を抑えることが望ましいからである。

加工装置 107 OA, 1070 B, 1070 Cの少なくとも一つでは、 第 35 図に示すように加工治具 1073をモータ 1074の出力軸 1 740に取り付け てマンドレル 10 14の軸線の周りに回転させてもよい。 この場合、 加工治具 1 07 3の加熱は省略してよい。 加工装置 1070 Aの加工治具 1073を第 35 図のように構成した場合にはスリーブ 63の突出部 63 eを加熱することなく力 ール部 63 aが生じるようにくせ折りできる利点がある。 しかも、 最初の加工装 置 107 OAで加工治具 1073を回転させたならば、 準備装置 1060にてス bo リーブ 6 3の突出部 6 3 eに塗布されたシリコン液が加工治具 1 0 7 3の回転に よって突出部 6 3 eの全周に均一に分配される。

カール加工装置 1 0 7 0 Cの処理によりスリーブ 6 3が完成する。 完成したス リーブ 6 3はスリーブ排出装置 1 0 8 0によって製造装置 1 0 1 0から搬出され る。 第 3 6図および第 3 7図に示すように、 スリーブ排出装置 1 0 8 0は、 マン ドレル 1 0 1 4上のスリーブ 6 3にその下方からローラ 1 8 1 0を押し当ててス リーブ 6 3をマンドレル 1 0 1 4の側方へ取り出すローラ機構 1 0 8 1と、 ロー ラ機構 1 0 8 1により取り出されたスリーブ 6 3を受け止めて排出コンベア 1 0 8 2に上下に反転した状態で受け渡す受け渡し機構 1 0 8 3とを有している。 ローラ 1 8 1 0はモータ 1 8 1 1により一定速度で第 3 6図の反時計方向 （矢 印 C C W方向） に回転駆動される。 モー夕 1 8 1 1は昇降台 1 8 1 2に取り付け られている。 昇降台 1 8 1 2は駆動装置 1 0 1 2から供給される動力により、 夕 ーンテーブル 1 0 1 3の回転に連係して上下方向に繰り返し駆動される。 ターン テーブル 1 0 1 3が回転しているときは昇降台 1 8 1 2が第 3 6図の実線で示す ように下降し、 ローラ 1 8 1 0がマンドレル 1 0 1 4の下方に離れている。 夕一 ンテーブル 1 0 1 3が停止するとローラ 1 8 1 0がマンドレル 1 0 1 4上のスリ ーブ 6 3に押し当てられ （第 3 6図の想像線参照） 、 それによりスリーブ 6 3が マンドレル 1 0 1 4から搔き取られるようにして受け渡し機構 1 0 8 3へ送られ る。

受け渡し機構 1 0 8 3は、 水平方向に延びる駆動軸 1 0 8 4と、 その駆動軸 1 0 8 4の軸端部 1 8 4 0に取り付けられたスリーブ保持体 1 0 8 5とを有してい る。 スリーブ保持体 1 0 8 5は、 4枚の板材 1 8 5 0 1 8 5 0を 2枚ずつ十字 型に組み合わせて二組のクロスフレーム 1 8 5 1 , 1 8 5 1を形成し、 各クロス フレーム 1 8 5 1を中空のスぺーサ 1 8 5 2— 1 8 5 2によって駆動軸 1 0 8 4 の軸線方向に適当な間隔で重ね合わせつつ、 スぺーサ 1 8 5 2の内部を通過する ボルト 1 8 5 3により駆動軸 1 0 8 4上に固定して構成されている。

—対のクロスフレーム 1 8 5 1 , 1 8 5 1により、 スリーブ保持体 1 0 8 5に は 4つのスリーブ受け部 1 0 8 6 1 0 8 6が駆動軸 1 0 8 4の周方向に 9 0 ° の間隔をおいて形成されている。 駆動軸 1 0 8 4は、 間欠駆動機構 1 0 1 5から 取り出される間欠的な回転運動により、 ターンテ一ブル 1 0 1 3の回転に同期し て第 3 6図の矢印 R方向に 9 0 ° ずつ回転駆動される。 ターンテーブル 1 0 1 3 が停止すると、 一つのスリープ受け部 1 0 8 6がマンドレル 1 0 1 4と対向する 位置に繰り出され、 そのスリーブ受け部 1 0 8 6の外周にはローラ機構 1 0 8 1 によって取り出されたスリーブ 6 3が放り込まれる。 放り込まれたスリーブ 6 3 は、 スリーブ受け部 1 0 8 6によって内周側から支持されつつ、 スリーブ保持体 1 0 8 5の回転に伴って駆動軸 1 0 8 4の周りを回転する。

スリーブ保持体 1 0 8 5の周囲の一部には、 スリーブ受け部 1 0 8 6に保持さ れたスリーブ 6 3の落下を防ぐガイド 1 0 8 7が設けられている。 そして、 スリ ーブ受け部 1 0 8 6が真下を向く位置まで移動すると、 ガイド 1 0 8 7からスリ —ブ 6 3が外れてコンベア 1 0 8 2上に落下する。 落下したスリーブ 6 3はコン ベア 1 0 8 2により製造装置 1 0 1 0から搬出される。

上述したスリーブ製造装置においては、 駆動装置 1 0 1 2が第 6の発明に係る スリーブ製造装置における搬送装置として、 コンベア 1 0 2 3が第 1の搬送装置 として、 ホイール装置 1 0 2 5が反転装置及び迂回装置として、 ブランク送り込 み装置 1 0 2 6が第 2の搬送装置としてそれぞれ機能する。

本発明のスリーブ製造装置は上述した実施形態に限定されず、 種々の形態にて 実施してよい。 例えば、 本発明のスリーブ製造装置は、 第 2 0図の紙カップ 6 1 のスリーブ 6 3に限らず、 各種の容器の外装の製造に使用できる。 加熱された加 ェ治具によるカール部の加工は、 第 3 8図に示したいずれの例にも適用できる。 第 3 8図 （a ) はスリーブ 6 3の小径側の端部に内向きカール部 6 3 aを加工す る例を、 （b ) はスリーブ 6 3の小径側の端部に外向きカール部 6 3 gを加工す る例を、 （c ) はスリーブ 6 3の大径側の端部に内向きカール部 6 3 hを加工す る例を、 （d ) はスリーブ 6 3の大径側の端部に外向きカール部 6 3 iを加工す る例をそれぞれ示している。 同様に、 カップ本体 6 2のカール部も加熱された加 ェ治具を押し付けて加工してもよい。

以上のスリーブ製造装置によれば、 加熱された加工治具によりスリーブを軟化 させて小さい力でカール部を加工できるので、 マンドレル上のスリーブの負担を 減らすことができる。 これにより、 スリーブの製造不良が減少して歩留まりが向 上する。 製造後にマンドレルからスリーブを取り出す際もその作業を容易に行え るようになり、 装置の構成を簡素化できる。

また、 上記のブランク供給装置によれば、 ブランクに塗布された接着剤の余分 な水分をブランク供給装置内で蒸発させて最適な接着強度が得られるようになる。 その結果、 接着強度の不足による製品不良の発生率が減少する。 接着剤をブラン クの下面側に塗布するので、 上面側から塗る場合よりもローラ列等を簡素に構成 できる。 マンドレルの中心線に対してブランク供給装置を真っ直ぐにレイァゥト できる。

さらに、 上記のスリーブ排出装置によれば、 マンドレル上から排出されたスリ ーブの外周を受け止める必要がないために、 スリーブ外周の印刷を傷めるおそれ がなく、 スリーブ製造の歩留まりを向上させることができる。 ローラの回転速度 を落としてスリーブの負担を軽減することもでき、 それによりスリーブを傷める おそれがさらに低下する。 第 3 9図〜第 4 1図は、 第 2 1図に示した紙カップ 6 1の製造工程のうち、 力 ップ本体 6 2に対するリブ 6 2 d , 6 2 eの成形と、 カップ本体 6 2に対するス リーブ 6 3の組み付けとを行う装置を示しており、 第 3 9図は平面図、 第 4 0図 は第 3 9図の XXXX方向からの側面図、 第 4 1図は第 4 0図の XXXXI 方向か らの側面図である。

装置 2 0 1 0は、 工場の床面上に設置されるフレーム 2 0 1 1と、 フレーム 2 0 1 1上に支持されたターンテーブル 2 0 1 2と、 ターンテーブル 2 0 1 2をそ の中心線の周りに水平に回転させる駆動機構 2 0 1 3とを有している。 駆動機構

2 0 1 3は、 例えば原動機 2 0 1 4の回転運動をチェーンやギア等の伝達手段を 用いて減速しつつ夕一ンテ一ブル 2 0 1 2まで伝達する。 ターンテーブル 2 0 1 2の外周には、 容器保持具として、 1 2個のカップ保持具 2 1 0 0— 2 1 0 0が 周方向に等しい間隔をおいて取り付けられている。 カップ保持具 2 1 0 0はカツ プ本体 6 2をその内側から上下に反転させた状態で保持する。 詳細は後述する。 駆動機構 2 0 1 3は、 一回につき 3 0 ° の割合でターンテーブル 2 0 1 2を第

3 9図の矢印 F方向に間欠的に駆動する。 これにより、 ターンテーブル 2 0 1 2 の周囲にはカップ保持具 2 1 0 0と同数のステーション （保持具 2 1 0 0の停止 位置） S T—S Tが規定される。 そして、 幾つかのステーション S Tには、 カツ プ 6 1の製造に必要な装置として、 カップ供給装置 2 0 2 0、 加工装置 2 0 3 0 A, 2 0 3 0 B、 糊付け装置 2 0 4 0、 スリーブ供給装置 2 0 5 0、 スリーブ合 わせ装置 2 0 6 0、検査装置 2 0 7 0および排出装置 2 0 8 0が設けられている。 各装置 2 0 2 0 - 2 0 8 0はターンテーブル 2 0 1 2の回転駆動に同期してそれ ぞれの装置に割り当てられた作業を実行する。 各装置の概略は次の通りである。 カップ供給装置 2 0 2 0は、 夕一ンテ一ブル 2 0 1 2が停止してその下方に空 のカップ保持具 2 1 0 0が繰り出されると、それに同期してマガジン 2 0 2 1 (第 4 1図参照） の下端から 1個のカップ本体 6 2を取り出してカップ保持具 2 1 0 0に供給する。 なお、 マガジン 2 0 2 1に装着されるカップ本体 6 2はリブ 6 2 d， 6 2 eがなく、 かつカール部 6 2 cがほぼ真円の断面形状を有しているもの である。

加工装置 2 0 3 O A, 2 0 3 O Bは、 ターンテ一ブル 2 0 1 2が停止すると、 その前方に供給された保持具 2 1 0 0上のカップ本体 6 2に対してリブ 6 2 dま たは 6 2 eを形成する。 また、 加工装置 2 0 3 O Aはカール部 6 2 cの加工も行 う。 糊付け装置 2 0 4 0は、 カップ本体 6 2とスリーブ 6 3とを接合するための 接着剤 6 4 (第 2 1図参照） をカツブ本体 6 2の外周の所定位置に吹き付ける。 スリーブ供給装置 2 0 5 0は、 糊が付されたカップ本体 6 2の外周にスリーブ 6 3を供給する。 スリーブ合わせ装置 2 0 6 0は、 カップ本体 6 2に被せられたス リーブ 6 3をカップ本体 6 2に対して芯合わせしつつカップ本体 6 2の開口端側 に押し込む。 検査装置 2 0 7 0はカップ本体 6 2とスリーブ 6 3とが正しく組み 合わされているか否か、 およびスリーブ 6 3が正しく成形されているか否かを検 査する。 そして、 排出装置 2 0 8 0は、 カップ保持具 2 1 0 0から紙カップ 6 1 を取り外して装置外へ送り出す。

第 4 2図および第 4 3図はカップ供給装置 2 0 2 0の詳細を示している。 カツ プ供給装置 2 0 2 0は、カップ本体 6 2を蓄積する上述したマガジン 2 0 2 1と、 マガジン 2 0 2 1の下端に配置された 3つの取り出しローラ 2 0 2 2〜2 0 2 2 と、 各ローラ 2 0 2 2をそれぞれの軸線の周りに回転駆動する駆動機構 2 0 2 3 とを有している。 マガジン 2 0 2 1は、 ベース 2 2 1 0の貫通孔 2 2 1 0 aの周 囲に 6本のロッド 2 2 1 1〜2 2 1 1を取り付けて構成され、 その内部にはカツ プ本体 6 2が上下方向に反転させた状態で重ね合わせて収容される （第 4 1図参 照） 。 ローラ 2 0 2 2は、 貫通孔 2 2 1 0 aから一部を突出させた状態でベース 2 2 1 0に取り付けられている （第 4 3図参照） 。 マガジン 2 0 2 1の下端に収 容されたカップ本体 6 2のカール部 6 2 cがローラ 2 0 2 2の上面に乗り上げて マガジン 2 0 2 1内のカップ本体 6 2が上下方向に支持される。

駆動機構 2 0 2 3は、 駆動源としてのモー夕 2 2 3 0と、 そのモー夕 2 2 3 0 の出力軸 2 2 3 0 aに取り付けられた 1次プーリ 2 2 3 1と、 ベース 2 2 1 0に 回転自在に取り付けられた 2次プーリ 2 2 3 2およびアイドラ一 2 2 3 3とを有 している。 プーリ 2 2 3 1 , 2 2 3 2およびアイドラ一 2 2 3 3の間にはベルト 2 2 3 4が巻き掛けられ、 2次プーリ 2 2 3 2はベース 2 2 1 0に回転自在に支 持された連結軸 2 2 3 5を介してローラ 2 0 2 2と同軸に連結される。

夕—ンテーブル ₂ 0 1 2が回転して空のカップ保持具 2 1 0 0が供給装置 2 0 2 0の下方に繰り出されると、 モー夕 2 2 3 0の出力軸 2 2 3 0 aが所定量回転 駆動される。 この回転に連動して各ローラ 2 0 2 2は同一方向に同一速度で一定 量回転する。 ローラ 2 0 2 2が回転すると、 それらローラ 2 0 2 2上に支持され ていたカップ本体 6 2のカール部 6 2 cが各ローラ 2 0 2 2の外周に形成された 螺旋溝 2 2 2 0に係合し、 それによりカップ本体 6 2がマガジン 2 0 2 1から弓 I き出され、 貫通孔 2 2 1 0 aからその下方のカップ保持具 2 1 0 0へと供給され る。

第 4 4図は、 加工装置 2 0 3 O Aおよびカップ保持具 2 1 0 0の詳細を示して いる。 カップ保持具 2 1 0 0は、 夕一ンテーブル 2 0 1 2の外周に取り付けられ て鉛直方向に延びる支持軸 2 1 0 1と、 その支持軸 2 1 0 1の外周に取り付けら れた回転筒 （回転体） 2 1 0 2と、 その回転筒 2 1 0 2の外周に取り付けられた スぺ一サ 2 1 0 3およびカラ一 2 1 0 4 , 2 1 0 5とを有している。 回転筒 2 1 0 2は不図示のベアリングを介して支持軸 2 1 0 1に取り付けられて支持軸 2 1 0 1の周りに自由に回転可能である。 カラー 2 1 0 4 , 2 1 0 5は回転筒 2 1 0 2と一体に回転可能である。 回転筒 2 1 0 2の下端には、 カール受け部材として 機能する円盤状のホイール 2 1 0 6が一体に設けられている。 ホイール 2 1 0 6 の上面にカップ本体 6 2のカール部 6 2 cが当接してカップ本体 6 2が上下方向 に支持される。 カラ一 2 1 0 4 , 2 1 0 5の外周にはフランジ 2 1 0 4 a , 2 1 0 5 aが一体に設けられている。 フランジ 2 1 0 4 a , 2 1 0 5 aの外周はリブ 6 2 d , リブ 6 2 eの形成位置にてカップ本体 6 2の胴部 6 2 aにほぼ接触し、 これにより、 カップ本体 6 2が半径方向に支持される。 すなわち、 フランジ 2 1 0 4 a , 2 1 0 5 aは、 それぞれ側壁受け部材として機能する。 なお、 支持軸 2 1 0 1の上端は回転筒 2 1 0 2の上方に突出する。 そして、 支持軸 2 1 0 1の中 心には、 支持軸 2 1 0 1を軸線方向に貫通するエア一流路 （不図示） が形成され ている。

第 4 4図および第 4 5図に示すように、 加工装置 2 0 3 O Aには、 カップ保持 具 2 1 0 0に装着されたカップ本体 6 2を回転させるための回転駆動機構 2 0 3 1と、 その回転中のカップ本体 6 2をフランジ 2 1 0 5 aに押し付けてリブ 6 2 eを加工するためのリブ加工機構 2 0 3 2と、 加工中のカップ本体 6 2の抜けを 防止する抜け止め機構 2 0 3 3と、 カール部 6 2 cをホイール 2 1 0 6に押さえ 付けて第 2 2図に示したように変形させるカール部加工機構 2 0 3 4とが設けら れる。

回転駆動機構 2 0 3 1は、 駆動源としてのモー夕 2 3 1 0と、 それによつて回 転駆動される駆動ホイール 2 3 1 1とを備えている。 ターンテーブル 2 0 1 2力 回転してカップ保持具 2 1 0 0が加工装置 2 0 3 O Aの前面に繰り出されると、 駆動ホイール 2 3 1 1がカップ保持具 2 1 0 0のホイール 2 1 0 6に接触して力 ップ保持具 2 1 0 0の回転筒 2 1 0 2が支持軸 2 1 0 1の周りに回転駆動される。 リブ加工機構 2 0 3 2は、 型駆動手段としてのェアーシリンダ 2 3 2 0と、 そ のエアーシリンダ 2 3 2 0によりカップ保持具 2 1 0 0の半径方向に駆動される 型押しローラ （型押し部材） 2 3 2 1とを備えている。型押しローラ 2 3 2 1は、 エアーシリンダ 2 3 2 0のピストンロッド 2 3 2 0 aに取り付けられたホルダ 2 3 2 2によって鉛直方向の軸 2 3 2 3の周りに回転自在に支持されている。 第 4 6図 （a ) に示したように、 型押しローラ 2 3 2 1の外周にはフランジ 2 1 0 5 aの外周と相補的な断面形状を有する凹溝 2 3 2 1 aが設けられている。 力ップ保持具 2 1 0 0の回転筒 2 1 0 2が回転駆動機構 2 0 3 1により回転駆 動されると、 それに同期してエア一シリンダ 2 3 2 0により型押しローラ 2 3 2 1が駆動されてカップ本体 6 2の胴部 6 2 aに押し付けられる。 これにより、 第 4 6図 （a ) に示すように胴部 6 2 aの一部がフランジ 2 1 0 5 aと型押しロー ラ 2 3 2 1との間に挟まれて胴部 6 2 aにリブ 6 2 eが徐々に形成される。 型押 しローラ 2 3 2 1が胴部 6 2 aを少なくとも一周すると型押しローラ 2 3 2 1が カップ本体 6 2から離されてリブ 6 2 eの加工が終了する。

抜け止め機構 2 0 3 3は、 エア一シリンダ 2 3 3 0と、 そのエア一シリンダ 2 3 3 0により上下方向に駆動される抜け止めプレート 2 3 3 1とを備えている。 抜け止めプレート 2 3 3 1はエア一シリンダ 2 3 3 0のピストンロッド 2 3 3 0 aにべァリング 2 3 3 2を介して取り付けられ、 ピストンロッド 2 3 3 0 aの中 心線の周りに回転自在である。 リブ加工機構 2 0 3 2の型押しローラ 2 3 2 1力 カップ本体 6 2に向かって駆動されると、 それに同期して抜け止めプレート 2 3 3 1が下方に駆動されてカップ本体 6 2の糸尻 6 2 g (第 2 0図参照） に当接す る。 これにより、 リブ加工機構 2 0 3 2によるリブ 6 2 eの形成中、 カップ保持 具 2 1 0 0に対するカップ本体 6 2の浮き上がりが防がれる。 リブ 6 2 eの形成 が終了すると抜け止めプレー卜 2 3 3 1が上方へ駆動される。

カール部加工機構 2 0 3 4は、 プレス駆動手段としてのエア一シリンダ 2 3 4 0と、 そのエア一シリンダ 2 3 4 0により上下方向に駆動されるプレス部材とし てのプレスローラ 2 3 4 1とを有している。 エアーシリンダ 2 3 4 0のピストン ロッド 2 3 4 0 aにはローラホルダ 2 3 4 2が取り付けられている。 このローラ ホルダ 2 3 4 2により、 プレスローラ 2 3 4 1は保持具 2 1 0 0上のカップ本体 6 2の半径方向に延びる軸線の周りに回転自在に支持されている。 プレスローラ 2 3 4 1とカール部 6 2 cとの接触位置は、 型押しローラ 2 3 2 1と胴部 6 2 a との接触位置に対してカップ本体 6 2の周方向にほぼ 1 8 0 ° ずれている。 換言 すれば、 プレスローラ 2 3 4 1とカール部 6 2 cとの接触位置は、 型押しローラ 2 3 2 1と胴部 6 2 aとの接触位置に対してカップ本体 6 2の半径方向反対側に 設定されている。

リブ加工機構 2 0 3 2の型押しローラ 2 3 2 1がカップ本体 6 2の胴部 6 2 a に押し当てられるとき、 それに同期して第 4 7図に示すようにプレスローラ 2 3 4 1がェアーシリンダ 2 3 4 0により下方に駆動されてカール部 6 2 cに押し付 けられる。 これにより、 カール部 6 2 cがプレスローラ 2 3 4 1とホイール 2 1 0 6との間に挟み込まれる。 この状態でカップ本体 6 2が回転することにより、 カール部 6 2 cが第 2 2図に示す断面形状へと徐々に変形する。 プレスローラ 2 3 4 1がカール部 6 2 cを一周以上すると、 エアーシリンダ 2 3 4 0によりプレ スローラ 2 3 4 1が上方へ駆動されてカール部 6 2 cの加工が終了する。

なお、 プレスローラ 2 3 4 1は第 4 8図に示すように複数設けてもよい。 プレ スローラ 2 3 4 1をモー夕等の駆動手段にて回転駆動してもよい。 ブレスローラ 2 3 4 1をエア一シリンダ 2 3 4 0以外の型駆動手段にて駆動してもよい。但し、 ェアーシリンダ 2 3 4 0をプレス駆動手段として利用した場合には、 カップ本体 6 2の胴部 6 2 aの貼り合わせ部分に連なるカール部 6 2 cの段差をプレスロー ラ 2 3 4 1が乗り越える際に、 エアーシリンダ 2 3 4 0の内部に蓄えられた空気 がピストンロッド 2 3 4 0 aに対してクッションとして働いてプレスローラ 2 3 4 1がカール部 6 2 cから遠ざかる方向に微小量変位できるため、 そのカール部 6 2 cの段差部分に過剰な押し付け力が作用せず、 カール部 6 2 cが必要以上に 潰されるおそれがない。 従って、 エア一シリンダ 2 3 4 0以外の手段にてプレス ローラ 2 3 4 1を駆動する場合には、 ばね等をその駆動力の伝達経路に介在させ ることにより、 プレスローラ 2 3 4 1がカール部 6 2 cの段差を乗り越える際の 変位を許容することが望ましい。

加工装置 2 0 3 0 Bは、 リブ加工機構 2 0 3 2の型押しローラ 2 3 2 1がカツ プ本体 6 2をフランジ 2 1 0 4 aに押し付けてリブ 6 2 dを形成するように調整 されている点、 およびカール部加工機構 2 0 3 4が省略されている点を除いて加 ェ装置 2 0 3 0 Aと同一である。 なお、 リブ 6 2 dはカップ本体 6 2の内側に膨 らむため、 第 4 6図 （b ) に示すように加工装置 2 0 3 0 Bの型押しローラ 2 3 2 1の外周にはリブ 6 2 dを形成するための突条 2 3 2 1 b力 フランジ 2 1 0 4 aの外周にはその突条 2 3 2 1 bと相補的な断面形状を有する凹溝 2 1 0 4 がそれぞれ形成される。

第 4 9図は糊付け装置 2 0 4 0の詳細を示している。 糊付け装置 2 0 4 0は、 カップ本体 6 2の胴部 6 2 aの接着範囲 B Dに向けて接着剤 6 4 (第 2 1図参 照） を吹き付けるスプレーガン 2 0 4 1と、 そのスプレーガン 2 0 4 1のノズル 2 4 1 0から接着剤 6 4が正常にスプレーされているか否かを検査するための検 査装置 2 0 4 2とを有している。 なお、 第 4 9図ではカップ本体 6 2のカール部 6 2 cを真円状に簡略化して描いている。

検査装置.2 0 4 2は、 ノズル 2 4 1 0とカップ本体 6 2の胴部 6 2 aとの間に 設定された撮影範囲 2 4 2 0におけるスプレーパターンを撮影するカメラ 2 4 2 1と、 そのカメラ 2 4 2 1から出力されるアナログ信号を所定の条件に従ってデ ジ夕ル信号に変換する A D変換器 2 4 2 2と、 A D変換器 2 4 2 2から出力され た信号に基づいて所定の演算を行う演算回路 2 4 2 3と、 その演算回路 2 4 2 3 の演算結果に基づいてスプレーパターンの良否を判定する判定回路 2 4 2 4と、 その判定回路 2 4 2 4の判定結果を表示するモニタ 2 4 2 5とを有している。 スプレーガン 2 0 4 1から吐出される接着剤 6 4が白色のため、 撮影範囲 2 4 2 0の背後には黒色の背景板 （不図示） が設置されている。 A D変換器 2 4 2 2 において、 カメラ 2 4 2 1から出力される撮影範囲 2 4 2 0の画像デ一夕が適当 な閾値で二値化されることにより、 背景板の像が黒、 接着剤 6 4の像が白として 区別されて演算回路 2 4 2 3に入力される。 演算回路 2 4 2 3は、 カメラ 2 4 2 1が撮影した撮影範囲 2 4 2 0の画像内に占める白色部分の割合を演算する。 ここで、 ノズル 2 4 1 0から不適切な方向に接着剤 6 4が吐出された場合を不 良として検出するため、 撮影範囲 2 4 2 0は、 接着剤 6 4 2 0が正しい吐出方向 に対して上下にずれたときに白色部分の面積が減るようスプレー幅よりも僅かに 大きい程度に設定される。 従って、 ノズル 2 4 1 0から適正量の接着剤 6 4が適 正な方向に吐出された場合には演算回路 2 4 2 3で演算される白色部分の割合が 適正範囲となり、 それ以外のときは白色部分の割合が不足するかまたは過剰とな る。 そして、 判定回路 2 4 2 4は、 白色部分の割合が所定の許容範囲にあればス プレーパターンが良好と判断し、 そうでなければスプレーパターンが不良と判断 する。 スプレーパターンが不良と判断された場合、 その時点で糊付け装置 2 0 4 0に供給されているカップ本体 6 2は後方の N G品排除装置によりカップ 6 1の 生産ラインから排除される。 なお、 ノズル 2 4 1 0に付着した接着剤 6 4やカップ本体 6 2が撮影範囲 2 4 2 0に含まれると検出誤差となるため、 撮影範囲 2 4 2 0は両者から離して設定 することが望ましい。 糊付け装置 2 0 4 0には、 カップ保持具 2 1 0 0の回転筒 2 1 0 2を回転させる機構が設けられていない。 加工装置 2 0 3 0 Bから糊付け 装置 2 0 4 0へカップ保持具 2 1 0 0が搬送された後、 暫くの間は惰性により回 転筒 2 1 0 2が回転しており、 その惰性回転を利用して接着範囲 B Dの全周に均 等に接着剤 6 4を吹き付けることができるためである。

第 5 0図に示すように、 スリーブ供給装置 2 0 5 0は、 スリーブ 6 3を上下に 反転させた状態で搬送するコンベア 2 0 5 1と、 そのコンベア 2 0 5 1の終端に 設けられた一対のシャツ夕機構 2 0 5 2 , 2 0 5 2と、 押し出し機構 2 0 5 3と を有している。 シャツ夕機構 2 0 5 2は、 コンベア 2 0 5 1の終端の排出口 2 5 1 0上に突出するように保持された一対のシャツ夕 2 5 2 0 , 2 5 2 0をエアー シリンダ 2 5 2 1 , 2 5 2 1によりコンベア 2 0 5 1の搬送方向と直交する方向 に動作させて排出口 2 5 1 0を開閉する。 押し出し機構 2 0 5 3は、 エアーシリ ンダ 2 5 3 0と、 そのピストンロッド 2 5 3 0 aに取り付けられた円盤状の押し 出し部材 2 5 3 1とを有している。 なお、 第 5 0図 （a ) は断面図であり、 （b ) はコンベア 2 0 5 1の終端付近の平面図である。

糊付け装置 2 0 4 0にて接着剤 6 4が塗布されたカップ本体 6 2がターンテ一 ブル 2 0 1 2の回転によって排出口 2 5 1 0の直下まで搬送されると、 ェアーシ リンダ 2 5 2 1 , 2 5 2 1によりシャツ夕 2 5 2 0 , 2 5 2 0が開かれるととも に、 エア一シリンダ 2 5 3 0が起動されて押し出し部材 2 5 3 1が下方へ駆動さ れる。 これにより、 コンベア 2 0 5 1の終端まで搬送されたスリーブ 6 3が下方 へ押し出され、 カップ保持具 2 1 0 0に支持されたカップ本体 6 2の外周に被さ るように落下する。 スリーブ 6 3の供給後、 シャツ夕 2 5 2 0 , 2 5 2 0は瞬時 に閉じられる。 押し出し部材 2 5 3 1はシャツ夕 2 5 2 0よりも下までは移動し ない。 従って、 押し出し部材 2 5 3 1とシャツ夕 2 5 2 0とが干渉するおそれは ない。

第 5 1図はスリーブ合わせ装置 2 0 6 0の詳細を示している。 スリーブ合わせ 装置 2 0 6 0は、 カップ保持具 2 1 0 0上に保持されたカップ本体 6 2の糸尻 6 2 gと対向して配置された合わせ治具 2 0 6 1と、 その合わせ治具 2 0 6 1を上 下方向に駆動するエアーシリンダ 2 0 6 2とを有している。 第 5 2図に示したよ うに、 合わせ治具 2 0 6 1は、 下端が開口する円筒型の治具本体 2 6 1 0と、 そ の治具本体 2 6 1 0の中心に取り付けられる案内軸 2 6 1 1と、 治具本体 2 6 1 0の中空部 2 6 1 0 aに収容され、 案内軸 2 6 1 1に沿って摺動可能な円盤状の 芯合わせ部材 2 6 1 2と、 案内軸 2 6 1 1の外周に装着されて芯合わせ部材 2 6 1 2を案内軸 2 6 1 1の下端のストツバ 2 6 1 1 aに押し付けるコイルばね 2 6 1 3とを有している。 治具本体 2 6 1 0の下端にはフランジ 2 6 1 0 bが設けら れている。 芯合わせ部材 2 6 1 2の下端外周には、 テ一パ面状の芯出し面 2 6 1 2 aと、 その芯出し面 2 6 1 2 aの基端 （図では上端） を取り囲むように設けら れた段部 2 6 1 2 bとが設けられている。 案内軸 2 6 1 1の上端には拡大部 2 6 1 1 bが設けられ、 その拡大部 2 6 1 1 bおよび治具本体 2 6 1 0がエアーシリ ンダ 2 0 6 2の可動部 2 6 2 0 (第 5 1図参照） に固定される。

ターンテーブル ₂ 0 1 2の回転により、 スリーブ合わせ装置 2 0 6 0の下方に カップ本体 6 2およびスリーブ 6 3が繰り出されると、 エア一シリンダ 2 0 6 2 が起動されて合わせ治具 2 0 6 1が下方へ駆動される。 この段階で、 芯合わせ部 材 2 6 1 2は中心線 C Lの右側に示したように、 ストツバ 2 6 1 1 aに押し付け られ、 その外周の芯出し面 2 6 1 2 aおよび段部 2 6 1 2 bが治具本体 2 6 1 0 のフランジ 2 6 1 0 bの下方に突出する。 従って、 第 5 2図に想像線で示したよ うに、 スリーブ 6 3がカップ本体 6 2に対して芯がずれた状態で被せられてカー ル部 6 3 aがカップ本体 6 2の糸尻 6 2 gに乗り上げていても、 まず、 芯合わせ 部材 2 6 1 2の芯出し面 2 6 1 2 aがカール部 6 3 aに接触してスリーブ 6 3が カップ本体 6 2と芯合わせされる。

この後、 合わせ治具 2 0 6 1がさらに下降することにより、 段部 2 6 1 2 カ カップ本体 6 2の糸尻 6 2 gに突き当たって芯合わせ部材 2 6 1 2が治具本体 2 6 1 0内に押し込まれる。 そして、 治具本体 2 6 1 0のフランジ 2 6 1 0 bがス リーブ 6 3のカール部 6 3 aと接触し、 スリーブ 6 3がカップ本体 6 2のカール 部 6 2 c側へ適正量だけ押し込まれる。 これにより、 カップ本体 6 2とスリーブ 6 3とが接着範囲 B Dにて確実に接触して両者が正しく接合される。 芯合わせ治 具 2 0 6 1が所定位置まで降下すると、 次のカップ本体 6 2とスリーブ 6 3との mみ合わせに備えて芯合わせ治具 2 0 6 1が元の位置まで引き上げられる。なお、 スリーブ 6 3のカール部 6 3 aをカップ本体 6 2の糸尻 6 2 gよりも上方 （カー ル部 6 2 cの側） に位置させるため、 芯合わせ部材 2 6 1 2を治具本体 2 6 1 2 内に最大限に押し込んだときに段部 2 6 1 2 bはフランジ 2 6 1 0 bよりも上方 に後退する。

第 5 3図は検査装置 2 0 7 0の詳細を示している。 検査装置 2 0 7 0は、 回転 駆動機構 2 0 7 1と、 スリーブ 6 3がカップ本体 6 2に対して正しく装着されて いるか否かを検査するための透過型のフォ卜センサ 2 0 7 2と、 スリーブ 6 3が 正しく組み立てられているか否かを検査するためのレーザ測距センサ 2 0 7 3と を有している。 回転駆動機構 2 0 7 1は上述した加工装置 2 0 3 O Aのものと同 様であり、 モー夕 2 7 1 0にて回転駆動される駆動ホイール 2 7 1 1をカップ保 持具 2 1 0 0のホイール 2 1 0 6に接触させて力ップ保持具 2 1 0 0の回転筒 2 1 0 2を回転させる。

フォトセンサ 2 0 7 2は、 カップ本体 6 2の半径方向に対向して配置された一 対の発光部 2 7 2 0と、 受光部 2 7 2 1とを有している。 発光部 2 7 2 0は、 力 ップ本体 6 2の糸尻 6 2 gに向かって所定幅の帯状の検査光 （図中のハッチング 部分） を射出する。 受光部 2 7 2 1はその検査光の受光量に応じた信号を判定装 置 2 0 7 4に出力する。 上述した合わせ装置 2 0 6 0によるスリーブ 6 3の芯合 わせが失敗すると、 スリーブ 6 3が糸尻 6 2 gよりも突出して発光部 2 7 2 0力 らの検査光が正常な場合よりも大きく遮られる。 そこで、 判定装置 2 0 7 4は受 光部 2 7 2 1からの信号に基づいて検査光の受光量の変化を監視し、 その変化が 所定の許容範囲よりも大きいとスリーブ 6 3の組み付け不良と判断してモニタ 2 0 7 5にその結果を表示する。

また、 レーザ測距センサ 2 0 7 3は、 スリーブ 6 3の外周に向けて細く絞られ たレーザ光を照射し、 その反射光が検出されるまでのタイムラグに応じた信号を 出力する。 スリーブ 6 3力 ブランク 3 ' の貼り合わせの失敗等により、 所定の テ一パ形状に形成されていないと外周に歪みが生じるため、 レーザ光が跳ね返つ てくるまでの時間がスリーブ 6 3の回転に伴って大きく変動するようになる。 そ こで、 判定装置 2 0 7 4は、 レーザ光の反射が検出されるまでの時間の変化を監 視し、 その変化が所定の許容範囲よりも大きいとスリーブ 6 3の成形不良と判断 してモニタ 2 0 7 5にその結果を表示する。

検査装置 2 0 7 0にてスリーブ 6 3の組み付けまたは成形が不良と判断された 場合、 その時点で検査装置 2 0 7 0に供給されているカップ 6 1は後方の N G品 排除装置によりカップ 6 1の生産ラインから排除される。

第 5 4図および第 5 5図は排出装置 2 0 8 0の詳細を示している。 排出装置 2 0 8 0は、 ギアボックス 2 0 8 1と、 そのギアボックス 2 0 8 1の出力軸 2 8 1 0を中心として回転可能なマガジン 2 0 8 2を有している。 マガジン 2 0 8 2に は、 カップ 6 1が嵌合可能なテ一パ孔 2 8 2 0 aを有するポッ卜 2 8 2 0が、 マ ガジン 2 0 8 2の回転方向に 9 0 ° ずつ間隔をおいて取り付けられている。 ギア ボックス 2 0 8 1の入力軸 2 8 1 1にはスプロケット 2 8 1 2が取り付けられて いる。 スプロケット 2 8 1 2はチェーン 2 8 4 0等を組み合わせた伝達機構 2 0 8 4を介してターンテーブル 2 0 1 2の駆動機構 2 0 1 3と連結されている （第 4 0図および第 4 1図参照） 。 ターンテーブル 2 0 1 2が 3 0 ° 回転駆動される と、 マガジン 2 0 8 2が第 5 4図の矢印 R方向に 9 0 ° 回転して空のポッ卜 2 8 2 0がカップ保持具 2 1 0 0の真上に繰り出されるようにターンテーブル 2 0 1 2の回転とマガジン 2 0 8 2の回転とが関連付けられている。

ポット 2 8 2 0の直下には、 カップ保持具 2 1 0 0の支持軸 2 1 0 1の中心線 上に設けられたエア一流路の下端開口部と接続されてそのエアー流路に圧縮空気 を供給するエアー供給装置 （不図示） が設けられている。 支持軸 2 1 0 1内に供 給された圧縮空気は支持軸 2 1 0 1の上端から吹き出してカップ 6 1をその上方 に繰り出されたポッ卜 2 8 2 0のテーパ孔 2 8 2 0 aに送り込む。 これにより、 カップ保持具 2 1 0 0からポット 2 8 2 0へとカップ 6 1が移される。

ポット 2 8 2 0に保持されたカップ 6 1は、 マガジン 2 0 8 2が 9 0 ° ずつ 3 回転することによりカップ集積装置 2 0 8 5へ送られる。 カップ集積装置 2 0 8 5は、 カップ 6 1のカール部 6 2 cと係合する爪 2 8 5 0をァクチユエ一夕 2 8 5 1にて水平方向に動作させることにより、 カップ 6 1をポッ卜 2 8 2 0から抜 き取ってマガジン 2 8 5 3内に集積させる。 なお、 第 5 4図に示したように、 マガジン 2 0 8 2のカップ集積装置 2 0 8 5 に対してマガジン 2 0 8 2を挾んで反対側の位置にはカップ 6 1の内面検査装置 2 0 9 0が設けられる。 内面検査装置 2 0 9 0は、 ポット 2 8 2 0に保持された カップ 6 1の内面をリング状の照明灯 2 0 9 1にて照射しつつその画像をカメラ 2 0 9 2で撮影し、 カメラ 2 0 9 2から出力される画像データを画像処理装置 2 0 9 3で所定の処理を施してカップ 6 1の内面の汚れや形状不良の有無を検査す る。

上述した断熱容器の製造装置においては、 ターンテーブル 2 0 1 2及び駆動機 構 2 0 1 3が第 7の発明の製造装置における搬送装置として、 回転駆動機構 2 0 3 1が回転駆動手段として、 リブ加工機構 2 0 3 2がリブ加工装置として、 力一 ル部加工機構 2 0 3 4がカール加工装置として、 エアーシリンダ 2 0 6 2が治具 駆動手段として、 検査装置 2 0 7 0が組み合わせ検査装置及びスリーブ検査装置 として、 フォトセンサ 2 0 7 2が高さ情報検出手段として、 レーザ測距センサ 2 0 7 3が距離情報検出手段として、 判定装置 2 0 7 4が判定手段及び成形判定手 段として、 カップ保持具 2 1 0 0が容器保持具として、 回転筒 2 1 0 2が回転体 として、 フランジ 2 6 1 0 bが押し込み部としてそれぞれ機能する。 また、 第 8 の発明との対比において、 回転駆動機構 2 0 3 1が回転駆動手段として、 カップ 保持具 2 1 0 0が容器保持具として、 回転筒 2 1 0 2が回転体として、 フランジ 2 1 0 5 aが側壁受け部材として、 ホイール 2 1 0 6がカール受け部材として、 エア一シリンダ 2 3 2 0が型駆動手段として、 型押しローラ 2 3 2 1が型押し部 材として、 ェアーシリンダ 2 3 4 0がプレス駆動手段として、 プレスローラ 2 3 4 1がプレス部材としてそれぞれ機能する。

本発明の容器の製造装置は上記の実施形態に限定されず、 種々の形態にて実施 してよい。 例えば、 リブ加工機構 2 0 3 2とカール部加工機構 2 0 3 4とは別々 のステ一ションに設けてもよい。 検査装置 2 0 4 2や 7 0は省略してもよい。 以上の製造装置によれば、 容器本体のカール部の加工や側壁に対するリブ等の 加工と、 それらの加工を受けた容器本体とスリーブの貼り合わせとが同一の装置 内で続けて行われるので、 断熱容器を効率よく製造できる。 また、 スリーブ合わ せ装置を設けた場合には、 スリーブと容器本体との芯ずれによる組み合わせ不良 を解消して断熱容器を製造する際の歩留まりを向上させることができる。さらに、 スリーブと容器本体との組み合わせの良否や、 スリーブの成形の良否、 接着剤の 吹き付け状態に対する良否を検査する手段を設けることにより製造装置の信頼性 を高めることができる。

Claims

請求の範囲

1 . 上部が開口する筒状の胴部と、 該胴部の下部を塞ぐ底部とを有し、 少なく とも内面にポリオレフィン系樹脂層が形成された紙カツプ本体と、

前記紙カップ本体の前記胴部の外周面の間に間隙を形成するように装着された 紙スリーブとを備えた断熱容器であって、

前記紙カップ本体は、 前記胴部上端の開口部の外径が、 前記紙カップ本体の高 さより大きく形成されている断熱容器。

2 . 請求の範囲 1の断熱容器において、 前記紙カップ本体には、 前記胴部を周 回する方向にリブが形成されている。

3 . 請求の範囲 2の断熱容器において、 前記リブが、 前記胴部を連続して周回 するように形成されている。

4 . 請求の範囲 2の断熱容器において、 前記リブが、 前記胴部を断続して周回 するように形成されている。

5 . 請求の範囲 1乃至 4のいずれかの断熱容器において、 前記紙スリーブは、 下端部に内向きカール部が形成され、 該内向きカール部が前記胴部の下部の外周 面に当接している。

6 . 請求の範囲 1乃至 5のいずれかの断熱容器において、 前記間隙に断熱部材 が挿入されでいる。

7 . 内面にポリオレフイン系樹脂がコートされ、 上方開口縁に外向きカール部 が形成された有底の紙カップ本体と、 逆円錐台形状の紙スリーブとが組み合わさ れて、 前記紙力ップ本体の胴部外面と前記紙スリーブの内面との間に空間が形成 されている断熱容器であって、 前記紙スリーブの側壁には、 所定の長さを有し、 前記側壁の略円周方向に形成 さ lた折線と該折線の両端部を結ぶ切れ目線とによって区画され、 前記折線によ つて外側に折り返し可能な少なくとも一対のつかみ片が形成されているつかみ片 付き断熱容器。

8 . 請求の範囲 7のっかみ片付き断熱容器において、 前記折線が、 前記側壁の 周方向の 2点を結ぶ最短距離の直線である。

9 . 請求の範囲 7のっかみ片付き断熱容器において、 前記折線が、 下方に湾曲 している。

1 0 . 請求の範囲 7乃至 9のいずれかのつかみ片付き断熱容器において、 前記 切れ目線の途中に、 容易に切り離し可能な繋ぎ部が形成されている。

1 1 . 請求の範囲 7乃至 1 0のいずれかのつかみ片付き断熱容器において、 前 記つかみ片の周辺の一部に切り欠きが形成されている。

1 2 . 請求の範囲 7乃至 1 0のいずれかのつかみ片付き断熱容器において、 前 記つかみ片の先端部が小折線によって折り返し可能である。

1 3 . 請求の範囲 7乃至 1 2のいずれかのつかみ片付き断熱容器において、 前 記切れ目線の両端部がアールを描いて終結している。

1 . 側壁および前記側壁の下端側に配置された底部を有する容器本体と、 シート状のスリーブ材からなり、 下端側には前記スリーブ材を容器の中心側に 向けてカールさせてなる内向きカール部が形成され、 上端側には前記容器本体の 前記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記内向きカール部および前記 接着部の間の少なくとも一部では前記側壁の外側に空間を確保しつつ配置される スリーブと、 を備え、 oU 前記内向きカール部では、前記容器本体の中心線を含む平面での断面について、 前記スリーブ材の先端の向きが前記容器本体の中心線に沿う上向き方向を超える まで、 前記スリーブ材が巻き込まれている断熱容器。

1 5 . 側壁および前記側壁の下端側に配置された底部を有する容器本体と、 . シート状のスリ一ブ材からなり、 下端側には前記スリーブ材を容器の中心側に 向けてカールさせてなる内向きカール部が形成され、 上端側には前記容器本体の 前記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記内向きカール部および前記 接着部の間の少なくとも一部では前記側壁の外側に空間を確保しつつ配置される スリーブと、 を備え、

前記内向きカール部に巻き込まれる前記スリーブ材の先端は、 前記内向きカー ル部における前記容器本体の中心線に最も接近した部位よりも容器外側に位置す る断熱容器。

1 6 . 側壁、 前記側壁の下端側に配置された底部、 および前記側壁からその下 端側に延長して形成された糸尻を有する容器本体と、

シート状のスリーブ材からなり、 下端側には前記スリーブ材を容器の中心側に 向けてカールさせてなる内向きカール部が形成され、 上端側には前記容器本体の 前記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記内向きカール部および前記 接着部の間の少なくとも一部では前記側壁の外側に空間を確保しつつ配置される スリーブと、 を備え、

前記内向きカール部に巻き込まれる前記スリーブ材の先端と、 前記スリーブの 内壁面との間の隙間を 1 mm以下とした断熱容器。

1 7 . 側壁、 前記側壁の下端側に配置された底部、 および前記側壁からその下 端側に延長して形成された糸尻を有する容器本体と、

シート状のスリーブ材からなり、 下端側には前記スリーブ材を容器の中心側に 向けてカールさせてなる内向きカール部が形成され、 上端側には前記容器本体の 前記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記内向きカール部および前記 接着部の間の少なくとも一部では前記側壁の外側に空間を確保しつつ配置される スリーブと、 を備え、

前記内向きカール部に巻き込まれる前記スリーブ材の先端と、 前記スリーブの 内壁面との間の隙間を前記糸尻の厚さよりも小さくした断熱容器。

1 8 . 側壁、 前記側壁の下端側に配置された底部、 および前記側壁からその下 端側に延長して形成された糸尻を有する容器本体と、

シート状のスリーブ材からなり、 下端側には前記スリーブ材を容器の中心側に 向けてカールさせてなる内向きカール部が形成され、 上端側には前記容器本体の 前記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記内向きカール部および前記 接着部の間の少なくとも一部では前記側壁の外側に空間を確保しつつ配置される スリーブと、 を備え、

前記容器本体の中心線を含む平面での断面について、 前記糸尻が前記側壁の外 面を延長した直線よりも容器内側に位置付けられるように前記糸尻が倒し込まれ ている断熱容器。

1 9 . 側壁、 前記側壁の下端側に配置された底部、 および前記側壁からその下 端側に延長して形成された糸尻を有する容器本体と、

シート状のスリーブ材からなり、 下端側には前記スリ一ブ材を容器の中心側に 向けてカールさせてなる内向きカール部が形成され、 上端側には前記容器本体の 前記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記内向きカール部および前記 接着部の間の少なくとも一部では前記側壁の外側に空間を確保しつつ配置される スリーブと、 を備え、

前記糸尻のバリを容器内側に突出させた断熱容器。

2 0 . 側壁、 前記側壁の下端側に配置された底部、 および前記側壁からその下 端側に延長して形成された糸尻を有する容器本体と、

シー卜状のスリーブ材からなり、 下端側には前記スリ一ブ材を容器の中心側に 向けてカールさせてなる内向きカール部が形成され、 上端側には前記容器本体の 前記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記内向きカール部および前記 接着部の間の少なくとも一部では前記側壁の外側に空間を確保しつつ配置される スリーブと、 を備え、

前記糸尻の下端の外周位置は前記内向きカール部における前記容器本体の中心 線に最も接近した部位よりも前記容器本体中心線寄りに位置する断熱容器。

2 1 . 請求の範囲 2 0の断熱容器において、 前記糸尻の下端の外周位置と、 前 記内向きカール部における前記容器本体の中心線に最も接近した部位との間の変 位量は、 前記容器本体の半径方向について 0 . 0 1〜 l mmの範囲に設定されて いる。

2 2 . 側壁、 および前記側壁の下端側に配置された底部を有する容器本体と、 シート状のスリーブ材からなり、 下端側には前記スリーブ材を容器の中心側に 向けてカールさせてなる内向きカール部が形成され、 上端側には前記容器本体の 前記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記内向きカール部および前記 接着部の間の少なくとも一部では前記側壁の外側に空間を確保しつつ配置される スリーブと、 を備え、

前記内向きカール部と、 前記部位に向き合う前記容器本体の外面との間に隙間 が形成されている断熱容器。

2 3 . 請求の範囲 2 2の断熱容器において、 前記隙間は、 0 . 0 1〜 l mmの 範囲に設定されている。

2 4 . 側壁および前記側壁の下端側に配置された底部を有する容器本体と、 シ一卜状のスリーブ材からなり、 前記側壁の外側に空間を確保しつつ配置され るスリーブと、 を備え、

前記容器本体の下端は前記スリーブの下端よりも下方に突出されている断熱容 器。

2 5 . 請求の範囲 2 4の断熱容器において、

前記スリーブの下端側には前記スリーブ材を容器の中心側に向けてカールさせ てなる内向きカール部が形成され、 前記スリーブの上端側には前記容器本体の前 記側壁に対して接着される接着部が形成され、

前記スリーブは、 前記内向きカール部および前記接着部の間の少なくとも一部 では前記側壁の外側に空間を確保しつつ配置される。

2 6 . 請求の範囲 2 4または 2 5の断熱容器において、

前記容器本体には、 前記側壁からその下端側に延長して形成された糸尻が形成 され、

前記糸尻の下端は前記容器本体の下端を構成する。

2 7 · 請求の範囲 2 4〜 2 6のいずれかの断熱容器において、 前記容器本体の 下端は、 前記スリーブの下端に対して 0 . 0 1〜5 mmの突出量で突出されてい る。

2 8 . 側壁および前記側壁の下端側に配置された底部を有し、 前記側壁の上端 側には容器の外側に向けてカールしてなる外向きカール部が形成された容器本体 と、

シート状のスリーブ材からなり、 上端側には前記容器本体の前記側壁に対して 接着される接着部が形成され、 前記側壁の外側に空間を確保しつつ配置されるス リーブと、 を備え、

前記容器本体の中心線を含む平面での断面について、 前記側壁は、 前記接着部 に対向する部位が、 前記部位の下方の部位の延長線に対して容器内側方向に傾く ように形成されている断熱容器。

2 9 . 側壁および前記側壁の下端側に配置された底部を有し、 前記側壁の上端 側には容器の外側に向けてカールしてなる外向きカール部が形成された容器本体 と、 シ一卜状のスリーブ材からなり、 上端側には前記容器本体の前記側壁に対して 接着される接着部が形成され、 前記側壁の外側に空間を確保しつつ配置されるス リーブと、 を備え、

前記容器本体の中心線を含む平面での断面について、 前記側壁は、 前記接着部 に対向する部位が前記スリーブ材に沿うように湾曲して形成されている断熱容器。

3 0 . 側壁および前記側壁の下端側に配置された底部を有し、 前記側壁の上端 側には容器の外側に向けてカールしてなる外向きカール部が形成された容器本体 と、

シー卜状のスリーブ材からなり、 上端側には前記容器本体の前記側壁に対して 接着される接着部が形成され、 前記側壁の外側に空間を確保しつつ配置されるス リーブと、 を備え、

前記容器本体の中心線を含む平面での断面について、 前記スリーブは、 前記接 着部が前記側壁に沿うように湾曲して形成されている断熱容器。

3 1 . 側壁および前記側壁の下端側に配置された底部を有し、 前記側壁の上端 側には容器の外側に向けてカールしてなる外向きカール部が形成された容器本体 と、

シー卜状のスリーブ材からなり、 上端側には前記容器本体の前記側壁に対して 接着される接着部が形成され、 前記側壁の外側に空間を確保しつつ配置されるス リーブと、 を備え、

前記容器本体の前記外向きカール部直下における外径と、 前記外向きカール部 直下に対向する部位における前記スリーブの内径との差が— 1 . 0〜十 0 . 5 m mの範囲となるように形成された前記容器本体および前記スリーブを前記接着部 を介して接着してなる断熱容器。

3 2 . 側壁および前記側壁の下端側に配置された底部を有し、 前記側壁の上端 側には容器の外側に向けてカールしてなる外向きカール部が形成された容器本体 と、 シート状のスリーブ材からなり、 上端側には前記容器本体の前記側壁に対して 接着剤を介して接着される接着部が形成され、 前記側壁の外側に空間を確保しつ つ配置されるスリーブと、 を備え、

前記接着部の上端は、 前記外向きカール部の下端から容器本体の中心線の方向 に沿って l mm以上下方に離された位置にある断熱容器。

3 3 . 側壁および前記側壁の下端側に配置された底部を有し、 前記側壁の上端 側には容器の外側に向けてカールしてなる外向きカール部が形成された容器本体 と、

シー卜状のスリーブ材からなり、 上端側には前記容器本体の前記側壁に対して 接着剤を介して接着される接着部が形成され、 前記側壁の外側に空間を確保しつ つ配置されるスリーブと、 を備え、

前記接着部は容器本体の中心線の方向について 3 mm以上の幅にわたって設け られている断熱容器。

3 4 . 側壁および前記側壁の下端側に配置された底部を有し、 前記側壁の上端 側には容器の外側に向けてカールしてなる外向きカール部が形成された容器本体 と、

シー卜状のスリーブ材からなり、 上端側には前記容器本体の前記側壁に対して 接着剤を介して接着される接着部が形成され、 前記側壁の外側に空間を確保しつ つ配置されるスリーブと、 を備え、

前記接着部の上端は、 前記スリ一ブの上端よりも下方に位置する断熱容器。

3 5 . 側壁および前記側壁の下端側に配置された底部を有する容器本体と、 シー卜状のスリーブ材からなり、 下端側には前記スリーブ材を容器の中心側に 向けてカールさせてなる内向きカール部が形成され、 上端側には前記容器本体の 前記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記内向きカール部および前記 接着部の間の少なくとも一部では前記側壁の外側に空間を確保しつつ配置される スリーブと、 を備え、 前記内向きカール部における前記スリーブ材の曲率半径が 0. 6〜2. 0mm の ^囲に設定された断熱容器。

36. 請求の範囲 35の断熱容器において、 前記曲率半径が 1. 1〜1. 5m mの範囲に設定されている。

37. 請求の範囲 35または 36の断熱容器において、 前記スリーブ材として 紙が用いられている。

38. 請求の範囲 37の断熱容器において、 前記紙の坪量が、 150〜 400 g/m²の範囲に設定されている。

39. 側壁および前記側壁の下端側に配置された底部を有する容器本体と、 シ一卜状のスリーブ材からなり、 下端側には前記スリーブ材を容器の中心側に 向けてカールさせてなる内向きカール部が形成され、 上端側には前記容器本体の 前記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記内向きカール部および前記 接着部の間の少なくとも一部では前記側壁の外側に空間を確保しつつ配置される スリーブと、 を備え、

前記内向きカール部に対応する領域の前記スリーブ材表面には摩擦低減層が形 成されている断熱容器。

40. 請求の範囲 39の断熱容器において、 前記摩擦低減層としてセルロース 系榭脂を含む組成物が用いられている。

41. 請求の範囲 39の断熱容器において、 前記摩擦低減層としてアクリル系 樹脂を含む組成物が用いられている。

42. 請求の範囲 39〜41のいずれかの断熱容器において、 前記摩擦低減層 として印刷面を保護するためのオーバープリントニスが用いられている。

4 3 . 請求の範囲 3 9〜 4 2のいずれかの断熱容器において、 前記摩擦低減層 は前記スリ一ブ材の容器外側に向いた表面に形成されている。

4 4 . 側壁および前記側壁の下端側に配置された底部を有する容器本体と、 シート状のスリーブ材からなり、 下端側には前記スリーブ材を容器の中心側に 向けてカールさせてなる内向きカール部が形成され、 上端側には前記容器本体の 前記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記内向きカール部および前記 接着部の間の少なくとも一部では前記側壁の外側に空間を確保しつつ配置される スリーブと、 を備え、

前記スリーブは、 前記容器本体の周囲に巻きつけられた帯状のスリーブ材の両 端部を互いに重ね合せて接着することにより形成され、

前記スリーブ材にはその重ね合わせ面積を減少させるためのカツト部が形成さ れ、

前記カツト部は前記内向きカール部に対応する領域からそれ以外の領域にわた つて前記スリーブ材をカツ卜して形成されている断熱容器。

4 5 . 側壁および前記側壁の下端側に配置された底部を有する容器本体と、 シート状のスリーブ材からなり、 下端側には前記スリーブ材を容器の中心側に 向けてカールさせてなる内向きカール部が形成され、 上端側には前記容器本体の 前記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前記内向きカール部および前記 接着部の間の少なくとも一部では前記側壁の外側に空間を確保しつつ配置される スリーブと、 を備え、

前記スリーブは、 前記容器本体の周囲に巻きつけられた帯状のスリーブ材の両 端部を互いに重ね合せて接着することにより形成され、

前記スリーブ材にはその重ね合わせ面積を減少させるための力ット部が形成さ れ、

前記カツト部は内向きカール部に対応する領域における重ね合わせ面積を 5 0 パ一セン卜以上減少させるように前記スリ一ブ材を力ッ卜して形成されている断 熱容器。

46. 請求の範囲 44または 45の断熱容器において、 前記カット部は、 前記 スリーブ材の前記両端部のうち、容器内側に配される側の端部に形成されている。

47. 請求の範囲 44〜 46のいずれかの断熱容器において、前記カツト部は、 前記スリーブ材の隅を前記両端部のうちの一の端辺に対して斜めに切り落として 形成されている。

48. 開口部の周緣にカール部が形成された側壁と、 前記開口部に対向する底 部とを備え、

前記カール部の容器軸線方向の幅を 「A」 、 前記カール部の容器半径方向の幅 を 「Bj 、 前記側壁の厚みを 「tj とするとき、

2 t <A<B

の条件を満たしている容器。

49. 開口部の周縁にカール部が形成された側壁と、 前記開口部に対向する底 部とを有する容器本体と、

一端側には前記容器本体の前記側壁に対して接着される接着部が形成され、 前 記側壁の外側に空間を確保しつつ配置されるスリーブと、 を備え、

前記カール部の容器軸線方向の幅を 「A」 、 前記カール部の容器半径方向の幅 を 「B」 、 前記側壁の厚みを 「t」 とするとき、

2 t <A<B

の条件を満たしている容器。

50. 請求の範囲 48または 49の容器において、 前記カール部には前記開口 部を塞ぐフィルム状の蓋材が接着され、 前記蓋材は、 前記カール部に対して剥離 力が 400〜900g f/l 5 mm幅の範囲となるような接着力で接着されてい る。

5 1 . 請求の範囲 4 8〜 5 0のいずれかの容器において、 前記側壁は紙で形成 されている。

5 2 . 扇状のブランクから、 断熱容器の外装として使用されるテーパ筒状のス リーブを成形する断熱容器のスリ一ブ製造装置であって、

前記スリーブの内周に嵌合可能なテ一パ軸状の胴部を有するマンドレルと、 前記マンドレルを所定の周回経路に沿って搬送する搬送装置と、

前記周回経路上の所定位置に繰り出される前記マンドレルの直下に、 前記ブラ ンクをその一端部に前記接着剤を塗布して供給するブランク供給装置と、

前記ブランク供給装置から供給された前記ブランクを前記一端部に塗布された 接着剤が他端部と重なるようにして前記マンドレルに巻き付ける巻き付け装置と、 前記マンドレル上にて形成された前記スリーブの継ぎ目部を相互に押さえ付け るシール装置と、

前記周回経路に沿って並べて設けられ、 前記マンドレルからの前記スリーブの 突出部に加工治具を押し付けてカール部を加工する複数のカール加工装置と、 前記カール部が加工された前記スリ一ブを前記マンドレルから取り外すスリ一 ブ排出装置と、 を備え、

前記複数のカール加工装置の少なくとも一つは、 前記加工治具を加熱して前記 スリーブの前記突出部に押し付けるスリーブ製造装置。

5 3 . 請求の範囲 5 2の製造装置において、 前記複数のカール加工装置の少な くとも二つが前記加工治具を加熱して前記スリーブの前記突出部に押し付けるよ うに構成され、 それら加熱される加工治具のうち、 前記搬送経路の上流側の加工 治具よりも下流側の加工治具の方が温度が低く設定される。

5 4 . 請求の範囲 5 2または 5 3の製造装置において、 前記複数のカール加工 装置のうち、 前記搬送経路の最も上流側に配置されるカール加工装置は、 前記加 ェ治具を回転させながら前記スリーブの前記突出部に押し付けるように構成され ている。

5 5 . 断熱容器のスリーブを形成するための扇状のブランクを、 テーパ軸状の 胴部を有するマンドレルの直下まで搬送するブランク供給装置であって、

前記ブランクをその貼り合わせられるべき一端部が前記マンドレルの中心線の 方向に設定された搬送方向と平行に保持された状態で搬送する第 1の搬送装置と、 前記第 1の搬送装置にて搬送される前記ブランクの前記一端部の下面側に接着 剤を塗布する接着剤塗布装置と、

前記接着剤の塗布された前記ブランクを前記搬送方向と直交する方向に延びる 回転軸線の周りに回転させて上下に反転させる反転装置と、

前記反転されたブランクを、 前記マンドレルの前記中心線に関して左お対称な 姿勢で搬送する第 2の搬送装置と、

を備えたブランク供給装置。

5 6 . 請求の範囲 5 5のブランク供給装置において、 前記反転装置は、 前記回 転軸線の周りに旋回可能な一対のホイールを具備し、 前記一対のホイールのそれ ぞれには前記第 1の搬送装置にて送られる前記ブランクを取り込み可能なスリッ 卜が設けられ、 前記第 2の搬送装置は前記スリッ卜から前記ブランクを取り出し て前記マンドレルの直下まで搬送する。

5 7 . 請求の範囲 5 6のブランク供給装置において、 前記一対のホイールが、 前記マンドレルの前記中心線に関して対称に配置されるとともに、 前記回転軸線 から各ホイールの前記スリッ卜の内周側の端部までの距離が互いに等しくされて いる。

5 8 . 請求の範囲 5 6または 5 7のブランク供給装置において、 前記一対のホ ィールのそれぞれには、 前記スリッ卜が前記ホイールの周方向に一定の間隔をお いて複数設けられている。

5 9 . 請求の範囲 5 6〜 5 8のいずれかのブランク供給装置において、 前記第 1の搬送装置から前記ホイールの前記スリッ卜に取り込まれた前記ブランクが、 前記第 1の搬送装置による搬送面よりも持ち上げられるようにして前記第 2の搬 送装置側へ送られるように前記ホイールの回転方向が設定されている。

6 0 . 断熱容器のスリーブを形成するための扇状のブランクを、 テーパ軸状の 胴部を有するマンドレルの直下まで搬送するブランク供給装置であって、

前記ブランクをその貼り合わせられるべき一端部が前記マンドレルの中心線の 方向に設定された搬送方向と平行に保持された状態で搬送する第 1の搬送装置と、 前記第 1の搬送装置にて搬送される前記ブランクの前記一端部に接着剤を塗布 する接着剤塗布装置と、

前記接着剤の塗布された前記ブランクを前記第 1の搬送装置による搬送方向に 対して迂回させる迂回装置と、

前記迂回装置から前記ブランクを受け取って前記マンドレルの直下まで搬送す る第 2の搬送装置と、

を備えたブランク供給装置。

6 1 . 請求の範囲 6 0のブランク供給装置において、 前記迂回装置が、 前記第 1の搬送装置の搬送方向と直交する方向に延びる回転軸線の周りに旋回可能な一 対のホイールを具備し、 前記一対のホイールのそれぞれには前記第 1の搬送装置 にて送られる前記ブランクを取り込み可能なスリッ卜が設けられ、 前記第 2の搬 送装置は前記スリッ卜から前記ブランクを取り出して前記マンドレルの直下まで 搬送する。

6 2 . マンドレルのテ一パ軸状の胴部に巻き付けられた前記スリーブを前記マ ンドレルから取り外すスリーブ排出装置であって、

前記胴部上の前記スリーブに回転中のローラを押し当てて前記胴部の小径側の 端部から前記スリーブを脱出させるローラ機構と、

前記ローラ機構により取り出された前記スリーブをその内周側から受け止める スリーブ受け部を備えたスリーブ保持体と、 を備えたスリーブ排出装置。

6 3 . 請求の範囲 6 2のスリーブ排出装置において、 前記スリーブ保持体は、 所定の回転軸線の周りに回転可能であり、 その回転軸線の周りに前記スリーブ受 け部が一定間隔で複数設けられている。

6 4 . 容器本体の外周にスリーブを組み合わせて断熱容器を製造する製造装置 であって、

前記容器本体の端緣に設けられたカール部を受けるカール受け部材および前記 容器本体の側壁をその内側から受ける側壁受け部材を備えた容器保持具と、 前記容器本体の前記力一ル部を前記カール受け部材に押し付けて変形させる力 ール加工装置と、

前記容器本体の前記側壁を前記側壁受け部材に押し付けて変形させるリブ加工 装置と、

前記カール加工装置および前記リブ加工装置による加工をそれぞれ受けた前記 容器本体の外周に接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、

'前記接着剤が塗布された前記容器本体の外周に前記スリーブを被せるスリーブ 供給装置と、

を備えた断熱容器の製造装置。

6 5 . 請求の範囲 6 4の製造装置において、 前記スリーブ供給装置にて供給さ れたスリーブを前記容器保持具上に保持された前記容器本体に向かって押し込む スリーブ合わせ装置が設けられている。

6 6 . 請求の範囲 6 5の製造装置において、 前記スリーブ合わせ装置による処 理後に、 前記容器本体と前記スリーブとの組み合わせの良否を検査する組み合わ せ検査装置が設けられている。

6 7 . 請求の範囲 6 5または 6 6の製造装置において、 前記スリーブ合わせ装 置による処理後に、 前記スリーブの成形の良否を検査するスリーブ検査装置が設 けられている。

6 8 . 請求の範囲 6 4の製造装置において、 前記容器保持具を所定の搬送経路 に沿って搬送する搬送装置を具備し、 前記カール加工装置、 前記リブ加工装置、 前記接着剤塗布装置および前記スリーブ供給装置が前記搬送経路に沿って設けら れている。

6 9 . 容器本体の外周にスリーブを組み合わせて断熱容器を製造する製造装置 であって、

前記容器本体を上下に反転させた状態で保持する容器保持具と、

前記容器保持具に保持された前記容器本体の外周に、 当該容器本体の上方から 前記スリ一ブを被せるスリーブ供給装置と、

前記容器本体に被せられた前記スリーブを前記容器本体に向かって押し込むス リーブ合わせ装置とを具備し、

前記スリーブ合わせ装置は、 前記容器本体に被せられたスリーブの上端部と対 向する合わせ治具と、 前記合わせ治具を前記容器保持具に向かって駆動する治具 駆動手段とを具備し、

前記合わせ治具には、 前記スリーブの上端部に当接可能な押し込み部を有する 治具本体と、 前記押し込み部による前記スリーブの押し込みに先行して前記スリ —ブと係合し、 当該スリーブを前記容器本体と芯が合うように半径方向に変位さ せる芯合わせ部材とが設けられ、

前記芯合わせ部材は、 前記治具本体に対して同軸かつ前記スリーブの押し込み 方向に移動可能に設けられ、 前記芯合わせ部材の前記スリーブと対向する端部の 外周には、 前記スリーブ側に向かうほど径が減少する芯出し面が設けられている 断熱容器の製造装置。

7 0 . 容器本体の外周にスリ一ブを組み合わせて断熱容器を製造する製造装置 であって、 前記容器本体を保持しつつ当該容器本体の軸線周りに回転可能な回転体を有す る容器保持具と、

前記容器保持具上に保持された前記容器本体の外周に向かって接着剤を吹き付 けるノズル手段を備えた接着剤塗布装置とを具備し、

前記接着剤塗布装置には、 前記ノズル手段と前記容器本体の前記側壁の接着範 囲との間に設定された撮影範囲の画像を撮影する撮像手段と、 前記撮影範囲の画 像内における前記接着剤に対応した階調の領域が占める割合に基づいて、 前記接 着剤の吹き付け状態の良否を判断する判定手段とが付設されている断熱容器の製 造装置。

7 1 . 容器本体の外周にスリーブが組み合わされた断熱容器を検査する検査装 置であって、

前記断熱容器を上下に反転させた状態でその軸線周りに回転自在に保持する回 転体を備えた容器保持具と、

前記回転体を回転駆動する回転駆動手段と、

前記回転体の駆動に連動して、 前記容器保持具の周囲の所定位置にて前記断熱 容器の上端部の高さの変化を検出し、 その検出結果に応じた情報を出力する高さ 情報検出手段と、

前記高さ情報検出手段が出力した情報に基づいて前記組み合わせの良否を判定 する判定手段とを備えている検査装置。

7 2 . 請求の範囲 7 1の検査装置において、 前記高さ情報検出手段は、 前記容 器保持具上に保持された前記断熱容器の上端部を挟んで対向配置された発光部お よび受光部を有し、 前記発光部から前記受光部に向けて所定幅の検査光を照射す るとともに前記受光部から前記検査光の受光量に応じた信号を出力する。

7 3 . 請求の範囲 7 1の検査装置において、 前記回転体の駆動に連動して、 前 記容器保持具の周囲の所定位置から前記断熱容器のスリーブの外周までの距離の 変化を検出し、 その検出結果に応じた情報を出力する距離情報検出手段と、 前記 距離情報検出手段が出力した情報に基づいて前記スリーブの成形の良否を判定す る成形判定手段とが設けられている。

7 4 . 容器の端縁に設けられたカール部の一部に対して接触可能なプレス部材 と、

前記カール部を挟んで前記プレス部材と対向するように設けられたカール受け 部材と、

前記プレス部材と前記カール受け部材との間で前記カール部が挟み込まれるよ うに前記プレス部材または前記カール受け部材を前記カール部に向かって駆動す るプレス駆動手段と、

前記プレス部材と前記カール受け部材とによって前記カール部が挟まれる位置 が前記容器の周方向に変化するように、 前記プレス部材または前記容器を回転駆 動する回転駆動手段と、 を具備する容器の加工装置。

7 5 . 請求の範囲 7 4の加工装置において、 前記カール受け部材が前記カール 部をその全周に亘つて受けるように設けられている。

7 6 . 請求の範囲 7 4の加工装置において、 前記容器を保持する容器保持具を 具備し、 前記容器保持具には、 前記容器を保持しつつ当該容器の軸線の周りに回 転可能な回転体が設けられ、 前記カール受け部材が前記回転体上に設けられ、 前 記回転駆動手段は前記回転体を回転駆動する。

7 7 . 請求の範囲 7 6の加工装置において、 前記回転駆動手段は、 前記回転体 の外周に接触する駆動ホイールと、 前記駆動ホイールを回転駆動する駆動源とを 有している。

7 8 . 請求の範囲 7 4の加工装置において、 前記プレス部材が、 前記容器の半 径方向に延びる軸線の周りに回転自在なローラである。

7 9 . 請求の範囲 7 4の加工装置において、 前記プレス部材と前記カール受け 部材とによって前記カール部が押し込まれているときに、 前記プレス駆動手段か ら供給される押し付け力に抗して前記プレス部材または前記カール受け部材を前 記カール部から離れる方向に変位可能とした。

8 0 . 請求の範囲 7 4の加工装置において、 前記プレス駆動手段として、 エア ーシリンダを設けた。

8 1 . 請求の範囲 7 6の加工装置において、 前記回転体上には、 前記容器の側 壁をその内面側から全周に亘つて受ける側壁受け部材が設けられ、 前記容器保持 具の側方には、 前記側壁受け部材と対向しかつ前記側壁の周方向の一部と接触可 能な型押し部材と、 その型押し部材を前記側壁に向かって駆動する型駆動手段と が設けられている。

8 2 . 請求の範囲 8 1の加工装置において、 前記プレス部材と前記カール部と の接触位置が、 前記型押し部材と前記側壁との接触位置に対して前記容器の半径 方向反対側に設定されている。

8 3 . 請求の範囲 7 6または 8 1の加:!:装置において、 前記容器の底側を前記 容器保持具に向かって押し付ける抜け止め手段を設けた。

8 4 . 請求の範囲 7 4の加工装置において、 前記容器が、 前記カール部を備え た容器本体とその外周に被せられるスリーブとを有する断熱容器であり、 前記プ レス部材と前記カール受け部材とによる前記カール部の加工が前記スリーブの装 着前の前記容器本体に対して行われる。

8 5 . 容器の端縁に設けられたカール部の一部をプレス部材と受け部材とで挟 み込み、 その挟み込む位置を前記カール部の周方向に沿って漸次変化させて当該 カール部の全周を所定形状に加工する容器の加工方法。