WO1999013052A1 - Bac de brassage destine a stocker une solution de levure et procede de production de produits alimentaires fermentes tels que la biere au moyen dudit bac de brassage - Google Patents

Description

明 細 書 酵母液貯留用攪拌槽と、 その攪拌槽を用いたビール等の発酵食品類の製造方法 技術分野

本発明は、 酵母液貯留用攪拌槽と、 その攪拌槽を用いた発酵食品類の製 造方法、 さらに詳しくは、 主として、 ビール製造プロセスにおいて使用す る酵母液貯留用攪拌槽と、 その酵母攪拌槽を用いてビール等の発酵食品を 製造する方法に関する。 背景技術

従来、 ビールの製造プロセスにおいて、 発酵槽に供給する酵母液の貯留 用混合攪拌槽内に具備される攪拌翼は、 主として傾斜パドル翼等の比較的 せん断力の大きい翼が使用されていた。

しかし、 このような翼を用いて酵母液を攪拌する場合、 低速攪拌では全 体を均一に混合することができないという問題点がある。

一方、 この混合不良を解消し、 酵母濃度の均一性を増すために、 高速の 強い攪拌をすると、 酵母を傷つけ、 破壊し、 その生物活性を低下させると いう問題点がある。 発明の開示

本発明は、 このような相反する問題点を解決するためになされたもので、 極力低速で、 従って低せん断力で、 槽内全体を混合攪拌することにより、 従来に比べて著しく低速の回転数で全体を均一に混合することができ、 且 つ酵母の生物活性度も低下させないことを課題とするものである。

本発明は、 このような課題を解決するために、 酵母液貯留用攪拌槽と、 その攪拌槽を用いたビール等の発酵食品類の製造方法としてなされたもの で、 酵母攪拌槽としての特徴は、 ビール等の発酵食品類を発酵させる発酵 槽へ供給するための酵母液を貯留する酵母液貯留用攪拌槽において、 低せ ん断型の攪拌翼を具備したことにある。

また、 ビール等の発酵食品類の製造方法としての特徴は、 酵母液貯留用 攪拌槽で酵母液を攪拌する工程を有するビール等の発酵食品類の製造方法 において、 前記酵母液貯留用攪拌槽に、 低せん断型の攪拌翼を具備し、 該 攪拌翼を低速で回転させて酵母液を攪拌することにある。

低せん断型の攪拌翼としては、 たとえば攪拌槽本体 1の中心部に回転軸 2を垂設し、 この回転軸 2に複数のパドル翼 3a， 3b，…を上下多段に配設し て構成したようなものを使用することが可能である。

この場合、 各パドル翼 3a, 3b,…の高さは翼径の 1 /2 以上とすることが好 ましい。

また、 複数のパドル翼 3a， 3bの交差角は、 30度〜 90度の範囲内であるこ とが好ましい。 図面の簡単な説明

第 1図は、 一実施形態としての酵母攪拌槽を模式的に示す概略正面図、 第 2図は、 酵母攪拌槽のパドル翼の配置状態を示す概略平面図、

第 3図は、 酵母攪拌槽と主発酵槽との位置関係を示す概略ブロック図、 第 4図は、 パドル翼の回転数と酵母液の攪拌状態の相関関係を示すグラフ、 第 5図は、 酵母攪拌槽内での濃度分布を測定する際の各ボイントを図示した概略 説明図、

第 6図は、 攪拌時間と酵母液の p Hとの相関関係を示すグラフ、

第 7図は、 攪拌時間と酵母液の吸光度との相関関係を示すグラフ、

第 8図は、 攪拌槽からの液の排出量と温度との相関関係を示すグラフ、 第 9図は、 攪拌槽からの液の排出量と濃度との相関関係を示すグラフ、

第 1 0図は、 攪拌時間と酵母液の p Hとの相関関係を示すグラフ、

第 1 1図は、 攪拌時間と酵母液の吸光度との相関関係を示すグラフである。

以下、 本発明の実施形態について、 図面に従って説明する。 発明を実施するための最良の形態

実施形態 1

図 1は、 一実施形態としての酵母攪拌槽を模式的に示す概略正面図であ る。

図 1において、 1は槽本体で、 全体が竪形円筒状に形成されている。

2は、 前記槽本体 1のほぼ中心部に垂設された回転軸で、 この回転軸 2 には、 上下 2段にパドル翼 3a, 3b が取付けられている。

そして、 それぞれ上下のパドル翼 3a, 3b の高さは、 翼径の 1/2 以上の大 きさとされている。

さらに、 上下のパドル翼 3a, 3bは、 図 2に示すように 45度の交差角度を なして配設されている。

上記のような構成からなる酵母攪拌槽 4は、 図 3に示すようにビール製 造用の主醱酵槽 5の後段に配置して用いられるものである。

すなわち、 ビールの製造工程は、 麦芽の糖化工程や酵母によるアルコ一 ル化工程等からなるが、 その酵母によるアルコール化工程において、 主醱 酵槽 5から排出される酵母の一部が上記酵母攪拌槽 4で貯留され、 再利用 するための種酵母として前記主醱酵槽 5へ返送される。

そして、 酵母攪拌槽 4内では、 酵母が均一に攪拌される必要がある。

上記実施形態 1のような低せん断型の酵母攪拌槽を用いることによって. 酵母を失活させない程度の低速の回転数、 従って低せん断力で攪拌し、 し かも全体を均一に攪拌混合することができる。 すなわち、 上下にパドル翼 3 a, 3 b が配置されているため、 それぞれのパ ドル翼 3 a，3 b から吐出流が生じることなり、 上下の吐出流が相互に干渉す ることがないために、 酵母液の流れをスムーズに繋ぐことができる。

特に、 上下のパドル翼 3 a, 3 b の高さは、 それぞれ翼径の 1 /2 以上の大き さとされているため、 スムーズな酵母液の流れが阻害されることもない。 また、 上下のパドル翼 3 a, 3 bが、 平面から見て 45度の交差角度をなして 配設されているので、 この位相のずれがスム一ズな酵母液の上下の流動を 生じさせることとなる。

よって、 このような作用により、 酵母攪拌槽 4内での均一な攪拌混合効 果が得られるのである。

その他の実施形態

尚、 上記実施形態では、 パドル翼を上下 2段に配置したが、 3段以上に 配置することも可能である。

また、 該実施形態では、 上下のパドル翼を平面から見て 45度の交差角度 をなして配設されていたが、 この交差角度も該実施形態に限定されるもの ではない。

ただし、 ある程度のスムーズな酵母液の上下の流動を生じさせるために は、 30度〜 90度の範囲内であることが好ましい。

さらに、 酵母攪拌槽 4の構造も、 上記実施形態のように、 回転軸 2に上 下多段のパドル翼 3 a, 3 b,…を配設したような構造のものに限らず、 たとえ ば日本国特開平 7 — 786 号公報に開示された攪拌翼のように、 多数の穴部 を形成したようなもの、 或いは日本国特開昭 60— 39548 号公報や日本国特 開平 8 - 281 089号公報に開示された攪拌翼のように、 格子状に形成したよ うなものを使用することも可能である。

その他、 日本国特開平 7 — 1 081 53号公報、 日本国特開平 7 — 1 2445 6号公 報、 日本国特開平 8 — 24609 号公報、 日本国特開平 8 — 7 1 398 号公報、 日 本国実開平 7 - 34928 号公報に開示された攪拌翼を用いることも可能であ る。

さらに、 上記実施形態では、 酵母攪拌槽をビール製造用に用いる場合に ついて説明したが、 その用途はこれに限定されるものではなく、 ビ一ル以 外の酵母攪拌用として使用することも可能である。

実施例 1

本実施例では、 上記実施形態 1の酵母攪拌槽を用いて酵母液を攪拌する 場合の攪拌効果を確認した。

攪拌槽としては、 容積 2 L のものを用いた。

図 4は、 パドル翼の回転数と、 酵母の攪拌状態 （酵母液の回転数） の相 関関係を示すグラフである。

パドル翼 3a, 3b の先端部近辺を内周部、 槽本体 1の内周面を外周部とし て、 酵母液の攪拌状態を確認した。

先ず、 翼の回転数が低い場合には、 内周部と外周部の酵母液の回転数の 差はなく、 酵母液が良好に槽全体に攪拌されていた。 次に、 翼の回転数を 上げていくと、 内周部においては、 翼の回転数に比例して酵母液の回転数 が上昇し、 従って酵母の攪拌効果は、 翼の回転数に比例して向上すること となる。

これに対し、 外周部は、 翼の先端部から離間しているため、 図 4にも示 すようにパドル翼の回転数を上げても、 直ちに酵母の良好な攪拌効果は得 られない。

しかし、 回転数を一定以上にすると、 同図のように外周部における酵母 液の回転数が急激に上昇し、 酵母液の良好な攪拌効果が得られた。

実施例 2

本実施例では、 槽本体 1内での各ポイントにおける酵母液の濃度を測定 した。 攪拌槽としては、 容積 2 L のものを用いた。

回転数は 4 rpm 、 攪拌時間は 24時間で行った _c

各ボイントの位置は図 5に図示している。

各ボイントにおける濃度は次のとおりであった

① 4 9 0 %

5 5 2 %

③ 5 1 9 %

④ 5 0 5 %

⑤ 5 0 5 %

⑥ 5 3 0 %

⑦ 5 0 9 %

⑧ 5 0 5 %

⑨ 5 2 4 %

この結果からも明らかなように、 内周部、 外周部を問わず、 各ポイント における酵母液の濃度は、 49〜55. 2 %でほぼ均一であった。

従って、 酵母液が酵母攪拌槽内でほぼ均一に混合されていることが確認 できた。

実施例 3

本実施例は、 攪拌時間と酵母液の P Hとの相関関係を確認したものであ る

攪拌槽としては、 容積 2 L のものを用いた。

上記実施形態 1の酵母攪拌槽は、 5 rpm という低い回転数で攪拌した。 一方、 比較例として傾斜パドル翼を用い、 その傾斜パドル翼は、 1 25 rpm、

250 rpm、 及び 500 rpmと回転数を変えて攪拌時間と酵母液の p Hとの相関関 係を確認した。

さらに、 攪拌せずに静置したまま試験したものを対照とした。 その結果を図 6に示す。

図 6からも明らかなように、 比較例では、 攪拌時間の変化に伴い、 酵母 液の p Hが変動し、 特に 500 rpmでこの傾向が顕著であった。

これに対して、 5 rpm で回転させた本実施例の酵母攪拌槽では、 比較例 に比べて P Hの変動が少なかった。

この結果により、 比較例に比べて本実施例の方が酵母の損傷が少なかつ たものと判断できる。

実施例 4

本実施例は、 攪拌時間と、 595nm における酵母液の吸光度との相関関係 を確認したものである。

攪拌槽としては、 容積 2 L のものを用いた。

上記実施例 3と同様に、 本実施例の酵母攪拌槽は、 5 rpm という低い回 転数で攪拌し、 比較例の傾斜パドル翼は、 1 25 rpm、 250 rpm 及び 500 r pmの 回転数で攪拌した。

さらに、 攪拌せずに静置したまま試験したものを対照とした。

その結果を図 7に示す。

図 7からも明らかなように、 比較例では、 攪拌時間の変化に伴い、 吸光 度が変動し、 特に 500 rpmでこの傾向が顕著であった。

これに対して、 5 rpm で回転させた本実施例の酵母攪拌槽では、 比較例 に比べて吸光度の変動が少なかった。

このような吸光度は、 酵母の菌体内のタンパク質が溶出されることによ つて変化すると認められ、 従って吸光度の変動が少ないことから、 比較例 に比べて本実施例の方が酵母の損傷が少なかったものと判断できる。

実施例 5

本実施例は、 翼の所定の回転数で所定時間攪拌した後に、 装置本体 1か ら 1 L ずつ酵母液を排出し、 その温度及び濃度を測定したものである。 攪拌槽としては、 容積 60L のものを用いた。

排出量と温度の相関関係を示すグラフを図 8に示し、 排出量と濃度の相 関関係を示すグラフを図 9に示す。

図 8及び図 9からも明らかなように、 順次排出される酵母液の温度は 16. 5〜Π. 5 度でほぼ一定であり、 また酵母液の濃度も 57. 5〜61. 5 %とほぼ一定であった。

この結果により、槽本体内の上下において酵母液の温度や濃度がほぼ均一であり、 従って槽本体内がほぼ均一に混合攪拌されていたことが裏付けられる。

実施例 6

本実施例では、 上記実施例 3の ρ Ηの測定、 及び実施例 4の吸光度 （タンパク溶 出量） の測定と同様の測定を、 攪拌槽の大きさを 60L に代えて行った。

本実施例では、 上記実施形態 1のような構造の酵母攪拌槽での実験結果を、 攪拌 を行わなず、 静置した対照とのみ比較した。

その結果を、 図 10及び図 1 1に示す。

図 10及び図 11からも明らかなように、 本実施例の酵母攪拌槽では、 対照に比べ て、 ρ Ηの変動や吸光度の変動にほとんど差がなかった。

従って、 60L の大型の攪拌槽での実験結果においても、 酵母の損傷が少なかった ものと判断できる。

叙上のように、 本発明は、 酵母液貯留用攪拌槽の攪拌翼として、 低せん断型の攪 拌翼を用いたため、 低速で攪拌しても、 槽内の全体を略均一に混合することができ、 その混合攪拌効果が、 従来の傾斜パドル翼等を具備した酵母攪拌槽に比べて著しく 良好となる効果がある。

また、 低速で良好な攪拌効果が得られるため、 酵母を傷つけ、 破壊し、 その生物 活性を低下させるおそれもないという効果がある。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . ビール等の発酵食品類を発酵させる発酵槽へ供給するための酵母液を貯留する 酵母液貯留用攪拌槽において、 低せん断型の攪拌翼が具備されてなることを特 徵とする酵母液貯留用攪拌槽。

. 前記低せん断型の攪拌翼が、 攪拌槽本体（1) の中心部に回転軸（2) を垂設し、 この回転軸（2) に複数のパドル翼（3a) , (3b) ,…を上下多段に配設して構成され たものである請求項 1記載の酵母液貯留用攪拌槽。

3 . 各パドル翼（3a) , (3b) の高さが翼径の 1/2 以上に形成されている請求項 2記載 の酵母液貯留用攪拌槽。

. 複数のパドル翼（3a) , (3b) の交差角が 30度〜 90度の範囲内である請求項 2又は

3記載の酵母液貯留用攪拌装置。

5 . 酵母液貯留用攪拌槽で酵母液を攪拌する工程を有するビール等の発酵食品類の 製造方法において、 前記酵母液貯留用攪拌槽に、 低せん断型の攪拌翼を具備し、 該攪拌翼を低速で回転させて酵母液を攪拌することを特徴とするビール等の発 酵食品類の製造方法。

6 . 前記低せん断型の攪拌翼が、 攪拌槽本体（1) の中心部に回転軸（2) を垂設し、 この回転軸 (2) に複数のパドル翼（3a) , (3b)，…を上下多段に配設して構成され たものである請求項 5記載のビール等の発酵食品類の製造方法。

7 . 各パドル翼（3a) , (3b) の高さが翼径の 1/2 以上である請求項 6記載のビール等 の発酵食品類の製造方法。

8 . 複数のパドル翼（3a) , (3b) の平面から見た交差角が 30度〜 90度の範囲内である 請求項 6又は 7記載のビール等の発酵食品類の製造方法。