JP4681131B2 - 酒類の製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は酒類の製造装置に関し、特に、厳密な温度管理下においてマイルドな撹拌混合を実現しうる酒類の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明の理解を深めるために、まず、清酒の製造方法について説明する。清酒の製造においては、まず原料米を精白し、次いで、その精白原料米を蒸して蒸米を作り、蒸米の一部で米麹を作る。そして、この米麹と水とあらかじめ培養した活性酵母から酒母を作る。このようにしてできた酒母に、蒸米と仕込水と米麹の添加量を順次増やしつつ仕込みが行われ、もろみが作られる。通常、仕込みは、添、仲、留と称する3段階に分けて行われ、もろみをできるだけ低温(5〜16℃)に保持して清酒酵母を増殖させる。そして、麹菌の酵素により澱粉を糖化させ、同時に酵母によりその糖分をアルコール発酵させる、いわゆる並行複発酵が行われる。
【0003】
やがてアルコール分が15〜20%に達した熟成もろみを圧搾して新酒と酒粕に分離される。この場合、もろみの圧搾工程の前に醸造アルコールの添加や、4段添加が行われることがある。圧搾された新酒は、おり引き後、60〜65℃に加熱殺菌して貯蔵され、出荷時に調合、濾過して瓶詰めされる。
【0004】
上記もろみ仕込みの留工程後、もろみの品温は発酵熱によって上昇する。その発酵を自然発酵のままに放置すると、もろみの品温が上がり過ぎ(20℃以上になる)、余分な成分が溶け出して、くどくて雑味の多い清酒に仕上がってしまう。そのために普通酒の品温は、10〜16℃に管理し、吟醸酒の場合は、5〜13℃に管理することが必要である。
【0005】
上記した清酒の製造は、仕込み原料の櫂入れ(混合)や温度管理などに杜氏を始めとする熟練した作業者の経験と勘に頼るところが多かったが、近年、製造管理の省力化、合理化を図るため、清酒製造用の仕込槽として、外套付き機械撹拌装置が開発され、実用化されている。例えば、図9に示すように、モータ41に接続した撹拌軸42に切り込み撹拌翼43を取り付けた撹拌装置が知られている(実開昭51−9094号公報参照)。この撹拌装置によれば、固形分が多く蒸米が膨潤して固化状態となる仕込初期においては、手作業の荒櫂に近い操作は可能であるが、固形物の移動が悪く、固形物の上下移動が促進されないので、内容物の均一化と温度管理(以下「品温管理」という)が十分に行えないという欠点がある。
【0006】
また、図10に示すように、撹拌軸45にパドル翼46のみを取り付け、撹拌効率向上のためにパドル翼で強撹拌を行う撹拌装置は、撹拌力が強すぎるので、もろみ粒を機械的に破砕して糊状にしてしまうという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、清酒の製造において、蒸米が固形物状態にある仕込み初期および液化、糖化後の流動状態における撹拌混合をマイルド且つ均一に行い、良好な品温管理状態のもとで高品質の清酒を製造することが可能な酒類の製造装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、外套を有する筒状の発酵槽の中心部鉛直方向に回転軸を配し、該回転軸に翼外径が槽内径の1/2以上で且つ翼高が翼外径の1/2以上であるパドル翼を取り付け、該パドル翼から発酵槽内壁近傍まで補助翼体を突出させた構造を採用したので、回転軸を低速で回すと、パドル翼によって槽中心部から槽内壁面に押しやられた仕込原料は、パドル翼から突出した補助翼体によって切り崩され、この補助翼体の作用により、槽内壁付近に仕込原料が滞留することなく伝熱面の更新が促進され、外套内を流通する冷却流体との間の熱交換により、良好な品温管理状態の下で、マイルドな撹拌混合が行われる。
【0009】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明の酒類の製造装置は、外套を有する筒状の発酵槽の中心部鉛直方向に回転軸を配し、該回転軸に翼外径が槽内径の1/2以上で且つ翼高が翼外径の1/2以上であるパドル翼を取り付け、該パドル翼から発酵槽内壁近傍まで補助翼体を突出させてなることを特徴としている。
【0010】
補助翼体を略矩形状に突出させれば、もろみが共回りせず、良好な撹拌混合が行われるので好ましい。
【0011】
補助翼体としては、棒体または開孔を有する板状体を採用することができる。
【0012】
パドル翼から突出させた棒体が丸棒状であれば、もろみを潰さないので好ましい。棒体の形状としては、丸棒状以外にも楕円断面のもの、あるいは角を面取りした角柱も、もろみを潰さない効果が期待できる。要は、棒体外面に角張った部分がなく、丸みがあればもろみを潰さない効果が期待できる。
【0013】
また、回転軸とパドル翼を中空状にして、その内部に冷媒または熱媒の流通経路を形成すれば、品温管理が十分に行えるので好ましい。例えば、回転軸を内筒および外筒からなる2重構造とし、パドル翼を2枚とし、2枚のパドル翼の間に間隙を設けて平行に回転軸に取り付け、2枚のパドル翼の間の上端部、側端部及び下端部の開口をそれぞれ中空管体で封鎖し、且つ下端部の開口を封鎖する中空管体の上面と上端部の開口を封鎖する中空管体の下面に複数の流体流通孔を形成し、回転軸の内筒と下端部の開口を封鎖する中空管体を連通させ、上端部の開口を封鎖する中空管体と回転軸の外筒を連通させれば、回転軸の内筒に供給された加圧冷却流体は、下端部の中空管体の流体流通孔から2枚のパドル翼の間の空間と上端部の中空管体の流体流通孔を経て回転軸の外筒から外部に排出させることができる。外套内を流通する冷却流体に加えて、かかる加圧冷却流体と発酵槽内仕込原料との間で十分に熱交換が行われ、発酵熱は外部に放出され、発酵槽内仕込原料の温度は十分に低く保たれるので、低温での厳密な温度管理が必要とされる吟醸酒の製造装置として好適である。
【0014】
さらに、パドル翼を上下多段に配置した場合、各パドル翼それぞれから槽内壁に向けて流体が吐出されるので、これら各パドル翼からの吐出流同士を干渉させることなく、上下の流れをスムーズにつなぐことが、混合効率を上げるために重要である。そのためには、上段に位置するパドル翼を上下で隣接する下段のパドル翼に対して45〜75度の交差角度で回転方向に先行させて配置することで、互いの吐出流を乱すことなく、上下の翼の間に高圧側から低圧側に向かう流れが形成され、上段翼と下段翼の流れを繋がらせて槽内の品温のバラツキを少なくできるので好ましい。これにより、品質の均一な酒類を製造することが可能となるのである。この構造は、大型の発酵槽であれば、特に好ましく用いることができる。
【0015】
また、最下段のパドル翼の外端部を後退羽根に形成することで、翼端後面での吸い込みがなく、広い角度範囲にわたり仕込原料が吐出されるので、発酵槽内全体にわたり、より品温を均一にできるため、より品質の均一な酒類を得ることができるので好ましい。
【0016】
さらに、上下で隣接するパドル翼を外端部において互いに上下方向に部分的にオーバーラップさせることで上段翼と下段翼の流れの繋がりを確実且つ安定なものとして、良好な均一混合を促進できるので好ましい。
【0017】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を図1を参照しながら説明するが、本発明の具体例を例示するための一例であって、本発明はこれに限定されるものではない。図1において、1は内径が2800mmの発酵槽、2a、2bはそれぞれ胴部、底部に設けた外套である。3a、3bはそれぞれ、外套2aへの冷熱媒体(冷水、温水または蒸気)の供給口、排出口、4a、4bはそれぞれ、外套2bへの冷熱媒体(冷水、温水または蒸気)の供給口、排出口である。本実施例においては、胴部外套2aと底部外套2bは各々別体に発酵槽1に取り付けられているので、互いに連通することはない。従って、例えば、胴部外套2aには冷媒を供給し、底部外套2bには熱媒を供給することで、胴部の内容液の冷却と底部の内容液の加熱が同時に、または単独で行えるという操作が可能になり、より適正且つ厳密な品温管理が行えるという利点がある。もちろん、2a、2bに上記とは逆に冷熱媒体を供給してもよい。また、上記のような厳密な品温管理が不要な場合は、胴部外套2aと底部外套2bを一体として発酵槽1に取り付けてもよい。また、発酵槽1上部には原料投入口5を設け、底部中央には処理液排出口6を設けている。
【0018】
発酵槽1の中心部鉛直方向には、図2に示すように、内筒7aと外筒7bからなる2重構造の回転軸7を配し、回転軸7は発酵槽1の上部に設置した無段変速駆動装置8と連結されている。図2に示す内筒7aは外部の加圧冷却水供給源(図示せず)と接続されており、外筒7bは外部の貯水槽(図示せず)と接続されている。
【0019】
図1において、回転軸7には、翼外径(d)が槽内径(D)の1/2以上で且つ翼高(h)が翼外径(d)の1/2以上である上段パドル翼9と下段パドル翼10が取り付けられている(図3参照)。これらの上下段パドル翼9、10は図4に示すように、2枚の板材P1、P2の間に所定の間隙を設けて平行に回転軸に取り付けられた構造であり、図2に示すように、上段パドル翼9については、2枚の板材の間の上端部、側端部及び下端部の開口がそれぞれ中空管体11、12、13で封鎖され、下段パドル翼10については、2枚の板材の間の上端部、側端部及び下端部の開口がそれぞれ中空管体14、15、16で封鎖されている。中空管体11の下面と中空管体13の上面には、それぞれ複数の流体流通孔17a、17bが形成され(図5参照)、中空管体14の下面と中空管体16の上面には、それぞれ複数の流体流通孔18a、18bが形成されている(図6参照)。図2において、内筒7aと中空管体16は連通し、外筒7bと中空管体11は連通している。さらに、上段および下段の2枚の平行板材で形成される略直方体状の空間は、それぞれ仕切板19、20により、回転軸7の両側において3室に仕切られている。
【0020】
図1に示すように、上下のパドル翼9、10から発酵槽1の内壁近傍まで丸棒状の棒体21が略矩形状に突出しており、この棒体からなる略矩形状物22が補助翼として作用し、壁面付近に仕込原料が滞留することなく、伝熱面の更新を促進する効果が期待できる。しかも、略矩形状であれば、もろみが共回りせず、良好な撹拌混合が期待できる。
【0021】
また、上段翼9は、図3に示す交差角度α、すなわち、下段翼10に対して矢印Aで示す回転方向に先行する交差角度を45度に設定すると共に、図1に示すように、その両外側のフィン23の下端縁を、下段翼10の両外側の上端縁より低く位置させて、下段翼10と上下方向にオーバーラップさせて配置されている。また、上段翼9と下段翼10との翼間距離は発酵槽内径Dの20%以下になるように回転軸7に装着されている。また、下段翼10にはフィン24を突出させて、発酵槽1の底面に沿う形状にするとともに、両外側部は図3中の矢印Aで示す回転方向に対して後退羽根に形成されている。
【0022】
図1において、25、26、27は温度計を示す。
【0023】
次に、発酵槽1を用いて、総米6000kgの仕込で清酒製造を行ったので、以下に説明する。
【0024】
酒母の製造経過は、以下の表1に示すとおりである。表1において、NSとは、「日本酒度」を意味し、alcとは、「アルコール濃度(v/v%)」を意味し、TAとは、「酸度(N/10NaOHml/10ml)」を意味し、AAとは、「アミノ酸度(N/10NaOHml/10ml)」を意味する。なお、分析は第4回改正国税庁所定分析法注解に記載の方法にしたがって行った。また、表1における品温とは、撹拌後の酒母もろみの温度(℃)である。
【0025】
【表1】
Figure 0004681131
【0026】
以上のようにして得た、NSが−58で、alcが9.5で、TAが5.7で、AAが1.0である酒母を用いて清酒製造を行った。
【0027】
仕込みは3段仕込みで行い、第1日目が添、第2日目が踊(仕込み休み)、第3日目が仲、第4日目が留であり、順次仕込量を増加させた。添時には、10分毎に2分間7.5rpmの低速で回転軸7を回転させた。また、仲仕込中および留仕込中においては、0.8rpmの極低速で回転軸7を回転させた。発酵槽1内のもろみは発酵熱のためにその温度が次第に上昇するので、仕込み開始と同時に、外套2aと2bに冷却水(4〜7℃)を通入すると同時に回転軸7の内筒7a内に加圧冷却水(4〜7℃)を通入した。
【0028】
内筒7aに通入された冷却水は、内筒7aから中空管体16の流体流通孔18bから吐出される。中空管体16および14と中空管体15は、図2に示すように、封止ふた28で仕切られているので、流体流通孔18bから吐出された冷却水は、仕切板20で仕切られた各室内を上昇し、流体流通孔18aを経て中空管体14に達する。また、外筒7bには、下方から上方への冷却水のスムーズな流通を促進するために、図2に示すように、封止ふた29、30、31が介装されているので、中空管体14に達した冷却水は外筒7b内を上昇して中空管体13に達し、中空管体13の流体流通孔17bから吐出される。中空管体13および11と中空管体12は、図2に示すように、封止ふた28で仕切られているので、流体流通孔17bから吐出された冷却水は、仕切板19で仕切られた各室内を上昇し、流体流通孔17aを経て中空管体11に達する。中空管体11に達した冷却水は外筒7b内を上昇して、外部に排出される。このようにして、発酵熱は、外套2aと2bならびに中空管体と2枚の板材の間の間隙を流通する冷却水によって持ち去られるので、もろみの温度上昇を抑え、低温に維持することができた。
【0029】
留仕込み後も1日に2回だけ30秒の間に4rpmという極低速で回転軸7を回転させることにより発酵過程を維持し、しかも、パドル翼には補助翼として作用する、丸棒状の棒体21からなる略矩形状物22が装着されているので、壁面付近に仕込原料が滞留することなく、伝熱面の更新を促進し、さらに、棒体が丸棒状であるから、もろみを潰すことなく、マイルドな均一混合を達成することができた。
【0030】
以上の仕込方法と温度測定結果を併せて表2に示す。
【0031】
【表2】
Figure 0004681131
【0032】
表2における測定品温項目において、上段、中段、下段とは、温度計25、26、27による温度測定結果である。温度計25の測定位置は、発酵槽の壁面から約300mm、発酵槽の底面から約1930mm、温度計26の測定位置は、発酵槽の壁面から約300mm、発酵槽の底面から約710mm、温度計27の測定位置は、発酵槽の中心から約250mm、発酵槽の底面から約260mmの位置である。各測定品温は、仲仕込中と留仕込中は回転軸7の回転時に1回、その他のときは回転軸7を回転させていないときに1回測定した値である。
【0033】
また、以下の表3、表4は留2日目、留6日目において、撹拌による槽内仕込原料の温度均一効果を示すものである。
【0034】
【表3】
Figure 0004681131
【0035】
【表4】
Figure 0004681131
【0036】
表3、表4の測定場所の項目において、内壁側とは発酵槽の内壁から半径方向に200mmの位置(図7の32)、中心側とは発酵槽の中心から半径方向に750mmの位置(図7の33)、表面とは液面から200mm下方(図8の34)、中とは液面から1500mm下方(図8の35)、下とは発酵槽底面から200mm上方の位置(図8の36)を示す。なお、液面は発酵槽底面から3000mmの高さ(図8の37)である。内壁側−1、内壁側−2、内壁側−3または中心側−1、中心側−2、中心側−3とは、それぞれの高さ位置において、円周方向に均等に3分割した(120度づつ離れた)位置(図7の38、39、40)を示す。また、制御盤表示温度の項目において、上段、中段、下段とは、それぞれ、温度計25、26、27による温度測定結果を示す。表3、表4の温度実測値は、回転軸7による撹拌直前あるいは撹拌直後において、1回測定した値である。
【0037】
また、添から留28日目に至るまでの発酵槽1内の「醪」の性状の時間経過を以下の表5に示す。
【0038】
【表5】
Figure 0004681131
【0039】
表5に示すように、留28日目には、日本酒度が−1.0に達し、アルコール濃度も17.1%と十分発酵しており、また官能的にも良好な酒質の吟醸酒が得られた。
【0040】
一方、表3又は表4に示すように、本発明の撹拌によって、槽内温度のバラツキが0.1〜0.4℃以内の微小差に収められるという均温効果が得られることがわかっている。かくして、表2に示すように、測定品温と目標品温との差を、最大0.5℃以内に抑えるという厳密な品温管理とマイルドな撹拌混合操作の下で、澱粉の糖化と、糖分のアルコール発酵を行うことにより、表5に示すような成分を持ち、かつ官能的にも、香り立ち、口中での含み香が共に高く、また味のりがよく、調和がとれているという吟醸酒として申し分のない酒質の酒を得た。
【0041】
なお、上記実施例では、上下2段のパドル翼のものを用いたが、これに限定されるものではない。
【0042】
【発明の効果】
本発明は上記のとおり構成されているので、次の効果を奏する。
(1)請求項1、3記載の発明によれば、パドル翼から突出した補助翼体の作用で、槽内壁面付近に仕込原料が滞留することなく伝熱面の更新が促進され、マイルドな撹拌混合と良好な品温管理状態を保持し、高品質の清酒を製造することができる。
(2)請求項2記載の発明によれば、もろみが共回りせず、槽内全体にわたる良好な撹拌混合が行われる。
(3)請求項4記載の発明によれば、もろみを潰さないので、よりマイルドな撹拌混合が期待できる。
(4)請求項5記載の発明によれば、発酵熱をスムーズに外部に排出し、発酵槽内の仕込原料の温度を十分に低く保つことができるので、低温での厳密な温度管理が必要とされる吟醸酒の製造に特に適した装置が提供できる。
(5)請求項6記載の発明によれば、上段翼と下段翼の流れを繋がらせて槽内の品温のバラツキを少なくできるので、品質の均一な酒類を製造することが可能である。特に、この構造の装置は大型の発酵槽として好ましく用いることができる。
(6)請求項7記載の発明によれば、発酵槽内全体にわたり、より品温を均一にできるため、より品質の均一な酒類を製造することができる。
(7)請求項8記載の発明によれば、上段翼と下段翼の流れの繋がりを確実且つ安定なものとして、良好な均一混合を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酒類の製造装置の一実施例の断面図である。
【図2】図1の装置から、回転軸およびパドル翼のみを取り出して示す図である。
【図3】上段翼および下段翼の外径と発酵槽内径との関係を示す図である。
【図4】中空管管体で上端部および下端部の開口を封鎖した、2枚の平行板材からなるパドル翼の一実施例を示す断面図である。
【図5】中空管体に設けた流体流通孔の例を示す図である。
【図6】別の中空管体に設けた流体流通孔の例を示す図である。
【図7】測温位置を説明するための平面図である。
【図8】測温位置を説明するための立面図である。
【図9】切り込み撹拌翼を備えた従来の撹拌装置の断面図である。
【図10】3段のパドル翼を備えた従来の撹拌装置の断面図である
【符号の説明】
1…発酵槽
2a、2b…外套
5…原料投入口
6…処理液排出口
7…回転軸
7a…内筒
7b…外筒
8…無段変速駆動装置
9…上段パドル翼
10…下段パドル翼
11、12、13、14、15、16…中空管体
17a、17b、18a、18b…流体流通孔
19、20…仕切板
21…棒体
22…略矩形状物
23、24…フィン
25、26、27…温度計

Claims (6)

  1. 外套を有する筒状の発酵槽の中心部鉛直方向に回転軸を配し、該回転軸に翼外径が槽内径の1/2以上で且つ翼高が翼外径の1/2以上であるパドル翼を取り付け、該パドル翼から発酵槽内壁近傍まで棒体から構成される略矩形状の補助翼体を突出させてなり、
    該補助翼を構成する棒体の一部が、該パドル上面よりも上部に向かって突起している、酒類の製造装置。
  2. 棒体が丸棒状である請求項記載の酒類の製造装置。
  3. 回転軸とパドル翼を中空状にして、その内部に冷媒または熱媒の流通経路を形成した請求項1または2記載の酒類の製造装置。
  4. パドル翼を上下多段に配し、上段に位置するパドル翼を上下で隣接する下段のパドル翼に対して45〜75度の交差角度で回転方向に先行させて配置した請求項1乃至3記載の酒類の製造装置。
  5. 最下段のパドル翼の外端部を後退羽根に形成した請求項記載の酒類の製造装置。
  6. 上下で隣接するパドル翼を外端部において互いに上下方向に部分的にオーバーラップさせた請求項または記載の酒類の製造装置。
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JPH07322871A (ja) * 1994-06-02 1995-12-12 Shinko Pantec Co Ltd 食品の製造装置
JPH09107944A (ja) * 1996-10-18 1997-04-28 Kikusui Shuzo Kk 清酒醪の製造装置
JPH1175815A (ja) * 1997-09-11 1999-03-23 Shinko Pantec Co Ltd 酵母液貯留用攪拌槽と、その攪拌槽を用いたビール等の発酵食品類の製造方法
JP2000325068A (ja) * 1999-03-12 2000-11-28 Shinko Pantec Co Ltd 酵母液貯留用攪拌槽と、その攪拌槽を用いたビール等の発酵食品類の製造方法、並びにその攪拌槽に具備された攪拌翼

Patent Citations (5)

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