WO1999010577A1 - Tissu servant a envelopper des aliments - Google Patents

Description

明 細 書

食品ラップ布 技術分野

この発明は、 魚、 肉、 野菜等の食品を直接包むことによ り、 これらの 食品の表面から滲み出る水分、 血液等を吸収して表面の乾燥状態を良好 にすると ともに、 表面に付着している細菌等の微生物を滅殺して食品の 衛生状態を高めることができる食品ラップ布に関する。 背景技術

紀元数世紀のころから、 銀製品に抗菌効果があることは知られており . 銀器などの食器と して使用されてきた。 このよ うなイオン交換可能な金 属の抗菌作用を利用して、 生活環境をよ り清潔にするため、 従来から、 様々な抗菌製品が発明されている。 このよ うな発明の例と して、 特開平 6 - 2 9 7 6 2 9号公報に記載の抗菌ク ロスが挙げられる。

この抗菌クロスは、 銅イオン等を含有する無機抗菌剤をゥレタン発泡 樹脂に混入させて吸水性を高めた内層体と、 銅などの極細金属糸を絡ま せた綿糸を横糸と し、 レーヨ ン糸を縦糸とする布状の外層体とから構成 されている。

しかし、 上記した抗菌クロスには次に掲げるよ うな問題点があった。 まず、 極細金属糸を使用しているため、 抗菌クロスが重くて硬く なる という問題点があった。 また、 極細金属糸が切断され易いので、 洗濯を して繰り返して使用することができず、 切断された金属糸によ り 、 使用 者が怪我をしゃすいという問題点もあった。

上記極細金属糸は、 織物の縦糸と して組み込むと、 切れたり 、 縦糸の 整経と織りが難しく なつたり、 金属のもつ硬さによ り布地自体が硬く な る といった弊害が生じやすいので、 横糸と してしか使用できなかったも のである。 しかしながら、 横糸と して使用した場合でも、 高速製織に耐 えられないため生産性が低く 、 表面が極細金属糸で覆われてしま うので. セルロース系繊維糸がもつ吸水性が犠牲になり、 防臭性が損なわれると レ、う問題点もあつた。

さらに、 抗菌性ク ロ スが抗菌効果を発揮するためには、 一定時間抗菌 クロスを対象物に接触し続ける必要があるにもかかわらず、 上記した公 報においては、 抗菌ク ロスで食品を包むための使用について何ら考慮さ れていない。 かかる抗菌ク ロスを使用すれば、 瞬時に効果が現れるよ う な主張がなされているが、 抗菌効果を得たい部位に一定時間抗菌ク 口ス を接触し続けなければ効果が得られないことは試験デ一タ よ り 明 らか である し、 抗菌ク 口スが接触した部位よ り拭い取った水分若しく は埃な どに抗菌効果を得ても何ら意義がなく 、 意味を持たなかったものである _c そこで、 この発明は、 抗菌 ·滅菌効果を充分に発揮する と ともに、 抗 菌ク ロス と して、 軽く て柔らかく 、 繰り返し使用が可能な実用性をも発 揮しう る食品ラ ップ布を提供することを課題とする。 発明の開示

この発明にかかる食品ラップ布は、 セルロース系繊維糸と、 抗菌性金 属を合成樹脂フ イルムに蒸着して細長く切断して形成した抗菌糸をセ ルロース系繊維糸と撚つて形成した撚糸とを組合わせて縦糸と し、 セル ロース系繊維糸を横糸と してなる布地を素材と して構成されている。 図面の簡単な説明 第 1 図は、 この発明にかかる食品ラ ップ布の一実施例を示す外観斜視 図である。 また、 第 2図は、 前記食品ラップ布の材料である撚糸の構成 を示した図である。 さ らに、 第 3図は、 縦糸の構成を示した図であり、 第 4図は当該縦糸に横糸を織り込む様子を示す模式図であり、 第 5図は. 織り込んで製造された原料布地の外観斜視図である。 なお、 第 6図は、 他の実施例を示す外観斜視図である。 発明を実施するための最良の形態

以下、 図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。

第 1図は、 この発明にかかる食品ラップ布 1 の外観を示す図であり、 食品ラ ップ布 1 は、 その縦糸に抗菌糸 2 1 とセルロース系繊維糸 2 2 と を撚つた撚糸 2を含んでいることを特徴とする。

抗菌糸 2 1 は、 合成樹脂フィルムに抗菌性金属をイオン蒸着法などに よ り蒸着し、 幅 0 . 1 〜 1 . 0 ミ リ に切断して製造されたものである。 ここで、 抗菌性金属とは、 銀、 銅、 亜鉛等のイオン交換可能な抗菌性を 有する金属である。 この中でも、 鲭が発生しにくいので、 銀の使用が最 適である。 また、 前記合成樹脂フィルムとは、 ポリエステル、 ポリェチ レン、 ポリプロ ピレン等から作られた厚さ約 1 0〜 1 0 0 ミク ロンのフ イルムである。

撚糸 2は、 この抗菌糸 2 1 とセルロース系繊維糸 2 2 とを、 第 2図に 示すよ う に 1本対 1本づっ撚つて製造される。 ここで、 セル口一ス系繊 維糸 2 2は、 綿、 麻等の天然繊維や、 レーヨン、 アセテー ト、 キュブラ 繊維素繊維 （指定外） 等の再生繊維系人造繊維からなる糸であり 、 その 太さが 5番手から 1 0 0番手のものである。 なお、 後述するセルロース 系繊維糸 3及び 4は、 このセルロース系繊維糸 2 2 と同様のものである ₍ この撚糸 2は、 第 3図に示すよ うに、 セルロース系繊維糸 3 の間に等 間隔になるよ うに、 縦糸と して整経される。 撚糸 2 とセルロース系繊維 糸 3の比率は、 布の幅 1インチあたり、 撚糸 2は 1 〜 1 0本、 セル口一 ス系繊維糸 3は 4 0〜 1 0 0本程度であり、 両方合わせて 1 1 0本程度 である。

整経された縦糸は、 第 4図に示すように、 自動織機等によ り横糸と し てセルロース系繊維糸 4 を布の幅 1 イ ンチあたり約 4 0 〜 8 0本づっ 織り込まれ、 第 5図に示すよ うな平織の原料布地 1 1 と して製造される c 原料布地 1 1 は、 平織の織物以外にも、 消費者の好みに応じて、 綾織、 朱子織、 搦み織によ り製造された織物、 または、 ト リ コ ッ ト、 ラ ッシェ ル、 ミラ -—ズ、 横編、 丸編等によ り製造された編物、 さ らには、 カー ルマイヤー法等により製造された編織物と して製造される。

この原料布地 1 1 を、 ハンカチ、 風呂敷、 タオルのよ うなサイズに裁 断し、 その裁断面を縫製することによ り、 食品ラ ップ布 1 と して製造さ れる。

このよ う にして製造された食品ラ ップ布 1 で食品を直接覆こ と によ り、 セルロース系繊維糸 2 2 、 セルロース系繊維糸 3及び 4の部分が、 食品表面の水分を吸収して乾燥を促すので、 微生物の生育を抑制して防 臭効果が生じる。 また、 食品と直接接している抗菌糸 2 1 の抗菌性金属 の部分が、 そこから発せられるイオンの電位差によって抗菌 ·滅菌効果 を発揮するので、 食品の品質維持に貢献することができる。 また、 抗菌 糸 2 1 は、 微細金属糸とは違って、 柔らかく 、 軽く て、 切れ難いため、 洗濯等によ り繰り返し利用でき、 も し切れたと しても利用者を傷つける ことはない。 また、 食品ラップ布 1 は、 抗菌糸 2 1 を縦糸と と して使用 しているため、 高い生産性を備えている。 実施例

( 1 ) 抗菌糸及び撚糸の製造

厚さ 3 0 ミ ク ロ ンのポリエステルフィルム （東洋紡績株式会社製） に 銀イオンをイオン蒸着法によ り蒸着し、 0. 5 ミ リ幅に細長く切断して 抗菌糸を製造した。 また、 この抗菌糸を 3 0番手レーヨ ン糸に 1 mあた り 3 0 0回巻き付けて燃り、 撚糸を製造した。

( 2 ) 食品ラ ップ布の製造

( 1 ) で製造した撚糸と 3 0番手レ一ョン糸を、 それぞれ布の幅 1 ィ ンチあたり 7本と 4 3本となるよ うに、 5 mm間隔で整経して自動織機 の縦糸と した。

_{2 0}番手の繊維素繊維 （指定外） の糸 （都築紡績株式会社製、 商品名 テンセル （登録商標）） を、 布の幅 1 インチあたり 5 0本となるよ うに、 自動織機により横糸と して織り込ませ、 織物を製造した。

( 3 ) 抗菌力試験

抗菌力試験は、 繊維製品衛生加工協議会の加工効果評価試験方法 （菌 数測定法） を準用して、 社団法人大阪食品衛生協会食品検査センターに よ り行われた。 ただし、 この出願にかかる食品ラップ布の実験試料と し て、 （ 2 ) で製造した織物から切り出した 0. 4 g (約 9 c m² ) の 抗菌クロ スを使用し、 試験菌液の最終希釈には 1 2 0濃度の普通ブイ ョンを使用した。 また、 実験対照と して 4 0番手の綿糸 1 0 0 %からな るガーゼ 0. 4 gを使用した。 なお、 供試菌と して以下の菌株を使用し た。

供試菌株 ： E s c h e r i c h i a c o l i O 1 5 7 ： H 7

(大腸菌 O 1 5 7、 大阪府立公衆衛生研究所分与株） 上記評価試験法に基づいて計数された接種直後及び 3 5 °C、 1 8時間 培養後の残存菌数を表 1 に示す。

【表 1】

表 1 からも明らかなように、 同数の供試菌を接種し、 3 5 °Cで 1 8時 間培養した後の残存菌数を比較する と、 抗菌クロスの残存菌数は、 実験 対照である綿 1 0 0 %ガーゼの残存菌数の約 1 0 ⁵ 分の 1 であり、 充 分な抗菌効果が認められた。 産業上の利用可能性

上記の説明から明らかなよ うに、 この発明にかかる食品ラップ布は、 縦糸にセルロース系繊維糸と抗菌性金属を合成樹脂フ ィルムに蒸着し 細長く 切断してなる抗菌糸と を燃って形成した撚糸を使用 しているの で、 食品を直接覆った場合には、 食品と接している抗菌性金属の部位及 びその周辺部において、 抗菌 ·滅菌効果を発揮する。 また、 縦糸と横糸 にセル口ース系繊維糸を使用しているので、 食品表面の水分を吸収して 乾燥を促し、 微生物の生育を抑制して防臭効果を発揮する。 さらに、 撚 糸は、 極細金属糸とは異なり、 軽量かつ、 強度と柔軟性を備えているの で、 これらを縦糸に使用することによ り、 食品ラップ布と しての実用性 が発揮できるよ うになった。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . セルロース系繊維糸と、 抗菌性金属を合成樹脂フィルムに蒸着して 細長く切断して形成した抗菌糸をセルロース系繊維糸と撚つて形成し た撚糸とを組合わせて縦糸と し、

セル口ース系繊維糸を横糸と してなる布地を素材と して構成された 食品ラップ布。