WO1998040215A1

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Publication number: WO1998040215A1
Application number: PCT/JP1997/003032
Authority: WO
Inventors: Toshio Ogisu
Original assignee: Katsuya Industrial Co., Ltd.
Priority date: 1997-03-12
Filing date: 1997-08-29
Publication date: 1998-09-17
Also published as: US6311620B1; EP1314488A3; EP1010524A4; EP1314488A2; US6044764A; EP1010524A1

Description

明細書印刷方法および印刷装置技術分野

本発明は、水溶性のベースシートに印刷した模様パターンの印刷層を物体の表面に転写して印刷を行う印刷技術において、特に作業効率の向上や転写シートの無駄を省けるようにした印刷技術に関する。背景技術

物体の表面、特に湾曲した表面に模様パターンを転写して印刷する方法としては、たとえば特公昭 5 2 - 4 1 6 8 2号公報に記載された印刷方法が知られている。この印刷方法にあっては、予め模様パターンが表面に印刷された薄質膜を、パターン印刷面を上にして液面に浮かべ、物体を押圧しつつ液中に沈降させて液圧により物体に模様パターンが転写される。転写後に上記薄質膜を物体表面から除去している。

また、特公昭 5 7 - 5 0 5 4 7号公報には、液圧を利用して物体の湾曲表面に効率よく模様パターンを転写する印刷方法が記載されている。この印刷方法では、水溶性のベースシートを用い、このベースシートを水面に浮かべて溶解する。ベ —スシートの溶解後水面上に残った印刷層に接着剤を噴霧して半流動性の印刷模様を形成し、この印刷模様に物体を押し付けることにより模様パターンを物体の表面に転写する印刷方法である。

—方、韓国特許出願公開 9 5 - 1 7 1 9 9号公報には、液圧を利用して物体の表面に連続工程により模様パターンを転写する印刷方法おょぴそれに使用する印刷装置が記載されている。かかる印刷方法では、水溶性のベースシートに模様パターンを印刷した転写シートを、転写シート供給部から水槽内の水面側に連続的に流し、前記転写シートを流しながらベースシートを溶解する。その後に接着剤を塗布して物体の転写印刷を行なう連続的方法が記載されている。併せて、力かる印刷方法に使用するための長い水槽を設けた印刷装置も記載されている。し力、し、上記韓国特許出願公開公報に記載された技術により、多量の物体に連続的に転写印刷する量産化の技術は達成されるが、ベースシートの溶解を含めて連続工程に必要とする水が大量となり、その分水槽内の水の加温に時間がかかり、印刷開始が遅れるという新たな問題点が発生した。

また、上記作業効率の観点からの技術課題に加えて、作業資材の無駄を省くとレ、う観点からの問題点も現場からは指摘されている。

すなわち、韓国特許出願公開公報に開示された従来の印刷方法では、転写シートに印刷した模様パターンの分断は、水面側に移行した転写シートのベースシートが溶解し、その後接着剤を塗布して半流動性の印刷模様が形成された段階で行なわれている。すなわち、転写シートを水面側に送り、帯状となって搬送させながらそのベースシートを溶解する。ベースシートの溶解後、水面上に残った模様パターン上に接着剤を噴霧して半流動性の印刷模様を形成し、その段階で仕切部材を水面上から挿入して、一度の転写作業において使用される領域毎に印刷模様を分断している。

この作業方法では、帯状に流れてくる転写シートに必要な範囲で接着剤の塗布を行なう力範囲ギリギリに仕切部材を挿入することは難しいため、仕切部材の挿入代分少し余分に接着剤の塗布が行なわれている。かかる挿入代部分は、物体の転写には使用することができず、ある意味で無駄となる部分である。 1回ごとに発生する無駄は例え少なくても、量産化がなされている現状では膨大な無駄が発生することとなり、現場からはかかる挿入代分の無駄を無くす技術開発が求められている。転写に必要な最小限の大きさに切断できる技術が望まれてレヽる。また、上記作業方法では、水面上を流しながら行なう連続作業であるため、接着剤の塗布後、仕切部材の挿入作業を手際よく行なう必要がある。接着剤の塗布作業と仕切部材の挿入作業とを手作業で行なうには、ある程度の手際良さが求められ、作業者にはかなりの負担となる。そこで、かかる作業の自動化が求められているが、これに繋がる技術として転写シートの切断技術の開発が必要である。本発明の目的は、量産品の表面に連続的に効率良く印刷し得る印刷方法および印刷装置にぉレ、て、ベースシートの溶解などに必要な水の加温時間を短縮することにある。本発明の他の目的は、水槽側に移行する前に転写シートの切断を行うことにより、従来模様パターンの分断時に発生していた転写に使用できない無駄部分の発生を無くすことにある。

本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。発明の開示

本発明は、水溶性のベースシートに印刷した模様パターンの印刷層を物体の表面に転写する印刷方法、およびそれに使用する印刷装置である。

本発明の印刷方法おょぴ印刷装置では、水溶性のベースシートの表面に模様パターンの印刷層が印刷された転写シートが、水槽内の水の表面に浮かべられた状態で水の流れによって下流側に搬送される。ベースシートは水によって下流側に搬送されながら水に溶解されることになる。ベースシートが溶解した後の印刷層の上には搬送されている過程で接着剤が塗布される。接着剤の塗布により印刷層は接着性を有した半流動性の印刷模様となり、下流側の所定の位置まで搬送された後に、物体が印刷模様に押し付けられる。押し付けに際して、物体を水没させて水圧によって印刷模様を物体に転写する。

すなわち、転写シートを水面に浮かべた状態で水面の流れにより転写シートを移動させながら、転写シートのベースシートを水に溶解させるようにしたので、印刷層を物品に転写する工程にまで搬送する途中にベースシートを溶解させることができ、転写シ一トを静止させたままでベースシ一トの溶解を行なう場合に比ベて、物品に対する転写印刷を効率良く行うことができる。

また、本発明の印刷方法および印刷装置では、転写シートはロール状に卷き付けられた状態となっており、転写シートが連続的に水槽の水面に繰り出される。そして、水面の上では帯状となって搬送されながら、転写シートのベースシートが溶解する。溶解後帯状となって搬送される印刷層を一度の転写作業において使用される領域毎に分断するために、接着剤を吹き付けて接着性を有する半流動性の印刷模様とし、この半流動性の印刷模様に対して仕切部材を水面上から挿入させる。この仕切部材は搬送手段によって搬送されつつ、一度の転写に使用される印刷模様が残りの印刷模様に影響を与えないように区分するとともに、接着剤が塗布された後の印刷模様の広がりを防止する。

すなわち、印刷模様のうち一度の転写操作に使用される部分が仕切部材によつて仕切られ、印刷模様の仕切端部はシャープに分断される。併せて、接着剤を塗布した後における半流動性の印刷模様の広がりを防止することができ、パターンの変形のなレ、高品質の模様パタ一ンを物体に転写印刷することができる。

また、印刷模様のうち物体に一度の転写により転写される部分が、転写するゾーンに流れて搬送される毎に、物体に対して模様パターンを転写することができるので、転写印刷のサイクル時間を大幅に短くすることができ、量産品を物体としてこれに連続的に印刷を行うことができる。

このように、ロール状に巻き付けられた転写シートを繰り出しながら、流れを有する水面に転写シートを浮かべて搬送するようにしたので、水の流れの物理的作用が相まって迅速に水溶性のベースシートが溶解ないし膨潤し易くなる。転写シートの繰り出し速度は、水面の流れる速度よりも遅く設定されており、搬送過程における転写シートには張力が加えられて、皺の発生が防止される。模様パターンを物体に転写するために、印刷層の上には接着剤が塗布されるが、接着剤をスプレー状に塗布することにより、印刷層が軟化して半流動性の印刷模様となつて水面の上で広がっても、仕切部材により印刷模様の広がりが防止され、模様パターンの変形が防止される。これにより、変形のない高品質の模様が物体の表面に転写印刷される。

また、ベースシートを溶解させるための水を上記説明のように流れるようにしたので、下流端で水を集めることが容易となり、集めた水を容易に清浄化させることができ、清浄化された水を循環して使用することができる。これにより、水の使用量を増加させることなく、不純物を含まない水を使用して高品質の模様パターンを物体に転写することができる。

また、本発明の印刷方法および印刷装置では、水槽は、作業工程の変更を伴うことなく、深さを一様に設定した水槽に比べより容量の減少が図れるように、転写シートのベースシートを溶解する工程側が、転写工程側の底よりも浅く形成されている。そのため、深さを一様に設定した水槽より水槽内の水の全量を少なくすることができ、その分水の加温時間を短縮できる。

また、本発明の印刷方法および印刷装置の他の構成では、転写シートを転写シ一ト供給部から水面上に移行させて、ベースシートを溶解させた後接着剤を塗布して形成された半流動性の印刷模様を分断する代わりに、転写シートを水面側に移行させる前に切断するようになっている。

すなわち、かかる構成では、ロール状に巻き付けられた状態の転写シートは、ー且切断部に送られ、切断部で所定長に切断された後、連続的に水槽の水面に移行させられる。そして、水面の上では所定長に切断された転写シートが、各転写シート間を仕切部材で仕切った状態で搬送させられながら、転写シートのベースシートが溶解する。水の流れの物理的作用が相まって水溶性のベースシートの溶解ないし膨潤が迅速に行なわれる。

帯状となって切断部に送り出されてくる転写シートは、一度の転写作業において使用される範囲の所定長の領域毎に切断するために、直接水面上に送り出さずに、転写シート供給部の送り方向の先に設けた転写シート受け部材上に一旦送り出す。送り出されてきた転写シートの先端側を、光電管などの先端検出手段で検出し、検出された送り出し先端側から所定長後方位置で熱シリンダ一などの切断手段で切断する。

このようにして水槽側に移行する前に転写シートを所定長に切断する印刷方法では、従来の印刷方法に比べて、前記説明のように前後の転写範囲の間に発生する転写に使用できない仕切部材挿入代分の発生を無くすことができるため、転写シートの大幅な節約が行なえる。

転写シートの切断部からの水面への移行速度を、水面の流れる速度よりも遅く設定しておけば、水面側への移行過程では転写シートには張力が加えられて、皺の発生を防止することができる。

また、印刷層への接着剤の塗布は、前記構成と同様に行なえばよく、所定長に切断された各転写シートはそれぞれ仕切部材で仕切られているので、転写シートのベースシートの溶解後の接着剤の噴霧後に印刷層が軟化して水面の上で広がつても、仕切部材により遮られ印刷模様のパターン変形が防止される。

仕切部材を使用せずに、順次所定長に切断した転写シートを流す場合に比べて、転写シート同士の重なり、接近などによる模様パターンのくずれを防止することができる。これにより、変形のない高品質の模様が物体の表面に転写印刷される。さらには、前記構成の水槽の水浸を浅く設定して水の加温時間の短縮を図る構成と、本構成の切断部で所定長に切断した上で水面側に転写シートを移行させる構成とを組み合わせることにより、両者の相乗効果によりそれぞれの構成を単独で行なう場合よりも大きな印刷効率の向上と、転写シ一卜の節約が図れる。図面の簡単な説明

図 1は本発明の一実施の形態である印刷方法の印刷工程を示す工程図、図 2 は本発明の一実施の形態である印刷装置の正面図、図 3は図 2の印刷装置の平面図、図 4は図 2の印刷装置の一部を示す正面図で、図 5は図 4の平面図、図 6は図 5における 6— 6線に沿う断面図、図 7は図 6における 7— 7線に沿う断面図、図 8は図 5における 8— 8線に沿う断面図、図 9は図 8における 9 9線に沿う断面図、図 1 0は本発明の一実施の形態である仕切部材を示す一部省略斜視図、図 1 1は仕切部材が配置された状態における水槽の横断面図、図 1 2は本発明の他の実施の形態である印刷方法の印刷工程を示す工程図、図 1 3は図 1 2に示す印刷方法を行なうための印刷装置の正面図、図 1 4は図 1 3の印刷装置の切断部を示す要部断面図、図 1 5は図 1 3の印刷装置の切断部の平面図、図 1 6は図 1 2に示す印刷方法の切断工程の前後の様子を示す模式図、図 1 7は図 1 3に示す印刷装置の水槽内におけるチェーンの取り付け状況を示す一部断面図、図 1 8は図 1 7に示すチェーンの取り付け状況を示す一部断面図、図 1 9は図 1 8のチェーンと仕切部材との取り付け状況を示す一部平面図、図 2 0は図 1 3に示す印刷装置の平面図、図 2 1 ( a )、 ( b ) は枠体に形成された仕切部材の変形例の斜視図、図 2 2は図 1 3に示す印刷装置での水槽内における給水パイプの取り付け状況を示す一部断面図、図 2 3 ( a )、（b )、 ( c ) は図 1 2に示す印刷方法の切断後の水面側への転写シートの移行過程を示す経過図、図 2 4は図 1 3に示す印刷装置の切断部にベルトコンベアを使用した状況を示す一部正面部、図 2 5は図 1 2に示す印刷方法を行なうために切断部を平行に設けた場合の印刷装置を示す一部正面図、図 2 6は図 2 5に示す印刷装置の切断部の状況を示す一部斜視図、図 2 7は図 2 5に示す切断部の両開き機構を示す断面図、図 2 8 (a)、（b)、 (c) は図 27に示す切断部の両開き機構により転写シートを水面側へ移行する過程を示す経過図、図 29 (a)、 (b) は両開き機構を有する切断部の変形例を示す断面図、図 30 (a)、 (b) は切断部にベルトコンベアを使用した変形例を示す断面図、図 3 1は切断部に吸盤を使用した転写シートの搬送機構を設けた状況を示す側面図、図 32 (a)、（b)、（c)、（d) は切断部を水平に設けた場合の開口方法の変形例を示す断面図、図 33 (a)、（b)、（c)、 (d) は図 3 2に示す開口片を下方開きさせるとともに水平移動させるように構成した場合の開口方法の変形例を示す断面図、図 34は図 1 3に示す印刷装置で上手側を浅くしなレ、水槽を使用した構成を示す側面図、図 35 (a) はベルトコンベアを切断部に使用した場合の転写シートの搬送機構の変形例を示す斜視図、図 35 (b) は、図 3 5 (a) の断面図である。発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものには同一の符号を付し、その繰り返しの説明は一部省略する場合もある。

先ず、本実施の形態では、水槽の底を浅く形成して水の加温時間の短縮を図つた構成の印刷装置、および印刷方法について説明する。

図 1 (a) 〜図 1 (d) は印刷の基本工程を示す原理図である。図示するように、ベースシート 1の表面には印刷ィンキないし塗料により任意の模様パターンの印刷層 2が形成されており、ベースシート 1とこの表面に形成された印刷層 2 とにより転写シート 3が構成されている。このべ一スシート 1は、水に溶解または膨潤し易い素材により形成されており、ベ一スシート 1は水溶性となっている。図では、ポリビニルアルコールが水溶性のベースシート 1の素材として使用されている。印刷インキとしては、塩化ビニール樹脂を溶剤により溶かした塗料が用レヽられている。

転写シート 3は、予めベースシート 1の表面に公知の印刷機を用いて印刷ィンキまたは塗料により印刷して印刷層 2をベースシート 1に形成した後に、ロール状に巻き付けられて用意されている。

図 1 ( a ) は、転写シート 3を水 4の水面 5に浮かべた状態を示しており、ベ一スシート 1を水面 5に接触させて印刷層 2を上側として転写シート 3は水 4に浮かべられている。図示するように、水 4は矢印で示す方向にゆっくりと流れており、転写シート 3はロールから繰り出されながら、水面 5に浮かんだ状態で矢印で示す方向に流される。

図 1 ( b ) は、転写シート 3のうちベースシート 1が水 4に溶解された状態を示す。ベースシート 1は水 4に接触すると溶解ないし膨潤が開始され、水 4の流れによって下流に向けて搬送されながら、時間の経過とともに徐々に溶解されていくこととなる。水の流れが水溶性のベースシート 1の溶解を促進することになる。

図 1 ( c ) は、ベースシート 1が溶解した後に水面 5に浮遊した状態となった印刷層 2の上にエポキシ樹脂の接着剤を噴霧して塗布している状態を示す。接着剤は転写シート 3の幅方向に所定の間隔毎に接着剤供給管 6に取り付けられた複数のノズル 7から霧状に噴露され、ノズル 7を水平方向に移動させることにより、印刷層 2の表面に均一に接着剤が塗布されて、印刷層 2の表面には半流動性の印刷模様 8が形成される。ただし、接着剤の塗布は自動的に行うことなく、作業者が手作業で塗布するようにしても良い。

図 1 ( d ) は、複数の物体 9がホルダー 1 0に保持された状態を示す図であり、このホルダー 1 0によって物体 9を下降移動させることにより、印刷模様 8が物体 9に押し付けられて、物体 9には模様パターンが転写される。図示するように、物体 9の表面が湾曲していても、物体 9を水 4の中に水没させると、水圧によつて印刷模様 8が物体 9の表面全体に均一に押し付けられて、湾曲面に模様パターンを変化させることなく確実に模様パターンの転写印刷ができる。

図 1 ( c ) に示すように、印刷層 2に接着剤を塗布することにより、接着性を有する半流動性の印刷模様 8を形成して、物体 9に対する模様パターンの接着性が得られている。

印刷層 2に接着剤を塗布するだけでなく、物体 9の表面にも予め接着剤を塗布するようにしても良い。図 1は印刷の基本工程の原理を示し、この図の場合にはベースシート 1が水 4に充分に溶解した後に、接着剤を塗布するようにしている力 S、転写シート 3を搬送してベースシート 1が溶解している溶解過程のもとで、つまり溶解が完了する前に、転写シート 3を搬送しつつ接着剤を塗布するようにしても良い。この場合には、ベースシート 1が完全に溶解する前に、つまり溶解している過程で物体 9を印刷層 2に押し付けて転写を行うようにしても良い。水溶性のベースシート 1の厚みは、 3 0〜5 0 μ m程度となっている。あまり薄くすると、ベースシート 1に模様パターンを印刷することが容易でなくなり、あまり厚くすると水槽 1 1内の液面により流れて下流端に至るまでにベースシート 1を溶解させることができなくなるので、前述したようにポリビュルアルコールをベースシート 1の素材とした場合には、その厚みは前記した厚みに設定されている。このような厚みのベースシート 1の上に、 5〜 2 0 0 u m程度の厚みとなって模様パターンの印刷層 2が形成されている。

接着剤としては、印刷層 2を物体 9に接着させる働きを有する材料であれば、どのようなものでも良く、前述したように、印刷インキとして塩化ビニール樹脂を溶剤により溶かしたインキが使用される場合には、シンナーを接着剤として噴霧して印刷インキを軟化させることにより、印刷インキに含まれている樹脂成分自体の特性と相まって物体 9に接着がなされる。

図 2は印刷装置の正面図を示し、図 3は平面図を示している。

この印刷装置は、平面長方形の水槽 1 1とこの一端部側に配置された転写シート供給部 1 2とを有し、これらは台座 1 3の上に設けられている。水槽 1 1は、上手側 Aの底 1 1 a力下手側 Bの底 1 1 bより浅く設定されている。本実施の形態では、図 2に示すように、転写シート供給部 1 2が設けられた方の上手側 A の底 1 1 aが浅く設定され、後記する転写工程が行われる下手側 Bの底 1 1 bが深く設定されている。上手側 Aの深さは、転写工程が行われる下手側 Bの深さのほぼ半分程度に設定され、その底 1 1 aは底 1 1 bの深い下手側 Bの側板 1 1 c まで平面状に水平に延ばされている。

なお、上記底 1 l aは、上記のように水平でなくても、例えば下手側 Bに向けて多少の下り勾配を持つように形成しても構わなレ、。

さらに、水槽 1 1の他端部には仕切壁 1 4によってオーバーフロー槽 1 5が区画形成されており、水槽 1 1内で、水 4は図 1および図 2の左側を上流として、右側に向けて流れるようになつている。仕切壁 1 4の上端面の位置によって、水槽 1 1内に収容されて上流から下流に流れる水 4の水面 5が設定されるようになつている。水面 5の高さ調節に際しては、搬送チェーンの上端側が水面 5より僅かに上に出るように仕切壁 1 4の上端位置の設定が行なわれ、水面 5に浮かべられた転写シート 3の両側が左右に走る搬送チェーンの間に収められている。

水 4はベースシート 1が所定の時間内に溶解するように、所定の温度、たとえば 2 0 〜 3 5 °C程度に設定されている。この水の中に水溶性のベースシートの溶解を促進する薬剤を混入するようにしても良い。

このように上記構成の水槽 1 1では、上手側 Aから下手側 Bまでが一様の深さに設定されていないため、水槽 1 1の容量を減少させて、水槽 1 1内に満たす水量を少なくすることができる。その分、ベースシート 1の溶解に必要な水の上記温度設定に達するまでの加温時間を短くすることができる。併せて、温度変更に要する時間も短縮できる。

また、水温調整は、水槽 1 1内全体の水を加温してこれを循環させるようにしても構わないし、あるいは少なくとも上手側 Aの範囲内にある水流が上記温度範囲内に入るように上手側 Aに加温手段を設けても構わない。例えば、上手側 Aの底 1 1 aの直下にパネル状のヒータ一を面接触させるようにして設けるなどの手段も考えられる。

あるいは、上手側 Aの水槽 1 1内に、底 1 1 aと平行に防水処理が施されたパネル状のヒーターを設けて、パネル状のヒーターの上面及び下面で上手側 Aの水流の加温を水槽 1 1の内部から行えるようにしても構わない。但し、かかる構成では、パネル状のヒーターが、後記する仕切部材搬送手段と接触しないようにする必要がある。例えば、エンドレスチューンなどを設けて仕切部材搬送手段を構成する場合には、チェーンの水面に近い前進側と、底 1 1 aに近い戻り側との間にチェーンの走行方向に沿って水平に位置させるようにすればよレ、。このように、底 1 1 aが浅く形成されている上手側 Aの水槽 1 1内を、上下に二分するようにノヽ。ネル状のヒーターを設けておけば、ノヽ°ネル状のヒーターの上面と下面とから水流を加温するので、熱伝播が速やかに行え効率良く加温できる。併せて、パネル状のヒーターで上下に隔てられているので、パネル状のヒーターの上面側の水流力チェーンの戻り側で発生する逆流により影響されず、安定した水流で転写シ一ト 3を流すことができる。

あるいは、給水配管に加温用ヒーターなどを湯沸器の要領で設けておき、予め温度調節された水を上手側 Aに供給するようにしても構わない。

次に図 2および図 3に示された転写シート供給部 1 2の詳細を示すと、図 4および図 5の通りである。

水槽 1 1には相互に平行となった 2枚の支持板 1 6、 1 6力図示するように垂直に取り付けられ、それぞれの支持板 1 6、 1 6に形成された溝 1 7に対してロール軸 1 8が入り込むようになつており、このロール軸 1 8は支持板 1 6、 1 6に対して着脱自在に支持されるようになっている。

このロール軸 1 8はロール芯 2 1に転写シート 3を巻き付けることにより形成される転写ロール 2 0を支持するためのものであり、ロール軸 1 8に着脱自在に設けられテーパ部を有する調心部材 2 2により転写ロール 2 0は、その中心が口ール軸 1 8の中心に一致するようにロール軸 1 8に装着される。支持板 1 6の内面には、ロール軸 1 8の回転を円滑にするために、ロール軸 1 8を支持する複数のローラ 2 3、 2 3が取り付けられている。

それぞれの支持板 1 6、 1 6には 2つの補助ローラ 2 4、 2 5がロール軸 1 8 にそれぞれ平行となって回転自在に装着されている。さらにそれぞれの支持板 1 6、 1 6には、ガイド部材 2 6、 2 6が取り付けられており、これらのガイド部材 2 6、 2 6に設けられた軸受け 2 7、 2 7に駆動口一ラ 3 1が回転自在に装着されている。それぞれのガイド部材 2 6にはさらに軸受け 2 8が上下方向に移動自在に取り付けられており、この軸受け 2 8にテンションローラ 3 2が回転自在に装着されている。

それぞれのガイド部材 2 6には空気圧シリンダ 3 3が取り付けられており、空気圧シリンダ 3 3によって上下動するロッド 3 3 aの先端は軸受け 2 8に連結されている。これにより、空気圧シリンダ 3 3を作動させることによって、テンシヨンローラ 3 2は駆動ローラ 3 1に対して接近したり、離反したりすることになる。駆動ローラ 3 1を回転駆動するために、一方の支持板 1 6には駆動モータ 3 4 が取り付けられ、この駆動モータ 3 4のシャフトに取り付けられたスプロケット 3 5と、駆動ローラ 3 1に取り付けられたスプロケット 3 6との間にはチェーン 3 7が掛け渡されている。したがって、駆動モータ 3 4によって駆動ローラ 3 1 を回転させると、転写シート 3は補助ローラ 2 4、 2 5に案内されて、水槽 1 1に向けて搬送される。

転写シート供給部 1 2には、転写ロール 2 0の着脱を行うために、開閉蓋 3 8 が設けられており、図 4においては、この開閉蓋 3 8を開けた状態が実線で示され、二点鎖線で閉塞された状態が示されている。符号 3 8 aは開閉蓋を開閉する際のハンドルつまり取手を示す。転写シート供給部 1 2には、さらにメインテナンス用の開閉蓋 3 9が設けられており、図 4においては、二点鎖線で開閉蓋 3 9 が開いた状態が示されている。符号 3 9 aは取手を示す。

水槽 1 1の内側には、水槽 1 1の両側壁に沿ってチェーン受台 4 1、 4 1が設けられている。それぞれのチヱ一ン受台 4 1、 4 1は、図 6に示されるように、水平部 4 2 aと垂直部 4 2 bを有する取付金具 4 2を介して水槽 1 1に固定されており、取付金具 4 2とチェーン受台 4 1はボノレト 4 3により締結されている。取付金具 4 2は水槽 1 1の縦方向に所定の間隔毎に複数個設けられており、チェ一ン受台 4 1と取付金具 4 2との間隔は、ボノレト 4 3が貫通するスぺーサ 4 4により設定される。また、水槽 1 1は、上手側 Aの底 1 1 a力 S、下手側 Bの底 1 1 bより浅く設定されているため、上記構成のチェ一ン受台 4 1の垂直部 4 2 bの長さもそれぞれ上手側 A、下手側 Bの深さに合わせて設定されている。

取付金具 4 2を水槽 1 1に固定するためのボルト 4 5は、水槽 1 1の幅方向に長くなつて水平部 4 2 aに形成された長孔 4 6を貫通しており、取付金具 4 2の位置を調整することにより、チューン受台 4 1の水槽 1 1の幅方向の位置が調整される。取付金具 4 2の垂直部 4 2 bの下端部と水槽 1 1 との間隔は、調整ボルト 4 7により調整される。

それぞれのチェーン受台 4 1、 4 1には、搬送用の無端チェーンつまりエンドレスチェーン 5 1、 5 1が配置されており、これらのチェーン 5 1、 5 1は仕切部材搬送手段を構成する。図 7に示されるように、それぞれの搬送用のチェーン 5 1、 5 1の前進側の部分（水面 5が流れる方向と同一方向に移動する部分） 5 1 aはチェーン受台 4 1の上面をすベりながらチェーン受台 4 1に案内される。それぞれのチヱーン 5 1、 5 1の戻り側の部分 5 1 bを支持するために、チェ一ン受台 4 1に所定の間隔毎に取り付けられたブラケット 4 8には、支持ローラ 4 9が回転自在に設けられており、それぞれの支持ローラ 4 9によってチェーン 5 1、 5 1の戻り側の部分 5 1 bが案内される。

水槽 1 1の上流側には、図 2および図 3に示すように、着脱自在つまり取外し自在の複数のカバー板 1 1 dにより覆われており、転写シート 3へのゴミの付着が防止されている。

水槽 1 1のうち、カバー板 1 1 dよりも下流側の部分が、図 3において符号 5 0で示す転写ゾーンつまり転写領域となっている。本実施の形態では、ちょうど底 1 1 bを深く設定した下手側 Bと、転写ゾーン 5 0とが一致させられているが、ベースシート 1の溶解が行える範囲内であれば、本実施の形態より上手側 Aの底 1 1 aを短くしても構わない。逆に、下手側 Bの範囲も、図 2に示すホルダー 1 0の上下動により物体 9を印刷層 2に押し付ける工程に支障がない範囲で、短く設定しても構わない。

図 5に示すように、それぞれのチェーン受台 4 1の一端部には受け金具 5 2により駆動軸 5 3が支持されている。上述したそれぞれのチェーン 5 1、 5 1は、駆動軸 5 3に設けられたスプロケット 5 4、 5 4と、図 3に示すように、水槽 1 1の他端部に位置させてチェーン受台 4 1または水槽 1 1に回転自在に取り付けられたスプロケット 5 5とに掛けされている。なお、チェーン 5 1、 5 1に代えて、ゴム製のタイミングベルトを使用するようにしても良い。

それぞれのチェーン 5 1、 5 1を駆動するために、図 4および図 5に示されるように、一方の支持板 1 6に取り付けられた駆動モータ 5 6のシャフトに取り付けられたスプロケット 5 7と、駆動軸 5 3に取り付けられたスプロケット 5 8との間にはチェーン 5 9が掛け渡されている。それぞれのチェーン 5 1、 5 1は、駆動モータ 5 6をインバータ制御することにより、搬送速度が調整されるようになっている。

水槽 1 1内の水 4は、図 6に示されるように、その水面 5がチェーン 5 1の前進側部の上下方向中央部となって収容されている。つまり、チューン 5 1の前進側部 5 1 aは、上側の部分が水面 5から露出している。

水槽 1 1内に収容された水 4の表面側の部分は、水槽の一端部から他端部に向かう流れ、つまり図 2における左側の端部から右側の端部のオーバーフロー槽 1 5に向かう流れが形成されている。この流れを形成するために、水槽 1 1の上手側 A内には水槽 1 1の幅方向に延びる給水パイプ 6 1力水槽 1 1の縦方向に所定の間隔毎に複数配置されている。これらの給水パイプ 6 1は水流形成手段を構成する。

また、転写ゾーン 5 0内で、ホルダー 1 0の上下動による転写工程が完了する以降の位置に、前記給水パイプ 6 1と同様に、水面 5の下方から水を斜め上方に向けて噴射する給水パイプを設けるようにしても構わなレ、。かかる構成を設ければ、転写完了後に残った残留印刷層などを、強制的にオーバーフローさせることができるので、オーバーフローを自然に任せる場合に比べ、転写工程の作業の流れを速くすることができる。

図 8に示すように、給水パイプ 6 1はチェーン受台 4 1にパイプ取付金具 6 2 により着脱自在に取り付けられている。パイプ取付金具 6 2はチェーン受台 4 1 にボルト 6 3により締結され、給水パイプ 6 1の端部は U字形状のボルト 6 4によりパイプ取付金具 6 2に締結されている。

この給水パイプ 6 1には、所定の間隔毎に多数の水噴出孔 6 5が形成されており、それぞれの水噴出孔 6 5は、図 9に示すように、水槽 1 1の他端部側を向くとともに、上方を向いており、水平線に対して角度 Θで傾斜している。この傾斜角度 Θとしては、 1 5〜5 0 ° 程度が望ましい。給水パイプ 6 1には、供給パイプ 6 6が接続されており、図示しない給水ポンプから水が供給されるようになっている。

水噴出孔 6 5から水を噴出させると、水 4の表面側の部分には水槽 1 1の上手側 Aの一端部から下手側 Bに向かう流れが形成される。この流れにより形成される水面 5の流速は、約 1◦ 0〜4 0 O cm/m i nとなっている。チェーン 5 1の移動速度も、水面 5の流速とほぼ同様となるように設定されている。ただし、水面 5の流速およびチェーン 5 1の搬送速度は、転写シート 3が転写ロール 2 0から繰り出される速度よりも僅かに早く設定されており、これにより、転写シート 3には僅かに引っ張り力が加わり、転写シート 3に皺が発生しないようにしている。

図 1 0は両方のチェーン 5 1の上に載置される仕切部材 7 1を示す。この仕切部材 7 1は、上面に取手 7 2を有する棒材 7 3と、この下面に設けられた仕切板 7 4とにより構成されている。棒材 7 3の長さは、 2本のチェーン 5 1、 5 1の相互間の間隔に相当する寸法となっており、仕切板 7 4は棒材 7 3よりも短くなつている。

図 1 1はこの仕切部材 7 1をチヱ一ン 5 1の上に載置した状態を示す。このように、チェーン 5 1、 5 1の上に仕切部材 7 1を載置すると、仕切板 7 4の部分が水 4内に入り込んだ状態となって転写シート 3を所定の長さ毎に区分した状態で、チェーン 5 1によって両端が支持されながら仕切部材 7 1は下流側に移動することになる。

上述した印刷装置を用いて物体に印刷する手順にっレ、て説明する。

転写シート 3は転写ロール 2◦から繰り出されて駆動ローラ 3 1とテンションローラ 3 2との間に挟み付けられた状態で、駆動モータ 3 4を駆動させることにより、水槽 1 1内の底 1 1 aが浅く設定されている上手側 Aの水面 5に送り出される。転写シート 3は下側のベースシート 1が水面つまり液面 5に接触して浮かんだ状態となる。給水パイプ 6 1の水噴出孔 6 5から噴出される水によって水槽 1 1内の水面 5の部分には、水槽 1 1の上流側から下流側に向かうゆつくりとした流れが形成されていることから、駆動モータ 3 4による転写シート 3の送り出しと、この送り出し速度よりも僅かに早い水面 5の流れとによって、転写シート 3は皺が発生しない状態でゆつくりと下流側に向けて搬送される。

水面 5の下流側への流れによって、転写シート 3の先端が所定の位置にまで達してベースシート 1が溶解したならば、まず最初は転写ゾーン 5 0の上流の側、たとえば図 2でカバー板 1 1 dを通過した直後の位置において、あるいは転写シート 3の先端が図 2において符号 7 1 aのやや上流側の位置まで達したときに、接着剤を塗布して半流動性の印刷模様 8を形成した状態で、仕切部材 7 1をチェーン 5 1、 5 1の上に載置する。チェーン 5 1、 5 1の上に載置された仕切部材 7 1は、チェ一ン 5 1、 5 1を駆動モータ 5 6により駆動することにより、水面 5の流れと同期した速度で下流側に向けて搬送される。このようにして、転写シート 3が下流側に流される過程においてベースシート 1が溶解し、その後に残った印刷層のうち一度の転写操作により使用される部分に接着剤塗布手段としてのノズル 7から図 2に示すように、接着剤を塗布する。前述のように、仕切部材 7 1を符号 7 1 aで示す位置よりもやや上流側に載置する場合には、接着剤の塗布も載置作業の完了前の上流側で行なえばよレ、。

このとき、印刷層 2の全体のうち幅方向中央部のみを転写に使用する場合には、転写に使用される中央部分のみに接着剤を塗布するようにする。

転写シート 3のうち、下側のベースシート 1は水面 5に浮かんだ状態で搬送されながら、水槽 1 1の上手側 A、即ち底 1 1 aの浅い部分を通過するうちに水 4 に溶解ないし膨潤されて徐々に溶解されることになる。接着剤の塗布は、ベースシート 1の溶解が進行している過程ないし溶解が完了した状態のもとで行えばよい。

接着剤を塗布することによって、印刷層 2は半流動性の印刷模様 8となるため、水面 5上で広がる傾向があるが、印刷模様 8の模様パターンの下流端は仕切部材 7 1によって規制され、左右は前進側のチェーン 5 1 a、 5 1 aによって規制されることになるので、それ以上に模様パターンが広がることが抑制されることになる。つまり、接着剤が塗布された部分の上流側は接着剤が塗布されていない部分により広がりが抑制され、下流端の部分は仕切部材 7 1によつて広がりが抑制される。

このようにして、仕切部材 7 1によって印刷層 2の模様パターンの下流端の広がりが防止された状態で、図 2において二点鎖線で示すように、物体 9が保持されたホルダー（物体移動手段） 1 0を水面 5に向けて下降移動させて模様パターンを物体 9に水圧で転写する。物体 9が水槽 1 1の下流端に達する前にホルダー 1 0を上昇させることにより物体 9を持ち上げる。物体 9はクレーン等の搬送手段によって外部に搬出されるとともに、新たな物体 9が転写操作のために搬入される。転写に使用されなかった印刷模様は、仕切壁 1 4の上を越えてオーバーフロー槽 1 5内に排出される。このオーバーフロー槽 1 5内に流入した水は、フィルタ一によつて清浄ィヒされた後に再度噴出に使用される。

チェーン 5 1、 5 1によって水槽 1 1の下流端付近の位置 7 1 aまで搬送された仕切部材 7 1は、水槽 1 1から取り外される。 2回目以降の転写操作においては、仕切部材 7 1は洗浄された後に、図 2に示す設置位置 7 1 bまで戻されて、次の物体に転写操作を行うために接着剤を仕切部材 7 1よりも上流側の部分で接着剤が塗布されたときに印刷層 2の下流端の部分の広がりが抑制される。そして、仕切部材 7 1が位置 7 1 aにまで搬送される間に転写操作がなされる。

このように仕切部材 7 1を符号 7 1 bで示す位置に載置すると、印刷模様の下流端つまり先端の広がりが抑制されるとともに、次の転写に使用される部分の先端がシャープな切断線となって切断される。

2回目以降の転写作業の際には、仕切部材 7 1は符号 7 1 bの位置に戻すようにしている力;、一度の転写により使用される部分の寸法に応じて、仕切部材 7 1 を戻す位置は 7 1 bで示す位置よりも下流側でも上流側でも良く、任意の位置に設定される。このようにして、 1つの仕切部材 7 1は、図 2において一点鎖線で示すように、順次繰り返して使用される。

一度の転写に使用される長さに応じて、給水パイプ 6 1の位置を変化させることも可能である。つまり、仕切部材 7 1が投入される位置よりも下流側に給水パィプ 6 1を設けると、給水パイプ 6 1と仕切部材 7 1とが干渉することになるので、給水パイプ 6 1は転写操作が行われる位置よりも上流側に複数本設けられる。上記実施の形態では、図 2に示すように、小さな物体 9を使用して転写する場合について説明したが、長大物を転写するようにしても構わない。かかる場合には、上手側 Aの範囲を、ベースシート 1が溶解する最小範囲内に設定しておけば、その分物体 9を沈めるだけの水深を有する範囲を下手側 Bとして確保することができる。接着剤の吹き付け工程は上手側 Aを外れた範囲で行っても構わない。このようにして、長い寸法の大型の物体に対して転写をするに際して、物体を水面 5の移動とともに移動させるだけの距離を確保することができなくなる場合には、タイマーを作動させて転写ロール 2 0からの転写シート 3の繰り出しを停止し、さらにチェーン 5 1、 5 1の駆動を停止させて、静止させた状態で転写を行えば良い。

ただし、給水パイプ 6 1の水噴出孔 6 5からの水の噴出は継続させたままでも良い。仕切部材 7 1によって一度に使用される半流動性の印刷模様 8の領域が区分されるので、水面 5に流れが存在していても、仕切部材 7 1の移動が停止すると、水の流れが停止されて、大型の物体に対しても、物品を上下動するだけで模様パターンを変形させることなく転写することができる。

このようにして、ホルダー 1 0に保持された複数の物体 9、あるいは長い寸法の大型の物体に対して印刷層 2の模様ないし柄パターンを変形させることなく、所定のサイクル時間で連続的に繰り返して印刷することができる。そのときの印刷サイクルの時間は、転写シート 3のベースシート 1が水槽 1 1の上流側の部分で充分に溶解ないし膨潤しているので、転写ゾーン 5 0に一度の転写操作により使用される部分が搬送されるまでの時間で良く、転写サイクルを短くして迅速に高品質の模様パターンを印刷することができ、特に量産品を物体とする場合に効率良く、多量に印刷することができる。

しかも、水圧を利用して物体に模様パターンを印刷するようにしたので、凹凸部や湾曲面を有する物体に対しても皺を発生させることなく、高品質の模様バターンを印刷することができる。

転写シート 3に図示する場合と相違した幅を有する転写シートが使用される場合には、取付金具 4 2を水槽 1 1の幅方向に調整移動することにより、 2本のチエーン 5 1、 5 1の相互間の幅を変化させる。

なお、ベースシート 1の材料としては、水に溶解する材料であれば良く、前述したポリビュルアルコール以外に、ポリアクリル酸ソーダ、メチルセルロース、カルボキシメチルセル口一ス、ポリエチレンオキサイド、ポリビュルピロリドン、アクリル酸アミド等を用いることができる。

また、ベースシート 1の材料としては、帯状の薄紙の上に澱粉を塗布し、この澱粉層の上に模様パターンの印刷層を形成したものを使用しても良い。このようなタイプのベースシート 1を使用した場合には、水面 5上を浮かべながらベースシート 1を搬送すると、水によつて澱粉が溶解してベースシート 1のうちの殿粉の部分が溶解するすることになり、薄紙が水槽 1 1内に沈殿して印刷層のみを水面 5に残留浮遊させることができる。

次に、本実施の形態 2の所定長に切断した転写シート 3を水面側に送る構成の印刷装置、および印刷方法について説明する。

本実施の形態でも、印刷の基本工程は前記実施の形態 1とほぼ同様で、転写シ一ト 3が予め所定長に切断された後に水面側に移行される点が前記実施の形態 1 で説明した構成との大きな相違点である。

本実施の形態でも、図 1 2 ( a ) 〜図 1 2 ( d ) に示すように、ベースシート 1の表面には印刷インキないし塗料により任意の模様パターンの印刷層 2が形成されており、ベースシート 1とこの表面に形成された印刷層 2とにより転写シート 3が構成されている。このベースシート 1は、水に溶解または膨潤し易い素材により形成されており、ベースシート 1は水溶性となっている。図 1 2では、ポリビニルアルコールが水溶性のベースシート 1の素材として使用されている。印刷インキとしては、塩ィヒビニール樹月旨を溶剤により溶かした塗料が用いられている。

転写シート 3は、予めべ一スシート 1の表面に公知の印刷機を用いて印刷ィンキまたは塗料により印刷して印刷層 2をベースシート 1に形成した後に、ロール状に巻き付けられて用意されている。

図 1 2 ( a ) は、所定長に切断された転写シート 3が水 4の水面 5に、仕切部材 Tでそれぞれの転写シート 3が仕切られながら浮かべられた状態を示している。ベースシート 1を水面 5に接触させて印刷層 2を上側として転写シート 3は水 4 に浮かべられている。図示するように、水 4は矢印で示す方向にゆっくりと流れており、転写シート 3は仕切部材 Tで仕切られながら、水面 5に浮かんだ状態で矢印で示す方向に移動していく。なお、仕切部材 Tの移動速度と水 4の流れの速度とは同一に設定され、仕切部材 Tに仕切られた所定長に切断された転写シート 3に皺が発生しないようになっている。

図 1 2 ( b ) は、前記実施の形態 1で説明したと同様に、転写シート 3が水 4 の上を移動していく間に、転写シート 3のうちベースシート 1が水 4に溶解していく状態を示す。ベースシート 1は水 4に接触すると溶解ないし膨潤が開始され、水 4の流れに沿って下流に向けて搬送されながら、時間の経過とともに徐々に溶解されることになる。水の流れが水溶性のベースシート 1の溶解を促進することになる。

図 1 2 ( c ) は、ベースシート 1が溶解した後に水面 5に浮遊した状態となつた印刷層 2の上にエポキシ樹脂の接着剤を噴霧して塗布している状態を示す。接着剤は転写シート 3の幅方向に所定の間隔毎に接着剤供給管 6に取り付けられた複数のノズル 7から霧状に噴露され、ノズル 7を水平方向に移動させることにより、印刷層 2の表面に均一に接着剤が塗布されて、印刷層 2は半流動性の接着性を有した印刷模様 8に形成される。ただし、接着剤の塗布は自動的に行うことなく、作業者が手作業で塗布するようにしても良い。

図 1 2 ( d ) は、複数の物体 9がホルダー 1 0に保持された状態を示す図であり、このホルダー 1 0によって物体 9を下降移動させることにより、印刷模様 8 に物体 9が押し付けられて、物体 9に模様パターンが転写される。

図 1 2 ( d ) に示すように、転写シート 3は物体 9の転写に必要な所定の長さ Lに切断されている。表面が湾曲した物体 9を水 4の中に水没させて、水圧によつて印刷模様 8が物体 9の表面全体に均一に押し付けられ、湾曲面に模様パターンが変化することなく確実に転写印刷される。

図 1 2 ( c ) に示すように、印刷層 2に接着剤を塗布することにより、印刷層 2が溶解ないし軟化することにより半流動性で接着性を有するを印刷模様 8となり、物体 9に対する模様パターンの接着性が得られる。さらには、印刷層 2に接着剤を塗布するだけでなく、物体 9の表面にも予め接着剤を塗布するようにしても構わない。

また、本実施の形態では、図 1 2に示すように、接着剤の塗布をベースシート 1が水 4に充分に溶解した後に行なうようにしているが、転写シート 3の搬送中ベースシート 1が溶解している溶解過程のもとで、つまり溶解が完了する前に、転写シート 3を搬送しつつ接着剤を塗布するようにしても構わなレ、。かかる場合には、ベースシート 1が完全に溶解する前に、つまり溶解している過程で物体 9 を印刷層 2に押し付けて転写を行うことができる。

水溶性のベ一スシート 1の厚みは、前記実施の形態 1と同様に、 3 0〜 5 0 At m程度となっている。あまり薄くすると、ベースシート 1に模様パターンを印刷することが容易でなくなり、あまり厚くすると水槽 1 1内を水 4に浮かべられながら下流端に移動するまでにベースシート 1を溶解させることができなくなる虞れがある。

そこで、前述したようにポリビニルアルコールをベースシート 1の素材とする場合には、その厚みを前記した厚みに設定するとよレ、。このような厚みのベースシート 1の上に、 5〜 2 0 0 / m程度の厚みとなって模様パターンの印刷層 2 が形成されている。

接着剤としては、印刷層 2を物体 9に接着させる働きを有する材料であれば、どのようなものでも良く、前記実施の形態 1と同様に、印刷インキとして塩化ビニール樹脂を溶剤により溶かした塗料が使用される場合には、シンナーを接着剤として噴霧して印刷インキの塗料を軟化させることにより、印刷インキに含まれている樹脂成分自体の特性と相まって物体 9に接着がなされる。

本実施の形態の印刷装置は、前記実施の形態 1の図 2に示すとほぼ同様の送り機構を有する転写シート供給部 1 2と水槽 1 1とを有している。転写シート供給部 1 2は平面長方形の水槽 1 1の一端部側から離されて配置され、転写シート供給部 1 2および水槽 1 1は共に、台座 1 3の上に設けられている。

また、かかる転写シート供給部 1 2に近接して、図 1 3に示すように、転写シート 3の切断部 2 0 0が設けられている。転写シート供給部 1 2は、図 2で示す前記実施の形態 1の印刷装置の場合とは異なり、水槽 1 1から離されて斜め上方位置に設けられ、転写シート供給部 1 2から水槽 1 1の水面側までの距離がとれるように構成されている。

図 1 3には、転写シート供給部 1 2が別体に据えられるように構成した場合を示したが、水槽 1 1と一体に構成しても構わない。

また、水槽 1 1は、切断部 2 0 0側の上手側 Aの底 1 1 a力後記する転写ェ程が行われる下手側 Bの底 1 1 bより浅く設定されている。

上手側 Aの深さは、下手側 Bの深さのほぼ半分程度に設定され、その底 1 1 a は底 1 1 bの深い下手側 Bの側板 1 1 cまで平面状に水平に延ばされている。なお、上記底 1 1 aは、上記のように水平でなくても、例えば下手側 Bに向けて多少の下り勾配を持つように形成しても構わない。

また、水槽 1 1の他端部には仕切壁 1 ⁴によってオーバーフロー槽 1 5が区画形成されており、水 4は、水槽 1 1内を左側から右側に向けて、左側を上流として、右側に向けて流れるようになつている。

仕切壁 1 4の上端面の位置によって、水槽 1 1内に収容されて上流から下流に流れる水 4の水面 5の高さが設定されるようになっている。水面 5の高さ調節に際しては、搬送チェーン 5 1の上端側が水面 5より僅かに上に出るように仕切壁 1 4の上端位置の設定が行なわれ、水面 5に浮かべられた転写シート 3の両側が左右に走る搬送チェーン 5 1の間に収められるようになつている。

水 4はベースシート 1が所定の時間内に溶解するように、所定の温度、たとえば 2 0〜3 5 °C程度に設定されている。この水の中には、水溶性のベ一スシート 1の溶解を促進する薬剤を混入するようにしても構わない。

このように上記構成の水槽 1 1では、上手側 Aから下手側 Bまでが一様の深さに設定されていないので、水槽 1 1の容量を減少させて、水槽 1 1内に満たす水量を少なくすることができる。その分、ベースシート 1の溶解に必要な水の上記温度設定に達するまでの加温時間を短くすることができる。併せて、温度変更に要する時間も短縮できる。

また、水温調整は、水槽 1 1内全体の水を加温してこれを循環させるようにすればよい。あるいは、少なくとも上手側 Aの範囲内にある水流が上記温度範囲内に入るように上手側 Aに加温手段を設けるように構成しても構わない。かかる具体的な構成は、前記実施の形態 1と同様に行なえばよい。

また、本実施の形態の印刷装置の転写シート供給部 1 2の周辺構成は、次のように構成されている。

本実施の形態の転写シート供給部 1 2側は、水槽 1 1と別体に構成されてはいるが、基本的には前記実施の形態 1と同様に構成され、例えば図 4、 5に示すように、相互に平行となった 2枚の支持板 1 6、 1 6を垂直に取り付け、それぞれの支持板 1 6、 1 6に形成された溝 1 7に対してロール軸 1 8が入り込むようにして、このロール軸 1 8を支持板 1 6、 1 6に対して着脱自在に支持するように構成すればよい。このロール軸 1 8はロール芯 2 1に転写シート 3を卷き付けることにより形成される転写ロール 2 0を支持するためのものであり、ロール軸 1 8に着脱自在に設けられテーパ部を有する調心部材 2 2により転写ロール 2 0は、その中心が口ール軸 1 8の中心に一致するようにロール軸 1 8に装着される。支持板 1 6の内面には、ロール軸 1 8の回転を円滑にするために、ロール軸 1 8を支持する複数のローラ 2 3、 2 3が取り付けられている。

それぞれの支持板 1 6、 1 6には 2つの補助ローラ 2 4、 2 5がロール軸 1 8 にそれぞれ平行となって回転自在に装着されている。さらにそれぞれの支持板 1 6、 1 6には、ガイド部材 2 6、 2 6が取り付けられており、これらのガイド部材 2 6、 2 6に設けられた軸受け 2 7、 2 7に駆動ローラ 3 1が回転自在に装着されている。それぞれのガイド部材 2 6にはさらに軸受け 2 8が上下方向に移動自在に取り付けられており、この軸受け 2 8にテンションローラ 3 2が回転自在に装着されている。

それぞれのガイド部材 2 6には空気圧シリンダ 3 3が取り付けられており、空気圧シリンダ 3 3によって上下動するロッド 3 3 aの先端は軸受け 2 8に連結されている。これにより、空気圧シリンダ 3 3を作動させることによって、テンションローラ 3 2を駆動ローラ 3 1に対して接近させたり、離反させたりすることができる。

駆動ローラ 3 1を回転駆動するために、一方の支持板 1 6には駆動モータ 3 4 が取り付けられ、この駆動モータ 3 4のシャフトに取り付けられたスプロケット 3 5と、駆動ローラ 3 1に取り付けられたスプロケット 3 6との間にはチェーン 3 7が掛け渡されている。したがって、駆動モータ 3 4によって駆動ローラ 3 1 を回転させると、転写シート 3は補助ローラ 2 4、 2 5に案内されて、切断部 2 0 0側に向けて搬送される。

なお、本実施の形態の転写シート供給部 1 2にも、前記実施の形態 1と同様に図 1 3に示すように、転写ロール 2 0の着脱を行うための開閉蓋 3 8、およびメインテナンス用の開閉蓋 3 9が設けられている。

また、本実施の形態では、切断部 2 0 0は、図 1 4に示すように、平板状に構成された転写シート受け部材 2 1 0を、転写シート供給部 1 2から水面側に向けて斜めに設けて構成されている。平板状の転写シート受け部材 2 1 0の表面は、転写シート 3のベースシート 1が途中突つかかって止まったりせずに、スムーズに下りることができる程度に円滑な表面に形成されている。

転写シート受け部材 2 1 0は、転写シート 3の巾より幅広の矩形に構成されている。また、転写シート受け部材 2 1 0の両サイド側には、図 1 5の平面図に示すように、転写シート 3が転写シート受け部材 2 1 0の傾斜面を下りてゆく際に、傾斜面からはみ出さないように、転写シート 3の巾より少し巾広に合わせた 2本の平行なガイド Gが設けられている。

また、転写シート受け部材 2 1 0の傾斜角度は、転写シート受け部材 2 1 0の表面上の転写シート 3の滑り具合に合わせて、滑り下りる速度が、転写シート供給部 1 2からの転写シート 3の送り出し速度より僅かに速くなるように設定すればよい。かかる設定により、転写シート 3は、僅かに傾斜先端側に引っ張られながら張力がかけられた状態で転写シート受け部材 2 1 0上を移動させるようにして、皺の発生を防止することができる。

転写シート受け部材 2 1 0の一端側 2 1 0 aは、転写シート供給部 1 2から送り出される転写シート 3の送り出し端側を確実に受けられるように、図 1 6に模式的に示すように、転写シート供給部 1 2を構成する駆動ローラ 3 1のローラー面に接近して設けられている。本実施の形態では、転写シート受け部材 2 1 0の f頃斜面が駆動ローラー 3 1のローラー面の接線方向と一致するように設定されている。

転写シート受け部材 2 1 0の傾斜面を接線方向に一致させることにより、転写シ一ト 3を転写シート受け部材 2 1 0の傾斜面に面接触させながら移動させることができ、後記する転写シート 3の切断が行い易いようになつている。

また、転写シート受け部材 2 1 0の他端側 2 1 0 bは、転写シート受け部材 2 1 0を下りてきた転写シ一ト 3の先端側が、ベースシート 1側を水面側に向けた状態で着水できるように、水面から少し上にくるように設けられている。

なお、転写シート受け部材 2 1 0の水面側先端部を前後に分割して、先端部分を上下に首振りさせて転写シート 3の着水角度を適宜に調節できるようにしても構わない。さらに、転写シート受け部材 2 1 0の転写シート供給部 1 2側には、図 1 6に示すように、転写シート受け部材 2 1 0の板面に対面するように、転写シート 3 の切断用に切断手段 2 2 0として熱シリンダ 2 2 0 aが設けられている。

かかる熱シリンダ 2 2 0 aの構成は、転写シート 3の切断を行なう切断刃 2 2 1と、切断刃 2 2 1を上下に瞬間的に作動させるシリンダ部分 2 2 2とから構成されている。シリンダ部分 2 2 2は、油圧式でも、空気圧式でもあるいは機械式でも何れの作動方式でも構わなレ、。

切断刃 2 2 1は、フィルム押さえ治具 2 2 1 aで囲まれた電熱式に構成されてレ、る。切断時には、フィルム押さえ治具 2 2 1 aが切断刃 2 2 1より少し先に下りてフィルムを押さえ、その間に切断刃 2 2 1が降りてきて、その先端側が転写シート 3に接触して、転写シート 3のベースシート 1を瞬間的に熱溶融により切断できるように構成されている。

また、熱シリンダ 2 2 0 aの切断刃 2 2 1が降ろされる転写シ一ト受け部材 2 1 0の裏面側には、平面部分が対面平行に設けられた受台 2 2 1 bがさらに押さえ治具として設けられている。受台 2 2 1 bを設けることにより、切断時の下降する切断刃 2 2 1を裏面から受け止めて衝撃緩和を行なうとともに、切断刃 2 2 1が当たった時の転写シート受け部材 2 1 0の振動発生などを防止して、転写シ一ト 3のシャープな切断面が得られるようになつている。

また、熱シリンダ 2 2 0 aから先端側に向けて所定長離れた位置には、転写シートの先端検出手段 2 3 0として、光電管 2 3 0 aが設けられている。転写シート受け部材 2 1 0の傾斜面を転写シート供給部 1 2から送られるようにして下りてくる転写シート 3の先端側を検出できるようになつている。かかる光電管 2 3 0 aと熱シリンダ 2 2 0 aとは互いに連絡され、光電管 2 3 0 aによる転写シート 3の先端側検出信号が熱シリンダ 2 2 0 a側に送られると、熱シリンダ 2 2 0 aが切断作動を連携して開始できるようになつている。

また、併せて転写シート供給部 1 2の制御部分へも検出信号が送られて、切断時には転写シート 3の送り出しを停止できるように構成されている。

さらに、光電管 2 3 0 aより水面側に近い先端側には、転写シート 3の水面側への移行がスムーズに行なえるようにブロワ一 2 4 0が設けられている。所定長に切断されて転写シ一ト受け部材 2 1 0を下りてくる転写シート 3の先端側を印刷層 2の上方から水面側に向けてブロワ一 2 4 0により空気を吹き付けて、転写シート 3の先端側が丸まったりせずに、ベースシート 1を水面側に向けて着水できるようにしている。

なお、上記説明では、熱シリンダ 2 2 0 aの設置箇所を、光電管 2 3 0 aから所定長転写シート供給部 1 2側に向けた後方位置に設定したが、転写シート受け部材 2 1 0の設定角度が上記のように駆動ローラ 3 1のローラ面の接線方向と一致せずに急角度に設定される場合には、転写シート供給部 1 2から送り出された転写シート 3と転写シート受け部材 2 1 0の傾斜面との間に当初隙間が発生するため、かかる場合には、転写シート受け部材 2 1 0上に送り出されてきた転写シート 3力 S、転写シート受け部材 2 1 0の板面上に面接触させられる箇所に熱シリンダ 2 2 0 aを設けるようにすればよレ、。

一方、水槽 1 1側に設けられたチェーン 5 1には、複数の仕切部材 Tがチェ一ン 5 1のリンク 5 1 L間に所定間隔離して設けられ、転写シート 3の所定長に合わせた間隔離して設けられた仕切部材 T間に丁度転写シート 3が入れるようになつている。

また、切断長の変更は、光電管 2 3 0 aの検出信号を受けた時点から時間差を設けて熱シリンダ 2 2 0 aを作動させるようにすれば切断長を長く設定することができる。切断長を本実施の形態の場合よりも短くする場合には、光電管 2 3 0 aと熱シリンダ 2 2 0 aとの設置間隔を短く設定しておけばよい。

なお、本実施の形態では、熱シリンダ 2 2 0 aおよび光電管 2 3 0 aは、切断長の変更を考慮に入れて、各々別個に取り付け位置の変更ができるようになっている。

一方、水槽 1 1の内側には、前記実施の形態 1とほぼ同様に、水槽 1 1の両側壁に沿ってチェーン受台 4 1、 4 1が設けられている。それぞれのチェーン受台 4 1、 4 1は、図 1 7に示されるように、水平部 4 2 aと垂直部 4 2 bとを有する取付金具 4 2を介して水槽 1 1に固定されており、取付金具 4 2とチェーン受台 4 1はボルト 4 3により締結されている。

取付金具 4 2は水槽 1 1の縦方向に所定の間隔毎に複数個設けられており、チエーン受台 4 1と取付金具 4 2との間隔は、ボルト 4 3が貫通するスぺーサ 4 4 により設定される。また、水槽 1 1は、上手側 Aの底 1 1 aが、下手側 Bの底 1 1 bより浅く設定されているため、上記構成のチェーン受台 4 1の垂直部 4 2 b の長さもそれぞれ上手側 A、下手側 Bの深さに合わせて設定されている。

取付金具 4 2を水槽 1 1に固定するためのボルト 4 5は、水槽 1 1の幅方向に長くなつて水平部 4 2 aに形成された長孔 4 6を貫通しており、取付金具 4 2の位置を調整することにより、チェーン受台 4 1の水槽 1 1の幅方向の位置が調整される。取付金具 4 2の垂直部 4 2 bの下端部と水槽 1 1 との間隔は、調整ボルト 4 7により調整される。

それぞれのチェーン受台 4 1、 4 1には、搬送用の無端チェーンつまりエンドレスチェーン 5 1、 5 1が配置されており、これらのチェーン 5 1、 5 1は仕切部材搬送手段を構成している。図 1 7に示されるように、それぞれの搬送用のチエーン 5 1、 5 1の前進側の部分（水面 5が流れる方向と同一方向に移動する部分） 5 1 aはチヱ一ン受台 4 1の上面をすベりながらチェーン受台 4 1に案内される。それぞれのチェーン 5 1、 5 1の戻り側の部分 5 1 bを支持するために、チェーン受台 4 1に所定の間隔毎に取り付けられたブラケット 4 8には、支持口ーラ 4 9が回転自在に設けられており、それぞれの支持ローラ 4 9によってチェーン 5 1、 5 1の戻り側の部分 5 1 bが案内される。

特に、本実施の形態では、ブラケット 4 8は、前記実施の形態 1 とは異なり (図 6参照）、図 1 7に示すように、断面コの字形開口に形成されて、開口側が水槽 1 1の内側を向くように形成され、下端側の L型に曲げられた水平フランジ部分 4 8 a上に支持ローラー 4 9が回転自在に設けられている。この支持ローラ 4 9上を戻りのチェーン 5 1、 5 1が仕切部材 Tをブラケット 4 8に当てることなく通過できるように構成されている。

一方、本実施の形態では、図 1 8、 1 9に示すように、チェーン 5 1のリンク 5 1 L間に、チェーン 5 1の送りと共に搬送させる荷台などのような付属品を適宜に取り付けるためのアタッチメント 5 1 Tを有する構成のチェーン 5 1が使用されている。このアタッチメント 5 1丁に、本実施の形態では、平行に走るチェーン 5 1間に水平に渡す棒状の仕切部材 Tが取り付けられている。仕切部材 Tの取り付け間隔は、長短、長短の繰り返しになるように取り付けられ、長い間隔部分は転写シート 3の切断長より若干長く設定されている。このようにして、図 2 0に示すように、仕切部材 Τ間に丁度転写シート 3が収められて、その状態で転写領域に送られようになっている。

また、短い間隔 S部分は、隣の転写シート 3の後記する転写工程中の水面の揺れなどが影響しなレ、程度に離されてレ、ればよレ、。

さらに、本実施の形態では、近接スィッチが例えば水槽の上方などに設けられ、所定長に切断した転写シ一ト 3を転写シート受け部材 2 1 0力ら、仕切部材 Τ間に丁度収め易い位置にきたときに、搬送チェーン 5 1を停止させられるようになつている。搬送チェーン 5 1が停止している間に、所定長に切断した転写シート 3が仕切部材 Τ間に収められるとともに、一方後記する物体 9への転写も行なわれる。

本実施の形態では、仕切部材 Τが停止していても、水槽の水は流れているので、転写シート受け部材 2 1 0の先端から水面側に着水させた転写シート 3は、速やかに水流に乗って前後の仕切部材 Τ間に収まる。転写シート 3が前後の仕切部材 Τ間に収められると、再度搬送チューン 5 1は動き始める。

本実施の形態では、両側で並走するチェーン 5 1に棒状の仕切部材 Τを所定間隔で渡すようにしているが、予め、図 2 1 ( a ) に示すように、例えば両側のチエーン 5 1間の巾に合わせた枠体に形成しておき、この枠体 T 1を仕切部材丁の代わりに使用しても構わない。かかる枠体 T 1の構成としては、例えば、長手方向をチェーン 5 1と同じピッチのリンク構造で連結して、チェーン 5 1と同様に長手方向が折れて循環できるようにしておけばよい。それぞれのリンク T 2をピン Pで連結しておけば、チェーン 5 1と同様にして、循環させることかできる。また、かかる枠体 T 1を仕切部材 Tの代わりに使用する場合には、図 2 1 ( b ) に示すように、水槽 1 1の両側を走るチェーン 5 1の間隔より狭い巾に形成しておき、この枠体 T 1を仕切部材 Tにボルト Vで取り付けするようにすれば、両チェーン 5 1の間隔を変えることなく、狭い巾の転写シート 3に対応することができる。

さらに、本実施の形態では、仕切部材 Tは、チェーン 5 1のリンク 5 1 L間のアタッチメント 5 1 Tに取り付けた状態で、図 1 7に示すように、チェーン 5 1 面から突出しないように面一になるように構成され、さらに、水面に接水する程度で移動できるように構成されている。仕切部材 Τの下端側が水面下に深く入らないように構成することにより、仕切部材 Τがチェーン 5 1によって進むに際して、波が発生しないようになっている。

併せて、仕切部材 Τは水の強い抵抗を受けずに進むことができるため、搬送チエーン 5 1の搬送負荷をも小さくすることができる。

また、それぞれのチェーン受台 4 1の一端部には、前記実施の形態の図 5に示すように、受け金具 5 2により駆動軸 5 3が支持されている。上述したそれぞれのチェーン 5 1、 5 1は、駆動軸 5 3に設けられたスプロケット 5 4、 5 4と、水槽 1 1の他端部に位置させてチューン受台 4 1または水槽 1 1に回転自在に取り付けられたスプロケット 5 5とに掛け渡されている。なお、チェーン 5 1、 5 1に代えて、ゴム製のタイミングベルトを使用するようにしても良い。

それぞれのチェーン 5 1、 5 1を駆動するためには、前記実施の形態 1の駆動機構とほぼ同様で、図 1 3、 1 4に示すように、チェーン 5 1の駆動軸と駆動モータ一 5 6との間をスプロケットを介してチェーン 5 9を介して連絡しておき、駆動モーター 5 6をインバータ制御することにより、搬送速度の調節をしながらチェーン 5 1を循環させることができる。

なお、本実施の形態では、切断部 2 0 0を転写シート供給部 1 2と水槽 1 1との間に設けて、転写シート供給部 1 2を上方位置に設ける構成としたため、チェーン 5 1の搬送用の駆動モータ 5 6は、転写シート供給部 1 2から離して下方の水槽 1 1の端部上方位置に設けられている。

水槽 1 1内の水 4は、前記実施の形態 1で説明したと同様図 1 7に示されるように、その水面 5がチューン 5 1の前進側部の上下方向中央部となって収容されている。つまり、チェーン 5 1の前進側部 5 1 aは、上側の部分が水面 5から露出している。

また、本実施の形態では、水槽 1 1の上流側は、前記実施の形態と同様図 1 3 に示すように、着脱自在つまり取外し自在の複数のカバー板 1 1 dにより覆われており、所定長に切断された転写シート 3へのゴミの付着が防止されている。また、水槽 1 1のうち、カバー板 1 1 dよりも下流側の部分が、図 2 0において符号 5 0で示す転写ゾーンつまり転写領域となっている。本実施の形態では、ちょうど底 1 1 bを深く設定した下手側 Bと、転写ゾーン 5 0とが一致させられている。浅い底 1 1 aと深い底 1 1 bとの比率は、ベ一スシート 1の溶解が行なえる範囲で底 1 1 aを短くするなど適宜の比率で構わない。

例えば、下手側 Bの範囲も、図 1 3に示すホルダー 1 0の上下動により物体 9 を印刷層 2に押し付ける工程に支障がなレ、範囲で、短く設定しても構わなレ、。また、水槽 1 1内に収容された水 4の表面側の部分は、水槽の一端部から他端部に向かう流れ、つまり図 1 3における左側の端部から右側の端部のオーバーフロー槽 1 5に向かう流れが形成されている。この流れを形成するために、本実施の形態でも、前記実施の形態 1の図 4に示す要領で、水槽 1 1の上手側 A内に水槽 1 1の幅方向に延びる給水パイプ 6 1を設ければよい。水槽 1 1の縦方向に所定の間隔毎に複数配置され、これらの給水パイプ 6 1は水流形成手段を構成している。

また、転写ゾーン 5 0内で、ホルダー 1 0の上下動による転写工程が完了する以降の位置に、前記給水パイプ 6 1と同様に、水面 5の下方から水を斜め上方に向けて噴射する給水パイプを設けるようにしても構わない。力かる構成を設ければ、転写完了後に残った残留印刷層などを、強制的にオーバーフローさせることができるので、オーバーフローを自然に任せる場合に比べ、転写工程の作業の流れを速くすることができる。

本実施の形態でも、図 2 2に示すように、給水パイプ 6 1はチェーン受台 4 1 にパイプ取付金具 6 2により着脱自在に取り付けられている。パイプ取付金具 6 2はチェーン受台 4 1にボルト 6 3により締結され、給水パイプ 6 1の端部は U 字形状のボルト 6 4によりパイプ取付金具 6 2に締結されている。

この給水パイプ 6 1には、所定の間隔毎に多数の水噴出孔 6 5が形成されており、それぞれの水噴出孔 6 5は、水槽 1 1の他端部側を向くとともに、上方を向いており、水平線に対してある角度をなして傾斜している。この傾斜角度としては、水平方向に対して斜め上方の水面側に向けて 1 5〜5 0 ° 程度が望ましい。給水パイプ 6 1には、供給パイプ 6 6が接続されており、図示しない給水ポンプ力、ら水が供給されるようになっている。

水噴出孔 6 5から水を噴出させると、水 4の表面側の部分には水槽 1 1の上手側 Aの一端部から下手側 Bに向かう流れが形成される。この流れにより形成される水面 5の流速は、約 1 0 0〜4 0 O cm/m i nとなっている。チェーン 5 1の移動速度も、水面 5の流速とほぼ同様となるように設定されている。

ただし、水面 5の流速およびチェーン 5 1の搬送速度は、転写シート 3が前記構成の切断部 2 0 0の転写シート受け部材 2 1 0から繰り出される速度よりも僅かに速く設定されており、これにより、水面に移行する際に転写シート 3には僅かに引っ張られ、転写シート 3は皺が発生しないように移行させられる。

上記構成の印刷装置を使用して物体に印刷する手順について以下説明する。転写シート 3は転写ロール 2 0から繰り出されて駆動ローラ 3 1とテンションローラ 3 2との間に挟み付けられた状態で、駆動モータを駆動させることにより、図 1 6に模式的に示すように、切断部 2 0 0の転写シート受け部材 2 1 0側に送り出される。

転写シート受け部材 2 1 0の傾斜角度は、転写シート供給部 1 2からの転写シ一ト 3の送り出し速度より速く下る程度の角度に設定されているため、転写シート 3は先端側が引っ張られるように僅かに張力がかかった状態で、転写シート受け部材 2 1 0を下って行く。

転写シート 3は、転写シート受け部材 2 1 0面に載せられて水面側に向けて移動する。転写シート 3は、熱シリンダ 2 2 0 a部分を通過して、光電管 2 3 0 a 部分に至り、光電管 2 3 0 aで先端通過が検出される。

光電管 2 3 0 aより所定長後方に設けられた熱シリンダ 2 2 0 aに、その先端通過検出信号が送られ、熱シリンダ 2 2 0 aが作動する。切断刃 2 2 1が転写シ一ト受け部材 2 1 0面を移動する転写シート 3面に降ろされて、所定長に熱切断される。

なお、本実施の形態では、この熱シリンダ 2 2 0 aの切断時には、転写シート 3の送り出しを停止するようになっている。光電管 2 3 0 aからの検出信号を熱シリンダ 2 2 0 aと、駆動ローラ制御部に同時に送るようにするなどの構成にしておけばよい。し力し、転写シート供給部 1 2からの転写シート 3の送り出し速度に比べて、熱シリンダ 2 2 0 aの切断刃 2 2 1の切断速度が十分に速く構成できる場合には、転写シート 3の送りを切断時にその都度停止させることなく、連続的に送りだしながら、切断を瞬時に行なうようにしても構わない。

一方、水槽 1 1側に設けたチェーン 5 1に搬送される仕切部材 Tは、転写シート受け部材 2 1 0からの切断された転写シート 3の水面側への移行速度とタイミングを合わせて循環する。

例えば、図 2 3 ( a )、（b )、 ( c ) に示すように、近接スィッチ S Wにより仕切部材 Tを検知して、前後が転写シート 3の切断長より少し長い程度に離された前後の仕切部材 T間に、丁度転写シート 3が収められるようになつている。搬送チェーン 5 1により仕切部材 Tが、図 2 3 ( a ) に示すように、搬送されてくる。上記所定長の間隔で離された前後の仕切部材 Tの後側の仕切部材 Tが、転写シート受け部材 2 1 0の先端側の下方位置にきた時点で、前側の仕切部材 T が近接スィツチ S Wにより検知され、この検知信号により仕切部材 Tの搬送チェーン 5 0が停止される。

このようにして、転写シート受け部材 2 1 0の先端側下方に、転写シート 3が収まり易いように前後の仕切部材 Tを停止させた時点で、所定長に切断された転写シート 3が、図 2 3 ( b ) に示すように、前後の仕切部材 T間に収められる。水槽 1 1では、仕切部材 Tが停止されている間でも下流に向けて水流が発生しているので、図 2 3 ( c ) に示すように、水面 5側に着水した転写シート 3の先端側は、水流に引っ張られるようにして仕切部材 T間に収められることとなる。仕切部材 T間に丁度転写シート 3が収められると、再度搬送チェーン 5 1が始動するようになっている。

上記構成のように搬送チェーン 5 1が停止させられ、仕切部材 Tが停止している間に、物体 9への転写が行なわれるようになつている。

なお、上記構成では、仕切部材 Tを搬送チェーン 5 1を停止させて、その間に仕切部材 T間に転写シート 3を収めるとともに、物体への転写を行なうように構成したが、仕切部材 Tを停止させずに連続的に行なっても構わない。

力かる場合には、例えば、転写シート 3の切断長に合わせた間隔でチェーン 5 1に取り付けられた前後の仕切部材 Tの前の仕切部材 Tが、転写シート受け部材 2 1◦の水面側の先端部を通過した直後に、水面側に転写シート 3の先端側が着水するようにタイミングを合わせておけばよい。

さらに、仕切部材 Τの移動速度と水流の速度とを合わせておき、且つその速度を転写シート 3の転写シート受け部材 2 1 0から水面側への移行速度より僅かに速く設定しておけば、転写シート 3の水面側に着水した先端側が水流に僅かに引つ張られるように張力をかけられながら水面側に移行させられる。

所定長に切断された転写シ一ト 3の後端側が水面に移行した直後に、先行した仕切部材 Τから転写シート 3の切断長に合わせて離された後の仕切部材 Τがチェ —ン 5 1により送られてくる。このようにして、丁度所定長に切断された転写シ ―ト 3が長い間隔に保持された 2本の仕切部材 Τの間に収まるようにタイミングを合わせて連続工程で転写シート 3の移行が行なえるようにしても構わない。また、本実施の形態では、転写シート受け部材 2 1 0の水面側にはブロワ一 2 4◦が設けられているので、切断された転写シート 3の先端側は、上方から水面側に空気を吹き付けられて、ベースシート 1を水面側に向けた状態で、速やかに水面側に滑り下りて着水する。

なお、ブロワ一 2 4 0は、転写シート 3の転写シート受け部材 2 1 0上を円滑にある程度の速度で滑り落ちて円滑に着水できるようであれば必ずしも設けなくてもよい。

このようにして、転写シート 3は、転写シート受け部材 2 1 0を移動する途中で所定長に切断され、水槽 1 1内の底 1 1 aが浅く設定されている上手側 Αの水面 5に送り出される。所定長に切断された転写シ一ト 3は下側のベースシート 1 が水面 5に接触して浮かんだ状態となる。

給水パイプ 6 1の水噴出孔 6 5から噴出される水によって水槽 1 1内の水面 5 の部分には、水槽 1 1の上流側から下流側に向かうゆつくりとした流れが形成されており、その流れの速度が転写シート受け部材 2 1 0からの転写シート 3の送り出し速度よりも僅かに速く設定されているので、転写シート 3は皺が発生しない状態で水面 5側の仕切部材 T間に着水して収められる。

転写シート 3のうち、下側のベースシート 1は水面 5に浮かんだ状態で搬送されながら、水槽 1 1の上手側 A、即ち底 1 1 aの浅い部分を通過するうちに水 4 に溶解ないし膨潤されることとなる。

一方、このようにして、所定長に切断された転写シート 3が仕切部材 Tにより仕切られながら下流側に流されてベースシート 1が溶解される過程において、一度の転写操作により使用される部分に接着剤塗布手段としてのノズル 7 (図 1参照）から接着剤を塗布する。

接着剤の塗布は、転写シート 3のベースシート 1が溶解した段階で行なえばよレ、。接着剤の塗布作業は、自動的にノズルから均一に吹き付けるようにしても、あるいは手動で吹き付けるようにしても構わない。

また、本実施の形態では、転写シート 3は、切断部で丁度転写に必要な大きさに合わせて切断されているので、接着剤の塗布は、転写シート 3の全面に均一になるように吹き付ける必要がある。

接着剤の塗布は、ベースシート 1の溶解が進行している過程ないし溶解が完了した状態のもとで行われる。

接着剤を塗布することによって、印刷層 2は半流動性で接着性を有した印刷模様 8となり、水面 5上で広がる傾向があるが、模様パターンの前後は仕切部材 T によって規制され、左右はチェーン 5 1の前進側部 5 1 aによって規制されることになるので、それ以上に模様パターンが広がることが抑えられる。

このようにして、仕切部材 Tに仕切られた状態で、図 1 3において二点鎖線で示すように、物体 9が保持されたホルダー（物体移動手段） 1 0を水面 5に向けて下降させて停止状態の模様パターンを物体 9に水圧で転写する。

また、本実施の形態では、水面 5上を移動する模様パターンに、模様パターンより十分に速い速度で押し付け、引き上げることにより、転写を効率良く行なえるようにしても構わない。また、物体 9を模様パターンの移動速度に合わせて移動させながら、同時に上記押し付け、弓 I上げを行なうようにしても構わない。この場合には、物体 9が水槽 1 1の下流端に達する前にホルダー 1 0を上昇させることにより物体 9を持ち上げる。

また、物体 9はクレーン等の搬送手段によって外部に搬出されるとともに、新たな物体 9が転写操作のために搬入される。転写に使用されない模様パターンは、仕切壁 1 4の上を越えてオーバーフロー槽 1 5内に排出される。このオーバーフロー槽 1 5内に流入した水は、フィルタ一によつて清浄化された後に再度噴出に使用される。

本実施の形態では、転写に必要な範囲で転写シート 3の切断が行なわれるので、従来のように転写に使用されない模様パターンの部分は少ない。その分、フィルターによる清浄ィ匕も行い易く、フィルターの寿命を伸ばすことができる。

また、チューン 5 1、 5 1によって水槽 1 1の下流端付近まで搬送された仕切部材 Tは、チェーン 5 1、 5 1の折り返しに合わせて戻される。物体 9への転写操作は、前記実施の形態 1と同様に、図 1 3に示すように、位置 7 1 aと 7 1 b との間の領域で行なわれる。

また、本実施の形態では、前記実施の形態の図 1 1に示すような仕切部材 7 1 を使用しないので、仕切部材 7 1の水面下に下がった仕切板 7 4による給水パイプ 6 1からの給水水流の干渉を心配せずに済む。

さらに、本実施の形態の方法では、ベースシート 1の存在下で接着剤を吹き付けると転写シート 3が縮み易いため、ベースシート 1が存在している状態の転写シート 3を予め所定長に切断して水面に移行させ、その後ベースシート 1を溶解させた上で接着剤の塗布を行なっているが、かかる転写シート 3の縮みが発生しない場合には、切断部 2 0 0を通過する際に転写シート 3に接着剤を塗布すれば効率的である。

ただし、力かる場合に使用する接着剤は、転写シート 3のベースシート 1が溶解して、その後の物体 9の転写が円滑に行なえるように、接着性がその時点まで維持できるものでなければならなレ、。

ベースシート 1の溶解が行なわれる前に接着剤を塗布する構成としては、例えば、熱シリンダ 2 2 0 aと光電管 2 3 0 aとの間に、転写シート 3の巾方向に吹き付け可能な接着剤塗布用のノズノレを設ければ、ノズノレを接着範囲に合わせて移動させることなく転写シート 3の印刷層 2上に接着剤の塗布が行なえる。

また、接着剤塗布用ノズルをプロヮー 2 4 0と入れ換えて、接着剤を塗布するとともに水面側への転写シート 3の移行を促進できるようにしても構わなレ、。本実施の形態では、図 1 3に示すように、小さな物体 9を使用して転写する場合について説明したが、長大物を転写するようにしても構わない。

長い寸法の大型の物体に転写する場合には、仕切部材 Tのチェーン 5 1への取り付け間隔を切断長に合わせて長くしておけばよい。また、本実施の形態では、前記実施の形態 1とは異なり、仕切部材 7 1による仕切を使用しないので水の流れをそのまま発生させておくと、枠内で転写シート 3が前方に送られて皺がよるので、この場合には水流の停止が必要となる。

さらに、転写シートの切断長が転写シート受け部材 2 1 0よりも長い場合には、転写シート受け部材 ₂ 1 0から転写シート 3の先端側を水面側に移行させながら、所定長に達した時点で切断するようにすればよレ、。例えば、移行速度が一定であれば、光電管 2 3 0 aによる転写シート 3の先端通過検出後所定時間後に、熱シリンダ 2 2 0 aを作動させて切断するようにすればよい。

このようにして、ホルダー 1 0に保持された複数の物体 9 (長い寸法の大型の物体も含めて）に対して印刷層 2の模様なレ、し柄パターンを変形させることなく、所定のサイクル時間で連続的に繰り返して印刷することができる。

そのときの印刷サイクルの時間は、転写シート 3のベースシート 1が水槽 1 1 の上流側の部分で充分に溶解ないし膨潤しているので、転写ゾ一ン 5 0に一度の転写操作により使用される部分が搬送されるまでの時間で良く、転写サイクルを短くして迅速に高品質の模様パターンを印刷することができ、特に量産品を転写物体とする場合に効率良く、多量に印刷することができる。

なお、ベースシート 1の材料としては、前記実施の形態 1と同様に、水に溶解する材料であれば良く、前述したポリビュルアルコール以外に、ポリアクリル酸ソーダ、メチルセノレロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンォキサィド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド等を用いることができる。

さらに、ベースシート 1の材料としては、帯状の薄紙の上に澱粉を塗布し、この澱粉層の上に模様パターンの印刷層を形成したものを使用しても良い。

かかるタイプのベースシート 1を使用した場合には、水面 5上を浮かべながらベースシート 1を搬送すると、水によつて澱粉が溶解してベースシート 1のうちの殿粉の部分が溶解することとなり、薄紙が水槽 1 1内に沈殿して印刷層のみを水面 5に残留浮遊させることができる。

次に、本実施の形態 3の印刷装置および印刷方法について説明する。

本実施の形態の印刷装置では、切断部 2 0 0を構成する転写シート受け部材 2 1 0をベルトコンベア 3 0 0に構成し、積極的に転写シート 3を水面側に移行させるように構成されている。上記実施の形態 2と比べて、機構が複雑になるが、傾斜角度や平板面の平滑さなどに余り配慮しなくても、積極的に転写シート 3を水面側に搬送させることができる。

転写シート受け部材 2 1 0は、本実施の形態では、前記実施の形態 2と同様に斜めに傾斜して設けられたベルトコンベア 3 0 0から構成されている。

ベルトコンベア 3 0 0は、図 2 4に示すように、その一端 3 0 0 aが転写シート供給部 1 2の転写シートの送り出しが行なわれる丁度下方位置になるように、他端 3 0 0 b力丁度水槽 1 1の水面上の近くにくるように、転写シート供給部 1 2から水槽 1 1の水面側に向けて斜めに向けて設けられている。

ベルトコンベア 3 0 0は、ベルト 3 1 0面が平面状に構成され、転写シート 3 のベースシート 1に皺ができないように載せて水面側に搬送できるようになっている。

ベルトコンベア 3 0 0は、図 2 4に示すように、小型の駆動モーターにより駆動させられるようになつている。ベルトコンベア 3 0 0の駆動に際しては、ベルト 3 1 0の搬送速度を、転写シート供給部 1 2の転写シートの送り出し速度より若干速くして、皺がよらないようにベルト 3 1 0面に送り出せるようになつている。

さらに、水槽 1 1側の水の流速は、ベルトコンベア 3 1 0の搬送速度よりも若干速い速度に設定され、水面上へ転写シートが移行する段階でも皺が発生しないように配慮されている。このようにして、転写シート供給部 1 2から送り出された転写シート 3は、切断部 2 0 0のべノレトコンベア 3 0 0により搬送させられて水槽 1 1の水面側に円滑に移行させられるようになつている。

また、ベルトコンベア 3 0 0のベルト 3 1 0面と対面した上方位置には、前記実施の形態 2と同様に、転写シート 1の切断手段 2 2 0として、熱シリンダ 2 2 0 aが設けられている。

また、熱シリンダ 2 2 0 aの切断刃 2 2 1が降ろされるベルト 3 1 0の裏面側には、ベルト 3 1 0裏面に微小間隔離されて対面平行にされた平面部分を有する受台 2 2 1 bが設けられている。切断時に切断刃 2 2 1が降ろされても、ベルト 3 1 0面が深く沈みこまずに、転写シート 3がシャープに切断できるようになつている。

また、ベルトコンベア 3 0 0の先端側には、前記実施の形態 2で述べたと同様に、光電管 2 3 0 aが先端検出手段 2 3 0として設けられている。光電管 2 3 0 a ( 2 3 0 ) により、ベルトコンベア 3 0 0を水面側に移動させられてきた転写シート 3の先端側を検出することができるようになつている。光電管 2 3 0 aからの検出信号により熱シリンダ 2 2 0 aが作動して、所定長に転写シート 3の切断が行なえるようになつている。

さらに、本実施の形態でも、前記実施の形態 2と同様に、ベルトコンベア 3 0 0の水面側には、吹出方向をベルト 3 1 0面に対してやや斜め下方に向けたブロァー 2 4 0を設けるようにしても構わない。

この場合のブロア一 2 4 0は、水面側に搬送された転写シート 3の先端側を水面側に吹き付けて、転写シート 3がベースシート 1を水面側に向けて円滑に着水できるようにするためである。

また、力かる装置を使用した印刷方法について以下説明する。基本的な印刷過程は、上記実施の形態 2と同様であるが、転写シート供給部 1 2から送り出された転写シート 3の送り出し端側は、駆動ローラー 3 1のローラー面に近接して設けたベルトコンベア 3 0 0上に受けられる。

転写シート 3は、転写シート供給部 1 2の駆動ローラー 3 1のローラ一面の接線方向に沿って、ベルトコンベア 3 0 0のベルト 3 1 0面に送り出される。ベルト 3 1 0の傾斜面上に送り出された転写シート 3は、転写シート供給部 1 2からの送り出し速度より僅かに速い速度で傾斜面を水面側に移動させられ、転写シート 3をピンと張った状態で（皺がよらない状態で）水面側に向けて移動させられる。熱シリンダ 2 2 0 aの側を通過して、熱シリンダ 2 2 0 aから所定長進むと、光電管 2 3 0 aで転写シート 3の先端側が検出され、光電管 2 3 0 aより所定長転写シート供給部 1 2側後方に離された熱シリンダ 2 2 0 aが作動して転写シート 3が切断される。

このようにして所定長に切断された転写シート 3は、その先端上面側が光電管 2 3 0 aを通過後、ベルトコンベア 3 0 0から水面側に向けて送られる。本実施の形態では、上記実施の形態 2とは異なり、切断された転写シート 3の自然滑落を利用せずに、ベルトコンベア 3 0 0による搬送されるため、着水促進用に設けたブロワ一 2 4 0の構成がなくても構わない。

一方、水槽 1 1のチーン 5 1に設けられた前記構成の仕切部材 Tは、前記実施の形態 2と同様に、上記水面側への転写シート 3の移行タイミングと合わせられている。そのため、前後が仕切部材 Tに挟まれて、水面上の波などの影響を受けずに水面上を流れるようにして下手側 Bに転写シート 3が移行する。その後、転写シート 3を転写工程側に移行させて、物体 9を転写シート 3の上方から押し付けて転写させればよい。

次に、本実施の形態 4の印刷装置および印刷方法についてについて説明する。本実施の形態では、上記実施の形態 2、 3とは異なり、切断部 2 0 0が水平に設けられ、その水平板 5 0 0面上に転写シート 3が送り出され、水平板 5 0 0面上で所定長に切断され、所定長に切断された転写シート 3が水面側に落下させられるように構成されている。

本実施の形態では、切断部 2 0 0は、転写シート供給部 1 2の送り出し側に、板面が水槽 1 1の水面 5と所定高さで対面平行させられるようにして、図 2 5、 2 6に示すように、水平板 5 0 0が水平に突き出して設けられている。

水平板 5 0 0の上面は、転写シート 3のベースシート 1が途中突つかからずに円滑に押し出されるように平滑面に構成されている。水平板 5 0 0は、図 2 6に示すように、転写シート 3の巾より広幅の矩形に構成され、両サイド側には、転写シート 3が水平板 5 0 0からはみ出さないように、ほぼ転写シート 3の巾に合わせた程度の間隔離された互いに平行なガイド 5 1 0が設けられている。

水平板 5 0 0の一端側 5 0 0 aは、転写シート供給部 1 2力ら送り出される転写シート 3の送り出し端側を確実に受けられるように、図 2 7に示すように、転写シート供給部 1 2を構成する駆動ローラ 3 1のローラー面の最上端部の水平接線方向上に、板面が延びるように構成されている。板面を接線方向上に一致させることにより、より皺が発生しにくくなる。

転写シート 3は、かかる平滑な板面上を転写シート供給部 1 2から送り出されるようにして、水平板 5 0 0上を先に送られる。必要に応じて、転写シート 3のベースシート 1が平板面上を円滑に滑るように、水面側に移行した段階でベースシート 1の溶解などに不都合がなければ潤滑剤を薄く塗布しておいても一向に構わない。

さらに、水平板 5 0 0の転写シート供給部 1 2側には、図 2 5、 2 7に示すように、水平板 5 0 0の板面に対面するように、転写シート 3の切断用に前記実施の形態で述べたと同じ構成の熱シリンダ 2 2 0 aが設けられている。

また、熱シリンダ 2 2 0 aから先端側に向けて所定長離れた位置に、光電管 2 3 0 aが設けられて、水平板 5 0 0を送られてくる転写シート 3の先端側を検出できるようになつている。

すなわち、転写シート供給部 1 2から送りだされて来た転写シート 3は、熱シリンダ 2 2 0 a部を通過して、光電管 2 3 0 a側に送られ、光電管 2 3 0 aで転写シート 3の先端側を検出し、検出信号により熱シリンダ 2 2 0 aを作動させて所定長に転写シート 3の切断を行なう。

また、水平板 5 0 0の上記熱シリンダ 2 2 0 a と、光電管 2 3 0 aとの中間位置の板面上方には、鉛直下方に吹き付けるブロワ一 2 5 0が設けられている。一方、水平板 5 0 0は、図 2 7に示すように、ブロワ一 2 5 0の吹き付け部分を境にして、下方に向けて両開きできるように前後に開閉片 5 2 0、 5 3 0に分断させられている。

開閉片 5 2 0の端部 5 2 0 aは、図 2 7に示すように、光電管 2 3 0 aの設置箇所側より少し先端側に設けられた回転軸 5 4 0の回転により、端部 5 2 0 b側が回転できるように軸支されている。回転軸 5 4 0は小型モーターにより回転制御され、図 2 7に示すように、開閉片 5 2 0が水立置から下方の開口位置にまで、回転軸 5 4 0を中心として回転できるようになつている。また、開口後は、下方の開口位置から水平位置まで閉じ状態になるように開閉片 5 2 0力回転軸 5 4 0を中心として回転させられるようになつている。

開閉片 5 3 0も開閉片 5 2 0と同様に構成され、端部 5 3 0 a側を小型モータ一により回転制御された回転軸 5 4 0を回転中心として、水置と下方の開口位置との間に回転させて適宜に開閉切替ができるように構成されている。

転写シート ₃の送り出しに際しては、開閉片 5 2 0、 5 3 0は、それぞれの端部 5 2 0 b、 5 3 0 bを互いに水平方向に対面させて、水平板 5 0 0が転写シート 3の送り出し可能な水平になるように構成されている。

一方、送り出された転写シート 3が、光電管 2 3 0 aによる検出信号に基づいて熱シリンダ 2 2 0 aにより切断された状態で、小型モーターが作動して、開閉片 5 2 0、 5 3 0が回転軸 5 4 0を中心として下方に両開きされるように構成されている。

かかる両開きにより、その上に載っていた所定長に切断された転写シート 3は、図 2 8 ( a )、（b )、 ( c ) に示すように、中央部分を逆三角形状に落とし込んだようにして、水平板 5 0 0の下方に平行になっている水面上に転写シート 3が落下させられるようになっている。

両開きにして、転写シート 3をこのようにして下方の水面上に落下した後は、両開閉片 5 2 0、 5 3 0は、直ちに小型モーターの回転制御により再び閉じ状態の水平方向に回転させられ、次の転写シート 3の受入れ体制に移れるように構成されている。

なお、水面から水平板 5 0 0までの高さは、丁度両開きされる開閉片 5 2 0、 5 3 0が両開きされて鉛直下方に開いた状態で水面や仕切部材 Tに接触しない程度の高さに設定しておけばよい。

さらに、ブロワ一 2 5 0は、上記開閉片 5 2 0、 5 3 0の両開き開口に連動して、転写シート 3の中央部分下方に向けて吹き付けて、図 2 8に示すように、中央部分を逆三角形状に落とし込んだようにして、転写シート 3を下方の水面上に着水させるように構成されている。

本実施の形態では、中央部分を逆三角形状に落とし込んだようにして、転写シ一ト 3を下方の水面上に着水させることができるので、転写シート 3の裏側と、水面との間の空気が転写シート 3の前後方向などに押し出されて、転写シート 3 は着水に際して、水面との間に空気を間に挟まずに平に水面と面接触させられ、ベースシート 1の均一溶解を図るとともに、模様パターンの崩れを防止できる。一方、水槽 1 1側に設けられたチェーン 5 1には、前記実施の形態 2、 3と同様に、複数の仕切部材 Tがチェーン 5 1のリンク 5 1 L間に所定間隔離して設けられ、転写シート 3の切断長に合わせた間隔離して設けられた仕切部材 T間に丁度転写シート 3が入れられるようになっている。

転写シート 3の切断長に合わせた間隔でチェーン 5 1のリンク 5 1 L間のァタツチメント 5 1 Tに取り付けられた両仕切部材 Tは、転写シート 3の水平板 5 0 0上での切断動作と連動させられており、丁度転写シート 3が落下させられる時点では、転写シート 3の下方位置に両仕切部材 Tが来て停止されるように構成されている。

なお、上記説明では、両開閉片 5 2 0、 5 3 0を等長に設定して、中央から両開きに開口するように構成したが、図 2 9 ( a ) に示すように、開閉片 5 2 0、 5 3◦の一方が短く設定されるようにしても構わない。

例えば、開閉片 5 2 0の方を短く設定しておけば、図 2 9 ( a ) に示すように、開閉片 5 2 0の方を完全に開口して、長い開閉片 5 3 0を水面より僅かに高い位置で止めるように構成しても構わない。この場合にも、転写シート 3が上記要領で水面上に落下する。

また、短い開閉片 5 2 0上の転写シート 3部分は、長い開閉片 5 3 0より先に着水し、着水した時点で仕切部材 Tを水流方向に動かせば、転写シート 3は切断長に合わせて設けられた仕切部材 T間に丁度入るようになる。

また、図 2 9 ( b ) に示すように、片開きできるように構成しても構わない。この場合には、両開きの構成とは異なり、転写シート 3の着水に際しては、仕切部材 Tを停止させることなく、仕切部材 Tを水流方向に沿って移動させるようにもできる。

力かる構成の印刷装置を使用した印刷方法について以下に説明する。

転写シート供給部 1 2までの転写シート 3の流れは、前記実施の形態 1で述べたと同じようにして行なう。このようにして、転写シート供給部 1 2から送り出された転写シート 3の送り出し端側は、駆動ローラー 3 1のローラー面に上端側に近接して設けられた水平板 5 0 0上に受けられる。

転写シート 3は、転写シート供給部 1 2の駆動ローラー 3 1のローラー面の上端面の接線方向に沿って、水平板 5 0 0の板面上に送り出される。水平板 5 0 0 の板面上に送り出された転写シート 3は、転写シート供給部 1 2力らの送り出しにより板面上を滑るようにして先に送られる。水平板 5 0 0の板面は転写シート 3のベースシート 1が円滑に滑るような円滑面に構成されているので、皺がよらない状態で水平方向に送られていく。

熱シリンダ 2 2 0 aの側を通過して、熱シリンダ 2 2 0 aから所定長進むと、光電管 2 3 0 aで転写シート 3の先端側到来が検知され、光電管 2 3 0 aより所定長離された熱シリンダ 2 0 0 aが作動して転写シート 3が切断される。

転写シート 3の切断後に、図 2 7に示すように、水平板 5 0 0を構成する開閉片 5 2 0、 5 3 0が下方に両開きして、併せてブロヮー 2 5 0が転写シート 3の上面から下方に吹き付けて、中央部分が逆三角形状に落ち込んだ状態で転写シート 3が、下方の水面上に落とされる。

一方、水槽 1 1のチェーン 5 1に設けられた前記構成の仕切部材 Tは、上記水面側への転写シート 3の落下とタイミングと合わせられており、転写シート 3が、転写シート 3の切断長に併せた間隔でチェーン 5 1に取り付けられた仕切部材 T 間に着水できるようになつている。

このようにして、前後が仕切部材 Tに挟まれて、水面上の波などの影響を受けずに水面上を流れるようにして下手側 Bに転写シート 3を移行させ、移行途中でベースシート 1を溶解させる。ベースシート 1の溶解後接着剤を塗布して半流動性の模様パターンを形成して転写工程側に移行させた後、物体 9を上方から押し付けて模様パターンを転写する。

本実施の形態では、水平板 5 0 0の切断された転写シート 3が載せられる部分を、両開き可能な開閉片 5 2 0、 5 3 0で構成したが、図 3 0 ( a ) に示すように、かかる両開き可能な開閉片 5 2 0、 5 3 0をベルトコンベアに構成して、転写シート 3の送り出しが容易になるように構成しても構わない。あるいは、図 3 0 ( b ) に示すように、開閉片 5 3 0と転写シート供給部 1 2 側との間をベルトコンベアに構成しておいても構わなレ、。

あるいは、図 3 1に示すように、転写シート供給部 1 2の近傍箇所と、水平板 5 0 0の先端側間との区間を転写シート 3の先端側を吸いつけて搬送する吸盤搬送機構を設けるようにしても構わない。

力かる吸盤搬送機構としては、例えば、上記区間に水平板 5 0 0の板面上方に、 2本の水平ガイド 6 0 0を設けておく。この 2本の水平ガイド 6 0 0は、転写シート 3の巾より少し狭い程度に設定されている。また、この水平ガイド 6 0 0間の巾は、使用する転写シート 3の種々の巾に合わせられるように間隔調節ができるように構成されている。

一方、両水平ガイド 6 0 0には、それぞれ吊り部材 6 1 0を介して、吸盤 6 2 0が設けられている。吊り部材 6 1 0は、その上端側が滑車 6 3 0を介して水平ガイド 6 0 0に案内されて水平走行可能になっている。

また、吊り部材 6 0 0の下端側には吸盤 6 2 0が設けられ、吊り部材 6 1 0の吊り下げ方向に沿って上下に少しの高さ昇降ができるようになつている。さらに、吸盤 6 2 0は、フレキシブル管により空気圧調整装置（図示せず）に配管接続され、必要に応じて、転写シート 3を吸いつける程度に吸盤 6 2 0内を負圧にしたり、あるいは常圧に戻したりすることができるようになつている。

転写シート ₃が転写シート供給部 1 2から水平板 5 0 0面側の吸盤搬送機構の吸盤待機箇所に送り出されると、吸盤が転写シート 3の到来を光電管などの検出センサーで検出して、吸盤が転写シート 3の上面まで下降する。下降した吸盤 6 2 0内は負圧に調節され、転写シート 3を吸盤 6 2 0面に吸いつける。

転写シート 3は、転写シート 3の巾より少し狭レ、巾で、両端側が 2個の吸盤 6 2 0により吸いつけられた状態となる。この状態で、 2個の吸盤 6 2 0は、転写シート 3の裏面側を水平板 5 0 0から少し浮き上がらせる程度に、吊り部材 6 0 0に沿って少し上方に上げられる。

このようにして、転写シート供給部 1 2から送り出された転写シート 3の先端側を吸盤 6 2 0に吸いつけて、水平板 5 0 0の板面から浮き上がらせた状態で、水平ガイド 6 0 0に案内させて滑車 6 3 0を水平移動させることにより、水平板 5 0 0の所定先端側へ転写シート 3を引っ張ってゆく。所定先端側へ到達した時点で、吸盤 6 2◦は転写シート 3の裏面側が水平板 5 0 0の板面に着く程度まで、吊り部材 6 1 0に沿って下降させる。下降した時点で、熱シリンダー 2 2 0 aが作動して転写シート 3が所定長に切断される。

また、転写シート 3が切断した時点で、吸盤 6 2 0内は常圧に戻され、それまで吸いつけられていた転写シート 3を離す。

転写シート 3を離した時点で、再度吸盤 6 2 0は吊り部材 6 1 0に沿って所定長上昇し、さらに水平ガイド 6 0 0に沿って滑車 6 3 0を移動させて、転写シート供給部 1 2側の所定の待機箇所に戻り、再度転写シート 3の先端側が検出センサ一により検知されるまで待機させる。

吸盤 6 2 0にこの一連の動作を反復させることにより、転写シート 3の水平板

5 0 0の板面に沿った効率的な搬送が行なえる。

なお、かかる構成では、吸盤 6 2 0の前後の行き来を妨げないように、熱シリンダー 2 2 0 aの取り付け位置を、図 3 1に示すように、水平板 5 0 0の裏側に設けておけばよい。水平板 5 0 0には、予め熱シリンダー 2 2 0 aの切断刃 2 1 0用のスリットを設けておき、切断時には、上昇した切断刃 2 1 0がこのスリツト 6 4 0を通して、転写シート 3の裏面に当たるようになっている。

また、かかる構成では、水平板 5 0 0の板面に沿って前後に水平移動する吸盤

6 2 0は、転写シート 3の巾より少し狭い巾で設けられているため、 2個の吸盤 6 2 0の間にくるように、ブロワ一 2 5 0の巾を設定しておけばよレ、。

このように構成することにより、転写シート受け部材 2 1 0を水平に構成した場合でも、円滑に転写シート 3を送り出すことができる。

さらに、かかる構成では、光電管 2 3 0 aは、 P及盤 6 2 0の待機箇所の 2個の吸盤 6 2 0の間の位置に設置され、転写シート 3の先端到来を検知して、これに連動して吸盤 6 2 0の下降動作を開始できるようになつている。図 3 1では、吸盤 6 2 0に隠れる光電管 2 3 0 aは図示していない。

なお、かかる吸盤搬送機構は、前記実施の形態 2で説明したように、転写シート受け部材 2 1 0を、傾斜設置した構成にも適用して、積極的に搬送できるようにしても構わなレ、。また、上記構成では、全て水平板 5 0 0が前後下方に両開き、または片開きするように構成されていたが、水平板 5 0 0の長手方向に向けて、すなわち巾方向の左右に開閉片 5 2 0、 5 3 0を構成するようにしても構わない。かかる場合には、転写シート 3を長く切断した場合でも、水平板 5 0 0と水面 5との高さを、前後に両開きなどするように構成する場合に比べて、低くすることができる。かかる構成では、ブロワ一 2 5 0は水平板 5 0 0の長手方向に沿った両開閉片 5 2 0、 5 3 0の合わせ目上方位置に設けるようにすればよい。

さらに、上記構成では、全て水平板 5 0 0が下方に両開き、または片開きするように構成されていたが、水平板 5 0 0を構成する開閉片 5 2 0、 5 3 0をそれぞれ水平方向に引いて、中央部を開口させるように構成しても構わない。

かかる構成の開閉片 5 2 0、 5 3 0の開口による転写シ一ト 3の着水過程を、図 3 2に示した。

図 3 2 ( a ) では、開閉片 5 2 0、 5 3 0が水平閉じ状態にされて、水平板 5 0 0が形成されている様子が示されている。水平閉じ状態の開閉片 5 2 0 , 5 3 0上には、所定長に切断された転写シート 3が載せられている。

図 3 2 ( b )、（c )、 ( d ) では、所定長に切断された転写シート 3が載せられている開閉片 5 2 0、 5 3 0が同時に逆方向に水平に引かれて、中央が少しずつ開かれていく様子を示している。中央が開かれると同時に、ブロワ一 2 5 0も転写シート 3の上方から下方に向けて吹き出し、転写シ一ト 3の中央が開口に沿つて凹んだ状態になりながら、次第に水面に下りていく様子が示されている。なお、ブロワ一 2 5 0は、転写シート 3の中央部が水面側に着水した時点では吹き出しを停止して、水面 5の摇れを極力防止するようにすればよい。

前記構成の開閉片 5 2 0、 5 3 0を下方に両開きさせる構成では、開閉片 5 2 0、 5 3 0の回転を考慮して、両開閉片 5 2 0、 5 3 0の長さ分少なくとも水面 5との高さをとる必要があつたが、水平方向に引いて中央部に開口させる本構成では、水面 5に開閉片 5 2 0、 5 3 0からなる水平板 5 0 0を接近させることができる。

そのため、水面よりも高い位置から転写シート 3を落下させる場合に比べて、本構成の方が低い位置から下ろすため、速やかに着水させることができる。また、転写シート 3を着水させるまでの高度を低く抑えることができる分、例えば工場内での空調による微妙な気流により、薄い転写シート 3が揺らいだり、あるいは反転したりする心配がなく、安定した確実な着水が図れる。

また、上記説明では開閉片 5 2 0、 5 3 0を水平に閉じた状態から、そのまま水平方向に引くことにより中央を開口を形成して、その開口部から転写シート 3 を中央を窪ませながら落下させる構成としたが、開閉片 5 2 0、 5 3 0を少し下方に開いてそれぞれの先端側を水面側に近づけながら、併せてそれぞれの開閉片 5 2 0 , 5 3 0を同時に斜め上方に引くことにより中央を開口するように構成しても構わない。

あるいは、開閉片 5 2 0、 5 3 0を下方に開いてその先端側を水面側に近づけた状態で、そのまま左右に水平に移動させることにより中央を開口させるようにしても構わない。このように構成することにより、転写シート 3は、より水面側に近い位置で、中央部を水面上に着水させた後、転写シート 3の両端側を傾斜する開閉片 5 2 0 , 5 3 0から滑り落ちるようにさせて着水させることができる。そのため、転写シート 3の裏面側に空気を介在させることなくスムーズに着水させることができる。かかる様子を順を追って、図 3 3 ( a ) 〜（d ) に示す。なお、図 3 3には、熱シリンダー 2 2 0 aの図示は省略してある。

また、上記実施の形態 2、 3、 4では、図 1 3に示すように、水槽 1 1の上手 A側が下手 B側より水浸が浅くなるように設定されているが、図 3 4に示すように、上手側 Aから下手側 Bまで同じ深さに設定した水槽 1 1に構成しても構わなレ、。

また、上記実施の形態 2、 3、 4では、切断手段 2 2 0として、熱シリンダー 2 2 0 aをの切断刃 2 2 1を使用する構成について説明したが、レーザー光による無接触切断を行なうようにしても構わない。特に、実施の形態 4の変形例で示したように、吸盤により搬送機構を設ける場合には、レーザー光による切断では吸盤の移動を妨げない機構に構成することができ、熱シリンダー 2 2 0 aを水平板 5 0 0の裏面側に位置させずに済む。

さらに、上記実施の形態 2、 3、 4では、切断手段 2 2 0を検出手段 2 3 0より後方に配置する構成について説明したが、転写シ一ト 3の転写シート受け部材 2 1 0上の移行速度が一定に制御できる場合には、例えば、光電管 2 3 0 aを熱シリンダー 2 2 0 aよりも転写シート供給部 1 2に近い位置に設けるようにしても構わない。力 >かる場合には、先端検出信号が熱シリンダー 2 2 0 aに送られてから所定時間経過後に切断動作が開始されるようにすれば、所定長に転写シート 3を切断することができる。

また、上記実施の形態 3におけるベルトコンベア 3 0 0、あるいは上記実施の形態 4のベルトコンベア 3 0 0に構成した場合の開閉片 5 2 0、 5 3 0では、図 3 5に示すようにベルト 3 1 0面に多数のあるいは所定間隔で列状に微孔 7 0 0 を設けておき、ベノレト 3 1 0の裏側を若干負圧に形成して、転写シート 3の裏側を吸いつけて搬送するようにしても構わない。

かかる構成では、図 3 5に示すように、転写シート 3を載せるように上面に向けて搬送される側のベルト 3 1 0の裏面側に吸引ダクト 7 1 0の上方開口面に微孔裏面を面接触させて走行させるようにしておく。

吸引ダクト 7 1 0は、ベルト巾程度の短辺を有した矩形領域の薄い角形ダクトに構成し、その両側面の上端部は、断面凹形に構成しておく。一方ベルトの裏面側はその両側に吸引ダクト 7 1 0の凹部に丁度嵌まる程度の凸部を設けておき、両者をはめあわせことにより吸引ダクト 7 1 0とベルト裏面とのシール性がたもたれながらガイドさせて移動できるように構成されている。

また、吸引ダクト 7 1 0はベルトの先端側より少し手前で止めるように構成しておく。吸引ダクトの元の方は、例えばシロッコファンなどのような簡単な構成で吸引ダクト 7 1 0内を若干負圧にできる程度に吸引させる。負圧の程度は、ベルトコンベアに転写シート ₃が搬送される力より僅かに小さな負圧で転写シート

3の裏面を、微孔 7 0 0で吸いつけることができるように設定しておけばよい。このように構成することにより、転写シート供給部 1 2からベルトコンベア上に載せられた転写シート 3は、直ちに裏面が微孔 7 0 0部分で吸いつけられて、先端側に搬送される。

—方、吸いつけられた転写シート 3は、吸引ダクト 7 1 0から外れた先端側にくると、裏面が微孔 7 0 0から離れ着水工程に移ることができる。負圧をあまり大きくすると、吸引ダクト 7 1 0の外れる箇所で、転写シート 3が一時的に止まつて皺が発生する場合があるので、搬送される力より僅かに弱い力で吸引できる程度に負圧を設定しておけばよい。

以上、本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態 1〜4に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しなレ、範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。産業上の利用可能性

以上のように、本発明にかかわる印刷方法および印刷装置は、曲面を有する部分の印刷、例えば家具や自動車部品などの各種工業製品の曲面に、特に木目模様などの連続模様を印刷するのに適している。

Claims

請求の範囲

1 . ベースシートの上に形成された模様パターンを物体に転写して印刷する印刷方法であって、

前記模様パターンの印刷層が表面に印刷された水溶性のベースシートを、前記印刷層を上側にして水槽内の水の表面に浮かべる工程と、

前記水槽内の水を一定の方向に流してこの水の表面で前記ベースシートを浮かベた状態で搬送しつつ前記ベースシートを溶解する工程と、

前記ベースシートが溶解した後あるいは溶解過程において前記印刷層の上に接着剤を塗布する工程と、

前記印刷層に向けて物体を押し付けて前記印刷層を前記物体に転写する転写ェ程とを有し、

前記ベースシートを溶解する工程が、前記転写工程が行われる水槽より底の浅レ、水槽で行われることを特徴とする印刷方法。

2 . ベースシートの上に形成された模様パターンを物体に転写して印刷する印刷方法であって、

前記水槽内の水を一定の方向に流してこの水の表面に前記ベースシートを浮かベた状態で搬送しつつ前記印刷層の上に接着剤を塗布する工程と、

前記ベースシートを前記水の上で浮かべた状態で搬送しつつ前記ベースシートを溶解する工程と、

前記べ一スシートが前記水に溶解した後の印刷層に向けて物体を押し付けて前記印刷層を前記物体に転写する転写工程とを有し、

3 . ベースシートの上に形成された模様パターンを物体に転写して印刷する印刷方法であって、

模様パターンの印刷層が表面に印刷された水溶性のベースシートを、前記印刷層を上側にして水槽内の水の表面に浮かべる工程と、

前記水槽内の水を一定の方向に流してこの水の上で前記ベースシートを浮かべた状態で搬送しつつ前記印刷層の上に接着剤を塗布する工程と、

前記ベースシートを前記水の上で浮かべた状態で搬送して前記ベースシートを溶解させる過程で、前記印刷層に向けて物体を押し付けて前記印刷層を前記物体に転写する転写工程とを有し、

前記転写工程より前の工程が、前記転写工程が行われる水槽より底の浅い水槽で行われることを特徴とする印刷方法。

4 . ベースシートの上に形成された模様パターンを物体に転写して印刷する印刷装置であって、

上流端および下流端が設けられ、前記上流端から前記下流端に向けて水面が流れるように水を収容する水槽と、

前記水槽に設けられ、前記水面に前記上流端から前記下流端に向かう水面の流れを形成する水流形成手段と、

前記水槽に隣接して配置され、前記水に溶解する水溶性のベースシートとこのベースシートの表面に形成された模様パターンの印刷層とからなる転写シートを前記水面に向けて繰り出す転写シート供給部と、

前記転写シート供給部から送り出されて前記水面上を搬送される前記印刷層に接着剤を塗布する接着剤塗布手段と、

物体を保持して前記印刷層に向けて前記物体を押し付けて前記物体の表面に前記印刷層を転写させる物体移動手段とを有し、

前記水槽は、前記印刷層を転写させる前記物体移動手段側よりも上手側の底が前記物体移動手段側の底よりも浅く形成されていることを特徴とする印刷装置。

5 . 請求項 4記載の印刷装置において、

前記水槽内に前記水面の流れる方向に対して直角をなす横方向に着脱自在に設けられ、前記転写シートを搬送方向に所定の長さ毎に分断するとともに印刷層の広がりを防止する仕切部材と、

前記水槽内の側面の内側に設けられ、且つ前記仕切部材をその両端部で支持する仕切部材搬送手段とを有することを特徴とする印刷装置。

6 . 請求項 4または 5記載の印刷装置において、

前記水流形成手段は水を下流側に向けて噴出する水噴出孔が所定の間隔毎に形成された給水パイプであることを特徴とする印刷装置。

7 . 請求項 4〜 6のいずれか 1項記載の印刷装置において、

前記転写シート供給部からの転写シートの繰り出し速度よりも前記水面の流れを僅かに早く設定して、前記転写シートに張力を加えて搬送過程の転写シートに皺が発生しないようにしたことを特徴とする印刷装置。

8 . ベースシートの上に形成された模様パターンを物体に転写して印刷する印刷方法であって、

前記模様パターンの印刷層が表面に印刷された水溶性のベースシートを所定長に切断する工程と、

前記所定長に切断されたベースシートを前記印刷層を上側にして、前記ベースシート間を仕切りながら水の表面に浮かべる工程と、

前記水を一定の方向に流してこの水の表面で前記ベースシートを浮かべた状態で搬送しつつ前記ベースシートを溶解する工程と、

前記ベースシートが溶解した後あるレ、は溶解過程にぉレ、て前記印刷層の上に接着剤を塗布する工程と、

前記印刷層に向けて物体を押し付けて前記印刷層を前記物体に転写する工程とを有することを特徴とする印刷方法。

9 . ベースシートの上に形成された模様パターンを物体に転写して印刷する印刷方法であって、

前記水を一定の方向に流してこの水の表面に前記ベースシートを浮かべた状態で搬送しつつ前記印刷層の上に接着剤を塗布する工程と、

前記ベースシートを前記水の上で浮かべた状態で搬送しつつ前記ベースシートを溶解する工程と、前記ベースシートが前記水に溶解した後の印刷層に向けて物体を押し付けて前記印刷層を前記物体に転写する転写工程とを有することを特徴とする印刷方法。

1 0 . ベースシートの上に形成された模様パターンを物体に転写して印刷する印刷方法であって、

前記水を一定の方向に流してこの水の上で前記ベースシートを浮かべた状態で搬送しつつ前記印刷層の上に接着剤を塗布する工程と、

前記ベースシ一トを前記水の上で浮かべた状態で搬送して前記ベースシートを溶解させる過程において、前記印刷層に向けて物体を押し付けて前記印刷層を前 ' 記物体に転写する工程とを有することを特徴とする印刷方法。

1 1 . ベースシートの上に形成された模様パターンを物体に転写して印刷する印刷方法であって、

前記所定長に切断されたベースシートを前記印刷層を上側にして、前記ベースシート間を仕切りながら水槽内の水の表面に浮かべる工程と、

前記ベースシートを溶解する工程が、前記転写工程が行われる水槽より底の浅い水槽で行われることを特徴とする印刷方法。

1 2 . ベースシートの上に形成された模様パターンを物体に転写して印刷する印刷方法であって、前記模様パターンの印刷層が表面に印刷された水溶性のベースシートを所定長に切断する工程と、

1 3 . ベースシートの上に形成された模様パターンを物体に転写して印刷する印刷方法であって、

1 4 . ベースシートの上に形成された模様パターンを物体に転写して印刷する印刷装置であって、

上流端および下流端が設けられ、前記上流端から前記下流端に向けて水面が流れるように水を収容する水槽と、前記水槽に設けられ、前記水面に前記上流端から前記下流端に向かう水面の流れを形成する水流形成手段と、

前記水槽に隣接して配置され、前記水に溶解する水溶性のベースシートとこのベースシートの表面に形成された模様パターンの印刷層とからなる転写シートを切断部側に向けて繰り出す転写シート供給部と、

前記転写シート供給部から前記転写シートを受けて、前記転写シートを水面側に移行させる間に前記転写シートを所定長に切断する切断部と、

前記切断部から移行して前記水面上を搬送される前記印刷層に接着剤を塗布する接着剤塗布手段と、

物体を保持して前記印刷層に向けて前記物体を押し付けて前記物体の表面に前記印刷層を転写させる物体移動手段とを有することを特徴とする印刷装置。

1 5 . ベースシートの上に形成された模様パターンを物体に転写して印刷する印刷装置であって、

前記水槽は、前記印刷層を転写させる前記物体移動手段側よりも上手側の底が、前記物体移動手段側の底よりも浅く形成されていることを特徴とする印刷装置。

1 6 . 請求項 1 4または 1 5記載の印刷装置において、前記水槽内に前記水面の流れる方向に対して直角をなす横方向に設けられ、前記所定長に切断された転写シート間を仕切る仕切部材と、

1 7 . 請求項 1 4乃至 1 6のいずれか 1項に記載の印刷装置において、

1 8 . 請求項 1 4乃至 1 7のいずれか 1項に記載の印刷装置において、

前記切断部からの転写シートの移行速度よりも前記水面の流れを僅かに早く設定して、前記転写シートに張力を加えて水面側への移行過程の転写シートに皺が発生しないようにしたことを特^ [とする印刷装置。

1 9 . 請求項 1 4乃至 1 8のいずれか 1項に記載の印刷装置であって、

前記切断部は、

前記転写シート供給部の送り方向の先に設けた転写シート受け部材と、前記転写シート受け部材上を水面側に移行する前記転写シートの先端検出手段と、

前記先端検出手段と連携して前記転写シートの切断を行なう切断手段とを有することを特徴とする印刷装置。

2 0 . 請求項 1 9記載の印刷装置において、

前記転写シート受け部材は、先端側が前記水面より少し上方位置になるように、転写シート供給側から前記水面側に向けて斜めに設けられ、

前記転写シート受け部材には、互いに所定長離された切断手段と先端検出手段とが設けられ、

前記転写シート受け部材の先端側から、先端側から所定長に切断された前記転写シートが前記水面上に移行させられるように構成されていることを特徴とする印刷装置。

2 1 . 請求項 2 0記載の印刷装置において、

前記転写シート受け部材の水面側に近い先端側部分の上方位置に、吹出方向を先端側部分上方から水面側に向けたブロワ一を設けたことを特徴とする印刷装置。

2 2 . 請求項 1 9記載の印刷装置において、

前記転写シート受け部材は、前記水面に対面させて上方に設けられ、前記転写シート受け部材には、互いに所定長離された切断手段と先端検出手段とが設けられ、

先端側から所定長に切断された前記転写シートが載る前記転写シート受け部材部分が、前記転写シートを水面上に落下させられるように開閉できるように構成されていることを特徴とする印刷装置。

2 3 . 請求項 2 2に記載の印刷装置において、

前記開閉できる転写シート受け部材部分の開閉箇所の上方位置に、吹出方向を上方から水面側に向けたブロワ一を設けたことを特徴とする印刷装置。