WO1998020255A1 - Dispositif de moteur a cames - Google Patents

Description

明 糸田 » カムモータ装置

(技術分野）

本発明は、 建設機械の走行用モータ等に用いられるカムモータ装置に関し、 さらに 詳しくは、 モータ容量が大小 2段階に変更されて、 低速で回転作動される低速モード とその倍速で回転作動される高速モードとに切換えられるように構成されたカムモー 夕装置に係る。

(背景技術）

従来より、 この種のカムモータ装置として、 複数のピストン及びシリンダを 4つの 群に分けて、 各群のビストン及びシリンダに対する作動油の分配供給状態を切換弁の 切換操作により 2段階に切換え得るように構成したもの力知られている （例えば、 特 開昭 5 5— 1 5 3 8 7 1号公報の第 2図参照） 。 このものでは、 切換弁を低速モード に切換えることで、 上記 4つの群のうちの選択された 2つの群の各シリンダに作動油 が供給される一方、 他の 2つの群の各シリンダが油タンクに接続されて作動油を排出 するようになり、 これにより、 カムモータ装置のモータ容量が最大になって比較的低 速かつ高出力トルクの状態で回転作動されるようになつている。

また、 上記切換弁を高速モードに切換えることで、 上記の選択された 2つの群のう ちの一方の群の各シリンダに作動油が供給され、 上記の他の 2つの群のうちの一方の 群の各シリンダから作動油が排出されるとともに、 残りの 2つの群の各シリンダが互 いに連通されて閉回路を構成し、 これにより、 カムモータ装置のモータ容量が上記低 速モードの半分になつて、 低速モードの倍速の高速回転作動が行われるようになって いる。

ところが、 上記従来のカムモータ装置では、 高速モードのとき、 給排が行われない 2つの群の各シリンダが閉回路を構成しているため、 これらの各シリンダ内の圧油の 逃げ場がなくなって大きな回転抵抗を生じる虞れがある。 これに対し、 上記 2つの群 の各シリンダを油タンクに連通させるようにすることが考えられるが、 このようにす ると、 該 2つの群の各シリンダ内の油圧が大気圧に近づき、 これらの各シリンダ内に おいて、 ピストンとカム面との摺接状態を油圧力によって保持し得なくなるため、 ピ ストンとカム面との衝突による打音が発生するという不具合がある上、 ビス卜ンゃカ ム面の耐久性の低下を招く。

このことを防止するには、 上記従来のカムモータ装置の如く ビストンとシリンダ室 の底面との間にスプリングを配設し、 このスプリングによってビストンをカム面の側 に押圧させるようにする必要があり、 この場合、 部品点数が増えて重量が増加する上、 構造が複雑になって組立てに手間がかかるようになり、 好ましくない。

本発明は、 斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、 その目的とするところは、 ピ ストンとカム面との摺接状態を保持して静粛性及び耐久性の向上を図るとともに、 部 品点数を削減して軽量化と組立て容易性の向上とを図ることにある。

(発明の開示）

上記の目的を達成するために、 本発明では、 カムモータ装置の作動油供給系に対し 洩れ補給を行うためのチャージポンプから、 高速モードで駆動力を発生しない状態に なるビス卜ンに圧油を供給することで、 該ピストンとカム面との摺接状態を保持でき るようにした。

具体的には、 本発明では、 図 1及び図 2に示すように、 円柱状のシリンダブ口ック

(2) と、 内周側にカム面 （3 a) 力形成され、 上記シリンダブロック （2) の外周 面を囲んだ状態に配設されたカムリング （3) と、 上記シリンダブロック （2) に対 しその中心軸 （X) を中心としてそれぞれ半径方向外方に延びてシリンダブ口ック

(2) の外周面に開口するよう放射状に配設された複数のシリンダ （5， 5， ···） と、 上記カム面 （3 a) に対して進退するように上記各シリンダ （5) に収容されたビス トン （6) と、 上記シリンダブロック （2) の一端面 （2 a) に対し相対回転可能に 接合されるよう配設されて作動油供給系 （150) から供給される作動油を上記複数 のシリンダ （5， 5， ···） のうちの上記カム面 （3 a) に向い上昇行程にある各ビス トン （6) に対応する各シリンダ （5) に対し分配供給する分配弁 (7) とを備え、 上記の上昇行程にある各ピストン （6) が上記カム面 （3 a) を押圧することにより、 非回転状態に固定された上記シリンダブロック （2) もしくは上記カムリング （3) の一方に対して他方が回転するように構成されたカムモー夕装置を前提とする。

このものにおいて、 上記分配弁 （7) を介して複数のシリンダ （5, 5， ···） に対 し 4つの群に分けて作動油を供給する 4つの連通路 （8 a， 8 b, 8 c， 8 d) と、 これら 4つの連通路 （8 a, 8 b, 8 c， 8 d) を作動油供給系 （ 150 ) の作動油 の供給側もしくは排出側と選択的に接続して上記シリンダブロック （2) もしくは力 ムリング （3) の回転作動を低速もしくは高速に切換える切換弁 （9) とを備える。 また、 上記シリンダブロック （2) には、 各シリンダ （5) と連通されて上記一端 面 （2 a) において中心軸 (X) を中心とする円周上に等間隔に開口する被分配ポー ト （21， 21, ···) を設け、 上記分配弁 （7) には、 上記シリンダブロック （2) との接合端面 （7 a) において 4の倍数となる数の分配ポート （71， ···， 72， ···, 73， …， 74, ···) を上記被分配ポート （21， 21, ·■·) と同一円周上に等間隔 に開口するように配設し、 これらの分配ポート （71， ···， 72， …， 73， ···, 7 4, ···) を、 互いに同数の 4つの分配ポート群にグループ分けしてその各分配ポート の他端を上記 4つの連通路 （8 a, 8 b, 8 c， 8 d) と上記各分配ポート群ごとに 個別に連通する。

そして、 上記切換弁は、 上記 4つの連通路 （8 a, 8 b, 8 c, 8 d) のうちの選 択された 2つの連通路 （8 c， 8 d又は 8 a， 8 b ) を上記作動油供給系 （ 150 ) の供給側に接続し、 かつ、 他の 2つの連通路 (8 a, 8 b又は 8 c， 8 d) を上記作 動油供給系 （150) の排出側に接続する低速位置と、 上記選択された 2つの連通路 のうちの一方 （8 c又は 8 a) を上記供給側に接続し、 力、つ、 上記他の 2つの連通路 のうちの一方 （8 a又は 8 c) を上記排出側に接続するとともに、 残りの 2つの連通 路 （8 d及び 8 b) を、 上記作動油供給系 （150) の排出側にチャージ油を供給す るチャージポンプ （16) の吐出側に接続する高速位置とを備える構成とする。

上記の構成により、 切換弁 （9) が低速位置にあるとき、 4つの連通路のうちの選 択された 2つの連通路 （8 c， 8 d又は 8 a， 8 b) が作動油供給系 （ 150 ) の供 給側に接続され、 かつ、 他の 2つの連通路 （8 a, 8 b又は 8 c, 8 d) 力作動油供 給系 （150) の排出側に接続される。 そして、 ピストン （6， 6, ···) がカム面 (3 a) に向かって上昇する上昇行程にある各シリンダ （5) に対して、 上記の選択 された 2つの連通路 （8 c, 8 d又は 8 a, 8 b) から分配ポート （71, ···, 73， …又は 72， ···， 74， '··） と被分配ポート （21， 21， ···） とを介して作動油が 供給され、 これらの各シリンダ （5) に収容されたピストン （6) が上記カム面 （3 ■ a) を押圧することにより、 シリンダブロック （2) もしくはカムリング （3) のう ちの一方が他方に対して相対回転する。 一方、 ピストン （6， 6， ·'·） が回転軸 （X) に向かって下降する下降行程にある各シリンダ （5) からこのピストン （6) によつ て排出された作動油は、 被分配ポート （21, 21， ···） と分配ポート （72， …， 74, …又は 71， …， 73, ···) とを通過し、 上記他の 2つの連通路 （8 a， 8 b 又は 8 c 8 d) から作動油供給系 （150) の排出側に還流される。 これにより、 カムモ一夕装置は、 モ一夕容量が最大になつて比較的低速かつ高出力トルクの低速モ -ドで回転作動される。

一方、 上記切換弁 (9) が高速位置にあるとき、 上記の選択された 2つの連通路 (8 c 8 d又は 8 a, 8 b) のうちの一方の連通路 （ 8 c又は 8 a ) が作動油供給 系 （150) の供給側に接続され、 力、つ、 上記他の 2つの連通路 （8 a, 8 b又は 8 c， 8 d) のうちの一方の連通路 （8 a又は 8 c) が作動油供給系 （150) の排出 側に接続されるとともに、 残りの 2つの連通路 （8 d及び 8 b) 力作動油供給系 （1 50) の排出側にチャージ油を供給するチャージポンプ （16) の吐出側に接続され る。 このため、 高圧の作動油の供給を受けるピストン （6， 6, ···) の本数が上記低 速モードの半分になり、 カムモータ装置は、 モータ容量が半分になって上記低速モー ドの場合の 2倍速でかつ 2分の 1の出力トルクの高速モードで回転作動される。

その際、 上記チャージポンプ （16) の吐出側に接続された各シリンダ （5) 内は、 チャージポンプ （16) からの圧油の供給により作動油供給系 （150) の排出側と 同圧に保持されるため、 上記各シリンダ （5) におけるピストン （6) とカム面 （3 a) との摺接状態を、 大きな回転抵抗を生じさせることなく保持することができる。 これにより、 各ピストン （6) とカム面 （3 a) との衝突を防止して静粛性及び耐久 性の向上を図ることができる。 また、 ピストン （6, 6， ···） をカム面 （3 a) の側 に押圧するためのスプリングが不要になるので、 従来に比べて部品点数を削減して、 装置全体の軽量化と組立て容易性の向上とを図ることができる。

上記のカムモータ装置は、 図 1に示すように、 カムリング （3) がカムモータ装置 の本体側 （13) に対して非回転状態に固定され、 力、つ、 シリンダブロック （2) が 上記本体側 （13) に回転自由に支持されている構成としてもよい。

すなわち、 シリンダブロック （2) が、 カムモ一夕装置の本体側 （13) に非回転 ·■ 状態に固定されたカムリング （3) に対して相対回転されることで、 回転駆動力を確 実に出力することができる。

また、 上記の構成において、 図 1、 図 4及び図 5に示すように、 切換弁 （9) は、 チャージポンプ （16) 力、ら供給される圧油により低速位置と高速位置とに切換えら れる構成としてもよい。

この構成により、 切換弁 (9) は、 作動油供給系 （150) の排出側にチャージ油 を供給するためのチャージポンプ （16) から圧油を供給されて作動する。 よって、 切換弁 (9) の作動のための特別な駆動源を設ける必要がないので、 装置全体のコス ト低減やコンパク ト化が図られる。

さらに、 上記の構成において、 図 4及び図 5に示すように、 切換弁 （9) は、 柱状 に形成された弁体 （92) と、 この弁体 （92) 内に形成され一端側がチャージボン プ （16) に接続されたチャージ圧供給通路 （926) とを備えるものとし、 このチ ヤージ圧供給通路 （926) の他端側を、 上記切換弁 (9) が高速位置にあるとき、 作動油供給系 （150) の供給側又は排出側のいずれにも接続されていない 2つの連 通路 （8 d及び 8 b) に臨んで開口する構成としてもよい。

この構成により、 作動油供給系 （150) の供給側又は排出側のいずれにも接続さ れていない 2つの連通路 （8 d及び 8 b) に対し、 チャージポンプ （16) からのチ ヤージ油が、 切換弁 (9) の弁体 （92) 内に形成されたチャージ圧供給通路 （92 6) を通って供給される。 すなわち、 上記チャージ圧供給通路 （926) が切換弁 (9) の弁体 （92) 内に形成されているので、 チャージ圧供給のための油圧回路を コンパク 卜に構成することができ、 よって、 装置全体のコンパク ト化を図ることがで きる。

さらにまた、 上記の構成において、 図 1に示すように、 作動油供給系 （150) は 作動油の供給側と排出側とを互 、に反転可能に構成してもよい。

この構成により、 作動油供給系 （150) の供給側と排出側とを互いに反転させる ことで、 カムモータ装置を正転作動及び逆転作動のいずれかに切り替えることができ る。 そして、 カムモータ装置を逆転作動させる場合でも、 正転作動の場合と同様に、 切換弁 (9) が低速位置にあるときには、.カムモータ装置はモータ容量が最大になつ て比較的低速かつ高出力トルクの低速モードで回転作動される一方、 該切換弁 (9) が高速位置にあるときには、 カムモータ装置はモータ容量が半分になつて上記低速モ 一ドの場合の 2倍速でかつ 2分の 1の出力トルクの高速モードで回転作動される。 その際、 上記切換弁 （9) が高速位置にあるときには、 正転作動の場合と同様に、 上記作動油供給系 （150) の供給側及び排出側のいずれにも接続されていない 2つ の連通路 （8 d及び 8 b) がチャージポンプ （16) の吐出側に接続され、 該 2つの 連通路 （8 d及び 8 b) を介してチャージポンプ （16) からの圧油の供給を受ける 各シリンダ （5) 内が、 作動油供給系 （150) の排出側と同圧に保持される。 この ため、 該各シリンダ （5) におけるピストン （6) とカム面 （3 a) との摺接状態を、 大きな回転抵抗を生じさせることなく保持することができ、 よって、 逆転作動の場合 でも、 高速モードにおける静粛性及び耐久性の向上を図ることができる。

(図面の簡単な説明）

図 1は、 本発明の実施例を示す一部切欠図である。

図 2は、 図 1の A— A線における断面図である。

図 3は、 分配ポートの構成を示す斜視図である。

図 4は、 給排操作弁の構成を示す拡大断面図である。

図 5は、 高速位置にあるときの図 4相当図である。

図 6は、 従来のカムモータ装置における給排操作弁の構成例を示す図である。

(発明を実施するための最良の形態）

本発明を実施するための最良の形態を実施例として図に基づいて説明する。

図 1は、 本発明の実施例に係るカムモータ装置 Aを示し、 1は環状に形成されたケ 一シング本体、 2は厚肉の円柱状に形成されたシリンダブ口ック、 3は上記シリンダ ブロック （2) の外周面を囲んで配設されたカムリング、 4はエンドキャップである。 また、 5， 5， … （図 2参照） は上記シリンダプロック （2) 内に設けられた複数の シリンダ、 6は上記各シリンダ （5) 内に収容されたピストン、 7は上記各シリンダ

(5) に対して作動油を分配供給する分配弁である。 さらに、 8 a， 8 b, 8 c, 8 dは上記分配弁 （7) の外周面を囲んで配設された 4つの連通路としての環状連通路、 9はこれらの環状連通路 （8 a, 8 b, …） を作動油の供給側又は排出側に切換接続 する切換弁としての給排操作弁、 10は出力シャフトである。 そして、 上記カムモー 夕装置 Aは、 例えば、 建設機械等に搭載されて車輪やクロ一ラ等を駆動するものであ る。

上記ケ一シング本体 （1) は、 上記出力シャフ ト （10) と同軸に配置され、 この 出力シャフ ト （10) の長手方向の一側 （同図における左側：以下、 単に左側という） に配設された略円錐状のケーシンダカバー （11) に複数のボルト （11 a， 11 a, 〜） により連結される一方、 他側 （同図における右側：以下、 単に右側という） にお いて、 複数のボルト （12， 12, ···) (図 2参照） により、 上記カムリング （3) 及びエンドキャップ （4) に連結されていて、 カムモータ装置 Aの本体であるケーシ ング （13) を構成している。 そして、 上記出力シャフ ト （1 0) が、 ケーシング (13) を左右に貫通した状態で、 ケーシングカバー （1 1) 及びエン ドキャップ (4) にそれぞれ配設されたテ一パロ一ラベアリング （111， 41) により回転自 由に支持されている。 また、 上記ケ一シング本体 （1) 及びエンドキャップ （4) の 外周面には、 外方に突出する取り付けフランジ （14， 14， ·■·) が設けられており、 これらの取り付けフランジ （14, 14, '··) を介して、 上記ケ一シング （13) 力く 車体側に固定されるようになっている。

上記シリンダブロック （2) は、 上記出力シャフ ト （10) の外周面に例えばスプ ライン結合により結合されてこの出力シャフ ト （10) と一体に回転軸 （X) (シリ ンダブロック 2の中心軸） の回りに回転するように配設され、 その内部には、 図 2に 示すように複数 （図例では 8個） のシリンダ （5， 5, ···) が、 上記回転軸 （X) を 中心として放射状にかつ周方向に等間隔に配設され、 それぞれ、 上記シリンダブロッ ク （2) の半径方向外方に延びて外周面に開口している。 これらの各シリンダ （5) 内にはピストン （6) 力収容されており、 これらの各ピストン （6) は、 先端部に配 設されたローラ （61) を上記カムリング （3) の内側に形成されたカム面 （3 a) に沿って転動させつつ、 このカム面 (3 a) に案内されて上記各シリンダ （5) 内で 進退する。 さらに、 上記シリンダブロック （2) には、 各シリンダ （5) と連通され る一方、 シリンダブロック （2) の一端面 （2 a) (右側の端面） において上記回転 軸 （X) を中心とする円周上に等間隔に開口する 8つの被分配ポート （21， 21, ···) が設けられている。

上記カムリング （3) は、 図 2に示すように、 そのカム面 （3 a) に、 上記ピスト ンの本数及び配列との関係により定められた所定の数 （図例では 6つずつ） の凸部 (31， 31， ···） と凹部 （32, 32， ···） とカ调方向に等間隔にかつ交互に形成 されており、 このカム面 （3 a) に対する上記 8つのピストン （6, 6， ···） の位置 関係は、 同図において右上の位置にあるピストン （6) を第 1番として時計回りに順 番に第 1〜第 8番とすると、 第 1及び第 5の各ピストン （6) 力く上記凹部 （32) の 略底点に、 第 2及び第 6の各ピストン （6) が上記凸部 （31) と凹部 （32) との 間の下り側 （すなわち、 下降行程） の中間点に、 第 3及び第 7の各ピストン （6) が 上記凸部 （31) の略頂点に、 第 4及び第 8の各ピストン （6) が上記凸部 （31) と凹部 （32) との間の上り側 （すなわち、 上昇行程） の中間点にそれぞれ当接する ことになるように関係付けられている。

このことで、 主に上記第 4及び第 8の各ピストン （6) がカム面 （3 a) を押圧す るように作動油を供給すれば、 シリンダブロック （2) が中心軸 （X) の回りに同図 における反時計回り （矢印の方向） に回転し、 続いて、 主に第 3及び第 7の各ピスト ンに作動油を供給すれば、 シリンダブロック （2) がさらに回転して、 この回転によ り凸部 （31) を乗り越えた第 2及び第 6の各ピストンに作動油を供給するというよ うに順番に作動油を分配供給することで、 シリンダブロック （2) と出力シャフ ト

(10) とが一体に連続して回転駆動されるようになっている。

上記分配弁 （7) は、 略円柱状に形成されて一端面 （7 a) (左側の端面：以下、 接合端面という） がシリンダブロック （2) の右側の端面 （2 a) に対し相対回転可 能に接合されるように配置されるとともに、 エンドキャップ （4) に対して内周部に 内嵌された状態で非回転状態に固定されている。 また、 このエンドキャップ （4) の 内周面には、 上記分配弁 (7) の外周側の全周面と相対向して開口するように形成さ れた環状の凹部が、 出力シャフト （10) の長手方向 （左右方向） に 4つ形成されて おり、 これらの環状の凹部と上記分配弁 (7) の外周面とにより、 左側から順番に第 2, 第 4, 第 1及び第 3の 4つの環状連通路 （8 a, 8 b, 8 c， 8 d) が画成され ている。 そして、 上記接合端面 （7 a) には、 図 3に示すように、 カム面 （3 a) の 凸部 （31， ···） 又は凹部 （32, ···) の数の倍数 （図例では、 12個） の分配ポー ト （71， ···, 72， 73， ···， 74， ···） 力、 上記シリンダブロック （2) の 右側の端面 （2 a) に配設された被分配ポート （21, 21， ·''） と連通可能なよう に、 これらの被分配ポート （21， 21， ···） と同一円周上で等間隔に開口するよう に設けられている。

上記分配ポート （71, 72, …， 73， …， 74， ···） は、 周方向に 3つお きに配設された第 1分配ポート （71， 71， ··■) により構成された第 1の分配ポ一 ト群と、 上記第 1の各ポートに対してシリンダブロック （2) の正転する向き （同図 における反時計回り） に隣接して配設された第 2分配ポート （72， 72， ···） によ り構成された第 2の分配ポート群と、 上記第 2の各分配ポートに対して同様に隣接し て配設された第 3分配ポート （73， 73, ···) により構成された第 3の分配ポート 群と、 上記第 3の各分配ポートに対して同様に隣接して配設された第 4分配ポー ト

(74, 74， ···） により構成された第 4の分配ポート群とからなる 4つの分配ポ一 ト群にグループ分けされている。 そして、 上記各第 1分配ポート （71) の上記シリ ンダブロック （2) と反対側の端部 （右側の端部） は、 出力シャフ ト （10) の長手 方向に第 1環状連通路 （8 c) の位置まで延びてこの第 1環状連通路 （8 c) と連通 され、 同様に、 上記各第 2分配ポート （72) は第 2環状連通路 （8 a) と、 また、 上記各第 3分配ポート （73) は第 3環状連通路 （8 d) と、 さらに、 上記各第 4分 配ポート （74) は第 4環状連通路 （8 b) と、 それぞれ個別に連通されている。 上記 4つの環状連通路 （8 a， 8 b, '··) のうち、 第 1環状連通路 （8 c) は供給 通路 （81) を介してメインポンプ （15) に接続されていて、 カムモータ装置 Aが 正転作動されるときには、 メインポンプ （15) から吐出される作動油の供給を受け る。 一方、 第 2環状連通路 （8 a) は、 排出通路 （82) を介して上記メインポンプ

(15) と接続されていて、 カムモータ装置 Aが正転作動されるときには、 シリンダ ブロック （2) 側から排出される作動油を上記メインポンプ （15) に還流させる。 上記メインポンプ （15) 、 供給通路 （81) 、 排出通路 （82) 等により構成され た閉回路と、 この閉回路からの作動油の洩れを補充するために低圧側となる通路にチ ヤージ油を補充するチャージポンプ （16) とにより作動油供給系 （150) が構成 される。 そして、 上記メインポンプ （15) は、 作動油の吸入方向と吐出方向とを反 転可能になっており、 これにより、 作動油供給系 （150) の供給側と排出側とを互 いに反転させて上記排出通路 （82) に対して作動油を供給することで、 出力シャフ ト （10) を逆回転させて、 カムモータ装置 Aを逆転作動させることができるように なっている。 上記給排操作弁 （9) は、 エンドキャップ （4) の内部に形成された円形の横断面 を有する弁室 （91) と、 この弁室 （91) 内に長手方向 （左右方向） に摺動可能に 収容された円柱状の弁体 （92) とにより構成されている。 上記弁室 （91) は、 図 4及び図 5に詳細を示すように、 同図における左側 （以下、 単に左側という） から順 番に配設された第 1， 第 2, 第 3及び第 4の 4つの拡径部 （91 a， 91 b， 91 c, 91 d) を有しており、 これらの 4つの拡径部 （91 a, 91 b, 91 c, 91 d) は、 上記エンドキャップ （4) 内に形成された 4つの連通路 （83 a, 83 b, 83 c， 83 d) により 4つの環状連通路 （8 a, 8 b, 8 c， 8 d) と個別に連通され ている。

また、 上記弁室 （91) の同図における右側 （以下、 単に右側という） の端部には、 シリンダ部 (91 e) が形成されており、 切換弁 （161) (図 1参照） が右側位置 にあるとき、 チャージ油供給通路 （93) を介してチャージポンプ （16) から圧油 の供給を受け、 上記弁体 （92) を作動させるようになつている。 また、 この弁体 (92) は、 左側から順番に形成された第 1， 第 2及び第 3の 3つの大径部 （921， 922, 923) と、 これらの大径部 （921， 922, 923) の間にそれぞれ形 成された小径部 （924， 925) とを有しており、 さらに、 右側の端面に開口する 一方、 本体内を長手方向 （左右方向） に上記第 2大径部 （922) の位置まで延びる チャージ圧供給通路 （926) を有している。 このチャージ圧供給通路 （926) は、 上記第 2大径部 （922) 及び第 3大径部 （923) の外周面において、 それぞれ、 周方向に等間隔に 4個所づっ開口する開口孔 （926 a， 926 a, ···) を有してい る。

上記弁体 （92) は、 図 4に示すように、 ばね （94及び 95) の付勢力により右 側に押圧されて低速位置に位置付けられ、 この低速位置において、 上記第 3拡径部 (91 c) と第 4拡径部 （9 I d) とを互いに連通するとともに、 上記第 1拡径部 (91 a) と第 2拡径部 （91 b) とを互いに連通する。 このため、 上記弁体 (92) が上記低速位置にあるときには、 上記第 1及び第 3環状連通路 （8じ及び8 1) が共 に供給通路 （81) に連通されるとともに、 上記第 2及び第 4環状連通路 （8 a及び 8 b) が共に排出通路 （82) に連通される。

一方、 シリンダ部 （91 e) にチャージ圧が供給されると、 図 5に示すように、 弁 体 （92) は、 チャージ圧により上記ばね （94及び 95) の付勢力に杭して左側に 移動して高速位置に位置変換される。 そして、 上記第 2拡径部 （91 b) と第 4拡径 部 （91 d) とがチャージ圧供給通路 （926) を介して互いに連通され、 力、つ、 チ ヤージ圧が上記シリンダ部 （91 e) から上記チャージ圧供給通路 （926) を介し て上記第 2及び第 4拡径部 （91 b及び 91 d) に伝えられる一方、 上記第 1拡径部

(91 a) と第 3拡径部 （91 c) とは、 それぞれ、 他のいずれの拡径部からも遮断 された状態になる。 つまり、 上記第 1環状連通路 （8 c) が供給通路 （81) に連通 され、 かつ、 上記第 2環状連通路 （8 a) が排出通路 （82) に連通されるとともに、 上記第 3環状連通路 (8 d) と第 4環状連通路 （8 b) とは、 互いに連通されかつチ ャ一ジ圧が供給された状態になる。

従って、 上記給排操作弁 (9) の弁体 （92) が低速位置 （図 4参照） にある場合 には、 供給通路 （81) からの作動油が第 3及び第 4拡径部 （91 c及び 91 d) 並 びに第 1及び第 3環状連通路 （8じ及び8 (1) を通って第 1及び第 3の 6個の各分配 ポート （71, 73) に供給されて、 これらの各分配ポート （71， 73) が高圧側 となる一方、 第 2及び第 4の 6個の各分配ポート （72， 74) が第 2及び第 4環状 連通路 （8 a及び 8 b) 並びに第 1及び第 2拡径部 （91 a及び 91 b) を介して排 出通路 （82) に連通されて低圧側になる。 つまり、 12個の全分配ポート （71， …， 72， ···, 73， 74， ···） のうちの半数の 6個が高圧側にされ、 残りの 6 個が低圧側にされるようになる。

反対に、 上記給排操作弁 (9) の弁体 （92) が高速位置 （図 5参照） にある場合 には、 供給通路からの作動油が第 3拡径部 （91 c) 及び第 1環状連通路 （8 c) を 通って第 1の 3個の各分配ポート （71) に供給されてこれらが高圧側となる一方、 3個の各第 2分配ポート （72) が第 2環状連通路 （8 a) 及び第 1拡径部 （91 a) を介して排出通路に連通されて低圧側になるとともに、 第 3及び第 4の 6個の各分配 ポート （73, 74) は、 第 3及び第 4環状連通路 （8 d及び 8 b) 並びに第 2及び 第 4拡径部 （91 b及び 91 d) を介して互いに連通され、 かつ、 チャージ圧に保た れるようになる。 つまり、 12個の全分配ポート （71， …， 72， ···, 73， ···, 74， ···） のうちの 3個が高圧側に、 かつ、 3個が低圧側にされるとともに、 残りの 6個にチャージ圧が供給されるようになる。 なお、 図 1において 17は出力シャフ ト （10) の回転を拘束するネガティブプレ ーキ機構である。 このネガティブブレーキ機構 （17) は、 上記出力シャフ ト （10) の外周面に固設された複数のプレツシャリングと、 これらのプレツシャリングの間に 介装されて上記ケーシング本体 （1) の内周側に固設されたプレツシャプレートとを 備えており、 チャージポンプ （16) 力、らの圧油の供給を受けない間は、 上記プレツ シヤリングとプレツシャプレートとを皿ばね （18) の押圧付勢力により互いに押し 付け合わせて、 それらの間の摺動摩擦力によって上記出力シャフ ト （10) を上記ケ 一シング本体 （1) に対して非回転状態に拘束する一方、 チャージポンプ （16) か らの圧油の供給により上記プレツシャリングとプレツシャプレートとが互いに引き離 された状態になって、 上記出力シャフ ト （10) の高速を解除して回転自由状態にす るようになっている。

次に、 上記実施例に係るカムモータ装置 Aの作動及び作用 ·効果を説明する。

まず、 チャージポンプ （16) を運転;!犬態にしてネガティブブレーキ機構 (17) に圧油を供給し、 このネガティブブレーキ機構 （17) による出力シャフト （10) の拘束状態を解除する。 次に、 メインポンプ （15) を運転状態にして作動油を供給 通路 （81) に供給する。

ここで、 上記カムモータ装置 Aを低速モードで回転作動させる場合には、 切換弁 (161) を左側位置に切換えて、 給排操作弁 （9) に対するチャージポンプ （16) からの圧油の供給を遮断する。 これにより、 上記給排操作弁 （9) の弁体 （92) が 低速位置 （図 4参照） に位置付けられ、 第 1及び第 3の合計 6個の各分配ポート （7 1, 73) が作動油の供給側に、 また、 第 2及び第 4の合計 6個の各分配ポート （7 2， 74) が作動油の排出側に切換えられる。 そして、 8個のシリンダ （5, 5, ·'·) のうちの半数、 すなわち、 上昇行程にある 4個のシリンダ （5， 5, ···) (図 2にお ける第 3, 第 4, 第 7及び第 8番の 4個のシリンダ） に対して作動油が供給され、 こ れらの各シリンダ （5) に収容されたピストン （6) が駆動力を発生することにより シリンダブロック （2) と出力シャフ ト （10) とが一体に回転される。 そして、 こ の回転に伴い上記シリンダブロック （2) と分配弁 （7) との位置関係が変化し、 次 に上昇行程になる 4個のシリンダ （5， 5， ···） （図 2における第 2, 第 3， 第 6及 び第 7番の 4個の各シリンダ） に対して作動油が供給されて上記シリンダブロック (2) がさらに回転し、 これが繰り返されて上記シリンダブロック （2) と出力シャ フ ト （10) と力く連続して回転する。 一方、 下降行程にある 4個の各シリンダ （5) からは、 作動油がピストン （6) によって排出されて、 排出通路 （82) を介してメ インポンプ （15) の吸入側に還流される。 このように、 上記低速モードでは、 カム モータ装置 Aは、 モータ容量力《最大になって比較的低速かつ高出力トルクの状態で回 転作動される。

また、 上記カムモータ装置 Aを高速モードで回転作動させる場合には、 切換弁 （1 61) を右側位置に切換えて給排操作弁 （9) にチャージポンプ （16) から圧油を 供給する。 これにより、 上記給排操作弁 (9) の弁体 （92) が高速位置 （図 5参照） に切換えられ、 3個の各第 1分配ポート （71) が作動油の供給側に、 また、 3個の 各第 2分配ポート （72) カ《作動油の排出側に切換えられるとともに、 第 3及び第 4 の合計 6個の各分配ポート （73, 74) は互いに接続され、 力、つ、 チャージ圧の供 給を受けるようになる。 このため、 8個のシリンダ （5， 5， ·'·） のうちの 4分の 1、 すなわち、 上昇行程にある 4個のシリンダ （5, 5， ···） のうちの半分の 2個の各シ リンダ （5) (図 2における第 4及び第 7番の 2つの各シリンダ） に対して作動油が 供給され、 これらの各シリンダ （5) に収容されたピストン （6) が駆動力を発生す る一方、 下降行程にある 4個のシリンダ （5， 5， ···） のうちの半分の 2個の各シリ ンダ （5) (図 2における第 1及び第 6番の 2つの各シリンダ） から作動油が排出さ れ、 残りの 4個の各シリンダ （5) (図 2における第 2， 第 3， 第 5及び第 8番の 4 つの各シリンダ） では、 ピストン （6) は、 カム面 （3 a) に沿って各シリンダ （5) 内を往復動するだけで駆動力を発生しない。 このように、 高速モードでは、 カムモー 夕装置 Aはモータ容量が上記低速モードの場合の半分になって比較的高速かつ低出力 トルクの状態で回転作動される。

ここで、 上記高速モードにおいては、 供給側及び排出側のいずれにも接続されてい ない上記各シリンダ （5) に対してチャージ圧が供給されていて、 ピストン （6) が カム面 （3 a) に対して摺接状態に保持されているため、 各ピストン （6) とカム面 (3 a) との衝突を防止することができ、 これにより、 静粛性及び耐久性の向上を図 ることができる。 また、 上記各ピストン （6) をカム面 （3 a) の側に押圧するため のスプリングを設ける必要がなくなり、 従来と比較してカムモ一夕装置 Aの部品点数 ■ を削減して装置全体の軽量化と組立て容易性の向上とを図ることができる。

さらに、 上記カムモータ装置 Aでは、 高速モードで第 3分配ポート （73, 73， ···) と第 4分配ポート （74， 74, ···) とを接続し、 かつ該第 3及び第 4分配ポー ト （73， ···, 74， ···） に対しチャージ圧を供給するチャージ圧供給通路 （926) が、上述の如く切換弁 （9) の弁体 （92) 内に形成されているので、 チャージ圧を 供給するための油圧回路をコンパク 卜に構成することができ、 よって、 装置全体のコ ンパク ト化を図ることができる。

次に、 上記カムモータ装置 Aを逆転作動させる場合には、 メインポンプ （15) の 吸入方向と吐出方向とを反転させ、 作動油供給系 （150) の供給側と排出側とを互 いに反転させて、 上記排出通路 （82) に対して作動油が供給されるようにする。 そ して、 低速モードで逆転作動させる場合には、 上記低速モードの正転作動の場合と同 様に給排操作弁 （9) を低速位置とし、 第 2及び第 4の合計 6個の各分配ポート （7 2, 74) を作動油の供給側に、 また、 第 1及び第 3の合計 6個の各分配ポート （7 1, 73) を作動油の排出側に切換えることにより、 8個のシリンダ （5， 5， ···） のうちの上昇行程にある 4個の各シリンダ （5) に対して作動油を供給する一方、 下 降行程にある 4個の各シリンダ （5) から作動油を排出させ、 カムモータ装置 Aを、 比較的低速かつ高出力トルクの状態で回転作動させることができる。

一方、 上記カムモータ装置 Aを高速モードで逆転作動させる場合には、 上記高速モ —ドの正転作動の場合と同様に給排操作弁 （9) を高速位置に切換え、 3個の各第 2 分配ポート （72) を作動油の供給側に、 また、 3個の各第 1分配ポート （71) を 作動油の排出側に切換えるとともに、 第 3及び第 4の合計 6個の各分配ポート （73, 74) を互いに接続し、 かつ、 これらの各分配ポート （73， 74) にチャージ圧を 供給する。 これにより、 上昇行程にある 4個のシリンダ （5, 5， ···） のうちの半分 の 2個の各シリンダ （5) に対して作動油を供給する一方、 下降行程にある 4個のシ リンダ （5, 5, ···) のうちの半分の 2個の各シリンダ （5) 力、ら作動油を排出させ、 カムモータ装置 Aを、 比較的高速かつ低出力トルクの状態で回転作動させることがで きる。

この逆転作動の場合について、 図 6に例示する従来のカムモ一夕装置と比較すると、 このカムモータ装置では、 複数のピストン及びシリンダを 3つの群に分け、 各群のピ . ストン及びシリンダに対し 3つの連通路 （108 a， 108 b, 108 c) を介して 作動油を分配供給するように構成されており、 具体的には、 12個の分配ポートが 6 個の第 1分配ポート （図示省略） 、 3個の第 2分配ポート （図示省略） 及び 3個の第 3分配ポート （110) (図には 1つのみ示す） の 3つの分配ポート群にグループ分 けされており、 同図における左側 （以下、 単に左側という） の第 1連通路 (108 a) が上記各第 1分配ポー卜に接続され、 真ん中の第 2連通路 （108 b) と同図におけ る右側 （以下， 単に右側という） の第 3連通路 （108 c) とがそれぞれ上記 2及び 第 3の各分配ポートに接続され、 さらに、 上記第 1連通路 （108 a) が作動油の排 出通路と連通される一方、 上記第 3連通路 （108 c) 力作動油の供給通路と連通さ れている。

そして、 上記従来例のカムモータ装置が高速モードで正転作動される場合には、 上 記第 3連通路 （108 c) を介して 3個の各第 3分配ポート （110) に作動油が供 給されて高圧側にされる一方、 給排操作弁 （109) の切換えにより互いに連通され た上記第 1連通路 （108 a) と第 2連通路 （108 b) とを介して、 6個の各第 1 分配ポートと 3個の各第 2分配ポートとが低圧側にされる。

また、 上記従来例のカムモータ装置が高速モードで逆転作動される場合には、 上述 の正転作動の場合と反対に、 上記第 1連通路 （108 a) と上記第 2連通路 （108 b) とが排出通路から供給される高圧の作動油を受けることになり、 これにより、 上 記 6個の各第 1分配ポートと 3個の各第 2分配ポートとが高圧側にされる一方、 上記 第 3連通路 （108 c) が供給通路と接続されることになり、 これにより、 上記 3個 の各第 3分配ポート （110) が低圧側にされる。 すなわち、 逆転駆動の駆動力を発 生するシリンダの他に、 駆動力を発生しないシリンダに対しても高圧の作動油が供給 されてしまい、 この結果、 回転抵抗が著しく大きくなる上に熱的悪影響も大きくなつ てしまう。

これに対し、 この実施例のカムモータ装置 Aでは、 高速モードで逆転作動される場 合、 第 2環状連通路 （8 a) (図 5参照） に対し排出通路 （82) から高圧の作動油 が供給される一方、 第 1環状連通路 （8 c) が供給通路 （81) と接続されて作動油 を排出するとともに、 高速モードで正転作動される場合と同様、 第 3及び第 4の 2つ の環状連通路 （8 d及び 8 b) には、 作動油供給系 （150) の排出側と略同圧のチ ヤージ圧が供給され、 このチャージ圧により、 ピストン （6 ) とカム面 （3 a ) との 摺接状態を大きな回転抵抗を生じさせることなく保持することができるので、 ピスト ン （ 6 ) の作動に伴う回転抵抗が上記図 6に示す従来例に比べて格段に小さくなり、 熱的悪影響も小さくさせることができる上、 逆転作動の高速モードにおいても静粛性 及び耐久性の向上を図ることができる。

尚、 本発明は上記実施例に限定されるものではなく、 その他の種々の実施例を包含 するものである。 すなわち、 上記実施例では、 カムモータ装置 Aの構成として、 ケ一 シング （1 3 ) にカムリング （3 ) を固定し、 このカムリング （3 ) に対して相対回 転するシリンダブロック （2 ) に出力シャフト （1 0 ) を連結するようにしている力、 これに限らず、 例えば、 シリンダブ口ックを装置本体側に固定し、 このシリンダブ口 ックに対してカムリングを含む環状ケ一シングが回転されるように構成してもよい。 また、 上記実施例では、 カムリング （ 3 ) のカム面 （3 a ) にそれぞれ 6個づっの 凸部 （3 1 ) と凹部 （3 2 ) とを形成し、 これに対応してシリンダブロック （2 ) に 8個のピストン （6， 6， '··） を配設しているカ^ これに限らず、 例えばカムリング の凸部ゃ凹部をそれぞれ 6個以外としてもよく、 これに対応して 8個以外のビス卜ン を配設するようにしてもよい。

(産業上の利用可能性）

本発明は、 回転速度を高低 2段階に切換え可能なカムモータ装置において、 高速モ 一ドでの騒音低減及び耐久性向上を図るとともに、 部品点数の削減による重量低減と 低コスト化とを図ることができ、 カムモ一夕装置の普及に貢献できるので、 産業上の 利用可能性は高い。

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Claims

請求の範固 円柱状のシリンダブロック （2) と、 内周側にカム面 （3 a) が形成され、 上 記シリンダブロック （2) の外周面を囲んだ状態に配設されたカムリング （3) と、 上記シリンダブロック （2) に対しその中心軸 (X) を中心としてそれぞれ 半径方向外方に延びてシリンダブロック （2) の外周面に開口するよう放射状に 配設された複数のシリンダ （5， 5， ···） と、 上記カム面 （3 a) に対して進退 するように上記各シリンダ （5) に収容されたピストン （6) と、 上記シリンダ ブロック （2) の一端面 (2 a) に対し相対回転可能に接合されるよう配設され て作動油供給系 （150) から供給される作動油を上記複数のシリンダ （5， 5， ···) のうちの上記カム面 （3 a) に向い上昇行程にある各ピストン （6) に対応 する各シリンダ （5) に対し分配供給する分配弁 （7) とを備え、

上記の上昇行程にある各ピストン （6) 力上記カム面 （3 a) を押圧すること により、 非回転状態に固定された上記シリンダブロック （2) もしくは上記カム リング （3) の一方に対して他方が回転するように構成されたカムモータ装置に おいて、

上記分配弁 (7) を介して複数のシリンダ （5, 5， ···） に対し 4つの群に分 けて作動油を供給する 4つの連通路 （8 a， 8 b， 8 c, 8 d) と、

上記 4つの連通路 （8 a, 8b, 8 c, 8 d) を作動油供給系 （150) の作 動油の供給側もしくは排出側と選択的に接続して上記シリンダブロック （2) も しくはカムリング （3) の回転作動を低速もしくは高速に切換える切換弁 （9) とを備えており、

上記シリンダブロック （2) には、 各シリンダ （5) と連通されて上記一端面 (2 a) において中心軸 （X) を中心とする円周上に等間隔に開口する被分配ポ —ト （21, 21, ·'·) が設けられ、

上記分配弁 （7) には、 上記シリンダブロック （2) との接合端面 （7 a) に おいて 4の倍数となる数の分配ポート （71， …， 72， ···， 73， …， 74， ··') が上記被分配ポート （21, 21, ·'·) と同一円周上に等間隔に開口するよ うに配設され、 上記分配ポート （71， …， 72， ···， 73， ···， 74， ···） は、 互いに同数の 4つの分配ポート群にグループ分けされてその各分配ポートの他端 が上記 4つの連通路 （8 a， 8 b， 8 c, 8 d) と上記各分配ポート群ごとに個 別に連通され、

上記切換弁 （9) は、

上記 4つの連通路 （8 a， 8 b， 8 c， 8 d) のうちの選択された 2つの連通 路 （8 c， 8 d又は 8 a， 8 b) を上記作動油供給系 （150) の供給側に接続 しかつ他の 2つの連通路 （8 a， 8 b又は 8 c， 8 d ) を上記作動油供給系 （ 1 50) の排出側に接続する低速位置と、

上記選択された 2つの連通路のうちの一方 （8 c又は 8 a) を上記供給側に接 続し、 力、つ、 上記他の 2つの連通路のうちの一方 （8 a又は 8 c) を上記排出側 に接続するとともに、 残りの 2つの連通路 （8 d及び 8 b) を、 上記作動油供給 系 （150) の排出側にチャージ油を供給するチャージポンプ （16) の吐出側 に接続する高速位置とを備えている

ことを特徴とするカムモータ装置。

2. カムリング （3) は、 カムモータ装置の本体側 （13) に対して非回転状態に 固定されており、

シリンダブロック （2) は、 上記本体側 （13) に回転自由に支持されている ことを特徴とする請求項 1記載のカムモ一夕装置。

3. 切換弁 (9) はチャージポンプ （16) から供給される圧油により低速位置と 高速位置とに切換えられるように構成されていることを特徴とする請求項 1記載 のカムモータ装置。

4. 切換弁 （9) は、 柱状に形成された弁体 （92) と、 この弁体 （92) 内に形 成され一端側がチャージポンプ （16) に接続されたチャージ圧供給通路 （92 6) とを備えており、

上記チャージ圧供給通路 （926) の他端側は、 上記切換弁 (9) が高速位置 にあるとき、 作動油供給系 （150) の供給側又は排出側のいずれにも接続され ていない 2つの連通路 （8 d及び 8 b) に臨んで開口されていることを特徴とす る請求項 1又は 3記載のカムモ一夕装置。

5. 作動油供給系 （150) は、 作動油の供給側と排出側とを互いに反転可能に構 成されていることを特徴とする請求項 1記載のカムモータ装置。

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