明 細 書 カーボンブラック成型体
技術分野
本発明は、 カーボンブラック成型体に関する。 背景技術
現在、 ファーネス法により製造されたカーボンブラック (以下、 「ファーネス ブラック」 という。 ) 力 カーボンブラック市場における主流として流通してい 力一ボンブラックは歴史的にはランプブラック、 サ一マルブラックが存在した 力 現在では市場の製品のほぼ大部分が、 1 9 4 2年にフィリ ッブスが開発した ファーネス法、 すなわち 1 3 0 0 °C以上に加熱した炉内に、 原料油を噴霧して力 一ボンブラックを得る方法によるものとなっている。 これは、 その収率の高さ等 の生産性に優れると同時に、 ファーネスブラックの特性、 特にその粒子径及びス トラクチャ一の小さいものを得ることができ、 インク、 塗料の黒色度を高め便れ た性能を発揮することができることに起因していると考えられる。
—方、 上述のファーネスブラックは、 その小粒子径、 小ス トラクチャー及び表 面吸着物質が少ないことに起因し、 ビヒクルへの分散が困難となる傾向にある c 更に小粒子径であり嵩密度が低いために、 発塵性、 汚染性等の問題があり、 使 用 ·輸送に際して環境上の問題も大きい。 すなわち、 ファーネス法で製造された カーボンブラックは、 通常、 製造直後の嵩密度が 0 . 1 g Z c c前後という極め て低い値を示す。 この低い嵩密度の値が起因して、 包装袋のコス ト、 、 倉廐での 保管費用、 トラック ·貨車、 船舶での輸送コス 卜が高く、 流通 ·使用時の発塵も 多く、 環境を汚染しやすい。
かかる問題を解決するために、 通常、 ビーズ品と呼ばれる乾式造粒品や湿式造 粒品が用いられている。 ビーズ品は嵩密度が 0 . 3〜0 . 5 g Z c c と未処理の 力一ボンブラックに比較してかなり嵩密度が高い。 しかし、 計量時における粉塵 発生の抑制や輪送時の造粒物の粉化の抑制は充分とは言えない。
また、 造粒によって塗料やインクの原料であるワニスや樹脂といったビヒ クル への分散性が悪くなり、 ビーズ品は使用できない場合がある。 これに関して本発 明者らの知見によれば、 ビース品はその造粒過程において、 長いス トラクチャ一 構造を有するカーボンブラック粒子が相互に絡まりながら造粒されるため、 分散 性が劣るものとなることも考えられる。
このように、 力一ボンブラック、 特に小粒径とすることができるファーネスブ ラックのハンドリング性すなわち取り扱い時の容易さと、 ビヒクルへの分散性は、 二律背反関係にあり、 ハンドリ ング性と分散性とを同時に解決することは、 極め て困難であると考えられてきた。 例えば、 カーボンブラック協会編 「力一ボンブ ラック便覧く第三版〉」 (P . 5 6 3 ) には、 『汚染が少なくハン ドリング性の 優れるカーボンブラック、 ィンキの生産や品質を更に向上させる為の易分散性力 —ボンブラックの開発が大きなニーズとなって来るものと考えられる。 カーボン ブラックのハンドリング性と分散性は二率背反関係にあり、 界面化学やレオロジ ―、 カーボンブラック形態や包装、 出荷形態等の垣根を越えた改善が必要である。 』 と記載されていることからも判るように、 カーボンブラック業界において、 ハン ドリング性と分散性を同時に解決することは極めて困難であると広く認識されて おり、 従来から様々な提案がなされているが、 この 2つの問題を同時に解決した 例は無い。
ファーネスブラック登場以前に存在したランプブラック等のカーボンブラック については、 例えばイギリス特許 5 5 1, 8 6 2号 ( 1 9 4 1年出願) ではラン プブラック等をプレス脱気して篙密度を向上し、 ハンドリング性を向上すること が試みられており、 ィギリス特許 6 1 8, 9 5 5号 ( 1 9 4 6年出願) では、 ィ ギリス特許 5 5 1 , 8 6 2号におけるプレス脱気を行うための装置が提案されて いる。
また、 ドィッ特許 1 3 0 2 3 8 2号 ( 1 9 6 6年出願) では、 プレスにより密 度を高くする装置により 0 . 1 6 0〜0 . 4 8 0 g Z c cのランプブラック成形 体を得たと記載されている。
また、 ファーネスブラックについても、 例えば特開平 3— 2 5 9 9 6 2号公報 ではカーボンブラックの水スラリーを吸引滤過後プロックのまま乾燥して、 プロ
ックの表面にカゼィン ·デンプン ·ポリ ビニルアルコール水溶液と、 スチレン · ブタジェンラテツクスまたはァクリル系ラテツクスを塗布することによりハンド リング性を向上することを試みている。 しカゝし、 この方法では超微粉である力一 ボンブラックのスラ リーを作製し、 更にこのスラリーを濾過、 乾燥する必要があ り、 多大な労力及びコス トを要する。 しかも得られるブロックは、 分散性が大き く低下することが考えられる。
また、 特開平 6— 1 2 2 1 1 1号公報ではカーボンブラック粉体を密閉型成形 容器に仕込み、 減圧処理した後、 該容器内の圧力を常圧に復元することにより成 形体を得ている。 しカゝし、 減圧により加えられる成形圧力は大気圧 (約 1 . 0 3 k g Z c m 2 )以下であり、 輸送コストゃ倉庫費用を小さくするほど嵩密度を大き くすることはできない。
また、 得られる成形体表面には大きな凹凸が発生することが判った。 これは、 嵩高い粉である力一ボンブラックを気圧差により圧密するため、 仕込んだカーボ ンブラックの一部が吹き飛んだりするためではないかと考えられる。
このため、 輸送中の粉化や破損が発生し、 ハンドリ ング性 (コンパク ト性) と 分散性を同時に解決してはいない。
このように、 ファーネスブラックについては、 従来一般的に認識されていたハ ンドリング性と分散性の二律背反関係を解決し、 これらを同時に満足する技術は 未だ見出されず、 依然として粉末状、 又は粒状の製品が流通し、 粉塵等上述の問 題を解決することはできなかった。 すなわち、 貯蔵 '輸送コス ト、 ハンドリ ング •環境の向上を図ることによってカーボンブラックを塗料、 インキ、 樹脂着色や ゴム補強用等各用途に使用した際の基本特性を損なったのでは、 製品として满足 されるべきものとは認められず、 市場に受け入れられることはできなレ、。 発明の開示
本発明者らは上記課題を解決すべく、 鋭意検討を重ねた。 その結果、 カーボン ブラックを加圧成型してなる成型体の密度である成型密度、 粒子径、 D B P吸油 量を特定の関係に制御することにより、 嵩密度の向上及び分散性を同時に満足し うるという驚くべき知見を得、 本発明に達した。 更に、 意外なことに、 この成型 一 3 - 差替 え 用紙(規則 26)
体は、 原料であるカーボンブラック粉末 (ルース品) より も、 塗料等とした際の 漆黒度 (黒色度) を向上させることができることをも見出した。 すなわち、 本発 明は、
密度 P ( g c C ) 力;、
,0 = 8. 1 90 X 1 0— 3D— 3. 8 24 X 1 0— 3L+ 0. 5 1 6
以上、
= 3. 26 5 X 1 0— 3D— 3. 334 X 1 0_3L+ 1. 1 73 以下
で表されるカーボンブラック加圧成型体、 に存する。 図面の簡単な説明
図 1は本発明の加圧成型体の製造に用いることのできる加圧成型装置の一例で ある。
図 2は本発明の加圧成型体の製造に用いることのできる加圧成型装置の一例で ある。
図 1及び図 2中、 1は上パンチ、 2は下パンチ、 3はダイ、 5は減圧チャンバ —である。 以下、 本発明を詳細に説明する。
まず、 本発明で使用する力一ボンブラックは、 ファーネス法で製造したカーボ ンブラック、 アセチレンブラック等が挙げられる。 これらのうち特に、 ファール ス法で製造したファーネスブラックを用いた場合、 その分散性の保持に極めて顕 著な効果を発揮する。 更に、 漆黒度向上の効果も大きなものとなる。
また、 これらの方法により製造したカーボンブラックを各極の酸化剤等で後処 理したものを使用することもできる。
カーボンブラックの粒子径は、 特に制限されないが、 特に l〜60 nm、 就中 1〜50 nmの小粒子径の範囲で分散性、 ハンドリング性向上の効果が高く、 ま た漆黒度の向上にも高い効果を発揮する。
かかる範囲の微細な粒子径を有するカーボンブラックは、 カーボンブラック同
- 4 - *5 田 /^目 BIIゥ Rヽ
土の凝集性が強く、 インク、 塗料、 着色榭脂、 ゴム等を製造する際に分散が特に 困難であった。 これらの分散が困難なカーボンブラック程、 本技術の利点が大ぃ に発揮できるという利点も挙げられる。
本発明においては、 これらカーボンブラックを加圧して成型する。 この際使用 する型としては、 成型時の印加圧力に耐えうる強度を有していれば如何なる材質 の型を用いてもよい。 例えば金属製の型としては SUS 304、 SUS 31 6等 のステンレス製金型、 タングステンカーバイ ド等の超鋼等が使用できる。 又、 樹 脂製型としては、 ポリ四フッ化工チレン (PTFE) 、 ポリ三フッ化塩化工チレ ン (PCTFE) 、 ポリ四フッ化工チレン · 六フッ化プロピレン (F EP) 等の フッ素樹脂 (商標: 「テフロン」 ) 製型、 ナイロン、 ポリエチレン、 ポリカーボ ネイ ト、 フエノール樹脂等のプラスチック類、 更に複合材料として C FRP、 G FRP等の FR P、 セラミックス製型としては、 アルミナ、 ジルコニァ、 ムライ ト等が使用挙げられる。
型の大きさは制限されないが、 実用的には 1 c c以上、 好ましくは 100 c c 以上のものが挙げられる。 1 c c未満では輸送が煩雑となるためである。 また、 必要に応じて、 大型の成型体を作製し、 これを適当な大きさに切断し、 その集合 体として輸送 ·使用してもよレ、。
加圧に使用するプレス機としては、 油圧機械式プレス機、 油圧ハンドプレス機、 機械式プレス機、 エア一シリンダー式プレス機等、 加圧成型できるものであれば 如何なるプレス成型機でもよい。
型の形状も特に制限されず、 所望の成型体の形状にしたがって、 三角形あるい はその他の多角形の断面を有する柱状体、 特に立方体あるいは直方体の成型体と することができ、 取り扱いの点からも好適である。
カーボンブラックを上述の型に入れ、 加圧することにより成型する。 この際、 得られる成型体の密度を以下の特定値とする。
すなわち、 密度 P (g/ c c ) を、
= 8. 190 X 1 0 D— 3. 824 X 1 0"3L+ 0. 5 1 6
以上、
p = 3. 265 X 1 0~ D— 3. 334 X 1 0— 3L+ 1. 1 73
以下、 とする。
より好ましくは、
= 8. 686 X 1 0_aD— 4. 03 1 X 10— :'L+ 0. 543
以上、
= 3. 1 23 X 1 0"3D— 3. 1 8 9 X 1 0— 3L+ 1. 072
以下、 がよい。
上記の各式において、 D (nm) はカーボンブラックの電子顕微鏡による算術 平均粒子径、 L (m 1 / 100 g ) とする) は D B P吸油量である。
ここで、 D B P吸油量は、 J I S K 6221— 1 982に準拠した方法で測 定した値である。
また、 力一ボンブラックの粒子径は、 以下に示す方法による測定値である。 力 —ボンブラックをクロ口ホルムに投入し 200 ΚΗ ζの超音波を 20分間照射し 分散させた後、 分散試料を支持膜に固定する。 これを透過型電子顕微鏡で写真撮 影し、 写真上の直径と写真の拡大倍率により粒子径を計算する。 この操作を約 1 500回にわたって実施し、 それらの値の算術平均により求める。
密度を上記の範囲とすることにより、 ビヒクルへの分散性等カーボンブラック の基本特性を損なうことなく、 取り扱い性に優れた成型体とすることができる。 更に、 インキ、 塗料等に用いた際の漆黒度が原料粉末に比べ、 向上させること ができるという、 意外な効果をも発揮する。 これらの効果は、 上記のより好まし い範囲として記載した範囲において、 特に顕著に発現される。
なお、 本発明のカーボンブラック成型体は、 粉化率が 40%以下、 より好まし くは 20%以下としたものが特に好ましい。 噴火率と しては、 後述する実施例に 記載した測定方法で求めることができる。 粉化率を 40%以下とすることにより , 輸送中に成型体に加わる振動や摩擦等の外力による粉化を防止でき、 ハンドリン グ性が特に優れたものとなる。
また、 原料である粉状カーボンブラックの嵩密度とカーボンブラック成型体の 嵩密度との比 (以下、 「嵩密度比」 ともいう。 ) が 2. 5倍以上 8倍以下、 より 好ましくは 3倍以上 7倍以下とするのが良い。 この嵩密度比が 2. 5より も低い 場合、 成型体のコンパク 卜性が低下する傾向にある。 一方、 嵩密度比が 8を超え
- 6 - 差替 え 用紙 (規則 26)
ると、 分散性が低下する傾向にある。 嵩密度比が 2 . 5以上 8以下とすれば、 コ ンパク ト性と分散性とが同時に極めて好ましい範囲で満足される。
加圧成型時の圧力 (成型圧力) は、 2 Kgf/cn ^以上 5 0 O KgiVcm2 以下、 より好 ましくは 5 Kgf/cm2 以上 4 0 O Kgf/cm2以下とするのがよい。 成型圧力が 2 Kgf/c m2を下回ると、 コンパク ト性が低下、 粉化率が増加する傾向にある。
一方、 成型圧力が 5 0 O Kgf/cm2 より も高い場合、 通常のインクや塗料等の製造 時に使用される分散機では、 分散性が十分でないことがある。 一方、 これ以上圧 力を高く してもコンパク ト性向上の効果は殆ど得ることができない。 このため、 インク、 塗料、 着色樹脂、 ゴム等を工業的に製造する際に使用する力一ボンブラ ック成型体としては、 2 Kgf/cm2以上 5 0 O Kgf/cm2 以下で加圧成型するのが適当 である。
なお、 加圧成型に際しては、 予めカーボンブラック粒子間の気体を減圧チャン バーを用いて脱気した後、 加圧成型する態様を採ることもできる。 例えば図 1及 び図 2に示す装置を用いて説明すると、 以下の如き方法を採ることができる。 まず、 図 1及び図 2に示す、 摺動可能なシリンダーとピス トンとを有する型に、 成型しょうとする原料であるカーボンブラック粉末を充填する。 シリンダー上部 にセッ トした真空チャンバ一内及びシリンダ一内はガスケッ ト材によりその外部 と実質的に遮断される。 次に、 真空チャンバ一に接続した真空ポンプを機動させ て真空状態を保持したまま、 ビス トンを下降させシリンダー内の力一ボンブラッ クを加圧成型する。 その後、 真空ポンプの運転を停止し、 チャンバ一及びシリ ン ダー内の雰囲気圧力を大気圧に戻す。 その後、 真空チャンバ一とピス トンを上昇 させてカーボンブラック成型体を取り出すことにより、 減圧チヤンバ一による力 一ボンブラック粒子間の気体の脱気及びこれに引き続くカーボンブラックの加圧 成型を行うことができる。
この際、 減圧時の圧力は、 0 . 0 1〜 5 0 0 T o r rで行うのが好ましレ、。 5 0 0 T o r r以下において、 粒子間の脱気が非常に容易であり、 一方 0 . 0 1 T o r r以下としても格別の優位性を示すことなく、 高真空にする煩雑性が増すの みであるためである。
所望の减圧度を達成する方法は特に限定されず、 例えば、 油回転式真空ポ
- 7 - え 紙 規則 26)
ァスピレーター、 摺動式真空ポンプ'、 フリーピス トン式真空ポンプ、 ダイヤフラ ム式真空ポンプ、 拡散ポンプ、 ターボ型真空ポンプ等が挙げられる。
なお、 力一ボンブラック加圧成型体の密度管理を行うに際し、 その抵抗値の測 定により行うことができる。 この際、 加圧成型中又は加圧成型後に、 成型体の抵 抗値を測定することにより密度管理することもできる。 抵抗値の測定は、 2探針 法、 4端子法、 4探針法、 ファンデルポー法等があるが、 これらのうち 4探針法 は、 試料に電極の針を押しつけるだけで測定することができることから、 本発明 のカーボンブラック加圧成型体の密度測定には最も適している。 また、 抵抗値と して、 試料の形状に依存しない、 固有抵抗の指標としての体積抵抗率を用いるの が望ましい。 4端子法で測定した結果を演算処理することにより、 体積抵抗率を 求めることができる。
また、 加圧成型体を工業的に利用しやすい厚さを有するものとするため、 原料 の型への充填及び加圧操作を複数回行うことにより、 加圧成型装置の大きさを抑 えることも可能である。 この場合には、 加圧操作のうち最終の加圧操作の圧力力 それ以前の加圧操作の際の圧力のうちの最大の圧力の 1 . 2倍とすることが好ま しい。 これにより、 各加圧操作により形成された層同士の継ぎ目が実質的に存在 しない連続体として成型体を得ることができるためである。
加圧成型装置の力一ボンブラックとの接触面の少なく とも一部に平均細孔径が 1 0 μ m以下の多孔質体を有する装置により加圧成型することにより、 カーボン ブラックと型との付着、 加圧成型体の破損を防止することも有効である。 この態 様の実施は、 例えば滤紙、 滤布、 フッ素樹脂を多孔質体として用いることにより 行うことができる。 例えば、 これらの多孔質体を、 加圧装置のピス トン部に貼り 付ける、 等の手段を採ることができる。
加圧成型体の型からの取り出しに際しては、 離型する際に、 加圧状態にて離型 することにより、 加圧成型体の破損を防止することも有効である。 この際の離型 時の圧力は、 0 . 0 1 5 k g f ノ c m 2であって加圧成型時の圧力を超えない圧 力とするのが、 破損防止に特に効果的である。 また、 水分量 0 . 5 1 1重量% に調整したカーボンブラックや、 予め造粒した力一ボンブラックを用いるのも、 用途によっては破損防止に有効である。
- 8 - Λ m / 4 F?IIOC
カーボンブラック成型体の形状は特に制限されないが、 多角形の断面を有する 柱状体、 より好ましくは直方体或いは立方体が良い。 これらの形状の成型体は力
—ボンブラックを輪送する トラックゃ貨車或いは倉 IEが一般的に直方体であり、 これらの空間を隙間無く充填できるためである。 これにより輸送コス トゃ倉靡保 管費用を効率的に削減できる。
以上説明したカーボンブラック加圧成型体は嵩密度が大きくコンパク ト性に優 れたものであるため、 このカーボンブラック加圧成型体の形態で、 貯蔵 '移送す ることにより、 カーボンブラック製造〜流通におけるコス 卜の大きな割合を占め る貯蔵 ·移送コス トを大幅に削減することができ、 工業的に極めて有用である。 なお、 ここでいう 「貯蔵」 とは、 倉庫、 その他の有蓋又は無蓋の空間に、 一時 的又は長期的に保管、 収納、 格納することを含むものである。 通常、 次に輸送又 は使用するまでの一定期間、 所定の空間に保持するものである。 更に、 倉庫への 出し入れの利便性を考慮してパレッ トに積んだ状態や各種コンテナに入れた状態 で倉庫に収納してもよい。
以上説明した本発明のカーボンブラック加圧成型体を、 インク、 塗料、 樹脂組 成物の顔料として用いることができる。 これにより、 漆黒度、 光沢に優れたもの を得ることができる。
この場合、 ィンク等の顔料として本発明のカーボンブラック加圧成型体を用い る以外は、 公知の方法を採用することができる。
インクの顔料としての使用に際しては、 具体的には上記カーボンブラック成型 体を、 ビヒクルであるワニスに配合する等、 公知の方法が採用できる。 また、 分 散工程も、 カーボンブラック成型体を用いる以外は、 特に制限されず公知の方法 をいずれも採用することができる。
使用するワニス (ビヒクル) としても、 インクに用いられるものであれば特に 制限されず用いることができ、 例えば印刷用に使用されるものとして、 平版印刷 で使用されるロジン変性フユノール樹脂、 アルキド樹脂、 乾性油の混合物がある。 また凸版印刷で使用されるギルソナイ ト、 ロジン等の天然樹脂、 ロジン変性フエ ノール樹脂、 マレイン酸樹脂、 石油樹脂、 アルキド樹脂、 エステルガム等の合成 樹脂、 アマ二油、 きり油等の植物油、 インキオイル類、 ソルベン ト類等の鉱物油
- 9 - 差转 え 用紙(規則 26
等の混合物がある。 また新聞オフ輪インキで用いられるギルソナイ ト、 ロジン変 性フエノール樹脂、 ロジンエステル樹脂、 マレイン酸樹脂、 アルキ ド樹脂等の樹 脂、 アマ二油、 キリ油等の乾性油、 インキオイル、 インキソルベン ト、 スピンド ル油、 マシン油等の鉱物油の混合物がある。 またグラビアインキで用いられる口 ジン変性樹脂、 マレイン酸樹脂、 ギルソナイ ト等の樹脂、 トルエン、 n—へキサ ン、 シクロへキサン等の溶剤等の混合物がある。 水性グラビアインキで用いられ るポリ ビエルアルコール、 でんぷん、 等の樹脂と各種アルコールの混合物がある。 フレキソインキで使用されるロジン変性マレイン酸樹脂、 スチレンァク リル酸樹 脂、 スチレンマレイン酸榭脂、 スチレンメタクリル酸榭脂、 アクリル酸エステル アタリル酸榭脂、 メタクリル酸エステルァクリル酸樹脂等の樹脂とダリコール、 アルコール、 エステル、 脂肪族炭化水素等の溶媒の混合物がある。 またスク リー ンインキとして使用されるアクリル樹脂、 塩ビ '酢ビコポリマー、 ポリエステル 樹脂、 セルロース系樹脂、 エポキシ樹脂、 メラニン樹脂、 各種ポリオ一ル、 アル キド榭脂、 各種アクリル酸エステル等の榭脂、 各種アルコール、 各種エーテル、 各種ケトン、 各種芳香族炭化水素、 各種脂肪族炭化水素、 各種ハロゲン系溶剤か らなる溶剤の混合物等がある。
対象となるインキも特に限定されることはなく、 例えば、 凸版インキと して、 新聞インキ、 輪転インキ、 写真版墨インキ等、 平版インキとして、 オフセッ トィ ンキ、 ドライオフセッ トインキ、 コロタイプインキ等、 凹版インキとしては彫刻 凹版インキ、 グラビアインキ、 クイックセッ トインキ、 グロスインキ、 耐摩擦性 インキ、 ヒー トセッ トインキ、 スチームセッ トインキ、 プレツスァセッ トインキ、 プラスチゾルインキ、 バランス トインキ、 コールドセッ トインキ、 ラセッ トイン キ等、 その他ゴム版インキ、 ァニリ ンインキ、 ブリキ印刷インキ、 プラスチック フィルム用インキ、 シルクスク リーンインキ、 水性インキ等が挙げられ、 これら のいずれのィンキの製造に際しても本発明のカーボンブラック加圧成型体を採用 することができる。
本発明のカーボンブラック加圧成型体のべヒクルへの分散に際しては、 その分 散方法は特に限定されず、 成型に使用した型から取り出したままの大きさで使用 しても、 混練機の投入口の大きさ以下とするために直径 0 . l m m〜 l C mに解
- 1 0 - 差替 え 用紙 (視刖ク6、
砕したものを混練機に投入して分散してもよい。 解砕したものを用いても、 漆黒 度向上の効果は発揮することができる。
ここで解砕方法も特に限定されないが、 例えば、 カッティングミル、 ロータリ —クラッシャー、 剪断ロールミル等の剪断粉砕型粉砕機を使用すれば、 粉碎時に 粒子の密度が圧密されることがないので、 好適である。
本発明のカーボンブラック加圧成型体を樹脂組成物の顔料として使用する際に 適用可能な樹脂も特に限定されず、 例えば、 熱可塑性樹脂として低密度ポリェチ レン、 高密度ポリエチレン、 ポリプロピレン、 ポリスチレン、 塩化ビニル樹脂、 ポリ ビニルアルコール、 塩化ビニリジン樹脂、 メタク リル樹脂、 ポリアミ ド、 ポ リカ一ボネー ト、 ポリアセタ一ノレ、 ポオリエチレンテレフタレー ト、 ポリブチレ ンテレフタレート、 変性ポリフエ二レンエーテル、 ナイロン等が挙げられる。 熱 硬化性樹脂としては、 フエノール樹脂、 ユリア樹脂、 メラミン樹脂、 不飽和ポリ エステル樹脂、 ウレタンフォーム等が挙げられる。 更に、 これらの樹脂の混合物 或いは各種添加物を加えたものであってもよい。
これらの樹脂成分に本発明のカーボンブラック加圧成型体を添加し、 必要に応 じて混練する。 この際、 ゴムの混練機として通常ゴムの混練機として使用されて いるもの、 例えば、 バッチ式開放型ではロールミキサー、 バッチ式密閉型ではバ ンバリータイプミキサー、 連続スクリュー式では、 単軸混練押出機、 2軸混練押 出機、 連続ロータ一式では単軸混練機、 連続ロータ一式では 2軸混練機等を使用 することもできる。
本発明の力一ボンブラック加圧成型体を塗料の顔料として使用するに際し使用 できるワニス (ビヒクル) としては、 塗料用に使用されるものであれば特に限定 されず用いることができる。 例えば、 油性塗料として乾性油、 改良乾性油、 天然 樹脂、 ビチューメンが挙げられる。 酒精塗料としてセラック、 セルロース誘導体 塗料としてニ トロセルロース、 ァセチルセルロース、 アク リル樹脂、 フエノール ホルムアルデヒ ド樹脂、 樹脂変性フエノールホルムアルデヒ ド樹脂が举げられる。 合成樹脂塗料として酸化型油変性アルキド樹脂、 変性アルキド樹脂、 プチル化ァ ミノアルキ ド樹脂、 アミノアルキド樹脂ポリ酢酸ビエル、 ポリ塩化ビニル、 塩化 ゴム、 スチレン ' ブタジエン樹脂、 熱硬化性アク リル樹脂、 エポキシ樹脂、 不飽
- 1 1 - 铁 田: ίάΒ Β ^£\
和ポリエステル、 ポリイ ソシァネート樹脂、 シリ コーンとアルキ ド樹脂、 チタン 酸ブチル等が、 合成樹脂ェマルジヨ ンペイン トと してポリ酢酸ビニル、 ポリ スチ レン ' ブタジエン、 ポリアク リル化合物が、 水性焼付塗料としてフヱノールアル デヒ ド初期重合物、 エーテル化メラニン樹脂、 ァミン中和アルキド樹脂が、 水性 塗料としてタンパク質 · でんぷん ·アルギン酸塩 ·ポリ ビニルアルコール、 パル ボキシメチルセルロースが挙げられる。 漆等には、 天然高級フエノール、 天然フ ェノールアルデヒ ド樹脂が使用できる。
目的とする塗料も特に限定されず、 例えば塗膜主要素別分類として油ペイント、 油エナメル、 フ-ノール樹脂又はマレイン酸樹脂、 アルキド樹脂塗料、 アミ ノア ルキド樹脂塗料、 尿素樹脂塗料、 酒精塗料、 ラッカ一、 ビニル樹脂塗料、 ァク リ ル樹脂塗料、 ポリエステル樹脂塗料、 エポキシ樹脂塗料、 ポリウレタン樹脂塗料、 シリ コーン樹脂塗料、 ェマルジヨン樹脂塗料、 水溶性樹脂塗料が挙げられる。 また、 本発明のカーボンブラック加圧成型体を、 天然ゴム及び合成ゴムの一種 以上と配合して、 ゴム組成物を得ることもできる。 この際、 配合量は、 ゴム 10 0重量部に対して 30〜1 50重量部が適当である。 これにより、 損失係数や発 熱量の少ないゴムとすることが可能である。
この際使用されるゴムも特に限定されず、 例えば、 合成ゴムとしてスチレンブ タジェンゴム (S BR) 、 ブタジエンゴム (BR) 、 イソプレンゴム ( I R) 、 クロロプレンゴム (CR) 、 二 ト リルブタジエンゴム (NBR) 、 イソブチレン イソプレンゴム ( I I R) 、 エチレンプロピレンゴム (E PM) 、 シリコーンゴ ム、 フッ素ゴム、 クロロスルホン化ポリエチレン (C SM) 、 塩素化ポリエチレ ン (CM) 、 多硫化ゴム、 ウレタンゴム (AU) 、 アク リルゴム (ACM) 、 ェ ピクロルヒ ドリンゴム (ECO) 、 プロピレンォキシドゴム (PO) 、 エチレン • 酢酸ビュル共重合体 (EVA) 、 液状ゴム、 ポリアルキレンスルフイ ド、 ニ ト ロソゴム等が、 天然ゴム、 上記ゴムの混合物が挙げられる。 更に、 必要に応じて、 加硫剤、 架橋剤、 加硫促進剤、 加硫促進助剤、 活性剤、 分散剤、 加硫遅延剤、 老 化防止剤、 力一ボンブラック以外の補強剤や充填剤、 軟化剤、 可塑剤、 粘着付与 剤、 着色剤、 硬化剤、 発泡剤、 滑剤、 溶剤、 界面活性剤、 乳化剤、 安定剤、 湿潤 剤、 増粘剤、 凝固剤、 ゲル化剤、 クリーミング剤、 防腐剤、 消泡剤等を加えるこ
- 12 - 釜鎵 用絍 (視目 1126)
ともできる。
上記ゴム成分に本発明のカーボンブラック加圧成型体を添加し混練してゴム組 成物とする。 ここで使用する混練機としては通常ゴムの混練機として使用されて いるものでよく、 例えば、 バッチ式開放型ではロールミキサー、 バッチ式密閉型 ではバンバリ一タイプミキサー、 連続スク リ ユー式では、 単軸混練押出機、 2軸 混練押出機、 連続ロータ一式では単軸混練機、 連続口一ター式では 2軸混練機が 挙げられる。 実施例
以下に、 本発明を実施例により更に詳細に説明する。
実施例 1〜 6
カーボンブラックとして表 1に示すものを用い、 プレス機として王子機械工業 株式会社製 3 7 t o n 4本柱単動油圧プレス (ラム直径 1 52. 4 mm) を用レ、、 金型は SUS 304製金型 (内法 7 OmmX 70mm、 高さ 40mm、 三菱化成 エンジニアリング社製) を用いてカーボンブラックを加圧成型した。
インク製造時のカーボンブラックの分散性を試験するインク篩残率の測定方法 を以下に示す。 約 1. 8 リ ツ トルのステンレス容器 (直径 1 1 c m、 高さ 1 8. 5 c m) に 4 80 gのレダクタス # 220 (共石製) と 1 20 gのカーボンブラ ック成型体あるいはカーボンブラック造粒品を加えた。 TKォ一トホモミキサ一 S L 1 0A (特殊理化工業製) にセッ トした撹拌翼 (4枚羽根、 羽根の直径 4. 5 c m) をステンレス容器の底面より 2 c m上方に挿入した。 撹拌翼を 5000 r. p.m.で 1時間撹拌した。 この中から 50 gを分取し 3 25メッシュ (目開き ; 46 μ m) のステンレス製篩で滤過した。 濾過後、 金網面に約 200 c cの軽油 を振りかけて洗浄した。 この篩を 1 50°Cに設定した乾燥機に 1時間入れ乾燥し た。 乾燥機から取り出し、 冷却後、 篩の重量を測定した。 予め測定しておいた篩 の重量を差し引いて篩上に残ったカーボンブラックの重量 (Ag) を測定し、 次 の式より篩い残率を計算した。 篩い残率 (%) = (A X 600/ (50 X 1 20) ) x 1 00
密度の測定に際しては、 直方体の縦と横と厚さをノギスにて測定し、 その値か ら成型体の体積 (c c ) を算出した。 また、 電子式直読型上皿天秤にて成型体の 重量 (g ) を測定した。 成型体の重量と体積から成型体の密度 (gノ C C ) を算 出した。
粉化率の測定方法を以下に記載する。 力一ボンブラック加圧成型体を 25 ± 1 g (W) 0. O l g迄精秤し、 J I S K— 622 1に準拠した直径 200 mm. 目開き 1 mmの篩んい入れる。 この篩に受け皿と蓋を取り付け、 J I S K— 6 221に準拠した振とう機で 20秒問打擊を与えながら振とうする。 振とう機か ら受け皿を取り外し、 受け皿中の力一ボンブラックの重量を 0. 0 1 g迄精秤し, これを振とう後の重量 (WK)とし、 次式によって粉化率を算出した。 粉化率 (%) = (WR/W) X 100 比較例 1〜 6
実施例で用いた同一銘柄の粉状品及び造粒品を用いて、 実施例に記載した嵩 密度の測定、 インク篩残、 粉化率の測定を実施した。
また、 #45 (三菱化学社製カーボンブラック) と # 990 (三菱化学 (株) 製 カーボンブラック) に関しては、 特開平 6— 122 1 1 1号に記載されてい る 減圧 ·復圧品を作製し比較例に記載した。
(結果の判定基準)
表 2から表 7に実施例及び比較例の測定結果及びこれらの結果から判断した コンパク ト性及び分散性、 更にコンパク ト性と分散性等を総合的に判断した総 合判定結果を示した。
ここで、 コンパク ト性の判断基準としては、
粉状品程度の嵩密度を X
粉状品より も高く造粒品以下の嵩密度を △
造粒品より も高い嵩密度のものを 〇
とした。
- 14 - 差替え用紙 (規則 26)
また、 分散性の判断基準としては
造粒品程度以下の分散性のものを X
造粒品より も若干分散性が優れているものを △
造粒品よりも分散性が優れているものを 〇
とした。
更に、 総合判定の基準としては、
コンパク ト性或いは分散性の何れかが Xであるものを X
コンパク ト性、 分散性更に使用した感触が優れているものを 〇
コンパク ト性、 分散性、 使用した感触が特に優れたものを ◎
とした。
(結果の考察)
(1) 実施例 1一 2と比較例 1— 9を比較すると、 嵩密度が 0 . 5 6 2 g/ccと 0 . 4 8 8 g/ccであり実施例 1一 2の嵩密度が比較例 1— 9の嵩密度よりも高くなつ ているにも係わらず、 分散性のファクターであるインク篩残は実施例 1—2では 1 1 . 0 %、 比較例 1— 9では 7 8 % となっており、 実施例 1― 2の成型体は、 成型前の分散性を保っている。
実施例 1— 8と比較例 1一 9を比較すると、 嵩密度が 1 . 0 5 0 g/ccと 0 . 4
8 8 g/ccであり、 実施例 1一 8において約 2倍の嵩密度ァップを達成している力;、 分散性のファクタ一であるインク篩残は実施例 1 一 2では 7 4 . 0 %、 比較例 1 一 9では 7 8 . 0 % となっており、 実施例 1一 8は比較例 1一 9と同等レベル以 上の分散性を示している。 このことから判るように、 本発明により従来二律背反 関係にあると考えられていたコンパク ト性 (ハン ドリ ング性) 及び分散性の両方 の特性が優れた力一ボンブラックが得られることが判る。
(2) 実施例 2— 2と比較例 2— 9を比較すると、 嵩密度が 0 . 3 8 5 g/ccと〇. 3 9 3 g/ccであり実施例 2— 2の离密度が比較例 2— 9の嵩密度と同程度である にも係わらず、 分散性のファクタ一であるインク篩残は実施例 2 _ 2では 0 · 7 %、 比較例 2— 9では 1 0 0 % となっており、 実施例 2— 2の成型体は成型前の 分散性を保っている。
実施例 2— 7と比較例 2— 9を比較すると、 嵩密度が 0 . 8 5 0 g/ccと 0 . 3
- 15 - ¾珐 田^ (相目 IIゥ
93g/cじであり、 約 2. 2倍の嵩密度アップを達成しているが、 分散性のファタ ターであるインク篩残は実施例 2— 7では 98. 0 %、 比較例 2— 9では 1 0〇 % となっており、 実施例 2— 7は比較例 2— 9と同等レベル以上の分散性を示し ている。 このことから判るように、 本発明により従来二律背反関係にあると考え られていたコンパク ト性 (ハンドリング性) 及び分散性の両方の特性が優れた力 —ボンブラックを得られることが判る。
(3) 実施例 3— 2と比較例 3— 1 0を比較すると、 嵩密度が 0. 240g/ccと 0. 303g/ccであり実施例 3— 2の ¾密度が比較例 3— 1 0の嵩密度と同程度であ るにも係わらず、 分散性のファクタ一であるインク篩残は実施例 3— 2では 0.
25%、 比較例 3— 1 0では 84. 5% となっており、 実施例 3— 2の成型体は 成型前と同程度の分散性を保っている。
実施例 3— 9と比較例 3— 1 0を比較すると、 嵩密度が 0. 7 50g/cc^ 0.
303g/ccであり、 実施例 3— 9約 2. 5倍の嵩密度アップを達成しているが、 分散性のファクターであるインク篩残は実施例 3— 9では 77. 0%、 比較例 3 一 1 0では 84. 5% となっており、 実施例 3— 9は比較例 3— 1 0と同等レべ ル以上の分散性を示している。 このことから判るように、 本発明により従来二律 背反関係にあると考えられていたコンパク 卜性 (ハンドリ ング性) 及び分散性の 両方の特性が優れた力一ボンブラックを得られることが判る。
(4) 実施例 4— 2と比較例 4— 9を比較すると、 嵩密度が 0. 4 3 3 g/ccと 0.
49 7 ccであり実施例 4一 2の嵩密度が比較例 4一 9の嵩密度と同程度であるに も係わらず、 分散性のファクタ一であるインク篩残は実施例 4— 2では 0. 3%、 比較例 4一 9では 1 00 % となっており、 実施例 4— 2の成型体は成型前と同程 度の分散性を保っている。
実施例 4一 8と比較例 4— 9を比較すると、 密度が 0. 990g/ccと 0. 4 97 g/ccであり、 実施例 4— 8では約 2倍の嵩密度アップを達成しているが、 分 散性のファクタ一であるインク篩残は実施例 4一 8では 9 9. 0%、 比較例 4— 9では 1 00% となっており、 実施例 4一 8は比較例 4— 9と同等レベル以上の 分散性を示している。 このことから判るように、 本発明により従来二律背反関係 にあると考えられていたコンパク ト性 (ハン ドリング性) 及び分散性の両方の特
- 16 - 生 &Si. iHBll^:ヽ
性が優れたカーボンブラックを得られることが判る。
(5) 実施例 5— 2と比較例 5 _ 7を比較すると、 嵩密度が 0. 5 2 2gん cと 0. 5 1 7g/ccであり実施例 5— 2の嵩密度が比較例 5— 7の嵩密度より も高くなつ ているにも係わらず、 分散性のファクターであるインク篩残は実施例 5— 2では 0. 5%、 比較例 5— 7では 8 0% となっており、 実施例 5— 2の成型体は成型 前の分散性を保っている。
実施例 5— 7と比較例 5— 8を比較すると、 嵩密度が 0. 94 5g/ccと 0. 5 1 7g/ccであり、 実施例 5— 7では約 1. 8倍の嵩密度アップを達成しているが、 分散性のファクターであるインク篩残は実施例 5— 7では 79. 5%、 比較例 5 — 8では 80. 0% となっており、 実施例 5— 7は比較例 5— 8と同等レベル以 上の分散性を示している。 このことから判るように、 本発明により従来二律背反 関係にあると考えられていたコンパク ト性 (ハン ドリ ング性) 及び分散性の両方 の特性が優れたカーボンブラックを得られることが判る。
(6) 実施例 6— 2と比較例 6— 9を比較すると、 第密度が 0. 34 5g/ccと 0. 364 g/ccであり実施例 6— 2の嵩密度が比較例 6— 9の嵩密度と同程度である にも係わらず、 分散性のファクタ一であるインク篩残は実施例 6— 2では 0. 5 0%、 比較例 4一 9では 56. 7% となっており、 実施例 6 _ 2の成型体は成型 前と同程度の分散性を保っている。
実施例 6— 7と比較例 6— 8を比較すると、 嵩密度が 0. 804gん cと 0. 3 64g/ccであり、 実施例 6— 7では約 2. 2倍の嵩密度アップを達成しているが、 分散性のファクタ一であるインク篩残は実施例 6— 7では 28. 1 %、 比較例 6 — 8では 56. 7 % となっており、 実施例 6— 7は比較例 6— 8の約半分の分散 性を示している。 このことから判るように、 本発明により従来二律背反関係にあ ると考えられていたコンパク ト性 (ハンドリング性) 及び分散性の両方の特性が 優れたカーボンブラックを得られることが判る。
(インクへの適用 実施例 7〜 1 2 )
以下の実施例及び比較例における評価方法としては、 分散性に関してはゲライ ン ドゲージを、 色差測定に関しては色差計による方法と視感による方法を、 光沢 に関しては視感を用いた。
- 17 - 法 田 ^ 日 IIつ:、
グラインドゲージの測定は以下の方法で行ったものである。 すなわち 『グライ ンドゲージとは、 鋼の盤に深さ 0〜 25 X 1 0- 6mまで変化している 2本の潸を 刻んだもので、 最深部にインキを置き、 スク レーパーで浅い方に引き伸ばし、 粗 粒子の直径より浅い所にできるすじの位置の目盛りから粒度を求める ( 「色材ェ 学ハン ドブック」 P.1052〜1053 朝倉書店) 。
色差計による色差の測定は以下の方法で行ったものである。 すなわち 『L a b 表色系は R. S. H u n t e rの提唱になるもので、 XYZ表色系における標準 光の 3刺激値を X, Υ, Z とすると、 L, a, bとの間には次の関係があり、 Lは明度指数、 a と bは色相彩度を表す指数である。
L = 10Y1/2
a =17.2 (1.02X-Y) /Y1/2
b =7.0 (Y - 0.847Z) /Υ'/2
』 (清野 学著 「酸化チタン」 Ρ.92 技報堂出版)
視感による色差の測定は以下の方法に従って測定したものである。 『定められ た用紙の上に試料と標準ィンキを並べ、 幅広の刃先のへらで手前に引き伸ばす。 ヘラを手前に少し傾け、 しっかり力を入れて手前に引き、 終わり近くなつたらへ ラを紙に対して 30° く らい傾け軽く引く。 インキ膜の薄い部分と下地の影響の ない厚い部分ができる。 薄い部分で下地の紙から反射し顔料を通過した光の色つ まり底色を見る。 厚い部分でィンキの上色またはィンキ自身の色を目視で評価す る。 』 ( 「色材工学ハン ドブック」 P.1058 朝倉書店)
光沢の視感による光沢の測定は以下の方法に従って測定した。 『光沢は色とと もに印刷の質を大きく左右する重要な特性であるが、 その測定は視感による方法 と測定器による方法とがある。 視感による方法は、 光の入射角 60° で見本と比 較定性的に評価する。 』 ( 「色材工学ハン ドブック」 Ρ.1058 朝倉書店) 実施例 7
日本新聞インキ (株) 製ワニス Αを 1 50 g、 日本新聞インキ (株) 製ワニス Bを 90 g、 日本新聞インキ (株) 製ワニス Cを 48 g、 日本新聞インキ (株) 製鉱物油を 90 g、 日本新聞インキ (株) 社製 6号ソルベン トを 30 g秤取り、 ベッセル (直径 1 1 c m、 高さ 1 8. 5 c m) に入れた。 このワニスを特殊迎化
- 18 - 差替え用紙 (規則 26)
工業 (株) 製ホモミキサー (型式: 「TK AUTO HOMO IXER SL-lOAj ) を用いて 5000 r . p. m.にて 1時間撹拌し、 新聞ィンキ用ワニスを調製した。
三菱化成エンジニアリ ング (株) 製 SUS 304製金型 (内法 70mmX 70 mm、 高さ 40mm、 ) に三菱化学 (株) 製カーボンブラック 「CF 9」 を 50 g入れ、 王子機械工業 (株) 製 37 t 0 n 4本柱単動油圧プレス (ラム直径 1 5 2. 4 mm) にセッ トした。 成型圧力 7. 4 K g f/ c m2で加圧成型して力一ボン ブラック成型体を得た。 成型体の密度 (成型体の質量を成型体の体積で割った値) を測定したところ、 0. 530 g/c cであった。
上記の調製した新閱ィンキ用ワニスに、 上記カーボンブラック成型体 1 1 4 g を投入し、 5000 r . p. m.で 120分間撹拌して、 新聞用インクを作製した。 この新聞用インクを浅田鉄工所 (株) 株式会社製ロールミル機 (型式: 「BR— 500」 ) で練肉した。 練肉後、 未分散塊カーボンブラックの大きさを測定した。 測定は、 東洋精機製作所製グラインドゲージ (型式: 「SKS— 3」 ) で 50〜 100 μ mの範囲の未分散塊カーボンブラックの、 また株式会社上島製作所製グ ラインドゲージ (型式: 「R 1 1 10」 ) で 0~50 μ mの範囲の未分散塊カー ボンブラックの大きさを測定した。 未分散塊カーボンブラックの大きさが 1 0 mよりも大きい場合は、 再度口一ルミル機を通した。 その結果、 最大粒子径は、 1回目の測定結果は 37 μ m、 2回目の測定結果は 24 1 m、 3回目の測定結果 は 9 μ mであった。
また、 測定結果が 10 μ m以下になったインクを室温で 1週間熟成させた。 こ の熟成したィンクを使用して刷り減らしとヘラ引きによる展色試験を実施した。 インクを 0. 6 c c分取して東洋精機製枚葉式オフセッ ト印刷機で A4版の更紙 に 5枚印刷した (印刷面積; 198mm X 192mm) 。 印刷した 1枚目と 5枚目をス ガ試験機 (14) 社製 SMカラーコンピュータで色差測定を行い L値, a値, b 値を測定した。 その結果、 1枚目の L値が 25. 9、 5枚目の L値が 37. 8で あった。 更に、 この熟成したインクと以下の比較例 1で作製したインクとを各々 適量を計量紙に分取し、 軟膏ヘラを用いてインクのヘラ引きを実施した。 このへ ラ引きした紙の黒度と光沢を視感で評価した。 その際、 比較例 1で作製したイン クのヘラ引き品の黒度と光沢を 1 0とした。 その結果、 黒度、 光沢ともに 1 0で 一 19 一 え用紙 (規貝 IJ26)
あり、 比蛟例 1のインクと差が無かった。
実施例 8
「C F 9J の成型圧力を 1 6 2 Kgf/c m2とし、 出来上がった成型体の密度が 0. 7 88 g/ c cであった以外は実施例 7と同様の方法で実験をおこなった。 その結果、 グラインドゲージの測定結果は、 1回目が 5 1 μ ιη、 2回目が 3 5 μ m, 3回目が 1 6 m、 4回目が 7 μ πιであった。
展色試験の結果、 刷り減らし試験における L値の 1枚目が 26. 3、 L値の 5枚 目が 3 8. 5であった。 また、 ヘラ引き試験における黒度 1 0、 光沢 10であつ た。 展色試験の結果比較例 8のイ ンクと差が無かった。
実施例 9
三菱化学 (株) 製力一ボンブラック 「C F 3 1」 を用い、 成型圧力を 1 8. 6 K gf/c m2とし、 出来上がった成型体の密度が 0. 4 3 2 g/c cであった以外 は実施例 7と同様の方法で実験をおこなった。
その結果、 グラインドゲージの測定結果は、 1回目が 9 /im、 2回目が 7 m であった。
展色試験の結果、 刷り減らし試験における L値の 1枚目が 22. 8、 L値の 5 枚目が 34. 0であった。 また、 ヘラ引き試験における黒度 1 0、 光沢 1 0であ つた。 展色試験の結果比較例 9のインクと差が無かった。
実施例 1 0
「C F 3 1」 の成型圧力を 3 7 2 Kgf/c m2とし、 出来上がった成型体の密度 が 0. 53 1 g/c cであった以外は実施例 7と同様の方法で実験をおこなった。 その結果、 グラインドゲージの測定結果は、 1回目が 1 3 /im、 2回目力; 1 0 μ m, 3回目が 7 μπιであった。
展色試験の結果、 刷り減らし試験における L値の 1枚目が 22. 6、 L値の 5 枚目が 3 3. 9であった。 また、 ヘラ引き試験における黒度 1 0、 光沢 1 0+であ つた。 展色試験の結果比較例 1 0のインクと差が無かった。
実施例 1 1
昭和ワニス (株) 製ワニス 「MS— 800」 を 380 g、 昭和ワニス (株) 製 ワニス 「F 1 04」 を 20 g、 日本石油 (株) 製 「6号ソルベント」 を 5 7 g秤
取り、 ベッセル (直径 1 1 c m、 高さ 1 8. 5 c m) に入れた。 このワニスを特 殊理化工業 (株) 製ホモミキサー (型式: 「TK AUTO HOMO IXER SL-10Aj ) を 用いて 5000 p. m.にて 1時間撹拌し、 商業オフセッ ト用のワニスを調整し た。
三菱化学 (株) 製カーボンブラック 「CF 9」 に代えて三菱化学 (株) 製カー ボンブラック 「MA 7」 を用いた以外は実施例 7と同様の操作により加圧成型し、 成型体の密度を測定したところ 0. 51 8 g/c cであった。
上記の調製した新閱インキ用ワニスに、 上記のカーボンブラック成型体 1 14 gを投入し、 5000 r. p.m.で 1 20分間撹拌して、 新聞用インクを作製した。 この新閜用インクを浅田鉄工所 (株) 株式会社製ロールミル機 (型式: 「BR 一 500」 ) で練肉した。 練肉後、 東洋精機製作所製グラインドゲージ (型式: 「SKS— 3」 で 50〜 1 00 の範囲のまた、 株式会社 (株) 上島製作所 製グラインドゲージ (型式: R 1 1 10) で 0〜 50 μ mの範囲の未分散塊カー ボンブラックの大きさを測定した。 未分散塊カーボンブラックの大きさが 1 0 mよりも大きい場合は、 再度ロールミル機を通した。 その結果、 最大粒子径は、 1回目の測定結果は 18 μ m、 2回目の測定結果は 1 5 μ m、 3回目の測定結果 は 7 μ mであった。
実施例 1 2
「MA 7」 の成型圧力を 149 K gf/c m2とし、 出来上がった成型体の密度が 0. 748 g/c cであった以外は実施例 1 1と同様の方法で実験をおこなった。 その結果、 グラインドゲージの測定結果は、 1回目が 40 μπι、 2回目が 7 μ mでめつ /こ。
比較例 7
三菱化学 (株) 製カーボンブラック未造粒品 「C F 9」 (嵩密度 0. 250 g /c c) を成型することなくそのまま使用した以外は実施例 7と同様の方法でイン キを作製し、 実験をおこなった。
その結果、 グラインドゲージの測定結果は、 1回目が 48 ΓΠ、 2回目が 3 7 / m、 3回目が 32 /i m、 4回目が 30 μπι、 5回目 1 9 /i m、 6回目 9 μπであ つた。
実施例 7が 3回目で 1 0 m以下になったのに比べて、 6回の練肉が必要であ つた。
展色試験の結果、 刷り減らし試験における 1枚目の L値が 26. 0、 5枚目の し値が 3 7. 4であった。 また、 ヘラ引き試験における黒度 1 0、 光沢 1 0であ つた。 展色試験の結果実施例 7のインクと差が無かった。
比較例 8
三菱化学 (株) 製カーボンブラック造粒品 「C F 9 B」 (嵩密度 0. 423 g /c c) を成型することなくそのまま使用した以外は実施例 7と同様の方法でイン キを作製し、 実験をおこなった。
その結果、 グラインドゲージの測定結果は、 1回目が 6 2 m、 2回目が 4 6 m、 3回目が 38 μπι、 4回目が 1 5 /x m、 5回目 7 つであった。
実施例 8が 4回目で 1 0 μ m以下になったのに比べて、 5回の練肉が必要であつ た。
展色試験の結果、 刷り減らし試験における 1枚目の L値が 25. 4、 5枚目の 値が37. 7であった。 また、 ヘラ引き試験における黒度 1 0、 光沢 1 0であ つた。 展色試験の結果実施例 8のインクと差が無かった。
比較例 9
三菱化学 (株) 製カーボンブラック未造粒品 「C F 3 1」 (嵩密度 0. 1 3 6 g/c c ) を成型することなくそのまま使用した以外は実施例 7と同様の方法でィ ンキを作製し、 実験を実施した。
その結果、 グラインドゲージの測定結果は、 1回目が 2 5 /i m、 2回目が 1 3 μ m, 3回目が 7 z mであった。
実施例 9が 1回目で 1 0 μ m以下になったのに比べて、 3回の練肉が必要であ つた。
展色試験の結果、 刷り減らし試験における 1枚目の L値が 22. 8、 5枚目の 値が3 3. 9であった。 また、 ヘラ引き試験における黒度 1 0、 光沢 1 0であ つた。 展色試験の結果実施例 9のインクと差が無かった。
比較例 1 0
三菱化学 (株) 製力一ボンブラック油添加造粒品 「OC F 3 1 B」 (嵩密度 0. 一 22 - 別 26)
2 7 2 g/c c ) を成型することなくそのまま顔料として使用した。 「OC F 3 l B」 は 5重量%の油を含んでいる為、 力一ボンブラックを 1 1 4 gから 1 20 g に増量した。 また、 同様の理由からワニス中の鉱物油を 90 gから 84 gに減量 した。 これら以外は実施例 7と同様の操作により実施例 7と同様の炭素含有量を 有するインキを作製した。 それ以降は実施例 7と同様の方法で実験を実施した。 その結果、 グラインドゲージの測定結果は、 1回目が 8 1 m、 2回目が 1 1 μ m, 3回目が 7 μιυであった。
実施例 1 0が 2回目で 1 0 m以下になったのに比べて、 3回の練肉が必要で あ 7こ
展色試験の結果、 刷り減らし試験における 1枚目の L値が 23. 8、 5枚目の 値が34. 5であった。 また、 ヘラ引き試験における黒度 1 0、 光沢 1 0であ つた。 展色試験の結果実施例 1 0のインクと差が無かった。
比較例 1 1
三菱化学 (株) 製カーボンブラック未造粒品 「MA 7」 (嵩密度 0. 220 g /c c) を成型することなくそのまま使用した以外は実施例 1 1 と同様の方法でィ ンキを作製し、 実験をおこなった。
その結果、 グラインドゲージの測定結果は、 1回目が 3 3 /im、 2回目が 2 5 μ m. 3回目が 2 2 /im、 4回目力 S l 6 /z m、 5回目 1 0 m、 6回目 8 mで あった。
実施例 1 1が 3回目で 1 0 μ m以下になったのに比べて、 8回の練肉が必要で あつ 7こ。
比較例 1 2
三菱化学 (株) 製力一ボンブラック造粒品 「MA 7 B」 (嵩密度 0. 40 O g /c c ) を成型することなくそのまま使用した以外は実施例 1 1 と同様の方法でィ ンキを作製し、 実験をおこなった。
その結果、 グラインドゲージの測定結果は、 1回目が 1 00 μ πι、 2回目が 6 8 μ πι、 3回目が 1 8 /x m、 4回目が 1 5 μ πι、 5回目 1 0 μ ΐη、 6回目 7 μ m であった。
実施例 1 2が 2回目で 1 0 μ m以下になったのに比べて、 6回の練肉が必要で
- 23 - 差替え用紙 (規則 26)
あった。
実施例の結果を表 8に、 比較例の結果を表 9に記した。 また、 展色試験の結果 を表 1 0に示した。
(樹脂への適用 実施例 1 3〜 2 7 )
実施例 1 3
(1)成型体の作製
油研株式会社製炭素鋼金型 (内法 1 5 OmmX 1 5 Omm、 高さ 3 6 0 mm) に三菱 化学社製カーボンブラック # 4 5 (嵩密度 0. 2 1 8 g/cc) を 1 K g入れ、 油研 株式会社製 20 t o n油圧プレスにセッ トした。 成型圧力 4 Okg f Zcm2で加圧 成型し、 成型密度を測定した所 0. 76 1 g/ccであった。
このカーボンブラック成型体を粉砕し、 1 00メ ッシュ (1 5 0 μπι) 、 6 0 メッシュ (250 /im) 、 30メッシュ (500 μπι) 、 1 6メッシュ (1mm) 、 8. 6メッシュ (2 mm) の標準ふるいで分級した。
(2)着色樹脂の作製
東洋精機製作所社製バンバリ一ミキサー (8— 250型) に三菱化学社製 A B S樹脂 (サンレックス SAN— C) 1 1 4. 2 1 g、 C i b a -G e i g y社製 老化防止剤 (ィルガノ ックス 1 0 10) 1. 14 g、 ステアリ ン酸カルシウム 1. 1 gと前項で記載した力一ボンブラックを粉砕し、 1〜 2mmに分級したもの 7 7. 6 6 gを入れた。
ミキサー温度を 1 65°Cに設定して、 1 2分間混練し、 カーボンブラック濃度 が 40 w t %のマスタ一バッチを作製した。
この 40%マスタ一バッチ 2. 5 gに三菱化学社製 A B S榭脂 (タフレックス 450) を 9 7. 5 gを加え、 1 50°Cに設定した安田精機製作所製 2本ロール ミル (N o. 1 9 1—丁1^型) で 1 0分問混練し、 着色樹脂試料を作製した。 着色樹脂試料は、 0. 3 mmの厚みにシート化し、 3 X 3 mm角の小片を切り 出した。 240°Cに設定したホッ トプレート上にスライ ドガラスを置いた。 3 X 3 mmに切り出した小片を乗せ、 更に別のスライ ドガラスで挟んだ。 加重を 1 0 分間加えて、 小片を引き伸ばした。
(3)分散度測定
- 24 - 差替え用紙 (規則 26)
引き伸ばした試料は三菱化学社製画像処理装置 (MKS I P S— 1 000) を 用いて、 直径 7 μ m以上の粒子の面積をカウントした。 観察視野面積と 7 μ πι以 上の粒子総面積から以下の式に従って分散指数を算出した。
分散指数 =粗大粒子総面積/観察視野面積 X 1 00000 その結果、 分散指数は 1 3 3 6であった。
実施例 1 4
実施例 1 3における力一ボンブラックの粒度を 500 μ m〜 1 mmとした以外 は全く同様の操作で分散指数を測定した。 その結果、 分散指数は 1 8 84であつ た。
実施例 1 5
実施例 1 3におけるカーボンブラックの粒度を 250 μ πι〜500 μΐηと した 以外は全く同様の操作で分散指数を測定した。 その結果、 分散指数は 1 1 1 3で ¾>つ 7こ。
実施例 1 6
実施例 1 3における力一ボンブラックの粒度を 1 50 m〜 2 50 mとした 以外は全く同様の操作で分散指数を測定した。 その結果、 分散指数は 1 26 8で めつ 7こ。
実施例 1 7
油研株式会社製炭素鋼金型 (内法 1 5 OmmX 1 5 Οπιπκ 高さ 3 60 mm) に三菱 化学社製カーボンブラック # 4 5 ( 密度 0. 2 1 8 g/cc) を 1 K g入れ、 油研 株式会社製 20 t o n油圧プレス機にセッ トした。 成型圧力 88 kg f Zc mzで加 圧成型し、 成型密度を測定した所 0. 850 g/ccであった。 この力一ボンブラッ ク成型体を粉砕、 分級し、 1〜 2 mmの粒を作製した。 この粒を用いて実施例 1 3と同様の操作で分散指数を測定した。 その結果、 分散指数は 1 1 5 7であった。 実施例 1 8
実施例 1 7における力一ボンブラックの粒度を 500 μ π!〜 1 mmとした以外 は全く同様の操作で分散指数を測定した。 その結果、 分散指数は 1 520であつ た。
実施例 1 9
- 25 -
実施例 1 Ίにおけるカーボンブラックの粒度を 2 50 μ rr!〜 5 00 jumと した 以外は全く同様の操作で分散指数を測定した。 その結果、 分散指数は 1 5 2 0で めつに。
実施例 20
実施例 1 7における力一ボンブラックの粒度を 1 50 μ m〜 2 50 μ mと し 7こ 以外は全く同様の操作で分散指数を測定した。 その結果、 分散指数は 1 4 7 8で あった。
実施例 2 1
(1)成型体の作製
実施例 1 3と同様の操作でカーボンブラック成型体を作製し、 粉砕、 分級した。
(2)着色樹脂の作製
東洋精機製作所製バンバリ一ミキサー (B— 2 50型) に三菱化学社製低密度 ポリエチレン樹脂 (L F 440HA) 1 0 1. 49 g、 C i b a— G e i g y社 製老化防止剤 (ィルガノックス 1 0 1 0) 0. 8 7 g、 ステアリン酸カルシウム 1. 3 9 gと前項で記載したカーボンブラックを粉砕し、 l〜2mmに分級した もの 6 9. 44 gを入れた。
ミキサ一温度を 1 1 5°Cに設定して、 7分間混練し、 カーボンブラック濃度が 40 w t %のマスターバッチを作製した。
この 40%マスタ一バッチ 1. 5 gに三菱化学社製低密度ポリエチレン樹脂 (F 1 20) を 58. 3 gを加え、 1 30°Cに設定した安田精機製作所製 2本口 一ルミル (N o. 1 9 1— TM型) で 1 0分間混練し、 着色榭脂試料を作製した。 着色樹脂試料は、 0. 3 mmの厚みにシート化し、 3 X 3mm角の小片を切り 出した。 24 0°Cに設定したホッ トプレート上にスライ ドガラスを置いた。 3 X 3 mmに切り出した小片を乗せ、 更に別のスライ ドガラスで挟んだ。 加重を 1 0 分間加えて、 小片を引き伸ばした。
(3)分散度測定
実施例 1 3と同様の操作で測定した。
その結果、 分散指数は 3 34であった。
[実施例 22 ]
- 26 - 差替え用紙 (規則 26)
実施例 2 1におけるカーボンブラックの粒度を 500 m〜 1 mmとした以外 は全く同様の操作で分散指数を測定した。 その結果、 分散指数は 34 7であった。
[実施例 23 ]
実施例 2 1における力一ボンブラックの粒度を 25 0 m〜 500 μ mと した 以外は全く同様の操作で分散指数を測定した。 その結果、 分散指数は 327であ つた。
[実施例 24 ]
実施例 1 3におけるカーボンブラックの粒度を 1 50 1 m〜 2 5 mとした以 外は全く同様の操作で分散指数を測定した。 その結果、 分散指数は 34 1であつ た。
[実施例 25 ]
油研株式会社製炭素鋼金型 (內法 1 50瞧 X 1 50mm、 高さ 3 60mm、 ) に三 菱化学社製力一ボンブラックヰ 45 (¾密度 0. 2 1 8 g/cc) を 1 Kg入れ、 油 研株式会社製 20 t o n油圧プレス機にセッ トした。 成型圧力 8 8 kg f /c m2で 加圧成型し、 成型密度を測定した所 0. 850 g/ccであった。 この力一ボンブラ ック成型体を粉砕、 分級し、 l〜2mmの粒を作製した。 この粒を用いて実施例
1 と同様の操作で分散指数を測定した。 その結果、 分散指数は 24 2であった。
[実施例 26 ]
実施例 25における力一ボンブラックの粒度を 500 μ m〜 1 mmとした以外 は全く同様の操作で分散指数を測定した。 その結果、 分散指数は 40 5であった。
[実施例 27 ]
実施例 25における力一ボンブラックの粒度を 2 50 μ m〜 500 / mとした以 外は全く同様の操作で分散指数を測定した。 その結果、 分散指数は 446であつ た。
[比較例 1 3]
三菱化学社製乾式造粒品 # 4 5 Bを 1〜 2mmに分級した。 この粒子を用いて、 実施例 1 3と全く同様の操作で分散指数を測定した。 その結果、 1 7 39であつ た。
[比較例 1 4 ]
- 27 - 差替 え 用紙(規則 26)
三菱化学社製乾式造粒品 # 4 5 Bを粉砕後、 500 μ m〜 1 mmに分級した。 この粒子を用いて、 実施例 1 4 と全く同様の操作で分散指数を測定した。 その結 果、 1 6 76であった。
[比較例 1 5 ]
三菱化学社製乾式造粒品 # 4 5 Bを粉砕後、 2 50 /ζ π!〜 500 /i mに分級し た。 この粒子を用いて、 実施例 1 5と全く同様の操作で分散指数を測定した。 そ の結果、 1 9 53であった。
[比較例 1 6 ]
三菱化学社製乾式造粒品 # 4 5 Bを粉砕後、 1 50 m〜250 /i mに分級し た。 この粒子を用いて、 実施例 1 6と全く同様の操作で分散指数を測定した。 そ の結果、 2 1 1 0であった。
[比較例 1 7 ]
三菱化学社製乾式造粒品 # 45 Bを lmm〜2mmに分級した。 この粒子を用い て、 実施例 1 7と全く同様の操作で分散指数を測定した。 その結果、 553であ つた。
[比較例 1 8 ]
三菱化学社製乾式造粒品 # 4 5 Bを粉砕後、 500 μ IT!〜 1 mmに分級した。 この粒子を用いて、 実施例 1 8と全く同様の操作で分散指数を測定した。 その結 果、 5 30であった。
[比較例 1 9 ]
三菱化学社製乾式造粒品 # 4 5 Bを粉砕後、 2 50 /χπ!〜 500 μ mに分級し た。 この粒子を用いて、 実施例 1 9と全く同様の操作で分散指数を測定した。 そ の結果、 64 6であった。
[比較例 20]
三菱化学社製乾式造粒品 # 4 5 Bを粉碎後、 1 50 μ ιη〜250 μ mに分級し た。 この粒子を用いて、 実施例 20と全く同様の操作で分散指数を測定した。 そ の結果、 734であった。
[比較例 2 1 ]
三菱化学社製湿式造粒品 # 4 5 BWを 1 mm〜2mmに分級した。 この粒子を
- 28 -
:差替え用紙 (規則 26)
用いて、 実施例 2 1 と全く同様の操作で分散指数を測定した。 その結果、 2 1 4 1であった。
[比較例 22]
三菱化学社製湿式造粒品 # 4 5 BWを粉砕後、 500 /z π!〜 1 mmに分級した c この粒子を用いて、 実施例 22と全く同様の操作で分散指数を測定した。 その結 果、 2086であった。
[比較例 23 ]
三菱化学社製湿式造粒品 # 4 5 BWを粉砕後、 250 /i m〜500 μ τηに分級 した。 この粒子を用いて、 実施例 23と全く同様の操作で分散指数を測定した。 その結果、 2 1 6 8であった。
[比較例 24 ]
三菱化学社製湿式造粒品 # 4 5 BWを粉砕後、 1 50 μ ιη〜2 50 に分級 した。 この粒子を用いて、 実施例 22と全く同様の操作で分散指数を測定した。 その結果、 2 30 7であった。
[比較例 25 ]
三菱化学社製湿式造粒品 # 4 5 BWを 1 mn!〜 2 mmに分級した。 この粒子を 用いて、 実施例 25と全く同様の操作で分散指数を測定した。 その結果、 54 1 であった。
[比較例 26 ]
三菱化学社製湿式造粒品 # 4 5 BWを粉碎後、 500 μ m〜 1 mmに分級した。 この粒子を用いて、 実施例 26と全く同様の操作で分散指数を測定した。 その結 果、 584であった。
[比較例 2 7 ]
三菱化学社製湿式造粒品 # 45 BWを粉砕後、 2 50 μ π!〜 500 μ mに分級し た。 この粒子を用いて、 実施例 2 7と全く同様の操作で分散指数を測定した。 そ の結果、 584であった。
実施例 1 3〜 2 7、 比較例 1 3〜 2 7の結果を表 1 1にまとめた。
(塗料への適用 実施例 28〜 3 5)
以下の実施例中、 実施例及び比較例の評価方法として作製した黒色塗料中の力
- 29 - 差替 え 用紙(規則 26)
—ボンブラックの分散性と塗膜の黒色度、 光沢を評価した。
カーボンブラックの分散性に関しては、 所定時間ペイントシユイカーで分散し た塗料のグラインドゲージ測定を実施し、 その値を分散性の指標とした。
グラインドゲージの測定は以下のものである。 『グラインドゲージとは、 鋼の 盤に深さ 0 〜 2 5 X 1 0 _ s mまで変化している 2本の溝を刻んだもので、 最深部 にインキを置き、 スク レーパーで浅い方に引き伸ばし、 粗粒子の直径より浅い所 にできるすじの位置の目盛りから粒度を求める。 』 ( 「色材工学ハンドブック」
P. 1052〜1053 朝倉書店)
塗膜の黒色度に関しては色差計による方法と視感による方法を用いた。
色差計による黒色度の評価は、 J I S Z 8 7 3 0 - 1980 (色差表示方法) の 中のハンターの色差式の L値 (明度指数) を測定し、 L値が小さい試料が、 黒色 度が高いと判断した。
視感による黒色度の測定は以下の方法に従って測定した。 ポリエチレンテレフ タレート (P E T ) フィルムの上に実施例で作製した塗料と比較例で作製した塗 料を並べ、 バーコ一ターで手前に引き伸ばした。 バーコータ一の設定に応じた厚 さの塗膜のができる。 この塗料を塗布した P E Tフィルムを 1 2 0 °Cに設定した 通風乾燥機に 2 0分間入れて、 焼き付けを実施した。 比較例の塗料の黒度を 1 0 点として、 より高い黒色度の試料には大きな数字を与え実施例の塗料の黒度を相 対比較した。
光沢は視感による測定を実施した。 上記の黒色度用に作製した塗膜を約 6 0度 傾け、 光の反射度合いを目視にて測定した。 比較例で作製した塗料を 1 0点とし て、 より高い光沢の試料には大きな数字を与え実施例の塗膜の光沢を相対比較し た。
着色力は以下方法による。
作製した黒色塗料と白色塗料を混合し、 P E Tフィルムに塗布し、 焼き付けし た塗膜を色差計にて L値を測定した。 この結果、 L値が小さい塗料が着色力が高 いと判断した。
実施例 2 8
三菱化成エンジニアリング社製 S U S 3 0 4製金型 (内法 7 O m m X 7 O m m ,
高さ 4 0mm、 ) に三菱化学社製カーボンブラック # 26 50を 30 g入れ、 王 子機械工業株式会社製 3 7 t o n 4本柱単動油圧プレス (ラム直径 1 5 2. 4 m m) にセッ トした。 成型圧力 1 · 9 k gf/c m2で加圧成型し、 成型密度を測定し た所 0. 26 6 g/c cであった。
1 40 c cのマヨネーズ瓶に直径 2. 5〜3. 5 mmの東京ガラス製ガラスビー ズを 9 0 g入れた。 関西ペイント社製メラミンアルキド樹脂ワニス (アミラック 1 02 6) を 1 6 gと関西ペイント社製アミラックシンナー 1 0 gとカーボンブ ラック成型体 3 gを秤量して入れた。
このマヨネーズ瓶をレッ ドデビル社製シングルタイプペイントシェイカ一 (R
C- 500 OA) にセッ トして 1 5分間振とうした。 この黒色ワニスを室温まで 冷却した後、 株式会社上島製作所製グラインドゲージ (型式: R l 1 10) で 0 〜50 μ mの範囲の未分散塊力一ボンブラックの大きさを測定した。 グラインド ゲージの測定結果は 1 5 μ mであった。
更にこのマヨネーズ瓶にァミラック 1 026クリァ一を 50 g入れペイン トシ エイカーで 1 0分間混合し黒色塗料を作製した。
この黒色塗料の一部を分取して (約 l c c) 、 実施例 1の塗料と比較例 1の塗 料を富士フィルム社製 P E Tフィルム (トランシー G 厚さ 1 80 ju m) に約 5 era間隔で乗せ、 東洋精機社製バーコ一ター (No. 24番) で展色した。 この展色 した P ETフィルムを 1 20°Cに設定した池田理化製通風乾燥機 (Automatic Dr ying Oven SS-200N) に 20分間入れ焼き付けを実施した。 この焼き付けした黒色 塗膜の L値を日本電色社製色差計 (Spectro Color Meter SE-2000) で測定した。 L値は 4· 78であった。 また、 比較例 1の塗料黒色度を 1 0として視感にて実 施例サンプルの黒色度を評価した。 黒色度は 1 0+であった。
また、 比較例 1の塗料光沢を 1 0として視感にて実施例サンプルの光沢を評価 した。 評価の基準としては、 「十或いは一は若千の差が認められる、 1 1はやや 良い、 1 2は明らかに良い、 1 3以上は極めて良い」 である。 その結果、 実施例 1の試料は 1 2であった。
次に、 着色力を評価する試料を作製した。 1 4 0 c cのマヨネーズ瓶に関西べ ィント社製白色塗料 (アミラック 1 5 3 1ホワイ ト) を 4 0 g秤量した。 二の中
- 31 - 用紙 (規則 26)
に先程作製した黒色塗料 8 gを入れ、 レツ ドデビル社製ペイントシヱイカーで 2 1分 (7分問 X 3回) 間混合し着色力評価試料とした。 この試料を用いて、 黒色 塗料と同様の操作で PETフィルム上に塗膜を作製し、 日本電色社製色差計で L 値を測定した。 し値は44. 9であった。
実施例 29
実施例 28におけるペイントシエ一力一の振と う時間を 30分にした以外は全 く同じ操作を実施した。 グラインドゲージの測定値は 9 /i m、 黒色塗料の L値は 4. 68、 視感による黒色度は 1 0+、 視感による光沢は 1 1+、 着色力評価試料の L直は 4 1. 7であった。
実施例 30
実施例 28におけるペイン トシエ一力一の振とう時間を 1時間にした以外は全 く同じ操作を実施した。 グラインドゲージの測定値は 7. 5 m、 黒色塗料の L 値は 4. 48、 視感による黒色度は 1 1-、 視感による光沢は 1 2、 着色力評価試 料の L値は 3 9. 5であった。
実施例 3 1
実施例 28におけるペイントシエ一カーの振とう時間を 2時間にした以外は全 く同じ操作を実施した。 グラインドゲージの測定値は 7. 5 111、 黒色塗料の L 値は 4. 23、 視感による黒色度は 1 0+、 視感による光沢は 1 0+、 着色力評価試 料の L値は 3 9. 6であった。
実施例 32
実施例 28における成型圧力を 372 k gf/c m2にした以外は全く同じ操作を 実施した。 その結果、 成型体の成型密度は 0. 84 2 g/c cであった。 また、 こ の力一ボンブラック成型体を用いて作製した塗料を測定した結果、 グラインドゲ —ジの測定値は 1 5 μιη、 黒色塗料の L値は 4. 1 3、 視感による黒色度は 1 1 -、 視感による光沢は 1 5、 着色力評価試料の L値は 3 9. 7であった。
実施例 3 3
実施例 3 2におけるペイントシエ一カーの振とう時間を 30分にした以外は全 く同じ操作を実施した。 グラインドゲージの測定値は 7. 5 m、 黒色塗料の L 値は 4. 3 3、 視感による黒色度は 1 1、 視感による光沢は 1 2、 着色力評価試料
- 32 - 差替え用紙 (規則 26)
の L値は 39. 0であった。
実施例 34
実施例 32におけるべィントシェーカーの振とう時問を 1時問にした以外は全 く同じ操作を実施した。 グラインドゲージの測定値は 7. 5 /zm、 黒色塗料の L 値は 4. 1 9、 視感による黒色度は 1 3、 視感による光沢は 1 3、 着色力評価試料 の L値は 38. 3であった。
実施例 35
実施例 32におけるペイン トシエーカーの振とう時間を 2時間にした以外は全 く同じ操作を実施した。 グラインドゲージの測定値は 8. 0 m、 黒色塗料の L 値は 3. 96、 視感による黒色度は 12、 視感による光沢は 1 1、 着色力評価試 料の L値は 38. 3であった。
比較例 28
実施例 28で使用したカーボンブラック成型体の代わりに、 三菱化学社製力一 ボンブラック # 2650 ( 密度 0. 077 g/c c) を使用した以外は実施例 2 8と全く同じ操作を実施した。 グラインドゲージの測定値は 1 7 /im、 黒色塗料 の L値は 4. 83、 着色力評価試料の L値は 45. 8であった。 視感による黒色 度と光沢は基準の 1 0とした。
比較例 29
実施例 29で使用したカーボンブラック成型体の代わりに、 三菱化学社製力一 ボンブラック # 2650 (嵩密度 0. 077 g/c c) を使用した以外は実施例 2 9と全く同じ操作を実施した。 グラインドゲージの測定値は 10 μ m、 黒色塗料 の L値は 4. 76、 着色力評価試料の L値は 41. 9であった。 視感による黒色 度と光沢は基準の 10とした。
比較例 30
実施例 30で使用した力一ボンブラック成型体の代わりに、 三菱化学社製カー ボンブラック # 2650 (嵩密度 0. 077 g/c c) を使用した以外は実施例 1 と全く同じ操作を実施した。 グラインドゲージの測定値は 7. 5 ^ m, 黒色塗料 の L値は 4. 50、 着色力評価試料の L値は 39. 7であった。 視感による黒色 度と光沢は基準の 1 0とした。
- 33 - 替 え 用紙 (規則 26)
比較例 3 1
実施例 3 1で使用したカーボンブラック成型体の代わりに、 三菱化学仕製カー ボンブラック # 2650 (嵩密度 0. 077 g/c c) を使用した以外は実施例 4 と全く同じ操作を実施した。 グラインドゲージの測定値は 8. 0 im、 黒色塗料 の L値は 4. 23、 着色力評価試料の L値は 39. 7であった。 視感による黒色 度と光沢は基準の 10とした。
比較例 32
実施例 32で使用したカーボンブラック成型体の代わりに、 三菱化学社製カー ボンブラック乾式造粒品 # 2650 B (嵩密度 0. 463 g/c c) を使用した以 外は実施例 32と全く同じ操作を実施した。
グラインドゲージの測定値は 1 9 μ m、 黒色塗料の L値は 4. 35、 着色力評 価試料の L値は 43. 4であった。
比較例 33
実施例 33で使用したカーボンブラック成型体の代わりに、 三菱化学社製カー ボンブラック乾式造粒品 # 2650 B (嵩密度 0. 463 g/c c) を使用した以 外は実施例 33と全く同じ操作を実施した。
グラインドゲージの測定値は 7. 5 / m、 黒色塗料の L値は 4. 46、 着色力 評価試料の L値は 40. 4であった。 視感による黒色度と光沢は基準の 1 0とし た。
比較例 34
実施例 34で使用したカーボンブラック成型体の代わりに、 三菱化学社製カー ボンブラック乾式造粒品 # 2650 B (寓密度 0. 463 g/c c) を使用した以 外は実施例 34と全く同じ操作を実施した。
グラインドゲージの測定値は 7. 5 /zm、 黒色塗料の L値は 4. 29、 着色力評 価試料の L値は 38. 6であった。 視感による黒色度と光沢は基準の 10と した。 比較例 35
実施例 35で使用した力一ボンブラック成型体の代わりに、 三菱化学社製カー ボンブラック乾式造粒品 # 2650 B (嵩密度 0. 463 g/c c) を使用した以 外は実施例 8と全く同じ操作を実施した。
- 34 - 着替 え 用紙 (規則 26)
グライン ドゲージの測定値は 9. 0 μ τη, 黒色塗料の L値は 4. 0 1、 着色力 評価試料の L値は 3 8. 6であった。 視感による黒色度と光沢は基準の 1 0 と し た。
これらの実施例と比較例の結果を表 1 2に示した。
実施例 2 8〜 3 5の全試料の黒色度、 光沢、 着色力は、 対応する比較例試料に 比べて、 同等以上の性能を有している。
(ゴムへの適用 実施例 3 6〜 3 8 )
実施例 3 6
油研株式会社製炭素鋼 (S S 4 0 0 ) 製金型 (内法 1 5 0瞧 X 1 5 0mm、 高さ 3 6 0隱) に三菱化学社製力一ボンブラック D I A— I (未造粒品) (嵩密度 0. 1 6 9 g/cc) を 5 0 0 g入れ、 油研株式会社製 2 0 t o n油圧プレスにセッ トし た。 成型圧力 8 8. 9kg f / c m2で加圧成型し、 成型密度を測定した所 0. 5 2 2 g/ccであった。
このカーボンブラック成型体を表 1 3に示す配合で、 バンバリ一ミキサー及び オープンロールミキサーで混合してゴム組成物を調整した。 これらのゴム組成物 を 1 6 0°Cでプレス加硫し加硫ゴム試験片を作製した。 以下の試験方法で各試験 を行い、 その物性を測定した。
(1)損失係数
損失係数 ( t a η δ ) は (株) レオロジ製 「DV Eレオスぺク トラー」 を 用いて次の条件で測定した。
静的歪み 1 0 %、 動的歪み (振幅) 2 %、 周波数 1 0 H z、 測定温度 6 0 。C
(2)発熱性
発熱性は、 (株) 上島製作所製グッ ドリ ッチ · フレキソメーターを用い、 次の条件で測定した。
試験温度 3 5 、 荷重 2 4ボンド、 試験時間 2 5分
(3)ゴム中での補強粒子分散度 (D%) ; カーボンブラックの分散度測定法
A S TM D 2 6 6 3— B法 (凝集塊カウン卜法) に準拠した。 即ち、 力 0 硫ゴムをスレツジ型ミクロ トーム (L e i t Z社製) で薄膜にスライス し、
- 35 - 差替え用紙 (規則 26)
光学顕微鏡で配合物中の 5 μ m以上の補強粒子 (カーボンブラック) 凝集 塊占める総断面積を測り、 配合物に加えた補強粒子の総断面積 (計算値) から 5 μ m以下に分散している補強粒子のパーセン トを求め、 分散度 (D %) とした。
その結果、 60°Cにおける損失係数が 0. 1 39、 発熱性が 3 1. 0°C、 D%が 99. 2%であった。 表 14にまとめた。
実施例 37
実施例 36において力一ボンブラックを三菱化学製 D I A-H (未造粒品) (嵩密度 0. 1 92 g/cc) にした以外は全く同様の操作で力一ボンブラック成型 体を作製した。
成型圧力 88. 9 kg f /cm2で加圧成型し、 成型密度を測定した所 0. 491 g/ccであった。 また、 実施例 36と全く同様の操作でゴム試験を実施した。
その結果、 60°Cにおける損失係数が 0. 107、 発熱性が 26. 0°C、 D%が 99. 6 %であった。
実施例 38
実施例 36においてカーボンブラックを三菱化学製 D I A— G (未造粒品) (嵩密度 0. 1 92 g/cc) にした以外は全く同様の操作でカーボンブラック成型 体を作製した。
成型圧力 88. 9kg f Zcm2で加圧成型し、 成型密度を測定した所 0. 639 g/ccであった。 また、 実施例 36と全く同様の操作でゴム試験を実施した。
その結果、 60°Cにおける損失係数が 0. 058、 発熱性が 1 7. 0°C、 D%が 99. 9%であった。
比較例 36
実施例 36においてカーボンブラックを三菱化学製 D I A— I (ビーズ) (嵩 密度 0. 35 1 g/cc) にした以外は全く同様の操作でゴム試験を実施した。 その結果、 60°Cにおける損失係数が 0. 1 52、 発熱性が 35. 0°C、 D%が 95. 4 %であった。
比較例 37
実施例 37においてカーボンブラックを三菱化学製 D I A— H (ビーズ) (嵩
- 36 - 差巷え用紙 (規則 26)
密度 0. 352 g/cc) にした以外は全く同様の操作でゴム試験を実施した。 その結果、 60°Cにおける損失係数が 0. 1 23、 発熱性が 29. 0 :、 D%が 97. 3 %であった。
比較例 38
実施例 36においてカーボンブラックを三菱化学製 D I A— G (ビーズ) (嵩 密度 0. 445 g/cc) にした以外は全く同様の操作でゴム試験を実施した。 その結果、 60°Cにおける損失係数が 0. 065、 発熱性が 1 9. 0°C、 D% が 98. 0 %であった。
(結果の考察)
上記の実施例及び比較例から明らかにように、 、 本発明の力一ボンブラック加 圧成型体を使用して製造したゴムは、 高分散性、 低損失、 低発熱性を示す。
一 37 差巷 m 相日 II ^
芙施 I Άび比較 Iに使用した カーホ ンフラ j ク
½子¾ D B 由] gj
品潘
s 1
j
71 1 . に' 三 *化
フ ラ
1 " 1 o . o a ! ン
5 j ;
1 o ^ ί . 1 8
38 -
差巷え用紙 (規目 1126)
2 = 4 5
- 39 差替え用紙 (規則 26)
表 4 = 9 9 0
圧力 成 度 密度比 ィン yi 粉化率
コンパク 卜 '主 分 K性 合判定 / cm . - '
比較例 3一 }
1.0 0 100 X 〇 X 雄!'列 3一 2 2.7 0.2; △ 〇 〇 議 2一 3 , 3. 345 3.9 δ. 9 17 〇 〇 ◎
¾½ί列 3 - 4 25. } 0. 0 5.1 ! 4. 〇 0 ◎ 真施例 3一 5 3 . 3 0.509 5.7 36. 3 一 〇 〇 ◎ 編 'J 3 - 5 ί 02. ^ 0. 5 ;3 6.3 : 一 〇 〇 ◎ 臭 例 3 一 7 0.5 '· 6.8 3 D. : 〇 〇 ◎ 芙施例 3一 3 2 " . 3 0. c3i 7.7 U. ; 〇 △ 〇 実施例 3一 9 0. 75'〕 8.5 77, j 〇 A 〇 比較例 3 - 1 0 0. 303 3.4 5 △ X X 比較例 3 - 1 1
(大気圧) 2.4 42 X
(滅圧 · 圧品) 0.212 0 〇 X
表 5 = 2 3 0 0
40 差替え用紙 (規貝 IJ26)
表 6 MA 8
- 41 - 差替え用紙 (規貝 IJ26)
10〃miiJ下にする為に必要 成形 ΙΞ力 ¾®度 な口 ルミルの通過回数
½柄 m
kgf cnt 3 cc 回 実施例 C F 9 成型休 0.530
C卜— 9 成 Si小' 162 0.766 4 荬½例 C F 3 1 18.6 0.437 1 実施例 |0 C F 3 1 372 0.531 2
実繊 11 M A 7 7.4 0.5Ί8 3 実施例 1 A 7 成型体 149 0.748 2
- 42 差替え用紙 (規則 26)
°i 比較例
- 43 - -z m (相 siiっ
11 実施例及び比較例
- 4
表 13 実施例及び比較例
46
差替 え 用紙 (規則 26)
配合割合
i実施例 2 6実施例^ 実施例 比較例^ 6 I比較例:^比較例^ 力一ボンフラッ ク
, DIA-I , DIA-H DIA-G DIA-I DIA-H DIA-G の種類 I
力一ボンブラッ ク
体 jiii.iaiJinn
の ¾ (ヒ - a 成型 -ズ) iusS
天然ゴム * 1 ( 100 100 100 100 100 100
C B * 2 50 50
C B * 3 50 50
C B * 4 50 50 亜鉛華 5 5 5 5 5
5
ステアリン酸 3 3 3 3 3
3
老化防止剤 * 5 1 1 1 ί 1 硫黄 2. 2 2 ; 2 2
2
加 促進剤 * 6 0.7 0.7 0.7 ! 0.7 0.7 0.7 合計 161.7 161.7 161.7 161.7 161.7 161.7
* 1 ) S R— L
* 2 ) D I A - I
* 3 ) D I A— H
* 4 ) D I A— G
* 5 ) N-(1 ,3-dimethylbutyl)-N'-phenylenediamine;Santof!ex13(Monsanttt ¾)
* 5 ) N-Cyclohexy卜 2-benzothiazylsuifenamide;ノクセラ-CZ (大内新興ネ土 )
- 47 差替 え 用紙 (規則 26)
産業上の利用可能性
本発明により、 カーボンブラックの基本特性を損なうことなく、 コンパク ト性 に優れ、 取り扱いに適した力一ボンブラック加圧成型体を得る。 更に、 このカー ボンブラック加圧成型体は、 成型前に比較して漆黒度が向上したものとすること もできる。
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