JP3525646B2 - カーボンブラック含有ゴム組成物 - Google Patents

カーボンブラック含有ゴム組成物

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JP3525646B2 JP27077896A JP27077896A JP3525646B2 JP 3525646 B2 JP3525646 B2 JP 3525646B2 JP 27077896 A JP27077896 A JP 27077896A JP 27077896 A JP27077896 A JP 27077896A JP 3525646 B2 JP3525646 B2 JP 3525646B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然ゴムあるいは
合成ゴムにカーボンブラックを配合してなるゴム組成物
に関する。特に、特定形態のカーボンブラックを使用す
ることにより、ゴム中のカーボンブラックの分散性が高
く、低発熱性、低損失係数(低tanδ)のゴムを作製
することができる技術に関するものである。また、配合
されるカーボンブラックの形態は密度が大幅に向上した
ものであり、カーボンブラック自体の輸送・貯蔵コスト
を大幅に削減できる上、カーボンブラック使用時の大き
な問題であった発塵による環境汚染が大幅に低減でき
る。
【0002】
【従来技術】ゴム組成物、特にタイヤ用ゴム組成物とし
ては、天然ゴム(NR)、スチレンーブタジエン共重合
体ゴム(SBR)、およびポリブタジエンゴム(BR)
などのゴムと、これらのゴムに対する補強充填材料とし
てのカーボンブラックとの配合物が従来から用いられて
いる。1915年、イギリスのタイヤメーカーが色を付
けて他の銘柄と区別することを考えた。そして偶然、カ
ーボンブラックを添加したタイヤの耐摩耗性が飛躍的に
改善されることを発見した。それ以来、ゴムの種類や
量、カーボンブラックの種類、特性や配合量、さらには
配合するオイルの種類や量などを適当な配合にすること
によりタイヤ用ゴムの混合加工性、ゴム弾性、発熱性、
耐摩耗性、その他の機械的な性質などの種々の特性の改
良が図られている。
【0003】特に近年、省エネルギーの観点から、タイ
ヤの転がり抵抗の改善がクローズアップされ、様々な改
良が提案されている。例えば服部六郎著「タイヤの話」
(大成社)の転がり抵抗の項(P.67)には以下の様な解
説がなされている。『一般の乗用車などで一般の平坦な
道路を時速60Kmで走行している場合、タイヤの転がり
抵抗が自動車の全抵抗に占める割合はほぼ50%程度に
もなっている。タイヤの転がり抵抗が、自動車の走行性
能や燃費にいかに大きな意味を持っているかがよくわか
るであろう。タイヤの転がり抵抗は次の3つの要素から
なるものと考えられる。
【0004】すなわち、 (1)タイヤが転動するときに発生する各部分の繰り返し
変形に伴う損失によるもの (2)タイヤの接地面内での路面とタイヤの間の摩擦によ
るもの (3)タイヤが回転しつつ進行するときの空気抵抗による
もの である。これら3成分の比率は走行速度にもよるが大よ
そ(2)の摩擦成分が5〜10%、(3)の空気抵抗成分が1
〜3%といわれており、残りは繰り返し変形による損失
で占められている。すなわち転がり抵抗の大部分は、タ
イヤ構造部分に発生するヒステリシスロスによるもの
で、最終的には熱としてタイヤの温度を上昇させ、結局
は外界に放散される。』
【0005】以上の記載からも明らかなように、ゴム製
品、特にタイヤ用途において極めて重要なファクターで
ある転がり抵抗、引いてはヒステリシスロスの低減につ
いては以前から様々な試みがなされてきた。例えば、ゴ
ムに配合されるカーボンブラックの基本骨格を改良する
試みがある 開昭54−13459号公報、特公昭
58−46259号公報では特定の圧縮DBPを有する
カーボンブラックを用いている。
【0006】また、カーボンブラックの凝集体に着目し
た試みもある。例えば特開平6−136288号公報や
特公平6−37581号公報では凝集体(アグリゲー
ト)径の最多頻度値の特定をしたカーボンブラックを用
いている。特開平6−207052号公報、特公平6ー
37594号公報では凝集体分布を規定したカーボンブ
ラックを用いている。特公平6−37582号公報、特
公平6−41540号公報では凝集体空孔を特定したカ
ーボンブラックを用いている。特開平5−179065
号公報では3μm以上の異物が少ないカーボンブラック
を使用することが、特公平5−18339号公報では低
温プラズマ処理によりカーボンブラック表面にフェノー
ル性水酸基を増加させカルボキシル基を少なくすること
が、特開平5−98074号公報では発熱改良剤を添加
することが記載されている。
【0007】また、ゴム用カーボンブラックの造粒方法
に関する試みもある。例えば、特公平6−89269号
公報ではカーボンブラックを湿式造粒する際に水溶性非
イオン系界面活性剤を添加することが、特開平4−11
664号公報ではポリオキシエチレン型非イオン界面活
性剤を添加して造粒することが記載されている。また、
特開平7−3079号公報では予めカーボンブラックを
添加油と混練した後にゴムと混合することが記載されて
いる。以上説明した従来技術によっても、低燃費タイヤ
に対する要求への対応が十分なレベルに達してはいな
い。また、これらのうち一部の技術は、工業的に採用す
るにはコスト的に疑問視されるものもある。一方、低燃
費タイヤに対する品質要求はますます高度化しており、
何らかの対応が迫られている。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは上記
課題を解決すべく鋭意研究を重ねた所、特定圧力で加圧
成型したカーボンブラックをゴム成分と配合することに
より、損失係数や発熱量が少ないゴムを製造できること
を見出した。すなわち、本発明は天然ゴム及び合成ゴム
より成る群の中から選ばれた少なくとも1種のゴム10
0重量部に、2〜100 kgf/cm2で加圧成型さ
れたカーボンブラック30〜200重量部を配合、混合
て成るカーボンブラック含有ゴム組成物に存す
る。かかる本発明により、カーボンブラックの湿式造粒
では避けることが困難な粒子内の密度むらが無く、所望
の硬さを有するカーボンブラック成型体を、成型時の圧
力を適切に設定するだけで任意に得ることができる。本
発明によりゴム中のカーボンブラックの分散が向上する
ため、低発熱性、低損失のゴムを製造することができ
る。かかる本発明は、基本的にカーボンブラックの基本
構造や凝集状態には影響を受けない。また、カーボンブ
ラックを湿式造粒する際の膨大なエネルギーや巨大な装
置も必要とせず、特殊なあるいは高価な処理や機械も必
要ではない。本発明により、極めて安価且つ効果的に高
特性のゴム組成物を得ることができる。更に、用いられ
るカーボンブラックの密度が大幅に向上しているため、
輸送・貯蔵に要する経費を大幅に削減できる。また、カ
ーボンブラック使用に際して重大且つ解決困難な問題で
あった粉塵発生による環境汚染も解決するに至った。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明においては、カーボンブラックを加圧成型
して加圧成型体とする。加圧成型に供されるカーボンブ
ラックとしては、従来よりゴムに配合するのに用いられ
るものが制限なく使用でき、例えばファーネス法で製造
したカーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブ
ラック、チャネルブラック、ケッチェンブラック、等が
挙げられる。また、これらのカーボンブラックを酸化処
理したもの、或いは表面処理したもの、あるいはこれら
の造粒品をも用いることができる。これら種々のカーボ
ンブラックを目的とするゴム組成物の特性に応じて適宜
選択すれば良い。
【0010】なお上記の各カーボンブラックのうち特
に、ファーネス法で製造したファーネスブラックを用い
た場合、その分散性の保持に極めて顕著な効果を発揮す
る。更に、得られるゴム組成物の低ヒステリシスロス効
果も大きなものとなる。また、これら各種のカーボンブ
ラックを各種の酸化剤等で後処理したものを使用するこ
ともできる。これら各種のカーボンブラックの粉末状、
顆粒状のものを特に制限なく使用することができる。こ
の場合の顆粒状のものとしては、通常の湿式造粒、乾式
造粒で得られる造粒物の他、例えば特開平2−1428
58号公報、特開平3−193129号公報に記載され
ているようにローラーコンパクタ等を用いて得られるフ
レーク状カーボンブラックでもよい。
【0011】なお、本発明ではこれら種々の形態のカー
ボンブラックのうち好ましくは造粒していたな粉末状の
ものが好ましい。ゴム成分への分散性に優れ、低ヒステ
リシスロスのゴム組成物を得ることができるからであ
る。カーボンブラックの粒子径は、特に制限されない
が、特に1〜60nm、就中1〜50nmの小粒子径の
範囲で分散性、ハンドリング性向上の効果が高いものと
なる。かかる範囲の微細な粒子径を有するカーボンブラ
ックは、カーボンブラック同士の凝集性が強く、塗料を
製造する際に分散が特に困難であった。これらの分散が
困難なカーボンブラック程、本技術の利点が大いに発揮
できるという利点も挙げられる。
【0012】本発明においては、これらカーボンブラッ
クを加圧して成型する。この際使用する型としては、成
型時の印加圧力に耐えうる強度を有していれば如何なる
材質の型でもよい。例えば金属製の型としてはSUS3
04、SUS316等のステンレス製金型、炭素鋼性金
型、タングステンカーバイド等の超鋼等が使用できる。
又、樹脂製型としては、ポリ四フッ化エチレン(PTF
E)(商標:「テフロン」)、ポリ三フッ化塩化エチレ
ン(PCTFE)、ポリ四フッ化エチレン・六フッ化プ
ロピレン(FEP)等のフッ素系樹脂製型、ナイロン、
ポリエチレン、ポリカーボネイト、フェノール樹脂等の
プラスチック類、更に複合材料としてCFRP、GFR
P等のFRP、セラミックス製型としては、アルミナ、
ジルコニア、ムライト等が使用挙げられる。成型に用い
る型を、摺動可能なものとすることにより、加圧成型を
容易に行うことができる。
【0013】型の大きさは制限されないが、実用的には
1cc以上、好ましくは100cc以上のものが挙げら
れる。1cc未満では得られるカーボンブラックの輸送
が煩雑となるためである。また、必要に応じて、大型の
成型体を作製し、これを適当な大きさに切断し、その集
合体として輸送・使用してもよい。得られる成型体の体
積が1cc以上となるのが、取扱いに際して適切であ
る。加圧に使用するプレス機としては、油圧機械式プレ
ス機等の機械プレス機、油圧ハンドプレス機、機械式プ
レス機、エアーシリンダー式プレス機、乾式ラバープレ
ス機、湿式ラバープレス機、フレーム式ラバープレス
機、ブリーチ式ラバープレス機、ラバーパッド粉末成型
プレス機等、粉体を加圧できるものであれば特に制限さ
れない。
【0014】型の形状も特に制限されず、所望の成型体
の形状にしたがって、三角形あるいはその他の多角形の
断面を有する柱状体、特に立方体あるいは直方体の成型
体とすることができ、カーボンブラックの取り扱いの点
からも好適である。カーボンブラックを上述の型に入
れ、加圧することにより成型する。加圧成型時の圧力
(成型圧力)は、2〜1000Kgf/cm2 、好ましくは2
〜500Kgf/cm2、特に好ましくは5〜400Kgf/cm2
するのがよい。成型圧力が2Kgf/cm2を下回ると、コン
パクト性が低下、粉化率が増加する傾向にある。
【0015】一方、成型圧力が1000Kgf/cm2よりも
高い場合、通常の塗料等の製造時に使用される分散機で
は、分散性が十分でないことがある。一方、これ以上圧
力を高くしてもコンパクト性向上の効果は殆ど得ること
ができない。このため、塗料を工業的に製造する際に顔
料として使用するカーボンブラック成型体としては、1
〜500Kgf/cm2で加圧成型するのが適当である。得ら
れる成型体の密度を、用いるカーボンブラックのDBP
吸油量及び粒子径に対して以下の関係にある範囲とする
のが望ましい。
【0016】すなわち、密度ρ(g/cc)を、 ρ=8.190×10-3D−3.824×10-3L+
0.516 以上、 ρ=3.265×10-3D−3.334×10-3L+
1.173 以下、とするのがよい。より好ましくは、 ρ=8.686×10-3D−4.031×10-3L+
0.543 以上、 ρ=3.123×10-3D−3.189×10-3L+
1.072 以下、が特によい。なお、ここで成型体の密度とは、成
型体の質量を成型体の体積で割って得た値である。
【0017】上記の各式において、D(nm)はカーボ
ンブラックの電子顕微鏡による算術平均粒子径、L(m
l/100g)とする)はDBP吸油量である。ここ
で、DBP吸油量は、JIS K6221−1982に
準拠した方法で測定した値である。また、カーボンブラ
ックの粒子径は、以下に示す方法による測定値である。
カーボンブラックをクロロホルムに投入し200KHz
の超音波を20分間照射し分散させた後、分散試料を支
持膜に固定する。これを透過型電子顕微鏡で写真撮影
し、写真上の直径と写真の拡大倍率により粒子径を計算
する。この操作を約1500回にわたって実施し、それ
らの値の算術平均により求める。
【0018】密度を上記の範囲とした場合、ビヒクルで
あるゴムへの分散性等カーボンブラックの基本特性を損
なうことなく、取り扱い性に優れた成型体とすることが
できる。すなわち、密度が上記範囲より小さい場合には
ハンドリング性、粉立ち防止効果が十分ではない場合が
ある。一方、密度が上記範囲より大きい場合には、ハン
ドリング性、粉立ち防止効果が更に向上する割合は少な
く、またビヒクルへの分散性も低下する傾向にある。
【0019】なお、本発明で用いる加圧成型されたカー
ボンブラックは、粉化率が40%以下、より好ましくは
20%以下としたものが特に好ましい。粉化率として
は、以下の測定方法で求めることができる。カーボンブ
ラック加圧成型体を25±1g(W)まで精秤し、JI
S K−6221に準拠した直径200mm、目開き1
mmの篩に入れる。この篩に受皿と蓋とを取付け、JI
S K−6221に準拠した震盪機で20秒間打撃を与
えながら震盪する。震盪機から受皿を取り外し、受皿中
のカーボンナブラックの重量を0.01gまで精秤し、
これを震盪後の重量(WR)とし、次式によって粉化率
を算出する。
【0020】粉化率(%)=(WR/W)×100 粉化率を40%以下とすることにより、輸送中に成型体
に加わる振動や摩擦等の外力による粉化を防止でき、ハ
ンドリング性が特に優れたものとなる。また、加圧成型
に供される粉状又は顆粒状カーボンブラツクの嵩密度と
カーボンブラツク成型体の密度との比(以下、「嵩密度
比」ともいう。)が2.5〜8倍、より好ましくは3〜
7倍とするのが良い。この嵩密度比が2.5よりも低い
場合、成型体のコンパクト性が低下する傾向にある。一
方、嵩密度比が8を超えると、分散性が低下する傾向に
ある。嵩密度比が2.5以上8以下とすれば、コンパク
ト性とビヒクルへの分散性とが同時に極めて好ましい範
囲で満足される。
【0021】以上説明した加圧成型されたカーボンブラ
ックをゴム成分に配合し、混合分散してカーボンブラッ
ク含有ゴム組成物とする。ここでの混合分散方法も特に
限定されず公知の方法を採用できるが、加圧成型された
カーボンブラックは成型に使用した型から取り出したま
まの大きさで使用しても、混練機の投入口の大きさ以下
とするために直径0.1mm〜1cm程度に解砕したも
のを混練機に投入してもよい。解砕したものを用いて
も、分散性向上、低ヒステリシスロス効果は発揮するこ
とができる。ここで解砕方法も特に限定されないが、例
えば、カッティングミル、ロータリークラッシャー、剪
断ロールミル等の剪断粉砕型粉砕機を使用すれば、粉砕
時に粒子の密度が圧密されることがないので、好適であ
る。
【0022】本発明で用いられるゴム成分は特に限定さ
れない。すなわち天然ゴム及び合成ゴムの一種以上であ
ればよく、これと上記の加圧成型されたカーボンブラッ
クとを配合して、混合分散してゴム組成物を得る。この
際、配合量は、ゴム100重量部に対して30〜200
重量部、好ましくは30〜150重量部が適当である。
これにより、損失係数や発熱量の少ないゴムとすること
が可能である。
【0023】この際使用されるゴムも特に限定されず、
例えば、合成ゴムとしてスチレンブタジエンゴム(SB
R)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(I
R)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルブタジエン
ゴム(NBR)、イソブチレンイソプレンゴム(II
R)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、シリコーン
ゴム、フッ素ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン(C
SM)、塩素化ポリエチレン(CM)、多硫化ゴム、ウ
レタンゴム(AU)、アクリルゴム(ACM)、エピク
ロルヒドリンゴム(ECO)、プロピレンオキシドゴム
(PO)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、
液状ゴム、ポリアルキレンスルフィド、ニトロソゴム等
が、天然ゴム、上記ゴムの混合物が挙げられる。更に、
必要に応じて、加硫剤、架橋剤、加硫促進剤、加硫促進
助剤、活性剤、分散剤、加硫遅延剤、老化防止剤、カー
ボンブラック以外の補強剤や充填剤、軟化剤、可塑剤、
粘着付与剤、着色剤、硬化剤、発泡剤、滑剤、溶剤、界
面活性剤、乳化剤、安定剤、湿潤剤、増粘剤、凝固剤、
ゲル化剤、クリーミング剤、防腐剤、消泡剤等を加える
こともできる。
【0024】上記ゴム成分に本発明のカーボンブラック
加圧成型体を添加し混練してゴム組成物とする。ここで
使用する混練機としては通常ゴムの混練機として使用さ
れているものでよく、例えば、バッチ式開放型ではロー
ルミキサー、バッチ式密閉型ではバンバリータイプミキ
サー、連続スクリュー式では、単軸混練押出機、2軸混
練押出機、連続ローター式では単軸混練機、連続ロータ
ー式では2軸混練機が挙げられる。また、カーボンブラ
ック含有ゴム組成物の調製にあたっては、直接目的とす
る組成で配合することも出きるが、予めカーボンブラッ
クマスターバッチを調製して使用することも勿論差し支
えない。
【0025】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。 [実施例1] 油研(株)製炭素鋼(SS400)製金型(内法150
mm×150mm、高さ360mm)に三菱化学(株)
製カーボンブラック「DIA−I」(未造粒品)(嵩密
度0.169g/cc)を500g入れ、油研(株)製
20ton油圧プレスにセットした。成型圧力88.
kgf/cm2で加圧成型し、得られた成型体の密度を
測定した所0.522g/ccであった。
【0026】このカーボンブラック成型体を表1に示す
配合で、バンバリーミキサー及びオープンロールミキサ
ーで混合してゴム組成物を調整した。これらのゴム組成
物を160℃でプレス加硫し加硫ゴム試験片を作製し
た。以下の試験方法で各試験を行い、その物性を測定し
た。 (1) 損失係数 損失係数(tanδ)は(株)レオロジ製「DVEレオ
スペクトラー」を用いて次の条件で測定した。静的歪み
10%、動的歪み(振幅)2%、周波数10Hz、測定
温度60℃
【0027】(2) 発熱性 発熱性は、(株)上島製作所製「グッドリッチ・フレキ
ソメーター」を用い、次の条件で測定した。試験温度3
5℃、荷重24ポンド、試験時間25分 (3) ゴム中での補強粒子分散度(D%);カーボンブ
ラックの分散度測定法ASTM D2663−B法(凝
集塊カウント法)に準拠した。即ち、加硫ゴムをスレッ
ジ型ミクロトーム(Leitz社製)で薄膜にスライス
し、光学顕微鏡で配合物中の5μm以上の補強粒子(カ
ーボンブラック)凝集塊の占める総断面積を測り、配合
物に加えた補強粒子の総断面積(計算値)から5μm以
下に分散している補強粒子のパーセントを求め、分散度
(D%)とした。その結果、60℃における損失係数が
0.139、発熱性が31.0℃、D%が99.2%で
あった。表2にまとめた。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】[実施例2] 実施例1においてカーボンブラックを三菱化学(株)製
「DIA−H」(未造粒品)(嵩密度0.192g/c
c)にした以外は全く同様の操作でカーボンブラック成
型体を作製した。成型圧力88. kgf/cm2で加
圧成型し、得られた成型体の密度を測定した所0.49
1g/ccであった。また、実施例1と全く同様の操作
でゴム試験を実施した。その結果、60℃における損失
係数が0.107、発熱性が26.0℃、D%が99.
6%であった。
【0031】[実施例3] 実施例1においてカーボンブラックを三菱化学(株)製
「DIA−G」(未造粒品)(嵩密度0.192g/c
c)にした以外は全く同様の操作でカーボンブラック成
型体を作製した。成型圧力88. kgf/cm2で加
圧成型し、得られた成型体の密度を測定した所0.63
9g/ccであった。また、実施例1と全く同様の操作
でゴム試験を実施した。その結果、60℃における損失
係数が0.058、発熱性が17.0℃、D%が99.
9%であった。 [比較例1] 実施例1においてカーボンブラックを三菱化学(株)製
「DIA−I」(ビーズ)(嵩密度0.351g/c
c)にした以外は全く同様の操作でゴム試験を実施し
た。その結果、60℃における損失係数が0.152、
発熱性が35.0℃、D%が95.4%であった。
【0032】[比較例2]実施例2においてカーボンブ
ラックを三菱化学(株)製「DIA−H」(ビーズ)
(嵩密度0.352g/cc)にした以外は全く同様の操
作でゴム試験を実施した。その結果、60℃における損
失係数が0.123、発熱性が29.0℃、D%が9
7.3%であった。[比較例3]実施例1においてカー
ボンブラックを三菱化学(株)製「DIA−G」(ビー
ズ)(嵩密度0.445g/cc)にした以外は全く同様
の操作でゴム試験を実施した。その結果、60℃におけ
る損失係数が0.065、発熱性が19.0℃、D%が
98.0%であった。
【0033】
【発明の効果】実施例と比較例の比較からも明らかなよ
うに、本発明により加圧成型したカーボンブラックを使
用して製造したゴム組成物は、高分散性、低損失、低発
熱性を示す。さらにこれらの物性間のバランスは、成型
体の密度により制御することができる。更に、従来より
カーボンブラックの使用に際して大きな問題であった輸
送・貯蔵コストの低減、ゴム混練時の粉塵発生による環
境汚染の防止という課題も解決するに至っているため、
ゴム製造に際して工業的に極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−142858(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 7/00 - 21/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然ゴム及び合成ゴムより成る群の中か
    ら選ばれた少なくとも1種のゴム100重量部に、2〜
    1000kgf/cm2で加圧成型されたカーボンブラ
    ック30〜200重量部を配合、混合分散して成るカ
    ーボンブラック含有ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 5〜400kgf/cm 2 の成型圧力で
    成型されたカーボンブラックを配合することを特徴とす
    る請求項1記載のカーボンブラック含有ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 密度ρ(g/cc)が、 8.190 × 10 -3 D 3.824 × 10 -3 L 0.516 ≦ρ≦ 3.265 × 10 -3
    D 3.334 × 10 -3 L 1.173 (ここにDはカーボンブラックの電子顕微鏡による算術
    平均粒径(nm)、LはカーボンブラックのDBP吸油
    量(ml/100g)である)となるように加圧成型さ
    れたカーボンブラックを配合することを特徴とする請求
    項1又は2記載のカーボンブラック含有ゴム組成物。
  4. 【請求項4】 嵩密度比が2.5〜8倍となるように加
    圧成型されたカーボンブラックを配合することを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれかに記載のカーボンブラ
    ック含有ゴム組成物。
  5. 【請求項5】 加圧成型されたカーボンブラックの体積
    が1cc以上であることを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれかに記載のカーボンブラック含有ゴム組成物。
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