発明の名称
樹脂製の軸一体型中空機構部品、 及びそれを製造するための射出成形方法
発明の背景
技術分野
本発明は、 樹脂製の軸一体型中空機構部品、 及びそれを製 造するための射出成形方法に関するものである。 さ らに詳し く は、 本発明は、 少なく と も 1つの樹脂製の機能部材、 及び 該機能部材に同軸且つ一 に形成された樹脂製の軸部よ リな る機能部材ー軸部一体型中空構造体を包含し、 該機能部材ー 軸部一体型中空構造体の中空部が、 該ー体型中空構造体の全 長に対して比較的大きい特定の比率の長さを有し、 寸法精度 が良好で、 生産性に優れ、 しかも材料のリサイ クルが容易な 樹脂製の軸一体型機構部品及びそれを製造するための射出成 形方法に関する。
従来技術
軸一体型機構部品は自動車、 一般機械、 精密機械、 電気 , 電子機器等の各分野に幅広く用いられている。 そして、 成形 性が良く 、 軽量で、 しかも鲭びないとい う理由から各種の樹 脂よ リ なる軸一体型機構部品も近年ますますその利用が拡大 してい ¾。 .
. 通常、 樹脂を用いた軸一体型機構部品は、 ( 1 ) 軸に金属 シャフ トを用いるこ とによるイ ンサー ト成形、 または ( 2 )
樹脂のかたま リ からの切削、 更には ( 3 ) 中空射出成形法に よ リ製品を製作している。
まず、 第一番目の方法ではイ ンサー ト成形を用いるが成形 時の収縮にょ リ樹脂部分がヒケて しま う ので軸部を樹脂で一 体化する と、 結果と して肉厚が厚く なるのでヒ ケの度合いが 増し、 機構部品と しての寸法精度が悪く なる。 このと きの寸 法精度とは同軸度と振れの程度が代表的なものでぁ リ 、 歯車 の場合は更に歯車精度、 ローラーの場合は更にローラー面の 円筒度が挙げられる。 また、 樹脂部分が厚肉となるために樹 脂の固化に要する時間も長く なリ 、 成形のサイ クル時間が延 びてしまい生産性が悪く なる という不具合も生じる。 このた め、 軸に金属シャフ トを用いて樹脂部分の肉厚が薄く なるよ う に工夫している。
また、 第二番目の方法では樹脂の丸棒等を切削して部品を 切リ 出すので、 ヒケを考慮するこ となく 寸法精度に優れた製 品を得るこ とが出来る。
更に、 第三番目の方法では軸一体型機構部品を中空射出成 形法にょ リ作製する方法であり 、 その方法の例は日本国特開 平 5— 2 0 8 4 6 0号報、 D E 3 8 3 5 9 6 4号報に開示さ れている。 いずれの方法においても溶融樹脂をキヤ ビティー 内に実質的に未充填分が残るよ う に射出し、 次いで射出され た樹脂中にガス体を注入するこ とによ リ 中空の成形品を得て いる。 このよ うな方法にょ リ 、 軸一体型ローラーを作製する
と きの工程が簡略化され、 また製品の軽量化 (及び樹脂の節 約による経済性の向上) が図られている。
しかしながら、 第一番目の方法ではイ ンサー ト成形時に金 属シャ フ トを金型中にセッ トする工程が必要でぁ リ 、 樹脂の みの射出成形と比較する と生産性に劣る。 更に、 最近社会問 題となっている環境問題を考慮する と、 部品が金属と樹脂の 一体物 (un i f i ed s t ruc t ur e) なので、 材料のリ サイクルの 際に金属と樹脂との分離が困難である という 問題点がある。
また、 第二番目の方法では切削工法を用いるので射出成形 と比較する と製作にょ リ多く の時間と労力を要し、 生産性に 劣る という問題点がある。
更に、 第三番目の方法である 日本国特開平 5 — 2 0 8 4 6 0号報、 D E 3 8 3 5 9 6 4号報の方法では、 軸線に沿った 中空部領域の長さ L (b ) が短いので中空部の効果が得られ 難い部分がぁ リ、 この部分ば寸法精度が悪く なリ 、 困難な問 題を生じる。 具体的には特開平 5 — 2 0 8 4 6 0号報 ( L ( b ) / L ( a ) が約 0 . 8 ) では、 歯車部分と反ゲー ト側の軸 部、 D E 3 8 3 5 9 6 4号報 ( L il Z L a ) が約 0 . 6 7 ) では両端の軸部の内部に中空部が届いておらず、 これら の部分では中空部形成流体による加圧の効果が得られ難く 、 結果と して金型 現性が悪化し寸法精度が悪く なってしま う という大きな欠点がある。 この様に歯車部分、 軸部の寸法精 度が悪く なる と、 機構部品全体と しての機能に悪影響を及ぼ
す。 例えば、 一方の軸部の寸法精度が悪く なつただけでも回 転時には全体が大き く 振れて しま う こ と にな リ 、 重大な問題 を生じる。
また、 いずれの方法においても溶融樹脂をキヤ ビティー内 に実質的に未充填分が残る よ う に射出し、 次いで射出された 樹脂中にガス体を注入するが、 このよ う に して得られる成形 品の表面にはへジテーショ ンマーク と称する微細な凸凹の環 状帯が発生し、 外観的にも寸法精度的にも問題が生じる場合 がある。 このへジテーショ ンマーク部は局部的な欠点である ので、 製品形状によっては問題と ならない場合があるが、 出 来るだけ避ける こ と が好ま しい。 本発明者の知見によ る と、 へジテーショ ンマークの発生原因は、 溶融樹脂の射出からガ スの圧入に切 リ替える際にキヤ ビティー内での溶融樹脂の流 動が一時的に停止される こ とにある。 即ち、 キヤ ビティー内 に射出された溶融樹脂は、 キヤ ビティー内壁と接触して直ち に冷却固化を始めるが、 上記のよ う に溶融樹脂の流動が停止 される と、 溶融樹脂とキヤ ビティー内壁全体との円滑な接触 が阻害されて、 先に内壁と接触した樹脂部分と後から接触し た樹脂部分との境界でへジテーシヨ ンマークの発生する原因 となる ものである。
このよ う に従来の方法では生産性、 環境問題、 寸法精度、 へジテーショ ンマーク とい う多く の点で問題点があった。
発明の概要
上記の困難な問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果 本発明者らは、 樹脂を中空射出成形するこ とによって得られ る、 軸受け部品によ り軸部を支持され、 該軸部の軸線を中心 と して回転するこ と によ リ機能を発現する樹脂製の軸一体型 中空機構部品において、 該機構部品の中空部が、 該機構部品 の軸線にそった全長を L ( a ) と し、 また該軸線にそった中 空部の長さを L ( b ) とする と、
式 ( 1 )
0 . 9 ≤ L ( b ) / L ( a ) ≤ 1 で定義される関係を満足する と、 軸一体型中空機構部品の寸 法精度が良好であるばかリ でなく 、 生産性にも優れるこ とを 知見した。 本発明は、 この知見に基づき完成されたものであ る。
従って、 本発明の一つの目的は、 寸法精度が良好であるの みならず、 生産性にも優れ、 更に材料のリ サイクルが容易な 樹脂製の軸一体型中空機構部品を提供するこ とにある。
本発明の他の一つの目的は、 上記の優れた樹脂製軸一体型 中空機構部品を製造するための中空射出成形方法を提供する こ とにある。
本発明の更に他の一つの目的は、 上記の優れた樹脂製軸一 体型中空機構部品であって、 更にへジテーシヨ ンマークがな く 、 実質的に軸線方向に貫通する中空部を有する機構部品を 製造するための中空射出成形法を提供することにある。
本発明の上記及びその他の諸目的、 諸特徴な らびに諸利益 は、 添付の図面を参照しなが ら行 う 以下の詳細な説明及び請 求の範囲の記載から明 らかになる。
図面の簡単な説明
図面において :
図 1 は、 本発明の方法に類似しているが好ま しく ない方法 で得られる比較の軸一体型ローラーの一例の概略側面図であ ;
図 2 は、 本発明の方法に類似しているが好ま しく ない方法 で得られる比較の軸一体型ローラーの他の一例の概略側面図 であ リ ; ,
図 3 は、 本発明に係わる軸一体型ローラーの一例の概略側 面図でぁ リ 、 破線で製造の際に用いる補助室を示してぉ リ ; 図 4 は図 1 の軸一体型ローラーの軸線を含む垂直平面に沿 つた断面図であ り ;
図 5 は図 2 の軸一体型ローラーの軸線を含む垂直平面に沿 つた断面図でぁ リ ;
図 6 ( a ) は図 3 の軸一体型ローラーの軸線を含む垂直平 面に沿つた断面図でぁ リ ;
図 6 ( b ) は本発明に係わる ローラーの他の一例の軸線を 含む垂直平面に沿った断面図でぁ リ ;
図 7 は本発明の軸一体型口一ラーの更に他の一例の軸線を 含む垂直平面に沿った断面図であ り ;
図 8 は本発明に係わる軸一体型ローラーの更に他の一例の 概略側面図でぁ リ 、 破線で製造の際に用いる補助室を示し ; 図 9 は本発明に係わる軸一体型歯車付き ローラーの一例の 概略側面図であり 、 破線で製造の際に用いる補助室を示し ; 図 1 0 ( a ) は本発明に係わる軸一体型歯車の更に他の一 例の軸線を含む垂直平面に沿った断面図でぁ リ ;
図 1 0 ( b ) は図 1 0 ( a ) の線 X - Xでの断面図であり 歯車の歯が一部省略されておリ ;
図 1 0 ( c ) は図 1 0 ( a ) の線 X'— X ' での断面図で あり ;
図 1 1 は本発明に係わる軸一体型ローラーの更に他の一例 の軸線を含む垂直平面に沿った断面図でぁリ 、 破線で製造の 際に用いる補助室を示し ;
図 1 2は本発明に係わる軸一体型溝付きローラーの一例の 軸線を含む垂直平面に沿った概略側面図でぁ リ ;
図 1 3は図 1 2の線 X III— X IIIでの断面図を示し、 破線 で製造の際に用いる補助室を示し ;
図 1 4は軸一体型ローラーの振れ量測定の概念説明図を示 し ;
図 1 5は本発明に係わる軸一体型のローラーの更に他の一 例の軸線を含む垂直平面に沿った断面図であ り ;
図 1 6 は本発明に係わる軸一体型のローラーの更に他の一
例の軸線を含む垂直平面に沿った断面図でぁ リ ;
図 1 7 は本発明に係わる軸一体型ローラーの更に他の一例 の概略側面図であ り 、 破線は製造の際に用いる補助室を示し 図 1 8は本発明に係わる軸一体型機構部品の他の一例の開 口部付近の断面説明図でぁ リ ;
図 1 9 は本発明に係わる軸一体型機構部品の他の一例の開 口部付近の断面説明図でぁ リ ;
図 2 0 ( a ) は本発明に係わる中空射出成形方法の一例の 際のグー ト付近の概略説明図を示し ;
図 2 0 ( b ) は図 2 0 ( a ) の凹部 1 8.を真上方向から見 た平面図でぁ リ、 図 2 0 ( a ) におけるランナー 2 0 は省略 されてぉリ ;
図 2 1 ( a ) は本発明に係わる中空射出成形方法の他の一 例の際のグー ト付近の概略説明図を示し ;
図 2 1 ( b ) は図 2 1 ( a ) の凹部 1 8 を真上方向から見 た平面図でぁ リ、 図 2 1 ( a ) におけるランナー 2 0 は省略 されてぉリ ;
図 2 2は本発明に係わる中空射出成形方法の更に他の一例 の際のゲー ト付近の断面説明図でぁリ ; そして
図 2 3 は本発明に係わる中空射出成形方法の更に他の一例 の際のグー ト付近の断面説明図を示す。
図 1 〜 2 3 において、 同一及び類似の部材及び部品は、 同
一及び類似の参照番号、 符号でそれぞれ示す。 そ して図 2 3 において、 各参照番号は次の部材及び部品を示す。
軸部
2 ローラー部
3 製造の際に用いる補助室
4 ゲー トに対応する開口部
5 補助室への連通部
6 端面
歯車部
8 中空部
9 歯先
1 0 歯底
2 歯先円
3 歯底円
4
5 中空部形成流体の注入口
6 ダイヤルゲージ
7 Vブロ ック
8 凹部
9 機能部材ー軸部一体型中空構造体
2 0 ランナー
2 機構部品の軸線
発明の詳細な説明
すなわち、 本発明の一つの態様によれば、
軸受け部品によ リ軸部を支持され、 該軸部の軸線を中心と して回転するこ とによ り機能を発現する樹脂製の軸一体型中 空機構部品であって、
少なく と も 1 つの樹脂製の機能部材、 及ぴ該機能部材に同 軸且つ一体に形成された樹脂製の軸部よ リ なる機能部材ー軸 部一体型中空構造体を包含し、
該機能部材ー軸部一体型中空構造体は、 その軸線に実質的 に沿って、 該機能部材及び該軸部よ リ選ばれる少なく と も 1 つの中に連続的又は非連続的に延びる中空部を有し、
該機能部材ー軸部一体型中空構造体は、 その外表面に、 該 中空部に連通する 1 つ又は 2つの開口部を有し、
該機能部材ー軸部一体型中空構造体は、 次式 ( 1 ) :
0. 9 ≤ L (b )/ L ( a )≤ l ( 1 ) [式 ( 1 ) において、 L ( a ) は機能部材ー軸部一体 型中空構造体のその軸線に沿った全長を示し、 そし て L (b ) は該中空部の、 機能部材ー軸部一体型中 空構造体の軸線に沿った長さを示す]
で定義される関係を満足するこ とを特徴とする機構部品が提 供される。
更に、 本発明の他の一つの態様によれば、
上記の樹脂製の軸一体型中空機構部品を中空射出成形法す
る方法であって、
( 1 ) 固定側半型と移動側半型とから成る成形用型を提供 し、 該移動側半型と該固定側半型とが開型可能に合わさって . 固定側半型の内壁面と移動側半型の内壁面とによ リ規定され 且つゲー トに連通するキヤ ビティーが形成されておリ 、
( 2 ) ゲー トを通じて該キヤ ビティー内に溶融樹脂を射出 し、 そして
( 3 ) 該キヤビティー内の溶融樹脂内部に、 ゲー トを通じ て、 中空部形成流体を加圧下に導入し、
該ゲー トは、 キヤ ビティーの端部領域内の所定位置に対応 して設けられており 、 該端部領域は製造されるべき機能部材 —軸部一体型中空構造体の軸線に沿った全長の 1 1 0以内 の長さであり 、 それによつて、 該機能部材ー軸部一体型中空 構造体が次式 ( 1 ) :
0. 9 ≤ L (b )/ L ( a )≤ l ( 1 )
[式 ( 1 ) において、 L ( a ) は機能部材ー軸部一体 型中空構造体のその軸線に沿った全長を示し、 そし て L (b ) は該中空部の、 機能部材ー軸部一体型中 空構造体の軸線に沿った長さを示す]
によって定義される関係を満足するよ う にするこ とを特徴と する方法が提供される。
上記した本発明の射出成形方法の更に好ま しい態様によれ ば、 上記の射出成形方法において、
該成形用型がキヤ ビティ ーに連通する補助室を有してぉ リ 工程 ( 2 ) において、 溶融樹脂がキヤ ビティ ーを満たすよ う に樹脂を射出 し、 更に、 工程 ( 3 ) において、 導入された中 空部形成流体の圧力下で溶融樹脂の一部をキヤ ビティーから 補助室内に押出させなが ら、 中空部形成流体のキヤ ビティー 内溶融樹脂内部への導入を行な う こ と を特徴とする方法が提 供される。
次に、 本発明の理解を容易にするために、 まず本発明の諸 態様を列挙する。
1 . 軸受け部品によ リ軸部を支持され、 該軸部の軸線を中心 と して回転する こ と によ リ機能を発現する樹脂製の軸一体型 中空機構部品であって、
少な く と も 1つの樹脂製の機能部材、 及び該機能部材に同 軸且つ一体に形成された樹脂製の軸部よ リ なる機能部材ー軸 部一体型中空構造体を包含し、
該機能部材ー軸部一体型中空構造体は、 その軸線に実質的 に沿って、 該機能部材及び該軸部よ リ選ばれる少なく と も 1 つの中に連続的又は非連続的に延びる中空部を有し、
該機能部材ー軸部一体型中空構造体は、 その外表面に、 該 中空部に連通する 1 つ又は 2つの開 口部を有し、
該機能部材ー軸部一体型中空構造体は、 次式 ( 1 ) :
0 . 9 ≤ L ( b )/ L ( a )≤ 1 ( 1 ) [式 ( 1 ) において、 L ( a ) は機能部材ー軸部一体
型中空構造体のその軸線に沿った全長を示し、 そ し て L ( b ) は該中空部の、 機能部材ー軸部一体型中 空構造体の軸線に沿った長さを示す]
で定義される関係を満足するこ と を特徴とする機構部品。
. 中空部から機能部材ー軸部一体型中空構造体の外側表面 への開口部が 2つぁ リ 、 この 2つの開口部が該機能部材一軸 部一体型中空構造体の 2つの端面にそれぞれ 1 つづつぁリ 、 式 L ( b ) / L ( a ) = 1 [ L ( a ) 及び L ( b ) は式 ( 1 で定義した通リ ] によ リ定義される関係を満足するこ とを特 徴とする前項 1 に記載の機構部品。
3 . 中空部から機能部材ー軸部一体型中空構造体の外側表面 への開口部が 2つぁ リ 、 この 2つの開口部の内の 1 つは該機 能部材ー軸部一体型中空構造体の片方の端面にぁリ 、 も う 1 つの開口部は該機能部材ー軸部一体型中空構造体の端面以外 にあリ 、 かつ端面以外にある方の開口部が該機能部材ー軸部 —体型中空構造体外表面からその軸線方向に向かって落と し 込んだ凹部に設けられていることを特徴とする前項 1 に記載 の機構部品。
4 . 機能部材の一部友び全部が歯車であるこ とを特徴とする 前項 1 に記載の機構部品。 . 5 . 機能部材の一部及び全部が歯車でぁ リ 、 歯車の歯底円の 直径 ( R 1 ) と該軸部の直径 ( r 1 ) の比 ( R 1ノ r 1 ) が 1 〜 5であるこ とを特徴とする前項 1 に記載の機構部品。
6 . 機能部材の一部及び全部がローラーである こ と を特徴と する前項 1 に記載の機構部品。
7 . 機能部材の一部及び全部がローラーであ り 、 該ローラー 部の直径 ( R 2 ) と該軸部の直径 ( r 2 ) の比 (R 2 / r 2 ) が 1〜 4である こ と を特徴とする前項 1 に記載の機構部品。
8 . 機能部材の一部及び全部がローラーであ り 、 該ローラー 部表面に溝を有し、 該溝の深さが該溝の幅以上であって、 口 一ラーの軸線から溝の底までの距離 r 3 と ローラーの溝の無 い部分での半径 R 3が r 3 / R 3 ≥ 0. 5であるこ と を特徴 とする前項 1 に記載の軸一体型機構部品。
9 . 前項 1記載の樹脂製の軸一体型中空機構部品を中空射出 成形する.方法であって、
( 1 ) 固定側半型と移動側半型とから成る成形用型を提供 し、 該移動側半型と該固定側半型とが開型可能に合わさって、 固定側半型の内壁面と移動側半型の内壁面と によ り規定され 且つゲー トに連通するキヤ ビティーが形成されてお リ 、
( 2 ) ゲー ト を通じて該キヤ ビティー内に溶融樹脂を射出 し、 そ して
( 3 ) 該キヤ ビティー内の溶融樹脂内部に、 ゲ一 ト を通じ て、 中空部形成流体を加圧下に導入し、
該ゲー トは、 キヤ ビティーの端部領域内の所定位置に対応 して設けられてお リ 、 該端部領域は製造されるべき機能部材 —軸部一体型中空構造体の軸線に沿った全長の 1 / 1 0以内
の長さであ り 、 それによつて、 該機能部材ー軸部一体型中空 構造体が次式 ( 1 ) :
0. 9 ≤ L (b )/ L ( a )≤ l ( 1 ) [式 ( 1 ) において、 L ( a ) は機能部材—軸部一体 型中空構造体のその軸線に沿った全長を示し、 そし て L ( b ) は該中空部の、 機能部材ー軸部一体型中 空構造体の軸線に沿った長さを示す]
によって定義される関係を満足するよ う にするこ と を特徴と する方法。
1 0 . 該成形用型がキヤ ビティーに連通する補助室を有して ぉリ 、 工程 ( 2 ) において、 溶融樹脂がキヤ ビティーを満た すよ う に樹脂を射出し、 更に、 工程 ( 3 ) において、 導入さ れた中空部形成流体の圧力下で溶融樹脂の一部をキヤビティ 一から補助室内に押出させながら、 中空部形成流体のキヤビ ティー内溶融樹脂内部への導入を行なう こ とを特徴とする前 項 9記載の方法。
1 1 . 補助室がゲー ト と反対側の端面に設けられたこ とを特 徴とする前項 1 0に記載の方法。
1 2. ゲー トが、 キヤ ビティーの軸線に対して直角方向に溶 融樹脂がキヤビティーに注入されるよ う に配置され、 かつ製 造される機能部材ー軸部一体型中空構造体の外表面からその 軸線方向に向かって落と し込んで形成される凹部に対応する 凹部をキヤ ビティーに形成し、 該凹部に該ゲー トを設けたこ
と を特徴とする前項 9又は 1 0 に記載の方法。
1 3 . 機能部材の一部及び全部が歯車である よ う に構成され たキヤ ビティ ーを有する型を用いる こ と を特徴とする前項 9 又は 1 0 に記載の方法。
1 4 . 機能部材の一部及び全部が歯車でぁ リ 、 歯車の歯底円 の直径 (R 1 ) と該機構部品の軸部の直径 ( r 1 ) の比 ( R 1 / r 1 ) が 1〜 5 である よ う に構成されたキヤ ビティーを 有する型を用いる こ と を特徴とする前項 9又は 1 0に記載の 方法。
1 5 . 機能部材の一部及び全部がローラーであるよ う に構成 されたキヤ ビティーを有する型を用いる こ と を特徴とする前 項 9又は : I 0 に記載の方法。
1 6 . 機能部材の一部及び全部がローラーであ リ 、 該ローラ 一部の直径 ( R 2 ) と該機構部品の軸部の直径 ( r 2 ) の比
( R 2 / r 2 ) が 1〜4であるよ う に構成されたキヤ ビティ 一を有する型を用いるこ と を特徴とする前項 9又は 1 0に記 載の方法。
1 7 . 機能部材の一部及び全部がローラーであ リ 、 該ローラ 一部表面に溝を有し、 該溝の深さが該溝の幅以上であって、 ローラーの軸線から溝の底までの距離 r 3 と ローラ一の溝の 無い部分での半径 R 3が r 3 /'R 3 ≥ 0 . 5 である よ う に構 成されたキヤ ビティーを有する型を用いる こ と を特徴とする 前項 9又は 1 0に記載の方法。
以下、 添付図面に参照して本発明を詳細に説明する。
上述したよ う に、 本発明の樹脂製の軸一体型中空機構部品 は、 少なく と も 1 つの樹脂製の機能部材、 及び該機能部材に 同軸且つ一体に形成された樹脂製の軸部よ り なる機能部材ー 軸部一体型中空構造体によ り構成され、 該機能部材ー軸部一 体型中空構造体は、 実質的にその軸線に沿って、 該機能部材 及び該軸部よ リ選ばれる少なく と も 1 つの中に連続的又は非 連続的に延びる中空部を有し、 また、 該機能部材ー軸部一体 型中空構造体は、 その外表面に、 該中空部に連通する 1つ又 は 2つの開口部を有するものである。
本発明における機構部品とは軸線 2 1 を中心に回転するこ とによって力や動作を伝えたり 、 ものの搬送を行う こ とによ リ機能を果たす部品でぁリ 、 代表例と しては歯車、 ローラー コロ、 ディスク、 カム、 プーリー及びこれらの複合部品が挙 げられる。 このよ う な機構部品は軸穴を有するものと軸部を 有するものに大別されるが、 前者は軸穴に軸棒 (例えば金属 のシャフ ト) が入り 、 これによ リ 回転が支持され、 後者では 軸部が軸受け部品にょ リ支持されて回転する。 本発明は後者 に関するものでぁリ 、 軸部 1 も樹脂で一体成形された軸一体 型機構部品に関する。
本発明における 「軸部」 とは軸一体型機構部品が作動する ときに他部品 (軸受け部品) によって回転が安定するよ うに 支えられる部分である。 軸部の代表例は添付の図面を通して
参照番号 1 で図示されている。
また、 「機能部材」 とは、 該軸部と一体的に成形され、 軸 受け部品によ リ軸部を支持された軸部の回転に従って、 軸部 の軸線を中心と して回転するこ とによ リ機能を発現する部材 を意味し、 例えばローラー、 歯車などを包含する。 添付図面 においては、 機能部材の一例であるローラーは参照番号 2で また、 他の一例である歯車は参照番号 7で図示されている。 本発明における中空部 8 は、 成形品内に中空部を生じさせ る成形方法によって形成されるもので、 この中空部は巣 (ボ ィ ド) や発泡剤による気泡とは相違するものである。 成形品 内に中空部を発生させる成形方法はどのよ う なものでもよい が、 接合部を残すこ となく 1 回の樹脂射出で成形でき、 しか もバリ の発生が少ないこ とから、 中空射出成形方法が好ま し い 0
本発明でいう 中空射出成形方法とは、 射出成形において溶 融榭脂を成形用型 (普通は金型であるが、 それに限定されな い) のキヤビティー中に射出後、 中空部形成流体を樹脂中に 加圧下で注入し、 この中空部形成流体を介して溶融樹脂に圧 力を加えながら冷却し、 中空成形品を得る成形法である。 通 常の射出成形法の場合、 グー トシール後はグー ト部で樹脂が 固化して溶融樹脂の供給が止ま り 、 樹脂保圧がかけられなく なるのに対し、 この中空成形法ではゲー トシール後も中空部 形成流体によって加圧状態を保つこ とができる利点がある。
したがって、 中空射出成形法は、 通常の射出成形の保圧に比 して加圧状態が確実で、 冷却に伴 う樹脂の収縮分が中空部が 拡大する こ と で補われるので、 得られる成形品の型再現性が 良く 、 優れた寸法精度が得やすい利点がある。 中空射出成形 法の代表的な方法は 日本国特公昭 5 7 - 1 4 9 6 8 号報に開 示されている。
本発明における中空部形成流体とは、 常温常圧でガス状ま たは液状のも ので、 射出成形の温度及び圧力下で、 成形に用 いる溶融樹脂と反応または相溶しないものが使用 される。 例 えば窒素、 炭酸ガス、 空気、 ヘ リ ウム、 ネオン、 アルゴン、 水蒸気、 グリ セ リ ン、 流動パラフィ ン等であるが、 通常はガ ス体が使用 され、 特に窒素、 ヘリ ウム、 ネオン、 アルゴン等 の不活性ガスが好ま しく 用いられる。 経済性を考慮する とェ 業的には窒素ガスがよ リ好適に使用 される。
本発明の中空射出成形法は、 通常の射出成形機と 中空部形 成流体の圧入装置の組み合わせによって行われる。 中空部形 成流体の圧入装置は、 溶融樹脂の射出後に配管を通して溶融 樹脂中に中空部形成流体を圧入し、 設定時間この中空部形成 流体を介してキヤ ビティ一中の樹脂を加圧する装置である。 これには注入する中空部形成流体を予め一定圧力まで高圧に 圧縮し、 アキュ ム レーターに蓄え、 溶融樹脂の射出後に配管 を通して高圧の中空部形成流体を圧入する方式や一定量の中 空部形成流体を計量し、 これをポンプや加圧シ リ ンダーでキ
ャ ビティーに順次送リ込み、 加圧していく 方式等があるが、 射出後の溶融樹脂中に中空部形成流体を送リ込めれば如何な る方式も可能である。 上記の中空部形成流体は成形品を得る ときの型開きの前に圧力が解放される。
本発明の樹脂製軸一体型機構部品を構成する機能部材ー軸 部一体型中空構造体は、 上記のよ う に中空部 8 を有するが、 好適な中空率は 1 5〜 5 0 %である。 これは中空率がこの範 囲よ リ高いと成形途中に中空部形成流体が樹脂層を突き破リ 成形が安定しずらく なリ 、 低いと ヒケ、 ソ リ によ り寸法精度 の効果が得られにく い場合があるためである。 なお、 中空率 とは次式で定義される。
中空率 (%) = { ( V X p -M) / ( V X p ) } X 1 0 0 [ただし、 上式において Vは中空成形品 (機能部材—軸部 一体型中空構造体) の見かけ体積、 P は用いた樹脂の比重、 Mは中空成形品 (機能部材ー軸部一体型中空構造体) の重量 である ] 。
本発明の機構部品を構成する機能部材ー軸部一体型中空構 造体は、 内部に、 実質的に軸線に沿って連続的又は非連続的 に延びる中空部 8 を有し、 かつその軸線 2 1 にそった全長 L ( a ) と軸線にそった中空部の長さ L (b ) とは、 式 0 . 9 ≤ L ( b ) / L ( a ) ≤ 1 で定義される関係を満足するこ とが必 要である。 機能部材ー軸部一体型中空構造体の軸線 2 1 にそ つた全長 L ( a ) とは図 6 ( a ) と 6 ( b ) 及び図 1 5 と図
1 6 に示すよ う に成形品の軸線方向の全体の長さでぁ リ 、 軸 線 2 1 に沿った中空部 8 の長さ L ( b ) とは同じ図中に示す よ う に軸線方向の中空部 8 の長さであり 、 中空部 8 の内壁面 と軸線 2 1 が交わっている領域の長さである。 従って、 軸線 2 1 に沿って中空部 8が複数個あるばあいは、 上記の中空部 8 の内壁面と軸線 2 1 が交わっている領域の長さの総和で L ( b ) が定義される。 この L ( a ) と L (b ) が式 0 .
( b )/ L ( a ) I で定義される関係を満たすと良好な寸法 精度が得られる。 これは成形中に中空部 8 を形成するための 中空部形成流体の加圧効果が寸法精度に与える影響が製品全 体に及ぶためと考えられる。 逆に 0. 9 〉 L (b ) / L ( a ) である と中空部 8の領域が短いので、 中空部形成流体の加圧 効果が届かない範囲がでるため、 製品全体の寸法精度が悪く なる。 本発明に好ま しく 用いられる中空射出成形法では中空 部形成流体によ リ溶融樹脂に圧力を加えて金型転写性を上げ ているが、 0. 9 > L (b )/ L ( a ) である と 中空部 8の領 域が小さ く なリ 、 中空部形成流体の加圧効果が得られない部 分が生じ、 良好な金型転写性が得られず、 結果と して製品の 寸法精度が悪く なつてしま う。 L (b ) と L ( a ) の関係は好 ま しく は 0 . 9 5 ≤ L (b )ノ L ( a ) I であリ 、 最も好ま しく は L ( b ) Z L ( a ) = 1 である。
日本国特開平 5 — 2 0 8 4 6 0号報に開示されている方法 で得られる中空成形品の L ( b ) Z L ( a ) は約 0 . 8であリ 、
本発明者らの追試による と 、 中空部 8 の及んでいない領域が 大きいので寸法精度 (歯車精度、 振れ) が極端に悪く なるこ とが分かった。
本発明の中空射出成形法は、 熱硬化性樹脂に対しても適用 可能で、 熱硬化性樹脂の例と しては、 フエノール樹脂、'ユリ ァ樹脂、 メ ラ ミ ン樹脂、 エポキシ樹脂を挙げるこ とができる 本発明に係わる軸一体型機構部品を熱硬化性樹脂で構成する こ と も可能であるが、 本発明に係わる軸一体型機構部品を構 成する樹脂は通常は熱可塑性樹脂である。 熱可塑性樹脂と し ては、 通常の射出成形が可能なも のであればよ く 、 例えばポ リ エチ レン、 ポ リ プロ ピ レン、 ポ リ スチ レン、 A B S樹脂、 ポ リ 塩化 ビニル、 ポ リ ア ミ ド、 ポ リ アセタール、 ポ リ カーボ ネー ト 、 変性ポ リ フ エ二 レンエーテル、 ポ リ エチ レンテ レフ タ レー ト 、 ポ リ ブチ レンテ レフ タ レー ト 、 ポ リ フ エ二 レンス ルフ イ ド、 ポ リ イ ミ ド、 ポ リ ア ミ ドイ ミ ド、 ポ リ エーテルィ ミ ド、 ポ リ ア リ レー ト 、 ポ リ サルフォ ン、 ポ リ エーテルサル ホン、 ポ リ エーテルエ一テルケ ト ン、 液晶ポ リ マー、 ポ リ テ ト ラ フルォロ エチ レン、 熱可塑性エラス トマ一等が挙げられ る。 特に、 ポリ アセタール、 及びポリ アミ ドは耐熱性が高く 機械的物性にも優れ、 さ らには摺動特性にも優れるため軸一 体型機構部品用の樹脂と して多く用いられてお り 、 本発明に ぉレ、ても好適に用レ、られる。
本発明の機構部品を構成する機能部材ー軸部一体型中空構
造体は、 内部に中空部を有するので、 耐熱性、 機械的強度等 をア ップする 目的で、 必要に応じて無機及び、 または有機の 充填材を樹脂に配合する こ とが出来る。 好適な充填材と して は、 ガラス繊維、 炭素繊維、 金属繊維、 ァラ ミ ド繊維、 チタ ン酸カ リ ウム、 アスベス ト 、 炭化ケィ素、 セラ ミ ック 、 窒化 ケィ素、 硫酸バ リ ウム、 硫酸カルシウム、 カオリ ン、 ク レー パイ ロ フイ ライ ト、 ベン トナイ ト、 セ リ サイ ト、 ゼォライ ト マイ力、 雲母、 ネフエ リ ンシナイ ト、 タルク、 ァタルパルジ ャイ ト、 ウォラス トナイ ト、 スラグ繊維、 フェライ ト、 ケィ 酸カルシウム、 炭酸カルシウム、 炭酸マグネシウム、 ドロマ ィ ト、 酸化亜鉛、 酸化チタ ン、 酸化マグネシウム、 酸化鉄、 二硫化モ リ ブデン、 黒鉛、 石こ う 、 ガラス ビーズ、 ガラスパ ウダ一、 ガラスバルーン、 石英、 石英ガラスなどの強化充填 材を挙げる こ とが出来き、 これらは中空であってもよい。 ま た、 これらの強化充填材は 2種以上を併用する こ とが可能で ぁ リ 、 必要によ リ シラン系、 チタン系などのカ ップリ ング剤 で予備処理して使用する事ができ る。
本発明の 1 つの好ま しい態様 (上記の列挙した実施態様の 中の第 2項の態様) においては、 中空部から機構部品の外側 表面への開 口部が 2つあ り 、 この 2つの開口部が該機構部品 の 2つの端面にそれぞれ 1 つづつある こ と を特徴と している が、 これによ リ L ( b ) L ( a ) = 1 とする こ とができ、 最 も好ま しい寸法精度が得られる。 また、 端面 6 に開 口部があ
るので機構部品の機能に支障を与えない場合が多い。
こ こで本発明において、 「端面」 と は、 図 1 〜図 1 0 ( a ) 、 及び図 1 1 〜図 1 3 に示すよ う に、 機能部材—軸部一体型 中空構造体における外表面で該中空構造体の軸線 2 1 と交わ る点を含む端の面を指す。 該端面は平らな面で有る場合が多 いが、 他に曲面、 球面等の平らな面以外になる場合も有る。 また、 図 9 の様に歯車形状等の機能部材が成形品の端に有る 場合は機能部材側の端面 6 も本発明の端面 6 に含まれる。
本発明の他の 1 つの態様 (上記の列挙した実施態様の第 3 項の態様) では、 中空部から中空構造体の外側表面への開口 部が 2 つあ り 、 この 2つの開 口部の内の 1 っは該中空構造体 の片方の端面 6 にあ リ 、 も う 1 つの開口部は該中空構造体の 端面 6 以外にぁ リ 、 かつ端面 6以外にある方の開 口部が成形 品表面から該中空構造体の軸線方向に向かって落と し込んだ 凹部 1 8 に設けられたこ と を特徴と している。 機構部品のデ ザイ ン、 機構部品の機能、 あるいは金型の構造上の理由によ リ 、 両端面に開口部を設け られない場合には、 この方法が好 ま しく 用いられる。 このよ う に成形品表面から中空構造体の 軸線方向に向かって落と し込んだ凹部 1 8 に開 口部を設ける こ と によ り機構部品の振れが大幅に改善される。 この様な効 果が得られる理由は図 1 8 に示すよ. う に機能部材一軸部一体 型中空構造体の中空形状 8 が軸線 2 1 に対して対称形になる こ と による と考えられる。
本発明の更に他の一つの態様 (上記の列挙した実施態様の 第 4項の態様) は、 機能部材の一部及び全部が歯車 7 である こ と を特徴とする ものである。 軸一体型歯車は自動車、 一般 機械、 精密機械、 電気 · 電子等の各分野に幅広く用いられて ぉリ 、 本発明を用いる と寸法精度が良好で、 生産性に優れ、 しかも材料のリ サイ クルが容易なものが得られるために有用 である。
本発明の更に他の一つの態様 (上記の列挙した実施態様の 第 5項の態様) は、 機能部材の一部及び全部が歯車 7であリ 歯車 7の歯底円 1 3 の直径 ( R 1 ) と該機能部材ー軸部一体 型中空構造体の軸部 1 の直径 ( r 1 ) の比 ( R l Z r 1 ) が 1 〜 5であるこ とを特徴とするものである。 この態様の軸一 体型機構部品は歯車精度がょ リ 良好なものとなるので特に有 用である。 上記の比 (R l Z r 1 ) の値が 5 を越える と成形 品の寸法精度が悪化する。 これは成形品の外観形状と中空部 の形状の差が大き く なリ 、 肉厚変動が大き く なつて、 中空部 を形成したこ とによるひけ防止効果が不十分となるこ とによ る と推測される。 また、 1未満では実用的でない。 このため 歯車 7の歯底円 1 3 の直径 ( R 1 ) と軸部 1 の直径 ( r l ) の比は好ま しく は 1 〜 4である。 また、 齒車 7 が 2つ以上あ る場合か 、 または軸部 1 の直径が 2つ以上有る場合は歯車 の歯底円の直径と軸部の直径の全ての組み合わせにおいて、 上記の比 ( R l / r 1 ) の値が 1 〜 5の範囲であるこ とが必
要である。
本発明の更に他の一つの態様 (上記の列挙した実施態様の 第 6項の態様) は、 機能部材の一部及び全部がローラー 2で あるこ とを特徴とするものである。 軸一体型ローラ一は自動 車、 一般機械、 精密機械、 電気 · 電子等の各分野に幅広く 用 いられており 、 本発明を用いる と寸法精度が良好で、 生産性 に優れ、 しかも材料のリサイ クルが容易なものが得られるの で有用である。
本発明の更に他の一つの態様 (上記の列挙した実施態様の 第 7項の態様) は、 機能部材の一部及び全部がローラー 2で ぁリ 、 該ローラー部 2 の直径 (R 2 ) と機能部材ー軸部一体 型中空構造体は軸部 1 の直径 ( r 2 ) の比 ( R 2 / r 2 ) が 1 〜 4であるこ とを特徴とするものである (図 1 1参照) 。 この実施態様の機能部材ー軸部一体型中空構造体はローラー の寸法精度がよ リ 良好となるので特に有用である。 上記の比 ( R 2 / r 2 ) の値が 4を越える と成形品の寸法精度が悪化 する。 これは成形品の外観形状と 中空部 8の形状の差が大き く なリ 、 肉厚変動が大き く なつて、 中空部 8 を形成したこ と によるひけ防止効果が不十分となるこ とによる と推測される , また、 1未満では実用的でない。 このため、 ローラー部 2 の 直径と軸部 1 の直径の比は好ま しく は 1 〜 3である。 また、 ローラー部が 2つ以上の場合かつ、 または軸部の直径が 2つ 以上有る場合はロ ーラーの直径と軸部の直径の全ての組み合
わせにおいて、 上記の比 ( R 2 Z r 2 ) の値が 1 〜 4 の範囲 であるこ とが必要である。 例えば、 図 8 の場合は 2つの軸部 があるが、 この 2つの軸部の直径が互いに異なっている。 こ のため軸部の直径が 2つ有るこ とになるが、 いずれの軸部の 直径を用いても上記の比 ( R 2 / r 2 ) が 1 〜 4の範囲であ るこ とが必要である。
本発明の更に他の実施態様 (上記の列挙した実施態様の第 8項の態様) は、 機能部材の一部及び全部がローラーであリ 該ローラー部表面に溝を有し、 該溝の深さが該溝の幅以上で あって、 ローラーの軸線から溝の底までの距離 r 3 と ローラ 一の溝の無い部分での半径 R 3が r 3 / R 3 ≥ 0 . 5である こ とを特徴とするものである。 この実施態様の機能部材一軸 部一体型中空構造体は、 寸法精度が良好で、 しかも正確な作 動に有用な溝付きローラーが得られるので特に有用である。 このよ うな溝付きローラーの代表的な使用例は、 往復運動を するよ う に拘束された別部品のピンの先端をローラー部表面 の溝に入れ、 ローラーを回転させるこ とによ リ 、 溝にそって ピンを作動させ、 動きを伝達するものである。 ローラーの回 転運動が、 ピンの往復運動に変換される。 このよ うな溝付き ローラ一は各種プリ ンター及び各種機器のプリ ンタ一部のメ 力構造に多く用いられている。
この上記第 8項の実施態様では、 ローラー部表面の溝の深 さが該溝の幅以上であるが、 これは深さが幅よ リ小さ く なる
と、 溝に入る ピンの先端が作動時に溝から外れ易く なる とい う理由による。 ローラーの溝は金型の凸形状によ り形成され る。 溝の付け方は、 ローラー部表面に渦卷状で付けられるの が一般的であるが、 得よ う とするピンの往復運動の速度、 周 期に応じて様々な付け方が可能である。 また、 口一ラーの軸 線から溝の底までの距離 r と ローラーの溝の無い部分での半 径 Rが r ZR ^ O . 5であるが、 r ZRく 0. 5では寸法精 度が悪く なるので好ましく ない。 これは中空部の効果がうま く得られないためと考えられる。
本発明の軸一体型機構部品を製造するための好ま しい製造 方法は、 上記の列挙した実施態様の第 9項に記載されている この基本的な方法においては、 ゲー トを通じて成形用型のキ ャ ビティー内に溶融樹脂を射出し、 そして、 該キヤ ビティー 内の溶融樹脂内部に、 ゲー トを通じて、 中空部形成流体を加 圧下に導入するのであるが、 その際、 該ゲー トは、 キヤビテ ィ一の端部領域内の所定位置に対応して設けられておリ、 該 端部領域は製造されるべき機能部材ー軸部一体型中空構造体 の軸線に沿った全長の 1ノ 1 0以内の長さであるこ とが必要 であリ 、 それによつて、 該機能部材—軸部一体型中空構造体 が次式 ( 1 ) :
0. 9≤ L (b)/L (a )≤ l ( 1 ) [式 ( 1 ) において、 L (a ) は機能部材ー軸部一体 型中空構造体のその軸線に沿った全長を示し、 そし
て L ( b ) は該中空部の、 機能部材ー軸部一体型中 空構造体の軸線に沿つた長さ を示す]
によ リ 定義される関係を満足する こ とができ る ものである。
この本発明の好ま しい射出成形方法では、 また、 中空部形 成流体をゲー トを経由 して溶融樹脂中に圧入するので、 '中空 部形成流体の溶融樹脂中への注入口は、 成形機のシリ ンダー の先端にある ノ ズル、 金型のスプルー、 ランナーといったノ ズルからゲー トまでの間に設ける こ と になる。 (例えば、 ノ ズルから中空部形成流体を注入する場合、 日本国特開平 4 一 9 0 3 1 5号に開示されている ノ ズルを用いる こ とが出来る , ) 。 この様に中空部形成流体をゲー ト を経由 して溶融樹脂中 に圧入するので、 製品を得る と きにゲー ト以外の部分を切断 する必要がな く な り 生産性が優れる。 これに対し、 日本国特 開平 5 — 2 0 8 4 6 0号報に開示されてい.る方法ではゲー ト を経由せずに中空部形成流体が圧入されているので、 製品を 得るために中空部形成流体の注入口を製品から切断して製品 を得ている。 このため 日本国特開平 5 — 2 0 8 4 6 0号報の 方法ではゲー ト以外の部分を切断する工程が入るので生産性 に劣リ 、 本発明のこの好ま しい方法は、 その生産性向上の点 でも優れたものである。
本発明の方法の更に他の態様 (上記の列挙した実施態様の 第 1 0項の態様) では、 へジテーシヨ ンマーク の防止と 中空 率アップを 目的と して、 キヤ ビティーに連通する補助室 (補 助キヤ ビティーあるいは捨てキヤ ビティーと も称する) を成 形用型に設ける方法である。 該補助室は中空部形成流体圧入 時に製品キヤ ビティ ー中の樹脂を逃がすためのキヤ ビティー であ リ 日本国特開平 3 - 1 2 1 8 2 0号報に開示されている , こ の補助室を用いずに製品キヤ ビティー内を溶融樹脂で満た してからキヤ ビティー内に中空部形成流体を圧入すればへジ テーショ ンマークは発生しないが、 溶融樹脂の冷却固化にと もな う収縮量に相当する分だけの中空率のみしか得られず、 ソ リ 、 ヒ ケに対する充分な寸法精度が得られないばかリ カ、 実質肉厚が増すので成形サイ クルが長く な リ 、 生産性が劣る , この補助室を用い、 射出される溶融樹脂の計量値を多く して いく と、 まず機能部材一軸部一体型中空構造体と なるキヤ ビ ティーに溶融樹脂が満たされる。 そ して、 溶融樹脂の充填完 了時のフ ローフ ロ ン ト が補助室または補助室への連通部にな るので製品部へのへジテーショ ンマークが防止でき る。 本発 明では機能部材ー軸部一体型中空構造体と なるキヤ ビティー がほぼ満たされる溶融樹脂量を射出する方法をフルシ ョ ッ ト 法と称する。 (逆に機能部材ー軸部一体型中空構造体を形成 するキヤ ビティーが満たされない溶融樹脂量を射出する方法 をシ ョ ー ト シ ョ ッ ト法と称する。 ) 。 また、 日本国特開平 3
― 1 2 1 8 2 0号報には、 キヤ ビティー内への溶融樹脂の射 出時にはキヤ ビティーと補助室間を遮断しキヤ ビティー内へ の中空部形成流体の圧入時にはキヤ ビティーと補助室間を解 放する方法が開示されているが、 本発明においても該方法は 好適に用いられる。
さ らに、 この上記の第 1 0項の態様では、 補助室への連通 部を機能部材ー軸部一体型中空構造体の一方の端面に対応す るキヤ ビティー端面に設けるが、 図 3にはローラー部が 2つ 有る機能部材ー軸部一体型中空構造体を例にとって補助室へ の連通部の配置の代表例を示した。 中空射出成形法を用いる とき、 図 1 あるいは図 2に示すよ う にゲー ト と補助室への連 通部を配置することが考えられるが、 この様な方法は機能部 材ー軸部一体型中空構造体の同軸度が悪く なリ 、 振れが大き く なるので本発明の範囲外である。 (又、 この場合には、 該 中空構造体は、 その外表面に'、 該中空部に連通する開口部が 3つある) 。 図 1 、 図 2の方法で良好な結果が得られないの は中空形状に起因する と予測される。 そして、 補助室への連 通部は端面の中でも、 軸線と交わる点に設けるのが好ま しい, これは、 得られる機能部材ー軸部一体型中空構造体の寸法精 度が良く なるかちでぁリ 、 中空形状が軸線を中心に対称形に 近ぐなるのが原因と考えられる。,
尚、 この上記第 1 0項に記載の、 本発明の方法の態様にお いては、 ゲー トは補助室の反対側のキヤ ビティーの端面の近
く に設けるこ とが好ま しい。 具体的には、 ゲー トは、 補助室 の反対側のキヤ ビティーの端面から、 製造されるべき機能部 材—軸部一体型中空構造体の軸線にそった全長の 1 0分の 1 以内の長さの端部領域である。
上記の第 9項の態様では、 該ゲー トは、 キヤ ビティーの端 部領域内の所定位置に対応して設けられてぉリ 、 該端部領域 は製造されるべき機能部材ー軸部一体型中空構造体の軸線に 沿った全長の 1 Z 1 0以内の長さであるこ とが必須でぁ リ 、 それによつて、 式 0 . 9 ≤ L (b )Z L ( a )≤ l . 0で定義さ れる関係を満たす中空構造体を得るこ とができる。 その際、 射出する溶融樹脂の容量を適宜調節するこ とによ リ 、 さ らに 容易に上記の態様を行う こ とができる。 例えば、 射出される 溶融樹脂の容量を多くする と、 後からキヤビティー内に入る 中空部形成流体の容量が減るので L ( b ) は短く な リ 、 逆に この溶融樹脂の容量を少なくする とキヤ ビティー内へ入る Ψ 空部形成流体の容量が増えるので L (b ) は長く なる。 従つ て、 L (b )/ L ( a ) が 0. 9 よ り小さい場合は射出される 溶融樹脂の容量を少なく して L (b ) を長く し、 0 . 9 ≤ L ( b ) / L ( a )≤ 1 . 0 となるよ う にするこ とができる。 ただ し、 溶融樹脂の容量を減ら しすぎる と中空部形成流体が溶融 樹脂を突き破リ 、 中空部形成流体が樹脂の冷却前に解放され て しま うので、 良好な成形ができない。 このため、 この態様 では、 L ( b ) / L ( a ) = 1 . 0 とならず L ( b )Z L ( a )
く 1 . 0 となる可能性が高い。
上記の第 1 0項の態様においても、 該ゲー トは、 キヤ ビテ ィ一の端部領域内の所定位置に対応して設けられてお リ 、 該 端部領域は製造されるべき機能部材ー軸部一体型中空構造体 の軸線に沿った全長の 1 1 0以内の長さであるこ とが必須 であリ 、 それによつて、 式 0 . 9 ≤ L (b )/ L ( a )≤ l . 0 で定義される関係を満たす中空構造体を得るこ とができる。 その際、 射出される溶融樹脂の容量に加えて、 更に必要によ リ補助室の容量を調節するこ とによ り 、 さ らに容易に実施す るこ とができる。 例えば、 射出される溶融樹脂の容量を多く する と、 後からキヤ ビティー内に入る中空部形成流体の容量 が減るので L ( b ) は短く なリ、 逆にこの溶融樹脂の容量を 少なくする とキヤビティー内へ入る中空部形成流体の容量が 増えるので L ( b ) は長く なる。 また、 補助室の容量を少な くする と、 後からキヤ ビティー内に入る中空部形成流体の容 量が減るので L ( b ) は短く なリ 、 逆に補助室の容量を多く する とキヤ ビティー内へ入る中空部形成流体の容量が増える ので L ( b ) は長く なる。 従って、 L ( b ) / L ( a ) 力 S 0 9 よ り小さい場合は射出される溶融樹脂の容量を少なくする か捕助室の容量を多く して L ( b ) を長く し、 0 . 9 ≤ L
( b ) / L ( a ). ≤ 1 . 0 となるよ う にする。 また、 ゲー ト を機構部品の一方の端面に配置し、 補助室をも う一方の端面 に設け、 更に前記溶融樹脂の容量と前記補助室の容量を調節
して中空部形成流体が補助室内に入る よ う にする と L ( b ) / L ( a ) = 1 . 0 と な り 、 本発明の最も好ま しい態様と な る。
本発明の方法の更に他の態様 (上記の列挙した実施態様の 第 1 1 項の態様) では、 補助室がゲー ト と反対側の端面に設 け られる。 これによ リ 、 上記の列挙した実施態様の第 2項の 態様の軸一体型機構部品を得る こ とができ る。 そ してこれに よ リ 同軸度が向上し、 振れの少ない良好な製品が得られる。 この様に良好な製品が得られる理由は種々考え られるが、 溶 融榭脂及び中空部形成流体のキヤ ビティ一内での流動パター ンが機能部材ー軸部一体型中空構造体の軸線を中心にほぼ対 称形に生じ、 製品の実質肉厚がほぼ均等なる こ と による と予 測される。 こ こで実質肉厚とは中空部と成形品の外表面と の 間の肉厚である。
本発明の更に他の一つの態様 (上記の列挙した実施態様の 第 1 2項の態様) は、 ゲー トが、 キヤ ビティーの軸線に対し て直角方向に溶融樹脂がキヤ ビティーに注入される よ う に配 置され、 かつ製造される機能部材ー軸部一体型中空構造体の 外表面からその軸線方向に向かって落と し込んで形成される 凹部 1 8 に対応する凹をキヤ ビティーに形成し、 該凹部に該 ゲー ト を設ける こ と を特徴と している。 機構部品のデザイ ン 機構部品の機能、 あるいは金型の構造上の理由によ り 、 両端 面に開口部を設け られない場合には、 この方法が好ま しく 用
いられる。 この態様では図 2 2 に示すよ う に成形品表面から 中空構造体の軸線方向に向かって落と し込んだ凹部 1 8 にゲ 一トに対応する開口部 4 を設けるこ とによ リ機構部品の振れ が大幅に改善される。 この様な効果が得られる理由は図 2 2 に示すよ う に中空構造体の中空部 8の形状が軸線 2 1 に対し て対称形になるこ とによる と予測される。 さ らに、 軸線 2 1 に対して直角方向に溶融樹脂が注入されるので、 高速に射出 された溶融樹脂がゲー ト と反対側のキヤ ビティ一面に一且直 角に当たってから製品部に順次充填されるため、 いわゆるジ エツティ ング現象 (成形体表面に樹脂の飛散模様が残ること) による表面状態の悪化を防止するこ とができる。 この態様の 凹部 1 8の形状は円筒形 (図 2 0 ( a ) 及び図 2 0 ( b ) 参 照) 、 四角柱 (図 2 1 ( a ) 及び図 2 1 ( b ) 参照) 等様々 な形状が考えられるが、 ゲー トに対応する開口部 4を成形品 表面から中空構造体の軸線方向に落とすこ とが可能であれば 如何なる形状も可能である。 ただし、 上記の凹部を真上方向 から見たときの面積 (例えば、 凹部が円筒形の場合は円の面 積) が大き く なるにつれて、 振れ低減の効果が少なぐなるの で、 この面積は出来る限リ小さい方が好ま しい。 ただし、 凹 部 1 8 の開口部の上記の面積が小さすぎて凹部 1 8に対応す る部分の金型肉厚が薄く な リ過ぎると、 樹脂射出圧力や中空 部形成流体の圧力で金型が破損する可能性があるので、 凹部 1 8 の上記の面積はこれらの圧力に耐え得る金型肉厚を確保
できる範囲で最少とするこ とが望ま しい。 また、 上記凹部の 深さが浅すぎた リ 、 深すぎる と振れ低減の効果が少なく なる , このため、 図 2 2に示すよ う に、 凹部 1 8の深さを t l と し 軸線 2 1に対してゲー ト と反対側の実質肉厚を t 2 とする と t 1 / t 2は好ま しく は l Z S S Z S さ らに好ま しく は 3 /4〜 5ノ4、 最も好ま しく は t 1 と t 2がほぼ同じにな るよ う に設定する。 こ こで実質肉厚とは中空部 8 と成形品の 外表面との間の肉厚である。
本発明の更に他の一つの態様 (上記の列挙した実施態様の 第 1 3項の態様) は、 機能部材の一部及び全部が歯車 7であ るよ う に構成されたキヤ ビティーを有する'型を用いるこ とを 特徴とするものである。 軸一体型歯車は自動車、 一般機械、 精密機械、 電気 · 電子等の各分野に幅広く用いられておリ、 この態様による軸一体型歯車は寸法精度が良好で、 生産性に 優れ、 しかも材料のリサイクルが容易なものが得られるため に有用である。
本発明の更に他の一つの態様 (上記の列挙した実施態様の 第 1 4項の態様) は、 機能部材の一部及び全部が歯車 7であ リ 、 歯車の歯底円 1 3の直径 ( R 1 ) と該機構部品の軸部 1 の直径 ( r l ) の比 (R l Z r l ) 力 1〜 5であるよ うに構 成されたキヤ ビティーを有する型を用いるこ と を特徴とする ものである。 この態様方法による軸一体型機構部品は歯車精 度がよ リ 良好なものとなるので特に有用である。 上記の比
( R 1 / r 1 ) の値が 5 を越える と成形品の寸法精度が悪化 する。 これは成形品の外観形状と 中空部の形状の差が大き く なり 、 肉厚変動が大き く なつて、 中空部を形成したこ とによ るひけ防止効果が不十分となるこ とによる と推測される。 ま た、 1 未満では実用的でない。 このため、 歯車 7の歯底円 1 3 の直径 ( R 1 ) と軸部 1 の直径 ( r l ) の比は好ま しく は 1 〜 4である。 また、 歯車 7が 2つ以上ある場合かつ、 また は軸部 1 の直径が 2つ以上有る場合は歯車の歯底円の直径と 軸部の直径の全ての組み合わせにおいて、 上記の比 ( R 1 / r 1 ) の値が 1 〜 5 の範囲であるこ とが必要である。
本発明の更に他の一つの態様 (上記の列挙した実施態様の 第 1 5項の態様) は、 機能部材の一部及び全部がローラー 2 であるよ う に構成されたキヤビティーを有する型を用いるこ とを特徴とするものである。 軸一体型ローラーは自動車、 一 般機械、 精密機械、 電気 · 電子等の各分野に幅広く用いら.れ ておリ 、 この態様の方法を用いる と寸法精度が良好で、 生産 性に優れ、 しかも材料のリ サイクルが容易なものが得られる ので有用である。
本発明の更に他の一つの態様 (上記の列挙した実施態様の 第 1 6項の態様) は、 機能部材の一部及び全部がローラ一 2 であリ 、 該ローラー部 2 の直径 ( R 2 ) と機能部材—軸部一 体型中空構造体の軸部 1 の直径 ( r 2 ) の比 ( R 2 / r 2 ) が 1 〜 4であるよ う に構成されたキヤ ビティーを有する型を
用いる こ と を特徴とする ものである。 この態様によ る機能部 材ー軸部一体型中空構造体はローラーの寸法精度がよ リ 良好 と なるので特に有用である。 上記の比 ( R 2ノ r 2 ) の値が 4 を越える と成形品の寸法精度が悪化する。 これは成形品の 外観形状と 中空部 8 の形状の差が大き く な り 、 肉厚変動が大 き く なつて、 中空部 8 を形成したこ と によ るひけ防止効果が 不十分となる こ と による と推測される。 また、 1 未満では実 用的でない。 このため、 ローラー部 2 の直径と軸部 1 の直径 の比は好ま しく は 1 〜 3 である。 また、 ローラー部が 2っ以 上の場合かつ、 または軸部の直径が 2つ以上有る場合はロー ラーの直径と軸部の直径の全ての組み合わせにおいて、 上記 の比 ( R 2 Z r 2 ) の値が 1 〜 4 の範囲である こ とが必要で ある。 例えば、 図 8 の場合は 2つの軸部 1 があるが、 この 2 つの軸部 1 の直径がお互いに異なっている。 このため軸部の 直径が 2つ有る こ と になるが、 いずれの軸部の直径を用いて も上記の比 ( R 2 / r 2 ) が 1 〜 4の範囲である こ とが必要 である。
本発明の更に他の一つの態様 (上記の列挙した実施態様の 第 1 7項の態様) は、 機能部材の一部及び全部がローラーで ぁ リ 、 該ローラー部表面に溝を有し、 該溝の深さが該溝の幅 以上であって、 ローラーの軸線から溝の底までの距離 r 3 と ローラーの溝の無い部分での半径 R 3 が r 3 / R 3 ≥ 0 . 5 である よ う に構成されたキヤ ビティーを有する型を用いる こ
とを特徴とするものである。 この態様による機能部材一軸部 一体型中空構造体は、 寸法精度が良好で、 しかも正確な作動 に有用な溝付きローラーが得られるので特に有用である。 こ のよ う な溝付きローラーの代表的な使用例は、 往復運動をす るよ う に拘束された別部品のピンの先端をローラー部表面の 溝に入れ、 ローラーを回転させるこ とによ リ 、 溝にそってピ ンを作動させ、 動きを伝達するものである。 ローラーの回転 運動が、 ピンの往復運動に変換される。 このよ う な溝付き口 一ラーは各種プリ ンター及び各種機器のプリ ンタ一部のメカ 構造に多く 用いられている。
この上記第 1 7項の実施態様では、 ローラー部表面の溝の 深さが該溝の幅以上であるが、 これは深さが幅よ り小さ く な ると、 溝に入るピンの先端が作動時に溝から外れ易く なると いう理由による。 ローラーの溝は金型の凸形状によ り形成さ れる。 溝の付け方は、 ローラー部表面に渦卷状で付けられる のが一般的であるが、 得よ う とするピンの往復運動の速度、 周期に応じて様々な付け方が可能である。 また、 ローラーの 軸線から溝の底までの距離 r と ローラーの溝の無い部分での 半径 R力 s r / R 0 . 5であるが、 r Z Rく 0 . 5では寸法 精度が悪く なるので好ま しく ない。 これは中空部形成流体に よる加圧効果がうま く得られないためと考えられる。
発明を実施するための最良の形態
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、 こ れらは本発明を限定する ものではない。
実施例 1
図 3 に示す様に 2 つのローラー部 2 がぁ リ 、 長さ 9 O mm (この う ち軸部 1 の長さは両端のそれぞれ 1 0 mmで、 ロー ラー部 2 の長さはそれぞれ 3 O mm) で軸部 1 の直径が 6 m m、 ローラー部 2 の直径が 1 0 mmの軸一体型ローラーを成 形した。 図 3 には補助室 (形状は直方体、 容量は最終的な軸 一体型機構部品の見かけ容積の約 4 0 %) を示す。
樹脂と してはポ リ アセタールコポリ マーを用い、 金型温度 は 8 0 °C、 シリ ンダ一の設定温度は 2 0 0 °Cで中空射出成形 を行った。 樹脂中に注入する中空部形成流体には窒素ガスを 用い、 ガスの注入口は成形機のシリ ンダ一先端部のノズル内 に設けた。 また、 ゲー ト と補助室 3への連通部 5 はそれぞれ 図 3 に示すよ う に製品部の相対する端面 6 に設けた。
まず、 成形機のシリ ンダーで溶融した樹脂をノ ズルを通し て金型中に射出し、 製品部となるキヤ ビティーに溶融樹脂を 満た し、 次いでノ ズル内に設けた中空部形成流体用の注入口 から窒素ガスを導入した。 このと き導入された窒素ガスは中 空部形成流体の注入装置内で 1 0 0 k g Z c m2に昇圧され ていたもので、 ノ ズルからスプルー、 ラ ンナー、 ゲー トの樹 脂内部を経由 してキヤ ビティー中に導入された。
そ して、 導入された窒素ガスによ リ キヤ ビティー内の溶融 樹脂をキヤ ビティーに連通された捕助室 3 に押し出して中空 部 8 を形成し、 中空の製品が得られた。 最終的に中空部形成 流体は補助室 3 内部に到達した。 このため L ( a ) = L ( b ) となった。 製品部の中空率は約 3 5 %であった。
また、 このと きの窒素ガスの導入条件はガス圧入遅延時間 (樹脂の射出完了後ガスを溶融樹脂に注入するまでの時間) を 0秒、 ガス圧入時間 (ガス注入を行う時間) を 5秒、 圧力 保持時間 (ガス注入をとめガス系を閉じた状態に保持する時 間とガス圧入時間をたした時間) を 3 5秒と した。 型開きは 圧力保持時間終了から 5秒後に行い、 成形品を取リ 出した。 製品態様の断面図の例を図 6 ( a ) に示す。
また、 得られた軸一体型ローラーの振れの評価を以下のよ う に行った。 図 1 4 に示すよ うに、 ローラーの両端の軸部 1 をそれぞれ Vブロ ック 1 7で受け、 図 3の A部、 B部 (それ ぞれのローラー部 2の中央) 、 B部から 4 m mの距離にある C部にダイヤルゲージ 1 6 を軸線 2 1 と垂直方向の変位が測 定できるよ う に接触させる。 そして、 ローラー 2 を軸線 2 1 にそって 1 回転し、 ダイヤルゲージ 1 6 の示した最大変位量 と最小変位量を読みと リ 、 これらの値の差をとつて振れ量を 測定した。 この振れ量が小さいほど寸法精度に優れ正確に作 動するローラーと言える。 なお、 図 1 4 には上記振れ量測定 ( A部の場合) の概念図を示した。
また、 製品の表面のへジテーシ ョ ンマーク の有無を調べた 得られた結果を表 1 ( a ) と 1 ( b ) に示した。
本実施例のローラーは振れが少ないこ とが分かる。 また、 へジテーショ ンマークが無いので局部的な振れもなく 、 外観 も良好であった。 このため機構部品と して優れる こ とがわか る。
実施例 2
射出する溶融樹脂の計量値を上げて窒素が補助室内に入ら なレヽよ う に し、 L (b )Z L ( a ) = 0. 9 7 と なる よ う にした 以外は実施例 1 と同様な方法で成形し、 評価を行った。 中空 率は 3 4 %であった。
得られた結果を表 1 ( a ) に示した。
本実施例のローラーは振れが少ないこ とが分かる。 また、 へジテーショ ンマークが無いので外観が良好であ リ 、 局部的 な振れもなく 寸法精度の面でも良好である。 このため機構部 品と して優れる こ とがわかる。
実施例 3
射出する溶融樹脂の計量値を上げて窒素が補助室内に入ら ないよ う に し、 L ( b ) Z L ( a ) = 0 . 9 2 と なる よ う にした 以外は実施例 1 と同様な方法で成形し、 評価を行った。 製品 態様の断面図の例を図 6 ( b ) に示す。 中空率は 3 2 %であ つた。
得られた結果を表 Γ ( a ) に示した。
本実施例のローラーは振れが少ないこ とが分かる。 また、 へジテーショ ンマークが無いので外観が良好でぁ リ 、 局部的 な振れもなく 寸法精度の面でも良好である。 このため機構部 品と して優れるこ とがわかる。
比較例 1
射出する溶融樹脂の計量値を上げて窒素が補助室内に入ら ないよ う にし、 L ( b )Z L ( a ) = 0. 8 7 となるよ う にした 以外は実施例 1 と同様な方法で成形し、 評価を行った。
得られた結果を表 1 ( a ) に示した。
本比較例のローラーは、 へジテーショ ンマークは無かった が、 振れが大き く 、 機構部品と して好ま しく ない。
実施例 4
窒素ガスの注入口をランナーに設けた以外は実施例 1 と同 様な方法で成形し、 評価を行った。 窒素ガスはランナーから ゲー トの樹脂内部を経由してキヤビティー中に導入された。 最終的に中空部形成流体は補助室内部に到達した。 L (b ) L ( a ) = 1 . 0 0であった。 製品部の中空率は約 3 5 %であ つた。 得られた製品は実施例 1 と同様な中空形状であった。 得られた結果を表 1 ( b ) に示した。
本実施例のローラーは振れが少ないこ と が分かる。 また、 へジテーショ ンマーク が無いので外観が良好であ リ 、 局部的 な振れもな く 寸法精度の面でも良好である。 このため機構部 品と して優れる こ と がわかる。
比較例 2
図 1 に示すよ う にゲー ト 4 は製品の中央、 補助室 3 への連 通部 5 は製品の両端面 6 に 1 つづつ配置した他は、 実施例 1 と 同様な方法で軸一体型ローラーを成形し、 評価した。 図 1 には 2つの補助室を示したが、 それぞれ同 じ大き さ、 形状と した。 補助室の形状は直方体、 容量の合計は最終的な軸一体 型機構部品の見かけ容積の約 4 0 %と した。 L ( b ) / L ( a ) = 1 . 0 .0であった。
製品態様の断面図の例を図 4 に示す。 図 4 に示すよ う に、 ゲー ト部に対応する 1 ケ所と補助室への連通部に対応する 2 ケ所に開口部がぁ リ 、 合計 3 つの開口部があった。
得られた結果を表 1 ( b ) に示した。
本比較例の口—ラーは、 へジテーショ ンマークは無かった が、 A部及び B部の振れが大き く 、 機構部品と して好ま しく なかった。
比較例 3
図 2 に示すよ う にゲー ト 4 は製品の両端面 6 に 1 つづつ、 補助室 3への連通部 5 は製品の中央に配置した他は、 実施例 1 と同様な方法で軸一体型ローラーを成形し、 評価した。 図
2 には補助室を示したが、 形状は直方体、 容量は最終的な軸 一体型機構部品の見かけ容積の約 4 0 % と した。 L ( b ) Z L ( a ) = 0 . 8 4 であった。
製品態様の断面図の例を図 5 に示す。 図 5 に示すよ う に、 ゲー ト部に対応する 1 ケ所と補助室への連通部に対応する 2 ケ所に開 口部があ り 、 合計 3つの開口部があった。
得られた結果を表 1 ( b ) に示した。
本比較例のローラーは、 へジテーショ ンマーク は無かった が、 A部及び B部の振れが大き く 、 機構部品と して好ま しく なかった。
実施例 5
補助室を用いない以外は実施例 1 と同様な方法で成形を行 つた。 ただし、 実施例 1 と 同様な中空率を得るために射出す る溶融樹脂の容量は実施例 1 の約 6 5 %と した。 L ( b ) / L ( a ) = 0 . 9 2であった。
図 3 の C部に相当する付近の表面にへジテーショ ンマーク のある成形品が得られた。
実施例 1 と 同様に A部及び B部の振れを測定した。 また、 へジテーショ ンマークの現れた部分の振れも A部及び B部の と き と同様に測定した。
得られた結果を表 1 ( b ) に示した。
本実施例のローラーは、 へジテーショ ンマーク によ リ局部 的な振れがあるが、 A部及び B部の振れは少ない。
実施例 6
補助室を用いず、 また中空部形成流体の溶融樹脂への注入 口 1 5 を図 7 に示すよ う に設けた以外は実施例 1 と同様な方 法で成形を行った。 ただし、 実施例 1 と 同様な中空率を得る ために射出する溶融樹脂の容量は実施例 1 の約 6 5 %と した L ( b ) L ( a ) = 0 . 9 7 であった。 成形後、 図 7 の線 F— Fに沿って成形品を切断して最終的な製品を得た。
図 7 の C部に相当する付近の表面にへジテーシヨ ンマーク のある成形品が得られた。
実施例 1 と 同様に A部及び B部の振れを測定した。 また、 へジテーシヨ ンマークの現れた部分の振れも A部及ぴ B部の と き と 同様に測定した。
得られた結果を表 1 ( b ) に示した。
本実施例のローラーは、 へジテーショ ンマークによ リ局部 的な振れがあるが、 A部及び B部の振れは少ない。
比較例 4
実施例 5 と同じ溶融樹脂の射出量を用いた他は、 実施例 1 と同様な成形を行った。 窒素ガスはノ ズルからスプルー、 ラ ンナ一、 ゲー トの樹脂内部を経由 してキヤ ビティー中に導入 され、 補助室内に達したが、 溶融樹脂の量が少ないので、 補 助室内で窒素ガスが溶融樹脂を突き破リ 、 ガス圧が樹脂の冷 却前に解放されて しまい、 成形が出来なかった。
比較例 5
製品キヤ ビティーに溶融樹脂を満たした後、 窒素ガスを圧 入する以外は実施例 5 と同様な方法で成形を行ったが、 中空 率が 1 0 %以下でぁ リ 、 実質肉厚が厚く な り成形サイ クルは 実施例 1 の約 4倍となって しまい生産性に劣った。 L ( b ) / L ( a ) = 0. 1 5であった。
実施例 7
樹脂と してポリ アミ ド (ナイ ロン 6 6 ) を用い、 シリ ンダ 一の設定温度を 2 9 0でと した以外は実施例 1 と同様な方法 で成形し、 評価を行った。 L ( b ) Z L ( a ) = 1 . 0 0であり . 中空率は 3 5 %であった。
実施例 1 と同様な中空形状の製品が得られた。 得られた結 果を表 2に示した。
本実施例のローラーは振れが少ないこ とが分かる。 また、 へジテーショ ンマークが無いので外観が良好であリ 、 局部的 な振れもなく 寸法精度の面でも良好である。 このため機構部 品と して優れることがわかる。
実施例 8
樹脂と してポリ アミ ド (ナイ ロン 6.6 ) を用い、 シリ ンダ 一の設定温度を 2 9 0 °Cと した以外は実施例 4 と同様な方法 で成形し、 評価を行った。 L (b ) / L ( a ) = 1 . 0 0であリ 中空率は 3 5 %であった。
実施例 4 と同様な中空形状の製品が得られた。 得られた結 果を表 2に示した。
本実施例の口一ラーは振れが少ないこ とが分かる。 また、 へジテーショ ンマークが無いので外観が良好であ リ 、 局部的 な振れもなく 寸法精度の面でも良好である。 このため機構部 品と して優れる こ と がわかる。
比較例 6
樹脂と してポリ ア ミ ド (ナイ ロ ン 6 6 ) を用い、 シリ ンダ 一の設定温度を 2 9 0 °Cと した以外は比較例 2 と 同様な方法 で成形し、 評価を行った。 L (b )// L ( a ) = l . 0 0であつ た。
比較例 2 と 同様な中空形状の製品が得られた。 得られた結 果を表 2 に示した。
本比較例のローラーは、 へジテーショ ンマーク は無かった が、 A部及ぴ B部の振れが大き く 、 機構部品と して好ま しく なかった。
比較例 7
樹脂と してポリ ア ミ ド (ナイ ロ ン 6 6 ) を用い、 シリ ンダ 一の設定温度を 2 9 0 °Cと した以外は比較例 3 と 同様な方法 で成形し、 評価を行った。 L (b )Z L ( a ) = 0 . 8 4であつ た。
比較例 3 と 同様な中空形状の製品が得られた。 得られた結 果を表 2 に示した。
本比較例のローラーは、 へジテーショ ンマークは無かった が、 A部及び B部の振れが大き く 、 機構部品と して好ま しく
なかった。
実施例 9
樹脂と してポリ ア ミ ド (ナイ ロ ン 6 6 ) を用い、 シ リ ンダ 一の設定温度を 2 9 0 °Cと した以外は実施例 5 と 同様な方法 で成形し、 評価を行った。 L ( b )Z L ( a ) = 0 . 9 2 であつ た。
実施例 5 と 同様な製品が得られた。 得られた結果を表 2 に 示した。
本実施例のローラーは A部及び B部の振れは少ないが、 へ ジテーショ ンマーク によ リ 局部的な振れがあった。
比較例 8
樹脂と .してポリ ア ミ ド (ナイ ロ ン 6 6 ) を用い、 シリ ンダ 一の設定温度を 2 9 0 °Cと した以外は比較例 4 と 同様な方法 で成形を行った。
窒素ガスはノ ズルからスプルー、 ランナー、 ゲー トの榭脂 内部を経由 してキヤ ビティー中に導入され、 補助室内に達し たが、 溶融樹脂の量が少ないので、 補助室内で窒素ガスが溶 融榭脂を突き破リ 、 ガス圧が樹脂の冷却前に解放されてしま い、 成形が出来なかった。
実施例 1 0 、 1 1
長さ 2 0 0 mm (この う ち軸部の長さは両端のそれぞれ 2 c m) で軸部の直径が 1 O mm、 ローラー部の直径が 1 2 m mの軸一体型ローラーを作製した。 製品態様の例を図 1 7 に
示す。 また図 1 7 には補助室 (形状は直方体、 容量は最終的 な軸一体型機構部品の見かけ容積の約 4 0 % ) も示した。 樹脂と しては、 実施例 1 0 ではポリ アセタールコポリ マー を、 実施例 1 1 ではポリ ア ミ ド (ナイ ロ ン 6 6 ) を用いて、 金型温度はいずれも 8 0 °C、 シリ ンダ一の設定温度は、 'それ ぞれ 2 0 0 °C (実施例 1 0 ) 、 2 9 0 °C (実施例 1 1 ) で中 空射出成形を行った。 また、 樹脂中に注入する 中空部形成流 体には窒素ガスを用い、 ガス注入口は成形機のシリ ンダ一先 端部のノ ズルに設けた。 また、 図 1 5 に示すよ う に軸部に凹 部 1 8 を設け、 この凹部 1 8 にゲー ト 4 を設けた。 このと き の囬部 1 8 は図 2 0 ( a ) 及び 2 0 ( b ) と 同様に円筒形と した。 この円筒形の凹部 1 8 の半径は 2 . 5 m m、 深さは 2 m mで if了った。
まず、 成形機のシリ ンダーで溶融した樹脂をノ ズルを通し て金型中に射出し、 製品部と なるキヤ ビティーに溶融樹脂を 満たしてから (樹脂の計量値をキヤ ビティーの容量と ほぼ同 じにした) 、 該キヤ ビティー内に高圧窒素を圧入する こ とに よってキヤ ビティー内の溶融樹脂をキヤ ビティーに連通され た補助室に押し出しつつ中空部を形成し、 成形品を得た。 窒 素はノ ズルからスプルー、 ラ ンナー、 ゲー トの樹脂内部を通 つてキヤ ビティー中に導入され、 助室まで到達した。 (こ のと き 中空部形成流体用の注入口はノ ズルに設けた。 ) また このと き導入された窒素ガスは中空部形成流体の注入装置內
で 1 0 0 k g Z c m 2に昇圧されていたものである。
また、 この と きの窒素ガスの導入条件はガス圧入遅延時間 (樹脂の射出完了後ガスを注入するまでの時間) を 0 . 1秒 ガス圧入時間 (ガス注入を行う時間) を 5秒、 圧力保持時間 (ガス注入をとめガス系を閉じた状態に保持する時間とガス 圧入時間をたした時間) を 5 0秒と した。 型開きは圧力保持 時間終了から 5秒後に行い、 成形品を取り 出した。
得られた製品態様の断面図の例を図 1 5 に示す。 実施例 1 0 と 1 1 のいずれにおいても、 L (b )/ L ( a ) = 0 . 9 8で ぁリ、 中空率は 3 5 %であった。
また、 得られたローラ一の評価は以下のよ う に行った。 口 一ラーの軸部を Vブロ ックで受け、 ローラーを 1 回転し、 図 1 5の A部 (ローラー部 2の中央) でローラー表面の軸線と 直角方向の振れ量 (回転させたときの測定表面の最大変位量 と最小変位量の差) を実施例 1 と同様にして測定した。 この 振れが小さいほど寸法精度に優れ正確に作動するローラーと 言える。
また、 製品の表面にはへジテーショ ンマークは無かった。 得られた結果を表 3 に示した。
本実施例のローラーは振れが少なく 、 機構部品と して優れ ている。
実施例 1 2〜 2 1
以下に示す歯車諸元、 形状の平歯車を各実施例で成形した
製品態様の断面図の例を図 1 0 ( a ) 0 ( b ) , 0
( c ) に示す。
モジユ ー ノレネ 0
齒 4 2
歯底円直径 8 . 5〜 3 9 . 5 mm
歯先円直径 1 3 〜 4 4 mm
歯 幅 2 0 m m
標準圧力角 2 0 °
軸部直径 8 mm
軸部長さ 歯車の両側にそれぞれ 2 O mm
( *モジュールはピッチ円直径 (mm) Z歯数よ リ算出する) 樹脂と してはポ リ アセタールコポリ マー、 ポリ ア ミ ド (ナ ィ ロ ン 6 6 ) を用いて、 金型温度はいずれも 8 0 °C、 シリ ン ダ一の設定温度は、 それぞれ 2 0 0 °C、 2 9 0 °Cで中空射出 成形を行った。 また、 樹脂中に注入する中空部形成流体には 窒素ガスを用い、 窒素ガスの注入口は成形機のシリ ンダ一先 端部のノ ズル内に設けた。 また、 ゲー ト 4 と補助室への連通 部 5 はそれぞれ図 1 0 ( a ) に示すよ う に製品部の相対する 端面 6 に設けた。
まず、 成形機のシ リ ンダ一で溶 1$した樹脂をノ ズルを通し て金型中に射出し、 製品部となるキヤ ビティーに溶融樹脂を 満た し、 次いでノ ズル内に設けた中空部形成流体用の注入口
から窒素ガスを導入した。 この と き導入された窒素ガスは中 空部形成流体の注入装置内で 1 5 0 k g / c m2に昇圧され ていたもので、 ノ ズノレ力ゝらスプノレー、 ラ ンナー、 ゲー トの樹 脂内部を経由 してキヤ ビティー中に導入された。
そ して、 導入された窒素ガスによ り キヤ ビティー内の溶融 樹脂をキヤ ビティーに連通された補助室に押し出して中空部 8 を形成し、 中空の製品が得られた。 最終的に中空部形成流 体は補助室内部に到達した。 L ( b )/ L ( a ) = l . 0 0 であ つた。 製品部の中空率は約 2 5 %であった。 中空部の態様の 例を図 1 0 ( a ) 、 1 0 ( b ) 、 1 0 ( c ) に示した。
また、 このと きの窒素ガスの導入条件はガス圧入遅延時間 (樹脂の射出完了後ガスを溶融樹脂に注入するまでの時間) を 0 . 5秒、 ガス圧入時間 (ガス注入を行う 時間) を 5秒、 圧力保持時間 (ガス注入を と めガス系を閉 じた状態に保持す る時間とガス圧入時間をた した時間) を 3 8秒と した。 型開 きは圧力保持時間終了から 5秒後に行い、 成形品を取 リ 出し た。
得られた歯車の精度測定には J I S歯車精度規格 ( J I S B 1 7 0 2 ) の歯形誤差 ( 0 t h p r 0 ΠΊ e error) , 歯す じ方向誤差 ( lead error) を用いた。 いずれの誤差も理想的 なィ ンボ リ ユ ー ト歯車からの寸法のずれでぁ リ 、 誤差の値が 小さいほど正確に作動する歯車と言える。
なお、 測定には日本国大阪精密機械 (株) 製歯車測定機 G C
- 1 H P型を用いた。
得られた結果を表 4 、 5 に示した。 いずれの実施例におい てもへジテーショ ンマーク は無かった。
本実施例による軸一体型歯車は誤差が少なく 、 機構部品と して優れた寸法精度を持つこ とが分かる。 また、 中でも R 1 / r 1 が 1 〜 4 では歯車の誤差が小さ く 特に有効である。 比較例 9、 1 0
溶融樹脂の射出容量を実施例 1 4, 1 9 の約 7 5 %と した 他は、 実施例 1 4、 1 9 と 同様な成形を行った。
窒素ガスはノ ズルからスプルー、 ラ ンナー、 ゲー トの樹脂 内部を経由 してキヤ ビティー中に導入され、 補助室内に達し たが、 溶融樹脂の量が少ないので、 補助室内で窒素ガスが溶 融樹脂を突き破リ 、 ガス圧が樹脂の冷却前に解放されて しま い、 成形が出来なかった。
比較例 1 1
補助室を用いない以外は実施例 1 4 と 同様な方法で成形を 行ったが、 中空率が 1 0 %以下とな リ 、 実質肉厚が厚く な リ 成形サイ クルは実施例 1 4 の約 4倍となって しまい生産性に 劣った。 L ( b ) L ( a ) = 0 . 2 0 であった。
実施例 2 2〜 3 1
長さ 2 0 0 mm (この う ち軸部の長さは両端のそれぞれ 2 c m) で軸部 1 の直径が 1 O mm、 ローラー部 2 の直径が 1 0〜 4 0 mmの各実施例の軸一体型ローラ一を成形した。 製
品態様の断面図の例を図 1 1 に示す。 また、 図 1 1 には補助 室 3 の例を破線で示した。
樹脂と してはポ リ アセタールコポ リ マー、 ポ リ ア ミ ド (ナ ィ ロ ン 6 6 ) を用いて、 金型温度はいずれも 8 0 °C、 シリ ン ダ一の設定温度は、 それぞれ 2 0 0 °C、 2 9 0 °Cで中空射出 成形を行った。 また、 樹脂中に注入する 中空部形成流体には 窒素ガスを用い、 窒素ガス の注入口は成形機のシリ ンダ一先 端部のノ ズル内に設けた。 また、 ゲー ト 4 と補助室 3への連 通部 5 はそれぞれ図 1 1 に示すよ う に製品部の相対する端面 6 に設けた。
まず、 成形機のシリ ンダーで溶融した樹脂をノ ズルを通し て金型中に射出し、 製品部となるキヤ ビティーに溶融樹脂を 満たし、 ノ ズル内に設けた中空部形成流体用の注入口から窒 素ガスを導入した。 こ の と き導入された窒素ガスは中空部形 成流体の注入装置内で 1 0 0 k g Z c m2に昇圧されていた もので、 ノ ズルからスブルー、 ラ ンナー、 ゲー トの溶融樹脂 内を経由 してキヤ ビティー中に導入された。
そ して、 導入された窒素ガスにょ リ キヤ ビティー内の溶融 樹脂をキヤ ビティーに連通された補助室 3 に押し出 して中空 部 8 を形 ¾し、 中空の製品が得られた。 最終的に窒素ガスは 補助室 3内部に到達した。 中空部 8の態様の例を図 1 1 に示 した。 L ( b )/ L ( a ) = l . 0 0であった。
また、 こ の と き の窒素ガスの導入条件はガス圧入遅延時間
(樹脂の射出完了後ガスを溶融樹脂中に注入する までの時間) を 0秒、 ガス圧入時間 (ガス注入を行う時間) を 5秒、 圧力 保持時間 (ガス注入をとめガス系を閉じた状態に保持する時 間とガス圧入時間をたした時間) を 4 0秒と した。 型開きは 圧力保持時間終了から 5秒後に行い、 成形品を取リ 出した。
また、 得られたローラーの振れの評価を以下のよ う に行つ た。 ローラーの両端の軸部 1 をそれぞれ Vブロ ックで受け、 図 1 1 の D部 (ローラー部の中央) 、 E部にダイヤルゲージ を軸線と垂直方向の変位が測定できるよ う に接触させる。 そ して、 ローラーを軸線にそって 1 回転し、 ダイヤルゲージの 示した最大変位量と最小変位量を読みと リ 、 これらの値の差 をとつて振れ量を測定した。 つま リ 、 実施例 1 と同様な方法 で D部と E部の振れ量を測定した。 この振れ量が小さいほど 寸法精度に優れ正確に作動するローラーと言える。
さ らに、 得られた成形品のローラー部 2の中央部、 端部
(ゲー ト 4側) の平均直径 (それぞれ D l 、 D 2 とする。 ) を測定し、 これらの差 (D 1 — D 2 ) を寸法精度の目安と し た。 この様な部位で寸法を測定する理由は、 ローラ一の円筒 度の指標となるからである。 つま り 、 中央部と端部の直径差 が小さいほど寸法精度に優れ正確に作動するローラーと言え る。
得られた結果を表 6 、 7 に示した。 いずれの実施例におい ても製品部にへジテーショ ンマ ークは無かった。
本実施例の軸一体型ローラーは振れが少なく 、 ローラーと して優れた寸法精度を持つこ とが分かる。 また、 へジテーシ ヨ ンマークが無いので局部的な振れもない。 さ らに、 中でも R 2 / r 2が 1 〜 3ではローラーの中央部と端部の直径差が 小さ く 特に有効である。 ' 実施例 3 2、 3 3
補助室を用いない以外は、 それぞれ実施例 2 3 、 2 8 と 同 様な方法で成形を行った。 ただし、 実施例 2 3 、 2 8 と同様 な中空率を得るために射出する溶融樹脂の容量は実施例 2 3 2 8の約 6 5 %と した。 L (b )/ L ( a ) = 0 . 9 3であった, ゲー トの有る端面から約 1 3 O mmのローラー部 (図 1 1 の E部) 表面にへジテーショ ンマークが観測された。
実施例 2 2〜 3 1 と 同様にローラー部の中央 (図 1 1 の D 部に相当する位置) の振れを測定した。 また、 へジテーショ ンマークの現れた部分の振れもローラー部の中央 (D部) の と き と 同様に測定した。
得られた結果を表 6 、 7 に示した。
本比較例のローラーはローラー部の中央の振れは少なく 良 好であった。 へジテーショ ンマークによ リ 局部的な振れがあ つた。
比較例 1 2 、 1 3
それぞれ実施例 3 2、 3 3 と同 じ溶融樹脂の射出量を用い
た他は、 それぞれ実施例 2 3、 2 8 と 同様な成形を行った。 窒素ガスはノ ズルからスプルー、 ラ ンナー、 ゲー ト の樹脂 内部を経由 してキヤ ビティ ー中に導入され、 補助室内に達し たが、 溶融樹脂の量が少ないので、 補助室内で窒素ガスが溶 融樹脂を突き破リ 、 ガス圧が樹脂の冷却前に解放されてしま い、 成形が出来なかった。
比較例 1 4
製品キヤ ビティーに溶融樹脂を満たした後、 窒素ガスを圧 入する以外は実施例 3 2 と 同様な方法で成形を行ったが、 中 空率が 1 0 %以下と な り 、 実質肉厚が厚く な リ成形サイ クル は実施例 2 0 の約 4倍となってしまい生産性に劣った。 L ( b ) / L ( a ) = 0 . 2 6 であった。
実施例 3 4〜 4 1
長さ 1 6 O mm (この う ち軸部の長さは両端のそれぞれ 5 mm) で軸部 1 の直径が 1 0 mm、 溝 1 4 の無い部分での口 一ラー直径が 1 4 mm、 溝 1 4 の幅が 2 mm、 溝 1 4 の深さ が 2〜 3 . 5 mmの各実施例の溝付き ローラーを成形した。 製品態様の例を図 1 2 に示す。 図 1 3 には捕助室 3 の例を示 した。 溝 1 4 は図 1 2 に示すよ う に軸線から 6 0 ° 傾斜して 2本の逆回転の渦卷溝が交差する よ う に設けた。
樹脂と してはポリ ァセタールホモポリ マー、 ポ リ ア ミ ド (ナイ ロ ン 6 6 ) 、 変性ポ リ フ エ 二 レンエーテル、 A B S樹 脂を用い、 金型温度、 シ リ ンダーの設定温度はそれぞれの樹
脂の通常用いられる条件で中空射出成形を行った。 また、 樹 脂中に注入する中空部形成流体には窒素ガスを用い、 ガス注 入口は成形機のシリ ンダー先端部のノ ズル内に設けた。 また、 ゲ" ト 4 と補助室 3への連通部 5はそれぞれ図 1 2、 1 3に 示すよ う に製品部の相対する端面 6に設けた。
まず、 成形機のシ リ ンダーで溶融した樹脂をノ ズルを通し て金型中に射出 し、 製品部と なるキヤ ビティーに溶融樹脂を 満た し、 ノ ズルに設けた中空部形成流体用の注入口から窒素 ガスを導入した。 このと き導入された窒素ガスは中空部形成 流体の注入装置内で 1 0 0 k g c m2に昇圧されていたも ので、 ノ ズルからスプルー、 ラ ンナー、 ゲー ト を通ってキヤ ビティ ー中に導入された。
そ して、 導入された窒素ガスにょ リ キヤ ビティー内の溶融 樹脂をキヤ ビティーに連通された補助室 3.に押し出して中空 部 8を形成し、 中空の製品が得られた。 中空部 8の態様の例 を図 1 3に示した。 L (b)ZL (a )= l . 0 0であった。
また、 このと きの窒素ガスの導入条件はガス圧入遅延時間 (樹脂の射出完了後ガスを注入するまでの時間) を 0. 5秒、 ガス圧入時間 (ガス注入を行う時間) を 5秒、 圧力保持時間 (ガス注入をと めガス系を閉じた状態に保持する時間とガス 圧入時間をた した時間) を 4 1秒と した。 型開きは圧力保持 時間終了から 5秒後に行い、 成形品を取 り 出 した。
また、 得られたローラーの中央部、 端部 (樹脂の入り 口側)
の溝のない部分での直径を測定した。 (図 1 2 の a b 間、 c d間にそれぞれ相当する部分で直径 (それぞれ D 3 、 D 4 と する) を測定した。 ) そ して、 これらの差 ( D 3 — D 4 ) を 寸法精度の 目安と した。 この様な差をと る理由は、 ローラー の円筒度の指標と なるからである。 円筒度が悪いと 、 溝の位 置もずれてく るため溝に入る ピンの動き にも誤差を生じる よ う になる。 つま リ 、 中央部と端部の直径差が小さいほど寸法 精度に優れ正確に動きを伝達する ローラーと言える。
さ らに得られた成形品に付いてへジテーショ ンマークの有 無を観察した。
得られた結果を表 8 、 9 に示した。 いずれの実施例におい てもへジテーショ ンマーク は無かった。
本実施例による溝付き ローラーは直径差 (D 3 — D 4 ) が 小さいので正確な作動を行う こ とができ、 溝の深さが幅以上 なので、 ピンの作動時に溝に入る ピン等が外れ難く 、 溝付き ローラーと して優れてレヽる。
実施例 4 2、 4 3 、 4 4 、 4 5
補助室を用いずにそれぞれ実施例 3 4 、 3 6 、 3 8 、 4 0 と同様な方法で成形を行った。 ただし、 対応する実施例と同 様な中空率を得るために射出する溶融樹脂の容量はそれぞれ 対応する実施例の約 6 5 %と した。 L ( b )ノ L ( a ) = 0. 9 4であった。
いずれもゲー トの有る端面から約 1 0 5 mmのローラー部 表面にへジテーシ ョ ンマークが観測され、 溝内部に約 0. 2 mmの凹凸が生じていた。
実施例 3 4〜 4 1 と同様に直径差 (D 3 — D 4 ) を測定し た。
得られた結果を表 8 、 9 に示した。
本実施例のローラーは直径差 (D 3 — D 4 ) が小さ く 円筒 度が良好であった。 へジテーショ ンマークにょ リ溝内部に凹 凸があった。
比較例 1 5〜 1 8
それぞれ実施例 4 2 、 4 3、 4 4 、 4 5 と同じ溶融樹脂の 射出量を用いた他は、 それぞれ実施例 3 4 、 3 6 、 3 8 、 4 0 と同様な成形を行った。
窒素ガス は ノ ズルか らス プルー、 ラ ンナー、 ゲー ト の樹脂 内部を経由 してキヤ ビティ ー中に導入され、 補助室内に達し たが、 溶融樹脂の量が少ないので、 補助室内で窒素ガスが溶 融樹脂を突き破り 、 ガス圧が樹脂の冷却前に解放されて しま い、 成形が出来なかった。
比較例 1 9
製品キヤ ビティ ーに溶融樹脂を満た した (即ち、 フルシ ョ ッ ト) 後、 窒素ガスを圧入する以外は実施例 4 2 と 同様な方 法で成形を行ったが、 中空率が 1 0 %以下と な リ 、 実質肉厚 が厚く な り成形サイ クルは実施例 2 9 の約 4倍と なって しま い生産性に劣った。 L ( b ) / L ( a ) = 0 . 2 0 であった。
表 1 ( a ) ゲ一トと 補助室 中空部形成流体の 振れ量 (mm) 捕助室への連通部 の有無 使用樹脂 樹脂の 溶融樹脂への L(b)/L(a)
の配置 射出量 注入口の位置 A部 B部 実施例 1 図 3 有リ ポリアセタ-ルコポリマ フルショクト法 成形機のノズル部 1. 00 0. 02 0. 03 実施例 2 図 3 有リ ボ!)ァセタ-ルコボリマ- フルシ 3 ; 法 成形機のノズル部 0. 97 0. 04 0. 04 実施例 3 図 3 有リ ポ!)ァセタ -ル: >ポ マ- フルシ"ト法 成形機のノズル部 0. 92 0. 07 0. 08 比較例 1 図 3 有リ ポリアセタ-ル:!ボリマ- フル'ンョクト法 成形機のノズル部 0. 87 0. 85 0. 94
表 1 ( b ) ゲー トと 補助室 中空部形成流体の 扱れ量 vmm) c部 補助室への連通部 の有無 使用樹脂 樹脂の 溶融樹脂への ヘシアーシヨンマーク 1へジテー 'ン 3ンマ ^ク3) の配置 射出量 注入口の位置 A部 B部 の有無 の捩れ (mm) 実施例 1 図 3 有リ ポリアセタ-ル: "ポリマ- フルショット 成形機のノズル部 0. 02 0. 03 無し 0. 02 実施例 4 図 3 有リ ボ!)ァセタ -ル 3ポ マ- フルシ 3ット ランナ一部 0. 02 0. 02 無し 0. 03 実施例 5 図 3 (連通部無し) 無し ポリアセタ-ル 3ポリマ- シ 3 "トシ3 ; 法 成形機のノ ズル部 0. 03 0. 02 有リ 0. 2 1 実施例 6 図 7 (連通部無し) 無し ポリアセタ ル 3ポリマ- ショ トショット法 製品部キヤビティ- 0. 04 0. 04 有リ 0. 20 比較例 2 図 1 有リ ポリアセタ-ルコポリマ フルシ 3ット法 成形機のノズル部 1. 05 1. 05 無し 1. 0 1 比較例 3 図 2 有リ ボ!)ァセタ ル: 1ボリマ- フルショット法 成形機のノズル部 1. 1 1. 1 3 無し 1. 1 2 比較例 4 図 3 有リ ポリアセタ-ルコポリマ- ショ- 3ット法 成形機のノズル部 成形不可 成形不可 成形不可 成形不可
表 2 ゲ一トと 補助室 中空部形成流体の ¾gれ量 (mm) C部 補助室への連通部 の有無. 使用樹脂 樹脂の 溶融樹脂への へジテーンヨンマーク (へジテーシヨンマーク ¾) の配置 射出量 注入口の位置 A部 B部 の有無 の振れ (mm) 実施例 7 図 3 有リ ナイ ロン 66 フルショット 成形機のノズル部 0. 0 3 0. 0 1 無し 0. 03 実施例 8 図 3 有リ ナイ ロン 66 フルシ 3ッ I·法 ランナ一部 0. 0 2 0. 0 1 無し 0. 0 1 実施例 9 図 3 (連通部無し) 無し ナイロン 66 ショートショグト 成形機のノズル部 0. 03 0. 03 有リ 0. 20 比較例 6 図 1 有リ ナイロン 66 フルシ 3 ; ¾ 成形機のノズル部 1. 08 1. 07 teし 0. 99 比較例 7 図 2 有リ ナイロン 66 フルショット法 成形機のノズル部 1. 1 6 1. 1 6 無し 1. 1 0 比較例 8 図 3 有リ ナイロン 66 ショー I·ショット 成形機のノズル部 成形不可 成形不可 成形不可 成形不可
表 3
表 4 使用樹脂 歯車デザイン JIS B 1702による各項目
の誤差 (単位 μ m) 歯車部の 軸部 樹脂の 補助室 へジテーシヨンマーク
歯底円直径 の直径 R 1 / r 1 射出量 の有無 の有無
R 1 r 1 歯形誤差 歯すじ方向誤差 (mm) (mm) 実施例 1 2 ポリアセタ ルコボリマ- 8. 5 8. 0 1. 06 フルショクト法 有リ 無し 6 6 実施例 1 3 ポリアセタ ルコポリマ- 1 5. 5 8. 0 1. 9 フルシ クト法 有リ し 6 5 実施例 1 4 ポリアセタ-ルコボ!)マ- 2 3. 5 8. 0 2. 94 フルシ ット法 有リ し 7 8 実施例 1 5 ポリアセタ-ル: "ポリマ- 3 1. 5 8. 0 3. 9 フルシ タト法 有リ 挺し 7 7 実施例 1 6 ボリァセタ-ルコポリマ- 3 9. 5 8. 0 4. 94 フルシ クト法 有リ 無し 1 1 1 1 比較例 9 ボリァセタ - コポ マ- 2 3. 5 8. 0 2. 94 ショートショ?ト法 有リ 成形不可 成形不可 成形不可
表 5 歯車デザィン JIS B 1702による各項目 使用樹脂 の誤差 (単位 μ m)
歯車部の 軸部 樹脂の 補助室 へジテ一シヨンマーク
歯底円直径 の直径 R 1 / r 1 射出量 の有無 の有無
R 1 r 1 歯形誤差 歯すじ方向誤差 (mm) (mm) 実施例 1 7 ナイ ロン 6 6 8. 5 8. 0 1. 06 フルショット法 有リ 無し 6 7 実施例 1 8 ナイ ロン 6 6 1 5. 5 8. 0 1. 94 フルシ 3ッ 1·法 有リ 無し 6 6 実施例 1 9 ナイ ロン 6 6 2 3. 5 8. 0 2. 94 フルシ 3タト法 有リ 無し 7 8 実施例 2 0 ナイ ロン 6 6 3 1. 5 8. 0 3. 94 フルショット法 有リ 無し 8 7 実施例 2 1 ナイロン 6 6 3 9. 5 8. 0 4. 94 フルショット法 有リ 無し 1 1 1 2 比較例 1 0 ナイロン 6 6 2 3. 5 8. 0 2. 94 ショートショット法 有リ 成形不可 成形不可 成形不可
表 6 ローラーデザィン 平均 使用樹脂 D部の E部 直径差 軸部直径 P-ラ-部 樹脂の 補助室 振れ量 へジテーシヨンマーク (へジテーシヨンマーク ) D 1— D 2 r 2 直径 R 2 R 2 / r 2 射出量 の有無 (mm) の有無 の振れ (mm) (.mm) (mm) (mm) 実施例 2 2 ポリアセタールコポリマ— 1 0 1 0 1. 0 フルショ ト法 有リ 0. 0 1 Λし 0. 0 1 0. 0 0 実施例 2 3 ポリアセタ-ルコポリマ- 1 0 1 5 1. 5 フルシ 3タト法 有リ 0. 0 2 し 0. 0 3 0. 0 3 実施例 24 ポリアセタ-ルコポリマ- 1 0 20 2 0 フルショット法 有リ 0. 0 3 無し 0. 0 2 0. 0 2 実施例 2 5 .ボリァセタ-ルコボ!)マ- 1 0 3 0 3. 0 フル'ン"ト法 有リ 0. 0 2 4ffiし 0. 0 3 0. 0 6 実施例 2 6 ポリアセタ-ルコポリマ- 1 0 4 0 4. 0 フルショット法 有リ 0. 0 5 無し 0. 04 0. 1 0 実施例 3 2 ボリァセタールコボリマー 1 0 1 5 1. 5 ショ ト-ンョクト法 無し 0. 0 3 有リ 0. 2 3 0. 0 3 比較例 1 2 ボ!)ァセタ-ルコポ マ- 1 0 1 5 1. 5 'ン 3—トシ 3タト法 有リ 成形不可 成形不可 成形不可 成形不可
表 7 口一ラーデザィン 平均 使用樹脂 D部の E部
軸部直径 ロ-ラ 部 樹脂の 補助室 振れ量 へジテ一シヨンマーク (へジテーシヨンマーク音 (5) D 1 -D 2 r 2 直径 R 2 R 2 / r 2 射出量 の有無 (mm) の有無 の捩れ (mm) (.mm) (mm) (mm) 実施例 2 7 ナイ ロン 6 6 1 0 1 0 1. 0 フルシ"ト法 有リ 0. 0 1 無し 0. 0 2 0. 0 1 実施例 2 8 ナイ ロン 6 6 1 0 1 5 1. 5 フルショッ 1·法 有リ 0. 0 3 無し 0. 0 2 0. 0 2 実施例 2 9 ナイ ロ ン 6 6 1 0 20 2. 0 フルショク 1·法 有リ 0. 0 3 無し 0. 04 0. 0 3 実施例 3 0 ナイ ロン 6 6 1 0 30 3. 0 フルショット法 有リ 0. 04 無し 0. 0 3 0. 0 6 実施例 3 1 ナイ ロン 6 6 1 0 40 4. 0 フルショクト法 有リ 0. 04 無し 0. 04 0. 1 2 実施例 3 3 ナイ ロン 66 1 0 1 5 1. 5 シ -トシ 5 法 無し 0. 04 有リ 0. 2 2 0. 0 比較例 1 3 ナイ ロン 6 6 1 0 1 5 1. 5 シ -トショット法 有リ 成形不可 成形不可 成形不可 成形不可
表 8 使用樹脂 溝の深さ r 3 /R 3 溶融樹脂の へジテーシ ンマーク 中央部直径 D 3 と端部直径 D 4
(mm) 射出量 の有無 の差 D 3 - D 4 (mm) 実施例 34 ポリアセタールホモボリマ— 2 0. 7 1 フルショ ト法 無し 0. 0 1 5 実施例 35 ポリア tタ-ルホモポリマ- 3. 5 0. 5 フルシ クト法 無し 0. 0 1 8 実施例 4 2 ボリァセタ-ルホモポ!)マ- 2 0. 7 1 シ ト'ンョット法 有リ 0. 0 1 6 実施例 36 ナイロン 66 2 0. 7 1 4 フル'ン グト S 無し 0. 0 1 3 実施例 37 ナイロン 66 3. 5 0. 5 フルショット S 無し 0. 0 1 7 実施例 4 3 ナイロン 6 6 2 0. 7 1 4 ショートショット法 有リ 0. 0 1 5
表 9 使用樹脂 溝の深さ r 3 /R 3 溶融樹脂の へジテーシ 3ンマーク 中央部直径 D 3と端部直径 D 4
(mm) 射出量 の有無 の差 D 3— D4 (mm) 実施例 38 変性ボリフ: t二レンエーテル 2 0. 7 14 フルシ"ト法 無し 0. 008 実施例 39 変性ポリフエ二レンエーテル 3. 5 0. 5 フルシ 3ク!■法 無し 0. 0 1 2 実施例 44 変性ボリフエ二レンエーテル 2 0. 7 14 ショ ト'ン 3ット法 有リ 0. 009 実施例 40 A B S樹脂 2 0. 7 14 7ルショット法 toし 0. 009 実施例 4 1 A B S樹脂 3. 5 0. 5 フルショット法 無し 0. 0 14 実施例 45 A B S樹脂 2 0. 7 14 ショー ンョ) 法 有リ 0. 0 1 1
産業上の利用可能性
上述したよ う に、 本発明にょ リ 、 軸一体型機構部品は良好 な寸法精度をもち、 また、 中空射出成形法を用いるので短時 間に成形品が得られるので生産性に優れ、 さ らに、 軸部も樹 脂で一体化しているのでイ ンサー ト成形品よ リ リ サイ クル性 が良好で対環境問題に優れている軸一体型機構部品が提供さ れる。
本発明による軸一体型機構部品は上記のよ う に優れた成形 品であ り 、 機構部品と して自動車、 一般機械、 精密機械、 電 気 · 電子等の各分野に有用であり 、 産業上非常に有用である 特に家電製品、 O A機器のファクシミ リ 、 プリ ンター、 コピ —機等の部品と して有用である。