明 糸田 書
安 全 確 保 装 置
〔技術分野〕
本発明は、 工場等で作業する作業者の安全を確保するため安全 確保装置に関する。
〔背景技術〕
例えば、 機械可動部のメ ンテナンス作業や機械可動部と作業者 が協調して (交互に) 作業を行う設備等では、 作業者の安全対策 が極めて重要である。
例えば、 機械可動部が接触する可能性のある危険領域に作業者 が接近する場合、 従来、 機械可動部が可動状態にある時は、 モー 夕駆動の機械可動部ではモータ電源を切り、 また、 圧力駆動の機 械可動部では圧力源を遮断して、 作業者が機械可動部の停止を確 認した後に、 機械可動部に接近する方法がとられてきている。
しかしながら、 現実には、 作業者は機械可動部が完全に停止し ていないにも拘らず機械可動部が間もなく停止するものとして、 機械可動部に接近することがある。 また、 機械可動部が可動中に 誤って作業者が接近してしまう場合も存在する。 更には、 通常は 所定時間後には停止する機械可動部が、 機械側の故障 (例えばブ レーキ故障) で通常の時間内で停止しない場合も存在する。
このため、 何らかの安全対策が施されるべき必要があり、 従来 は、 機械可動部の周囲を安全栅で囲う方法をとつている。 また、 この安全柵の扉を開けると機械可動部の駆動電源が遮断される仕 組みが採られている場合もある。
しかし、 扉を開けるこ とで機械可動部の駆動源が例え遮断され ても、 機械可動部は瞬時に停止できないので、 機械可動部が完全
に停止する以前に、 作業者が安全栅內の機械可動部に接近する虞 れ力 ある。
そこで、 安全栅の扉に、 ソレノィ ドを内蔵しソレノィ ドが励磁 された時にロッ クが解錠される ドアロッ クを設け、 機械可動部が 停止した時に前記ソレノィ ドが励磁されるようにするこ とで、 安 全栅内の機械可動部が停止して初めて ドアロ ッ クが解錠されるよ うなィ ン夕ロ ッ クシステムが考えられている。
このようなインタロッ クシステムにおいては、 機械可動部の停 止を検出してソレノイ ドを停止させるセンサが必要となり、 この ような機械可動部の停止を検出してソレノィ ドを励磁するための センサの一例を第 1 図に示す。
第 1 図において、 機械可動部を駆動するモータ 1 に減速機構 2 を介して回転体 3を設け、 この回転体 3に周囲に複数の孔 4 aを 設けた回転円板 4を取付ける。 そして、 回転円板 4を挟んでホ ト ィンタラプ夕の投光素子 5 と受光素子 6を対向配置する。
モー夕 1 が回転している時には、 投光素子 5からの光ビームは、 回転円板 4 の回転に伴って孔 4 aを介して間欠的に受光素子 6で 受光される。 このため、 受光素子 6から図に示すような交流信号 が出力され交流増幅器 7で増幅され整流回路 8で整流されて直流 の出力信号が生成される。 一方、 モータ 1 が回転していない時に は、 投光素子 5からの光ビームは、 回転円板 4で遮断されて受光 素子 6に到達しないか、 又は、 孔 4 aを介して常時受光素子 6で 受光される。 このため、 受光素子 6 の出力は零又は一定レベルの 直流出力となり、 整流回路 8で直流の出力が生成されない。
従って、 モータ 1 が回転している時にはインバー夕 9の出力は 零 (論理値 0 の出力) となり、 モー夕 1 が回転していない時には
イ ンバー夕 9から所定レベルの出力 C論理値 1 の出力) が発生す る。 そ して、 このイ ンバー夕 9 の出力で ドアロ ッ クのソ レノ イ ド を励磁するこ とで、 モータ 1 が停止状態にある時に ドアロ ッ クの ソ レノ ィ ドが励磁されて口 ッ クが解錠される構成とするこ とがで Φ o
しかしながら、 従来の機械可動部の停止を検出する上述のよう なセンサでは、 例えば、 発光素子 5、 受光素子 6、 交流増幅器 7 又は整流回路 8 に、 光ビームに基づく 交流信号が伝達されないよ うな故障が生じた場合、 イ ンバー夕 9が正常であれば、 モー夕 1 の動作に関係なく 、 常にィ ンバ一夕の出力が論理値 1 となり ドア ロ ッ クが解錠されるような出力信号が生成されてしま う。
これは、 従来のセンサが、 機械可動部の停止を低エネルギ状態 の出力で示し、 この信号を、 否定演算 (イ ンバー夕 9 による) す るこ とでソ レノ ィ ド励磁用の高工ネルギ状態に相当する論理値 1 の出力信号を生成しているこ とに起因する。 否定演算回路を含む センサ構成では、 例え否定演算回路が故障時に論理値 1 の出力信 号を生成しないフェールセーフな構成を有する場合でも、 否定演 算回路に入力信号を供給する入力信号線に断線故障が発生した場 合に論理値 1 の出力信号が生成する誤りが生じる。 この入力信号 線の断線故障は図における交流増幅器 7や整流回路 8や発光及び 受光素子 5 , 6 に故障が起こ っても同一の効果となる。
従って、 このような論理値 1 の誤りが存在するセンサを用いた イ ンタロ ッ ク システムでは、 作業者の安全を確保する上で十分と は言えない。
本発明は上記の事情に鑑みなされたもので、 機械可動部の停止 を、 直接高工ネルギ状態に相当する論理値 1 の出力信号で示す i
ンサを用いるこ とで、 作業者の安全を確実に確保するこ とのでき る安全確保装置を提供するこ とを目的とする。 また、 フ エ一ルセ ーフなオン · ディ レー回路を用いて作業者の安全を確実に確保す るこ とのできる安全確保装置を提供するこ とを目的とする。 そし て、 本発明の安全確保装置は、 英国規格 B S 5 3 0 4 における 9. 7. 2. 3. 2 項のソ レノ ィ ド鎖錠安全スィ ッチ (So l eno i d l ock i ng s af e t y sw i t ch) の機能を満足するイ ンタロ ッ ク システムを提供で きる。
〔発明の開示〕
このため、 本発明では、 機械可動部を安全柵で囲う と共に、 安 全柵に設けた扉に ドアロ ッ ク手段を設け、 該 ドアロ ッ ク手段は、 内蔵するソ レノ ィ ドに外部から電流が供給され励磁された時に口 ッ クが解錠する構成であり、 機械可動部が停止した時に前記 ドア スイ ツチが解錠する構成の安全確保装置において、 機械可動部が 停止したか否かを監視し、 停止したこ とを検出した時に高工ネル ギ状態に相当する論理値 1 の出力信号を発生する可動部監視セン サを備え、 該可動部監視センサの論理値 1 の出力信号で前記 ドア ロ ッ ク手段のソ レノ ィ ドを励磁する構成と した。
こ うするこ とで、 機械可動部が駆動している時に、 誤って ドア ロ ッ ク手段が解錠されるこ とがなく、 作業者の安全を確実に確保 できるようになる。
また、 機械可動部の駆動源がモー夕の場合は、 モー夕の通電電 流や、 モー夕励磁巻線のイ ンピーダンス変化を監視してモ一夕の 回転及び停止を検出するこ とで機械可動部の停止状態を確認する 構成とする。
また、 機械可動部の駆動源が圧力の場合は、 機械可動部への圧
力伝達系の残圧を検出して機械可動部の停止状態を確認する構成 とする。
また、 センサの出力をオン · ディ レ一回路を介して所定時間遅 延させる構成とすれば、 機械可動部が確実に停止した状態でドア ロ ッ ク手段の解錠動作が行われるこ とになるので、 より一層、 作 業者の安全確保が確実となる。
また、 ドア口ッ ク手段を、 扉が閉状態の時に O Nとなり扉が開 放された時に 0 F Fとなる電気接点を内蔵した ドアスィ ッチで構 成し、 扉が閉まっている時のみ、 機械可動部の駆動電源供給が可 能となる構成とするとよい。
また、 機械可動部の駆動電源を O N / 0 F Fする電源スィ ッチ が O F F したこ とを検出する検出部と、 該検出部が電源スィ ッチ 〇 F Fを検出して入力信号が入力した時点から所定時間遅れて高 エネルギ状態に相当する論理値 1 の出力信号を発生すると共に故 障時に低エネルギ状態に相当する論理値 0の出力信号を発生する オン · ディ レー回路とを備えて、 このオン · ディ レー回路の論理 値 1 の出力信号で前記ドアロ ッ ク手段のソ レノィ ドを励磁する構 成とする。
〔図面の簡単な説明〕
第 1 図は従来のモータ回転停止検出センサの構成図である。 第 2図は本発明の安全確保装置をモータ駆動の機械に適用した 場合の一実施例を示す要部構成図である。
第 3図は第 2図の回路図である。
第 4図は ドアスィ ッチの例の口 ッ ク解錠状態を示す構成図であ る。
第 5図は第 4図の ドアスィ ツチの例のロッ ク状態を示す構成図
である。
第 6図は可動部監視センサの具体例で、 モ一夕通電電流に基づ いてモー夕停止検出を行う回転停止検出センサの構成図である。 第 7図は可動部監視センサの別の具体例で、 モー夕励磁巻線の ィ ン ピーダンス変化に基づいてモータ停止検出を行う回転停止検 出センサの構成図である。
第 8図は第 7図の回転停止検出センサの動作を説明するタイム チヤ一トである。
第 9図はフヱ一ルセーフな 2入力ウイ ン ドコンパレ一夕の回路 例を示す図である。
第 1 0図 ( a ) 及び第 1 0図 ( b ) は本発明に適用する整流回 路の回路図である。
第 1 1 図はフヱールセーフなオン · ディ レー回路の具体例を示 す回路図である。
第 1 2図は第 1 1 図のオン · ディ レー回路の動作説明図である。 第 1 3図は第 1 1 図のオン ' ディ レー回路のフヱールセ一フ性 を説明する図である。
第 1 4図は第 1 1 図のオン · ディ レー回路で想定される故障モ 一ドの一例を示す図である。
第 1 5図は第 1 4図の故障モー ドに対処するための構成図であ o
第 1 6図は第 1 5図の回路の動作説明図である。
第 1 7図はフヱ一ルセーフな増幅器の回路例である。
第 1 8図はフェールセーフな増幅器の別の回路例である。
第 1 9図は本発明の安全確保装置を圧力駆動の機械に適用した 場合の一実施例を示す要部回路図である。
- 第 2 0図は第 1 9図の可動部監視センサとして適用する残圧セ ンサの構成図である。
第 2 1 図は第 2 0図の左側面図である。
第 2 2図はフ ェールセーフなソ レ ノ ィ ド ' ドライバの一例を示 す回路図である。
第 2 3図は可動部監視センサの代わりにオン · ディ レー回路を 用いて構成した本発明の完全確保装置の実施例を示す回路図であ o
〔発明を実施するための最良の形態〕
以下に、 本発明に係る安全確保装置の実施例を図面に基づいて 説明する。
第 2図及び第 3図は、 本発明の安全確認装置をモータ駆動の機 械可動部に適用した実施例を示す。
第 2図及び第 3図において、 機械可動部 1 1 及びこの機械可動 部 1 1 を駆動するための駆動源であるモー夕 1 2は、 扉 1 4を有 する安全栅 1 3で囲ってある。 安全栅 1 3の開口部には、 扉 1 4 を閉じたときに扉 1 4をロッ クできる ドアロ ッ ク手段としての ド ァスィ ッチ 1 5が設けられている。 この ドアスィ ッチ 1 5 は、 後 述するように、 扉 1 4が閉じた時に閉となる接点 2 2 , 2 3を有 し、 この接点 2 2 , 2 3を、 第 3図に示すように、 前記モータ 1 2 の電源供給ライ ンに電源スィ ッチ 1 6 と直列に介装することで、 モー夕 1 2には ドアスィ ッチ 1 5を介して電源を供給するように 構成されている。 これは扉 1 4が開いている時にはモータ 1 2に 電源が供給されないようにするためである。
また、 安全柵 1 3内には、 機械可動部 1 1 が停止したか否かを モータ 1 2の回転 ' 停止に基づいて監視し、 停止したこ とを検出
した時に高工ネルギ状態に相当する論理値 1 の出力信号を発生す る可動部監視センサ 1 7が設けられている。 そして、 可動部監視 センサ 1 7の論理値 1 の出力信号で前記 ドアスィ ッチ 1 5 のソ レ ノ イ ド 3 1 を励磁する。
次に、 前記 ドアスィ ッチ 1 5 の具体例を第 4 図及び第 5図に示 し説明する。
前記ドアスィ ツチ 1 5 は、 扉 1 4 が閉じて扉 1 4 に取付けたァ 夕 ツチメ ン ト 3 0が突入する と接点 2 2, 2 3が 0 Nとなり、 扉 1 4 を開けてアタ ッチメ ン ト 3 0 が抜ける と接点 2 2 , 2 3が〇 F F となり、 また、 扉のロ ッ ク状態で、 ソ レ ノ イ ド 3 1 に電流が 流れ励磁されるとロ ッ クが解錠される構成のものであり、 図に示 す具体例は、 例えば英国 E J A社 (E. J . A. Eng i neer i ng Co. , L t d. ) の商品名 A t 1 a sが相当する。
図において、 安全栅 1 3側に固定される基台 2 1 の上部に、 接 点 2 2 , 2 3が固定され、 電気導体 2 4 を介して電気的に接続可 能に配置されている。 電気導体 2 4 は、 絶縁体 2 5 を介してァー ム 2 6 に固定される。 アーム 2 6 は、 上端部がスプリ ング 2 7で 常時下方に弾性付勢され、 下端部のピン 2 8が、 基台 2 1 に回動 自由に設けられたエスケープクラ ンク 2 9 の溝 2 9 a内に係合し ており、 エスケープクラ ンク 2 9 の回動動作に伴って上下動する。 前記エスケープクラ ンク 2 9 は、 扉 1 4 に設けたアタ ッチメ ン ト 3 0 の先端が、 扉 1 4 の閉動作によって突入した時に当接して中 心軸 2 9 bを中心に第 4 図中反時計方向に回動する。
基台 2 1 に固定されたソ レノ イ ド 3 1 は、 コイルのリ ー ド線 f , . f 2 が可動部監視センサ 1 7の出力端に接続される。 また、 鉄心 には、 鍔部 3 2 a を有するロ ッ ド 3 2が取り付けられている。 該
ロ ッ ド 3 2 は、 その先端部が、 軸 3 3を支点と して上下に揺動可 能に設けられたレバー. 3 4 の中間部に回動可能に連結され、 スプ リ ング 3 5 によつて鍔部 3 2 a を介して下方に常時弾性付勢され ている。 前記レバー 3 4 の先端部は、 アタ ッチメ ン ト 3 0先端部 の孔 3 0 a に係合するフ ッ ク部 3 4 a になっている。
次にこの ドアスィ ッチ 1 5 の動作を説明する。
第 4図の状態は、 扉 1 4が開いており接点 2 2, 2 3が O F F の状態である。 この状態から、 扉 1 4 を閉じる と、 アタ ッチメ ン ト 3 0が突入し、 その先端でエスケープクラ ンク 2 9が押される。 これにより、 エスケープク ラ ンク 2 9 は中心軸 2 9 bを中心に第 4図中反時計方向に回動し、 これに伴ってアーム 2 6 のピン 2 8 がエスケープクラ ンク 2 9 の溝 2 9 a内を移動し、 アーム 2 6力べ スプリ ング 2 7の弾性力に抗して上方に移動し、 電気導体 2 4が 接点 2 2 , 2 3 に接触して接点が〇 Nとなる。 そして、 アタ ッチ メ ン ト 3 0 の先端は、 レバー 3 4 のフ ッ ク部 3 4 a にも当接し、 レバー 3 4 は軸 3 3を支点にしてスプリ ング 3 5 の弾性力に抗し て上方に回動した後、 スプリ ング 3 5 の弾性力によってアタ ッチ メ ン ト 3 0 の孔 3 0 a に係合するこ とで、 第 5図に示すよう に扉 1 4 がロ ッ ク状態となる。 このロ ッ ク状態では、 ソ レノイ ド 3 1 が励磁されない限り、 このロ ッ クは解錠されない。
第 5 図のロ ッ ク状態で、 ソ レ ノ イ ド 3 1 に リ ー ド線 f 】. f 2 を 介して電流が供給されて励磁されると、 鉄心を介してロ ッ ド 3 2 が図中矢印で示す上方向に移動する。 これにより、 レバー 3 4 力 軸 3 3 を支点と して上方に回動してフ ッ ク部 3 4 aがアタ ッチメ ン ト 3 0の孔 3 0 aから抜けてロ ッ クが解錠される。 この状態で 扉 1 4 を開ける と、 アタ ッチメ ン ト 3 0 が引き抜かれ、 アタ ッチ
メ ン ト 3 0先端の突起部でエスケープク ラ ンク 2 9 に係合してェ スケープクラ ンク 2 9 を第 5図中時計方向に回動させる。 このた め、 アーム 2 6が下降して電気導体 2 4 が下降して接点 2 2 , 2 3から離れて第 4図のように〇 F F状態となる。
従って、 第 2図及び第 3図に示す本実施例の安全確保装置の構 成によれば、 扉 1 4 を閉じた時に、 ドアスィ ッチ 1 5 の接点 2 2 , 2 3が O Nとなってモータ 1 2への電源供給が可能となる。 そ し て、 電源スィ ッチ 1 6を O Nするこ とで、 モータ 1 2 に電源が供 給され、 機械可動部 1 1 が駆動できる。 また、 電源スィ ッチ 1 6 を O F F した後、 モータ 1 2の回転が停止し、 このモータ 1 2の 回転停止を可動部監視センサ 1 7が検出した時に、 可動部監視セ ンサ 1 7から ドアイ ッチ 1 5 のソ レノ イ ド 3 1 に励磁電流が供給 されて ドアスィ ッチ 1 5 のロ ッ クが解錠される。
'このため、 この安全確保装置では、 扉 1 4 が開いている時には モータ 1 2への電源供給ができず、 機械可動部 1 1 は駆動しない。 また、 機械可動部 1 1 の駆動源であるモータ 1 2が停止したこ と が確認されて初めて ドアスィ ッチ 1 5 のロ ッ クが解錠され扉 1 4 を開けるこ とができる構成になっている。
こ こで、 重要なこ とは、 可動部監視センサ 1 7 は故障したとき に、 決して ド了スィ ッチ 1 5のソ レノ イ ド 3 1 に電流を流してし ま う こ とがないようにしなければいけないこ とである。 可動部監 視センサ 1 7が故障して、 機械可動部 1 1 が停止していないのに 誤ってソ レ ノ イ ド駆動の電流が生じてしま う ようなこ とは許され ない。 即ち、 センサはフェールセーフ特性を持たねばならない。 このようなセンサとするには、 機械可動部 1 1 が停止した時、 可 動部監視センサ 1 7 に高エネルギー状態の出力信号が発生し、 こ
の信号で直接、 若しく はこの信号を例えば増幅して、 ソ レノィ ド を駆動する構成とする必要がある。
尚、 ドアスィ ッチ 1 5を介さないで、 電源スィ ツチ 1 6からモ —夕 1 2に直接電流を供給する構成も考えられる。 この場合も、 モータ 1 2が停止したときだけ ドアスィ ッチ 1 5が解錠されて扉 1 4 を開けるこ とができるが、 扉 1 4が開いている状態で電源ス イ ッチ 1 6が〇 Nされると、 機械可動部は動きだしてしまう危険 があり、 望ま しく はない。
次に、 本実施例の安全確保装置に適用するセンサ、 即ち、 モー 夕の停止を検出した時に直接高工ネルギ状態の出力 (論理値 1 の 出力) を発生するフエ一ルセーフなセンサの具体例を示す。
第 6図は、 モータの通電電流の有無に基づいてモータが停止し たか否かを検出する回転停止検出センサの例を示す。
• 第 6図において、 電源スィ ッチ 1 6 と ドアスィ ッチ 1 5を介し てモ一夕駆動電源 4 0をモータ 1 2に接続したモータの通電回路 に、 モータ 1 2 とは並列に電流線路 Lを設け、 この電流線路 Lに 抵抗 Rを挿入してある。 前記電流線路 Lの一部を 2次側巻線 N , 2 とする第 1 トラ ンス T 1 を前記抵抗 Rと直列に挿入する。 第 1 ト ラ ンス T 1 の 1 次側巻線 N ,】は、 高周波信号を発生する送信手段 としての信号発生器 4 1 に接続されており、 信号発生器 4 1 から の高周波信号は第 1 トランス T 1 を介して電流線路 Lに伝達され る。 また、 電源スィ ッチ 1 6の 0 F F時に前記電流線路 Lを介し て構成されるモ一夕 1 を含んだ閉回路の前記電流線路 L以外の電 流線路には、 当該電流線路の一部を 1 次側巻線 N 2 ,とする第 2 ト ラ ンス T 2が挿入される。 第 2 トラ ンス T 2の 2次側巻線 N 2 2は、 受信手段としての受信器 4 2の交流増幅器 4 3に接続されており、
電流線路に伝達された高周波信号を第 ·2 ト ラ ンス Τ 2を介して受 信器 4 2に伝達する。 そして、 前記第 1 ト ラ ンス T 1 及び第 2 ト ラ ンス Τ 2のコアはいずれも可飽和磁性体コアで構成されている。 前記受信器 4 2は、 前記交流増幅器 4 3 と、 該交流増幅器 4 3 からの交流増幅信号を包絡線検波する包絡線検波器 4 4 とで構成 されている。 そして、 前記交流増幅器 4 3を故障時に出力 レベル が固定されるフ ールセーフな交流増幅器で構成し、 この交流増 幅出力を包絡線検波して整流し、 その整流出力で ドアスィ ッ チ 1 5のソ レノ ィ ドノレ 3 1 を直接励磁する構成である。
次に動作について説明する。
まず、 モータ 1 2が回転して機械可動部 1 1 が可動中で扉 1 4 が口 ッ ク状態にある場合、 モータ駆動電源 4 0から電源スィ ツチ 1 6及び ドアスィ ッチ 1 5を介してモータ 1 2に電流が供給され ている と共に、 抵抗 Rと第 1 ト ラ ンス Τ 1 の 2次側巻線 Ν】 2と第 2 ト ラ ンス Τ 2の 1 次側巻線 Ν21に も電流が流れる。 この電流に よって第 1 及び第 2 ト ラ ンス T l , Τ 2の可飽和磁性体コアが飽 和し第 1 及び第 2 トラ ンス T l , Τ 2が飽和状態となつて、 信号 発生器 4 1 から第 1 ト ラ ンス T 1 の巻線 Ν , ,より巻線 Ν 22に伝達 される高周波電流信号は著しく低下し、 包絡線検波器 4 4の出力 信号も著し く低下し、 ソ レノ イ ド 3 1 は励磁できない。 従って、 モー夕 1 2の回転中は、 扉 1 4 のロ ッ クが解錠されない。
次に電源スィ ッチ 1 6が O F Fされた直後を考える と、 モータ 1 2は慣性で回転し続けるので、 発電機となって抵抗 Rと巻線 N 12 と巻線 N2,とモータ 1 2で形成される閉回路の電流線路を介して 電流が流れ続ける。 この電流によって、 第 1 及び第 2 ト ラ ンス Tl, Τ 2は、 電源スィ ッ チ 1 6の O N時と同様に飽和状態のままであ'
つて、 包絡線検波器 4 4 の出力信号は ·低レベルでソ レ ノイ ド 3 1 は励磁できない。 モータ 1 2の慣性回転によるこの電流はある時 間後にモータ 1 2の慣性回転が略停止すれば流れなく なるから、 このとき、 第 1 及び第 2 トラ ンス T 1 , T 2は飽和状態でなく な り、 信号発生器 4 1 からの高周波電流信号は、 第 1 及び第 2 トラ ンス T 1 , T 2で殆ど減衰されるこ となく巻線 Ν , ,から巻線 N 22 に伝達され、 包絡線検波器 4 4の出力信号が、 高レベルとなり高 エネルギ状態に相当する論理値 1 の出力信号となってソ レ ノイ ド 3 1 が励磁される。 従って、 モータ 1 2が慣性回転も含めて略停 止した状態で、 ドアスィ ツチ 1 5 のロ ッ クが解錠されて扉 1 4を 開けるこ とが可能となる。
そして、 この回転停止検出センサは、 抵抗 Rや巻線 N , 2, N 21、 モータの励磁巻線に断線故障が生じた場合、 巻線 N 22の出力信号 は零となる。 勿論、 巻線 Ν , ,や巻線 N22に断線故障が生じても出 力信号は零となる。 交流増幅器 4 3を用い、 この交流増幅出力を 包絡線検波器 4 4で整流する方法を用いて回路が故障したとき出 力信号を零とするフェールセーフな構成とする方法は、 例えば、 U. S. Patent 5, 027.114 号明細書、 U. S. Patent 3, 171.062 号明 細書、 特公昭 55- 4320号公報及び特公昭 60 - 21438 号公報等で公 知である。
尚、 包絡線検波器 4 4 の出力信号を直接ソ レノ ィ ド 3 1 の励磁 信号としたが、 第 6図の点線で示すように、 包絡線検波器 4 4の 出力をオン · ディ レー回路 4 5を介して出力させるこ とで、 回転 停止検出センサからモー夕 1 2の停止検出出力が発生してから所 定時間遅延させてソレノィ ド 3 1 を励磁する構成とすれば、 作業 者の安全をより一層確実に確保することができる。 このようなォ
ン · ディ レー回路は、 後述する故障時に出力が論理値 0 となるフ エールセーフなものとする。
また、 ソ レ ノ イ ド 3 1 の駆動には、 後述するフェールセーフな 2入力ウィ ン ドコ ンパレー夕の 2つの入力端子を共通にしたレべ ル検定器を設け、 包絡線検波器の出力信号をレベル検定し、 その 出力信号を用いるようにしてもよい。 また、 レベル検定器に例え ばシュ ミ ッ ト回路を用いて交流増幅器 4 3 の出力信号をレベル検 定すれば、 包絡線検波器 4 4が不要となる。 この場合、 シユ ミ ッ ト回路の出力信号は、 交流増幅器 4 3から交流出力信号が生成さ れている ときが論理値 1 で、 生成されないときが論理値 0 である。
また、 モータ駆動電源 4 0が交流の場合、 モータ駆動中にも瞬 間的に電流が零となる事態が周期的に発生し、 第 2 トラ ンス T 2 の巻線 N 4 に信号発生器 4 1 の出力信号が瞬時的に発生するが、 この場合、 オン · ディ レー回路を設けるこ とで、 この瞬時的に発 生する包絡線検波器 4 4 の出力信号にソ レ ノイ ド 3 1 が応答しな いようにするこ とができる。
次に、 モー夕励磁巻線のィ ン ピーダンス変化に基づいてモータ が停止したか否かを検出する回転停止検出センサの例を第 7図に 示す。
第 7図において、 モー夕 1 2 に並列に挿入されてモー夕 1 2の ノ イズを緩衝させる為のスナバ回路 (スパークキラ一回路) 5 1 は、 抵抗 R , とコ ンデンサ C , とが直列接続されて構成される。 このスナバ回路 5 1 には、 第 3 トラ ンスと しての トラ ンス T 3の 2次巻線 N 3 2が直列に挿入されている。 ブリ ッ ジ回路 5 2 は、 前 記 ト ラ ンス T 3 の 1 次巻線 N 3 ,を一辺に揷入し、 他の 3つの辺に はそれぞれ抵抗 R 2 . R 3 . R 4 が挿入されて構成されている。 この
ブリ ッ ジ回路 5 2 には、 トラ ンス T 4 ·を介して交流信号発生器 53 から交流信号が供給される。 この交流信号の周波数は、 モータの 駆動電源が交流の場合にはモータ駆動電源の周波数に比べて十分 に高い周波数とする。 ここで、 前記スナバ回路 5 1 のイ ン ピーダ ンスは、 モータ駆動の電源周波数に対しては高ィ ン ピーダンスを 持ち、 プリ ッ ジ回路 5 2の励振周波数 (交流信号発生器 5 3 の信 号周波数) に対しては低いイ ンピーダンスを持つ。 これにより、 モー夕駆動用電源 4 0 にとつては、 スナバ回路 5 1 と トラ ンス T 3 の 2次巻線 N 3 2の直列回路が大きな負荷とならず、 また、 2次 巻線 N 3 2からモータ 1 2を電気回路と して見た場合、 電源スイ ツ チ 1 6が 0 F F しているときにスナバ回路 5 1 が余り邪魔になら ないようにしてモー夕 1 2のイ ン ピーダンスを 2次巻線 N 3 2から 監視するこ とができる。 コ ンデンサ C 2 は、 トラ ンス T 3 の 3次 巻線 N s 3に並列に接続されて共振回路を構成し、 2次巻線 N 3 2側 リ アクタ ンス成分を相殺し 1 次巻線 から見たイ ン ピーダンス を抵抗成分と してみなせるように備えられたものである。 トラ ン ス Τ 5 は、 ブリ ッ ジ回路 5 2の不平衡出力信号を 1 次巻線 Ν 5 ,を 介して 2次巻線 Ν 5 2に伝達する。 以上でセンサ部が構成される。
2次巻線 Ν 5 2に伝達されたブリ ッ ジ回路 5 2の不平衡出力、 即 ちセンサ部からの出力信号は、 このセンサ部からの出力信号に基 づいてモー夕回転停止状態で論理値 1 の出力を発生する信号判定 部 P R Cに入力される。
次に信号判定部 P R Cの構成を説明する。
第 1 増幅器 A M P 1 は、 センサ部からの入力信 を増幅するた めのものである。 第 1 整流回路 R E C 1 は、 増幅された入力信号 を包絡線検波するためのものである。 高周波信号発生手段と して
' の高周波信号発生器 5 4 は、 高周波信号を発生し抵抗 R 5 を介し た前記第 1 整流回路 R E C 1 の出力信号に抵抗 R 6 を介して重畳 させる。 増幅手段と しての第 2増幅器 A M P 2 は、 高周波信号が 重畳された整流回路 R E C 1 の出力信号を増幅するためのもので、 モ一タ回転状態での整流回路 R E C 1 の出力 レベルで飽和する構 成である。 コ ンデンサ C 3 は、 高周波信号が重畳された第 1 整流 回路 R E C 1 の出力信号を第 2増幅器 A M P 2 に伝達するための ものである。 第 2整流回路 R E C 2 は、 第 2増幅器 A M P 2の出 力信号を整流して包絡線検波するためのものである。 フエ一ルセ ーフな 2入力ウィ ン ドコ ンパレータ 5 5 は、 後述するよう に故障 時には論理値 1 の出力を発生しないフエ一ルセーフな構成であり、 第 1 入力端子 Aに高周波信号が重畳された第 1 整流回路 R E C 1 の出力信号が入力し、 第 2入力端子 Bには、 前記第 2増幅器 A M P 2で増幅され第 2整流回路 R E C 2で整流された整流信号が入 力し、 両信号のレベルが共に各入力端子毎に予め設定した上限値 と下限値で定まる所定の閾値範囲内にある時のみモータ停止状態 と判定して論理値 1 の出力を発生する ものである。 換言する と、 ウィ ン ドコ ンパレータ 5 5 の 2つの入力端子 A , Bは、 各々上限 と下限の閾値を持っている。 そして、 2つの入力端子 A , Bの入 力信号が共に各々入力端子 A , Bが持っている上限と下限の閾値 範囲 (窓) 内にあるときに出力信号 (論理値 1 ) をウィ ン ドコ ン ノ、。レ一夕 5 5 は生成する。
フ ェールセーフなオン · ディ レー回路 5 6 は、 後述するように、 設定した遅延時間が故障時に短縮されるこ とのないフ ールセ一 フな構成を有し、 ウィ ン ドコ ンパレータ 5 5 からの出力を所定の 遅延時間遅らせて出力させるこ とで、 モー夕が完全に停止するま
では信号判定部 P R Cから論理値 1 のソ レノ ィ ド励磁出力を発生 させないようにする機能を持っている。 また、 トラ ンジスタ Qは、 コ レ クタがコ ンデンサ C s と第 2増幅器 AMP 2の中間点に接続 されエ ミ ッ 夕がアースに接続され、 ベース一エ ミ ッ 夕間には抵抗 R 7 が接続され、 更に、 信号判定部 P R Cの電源電圧 Vccが、 コ ンデンサ C 4 と抵抗 R 8 を介してベースに印加される。 これによ り、 トラ ンジスタ Qは、 コ ンデンサ C 4 と抵抗 R 7. R 8 で構成さ れる微分回路によって電源投入時に瞬時に導通し、 コ ンデンサ C 3 に結合コ ンデンサと して動作させるための電荷を短時間で蓄積さ せて信号判定部 P R C動作の立ち上げ応答を高めている。 尚、 信 号判定部 P R Cに多少の立ち上り遅れを許す場合や、 コ ンデンサ C 3 の静電容量が余り大き く ない場合には、 このような トラ ンジ ス夕 Qを用いた立ち上げ回路を省略してもよい。
次に、 この回転停止検出センサの動作について説明する。
信号判定部 P R Cの電源を ONとすると、 トラ ンジスタ Qがこ の立ち上がり信号によって瞬時に導通し、 コ ンデンサ C 3 に結合 コ ンデンサと して動作するための電荷が図の + . —で示すように 短時間で蓄積されてモータの回転有無の検出が可能な状態となる。 また、 交流信号発生器 5 3からブリ ッ ジ回路 5 2に交流信号が供 給され、 これに応じたブリ ッ ジ回路 5 2の不平衡出力が トラ ンジ ス夕 T 5を介してセンサ部出力信号と して信号判定部 P R Cに入 力される。 このセンサ部の出力信号は、 増幅器 AM P 1 で増幅さ れ整流回路 R E C 1 で包絡線検波される。 更に、 この整流信号 a に高周波信号発生器 5 4からの高周波信号 hが重畳された信号 b がウィ ン ドコ ンパレータ 5 5の第 1 入力端子 Aに入力される と共 に、 コ ンデンサ C s を介して第 2増幅器 AM P 2に入力される。
但し、 この時には トラ ンジスタ Qは既に O F F (非導通) 状態に ある。 尚、 高周波信号発生器 5 4 の高周波信号 hは、 整流回路 R E C 1 が平滑コ ンデンサを含んでおり、 この平滑コ ンデンサは、 高周波信号 hに対して低いイ ン ピーダンスを持つので、 高周波信 号 hは殆ど抵抗 R 6 と抵抗 R 5 とで分圧される。 第 2増幅器 A M P 2 に入力した高周波信号 hの重畳した整流回路 R E C 1 からの 出力は、 第 2増幅器 A M P 2で増幅され整流回路 R E C 2で包絡 線検波され、 信号 d としてウィ ン ドコ ンパレータ 5 5 の第 2入力 端子 Bに入力される。
まず、 電源スィ ッチ 1 6が O F Fされており、 しかも、 モータ 1 2が回転していない状態にある とする。 トラ ンス T 3 の 2次巻 線 N 3 2からみたモータ側のイ ンピーダンスはスナバ回路 5 1 のィ ンピーダンスが十分小さいので、 モータ 1 2の励磁巻線のィ ンピ —ダンス (ロータの影響も含む) だけである。 この場合のセンサ 部のブリ ッ ジ回路 5 3からの不平衡出力信号、 即ち、 センサ部の 出力信号は、 モータ 1 2 のロー タの停止位置、 即ち、 巻線 N 3 2か らみたモータ励磁巻線のィ ン ピーダンスが最小値となる位置で口 一夕が停止している場合と、 巻線 N 3 2からみたモータ励磁巻線の イ ンピーダンスが最大値を与える位置でロータが停止している場 合とで異なる。 尚、 コ ンデンサ C 2 はモータ 1 2の回転停止状態 に合わせて略共振状態となるようにセ ッ 卜する。
—方、 電源スィ ッチ 1 6が〇 Nした状態ではモータ励磁巻線の イ ン ピーダンスの他にモータ 1 2 を駆動する側のイ ン ピーダンス がモー夕 1 2 に並列に接続されるこ とになる。 この場合、 巻線 N 3 2 からみたモータ側のイ ンピーダンスが著しく 低下し、 センサ部の 出力信号のレベルは上昇する。
従って、 電源スィ ッチ 1 6の 0 F F Z 0 Nに伴うブリ ッ ジ回路 の不平衡出力信号の出力状態は、 電源スィ ッチ 1 6の O F F時に おけるモータ停止状態における所定のレベルと、 慣性によるモー 夕回転状態におけるロータの回転に伴うイ ン ピーダンス変化に起 因する レベル変化と、 電源スィ ッチ 1 6の〇N時における著し く 不平衡状態となつてロータ回転による レベル変化を伴ったレベル とが存在するこ とになる。
従って、 ウィ ン ドコ ンパレー夕 5 5の第 1入力端子 Aの上限の 閾値 T h A Hと下限の閾値 T h A Lは、 電源スィ ッチ 1 6が〇 F Fしている ときは、 ロータの停止位置によらず窓の範囲 (閾値 T h A Hと T h A Lとの間) に整流回路 R E C 1 の出力信号レベル があり、 常に、 ウィ ン ドコ ンパレータ 5 5の出力信号 ( y = 1 ) 発生条件 (後述する発振の条件 ( 1 ) 式であって、 この条件を第 1の出力生成条件と呼ぶこ とにする) が満たされるよう、 また、 電源スィ ッチ 1 6が ONしているときは、 整流回路 R E C 1 の出 力信号レベルは通常上述の窓の外になるようにセッ 卜する。
第 8図は、 第 7図の回路、 特に信号判定部 P R Cの動作を示す タイムチャー トである。 図中、 b, c , d, h, yは第 7図で示 す場所の信号を意味し、 t , はモー夕内の口一夕が停止している 時、 t 2 は電源スィ ツチ 1 6の 0 F Fの状態で口一夕が慣性回転 している時、 t 3 は電源スィ ッチ 1 6の ONの状態を示している。 整流回路 R E C 1 の出力信号レベルが一定である とき (モータ の回転による変化がないとき) は、 第 8図に示すように、 整流回 路 R E C 2の出力信号 dはウィ ン ドコ ンパレータ 5 5の第 2入力 端子 Bの上限の閾値 T h B Hと下限の閾値 T h B Lとの間の窓内 レベル、 即ち、 ウィ ン ドコ ンパレー夕 5 5の出力信号 v = l )
発生条件 (後述する発振の条件 ( 2 ) -式であって、 この条件を第 2の出力生成条件と呼ぶことにする) が満たされる範囲内にある。 第 2増幅器 AM P 2で増幅され整流回路 R E C 2で整流された結 果として第 2入力端子 Bの窓内レベルにある第 2増幅器 AM P 2 の高周波入力信号 hは、 小レベルである。 また、 この高周波入力 信号 hはウイ ン ドコ ンパレータ 5 5の第 1 入力端子 Aからみても 小レベルであって十分に第 1 入力端子 Aの上限と下限の闘値範囲 内にある。 従って、 整流回路 R E C 1 の出力信号 aに高周波信号 発生回路 5 4の高周波信号 hが重畳された信号 bのレベルは、 ゥ イ ン ドコ ンノ レ一夕 5 5の第 1 入力端子 Aの窓内レベルにあって 一定であるときは (即ち、 電源スィ ッチ 1 6が〇 F Fされ、 し力、 もモー夕が慣性で回転していないときは) 、 第 8図のタイムチヤ — ト上の区間 t , で示すように、 ウィ ン ドコ ンパレータ 5 5の第 1 入力端子 Aの出力信号 ( y = l ) 発生条件が満たされると共に、 高周波入力信号 h (整流回路 R E C 1 の出力信号にはロータ回転 に伴う信号の変化がない) を増幅した第 2増幅器 AMP 2の出力 信号 cの整流回路 R E C 2の出力信号 d もウイ ン ドコ ンパレー夕 5 5の第 2入力端子 Bの出力信号 ( y = l ) 発生条件を満たすの で、 ウィ ン ドコ ンパレータ 5 5は論理値 1 の出力信号 ( y = 1 ) を生成する。 そして、 この出力信号 ( y = l ) はオン , ディ レ一 回路 5 6 に入力され、 オン · ディ レー回路 5 6 に設定された所定 の遅延時間以上この信号が継続すると、 オン · ディ レー回路 5 6 の出力信号は論理値 1 となり、 この出力信号でドアスィ ツチ 1 5 のソ レ ノ イ ド 3 1 が励磁され、 トァスィ ッ チ 1 5のロ ッ クが解錠 可能となる。
電源スィ ッ チ 1 6が 0 F F状態であって、 惰性でロータが回転
している場合には、 整流回路 R E C 1 の出力信号 aのレベルは、 一定ではな く 回転に伴う不平衡出力信号の変化の最大値 -最小値、 即ち第 8 図の bの E 2 — E , の間で変化する。 第 8 図のタイ厶チ ヤ ー ト上の区間 t 2 で示すように、 ウィ ン ドコ ンノ、。レー夕 5 5 の 第 1 入力端子 Aに入力する信号 b も変化するが、 ウィ ン ドコ ンパ レー夕 5 5 の第 1 入力端子 Aの窓内レベルにあり前述の第 1 の出 力生成条件は満たされている。 しかし、 第 2増幅器 A M P 2が E 2 — E , の変化を増幅して飽和するために、 高周波入力信号 hは、 この飽和期間ではマスクされ第 2増幅器 A M P 2の線形領域で間 欠的に発生するようになり、 増幅器 A M P 2の出力信号 c は第 8 図に示すようなものとなる。 この間欠的に現れる高周波信号は、 元々高周波信号 hの周波数に対応して時定数が定められる整流回 路 R E C 2の出力信号 d と して、 第 8図のタイムチャー トで示す ように、 ウィ ン ドコ ンパレ一夕 55の第 2入力端子 Bの下限閾値 T h B Lに達するほどにならない。 このため、 ウィ ン ドコ ンパレー 夕 5 5 は第 2入力端子 Bにおける前述の第 2の出力生成条件が満 たされず、 その出力信号 yは論理値 0 となる。 従って、 電源スィ ツチ 1 6が〇 F Fされていてもモー夕 Mが慣性で回転している場 合には、 ウィ ン ドコ ンパレータ 5 5 の出力信号は論理値 0 の出力 状態となる。 尚、 第 8図の e は後述する整流回路 R E C 2内の波 形を示している。
次に電源スィ ッチ 1 6が O Nされてモー夕 Mが回転している場 合は、 整流回路 R E C 1 の出力信号 aのレベルは E 3 の状態にあ り、 ウィ ン ドコ ンパレータ 5 5 の第 1 入力端子 Aに入力する信号 bのレベルは、 第 8図のタイムチャー ト上の区間 t 3 で示すよう に、 ウィ ン ドコ ンパレータ 5 5 の第 1 入力端子 Aの窓の外にあり
第 1 の出力生成条件は満たされない。 も し、 増幅器 A M P 1 がこ のとき飽和状態になければ、 第 2増幅器 A M P 2 に入力する信号 にモータ回転に伴う脈流が存在し、 慣性で回転している場合と同 様にしてウィ ン ドコ ンパレータ 5 5 の第 2入力端子 Bにおける第 2 の出力生成条件は満たされない。 このため、 区間 t 3 で万一脈 流波の最小値がウィ ン ドコ ンパレータ 5 5 の上限の閾値 T h A H 以下になってウィ ン ドコ ンパレータ 5 5 の第 1 入力端子 Aの第 1 の出力生成条件が満たされるようなこ とがあっても、 第 2入力端 子 Bにおける第 2の出力生成条件が満たされていないので、 ウイ ン ドコ ンパレータ 5 5 は出力信号 y = 1 を生成できないこ とにな る。 増幅器 A M P 1 が飽和して信号 bが高レベルにある場合、 信 号 bに上述の脈流波は生じない。 このため、 高周波信号 hがウイ ン ドコ ンパレータ 5 5 の第 2入力端子 Bの窓内レベルと して整流 回路 R E C 2の出力信号 d となって生じる。 しかし、 この場合に は第 1 入力端子 A側における第 1 の出力生成条件が満たされない ので、 やはりウィ ン ドコ ンパレータ 5 5 には出力信号 y = 1 が生 成されない。
そ して、 センサや回路が正常でモータ Mのロータが回転してい る時 (慣性による回転も含む) と、 高周波信号発生器 5 4 . 第 2 増幅器 A M P 2 . 整流回路 R E C 2及びとコ ンデンサ C 3 等で故 障が生じたときはウィ ン ドコ ンパレータ 5 5 の第 2入力端子 Bの 第 2の出力生成条件が満足されず、 また、 セ ンサ部に故障が生じ たときは、 ウィ ン ドコ ンパレータ 5 5 の第 1 入力端子 A側におけ る第 1 の出力生成条件が満足されず、 モ一夕 1 2が回転している 時と同じ出力信号 (即ち、 危険を示す信号で論理値 0 ) をウィ ン ドコ ンパレータ 5 5が出力する。
以上のよう に、 モ一夕 1 2が電源ス 'イ ッチ 1 6の O Nによって 駆動されている時は、 勿論、 電源スィ ッチ 1 6を O F F した直後 の慣性で回転している時にも、 ソ レノ イ ド 3 1 の励磁出力は発生 せず、 モータ 1 2が略完全に停止して初めてソ レノイ ド 3 1 が励 磁されて ドアスィ ッチ 1 5のロ ッ クが解錠されるこ とになる。 ま た、 回転停止検出センサが故障した時は、 センサ出力が低ェネル ギ状態に相当する論理値 0の出力となる。 従って、 作業者の安全 を確実に確保できる。
ここで、 フェールセーフな 2入力ウイ ン ドコ ンパレータ とオン · ディ レー回路について説明する。
まず、 2入力ウィ ン ドコ ンパレー夕の構成について詳細に説明 する。
このフェールセーフなウイ ン ドコ ンノ、。レー夕の回路とその動作 及びフェールセーフ特性に関しては、 電気学論文誌(Trans. IEE of Japan)Vol.109-C, No.9, Sep.1989 (窓特性を持つフヱールセ ーフ論理素子を使ったイ ン夕ロ ッ ク システムの一構成法) で示し てあり、 また、 "Appl icatin of Window Comparator to Majority Operation" Pro of 19th International Symp. on Multiple - Valured Logic. IEEE Computor Society (May 1989) や、 IEEE TRA NSACTION on INSTRUMENTATION AND MEASUREMENT, Vol.38. No.2 (April, 1989) "Realization of Fai 1-Saf e Train Wheel Sensor Using Electromagnetic Induction"等の文献でも示した。 また、 L S I 化した 2入力フ エ一ルセーフウィ ン ドコ ンノ、。レー夕を電子 情報通信学会英文論文誌(IEICE TRANS. ELECTRON. , Vol. E76-C, No.3, March 1993 PP.419- 427"LSI Implementation and Safety V erif ication of Window Comparator Used in Fail - Safe Mul t i pi
e - Valued Logic Operation" で示している。 また、 発明者の一人 が既に、 U.S. Patent 4, 661, 880 号明細書、 U.S. Patent 5,027, 114 号明細書ゃ特公平 1 一 2 3 0 0 6号公報においても示してい る o
その代表的回路例とその動作の概略を以下に説明する。 ' 第 9図はフェールセーフなウィ ン ドコ ン ノ、 'レー夕の回路構成例 である。 尚、 第 9図の回路はフ ールセーフな論理積機能を持つ ているので正確には 2入力のフェールセーフウイ ン ドコ ンパレ一 夕 ZANDゲー トである。
第 9図で、 R ,。. R 20. · · · . R 17。. R】 8。 は抵抗、 Q , 〜 Q 7 は トラ ンジスタ、 A, Bは入力端子、 Vccはウィ ン ドコ ンパ レー夕の電源電位、 2 0 3は整流回路である。 図中、 一点鎖線で 囲った部分は、 各々 トラ ンジスタ Q l , Q 2 , Q 3 と トラ ンジス 夕 Q 5 , Q 6 , Q 7を用いた直結の直流増幅回路 2 0 1 , 2 0 2 を構成しており、 両者は全く 同じ直流増幅回路の構成である。 一 般的な直流増幅回路と異なる点は、 トラ ンジスタ Q 1 と トラ ンジ ス夕 Q 5が電源電位 Vccの外にある (N P N トラ ンジスタ Q 1 , Q 5のェ ミ ッ タが電源電位 Vccに接続されている) 点である。 こ のため、 トラ ンジスタ Q l , Q 5のベースには、 電源電位 V ccよ り高い電位の入力信号が供給されねばならないこ とになる。 また、 トラ ンジスタ Q l , Q 5のコ レクタは、 各々抵抗 R 10, R , ,。 を 介して入力端子 A, Bに接続されており、 入力端子 A, Bには、 電源電位 Vccより高いレベルの入力信号 (電源枠外電位の入力信 号と呼ぶ) が供給されない限り トラ ンジスタ Q 1 と トラ ンジスタ Q 5 は増幅器と して動作しないこ とが判る。 トラ ンジスタ Q 4 は 位相反転回路 (イ ンバー夕) を構成しており、 直流増幅回路 2 0
—1 の出力信号の反転増幅機能を持つ。 トラ ンジスタ Q 4 も、 ト ラ ンジス夕 Q 1 , Q 5 と同様に電源電位 Vccより高い電位のベース 入力とコ レ クタ入力 (抵抗 R 90を介して入力端子 Aから供給され る) で動作する。 ト ラ ンジスタ Q 5 のベース入力信号は、 ト ラ ン ジス夕 Q 4 のコ レクタから供給されるので、 入力端子 Aに電源電 位 V c cより高い入力レベルの信号が与えられれば電源電位 V C Cよ り高い電位の信号が トラ ンジスタ Q 5 のベースには供給されるこ とになる。
トラ ンジスタ Q 3 , Q 7 はェミ ツ 夕が共にアース電位にあるが、 コ レ クタは各々抵抗 R 60, R , と R 16。 , R 17。 を介して入力 端子 Aと Bに接続されているので、 入力端子 Aと Bに電源電位 Vcc より高い電位の入力信号が供給されておれば、 トラ ンジスタ Q 3 と トラ ンジスタ Q 7のコ レ クタ電位は各々 O Nしたときアース電 位にあり、 0 F F したとき入力端子の電位、 即ち、 電源電位 Vcc より高い電位となる。 この トラ ンジスタ Q 3 と トラ ンジスタ Q 7 の〇 NZ O F Fによるスィ ッチ信号は、 トラ ンジスタ Q 4 のべ一 スには抵抗 R 8。を介して、 トラ ンジスタ Q 1 のベースには抵抗 R , 80 を介して、 それぞれ供給されるので、 トラ ンジスタ Q 4 は トラ ン ジス夕 Q 3 のコ レ ク 夕の出力信号を用いて、 トラ ンジスタ Q 1 は ト ラ ン ジスタ Q 7のコ レ ク タの出力信号を用いてそれぞれスイ ツ チする (N O/O F Fする) こ とが可能となる。
即ち、 第 9図の回路は、 直流増幅回路 2 0 1 が直流増幅回路 202 に ト ラ ン ジスタ Q 4 を介して直結され、 また、 直流増幅回路 202 の出力信号は抵抗 R 1 8。 を介して直流増幅回路 2 0 1 に直結され ており、 帰還発振器を構成している。
第 9図の回路が発振するための条件は、 入力端子 Aの入力電位
を V 1 0、 入力端子 Bの入力電位を V 2。'とすれば、 次式で定まる。 入力端子 Αについて、
( r ,。十 + r s o ) V c c / 1 3 o < V】0 < ( Γ 60 + r 70) V c c / r T O · · · · " )
入力端子 Bについて、
( Γ 】】ο + Γ 】2 ο + Γ 】30 ) V c c/ Γ ] 30 く V 20く ( Γ 1 60 + Γ
) 7 o) c c Γ 3 70 · · · * ( 2 )
上の 2つの式で、 r ,。〜 r 】7。 は各抵抗の抵抗値を示す。 また、 記号くは略等しいか若しく は不等号を意味している。 ( 1 ) 式で、
( r , o + r 20 + r 30) V CCZ r 3 ϋは入力端子 Αの略下限の閾値を 表し、 ( r e。+ r 7。) Vcc/ r 70は入力端子 Aの略上限の閾値を 表す。 同様に、 ( 2 ) 式で、 ( r ,,。 + r 12。 + r 13。 ) V c cZ r , 30 は入力端子 Bの略下限の閾値を表し、 ( r ) 6。 + r 17。)Vcc Zr , 7。 は入力端子 Bの略上限の閾値を表す。 入力端子 Aが ( 1 ) 式を満たす範囲の入力レベル V,。であって、 しかも、 入力端子 B 力 ( 2 ) 式を満たす範囲の入力レベル V20であるとき、 第 9図の 回路は発振して端子 U f に交流の出力信号を生じ、 この交流の出 力信号は整流回路 2 0 3で整流されて直流の出力信号となる (交 流の出力信号が端子 U ίに生成されないとき直流の出力信号は生 成されない) 。 ここに、 ウィ ン ドコ ンパレータの発振において、
( 1 ) 式は前述の第 1 の出力生成条件であり、 ( 2 ) 式は前述の 第 2の出力生成条件である。
第 9図における発振の過程は、 入力端子 Α、 Βに入力する信号 の電圧レベルが共に ( 1 ) 式と ( 2 ) 式を満たすとき、 例えば次 のようにして、 トランジスタ Q , 〜Q7 がスィ ッチされるこ とに よって起こる。
まず、 入力端子 A、 Bのいずれにも入力電圧が供給されていな い場合、 各 ト ラ ン ジスタは、 ト ラ ン ジスタ Q l : O F F、 ト ラ ン ジス夕 Q 2 : 〇N、 ト ラ ン ジスタ Q 3 : 〇N、 卜ラ ン ジス夕 Q 4 : 〇 F F、 ト ラ ン ジスタ Q 5 : O F F、 ト ラ ン ジスタ Q 6 : ON、 トラ ンジスタ Q 7 : 〇 Nの状態にある。
こ こで、 入力端子 Aに ( 1 ) 式を満たす入力電圧 ( ( 1 ) 式で 示される上限と下限の閾値の範囲内の電圧) が供給されると、 各 トラ ンジスタは、 トラ ンジスタ Q l : 〇 F F、 トラ ンジスタ Q 2 : O F F、 ト ラ ン ジスタ Q 3 : O F F、 ト ラ ン ジスタ Q 4 : 〇N、 ト ラ ン ジスタ Q 5 : O F F、 ト ラ ン ジスタ Q 6 : 〇N、 ト ラ ン ジ ス夕 Q 7 : ONの状態になる。 この場合、 入力端子 Aの入力信号 によって トラ ンジスタ Q 2, Q 3 , Q 4 , Q 5の出力状態はスィ ツチされて変わるが、 トラ ンジスタ Q 6 , Q 7 , Q 1 の出力状態 は入力端子 Bに ( 2 ) 式で示される下限の閾値より低い入力電圧 が供給されているので変わらない。 従って、 一方の入力端子のみ 所定の閾値レベルの信号が入力 しても第 9図の回路は発振しない。
次に、 入力端子 Aに ( 1 ) 式を満たす入力電圧が入力している 状態で、 入力端子 Bに ( 2 ) 式を満たす入力電圧 ( ( 2 ) 式で示 される上限と下限の閾値の範囲内の電圧) が供給されると、 各 ト ラ ンジス夕は次のようにスィ ッチされて発振する。 Q 6 : 0 F F → Q 7 : 0 F F→ Q 1 : 0 N- Q 2 : 〇N— Q 3 : 0 N→ Q 4 : 0 F F→Q 5 : 〇N— Q 6 : 0 N→ Q 7 : 0 N→ Q 1 : 0 F F→ Q 2 : 0 F F→ Q 3 : 0 F F→ Q 4 : 0 N→ Q 5 : 0 F F→ Q 6 : 0 F F→ · · ·。
こ こで、 ( 1 ) 式と ( 2 ) 式で示される入力端子 Aと Bの上下 の閾値間隔 (幅) を窓と呼ぶ。 そして、 入力 レベルに対して上下
に閾値を持つような第 9図に示すコ ンパレ一夕をウィ ン ドコ ンパ レー夕 と呼ぶ。
また、 第 9図の回路は、 入力端子 A, Bに各々 ( 1 ) 式と ( 2 ) 式を満たす直流の入力電圧が供給されたとき初めて発振して交流 の出力信号を生成できるので、 ANDゲー トの機能を持つ。 しか も、 入力端子 Aと Bのいずれもがウィ ン ドコ ンパレータの機能を 持つので、 2入力ウィ ン ドコ ンパレ一タノ ANDゲー 卜 と呼ばれ る。 ウィ ン ドコ ンパレータで窓をセッ トする とは、 第 9図では入 力端子 A若しく は入力端子 Bの持つ上下 2つの閾値を入力 レベル に対して設定するこ とを意味する。
第 9図の回路は トラ ンジスタ Q i ( i = l〜 7 ) のいずれか 1 個が故障した場合 (例えばトラ ンジス夕のベース一コ レクタ間に 短絡故障が起こ った場合) 、 帰還ループの位相が反転して帰還発 振を起こすことができない特性を持つ。 また、 トラ ンジスタ Q l, Q 3 , Q 4 と トラ ンジスタ Q 5 , Q 7は、 各々入力端子 A, Bに 電源電位 Vccより高い入力電圧がコ レ クタ側に供給されていない 限り、 これらの トラ ンジスタに続く 後段の トラ ンジスタ (各々 ト ラ ンジス夕 Q 2 , Q 4 , Q 5 と トラ ンジスタ Q 6 , Q 1である) のベースにスィ ッチ信号を出力するこ とができない。 従って、 第 9図の回路では複数の トラ ンジスタに故障が起こ っても (仮に複 数の トラ ンジスタのベース一コ レ クタ間に短絡故障が起こ っても) 入力端子 A, Bの両方に電源より高い入力信号 ( ( 1 ) , ( 2 ) 式を満たす入力信号) が供給されない限り発振できない特性を持 つ。 更に、 発振の閾値を定める抵抗 ( ( 1 ) 式及び ( 2 ) 式を定 める抵抗) に断線の故障が生じた場合、 第 9図の回路は発振でき ない特性を持つ (短絡故障が起こ つても同様に発振できない特性
を持つ) 。 換言する と、 万一、 回路を構成する トラ ンジスタ と抵 抗に短絡若し く は断線の故障が起こ っても、 「少な く と も入力端 子 A, Bの両方に ( 1 ) 式と ( 2 ) 式で定める入力電圧が供給さ れていないにも拘らず、 誤って発振してしま う ようなこ とかない J という特性を第 9図の回路は持つ。 このため、 第 9図の回路はフ エールセーフなウイ ン ドコ ンパレータノ ANDゲ一 ト と呼ばれる。 尚、 第 9図の整流回路 2 0 3 は、 直流増幅回路 2 0 2の発振に よる交流の出力信号を整流して直流の出力信号 ( y = l ) とする 機能を持つ。 発振の出力信号を整流して直流の出力信号とする方 法には、 第 9図の発振回路の出力信号を増幅してから整流回路に 入力する場合も含まれる (例えば前述した K.Futsuhara, N. Sugim oto, M.Mukaidono等の文献で示されている) 。 また、 第 9図では 2つの直流増幅回路 2 0 1 , 2 0 2の間のイ ンバータ と して両者 に独立して トラ ンジスタ Q 4 による位相反転増幅回路を挿入した が、 この位相反転増幅回路は 2つの直流増幅回路の一方に組み込 んでもよい (例えば、 前述した IEICE TRANS. ELECTRON.. Vol. E7 6-C, No.3, March 1993等の文献で示されている) 。
次に、 整流回路 2 0 3について説明する。
第 1 0図 ( a ) , ( b ) は第 9図で用いられる整流回路の構成 例を示している。
図で、 λ ccは電源電位、 は結合コ ンデンサ、 C 12は平滑コ ンデンサ、 D 2 は交流入力信号を電源電位 Vccにクラ ンプするた めのダイオー ド、 D, は交流入力信号を整流するためのダイォ一 ドである。 第 9図の回路の発振による演算の交流出力信号を用い て第 9図と同様の複数の演算回路を駆動する場合、 フ ァ ン · ァゥ トを多 く するために前記発振の交流出力信号は増幅回路を介して
整流回路 2 0 3 に入力される。 この場合、 この交流出力信号の振 幅は増幅回路の電源電位 Vccで制限される。 第 1 0 図 ( a ) に示 す交流入力信号はこのように電源電位 Vccで振幅が制限される信 号を表している。
第 1 0図 ( a ) では、 電源電位 Vccで振幅制限される交流入力 信号は結合コ ンデンサ を介してクラ ンプダイオー ド D 2 によ つて、 図に示すように電源電位 Vccに重畳される。 電源電位 V cc に重畳された交流信号はダイオー ド D , によって整流され、 コ ン デンサ C , 2で平滑されて電位 Vの直流出力信号 (図の斜線で示す 部分) となる。 従って、 第 1 0図 ( a ) の整流回路の直流出力の 電位を Vとすると、 この出力電位は V = V + Vccである。 整流回 路の負荷が整流回路の駆動側出カイ ン ピーダンス (増幅回路の出 力イ ン ピーダンス) に比較して十分小さいならば、 V = 2 VCCで ある。 この出力電位は電源電位 Vccより高い電位であるので、 も し、 この整流回路の後段に第 9図のウィ ン ドコ ンパレータを接続 すれば、 ウィ ン ドコ ンパレータは発振可能な入力電圧を得るこ と ができる。
そ して、 第 1 0図 ( a ) の整流回路は少な く とも、 「回路要 素、 即ちコ ンデンサ C , ,, C 12やダイオー ド D , , D 2 のいずれ かが故障したために入力信号がないにも拘わらず直流出力信号 V を生じてしま う」 という ような誤りが起こ らない特性を持つ。 こ の特性は例え複数の要素に同時に故障が起こ つても変わらない。 但し、 コ ンデンサ C , 2に断線故障が起こ って、 このとき入力信号 が供給される と出力信号 Vは交流の出力信号となる (但し、 入力 信号が供給されなければこの出力信号は生じない) 。 この交流の 出力信号さえも生じないようにするには、 第 1 0図 ( b ) で示す
ように、 安全コンデンサとして用いられる四端子コンデンサ C 12' を第 1 0図 ( a ) の平滑コ ンデンサ C 12に代えて用いればよい。 以上で、 第 7図に用いるウィ ン ドコンパレーダの特性が明らか となった。 尚、 第 7図で増幅器 AM P 1、 AM P 2の出力信号は、 その振幅が大きい場合電源電位 V c cで制限される。 即ち、 増幅器 AMP 1 , AMP 2の出力信号の振幅は必ず電源電位の幅より小 さい。 この電源電位 V ccより低いレベルの増幅器出力信号を用い て、 電源電位 V ccより高いレベルの入力信号を必要とするウイ ン ドコ ンパレータ 5の入力信号とするために、 第 7図の整流回路 R E C 1 , R E C 2には第 1 0図の整流回路を用いる。 尚、 電源電 位より低いレベルの振幅の信号を電源電位 V ccより高いレベルの 直流出力信号に変換する方法には、 ト ラ ンスを用いて昇圧して整 流する公知の方法がある。
次に、 フェールセーフなオン · ディ レ一回路について説明する。 フェールセーフなオン · ディ レー回路 5 6 は、 最初にセッ トさ れた遅延時間が故障で短縮されるようなこ とがあってはならない。
このようなフェールセーフなオン · ディ レー回路の回路例を第 1 1 図に示す。
第 1 1 図において、 6 1 は公知の P U T発振回路、 6 2は 11 T発振回路 6 1 の出力信号を電源電位 Vcc以下の変化に変換して 位相反転させるためのレベル変換回路である。 R。い R。2, R 0 3 ,
R 0 4 , R。5, R。6, R 07は抵抗、 C。 C。2はコ ンデンサ、 P U Tはプロ グラマブル ' ュニジャ ン ク シ ョ ン ' ト ラ ンジスタ、 Q 0 は トランジスタ、 6 3は、 第 9図で示した整流回路 2 0 3 とは別 に第 9図に示す端子 U f から発振出力信号を整流する整流回路、 R , は整流回路 6 3の出力信号を第 9図に示すものと同様の構成
のウィ ン ドコ ンパレータ WCの入力端子 Bに帰還する帰還抵抗で ある。
次にこのオン · ディ レー回路の動作を第 1 2図のタイムチヤ一 トを用いて説明する。
入力信号 y = 1 (第 1 2図の Vで示す信号) が端子 U yに供給 されると、 この信号はウイ ン ドコ ンパレー夕 WCの入力端子 Aに 入力されると共に、 抵抗 R。】の抵抗値とコ ンデンサ C。,の静電容 量で決まる時定数と抵抗 R 0 2と R 0 3の入力電圧 Vに対する分圧比 で定まる遅延時間 て後に P U Tが導通して発振出力が発生する ( ウィ ン ドコ ンパレータ WCの入力端子 Aは入力 レベル Vが下限閾 値 T h A Lより高く なるように窓がセッ トされている ものとする) 発振出力 P , は トラ ンジスタ Q。 で位相反転の出力信号 P 2 とな り、 この出力信号 P 2 の立ち上がり信号はコ ンデンサ C。2を介し てウィ ン ドコ ンパレータ 1 0のもう 1 つの入力端子 Bに入力され る。 信号 P 2 の立ち上がり信号がウィ ン ドコ ンパレータ W Cに入 力されると、 ウィ ン ドコ ンパレータ WCは発振し、 この発振の出 力信号は整流回路 6 3で整流されて帰還抵抗 R f を介して入力端 子 Bに帰還される。 このため、 入力信号 P 2 の微分信号 P 3 が消 滅しても、 ウィ ン ドコ ンパレー夕 WCは入力信号 yが入力端子 A の下限閾値以下になるまで発振し続ける (入力信号 P 3 を自己保 持する) 。
次に、 第 1 1 図のオン ' ディ レー回路のフ ェールセーフ構成に ついて説明する。
各抵抗は熱的若しく は機械的に故障する ものと し、 コ ンデンサ を構成する電極の板は蒸発しないものとする。 そうすれば、 抵抗 値や静電容量の温度による小さな変化はあるが、 抵抗は断線故障
だけを考えるこ とができ、 また、 コ ンデンサはリ ー ド線の断線故 障と電極板の間の短絡故障を考えればよいこ とになる。 更に、 P U T発振回路 6 1 と レベル変換回路 6 2 は入力信号がないにも拘 わらず自己発振してしま う こ とがないものとする。 そうすれば、 P U T発振回路 6 1 は回路を構成する要素が正常な状態にあって、 しかも、 入力信号 yがウィ ン ドコ ンパレー夕 W Cの入力端子 Aの 下限の閾値を越える レベルに達したときのみ発振して出力パルス P , を生成する。
そして、 例えば抵抗 R。い R。2, R。3に断線故障が起こ っても、 コ ンデンサ C。,に前述の断線若し く は短絡の故障が起こ っても P U Tの 3つの電極 A (アノ ー ド) , K (力 ソー ド) , G (ゲー ト) の断線若しく は電極間の短絡の故障が起こつても出力信号 P , は 発生しない。 但し、 抵抗 R 0 4は出力信号 P , のパルス幅て ' をコ ンデンサ C。】と共に定めており、 抵抗 R 0 4に断線故障が起こった 場合、 信号 P , のパルス幅て ' が延長されるので、 このォン · デ ィ レー回路の遅延時間 ( r + て ' ) が少し延長されるこ とになる。
レベル変換回路 6 2 は電源電位 V c cより高いレベルのパルスで 発生する信号 P , を、 第 1 2図の P 2 で示すように、 電源電位 V c c の枠内で変化させる目的をもっている。 !!丁の発振出カ信号 , を、 第 1 1 図中に点線で示すようにダイオー ド D。2を介してウイ ン ドコ ンパレータの入力端子 Bに直接導いてオン · ディ レー回路 を構成すれば、 レベル変換回路 6 2を省略できる。 しかし、 抵抗 R 0 3に断線故障が生じて、 更にゲー ト G とカ ソ一 ド Kの間に短絡 故障が生じる と、 入力信号 yが入力されたとき、 この信号 yが入 力端子 Aと Bに直接入力されるこ とになり、 これによ り、 遅延時 間 てが生じないう ちにウィ ン ドコ ンパレータ 1 0が発振してしま
'う危険が生じる。 この危険を防ぐために、 信号 P , を一度電源電 位 Vccの枠内の信号 P 2 に変換し、 改めてこ の信号 P 2 をコ ンデ ンサ C « 2とダイォー ド D Q 2を用いて電源電位 V CCに重畳させて入 力端子 Bに入力 しているのである。
レベル変換回路 6 2はもう 1 つ重要な機能を持っている。 入力 端子 Bには、 第 1 2図の P s で示すように、 信号 P 2 の立ち上が り信号が入力される。 この立ち上がり信号 P s は P U T発振回路 6 1 が発振して出力信号 P , を出力して後、 更に引き続いて出力 パルスを発生させるこ とができるこ とを意味している。 換言する と、 この立ち上がり信号 P s は P U T発振回路 6 1 が正常に動作 するこ との証と してみるこ とができる。 万一、 抵抗 R。sに断線故 障が起こ つて抵抗 R。2と P UTのゲー ト G—力ソー ド K間を介し て入力信号 yが直接 トラ ンジスタ Q。 のベースに供給されるよう なこ とがあっても、 この入力信号 yの立ち上がり信号は、 ト ラ ン ジス夕 Q。 の出力信号 P 2 では立ち下がり信号となるために、 コ ンデンサ C。2とダイオー ド D。,によって伝達される信号 P 3 とは ならない。
また、 第 1 1 図の回路でウィ ン ドコ ンパレータ WCの入力端子 Aは P U T発振回路の欠点を補っている。 この点について、 P U T発振回路 6 1 の遅延動作がタイムチャー トで示される第 1 3図 を参照して説明する。
図において、 Vc。, はコ ンデンサ C 01の抵抗 R 01側の端子電位 の変化を表している。 入力信号 yが電位 Vに立ち上がる とコ ンデ ンサ C (Mは抵抗 R <Mを介して充電され、 て秒後に出力信号 P , を 発生するよう設定されている とする。 しかし、 万一、 この て秒が 経過する以前に入力 レベル Vが V ' に低下する と、 この入カ レ
ベルの変化に応じて P U Tのゲー ト Gの電位が低下して て秒以前 のて , の時点で出力パルス P , ' を生じる場合が起こ る。 こ こで、 入力レベル V ' が入力端子 Aの下限閾値 T h A L以下となるよう にウィ ン ドコ ンパレータ WCの入力端子 Aの下限閾値 T h A Lを 設定しておけば、 入力信号 yに V→V' へのレベル変化が万一起 こつて入力端子 Βに所定の時間て より以前のて , においてパルス Ρ , ' が入力された場合でも、 ウィ ン ドコ ンパレータ WCは発振 しないようになる。
尚、 PUTの代わりに、 U J T (ュニジャ ンク ショ ン トラ ンジ ス夕, 別名ダブルベースダイオー ド) を用いるこ とができるこ と は言う までもない。
ところで、 例えば抵抗 R。 R。6. R07とコ ンデンサ C <nに断 線故障が起こ り、 トラ ンジスタ Q。 のコ レ クタに断線故障が起こ つた場合、 第 1 1図の回路は実質的に第 1 4図の構成となる。 現 実にこのような多重の故障が同時に起こるとは考えられないが、 入力端子 Bに電源電位 Vccより高い信号が、 回路を構成する要素 の故障で誤って入力される場合は第 1 4図の回路構成となる とき である。 このような悪条件で誤りの出力信号 z = 1が生じないよ うにするには、 第 1 1図に示すオン · ディ レー回路において、 第 1 5図に示すように、 入力端子 Aの前段に、 抵抗 R22 i と四端子 コ ンデンサ C221 による遅延回路を挿入し、 且つ、 入力端子 Bに 故障を配慮して上下の閾値 T h B Hと T h B Lを設定すればよい。 即ち、 第 1 4図で最悪の状態は、 図中①で示すコ ンデンサ C 02 が正常に動作している場合と、 ②で示すコ ンデンサ C。2に短絡故 障が生じている場合とに分けるこ とができる。
①の場合、 第 1 6図のタイムチャー トの P 3 の①の波形で示す
ように、 入力信号 yの立ち上がり信号 (微分信号) が P U Tのァ ノ ー ド Aとカ ソ一 ド K間、 若し く はゲー ト Gとカ ソ一 ド K間を介 して入力される場合である。 も し、 この微分信号 P3 が入力端子 Bにおける発振条件を満たすレベルであるならば、 第 1 4図の回 路ではウィ ン ドコ ンパレータ WCは入力信号 yが入力される と同 時に出力信号 z = 1 を生じるこ とになる (遅延時間 てが生じない) 第 1 5図の抵抗 R22】 , 四端子コ ンデンサ C 22 I はこれを避ける 目的で挿入されている。
即ち、 ウィ ン ドコ ンパレータ WCの入力端子 Aに入力する信号 y は、 第 1 6図に示すように、 入力信号 y = 1が入力されてか ら て 2 秒後に下限の閾値 T h A Lに達する ( て 2 は抵抗 R 22】 と 四端子コ ンデンサ C 221 で定まる時定数である) 。 こ こで、 信号 P 3 が立ち上がつてからウィ ン ドコ ンパレータ WCの入力端子 B に設定される下限閾値 T h B L以下となる時間 て 3 力 上の時定 数て 2 より短く なるように、 ウィ ン ドコ ンパレータ W Cの入力端 子 Bの前記下限閾値 T h B Lを設定すれば、 たとえ入力信号 y = 1 の立ち上がりによる信号 P s が発生しても出力信号 z = lが生 じ 'よいこ とになる。
次に、 ②のコ ンデンサ C。2が短絡故障した場合を説明する。
こ こで、 入力端子 Bの入力抵抗を r i n、 抵抗 R o,, R 0 2 , R 0 3 ,
R 0 4 , R。5の抵抗値を Γ 0 1 » Γ 0 2 » Γ 0 3 > Γ 0 4 » Γ θ 5と く とヽ 通常は l-。】》 r i η》 r。2 , r。3 , r。 4:>〉 r。 5の条件で設計される。 最悪条件と して P U Tの了ノ ー ド Αとカ ツ一 ド K間に短絡故障が 起こ った場合、 r ( 》 r であるから入力端子 Bの入力電圧は低 く 、 下限の閾値 T h B Lをこの入力電圧より高く とるこ とができ る。 次に、 また、 別の最悪条件と して P U Tのゲー ト Gとカ ソ一
ド K間に短絡故障が起こ つた場合、 入力電圧 Vが抵抗 R 02と R 03 で分圧された信号が入力端子 Βに入力される。 よ く 取られるこの 分圧比 (抵抗値比 r 02/ r 。3) は 0. 7 ぐ らいであるから、 0 . 7 Vとして第 1 6図のタイムチャー トに示す。 従って、 入力端子 Bの上限の閾値 T h B Hをこの入力電圧より低い値にセッ 卜すれ ばよい (例えば 0. 5 V) 。 第 1 4 図で抵抗 R。3に断線故障が生 じた場合は上述の電圧 0. 7 よ り大きな入力電圧が端子 Bに入 力されるこ とになる。 また、 P U Tのアノ ー ド A—力 ソー ド K間 とゲー ト G—力 ソー ド K間に同時に短絡故障が起こ つた場合、 r 01 》 r 。2であるから、 ゲー ト G—力 ソー ド K間の短絡状態と殆ど変 わらない。 更に、 抵抗 R 04に断線故障が生じていない状態では r 04 《 r 。2, r CMであるから入力端子 Bの入力電圧は低いレベルにあ る。
第 1 1 図のオン · ディ レー回路に抵抗 R 22, と四端子コ ンデン サ C 22 ] を付加した構成 (第 1 5図に示す) のオン · ディ レー回 路で故障のない正常な状態でて秒後に入力端子 Bに信号 (第 1 6 図中、 P 3 ' で示す) が生じ、 このパルス P 3 ' の高さが入力端 子 Bの閾値 T h B Hを越えるこ とがあっても一向に差し支えない。 なぜならば、 信号 P s ' が発生する以前に、 入力端子 Aの入力信 号 が閾値 T h A Lを越えておれば、 て秒後に発生する信号 P 3 の立ち上がり ( d P 3 ' / d t > 0 ) 若しく は立ち下がり ( d P 3 / d t < 0 ) が閾値 T h B H, T h B Lで与えられる窓の範囲に ある間にウィ ン ドコ ンパレ一夕 WCは発振してこの信号を自己保 持するこ とができるからである ( Δ Γ の誤差が生じる) 。
このように、 第 1 1 図の回路の入力端子 Αの前段に抵抗 R 22, と四端子コ ンデンサ C 221 による遅延回路を加える と共に、 回路
の故障で生じる電源電位 V c cよ り高い ·電位の誤り信号に対して上 限と下限の閾値 T h B H , T h B Lをウィ ン ドコ ンパレ一夕 W C の入力端子 Bに定めれば、 更に、 回路の故障による危険側の誤り (遅れ時間が短縮されるような誤り) を防止するこ とができるォ ン · ディ レー回路となる。
次に、 フ ェールセーフな増幅器について説明する。
通常 トラ ンジスタの増幅度は故障で低下するこ とはあっても 30 %以上も増加してしま う ようなこ とはない。 トラ ンジスタ増幅器 は故障時自己発振してしま う ようなこ とがない限り出力信号があ る レベルで固定される。 このため、 フェールセーフな増幅器では 入力信号に交流信号を用いて、 この交流信号が所定の振幅の出力 信号と して出力される ときを増幅器の正常動作状態とする。 万一、 増幅器に故障が生じた場合、 出力 レベルがある値.(レベル) に固 定され、 交流の出力信号とならないからである。 この考え方の基 本となる条件は増幅器が自己発振しないという こ とである。 この ため、 フェールセーフ増幅器には負帰還増幅器は余り用いられな い。 しかし、 負帰還増幅器は増幅度が温度によって変動し難い利 点がある。 また、 この入力信号は小さいレベルであって、 万一、 増幅器の故障で入力信号が直接出力側に増幅されないで出力され るようなこ とがあっても、 「出力レベルが小さいために、 この出 力信号が出力側で用意される閾値を越えてしま う ようなこ とがな い」 という考え方に基づいている。
第 1 7図はフ ェールセーフな負帰還増幅器の例を示す ( 3 0 d B 程度の増幅度を得るこ とができる) 。
図 し 】 9 1 K I 9 2 , I\ 1 9 3 , R】 9 4 K ] 9 5 , R ] 9 6 は抵 ί几、 C】 9 I , C ] 9 2 , C】 9 3 はコ ンテンサ、 Q ] 9 ] , Q ] 9 2 は ト ラ ン
ジス夕である。 出力信号は トラ ンジスタ Q】 92 のェ ミ ッ タ側から 抵抗 R , 9 s を介して トラ ンジスタ Q 1 9】 のベースに帰還されてい る。 コ ンデンサ C 1 S 3 は例えば第 1 0 図におけるコ ンデンサ C: 】】 に対応する。 図の回路で、 まず、 抵抗 R 1 9】 , R! 9 2 , R! 9 3 , R 1 94 , R , 9 6 に断線故障が起こ ったら出力 レベルは高レベル若 しく は低レベルのいずれかに トラ ンジスタ Q】 9 2 の出力信号は固 定される。 また、 コ ンデンサ C I 92 に短絡故障が起こ った場合も トラ ンジスタ Q 1 9 ! のベースバイアスが大き く 変化するので同様 の出力状態となる。 コ ンデンサ C , S 2 に断線故障が生じたり、 抵 抗 R 1 S 5 に断線故障が生じた場合は、 増幅度が低下し、 ト ラ ンジ ス夕 Q , 9 2 の出力の振幅が小さ く なる。 しかし、 このような故障 が起こったとき、 更に、 トラ ンジスタ Q 1 92 の出力信号を一定の レベルに固定させるには、 第 1 8 図の構成とすればよい。
' 図で抵抗 R ,94 ' と R】S 5 ' とコ ンデンサ C 1 92 ' を除く 他の 要素は第 1 7図と同一である。
第 1 7図で交流信号に対する トラ ンジスタ Q , 92 のエミ ッ 夕抵 抗は抵抗 R】 9 4 と R 1 95 の並列の合成抵抗である。 この抵抗の大 きさ と略等しい抵抗を第 1 8図における抵抗 R , 95 ' とすればよ い。 第 1 7図で直流信号に対する トラ ンジスタ Q】 92 のエミ ッ 夕 抵抗は抵抗 R , 94 が持つ。 第 1 8図ではこの大きさが抵抗 R 195 ' と R ,9 l) ' の和の抵抗に略等し く なるようにすればよい。 第 1 8 図ではコ ンデンサ C , S 2 ' と して四端子コ ンデンサを用いており、 抵抗 R】 9 1 ' , R , 9 5 ' のいずれに断線故障が生じても、 コ ンデ ンサ C 1 92 ' に短絡若し く は断線の故障が起こ っても、 ト ラ ン ジ ス夕 Q】 92 の出力信号は特定の直流レベルに固定される。
次に、 機械可動部の駆動源と して圧力を使用 しているシステム
に本発明の安全確保装置を適用する場合の実施例を第 1 9図に示 し説明する。
第 1 9 図において、 機械可動部 1 1 にコ ンプレ ッサ 1 8 から圧 力供給路 1 9 を介して駆動源と しての圧力を供給している。 そ し て、 前記圧力供給路 1 9 に、 内部の圧力を検出してその残圧が略 零となったこ とを検出して ドアスィ ッチ 1 5 のソ レノ イ ド 3 1 を 励磁する高工ネルギ状態に相当する論理値 1 の出力を発生する可 動部監視センサ 1 7 ' を取り付ける。 尚、 前記機械可動部 1 1 、 コ ンプレ ッサ 1 8停止確認センサ 1 Ί ' は、 第 2図と同様に安全 柵 1 3で覆われており、 コ ンプレ ッサ 1 8 のモータには、 第 2図 と同様に ドアスィ ッチ 1 5 を介して電源スィ ッチ 1 6 より電源が 供給される構成である。
この可動部監視センサ 1 Ί ' は、 電源スィ ツチ 1 6が 0 F Fさ れて、 コ ンプレ ッサ 1 8 の電源が遮断状態になって後、 圧力供給 路 1 8 内の残圧が十分低下して (も し く は零になって) 初めて、 ソ レノ イ ド駆動の高工ネルギの電流が発生する。 この場合、 可動 部監視センサ 1 Ί ' は、 第 3図のセンサ 1 7 と同様に故障した時 は、 圧力供給路 1 9 内に危険な圧力状態が残っているのにソ レ ノ ィ ド駆動の電流が誤って発生しないような特性をもっていなけれ ばならない (即ち、 フェールセーフ特性を持たねばならない) 。 このようなセンサとするには、 残圧が十分低下したときセンサか ら高エネルギー状態の出力信号が発生し、 この信号で直接も しく はこの信号を増幅して、 ソ レ ノ イ ド駆動の電流出力とすればよい。 第 2 0図及び第 2 1 図に、 圧力の低下を検出して高工ネルギ状 態の出力を発生する残圧センサの具体例を示す。
図において、 基台 7 1 の下部に、 圧力導入パイプ 7 2が固定さ'
れている。 圧力導入パイプ 7 2は、 コ プレ ッサ 1 8から機械可 動部 1 1 に圧力を供給する圧力供給路 1 9 に取り付けて圧力を導 入するためのもので、 一端が閉塞され、 他端側に、 圧力供給路 1 9 に接続するためのネジ部 7 3及び接続時に圧力を取り入れるため の圧力取入口 7 4が設けられている。 略 C字状に湾曲形成された 感圧パイプ 7 5は、 一端側の固定部 7 5 Aによつて前記圧力導入 パイプ 7 2に連通接続して固定され、 他端側が閉塞端 7 5 B とな つているもので、 圧力導入パイプ 7 2を介して圧力が導入された 時にその圧力の上昇に応じて閉塞端 7 5 Bが、 図中の矢印方向に 変位する構造である。
また、 基台 7 1 の略中央部には、 電磁石押え 7 6を介して電磁 石 7 7が取り付けられている。 該電磁石 7 7は、 信号発生手段と しての信号発生回路 7 8から交流信号が供給されて交流励振して 交番磁界を発生させる。 7 9 は、 電磁石 7 7の鉄心 8 0 と共に発 生した交番磁界の磁路を形成するヨークである。
また、 電磁石 7 7 より上方の基台 7 1 に固定した取付け金具 8 1 にネジ 8 2によって一端が固定された板状の片持ちパネ 8 3は、 電磁石 7 7 より下方まで延びてその他端側の自由端が前記電磁石 7 7の発生する交番磁界の作用領域内に位置するように配置され ている。 そして、 この片持ちパネ 8 3には、 電磁石 7 7側の面の 自由端寄りに永久磁石 8 4力 また、 反対側の面の固定端寄りに 振動子 (例えば音叉振動子) 8 5がそれぞれ固定されている。 図 中、 a , , a 2 は振動子 8 5から電気出力信号を取り出すための リ ー ド線である。
片持ちバネ 8 3の自由端近傍には、 片持ちバネ 8 3に対して直 角方向に延びる板状の接触パネ 8 6が設けられている。 この接触
ノく ネ 8 6 は、 一端がバネ調整軸 8 7 を介して基台 7 1 に取り付け られ、 他端側上面が片持ちパネ 8 3 の自由端の端面に接触可能に 位置している。 前記接触バネ 8 6 の上面には、 感圧パイプ 7 5 の 閉塞端 7 5 Bに一端が固定される変位伝達片 8 8 の他端が固定さ れている。 そして、 接触パネ 8 6 は、 感圧パイプ 7 5 内の圧力が 所定値以下の状態では片持ちパネ 8 3 のき由端から離間状態とな るようバネ調整軸 8 8 によつて調整されており、 感圧パイプ 7 5 内に所定値より高い圧力が導入された時はその時の閉塞端 7 5 B の変位に基づいて変位伝達片 8 δ を介して図中上方に引っ張られ て片持ちパネ 8 3の自由端端面に圧接して片持ちパネ 8 3 を係止 する。 従って、 前記接触パネ 8 6、 パネ調整軸 8 7及び変位伝達 片 8 8 とで片持ちパネ係止手段が構成される。
次に動作について説明する。
まず、 圧力供給路 1 9 に、 ネジ部 7 3 によって圧力導入パイプ
7 2を取付け、 その圧力取入口 7 4 を圧力供給路 1 9 内に臨ませ る。 この状態で、 まず、 信号発生回路 7 8から電磁石 7 7 に交流 信号を送信して電磁石 7 7を常時交流励振する。 電磁石 7 7が交 流励振される と、 これによつて発生する交番磁界によって、 鉄心
8 0 とヨーク 7 9 との間に配置される永久磁石 8 4 に対して吸引 及び離間方向への力が交互に作用する。
機械可動部 1 1 に供給される圧力が殆どな く 、 圧力導入パイプ 7 2 に導入される圧力が零若し く は所定値以下の場合、 感圧パイ プ 7 5 の閉塞端 7 5 Βは変位せず、 この時にはバネ調整軸 8 7 に よる調整で接触パネ 8 6が片持ちパネ 8 3 の自由端端面に接触し ないようになっている。 このため、 片持ちパネ 8 3 の自由端はフ リ 一な状態であり、 その固定部側を支点と して信号発生回路 7 8
の励振周波数で振動する。 この振動は振動子 8 5 によって電気信 号に変換され、 振動子 8 5 から リ ー ド線 a , , a 2 を介して出力 信号が出力される。
次に、 機械可動部 1 1 に供給される圧力が存在して機械可動部 1 1 が駆動状態にある場合、 圧力取入口 7 4 を介して圧力導入パ イブ 7 2 内に圧力が導入される。 この圧力は感圧パイプ 7 5 内に 導入され、 導入された圧力に応じて感圧パイプ 7 5 の閉塞端 7 5 Bが図の矢印で示す方向に変位する。 この閉塞端 7 5 Bの変位に よって、 変位伝達片 8 8 を介して接触パネ 8 7の先端側は図中上 方に引っ張られる。 そ して、 感圧パイプ 7 5 内に所定より高い圧 力が存在する と接触パネ 8 7の先端側は、 振動している片持ちバ ネ 8 3 の自由端端面に圧接する。 これにより、 片持ちバネ 8 3 は その動きが規制されて片持ちバネ 8 3 の振動が停止し、 振動子 85 からの電気的な出力信号が停止する。
即ち、 この残圧センサは、 圧力取入口 7 4 を介して圧力が導入 されないときは、 振動子 8 5から高工ネルギ状態の電気出力信号 が発生し、 圧力取入口 7 4 を介して圧力が導入されたときには、 片持ちパネ 8 3 の振動が停止して振動子 8 5 からの電気出力信号 が生成されない。
従って、 例えばリ ー ド線 a , , a 2 の電気出力信号を交流増幅 し、 この増幅された出力信号を包絡線検波器を用いて直流出力と し、 この ドアスィ ッチ 1 5 のソ レ ノ イ ド 3 1 を励磁するようにす れば、 圧力がないとき ソ レ ノ イ ド 3 1 は励磁されて ドアスィ ッチ 1 5 のロ ッ クが解錠され、 圧力が供給されている時はソ レ ノ イ ド 3 1 は非励磁状態となって ドアスィ ッチ 1 5 のロ ッ クは解錠され ない。
また、 例えば、 第 6図や第 2 0 図のセンサにおいて、 包絡線検 波器とソ レノ ィ ドとの間に、 ソ レ ノ イ ド ' ドライバを介在させ、 包絡線検波器からの出力によってソ レノ イ ド ' ドライバを立ち上 げてソ レ ノ イ ドを駆動する構成と してもよい。 この場合に適用さ れるフ ヱ 一ルセーフなソ レ ノ ィ ド · ドライバの回路例を第 2 2図 に示す。
第 2 2図において、 9 1 は、 機械可動部の停止を検出して高工 ネルギ状態の出力を発生するセンサに含まれる包絡線検波器、 92 は、 発振器、 9 3 は交流増幅器、 9 4 は整流回路、 C 9。は四端子 コ ンデンサである。
このソ レ ノ イ ド · ドライバでは、 包絡線検波器 9 1 から高エネ ルギ状態の出力が発生する と、 四端子コ ンデンサ C が包絡線検 波器 9 1 の平滑コ ンデンサとなり、 発振器 9 2が発振し、 この発 振器 92の出力信号が交流増幅器 9 3で増幅され、 整流回路 9 4で 整流されてソ レノ イ ド 3 1 に供給される。 従って、 包絡線検波器 9 1の出力信号に直ちに応答してソ レ ノ ィ ド駆動の出力信号が発生 して励磁される。
このソ レ ノ ィ ド · ドライ ノくがフ ェールセーフであるためには、 発振器 9 2 の駆動電源を四端子コ ンデンサ C 9。から供給するよう にする。 そうすれば、 包絡線検波器 9 1 の出力がないのに、 発振 器 9 2が発振してしま う ような誤りを生じない。 また、 交流増幅 器 9 3 の出力信号を整流する場合、 よ く 交流増幅器と整流回路の 結合に ト ラ ンス結合が用いられる。 このような回路構成の例は、 例えば特公昭 44 - 1 5249号公報や U . S . Pa t e n t 3 , 1 71 , 062 号明細書 等に示されている。
尚、 第 2 2図の回路において、 図中破線で示すように包絡線検
波器 9 1 と四端子コ ンデンサ C 。との間に抵抗 R S を挿入すれば、 包絡線検波器 9 1 から高エネルギ状態の出力信号が発生してから 整流回路 9 4 からソ レノ ィ ド励磁の出力信号が発生するまでの間 に、 この挿入した抵抗 R 9 ()と四端子コ ンデンサ C 9 0で定まる遅れ 時間が生じるので、 オン · ディ レー回路を構成するこ とができる。 以上述べたように本発明の安全確保装置では、 機械可動部の停 止を検出してソ レノィ ドの励磁信号を発生させるセンサを、 機械 可動部が停止状態にある時に直接に高エネルギ状態に相当する論 理値 1 の出力信号を発生し、 機械可動部が駆動状態にある時に低 エネルギ状態に相当する論理値 0 の出力信号を発生する構成と し たので、 即ち、 否定演算するこ とな く 直接ソ レ ノ イ ド駆動の出力 信号を発生する構成であるので、 センサ故障時等に機械可動部の 駆動状態と同じ危険側の出力形態 (論理値 0 の出力) となる。 従 つて、 機械可動部が駆動状態にあるにも拘らずソ レノ ィ ドの駆動 出力信号が誤って発生して ドアスィ ッチ 1 5 のロ ッ クが解錠され る危険はな く 、 作業者の安全を確実に確保するこ とが可能となる。 次に、 第 2 3図に可動部監視センサを用いない本発明の安全確 保装置を示す。
この安全確保装置は、 可動部監視センサの代わりに前述したフ エールセーフなオン · ディ レー回路を用いたものである。
第 2 3図において、 機械可動部 1 1 は第 3図と同様にモ一夕 12 によって駆動される構成である。 また、 電源 1 0 1 は、 前述の第 1 1 図及び第 1 5 図等に示すフ ヱールセーフなオン ' ディ レー回 路 1 0 3 の駆動電源であり、 電源スィ ツチ 1 6 に連動するスイ ツ チ 1 0 2を介してオン · ディ レー回路 1 0 3 に電源を供給する も のである。 オン ' ディ レー回路 1 0 3 の出力は、 ドアスィ ッチ 15
のソ レ ノ イ ド 3 1 の端子 ί , , f 2 に接続する。
そ して、 前記スィ ッチ 1 0 2 は、 電源スィ ッチ 1 6 が 0 F F し たこ とを検出する検出部に相当する もので、 電源スィ ッチ 1 6 力
〇 F F した時に〇 Nとなり、 電源スィ ッチ 1 6が 0 N した時に 0
F F となる構成である。
次に動作を説明する。
電源スィ ッチ 1 6が O N状態で機械可動部 1 1 が駆動している 時には、 スィ ッチ 1 0 2が 0 F Fでありオン · ディ レ ー回路 103 は動作せずソ レ ノ イ ド 3 1 は非励磁であり、 ドアスィ ッチ 1 5 は ロ ッ ク状態にある。 この状態で、 電源スィ ッチ 1 6 を 0 F Fにす る と、 スィ ッチ 1 0 2が O Nとなりオン ' ディ レー回路 1 0 3 に 動作電源が供給される。 すると、 電源スィ ッチ 1 6が〇 F F して から予め設定したオン · ディ レー回路 1 0 3 の遅延時間後に、 ォ ン · ディ レー回路 1 0 3からソ レ ノ ィ ド駆動の電流が出力されて ドアスィ ッチ 1 5 のロ ッ クが解錠される。
かかる構成によれば、 電源スィ ッチ 1 6が〇 F F してからある 時間経過しないと ドアスィ ッチ 1 5 のロ ッ クが解錠されないので、 オン · ディ レー回路 1 0 3の遅延時間を、 電源スィ ッチ 1 6 が 0 F F してから機械可動部 1 1 が停止するまでの時間よ り十分長く とれば、 機械可動部 1 1 が停止する以前に ドアスィ ッチ 1 5 の口 ッ クが解錠される心配がな く、 作業者の安全を確実に確保するこ とが可能となる。
そして、 オン · ディ レー回路 1 0 3 は、 前述したように故障時 に論理値 0 となるフヱールセーフな構成であるので、 電源スイ ツ チ 1 6 が 0 F F されない限りは、 ソ レ ノ イ ド 3 1 の励磁出力信号 が発生するこ とがない。
一夕回転停止を示す出力信号を発生する受信手段とを備え、 前記 第 1 ト ラ ンスと第 2 ト ラ ンスの少なく とも一方のコアを可飽和磁 性体コアとする構成である請求の範囲第 3項記載の安全確保装置。
( 5 ) 回転停止検出センサは、 モータ励磁巻線のイ ンピーダンス 変化に基づいてモータの回転及び停止を検出する構成である請求 の範囲第 2項記載の安全確保装置。
( 6 ) 回転停止検出セ ンサが、 モータ励磁巻線に並列接続したス ナパ回路に直列に 2次巻線が接続された第 3 トランス、 該第 3 ト ラ ンスの 1 次巻線を一辺に介装し他の 3辺に抵抗を介装して構成 されるブリ ッ ジ回路及び該ブリ ッ ジ回路に交流信号を供給する交 流信号発生器を備え、 前記ブリ ッ ジ回路の不平衡出力をモータの 回転 , 停止の検出出力信号として発生すると共にモータ停止状態 で予め設定したレベルの出力信号を発生するセ ンサ部と、 該セ ン サ部からの検出出力信号に基づいてモータ回転停止状態で論理値
1 の出力を発生する信号判定部とからなる請求の範囲第 5項記載 の安全確保装置。
( 7 ) 信号判定部は、 セ ンサ部からの入力信号に重畳する高周波 信号を発生する高周波信号発生手段と、 高周波信号が重畳された 前記入力信号を増幅しモータ回転時の入力信号のレベルで飽和す る増幅手段と、 前記高周波信号発生手段と前記増幅手段との間に 介装されて高周波信号が重畳された前記入力信号を前記増幅手段 に伝達するためのコンデンサと、 前記増幅手段の出力を整流する 整流手段と、 前記高周波信号が重畳された入力信号が直接入力す る第 1 入力端子と前記整流手段からの整流出力が入力する第 2入 力端子とを有し前記第 1 入力端子と第 2入力端子に入力する両信 号のレベルが、 同時に各入力端子毎に予め設定した上限値と下限'