明 細 書
エチ レ ン系共重合体、 それを含有する熱可塑性樹脂組成物 及びエチ レ ン系共重合体の製造方法
技術分野
本発明は新規なエチ レ ン系共重合体、 それを含有する熱可塑性樹 脂組成物及びエチ レ ン系共重合体の新規な製造方法に関する もので ある。 さ らに詳し く いえば、 本発明は、 エチ レンと炭素数 3 〜 2 0 のォ レ フ ィ ンとから誘導され、 溶融流動の活性化エネルギーの制御 が可能であって、 密度, 融点, 結晶性などの物性をコ ン ト ロールす る こ とが可能であるなどの特徴を有するェチ レ ン系共重合体、 こ の ものを含有する熱可塑性樹脂組成物、 及び非ニュ ー ト ン性が改良さ れ、 加工特性に優れるエチ レ ン系共重合体を効率よ く 製造する方法 に関する ものである。
背景技術
従来、 ポ リ エチ レ ンやエチ レ ン 一 α —ォ レフ ィ ン共重合体は、 分 子量, 分子量分布, 共重合性 (ラ ンダム性, ブロ ッ ク性, 分岐度分 布) 、 さ らにはジェンなどの第 3 成分の添加によ り分岐を導入する などで一次構造をコ ン ト ロールする こ とがなされてきた。
と こ ろで、 エチ レ ン系重合体の成形方法は多岐にわたり、 代表的 な成形方法と しては、 例えば射出成形, 押出 し成形, ブロー成形, イ ン フ レー シ ョ ン成形, 圧縮成形, 真空成形などが知られている。 このよ う な成形方法においては、 加工特性を向上して加工コス トを 低下させるために、 高速成形性の付与や成形加工の低エネルギー化 の試みが長年にわたって行われてきており、 それぞれの用途に合つ た最適な物性を付与し、 最適な加工特性でも って成形する こ とが重 要な課題となっている。
また、 近年、 均一系メ タ 口セ ン系触媒は、 ォ レ フ ィ ン間の共重合 性に優れ、 得られるポ リ マーの分子量分布が狭く 、 かつ従来のバナ ジゥム系触媒と比較して極めて高い触媒活性を示すこ とが明 らかに された。 したがって、 このよ う な特徴を生かして様々な用途分野へ の展開が期待されている。 しかしながら、 一方でメ タ 口セ ン系触媒 によ り得られたポ リ オ レ フ ィ ンは、 その成形加工特性に問題が多 く ブロー成形ゃィ ンフ レーシ ョ ン成形の際には制限を免れないと いう 欠点を有している。
従来知られている低密度ポ リ エチ レ ン ( L D P E ) は、 エチ レ ン の高圧ラ ジカル重合によって得られ、 長鎖分岐及び短鎖分岐の両方 を有する構造のものである。 該長鎖分岐はポ リ マーのラ ジカル生長 末端とポ リ マーとの分子間水素移動反応によ って生成する こ とがい われている。 一方、 短鎖分岐の生成する機構については種々の説明 がなされている。 例えば back-biting機構が提案されている 〔 「ジ ヤ ーナル · ォブ · ジ · アメ リ カ ン · ケ ミ カル · ソサエティ ( J. Am.
Chem. Soc. ) J 第 7 5卷, 第 6 1 1 0 ページ ( 1 9 5 3年) 〕 。 こ れは、 生長ラ ジカル末端で六員環中間体を経由 し、 水素移動による ブチル分岐の生成を合理的に説明 したものである。 また、 高圧下で 生成するエチ レ ン 2 分子会合体と生長ラ ジカル末端の水素移動反応 によ り ブチル分岐が、 またエチ レ ン 2分子会合体中での水素移動反 応によるブテン— 1 の生成によ りェチル分岐が導入される こ とが報 告されている 〔 「マク ロモ レキユラノレ ' ケ ミ ス ト リ イ (Makromol.
Chem. ) 」 第 1 8 1 巻, 第 2 8 1 1 ページ ( 1 9 8 1 年) 〕 。 さ ら に、 ェチル分岐の生成を、 ェチル分岐ラ ジカルへのポ リ マー主鎖か らの水素移動による こ とが報告されている 〔 「ジャ ーナル ' ォブ · ポ リ マー . サ イ エ ン ス ( J. Polym. Sci. ) 」 第 3 4 卷, 第 5 6 9 頁
( 1 9 5 9年) 〕 。
こ のよ う に、 低密度ポ リ エチ レ ンの長鎖分岐や短鎖分岐の生成は、 ラ ジカル重合に基づく ( 1 ) 水素移動反応, ( 2 ) 高圧下でのェチ レ ン分子会合によるラ ジカル重合反応性の変化による こ と に集約さ れ、 一般的に認められた反応機構である。 したがって、 上記反応過 程において、 長鎖分岐や短鎖分岐の存在量、 短鎖分岐の炭素数を任 意に制御する こ と は不可能であり、 特にメ チル分岐, プロ ピル分岐, へキシル分岐、 また分岐 α —才 レ フ ィ ンよ り誘導される短鎖分岐
(例えば 4 —メ チルペンテン一 1 分岐) などを導入し又は制御する こ と に限界がある。
こ のよ う な低密度ポ リ エチ レ ンは、 長鎖分岐によ って、 溶融張力, 溶融流動の活性化エネルギーが大きいために、 高速成形性に優れ、 フ ィ ルムなどに適しているが、 分子量分布が広く 、 低分子量成分を 含むため、 耐環境応力亀裂性 ( E S C R ) が低く 、 かつ耐衝撃性が 小さいという欠点を有している。
—方、 高密度ポ リ エチ レン骨格に、 長鎖分岐を導入したエチ レ ン 系重合体が種々開示されている。 例えば ( 1 ) α , ω— ジェ ン、 環 式ェン ドメ チ レ ン系ジェンを用いた長鎖分岐を有するォ レフ ィ ン系 共重合体 (特開昭 4 7 - 3 4 9 8 1 号公報) 、 ( 2 ) 非共役ジェ ン とォ レ フ ィ ンとを共重合させる際、 重合を 2段階で行い、 高分子量 体部の非共役ジェ ン含有量が、 低分子量体部のそれよ り多い共重合 体の製造方法 (特開昭 5 9 — 5 6 4 1 2号公報) 、 ( 3 ) メ タ ロセ ンノアル ミ ノ キサン系触媒を用いた、 エチ レ ンノ α —ォ レフ ィ ン
1 , 5 —へキサジェン共重合体 (特表平 1 一 5 0 1 5 5 5号公報) 、
( 4 ) 0価又は二価のニッ ケル化合物と特定のア ミ ノ ビス (ィ ミ ノ ) 化合物を触媒と し、 a , ω— ジェ ンをエチ レ ンと共重合する こ と に
よ り、 長鎖分岐を導入する方法 (特開平 2 — 2 6 1 8 0 9 号公報) ( 5 ) 上記 ( 4 ) と同一の触媒成分を用い、 エチ レ ンのみを重合す る こ とによ って得られる短鎖分岐及び長鎖分岐の双方を含むポ リ ェ チ レ ン (特開平 3 — 2 7 7 6 1 0号公報) などが開示されている。
しかしながら、 上記 ( 1 ) の共重合体においては、 ジェ ン成分が 長鎖分岐の形成に関与する と同時に、 架橋反応を併発し、 フ ィ ルム 成形時にゲルが発生したり、 また溶融特性が逆に低下し、 制御範囲 が極端に狭い上、 共重合反応性も低く 、 低分子量体の生成に基づく 物性低下などの問題がある。 ( 2 ) の共重合体の製造方法において は、 高分子量成分に長鎖分岐を導入するために、 架橋による分子量 の増大が著し く 、 不溶不融化ゃゲル化を併発するおそれがあ り、 制 御範囲がせまい上、 共重合反応性も低く 、 低分子量体の生成に基づ く 物性低下などの問題がある。 また、 ( 3 ) の共重合体においては 分子量分布が狭く 、 ブロー成形ゃフ ィ ルム成形などに対して不利で ある上、 1 , 5 —へキサジェンの環化反応の進行によ って分岐点を 形成するための有効モノ マー濃度が低いなどの欠点がある。 さ らに ( 4 ) の長鎖分岐を導入する方法はゲルの発生や物性の制御範囲が せまいなどの問題を有している。 また、 ( 5 ) のポ リ エチ レ ンは、 ェチル分岐, プチル分岐を全く 含まない重合体であり、 物性の制御 例えば密度の制御をメ チル分岐で行う ため、 機械物性が低下しやす いなどの問題点を有している。
また、 共重合方法によ り加工特性を付与したェチ レ ン系重合体の 製造方法、 例えば予備重合によ り高分子量体 ( 〔 ;? 〕 = 1 0 〜 2 0 デシ リ ツ トル Z g ) を製造したのち、 本重合によ ってエチ レ ンノ α —ォ レ フ ィ ン共重合体を製造する方法が開示されている (特開平 4 - 5 5 4 1 0 号公報など) 。 し力、しながら、 こ の方法においては
得られる共重合体の溶融特性を変化させ、 溶融張力を增加させる効 果を示すものの、 フ ィ ルムゲルが発生しやすいと いう欠点がある。
さ らに、 メ 夕 口セ ン系触媒を用いたエチ レ ン系重合体やその製造 方法、 例えば ( 1 ) 拘束幾何型触媒を用いてエチ レ ン系重合体を製 造する方法及びそれによ つて得られるエチ レ ン系共重合体 (特開平
3 - 1 6 3 0 8 8号公報、 W 0 9 3 0 8 2 2 1 号公報) 、 ( 2 ) 多孔質無機酸化物 (アル ミ ニ ウ ム化合物) を担体と して用いた、 担 持メ タ 口セ ン触媒によるポ リ オ レ フ ィ ンの製造方法 (特開平 4 一 1 0 0 8 0 8号公報) 、 ( 3 ) 特定のハ フ ニ ウ ム系触媒によって、 エチ レ ンと な 一才 レ フ ィ ンとから誘導される分子量分布が狭 く 、 溶 融流動特性を向上させたエチ レ ン/ α —才 レ フ ィ ン共重合体 (特開 平 2 — 2 7 6 8 0 7号公報) が開示されている。
しかしながら、 上記 ( 1 ) の技術においては、 密度などのコ ン ト 口ールをェチ レ ン連鎖への α —ォ レフ ィ ン単位の導入によつて実施 し、 得られた も のは実質的に線状ポ リ マーである。 また、 ( 2 ) の 製造方法においては、 得られるエチ レンと α —才 レ フィ ンとの共重 合体はダイ スゥ ヱル比が大きいと されているが、 こ こ に開示された エチ レ ン ブテン一 1 共重合体の融点に対するダイ スゥヱル比の関 係をみる と、 融点の上昇に伴い、 ダイ スゥ ヱル比が低下する こ と は 明らかである。 したがって、 フ ィ ルムやシー ト成形時に問題となる ネ ッ クイ ン に関係するダイ スゥ エル比を融点範囲の広い領域で制御 した共重合体を提供する こ と はできない。
一方、 ( 3 ) に開示されている ものは、 α —才 レ フ イ ン単位を必 須単位と して含む共重合体であり、 さ らに、 樹脂密度 0. 9 2 g / c m 3 を超える共重合体は含まれていないばかりか、 実施例には、 0. 8 9 g / c m 3 以下が開示されているにすぎない。 また、 ( 1 )
及び ( 3 ) においては、 分岐の導入に対 して、 エチ レ ンノな 一 ォ レ フ ィ ン共重合体の融点が大き く 低下し、 かつ機械的強度も低下する 発明の開示
本発明は、 このよ う な事情の も とで、 溶融流動の活性化エネルギ 一の制御が可能であって、 加工特性に優れる上、 密度, 融点, 結晶 性などの物性をコ ン ト ロールする こ とができ、 同一密度で比較した 場合、 融点が高いなどの特徴を有し、 通常の高密度ポ リ エチ レ ン ( H D P E ) 、 上記の特開平 3 - 1 6 3 0 8 8号公報、 W 0 9 3 / 8 2 2 1 号公報及び特開平 2 — 2 7 6 8 0 9号公報に開示されたェチ レ ン —才 レ フ ィ ン共重合体、 高圧法低密度ポ リ エチ レ ン ( L D Ρ Ε ) と は異なる新規なエチ レ ン系共重合体を提供する こ と 目的と してな された ものであ る。
本発明者らは、 上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果 エチ レ ンと炭素数 3 〜 2 0 のォ レフ ィ ンとから誘導された共重合体 であって、 ポ リ マー主鎖に四級炭素が存在せず、 かつ溶融流動の活 性化エネルギー ( E a ) が特定の範囲にある と と もに、 ( 1 ) 該共 重合体と同一極限粘度を有する直鎖状エチ レ ン重合体のハギ ンス定 数の比が特定の関係にある、 又は ( 2 ) 分子鎖中に存在するメ チル 基と メ チ レ ン基とのモル比 〔 C H 3 / C H 2 ] が特定の範囲にあ り かつ該比と融点 ( T m) とが特定の関係式を満たす、 又は ( 3 ) 重 量平均分子量 (Mw) とダイ スゥ ニル比 ( D R ) とが特定の関係式 を満たすエチ レ ン系共重合体がその目的に適合し う る こ とを見出 し た。 さ らに、 特定の重合触媒を用いる こ と によ り、 溶融流動の活性 化エネルギーゃハギンス定数が制御され、 非ニ ュ ー ト ン性が改良さ れた加工特性に優れるエチ レ ン系共重合体が効率よ く 得られる こ と を見出 した。 本発明は、 かかる知見に基づいて完成した ものである
すなわち、 本発明は、
( 1 ) エチ レ ン と炭素数 3 〜 2 0 のォ レ フ ィ ンとから誘導されるェ チ レ ン系共重合体において、 ①ポ リ マーま鎖に四級炭素が存在しな いこ と、 ②溶融流動の活性化エネルギー ( E a ) 力 8 〜 2 0 k c a 1 モルである こ と、 及び③同一極限粘度 〔 7? 〕 を有する直鎖状ェ チ レ ン重合体と該共重合体のデカ リ ン溶媒中、 温度 1 3 5 °Cで測定 したハギンス定数 ( k ) の比が、 式
1. 1 2 < k 1 / k 2 ≤ 5
〔ただし、 k 1 は該共重合体のハギンス定数、 k 2 は直鎖状ェチ レ ン重合体のハギンス定数を示す。 〕
の関係を満たすこ とを特徴とするエチ レ ン系共重合体 〔 1 〕 、
( 2 ) エチ レ ンと炭素数 3 〜 2 0 のォ レ フ イ ンから誘導されるェチ レ ン系共重合体において、 ①ポ リ マー主鎖に四級炭素が存在しない こ と、 ②溶融流動の活性化エネルギー ( E a ) 力 8〜 2 0 k c a 1 モルである こ と、 及び③プロ ト ン核磁気共鳴スぺク トル法 ( 一 N M R ) によって得られる 0. 8 〜1. 0 p p m領域のメ チル基と 1. 2 〜1. 4 p p m領域のメ チ レ ン基と のモル比 〔 C H 3 / C H 2 〕 が 0. 0 0 5 〜 0. 1 の範囲にあり、 かつ示差走査熱量計 ( D S C ) に よって観測 した融点 ( T m ) と 〔 C H 3 / C H 2 〕 とが、 式
T m≥ 1 3 1 — 1, 3 4 0 C C H 3 / C H 2 ]
の関係を満たすこ とを特徴とするエチ レン系共重合体 〔 2 〕 、
( 3 ) エチ レ ン と炭素数 3〜 2 0 のォ レフ ィ ンから誘導されるェチ レ ン系共重合体において、 ①ポ リ マー主鎖に四級炭素が存在しない こ と、 ②溶融流動の活性化エネルギー ( E a ) 力 8 〜 2 0 k c 1 /モルであ る こ と 、 及び③ゲルパー ミ エ一 シ ョ ン ク ロマ ト グラ フ ィ 一法によって測定したポ リ エチ レ ン換算の重量平均分子量 ( M w )
とダイ スゥ ヱル比 ( D R ) との関係が、 式
D R > 0. 5 + 0. 1 2 5 x l o g Mw
を満たすこ とを特徴とするエチ レ ン系共重合体 〔 3〕 、
をそれぞれ提供する と と もに、 上記エチ レ ン系共重合体を水素化処 理してなるエチ レン系共重合体及びこれらのエチ レ ン系共重合体を 含有してなる熱可塑性樹脂組成物を提供する ものである。
さ らに、 本発明は、 ( a ) モ ノ マ ー仕込組成 〔ォクテ ン一 1 Z
(エチ レ ン +ォクテ ン一 1 ) モル比 〔M〕 〕 と、 生成共重合体の結 晶化工ンタルピー ( Δ H ) と融点 ( T m ) との積の関係が、 式
0 ≤ A H - T m≤ 27, 0 0 0 - 2 1, 6 0 0 〔Μ〕 °· 56 を満足する遷移金属化合物 〔ただし、 該 ( a ) 成分とアルミ ノ キサ ンを用いた重合条件で〕 と、 ( b ) エチ レ ンの単独重合、 又は炭素 数 3〜 2 0 のォ レ フ ィ ンの中から選ばれた少な く と も一種とェチ レ ンとの共重合において、 末端ビニル基を形成する遷移金属化合物
〔ただし、 該 ( b ) 成分とアルミ ノ キサンを用いた重合条件で〕 と .
( c ) 上記 ( a ) 成分及び ( b ) 成分又はそれらの派生物からィォ ン性の錯体を形成し う る化合物とから構成される触媒 (ただし、 上 記 ( a ) 成分及び ( b ) 成分の遷移金属化合物は、 周期律表第 3族 - 1 0族に属する金属又はラ ンタ ノ ィ ド系列の金属を含む化合物を 示す。 ) の存在下、 エチ レ ン と 、 炭素数 3 ~ 2 0 のォ レ フィ ンの中 から選ばれた少な く と も一種との共重合を行う こ とを特徴とするェ チ レ ン系共重合体の製造方法をも提供する ものである。
図面の簡単な説明
第 1 図はポ リ マー濃度と還元粘度とが直線関係にあるかどうかを 判定するためのグラ フ、 第 2図は実施例 1 で得られたエチ レ ンノブ テ ン一 1 共重合体の 13 C— N M Rスぺ ク トル図、 及び第 3図は実施
例 1 4 及び比較例 3 で得られたエチ レ ン系共重合体の溶融粘度の剪 断速度依存性を示すグラ フである。
発明を実施するための最良の形態
本発明のエチ レ ン系共重合体は、 通常の H D P E , L — L D P E
(線状低密度ポ リ エチ レ ン) , L D P E (高圧法) と は異なるが、 こ の相違は、 以下に示す ( A ) —次構造の評価及び ( B ) 物性評価 によ り判定する こ とができ る。
( A ) 一次構造の評価による判定
① H D P E , L — L D P E , L D P E との比較
13 C—核磁気共鳴スぺク ト ルの測定によ り、 少な く と も H D P E
L一 L D P E , L D P E と は異なる構造を有する こ とが分かる。
( a ) H D P E (比較的低分子量体) と の比較
通常の H D P E (比較的低分子量体) は、 末端構造が、
C D B A
- C H 2- C H 2 - C H 2 - C H 3
A : 1 3. 9 9 , B : 2 2. 8 4 , C : 3 0. 0 0 , D : 3 2. 1 8 (単 位 P p m )
(ただし、 A , B , Dは微少ピークである。 )
で表され、 分岐に基づく ピーク は存在しない。
( b ) エチ レ ン —才 レ フ ィ ン共重合体との比較
(エチ レ ンーブテ ン一 1 共重合体)
エチ レ ンーブテ ン一 1 共重合体は、 分岐点近傍の構造と して、
D Ε C F C Η 2 - C Η 一 C Η C Η 一 C Η— C Η
C Η 2 - C Η 3
B A
A : 1 1. 1 4 , B : 26. 7 5 , C : 2 7. 3 5 , D : 3 0. 0 0 , E : 3 0. 4 9 , F : 34. 1 1 , G : 3 9. 7 5 (単位 p D m )
で表さ れる構造を有 してい る。
(エチ レ ン 一へキセ ン 一 1 共重合体) エチ レ ン 一へキセ ン 一 1 共重合体は、 分岐点近傍の構造と して、
I H C F E
- C H 2- C H - C H 2- C H 2- C H 2- C H 2-
C H 2— C H 2— C H 2— C H 3
G D B A
A : 1 4. 0 8 , B : 2 3. 3 6 , C 2 7. 3 3 D 2 9. 5 7 , E : 3 0. 0 0 , F : 3 0. 5 1 , G 34. 2 2 H 34. 6 1 , I : 3 8. 2 3 (単位 p p m)
で表さ れる構造を有 してい る。
(エチ レ ン 4 ー メ チノレペ ンテ ン 1 共重合体)
エチ レ ン 4 ー メ チルペ ンテ ン 一 1 共重合体は、 分岐点近傍の構 造と して、
G F C E D
レ ΓΪ 2一 レ rl 一 し H 2一 C H 2 C H 2— C h 2一
I B
C H C H C H H A
C H 3
A : 2 3. 2 7 B : 2 6. 0 5 C : 2 7. 1 4 D 3 0. 0 0 , E : 3 0. 5 1 , F : 34. 8 8 G : 3 6. 0 3 H 4 4. 8 3 (単位 P P m )
で表される構造を有 している。
(エチ レ ン Zォ ク テ ン 一 1 共重合体)
エチ レ ン /ォ ク テ ン 1 共重合体は、 分岐点近傍の構造と して、
I H D F E
一 C H 2— C H— C H 2— C H 2— C H 2— C H 2—
C H 2 - C H し H 2— C H 2 C H 2 C H a H C E G B A
A 1 4. 0 2 , B : 2 2. 8 8 , C : 2 7. 2 8 , D : 2 7. 3 3 ,
E : 3 0. 0 0 , F : 3 0. 5 1 , G : 32. 2 0 , H : 34. 5 9 , I : 3 8. 2 5 (単位 p p m )
で表される構造を有している。
(ェチ レ ン プロ ピレ ン共重合体)
エチ レン プロ ピレ ン共重合体は、 分岐点近傍の構造と して、
C B E D
- C H 2- C H 2 - C H 2- C H - C H 2-
C H 3
A
A : 1 9. 9 8 , Β : 27. 4 7 , C : 3 0. 0 0 , D : 3 3. 3 1 , Ε : 3 7. 5 9 (単位 p p m)
で表される構造を有している。
以上のよ う なエチ レン —才 レフ ィ ン共重合体は、 α —才 レフ ィ ン由来の短鎖分岐が存在し、 長鎖分岐が存在していない。
( c ) L D P E との比較
L D P Eの 13 C — N M Rスぺク トルは複雑であって、 短鎖分岐 (ェチル, ブチル分岐) と長鎖分岐 (少な く と もへキシル分岐以上) とが存在しており、 分岐点近傍の構造と して次に示す ( c 一 1 ) 〜 ( c - 5 ) の構造を主に有する と考えられている。
( c - 1 ) 孤立した分岐 ( B n )
r β a b r
C H 2 - C H 2 - C H 2 - C H - C H 2 C H 2 - n branch n C H 2 1 methyl
2 ethyl n - 1 C H 2 3 ropyl
4 butyl 5 penty 1 6 hexy 1
3 C H 2 n longer 2 C H 2
1 C H a
Γ x B n」 ( n 1 , 2 , 3 n )
( x 1 , 2 , 3 n , a , β , r
( c 一 2 ) 三級炭素に結合したェチルーェチル ( 1, 3 ) 分岐
( P e q )
( c 3 ) 孤立したェチルーェチル ( 1 , 3 ) 分岐 ( p e e )
β a br a
C H 2 - C H 2 - C H 2 - C H - C H C H - C H 2 - C H
2 C H 2 C H 2 2
I
1 C H 3 C H 3 1 x B 2)…
( c 一 4 ) 孤立したェチループ口 ピル ( 1, 3 ) 分岐 ( p e p )
r β br a β
C H — C H C H - C H C H
1
C H C H 3
1
C H C H 2
C H 1
c c a a
「 ( x B 2)p H H, ( x B 3) J
( c 一 5 ) 孤立したメ チルーェチル ( 1 , 4 ) 分岐 ( p m e )
Ύ β br a β
C Η - C Η C C H c c a a
2 C H , , H H C H 1
1 C H
c a
" H
Γ ( x B 2)… , ( B i ) Pme J
L D P E は、 上記 ( c 一 1 ) 〜 ( c — 5 ) の構 ; c造を主に有する と 考え られており、 これらに対応する同定が行われている 〔 「マク ロ モ レキュルズ(Macromolecules)」 第 1 7 卷, 第 1 7 5 6 c一ページ
Η
( 1 9 8 4 年) 〕 。
この文献によれば、 第 1 表に示すよ う に同定がなされ、 少な く と もへキシル分岐以上の長鎖分岐 ( 32. 1 8 p p m ) とェチル分岐と の存在が確認されている。
第 1 表
② 13c—核磁気共鳴スぺク ト ルによ っ て、 長鎖分岐の存在を確認す み
へキ シル分岐を有するェチ レ ン /ォ ク テ ン一 1 共重合体の比較に よ り 、 へキ シル分岐の存在を確認 し、 定量化する手法が提案されて い る 〔 Γマ ク ロ モ レキ ュ ノレズ(Macromolecules)」 第 1 4 巻, 第 2 1 5 頁 ( 1 9 8 1 年) 、 同第 1 7 巻. 第 1 7 5 6 頁 ( 1 9 8 4 年) 〕 。 それ ら によ る と 、 2 7. 3 p p m付近に出現するゼー ク が、 エチ レ ン
ォクテ ン 一 1 共重合体で出現する ピーク と異なる こ とを、 L D P E とのプレ ン ド物の 13 C—核磁気共鳴スぺク ト ルの測定から明らかに したと している。 また、 長鎖分岐のモデル物質と して用いる ノ ルマ ル C 36H 74では、 末端よ り 3番目の炭素シグナルが 32. 1 8 p p m に出現する。 一方、 エチ レ ン/ォクテン— 1 共重合体のへキシル分 岐の末端よ り、 3番目の炭素シグナルは 32. 2 2 p p mに出現する。 分岐鎖長によ り ケ ミ カルシ フ 卜が異なる こ とを利用 して、 エチ レ ン Zォクテ ン 一 1 共重合体と長鎖分岐の存在する L D P Eをプ レ ン ド し、 13C—核磁気共鳴スぺク トルを測定する と、 2 つのピークが出 現する こ とから、 L D P Eの長鎖分岐を同定し、 かつ定量を行う こ とができ る と している。
このよ う な手法によ り、 L D P Eは長鎖分岐を有する こ とが確認 された。
( B ) 物性評価による判定
①溶融流動体の解析による方法
長鎖分岐は、 溶融粘性や粘弾性的性質などの溶融体の流動挙動に 関与し、 樹脂の加工性. 光学的性質あるいは、 環境応力亀裂抵抗な どの機械的特性に重要な影響を及ぼすこ とが知られており、 これら を測定 · 評価する こ とによ り、 間接的にその存在を明らかにする こ とができ る。
また、 長鎖分岐の存在を裏づける理由と して、 次のよ う な事実が 挙げられる。 L D P Eの M l — Mwの関係は、 長鎖分岐が多 く なる につれて直鎖ポ リ エチ レン ( H D P E ) の関係からずれ、 すなわち、 同一 Mwで L D P Eはよ り小さい M l を示す。 また、 イ ンス ト ロ ン 型キヤ ビラ リ 一 レオメ ーターによって流動特性を調べ、 シフ ト フ ァ ク タ一から求めた溶融流動の活性化エネルギー ( E a ) は H D P E
力 6 k c a 1 / m o 1 と小さ く 、 一方、 L D P E は約 1 2 k c a 1 / m o 1 と大きいこ とから、 流動性が長鎖分岐の影響を受けている こ とが確認でき る。
こ のよ う な溶融流動の解析によ り、 本発明のエチ レ ン系共重合体 は長鎖分岐を有する こ とが強く 示唆された。
②高分子溶液の解析による識別
( a ) ハギ ンス定数(Huggins Coe f Π c i en t s)によ る判定
還元粘度 7? , P/ c (デシ リ ッ トル g ) , 極限粘度 〔 7?〕 (デシ リ ッ トル g ) , ハギンス定数 k及びポ リ マ一濃度 c ( g デシ リ ッ トル) との間には、 一般式 (ハギンスの式)
V tp c = 〔 7? 〕 + k L V ] 2 c
の関係がなり たつこ とが知られている。 該ハギンス定数 k は、 希薄 溶液状態でのポ リ マーの分子間相互作用を示す値であって、 ポ リ マ 一の分子量, 分子量分布, 分岐の存在によ って影響を受けると され ている。
ポ リ マー構造に分岐を導入すると、 ハギンス定数は増大する こ と がスチ レ ン/ジ ビニルベ ンゼ ン共重合体で示されている 〔 「 ジ ャ ー ナル ' ォブ ' ポ リ マー ' サンエ ンス (J. Polymer Sci. ) J 第 9巻, 第 2 6 5 ページ ( 1 9 5 2年) 〕 。 また長鎖分岐を有する L D P E と直鎖状 H D P Eのハギンス定数は L D P Eで大きいこ とが示され ている 〔 「ポ リ マー · ヽン ドブッ ク ( Polymer Handbook) 」 John Wiley Sons 刊行 ( 1 9 7 5年) 〕 。
( b ) 極限粘度 〔 7? 〕 とゲルパー ミ エ一シ ヨ ンク ロマ ト グラ フ ィ 法 光散乱法によ って得られる分子量との関係による判定
上記ハギンスの式などを用い、 ポ リ エチ レ ン希薄溶液よ り決定し た極限粘度 〔 〕 と、 溶質高分子の大き さに従って分子量を決定す
るゲルパー ミ エーシ ヨ ンク ロマ ト グラ フ ( G P C ) 法や光散乱法に よる分子量との関係は、 高分子の分岐構造を反映する こ とが知られ ている。 例えば、 直鎖状の H D P Eの極限粘度と G P C法による分 子量との関係は、 長鎖分岐を有する L D P E と は異な り、 同一極限 粘度で比較する と、 L D P E は H D P E よ り小さい分子量を示すこ とが明らかにされている。
次に、 本発明のエチ レ ン系共重合体 〔 1 〕 〜 〔 3 〕 の特性につい て説明する。
本発明のエチ レ ン系共重合体 〔 1 〕 〜 〔 3 〕 は、 いずれもポ リ マ 一主鎖に四級炭素が存在せず、 かつ、 溶融流動の活性化エネルギー ( E a ) 力 8〜 2 0 k c a 1 モル、 好ま し く は 8. 5〜 1 9 k c a 1 ノモル、 よ り好ま し く は 9〜 1 8 k c a 1 モルの範囲にある こ と が必要であ り、 この溶融流動の活性化エネルギー ( E a ) が 8 k c a 1 モル未満では充分な加工特性が得られない。 なお、 該溶 融流動の活性化エネルギー ( E a ) は、 温度 1 5 0 "C , 1 7 0 °C , 1 9 0 °C , 2 1 0 °C , 2 3 0 °Cにおける動的粘弾性の周波数依存性 ( 1 0 — 2~ 1 0 — 2 r o d Z s e c ) を測定し、 1 7 0 °Cを基準温 度と して温度一時間換算則を用い、 それぞれの温度における G ' , G " の シ フ ト フ ア ク ターと絶対温度の逆数からァ レニウ スの式によ り算出 した値である。
さ らに、 本発明のエチ レ ン系共重合体 〔 1 〕 〜 〔 3 〕 は、 上記要 件を満たすと と もに、 次に示す性質を有している。
まず、 エチ レ ン系共重合体 〔 1 〕 は、 デカ リ ン溶媒中、 温度 1 3 5 °Cで測定したポ リ マー濃度と還元粘度の関係によ り決定されるハギ ンス定数 ( k ) において、 次のハギンス定数の比によって特定され る。 すなわち、 デカ リ ン溶媒中、 温度 1 3 5 °Cで測定した極限粘度
〔 7? 〕 が同一である直鎖状ェチ レ ン重合体と本発明のェチ レ ン系共 重合体 〔 1 〕 において、 それらのハギンス定数 ( k ) の比が、 式
1. 1 2 < k 1 / k 2 ≤ 5
〔ただし、 k 1 は本発明のエチ レ ン系共重合体 〔 1 〕 のハギンス定 数、 k 2 は直鎖状エチ レ ン重合体のハギンス定数を示す。 〕
の関係を満たすェチ レ ン系共重合体である。
また、 こ の比 k 1 / k 2 は、 好ま し く は
1. 1 3 ≤ k 1 / k 2 ≤ 4. 0
よ り好ま し く は
1. 1 4 ≤ k 1 / k 2 ≤ 3. 7
さ らに好ま し く は
1. 1 5 ≤ k 1 / k 2 ≤ 3. 6
最も好ま し く は
1. 1 8 ≤ k 1 / k 2 ≤ 3. 4
の関係を満た している。
また、 こ こで示した直鎖状エチ レ ン重合体の具体的な ものは、 現 在工業規模で生産されているエチ レン重合体、 又は実験室レベルで 製造される上記重合体である。
製造方法と しては、 通常のチーグラー系触媒、 例えば、 チタニゥ ム, ジルコニウ ム, ハフニウ ム, ク ロ ミ ゥ ム化合物などの遷移金属 化合物と、 ト リ ェチルアル ミ ニウ ム, ト リ ブチルアル ミ ニウ ムのよ う な有機金属化合物、 と りわけ有機アル ミ ニウム化合物との組合せ を主体とする触媒が用いられる。 また、 マグネ シ ウ ム化合物, ゲイ 素化合物を担体と して用いた上記触媒系も この製造方法の中に含ま れる。 また、 極限粘度 〔 ;? 〕 の制御は、 水素, 重合温度, モ ノ マー 仕込み量, 触媒量などによって制御する こ とが可能である。
なお、 デカ リ ン溶媒中、 温度 1 3 5 °Cで測定した極限粘度 〔 〕 が、 本発明のエチ レ ン系共重合体 〔 1 〕 と同一であるチ一グラー系 触媒で得られた直鎖状エチ レ ン/ α —ォ レ フ ィ ン共重合体のハギン ス定数を k 3 と した場合、 本発明のエチ レ ン系共重合体 〔 1 〕 のハ ギンス定数 k 1 と上記 k 3 との比 k 1 / k 3 の場合においては、 通 常
1. 0 2 < k 1 / k 3 ≤ 5. 0
好ま し く は
1. 0 3 < k 1 / k 3 ≤ 4
よ り好ま し く は
1. 0 5 < k 1 / k 3 ≤ 3. 5
の関係を満たす。 こ の点から も、 従来のエチ レ ン一 a —ォ レ フ ィ ン 共重合体と も異なる ものである。
さ らに、 比較に用いる上記直鎖状エチ レン/ α —ォ レフィ ン共重 合体における α —才 レフ ィ ン種ゃ cr —ォ レフィ ン共重合組成がハギ ンス定数に与える影響は比較的小さいが、 同一な 一才 レフ ィ ン種を 用い、 同一樹脂密度で比較するのが望ま しい。
上記関係式における極限粘度 〔 7 〕 及びハギンス定数 kは、 次の よ う に して求める こ とができ る。
すなわち、 還元粘度 7? , c (デシ リ ツ トル Z g ) , 極限粘度 〔 〕 (デシ リ ッ トル Z g ) , ハギンス定数 k及びポ リ マー濃度 c ( g デシ リ ツ トル) との間に、 前記したよ う にハギンスの式
77 / C = 〔 7? 〕 + k 〔 7? 〕 2 C
の関係がなりたつこ とが知られている。 そこで、 まず、 還元粘度
7? s cを、 溶媒 : デカ リ ン, ポ リ マー濃度 : 2. 0 g /デシ リ ッ ト ル以下, 測定温度 : 1 3 5 °C ± 0. 0 1 °C , 測定点 : 5点以上で、 ポ
リ マー濃度ほぼ等間隔、 粘度管 : ウベローデ型の条件で測定する。 なお、 測定精度については、 各測定点と も相対粘度が 1. 1 以上の範 囲で測定し、 相対粘度が ± 0. 0 4 %以内の誤差に入り、 かつ各ポ リ マー濃度での測定回数は 5 回以上である。 また、 最も低濃度側の測 定点は、 最も高濃度側の測定点濃度の 4 5 %以下である こ とが必要 である。
上記方法は、 還元粘度とポ リ マー濃度との関係が明らかに直線関 係が成立する場合にのみ、 ハギンス定数の決定が可能である。 直線 関係が得られない場合は、 ポ リ マー濃度が高かったり、 分子量が大 きいこ となどが原因であるので、 ポ リ マー濃度を減少して再度測定 する こ とが必要である。 しかし、 ポ リ マー濃度を極端に減少する と ポ リ マー濃度に対して還元粘度が依存しない領域や、 ポ リ マ一濃度 の低下に従って還元粘度が上昇する領域が存在する こ とがあ り、 こ の領域ではハギンス定数を算出する こ と はできない。
また、 最も高濃度の測定点 ( C n ) と最も低濃度の測定点 ( C i ) との直線で結んだ際の他の測定点が明らかに下に存在する場合も、 こ の領域でハギンス定数を算出する こ と はできない。 しかし、 以下 の条件に合致する場合はこのかぎりでない。 すなわち、 該直線関係 が成立するか否かに関しては、 以下のよ う に して判定する。 第 1 図 において、 最も高濃度の測定点 ( C n ) と最も低濃度の測定点
( C , ) とを直線で結ぶ。 さ らに各測定点をなめらかな曲線で回帰 する。 こ こで直線と曲線の最も離れた距離 ( 〔 7? ,P/ c 〕 H — 〔 77 ,P/ c 〕 L ) を求め、 ( [ Ty .pZ ^ H — C /i .pZ cO L ) / [ C „ - C 1 〕 が、 0. 0 0 1 以下である こ とをも って直線と判定す る。
また、 このエチ レン系共重合体 〔 1 〕 は、 温度 1 3 5 °Cのデカ リ
ン溶媒に可溶である。 該共重合体は広い密度範囲にわた っ て、 不溶 不融化する こ とがな く 、 ゲルを含まないため、 温度 1 3 5 °Cのデカ リ ンに溶解する。 また、 デカ リ ン以外の芳香族炭化水素 (テ ト ラ ク ロロベ ンゼンなど) や高沸点炭化水素などに、 通常加熱時に良好な 溶解性を示す。 なお、 高圧ラ ジカル重合によって得られる L D P E においては、 その生成機構からみて一部ゲルの生成が認められる。 また、 該エチ レ ン系共重合体 〔 1 〕 は、 示差走査熱量計 ( D S C ) によ っ て観測でき る融点 ( T m ) が、 通常 5 0 〜 1 3 7 °C、 好ま し く は 5 5 〜 1 3 6 °C、 よ り好ま し く は 5 8 〜 1 3 5 °Cの範囲であ り、 また、 後述する測定条件で、 実質的に融点 ( T m) を示さないェチ レ ン /ォ レ フ ィ ン共重合体も含まれる。
さ らに、 該 D S Cによ って観測でき る結晶化工ンタルピー ( Δ Η ) は、 通常式
0 " H≤ 2 5 0
の関係を満た している。
なお、 該結晶化工ンタルピーは、 D S C (パーキンエルマ一社製, D S C 7 型) を用い、 温度 1 9 0 °Cで作成したプ レス シー トを、 温 度 1 5 0 °Cで 5分間溶融したのち、 1 0 °C Z分の速度で一 5 0 °Cま で降温した際にみられる結晶化の発熱ピーク よ り求めた値であ り、 融点は、 さ らに 1 0 °CZ分の速度で昇温する際の融解の吸熱ピーク の最大ピーク位置の温度よ り求めた値である。
また、 本発明のエチ レ ン系共重合体 〔 2 〕 においては、 プロ ト ン 核磁気共鳴スぺク ト ル法 ( — N M R ) によ って得られる 0. 8 ~ 1. 0 p p m領域のメ チル基と 1. 2 〜1. 4 p p m領域のメ チ レ ン基と のモル比 〔 C H 3 / C H 2 〕 が 0. 0 0 5 〜 0. 1 の範囲にあ り、 示差 走査熱量計 ( D S C ) によって観測した融点 ( T m) と 〔 C H 3 Z
C H 2 〕 とが、 式
T m≥ 1 3 1 - 1 3 4 0 C C H 3 / C H 2
好ま し く は
T m≥ 1 3 1 - 1 2 6 0 C C H 3 / C H 2
よ り好ま し く は
T m≥ 1 3 1 - 1 1 9 0 C C Η 3 / C H 2
さ らに好ま し く は
T m≥ 1 3 1 - 1 1 2 0 C C Η 3 / C H 2 3 の関係を満たすこ とが必要である。 こ こで 〔 C H 3 / C H 2 〕 は、 公知の手法によ り決定でき る。 すなわち、 0. 8〜1. O p p m領域に 存在する ピー ク の積分値を A と し、 1. 2 - 1. 4 p p m領域に存在す る ピークの積分値を B とする と、 〔 C H 3 / C H 2 〕 は 〔A Z 3 〕 / 〔 B Z 2 〕 と して表される。
なお、 融点 ( T m ) は D S C (パーキ ンエルマ一社製, D S C 7 型) を用い、 温度 1 9 0 °Cで作成したプ レス シー トを、 温度 1 5 0 °Cで 5 分間溶融したのち、 1 0 °C Z分の速度で— 5 0 °Cまで昇温し、 さ らに 1 0 °C /分の速度で昇温する際の溶解の吸熱ピークの最大ピ —ク位置の温度よ り求めた値である。
さ らに、 本発明のエチ レ ン系共重合体 〔 3 〕 においては、 ゲルパ 一ミ エーシ ヨ ンク ロマ ト グラ フ ィ ー ( G P C ) によ って測定したポ リ エチ レ ン換算の重量平均分子量 (Mw ) とダイ スゥ エル比 ( D R ) とが、 式
D R > 0. 5 + 0. 1 2 5 x l o g M w
好ま し く は、
1. 8 0 > D R > 0. 3 6 + 0. 1 5 9 x 1 o g M
よ り好ま し く は、
1. 7 5 > D R > 0. 1 6 + 0. 2 1 1 o g M w
さ らに好ま し く は、
1. 7 0 > D R > - 0. 1 1 + 0. 2 7 9 x 1 o g M の関係を満たすこ とが必要である。
こ こで、 ダイ スゥ ヱル比 ( D R ) は、 東洋精機製作所性のキヤ ピ ログラ フを用いて、 キヤ ビラ リ一ノ ズル 〔直径 ( D。)= 1. 2 7 5 mm, 長さ ( L ) = 5 1. 0 3 mm, Lノ D o = 4 0 , 流入角 - 9 0 ° 〕 よ り押出速度 1. 5 mm 分 (剪断速度 1 0 s e c ~') 、 温 度 1 9 0 °Cの条件で押出 して得られたス ト ラ ン ドの直径 ( D , , m m) を求め、 この直径をキヤ ビラ リ一ノ ズル径で除した値 ( D i ノ D。 ) である。
なお、 ス ト ラ ン ドの直径 ( D ,)は、 押出 したス ト ラ ン ド長 5 c m (ノ ズル出口から 5 c mの長さ) の中央部の径の長軸及び短軸を 5 個の試料についてそれぞれ測定し、 その平均値で表した。
また、 本発明のエチ レン系共重合体 〔 1 〕 〜 〔 3 〕 は、 一般的に 次の物性を有している。 すなわち、
( 1 ) ゲルパ一 ミ エーシ ヨ ンク ロマ ト グラ フ ィ ー ( G P C ) 法 〔装 置 : ウ ォーターズ A L C Z G P C 1 5 0 C , カラム : 東ソー製, T S K H M + G M H 6 X 2 , 流量 1. 0 ミ リ リ ッ ト ル 分, 溶媒 : 1 , 2, 4 一 ト リ ク ロ口ベンゼン, 1 3 5 °C〕 によって測定したポ リ エチ レ ン換算の重量平均分子量 (Mw) は 5, 0 0 0〜2, 0 0 0, 0 0 0 、 好ま し く は 7, 0 0 0〜1, 5 0 0, 0 0 0 、 よ り好ま し く は 1 0,
0 0 0〜1, 0 0 0, 0 0 0 の範囲である。 この重量平均分子量 (Mw) が 5, 0 0 0 未満では力学的性質の発現が不充分である し、 2, 0 0 0, 0 0 0 を超える と加工特性が低下する。
( 2 ) 該 G P C法によ って測定したポ リ エチ レ ン換算の重量平均分
子量 (Mw) と数平均分子量 (M n ) との比 MwZM n は、 通常 1. 5 〜 7 0 、 好ま し く は 1. 6 〜 6 0 、 よ り好ま し く は 2. 0 〜 5 0 の 範囲である。
( 3 ) 樹脂密度は、 通常 0. 8 5 〜0. 9 6 g / c m 3 、 好ま し く は 0. 8 6 0 〜0. 9 5 5 g / c m 3 、 よ り好ま し く は 0. 8 7 0 〜0. 9 5 0 g / c m 3 の範囲である。 なお、 該密度は、 1 9 0 °Cの温度におい てプレスシー トを作成し、 急冷した ものを密度勾配管によって測定 した値である。
( 4 ) 温度 1 3 5 でのデカ リ ン中で測定した極限粘度 〔 7? 〕 は、 通 常 0. 0 1 〜 2 0 デシ リ ツ トル g、 好ま し く は 0. 0 5 〜 1 7 デシ リ ッ トル/ g、 よ り好ま し く は 0. 1 〜 1 5 デシ リ ツ トル/ gの範囲で ある。 この 〔 〕 が 0. 0 1 デシ リ ツ トルノ g未満では、 力学的性質 の発現が不充分である し、 2 0 デシ リ ツ トル Z gを超える と、 加工 特性が低下する。
さ らに、 本発明のエチ レン系共重合体 〔 1 〕 〜 〔 3 〕 においては、 通常分子末端部に不飽和基が存在しており、 こ の不飽和基は、 温度 1 9 0 °Cでプ レス シー ト (厚み 1 0 0 ~ 5 0 0 〃 m) を作成し、 こ の ものの赤外線吸収スぺク ト ルの測定によ っ て、 容易に同定及び定 量する こ とができ る。
末端部不飽和基の種類 吸収位置 ( c m )
ビニ レ ン基 9 6 3 ビニ リ デン基 8 8 8 ビニル基 9 0 7 該エチ レ ン系共重合体では、 末端ビニル基の生成割合は、 上記不 飽和基の総和に対して、 通常 3 0 モル%以上、 好ま し く は 4 0 モル %以上、 よ り好ま し く は 5 0 モル%以上である。 なお、 該末端ビニ
ル基の量は、 式
n = 0. 1 1 4 A go / 〔 d · t 〕
〔ただし、 n は 1 0 0 炭素当たりの末端ビニル基の個数、 A 8。 7 は 9 0 7 c m 1における吸光度、 d は樹脂密度 ( g c m 3 ) 、 t は フ イ ノレムの厚さ (mm) である。 〕
によって算出する こ とができ る。
一般に、 末端部の不飽和基量と分子量と は相関関係にある こ とが 知られているが、 特に本発明のエチ レン系共重合体 〔 1 〕 において は、 末端ビニル型不飽和含有量 ( U ) と、 デカ リ ン中、 温度 1 3 5 °Cで測定した極限粘度 〔 ;? 〕 の逆数とが、 通常式
0 ≤ U≤ 1 5 X 〔 〕 -1
の関係にあ り、 好ま し く は
0 ≤ U≤ 1 4 x 〔 7? 〕 - 1
よ り好ま し く は
0 ≤ U≤ 1 3 X 〔 り 〕 -1
最も好ま し く は
0 ≤ U≤ 1 2 X 〔 〕 -1
〔ただし、 Uは 1 0 0 0 炭素当たりの末端ビニル基の個数である〕 の関係にあるのが望ま しい。
末端部の不飽和含有量の高いエチ レ ン系共重合体 〔 1 〕 〜 〔 3 〕 については、 該不飽和基の変性によ り、 ポ リ オ レフ ィ ンの欠点であ る、 接着性, 印刷性, 塗装性, 相溶化能, 透湿性, バリ アー性とい つた各種機能を付与する こ とが可能であり、 同時に分岐に基づ く 加 ェ特性の向上が見込める。 さ らに、 末端ビニル基含有量の高いェチ レ ン系重合体は、 分岐状マク ロモ ノ マーと して各種グラ フ 卜共重合 体の製造に用いる こ とができ る。 一方、 末端部の不飽和基含有量の
少ないエチ レ ン系共重合体については、 熱安定性が向上し、 分岐に 基づく 加工特性の向上が見込める。 また、 接着, 印刷性と いった機 能の付与に関 しては、 末端不飽和基含有量の少ないエチ レ ン系共重 合体でも、 実用上変性によって充分機能を発揮する。
本発明はまた、 このよ う な炭素一炭素不飽和結合を水添処理して なるェチ レ ン系共重合体も提供する ものであり、 こ の水添処理によ つて該不飽和基を減少又は消失したェチ レ ン系共重合体は、 熱安定 性が向上した ものとなる。
本発明のエチ レ ン系共重合体 (水添処理前エチ レ ン系共重合体, 水添処理後エチ レ ン系共重合体) は他の熱可塑性樹脂に混合し、 熱 可塑性樹脂組成物と して用いる こ とができ る。 他の熱可塑性樹脂と しては、 例えばポ リ オ レフ イ ン系樹脂, ポ リ スチ レ ン系樹脂, 縮合 系高分子重合体, 付加重合系高分子重合体などが挙げられる。 該ポ リ オ レフ ィ ン系樹脂の具体例と しては、 高密度ポ リ エチ レ ン ; 低密 度ポ リ エチ レ ン ; ポ リ 一 3 — メ チルブテ ン 一 1 ; ポ リ 一 4 一 メ チル ペ ンテ ン 一 1 ; コモ ノ マー成分と してブテ ン一 1 ; へキセ ン 一 1 ; ォ ク テ ン 一 1 ; 4 ー メ チルペ ンテ ン 一 1 ; 3 — メ チルブテ ン 一 1 な どを用いて得られる直鎖状低密度ポ リ エチ レ ン、 エチ レ ン 一酢酸ビ ニル共重合体, エチ レン一酢酸ビニル共重合体けん化物, エチ レ ン ーァク リ ル酸共重合体, エチ レ ンーァク リ ル酸エステル共重合体, エチ レ ン系アイオノ マー, ポ リ プロ ピレ ンなどが挙げられる。 ポ リ スチ レ ン系樹脂の具体例と しては、 汎用ポ リ スチ レ ン, ァイ ソタ ク チ ッ ク ポ リ スチ レ ン, ノヽ ィ イ ンパク ト ポ リ スチ レ ン (ゴム変性) な どが挙げられる。 縮合系高分子重合体の具体例と しては、 ポ リ アセ タール樹脂, ポ リ カーボネー ト樹脂, ナイ ロ ン 6 , ナイ ロ ン 6 · 6 な どのポ リ ア ミ ド樹脂、 ポ リ エチ レ ンテ レ フ タ レー ト, ポ リ ブチ レ
ンテ レ フ タ レー ト な どのポ リ エステル樹脂、 ポ リ フ ヱニ レ ンォキ シ ド樹脂, ポ リ イ ミ ド樹脂, ポ リ スルホ ン樹脂, ポ リ エーテルスルホ ン樹脂, ポ リ フ エ二 レ ンスルフ ィ ド樹脂などが挙げられる。 付加重合 系高分子重合体と しては、 例えば極性ビニルモノ マーから得られた 重合体やジェ ン系モ ノ マーから得られた重合体、 具体的にはポ リ メ チルメ タ ク リ レー ト , ポ リ ア ク リ ロニ ト リ ノレ, ァ ク リ ロ二 ト リ ノレー ブタ ジエ ン共重合体, ァ ク リ ロニ ト リ ル一 ブタ ジエ ン 一 スチ レ ン共 重合体、 ジェン鎖を水添したジェン系重合体、 さ らには熱可塑性ェ ラ ス ト マ一な どが挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、 前記の本発明のエチ レ ン系共重 合体 1 0 0重量部に対して、 他の熱可塑性樹脂 (エラ ス トマ一を含 む) 2〜 5 0 0重量部、 好ま し く は 3〜 3 0 0重量部、 よ り好ま し く は 5〜 2 0 0 重量部の割合で配合 した ものであ る。
本発明のエチ レ ン系共重合体は、 エチ レ ン と炭素数 3〜 2 0 のォ レ フ ィ ン と を共重合させた ものであ って、 コモ ノ マー と して用い ら れる炭素数 3〜 2 0 のォ レフ ィ ン と しては、 α —才 レ フ イ ン, 環状 ォ レ フ ィ ン及びスチ レ ン類などが挙げられる。
該 α — 才 レ フ イ ン と しては、 例えばプロ ピ レ ン, 1 ー ブテ ン, 1 一ペ ンテ ン, 4 — メ チル一 1 一ペ ンテ ン, 1 —へキセ ン, 1 ーォ ク テ ン, 1 ー デセ ン, 1 ー ドデセ ン, 1 ーテ ト ラ デセ ン, 1 一へキ サデセ ン, 1 —ォ ク タ デセ ン, 1 一エイ コセ ン, 3 — メ チル一 1 一 プテ ンな どが挙げられる。
ま た、 環状ォ レフ ィ ン と しては、 例えばノ ルボルネ ン ; 5 — メ チ ルノ ノレボルネ ン ; 5 —ェチルノ ルボルネ ン ; 5 — プロ ピノレノ ルボル ネ ン ; 5 , 6 — ジ メ チルノ ノレボルネ ン ; 1 ー メ チノレノ ノレボルネ ン ; 7 — メ チノレノ ノレボルネ ン ; 5 , 5 , 6 — ト リ メ チノレノ ルボルネ ン ;
5 — フ エ ニ ノレ ノ ノレボノレ ネ ン ; 5 — ペ ン ジ ノレ ノ ノレボノレ ネ ン ; 5 — ェチ リ デ ン ノ ルボルネ ン ; 1 , 4 , 5 , 8 — ジ メ タ ノ 一 1 , 2 , 3 , 4 4 a , 5 , 8 , 8 a , — 才 ク タ ヒ ド ロ ナ フ タ レ ン ; 2 — メ チル ー 1 4 , 5 , 8 — ジ メ タ ノ ー 1 , 2 , 3 , 4 , 4 a , 5 , 8 , 8 a , — ォ ク タ ヒ ド ロ ナ フ タ レ ン ; 2 — シ ク ロへキ シル一 1 , 4 , 5 , 8 — ジ メ タ ノ ー 1 , 2 , 3 , 4 , 4 a , 5 , 8 , 8 a , — ォ ク タ ヒ ド ロ ナ フ タ レ ン ; 2 , 3 — ジ ク ロ ロ ー 1 , 4 , 5 , 8 — ジ メ タ ノ ー 1 ,
2 , 3 , 4 , 4 a , 5 , 8 , 8 a , — 才 ク タ ヒ ド ロ ナ フ タ レ ン ; 2 —イ ソ ブチル一 1 , 4 , 5 , 8 — ジ メ タ ノ ー 1 , 2 , 3 , 4 ,
4 a , 5 , 8 , 8 a , — ォ ク タ ヒ ド ロ ナ フ タ レ ン ; 1 , 2 — ジ ヒ ド ロ ジ シ ク ロ ペ ン タ ジェ ン ; 5 — ク ロ ロ ノ ノレボノレネ ン ; 5 , 5 — ジ ク 口 ロ ノ ノレボルネ ン ; 5 — フ ルォ ロ ノ ノレボルネ ン ; 5 , 5 , 6 — ト リ フ ルオ ロ ー 6 — ト リ フ ノレオ ロ メ チノレノ ノレボルネ ン ; 5 — ク ロ ロ メ チ ル ノ ルボルネ ン ; 5 — メ ト キ シ ノ ルボルネ ン ; 5 , 6 — ジ カ ルボキ シルノ ルボルネ ンア ン ヒ ド レー ト ; 5 — ジ メ チルア ミ ノ ノ ノレボルネ ン ; 5 — シ ァ ノ ノ ノレボルネ ン ; 2 — ェチノレー 1 , 4 , 5 , 8 — ジ メ タ ノ 一 1 , 2 , 3 , 4 , 4 a , 5 , 8 , 8 a , — ォ ク タ ヒ ド ロ ナ フ タ レ ン ; 2 , 3 — ジ メ チル一 1 , 4 , 5 , 8 — ジ メ タ ノ ー 1 , 2 ,
3 , 4 , 4 a , 5 , 8 , 8 a , — ォ ク タ ヒ ド ロ ナ フ タ レ ン ; 2 —へ キ シル一 1 , 4 , 5 , 8 — ジ メ タ ノ ー 1 , 2 , 3 , 4 , 4 a , 5 ,
8 , 8 a , — ォ ク タ ヒ ド ロ ナ フ タ レ ン ; 2 —ェチ リ デ ン ー 1 , 4 , 5 , 8 — ジ メ タ ノ ー 1 , 2 , 3 , 4 , 4 a , 5 , 8 , 8 a , — ォ ク タ ヒ ド ロ ナ フ タ レ ン ; 2 —フ ノレオ ロ ー 1 , 4 , 5 , 8 — ジ メ タ ノ ー 1 , 2 , 3 , 4 , 4 a , 5 , 8 , 8 a , — ォ ク タ ヒ ド ロ ナ フ タ レ ン 1 , 5 — ジ メ チルー 1 , 4 , 5 , 8 — ジ メ タ ノ ー 1 , 2 , 3 , 4 , 4 a , 5 . 8 , 8 a —ォ ク タ ヒ ド ロ ナ フ タ レ ンな どを挙げる こ と が
でき る。 これ らの中では、 ノ ルボルネ ン及びその誘導体が特に好適 である。
さ ら に、 スチ レ ン類と しては、 例えばスチ レ ン, α — メ チルスチ レ ン, ρ — メ チノレスチ レ ン, 0 — メ チノレスチ レ ン, ρ — ク ロ ロ スチ レ ン, p — t — ブチノレスチ レ ン, p — フ エニノレスチ レ ン, p — ト リ メ チルシ リ ノレスチ レ ンな どが挙げられる。
これらのコモ ノ マーは一種用いてもよい し、 二種以上を祖み合わ せて用いて も よい。
本発明のエチ レ ン系共重合体 (水添処理前) は、 エチ レ ン と炭素 数 3 〜 2 0 のォ レ フ ィ ンを、 前記した特性を有するエチ レ ン系共重 合体が得られるよ う な重合触媒の存在下に重合させる こ とによ り、 製造する こ と ができ る。
このよ う な重合触媒と しては、 例えば ( A ) 遷移金属化合物及び ( B ) 該遷移金属化合物又はその派生物からイ オ ン性錯体を形成し う る化合物を主成分とする ものを挙げる こ とができ る。
該触媒における ( A ) 成分の遷移金属化合物と しては、 周期律表 3 〜 1 0 族に属する金属又はラ ンタ ノ ィ ド系列の金属を含む遷移金 属化合物を使用する こ とができ る。 上記遷移金属と しては、 チタ二 ゥ ム, ジルコニウ ム, ハフニウ ム, ノくナ ジ ゥ ム, 二オ ビゥム, ク ロ ムなどが好ま しい。
このよ う な遷移金属化合物と しては、 種々のものが挙げられるが. 特に 4 族, 5族, 6族の遷移金属を含む化合物を好適に使用する こ とができ る。 特に一般式
C p M 1 R R R ( I )
C p 2 M 1 R R ( I I )
( C p - A e - C ρ ) Μ 1 R R ( I I I )
又は、 一般式
M 1 R 1 . R 2 b R 3 R 4 d · · · ( IV) で示される化合物やその誘導体が好適である。
前記一般式 ( I ) 〜 ( IV) において、 M 1 はチタ ン, ジルコニゥ ム, ノヽフニゥム, バナジウム, 二オ ビゥム, ク ロムなどの遷移金属 を示し、 C p はシク ロペンタ ジェニル基. 置換シク ロペンタ ジェ二 ル基, イ ンデニル基, 置換イ ンデニル基, テ ト ラ ヒ ドロイ ンデニル 基, 置換テ ト ラ ヒ ドロイ ンデニル基, フルォ レニル基又は置換フ ル ォ レニル基などの環状不飽和炭化水素基又は鎖状不飽和炭化水素基 を示す。 なお、 シク ロペンタ ジェニル基類の炭素の一部が窒素, リ ンなどのへテロ原子で置換したものであってもよい。 R 1 , R 2 , R 3 及び R 4 は、 それぞれ独立にび結合性の配位子, キレー ト性の 配位子, ルイ ス塩基などの配位子を示し、 σ結合性の配位子と して は、 具体的には水素原子, 酸素原子, ハロゲン原子, 炭素数 1 〜 2 0 のアルキル基, 炭素数 1 〜 2 0 のアルコキシ基、 炭素数 6 〜 2 0 のァ リ ール基, アルキルァ リ ール基若し く はァ リ ールアルキル 基、 炭素数 1 ~ 2 0 のァシルォキシ基, ァ リ ル基, 置換ァ リ ル基, ゲイ素原子を含む置換基などを例示でき、 またキ レー ト性の配位子 と しては、 ァセチルァセ トナー ト基, 置換ァセチルァセ トナー ト基 などを例示でき る。 Αは共有結合による架橋を示す。 a , b , c及 び は、 それぞれ独立に 0 〜 4 の整数、 e は 0 〜 6 の整数を示す。
R 1 , R 2 , R 3 及び R 4 は、 その 2以上が互いに結合して環を形 成してもよい。 上記 C pが置換基を有する場合には、 該置換基は炭 素数 1 〜 2 0 のアルキル基が好ま しい。 ( II) 式及び ( I II )式にお いて、 2 つの C p は同一のものであってもよ く 、 互いに異なる もの であってもよい。
上記 ( I ) 〜 ( 1 1 1 )式におけ る置換シ ク ロペ ンタ ジェニル基と し ては、 例えばメ チルシ ク ロペ ンタ ジェニル基, ェチルシ ク ロペ ンタ ジェニル基 ; イ ソ プロ ビルシ ク ロペ ンタ ジェニル基 ; 1, 2 — ジ メ チルシ ク ロペ ンタ ジェニル基 ; テ ト ラ メ チルシ ク ロペ ンタ ジェニル 基 ; 1 . 3 — ジ メ チルシ ク ロペ ンタ ジェニル基 ; 1, 2 , 3 — ト リ メ チルシ ク ロペ ンタ ジェニル基 ; 1 , 2 , 4 — ト リ メ チノレシ ク ロぺ ンタ ジェニル基 ; ペ ンタ メ チルシ ク ロペ ンタ ジェニル基 ; ト リ メ チ ルシ リ ルシ ク ロペ ンタ ジェニル基な どが挙げ られる。 ま た、 上記
( I ) ~ ( I V) 式におけ る R 1 〜 R 4 の具体例 と しては、 例えばハ ロゲン原子と してフ ッ 素原子, 塩素原子. 臭素原子. ヨ ウ素原子, 炭素数 1〜 2 0 のアルキル基と してメ チル基. ェチル基, n — プロ ピル基, イ ソ プロ ピル基, n — ブチル基, ォ ク チル基, 2 —ェチル へキ シル基、 炭素数 1〜 2 0 のアルコキ シ基と してメ ト キ シ基, ェ ト キ シ基, プロポキシ基, ブ ト キ シ基, フ ヱ ノ キ シ基、 炭素数 6 ~ 2 0 のァ リ ール基, アルキルァ リ ール基若 し く はァ リ ールアルキル 基と してフ ヱニル基, ト リ ル基, キ シ リ ル基, ベ ン ジル基、 炭素数 1〜 2 0 のァ シルォキ シ基と してへプタ デシルカ ルボニルォキ シ基 ゲイ 素原子を含む置換基と して ト リ メ チルシ リ ル基、 ( ト リ メ チル シ リ ノレ) メ チル基、 ノレイ ス塩基と してジメ チルエーテル, ジェチル エーテル, テ ト ラ ヒ ドロ フ ラ ンな どのエーテル類、 テ ト ラ ヒ ドロチ ォ フ ェ ンな どのチォエーテル類、 ェチルベ ンゾエー ト などのエステ ル類、 ァセ ト ニ ト リ ノレ ; ベ ン ゾニ ト リ ルな どの二 ト リ ル類、 ト リ メ チルァ ミ ン ; ト リ ェチルァ ミ ン ; ト リ プチルァ ミ ン ; N , N — ジ メ チルァ二 リ ン ; ピ リ ジ ン ; 2 , 2 ' 一ビビ リ ジ ン ; フ エナ ン ト ロ リ ンな どのア ミ ン類、 ト リ ェチルホス フ ィ ン ; ト リ フ エニルホス フ ィ ンな どのホス フ ィ ン類、 エチ レ ン ; ブタ ジエ ン ; 1 一ペ ンテ ン ; ィ
ソ プ レ ン ; ペ ン 夕 ジェ ン ; 1 — へキセ ン及び こ れ ら の誘導体な どの 鎖状不飽和炭化水素、 ベ ンゼ ン ; ト ルエ ン ; キ シ レ ン ; シ ク ロヘプ タ ト リ ェ ン ; シ ク ロ ォ ク タ ジェ ン ; シ ク ロ ォ ク タ ト リ ェ ン ; シ ク ロ ォ ク タ テ ト ラ エ ン及びこれらの誘導体な どの環状不飽和炭化水素な どが挙げ られる。 ま た、 上記 ( 1 1 1 )式におけ る Aの共有結合によ る 架橋 と しては、 例えば、 メ チ レ ン架橋, ジ メ チルメ チ レ ン架橋 . ェ チ レ ン架橋, 1 , 1 ' ー シ ク ロ へキ シ レ ン架橋, ジ メ チル シ リ レ ン 架橋, ジ メ チルゲル ミ レ ン架橋, ジメ チルス タニ レ ン架橋などが挙 げ られる。
前記一般式 ( I ) で表さ れる化合物と しては、 例えば、 (ペ ンタ メ チ ノレ シ ク ロ ペ ン タ ジェニル) ト リ メ チノレ ジ ノレ コ ニ ゥ ム, (ペ ン 夕 メ チル シ ク ロペ ン タ ジェニル) ト リ フ ヱ ニル ジル コ ニ ウ ム, (ペ ン タ メ チノレ シ ク ロペ ン タ ジェニル) ト リ ペ ン ジル ジノレ コ ニ ゥ ム, (ぺ ン タ メ チ ル シ ク ロペ ン タ ジェニル) ト リ ク ロ 口 ジル コ ニ ウ ム, (ぺ ン タ メ チノレ シ ク ロ ペ ン タ ジェニル) ト リ メ ト キ シ ジノレ コ ニ ゥ ム, (ペ ン タ メ チル シ ク ロ ペ ン タ ジェニル) 卜 リ エ ト キ シ ジルコ ニ ウ ム, ( シ ク ロペ ン タ ジェニル) ト リ メ チ ル ジル コ ニ ウ ム, ( シ ク ロ ペ ン タ ジェニル) ト リ フ ヱ ニル ジルコ ニ ウ ム, ( シ ク ロ ペ ン 夕 ジェニル) ト リ ベ ン ジル ジル コ ニ ウ ム, ( シ ク ロペ ン タ ジェニル) ト リ ク ロ 口 ジ ル コ ニ ウ ム, ( シ ク ロペ ン タ ジェニル) ト リ メ ト キ シ ジル コ ニ ゥ ム, ( シ ク ロペ ン タ ジェニル) ト リ エ ト キ シ ジル コ ニ ウ ム, ( シ ク 口 ペ ン タ ジェニル) ジ メ チル ( メ ト キ シ) ジルコ ニ ウ ム, (メ チル シ ク ロ ペ ン タ ジェニル) ト リ メ チル ジルコ ニ ウ ム, ( メ チル シ ク ロ ペ ン タ ジェニル) ト リ フ ヱ ニル ジル コ ニ ウ ム, ( メ チル シ ク ロペ ン タ ジェニル) ト リ ベ ン ジル ジノレコ ニ ゥ ム, ( メ チノレ シ ク ロ ペ ン タ ジ ェニル) ト リ ク ロ 口 ジル コ ニ ウ ム, ( メ チノレ シ ク ロペ ン タ ジェニル)
ジ メ チノレ ( メ ト キ シ) ジル コ ニ ウ ム, ( ジ メ チノレ シ ク ロ ペ ン タ ジェ ニル) ト リ ク ロ ロ ジノレコ ニ ゥ ム, ( ト リ メ チル シ ク ロ ペ ン タ ジェ二 ル) ト リ ク ロ ロ ジノレ コ ニ ゥ ム, ( ト リ メ チル シ ク ロ ペ ン タ ジェニル) ト リ メ チル ジノレ コ ニ ゥ ム, (テ ト ラ メ チル シ ク ロ ペ ン タ ジェニル) ト リ ク ロ 口 ジル コ ニ ウ ムな ど、 さ ら に は こ れ ら において、 ジル コ 二 ゥムをチタ ン又はハ フ ニ ウ ム に置換した化合物が挙げられる。
前記一般式 ( I I ) で表される化合物と しては、 例えばビス ( シ ク 口ペ ン タ ジェニル) ジ メ チル ジル コ ニ ウ ム, ビス ( シ ク ロペ ン タ ジ ェニル) ジ フ ヱ ニル ジルコ ニ ウ ム, ビス ( シ ク ロ ペ ン タ ジェニル) ジェチル ジル コ ニ ウ ム, ビス ( シ ク ロ ペ ン タ ジェニル) ジベ ン ジル ジル コ ニ ウ ム, ビス ( シ ク ロペ ン タ ジェニル) ジ メ ト キ シ ジル コ ニ ゥ ム, ビス ( シ ク ロペ ン タ ジェニル) ジ ク ロ ロ ジル コ ニ ウ ム, ビス ( シ ク ロペ ン タ ジェニル) ジ ヒ ド リ ド ジルコ ニ ウ ム, ビス ( シ ク ロ ペ ン タ ジェニル) モ ノ ク ロ 口 モ ノ ヒ ド リ ド ジノレコ ニ ゥ ム, ビス ( メ チル シ ク ロペ ン タ ジェニル) ジ メ チルジル コ ニ ウ ム, ビス ( メ チル シ ク ロペ ン タ ジェニル) ジ ク ロ ロ ジノレコ ニ ゥ ム, ビス ( メ チノレ シ ク 口 ペ ン タ ジェニル) ジベ ン ジノレ ジル コ ニ ウ ム, ビス (ペ ン タ メ チル シ ク ロ ペ ン タ ジェニル) ジ メ チル ジルコ ニ ウ ム, ビス (ペ ン タ メ チ ル シ ク ロペ ン タ ジェニル) ジ ク ロ ロ ジルコ ニ ウ ム, ビス (ペ ン タ メ チル シ ク ロ ペ ン タ ジェニル) ジベ ン ジル ジノレコ ニ ゥ ム, ビス (ペ ン タ メ チル シ ク ロペ ン タ ジェニル) ク ロ ロ メ チノレ ジル コ ニ ウ ム, ビス (ペ ン タ メ チノレ シ ク ロペ ン タ ジェニル) ヒ ド リ ド メ チノレ ジル コ ニ ゥ ム, ( シ ク ロペ ン タ ジェニル) (ペ ン タ メ チノレ シ ク ロペ ン タ ジェ二 ル) ジ ク ロ ロ ジルコ ニ ウ ムな ど、 さ ら に は こ れ ら において、 ジル コ 二ゥムをチ タ ン又はハ フ ニ ウ ム に置換した化合物が挙げられる。
また、 前記一般式 ( I I I )で表される化合物と しては、 例えばェチ
レ ン ビス ( イ ンデニル) ジ メ チル ジル コ ニ ウ ム, エチ レ ン ビス (ィ ンデニル) ジ ク ロ ロ ジノレ コ ニ ゥ ム, エチ レ ン ビス (テ ト ラ ヒ ド ロ イ ン デニル) ジ メ チル ジ ル コ ニ ウ ム, エチ レ ン ビス (テ ト ラ ヒ ド ロ イ ンデニル) ジ ク ロ ロ ジルコ ニ ウ ム, ジ メ チル シ リ レ ン ビス ( シ ク ロ ペ ン タ ジェニル) ジ メ チ ル ジル コ ニ ウ ム, ジ メ チル シ リ レ ン ビス
( シ ク ロ ペ ン タ ジェニル) ジ ク ロ ロ ジノレ コ ニ ゥ ム, イ ソ プロ ピ リ デ ン ( シ ク ロ ペ ン タ ジェニル) ( 9 ー フ ノレオ レニノレ) ジ メ チル ジル コ 二 ゥ ム, イ ソ プロ ピ リ デ ン ( シ ク ロ ペ ン タ ジェニル) ( 9 一 フ ルォ レニル) ジ ク ロ ロ ジル コ ニ ウ ム, 〔フ エ 二ノレ ( メ チノレ) メ チ レ ン〕
( 9 — フ ノレオ レニル) ( シ ク ロ ペ ン タ ジェニル) ジ メ チル ジ ル コ ニ ゥ ム, ジ フ ヱ ニルメ チ レ ン ( シ ク ロ ペ ン 夕 ジェニル) ( 9 一 フ ルォ レニル) ジ メ チル ジル コ ニ ウ ム, エチ レ ン ( 9 一 フ ルォ レニル)
( シ ク ロペ ン タ ジェニル) ジ メ チル ジル コニ ウ ム, シ ク ロへキ シ リ デ ン ( 9 一 フ ルォ レニル) ( シ ク ロペ ン タ ジェニル) ジ メ チル ジル コ ニ ゥ ム, シ ク ロペ ンチ リ デ ン ( 9 一 フ ルォ レニル) ( シ ク ロ ペ ン タ ジェニル) ジ メ チル ジルコ ニ ウ ム, シ ク ロ ブチ リ デ ン ( 9 一 フ ル ォ レニル) ( シ ク ロ ペ ン タ ジェニル) ジ メ チル ジノレ コ ニ ゥ ム, ジ メ チ ノレ シ リ レ ン ( 9 ー フ ノレオ レニノレ) ( シ ク ロペ ン タ ジェ二ノレ) ジ メ チ ル ジル コ ニ ウ ム, ジ メ チル シ リ レ ン ビス ( 2 , 3 , 5 — ト リ メ チ ル シ ク ロ ペ ン タ ジェニル) ジ ク ロ ロ ジル コ ニ ウ ム, ジ メ チル シ リ レ ン ビス ( 2 , 3 , 5 — ト リ メ チル シ ク ロペ ン タ ジェニル) ジ メ チル ジル コ ニ ウ ム, ジ メ チル シ リ レ ン ス ビス (イ ンデニル) ジ ク ロ ロ ジ ル コ ニ ゥ ム, イ ソ プロ ピ リ デ ン ビス ( シ ク ロ ペ ン 夕 ジェニル) ジ ク ロ ロ ジル コ ニ ウ ム な どが、 さ ら に は、 こ れ ら において、 ジル コ ニ ゥ ムをチタ ン又はハ フ ニ ウ ム に置換した化合物が挙げられる。
さ らに、 前記一般式 ( I V) で表される化合物と しては、 例えばテ
ト ラ メ チルジルコニウ ム, テ ト ラべ ン ジルジルコニウ ム, テ ト ラ メ ト キ シ ジルコニ ウ ム, テ ト ラエ ト キ シ ジルコニウ ム, テ ト ラ ブ ト キ シ ジルコニウ ム, テ ト ラ ク ロ 口 ジルコニウム, テ ト ラ ブ.口モ ジルコ 二ゥ ム, ブ ト キ シ ト リ ク ロ 口 ジルコニウ ム, ジ ブ ト キ シ ジ ク ロ ロ ジ ルコニゥ ム, ト リ ブ ト キシ ク ロ 口 ジルコニウム, ビス ( 2 , 5 — ジ — t 一 プチルフ エ ノ キシ) ジ メ チルジルコニウ ム, ビス ( 2 , 5 — ジ ー t — ブチルフ ヱ ノ キ シ) ジ ク ロ ロ ジルコニウム, ジルコニウ ム ビス (ァセチルァセ ト ナー ト ) な ど、 さ らには、 これ ら において、 ジルコニウ ムをチタ ン又はハフニ ウ ムに置換 した化合物が挙げ られ る。
ま た、 バナ ジ ウ ム化合物の具体例と しては、 'ナ ジ ゥ ム ト リ ク ロ リ ド, バナ ジル ト リ ク ロ リ ド, バナ ジ ウム ト リ ァセチルァセ ト ナー ト , 'ナ ジ ゥ ムテ ト ラ ク ロ リ ド, 'ナ ジ ゥ ム ト リ ブ ト キ シ ド, 'ナ ジルジ ク ロ 'ナ ジルビスァセチルァセ ト ナー ナ ジル リ アセチルァセ ト ナー ト, ジベンゼン 《ナ ジゥ ム, ジ シ ク ロペ ン夕 ジェニルバ'ナ ジ ゥ ム, ジ シ ク ロペ ンタ ジェ二ルバ'ナ ジ ゥ ム ジ ク ロ リ ド, シ ク ロペ ンタ ジェ二ルバ'ナ ジ ゥ ム ジ ク ロ リ ド, ジ シ ク ロペ ン夕 ジェニルメ チルバナ ジ ウ ムな どが挙げられる。
次に、 ク ロ ム化合物の具体例 と しては、 テ ト ラ メ チルク ロム、 テ ト ラ ( t 一 ブ ト キ シ) ク ロム、 ビス ( シ ク ロペ ンタ ジェニル) ク ロ ム、 ヒ ド リ ド ト リ カノレボニル (シ ク ロペ ンタ ジェニル) ク ロ ム、 へ キサカ ルボニル (シ ク ロペ ン夕 ジェニル) ク ロム、 ビス (ベ ンゼ ン) ク ロ ム、 ト リ カ ルボニル ト リ ス (ホスホ ン酸 ト リ フ エニル) ク ロ ム、 ト リ ス (ァ リ ル) ク ロム、 ト リ フ エニル ト リ ス (テ ト ラ ヒ ドロ フ ラ ン) ク ロム、 ク ロム ト リ ス (ァセチルァセ ト ナー ト ) な どが挙げ ら れる。
さ らに、 ( A ) 成分と して、 前記一般式(III) の中で、 置換若し く は無置換の 2個の共役シク ロペンタ ジェニル基 (但し、 少な く と も 1 個は置換シク ロペンタ ジェニル基である) が周期律表の 1 4族 から選ばれる元素を介 して互いに結合した多重配位性化合物を配位 子とする 4族遷移金属化合物を好適に用いるこ とができ る。
このよ う な化合物と しては、 例えば一般式 ( V )
メ R 5 t — C 5H 4— t) -、 ノ X 1
R 6 2 Y 1 ;:: M 2 · · ( V )
R u — し 5 H 4 - u X
で表される化合物又はそ の誘導体を挙げる こ とができ る。
前記一般式 ( V ) 中の Y 1 は炭素, ゲイ素, ゲルマニウム又はス ズ原子, R 5 t - C 5 H 4 - t 及び R 5 u - C 5 H 4 - u は、 それぞれ 置換シク ロペンタ ジェニル基、 t及び uは 1 ~ 4 の整数を示す。 こ こ で、 R 5 は水素原子, シ リ ル基又は炭化水素基を示し、 互いに同 一であっても異なっていてもよい。 また、 少な く と も片方のシク ロ ペンタ ジェニル基には、 Y 1 に結合している炭素の隣の少な く と も 片方の炭素上に R 5 が存在する。 R 6 は水素原子, 炭素数 1 ~ 2 0 のアルキル基又は炭素数 6 2 0 のァ リ ール基, アルキルァ リ ール 基若し く はァ リ ールアルキル基を示す。 M2 はチタ ン, ジルコニゥ ム又はハ フ ニ ウ ム原子を示し、 X 1 は水素原子, ハロゲン原子, 炭 素数 1 2 0 のアルキル基, 炭素数 6 2 0 のァ リ ール基, アルキ ルァ リ ール基若し く はァ リ ールアルキル基又は炭素数 1 2 0のァ ルコキシ基を示す。 X 1 は互いに同一であっても異なっていてもよ く 、 R 6 も互いに同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式 ( V ) における置換シク ロペンタ ジェニル基と しては 例えばメ チノレ シ ク ロペ ン タ ジェニル基 ; ェチル シ ク ロ ペ ン タ ジェ二 ル基 ; イ ソ プロ ビル シ ク ロペ ン タ ジェニル基 ; 1 , 2 — ジ メ チル シ
ク ロペ ンタ ジェニル基 ; 1 , 3 — ジ メ チルシ ク ロペ ンタ ジェニル基 1 , 2 , 3 — ト リ メ チルシ ク ロペ ンタ ジェニル基 ; 1 , 2 , 4 — ト リ メ チルシ ク ロペ ンタ ジェニル基な どが挙げ られる。 X 1 の具体例 と しては、 ハ ロゲン原子と して F , C 1 , B r , I 、 炭素数 1 ~ 2 0のアルキル基と してメ チル基, ェチル基, n— プロ ピル基, イ ソ プロ ピル基, n— ブチル基, ォ ク チル基, 2 —ェチルへキシル基、 炭素数 1 〜 2 0のアルコキ シ基と してメ ト キ シ基, エ ト キ シ基, プ 口 ポキ シ基, ブ ト キ シ基, フ ヱ ノ キ シ基, 炭素数 6〜 2 0のァ リ ー ル基, アルキルァ リ ール基若 し く はァ リ ールアルキル基と してフ エ ニル基, ト リ ル基, キ シ リ ル基, ベ ン ジル基な どが挙げられる。 R 6 の具体例 と してはメ チル基, ェチル基, フ ヱニル基, ト リ ル基 キ シ リ ル基, ベ ン ジル基な どが挙げられる。
上記一般式 ( V) で表される化合物の具体例 と しては、 ジ メ チル シ リ レ ン ビス ( 2 , 3 , 5 — ト リ メ チルシ ク ロペ ンタ ジェニル) ジ ルコニゥ ム ジ ク ロ リ ド, ジメ チルシ リ レ ン ビス ( 2 , 3 , 5 — ト リ メ チノレシ ク ロペ ンタ ジェニル) チタニウ ム ジ ク ロ リ ド, ジ メ チルシ リ レ ン ビス ( 2 , 3 , 5 — ト リ メ チルシ ク ロペ ン夕 ジェニル) ノヽフ 二 ゥ ム ジ ク ロ リ ドな どが挙げられる。
さ らに、 一般式 (VI)
Z Y
(VI)
C p M で表される化合物 も包含する 該一般式 (VI) の化合物において、 C pはシ ク ロペ ンタ ジェニル基, 置換シ ク ロペ ンタ ジェニル基, ィ ンデニル基, 置換イ ンデニル基, テ ト ラ ヒ ドロ イ ンデニル基, 置換 テ ト ラ ヒ ドロ イ ンデニル基, フルォ レニル基又は置換フ ルォ レニル 基な どの環状不飽和炭化水素基又は鎖状不飽和炭化水素基を示す。
T/JP / 5
M 3 はチタ ン, ジルコニ ウム又はハフニ ウ ム原子を示 し、 X 2 は水 素原子, ハ ロゲ ン原子, 炭素数 1 〜 2 0のアルキル基, 炭素数 6 ~ 2 0 のァ リ ール基, アルキルァ リ ール基若し く はァ リ ールアルキル 基又は炭素数 1 〜 2 0 のアルコキシ基を示す。 Zは、 S i R 7 2, C R 72, S i R 7 2 S i R 72, C R 7 2 C R 7 2, C R 7 2 C R 7 2 C R 7 2, C R 7 = C R 7 , C R 7 2 S i R 7 2又は G e R 7 2を示 し、 Y 2 は一 N ( R 6 ) ― , 一 0—, — S —又は一 P ( R 6 ) 一を示す。 上記 R 7 は水素原子又は 2 0個までの非水素原子をもつアルキル, ァ リ ール, シ リ ル, ハ ロゲン化アルキル, ハロゲン化ァ リ ール基及びそれ らの 組合せから選ばれた基であ り、 R 6 は炭素数 1 〜 1 0 のアルキル若 し く は炭素数 6〜 1 0 のァ リ ール基であるか、 又は 1 個若し く はそ れ以上の R 7 と 3 0個までの非水素原子の縮合環系を形成してもよ い。 wは 1 又は 2 を示す。
上記一般式 (VI) で表される化合物の具体例と しては、 (第 3級 ブチルア ミ ド) (テ ト ラ メ チルー 5 — シ ク ロペ ンタ ジェニル) 一 1 , 2 —エタ ン ジィ ルジルコニウ ム ジ ク ロ リ ド ; (第 3級プチルァ ミ ド) (テ ト ラ メ チルー 7? 5 — シ ク ロペ ン夕 ジェニル) 一 1 , 2 — エタ ン ジィ ルチ タ ン ジ ク ロ リ ド ; (メ チルア ミ ド) (テ ト ラ メ チル - 7? 5 ー シ ク ロペ ンタ ジェニル) 一 1 , 2 —エタ ン ジィ ルジルコニ ゥ ム ジ ク ロ リ ド ; (メ チルア ミ ド) (テ ト ラ メ チルー 77 5 — シ ク ロ ペ ンタ ジェニル) 一 1 , 2 — ェタ ン ジィ ルチタ ン ジ ク ロ リ ド ; (ェ チルア ミ ド) (テ ト ラ メ チルー 7? 5 — シ ク ロペ ンタ ジェニル) 一 メ チ レ ンチタ ン ジ ク ロ リ ド ; (第 3級ブチルア ミ ド) ジ メ チル (テ ト ラ メ チルー 7? 5 — シ ク ロペ ンタ ジェニル) シラ ンチタ ン ジ ク ロ リ ド ; (第 3級ブチルア ミ ド) ジ メ チル (テ ト ラ メ チルー ;? 5 — シ ク ロぺ ンタ ジェニル) シラ ン ジルコニウ ム ジベ ン ジル ; (ベ ン ジルア ミ ド)
ジ メ チルー (テ ト ラ メ チノレー 7? 5 — シ ク ロ ペ ン タ ジェニル) シ ラ ン チ タ ン ジ ク ロ リ ド ; ( フ エ ニルホ ス フ ィ ド) ジ メ チル (テ ト ラ メ チ ルー 7? 5 — シ ク ロ ペ ン タ ジェニル) シ ラ ン ジル コニ ウ ム ジベ ン ジル などが挙げられる。
さ らに、 該 (A ) 成分の遷移金属化合物と しては、 上記一般式
( IV) で示した遷移金属化合物のう ち、 少な く と も 2個のハロゲン 原子又はアルコキシ基, あるいはそれぞれ 2個のハ ロ ゲ ン原子とァ ルコキシ基が中心金属に結合 した遷移金属化合物と、 一般式(V 11 ) 〜(XII)
• · · (XII)
で表される ジオールとの反応生成物も用いる こ とができ る。
上記一般式(VII) 〜(XII) で表される化合物において、 R 9 及び R 1 Dは、 炭素数 1 〜 2 0の炭化水素基であ り、 それらはたがいに同 一でも異なっていてもよ く 、 Y 3 は炭素数 1 〜 2 0 の炭化水素基、
0
II
0— , 一 s — , 一 s — s , 一 S — , 一 S — , 一 c — ,
II II II
0 0 0
0 R 15
II I
一 N— , - Ρ - , - P— 又は — S i —
1 I
R 15 R 15 R 15 R 15
で示される基 ( こ こ で、 R 15は炭素数 1 ~ 6の炭化水素基を示す。 ) であ る。 R 9 , R 1 D及び Y 3 で表される炭素数 1 〜 2 0の炭化水素 基と しては、 例えばメ チ レ ン, エチ レ ン, ト リ メ チ レ ン, プロ ピ レ ン, ジフ エニルメ チ レ ン , ェチ リ デン, n— プロ ピ リ デ ン, イ ソ プ 口 ピ リ デン, n— ブチ リ デン, イ ソ ブチ リ デン基な どが挙げ られる が、 これ らの中で、 メ チ レ ン, エチ レ ン, ェチ リ デン, イ ソ プロ ピ リ デン及びイ ソ プチ リ デン基が好適であ る。 nは 0以上の整数を示 すが、 特に 0又は 1 が好ま しい。
ま た、 R 1 R 12 , R 13及び R 14は、 それぞれ炭素数 1 〜 2 0の 炭化水素基, 水酸基, 二 ト ロ基, 二 ト リ ル基, ヒ ドロ カ ノレ ビロキ シ 基又はハロゲン原子を示 し、 これら はたがいに同一で も異な っ てい て も よい。 炭素数 1 〜 2 0の炭化水素基と しては、 例えばメ チル, ェチル, n— プロ ピル, イ ソ プロ ピル, n— プチル, イ ソ プチル, t 一 プチル, n— ァ ミ ル , イ ソ ア ミ ノレ, n— へキ シノレ, n— へプチ ル, n—ォ ク チル, n—デシル, n— ドデシル基な どのアルキル基、 フ エ 二ノレ, ナ フ チル基な どのァ リ 一ル基、 シ ク ロへキ シノレ, シ ク ロ ペ ンチル基な どの シ ク ロアルキル基、 プロぺニル基な どのアルケニ ル基、 ベ ン ジル基な どのァラ ルキル基を挙げる こ とができ るが、 こ れ らの中で炭素数 1 〜 1 0 のアルキル基が好適であ る。 y , y ' , y ' , y ' ' , ζ , ζ , ζ ''及び ζ ' ' ' は芳香族環に結合 してい
る置換基の数を表し、 y , y ' , ζ及び ζ ' は、 0 ~ 4 の整数、 y ',及び ζ ' 'は、 0 〜 2 の整数、 y ' ' ' 及び ζ ' ' ' は、 0 ~ 3 の整 数を示す。
該遷移金属化合物と、 上記一般式 (VII)~ (XII)で表される ジォ
—ルとの反応生成物の一例と しては、 一般式 (XIII)
ノ( E Ο \ /Ε 3 V
( Y 4)mZ M 1 · · (XIII)
、( E 2),0 ^ 、E 4
で表される化合物を挙げる こ とができ る。
上記一般式 (XIII) において、 Μ 1 は前記と同 じ意味であり、 Ε 1 及び Ε 2 は、 炭素数 1 〜 2 0 の炭化水素基で、 V及び X は、 そ れぞれ 0 又は 1 を示し、 Ε 1 及び Ε 2 は、 Υ 4 を介 して架橋構造を 形成する ものであ る。 Ε 3 及び Ε 4 は、 σ結合性配位子、 キ レー ト 性の配位子又はルイ ス塩基を示し、 それらはたがいに同一でも異な つていてもよい。
ν ' 及び X ' は、 それぞれ 0 ~ 2 の整数 〔 ν ' + X ' ( Μ 1 の原 子価一 2 ) の整数〕 を示す。 Υ 4 は炭素数 1 〜 2 0 の炭化水素基, Ε 5 Ε 6 Υ 5 , 酸素原子又は硫黄原子を示し、 mは 0 ~ 4 の整数を 示す。 E 5 及び E 8 は、 炭素数 1 〜 2 0 の炭化水素基、 Y 5 は炭素 原子又は硅素原子を示す。
上記一般式 (XIII) で表される化合物の具体例と しては、
さ らに、 一般式(XIV)
O R 16
R "0 - ( M 4 - 0→ R 1 (XIV)
O R 16
で表される化合物も包含する。
こ の一般式 (XIV)において, R 16は炭素数 1 2 0 のアルキル基 若し く はァ シル基、 炭素数 6〜 2 0の シク ロアルキル基又は炭素数 6 ~ 2 0 のァ リ ール基, アルキルァ リ ール基若し く はァ リ ールアル キル基を示し、 各 R 16は同一でも異なっていてもよい。 M4 は周期 律表第 3族, 第 4族又はラ ンタ ノ イ ド系列の金属元素を示し、 Zは 2〜 2 0の整数を示す。
上記一般式 (XIV)で表される化合物の具体例と しては、 B u O
〔 Z r ( O B u ) 0〕 - B u , E t O 〔 Z r ( O E t ) 2 0〕 一 E t , i P r O 〔 Z r ( O i P r ) 2 0〕 4 — i P r . n P r O
〔 Z r ( O n P r ) 2 0〕 4 一 n P r , B u 0 〔 Z r ( O B u ) 2 0〕 一 B u , B u O 〔 Z r ( 0 B 4 ) 2 0〕 2 一 B uなど、 及び これらにおいて、 ジルコニウムをチタ ン又はハフニウムなどで置換 した化合物が挙げられる。 なお、 B uはブチル基、 E t はェチル基 n P r は n—プロ ピル基、 i P r はイ ソプロ ピル基を示す。
本発明のエチ レ ン系共重合体は各種の製造法によ り得られ、 その 方法は特に限定されないが、 これら触媒と重合条件を選択する こ と によ り得られる。 こ の際の触媒と しては、 アルコキシチタ ン化合物 又は配位子間に架橋の存在するチタ ン, ジルコニウ ム化合物が好適 に用いられる。
本発明のエチ レ ン系共重合体の製造のために用いる重合触媒にお いては、 (A) 成分の遷移金属化合物は、 一種用いてもよい し、 二 種以上を組合せて用いてもよい。
—方、 該重合触媒において、 ( B ) 成分と して用いられる、 前記 ( A ) 成分の遷移金属化合物又はその派生物からイオ ン性の錯体を 形成し う る化合物と しては、 ( B — 1 ) 該 (A ) 成分の遷移金属化 合物と反応してイオ ン性の錯体を形成するイ オ ン性化合物, ( B— 2 ) アル ミ ノ キサン及び ( B— 3 ) ルイ ス酸を例示する こ とができ る。
該 ( B— 1 ) 成分のイオ ン性化合物と しては、 前記 (A ) 成分の 遷移金属化合物と反応してイ オ ン性の錯体を形成するイ オ ン性化合 物であればいずれのものでも使用でき るが、 カチオ ンと複数の基が 元素に結合したァニオ ンとからなる化合物、 特にカチオ ンと複数の 基が元素に結合したァニオ ンとからなる配位錯化合物を好適に使用
する こ と ができ る。 このよ う なカチオ ン と複数の基が元素に結合 し たァニオ ン と か らな る化合物と しては、 一般式
( 〔い 一 R 17〕 k + ) p ( 〔M 5 Z 1 Z 2 · · Z
• · (XV)
又は
( 〔 L 2 〕 k + ) p ( CM6 Z 1 Z 2 · Z n 〕 (h-g)一
• · (XVI)
〔ただ し、 L 2 は M 7 , R 18 R 19 M 8 R 2 0 C又は R 21 M 8 であ る。 〕
〔式中、 L 1 はルイ ス塩基、 M 5 及び M は、 それぞれ周期律表の 5族, 6族, 7族, 8 ~ 1 0族, 1 1 族 1 2族, 1 3族, 1 4 族 及び 1 5族か ら選ばれる元素、 好ま し く は 1 3族, 1 4 族及び 1 5 族か ら選ばれる元素、 M7 及び M 8 は、 それぞれ周期律表の 3族, 4族, 5族, 6族, 7族, 8 〜 1 0族, 1 族, 1 1 族, 2族, 1 2 族及び 1 7族か ら選ばれる元素、 Z 1 〜 Ζ Π は、 それぞれ水素原子 ジアルキルア ミ ノ 基, 炭素数 1 〜 2 0 のアルコ キ シ基, 炭素数 6 〜 2 0 のァ リ ールォキ シ基, 炭素数 1 〜 2 0 のアルキル基, 炭素数 6 〜 2 0 のァ リ ール基, アルキルァ リ ール基, ァ リ ールアルキル基、 炭素数 1 〜 2 0 のハロゲン置換炭化水素基、 炭素数 1 〜 2 0 のァ シ ルォキ シ基、 有機メ タ ロ イ ド基又はハロゲン原子を示 し、 Ζ 1 〜 Ζ η は、 その 2 以上が互いに結合 して環を形成 していて もよい。
R 17は水素原子、 炭素数 1 〜 2 0 のアルキル基、 炭素数 6 ~ 2 0 の ァ リ ール基, アルキルァ リ ール基又はァ リ ールアルキル基を示 し、 R 18及び R 19は、 それぞれシ ク ロペ ンタ ジェニル基、 置換シ ク ロべ ンタ ジェニル基, イ ンデニル基又はフルォ レニル基、 R 20は炭素数 1 〜 2 0 のアルキル基、 ァ リ ール基, アルキルァ リ ール基又はァ リ
ールアルキル基を示す。 R 21はテ ト ラ フ エ二ルポルフ ィ リ ン, フ タ ロ シアニ ンな どの大環状配位子を示す。 gは M5 , M 6 の原子価で 1 〜 7 の整数、 hは 2〜 8 の整数、 kは [ L 1 一 R 17〕 , [ L 2 〕 のイ オ ン価数で 1 ~ 7 の整数、 p は 1 以上の整数、 q = ( p X k ) / ( h - g ) であ る。 〕
で表さ れる化合物であ る。
こ こで、 上記 L 1 で示さ れるルイ ス塩基の具体例 と しては、 ア ン モニァ, メ チノレア ミ ン, ァニ リ ン, ジメ チルァ ミ ン, ジェチルア ミ ン, N— メ チルァニ リ ン, ジフ エニルァ ミ ン, ト リ メ チルァ ミ ン, ト リ ェチルァ ミ ン, ト リ 一 n— プチルァ ミ ン, N, N— ジ メ チルァ 二 リ ン, メ チノレジ フ エニルァ ミ ン, ピ リ ジ ン, p — ブロモー N , N 一 ジ メ チルァニ リ ン, p —二 ト ロ ー N, N— ジメ チルァニ リ ンな ど のァ ミ ン類、 ト リ ェチルフ ォ ス フ ィ ン, ト リ フ エニルフ ォ ス フ ィ ン , ジ フ エ二ノレフ ォ ス フ ィ ンな どのフ ォ ス フ ィ ン類、 ジ メ チルエーテル, ジェチルェ一テル, テ ト ラ ヒ ドロ フ ラ ン, ジォキサ ンな どのエーテ ル類、 ジェチルチオエーテル, テ ト ラ ヒ ドロチォ フ ェ ンな どのチォ エーテル類、 ェチルベ ン ゾエー ト な どのエステル類な どが挙げられ る。
ま た、 M5 及び M6 の具体例と しては、 B , A 1 , S i , P , A s , S bな ど、 好ま し く は B又は P , M7 の具体例と しては、 L i , N a , A g , C u , B r , I な ど、 M8 の具体例と しては、 M n , F e , C o , N i , Z nな どが挙げ られる。 Z 1 〜 Z n の具体例 と しては、 例えば、 ジアルキルア ミ ノ 基と してジ メ チルァ ミ ノ 基 ; ジ ェチルァ ミ ノ 基、 炭素数 1 〜 2 0 のアルコキ シ基と してメ ト キ シ基, エ ト キ シ基, n — ブ ト キ シ基、 炭素数 6 ~ 2 0 のァ リ ールォキ シ基 と してフ エ ノ キ シ基 ; 2 , 6 — ジ メ チルフ エ ノ キ シ基 ; ナフ チルォ
キ シ基、 炭素数 1 ~ 2 0 のアルキル基と してメ チル基 ; ェチル基 ; n — プロ ピル基 ; イ ソ プロ ピル基 ; n — ブチル基 ; n — 才 ク チル基 2 — ェチルへキ シル基、 炭素数 6 ~ 2 0 のァ リ ール基 ; アルキルァ リ ール基若 し く はァ リ ールアルキル基と してフ ヱニル基 ; p — ト リ ル基 ; ベ ン ジル基 ; 4 一 t 一 プチルフ ヱニル基 ; 2 , 6 — ジ メ チル フ エニル基 ; 3 , 5 — ジ メ チルフ ヱニル基 ; 2, 4 ー ジ メ チルフ エ ニル基 ; 2 , 3 — ジ メ チルフ ヱニル基、 炭素数 1 ~ 2 0 のハロゲン 置換炭化水素基と して P — フルオロ フ ヱニル基 ; 3 , 5 — ジ フルォ 口 フ エニル基 ; ペ ンタ ク ロ ロ フ ェニル基 ; 3 , 4 , 5 — ト リ フノレオ ロ フ ヱニル基 ; ペ ン タ フ ルオ ロ フ ェニル基 ; 3 , 5 — ジ ( ト リ フル ォ ロ メ チル) フ エニル基、 ハロゲン原子と して F , C 1 , B r , I 有機メ タ ロ イ ド基と して五メ チルア ンチモ ン基, ト リ メ チルシ リ ル 基, ト リ メ チルゲル ミ ル基, ジ フ ヱニルアルシ ン基, ジ シ ク ロへキ シルア ンチモ ン基, ジフ ヱニル硼素基が挙げられる。 R 17 , R 20の 具体例と しては、 先に挙げた もの と 同様な ものが挙げ られる。 R 18 及び R 18の置換シ ク ロペ ンタ ジェニル基の具体例と しては、 メ チル シ ク ロペ ンタ ジェニル基, ブチルシ ク ロペ ンタ ジェ二ノレ基, ペ ン 夕 メ チルシ ク 口ペ ン夕 ジェニル基な どのアルキル基で置換された もの が挙げられる。 こ こで、 アルキル基は通常炭素数が 1 〜 6 であ り 、 置換さ れたアルキル基の数は 1 〜 5 の整数であ る。
上記一般式 (XV) , (XVI) の化合物の中では、 M 5 , M 6 が、 硼 素であ る ものが好ま しい。 一般式 (XV) , (XVI) の化合物の中で. 具体的には下記の ものが特に好適に使用でき る。
例えば、 一般式 (XV) の化合物と しては、 テ ト ラ フ ヱニル硼酸 ト リ エチルア ンモニゥ ム, テ ト ラ フ ェニル硼酸 ト リ ( n — プチル) ァ ンモニ ゥ ム, テ ト ラ フ ェニル硼酸 ト リ メ チルア ンモニゥ ム, テ ト ラ
フ エニル硼酸テ ト ラェチルア ンモニゥム, テ ト ラ フ ェニル硼酸メ チ ル 卜 リ ( n — ブチル) ア ンモニ ゥ ム, テ ト ラ フ ェ ニル硼酸べン ジル ト リ ( n — プチル) ア ンモニゥ ム, テ ト ラ フ ェニル硼酸ジ メ チルジ フ エ 二ルア ンモニゥ ム, テ ト ラ フ ェニル硼酸メ チル ト リ フ エ ニルァ ンモニ ゥ ム, テ ト ラ フ ェニル硼酸 ト リ メ チルァニ リ ニ ゥ ム, テ 卜 ラ フ ヱニル硼酸メ チル ピ リ ジニ ゥ ム, テ ト ラ フ ヱニル硼酸ベ ン ジル ピ リ ジニゥ ム, テ ト ラ フ ェニル硼酸メ チル ( 2 — シァ ノ ピ リ ジニ ゥ ム) , テ ト ラ フ ェニル硼酸 ト リ メ チルスルホニ ゥ ム, テ ト ラ フ エ二 ル硼酸べン ジルメ チルスルホニゥ ム, テ ト ラ キス (ペ ン タ フ ルォ ロ フ エニル) 硼酸 ト リ ェチルア ンモニゥ ム, テ ト ラ キス (ペ ンタ フル オ ロ フ ヱニル) 硼酸 ト リ ( n — プチル) ア ンモニゥ ム, テ ト ラ キス
(ペ ンタ フ ノレオロ フ ェニル) 硼酸 ト リ フ エ二ルア ンモニ ゥム, テ ト ラ キス (ペ ン夕 フルオ ロ フ ェニル) 硼酸テ ト ラ プチルア ンモニゥ ム : テ ト ラ キス (ペ ンタ フノレオ ロ フ ヱニル) 硼酸テ ト ラ エチルア ンモニ ゥ ム, テ ト ラ キス (ペ ン夕 フルオ ロ フ ェニル) 硼酸 〔メ チル ト リ
( n — プチル) ア ンモニゥ ム〕 , テ ト ラキス (ペ ンタ フ ルオ ロ フ ェ ニル) 硼酸 〔ベ ン ジノレ ト リ ( n — ブチル) ア ンモニ ゥ ム〕 , テ ト ラ キス (ペ ンタ フルオ ロ フ ェニル) 硼酸メ チルジ フ エ二ルア ンモニゥ ム, テ ト ラ キス (ペ ンタ フルオ ロ フ ェニル) 硼酸メ チル ト リ フ エ二 ルア ンモニ ゥ ム, テ ト ラ キス (ペ ンタ フルオ ロ フ ェニル) 硼酸ジ メ チルジフ エ二ルア ンモニゥ ム, テ ト ラ キス (ペ ンタ フノレオ ロ フ ェニ ル) 硼酸ァニ リ ニゥ ム, テ ト ラ キス (ペ ン夕 フルオ ロ フ ヱニル) 硼 酸メ チルァニ リ ニゥム, テ ト ラ キス (ペ ンタ フ ルオ ロ フ ェニル) 硼 酸ジ メ チルァニ リ ニゥ ム, テ ト ラ キス (ペ ン夕 フ ルオ ロ フ ヱニル) 硼酸 ト リ メ チルァニ リ ニ ゥ ム, テ ト ラ キス (ペ ンタ フ ルオ ロ フ ェニ ル) 硼酸ジ メ チル ( m —二 ト ロ ア二 リ ニ ゥ ム) , テ ト ラ キス (ペ ン
タ フ ルオ ロ フ ェニルメ チル) 硼酸ジ メ チル ( p —プロモア二 リ ニゥ ム) , テ ト ラ キス (ペ ンタ フルオ ロ フ ェニル) 硼酸ピ リ ジニゥ ム, テ ト ラ キス (ペ ンタ フルオ ロ フ ェニル) 硼酸 ( 4 一 シァ ノ ピ リ ジニ ゥ ム) , テ ト ラ キス (ペ ンタ フノレオ ロ フ ェニル) 硼酸 ( N— メ チル ピ リ ジニ ゥ ム) , テ ト ラ キス (ペ ンタ フルオ ロ フ ヱニル) 硼酸 ( N —ベ ン ジノレ ピ リ ジニゥ ム) , テ ト ラキス (ペ ン夕 フ ルオ ロ フ ェニル) 硼酸 ( 2 — シァ ノ ー N—メ チル ピ リ ジニゥ ム) , テ ト ラ キス (ペ ン タ フルオ ロ フ ヱニル) 硼酸 ( 4 ー シァ ノ ー N— メ チル ピ リ ジニゥ ム) , テ ト ラ キス (ペ ンタ フ ノレオ ロ フ ェニル) 硼酸 ( 4 ー シァ ノ ー N —べ ン ジル ピ リ ジニ ゥ ム) , テ ト ラ キス (ペ ン夕 フ ルオ ロ フ ェニ ル) 硼酸 ト リ メ チノレスノレホニゥ ム, テ ト ラ キス (ペ ン夕 フルオ ロ フ ェニル) 硼酸べン ジルジ メ チルスルホニゥ ム, テ ト ラ キス (ペ ンタ フルオ ロ フ ェニル) 硼酸テ ト ラ フ ヱニルホスホニゥ ム, テ ト ラ キス ( 3 , 5 — ジ ト リ フルォロ メ チノレフ ヱニル) 硼酸ジ メ チルァニ リ ウ ム, ト リ ス (ペ ンタ フノレオ ロ フ ェニル) ( p — ト リ フ ノレオ ロ メ チル テ ト ラ フルオ ロ フ ヱニル) 硼酸ジメ チルァニ リ ニゥ ム . ト リ ス (ぺ ン タ フノレオ ロ フ ェニノレ) ( p — ト リ フノレオ ロ メ チルテ ト ラ フルォ ロ フ エニル) 硼酸 ト リ ェチルア ンモニゥ ム, ト リ ス (ペ ンタ フルォ ロ フ エ二ノレ) ( p — ト リ フルォ ロ メ チルテ ト ラ フルオ ロ フ ェニノレ) 硼 酸ピ リ ジニゥ ム, ト リ ス (ペ ンタ フルオ ロ フ ェニル) ( p — ト リ フ ルォ ロ メ チルテ ト ラ フルオロ フ ヱニル) 硼酸 ( N—メ チル ピ リ ジニ ゥ ム) , ト リ ス (ペ ン夕 フルオ ロ フ ェニル) ( p — ト リ フルォ ロ メ チルテ ト ラ フルオ ロ フ ェニル) 硼酸 ( 2 — シァ ノ 一 N— メ チル ピ リ ジニゥ ム) , ト リ ス (ペ ン夕 フ ルオ ロ フ ヱニル) ( p — ト リ フルォ ロ メ チルテ ト ラ フルオ ロ フ ヱニル) 硼酸 ( 4 一 シァ ノ 一 N—べ ン ジ ル ピ リ ジニゥ ム) , ト リ ス (ペ ンタ フルオ ロ フ ェニル) ( p — ト リ
フ ノレオ ロ メ チノレテ ト ラ フノレオ ロ フ ェニノレ) 硼酸 卜 リ フ エ ニ ソレホスホ 二 ゥ ム, ト リ ス (ペ ン夕 フルオ ロ フ ェニル) ( 2 , 3 , 5 , 6 — テ ト ラ フ ルォ ロ ピ リ ジニル) 硼酸ジ メ チルァニ リ ニゥ ム, ト リ ス ( ぺ ン タ フルオ ロ フ ェニル) ( 2 , 3, 5 , 6 —テ ト ラ フ ルォ ロ ピ リ ジ ニル) 硼酸 ト リ ェチルア ンモニ ゥ ム, ト リ ス (ペ ン夕 フルオ ロ フ ェ ニル) ( 2 , 3 , 5 , 6 —テ ト ラ フルォ ロ ピ リ ジニル) 硼酸 ピ リ ジ 二ゥ ム, ト リ ス (ペ ンタ フ ルオ ロ フ ェニル) ( 2 , 3 , 5 , 6 — テ ト ラ フルォ ロ ピ リ ジニル) 硼酸 ( N— メ チル ピ リ ジニ ゥ ム) , ト リ ス (ペ ンタ フ ルオ ロ フ ェニル) ( 2 , 3 , 5 , 6 — テ ト ラ フルォ ロ ピ リ ジニル) 硼酸 ( 2 — シァ ノ ー N— メ チル ピ リ ジニ ゥ ム) , ト リ ス (ペ ンタ フ ルオ ロ フ ヱ ニル) ( 2 , 3 , 5 , 6 —テ ト ラ フルォ ロ ピ リ ジニル) 硼酸 ( 4 一 シァ ノ 一 N—べ ン ジル ピ リ ジニ ゥム) , ト リ ス (ペ ン夕 フルオ ロ フ ェニル) ( 2 , 3 , 5 , 6 —テ ト ラ フルォ 口 ピ リ ジニル) 硼酸 ト リ フ ヱニルホスホニゥ ム, ト リ ス (ペ ン タ フ ルオ ロ フ ェニル) (フ ヱニル) 硼酸ジ メ チルァニ リ ニゥ ム, ト リ ス (ペ ンタ フノレオ ロ フ ェニル) 〔 3 , 5 — ジ ( ト リ フノレオ ロ メ チノレ) フ エニル〕 硼酸ジメ チルァニ リ ニ ゥ ム, ト リ ス (ペ ンタ フルオ ロ フ ェニル) ( 4 一 ト リ フルォ ロ メ チルフ エニル) 硼酸ジメ チルァニ リ 二ゥ ム, ト リ フ ヱニル (ペ ンタ フルオ ロ フ ェニル) 硼酸ジメ チルァ 二 リ ニゥ ム, へキサフルォ ロ砒素酸 ト リ エチルア ンモニ ゥムな どが 挙げられる。
一方、 一般式(XVI) の化合物と しては、 テ ト ラ フ ュニル硼酸フ エ ロセニゥ ムテ ト ラ フ ヱニル硼酸銀, テ ト ラ フ ヱニル硼酸 ト リ チル, テ ト ラ フ ェニル硼酸 (テ ト ラ フ ヱ二ルポルフ ィ リ ンマ ンガ ン) , テ ト ラ キス (ペ ン タ フルオ ロ フ ェニル) 硼酸フ ヱ ロセニ ゥ ム, テ ト ラ キス (ペ ンタ フ ルオ ロ フ ヱニル) 硼酸 ( 1 , 1 ' — ジ メ チルフ エ 口
セニ ゥ ム) , テ ト ラ キス (ペ ン タ フ ノレオ ロ フ ェニル) 硼酸デカ メ チ ルフ エ ロセニゥ ム, テ ト ラ キス (ペ ンタ フルオ ロ フ ェニル) 硼酸ァ セチルフ エ ロセニゥ ム, テ ト ラ キス (ペ ン夕 フ ルオ ロ フ ェ ニル) 硼 酸ホノレ ミ ルフ エ ロセニゥム, テ ト ラ キス (ペ ンタ フ ルオ ロ フ ェ ニル) 硼酸シァ ノ フ エ ロセニゥム, テ ト ラ キス (ペ ン タ フノレオ ロ フ ェニル) 硼酸銀, テ ト ラ キス (ペ ンタ フノレオ ロ フ ヱニル) 硼酸 ト リ チル, テ ト ラ キス (ペ ンタ フ ルオ ロ フ ェニル) 硼酸リ チ ウ ム, テ ト ラ キス (ペ ンタ フ ノレオ ロ フ ェニル) 硼酸ナ ト リ ウム, テ ト ラ キス (ペ ン タ フルオ ロ フ ヱニル) 硼酸 (テ ト ラ フ ヱ二ルポルフ ィ リ ンマ ンガ ン) , テ ト ラ キス (ペ ンタ フルオ ロ フ ヱニル) 硼酸 (テ ト ラ フ ェニルポル フ ィ リ ン鉄ク ロ リ ド) , テ ト ラ キス (ペ ン夕 フ ルオ ロ フ ヱニル) 硼 酸 (テ ト ラ フ ヱ二ルポルフ ィ リ ン亜鉛) , テ ト ラ フルォ ロ硼酸銀, へキサフルォロ砒素酸銀, へキサフルォロア ンチモ ン酸銀などが挙 げられる。
また、 前記一般式 ( XV) , ( XV I )以外の化合物と しては、 例えば、 ト リ ス (ベタ フルオ ロ フ ヱニル) 硼素, ト リ ス 〔 3 , 5 — ジ ( ト リ フ ルォ ロ メ チル) フ ヱニル〕 硼素, ト リ フ ヱニル硼素など も使用す る こ とができ る。
こ の ( Β — 1 ) 成分である、 該 (Α ) 成分の遷移金属化合物と反 応してイオ ン性の錯体を形成するイオ ン性化合物は一種用いてもよ く 、 二種以上を組み合わせて用いてもよい。 また、 該 ( Α ) 成分の 遷移金属化合物及び上記 ( Β — 1 ) 成分のイオン性の錯体を形成す るイオ ン性化合物からなる成分がポ リ カチオ ン錯体であってもよい。 一方、 ( Β — 2 ) 成分のアル ミ ノ キサンと しては、 一般式
R 22 R 22
A 1— 0 - A 1— 0 -}-r A 1 (XVI I)
R 22 R 22
R 22
〔式中、 R 22はそれぞれ独立して炭素数 1 〜 2 0、 好ま し く は 1 〜 1 2 のアルキル基, シク ロアルキル基, アルケニル基, ァ リ ール基 ァ リ ールアルキル基などの炭化水素基、 ハロゲン原子、 よ り好ま し く はアルキル基、 s は重合度を示し、 通常 3〜 5 0、 好ま し く は 7 〜 4 0 の整数である。 〕
で表される鎖状アルミ ノ キサン、 及び一般式(XV 111 )
〔式中、 R 22及び s は、 前記と同じである。 〕
で表される環状アル ミ ノ キサンを挙げる こ とができ る。
前記一般式(XVI I)及び (XVIII)の化合物の中で好ま しいのは、 重 合度 7以上のアル ミ ノ キサンである。 この重合度 7以上のアル ミ ノ キサン又はこれらの混合物を用いた場合には高い活性を得る こ とが でき る。 また、 一般式(XVI I)及び(XVI 11) で示されるアル ミ ノ キサ ンを水などの活性水素をもつ化合物で変性した通常の溶剤に不溶な 変性アル ミ ノ キサン も好適に使用する こ とができ る。
前記アル ミ ノ キサンの製造法と しては、 アルキルアル ミ ニウ ム と 水などの縮合剤とを接触させる方法が挙げられるが、 その手段につ いては特に制限はな く 、 公知の方法に準じて反応させればよい。 例 えば①有機アル ミ ニウ ム化合物を有機溶剤に溶解しておき、 これを 水と接触させる方法、 ②重合時に当初有機アル ミ ニゥ ム化合物を加 えておき、 後に水を添加する方法、 ③金属塩などに含有されている 結晶水、 無機物や有機物の吸着水を有機アル ミ 二ゥ ム化合物と反応
させる方法、 ④テ ト ラアルキルジアル ミ ノ キサンに ト リ アルキルァ ル ミ 二ゥムを反応させ、 さ らに水を反応させる方法などがある。 これらのアル ミ ノ キサンは一種用いてもよ く 、 二種以上を組み合わ せて用いてもよい。
さ らに、 ( B — 3 ) 成分のルイ ス酸については特に制限はな く 、 有機化合物でも固体状無機化合物でもよい。 有機化合物と しては、 硼素化合物やアル ミ ニウ ム化合物などが、 無機化合物と してはマグ ネ シ ゥ ム化合物、 アル ミ ニウ ム化合物などが好ま し く 用いられる。 これらのルイ ス酸は一種用いてもよい し、 二種以上を組み合わせて 用いてもよい。
本発明のエチ レ ン系共重合体を得るためには、 該 ( B ) 触媒成分 と して、 上記 ( B — 1 ) 成分, ( B — 2 ) 成分, ( B — 3 ) 成分を それぞれ単独で用いてもよい し、 二種以上を組み合わせて用いても よい。
さ らに重合触媒においては、 所望によ り、 ( C ) 成分と して、 一 般式 (XIX)
R 23 r A 1 Q 3 - r · · · (XIX)
〔式中、 R 23は炭素数 1 〜 1 0 のアルキル基, Qは水素原子, 炭素 数 1 〜 2 0 のアルコ キ シ基, 炭素数 6 ~ 2 0 のァ リ ール基又はハロ ゲン原子を示し、 r は 1 〜 3 の整数である。 〕
で表される有機アルミ ニウム化合物を用いる こ とができ る。
特に、 ( B ) 成分と して ( B — 1 ) と して示した ( A ) 成分の遷 移金属化合物と反応してイ オ ン性の錯体を形成するイ オ ン性化合物 を用いる場合に、 ( C ) 有機アル ミ ニ ウム化合物を併用する こ と に よって高い活性を得る こ とができ る。
前記一般式 (XIX)で表される化合物の具体例と しては、 ト リ メ チ
ルァノレ ミ ニ ゥ ム, ト リ ェチルア ル ミ ニ ウ ム, ト リ イ ソ プロ ピルア ル ミ ニ ゥ ム, ト リ イ ソ ブチノレア ノレ ミ ニ ゥ ム, ジ メ チルァノレ ミ ニゥムク 口 リ ド, ジェチルア ル ミ ニ ウ ム ク ロ リ ド, メ チルアル ミ ニ ウ ム ジ ク ロ リ ド, ェチルアル ミ ニ ウ ム ジ ク ロ リ ド, ジ メ チ ルァ ノレ ミ ニ ゥ ム フ ルオ リ ド, ジ イ ソ プチルァ ゾレ ミ ニ ゥ ム ヽィ ドラ イ ド, ジェチ ルア ル ミ ニ ゥ ムハ イ ドラ イ ド, ェチルア ル ミ ニ ウ ムセ ス キ ク ロ リ ドな どが 挙げられる。
次に、 共重合においては、 前記 (A ) , ( B ) 及び所望に応じて 用い られる ( C ) 触媒成分の少な く と も一種を適当な担体に担持し て用 い る こ と がで き る。
該担体の種類につ いては特に制限はな く 、 無機酸化物担体、 それ 以外の無機担体及び有機担体のいずれも用いる こ とができ るが、 特 に無機酸化物担体あるいはそれ以外の無機担体が好ま しい。
無機酸化物担体と しては、 具体的には、 S i 02 , A 1 2 03 , M g 0 , Ζ r 02 , Τ i 02 , F e 2 03 , Β 2 03 , C a 0 , Ζ η Ο , Β a 0 , Τ h 02 やこれらの混合物、 例えば、 シ リ カアル ミ ナ, ゼォライ ト . フ ヱライ ト, グラスフ ァ 一などが挙げられ る。 これらの中では、 特に S i 02 ' A 1 a 03 が好ま しい。 なお 上記無機酸化物担体は、 少量の炭酸塩, 硝酸塩, 硫酸塩などを含有 してもよい。
一方、 上記以外の無機担体と して、 M g C 1 2 ,
M g ( 0 C 2 H 5 ) 2 などのマグネ シウム化合物やその錯塩、 ある いは M g R 2 4 i X 3 s で表される有機マグネシウム化合物などを挙 げる こ とができ る。 こ こ で、 R 24は炭素数 1 〜 2 0 のアルキル基, 炭素数 1 〜 2 0 のアルコキシ基又は炭素数 6〜 2 0のァ リ ール基、 X 3 はハロゲン原子又は炭素数 1 〜 2 0のアルキル基を示し、 i は
0 〜 2 、 j は 0 〜 2 であ る。
ま た、 有機担体と しては、 ポ リ スチ レ ン, スチ レ ン ー ジ ビニルべ ンゼン共重合体, ポ リ エチ レ ン, ポ リ プロ ピ レ ン, 置換ポ リ スチ レ . ン, ポ リ ア リ レー ト な どの重合体やス タ ーチ, 力 一ボ ンな どを挙げ る こ と ができ る。
こ こで、 用い られる担体の性状は、 その種類及び製法によ り異な るが、 平均粒径は通常 1 〜 3 0 0 m, 好ま し く は 1 0 〜 2 0 0 m, よ り 好ま し く は 2 0 〜 1 0 0 〃 mであ る。
粒径が小さ い と重合体中の微粉が増大 し、 粒径が大き い と重合体 中の粗大粒子が増大 し嵩密度の低下やホ ッ パーの詰ま り の原因にな る。
ま た、 担体の比表面積は、 通常 1 〜1, 0 0 0 m 2 Z g、 好ま し く は 5 0〜 5 0 0 m 2 / g 細孔容積は通常 0. 1 〜 5 c m 3 Z g、 好 ま し く は 0. 3 〜 3 c m 3 Z gであ る。
比表面積又は細孔容積のいずれかが上記範囲を逸脱する と、 触媒 活性が低下する こ とがあ る。 なお、 比表面積及び細孔容積は、 例え ば B E T法に従っ て吸着された窒素ガスの体積か ら求める こ とがで き る (ジ ャ ーナル ' ォブ ' ァ メ リ カ ン ' ケ ミ カル ' ソサ イ エテ ィ , 第 6 0巻, 第 3 0 9 ペー ジ ( 1 9 8 3年) 参照) 。
さ らに、 上記担体は、 通常 1 5 0 〜 1, 0 0 0 °C、 好ま し く は 2 0 0 ~ 8 0 0 °Cで焼成 して用いる こ とが望ま しい。
担体に担持させる方法については特に制限はな く 、 従来慣用 され ている方法を用いる こ と ができ る。
次に、 共重合におけ る各触媒成分の使用割合について説明する。 触媒成分と して ( 1 ) ( A ) 成分と ( B — 1 ) 成分と を用い る場合 には、 ( A ) 成分 Z ( B — 1 ) 成分モル比が 1 ノ 0, 1 〜 1 Z 1 0 0 、
好ま し く は 1 Z0. 5〜 1 Z 1 0、 よ り好ま し く は 1 Z 1 ~ 1 Z 5 の 範囲にあるよ う に両成分を用いるのが望ま しい。 ( 2 ) ( A ) 成分 と ( B— 1 ) 成分と ( C ) 成分とを用いる場合には、 (A ) 成分/
( B— 1 ) 成分モル比は前記 ( 1 ) の場合と同様であるが、 ( A ) 成分 ( C ) 成分モル比は 1 2, 0 0 0〜 1 ノ 1 、 好ま し く は 1 1, 0 0 0〜 1 Z 5、 よ り好ま し く は 1 ノ 5 0 0〜 1 / 1 0の範囲に あるのが望ま しい。
また、 ( 3 ) (A ) 成分と ( B— 2 ) 成分とを用いる場合には、
( A ) 成分ノ ( B - 2 ) 成分モル比が 1 ノ 2 0〜 1 ノ 1 0, 0 0 0、 好ま し く は 1 1 0 0〜 1 5, 0 0 0 、 よ り好ま し く は 1 2 0 0 〜 1 2, 0 0 0 の範囲にあるよ う に両成分を用いるのが望ま しい。
( 4 ) (A ) 成分と ( B— 2 ) 成分と ( C ) 成分とを用いる場合に は、 (A ) 成分 ( B — 2 ) 成分モル比は前記 ( 3 ) の場合と同様 であるが、 (A ) 成分ノ ( C ) 成分モル比は 1 2, 0 0 0〜 1 / 1 好ま し く は 0 0 0〜 : I Z 5、 よ り好ま し く は 1 5 0 0〜 1 / 1 0の範囲にあるのが望ま しい。
さ らに、 ( 5 ) (A ) 成分と ( B— 3 ) 成分とを用いる場合には
( A ) 成分/ ( B — 3 ) 成分モル比が 1 0. 1 〜 1 Z 2, 0 0 0、 好 ま し く は 1 Z0. 2〜 1 1, 0 0 0、 よ り好ま し く は 1 Z0. 5〜 1 / 5 0 0 の範囲にあるよ う に両成分を用いるのが望ま しい。 ( 6 )
( A ) 成分と ( B— 3 ) 成分と ( C ) 成分とを用いる場合には、
( A ) 成分 ( B — 3 ) 成分モル比は前記 ( 5 ) の場合と同様であ るが、 (A ) 成分/ ( C ) 成分モル比は 1 2, 0 0 0〜 1 1 、 好 ま し く は 1 / 1, 0 0 0 ~ 1 5、 よ り好ま し く は 1 ノ 5 0 0〜 1 ノ 1 0 の範囲にあるのが望ま しい。
さ らに、 本発明においては、 重合触媒と して、 前記 (A ) 成分の
遷移金属化合物で、 周期律表 3族〜 1 0族に属する金属又はラ ン タ ノ イ ド系列の金属、 好ま し く はチタ ン, ジルコニウム, ハフニウム, ク ロム, バナジウム, ラ ンタ ノ イ ド系列の金属を含む化合物の中か ら、 ( a ) モ ノ マー仕込組成 〔ォクテン一 1 ノ (エチ レ ン +ォク テ ンー 1 ) モル比 〔M〕 〕 と、 生成共重合体の結晶化工ンタルピー
( Δ Η ) と融点 ( T m) との積の関係が、 式
0 ≤ Δ Η · Τ πι≤ 27, 0 0 0 - 2 1, 6 0 0 CM) °· 56
を満足する遷移金属化合物 〔ただし、 該 ( a ) 成分とアル ミ ノ キサ ンを用いた重合条件で〕 と、 ( b ) エチ レ ンの単独重合、 又は炭素 数 3〜 2 0 のォ レ フ ィ ンの中から選ばれた少な く と も一種とェチ レ ンとの共重合において、 末端ビニル基を形成する遷移金属化合物
〔ただし、 該 ( b ) 成分とアル ミ ノ キサンを用いた重合条件で〕 と を選び、 さ らに前記 ( B ) 成分の中から、 ( c ) 該 ( a ) 成分及び
( b ) 成分又はそれらの派生物からイオン性の錯体を形成し う る化 合物を選び、 これらの ( a ) 成分, ( b ) 成分及び ( c ) 成分とか ら構成される触媒の存在下、 エチ レ ンと炭素数 3〜 2 0 のォ レ フ ィ ンとを重合させる こ とによ り、 溶融流動の活性化エネルギーゃハギ ンス定数が制御され、 非ニ ュ ー ト ン性が改良された加工特性に優れ るエチ レ ン系共重合体が効率よ く 得られる。
このよ う な重合触媒を用いる場合も、 前述したよ う に、 所望に応 じ前記 ( C ) 成分の有機アル ミ ニウ ム化合物を併用 してもよい し、 触媒成分の少な く と も一種を適当な担体に担持して用いてもよい。 また、 ( a ) 成分と ( b ) 成分との使用比率は、 それぞれの成分の 単独触媒活性によ り異な り、 一概に決める こ と はできないが、 ( a ) 成分の割合を増加する と非ニ ュ ー ト ン性の高いエチ レ ン系共重合体 が得られる。 一般的には、 ( a ) 成分 ( b ) 成分モル比は、 1 ノ
1, 0 0 0— 1, 0 0 0 Z 1 、 好ま し く は 1 5 0 0〜 5 0 0ノ 1 、 よ り好ま し く は 1 Z 3 0 0 ~ 3 0 0 1 の範囲で選ばれる。
上記 ( a ) 成分の遷移金属化合物は共重合性がある特定の範囲に ある触媒成分であ り、 一方 ( b ) 成分の遷移金属化合物は、 末端ビ ル基を生成させる触媒成分である。 このよ う な二種の遷移金属化 合物を組み合わせて用いる こ と によ り、 非ニュー ト ン性を有するェ チ レ ン系共重合体が得られる。 該エチ レ ン系共重合体が非ニュー 卜 ン性を有するのは、 おそ ら く 長鎖分岐の存在による ものと思われ、 ま た、 分岐の生成機構からみて、 本系では単なる く し型ポ リ マーが生 成するのではな く 、 分岐鎖にもさ らに分岐が存在する と考え られる。
次に、 上記触媒の末端ビニル基の生成及び共重合性について説明 する。
( 1 ) 末端ビニル基の生成
末端ビニル基の生成は、 一般にはエチ レ ン又はプロ ピレ ンの関与 する重合系において、 生長末端での 水素, 5アルキル基の脱離連 鎖移動によ り生成する と いわれる。 また、 触媒が末端ビニル基を生 成する能力を有するか否かは、 ( b ) 成分の遷移金属化合物とアル ミ ノ キサンを用いたエチ レ ン重合又は共重合を行う こ と によ り生成 した重合体を評価する こ とによ り可能である。 ただし、 その生成量 が少ない場合、 触媒濃度を上げ、 モ ノ マー濃度を低下するなどの低 分子化の重合条件を採用する必要がある。
末端ビニル基の定量方法と しては、 I R測定で、 9 0 7 c m 1に 出る末端ビニル基のピークから、 炭素 1 0 0 個当たりの末端ビニル 基の数 nを、 式
n = 0. 1 1 4 X A 9ov / ( d x T )
〔 A 9。7 : 9 0 7 c m-1の吸光度, d : 密度 ( g Zミ リ リ ッ ト ル) ,
T : 測定フ ィ ルムの厚み (m m ) 〕
で求める方法を用いる こ とができ る。
このよ う に して求めた末端ビニル基の数の多いもの、 すなわち、 ( b ) 成分の遷移金属化合物と して好適に用い られる ものは、 チタ ン, ジノレコニゥ ム, ハフニ ウ ム, ノくナ ジ ゥ ム, ク ロ ムな どの金属を 含む化合物を挙げる こ とができ る。
また、 末端ビニル基の数は、 一概に ビニル基の生成しやすさを示 すと はいえない。 なぜな らば、 ビニル基を生成しやす く 、 かつその ビニル基とモ ノ マーが反応して分岐を作りやすい触媒の場合、 最終 的に ビニル基の数が少な く なるからである。 一方、 ビニル基を生成 しゃす く 、 共重合性の悪い触媒はビニル基が多 く 残る。
そ こで、 分岐の生成しやすさを見る こ とが必要である。 これはゲ ルパー ミ エーシ ヨ ンク ロマ ト グラ フ ィ ー ( G P C ) 測定から求めた ポ リ エチ レ ン換算の数平均分子量 M n と、 — N M R測定によ り 主鎖メ チ レ ンと末端基との比から求めた数平均分子量 Μ ηの比で評 価する こ とができ る。 この M n比による分岐の評価をする際に、 (①) G P C測定よる求めた M nでは、 分岐構造をもつ場合、 真の 分子量を示すと は限らない。 (②) 分子量分布が広いと M n値の精 度が落ちる こ と に留意し、 総合的に判断定量化する こ とが必要であ る。
こ のよ う な末端ビニル形成性を示す ( b ) 触媒成分の遷移金属化 合物の好ま しいせのと しては、
①ー O R基を含有する化合物 (式中、 Rは炭素数 1 〜 2 0 のアルキ ル基若し く はハロゲン化アルキル基、 炭素数 6 ~ 2 2 のァ リ ール基: ハロゲン化ァ リ ール基, アルキルァ リ ール基若し く はァ リ ールアル キル基又は炭素数 6 〜 2 0 の シク ロアルキル基を示す。 ) 、
② 一般式 ( I I)
C p 2 M 1 R 1 R ( II)
で表される化合物、
③ 一般式 ( III)
( C p - A e - C p ) M 1 R 1 R 2 (III) で表される化合物、
を挙げる こ とができ る (式中、 C p A , M 1 R R a , b及び e は、 前記と同 じ意味である ) o
( 2 ) 共重合性
生成した末端ビニル基をェチ レ ン又は他のコモ ノ マーと共重合さ せるには、 高度の共重合性が要求される。 特に高級 α —才 レ フ ィ ン の共重合性は、 炭素数が増加し、 分子量当たりのビニル基の割合が 低下するに従って極端に低下する こ とが一般的である。
本発明においては、 モ ノ マ ー組成比 〔ォクテン一 1 (エチ レ ン +ォク テン一 1 ) モル比 〔Μ〕 〕 と、 生成共重合体の結晶化工ンタ ルビ一 ( Δ Η ) と融点 ( T m) との積の関係が、 式
0 ≤ Δ Η · Τ ιη≤ 27, 0 0 0 - 2 1, 6 0 0 〔Μ〕 °· 56
を満足する共重合系である こ とが必要であり、 これを満足する ( a ) 成分の遷移金属化合物が用い られる。 また、 重合条件は ( a ) 成分 の遷移金属化合物とアルミ ノ キサ ンを用い共重合性に優れる条件を 選定する こ と によ り評価される。
(上記式の関係を検証する方法)
結晶化工ンタルピー ( Δ H ) は、 次のよ う に して求める。 すなわ ち、 サンプルと して 1 9 0 °Cの温度で熱プレス したシー トを用い、 示差走査熱量計(Perk in Elmer 社製, D S C 7 ) を使用 し、 1 5 0 °Cの温度で 5分間溶融したのち、 1 0 °Cノ分の速度で一 5 0 °Cまで
降温 し、 こ の過程で観察される結晶化の発熱ピーク よ り結晶化工ン タルピー ( Δ Η ) (単位 : J Z g ) を算出する。
一方、 共重合条件と しては、 ( 1 ) 常圧重合, 加圧重合いずれで もよい、 ( 2 ) エチ レ ンのみ連続供給するバッチ重合でもよい し
(ただし、 モノ マー転化率 2 0 %以下) 、 連続重合でもよい、 ( 3 ) 重合温度は最大重合活性を示す温度 ± 1 0 °C以内、 又は実際の混合 触媒系で非ニュ ー ト ン性エチ レ ン系重合体を製造する温度である、
( 4 ) 共重合反応の開始は、 エチ レ ンと コモ ノ マーとの組成比、 全 濃度が定常に達した後で行う、 ( 5 ) 生成共重合体の分子量は、 臨 界分子量以上であ り 、 分子量の増加に従って、 融点が上昇する領域 での重合を行ってはな らない、 ( 6 ) エチ レ ン濃度, ガス状モ ノ マ 一濃度は、 用いる重合溶媒に一定温度で溶解飽和 した重量よ り算出 する、 ( 7 ) 気相重合においては、 分圧又はモ ノ マー供給比よ り、 モ ノ マー仕込み組成比を算出する、 ( 8 ) エチ レ ン又はガス状モノ マーの拡散律速によ り、 系内のモ ノ マー組成がずれる重合条件は不 可である、 ( 9 ) エチ レ ンの重合による消費がない状態で重合を継 続しない、 ( 1 0 ) 各触媒成分のモル比は、 ( a ) 遷移金属化合物 ノアル ミ ノ キサン = 1 1 0 0〜 1 2, 0 0 0の範囲がよい、 など であ る。
生成するエチ レ ン系重合体の Δ Ηと融点 ( T m) との積とモ ノ マ 一仕込組成比 Mと の関係は、 式
0 ≤ A H - T m≤ 27, 0 0 0 - 2 1, 6 0 0 〔Μ〕 °· 56 を満たすこ とが必要で、 Δ Ηと融点 ( T m) との積がこ の範囲よ り 大き い場合、 ( a ) 遷移金属化合物は好ま しい共重合性を示さない。 なお、 こ の関係は、 好ま し く は
0 ≤ Δ Η · Τ πι≤ 27, 0 0 0 - 22, 0 0 0 〔Μ〕 °· 53
よ り 好ま し く は
0 ≤ Δ Η · Τ πι≤ 2 7, 0 0 0 - 2 3, 0 0 0 〔Μ〕 °· 53 さ らに好ま し く は
0 ≤ Δ Η · Τ πι ≤ 2 7, 0 0 0 - 2 4, 0 0 0 Μ〕 °· 7 さ らによ り好ま し く は
0 ≤ A H - T m≤ 2 7, 0 0 0 - 2 6, 0 0 0 C M ] °· 40 最も好ま し く は
0 ≤ Δ Η · Τ ιη≤ 2 7, 0 0 0 - 2 7, 0 0 0 M 0' 27 である。
こ のよ う な共重合性を示す ( a ) 触媒成分の遷移金属化合物の好 ま しい もの と しては、 一般式
C p M 1 R 1 , R 2 b R 3 ( I )
( C p - A 8 - C p ) M 1 R R ( III)
Z Y 2
(VI)
C p M 及び
E υν o E 3 v
( γ 4 M (XI I I)
^ ( Ε 2) χ 0 E 4 ,·
で表される化合物 (式中、 C p A , E 1 E 2 E 3 , E 4 Μ ' , Μ ^ Χ ^ Υ ' , Υ 4 Z , R 1 R 3 a , b , c
W , V , V ' , X及び X ' は前記と同じ意味である。 ) 、 さ らに好 ま しいものと しては、 これらの中でチタ ン化合物、 ジルコニウム化 合物及びバナジウム化合物である。 中でも、 一般式(V I )及び( I II ) で示される化合物が、 高い重合活性を有する こ とを合わせて特に好 ま しい。
上記触媒を用いる重合方法と しては、 ( a ) 触媒成分, ( b ) 触
媒成分及び ( c ) 触媒成分の共存下、 1 段重合を行ってもよい し、 次に示す 2段重合を行ってもよい。 すなわち、 ( b ) 成分及び ( c ) 成分で構成される触媒系において、 エチ レ ンの単独重合又は共重合 を行い、 実質上重合体が生成したのち、 ( a ) 触媒成分を加えて引 き続き重合を行う。 この方法によ っ て分子量分布の制御が可能にな り、 さ らに分岐度分布を変える こ とができ る。 したがって、 広い範 囲の要求物性に対応した分子デザイ ンが可能となる。 さ らに、 2 段 重合においては、 生成共重合体の炭素 -炭素不飽和結合量が低下し、 熱安定性の向上したエチ レ ン系共重合体を提供する こ とができ る。 一方、 1 段重合では、 比較的不飽和基量が高く 、 化学変性エチ レ ン 系重合体の基材と して好適である。 なお、 こ の 2段重合においては、 コモ ノ マーは、 1 段目の重合工程に供給してもよい し、 2 段目の重 合工程に供給してもよ く 、 また 1 段目及び 2段目の重合工程の両方 に供給してもよい。
本発明においては、 ェチ レ ン系共重合体を製造する際の重合形式 については、 特に制限はな く 、 不活性炭化水素などを用いる溶媒重 合法 (懸濁重合, 溶液重合) 又は実質上不活性炭化水素溶媒の存在 しない条件で重合する塊状重合法、 気相重合法も利用でき る。
重合に際して使用される炭化水素溶媒と しては、 例えばブタ ン, ペ ンタ ン, へキサ ン, ヘプタ ン, オ ク タ ン, ノ ナ ン, デカ ン, シ ク 口ペ ンタ ン, シ ク ロへキサ ンな どの飽和炭化水素、 ベ ンゼン, ト ル ェン, キ シ レ ンな どの芳香族炭化水素、 ク ロ口ホルム, ジ ク ロ ロ メ タ ン, 二塩化エチ レ ン, ク ロ口ベ ンゼンなどの塩素含有溶媒などが 挙げられる。
重合温度と しては、 ー 1 0 0 〜 2 0 0 °C、 重合圧力と しては常圧 〜 1 0 O k g Z c m 2 で行うのが一般的であるが、 好ま し く は一 5 0
〜 1 0 0 °C、 常圧〜 5 0 k g / c m 2 、 さ ら に好ま し く は 0 ~ 1 0 0 て、 常圧〜 2 O k g Z c m 2 の範囲であ る。
得 られる重合体の分子量制御は、 通常用い られる方法によ つ て行 えばよ い。 例えば①水素, ②温度, ③モ ノ マー濃度, ④触媒濃度な どで制御する こ と ができ る。
ま た、 前記で得 られたェチ レ ン系共重合体の水素化処理に使用 さ れる水素化触媒と しては、 前記詳述 した ものの他、 ォ レ フ ィ ン化合 物の水素化に際 して一般に使用 さ れてい る触媒であれば使用可能で あ り 、 特に制限さ れないが、 例えば次のよ う な ものを挙げる こ と 力く でき る。
不均一系触媒と しては、 ニ ッ ケル, パラ ジ ウ ム, 白金又は これ ら の金属を力 一ボ ン, シ リ カ, ケ イ ソ ゥ土, アル ミ ナ, 酸化チタ ンな どの担体に担持させた固体触媒、 例えばニ ッ ケル Zシ リ カ、 ニ ッ ケ ル Zケイ ソ ゥ土、 パラ ジ ウ ム /カ ーボ ン、 パラ ジ ウ ム /シ リ カ、 パ ラ ジ ウ ム ケイ ソ ゥ土、 パラ ジ ウ ム アル ミ ナな どを挙げる こ と力く で き る。 ま た、 ニ ッ ケル系触媒と しては、 ラ ネ 一ニ ッ ケル触媒な ど、 白金系触媒では、 酸化白金触媒, 白金黒な どを挙げる こ とがで き る。 均一系触媒と しては、 周期律表 8 〜 1 0 族の金属を基体とする もの、 例えばナ フ テ ン酸コノくル ト ト リ エチルアル ミ ニウ ム, ォ ク テ ン酸 コノ 'ル ト Z n — ブチル リ チ ウ ム, ニ ッ ケルァセチルァセ ト ナー ト Z ト リ ェチルアル ミ ニ ウ ムな どの N i , C 0 化合物と周期律表 1 , 2 , 3 族か ら選ばれる金属の有機金属化合物か らな る もの、 又は R h化 合物な どを挙げる こ と ができ る。
ま た、 ェム ' エス . サロア ン (M. S. Saloan) らが開示 している チー グラ 一系水素化触媒 〔 J. Am. Chem. Soc. , 8 5, 4 0 1 4 ( 1 9 8 3 ) 〕 も有効に使用でき る。 これらの触媒と しては、 例え
ば、 次のよ う な ものを挙げる こ とができ る。
T i ( 0 - i C 3 H 7 ) 4 - ( i C 4 H 9 ) 3 A l 、
T i ( 0 - i C 3 H 7 ) 4 - ( C 2 H 5 ) 3 A 1 、 .
( C 2 H 5 ) 2 T i C l 2 — ( C 2 H 5 ) 3 A l 、
C r ( a c a c ) 3 ― ( C 2 H 5 ) 3 A 1 (こ こで a c a c は ァセチルァセ ト ナー トを示す) 、
N a ( a c a c ) 一 ( i C 4 H 9 ) 3 A l、
M n a c a c ) 3 一 ( C 2 H 5 リ 3 A l 、
F e ( a c a c ) 3 - ( C 2 H 5 ) 3 A l 、
C a ( a c a c ) 2 — ( C 2 H 5 ) 3 A 1 、
( C 7 H S C O O ) 3 C o - ( C 2 H 5 ) 3 A l ,
水素化処理における触媒の使用量については、 エチ レ ン系共重合 体中の残存不飽和基含量と水素化触媒成分とのモル比が 1 0 7 : 1 ~ 1 0 : 1 、 好ま し く は 1 0 6 : 1 〜 1 0 2 : 1 の範囲にあるよ う に選ぶのが望ま しい。
また、 水素の張り込み圧力は、 常圧〜 5 0 k g / c m 2 Gの範囲 が望ま しい。 さ らに、 反応温度は、 重合工程で得られたエチ レ ン系 共重合体が分解しない範囲で高い方が好ま し く 、 通常一 1 0 0 °C ~ 3 0 0 °C、 好ま し く は一 5 0〜 2 0 0 °C、 よ り好ま し く は 1 0 ~ 1 8 0 °Cの範囲で選ばれる。
更に、 実施例によ り本発明を詳細に説明するが、 本発明はこれら の例によってなんら限定される ものではない。
実施例 1
( 1 ) 触媒成分の調製
1 0 0 ミ リ リ ッ トルナス フ ラ ス コを乾燥窒素置換したのち、 トル ェ ン 3 0 ミ リ リ ッ ト ル, n— ブチル リ チ ウ ムのへキサ ン溶液 (1. 6 6
モル リ ッ トル) 3. 6 ミ リ リ ッ トルを入れ、 一 7 , 8 °Cに冷却 した。 これにシク ロペンタ ノ 一ル 0. 5 6 gを滴下し、 その後 6 0 分かけて 一 5 0 °Cに昇温した。 次いで、 これに、 ペンタ メ チルシク ロペン夕 ジエン ト リ ク ロ リ ドチタニウムの トルエン溶液 ( 0. 0 7 6 9 モル/ リ ッ トノレ) 2 6 ミ リ リ ッ トノレを 6 0 分にわたり滴下した。 さ らに、 一 2 5 °Cまで昇温し、 1 2 0 分間反応を行ったのち、 2 0 °Cに昇温 し、 2 4 時間放置 した。 反応溶液は淡黄色であ り、 下部に塩化リ チ ゥ ムの白色沈殿を生成した。
( 2 ) メ チ ルア ル ミ ノ キサ ンの調製
ア ル ゴ ン置換した内容積 5 0 0 ミ リ リ ッ ト ルのガラ ス製容器に、 ト ルエ ン 2 0 0 ミ リ リ ッ トル, 硫酸銅 5 水塩 ( C u S 0 4 ·
5 H 2 0 ) 1 7. 8 g ( 7 1 ミ リ モル) 及び ト リ メ チルァノレ ミ ニ ゥ ム 2 4 ミ リ リ ツ ト ノレ ( 2 5 0 ミ リ モル) を入れ、 4 0 °Cで 8 時間反応 させた。 その後、 固体成分を除去して得られた溶液から、 さ らに ト ルェ ンを減圧留去して触媒生成物 (メ チルアル ミ ノ キサン) 6. 7 g を得た。 さ らに、 これを 1 2 0 °C、 減圧下で 1 0 時間熱処理を実施 し、 ト ルエ ン に溶解分散した。
( 3 ) エチ レ ンノブテ ン 一 1 共重合体の製造
攪拌装置付の 1 リ ッ トルフ ラ ス コ に窒素雰囲気下、 ト ルエ ン 3 0 0 ミ リ リ ッ トル, 上記 ( 2 ) で調製したメ チルアル ミ ノ キサン 3 0 ミ リ モ ルを添加した。 これを 6 0 °Cに昇温し、 常圧流通条件でェチ レ ン ガスを導入し飽和 した。 さ らにブテ ン 一 1 を連続的に供給開始し た。 これに、 上記 ( 1 ) で調製した触媒成分の溶液部分のみ 9 ミ リ リ ッ ト ルを投入した。
6 0 °Cに反応温度を制御し、 連続的にエチ レ ン, ブテ ン 一 1 を供 給しながら、 1 2 0 分間重合を実施した。 この際、 供給したブテ ン
— 1 の総量は 5. 5 gであ っ た。 重合終了後、 多量のメ タ ノ ールに投 入 し、 洗浄後、 減圧乾燥によ っ てエチ レ ン /ブテ ン 一 1 共重合体 1 5. 4 gを得た。
( 4 ) エチ レ ン /ブテ ン 一 1 共重合体の評価
( a ) ハギンス定数の測定
上記 ( 3 ) で得た共重合体 0. 0 4 4 4 gをデカ リ ン 1 5. 6 9 1 に 1 3 5 °Cで溶解 した。 こ の際のポ リ マー濃度は、 デカ リ ンの 1 3 5 °Cでの密度を 0. 7 9 0 5 5 g ミ リ リ ッ ト ノレと して 0. 2 2 3 7 g / デシ リ ツ ト ルであ り 、 ま た ウベロ ーデ型粘度計で測定 した 1 3 5 °C での還元粘度は 2. 7 7 8 デシ リ ッ ト ルノ gであ っ た。 さ ら に、 こ の 粘度測定を、 上記ポ リ マー溶液を母液と し、 デカ リ ンで希釈 しなが ら同様に実施 し、 ほぼ等間隔で 6点行っ た
これよ り 決定 したハギ ンス定数は 0. 4 9 4 で、 極限粘度 〔 〕 は 2. 2 2 デシ リ ツ ト ル/ gであ り 、 相関係数は 0. 9 9 8 であ っ た。 ま た、 四塩化チタ ンノ ト リ ェチルアル ミ ニウ ム触媒系で製造 した 〔 7? 〕 が 2. 2 2 デシ リ ッ ト ル Z gの直鎖状のエチ レ ン重合体のハギ ンス定 数は 0. 3 6 5 、 その比は 1. 3 5 であ っ た。
さ ら に、 四塩化チタ ン / 卜 リ エチルアル ミ ニウ ム触媒系で製造 し た 〔 ?? 〕 が 2. 2 2 デシ リ ッ ト ル Z gのエチ レ ンノブテ ン 一 1 共重合 体のハギンス定数は 0. 4 1 0 であ り 、 その比は 1. 2 1 であ っ た。
( b ) NM Rによ る構造分析
13 C — N M R 〔測定温度 1 3 0 °C, 溶媒 1 , 2 , 4 — ト リ ク ロ 口 ベ ンゼ ン / "重ベ ンゼ ン (モル比 8 2 ) , 1 0 0 M H z〕 の測定を 行っ た。 その結果を第 2 図に示す。
L D P E に認め られる四級炭素近傍のメ チル基 8. 1 5 p p mに吸 収は認め られず、 1 1. 1 4 p p mにェチル分岐を認めた。 ま た、
3 8〜 3 9 p p mに メ チ ン炭素, 3 4 — 3 6 p p mに メ チ レ ン炭素 が存在する こ とからみて、 長鎖分岐も存在する と考え られる。
( c ) 熱的挙動の評価
1 9 0 °Cで熱プレス して得られたシー トをサンプルと して用い、 Perk in E lme r社製 D S C 7示差走査熱量計によ り、 測定した。 1 5 0 °Cで 5分間溶融したのち、 1 0 °CZ分の速度で一 5 0 °Cまで降温し、 こ の過程で観察される結晶化の発熱ピーク よ り、 結晶化工ンタルピ 一 ( Δ Η ) を算出 した。 また、 さ らに 1 0 °C/分の速度で昇温し、 この過程でみられる吸熱ピーク よ り融点 ( T m) を求めた。
そ の結果、 Δ H , T mは観測されず、 非晶体であった。
( d ) 密度の測定
1 9 0 °Cで熱プレス して成形した試料を用い、 密度勾配管法によ り測定した。 その結果、 密度は 0. 8 8 6 g / c m 3 であった。 また、 試料のァニー リ ング処理は実施しなかった。
( e ) 末端ビニル基の測定
厚さ 1 0 0 ; a mの プ レ ス シ 一 トを作成し、 透過赤外線吸収スぺ ク ト ルを測定した。 9 0 7 c m— 1付近の末端ビニル基に基づく 吸光度 ( A 9 0 7 ) と フ ィ ルム厚 ( t ) , 樹脂密度 ( d ) よ り、 次式
n = 0. 1 1 4 A 8 0 7 / 〔 d · t 〕
〔ただし、 d : g Z c m3 , t : mm, n : 炭素 1 0 0個当たりの ビニル基個数〕
に従って求めた。 その結果、 末端ビニル基量は 0. 6 7個 1, 0 0 0 炭素であつた。
( f ) 分子量分布の測定
装置 : ウ ォーターズ A L C Z G P C 1 5 0 C , カラム : 東ソー製, T S K H M + G MH 6 X 2 , 溶媒 : 1 , 2 , 4 — ト リ ク ロ口ベン
ゼン, 温度 : 1 3 5 °C , 流量 : 1 ミ リ リ ッ ト ル 分の条件にて G Ρ C法によ り、 ポ リ エチ レ ン換算で分子量の測定を行った。 その結果、 重量平均分子量と数平均分子量の比 MwZM n は 3. 0 5 であ り、 重 量平均分子量 ( M w ) は 1 5 3, 0 0 0 であった。
( ) 溶融流動の活性化エネルギー ( E a ) の測定
装置と して Rheometrics 社製, R M S E - 6 0 5 を用い、 以下 の方法に従って溶融流動の活性化エネルギー ( E a ) を測定した。 すなわち、 測定温度 1 5 0 °C , 1 7 0 °C , 1 9 0 °C , 2 1 0 °C , 2 3 0 °Cにおける動的粘弾性の周波数依存性 ( 1 0 — 2〜 1 0 — 2 r o d / s e c ) を測定し、 1 7 0 °Cを基準温度に して、 温度 · 時間換算 則を用いそれぞれの温度における G ' , G " のシ フ ト フ ァ ク タ一と 絶対温度の逆数からァ レニウ ス式によ り、 活性化エネルギー ( E a ) を算出 した。
その結果、 活性化エネルギー ( E a ) は 1 2. 0 k c a 1 ノモルで あった。 なお、 H D P Eの E a は 6. 3 k c a l ノモルである 〔 「ポ リ マー · エ ン ジニア リ ン グ · サイ エ ンス (Polym. Eng. Sci.;)」 第 8 巻, 第 2 3 5 ページ ( 1 9 6 8 年) 〕 。
実施例 2 (エチ レ ン Zブテ ン 一 1 共重合体)
1 リ ッ ト ル容攪拌装置付き耐圧オー ト ク レープに窒素雰囲気下、 ト ルエ ン 4 0 0 ミ リ リ ツ ト ル, ト リ イ ソ ブチルアル ミ ニウ ムの ト ル ェン溶液 ( 2 モル Zリ ツ ト ル) 0. 2 5 ミ リ リ ツ ト ル, 実施例 1 一
( 2 ) で調製したメ チルアル ミ ノ キサン 3 0 ミ リ モルを加え、 7 0 °Cに昇温した。 これにブテン一 1 を 3. 2 6 g投入し、 5 分間攪拌し たのち、 さ らにエチ レ ンを 9. O k g Z c m 2 Gの分圧で飽和 し、 次 いで実施例 1 一 ( 1 ) で調製した触媒成分 9 ミ リ リ ッ トルをバラ ン ス ラ イ ンを介して投入し、 重合を開始した。
全圧は 9. 6 k g / c m 2 G となるよ う にエチ レ ン圧で制御 し、 6 0 分間重合を行った。 重合終了後、 ポ リ マーを回収した。 その結 果を第 2 表に示す。
実施例 3 (エチ レ ン /ォ ク テ ン一 1 共重合体)
実施例 2 において、 ブテ ン一 1 の代わり にォク テ ン一 1 を 2 ミ リ リ ツ トル用い、 かつ実施例 1 一 ( 2 ) で調製したメ チルアル ミ ノ キ サ ンを 1 0 ミ リ モル, 実施例 1 一 ( 1 ) で調製した触媒成分を 1. 5 ミ リ リ ッ ト ル, エチ レ ン圧を 7. 5 k g Z c m 2 G , 重合温度を 7 0 °Cと した以外は、 実施例 2 と同様に実施した。 その結果を第 2 表に 示す。
実施例 4 (エチ レ ン Zブテ ン一 1 共重合体)
実施例 1 一 ( 2 ) において、 ト リ イ ソ ブチルアル ミ ニ ウムの ト ル ェン溶液 ( 2 モル/ リ ッ ト ノレ) 0. 2 5 ミ リ リ ッ トノレを、 ト ルエ ン溶 媒投入後、 重合系に添加し、 かつメ チルアルミ ノ キサ ンの代わり に テ ト ラ キス (ペ ン夕 フルオ ロ フ ヱニル) 硼酸ァニ リ ニゥ ム 0. 4 ミ リ モルを添加した以外は、 実施例 1 と同様に してエチ レ ン ブテン— 1 共重合体を製造した。 その結果を第 2 表に示す。
第 2 表
溶融流動の活性化エネルギー: (k c a 1ノモル)
(注) k 1 : 実施例に示 した共重合体のハギンス定数
k 2 : 同一 〔 〕 を有する直鎖状エチ レ ン重合体のハギ ンス 定数
k : 同一 〔 ?? 〕 を有する直鎖状エチ レ ン Z な 一 才 レ フ イ ン 共重合体 (密度は、 本実施例と実質同 じ) のハギンス 定数
T m : 融点
Δ H : 結晶化工 ン タ ル ピー
M w : 重量平均分子量
M n : 数平均分子量
* 1 : 8. 1 5 p p m吸収な し 1 1. 1 4 ρ p mにェチル分岐 * 2 : 8. 1 5 p p m吸収な し 1 4. 0 2 p p mにへキ シル分 岐
実施例 5
実施例 3 で製造したエチ レ ン/ォクテ ン 一 1 共重合体をデカ リ ン 溶媒中、 温度 1 4 0 °C, 該重合体濃度 2 w t %, 水素分圧 3 0 k g / c m 2 G , カーボン担持ルテニウ ム触媒 ( R u含有量 5 w t %) 濃度 4 w t % , 反応時間 6 時間の条件下にて水素添加した。 次いで 得られた重合体を反応溶液よ り単離した。
厚さ 3 0 0 のプ レス シ一 トを作成し、 赤外線吸収スぺク ト ル を測定したと こ ろ、 8 8 5 〜 9 7 0 c m一1の範囲に存在する不飽和 基の吸収は認められなかった。
実施例 6
( 1 ) 触媒成分の調製
実施例 1 一 ( 1 ) において、 シク ロペン夕 ノ ール 0. 5 6 gの代わ り に、 イ ソプロパノ ール 0. 3 8 gを用いた以外は、 同様に して触媒 成分の調製を行った。
( 2 ) メ チルアル ミ ノ キサ ンの調製
実施例 1 一 ( 2 ) と 同様に して、 メ チルアル ミ ノ キサ ンの調製を 行った。
( 3 ) エチ レ ン/ォク テ ン — 1 共重合体の製造
ステ ン レス製ォー ト ク レー ブに、 窒素気流下、 ト ルエ ン 2 0 0 ミ
リ リ ツ トル, ォクテン一 1 を 2 ミ リ リ ツ トル及び上記 ( 2 ) で調製 したメ チルアルミ ノ キサン (M A O ) 2 0 ミ リ モルを加え、 6 0 °C に昇温した。 さ らに、 窒素をエチ レ ンに変え、 攪拌状態で 1 0 分間 エチ レ ンを流通した。 その後、 上記 ( 1 ) で調製したチタニウム触 媒成分をチタ ンと して 0. 1 ミ リ モル及びエチ レ ン ビスイ ンデニルジ ルコニゥムジク ロ リ ド 0. 6 7 マイ ク ロモルをすばや く 添加し、 ェチ レ ンとォクテ ン一 1 との共重合を開始した。
エチ レ ンを流通 しながら、 1 2 0分間反応したのち、 メ タ ノ ール へ投入して充分に脱灰洗浄し、 減圧乾燥によ りエチ レ ン ォクテ ン 一 1 共重合体 1 6. 5 gを得た。
( 4 ) エチ レ ンノォクテ ン 一 1 共重合体の評価
( a ) N M Rによる測定
1 H - N M R C 4 0 0 M H z , 測定温度 1 3 0 °C, 溶媒 し 2 , 4 一 ト リ ク ロ 口ベ ンゼン 重ベ ンゼン (モル比 8ノ 2 ) 〕 の測定を 行った。 その結果 0. 8 〜1. 0 p p mのメ チル基の吸収と 1. 2 〜1. 4 p p mのメ チ レ ン基との吸収の積分値から求めた 〔 C H 3 / C H 2 〕 モル比は 0. 0 1 5 であった。 また、 同様に 13 C — N M Rの測定を行 つたと ころ、 L D P E に認められる四級炭素近傍のメ チル基 8. 1 5 p p mに吸収は存在しなかった。 また、 ォクテ ン 一 1 由来のへキシ ル分岐に相当する と考えられる 1 4. 0 2 , 22. 2 8 , 2 7. 2 8 p p m などに吸収が認められなかった。
( b ) 熱的挙動の評価
1 9 0 °Cで熱プレス して得られたシー トをサンプルと して用い、 Perk in E lmer社製 D S C 7示差走査熱量計によ り、 測定した。 1 5 0 °Cで 5 分間溶融したのち、 1 0 °CZ分の速度で— 5 0 °Cまで昇温し、 さ らに 1 0 °CZ分の速度で昇温 し、 この過程でみられる吸熱ピーク
よ り融点 ( T m) を求めた。
その結果、 融点 ( T m) は 9 9. 6 °Cであった。
( c ) 密度の測定
実施例 1 一 ( 4 ) 一 ( d ) と同様に して測定したと こ ろ、 密度は 0. 9 0 2 3 g / c m 3 であった。 また、 試料のァニー リ ング処理は 実施しなかった。
( d ) 分子量分布の測定
実施例 1 一 ( 4 ) 一 ( f ) と同様に して測定したと こ ろ、 重量平 均分子量 (Mw) は 1 3 9, 0 0 0 , 数平均分子量 (M n ) は
6 3, 0 0 0 であ り、 M w M n は 2. 2 であった。
( e ) 溶融流動の活性化エネルギー ( E a ) の測定
実施例 1 一 ( 4 ) - ( ) と同様に して測定したと こ ろ、 活性化 エネルギー ( E a ) は 1 1. 8 k c a 1 モルであった。
実施例 ? 〜 9
第 3 表に示す条件に従ってエチ レ ン系共重合体を製造した。 その 結果を第 4 表に示す
o
〇 — 第 3 表一 1
トルエン ォクテン- 1 へキセン- 1 MAO 遷移金属成分
(ml) (mmol) (mmol) (mmol) 種 類 (mmol) 実施例 6 200 2 20 チタン成分
ジルコニウム成分 実施例 7 200 1 20 チタン成分
ジルコニウム成分 実施例 8 200 1 20 チタン成分 0. 1
ジルコニウム成分 0.01 実施例 9 400 1 20 チタン成分 0. 1
ジルコニウム成分 0.02
第 3 表一 2
(注) チ タ ン成分 : 実施例 6 — ( 1 ) で調製した触媒成分、 mm o 1 はチタ ン と しての量であ る。
ジルコニウ ム成分 : エチ レ ン ビスィ ンデニルジルコニ ウ ム ジ ク α リ ド
第 4 表一 1
(注) 分岐度 : — NM Rよ り算出 した 〔 C H 3 / C H 2 〕 モル 比
4 表一 2
(注) A : 8. 1 5 p p mな し、 1 4. 0 2 , 2 2. 2 8 , 2 7. 2 8 p p mあ り
B : 8. 1 5 p p mな し、 1 4. 0 8 , 2 3. 3 6 あ り
実施例 1 0
実施例 6 で得られたエチ レ ン ォクテ ン 一 1 共重合体を、 デカ リ ン溶媒中において、 温度 1 4 0 °C , 共重合体濃度 9重量% , 水素圧 分 3 0 k gノ c m 2 G , カ ーボ ン担持ルテニウ ム触媒 ( R u含有量 5 重量% ) 濃度 4 重量% , 反応時間 6 時間の条件下にて水素添加し たのち、 得られた重合体を反応溶液よ り単離した。
この共重合体を用いて、 厚さ 3 0 0 mのプレスシ一 トを作成し 赤外線吸収スぺク トルを測定したと こ ろ、 8 8 5 〜 9 7 0 c m— 1の 範囲に存在する不飽和基の吸収は認められなかった。
また、 密度, 分子量, 融点, 流動活性化エネルギーは実施例 6 と 同様であった。
比較例 1
第 5 表に示 した条件でエチ レ ン/ォク テ ン 一 1 共重合体を製造し 重合条件と評価結果を第 5 表, 第 6 表に示した。
第 5 表— 1
5 表一 2
(注) ォ ク テ ン一 1 : 4 0 m l
チ タ ン成分 〔 II〕 : (第 3級プチルア ミ ド) ジ メ チル (テ ト ラ メ チルー 5 — シ ク ロペ ン タ ジェニル) シ ラ ンチ タ ン ジ ク ロ リ ド
第 6 表一 1
分子量分布 流動活性化 融 点
エネ ルギー 〔Ea〕
CMw/Mn) (kca 1 /mo 1 ) (°C )
比較例 1 9. 9 7. 5 56. 4
実施例 1 1
( 1 ) チタニ ウ ム触媒成分の調製
実施例 1 — ( 1 ) と同様に して、 チタニウム触媒成分の調製を行 つ た。 '
( 2 ) メ チルアルミ ノ キサンの調製
実施例 1 — ( 2 ) と同様に して、 メ チルアル ミ ノ キサンの調製を 行った。
( 3 ) 触媒成分の調製
5 0 ミ リ リ ッ ト ルのフ ラ ス コ を乾燥窒素置換したのち、 ト ルエ ン 2 0 ミ リ リ ッ トル, 上記 ( 1 ) で調製したチタニ ウ ム触媒成分 0. 5 ミ リ モル, (第 3級ブチルア ミ ド) ジメ チル (テ ト ラ メ チルー ?? 5 ー シ ク ロペ ン タ ジェ二ノレ) シラ ンチタ ン ジ ク ロ リ ド 0. 0 2 ミ リ モノレ を仕込み、 2 5 °Cで攪拌した。 これに、 上記 ( 2 ) で調製したメ チ ルアル ミ ノ キサ ン 0. 6 ミ リ モルを加え、 2時間反応させた。
こ の反応物を触媒成分と して用いた。
( 4 ) エチ レ ンノォクテン一 1 共重合体の製造
1 リ ッ ト ル容のステ ン レス製耐圧ォ一 ト ク レー ブに、 ト ルエ ン 4 0 0 ミ リ リ ッ ト ル, ォクテ ン — 1 を 2 0 ミ リ リ ッ ト ル, 上記 ( 2 ) で調製したメ チルアル ミ ノ キサ ン 3 0 ミ リ モルを仕込み、 9 0 °Cに 昇温したのち、 上記 ( 3 ) で調製した触媒成分をチタニウム換算で 0. 0 2 6 ミ リ モル加えた。
次いで、 これに、 エチ レ ンを 3. 0 k g c m 2 Gの圧力で連続的 に導入し、 6 0 分間重合反応を行った。
重合反応終了後、 脱圧 してエチ レ ンノォクテ ン一 1 共重合体を回 収 し、 メ タ ノ ールで洗浄したのち、 乾燥してポ リ エチ レ ン 7 5. 2 g を得た。
( 5 ) エチ レ ン Zォ ク テ ン 一 1 共重合体の評価
( a ) N M Rによる構造分析
13 C — N M Rの測定を行ったと ころ、 L D P E に認め られる四級 炭素近傍のメ チル基 8. 1 5 p p mに吸収は存在しなかった。
( b ) 密度の測定
実施例 1 一 ( 4 ) 一 ( d ) と同様に して測定したと ころ、 密度は 0. 8 9 5 g / c m 3 であった。 また、 試料のァニー リ ング処理は実 施しな力、つた。
( c ) 分子量分布の測定
実施例 1 — ( 4 ) 一 ( f ) と同様に して測定したと ころ、 重量平 均分子量 (Mw) は 1 2 6, 0 0 0 , 数平均分子量 (M n ) は
4 5, 0 0 0 であ り、 MwZM n は 2. 8 であった。
( d ) 溶融流動の活性化エネルギー ( E a ) の測定
実施例 1 一 ( 4 ) ― ( g ) と同様に して測定したと ころ、 活性化 エネルギー ( E a ) は 1 3. 2 k c a 1 /モルであった。
( e ) ダイ スゥ ュル比の測定
ダイ スゥ ヱル比 ( D R ) は、 東洋精機製作所製のキヤ ピログラ フ を用いて、 キヤ ビラ リ 一ノ ズル 〔直径 ( D 0)= 1. 2 7 5 mm, 長さ ( L ) = 5 1. 0 3 mm, L Z D n = 4 0 , 流入角 = 9 0 。 〕 よ り押 出速度 1. 5 mm 分 (剪断速度 1 0 s e c—つ 、 温度 1 9 0 °Cの条 件で押出 して得られたス ト ラ ン ドの直径 ( D , , m m) を求め、 こ の直径をキヤ ビラ リ 一ノ ズル径で除し、 / D 0 と して算出 した, なお、 ス ト ラ ン ドの直径 ) は、 押出 したス ト ラ ン ド長 5 c m (ノ ズル出口から 5 c mの長さ) の中央部の径の長軸及び短軸 を 5 個の試料についてそれぞれ測定し、 その平均値で表した。
その結果、 ダイ スゥ エル比 ( D R ) は 1. 5 2 であった。
実施例 1 2
( 1 ) チタ ニ ウ ム触媒成分の調製
実施例 1 一 ( 1 ) において、 シ ク ロペ ン 夕 ノ ール 0. 5 6 gの代わ り に、 n — ブタ ノ ール 0. 4 9 gを用いた以外は、 同様に してチ タ二 ゥ ム触媒成分の調製を行っ た。
( 2 ) 触媒成分の調製
実施例 1 1 — ( 3 ) において、 実施例 1 1 一 ( 1 ) で得 られたチ タニ ゥ ム触媒成分の代わ り に、 上記 ( 1 ) で得 られたチタ ニウ ム触 媒成分 0. 2 5 ミ リ 乇ルを用い、 かつ (第 3級ブチルア ミ ド) ジ メ チ ル (テ ト ラ メ チルー 7? 5 — シ ク ロペ ンタ ジェニル) シ ラ ンチタ ン ジ ク ロ リ ド 0. 0 1 ミ リ モル, メ チルアル ミ ノ キサ ン 0. 8 ミ リ モルを用 いた以外は、 実施例 1 1 一 ( 3 ) と 同様に して触媒成分を調製 した ( 3 ) エチ レ ン Zへキセ ン 一 1 共重合体の製造
実施例 1 1 一 ( 4 ) において、 ォ ク テ ン 一 1 に代えへキセ ン 一 1 を 1 0 ミ リ リ ッ ト ル用いる こ と以外は同様の方法で第 7 表に示す条 件でエチ レ ン /へキセ ン 一 1 共重合体を製造 した。 その結果を第 7 表に示す。
なお、 13 C — N M Rの測定を行っ た と こ ろ、 L D P E に認め られ る四級炭素近傍のメ チル基 8. 1 5 p p mに吸収は存在 しなかっ た。 比較例 2
実施例 1 2 — ( 3 ) と 同様の方法で、 第 7表に示す条件でェチ レ ンノへキセ ン 一 1 共重合体を製造 した。 その結果を第 7 表に示す。
第 7 ¾— 1
M A O : メ チルアル ミ ノ キサ ン
実施例 1 2 の触媒 : 実施例 1 2 — ( 2 ) で製造 した触媒成分 比較例 2 の触媒 : (第 3 級ブチルア ミ ド) ジメ チル (テ ト ラ メ チル
- n 5 ー シ ク ロペ ンタ ジェニル) シラ ンチタ ン ジ ク ロ リ ド 第 7 表一 2
実施例 1 1 で得 られたエチ レ ン ォ ク テ ン一 1 共重合体を、 デカ リ ン溶媒中において、 温度 1 4 0 °C , 共重合体濃度 9 重量% , 水素 圧分 3 0 k g / c m 2 G , カ ーボ ン担持ルテニウ ム触媒 ( R u 含有 量 5 重量% ) 濃度 4 重量% , 反応時間 6 時間の条件下にて水素添加 したのち、 得 られた重合体を反応溶液よ り単離 した。
こ の共重合体を用いて、 厚さ 3 0 0 ; a mのプ レ ス シ一 卜 を作成 し、 赤外線吸収スぺク ト ルを測定 した と こ ろ、 8 8 5 〜 9 7 0 c m— 1の 範囲に存在する不飽和基の吸収は認め られなかっ た。
また、 密度, 分子量, 融点, 流動活性化エネルギーは実施例 1 1 と同様であった。
実施例 1 4
( 1 ) 触媒成分の調製
実施例 1 一 ( 1 ) と同様に して、 触媒成分の調製を行った。
( 2 ) メ チルアル ミ ノ キサンの調製
実施例 1 一 ( 2 ) と同様に して、 メ チルアル ミ ノ キサ ンの調製を 行った。
( 3 ) エチ レ ン / /へキセ ン 一 1 共重合体の製造
1 リ ッ ト ル攪拌装置付き耐圧オー ト ク レ ー プに窒素雰囲気下、 ト ノレェ ン 4 0 0 ミ リ リ ッ ト ノレ, へキセ ン 一 1 2 0 ミ リ リ ッ ト ル, ト リ イ ソ ブチルア ル ミ ニ ウ ムの ト ルエ ン溶液 ( 2 モル Zリ ッ ト ル) 0. 2 5 ミ リ リ ッ トルを添加し、 2 0 °Cで 5 分間攪拌した。 これに、 上記 ( 2 ) で調製したメ チルアルミ ノ キサン 1 0 ミ リ モルを加え、 7 0 °Cに昇温した。 これに、 上記 ( 1 ) で調製したチタニウム触媒 成分 1. 5 ミ リ リ ッ トル、 (第 3級ブチルア ミ ド) ジメ チル (テ ト ラ メ チル一 7? 5 — シク ロペンタ ジェ二ノレ) シラ ンチタ ンジク ロ リ ド 2 マイ ク ロモルを加え、 エチ レ ンを 7. 5 k g / c m 2 Gの分圧で供給 し、 重合を開始した。 全圧を一定に保持し、 7 0 °Cで 3 0 分間反応 した。
反応終了後、 脱圧し、 反応物をメ タ ノ ールに投入して、 ろ過によ り重合体を回収し、 8 5 °Cで 1 0 時間減圧乾燥した。 その結果、 ェ チ レ ン へキセ ン 一 1 共重合体 6 0. 5 gを得た。
( 4 ) エチ レ ンノへキセ ン 一 1 共重合体の評価
( a ) 熱的挙動の評価
実施例 1 一 ( 4 ) - ( c ) と同様に して測定したと ころ、 結晶化
ェ ンタルピー ( Δ Η ) は 8 0 J Z g, 融点 ( T m) は 1 04. 0 °Cで あった o
( b ) 密度
実施例 1 一 ( 4 ) - ( d ) と同様に して測定したと ころ、 密度は 0. 9 0 2 g / c m 3 であった。 また、 試料のァニー リ ング処理は実 施しな力、つた。
( c ) 分子量分布の測定
実施例 1 一 ( 4 ) 一 ( f ) と同様に して測定したと ころ、 重量平 均分子量と数平均分子量との比 MwZM n は 7. 7 9 であった。
( d ) 極限粘度の測定
1 3 5 °Cのデカ リ ン中における極限粘度を求めたと ころ、 極限粘 度 〔 〕 は 2. 4 2 デシ リ ッ トル gであった。
( e ) 非ニュー ト ン性の評価
装置と して、 レオメ ト リ ッ ク社製 : R M S E 6 0 5型を用い、 1 9 0 でにおいて、 ひずみ量 1 0 %で正弦波振動を与え、 動的粘弾 性を測定し、 溶融粘度 7? の剪断速度 ω依存性を求め、 非ニュー ト ン 性を評価した。 その結果を第 3 図に示す。 また、 溶融流動の活性化 エネルギーは、 1 2. 2 k c a 1 モルであった。
( 5 ) ハギンス定数 ( k ) の測定
エチ レ ン系共重合体の希薄溶液状態下での粘度測定によ り、 粘度 式
よ り、 ハギンス定数 ( k ) を求めた。
1 3 5 °C、 デカ リ ン溶媒中にて、 還元粘度 , PZ C をポ リ マー濃 度 c を変えて測定し、 直線関係が認められる範囲において、 5点以 上測定した。 直線回帰の相関係数は 0. 9 9 5 以上である。 なお 〔 7? 〕
は極限粘度であ る。 ハギンス定数 ( k ) は 0. 4 3 9 であ っ た。
( 6 ) フ ィ ルムの評価
引張弾性率 7 6 0 k / c m 2 , 破断強度 4 2 0 k / c m 2 , 伸び 6 6 0 %であ っ た。
( 7 ) 触媒の評価
( a ) 触媒の評価 1
上記 ( 1 ) で調製 したチタニ ウ ム触媒成分のエチ レ ン重合性を、 上記 ( 3 ) において、 (第 3 級ブチルア ミ ド) ジ メ チル (テ ト ラ メ チノレ一 ?? 5 — シ ク ロペ ンタ ジェニル) シラ ンチ タ ン ジ ク ロ リ ド及び へキセ ン — 1 を用いず、 かつエチ レ ンの分圧 6 k c m 2 Gでポ リ エチ レ ンを製造 し、 末端ビニル基の定量を行う こ と によ り 、 評価 した。
(末端 ビニル基の測定)
厚さ 1 0 0 mのプ レス シー ト を作成 し、 透過赤外線スぺク ト ル を測定 し、 9 0 7 c m— 1付近の末端ビニル基に基づ く 吸光度
( A 9 0 7 ) と フ ィ ルムの厚さ ( t ) 、 樹脂密度 ( d ) よ り 、 式
n = 0. 1 1 4 A eo 7 / ( d - T )
〔 d : g Zミ リ リ ッ ト ル, T : mm, n : 炭素 1 0 0 個当た り の ビ ニル基の個数〕
に従い、 nを求めた。 その結果、 末端ビニル基量は 4. 5 個ノ 1, 0 0 0 炭素であ っ た。
( b ) 触媒の評価 2 (共重合性評価)
(第 3 級ブチルア ミ ド) ジ メ チル (テ ト ラ メ チルー 7? 5 — シ ク ロ ペ ンタ ジェニル) シラ ンチタ ン ジ ク ロ リ ドを用いて、 エチ レ ン と ォ ク テ ン — 1 の共重合を第 8 表に示す条件によ り 行い、 共重合体の結 晶化工 ン タ ル ピー ( Δ H ) と融点 ( T m ) を測定 した。 その結果を
第 8 表に示す 第 8 表一 1
1 ) T I B A : ト リ イ ソ ブチルアル ミ ニ ウ ム
2 ) M A O : 実施例 1 4 一 ( 2 ) で調製したメ チルア ル ミ ノ キサ ン
3 ) 2 5 °Cで 4 0 0 ミ リ リ ツ ト ノレの ト ノレエ ン と 7. 1 5 gのォ ク テ ン 一 1 の混合溶媒に重合温度で溶解したエチ レ ン重量よ り算出。
4 ) T m : 融点, 実施例 1 4 一 ( 4 ) と同様に して測定。
5 ) Δ H : 結晶化工ンタルピー. 実施例 1 4 一 ( 4 ) と同様に して 測定
6 ) Δ Η · Τ πι = 2 7 0 0 0 - 2 1 6 0 0 〔Μ〕 。. 5 βよ り算出
7 ) (第 3級ブチルア ミ ド) ジ メ チル (テ ト ラ メ チル一 7? 5 — シ ク 口 ペ ン 夕 ジェニル) シ ラ ン チ タ ン ジ ク ロ リ ド
なお、 共重合方法は、 実施例 1 4 一 ( 3 ) に準じて実施したが、 金属化合物は、 重合温度でェチ レ ンを飽和状態まで溶解したのち添
加 し、 重合を開始した。
具体的には、 以下の装置, 方法によ り評価した。
すなわち、 重合反応装置と して、 容量 1. 7 6 リ ッ ト ル, 内径 1 1 4 m mの耐圧ステ ン レス製ォ一 卜 ク レー ブを用いた。 こ のォー ト ク レ ーブは攪拌装置と してア ンカ ー翼 (厚さ : 1 . 5 m m ) を有し、 翼端 と反応器内壁との間隔が最も近い所で 1 7 m mであ り、 翼片面の面 積は、 ほぼ 1 3 c m 2 であった。 また、 溶媒存在下、 静止状態で翼 面積の 7 0 %以上が溶媒中に浸漬した状態に固定して用いた。
評価方法と しては、 上記ォ一 ト ク レーブを充分に乾燥 したのち、 室温、 窒素雰囲気下、 乾燥 ト ルエ ン (水分 5 p p m以下) 4 0 0 ミ リ リ ッ ト ル ( 2 5 °Cでの容量) を投入し、 ォ ク テ ン 一 1 (水分 5 p p m以下) を重量で規定量投入した。 さ らに触媒成分と して、 有 機金属化合物 (例えば、 アル ミ ノ キサ ン, アルキルアル ミ ニ ウ ム等) を投入した。 その後、 3 分間、 室温で攪拌した。 またその後、 重合 温度まで密閉状態で上昇し、 圧力が一定に達したのち、 エチ レ ンを 導入した。 更にエチ レ ンの供給を停止し、 圧力降下のないこ とをも つて、 飽和状態の確認を行った。
こ の と きの攪拌速度は 5 0 0 回転 分で一定に した。 共重合の開 始は、 こ の伏態を保持しながら、 他の触媒成分である評価すべき金 属化合物を注入する こ と によ っ て行っ た。
共重合開始後は、 エチ レ ン流量が 3 ノ ルマルリ ツ ターノ分以下で 規定圧力に制御され、 かつ温度制御範囲が、 重合設定温度 ± 2 °Cに ある こ とが必要である。
こ のよ う な状態で制御されない場合は、 触媒量を変更する こ と に よ り再度評価する必要がある。
一定時間共重合を実施したのち、 エチ レ ンの供給を停止し、 ただ
ちに、 脱圧によ り未反応エチ レ ンを除去後、 メ タ ノ ールによ り失活 を行った。
なお、 触媒成分中の溶媒の全量は、 重合溶媒 トルエンとォク テ ン 一 1 の総容量に対 して、 1 %以下となるよ う に調節 した。
比較例 3
実施例 1 4 において 実施例 1 4 一 ( 1 ) で調製したチタ ニウ ム 触媒成分を用いないで 同様に してエチ レ ンノへキセ ン 一 1 共重合 体 4 3. 5 gを製造した 評価結果は次に示すとおりである。
融点 ( T m ) 7 5. 0 °C
密度 0. 9 0 8 g / c m 3
極限粘度 〔 ?? 〕 2. 3 2 デシ リ ッ ト ルノ g 分子量分布 (M w Z M n ) 6. 9 9
結晶化工ンタル ピー (△ H ) 5 0 J / g
ハギンス定数 ( k ) 0. 3 4 5
なお、 実施例 1 4 一 ( 4 ) 一 ( e ) と同様に して、 溶融粘度?? の 剪断速度 ω依存性を求め、 非ニュー ト ン性を評価した。 その結果を 第 3 図に示す。
実施例 1 5
エチ レ ンノブテ ン 一 1 共重合体 (密度 0. 9 2 0 g / c m 3 , M I 1. 0 g / 1 0 分) 8 0 重量%と実施例 1 4 のエチ レ ン /へキセ ン 一 1 共重合体 2 0重量%とをラボブラス ト ミ ル 〔東洋精機 (株) 製, 内容積 3 0 ミ リ リ ッ ト ル〕 を用い、 1 9 0 °C , 5 0 r p mで 5 分間 溶融混練して樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物から厚さ 1 0 0 の フ ィ ルムを作成した。 得ら れたフ ィ ルムの物性は、 次の通りであった。
引張弾性率 : 2, 0 0 0 k g Z c m 2