WO1994005750A1 - Process for recovering olive oil - Google Patents

Description

明 細 書

ォリーブ油の回収方法

技術分野

本発明は、 除核したォリーブ果実から、 効率よく、 良質な油分を抽出分離して 回収する方法に関する。

背景技術

一般的なオリ一ブ油の抽出法は、 図 1に示すとおりであり、 ォリーブ果実 1か ら除葉し （工程 2) 、 洗浄し （工程 3) 、 核 （種） とともに粗碎し （工程 4) 、 機で 3 0〜9 0分 練し （工程 5) 、 その後加水しデカンターに送り、 ハス クを除き （工程 6) 、 続いて遠心分離機で油を果汁 1 0から分離し （工程 7 ) 、 ； して (工程 8) 、 清澄な油 9を得る。

上記方法では、 核の油分も同時に抽出され、 ォリーブ油に混入する。 核には、 脂質分解酵素が多量に含まれており、 この酵素が油の抽出工程中での油の品質劣 化や油の保存中における風味の低下を招く恐れが強い。

かかる難点を払拭するには、 ォリーブを予め除核しておけばよい。 しかしなが ら、 除核したォリーブをそのまま上述した従来法により処理すると、 除核しない 場合に比べて、 油分の抽出歩留まりが極めて低い。 また、 オリ一ブの除核を効率 的に行う実用的な手段は従来知られていなかった。 このようなことから、 除核し たォリ一ブを用いる抽出法は、 工場生産への適用がなされていなかった。 - 発明の開示

本発明の目的は、 除核したォリーブから効率よく良質の油を抽出する方法を提 供することである。

本¾明者らは、 上記の目的を達成すベく鋭意研究した結果、 特定の酵素を用 ヽ ると除核したォリーブからも歩留まり 油分を得ることができ、 さらに特定の 手段を組合わせることにより除核を効率的、 かつ実用的におこなえることを見出 した。

本発明は、 係る知見に- づいて完成されたもので、 除核したォリーブ 実にセ ルラ一ゼまたはセルラーゼとプロテアーゼを添加し、 攛拌反応した後、 溶出した ¾分を分離するォリーブの抽出 ¾、 及び上記の除核をォリーブの ¾肉のみを粗砕 する粗砕機と-裏ごし機とを併用して行うォリーブの抽出法である。

図面の簡単な説明

図 1は従来のォリーブ油の回収方法を説明するためのプロック図である。

図 2は本発明のォリーブ油の回収方法の一実施例を説明するためのプロック図 ¾る。

発明を実施するための最良の形態

次に本発明を図 2を参照して説明する。

図 2において、 採取されたオリープ果実 2 1を、 常法により除葉し （工程 2 2 ) 、 洗浄した （工程 2 3) 後、 粗砕機と裏ごし機の併用により粗砕、 除核する （ェ 程 24 ) 。 この粗碎機はォリ一ブの果実のみを粗砕するものであることが^ で ある。 その例として、 ミクログレーターがある。 これは、 低い堅型円筒容器内に ^付摄拌機を有するもので、 ォリーブの果肉と核を、 核に傷をつけることなく 効率よくほぐす機能を有している。 堅型円筒容器は、 上記機能を達成するめに内 部滞留時間を調整できる傾斜がつけてある。 裏ごし機の例としてはシードパルパ 一があり、 これは 2重の横型円筒の内筒を目皿とし、 円筒内部に設けたスクレー パーにて、 果実を目皿を通して排出し、 残った核を円筒の一端から分離排出する ようになっている。 これらは一 であり、 本発明の粗碎機および裏ごし機は上言己 の構造に限定されない。

粗砕、 除核されたォリーブはペースト状になっており、 このォリ一ブペースは 次に水を加え、 酵素としてセルラーゼまたはセルラーゼとプロテアーゼ （符号 2 5 ) を添加し、 攪拌反応する （工程 2 6 ) 。 これら酵素は、 オリ一ブの細胞膜を 破壊して果肉の油分を抽出し易くする働きがある。 これらの酵素としては、 ノボ ノルディスクバイオインダストリー （株） の〇L I V E X、 P E C T I N E Xな どを使用できるが、 同じ機能を有するものであれば他の市販品でもよい。 酵素の 添加量及び撹拌時問は、 ォリーブの種類、 塾度などにより一様ではないが、 酵素 の添加量はおおよそ対ォリ一ブ比 1 0 0〜1 0 0 0 p p m、 好ましくは 2 0 0〜 5 0 0 p p mであり、 携拌時間は 3 0〜 1 2 0分 iS S!が適当である。 また反応温 度は 2 0〜5 CTCに調整し、 11は3〜5カ<望ましい。

酵素反応処理の 、 酵素反応生成物からデカンティ ングによりハスクを除去し (工程 27) 、 遠心分離により油分と果汁 31とを分離する （工程 28) 。 油分 は濾過し （工程 29)、オリ一ブ油 30を得る。 分離された果汁 31には酵素が 残存しているので、 攪拌反応 26の添加水として再利用することができる。 上言己 のデカンティングの場合に、 3層分離型デカンターを採用すれば、 油分、 果汁及 びハスクの 3層に分離でき、 次工程の遠心分離の負担を軽減することができる。 実施例 1

除葉、 洗浄後、 手作業で除核したオリ—ブ果実 （油分 18. 5%、 水分 71%、 固型分 10. 5%, pH3. 5) 300 gをミキサーにて粗砕しオリ一ブペース トとし等量の水を加えて 2等分した。 その一方のみに、 ノボノルディスクバイオ ィンダストリ一 （株） の P E C T I N E Xを 400 p p m添加して、 両者ともプ 口ペラ型攪拌機で 1時間攪拌後、 全量、 遠心分離機に 5000 r p mで 15分間 かけ、 分離した液体部をさらに 5◦ 00 r pmで 5分間遠心分離機にかけ、 分離 した油分を採取した。 撹拌反応時の は 24 °Cであつた。 酵素添加区分のォリ 一ブ油は酵素無添加区のォリーブ油に比べて風味が俊れていた。 その結果を表 1 に示す。

実施例 2

オリーブ果実 500 k gを洗浄後、 ミクログレータ一とシ一ドノ 一を通し て 115 k gの核を分離し、 385 k gのォリーブペーストを得た。 その成分は、 油分 13. 5%、 水分 78. 4%、 固型分 8. 1%、 pH4. 2であった。 この ペーストに等量の水を加えてノボノルディスクバイオインダス卜リ一 （株） の 0 L I VEXを 400 p pm添加して、 プロベラ型 ffi拌機で 80 r pm、 1. 5時 搬抨反応饺、 全量 3層分離型デカンターにて油分、 果汁及びハスクに分離した。 油分はさらに遠心分離機に送り、 混入している果汁分及び微量のハスク分を分離 し清澄なォリーブ油 48. 2 k gを得た。 搅拌反応中の温度は攛拌開始時は 25 、 反応終了時は 50てに保った。 得られたォリーブ油の酸価は 1. 6であり、 風味佳良であった。 その結菜を表 2にまとめる。

発明の効果

本発明方法によれば、 除核したォリーブ ¾実から効率よく高い収率でォリーブ 油を抽出することができる。 除核の際に、 核が粗碎されず核からの脂質分解酵索 の混入がないため、 得られた油は、 油の抽出工程中における油の劣化がなく、 風 味保存性に俊れた良質の製品となる。

表 1

表 2

オリーブ 除核 抽出

ペース卜 オリーブ油 全量 500kg 385. Okg 4S.2kg 油分 53. Okg (13.5¾)

果汁分 301.9kg(78.4¾)

ハスク分 31.2kg ( S. lfo)

核 対ォリ一 対除核 対除核ベースト 収率 ブ菜実 ベース卜 含有油分

9. 6% 12. 5% 92. 7%

Claims

請 求 の 範 囲

1. 除核したォリーブ果実にセルラーゼを添加し、 攪拌反応する工程と、 この 工程後、 反応生成物から油分を抽出、 分離する工程とを備えたオリ一ブ油の回収

2. セルラーゼの添加量は、 対ォリーブ比で 1 0 0〜1 0 0 0 p p mである請 求項 1に記載のォリ一ブ油の回収方法。

3. セルラ一ゼを添加し、 撹拌反応する工程は、 p H 3〜5でおこなう請求項 1に記載のォリ一ブ油の回収方法。

4. 油分を抽出、 分離する工程は、 3層分離型デカンターを使用して、 油分、 果汁、 及びハスクの 3層に分離する請求項 1に記載のォリーブ油の回収方法。

5. 除核したオリ一ブ果実にセルラーゼとプロテア一ゼを添加し、 攪拌反応す る工程と、 この工程後反応生成物から油分を抽出、 分離する工程とを備えたオリ ーブ油の回収方法。

6. セルラ一ゼとプロテアーゼの添加総量は、 対ォリーブ比で 1 0 0〜1 0 0 0 p p mである請求項 5に記載のォリーブ油の回収方法。

7. セルラーゼとプロテア一ゼを添加し、 援拌反応する工程は、 p H 3〜5で おこなう請求項 5に記載のォリ一ブ油の回収方法。

S. 油分を抽出、 分離する工程は、 3層分離型デカンターを使用して、 油分、 果汁、 及びハスクの 3層に分離する請求項 5に記載のォリ一ブ油の回収方法。

9. ォリーブ果実から除核する工程を備え、 この工程は、 ォリーブの果肉のみ を粗砕する粗碎機と裏ごし機とを併用しておこなう請求項 1ないし 8の 、ずれか に記載のォリーブ油の回収方法。