明 細 書 親水性ポリマー · ゲイ酸塩鉱物の複合体および その使用
〔技術分野〕
本発明は、 力ルポキシル基舍有親水性ポリ マーと水膨潤性 ゲイ酸塩鉱物を含んでなる複合体に関する。 更に詳しく は、 水性物質と接触した場合に極めて高度に水性物質を吸収膨潤 し、 ゲル化し、 非常に高い保水性を有する前記複合体ならび にそれらのゲル状芳香組成物、 化粧料、 緩下剤、 直腸投与組 成物、 薬剤組成物および皮) I潰瘍外用剤に関するものである,
〔背景技術〕
水性物質と接触した時に、 高度に水性物質を吸収膨潤し、 ゲル化するものとしては、 生理綿、 紙おむつなどに広く使わ れている合成高分子材料、 例えば澱粉—ァク リ ロ二 ト リルグ ラフ ト重合体加水分解物、 澱粉ーァク リル酸グラフ ト重合体 中和物、 酢酸ビュルーァク リ ル酸エステル共重合体のケン化 物、 ァク リ ロ二 ト リル共重合体またはァク リルァミ ド共重合 体の加水分解物あるいは自己架橋型ボリアク リル酸ナ ト リ ウ ム等が挙げられる。
そのほか、 医薬品および化粧品を舍む広汎な分野で使用で きる物質の中で、 水性物質を吸収膨潤し、 ゲル化するものと しては、 種々の多糖類、 ゼラチンなどの天然高分子、 ポリオ
キシエチレン、 アク リル酸系ポリマーなどの合成高分子、 モ ンモリ ロナイ ト、 シリカなどの無機鉱物などの物質自体が挙 げられる。 特に、 これらの中でもポリアク リル酸系ボリマー は、 架橋剤として酸化多価金属、 水酸化多価金属、 有機多価 金属化合物およびそれらの塩、 またはアルミナ、 シリカなど を混ぜることで、 ゲル化時の強度を更に上げることができる ため、 現実にパップ剤の基剤などとして使われている。 この 種のゲルを何らかの方法で乾燥すると、 永性物質と接触した 時に、 その水性物質をある程度、 吸収するが各物質単独では ゲルの安定性 · 強度が劣るか、 また前記ポリマーと前記架橋 からなる組成物は、 一般にゲル強度が高すぎ、 十分な水性物 質吸収性を有するゲルを形成しない傾向がある。
ほ力ヽにヽ Emerson (J . So i l Sc i ence , 14 , 52 , 1963) は、 モ ンモリ 口ナイ ト系の土壌にほんの数%のポリアク リル酸を加 えると、 両者が複合化し、 雨水などで散逸しない改良された 土壌となることを報告している。
しかしながら、 従来技術における組成物または複合体は前 記のような欠点を有すると共に、 特定の用途に向けられる場 合、 例えば上記の生理綿、 紙おむつなどに使われている合成 高分子材料は、 未反応モノ マー、 重合開始剤、 架橋剤、 界面 活性剤などの不純物がその中に残留可能性があるため、 原材 料そのものの特性からその使用が限定されることがあり、 特 に高い安全性を要求される医薬品、 化粧品などへの使用に向 けることが困難であつた。
また、 前述の組成物または複合体のうちで医薬品や化粧品
に汎用されている物質については、 その膨潤ゲル化力が弱い ため多量に配合する必要があったり、 あるいは、 各種の塩の 共存でゲルが容易に破壊してしまうなどの欠点があつた。
さ らに、 Em ers onの報告しているポリ アク リル酸とモ ンモ リ ロナイ ト系土壌の複合体は、 ボリアク リル酸の舍量が少な いため、 膨潤能が低く、 そしてゲル強度も極めて弱い点に課 題を有している。
〔発明の開示〕
本発明者らは、 こう した事情に鑑み、 特に医薬品および化 粧品を舍めた広汎な分野で使用可能で、 高い膨潤能およびゲ ル強度を併せ持った物質を見い出す目的で鋭意研究を重ねて きた。 その結果、 カルボキシル基含有親水性ポリ マーと水膨 潤性ケィ酸塩鉱物を含んでなり、 これらの両出発原料には存 在しない特定の新たな赤外吸収スぺク トルを示すように配合 された複合体が前記目的を達成することを見い出し本発明を 完成した。 従って、 本発明によれば、 カルボキシル基舍有親 水性ボリマーと水膨潤性ゲイ酸塩鉱物を舍んでなり、 赤外線 吸収スぺク トルにおいて再出発原料に存在しない新たな吸収 スぺク トルを ^(^〜 。。 —1の範囲内に有する親水性ポリ マ — · ケィ酸塩鉱物の複合体が提供される。 また、 このような 複合体の使用に基づく、 特にゲル状芳香組成物、 化粧料、 緩 下剤、 直腸投与剤、 薬溶性薬剤の水溶性が改良された薬剤組 成物および皮 JIT潰瘍外用剤が提供される。
〔図面の簡単な説明〕
第 1図は、 実施例 1 のァク リル酸系ボリマーと層状ケィ酸 塩鉱物からなる本発明の複合体、 同組成の単純混合物、 ラボ ナイ ト、 ハイ ビスそれぞれの赤外吸収スぺク トラムであり、 第 2図は、 実施例 3 のアク リル酸系ポリマーと膨潤性微粒 子シリ カからなる本発明の複合体の赤外吸収スぺク トラムで あり、
第 3図は、 実施例 1 の複合体 (ハイ ビス重量分率 = 0. 85) の 0. 5 %ゲル、 ハイ ビス 104 中和品の 1 %ゲル、 およびラボ ナイ ト X L Gの 2 %ゲルに対する流動曲線 (分散媒 : 純水) を示す図であり、
第 4図は、 実施例 2 の複合体 (ハイ ビス重量分率 = 0. 75 ) 1. 0 %ゲルの流動曲線をハィ ビス 104 中和品 1 %ゲルの流動 曲線と共に示す図であり、 そして
第 5図および第 6図は、 それぞれ実施例 39の薬剤包接複合 ( I - HE 3 —2)および(I— CML — 3)から難溶性薬剤の榕出率を 示す図である。
〔発明を実施するための最良の形態〕
本発明で用いられるカルボキシル基舍有親水性ポリマーは, ポリマー主鎖に直結もしく は低級アルキレン基もしく は低級 アルキレンォキシ基などを介してカルボキシル基が結合され ているか、 またはベンダン ト基にカルボキシル基を有するボ リマーであって、 ポリマ一自体が水性媒体に可溶性であるか または分散可能なものをいう。 ポリマー主鎖としては、 特に
エチレン系モノ マーの付加重合に由来する主鎖および糖鎖を 好ま しいものとして挙げるこ とができる。 また、 低級アルキ レン基も し く は低級アルキ レンォキシ基としては、 メ チレン エチレン、 プロピレン、 イ ソプロピレン、 ブチレン、 メ チレ ンォキシ、 エチレンォキシ、 プロピレンォキシ、 イ ソプロビ レンォキシおよびブチレンォキシ基などを具体的な基として 挙げるこ とができる。 従って、 カルボキシル基舍有親水性ボ リ マ一には、 それ自体既知であるかどうかを問わず、 前記定 義に合致する多種ポリ マ一類が包舍される。 より具体的には- 例えば、 モノ マーとしてアク リ ル酸、 メ タク リ ル酸、 マレイ ン酸、 フマル酸もし く はイ タコ ン酸などあるいはこれらのェ ステルまたはアク リ ロニ ト リ ルもし く はアク リ ルア ミ ドを用 いるホモポリ マーまたはその加水分解物、 あるいはこれらの モノ マーと、 酢酸ビュルもし く はァク リ ロニ ト リルなどとの コボリ マーまたはその加水分解物などの付加重合タイ ブのポ リ マ一類、 あるいは、 カルボキシメ チルセルロース、 ヒアル ロ ン酸、 ザンタ ンガム、 アラビアゴムまたはアルギン酸など の酸性多糖類が挙げられ、 これらのう ち天然物にあっては、 天然物よりの抽出物もし く は特定の微生物の発酵生産物それ 自体もし く はその加水分解などの手段により分子量を調整し たものであってもよい。
また、 デンプン、 セルロースなどの中性多糖類に前記カル ボキシル基舍有モノ マーをグラフ ト重合させて得られるポリ マ一も本発明のボリ マーと して使用できる。 これらの具体的 なものは、 例えば、 特公昭 53— 46199 号、 特開昭 56— 76419
5
号、 同 56— 84701 号および同 60— 31511 号、 ならびに米国特 許第 4, 333, 461号に記載のポリマ一が挙げられる。
前記付加重合タイプのポリマー類では、 特に、 ポリ (ァク リル酸) およびポリ (メタク リル酸) ホモポリマーが好まし く、 その (数または重量) 平均分子量少なく とも 50万を有す るものが好ましく、 100万を越えるものがさらに好ま しい。 特に、 平均分子量 50万未満のものは、 本発明の目的複合体を 形成するものの水性物質中でゲルを形成したときに長時間放 置するとポリ (ァク リル酸) またはポリ (メタク リル酸) と 水膨潤性ケィ酸塩鉱物に分離する傾向を示す。
また、 ポリ (ァク リル酸) およびポリ (メタク リル酸) は, 直鎮状のものでも架橋型のものでも特に限定されないが、 直 鎖状を出発原料とした複合体は、 架橋型を出発原料とした場 合よりゲル化時のゲル強度が弱く、 更に、 ゲルとなっても弱 ぃ曳糸性が残る。 従って、 ボリ (アク リル酸) またはポリ (メ タク リル酸) としては、 架橋型を用いたほうが有利であ る。 この場合、 架橋の度合に関しては、 反応時のそれぞれの モノマーに対する架橋剤の重量%が、 0. 3〜3. 5 %の範囲に 入るような条件で架橋されたものであればよ く、 紙おむつな どに使われているポリ (アク リル酸) またはポリ (メ タク リ ル酸) のような高度に架橋されている必要はない。 このよう な具体例としては、 日本薬局方外医薬品成分規格または化粧 品原料基準規格に収載されているカルボキシポリ メチレンあ るいは力ルボキシビ二ルボリマーなどが挙げられる。 市販品 としては、 ハイ ビス 104 (和光純薬、 分子量約 300万) 、 ハイ
ビス 103 (和光純薬、 分子量約 400万) 、 カーボポール 934 (グ ッ ドリ ツチ社、 分子量数百万) 等が挙げられる。 これらは、 人体への使用の安全性が確認されているので、 特に、 本発明 の複合体を医薬品または化粧品に使用する上で好ま し く、 ま た前述の具体的に列挙した酸性多糖もそれ自体が、 医薬品お よび化粧品に使用可能なものを用いるのが好ましい。
本明細書および請求の範囲で用いられる水膨潤性ケィ酸塩 鉱物の語は、 広義のものであり、 天然産出または合成された 二酸化ケイ素舍有水膨潤性鉱物であればその種類を問う こと なく包舍する。 従って、 本発明で用いられる水膨潤性ケィ酸 塩鉱物としては、 膨潤性微粒子シリカならびにスメ クタイ ト 族、 バーミキユラィ ト族および緑泥石族に属する鉱物を初め とする層状ケィ酸塩鉱物が挙げられる。 膨澗性微粒子シリカ の具体例としては、 ァエロジル(Aeros i l , 商標、 日本ァエロ ジル社製) が挙げられ、 その市販品としては、 ァエロジル (Aeros i l™) # 200 , # 303 、 などが挙げられる。 また、 層 状ゲイ酸塩鉱物、 例えば、 スメ クタイ ト族のモンモリ ロナイ トは、 ケィ酸四面体層一アルミナ八面体層—ケィ酸四面体層 が積み重なって結合し、 一枚の結晶層を形成している。 とこ ろが、 八面体層の中心金属である Α £ イオンが、 それより陽 電荷の小さい M g イオンによつて一部置換されているので、 層全体として負電荷を帯びている。 この負電荷に応じたアル カ リ金属イオンが、 層間に介在し、 結晶層の電荷を中和して いる。 この交換性陽イオンが、 層間に多量の水を吸収するの で、 単独でも膨潤性を示すことが知られており、 またこれら
の腸ィォンが前記カルボキシル基含有親水性ポリマー類と都 合よ く相互作用するので、 本発明のゲイ酸塩鉱物として好ま しい。
これらの層状ケィ酸塩鉱物の中でも、 前記モ ンモ リ ロナイ ト種のほか、 ノヽ 'イデライ ト種、 サボナイ ト種、 へク トライ ト 種、 ベン トナイ ト種、 ノ ン トロナイ ト種、 ソーコナイ ト種な どが含まれるスメ クタイ ト族は、 純水に対する膨潤性もゲル 化時のゲル強度も優れた複合体を与えるので特に好ましい。 これらの市販品としては、 クニピア、 スメ ク ト ン (いずれも クニミネ工業) 、 ビーガム (バンダービル ト社) 、 ラボナイ ト (ラボルテ社) 、 フッ素四ケィ素雲母 ( ト ビー工業) 等が 利用できる。 本発明の実施にあたっては、 これらの鉱物のう ちから、 一種または二種以上が任意に選択される。
前述の出発原料を舍んでなる本発明の複合体は、 これらの 出発原料には存在しない I OOO I SOOCDT 1に赤外吸収を有する 点に特徴がある。 ハイ ビス (和光純薬製) とラボナイ ト (ラ ポルテ社製) を舍んでなる本発明の複合体を例に説明すると, 該複合体を KBr錠により測定した赤外吸収スぺク トル (第 1 図) に示されるように、 層状ケィ酸塩鉱物の S i — 0骨格伸 縮振動に起因する 1000cm— 1付近の吸収のほか、 新たに 1070oir 付近にピークが現われる。 この吸収は、 同図に示すように、 出発原料であるハイ ビスとラボナイ トには存在せず、 またそ れらの単純混合物にも存在しない。 さらに、 この例以外のァ ク リル酸系ポリ マーと層状ケィ酸塩鉱物の組み合わせでも、 本発明の複合体が形成されると 1040〜 1100cm - 1付近にピーク
が現われるため、 このビークは複合体特有の吸収と結論でき る。 また、 アク リル酸系ポリマーと膨潤状微粒子シ リ カを舍 んでなる本発明の複合体は、 第 2図の赤外吸収スぺク ト ルで 示されるように 1220cnr 1および 1225oir 1付近に両出発原料に 存在しない新たな吸収が現われる。 このように新たに現われ る赤外吸収スぺク トルは、 選ばれる出発原料によってその吸 収帯が変動するが、 出発原料には存在しない領域に現われる 新たな吸収を観察できることで本発明の複合体を特定するこ とができる。 この吸収の発現の機構は明らかではないが、 例 えば、 ポリ (ァク リル酸) およびノまたはポリ (メタク リル 酸) と水膨潤性ケィ酸塩鉱物間の水素結合の形成によるもの か、 あるいはそのケィ酸塩鉱物端面のプラス電荷と、 解離し たカルボキ シル基のマイ ナス電荷の間のイ オ ン的相互作用に よるものと考えられる。
本発明の複合体はまた、 純水中におけるそれらの強いゲル 強度によっても特徴付けられる。 例えば、 本発明の複合体を 純水中 1重量%となるように分散された場合のその硬度およ びゲル強度は、 下記第 1表に示されるような特性を有する。
度 ゲ ル 強 度
(一) dyne / ciS ) ァク リル酸系ポリマー ' 8 〜65 15700〜127000 層状ケィ酸塩鉱物複合体
多糖 · 層状ケィ酸塩鉱物 1 〜30 1960〜 58謹 複合体
ァク リル酸系ポリマ一 ' 5 〜60 9800〜 11800 膨潤性微粒子シリ 力複合体
注 :硬度 1 は、 ゲル (破壌) 強度 1960dyne / oSに相当する 前述の本発明の複合体は、 それぞれ対応する出発原料から それ自体既知の混合 · 混練方法によって製造することができ る。 例えば、 まず、 水中で前記カルボキシル基舍有親水性ポ リマーと水膨潤性ゲイ酸塩鉱物を均質になるまで混合する。 その濃度は、 使用する出発原料の特性によって均質液の性状 が異なるので特に限定されないが、 あまり濃度が高いと均一 に混合することが難しく なるため、 好ましく は両者とも 5 % 以下が実際的である。 また、 混合の方法は、 通常用いられる 方法で行う ことができるが、 あまり高シヱァレー トで実施す るとポリマーが分解を起こしてしまうため、 比較的低シェア レ一ト下で長時間行うのが望ましい。
次に、 混合水溶液の P Hを塩基で 5 〜 7に、 より望まし く は 6. 0〜6. 5に調整し、 膨潤ゲル化させる。 この時の pHは特に 限定されるわけではないが、 この P H領域において特に高いゲ ル強度を示すため、 複合体形成には有利と考えられる。
次いで、 この水性ゲルを脱水乾燥して、 粉末として取り出
す。 脱水乾燥の方法は、 噴霧乾燥法、 凍結乾燥法、 溶媒脱水 法など、 いずれでも良いが、 溶媒脱水法が最も効率的である, 即ち、 調整した水性ゲルにアルコールまたはケ ト ン類を沈澱 剤、 脱水剤として加え、 複合体を沈殺回収し、 粉末として取 り出す。 アルコールまたはケ ト ン類としては、 メ タノール、 エタノール、 n —プロノヽ'ノール、 i s 0—フ' ロ ノ、·ノーノレ、 n— ブタノ一ル、 アセ ト ン、 メ チルェチルケ ト ンあるいはそれら の組み合わせなどが使える。
また、 P H調整に用いられる塩基は、 特に限定されないが、 アルカ リ金属水酸化物、 アンモニア水、 水溶性ア ミ ン類など が使える。 この pH調整の目的は、 カルボキ シル基含有親水性 ポリマーのカルボキシル基の一部を、 pH調整することで、 ィ オ ンに解離し易く し、 純水中での膨潤能を上げることにある < この pH調整により複合体が壌れることはない。 また、 この p H 調整の際、 有機塩または無機塩を加えることで塩析効果を出 し、 次工程の沈澱回収を容易にすることも可能である。 この 場合は、 最終複合体中に塩が残らないように、 加えるアルコ ールまたはケ ト ンに溶解し易い塩を使うのが有利である e 沈 澱の回収法は遠心分離、 濾過、 デカ ンテーショ ンなど、 通常 用いられる方法で行う ことができる。
最後に、 以上のように沈澱回収された複合体は乾燥工程に 移されるが、 これには一般に利用される乾燥方法、 即ち熱風 乾燥、 真空乾燥などが利用できる。
なお、 有機溶媒の使用を避けたい場合は、 上記の P H調整ェ 程で形成された水性ゲルをそのまま凍結乾燥、 噴霧乾燥など
の方法で乾燥し、 複合体粉末を得ることも可能である。 なお 乾燥時の有機溶媒の濃度と乾燥方法を選ぶことにより、 本複 合体の形態を粉末からシー ト状まで変えられるため、 これも 複合体の使用目的により選ばれるべきである。
これらの出発原料の混合比は、 用いるポ リ マーと水膨潤性 ケィ酸塩鉱物の種類に応じて変動するので限定的でないが、 一般に、 力ルボキシル基舍有親水性ポリマーと水膨潤性ケィ 酸塩鉱物の配合率は、 前者の固形分換算重量分率で 0. 3〜 0 . 97である。 本発明のゲル強度は、 一般に、 ポリマーの重量 比が 0. 3〜 0. 8の範囲內で最大になる。 こう して得られる本 発明の複合体は、 前述のような赤外吸収スぺク トルで確認す るか、 または場合によつてその水性ゲルの強度を測定するこ とによって確認することができる。
なお、 本発明の複合体の特質について特筆するべきことと して、 その製造工程に乾燥工程を舍む場合には、 ゲル強度が 乾燥前の約 2倍になることが挙げられる。 即ち、 P H調整した ゲルを乾燥し、 再び同濃度になるように水に分散して得たゲ ルは、 乾燥前のゲル強度の約 2倍の値を持つようになる。 こ の原因は今のところ明らかではないが、 乾燥することで、 ポ リマーと水膨潤性ケィ酸塩鉱物の分子間距離が短く なり、 水 素結合がより発達し、 その結果としてゲル強度が上昇したも のと推定される。
また、 本発明の複合体は、 現在、 生理綿、 紙おむつなどに 使われている合成高分子材料、 例えば、 殺粉ァク リ ロ二 ト リ ルグラフ ト重合体加水分解物、 アク リ ルアミ ド共重合体の加
水分解物、 自己架橋型ボリァク リル酸ナ ト リ ウムなどと同等 以上の高い膨潤速度、 膨潤能、 ゲル強度を併せ持っている。 例えば、 特に、 ァク リル酸系ポリ マ一を用いた場合には、 一 船に重量比で水中では 200〜800 倍に、 生理食塩液中では 30 〜100 倍にも膨潤する。
一方、 本発明の複合体の原料であるポリ (アク リル酸) ま たはポリ (メタク リル酸) と水膨潤性ケィ酸塩鉱物は、 共に 塩に弱く、 ク リームなどの基剤として使った場合、 たびたび 離水の原因となるが、 本発明に従って複合化されることで、 それぞれの出発原料より広い塩濃度、 広い P H域で安定な基剤 を提供できる。
また、 出発原料として、 特定のボリ (アク リル酸) 、 ボリ (メ タ ク リ ル酸) 、 ヒアルロ ン酸、 ザンタ ンガム、 アラ ビア ゴムなど医薬品添加物として承認例のある組み合わせによつ て簡単に調製できるため、 特に、 安全性の求められる医薬品. 化粧品分野での使用に適する素材 (または基材) を提供する ことができる。
さらに都合のよいことには、 そのテクスチユアも出発原料 の組成比により、 水膨潤ケィ酸塩鉱物に近いものから、 ボリ ァク リル酸に近いものまで自由に調整可能である。
従って、 ク リ ーム、 ローシ ョ ン、 芳香剤などの化粧料基剤 止血剤、 医薬用ハイ ド口ゲル、 緩下剤、 膨潤性避妊剤、 静止 性坐剤などの医薬用基剤、 そのほか、 紙おむつ、 生理用品等 のサニタ リ ー用途、 緑化農園芸用土壌改良剤、 止水剤、 血漿 分離剤、 粉塵防止剤、 結露防止剤、 消臭剤、 使い捨てカイ ロ
人工種子用ゲルなど、 極めて広範囲の応用が可能である。 その一つとして、 本発明によれば、 本複合体を用いて、 後 述するゲル状芳香組成物が提供される。 即ち、 香料 1 〜99. 0 重量%、 アルコール系有機瑢剤 0〜90重量%、 非イ オ ン界面 活性剤 0〜40重量%、 本発明の高分子 · ケィ酸塩鉱物複合体 0. 1 〜90重量%、 残部が水であるゲル状芳香組成物である。 従来より、 室内および トイ レ用のゲル状芳香剤は、 その剤 型を保持するために種々の有機および無機化合物が增粘ゲル 化剤として使用されている。 例えば有機化合物としては、 金 属石鹼をはじめ、 寒天、 カラギーナン、 ポリアク リル酸樹脂 等が、 無機化合物としては各層状ゲイ酸塩鉱物ゃ膨潤性微粒 子シリ力等がそれぞれ個別に適宜使用されている。 しかし、 寒天、 カラギーナ ン等に香料を舍有させた芳香剤は、 使用中 に表面が固化し皮膜を形成してしまい、 香料の揮発性が著し く低下する。 また、 各種層状ケィ酸塩鉱物や膨潤性微粒子シ リ力の場合には保存時に離水現象を起こし、 開封時に水がこ ぼれ落ち、 衣服を汚すという欠点がある。 また、 紙おむつや 生理用品に使われているポリアク リル酸系の樹脂を用いた芳 香剤は、 香料の揮発が少ないという欠点を有する。
これに対し、 本発明による複合体を用いたゲル状芳香組成 物は、 上記の欠点がなく、 優れたものである。
本発明のゲル状芳香組成物は、 好ましく はポリ (ァク リル 酸) またはポリ (メ タク リル酸) 水膨潤性ゲイ酸塩鉱物の複 合体と、 香料、 アルコール系有機溶剤、 非イ オ ン界面活性剤 および水からなる。 本発明における香料の種類は特に限定さ
れないが、 例えば、 極性の小さい炭化水素系から極性の大き いアルコール系のものまで配合するこ とができる。 アルコー ル系有機溶剤の種類は、 メ タノール、 エタノ ール、 プロパノ ール、 イ ソプロノヽ'ノ ール、 プロ ピレ ングリ コール、 1 , 3 — ブチ レングリ コール、 3 —メ チルー 3 —メ ト キ シブタノ ール 3 —メ チルー 1 , 3—ブタ ンジオール等を挙げる こ とができ る。 また、 非イオン界面活性剤は、 香料を分散、 乳化および 可溶化できるものならいずれでもよ く、 例えば、 ソルビタ ン エステル、 P O E ソルビタ ンエステル、 P O Eァノレコールェ 一テル、 P O Eアルキルエーテル、 P O E ヒマシ油誘導体等 を挙げるこ とができる。 またポリ (ァク リル酸) またはポリ (メ タク リ ル酸) は、 直鎖状のものでも架橋型のものでも特 に限定はされない。
また、 本発明によれば本複合体を増粘剤として配合した化 粧料が提供される。
化粧料には増粘剤として種々の多糖類、 ゼラチンなどの天 然高分子、 ポリ オキシエチ レ ン、 ポリ アク リ ル酸などの合成 高分子が主に使われている。 化粧料がベたつき感を与える場 合、 度々、 この増粘剤が原因であることがあるが、 こんな場 合、 モ ンモ リ ロナ イ ト、 シ リ 力などの水膨潤性ゲイ酸塩鉱物 を用いて、 ベたつき感を取り除く ことがある。 しかし残念な こ とに、 水膨潤性ケィ酸塩鉱物系の増粘剤は本質的に安定性 が悪いため、 化粧料に配合すると、 時間と共に離水し始める 傾向にある。
これに対し本発明による複合体を増粘剤として用いると、
ベたつきがなく、 際立った清涼感を与える化粧料が得られる また化粧品基剤として承認前例のある出発原料を用いて調製 した本発明の複合体を用いることで、 安全性の点でも支障な く用いることができる。
本発明による化粧料は、 ごく少量でも増粘し、 かつ、 ベた つきのない、 際立った清涼感を有する。 化粧料中に配合する 複合体の量は 5. 0重量%以下が好ましく、 通常は 1. 0重量% 以下である。 また、 本発明の化粧料には、 この複合体のほか- 化粧料に一般に用いられる有機および無機粉末、 多価アルコ ール界面活性剤、 防腐殺菌剤、 色素、 香料、 薬剤などその他 の成分を本発明の効果を損なわない範囲內で適宜配合するこ とができる。
また、 本発明の化粧料の剤型は任意であり、 可溶化系、 乳 化系、 粉末分散系等をとることができる。 用途も化粧水、 乳 液、 ク リーム等の基礎化粧料はもちろん、 フ ァ ンデーシ ョ ン などのメ一キ ヤ ップ化粧料や毛髪化粧料など幅広く応用でき る。
さらに、 本発明によれば、 本複合体を配合した緩下剤が提 供される。
緩下剤としては、 液状バラフィ ンゃ植物油を主成分とする 粘滑性緩下剤、 界面活性剤に代表される浸潤性緩下剤、 寒天- プリ シゥム子、 力ノレボキ シメ チルセルロース、 メ チルセル口 —ス等の膨脹性緩下剤が、 一般に使われている。
しかしながら、 粘滑性緩下剤は肛門から漏れて衣服を汚し, ビタ ミ ン A , Dを溶解してその吸収を阻害し、 消化作用も阻
害する。 また、 浸潤性緩下剤は油分が共存すると、 吸収され ることがあり、 容易に肝障害を引き起こすおそれがある。 更 に、 膨脹性緩下剤は局所刺激作用もなく、 逆に粘滑 · 被覆作 用を示し、 腸粘膜に炎症性障害があるときでも使用できるな どの利点を有しているが、 治療の初期段階で、 習慣的に便秘 を伴う鼓腸を悪化させるという欠点と、 比較的多量に服用す る必要があるという欠点を持っている。
これに対し、 本発明の複合体を配合した緩下剤は、 ごく少 量でも体液などの水性物質に接触したときに高度に膨潤し、 柔らかいゲルを形成し、 有効に作用する。 しかもこの複合体 は、 前述の如く、 医薬品添加物として承認前例のある原料の 組み合わせで簡単に調製できるため、 安全性の点でも問題が ないと考えられる。 更に、 特筆すべきこ ととして、 本複合体 は、 人工胃液 (日本薬局方 1液) では殆ど膨潤しないが、 人 ェ腸液 (日本薬局方 2液) の中では膨潤するという特異的な 性質を有している。
本発明による緩下剤は、 上記の特異的な性質を有する前記 複合体を配合するこ とを特徴としている。 この複合体はその 膨潤能の高さから、 ごく少量でも、 また単独でも十分優れた 膨脹性緩下剤となり うるが、 他の通常緩下剤に配合される種 々 の薬剤、 添加剤等と組み合わせることで、 更に、 粘滑 · 被 覆作用の促進、 局所刺激作用の低減などを図るこ とができる { 力ルポキシル基舍有親水性ポリ マーと水膨潤性ケィ酸塩鉱物 複合体と配合できるものとして、 流動パラフィ ン、.種々の植 物油、 ジォクチルソディ ウムスルフ ォ サク シネー ト、 ポロ ク
サルコール、 寒天沫、 イ スパギユール粉末、 プリ シゥム子、 メ チルセルロース、 カルボキ シメ チルセルロース、 マンナ ン そのほか種々のビタ ミ ン、 賦形剤などが挙げられる。
剤型は、 特に限定されないが、 顆粒、 錠剤、 散剤、 カプセ ル等が有用である。
さらに、 本発明によれば本複合体を配合した直腸投与組成 物が提供される。
直腸投与製剤は、 その薬剤学的な長所を活かして、 局所作 用のみならず、 全身作用を目的として使用されるようになつ ている。 局所作用を目的とする場合は、 痔疾、 便秘、 腸内清 掃等に用いられる。 全身作用を目的とする場合は、 例えば、 解熱、 鎮痛、 鎮痙、 抗てんかん、 制吐、 精神安定、 循環器官. 末梢神経用、 抗ヒスタ ミ ン、 止血、 抗腫瘍、 抗生物質等、 極 めて多様な薬物を直腸投与製剤として投与しうる。 しかしな がら、 薬物の中には、 直腸からの吸収率が低く、 バイオアベ イ ラピリティ一の点で問題となるものがある。 直腸投与製剤 からの薬物の利用性は、 直腸腔内における薬物自体の有効濃 度や、 その時間的推移に依存しており、 このため、 直腸投与 製剤からの薬物の放出性や持続性を改善させるために色々な 試みが為されてきた。 ポリ (アク リル酸) 金属塩を配合した 特開昭 54— 26325 号公報、 ポリガム等のゲル形成剤を配合し た特開昭 59— 55817 号公報、 水膨潤性粘土鉱物を配合した特 開平 2 — 15024 号公報、 肛門内に装着する器具 (特開昭 49 - 61 16号公報、 同 58— 208213号公報) などの試みも知られてい る。
しかしながら、 ポリ (アク リル酸) 金属塩、 ゲル形成剤、 水膨潤性粘土鉱物等を配合する試みは、 持続性および放出性 の点で未だ充分と言えるものではない。 また、 肛門内に器具 を装着する試みは、 患者に苦痛や違和感を与えるという欠点 を有していた。
これに対し、 本発明では上記のカルボキシル基舍有親水性 ポリマーと水膨潤性ケィ酸塩鉱物からなる複合体の優れた水 分吸収作用および生体への高い安全性を利用して、 本複合体 を直腸投与組成物中に配合することにより、 直腸腔内での滞 留性が付与され、 薬物の持続性と放出性が相乗的に改善され る。
本発明による直腸投与組成物は、 上記の特異的な性質を有 する、 本発明の複合体を配合することを特徴としている。 こ の複合体の直腸投与組成物への配合量は、 0. 01〜70重量%が 望ましい。 こ こで、 複合体の配合量が極端に少ないと、 でき た製剤に充分な水膨潤性が得られず、 逆に多すぎると、 でき た製剤が脆く不安定になり好ましく ない。
本発明における直腸投与組成物は、 例えばポリ (アク リ ル 酸) と水膨潤性ゲイ酸塩鉱物からなる複合体に加えて、 薬物 および基剤などと共に通常の方法で製剤化される。 なお、 必 要に応じて、 保存剤、 安定化剤、 着色剤、 界面活性剤、 防腐 剤、 増量剤、 抗酸化剤等の各種添加物を配合してもよい。
本発明における直腸投与組成物は、 例えば、 常法において 成形した直腸坐剤、 ソフ トカプセルに充塡した直腸投与用ソ フ トカプセル、 あるいは直腸投与用注射器等を用いて投与す
る剤型などで、 患者に投与することができる。
本発明に用いられる薬物に特に制限はないが、 通常直腸投 与されう る薬物として、 例えばヒ ドロコルチゾン、 酢酸ヒ ド 口コルチゾン、 プレ ドニゾロ ン、 メ チルプレ ドニゾロ ン、 酢 酸プレ ドニゾロン、 酢酸プロ ピオン酸ヒ ドロコルチゾン、 吉 草酸酢酸プレ ドニゾロ ン、 デキサメ タゾン、 ベタメ タゾン、 ト リ アムシノ ロ ン、 酪酸ク ロベタゾン、 プロビオン酸ク ロべ タゾール、 フルオシノ ニ ド、 酢酸デキサメ タゾン、 吉草酸べ タメ タゾン、 ト リアムシノ ロ ンァセ トニ ド等のステロイ ドホ ルモン剤、 アスピリ ン、 サリ チル酸、 ァセ トァ ミ ノ フエノ ン サリ チル酸メ チル、 サリチル酸グリ コール、 メ フヱナム酸、 フルフエナム酸、 イ ン ドメ タ シン、 ジク ロフエナ ック、 ケ ト プロフ ェ ン、 イ ブプロフ ェ ン、 フルルビプロフ ェ ン、 フ ェ ン ブフェ ン、 ブフエキサマック、 ピロキシカム、 ォキシフェ ン ブタゾン、 メ ビリ ゾール、 イ ブプロフェ ンビコノール、 ク リ ダナク、 フエ二ルブタゾン、 ナプロキセン、 グリ チルリ チン グリ チルレリ ン酸、 ァズレン、 カ ンフル、 チモール、 1 ーメ ン トール等の消炎鎮痛剤、 塩酸ジブ力イ ン、 ァミノ安息香酸 ェチル、 塩酸プロ力イ ン、 リ ドカイ ン、 ベンゾカイ ン、 プロ 力イ ン、 シブカイ ン、 塩酸テロラカイ ン、 塩酸リ ドカイ ン、 テ一力イ ン、 ベンジルアルコール、 塩酸プラモキシン、 塩酸 カタカイ ン、 塩酸ブタ二力イ ン、 塩酸ビぺロカイ ン、 ク ロ口 ブタノール等の局所麻酔剤、 バルピタール、 ァモバルビター ル、 ァモノ ルビタールナ ト リ ウム、 フヱノノ ルビタール、 フ エノ ノ ルビタールナ ト リ ゥム、 セコバルビタールナ ト リ ゥム.
ベン トノ ゾレビターノレカルシウム、 へキ ソノヽ *ルビターノレ、 ト リ ク ロ フォ ス、 ブロムヮ レニル尿素、 グルテチ ミ ド、 メ タカ ロ ン、 ペルラ ピン、 ニ ト ラゼパム、 塩酸フルラゼバム、 フル二 ト ラゼバム、 エスタゾラム等の催眠鎮静剤、 シク ロホスフ ァ ミ ド、 ブスルフ ァ ン、 ノ、 ·ラァ ミ ノ サ リ チル酸、 5 —フルォ ロ ゥ ラ シル、 メ ルカプ トプリ ン、 テガフル、 メ ト ト レキサー ト . ァザチォプリ ン、 硫酸ビンブラスチン、 塩酸ドキソルビシ ン. 塩酸ブレオマイ シン、 マイ トマイ シ ン C、 サイ ク ロスポ リ ン. L—アルパラギナーゼ、 シスブラチン等の抗悪性腫瘍剤、 ク 口 ラムフエ二コール、 セフメ タゾール、 ノ シ ト ラ シン、 ぺニ シ リ ン、 セフ ァ レキ シン、 テ ト ラサイ ク リ ン、 ス ト レブ ト マ イ シ ン、 ナイ スタチン、 エ リ スロマイ シ ン、 硫酸フ ラ ジオマ ィ シ ン等の抗生物質、 酢酸ト コ フヱ ロール、 ニコ チ ン酸ベン ジルエステル、 ト ラゾリ ン、 ベラノ ミ ル、 カ フェイ ン、 シク ラ ンデレー ト、 ァセチルコ リ ン、 ニコ チン酸 ト コ フ ヱ ロール などの血行促進剤等が挙げられ、 上記薬物は必要に応じて一 種または二種以上を併用することができる。
本発明に用いられる基剤としては、 油性基剤、 水溶性基剤 のいずれでも良く、 油性基剤として、 例えば、 カ カオ脂、 パ ーム脂、 ラウ リ ン脂、 二ッケィ脂、 ココナツッ油、 ォリーブ 油、 大豆油、 ナタネ油、 ツバキ油、 ヤシ油、 落花生油、 アポ ガ ド油、 とう もろこし油、 ごま油等の植物油、 牛脂、 豚脂、 羊毛脂等の動物油、 これらの動植物油脂を硬化、 エステル交 換、 分別、 蒸溜等の加工処理することにより得られる油脂、 ワセ リ ン、 パラ フ ィ ン、 流動パラ フ ィ ン、 シ リ コ ン油等の鉱
物油、 ステアリ ン酸、 ォレイ ン酸、 ラウ リ ン酸、 ミ リ スチル 酸、 バルミチン酸等の高級脂肪酸、 セタノール、 ラウ リ ルァ ルコール、 ステアリ ルアルコ ール等の高級アルコ ール、 木口 ゥ、 ゲイ ロウ、 ミ ツロウ、 ビーズワ ックス等のワ ックス、 ゥ ィテプゾ一ル、 サボシァ一、 ファーマゾール、 0 D 0、 ノヽ 'ナ セー ト、 ココナー ド、 ミグリオール等の天然および合成の脂 肪酸ト リ グリ セライ ド等が挙げられる。 他方、 水溶性基剤と して、 例えば、 ポリ エチレングリ コール、 ポリ プロ ピレング リコール、 グリ セ リ ン、 グリ セ口ゼラチン等が挙げられ、 上 記基剤は必要に応じて一種または二種以上を併用することが できる。
本発明において滞留性を保持できるのは、 本発明に係わる 力ルポキシル基舍有親水性ポリマーと水膨潤性ケィ酸塩鉱物 の複合体が水膨潤作用を有し、 かつその比重が 1 より大きい ため、 基剤が水より重く なり、 結果として直腸腔内からの拡 散が抑えられるためと考えられる。 また、 このことを薬剤学 的な見地から考えると、 本直腸投与組成物は直腸下部に滞留 するため、 肝臓における初回通過効果を避けられ、 結果とし て薬物の生体利用率が上がり、 また、 徐々に薬物が吸収され ることで持続性も向上すると考えられる。
なお、 この直腸投与組成物は、 これ自身が持つ特性により、 膣坐剤としでの応用も期待できる。
さらに、 本発明によれば本複合体と難溶性薬剤を配合した 薬剤組成物が提供される。
難溶性薬剤は生体に投与あるいは塗布した際、 消化液や皮
脂への溶解度が低いことから、 薬効を有効に吸収させること が極めて困難である。 それ故、 難溶性薬剤の吸収性の改善を 目的として、 色々な試みがなされている。 例えば、 リポソ一 ム基剤に包埋したり、 あいは水素添加リ ン脂質マ ト リ ッ ク ス に難溶性薬剤を含有させて、 薬の吸収性を高めよう とする試 み (特開昭 61— 172832号公報) などが知られている。
しかしながら、 リ ボソーム、 水素添加リ ン脂質などを用い る方法は生体適合性には優れていても、 高い溶解度での持続 性がないこ と、 更に、 外用剤に配合した場合には、 薬剤の皮 脂への分配量が少な く、 皮脂吸収量も少ないといった欠点が ある。
これに対し、 本発明による薬剤組成物は、 カルボキ シル基 舍有親水性ポリマーと水膨潤性ゲイ酸塩鉱物からなる複合体 の優れた水分吸収作用、 並びに生体への高い安全性を利用し、 この複合体に難溶性薬剤を包接させることにより、 優れた溶 解性、 経粘膜および経皮吸収性を示す組成物が得られる。
本発明による薬剤組成物は、 上記の特異的な性質を有する 本発明の複合体と、 難溶性薬剤とを配合することを特徴とし ている。
本発明において、 難溶性薬剤とは日本薬局方に規定される 「やや溶けにく い」 、 「溶けにく い」 、 Γ極めて溶けに く い J 「ほとんど溶けない」 薬剤を言い、 具体的には二フエジピ ン、 ジピリダモル、 プレニルァ ミ ンラ ク テー ト、 エフ 口キセ一 ト 等の冠血管拡張用薬剤、 フユニ トイ ン、 フヱナセ ミ ド、 ェチ ルフヱナセ ミ ド、 エ ト ト イ ン、 プリ ミ ド ン、 フ ェ ンサク シ ミ
ド、 ニ トラゼパム、 クロナゼバン、 カルバマゼビン等の抗癲 癎用薬剤、 グリセオフルビン、 トルナフテー ト等の抗生物質、 クロゾバゾン、 フヱノプロバメ一ト等の骨格筋弛緩用薬剤、 ジフユ ンフヱ ドラ ミ ン、 メ タキジン等の抗ヒスタ ミ ン用薬剤、 ジゴキシン、 ジゴ トキシン、 コビデカ レノ ン等の強心用薬剤、 フヱニ トイ ン、 ジソビラ ミ ド等の不整脈用薬剤、 ポリチアジ ド、 スビロノ ラク ト ン、 クロルタリ ドン等の利尿用薬剤、 デ セルビジン、 メプタメ、 レセルビン、 メプタメー ト等の血圧 降下用薬剤、 プロスタグラ ンジン F、 2 orダナゾール、 メ ピ チォスタ ン等のホルモ ン剤等の水に殆ど溶解しないもの、 あ るいはある程度溶解しても溶解度が低く、 また溶解速度が極 めて遅いもの等が挙げられる。 難溶性薬剤の形状は固体、 液 体を問わず用いることができる。
次に、 本発明の薬剤組成物の製造方法をポリ (アク リル酸) と水膨潤性ケィ酸塩鉱物の例について述べる。
まず、 難溶性薬剤を有機溶媒に溶解し、 これに本発明のポ リ (アク リル酸) と水膨潤性ケィ酸塩鉱物の複合体を分散し、 充分攆拌後に有機溶媒を除去し、 充分に乾燥して本発明の薬 剤組成物を得る。 使用する難溶性薬剤の種類は、 目的とする 製剤に応じて、 一種または二種以上を同時に溶解して用いる ことができる。 溶媒除去の方法はエバポレータゃ真空乾燥機 を用いる方法が良い。 濾過等の方法によって溶媒を除去する 方法は、 溶解している難溶性薬剤まで流去してしまう ことが あり、 好ましく ない。 有機溶媒としてはエタノール、 メタノ ール、 アセ ト ン等、 一般に使用されるもので良いが、 薬剤が
均一に溶解する溶媒種および溶媒量が必要である。 また、 複 合体を分散させる時の温度は、 難溶性薬剤が溶解し得る温度 であれば何度でもよ く、 薬剤の種類によっては室温でも充分 である。
本発明の薬剤組成物において、 ポリ (アク リル酸) と水膨 潤性ケィ酸塩鉱物の複合体に対する難溶性薬剤の比率は特に 限定されないが、 一般に 10 %を超えると難溶性薬剤の包接が 不充分となり、 薬剤の結晶が折出することもあるため、 10 % 以下が好ましい。 また、 本発明の薬剤組成物は、 複合体調製 時のポリ (アク リル酸) と水膨潤性ゲイ酸塩鉱物の種類ある いは配合比を変えることで、 薬剤の包接能を調節でき、 結果 として、 薬剤の溶解速度を調節できる。 なお、 本発明の薬剤 組成物は、 複合体を基剤中で難溶性薬剤と混合しても調製可 能であり、 何ら差し支えない。
本発明の薬剤組成物には上記の必須成分に加えて、 通常、 医薬品、 医薬部外品、 化粧品、 食品、 農薬等で使用されてい る他の成分、 例えば、 ビタ ミ ン A油、 レチノール、 酢酸レチ ノ ール等のビタ ミ ン A類、 リ ボフ ラ ビン、 酪酸リ ボフ ラ ビン フ ラ ビンアデニンジヌ ク レオチ ド等ビタ ミ ン B 2 類、 ピリ ド キシ ン塩酸類、 ピリ ドキシ ンジォクタノ エー ト等のビタ ミ ン B 6 類、 L ーァスコルビン酸、 L ーァスコ ルビン酸ジパル ミ チン酸エステル、 L ーァスコルビン酸一 2 —硫酸ナ ト リ ウム 等のビタ ミ ン C類、 ノ、'ン ト テ ン酸カルシウム、 D —パン トチ ニゾレアノレコ一ノレ、 ノヽ *ン ト テニノレエチノレエーテノレ、 ァセチノレノヾ ン トテュルェチルエーテル等のバン ト テ ン酸類、 ェルゴカル
シフエロール、 コ レカルシフェロール等 ©ビタ ミ ン D類、 二 コチン酸、 ニコチン酸ア ミ ド、 ニコチン酸べンジル等のニコ チン酸類、 or — トコフェロール、 酢酸トコフエロール、 ニコ チン酸 D L— ατ— トコフェロール、 コ ノヽク酸 D L — or— トコ フエロール等のビタ ミ ン E類、 ビタ ミ ン P、 ピオチン等のビ タ ミ ン類、 アポガド油、 パーム油、 ピーナツ油、 牛脂、 コメ ヌカ油、 ホホバ油、 月見草油、 カルナバロウ、 ラノ リ ン、 流 動バラフ イ ン、 スクヮラン、 ノヽ 'ルミチン酸イ ソステア リル、 ィ ソステアリ ルアルコール、 ト リ 一 2 —ェチルへキサン酸グ リセリ ン等の油分、 グリ セリ ン、 ソルビ トール、 ポリ エチレ ングリ コール、 1 , 3 —ブチレングリ コール、 コ ラーゲン、 ヒアルロ ン酸、 コ ン ドロイ チン硫酸、 デキス ト ラ ン硫酸ナ ト リ ゥム等の保湿剤、 バラジメ チルァ ミノ安息香酸ァ ミル、 2 ーヒ ドロキシー 4 ーメ トキシベンゾフエノ ン一 5 —スルホン 酸ナ ト リ ウム、 ゥ ロカニン酸、 ジイ ソプロ ビルケィ ヒ酸ェチ ル等の紫外線吸収剤、 エリ ソルビン酸ナ ト リ ウム、 パラ ヒ ド 口キシァ二ソール等の酸化防止剤、 ステアリル硫酸ナ ト リ ウ ム、 セチル硫酸ジエタノールァ ミ ン、 セチル ト リ メ チルアン モニゥムサッカ リ ン、 イ ソステアリ ン酸ボリ エチレングリ コ ール、 ァラキン酸グリ セリル、 ジグリセ リ ンジイ ソステアレ ー ト、 リ ン脂質等の界面活性剤、 ェチルパラベン、 ブチルバ ラベン等の防腐剤、 グリチルリ チン酸誘導体、 サリ チル酸誘 導体、 ヒノ キチオール、 酸化亜鉛、 アラ ン トイ ン等の消炎剤. 胎盤抽出物、 グルタチオン、 ユキノ シタ抽出物等の美白剤、 ォゥパ 'ク、 ォゥ レン、 シコ ン、 シャクャク、 センブリ、 ノヾー
チ、 セージ、 ビヮ、 ニンジン、 アロエ、 ゼニァオイ、 ァイ リ ス、 ブドウ、 ョクイニン、 へチマ、 ユリ、 サフラン、 センキ ユウ、 ショ ウキ ヨ ウ、 オ トギリ ソゥ、 オノ ニス、 ローズマリ 一、 ニンニク等の抽出物、 ローヤルゼリー、 感光素、 コ レス テ π—ル誘導体、 幼牛血抽出物等の賦活剤、 τ 一オリザノ ー ル等の血行促進剤、 硫黄、 チア ン トール等の抗脂漏剤、 カル ボキシメ チルセルロース、 カルボキシヒ ドロキシプロ ビルセ ルロース等の増粘剤、 チタンイェロー、 カーサミ ン、 ベニバ ナ赤等の色剤、 ボリ エチレン、 ナイ 口ン等の樹脂粉末、 香料. 水、 アルコ ール等を必要に応じて適宜配合することができる, 更に、 本発明によれば、 本複合体を配合した皮膚潰癟舛用 剤が提供される。
褥瘡や火傷に起因する多く の潰瘍は、 肉芽組織の露出や、 摻出液の増加に伴って細菌感染がみられ、 敗血症ゃ菌血症の 全身感染に至ることもある。 これを防ぐ目的で、 皮膚潰瘍部 からの摻出液を貯溜することな く吸収してしまう吸収体と、 薬物を配合した皮 Jf潰瘍外用剤が使われる。 そのような吸収 体として、 これまではデキス ト リ ンおよびデキス ト ラ ン架橋 体、 白糖、 水酸化アルミニウムゲルなどが利用されていた。 しかし、 これらは何れも、 皮廣潰瘍部を適切な平衡水分に保 ちつつ、 充分に摻出液を吸収には大量に配合せねばならなか つた。
これに対し、 本発明による複合体は少量で充分にこれらの 機能を果たすこ とができ、 また、 摻出液を吸収すると弾性的 なゲルとなり、 潰瘍部を保護する働きを有している。 従って
本複合体を配合することで、 これまでにない皮膚潰瘍外用剤 を提供できる。 この皮] f潰癟外溶剤は通常の方法で製剤化さ れるが、 必要に応じて、 本複合体と薬物のほか、 保存剤、 着 色剤、 増量剤等の各種添加物も配合される。 本複合体の配合 量は特に限定されないが、 体内からの分泌液を吸収するため には 5重量%以上であることが望ましい。 本発明に用いられ る薬物は特に制限されないが、 種々の 4級アンモニゥム塩、 ョー素、 コ リ ドンョー素などの殺菌剤のほか、 肉芽形成促進 剤、 前述の各種抗生物質および血行捉進剤などが配合される < 剤型も特に限定されないが、 軟膏、 ク リーム、 ローシ ョ ン、 バウダースブレーなどが有用である。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、 本発 明はこれによって限定されるものではない。
実施例 1
ハイ ビス 104(和光純薬) 2 %水溶液と、 ラボナイ ト X L G (ラボルテ社) 2 %水分散液を、 ハイビス 104 の固形分換算 重量分率が 0.2, 0.35, 0.5, 0.65, 0.75, 0.85, 0.95となる ように加え、 ホモミキサーで均一に混合した後、 それぞれを 2 N NaOHで pH6. 3 とした。
次に、 攬拌しながら、 それぞれにアセ ト ンを 2倍量加え、 白濁させ、 これを 3000rpmで 10分間遠心分離し、 沈澱を回収 した。 回収した各々の沈澱を 60'Cで 16時間真空乾燥し、 種々 の複合体粉末を得た (収率いずれも 90%以上) 。
これらの各複合体について、 ゲル化時のゲル強度と膨潤能 を評価するため、 純水中での硬度および膨潤倍率を調べた。 硬度は複合体を純水に 0. 5 %となるように分散し、 充分、 膨 潤させた後、 ネオカードメ一ター (飯尾電機工業社製、 M— 302 型) で測定した。 また、 膨潤倍率は、 市販のティ一バッ グに複合体を 50 mg採り、 それを 1000 の純水中に約 1時間放 置した時の重量増加分から算出した。 対照としてハイ ビス 104 中和 ラボナイ ト X L G、 ァエロジル # 300 、 紙おむつ用 吸水樹脂 CA— W4 (日本触媒) についても測定した。 結果を第 2表に示した。
第 2表 ハイ ビス 104 ノラボナィ ト X L G複合体の
硬度および膨潤倍率 複合体のハイ ビス 104 膨潤倍率 重量分率 (純水)
0. 2 2 104
0. 3 5 5 151
0. 5 12 243
0. 6 5 16 347
0. 7 5 20 510
0. 8 5 24 478
0. 9 5 8 450
(対照) ハイ ビス中和品 1 353
ラボナイ ト X L G 0 106
ァエ ロ ジル # 300 0 120
C A - W 4 3 287
第 2表から明らかなように、 本発明の複合体は硬度、 膨潤 倍率ともに優れている。 特にハイ ビス 104 の重量分率が 0. 3 を超えるものが優れていることがわかる。
上記ハイ ビス 104 重量分率 = 0.85の複合体の 0. 5 %ゲルの 流動曲線を、 ハイ ビス 104 中和品の 1 %ゲル、 およびラボナ ィ ト X L Gの 2 %ゲルに対する流動曲線と共に第 3図に示し た。 複合体のゲルは、 濃度が最も低いにも拘らず、 最も高い 降伏値と粘度を有していることが分かる。
また、 実施例 1 で得られたハイ ビス 104 重量分率 = 0.75の 複合体の赤外吸収スぺク トル(KBr測定) を第 1図に示す。 実施例 2および 3
ハイ ビス 104(和光純薬) 2 %水溶液とラボナイ ト X L G (ラボルテ社) 2 %水分散液を用いる代わりにカルボキ シメ チルセルロース (五徳薬品、 TPT— 1200) 2 %水溶液とラボ ナイ ト X L G (ラボルテ社製) 2 %水分散液を用い、 カルボ キ シメ チルセルロースの固形分換算重量分率を 0.1, 0.2, 0.3, 0.4, 0.6, 0.7, 0.8 および 0. 9 となるようにそれぞれ 加えた以外は、 実施例 1 の調製方法および評価方法を繰り返 した。 なお、 対照は原料単独の評価である。
また、 出発原料としてハイ ビス 104(和光純薬) 2 %水溶液 とァエロジル #300 (日本ァエロジル社製) 2 %水分散液を用 い、 ハイ ビス 104 の固形分換算重量分率が 0.2, 0.35, 0.5, 0.65, 0.75, 0.85, 0.95となるように加えた以外は実施例 1 の調製方法および評価方法を繰り返した。 得られた複合体 (ハイ ビス 104 の重量分率 =0.75) の FT— IR吸収スぺク トル
(KBr錠) を第 2図に示す。 評価結果を第 3表と第 4表にそれ ぞれ示す。
第 3表 TPT— 1200 /ラボナイ ト X L G複合体の硬度
TPT— 1200の重量分率
生理食塩液中
0. 1 1
0. 2 3
0. 3 4
0. 4 1
0. 6 0
0. 7 0
0. 8 1
0. 9 0
(対照) TPT-1200 0
ラボナイ ト X L G 0
第 4表 ハイ ビス 104 ノアエロ ジル #300 複合体の 度および膨_潤倍 複合体のハィ ビス 104 硬 度 膨潤倍率
(1.0%) (純水)
0. 2 0 102
0. 3 5 0 148
0. 5 52.5 233
0. 6 5 52.4 398
0. 7 5 40.3 488
0. 8 5 42.4 409
0. 9 0 38.0 482
粘 度
本発明の複合体 (ハイ ビス 104 重量分率 = 0.75) の 1. 0 % ゲルの流動曲線を、 ハイ ビス 104 中和品の 1. 0 %ゲルに対す る流動曲線とともに第 4図に示した。
第 4図より複合体のゲルは、 濃度が低いにもかかわらず、 ハイ ビス 104 より も高い降伏値を有していることがわかる。 比較例 1
従来技術を評価するため、 直鎖状ポリ (アク リル酸) また は架橋型ポリ (ァク リル酸) と、 水酸化マグネシゥム、 水酸 化カルシウム、 水酸化アルミ ニウム、 硫酸アルミ ニウム、 力 リ ミ ヨ ウバン、 シリカゲルまたはラボナイ ト X L Gとの組み 合わせで複合体の調製を試みた。 即ち、 前者の 3 %水溶液 ΙΟΟηζΠこ、 後者の 1 %水分散液 lOOflzfiを加え、 均一に混合後,
攬拌しながら 5 %水酸化ナ ト リ ウムで中和した。 それに 500 のアセ ト ンを加え、 沈澱を吸引濾過で回収した。 次に、 そ れを 50てで 16時間真空乾燥し、 必要ならば乳ばちで粉碎して. 各種複合体粉末を得た。 また同時に、 Emersonの複合体も、 文献に従い調製を試みた。 これらの複合体について、 実施例 1 と同じように、 純水中での硬度と膨潤倍率を調べた結果を 第 5表に示す。 いずれの系でも、 本発明による複合体ほどの 硬度と膨潤倍率を持たないことが分かる。 なお、 本発明の酸 性多糖類を用いる複合体は硬度自体はあまり上昇しないがゲ ル強度が塩の影響を受け難い点に特徴がある。
第 5表. 従来の の評価 (比 組 み 合 わ せ 膨潤倍率
(純水)
Emerson 0複合体 0 84 ハィ ビス 104/Mg(0H)2 0 211 ハィ ビス 104ノ Ca(OH) 2 沈毅凝集… ハイ ビス 104/A£ (OH) 3 0 218 ハィ ビス KHZAjg 2(S04)3 0 265 ハィ ビス 104ノカ リ ミ ヨ ウバン 10 376 ハィ ビス 104/シ リ 力ゲル 12 347 実施例 4
平均分子量 25万、 75万、 100万、 400万の直鎖状ポリ (アク リル酸) の 3 %水溶液 ΙΟΟηώそれぞれにラボナイ ト XLG 1 %水分散液 を加え、 均一に混合後攬拌しながら
5 %水酸化ナ ト リ ウムで pH6.25とした。 それに 500 のァセ ト ンを加え、 生じた沈殺を吸引濾過で回収した。 次に、 それ を 50てで 16時間真空乾燥し、 必要ならば更に乳ばちで粉砕し て各種の複合体粉末を得た。 この複合体について、 実施例 i と同じように、 純水中で硬度および膨潤倍率を調べた。 結果 を第 6表に示す。 なお表中、 PAA(25): PA 75), PAfl(lOO), PAA(400)とは、 それぞれ平均分子量 25万、 75万、 100万、 400 万のポリ (アク リル酸) を意味する。 ポリ (アク リ ル酸) の 分子量が大きければ大きいほど、 硬度と膨潤倍率も大き く な るが、 少な く とも 50万の平均分子量であれば複合化すること が分かる。
第 6表 直鎖状ボリ (アク リ ル酸) とラボナイ ト
X L Gとの複合休 組 み 口 わ せ 硬 度 膨潤倍率
(0.5%) (純水)
PAAC25) /ラポナィ 卜 X L G …分 離…
PAAC75) /ラポナィ V X L G 4 350
PAAC100) /ラボナィ V X L G 10 348
PM(400)ノラボナィ V X L G 13 422 実施例 5
カーボポール 934(グッ ドリ ツチ社) の 3 %水溶液 500m こ、 クニビア (クニミネ工業) 、 ビーガム (パンダービル ト社) 、 スメ ク ト ン S A (クニミネ工業) またはラボナイ ト X L Gの 各種スメ クタイ ト種層状ケィ酸塩鉱物の 1 %水分散液それぞ
れを 500 me加え、 均一に混合した後、 無水酢酸ナ ト リ ゥム 25 gを加え、 良く攪拌しながら 10 %水酸化ナ ト リ ウ ムで P H 6. 4 とした。 次に、 これに 1500 w£メ タノールを加え、 生じた沈澱 を吸引濾過により分取した。 残留している酢酸ナ ト リ ウムを 除去するため、 この沈澱を更に 2回メ タノ ールで洗った後、 室温で約 20時間真空乾燥して、 複合体粉末を 18. 9 g得た。 こ れらの各複合体について実施例 1 と同じように、 純水中にお ける硬度および膨潤倍率を測定した。 結果は第 7表に示す通 りであった。 実施例 1 の複合体と同等の硬度と膨潤倍率を有 している こ とがわかる。
第 7表 力一ボポ一ル 934 ノスメ クタイ ト系ゲイ酸
鉱物複合体 置度および膨潤倍率 水膨潤性ケィ酸塩 硬 度 膨潤倍率 鉱物名 (0. 5 % ) (純水) ク ニビア 19 485 ビ一ガム 20 496 スメ ク ト ン S A 21 546 ラボナイ ト X L G 20 510 実施例 6
実施例 5 と同じように、 カーボポール 934 の 3 %水溶液 500 に、 クニビア、 ビーガム、 スメ ク ト ン S Aまたはラボナイ ト X L Gの 1 %水分散液 500 ^をそれぞれ均一に混ぜ、 攪拌 しながら 10 %水酸化ナ ト リ ウムで pH 6. 0 とした。 それぞれを そのままスプレー ドライ して複合体の乾燥微粉末を得、 純水
中における硬度および膨潤倍率を測定した。 結果を第 8表に 示した。 この結果より、 有機溶剤を使わな く とも、 実施例 5 と同等の性質を持った複合体が得られることが分かる。
第 8表 スプレードライにより調製したカーボポール
934 ノスメ クタイ ト系ケィ酸塩鉱物複合体の 硬度および膨潤倍率 水膨潤性ケィ酸塩 硬 度 膨潤倍率 鉱物名 (0.5%) (純水) ク ニビア 20 492 ビーガム 20 486 スメ ク ト ン S A 21 509 ラボナイ ト X L G 210 518 実施例 Ί
ハイ ビス 103 の 4 %水溶液 100»ώと、 バーミキユラィ トま たはシャモサイ トの 1 %水溶液 100fl?£それぞれを均一に混合 した後、 攆拌しながら 5 %水酸化力リ ゥムを加えて ΡΗ6. 3 と した。 これにイ ソプロパノール 300ηώを加え、 複合体の沈澱 を折出させ、 一昼夜放置した。 上澄を捨てて、 沈澱を回収し それを 120ての加熱乾燥機内に 6時間置き、 複合体の粉末を 得た。 それについて、 実施例 1 と同じように、 純水中におけ る硬度および膨潤倍率を測定した。 その結果を第 9表に示す,
第 9表 バーミキユラィ トおよびシャモサイ ト との複合体 組 み 合 わ せ 硬 度 膨潤倍率
(0.5%) (純水) ハィ ビス 103 /バ一ミキュラィ ト 19 471 ハィ ビス 103 /シャモサイ 18 453 実施例 8
実施例 1 で調製した、 ハイ ビス 104 重量分率 = 0.85の複合 体 0. 3 g と、 ラボナイ ト XLG 3. 5 g と、 ハイ ビス 104 の中和 乾燥品 1. 2 gをそれぞれ、 pH 4 と 8の 10mMリ ン酸緩衝液 100 に分散させ、 得られたゲルを 50'Cの恒温槽に密封系で二力 月間放置した。 二力月後のゲルの状態を第 10表にまとめた。 本発明の複合体はすぐれた熱安定性を有していることが分か る。
第 10表 複合体の安定性 試 料 安定性 安定性
( H 4) (PH 8)
複 合 体 安 定 安 定 ラボナイ ト X L G 沈 澱 安 定 ハィ ビス 104 中和品 やや離水 安 定 実施例 9
ハィ ビス 104 の 1 %水溶液とラボナイ ト X L Gの 1 %水溶 液を、 重量で 3 : 1 に混合後、 それを 9つに小分けして、 そ
れぞれ 10%水酸化ナ ト リ ゥムで PHを 4から 10まで調整した。 この時点で、 種々の PHのゲルの硬度を測定後、 各々 2倍量の アセ ト ンを加え、 複合体を沈殺として回収し、 60てで真空乾 燥して複合体粉末を得た。 これらの粉末を再び純水に 1 %と なるように分散し、 その硬度を測定した。 結果を第 11表に示 した。 乾燥前後とも PH 5〜 7で、 その中でも特に 6. 0〜 6. 5 でゲルの硬度が極大値を有することが分かる。 更に、 乾燥に より硬度が約 2倍に上异することも分かる。
第 11表 ゲル硬度の PH依存性と乾燥の影響 乾燥前 ρΗ 乾燥前の硬度 乾燥後の硬度
( 1 % ) ( 1 % )
4. 3 9 1 7
5. 0 1 8 3 4
5. 4 2 3 4 2
6. 0 2 7 5 0
6. 3 2 9 5 1
6. 6 2 6 4 9
7. 1 2 3 4 5
8. 6 2 2 4 5
9. 8 2 1 4 4 実施例 10
実施例 9で PH 6. 3のゲルから乾燥して調製した複合体と、 現在、 紙おむつに使われている吸水性高分子 (日本触媒、 CA - W4) の純水に対する膨潤速度を調べた。 試験方法は、 シャ
ーレの中の純水に脱脂綿を垂らし、 その上に被検物質を載せ た不織布をセ ッ トするという簡単な方法を採用した。 膨潤速 度は被検物質の重量の経時変化により調べた。 結果を第 12表 にまとめた。 両者とも、 ほぼ同等な膨潤速度を持っているこ とが分かる。
第 12表 膨潤速度 時 間 膨 潤 1Π 年
(分) 複合体 CA-W4
0 1 1
3 1 1
6 8 9
1 0 2 5 2 0
1 5 1 5 5 1 6 0
6 0 2 9 0 2 7 0
1 2 0 3 5 0 3 3 0 実施例 11
実施例 9で PH6. 3のゲルから乾燥して調製した複合体を、 メ スシリ ンダ一に取つた pH 1 〜 8の Mcllvain緩衝液、 日本薬 局方収載の 1液 (人工胃液) および 2液 (人工腸液) の中に 入れ、 膨潤倍率の平衡値を調べた。 この場合、 膨潤倍率はメ スシリ ンダ一の目盛りから読んだ。 結果を第 13表にまとめた, 膨潤倍率は PHに強く依存しているこ とが明らかである。
第 13表 膨潤倍率の PH依存性
PH 膨潤倍率
2. 2 8
2. 6 1 2
3. 0 2 2
3. 4 3 6
3. 8 4 8
4. 2 6 2
4. 6 7 6
5. 0 8 0
5. 4 8 0
5. 8 8 1
7. 0 8 2
8. 0 8 0
人工胃液 ( 1. 2 ) 9 人工腸液 ( 6. 8 ) 1 2 0 実施例 12
ボ リ (メ タ ク リ ル酸)(ゼネ ラルサイ エ ンス社) 2 %水溶液 と、 ラボナイ ト X L G (ラボルテ社) 2 %水分散液を、 出発 原料として用いる以外は実施例 1 の調製方法および評価方法 を繰り返した。 第 2表と同様な評価結果を第 14表に示す。
第 14表 ポリ (メ タク リ ル酸) /ラボナイ ト X L G 顏合 _体の硬度および膨潤倍率 複合体のポリ (メ タ 膨潤倍率 ク リ ル酸) 重量分率
(≠ * 'ΡϋyJkN. ノ)
0. 2 1
0. 3 5 4 1 4 5
0. 5 1 0 2 3 6
0. 6 5 1 3 3 8
0. 7 5 1 9 4 9 2
0. 8 5 2 2 4 6 9
0. 9 5 6 4 3 1 ラボナイ ト X L G 0 1 0 6
C A - W 4 3 2 8 7
第 14表から明らかなように、 本発明の複合体は硬度、 膨潤 倍率ともに優れている。 特にポリ (メ タク リ ル酸) の重量分 率が 0. 3を超える ものが優れていることがわかる。
実施例 13
ポリ (アク リ ル酸) に代え同様な平均分子量を有するボリ (メ タク リ ル酸) を用いる以外は実施例 4を操り返した。 こ う して得られた複合体について、 実施例 12と同じよう に 純水中での硬度および膨潤倍率を調べた。 結果を第 15表に示 す。 なお表中、 PMA 25), ΡΜΑΑ(75) , ΡΜΑΑ(ΙΟΟ) , ΡΜΑΑ(400) とはそれぞれ平均分子量 25万、 75万、 100万、 400万のポリ メ タク リ ル酸を意味する。 ポリ (メ タク リ ル酸) の分子量が
大きければ大きいほど、 硬度と膨潤倍率も大き く なるが、 少 な く とも平均分子量 50万以上であれば複合化するこ とが分か る。
第 15表 直鎖状ポリ (メ タク リ ル酸) と
ラボナイ ト X L Gとの複合体
力一ボボ一ル 934 (グッ ドリ ッチ社) を出発原料として用い る代わりにポリ (メ タク リ ル酸)(ゼネラルサイ エ ンス社) を 用い、 均一混合物の PH調整に ρΗ6. 4 の 10%水酸化ナ ト リ ウム を用いる代わりに PH 6. 3 のそれを用いる以外は実施例 5を繰 り返した。 結果を第 16表に示す。
第 16表 ボリ (メ タク リ ル酸) Zスメ クタイ ト系ゲイ 酸塩鉱物複合体の硬度および膨潤倍率 水膨潤性ゲイ酸塩鉱物 硬 度 膨潤倍率
(0.5%) (純水) クニビア 16 455 ビーガム 19 466 スメ ク ト ン S A 20 464 ラボナイ ト X L G 19 500 実施例 15
実施例 14と同じように、 ボリ (メ タク リル酸)(ゼネラルサ ィ エンス社) の 3 %水溶液 500ffl£と、 クニビア、 ビーガム、 スメ ク ト ン S Aまたはラボナイ ト X L Gの 1 %水分散液 500 ^を均一に混ぜ、 攪拌しながら 10%水酸化ナ ト リ ゥムで PH 6. 3 とした。 それぞれをそのままスプレードライ して複合体 の乾燥微粉末を得、 純水中における硬度および膨潤倍率を測 定した。 結果は第 17表の通りであった。 結果より、 有機溶剤 を使わなく とも、 実施例 14と同等の性質を持った複合体が得 られることが分かる。
第 17表 スプレードライにより調製したポリ (メタ ク リル酸) Zスメ クタイ ト系ケィ酸塩鉱物 複合体の硬度および膨潤倍率 水膨潤性ケィ酸塩鉱物 膨潤倍率
(純水)
ク ニビア 17 462 ビーガム 19 466 スメ ク ト ン S A 19 480 ラボナイ ト X L G 20 488 実施例 16
ボリ (メ タク リル酸) 1 %水溶液とラボナイ ト XLG 1 %水 溶液を重量で 3 : 1 に混合後、 それを 9つに小分けして、 そ れぞれ 10 %水酸化ナ ト リ ゥムで pHを 4から 10まで調整した。 この時点で、 種々の pHのゲルの硬度を測定後、 各々 2倍量の アセ ト ンを加え、 複合体を沈澱として回収し、 60 'Cで真空乾 燥して複合体粉末を得た。
これらの粉末を再び純水に 1 %となるように分散し、 その 硬度を測定した。 結果を第 18表に示した。 乾燥前後とも P H 5 〜 Ίで、 その中でも特に 6. 0〜 6. 5でゲルの硬度が極大値を 有することが分かる。 更に、 乾燥により硬度が約 2倍に上昇 することも分かる。
第 18表 ゲル硬一度の P H依存^ ^燥の影響 乾燥前 P H 乾燥前の硬度 乾燥後の硬度
( 1 % ) V 0
9 1 5
(J* 1 7
5. 4 2 1 4 0
6. 0 2 5 4 7
6. 3 2 8 5 0
6. 6 2 4 4 6
7. 1 2 2 4 3
8. 6 2 0 4 1
9. 8 1 8 3 8 実施例 17
実施例 16の pH 6. 3のゲルから乾燥して調製した複合体を用 いる以外は実施例 10と同様に試験した。
結果を第 19表に示す。 従来技術の吸水性高分子 CA— W4 (日 本触媒株製) と本発明の複合体は同等な水膨潤速度を有する ことがわかる。
第 19表 膨潤速度 時 間 膨 潤 倍 率
(分) 複合体
0 1 1
3 1 1
6 8 9
1 0 2 4 2 0
1 5 1 5 1 1 6 0
6 0 2 7 0 2 7 0
1 2 0 3 4 0 3 3 0
(ゲル状芳香組成物の製造と評価)
実施例 18
複合体の調製一 1
分子量約 400万のポリ (ァク リル酸)(アルドリ ツチ社) の 2 %水溶液に、 水膨潤性ケィ酸塩鉱物であるラボナイ ト X L G (ラボルテ社) 、 クニビア、 スメ ク ト ン S A (以上、 クニ ミネ工業社) 、 ビーガム (バンダービル ト社) の 2 %水分散 液のいずれかを、 ポリ (アク リル酸) の固形分換算重量分率 が 0. 75となるように加え、 ホモミキサーで均一に混合した後 それぞれを 2 N NaOHで pH 6. 3 とした。 次に、 攙拌しながら、 それぞれにエタノールを 2倍量加え、 複合体の粉末を沈澱画 収した。 回収した各々の沈澱を 60 'Cで 16時間真空乾燥し、 種 々の複合体粉末を得た (収率はいずれも 90 %以上) 。 得られ た複合体を用いて以下のゲル状芳香組成物を製造した。
複合体の調製一 2
前記水膨潤性ケィ酸塩鉱物としてァエロジル # 200 , # 300 : # 380 を用いる以外は複合体の調製— 1 の方法を繰り返した < 複合体の調製一 3
カルボキシメ チルセルロース (五徳薬品、 TPT— 1200) 2 %水溶液を、 まずアンバーライ ト I R—120B (オルガノ) でィ オ ン交換し、 次に、 これに水膨潤性ゲイ酸塩鉱物としてラボ ナイ ト X L G (ラボルテ社) 、 クニピア (クニ ミネ工業) 、 ビーガム (バンダービル ト社) 、 スメ ク ト ン S A (クニミ ネ 工業) 、 局方ベン トナイ ト各 2 %水分散液のいずれかを、 力 ルポキシメ チルセルロースの固形分換算重量分率が 0. 75とな るように加えた。 これを、 ホモミキサーで均一に混合し、 そ れぞれを 2 N NaOHで pH 6. 3 とした。 次に、 攬拌しながら、 そ れぞれにエタノ ールを 2倍量加え、 複合体を沈澱回収した。 回収した各々の沈澱を 60 'Cで 16時間真空乾燥し、 種々の複合 体粉末を得た (収率はいずれも 90 %以上) 。
以上で得られた複合体を用いて、 以下のゲル状芳香組成物 を製造した。
実施例 19
香料に酸化防止剤および着色剤を溶解後、 それぞれをィォ ン交換水で膨潤させた各複合体ゲル中へ分散させ、 密封した ( 香 料 3 1. 6
酸化防止剤 0. 3
着色剤 適量
複合体 * 1. 5
ィォ ン交換水 6 6. 6
〔 *ポリ (アク リル酸) Zラボナイ ト複合体 (対応する製品 PA L— 1)、 ボリ (アク リル酸) アエロジル # 300 複合体 (対応する製品 : PAE3— 2)またはカルボキシメ チルセルロ ー スノラボナイ ト複合体 (対応する製品 : CML— 3)〕 。
実施例 20
エチルアルコールを 40 'C に加熱し、 セオ ドール、 香料、 酸 化防止剤、 着色剤を溶解して、 室温まで放冷した後、 それを ィォン交換水で膨潤させた複合体ゲル中へ分散させ、 密封し た。
香 料 3. 2 ェ チノレア ゾレコ一ノレ 0. 6 セオ ドール E— 2020 (日本ェマルジヨ ン社) 2. 5 酸化防止剤 0. 1 着色剤 適量 複合体 * 2. 0 ィ ォ ン交換水 9 1. 6
( *ポリ (アク リ ル酸) ノク ニビア複合体 (対応する製品 : PM— 1)、 ポリ (アク リル酸) ノアエロジル # 200 複合体 (対応する製品 : PAB2— 2)またはカルボキ シメ チルセル口一 スノクニビア複合体 (対応する製品 : CMK— 3)〕
実施例 21
実施例 20と同一の成分を次の組成で調製する以外は実施例 20を繰り返した。
香 料 4. 8
ェチルアルコ ル 1 6. 8 セォ ドール E 2020 2. 5 酸化防止剤 0. 1 着色剤 適量 複合体 * 0. 5 ィ ォン交換水 7 5. 3
〔 *ポリ (アク リ ル酸) /クニピア複合体 (対応する製品 : PAK - 11 ) 、 ポリ (アク リ ル酸) ノアエロジル # 200 複合体 (対応する製品 : PAE2 - 22) または力ルボキシメ チルセル口
—ス /ビーガム複合体 (対応する製品 : CMB— 3)〕
実施例 22
3 —メ チル一 3 —メ ト キ シブタ ノ ールを 40て に加熱し、 セ ォ ドール、 香料、 酸化防止剤、 着色剤を溶解して、 室温まで 放冷した後、 それをイ オ ン交換水で膨潤させた複合体ゲル中 へ分散させ、 密封した。
香 料 2. 5
3 —メ チルー 3 —メ トキシブタノ ール 4 2. 4 セォ ドール E - 2020 5. 0 酸化防止剤 0. 1 着色剤 適量 複合体 0. 4 ィ ォン交換水 4 9. 6
〔 *ポリ (アク リル酸) ノスメ ク ト ン複合体 (対応する製品
PA S— 1 )、 ポリ (ァク リ ル酸) ノアエロ ジル # 300 複合体
(対応する製品 : PAE3— 22) またはカルボキシメ チルセル口 ース Zスメ ク ト ン複合体 (対応する製品 : CMS— 3)〕
実施例 23
エチルアルコールおよび 3 —メ チル一 3 —メ トキシブタノ —ルを 40 'C に加熱し、 Tween 60、 香料、 酸化防止剤、 着色剤 を溶解して、 室温まで放冷した後、 それをイオン交換水で膨 潤させた複合体ゲル中へ分散させ、 密封した。
香 料 1. 0 エチルアルコール 2 0. 0
3 —メ チルー 3 —メ トキシブタノ一ル 3 8. 8
Twee n 60 (日本ケ ミ カルズ) 6. 5 酸化防止剤 0. 1 着色剤 適量 複合体 * 1. 0 ィ ォ ン交換水 3 2. 6
〔 *ボリ (ァク リル酸) ノスメ ク ト ン複合体 (対応する製品: PA S— 11 ) 、 ポリ (アク リル酸) /ァエロジル # 300 複合体 (対応する製品 : PAE3— 222)またはカルボキシメ チルセル口 ースノラポナイ ト複合体 (対応する製品 : CML— 33) 3 比較例 2
イオン交換水に寒天を加え 90〜: 100 'Cで加熱溶解し、 Tween 60、 香料およびメ チルパラベンを 50〜60 で添加して、 50 g を一定の容器に流し込み、 室温で放冷した後、 密封した。
寒 天 1. 7
プロ ピレ ング リ コール 5. 0
メ チルバラベン 0. 2
Twe en 60 (日本ケ ミ カノレズ) 1. 5
香 料 5. 0
ィォン交換水 8 6. 6
比較例 3
ィォン交換水に力ラギーナンを加え 60〜70てで加熱溶解し. T w een 60、 香料およびメチルパラベンを 50〜60 'Cで添加して 50 gを一定の容器に流し込み、 室温で放冷した後、 密封した,
カ ラギ一ナ ン 3. 5
プロ ビレ ングリ コール 3. 0
メ チルバラベン 0. 2
Tween 60 (日本ケ ミ カルズ) 1. 5
香 料 5. 0
ィォン交換水 8 6, 6
比較例 4
香料にシリカゲルを加え、 これをイオン交換水で膨潤させ た吸水性高分子ゲル中に分散させ、 密封した。
香 料 1. 0 シ リ カゲル ( シオノ ギ製薬) 0. 5 吸水性高分子 (太陽化学社製バルガス 500 B ) 0. 5 ィォン交換水 9 8. 0 比較例 2〜 4、 および実施例 19〜23で調製したゲル状芳香
組成物について、 以下の安定性を調べた。
( a ) 保存時の香料の安定性
各ゲル状芳香組成物を 1 力月間、 一 5〜40 'C に放置し、 専 門パネルによる匂いの評価を官能で、 以下の基準に従って判 定した。
1 : 全く変化なし。
2 : 僅かに変化あり。
3 : 若干変化あり。
4 : やや変化あり。
5 : 明らかに変化あり。
( b ) 保存中の中味の安定性
各ゲル状芳香組成物を 1 力月間 一 5〜40 °Cに放置して、 外観の変化、 特に離水を観察した, 判定は上記項目 ( a ) と 同様に行った。 ( a ) および ( b ) の評価結果を第 20表に示 す。
第 20表 香料の安定一性評価結果 安 定 性 ( a ) 安定性 ( b )
( c ) 匂い立ちおよび表面状態の経時変化
各ゲル状芳香組成物を開放して 22〜25 'Cの室温に放置し
2週間後および 1 力月後に、 ゲルからの句い立ちおよびその 表面状態を観察した。 表面状態の判定は上記項目 ( a ) と同 様に行ったが、 旬い立ちの判定は以下の評価基準に従って実 施した。 結果は第 21表の通りであった。
1 : 匂い立ちが非常に強い。
2 : 匂い立ちがやや強い。
3 :普 通
4 : 匂い立ちがやや弱い。
5 : 句い立ちが非常に弱い。
第 21表 ¾い立ちおよび表面状態の評価 果 匂 い 立 ち 表 面 状 態
2週間 1 力月 2週間 1 力月
(比 較)
例 2 2 5 4 5 例 3 2 5 4 5 例 4 4 5 2
(本発明)
PAL-1 1 1 2
PAE3-2 1 1 2
CML-3 1 2 2
PAK-1 2 2 2
PAE2-2 2 2 2
CMK-3 2 3 2
PAK-11 2 2 2
PAE2-22 2 2 2
第 21表 (続き) 匂い立ちおよび表面状態の評価結果 匂 い 立 ち 表 面 状 態
、"\ 2週間 1 力月 2週間 1 力月
CMB - 3 2 3 2
PAS - 1 2 2 2
PAE3 - - 22 2 2 2
(本発明)
CMS— 3 2 2 2
PAS - 11 2 3 2
PAE3 - - 222 2 3 2
CML - 33 2 3 2
(化粧料の製造と評価)
実施例 24
複合体の調製一 11
ポリ (アク リ ル酸) と してハイ ビス 104 の 2 %水溶液に、 水膨潤性ケィ酸塩鉱物としてラボナイ ト X L G、 クニピア、 スメ ク ト ン S A、 ビーガムの 2 %水分散液のいずれかを、 ハ ィ ビス 104 の固形分換算重量分率が 0.75となるように加え、 ホモミキサーで均一に混合した後、 それぞれに 2 N NaOHを加 えて PH 6. 3 とした。 次に、 攪拌しながら、 エタノールを 2倍 量加え、 複合体の粉末を沈澱回収した。 回収した各々の沈澱 を 60てで 16時間真空乾燥し、 種々の複合体粉末を得た (収率 はいずれも 90%以上) 。
複合休の調製一 22
実施例 18の複合体の調製一 2 と同様に各種複合体粉末を得 た。
以上で得られた複合体を用いてそれぞれ下記の化粧料を調 製した。
実施例 25 栄養ク リーム
以下の Aの油相部と Bの水相部をそれぞれ加熱溶解した後. 油相部を水相部中に混合し、 乳化機にて乳化する。 次いで熱 交換器にて終温 30度まで冷却してク リームを得た。 以下、 配 合量は全て重量%である。
( A ) セタノ ール 2
ステア リ ン酸 2
ワセ リ ン 6
スク ヮ ラ ン 8
流動パラ フ ィ ン 4
イ ソプロ ピルミ リ ステー ト 2
グリ セ リ ルモノ ステア レー ト 3
ェチルノヽ 'ラベン 0. 2 香 料 0. 1
( B ) プロ ピレ ングリ コ―ル 2 グリ セ リ ン 5 複合体 * 0. 3 精製水 6 4. 3 水酸化力 リ ウム 0. 1 タルク 1
〔 *ハイ ビス/ラボナイ ト複合体 (対応する製品 : C— HL 1 )、 ハイ ビスノアェ口ジル # 300 複合体 (対応する製品 : - HE3 - 2)〕
比較例 5 栄養ク リーム
実施例 25に準じてク リ ームを得た。
( A ) セタノ ール 2
ステア リ ン酸 2 ワセ リ ン 6 スク ヮ ラ ン 8 流動パラ フ ィ ン 4 イ ソプロ ピルミ リ ステー ト 2 グリ セ リ ルモノ ステア レー ト 3 ェチルバラベン 0. 2 香 料 0. 1 グリ セ リ ン 5 ハィ ビス 104 0. 3 精製水 6 4. 1 水酸化力 リ ウム 0. 3 タルク 1
実施例 26 ク レ ンジ ングク リ ーム
実施例 25に準じて調製した。
( A ) ナイ ロ ンパウダー 3
ビースワ ッ クス 1 固形パラ フ ィ ン 1 ステア リ ン酸 2 ワセ リ ン 1 0 流動パラ フ ィ ン 3 5 P0E (20) モルソルビタ ンモノ ステア レー ト 2. 4 ジグリ セ リ ンジステア レー ト 2. 6 プ口 ピルノヽ'ラベン 0. 3 香 料 0. 3
( B ) ァテロ コ ラーゲン (高研) 1. 5 複合体 * 0. 2 ジプロ ピレングリ コール δ 精製水 3 3. 5 5 水酸化力 リ ウム 0. 0 8 C *ハイ ビス Ζク ニビア複合体 (対応する製品 : C一 Μ— 1 )、 ハイ ビス/ァエロジル # 380 複合体 (対応する製品 : C一 ΗΕ3
— 22) 〕
皇旌例 27 栄養
実施例 25に準じて調製した。
( A ) ボ リ エチ レ ンパウダー 2
ビースヮ. ッ ク ス 1 ワセ リ ン 2 脱臭ラノ リ ン 1. 5 ホホパ油 6 セチルイ ソォク タ ノ エー ト 4 POE (20) — 2 —ォク チル ドデカ ノ 一ル 2 ェチルノヽ'ラベン 0. 2 ブチルパラベン 0. 1 香 料 0. 3
( B ) ヒアルロ ン酸ナ ト リ ウム 0. 2 複合体 * 0. 3 ジプロ ピレ ングリ コール 2 精製水 7 8. 2
L —アルギニ ン 0. 2 〔 *ハイ ビス/クニピア複合体 (対応する製品 : N— HK— 1)、 ハイ ビスノァエ ロ ジル # 200 複合体 (対応する製品 : N— HE2 一 2)〕
実施例 28 フ ァ ンデーショ ン
実施例 25に準じて調製した。
( A ) セタノ ール 3. 5 ステア リ ン酸 2 脱臭ラノ リ ン 5 ワセ リ ン 2 スク ヮ ラ ン 8 グリ セ リ ノレモノ ォ レー ト 2. 5 P0E (10) ベへニルアルコ ール 0. 5 ェチノレノ ラベ ン 0. 2 ブチノレバラベン 0. 2
( B ) 複合体 * 1
1 , 3 —ブチ レ ングリ コール 2 カオ リ ン 5 タゾレク 5 酸化チタ ン 5 酸化イェロー 2 酸化鉄ブラ ック 1 酸化鉄レッ ド 1 精製水 5 3. 8 5 ト リ エタ ノ ールァ ミ ン 0. 2 5 〔 *ハイ ビス Zビーガム複合体 (対応する製品 F— HB— 1 )、 ハイ ビスノアエロジル # 300 複合体 (対応する製品 : F— HE3 一 2)〕
実施例 29 化粧水
以下の Aの水相部と、 Bのアルコール部をそれぞれ均一に 溶解した後、 Aに Bを加えて混合し、 化粧水を得た。
( A ) 精製水 7 7. 6 4 グリ セ リ ン 3
1 , 3 —ブチレ ングリ コール 1 0 酸化チタ ン 1 複合体 * 0. 2 ヒアルロ ン酸ナ ト リ ウム 0. 0 1
( B ) エタノ ール 7
P0E(60) 硬化ヒマシ油 1 香 料 0. 0 5 メ チルバラベン 0. 1 〔 *ハイ ビス /スメ ク ト ン複合体 (対応する製品 : W— HS— 1)、 ハイ ビス Zァエロジル #300 複合体 (対応する製品 : W - HE3 一 2)〕
実施例 30 水性エ ッセ ンス
実施例 29に準じて調製した。
( A ) 精製水 6 8. 8 5
1 , 3 —ブチ レ ングリ コール 6 グリ セ リ ン 4 マルチ トール 2 複合体 * 0. 3 ハイ ビス ク ニピア複合体 0. 3 ジプロ ピレ ングリ コール 5
タルク 7 ( B ) エタノール δ
P0EC60) 硬化ヒマシ油 1 ビタ ミ ン Eァセテ一ト 0. 1 香 料 0. 0 5 ォ レイ ルァノレコール 0. 2 メ チノレノヽ 'ラベン 0. 2
〔 *ハイ ビスノラボナイ ト複合体 (対応する製品 : A— HL— 1)、 ハイ ビスノアヱ口ジル #380 複合体 (対応する製品 : A -HB3 -2)〕
実施例 31 デ一口ーショ ン
以下の Aの水相部と Bのアルコール部をそれぞれ均一に溶 解した後、 Aに Bを加えて混合 · 可溶化し、 次いで Cの L一 アルギニンを加えて調製した。
( A ) 精製水 6 3. 0 5
1 , 3 —ブチ レ ングリ コ一ル 1 0 マルチ トール 2 複合体 * 0. 2 ァテロコ ,ゲン 0. 0 5 結晶セルロース 1
( B ) エタ ノ ール 2 0
2 —ェチルへキ シルパラ ジメ チルーァ ノ
ベンゾエー ト 1 メ チノレノヽ 'ラベン 0. 1 P0E(60) 硬化ヒマ シ油 1. 2 ェデ ト酸 3 ナ ト リ ウム 1. 2 香 料 0. 0 ( C ) L一アルギニ ン 0. 1 5
( *ハイ ビス /ラボナイ ト複合体 (対応する製品 D-HL- 1)、 ハイ ビス Zァェ口ジル #300 複合体 (対応する製品 : -HE3 -2)〕 比較例 6 栄養乳液
実施例 25に準じて調製した。
( A ) ボ リ エチ レンパウダー 2 ビースワ ッ ク ス 1 ワセ リ ン 2 脱臭ラノ リ ン 1. 5 ホホバ油 6 セチルイ ソォク タノ エー ト 4
P0EC20) _ 2 —ォク チル ドデカ ノ ール 2 ェチルノヽ'ラベン 0. 2 ブチルパラベン 0. 1 香 料 0. 3
( B ) ヒアルロ ン酸ナ ト リ ウム 0. 2 ハィ ビス 104 0. 2 ジプロ ピレングリ コ一ル 2 精製水 7 8. 2
L一アルギニン 0. 2 水酸化ナ ト リ ウム 0. 1 比較例 Ί 化粧水
実施例 29に準じて調製した。
( A ) 精製水 7 7. 5 2 グリ セ リ ン 3
1 , 3 —ブチ レ ングリ コール 1 0 酸化チタ ン 1 ハィ ビス 103 0. 2 ヒアルロ ン酸ナ ト リ ウム 0. 0 3 水酸化ナ ト リ ウム 0. 1
( B ) エタノ ール 7
P0E C60) 硬化ヒマ シ油 1 香 料 0. 0 5 メ チルパラベン 0. 1 ft
以上の実施例 25〜31および比較例 5〜 7 の化粧料を 10名の パネルの顔に使用し、 使用性試験を実施した。 試験項目は下 記のとおりであり、 その評価を第 22表に示す。
( A ) 顔への塗布のし易さ
〇 : 均一に良く塗れた。
1
厶 : やや上滑り し、 若干むらになった
O C
X : 上滑り し塗りに く かった。
( B ) 化粧料の肌への密着感
0: フィ ッ ト感がある。
Δ : フィ ッ ト感にやや欠ける。
X : フィ ッ ト感がない。
( C ) 使用時のさっぱり感
〇 適度にさつばり している。
厶 ややべたつく。
X ベたつく。
第 22 表 複合体量 使 用 性 の 評 価 製 A B C
(本発明)
C-HL-1 0. 3 〇 〇 〇
C-HE3-2 0. 3 〇 〇 〇
C-HK-1 0. 2 〇 〇 〇
0. 2 〇 〇 〇 - ΗΚ - 1 0. 3 〇 〇 〇
Ν-ΗΕ2-2 0. 3 〇 〇 〇
F-HB-1 1 〇 〇 〇
F-HE3-2 1 〇 〇 〇
W-HS-1 0. 2 〇 〇 〇
第 2 2表 ( )
第 22表から明らかなように、 本発明の化粧料は、 顔への塗 布のし易さ、 肌への密着性で優れ、 適度にさっぱり している ことが分かった。 なおかつ化粧料に要求される他の使用性も 満足していた。
実施例 32 (緩下剤の製造と評価)
複合体の調製一 111
ハイ ビス 104 2 %水溶液に、 水膨潤性ゲイ酸塩鉱物として ラボナイ ト X L G、 ク ニビア、 ビーガム、 スメ ク ト ン S A、 局方ベン トナイ ト各 2 %水分散液のいずれかを、 ハイ ビス 104 の固形分換算重量分率が 0. 75となるように加え、 ホモ ミキサ 一で均一に混合した後、 それぞれに 2 fi NaOHで pH 6. 3 とした。 次に、 攪拌しながら、 それぞれにエタノールを 2倍量加え、
複合体の粉末を沈澱回収した。 回収した各々の沈澱を 60'Cで 16時間真空乾燥し、 種々の複合体粉未を得た (収率いずれも 90%以上) 。
複合体の調製一 222
前記水膨潤性ゲイ酸塩としてァェロ ジル #200 , #300 お よび #380 を用いる以外は複合体の調製一 111 を操り返した 複合体の調製一 333
実施例 18の複合体の調製一 3 と同様な各種複合体粉末を得 た。
上記の調製方法で得られた各複合体を、 200 の純水、 日 本薬局方収載の 1液 (人工胃液) および 2液 (人工腸液) 中 に lOOmgずつ投入し、 マグネチックスターラで 30分間攪拌し 24時間静置した後、 メ ス シ リ ンダ一にて、 膨潤した複合体ゲ ルの体積を測定した。 第 23表に各複合体のゲル体積をまとめ た。
第 23表 各複合体のゲル体積 ゲル体積 ( id ) f 口 体 名
純粋 1 液 2 液 ハィ ビス 104 ノラポナイ ト X L G 110 1以下 15 ハィ ビス 104 /クニビア 102 1以下 17 ハィ ビス 104 /ビ一ガム 108 1以下 12 ハィ ビス 104 Zスメ ク ト ン S A 104 1以下 18 ハィ ビス 104 Z局方べン トナイ ト 124 1以下 20 ハィ ビス 104 Zァエ ロ ジル #200 105 1以下 13
第 23表 (篛き) 各複合体のゲル体精 ゲル体積 ) 複 合 体 名
純粋 1 液 2 液 ハイ ビス 104 ノアエロジル # 300 109 1以下 14 ハイ ビス 104 /ァエロジル # 380 118 1以下 19 カルボキ シメ チルセルロース
ラボナイ ト X L G 25 1以下 15 カルボキ シメ チルセルロース/
ク ニビア 26 1以下 16 カルボキ シメ チルセルロース z
ビ一ガム 27 1以下 16 カルボキ シメ チルセルロース Z
スメ ク ト ン S A 26 1以下 14 力 ?レボキ シメ チルセルロース Z
局方ベン トナイ ト 26 1以下 17 毒性試験
上記の各複合体を、 それぞれラ ッ トに 2500および δΟΟΟπβ Ζ kgの用量で摂取させ、 30日間に亘つて観察し、 経時的な毒性 を調べた。 その結果、 この試験期間中に観察された異常は、 投与量に関係した飽和状態の現象によるものだけであつた。
_ 11
以下の処方の緩下剤を兎 10羽に 1週間、 食間に経口投与し 続けた。 その結果、 1週間の通じの回数が増加し、 本発明の 複合体を舍む下記いずれの緩下剤を用いても共通して便の質 が改善されることを確認した。
(一包中)
複合体 * 400ms
プラ ンタ ゴ ' ォバタ種皮 200mg
カルボキ シメ チルセルロース lOOmg
セ ンノ シ ド 2nig
ビスベンチア ミ ン lmg
( *ハイ ビス 104 /局方ベン トナイ ト複合体、 ハイ ビス 104 /ァエ ロ ジル # 300 複合体またはカルボキ シメ チルセル口一 ス Z局方ベン トナイ ト複合体〕 。
(直腸投与組成物の製造と評価)
実施例 33
複合体の調製
実施例 18〜32における複合体の調製と同様にして得られた 各種複合体粉末をそれぞれ下記の直腸投与組成物に用いた。 実施例 34
ゥィテブゾール H -15 97.34 gを約 65'Cに加熱融解し、 こ れに酢酸ヒ ドロコルチゾン 0.33 gおよび複合体 * 2.33 gを加 えて攪拌混合し、 これを坐剤コ ンテナーに 1. 5 g注入して冷 却し、 本発明の直腸投与組成物を得た。
* 複 合 体 対応する製品 ハイ ビス 104 /ラボナイ ト ϋ一 HL— 1 ハイ ビス 104 ノアエ ロ ジル #300 U-HE3-2 カルボキ シメ チルセルロース/ラボナイ ト U— CML— 3 比較例 8
ウイテブゾール Η—15 99.67 gを約 65てに加熱融解し、 こ
れに酢酸ヒ ドロコルチゾン 0. 33 gを加えて攪拌混合し、 これ を坐剤コ ンテナ一に 1. 5 g注入して冷却し、 直腸投与組成物 を得た。
比較例 9
ウイテプゾ一ル H— 15 97. 34 gを約 65てで加熱融解し、 こ れに酢酸ヒ ドロコルチゾン 0. 33 gおよびラボナイ ト 2. 33 gを 加えて攙拌混合し、 これを坐剤コ ンテナーに 1. 5 g注入して 冷却し、 直腸投与組成物を得た。
比較例 10
ウイテプゾ一ル H—15 97. 34 gを約 65てで加熱融解し、 こ れに酢酸ヒ ドロコルチゾン 0. 33 gおよびポリアク リル酸ナ ト リ ウム 2. 33 gを加えて攬拌混合し、 これを坐剤コ ンテナーに 1. 5 g注入して冷却し、 直腸投与組成物を得た。
坐剤放出試験
実施例 34に由来する U— HL— l , U - HE3 —2 および U— CML - 3 ならびに比較例 8〜: 10の直腸投与組成物について、 放出 性および持続性を調べるため坐剤放出試験 TMS— 103 型 (富 山産業社) を用いて放出試験を実施した。 第 24表に酢酸ヒ ド 口コルチゾンの放出率 (%) の経時変化をまとめた。 この表 より、 本発明の直腸投与組成物が高い放出性を示すほか、 長 時間にわたり一定の薬物濃度を供給しており、 持続性にも優 れていることが分かる。
第 24表 坐剤放出試験
以下同様に下記処方に従って直腸投与組成物を得たが、 い ずれにおいても、 優れた放出性、 持続性が確認された。
実施例 35
ウイ テブゾール H— 15 84. 09 g とステア リ ン酸 0. 6 gを約 45てで加熱融解し、 これに酢酸ヒ ドロコルチゾン 0. 33 g、 リ ドカ イ ン 4. 0 g、 塩酸メ チルエフェ ド リ ン 0. 66 g、 ア ラ ン ト ィ ン 1. 33 g、 塩酸ジフェ ンヒ ドラ ミ ン 0. 66 g、 酢酸ト コ フ エ ロール 3. 33 gおよび、 それぞれ前記 3種の複合体を個別 5. 00 gずつ加えて攪拌混合し、 これを坐剤コ ンテナーに 1. 5 g注 入して室温まで冷却し、 本発明の直腸投与組成物を得た。 実施例 36
フ ァ ーマゾ一ル B— 105 70. 0 g フ ァ ーマゾ一ル N— 145 10. 0 gおよびファーマゾール A—105 11. 0 を約 75てで加熱
融解し、 これにイ ン ドメタ シン 6. 66 gおよびハィ ビス 104 / クニビア複合体、 ハイ ビス 104 ノアエ ロ ジル # 380 複合体ま たはカルボキシメ チルセルロースノクニビア複合体各 2. 34 g を加えて攆拌混合し、 これらを坐剤コ ンテナーに 1 . 65 g注入 して室温まで冷却し、 本発明の直腸投与組成物をそれぞれ得 実施例 37
ウイ テプゾ一ル H— 15 42. 0 gおよびウイ テプゾ一ル E— 75 15. 0 gを約 75てで加熱融解し、 これに塩酸ブレオマイ シ ン 3. 0 g、 パナセー ト 875 10. 0 gおよびハィ ビス 104 ノスメ ク ト ン複合体、 ハィ ビス 104 Zァェ口ジル # 200 複合体また はカルボキシメ チルセルロース/スメ ク ト ン複合体各 30. 0 g を加えて、 攙拌混合し、 これを坐剤コ ンテナーに 1. 4 g注入 して室温まで冷却し、 本発明の直腸投与組成物をそれぞれ得 た。
(薬剤組成物の製造と評価)
実施例 38 ϋ ¾ の
本実施例では実施例 33で得られた各複合体が使用された。 グリ セオフルビン 0. 5 gをァセ ト ン Ι ΟΟ δώに溶解し、 これ に複合体 * 9. 5 gを分散し、 充分攪拌後にエバポ レータを用 いてァセ ト ンを留去し、 充分に乾燥して、 グリ セオフルビン を 5 %包接した薬剤包接複合体を得た。
合 体 応する製 ¾ ハイ ビス 104 /ラボナイ ト I一 HL— 1 ハイ ビス 104 Zァエ ロ ジル # 300 I - HE3 - 2 カルボキシメ チルセルロース/ラボナイ ト I— CML— 3 溶解性試験
( 1 ) 実施例 38で得られた薬剤包接複合体を、 グリ セオフル ビンとして 5 mgとなるよう に秤取り、 水へのグリ セオフルビ ンの溶解量を、 295nmにおける吸光度を計ることで、 経時で 調べた。 なお、 試験温度は 37てとし、 溶媒量は 1 リ ッ トルと した。 また、 対照と してグリ セオフルビン単独を 5 m 秤取り . 同様に溶解量の経時変化を追った。 I— HL— 1 に対する結果 は第 25表に示し、 I — HE3 — 2 の結果は第 5図に示す。
第 25表 溶解度の経時変化 時 間 溶 解 量 (%)
(分) 薬剤単独
0 0 0
3 2 1 1 8
6 3 5 2 4
1 0 5 1 2 6
1 5 5 3 2 7
2 0 5 5 2 8
3 0 5 5 2 8
6 0 5 5 2 8
( 2 ) I - CML - 3 包接複合体をグリ セオフルビンとして 25
mg秤取り、 500 の局方第 2液 (PH6. 8 ) 中に分散して、 37 •Cにおけるグリセオフルビンの溶出率の経時変化を吸光光度 計を用いて 295nmの吸光度で測定した。 なお、 比較として、 グリセオフルビンのみを 25m 秤取つた場合についてもその溶 出率を測定した。 結果を第 6図に示す。 この結果からわかる ように、 薬剤包接複合体はグリセオフルビン単独系に比べ、 水への溶解性が高い。
これらの結果から、 薬剤包接複合体はグリ セオフルビン単 独系に比べ、 水への溶解度が約 2倍、 上昇することがわかる < なお、 薬剤包接能があるといわれるラボナイ トそのもので処 理したグリ セオフルビンは、 グリセオフルビン単独系とほと んど有意差がみられなかった。
実施例 39 油性軟 g
ヮセリ ンと流動バラフィ ンを 70てで混合融解し、 これに実 施例 38でそれぞれ調製した薬剤包接複合体 * (グリセオフル ビンを 5重量%含有) を個別に加え、 充分に混合して油性軟 裔を得た。 以下、 配合量は全て重量%で記述した。
実施例 38で得られた各薬剤包接複合体 4. 0
ワセリ ン 7 9. 0
流動パラフィ ン 1 7. 0
* 薬—剤包接 合体 油性軟奇
Ϊ -HL- 1 0-HL-1
I -HE3-2 0-HE3-2
I -CML-3 0-CML-3
比較例 11
実施例 39の比較のため、 以下の処方で同様に油性軟青を得 た。
グリ セオフルビン 0. 2
ワセ リ ン 7 9. 0
流動パラ フ ィ ン 2 0. 8
治療試験
実施例 39と比較例 11の油性軟胥について、 その治療効果を調 ベため、 足白群に罹患している 30名をパネルとして、 一日一 回塗布し、 二週間にわたって患部を観察した 判定は以下の 基準で行った。 結果は第 26表に示す。
著効 :顕著な改善効果が認められた。
有効 : 改善がかなり認められた。
やや有効 : 改善が認められた。
無効 : 改善が認められなかった。
憎悪 : 憎悪が認められた。
第 26 表
(単位 :名)
3 曰 後 7 曰 後 1 日 後 判 定
0-HL 0-HE3 0-C L m 0-HL 0-HE3 0-CML m 0-HL 0-HE3 0-CML -1 -2 -3 mi -1 - 2 -3 搬 1 -1 -2 -3 顧 著 効 9 10 10 2 10 11 11 4 12 13 12 7 有 効 6 5 5 6 5 4 4 5 3 3 3 5
0 0 0 5 0 0 0 5 0 0 0 3 無 効 0 0 0 2 0 0 0 1 0 0 0 0 憎 悪 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
第 26表の結果から、 本発明の薬剤組成物は足白群に対し 優れた治療効果を有することが示唆される。
実施例 40 クリーム状薬剤
常法に従って 3種ク リーム状薬剤を調製した。
実施例 38で得られた各薬剤包接複合体
(グリ セオフルビン 5 %舍有) 4. 0 セ ト ステア リ ルアルコール 3. 5 スク ヮ ラ ン 4 0. 0 ミ ツ ロウ 3. 0 還元ラノ リ ン 5. 0 ェチルバラベン 0. 3 ポ リ オキ シエチ レン ( 20) ソルビタ ン 2. 0 モノバルミ チン酸エステル 2. 0 ステア リ ン酸モノ グリ セ リ ド 2. 0 酢酸レチノ ール 2. 0 香 料 0. 0 3
1 , 3 —ブチレ ングリ コール 5. 0 グリ セ リ ン 5. 0 精製水 残余 実施例 41 乳液状薬剤
常法に従って 3種の乳液状薬剤を調製した。
実施例 38で得られた各薬剤包接複合体
(グリ セオフルビン 5 %含有) 4. 0 ステア リ ン酸 1. 5 セ チノレア ルコ ーノレ 0. 5 ミ ツ ロ ウ 2. 0 ポ リ オキ シエチ レ ン (10) 1. 0 モノ ォ レイ ン酸エステル 2. 0 ヒアルロ ン酸ナ ト リ ウム 0. 1 プロ ピレ ングリ コール 5. 0 エタノ ール 3. 0 ェチルパラベン 0. 3 香 料 0. 3 3 精製水 残余
(皮 Jf潰瘍外用剤の製造と評価)
実施例 42
複合体 * 30重量部に、 コ リ ド ンョー素 (BASF社製) 10重量 部、 局方ヮセリ ン 35重量部、 流動バラフィ ン 25重量部を配合 して、 皮 Jf潰瘍外用剤軟裔を調製した。
* 実施例 1 の複合体 (ポリ マ一重量分率 = 0. 5 ) 、
実施例 3 の複合体 (ポリマー重量分率 == 0. 5 ) 、 実施例 2 の複合体 (ポ リマー重量分率 = 0. 3 ) 。
これらを生後 6週のモルモ ッ 卜の背部にできた約 2 cm平方 の酢酸潰癟に対して塗布したところ、 いずれの薬剤の投与で も潰瘍部が適度に乾燥し、 1週間後に治癒した。
また、 上記の複合体を用いて以下の皮膚潰瘍外用剤をそれ ぞれ 3種ずつ製造した。
実施例 43 0 Z Wク リ ーム
(重量部) 実施例 42で使用した各複合体 * 3 0 局方ヮセリ ン 1 5 ォリーブ油 1 0 スク ヮ ラ ン 2 2. 4 9 シ ョ糖脂肪酸エステル 2. 5 グリ セ リ ン 1 0 精製水 1 0 塩化べンザルコニゥム 0. 0 1 実施例 44 散 剤
(重量部) ハイビス 104 /ラボナイ ト X L G複合体 4 0 力オリ ン 2 5 球伏シリ力 3 3 グリチルレチン酸 2 実施例 45 ェァゾル
(重量部) フ ロ ン (噴射剤) 7 0 L P G (噴射剤) 2 3. 9 ハイ ビス 104 /ラボナイ ト X L G複合体 5 球状シリ 力 1 シリ コ ン 0. 1
実施例 46 W Z 0ク リーム
(重量部) 局方ヮセリ ン 4 0 セタノール 1 8 セスキォ レイ ン酸ソルビタ ン 5 ラウロマク ロゴール 0. 5 ビタ ミ ン Eアセテー ト 0. 5 ハイ ビス 104 ラボナイ ト X L G複合体 2 0 精製水 1 6
〔産業上の利用可能性〕
発明の複合体は、 上述してきたとおり、 非常に高い水膨潤 性とゲル強度を併せ持った特性を有し、 しかも生体に対して 親和を有し、 さらに出発原料を選ぶことにより生体に対する 安全性の高いものとして提供することができる。 従って、 そ の使用に関する発明を具体的に開示した医薬品および化粧品 の属する産業分野で利用できることはいうまでもなく、 その 他、 紙おむつ、 生理用品などのサニタ リ ー用途、 緑化農園芸 用土壌改良剤、 止水剤、 血漿分離剤、 粉塵防止剤、 結露防止 剤、 消臭剤、 使い捨て力ィ 口、 人工種子用ゲルなど、 極めて 広範囲の応用が可能である。
以下、 本発明の特徴についてさらに説明するので、 当業者 はこれらから本発明の複合体に対する前述以外利用分野を見 い出すことが容易であろう。
まず、 本発明複合体を配合したゲル状芳香組成物は安定性
に優れ、 かつ経時的に香料の揮発が低下することがなく、 匂 立ちも良好である。
また、 この複合体を化粧料の増粘剤として配合すると、 ベ たつきがなく、 際立った清涼感を与え、 安定性にも優れてい る。 また、 最近、 保湿剤として使われているコラーゲンゃヒ アルロ ン酸などの生体由来高分子が配合されている系におい ても、 ベたついて塗りにく く、 上滑り してフィ ッ ト感がない といった欠点を、 この複合体を配合することで改善すること ができる。
また、 この複合体を配合した緩下剤は、 総体的に投与量を 少なくすることが可能で、 また、 特に治療の初期段階で、 習 慣的に便秘を伴う鼓腸を悪化させず、 むしろ、 このような不 快な現象を抑えるものである。 さらに、 流動バラフ ィ ンを主 成分とする緩下療法のように肛門に摻出することもない。
さらに、 本発明の直腸投与組成物は、 上記複合体を配合し た新規の坐剤用基剤である。 この基剤は薬物の放出性を高め- また、 直腸腔内で優れた滞留性を示すため、 薬物の生体利用 率も高めることができる。 更に、 直腸腔内に長時間滞留する ため、 薬効の持続性も増す。
また、 本発明の薬剤組成物は、 上記複合体に難榕性薬剤を 配合することにより、 難溶性薬剤の水への溶解性を著しく高 めることができ、 経粘膜および経皮吸収性を改善できる。 また、 本発明の皮膚潰瘍外用剤は、 上記複合体を配合する ことで皮膚潰瘍部を適切な平衡水分に保ちつつ、 充分に摻出 液を吸収する機能を持ち、 さらに、 摻出液を吸収すると弾性
的なゲルとなり潰瘍部を保護する働きもある。 同時に配合さ れている薬物は、 この摻出液の吸収に伴って徐々に放出され 長時間有効となる。