WO1989000002A1

WO1989000002A1 - Non-woven fabric sheet for agricultural use

Info

Publication number: WO1989000002A1
Application number: PCT/JP1988/000667
Authority: WO
Inventors: Tatsuya Ohe; Mitsuaki Fujimura
Original assignee: Mitsui Petrochemical Industries, Ltd.
Priority date: 1987-07-03
Filing date: 1988-07-02
Publication date: 1989-01-12
Also published as: EP0324861A1; JPH0433735Y2; EP0324861A4; US5021285A; DE3885081T2; DE3885081D1; KR910002414B1; KR890701003A; JPS646861U; EP0324861B1

Description

明

書農業用不織布シート技術分野

本発明は、トンネル栽培や露地栽培のベタ掛けシートなどとして利用される農業用不織布シートに関する。背景技術

不織布の用途として、トンネル栽培や露地栽培のベタ掛けシートなどの各種農業用被覆資材が知られている。

例えば、ポリエチレンテレフタレート（Ρ Ε Τ )やポリプロピレン（Ρ Ρ )からなる不織布は、保温性や通気性に優れており、農業用不織布シートとして好ましい性能を示す。その反面、本来疎水性樹脂からなっているので、雨水等が不織布を通過しにくく、不織布表面に溜まる傾向がある。したがって、使用形態によっては不織布上に溜まつた水滴の重みで栽培作物を押しつぶしてしまうと t、う不都合な問題が生じる虞がある。

この点、本件発明者らにより開発され、その後出願された実開昭 6 1 - 1 2 8 9 5 5公報に記載の『6デニール以上の疎水性織維よりなりかつ目付量 1 0 - 3 0 g/π² および光線透過率 8 5 %以上の不織布からなるベタ掛け用農業被覆材』も疎水性繊維よりなるため同様の問題がある。

こうした問題点を解消するものとして、界面活性剤によって親水性処理を施して不織布表面に水が溜まるのを防止した農業用不織布シートが知られている。この親水性処理不織布は、表面に接触した水が可能な限り早く不織布表面から裏面に抜けるよう高度に親水性処理が施されている。その結果、不織布を構成する繊維の疎水性が大幅に損われ、不織布空隙中に取り込まれた水滴が容易に系外に排出されず、よって保水による不織布重量の大幅な増加現象があつた。

したがって、前述の疎水性不織布によつて構成される農業用不織布シートほどではないにしても、保水による自重増加で栽培作物の押し潰しの虞が完全に回避されたわけではない。また、疎水性不織布の場合には、不織布を傾けることによって、表面に溜つた水が傾斜した表面を伝わって容易に流出し、水による重量増加を無視することができる。これに対して、従来の親水性処理不織布は前述のように保水率が大きく、一旦不織布空隙中に取り込まれた水は除去されにくいので、重量増加の状態が長時間にわたって継続する。したがって、シートの除去作業時にあつて重量増加による作業性の低下が問題となる。

更には、再使用に備えて、使用後に一旦巻き取って保管する場合、卷き取り口一ルの不織布は両端固定のような形状となるので、吸水率が大きいと保管中の乾燥による不織布の収縮によって不織布が破断してしまうという虞も大きい。発明の開示

本発明は、従来の農業用不織布シートにおける上記の問題点を解決するものであって、具体的には雨水等が表面に溜らずに速やかに通過でき、かつ、栽培作物を押し潰すといった不具合のない農業用不織布シートを提供することを目的としている。

即ち、本発明は疎水性不織布表面の少なくとも一部に界面活性剤を塗布することによって親水性処理が施された不織布であって、該親水性処理によって不織布表面から裏面へ水が通過する水路が確保されており、かつ、保水率が 150 ~ 300wt %の範囲内にある農業用不織布シートである。

本発明の農業用不織布シ一トは、親水性処理によって不織布の表面から裏面へ水が通過する水路が確保されているので、降雨によつて雨水が不織布表面に接触しても該水路によって表面から裏面に雨水が速やかに通り抜けて不織布の表面に溜まることがない。しかも、保水率（保水率の測定方法については後述する）が 150〜300wt %の範囲と小さいので保水による不織布重量の增加に基づく作物の押し潰しの虞がない。発明を実施するための最良の形態

本発明に用いる不織布は疎水性織維からなる。不織布を構成する織維が疎水性であるか否かは、たとえば吸水率で判断することができる- すなわち、一定長の繊維または一定重量の繊維塊あるいは一定面積の不織布を用いて、日本ェ業規格 J I S K 7209に準じて吸水率を測定し、吸水率が 1 %以下であれば疎水性である。本発明においては、このように 1 %以下の吸水率を示す繊維であれば制限はない。

したがって、本発明においてはポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオレフィン繊維、ポリエチレンテレフタレート鏃維等のポリエステル繊維が好ましく使用され、とくに吸水率の小さいポリオレフィン繊維が最も好適に使用される。そして、生産性、嵩高性、強度の面からポリオレフィン製スパンボンド不織布が取り分けて好ましく使用される。

前記疎水性処理不織布には、その表面の少なくとも一部に界面活性剤を塗布することによって親水性処理が施される。そして、この親水性処理によって不織布の表面から裏面へと水分を案内させる水路が形成される。この水路は、親水性処理部分の全部にわたって形成される必要はなく、隔設して部分的に形成するだけで充分である。例えば、疎水性不織布を帯状に形成し、その長さ方向に親水性処理が走るようにすると共に、幅方向に複数のものを並列にしてもよい。また、親水性処理を帯状不織布の幅方向に複数条施ォのみでもよい。このように、親水性処理に方向性をもたせることで、不織布に付着した水分をその方向に導くことができる。

本発明の農業用不織布シートは、このような親水性処理が施されたもののうち、保水率が I 50〜 300wt %、特に 150〜20 (h't %の不織布を使用する。保水率が 150v/t %より小さい場合、親水性処理の確保が充分ではなく、表面に溜まって裏面に抜けない。また、 30 (h.t %よりも大きくなると、取り込まれた水による自重の增加が大きくなり過ぎて作物を押し潰す虞がある。

また、親水性処理を形成するために用いる界面活性剤としては、例えばポリォキシエチレンアルキルフヱノール型、アルキルサンフヱ一ト型、脂肪族型、ァルキルエタノールアミン型、ポリオキシェチレンエーテル型等が用いられ、とりわけポリオキシエチレンェ一テル型が好適である _c

また、界面活性剤に機能上の永続性をもたせるために：ま、接着性の高いバインダを _{2 0}〜_{7 0 wt} %含有させることが好ましい。このバインダとしては、例えば水溶性ァクリル樹脂がある。

以下、本発明の好適な実施例を説明する k

第 1表は、 8デニールのポリプロピレン繊維から構成された目付が 20 ん ²のスパンボンド不織布に親水性処理を施して保水率を本発明の範囲内にした不織布と、比较のために親水性処理を施す前の不織布、従来の親水性処理ポリェチレンテレフタレ一ト不織布について対比した表である。

実施例 1は不織布に濃度 2 ％の界面活性剤水溶液をスプレー吐出量 1 /^ で塗布した例であり、実施例 2および実施例 3は濃度 3 wt %の界面活性剤水溶液をロールコータでもってそれぞれ 4 . および 5 の割合で塗布した例である。また、保水率は、 23°Cの水中に不織布を 5分間浸瀵後、 45° に傾けた金網上に不織布を放置して 1分間自然水切りを行い、その後不織布を持ち上げ数回振って強制的に水切りを行ない、下記式で算出して得た絶対値である。保水率（％) = (水切り後重量一初期重量） X 1 0 0

第 1表

次に、第 1表における実施例 2、比铰例 1 ~ 3の農業用不織布シートを用いてトンネル栽培を行い、意図的に不織布シート上からシャワーを用いて水をかけたところ、比皎例 1 の場合は、大部分の水が表面に溜って該重量のため不織布がたれ下がり、トンネル内の栽培作物を押し潰す箇所がで。一方、実施例 2および比较例 2、 3の場合は、いずれも水が表面から裏面へ抜けて作物を押し潰すことはなかつた。

次に、この各シートを取り除く作業を行つたところ、比校例 2および比校例 3の場合は、共に、保水による重量增加によって作業性が極めて悪いのに対し、実施例 2のシートは重量増加がほとんどなく、簡単にとり除くことができた。以上説明したように、本発明による農業用不織布シートは、ハウス農業栽培用トンネルとして、またはベタ掛け使用などした場合、水滴が親水性水路を透過して流出するため、シート上に溜まつた雨水の重量によって栽培作物を押し潰すといった不具合は解消される。また、保水率が 150〜300wt %の範囲であるため、親水性処理を施した部分に水が保持されても、シートが重くなり過ぎることがなく、シ— トが潰れて栽培作物を押し潰す心配がない。産業上の利用可能性

本発明の農業用不織布シートは、ハウス農業栽培用トンネルとして、またはベタ掛け用として最適であるが、農業用としてならば用途を限定するものではなく、他の用途、例えば作物の保温用等にも用いることができる。

Claims

請求の範囲

1 . 疎水性不辙布表面の少なくとも一部に界面活性剤を塗布することによって親水性処理が施された不織布であって、該親水性処理によって不織布表面から裏面へ水が通過する水路が確保されており、かつ、保水率が 150〜300wt %の範囲内にあることを特徵とする農業用不織布シート。

2 . 前記疎水性不織布は、ポリオレフイン製スパンボンド不織布である請求の範囲第 1項記載の農業用不織布シート。

3 . 疎水性不織布を帯状に形成し、その幅方向に向けて帯状もしくは線状に走る親水性処理部分を複数条設けた請求の範囲第 1項記載の農業用不織布シート,

4 . 疎水性不織布を帯状に形成し、その長さ方向に向けて帯状もしくは線状に走る親水性処理部分を設けるとともに、幅方向に向けて帯状もしくは線状に走る親水性処理部分を複数条設けた請求の範囲第 1項記載の農業用不織布シート₍

5 . 界面活性剤に、パインダを 20〜70wt %含有させて不織布を処理して得た請求の範囲第 Ί項記載の農業用不織布シート。