JP2002069752A - 親水耐久性と耐変色性とを兼備する親水性熱接着性繊維 - Google Patents

親水耐久性と耐変色性とを兼備する親水性熱接着性繊維

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JP2002069752A
JP2002069752A JP2000255208A JP2000255208A JP2002069752A JP 2002069752 A JP2002069752 A JP 2002069752A JP 2000255208 A JP2000255208 A JP 2000255208A JP 2000255208 A JP2000255208 A JP 2000255208A JP 2002069752 A JP2002069752 A JP 2002069752A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた親水耐久性を有しつつ、長期間保管し
ても変色の少ない、親水性熱接着性繊維を提供するこ
と。 【解決手段】 熱接着成分としてポリオレフィンが少な
くとも繊維表面に露出するように配された熱接着性繊維
であって、親水耐久性が150秒以下であり、かつ変色
度(ΔE)が3以下である、親水性熱接着性繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、親水性能を有する
熱接着性繊維に関し、さらに詳しくは、親水耐久性と耐
変色性とを高水準にて兼備する、親水性熱接着性繊維に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエチレンやポリプロピレンな
どのポリオレフィン単独からなる繊維、あるいはポリオ
レフィンを繊維表面の一部又は全部に露出させた複合繊
維などの各種ポリオレフィン系繊維が提案されている。
これらの繊維からなる不織布や織編物などの繊維製品
は、化粧パフ、ウェットティッシュ、水切り袋などの家
庭用や、湿布剤の基布などの医療用、水耕マット、排水
マットなどの農業土木用、肌着などの衣料用などの分野
で広く利用されている。
【0003】このような用途分野では、上記繊維製品に
対して優れた親水耐久性を要求される場合が多く、従来
から、このポリオレフィン系繊維表面に親水性処理剤を
付与する方法、例えば、ポリオキシアルキレン変性シリ
コーンを含有する処理剤(特開平1−148879号公
報)、アルキロールアミド型化合物とポリオキシアルキ
レン変性シリコーンとを含有する処理剤(特開平1−1
48880号公報)、ポリグリセリン脂肪酸エステルを
含有する処理剤(特開平2−216265号公報)を繊
維表面に付与する方法がそれぞれ提案されている。
【0004】しかしながら、これらの方法によって得ら
れるポリオレフィン系繊維及びこれら繊維からなる繊維
製品は、ポリオレフィン系樹脂に、ラジカル発生による
劣化防止を目的として、ジブチルヒドロキシトルエンを
はじめとする酸化防止剤を添加・含有させておくことが
多いために、日光の当たる場所や蛍光灯直下等に長期間
保管しておくと変色を起こしやすく、製品品位を損なう
といったトラブルが度々発生している。
【0005】このトラブルへの対策として、変色の少な
い酸化防止剤が種々提案されてはいるものの、前述に代
表される親水耐久性を有するポリオレフィン系繊維につ
いては、酸化防止剤の変更によっても完全に変色を抑え
ることは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術が有していた問題点を解消し、優れた親水耐久
性を有しつつ、長期間保管しても変色の少ない、ポリオ
レフィン系親水性熱接着性繊維を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術に鑑み、繊維表面に付与する繊維処理剤について鋭
意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の目的は、熱接着成分と
してポリオレフィンが少なくとも繊維表面に露出するよ
うに配された熱接着性繊維であって、下記に定義される
親水耐久性が150秒以下であり、かつ変色度(ΔE)
が3以下であることを特徴とする、親水耐久性と耐変色
性とを兼備する親水性熱接着性繊維によって達成するこ
とができる。 親水耐久性:繊維を目付30g/m2、面積4cm2の熱
接着ウェブとする。このウェブを軟水に浮かべ、全体が
均一に濡れるまで放置後これを直ちに取り出し、25℃
下で風乾させる。前記の操作を4回繰り返したウェブを
軟水に浮かべてから全体が均一に濡れるまでにかかる時
間を測定し、繊維の親水耐久性とする。 変色度:繊維の熱接着ウェブが、温度90℃、相対湿度
50%の雰囲気下、照度100mW/cm2、1時間の
紫外線照射前後において、ハンター型色差計により測定
されるL、a、b値から次式により求めたΔEを、繊維
の変色度とする。
【0009】
【数2】
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、詳細に説
明する。本発明の親水性熱接着性繊維は、熱接着成分と
してポリオレフィンが少なくとも繊維表面に露出するよ
うに配された熱接着性繊維であることが必要である。こ
こで、繊維表面に該ポリオレフィンが露出している割合
は、該繊維が熱接着の効果を発揮する限り、任意に選択
することができるが、通常は該繊維の任意横断面の全周
長を基準として30%以上、さらに50%以上の割合を
ポリオレフィンが占めているように露出していることが
好ましい。
【0011】上記の要件を満たすのであれば、ポリオレ
フィン単独からなる繊維であっても、他のポリマーとの
混合紡糸繊維、若しくは複合繊維(芯鞘型、サイド・バ
イ・サイド型、交互配列型、海島型など)であってもよ
い。
【0012】ここで、好ましく用いられるポリオレフィ
ンとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン−1、ポリペンテン−1及びこれらのランダム
又はブロック共重合体、あるいはさらに、メタクリル
酸、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、
イタコン酸などの不飽和カルボン酸、及びそれらのエス
テル、酸無水物などの誘導体から選択される少なくとも
1種をグラフトしたグラフト共重合体を挙げることがで
き、なかでもポリエチレンを用いることが好ましい。
【0013】上記繊維を複合繊維とする場合には、ポリ
オレフィンと混合あるいは複合できるポリマーとして、
例えばポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレートなどのポリエステルの他、ナイロン
−6、ナイロン−66などのポリアミド等を挙げること
ができるが、ポリオレフィンより融点が高く、繊維形成
能を有しかつ機械的特性が良好なポリエチレンテレフタ
レートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポ
リエステルと、ポリオレフィンとからなる複合繊維は、
最終的に得られる不織布などの繊維製品の嵩高性、耐ヘ
タリ性、弾力性、風合いなどが良好であり、特に好まし
い。
【0014】さらに、ポリオレフィンと他のポリマーと
の複合重量比は特に限定されるものではないが、ポリオ
レフィンを熱接着性成分として利用する場合には、ポリ
オレフィンの重量割合を30〜70重量%の範囲内とす
ることが好ましい。
【0015】本発明の親水性熱接着性繊維は、下記に定
義される親水耐久性が150秒以下にあること、好まし
くは60秒以下にあることが肝要である。 親水耐久性:熱接着性繊維を用いて目付30g/m2
カードウェブを形成し、これを150℃の熱風で2分間
熱接着させて熱接着ウェブを得た。これを面積4cm2
の大きさに切り出して軟水に浮かべ、全体が均一に濡れ
るまで放置後これを直ちに取り出し、25℃下で風乾さ
せる。前記の操作を4回繰り返したウェブを軟水に浮か
べてから全体が均一に濡れるまでにかかる時間を測定
し、繊維の親水耐久性とする。
【0016】該親水耐久性が150秒より大きくなる
と、前述に挙げたような親水耐久性を要する製品の性能
としては不十分である。
【0017】また、上記の親水耐久性をもつ上に、下記
に定義される変色度(ΔE)が3以下であることが必要
である。 変色度:繊維の熱接着ウェブが、温度90℃、相対湿度
50%の雰囲気下、照度100mW/cm2、1時間の
紫外線照射前後において、ハンター型色差計により測定
されるL、a、b値から次式により求めたΔEを、繊維
の変色度とする。
【0018】
【数3】
【0019】該変色度が3より大きいと、前述に挙げた
ような耐変色性を要する製品の性能としては不十分であ
る。
【0020】以上に説明した本発明の親水性熱接着性繊
維は、その単繊維繊度は用途に応じて適宜設定すればよ
いが、例えば短繊維の場合には不織布、紡績糸等を製造
する際のカード通過性の観点などから0.1〜23dt
ex、特に1〜11dtexの範囲が適当である。ま
た、該繊維には用途に応じて適宜捲縮を付与してもよ
く、例えばカード不織布や紡績糸等とする場合には、そ
の捲縮数を3〜40山/25mmの範囲、抄紙法やエア
レイド法により不織布を成形する場合には、40山/2
5mm以下とすることが適当である。
【0021】さらに、本発明の親水性熱接着性繊維は短
繊維であっても長繊維であってもよいが、例えば短繊維
の場合には、用途に応じて適宜繊維長は選択でき、例え
ばカード不織布や紡績糸等とする場合は25〜200m
mの範囲、抄紙法やエアレイド法により不織布を形成す
る場合は0.5〜25mmの範囲で切断して適用すれば
よい。
【0022】熱接着成分としてポリオレフィンが少なく
とも繊維表面に露出するように配された熱接着性繊維に
上記で示した親水耐久性及び耐変色性を付与するために
は、例えば、繊維表面に繊維処理剤有効成分を基準とし
て下記(A)成分を10〜50重量%、(B)成分を5
〜50重量%、(C)成分を5〜60重量%(D)成分
を1〜10重量%の範囲内で各々含有する繊維処理剤
を、該繊維重量に対して0.05〜5重量%付着させる
ことにより達成できる。
【0023】(A)ポリオキシアルキレン単位からなる
ポリエーテルブロックと、ポリオキシカプロイル単位か
らなるポリエステルブロックとからなるポリエーテルポ
リエステルブロック共重合体; (B)ポリオキシエチレン単位を有するポリオキシアル
キレングリコールの高級アルキルエーテル; (C)炭素数が12〜22であるアルキル基を有するア
ルキルホスフェート金属塩;及び (D)ヒドロキシカルボン酸 ここで用いられる(A)成分のポリエーテルポリエステ
ル共重合体および(B)成分のアルキルエーテルは、繊
維に良好な親水性を付与する役割がある。また、(C)
成分のアルキルホスフェート金属塩は、繊維の親水耐久
性をさらに向上させるために添加され、(A)及び
(B)成分自体が持っている親水耐久性をさらに向上さ
せるのみでなく、(A)及び(B)成分をエマルジョン
とした場合の繊維表面への付着効率を改善する役割があ
る。
【0024】(A)成分として好ましく用いられるポリ
エーテルポリエステル共重合体は、ポリエーテルブロッ
クとして、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オ
キシブチレン基などの炭素数が2〜4のオキシアルキレ
ン単位がランダム及び/又はブロック共重合したもの、
中でもオキシエチレン単位を40モル%以上ランダム及
び/又はブロック共重合したものが親水性を高める点で
好ましい。また、ポリエーテルブロック中のオキシアル
キレン単位のモル数は5〜200、特に50〜120の
範囲が適当である。一方、ポリエステルブロック中のオ
キシカプロイル単位のモル数は、前記ポリエーテルブロ
ック中のオキシアルキレン単位のモル数との比(オキシ
カプロイル単位のモル数/オキシアルキレン単位のモル
数)が1/1〜1/10、好ましくは1/1.5〜1/
4となるような範囲が、使用時に良好な親水性を発現さ
せる上で好ましい。
【0025】(B)成分として好ましく用いられるオキ
シエチレン単位を有するポリオキシアルキレングリコー
ルの高級アルキルエーテル(以下、POEアルキルエー
テルと略記することがある。)としては、ポリオキシア
ルキレングリコールの重合度は25〜70、特に30〜
60の範囲が適当であり、オキシアルキレン単位はオキ
シエチレン単位、オキシプロピレン単位、オキシブチレ
ン単位などの炭素数2〜4のオキシアルキレン単位が好
ましい。なお、ポリオキシアルキレングリコール中には
オキシエチレン単位が含まれていること、好ましくは5
0モル%以上含まれていることが必要で、特に全てがオ
キシエチレン単位であるポリエチレングリコールが良好
な親水性を発現させる上で好ましい。
【0026】一方、高級アルキル基の炭素数は、使用時
の親水性の観点から18〜40の範囲が好ましく、特に
20〜30の範囲が適当である。このような高級アルキ
ルエーテルは、通常対応する炭素数の高級アルコールに
所要量のアルキレンオキサイドを付加させることにより
製造される。なお、末端の水酸基はアルキル基などで、
さらに封鎖しておいてもよい。
【0027】(C)成分のアルキルホスフェート金属塩
の存在下で、(A)成分及び(B)成分が、本発明が請
求する十分な親水耐久性を発現するには、(A)成分の
ポリエーテルポリエステル共重合体と(B)成分のアル
キルエーテルが共に含まれており、その含有率は、
(A)成分を10〜50重量%、(B)成分を5〜50
重量%含まれていることが肝要である。
【0028】(A)成分及び(B)成分が、前記の含有
率の範囲外にあると、本発明が請求する親水耐久性を得
られない。また、(C)成分のアルキルホスフェート金
属塩の含有率は5〜60重量%であることが必要であ
る。(C)成分の含有率が5重量%未満であっても60
重量%を越えても、本発明が請求する親水耐久性を得ら
れない。
【0029】(C)成分としての、アルキルホスフェー
ト金属塩におけるアルキル基としては、炭素数が12〜
22のものが好ましく挙げられ、具体的には、ラウリ
ル、ミリスチル、セチル、ステアリルなどが挙げられる
が、中でも親水耐久性の点から炭素数が14〜18のも
のが特に好ましい。
【0030】炭素数が12未満の場合はアルキルホスフ
ェート塩の親水性が高く、水に溶け出しやすいため親水
耐久性の面で好ましくない。炭素数が22を越えると、
撥水性が強すぎて、本発明の請求範囲にある親水耐久性
を満たさなくなる。
【0031】上記のアルキルホスフェート金属塩の具体
例としては、ラウリルホスフェートカリウム塩、ミリス
チルホスフェートカリウム塩、セチルホスフェートカリ
ウム塩、ステアリルホスフェートカリウム塩等のカリウ
ム塩、ラウリルホスフェートナトリウム塩、セチルホス
フェートナトリウム塩、ミリスチルホスフェートナトリ
ウム塩、セチルホスフェートナトリウム塩、ステアリル
ホスフェートナトリウム塩などのナトリウム塩等のアル
カリ金属塩等を挙げることができ、これらは1種を単独
で用いても、2種以上を併用してもどちらでもよい。
【0032】なお、アルキルホスフェート金属塩は、本
発明の目的を達成することができる限り、ポリオキシア
ルキレン付加アルキルホスフェート金属塩の形態となっ
ていても差し支えなく、また、それとアルキルホスフェ
ート金属塩が各々数種混合した組成となっていても差し
支えない。ポリオキシアルキレン付加アルキルホスフェ
ート金属塩の具体例としては、ポリオキシエチレン3モ
ル付加ラウリルホスフェートカリウム、ポリオキシエチ
レン1モル付加ミリスチルホスフェートナトリウム、ポ
リオキシエチレン5モル付加ステアリルホスフェートカ
リウム等を挙げることができる。
【0033】(D)成分のヒドロキシカルボン酸は、先
に述べた(A)、(B)、(C)成分及び機能付与や調
整のために加えられるその他の成分と、親水耐久性や乳
化性等のバランスの取れる範囲内で加えられるが、1〜
10重量%の範囲内で加えることが特に肝要である。
(D)成分の添加量が1重量%未満では、変色度ΔEが
3以下を満足できなくなり、10重量%を越えると、親
水耐久性が維持できなくなる。
【0034】本発明に用いられるヒドロキシカルボン酸
としては、グルコール酸、乳酸、リンゴ酸、ヒドロキシ
酪酸、ヒドロキシステアリル酸、酒石酸、テトラヒドロ
キシ琥珀酸、グルコン酸等が挙げられる。
【0035】また、(A)、(B)、(C)、(D)成
分とそれら以外の成分を併用することは差し支えなく、
殊に親水性に関しては、ジメチルハイドロジェンポリシ
ロキサン、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレ
ングリコールのブロック又はランダム三元共重合ポリエ
ーテル、炭素数1〜12のアルキルアルコールにプロピ
レンオキサイドとエチレンオキサイドとのブロック又は
ランダム付加物等のモノアリルエーテル等とを反応させ
て得られるポリエーテル変性シリコーンを添加するとさ
らに効果的である。
【0036】繊維表面に対する繊維処理剤の付着量は、
0.05〜5重量%であり、好ましくは0.1〜1重量
%である。付着量が0.05重量%未満であると、繊維
及びそれを用いた繊維製品の親水耐久性が劣り、付着量
が5重量%を越えると、不織布等に成形する際のスカム
発生や、熱接着点の強力が低下するので好ましくない。
上記繊維処理剤を繊維表面に付着させて本発明の親水性
熱接着性繊維を得るには、該繊維処理剤を水系のエマル
ジョンなどとして、該繊維を製造する際における紡糸及
び/又は延伸工程において、通常の浸漬方法又はスプレ
ー方式等により付着させる等して、容易に得ることがで
きる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により、更
に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。尚、以下の実施例及び比較例の物性評価は
以下の方法に従った。
【0038】(1)固有粘度:オルトクロルフェノール
を溶媒として35℃で測定し、その相対粘度から常法に
より求めた。
【0039】(2)油剤付着率:所定繊維重量に対し、
繊維から30℃のメタノールによって浴比1:20で6
0分抽出した残査の重量を測定し、所定繊維重量で除し
た値を用いた。
【0040】(3)親水耐久性:熱接着性繊維を用いて
目付30g/m2のカードウェブを形成し、これを15
0℃の熱風で2分間熱接着させて熱接着ウェブを得た。
これを面積4cm2の大きさに切り出して軟水に浮か
べ、全体が均一に濡れるまで放置後これを直ちに取り出
し、25℃下で風乾させる。前記の操作を4回繰り返し
たウェブを軟水に浮かべてから全体が均一に濡れるまで
にかかる時間を測定し、繊維の親水耐久性とする。
【0041】(4)変色度:親水耐久性測定用に作成し
た目付30g/m2の熱接着ウェブを、UV照射装置
(岩崎電気(株)製 EYE SUPER UV TE
STER SUV−W13)を用いて、温度90℃、相
対湿度50%の雰囲気下で、照度100mW/cm2
1時間照射し、ハンター形色差計を用いてL、a、b値
を測定し、次式によって変色度ΔEを算出し、繊維の変
色度とした。
【0042】
【数4】
【0043】(5)カード通過性:親水耐久性測定用の
目付30g/m2の熱接着ウェブを作成するにあたり、
カードの通過性を目視により、下記判定基準に従って判
断した。判定基準: ○:スカム発生が全く見られなかったもの。 △:スカム発生はあるが、得られるウェブの品位には実
用上問題が無いもの。 ×:スカムが大量に発生、若しくは得られるウェブの品
位が不良なもの。
【0044】[実施例1〜13並びに比較例1〜11]
23℃での密度が0.95g/cm3、JIS K 7
210の表1、条件4法記載の方法に準拠して測定した
メルトフローレートが20g/10分間である、高密度
ポリエチレンチップを、265℃で溶融したものを鞘成
分(熱接着成分)とし、オルトクロロフェノール溶媒に
よる固有粘度が0.65であるポリエチレンテレフタレ
ートを290℃で溶融したものを芯成分(繊維形成成
分)として、孔径が0.3mmφの芯鞘型複合紡糸口金
を用いて、溶融ポリマーの吐出温度を250℃、孔当り
吐出量を0.7g/分として吐出し、1000m/分で
引き取り、芯鞘型熱接着性複合繊維を得た。この際、芯
鞘成分の複合重量比は50/50とした。
【0045】この未延伸糸を、70℃で3.0倍に延伸
した後、延伸糸の繊維表面に表1に示す成分、含率であ
る(A)ポリエーテルポリエステル、(B)POEアル
キルエーテル、(C)アルキルホスフェート塩、(D)
ヒドロキシカルボン酸、及びポリエーテル変性シリコー
ン(分子量80000、シロキサン含有率40重量%)
からなる繊維処理剤を、濃度8%の水エマルジョンとし
てオイルバスディップ法により表1に示した付着量にな
るように付与した。
【0046】次いで、上記繊維を押込捲縮付与機に通し
て13個/25mmの捲縮を付与し、引き続きこれを切
断して単糸繊度2.2dtex、繊維長50mmの短繊
維を得た。得られた短繊維の親水耐久性及び変色度を評
価し、その結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明の親水性熱接着性複合繊維は、優
れた親水耐久性と耐変色性とを両立するこれまでにない
性質をもっており、長期間保管しても変色の問題がな
い、親水耐久性の要求される繊維製品を提供することが
できるため、その意義は大である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4L033 AB01 AB07 AC07 AC11 AC15 BA14 BA20 BA39 CA12 CA48 4L041 AA07 BA02 BA05 BA22 BC01 BC04 BC06 BD04 CA06 CA37 DD01 DD05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱接着成分としてポリオレフィンが少な
    くとも繊維表面に露出するように配された熱接着性繊維
    であって、下記に定義される親水耐久性が150秒以下
    であり、かつ変色度(ΔE)が3以下であることを特徴
    とする、親水耐久性と耐変色性とを兼備する親水性熱接
    着性繊維。 親水耐久性:繊維を目付30g/m2、面積4cm2の熱
    接着ウェブとする。このウェブを軟水に浮かべ、全体が
    均一に濡れるまで放置後これを直ちに取り出し、25℃
    下で風乾させる。前記の操作を4回繰り返したウェブを
    軟水に浮かべてから全体が均一に濡れるまでにかかる時
    間を測定し、繊維の親水耐久性とする。 変色度:繊維の熱接着ウェブが、温度90℃、相対湿度
    50%の雰囲気下、照度100mW/cm2、1時間の
    紫外線照射前後において、ハンター型色差計により測定
    されるL、a、b値から次式により求めたΔEを、繊維
    の変色度とする。 【数1】
  2. 【請求項2】 熱接着成分として少なくともポリオレフ
    ィンが繊維表面に配された熱接着性繊維であって、該繊
    維表面には、繊維処理剤有効成分を基準として下記
    (A)成分を10〜50重量%、(B)成分を5〜50
    重量%、(C)成分を5〜60重量%、(D)成分を1
    〜10重量%の範囲内で各々含有する繊維処理剤が、該
    繊維重量に対して0.05〜5重量%付着している、請
    求項1記載の親水性熱接着性繊維。 (A)ポリオキシアルキレン単位からなるポリエーテル
    ブロックと、ポリオキシカプロイル単位からなるポリエ
    ステルブロックとからなるポリエーテルポリエステルブ
    ロック共重合体; (B)ポリオキシエチレン単位を有するポリオキシアル
    キレングリコールの高級アルキルエーテル; (C)炭素数が12〜22であるアルキル基を有するア
    ルキルホスフェート金属塩;及び (D)ヒドロキシカルボン酸。
  3. 【請求項3】 親水性熱接着性繊維が、ポリオレフィン
    とポリエステルとからなる親水性熱接着性複合繊維であ
    る、請求項1記載の親水性熱接着性繊維。
JP2000255208A 2000-08-25 2000-08-25 親水耐久性と耐変色性とを兼備する親水性熱接着性繊維 Expired - Lifetime JP4381579B2 (ja)

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