JP2014070303A - 抄紙用熱可塑性樹脂繊維の製造方法 - Google Patents

抄紙用熱可塑性樹脂繊維の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、不織布や繊維構造体に加工した際に、結束状の欠点の少ない、熱接着性繊維を得るための製造方法を提供することである。
【解決手段】繊維表面の少なくとも一部がポリオレフィンから構成される熱可塑性樹脂繊維を溶融紡糸法により製造する方法であって、溶融紡糸する際にノズルからの熱可塑性樹脂の吐出工程から巻き取り工程の間で、未延伸状態の繊維表面に、ポリエーテル・ポリエステル共重合体を該未延伸状態の繊維重量に対して付着させた後、該未延伸状態の繊維を延伸し、親水性油剤を該延伸糸の繊維重量に対して付与することを特徴とする熱可塑性樹脂繊維の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、結晶化発熱が大きく、冷却固化速度の遅いポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂繊維の溶融紡糸を行う際、繊維間の膠着を防ぎ、湿式不織布とする際の結束状の欠点となることを防止することを目的とする熱可塑性樹脂繊維の製造方法に関する。
繊維表面を構成する樹脂成分の全て、または、一部に、低融点ポリオレフィンを使用した熱可塑性繊維は、湿式抄紙法において、繊維ウェブを形成した後、熱風ドライヤーや熱ロールにより低融点熱可塑性成分を融解させて繊維間結合を形成する熱接着性繊維として使用することができ、電池セパレータのような産業資材や、お茶パックのような生活資材に広く用いられている。
また、ポリオレフィン、特に、ポリプロピレン単独で構成される熱可塑性繊維は、酸やアルカリのような薬品に対して高い耐久性を有し、加水分解し難いことから、アルカリ電池セパレータ等の産業資材用途に好適に用いられている。
このようなポリオレフィン繊維は、一般に、繊維表面のポリオレフィン成分の冷却固化が遅いため、ノズルからポリマーが吐出された後に単糸同士が融着し、得られた繊維を用いて、湿式不織布に加工する際に、結束状の欠点が発生する問題がある。そこで、冷却固化の速度を速めるために、冷却風の温度を下げたり、冷却風の風量を向上させたりすると、得られた未延伸糸を十分な延伸倍率で延伸することが困難となり、延伸糸の十分な機械物性を得ることができない(例えば、特許文献1〜2参照。)。そこで、結束状の欠点を発生しない水中分散性に優れた、湿式抄紙用ポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂繊維が求められている。
特開2002−069752号公報 特開2004−232135号公報
本発明は、上記背景の下になされたもので、不織布や繊維構造体に加工した際に、結束状の欠点を発生することの少ないポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂繊維を得るための製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、紡糸時に繊維表面に特定の界面活性剤を付与することで、製品欠点に繋がる繊維同士の膠着を防ぎながら、安定的に製造することが可能な熱可塑性繊維を製造できることを見出した。
即ち本発明は、繊維表面の少なくとも一部がポリオレフィンから構成される熱可塑性樹脂繊維を溶融紡糸法により製造する方法であって、溶融紡糸する際にノズルからの熱可塑性樹脂の吐出工程から巻き取り工程の間で、未延伸状態の繊維表面に、ポリエーテル・ポリエステル共重合体を該未延伸状態の繊維重量に対して、0.05重量%以上付着させた後、該未延伸状態の繊維を延伸し、親水性油剤を該延伸糸の繊維重量に対して、0.05重量%付与することを特徴とする熱可塑性樹脂繊維の製造方法であって、当該製造方法により上記課題を解決することができる。
本発明の製造方法によれば、不織布に加工した際に、結束状の欠点の少ない、湿式抄紙用熱接着性繊維を安定的に製造することができる。
以下、本発明のポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂繊維の製造方法を詳細に説明する。本発明における繊維は、その繊維表面の少なくとも一部がポリオレフィンから構成される熱可塑性樹脂からなる繊維である。すなわち、当該繊維は、繊維の外表面の全て、または、その外表面の一部がポリオレフィンが露出するように構成されている繊維である。繊維表面の一部、または、全てがポリオレフィンからなる繊維であれば、単一成分からなる単一繊維であっても、複数の成分からなる複合繊維であってもよい。複合繊維としてはサイドバイサイド型複合繊維、芯鞘型複合繊維、海島型複合繊維のいずれであっても良い。
本発明で使用するポリオレフィンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレンと他のα−オレフィンからなる結晶性プロピレン共重合体、これらの共重合体にスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等を共重合したものを挙げることができる。更に、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセンおよび1−オクタデセンなどのオレフィン、ビニルアルコールまたはその誘導体等のオレフィンアルコール等のオレフィン類を重合または共重合して得られる未変性のオレフィン樹脂を例示することができる。好ましくはその繊維表面を構成する少なくとも一部がポリエチレンから構成される複合繊維またはその繊維表面を構成する少なくとも一部がポリプロピレンから構成される複合繊維であることである。
本発明の繊維においては、上記ポリオレフィンから1種または2種以上のポリオレフィンから構成される繊維であっても良い。また上記ポリオレフィン以外の熱可塑性樹脂であって繊維を構成する熱可塑性樹脂の種類としては、6ナイロン、4,6ナイロン、6,6ナイロン、6,10ナイロン等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレートを挙げることができる。これら熱可塑性樹脂は上記の複合繊維を形成する際にサイドバイサイド型繊維の一つの置成分、芯鞘型複合繊維の芯成分、または海島型複合繊維の島成分として配置されることになる。上記の繊維を構成する成分を構成する樹脂ポリマーには、必要に応じて、各種の添加剤、例えば、艶消し剤、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、着色顔料などが含有されていてもよい。
本発明の熱可塑性樹脂繊維の製造方法においては、溶融紡糸法により製造される。まず、前記の熱可塑性樹脂を溶融させ、熱可塑性樹脂(以下単にポリマーと称することがある。)が常法の紡糸口金から溶融紡糸される。この際、溶融押出し温度(紡糸温度)は、(該ポリマーの融点+30℃)〜(該ポリマーの融点+80℃)の範囲が適当である。2種以上の熱可塑性樹脂を採用する場合には、個々の樹脂の組み合わせ方に応じて、適宜選択することができる。より好ましくは低融点側の熱可塑性樹脂の融点と、高融点側の熱可塑性樹脂の融点差が小さい方が良好な紡糸調子を維持するには好適である。
紡糸口金から溶融吐出したポリマーは、引き取りローラーによって引き取られる。引き取りローラーの速度としては、100〜2000m/分が好ましく、より好ましくは500〜1500m/分である。溶融紡糸する際の口金ノズルから吐出される工程の後、引き取りローラーによって巻き取られる工程間に、未延伸状態の繊維糸条の表面に、ポリエーテル・ポリエステル共重合体を付与することが必要である。その未延伸状態の繊維表面に付与する該化合物の量は、未延伸状態の繊維重量に対して、0.05重量%以上であることが必要である。0.05重量%未満であると、該化合物が繊維表面を十分に被覆することができないため、十分な膠着防止性能を得ることができない。さらに好ましくは、0.10重量%以上0.50重量%以下であり、更により好ましくは0.15重量%以上0.30重量%以下である。
ポリエーテル・ポリエステル共重合体を繊維表面に付与する方法については、特に限定されないが、ポリエーテル・ポリエステル共重合体を、水中に分散させた紡糸油剤とし、オイリングローラー方式やスプレー方式で糸条表面に付与する方法が好ましく例示される。さらに、この時に、繊維間の膠着防止効果を高めるため、糸条を冷却することが望ましい。その方法としては、0℃〜35℃に冷却された紡糸油剤を糸条に付与する方法が好ましく例示される。
本発明で使用されるポリエーテル・ポリエステル共重合体としては、特にジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分とイソフタル酸成分および/またはアルカリ金属塩スルホイソフタル酸成分を40:60〜100:0のモル比で含有し、グリコール成分がエチレングリコールである、かつ数平均分子量が600〜10000の範囲にあるポリアルキレングリコールを20〜95重量%共重合させたものであることが、水系エマルジョン安定性や紡糸/延伸工程での膠着発生防止効果の点から好ましい。但し、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの酸成分や、1、3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5―ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のジオール成分が少量共重合されていてもよく、また、分子量を調整するために、ポリアルキレングリコールの片方の末端基が、モノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノフェニルエーテルのようなエーテル結合により封鎖されていても差し支えない。一方、ポリアルキレングリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド共重合体、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等があげられ、なかでもポリエチレングリコールが好ましい。
上記のポリエーテル・ポリエステル共重合体の数平均分子量は3000〜20000の範囲が、より高い膠着防止効果が得られるので好ましい。本発明における未延伸糸の膠着防止効果、分散性向上効果は、一般的に短繊維製造用油剤として使用されている、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、鉱物油およびそれらの混合物等では、得ることのできないものである。また、該ポリエーテル・ポリエステル共重合体を、延伸後に付与するのみでも、得ることのできないものである。
上記のようにして得られた、未延伸糸条を延伸する方法としては、ポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂繊維で一般的に行われている方法を採用することができる。延伸処理は1段処理であっても2段以上の処理であっても良い。2段以上の処理を行う方が、十分な強伸度を有する繊維を得ることができる点で好ましい。
本発明において、延伸処理を行ったポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂繊維は親水性油剤を該延伸糸の繊維重量に対して0.05重量%以上付与する。0.05重量%未満であると、該化合物が繊維表面を十分に親水化することができず湿式抄紙法で抄紙する際に、親水性を保持する個のができず好ましくない。さらに好ましくは、0.10重量%以上0.50重量%以下であり、更により好ましくは0.15重量%以上0.3重量%以下である。
またそのような親水性油剤としては、上述したポリエーテル・ポリエステル共重合体を含むポリエーテル系界面活性剤や水溶性ポリウレタン等を使用することができる。上述のポリエーテル・ポリエステル共重合体以外のポリエーテル系界面活性剤としては、例えばポリエチレングリコールの脂肪酸エステルであって、ポリエチレングリコールの重量平均分子量が400〜800の範囲のもの、脂肪酸アルキルエステルの炭素数が6個〜20個の直鎖、分岐鎖または環状鎖を有する化合物を挙げることができ、またポリエチレングリコールに対してものエステルであってもジエステルであっても良い。
また、このようにして延伸された繊維は通常、ポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂繊維で一般的に行われている方法により、これをカットして短繊維とすることができる。湿式抄造法でウェブを形成する場合も、上記と同様の理由により繊維長は2〜30mmが好ましく、より好ましくは3〜20mmである。このようにして得られたポリオレフィンを含む熱可塑性樹脂繊維は抄紙用途に好適に用いることができるので、本発明の製造方法により得られた繊維は抄紙用熱可塑性樹脂繊維として好適な繊維となりうる。より詳細には湿式不織布製造用に好適な熱可塑性樹脂繊維として用い得る。当該繊維に関して捲縮は不織布の目的に応じて、付与しても付与しなくてもよい。湿式不織布に嵩高性を与えたい場合は捲縮を付与してもよいが、湿式抄造時の水中分散性の点からは捲縮を付与しない方が好ましい。
以下に本発明の構成および効果を具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明は、これら実施例になんら限定を受けるものではない。なお、実施例中の各値は、以下の方法に従って求めた。
(1)固有粘度([η])
ポリマーを一定量計量し、35℃のo−クロロフェノールに0.012g/mlの濃度に溶解してから、常法に従って求めた。
(2)融点(Tm)、ガラス転移点(Tg)
TAインスツルメント・ジャパン(株)社製のサーマル・アナリスト2200を使用し、昇温速度20℃/分で測定した。
(3)繊度
JIS L 1015:2005 8.5.1 A法に記載の方法により測定した。
(4)強度・伸度
JIS L 1015:2005 8.7.1法に記載の方法により測定した。
(5)紡糸油剤付着量
未延伸糸に付着した、紡糸油剤の未延伸繊維重量に対する付着量は、以下の方法で求めた。また未延伸糸に付着した紡糸油剤も、その一部は下記延伸油剤と同様の操作にて抽出処理を行った。
付着率=紡糸油剤エマルジョン濃度(%)×未延伸糸水分率(%)/100
(6)延伸油剤付着量
メタノール/アセトンを容量比1:1で混合した溶剤と繊維サンプルをソックスレー抽出器に入れて90分間加温・抽出した後の残渣の重量を測定し、所定繊維重量で除した値を用いた。
(7)紡糸油剤、延伸油剤、繊維を構成する化合物の特定
紡糸油剤、延伸油剤については上記操作にて抽出した油剤を試料として、繊維については油剤抽出後の繊維表面およびその表面以外の部分を削り取り試料として用いた。これらの試料を、重クロロホルム、重DMSO、またはヘキサフルオロイソプロパノール等の中から適切な溶媒に溶解してH−NMRスペクトルを測定し、得られたスペクトルを解析することによって、紡糸油剤、延伸油剤、繊維を構成するポリマーの種類を特定した。
(8)未延伸糸膠着性
紡糸捲き取り後の未延伸糸を手で触れたときの硬さおよび単糸の分繊状態で判定した。未延伸糸に手で触れたときに、未延伸糸が柔らかく、容易に単糸に分繊する状態を○印、原糸がやや硬く、単糸が分繊されない部分を含む場合を△印、原単糸同士が密着して針金状またはストランド状に一体化し、分繊しない場合を×印で示した。
(9)水中分散性
未延伸糸膠着の繊維品質への影響を確認するため、得られた繊維の水中分散性を評価した。評価方法は、1000ミリリットルのメスシリンダーに500ミリリットルの水を入れ、この中に所定の繊維長に切断した繊維を0.5g入れ、メスシリンダーの開口部に蓋をし、上下を手で持ち、メスシリンダーを5回反転させた後、結束状繊維の有無を目視判定した。結束状繊維が4個以下しか認められない場合を○印、5〜20個認められる場合を△印、21個以上認められる場合を×印で示した。
(10)メルトフローレイト(MFR)
JIS規格 K7210の表1、条件4の方法に準拠した方法で測定を行った。
[実施例1]
低融点熱接着成分として、MFRが20g/10min、Tmが131℃の高密度ポリエチレン、繊維形成性成分として、MFRが39g/10min、Tmが160℃のポリプロピレン(PP)を用い、これらを各々別のエクストルーダーで溶融し、各々235℃と247℃の溶融ポリマーとして、前者を鞘成分、後者を芯成分とし、複合比率を鞘:芯=50:50(重量比)として、円形の吐出孔を1032孔有する同心芯鞘型複合紡糸口金を用いて、複合化して溶融吐出させた。この際、口金温度は260℃、吐出量は260g/分であった。さらに、吐出ポリマーを口金下35mmの位置で27℃の冷却風で空冷し、糸条に対して、濃度1.0重量%のポリエーテル・ポリエステル共重合体エマルジョンをオイリングローラーにて付与した後、1150m/分で巻き取り、未延伸糸を得た。この未延伸糸に対するポリエーテル・ポリエステル共重合体の付着量は、0.20重量%であった。この未延伸糸を、70℃の温水中において、3.00倍で延伸し、引き続いて90℃の温水中において、1.20倍で延伸した後、延伸油剤として、ポリエーテル・ポリエステル共重合体を付与した後、100℃で60分間乾燥した後、5mmの繊維長にカットし、複合短繊維を得た。この延伸糸に対するポリエーテル・ポリエステル共重合体の付着量は、0.30重量%であった。繊維の紡糸等の条件および評価結果を表1に示した。
[実施例2]
熱可塑性成分として、MFRが39g/10min、Tmが160℃のポリプロピレン(PP)を用い、これらを各々別のエクストルーダーで溶融し、255℃の溶融ポリマーとして、円形の吐出孔を1305孔有する紡糸口金を用いて、溶融吐出させた。この際、口金温度は260℃、吐出量は150g/分であった。さらに、吐出ポリマーを口金下45mmの位置で27℃の冷却風で空冷し、糸条に対して、濃度1.0重量%のポリエーテル・ポリエステル共重合体エマルジョンをオイリングローラーにて付与した後、1000m/分で巻き取り、未延伸糸を得た。この未延伸糸に対するポリエーテル・ポリエステル共重合体の付着量は、0.20重量%であった。この未延伸糸を、70℃の温水中において、2.94倍で延伸し、引き続いて90℃の温水中において、1.07倍で延伸した後、延伸油剤として、ポリエーテル・ポリエステル共重合体を付与した後、100℃で60分間乾燥した後、5mmの繊維長にカットし、短繊維を得た。この延伸糸に対するポリエーテル・ポリエステル共重合体の付着量は、0.30重量%であった。繊維の紡糸等の条件および評価結果を表1に示した。
[実施例3]
低融点熱可塑性接着成分として、MFRが20g/10min、Tmが131℃の高密度ポリエチレンを用い、繊維形成性成分として、80℃で1時間、170℃で4時間真空乾燥した固有粘度[η]が0.61dL/g、Tmが256℃のポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、これらを各々別のエクストルーダーで溶融し、各々250℃と280℃の溶融ポリマーとして、前者を鞘成分、後者を芯成分とし、複合比率を鞘:芯=50:50(重量比)として、円形の吐出孔を750孔有する同心芯鞘型複合紡糸口金を用いて、複合化して溶融吐出させた。この際、口金温度は285℃、吐出量は480g/分であった。さらに、吐出ポリマーを口金下35mmの位置で27℃の冷却風で空冷し、糸条に対して、濃度1.0重量%のポリエーテル・ポリエステル共重合体エマルジョンをオイリングローラーにて付与した後、1150m/分で巻き取り、未延伸糸を得た。この未延伸糸に対するポリエーテル・ポリエステル共重合体の付着量は、0.20重量%であった。この未延伸糸を、70℃の温水中において2.45倍で延伸し、引き続いて90℃の温水中で1.15倍に延伸した後、延伸油剤として、ポリエステル・ポリエーテル共重合体を付与した後、100℃で60分間乾燥した後、5mmの繊維長にカットし、複合短繊維を得た。この延伸糸に対するポリエーテル・ポリエステル共重合体の付着量は、0.30重量%であった。繊維の紡糸等の条件および評価結果を表1に示した。
[比較例1]
巻き取り時の原糸に対して、ラウリルホスフェートカリウム塩を0.20重量%付与する以外は、実施例1と同等に行って、短繊維を得た。繊維の紡糸等の条件および評価結果を表1に示した。
[比較例2]
巻き取り時の原糸に対して、ラウリルホスフェートカリウム塩を0.20重量%付与する以外は、実施例2と同等に行って、短繊維を得た。繊維の紡糸等の条件および評価結果を表1に示した。
[比較例3]
巻き取り時の原糸に対して、ラウリルホスフェートカリウム塩を0.20重量%付与する以外は、実施例3と同等に行って、短繊維を得た。繊維の紡糸等の条件および評価結果を表1に示した。
Figure 2014070303
本発明の製造方法によれば、ポリオレフィンを繊維表面の一部、または、全部に使用した熱可塑性繊維において、紡糸直後の繊維間の膠着を防止することで、不織布に加工した際に結束状の欠点を発生させることのない繊維を安定的に製造することができる。本発明の製造方法により得られる熱可塑性繊維は、湿式不織布に加工することで、各種の生活資材、産業資材に好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 繊維表面の少なくとも一部がポリオレフィンから構成される熱可塑性樹脂繊維を溶融紡糸法により製造する方法であって、溶融紡糸する際にノズルからの熱可塑性樹脂の吐出工程から巻き取り工程の間で、未延伸状態の繊維表面に、ポリエーテル・ポリエステル共重合体を該未延伸状態の繊維重量に対して、0.05重量%以上付着させた後、該未延伸状態の繊維を延伸し、親水性油剤を該延伸糸の繊維重量に対して、0.05重量%付与することを特徴とする熱可塑性樹脂繊維の製造方法。
  2. 繊維表面を構成する少なくとも一部がポリエチレンから構成される複合繊維であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂繊維の製造方法。
  3. 繊維表面を構成する少なくとも一部がポリプロピレンから構成される複合繊維であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂繊維の製造方法。
  4. 1種または2種以上のポリオレフィンから構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の熱可塑性樹脂繊維の製造方法。
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