JPH11302982A - 人工皮革 - Google Patents

人工皮革

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JPH11302982A
JPH11302982A JP10793098A JP10793098A JPH11302982A JP H11302982 A JPH11302982 A JP H11302982A JP 10793098 A JP10793098 A JP 10793098A JP 10793098 A JP10793098 A JP 10793098A JP H11302982 A JPH11302982 A JP H11302982A
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JP
Japan
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polyurethane
weight
artificial leather
fiber
sheath
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JP10793098A
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English (en)
Inventor
Akira Isaka
晃 伊坂
Koji Watanabe
幸二 渡辺
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐光性に優れ、かつ耐薬品性、耐ドライクリー
ニング性にも優れた極めて耐久性のある人工皮革を提供
することにある。 【解決手段】主として平均繊度1dtex以下の極細繊
維からなる繊維絡合体とポリウレタン弾性体とで構成さ
れ、上記極細繊維が紫外線吸収剤を1重量%以上含有
し、かつ、ポリウレタン弾性体にポリウレタン分子末端
のイソシアネート残基を介して酸化防止剤を結合せしめ
た分子が存在し、該酸化防止剤濃度がポリウレタン固形
分中の0.1〜3重量%であることを特徴とする人工皮
革。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐光性に優れた人
工皮革に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人工皮革の耐光性を改善するために、こ
れまでポリウレタンのソフトセグメント部をポリエステ
ル主体にしたり、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ヒンダー
ドアミンなどの各種安定剤をポリウレタンに添加するな
どの試みがなされた。また、単にポリウレタン中に安定
剤を添加するだけでは薬品等によってその安定剤が脱落
する可能性が高いことから、安定剤をポリウレタンに共
重合させるなどの試みも行われた(たとえば、特開平4
−258642号公報、特開平4−298521号公報
など)。
【0003】耐光性の観点から言えば、用いるポリウレ
タンはソフトセグメントがポリエステル主体のポリウレ
タンが良いが、このポリウレタンでは耐加水分解性が悪
く、耐久性に欠けるという問題がある。また、前述のよ
うに単に安定剤を添加しただけではポリウレタン含浸後
に布帛を有機薬剤に浸す場合やドライクリーニングなど
によって安定剤が脱落してしまい、安定剤の意味が全く
なくなってしまうこともある。
【0004】一方、紫外線吸収剤と酸化防止剤の両方を
加えることにより、耐光性が相乗効果的に向上する場合
があることが知られている。しかし、2種類の安定剤を
ポリウレタンに共重合させ、かつポリウレタンの物性を
維持させることは困難である。さらに、ポリウレタンだ
けの耐光性向上だけでは人工皮革の耐光性向上には不十
分である。理由はよくわからないが、人工皮革は表面が
極細繊維で覆われていることから、人工皮革の光劣化は
ポリウレタンの耐光性向上だけでは十分改善するには至
らないのではないかと考えている。
【0005】また、1dtex以下の極細繊維における
耐光性の改善に対してはこれまで有効な手段はほとんど
なかった。極細繊維に紫外線吸収剤を含有させてその耐
光性を改善するという試みは従来からなされていたが、
紫外線吸収剤の量が少ない場合は耐光性に効果が無く、
一方、量を多くすると繊維の強度が低下するなどの問題
があり、それらのバランスを取ることが困難であった。
さらに、極細繊維の耐光性を向上しても、ポリウレタン
の光劣化は抑えることはできなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の欠点を改良し、耐薬品性、耐ドライクリーニング性
に優れ、かつ耐光性を大きく改善することのできる人工
皮革を提供すること目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、主とし
て平均繊度1dtex以下の極細繊維からなる繊維絡合
体とポリウレタン弾性体とで構成され、上記極細繊維が
紫外線吸収剤を1重量%以上含有し、かつ、ポリウレタ
ン弾性体にポリウレタン分子末端のイソシアネート残基
を介して酸化防止剤を結合せしめた分子が存在し、該酸
化防止剤濃度がポリウレタン固形分中の0.1〜3重量
%であることを特徴とする人工皮革である。
【0008】さらに、極細繊維が芯鞘複合繊維で、鞘部
に紫外線吸収剤を含有し、鞘部における紫外線吸収剤濃
度が3〜30重量%であることが、耐光性、繊維強度の
バランスを考慮した上で効果的である。
【0009】また、極細繊維の芯部の紫外線吸収剤濃度
を1重量%以下にすると耐光性や繊維の強力などにおい
てより効果的である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に用いる極細繊維の単繊維
繊度は1dtex以下である。目的により繊度は変えら
れるが、衣料など柔軟性が求められる場合は0.5dt
ex以下にすることが好ましい。
【0011】本発明の極細繊維の材質は特に制限はな
く、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートなどのポリエステル、ナイロン6、ナイロン
6,6などのポリアミドおよびこれらの共重合体、ポリ
塩化ビニル、アクリル系、およびアクリル系共重合体な
どがあげられるが、特にポリエステルまたはその共重合
体が好ましい。
【0012】本発明では極細繊維に紫外線吸収剤を含有
させるが、紫外線吸収剤濃度が1重量%に満たない場合
は、耐光性向上に効果がない。
【0013】さらに耐光性と繊維強度のバランスを考慮
すると、極細繊維を芯鞘複合繊維にし、鞘部における紫
外線吸収剤濃度を3〜30重量%にすることが好まし
い。その場合の鞘部と芯部の比率は特に制限はないが、
鞘部の厚さは極細繊維の紫外線吸収剤含有濃度、繊維の
使用目的、用途に応じて適宜調節する。すなわち、鞘部
の紫外線含有濃度が高い場合や、目標とする耐光性のレ
ベルがそれほど高くない場合は、鞘部を薄くできるし、
鞘部の紫外線吸収剤含有濃度が低い場合や目標とする耐
光性のレベルが比較的高い場合は鞘部を厚くする。
【0014】極細繊維の鞘部に紫外線吸収剤を含有させ
る場合、通常太さの繊維と異なり、紫外線吸収剤含有濃
度が3重量%に満たない場合は、耐光性向上の効果が得
られにくくなり、30重量%を越える場合は紫外線吸収
剤のブリードアウト、繊維物性の低下等の問題が発生す
る。
【0015】また、芯部と鞘部のポリマーの組み合わせ
に特に制限はなく、芯部と鞘部を同一のポリマーの組み
合わせでも、異なるポリマーの組み合わせでも構わない
し、同一ポリマーの重合度の異なる組み合わせでも構わ
ない。
【0016】極細繊維の形成方法については特に制限は
なく、通常の紡糸・延伸工程を採用することもできる
し、スーパードロー法、あるいは2種類以上の成分を紡
糸した後に剥離して分割する方法などを採用することが
できる。特に溶解性の異なる2種類以上のポリマーをあ
わせて紡糸した後に少なくとも1成分を溶解除去する方
法を用いると、繊維と繊維の間に空間ができるので、柔
軟性に優れたシート状物を得ることができる。このよう
な場合の溶解除去成分としては例えば、ポリエチレン、
ポリスチレン、共重合ポリスチレン、ポリエステル、共
重合ポリエステル等を用いることができる。繊維の形態
としては通常の丸断面の他に、中空断面、三角型やY型
の異型断面、あるいは2種類以上のポリマーの複合糸を
用いることができる。
【0017】本発明の紫外線吸収剤は特に制限はなく、
低分子化合物、高分子化合物、無機化合物等を適宜用い
ることができる。例えば、低分子化合物としてはベンゾ
フェノン系、ベンゾトリアジン系、ベンゾトリアゾール
系、サリチル酸系化合物、高分子化合物としては前述の
低分子化合物をポリエステル、ポリアミド、ポリオレフ
ィン等の高分子に共重合したもの、無機化合物としては
酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛、カーボンブラッ
ク等を例示することができる。
【0018】紫外線吸収剤を含有するポリマーを製造す
る方法としては、例えばポリマー重合時に紫外線吸収剤
を添加する方法、紫外線吸収剤として作用するモノマー
を共重合する方法、一旦ポリマーを形成した後に紫外線
吸収剤を練り込む方法等を例示することができる。
【0019】また、本発明の好ましい態様の1つは、芯
部における紫外線吸収剤含有濃度が1重量%以下である
ことを特徴とする耐光性に優れた極細繊維である。紫外
線吸収剤濃度を1重量%以下とすることにより、高い耐
光性が得られる。特に極細繊維の場合は芯部に紫外線吸
収剤を添加しても光路長がないため、さほどの効果は認
められず、表層部で紫外線を効果的にカットするのが望
ましいためである。
【0020】また、本発明の極細繊維に後加工処理して
さらに紫外線吸収剤を含有せしめることも可能である。
【0021】また、本発明は単繊維繊度1dtex以下
の極細芯鞘複合繊維を製造する場合、鞘成分として紫外
線吸収剤を3〜30重量%、好ましくは5〜30重量
%、さらに好ましくは10〜30重量%含有するポリマ
ーを用いる。
【0022】また、本発明の好ましい具体的態様の1つ
は、海成分と鞘成分と芯成分からなる3成分複合繊維を
形成した後、海成分を除去して単糸繊度1dtex以下
の極細芯鞘複合繊維を製造するにあたり、鞘成分として
紫外線吸収剤を3〜30重量%、好ましくは5〜30重
量%、さらに好ましくは10〜30重量%含有するポリ
マーを用い、海成分は溶解するが、鞘成分、芯成分、紫
外線吸収剤を実質的に溶解しない条件で海成分を抽出す
ることである。
【0023】この方法によれば、極細芯鞘複合繊維を安
定して製造することができると同時に、繊維に含有させ
た紫外線吸収剤が脱落することを防ぐことができる。
【0024】この場合の海成分、鞘成分、芯成分に特に
制限はなく、海成分としてはポリエチレン、ポリスチレ
ン、共重合ポリスチレン、ポリエステル、共重合ポリエ
ステル等を用いることができるし、芯成分、鞘成分とし
てはナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド、ポリ
エチレンテレフタレート、共重合成分を含むポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
アクリロニトリル等を単独あるいは混合して用いること
ができる。
【0025】延伸処理の方法は特に制限はなく、通常の
ロールによる延伸方法を採用することができる。延伸倍
率としては、紫外線吸収剤の脱落を防ぐには高いほうが
好ましいが、高すぎると糸切れ等の問題が発生するた
め、使用するポリマー、紫外線吸収剤、延伸条件、海成
分除去条件等によって適宜選択するが、一般的には2〜
4倍の間の条件が好ましい。
【0026】繊維絡合体形成に当たっては、常法のごと
く、カードによるウェブ形成方式や抄紙法を利用しウェ
ブを形成した後、ニードルパンチ、ウォータージェット
パンチもしくはこれらを組み合わせて行う。高強度化す
るために、絡合体が極細繊維不織布と織物、もしくは編
み物とが一体化した構造とすることも可能である。この
場合は上記ウェブを織物もしくは編み物に積層し、ニー
ドルパンチもしくはウォータージェットパンチもしくは
それらを組み合わせ、ウェブ中の繊維と織物もしくは編
み物との絡合一体化を行う。
【0027】なおこの際、ウェブの両面もしくは片面に
織物もしくは編み物を積層し絡合処理する方法や、さら
に該絡合体を複数重ねて再度絡合処理し、後工程でこの
絡合体もしくは絡合体を処理して得た基材をスライスし
2枚取りとする方法など、目的に応じ使用可能である。
【0028】織物もしくは編み物を構成する繊維は、ポ
リエステル類、ポリアミド類、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンおよびそれらの共重合体類を用いることが可能で
ある。
【0029】これらの極細繊維絡合体にポリウレタン弾
性体を付与する。製品品位を高めるために弾性体付与前
に収縮熱処理、ヒートプレス、ウェットプレスなどで絡
合体の高密度化あるいはポリビニルアルコールなどの糊
剤による形態固定化などの工程を組み合わせることも可
能である。ポリウレタン弾性体のソフトセグメントは耐
加水分解性や皮革にした場合の風合い、コスト等を考え
るとポリエーテル系が20重量%以上含まれることが好
ましい。ポリエーテル以外の成分を混合することもでき
るが、その成分としてはポリエステル系やポリカーボネ
ート系などがあげられる。ソフトセグメントの重量平均
分子量は強度、柔軟性等を考慮すると500〜3000
が好ましい。
【0030】ポリウレタン弾性体の付与に際して、該弾
性体中に必要に応じて着色剤、制電防止剤、分散剤、柔
軟剤、凝固調整剤等の添加剤を配合することもできる。
ポリウレタン弾性体の付与方法としては、極細繊維絡合
体に弾性体溶液を含浸する方法や、エマルジョン状態の
ポリウレタン弾性体を含浸する方法などが例として挙げ
られるが、いかなる方法も採用することができる。凝固
方法としては加熱乾燥により脱溶剤を行う乾式法、該ポ
リウレタン弾性体の非溶剤、あるいは非溶剤−溶剤液中
で処理する湿式法など、いかなる手段を取ってもよい。
【0031】ポリウレタン弾性体の量は、製品の柔軟
性、タッチ、染色均一性、強力などから、適宜選択する
ことができるが、不織布のみで絡合体が形成されている
場合、湿式法により凝固を行う場合などは固形分として
対極細繊維重量比で20〜75%の範囲が好ましい。ま
た、織物あるいは編物と一体化された絡合体や水流絡合
などにより高度に絡合されたシート、さらには乾式法に
より凝固を行う場合などはごく少量でも充分であり、2
〜20%の範囲が好ましい。しかし、いずれの場合もこ
の範囲の限りではなく、極細繊維絡合体の物性等を考慮
した上でポリウレタン弾性体の量を調節すればよい。
【0032】本発明においてはこのポリウレタン弾性体
として、ポリウレタン分子末端のイソシアネート残基を
介して酸化防止剤を結合させたものを用いる。該酸化防
止剤の濃度は、ポリウレタン固形分中の0.1〜3重量
%が好ましい。0.1%より少ないと耐光性に関して効
果が現れにくく、3%を越えるとポリウレタン自体の強
力低下につながる。酸化防止剤の種類としてはヒンダー
ドフェノール系、チオエーテル系、リン系などがあげら
れるが、熱安定性や着色性、イソシアネートとの結合の
しやすさ、紫外線吸収剤としての効果を考えるとヒンダ
ードフェノール、特にフェノール系水酸基を2個以上持
つヒンダードフェノールが最も好ましい。
【0033】従来はポリウレタンに紫外線吸収剤と酸化
防止剤の両方を添加して耐光性の改善を行っていたが、
本発明のように極細繊維側に紫外線吸収剤を添加し、ポ
リウレタン弾性体に酸化防止剤を共重合させることによ
って耐光性は大きく改善することができる。また、本発
明のように極細繊維側に紫外線吸収剤を添加し、ポリウ
レタン弾性体側に酸化防止剤を共重合させることによ
り、薬品処理やドライクリーニングによって紫外線吸収
剤、酸化防止剤が脱落する問題もないことから、皮革の
寿命も長くすることができる。
【0034】さらにポリウレタンを重合する際に、鎖伸
長剤に非芳香族系の化合物を用いると黄変しにくくなる
などの効果が発現する。非芳香族系の化合物としてはエ
チレングリコールやテトラメチレングリコールなどの各
種グリコール類、エタノールアミンなどのアミノアルコ
ール類、脂肪族、脂環族のジアミンなどがあげられる
が、目的に応じて各種選択することができる。
【0035】また、ポリウレタンを重合する際に、イソ
シアネートにも非芳香族系の化合物を用いるとポリウレ
タン由来の黄変はほとんどなくなる。非芳香族系の化合
物としては4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
トの芳香族部分を水素化させた化合物、イソホロンジイ
ソシアネートなどの脂環族化合物、ヘキサメチレンジイ
ソシアネートなどの脂肪族化合物などがあげられるが、
目的に応じて各種選択することができる。
【0036】また、このシートの少なくとも一面を起毛
処理して繊維立毛面を形成させることも可能である。繊
維立毛面を形成させる方法は、サンドペーパーなどによ
るバフィング等の公知の方法を用いる。
【0037】繊維絡合体が織物もしくは編み物と絡合一
体化したものである場合の起毛処理は、極細繊維の絡合
体面を起毛処理するが、織物もしくは編み物が表層近辺
にある場合は、該織物もしくは編み物に損傷を与えない
程度に軽く擦過処理してもよい。
【0038】得られたシートを染色、仕上げ処理におい
ては、シートの風合い柔軟化を出すために染色前にアル
カリ減量処理等を行うことも可能である。アルカリ減量
処理は極細繊維の太さとの兼ね合いで減量率3〜30重
量%、好ましくは5〜20重量%の範囲で調整するのが
良い。
【0039】
【実施例】以下に本発明を実施例にて詳細に説明する
が、本発明の有効性や権利の範囲はこれによって限定、
制約を受けるものではない。
【0040】実施例1 3成分芯鞘複合糸用口金を用いて芯鞘複合繊維を作成し
た。複合条件は以下の通りである。
【0041】芯成分 :ポリエチレンテレフタレート 鞘成分 :ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を7.0
重量%分散させたポリエチレンテレフタレート 海成分 :ポリスチレン 芯鞘比率:芯50重量%、鞘50重量% 芯鞘太さ:0.2dtex 極細繊維中の紫外線吸収剤濃度:3.5重量% 上記の極細芯鞘複合繊維を80℃の液浴にて3.5倍に
延伸した。該極細繊維に捲縮を付与した後、カットし、
原綿を得た。該原綿をクロスラッパーを用いてウェブと
し、さらにニードルパンチを施し、不織布を得た。該不
織布を10重量%ポリビニルアルコール液に含浸した
後、搾液、乾燥した。その後、海成分を除き、別途作成
した、ポリテトラメチレングリコールとポリカプロラク
トンの75:25混合ジオールと4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート(MDI)から得られたプレポ
リマーにヒンダードフェノール(旭電化(株)アデカス
タブA0−40)を添加し、エチレングリコールで鎖伸
長して得られたポリウレタン(酸化防止剤はポリウレタ
ン固形分の0.5重量%)の10重量%ジメチルホルム
アミド(DMF)溶液に含浸し、ポリウレタン付量を不
織布重量に対して35重量%とした後に、ポリウレタン
を湿式にて凝固すると同時にポリビニルアルコールを除
去し、直ちにプレス、乾燥したのち、該シートに起毛処
理し、次いで分散染料にて染色し、皮革様シート状物を
得た。その後、JIS L 0842法に基づきこのシ
ート状物の耐光堅牢性と光照射後の引張強力を測定し
た。また、ドライクリーニングによる影響を見るため、
パークロロエチレンによりドライクリーニング処理を5
回行った後、同様に耐光性と引張強力を測定した。それ
らの結果を表1に示した。
【0042】実施例2 3成分芯鞘複合糸用口金を用いて芯鞘複合繊維を作成し
た。複合条件は以下の通りである。
【0043】芯成分 :ポリエチレンテレフタレート 鞘成分 :ベンゾトリアジン系紫外線吸収剤を7.0重
量%分散させたポリエチレンテレフタレート 海成分 :ポリスチレン 芯鞘比率:芯50%、鞘50% 芯鞘太さ:0.2dtex 極細繊維中の紫外線吸収剤濃度:3.5重量% ポリウレタン含浸前までの加工は実施例1と同様に行っ
た。その後、別途作成した、ポリテトラメチレングリコ
ールとポリカプロラクトンの75:25混合ジオールと
芳香族部分を水素化した4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート(HMDI)から得られたプレポリマー
にヒンダードフェノール(旭電化(株)アデカスタブA
0−40)を添加し、エチレングリコールで鎖伸長して
得られたポリウレタン(酸化防止剤はポリウレタン固形
分の0.5重量%)の10重量%DMF溶液に含浸し、
ポリウレタン付量を不織布重量に対して35重量%とし
た後に、ポリウレタンを湿式にて凝固すると同時にポリ
ビニルアルコールを除去し、直ちにプレス、乾燥した
後、該シートに起毛処理し、分散染料にて染色し、皮革
様シート状物を得た。評価結果を表1に示した。
【0044】実施例3 鞘成分中の紫外線吸収剤濃度が10.0%(極細繊維中
では5.0重量%)になった以外は実施例1と同様の繊
維を用い、また実施例1と同様にウェブまで作成し、そ
の後ポリエチレンテレフタレートの強撚糸(2000T
/m)平織物と一体化したフェルトを作った。5重量%
のポリビニルアルコールに含浸し、その後の脱海以降の
加工は実施例2と同様の手法で行った。得られたシート
状物の評価結果を表1に示した。
【0045】比較例1 2成分芯鞘複合糸用口金を用いて芯鞘複合繊維を作成し
た。複合条件は以下の通りである。
【0046】 島成分 :ポリエチレンテレフタレート(0.2d) 海成分 :ポリスチレン 実施例1のポリウレタン含浸前まで、同様の加工を行っ
た。その後、別途作成しておいた、ポリテトラメチレン
グリコールとポリカプロラクトンの75:25混合ジオ
ールと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートか
ら得られたプレポリマーをエチレングリコールで鎖伸長
して得られたポリウレタンの10重量%DMF溶液に含
浸し、ポリウレタン付量を不織布重量に対して35重量
%とした後に、ポリウレタンを湿式にて凝固すると同時
にポリビニルアルコールを除去し、直ちにプレス、乾燥
したのち、該シートに起毛処理した後、分散染料にて染
色を施し皮革様シート状物を得た。得られたシート状物
の評価結果を表1に示した。
【0047】比較例2 比較例1の繊維を用い、実施例2と同様の加工を行っ
た。得られたシート状物の評価結果を表1に示した。
【0048】比較例3 実施例2の繊維を用い、比較例1と同様の加工を行っ
た。得られたシート状物の評価結果を表1に示した。
【0049】比較例4 比較例1と同様の繊維を用い、加工を行った。ただし、
ポリウレタン含浸の際にベンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤とヒンダードフェノール(旭電化(株)アデカスタ
ブA0−40)をポリウレタン中に0.5重量%になる
ように添加した。得られたシート状物の評価結果を表1
に示した。
【0050】比較例5 実施例2で用いた鞘成分の代わりに、同紫外線吸収剤を
2重量%(極細繊維中では1.0重量%)添加したポリ
エチレンテレフタレートを使用した以外は実施例2と同
様の方法で加工した。得られたシート状物の評価結果を
表1に示した。
【0051】比較例6 ヒンダードフェノールの濃度をポリウレタン固形分の
0.05%にした以外は実施例1と同様の方法で加工し
た。得られたシート状物の評価結果を表1に示した。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
による人工皮革は耐光性に極めて優れ、耐薬品性・耐ド
ライクリーニング性にも優れることから、衣料用はもち
ろん、光に対して過酷な条件下で用いる資材用途にも幅
広く利用できる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主として平均繊度1dtex以下の極細繊
    維からなる繊維絡合体とポリウレタン弾性体とで構成さ
    れ、上記極細繊維が紫外線吸収剤を1重量%以上含有
    し、かつ、ポリウレタン弾性体にポリウレタン分子末端
    のイソシアネート残基を介して酸化防止剤を結合せしめ
    た分子が存在し、該酸化防止剤濃度がポリウレタン固形
    分中の0.1〜3重量%であることを特徴とする人工皮
    革。
  2. 【請求項2】極細繊維が芯鞘複合繊維であり、鞘部に紫
    外線吸収剤を含有し、該鞘部における紫外線吸収剤濃度
    が3〜30重量%であることを特徴とする請求項1記載
    の人工皮革。
  3. 【請求項3】極細繊維の芯部の紫外線吸収剤濃度が1重
    量%以下であることを特徴とする請求項1または2記載
    の人工皮革。
  4. 【請求項4】ポリウレタン弾性体のソフトセグメント部
    にポリエーテルを20重量%以上含んでいることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の人工皮革。
  5. 【請求項5】酸化防止剤がヒンダードフェノールである
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の人工
    皮革。
  6. 【請求項6】ヒンダードフェノールがフェノール系水酸
    基を2個以上含む構造であることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれかに記載の人工皮革。
  7. 【請求項7】ポリウレタン弾性体を構成する鎖伸長剤が
    非芳香族系化合物であることを特徴とする請求項1〜6
    のいずれかに記載の人工皮革。
  8. 【請求項8】ポリウレタン弾性体を構成するジイソシア
    ネートが非芳香族系化合物であることを特徴とする請求
    項1〜7のいずれかに記載の人工皮革。
JP10793098A 1998-04-17 1998-04-17 人工皮革 Pending JPH11302982A (ja)

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WO2008102822A1 (ja) 2007-02-20 2008-08-28 Fujifilm Corporation 紫外線吸収剤を含む高分子材料
WO2008123504A1 (ja) 2007-03-30 2008-10-16 Fujifilm Corporation 紫外線吸収剤組成物
WO2009022736A1 (ja) 2007-08-16 2009-02-19 Fujifilm Corporation ヘテロ環化合物、紫外線吸収剤及びこれを含む組成物
WO2009123141A1 (ja) 2008-03-31 2009-10-08 富士フイルム株式会社 紫外線吸収剤組成物
WO2009123142A1 (ja) 2008-03-31 2009-10-08 富士フイルム株式会社 紫外線吸収剤組成物
WO2009136624A1 (ja) 2008-05-09 2009-11-12 富士フイルム株式会社 紫外線吸収剤組成物

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