明
変態量率の 測定方法及び装置
技術分野
こ の発明 は、 鋼等の結晶変態 、 即 ち 、 オ ー ス テ ナ ィ 卜 か ら 、 フ ェ ラ イ 卜 へ の 、 あ る い は 、 そ の逆の過程 に お い て 生 じ る電磁気的な変化を検出 し て 、 被検体の変態量率 を 測定 す る た めに用 い る 変態量率測定方法及び そ の装置 に 関 す る も ので あ る 。
背景技術
従来 、 変態量率の測定方法 と し て 、 放射線 を利用 し た 方法や 、 直流磁界を利用 し た 直流磁界法 お よ び 、 変態過 程 に お い て生 じ る 電磁気的な変化 を コ ィ ルイ ン ピ ー ダ ン ス の 変化 と し て 検出 す る方法があ る 。 放射線利用 し た 変 態量率の 測定方法 は オ ー ス テ ナ イ 卜 か ら フ ェ ラ ィ 卜 の変 化 に お け る格子定数の変化 に よ り X 線回折角 が変化 す る 事を利用 し た 物で あ る が 、 ズ 被検体 に ^透 し に く い た め表層 ( 数 1 0 ^ ) の情報 し かえ ら れな い と か、 被検 体のバ タ ツ キ に 対 し て 弱 い と い う 欠点を有する 。 直流磁 界 <5 は被検体 に、直流磁界を与え 、 ホ一ル素子 で 磁界 を 測 定す る あ の で あ るが 、 変態量率 と 測定値 と の 間 に 著 し い 非線形性が あ る と と も に 、 変態が始 ま つ て 、 被検体が 強 磁性体 に な る と 、 直流磁界が表靨部の み に 流れる た め 、
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変態の 開始点近傍 し か測定 出来ない と い う欠点が あ る 。 次に 、 本発明 と同 じ よ う な変態過程に お ける電磁気的 な変化を コ イ ルで検知 す る変態量率の測定方法に つ い て 詳 し く 述 ベる 。 こ の種の変態量率の 測定方法 と し て 、 第 図 に示 す よ な ち の があ る 。 図 に おい て 、 1 は被検体 の変態量の測定 に たい し て 、 適切 な周波数の正弦波電流 を作る た め の発 is、 2 は変態量の測定の対象 と なる板 状の被検体で 、 この被検体 2 の上部に近接 し て 置かれて いる 3 は被快体 2 の変態量の変化 を検出 す る た め の セ ン サー の役目 を す 検出 コ イルで 、 4 は検出 コ ィル 3 の ィ ン ピ一 ダ ン ス の変化を検知 する た めの プ リ ッ ジ 回路で 、 5 はブ リ ッ ジ回路の検出信号を利用 し易 い形態に変化 さ せ る信号処理装置、 6 は信号の表示部を表す
次 に動作 に つ いて 説明 する 。
第 図 に示す従来の電磁気的変化を コ イ ル に よ っ て検 知す る方法は板状の被検材 2 の近傍に検出 コ ィル 3 を置 い て 、 発 E ¾ に よつ て発生 し た連続 し た 正弦波電流 を 検出 -」 ィ ルに 流す 。 こ の場合、 被 1¾ 2 の表面に は漉電 流が生 じ 、 □ ィ ルの みかけの ィ ン ピ ーダ ン ス は変化す る こ の コ ィ ルイ ン ビ ー ダ ン ス に 影響を与え 滴電流の大 ぎ さ は 、 被検体の材質 ( 透磁率、 伝導率、 セ ン サ一 と 被検 体の距離、 そ の他 ) に俊存する が 、 被検体がオー ステナ ィ 卜 か ら フ ェラ ィ 卜 に 変態 し つ つ あ る 口 、 被検体中 に は オ ーステナイ 卜 に対 し て フ エラ イ 卜 の 占め る比率が大 ぎ く なる た め 、 透磁率は大き く 変わ る 。 そ の 果 、 ¾
体の表面を な が れて い る渦電流 は変化 し て 、 被検体の近 傍に 置かれて いる検出 コ イ ル 3 の イ ン ピ ー ダ ン ス は変化 す る 。 こ の コ イ ルの イ ン ピ ー ダ ン ス の変化 を コ イ ル に 続 く ブ リ ッ ジ回路 4 に よっ て検出 し て 、 5 の信号処理 お よ び 6 の 表示部 に よ っ て 、 被検体の変態.量 と 検出 コ イ ルの イ ン ピ ー ダ ンス の変化を関連ずけ た の が従来の コ イ ルを 使用 し た 変態量率の 測定方法で あ る 。
従来の コ イ ルを利用 した 変態量率の 測定方法 は以上の よ う に 構成さ れ て い る の で 、 板状の被検体 の 透磁率の 変 化を感知 する ばか り でな く 、 そ の他の 因子 、 特 に 被検体 と 検出 コ イ ル と の 間 隔 に 鋭敏 に 反応す る の で 、 被検体 と 検出 コ イ ル と の閩 隔を一定 に 保つ 事.が必要で 、 ま た 、 セ ンサー 出 力 と 変態率量の 間 に は著 し い 非線型性が存在 し て 、 変態の 開始点近傍の量を測定 す る こ と がで き た と し て も 、 変態の 開始点か ら 終了 点 ま で の広い 範囲 の変態量 率を測定する事がで きな いな ど の欠点が存在 し た 。
こ の発明 は上記の よ う な従来の方法 の欠点 を 除去す る た め に な さ れた も ので 、 送信 コ イ ル と 受信 コ イ ル に コ ィ ルを分轄 し 、 板状の被検体を挾んで 、 相対 し て 位置す る こ と に よ っ て 、 測定対象 と セ ンサー の 間 隔の影響を ほ と ん ど無視で き る よ う に す る と と も に 、 被検体の板厚の広 い範囲 に 対 し て 変態の開始点か ら終了点 ま でを全体 に わ た っ て 測定 が可能な変態量率の 測定方法 を提供す る こ と を 目 的 と し て い る 。
発明の 開示
即ち 、 本発明 は 、 相対向 する送受信コ イ ル間 に被検体 を位置さ S て 交番電流やパルス 波電流を用 い て 被検体の 変態量率を検出 する 。
又、 本発明 は 、 被検体の変態の初期 で は交番電流を用 い 、 変態が進行 し た段階か らパルス波電流を用 い て変態 量率の測定精度を確保す る と 共 に 交番電流で測定で きな い領域をパルス波電流 に する 。
又、 更に本発明 は、 被検体の透磁率、 伝導率、 板厚 に 対 し て特定な関係 に し て 被検体の変態の開始点 よ り 終了 点 ま で全体に わ たっ て 測定す る 。
そ し て更に 、 本発明 は 、 信号発生.器よ り 信号電流を受 ける送信 コ イ ル と 、 信号処理'裝置を介 し て 表示部に 電気 信号を送る受信コ イ ル と を設け 、 送受信コ イ ル間で被検 体の 変態量率を検出 する 。
以上の よ う に 、 本発明 に よ れば、 送信コ イ ル と受信コ ィ ルを 、 測定対象を挟んで 、 相対向 し て お く よ う に構成 し た た め 、 測定対象は送信コ イ ル と受信 コ イ ルの 間 の ど の位置 に あっ て も受信信号はほ と ん ど変 ら な い の で 、 ンサ一 間での被検体のバタ ツ キ に対 し て 効果が あ る 。 そ れ と と も に 、 連続波で の測定方法やパルス波で の 測定方 法な らびパルス波一連続波の ミ ッ ク ス し た測定方法に よ つ て 、 変態蠆率の 開始か ら 終了 ま で連続 し て 精度良 く 測 定する こ と がでぎる 。
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図面の簡単な説明
第 1 図 は従来の変態率測定装置の構成を示 す ブ ロ ッ ク 図 、
第 2 図 は本発明 に係る変態率測定装置の構成を示す ブ ロ ッ ク 図 、
第 3 図 は ま わ り こ み現象 を示 す図 、
第 4 a 図 は被検体の変態の進行状況 を示す写真、
第 4 b 図 は第 4 a 図 に対応 し た 測定値の変化を示すグ ラ フ 、
第 5図 は ま わ り こ みを 防止する た め の本発明 の ¾良 シ ス テ ム 図 、 - 第 6 図 は まわ り こ み防止 のそ の ^ の実施例で 、
(a) が遮蔽板の みで ま わ り こ みを 防止す る 例 、
(b) が遮蔽 カ ップの みで ま わ り こ みを 防止 す る例 、
(c) が 円 筒管 に よ っ て ま わ り こ み を 防止す る例 、
(d) が送信セ ンサ ー と 受信セ ンサ ー を遮蔽 カ ップで覆
う 事で ま わ り こ みを 防止す る例 、
第 7 図 は送信パルス と 変態の進行 に 伴 う 受信パルス の 変化を示す 波形で 、
(a) が送信パルス波形 、
(b) が変態量率 0 % の 時の受信波形 、
(c) が変態量率 2 0 % の 時の受信波形 、
(d) が変態量率 4 0 % の 時の受信波形 、
(e) が変態量率 8 0 % の 時の受信波形 、
第 8 図 は本発明 に係る変態量率セ ンサ ー を示す 図 、 そ
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し て - 第 9 図は第 8 図の実施例を用いた場合の各セ ンサ一の 位置での出力測定値—変態量率を示すグラ フである 。 発明を実施する ための最良の形態
本発明を図面の実施例 に従つ て詳細に ! ¾明すれば、 第 2 図にお( て、 2 1 は送信コ ィル、 2 2 は受信コ ィ ルで あ り 、 板状の被.検体 2 3 を挟んで、 2 1 に相対し た位置 に置かれている 。 2 4 は送信コ イ ルに被快体の変態量の 測定に適切な形 ( 交番電流又はパルス電流 ) の電 を流 すための信号発生器、 2 5 は 周 ¾x ¾ 5¾ k-パヮ一をあた えるた めのハ° ウ ー 7ンプ、 2 6 は ¾信コ ィ ルに生 じ た電 圧を増幅するための増幅器又はチュー ン ト *ア ンプ、 2 7 は受信信号を信号処理する ための信号処理回路である 。 信号処理回路は受信 し 周波電流また はパルス電流を 所定の変態量率におぎかえるための回路である。 2 8 は 信号処運された信号の表示部である 。 2 9 は 2 5 のパル ス波および連続波の選択する ためのパルス波一 続波切 り 換え装置である。
次に動作につ い て説明する 。
2 の送信コ イルに正弦波状連続電流を流 した場合、 周知のごと く 、 板状の被検体の表面に は渦電流が生 じる こ の渦電流は板中を下方に伝播 し ていき、 2 2 の周囲に
!¾周波の磁場を作る。 こ の磁場の変化に よっ て 2 2 の コ ィ ルの両端に電圧が される。
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コ イ ル に 誘起さ れる電圧 は近似的 に 次式 で表 さ れ る事 は良 く 知 ら れ'て いる 。
V = V Q exp ( 一 in σ ό ) ···♦** (1) f : 周波数 : 透磁率 び : 伝導率 d : 板厚 と こ ろ で 、 前述の ご と く 、 被検体の 変態の進行に と も なっ て 、 被検体の オ ー ステ ナ イ 卜 が フ ェラ イ 卜 組織 に 変 わ り 、 被検体の透磁率 は全量 ( 才 — ス テ ナ イ 卜 + フ ェ ラ ィ 卜 ) に対す る フ ェ ラ イ 卜 の比率 に従っ て大き く なつ て いく 。
全量 に 対する フ ェ ラ イ 卜 の比率を K と し て 、 オ ー ス テ ナ イ 卜 と フ ェ ラ イ 卜の 透磁率 、 伝導率をそ れぞれ 、 U 2 、 σ 1 、 び 2 と す る と 受信 コ イ ル 2 2 の 両端の生 じ る誘起電圧 は
V=V0 exp (-^ΓπΤ^ σ1 (1-Κ) d-VTrf^ σ2 Kd) )…… オ ー ステ ナ ィ 卜 の透磁率 、 フ ェ ラ イ 卜 の 透磁率
σ 1 σ 2 オ ー ス テ ナ ィ 卜 の伝導率 、 フ ェ ラ イ 卜 の 伝導率
f 周波数
K : フ ェラ イ 卜 ( 才 ス テ ナ イ 卜 + フ ェ ラ イ 卜 ) と なる
で 、 K は変態量率 と対応 し て い て 、 K以外の値が 既知 の た め 、 誘起電圧を 測定 す る事で 目 的 の変態量率 K を求め る事がで き る 。 こ の よ う に 、 本発明 の 基本原理 は
(2)式 に 従っ て い る 。 と こ ろ で 、 (2)式 に お い て は 、 セ ン サ
一 と扳状の被検体の 間 隔を表す項は な く 、 誘起電圧 は セ ンサー と板状の被検体の間 隔 と は無関係であ り 、 誘起電 圧か ら ひ き ださ れる変態率量も セ ンサー と 板状の被検体 の 間 隔 に は影響 を受けな い 。
従つ て ホッ ト ス ト リ ップ ミ ルにお ける よ う に 、 ス 卜 リ ップがその面に垂直な方向 に 変位 し なが ら ( ばたつ きな が ら ) パス し て い る状態下で も 高精度 に変態量率を測定 でき る
ま た 、 (2)式の対数を と る と 、 オ ー ステナイ ト の透磁率 に 比ベ て 、 フ ェラ イ 卜 の透磁率が 十分に 大きい た め 、 (3) 式 の ご と く 誘起電圧の対数は変態量率 K に 線形と なる 。 i n 0 ) = ( -V 1 { 1 -K) d + ^2 σ? d )
> u 1 で あ る か ら 、
i n ( V V 0 ) = - V π X 2 ° 2 K d (3) と な る
こ の こ と か ら 、 広い変態量率 K の範囲 で 、 一様な測定 が可能 と な る 。
と こ ろ で 、 式(3)か ら わ かる よ う に 、 誘起電圧は変態量 率 K の みの 関数で な く て 、 被検体の板厚 に も依存する 。 従っ て 、 被検体板厚 d が大き く 、 変態が十分 に進行 し て いる 場合に は 、 第 3 図で示さ れる よ う な 、 透過信号 3 0 に依つ て生 じ る誘起電圧 V は板を まわ り こ んで く る信号 3 1 に よ っ て生 じ る V s に よ っ て埋も れ て し ま う 。
こ の よ う に 、 ま わ り こ み電圧が あ る場合 に は式(2) は ま わ り こ みの項を考慮 し て(4)式 に な る 。
V V Q ex p ( - π X 2 σ 2 d ) + V s (4) し た がっ て 、 変態量率 1 0 0 % 、 す な わ ち 、 K = 1 で 、 ま わ り こ みを防止する の に必要な条件を求め る た め 、
K d が大 き く て 次式 が ほ ぼ成立 す る場合を考え る 。
V 0 ex p ( - V π f u σ d ) V s
と な る 。 こ の 式 を 満 た す 周 波数 を f S と し て 、 の周 波
f の 8 割 よ り 低い周 波数 f 、 す なわ ち
f < 0 . 8 f s に 対 し て
V 0 ex p ( — V π τ u σ d ) > > V ε
な り 、 ΐ ≤ 0 . 8 f s に お い て は変態の 開始 ( K = 0 ) よ り 終了 ( K = 1 ) ま で近似 的 に (3)式 に 従 う の は 明 ら か で あ る 。 従っ て 、 '
K
< 0 . 8 f s
σ ό
で 0 . 8 ( n ( V . / V Λ ) )
K
π
Κ : 空間 的配置 に かかわ る 因子
を溝 た す範囲 に する と 、 変態の 開始点か ら終了点 ま で 、 広い 範囲 で 測定 が可 能 と なる 。
以上 に のべ た よ う な方法で測定 し たバッ チ状態で の実 施例結果 を第 4 a 図 に示 す 。 第 4 b 図の 写真 は被検体の 変態の進行の度合を示 し て い て 、 測定値.上の番号 に 対応 す る 。 こ の写真の 中 で 白 い 大き な領域 は フ ェ ラ イ 卜 を示
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、 1PO _
し ていて 、 左 ( 変態量率 0 % ) から右 ( 変態量率 8 0 % ) になる につれて 、 フエライ 卜 の領域は大き く な り 、 変態 が進行し ている こ とが判る。 それに ともなっ て、 受信コ ィ ルから得られる測定値は璩少 し てい く 。
このよ o に得ら れた.測定値を式(3)にあて はめて 、 変態 量率 K に "! 5 巧処理装置 2 7 に よっ て変換 し 、 表示部 2 8 で表示する。
以上のごと く 、 本発明 は測定する板厚に応じて 、 発振 器の周浚数を調整 し て、 変態の開始点よ り 、 終了点まで の広い範囲 に対 して、 最も感度の良い測定を行える 。
なお、 上記の実施例では被検体の板厚があつ く なる場 合、 低い周波数を使用する事が必要であるが低い周波数 を使用 する場合に は、 受信信号の感度が小さ く なる とい う欠点が生 じる 。 この欠点を解決するため に 、 基本 とな るシステムを第 5 図のよ う に改良 し t 。
基本システムにおいて 、 被検体の厚みに対応 し た周波 数の制限をお こなわなければな ら ないが、 こ れはま わ り こみ磁界に よるあのなので、 受信セ ンサー に達する まわ り こみ磁界を小さ く するのがよい。 こ のために 、 受信セ ンサーを送信セ ンサー に対する面のみを開放に し た透磁 率の大きな材質でできた遮蔽扳 4 1 、 お よび遮蔽カ ップ 4 2 で覆っ た
遮蔽、 および遮蔽力 ップの外形を第 6 図に しめす。
この よ o に改良する事で、 (5)式における K Q の値をた かめる事がでさ、 周 じ板厚でも高い周波数を使用するこ
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と が で さ る 。
こ の実施例 に おい て 、 遮蔽板 と遮蔽 力 ップ と 両方を使 用 し た場合を述べ た が 、 第 6 図 に 示す よ う な派生 的な使 用 法で も良い 。 こ こで 、 ( a ) は遮蔽板の みの場合、 (b ) は遮蔽カ ップの みの場合、 ( c ) は遮蔽 力 ップの かわ り に 高い透磁率を持つ 円 筒管を利用 し た 場合、 ( d ) は送信 コ ィ ル、 受信 コ イ ルの両方を遮蔽 カ ップで覆っ た 場合を示 す 。
ま た 、 上記実施例で は 、 受信 3 ィ ル に 生 じ る誘起電圧 の大き さ の情報を使用 し た が 、 誘起電圧の位相成分 につ いて も同様の情報 をおつ て いる の で 、 位相情報 を 誘起電 圧の振幅情報の かわ り に 利用 し て お よ い
以上、 連 波 に よ る変態量測定の勤作 に つ い て説明 し た が 、 送信 コ イ ル に 流 す電流 はパルス電流で ち ょ い 。
そ こ で 、 パルス波の動作 に つ い て 説明 する 。
2 1 の送信 コ ィ ル に パルス波を流 し た 場合 、 周知 の ご と ぐ 、 板状の被検体の表 jg に は渦電流が生 じ る 。 こ の渦 電流 は板を下方 に 伝播 し て い ぎ 、 受信 コ ィ ル 2 2 の周 囲 に パルス状の磁場を作る 。 こ の磁場の変化 に よ っ て 2 2 の コ ィ ルの 両端 に電圧が誘起さ れる が 、 パルス 電流 I を 次式 と し た場合、
I = I ( t ) ( n T≤ t ぐ n 丁 + )
0 ( n T + t 0 t < { n + ) T ) た だ し 、 η = 0 , 1 , 2 , 3 , ·· ···
中心周波数を f と す る と
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誘起電圧 V :
d
I o ( て 一厶 t〉 ) exp ( - V" π f σ d )
V = K t ( 伝播時間 Δ t
u σ
厶 t χ d 透磁率 周 波数
V 4 π 伝導率 d 被検体の板厚 透過速度 ひ :
σ
Ό 4 7Γ f
o
と 近似的 に なる 。
この 滴電流の透過速度 ひ は f = 1 Khz 、
= 1 5 0 X 4 π X 1 0 "7H / > σ - 8 x 1 0
ひ / m 、 d = 3層で 、 約 3 mZsec .で電磁波の進行速度 3 X 1 08 in/ sec に比較 し て非常 に小さい 。 本発明 は こ の事を利用 し て い る 。 すなわ ち 、 被検体を透過 し て く る は被検体を まわ り こ んで く る信号に比べて Δ tだ け遅れる た め 、 被検体を透過 し て く る信号 と ま わ り こ ん で く る信号を分離す る事が可能 と なる 。
第 7図 に送信パルス の形状 と 変態進行に伴う 受信パル スの形状の一例を示 し て いる 。 一方ま わ り こ み信号 は : V = V ε ( t ) ( n T≤ t < n T + t 0 )
0 ( n T + 0 ≤ t < ( n + 1 ) T ) と なる
し たがっ て 、 2 2 の受信コ イルで受信さ れた信号を
2 6 の増幅器に よ つ て増幅 し 2 7 の信号処理回 路 に お い
て 、 π τ + t 0 ≤ t < { n + 1 ) T の みの信号 に 着 目 す る と 、 ま わ り こ み信号の効果を消去する事が可 能 と なる こ の よ う に 、 ま わ り こ み信号 と 透過信号が分離さ れ 、 こ の透過信号の大き さ に よ っ て 、 変態率量を計算 し 、 2 8 の表示部で表示す る 。
交番 流あ よびパルス電流の動作 に つ い て 、 説明 し た が 、 交番電流を使用 し た 場合 、 被検体の板厚 に 関連 し fc 測定 限界が存在 す る 。 し かる一方パルス電流 に よ る 測定 で は 、 連 π波 に よ る測定 に 比べ て 、 フ ー リ エ級数展開 と m o m味で の そ の信号を構成 し て いる多数の周 波数成分 に対 し て 遅延お よ び減衰 を受け る た め 、 被検体を透過 し た信号が複雑な波形 と な り 、 精度の面で は お と る と い う 欠点が存在 す る
そ こ 、 ¾ ι体の条件 に よつ て は ( た と え ば 、 厚い場 合 ) 、 変態初期 に お い て 測定 の感度 に 問題の な い周 波数 を用 い た交番電流を使用 し て 、 測定精度を確保 す る と と も に 、 交番電流で 測定で ぎ ない頜域で は連続電流 一 パル ス電流切換え装置 2 9 で 、 パルス電流 に 切 り 換え て 測定 する方法も採 り ^る 。 本 ·発明の構成要素に つ い て は 、 送 信コ ィ ルの直前 に あるパヮ ー ァ ンプ、 受信コ ィ ル後段 に あ る チユ ー ン ド ア ン— r "、一—増—in は本発明 の所用 構成要素 で は な く 、 場合 に よっ て は省 く こ と も可能で ¾あ り 、 そ れ ら に 準ず る も の 、 た と え ば 、 チュ ー ン ド ァ ンプ を ロ ッ ク イ ン ア ンプ等 に代替 し て あ よ い 。
次に ホ ッ 卜 ス 卜 リ ッ プ ミ ル仕上げ圧延後 の冷 ゾ ー ン
ΟΜΡΙ
である ラ ン ァゥ 卜 テ ープルに述ベ た本発明の変態毚率セ ンサー の実施例 につ いて第 8 図で述べる。
こ こで、 4 3 はホッ 卜 ス 卜 リ ップミ ル仕上げ圧延機、
4 4 はラン ァ ゥ 卜 テ ープル、 4 5 は冷却水、 4 6 の S 1
5 2 , … … S 5 は一群のセ ンサーコ イ ルを示す。 4 7 は 測定対象 となる熟延板で 、 4 8 はコイ ラ一である。
第 9 図に上記実施例の結果を示す。 熟延板はおよそ 4 顧厚の S 5 0 《 日本ェ業規格 ) で 5 0 0 m / ra i n の速 度でラ ン ァゥ 卜 テー アルを通過する。 こ の際、 前記連続 法を使用 し 、 ラ ンァ ゥ 卜 テ ーブル上に並べ ら れた各セ ン サ一 の位置での出力測定値およ び変態 a率の一例を示 し ている
この実施例 において は、 交番電流を変態量率 0 〜
1 0 0 %の全範囲で用 いた 。 波形は正弦波で周波数は
5 0 0 H z である。 —
送受信コィル と受信コイルの間隔は 3 0 0 鲰でその間 を被検体である麹板が通過する 。
各送受信コ ィルの間隔は等間隔で本実施例の場合 s と s 2 の藺隔は 3 0 11である 。
本実施例の場合第 4 図に示す遮蔽板を用 いた 。
上記実施例で は、 ランア ウ ト テ一プル上に多数の セ ン サーを並べて測定 したが、 セ ンサーの数は本発明 に とつ て本質的な問題でない。
セ ンサーをラ ンァ ゥ 卜 テーブル上に一つ置き、 その情 報を利用 し て 、 熱延板の冷却等の — J ン 卜 ロ ールをおこな
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本実施例 の よ う に 被測定板厚が 4顧 の場合 に は 、 交番 電流で変態量率が 0〜 1 0 0 %の範囲で十分測定可能で あ る 。
被測定鋼帯厚が 5廳の時、 5 0〜 7 0 %の変態量率で 交番電流か らパル ス電流 に ^替え て 測定 し た 結果第 9 図 と周様の結果が得 ら れた 。
この 時のパルス電流 は 、 peak to peak 1 0 Vの電圧 印加 に よ り 、 ノ ルス巾 は 1 msec/\°ル ス発信周期 は 1 0 m s e cで あっ た 。
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