JPWO2022249828A5 - - Google Patents

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JPWO2022249828A5
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本開示は、ステータ及びステータ製造方法に関する。より詳細には、本開示は、複数の成形コイル及びバスバーをモールドした絶縁樹脂を有するステータ、及び当該ステータを製造するステータ製造方法に関する。
特許文献1に記載の電機子(ステータ)は、コアと、コアに巻回された巻線コイル(成形コイル)と、コアと巻線コイルとの間に配置されて両者を絶縁するインシュレータと、巻線コイルと外部回路とを接続するバスバーと、を備える。コアとバスバーは、インシュレータによって樹脂モールドされている。巻線コイルは、インシュレータを介してコアに巻回されている。すなわち、特許文献1では、バスバーをモールドする樹脂とインシュレータとは、一体に形成されている。
特許文献1に記載の電機子では、巻線コイルとバスバーは、樹脂モールドによって相互に固定されていない。このため、電機子が外部から振動を受けたとき、巻線コイルとバスバーが個別に動いて、巻線コイルとバスバーとの接続部分が破断する可能性がある。すなわち、外部振動に対して巻線コイルとバスバーとの接続部分の信頼性が低い。このため、巻線コイルとバスバーは、樹脂モールドによって相互に固定されることが望ましい。
しかしながら、このように巻線コイルとバスバーが樹脂モールドによって相互に固定されると、インシュレータ形成のための樹脂モールドと合わせて2回樹脂モールドを行うことになり、製造工程が増加する(すなわちコストが増加する)。
特開2009-195029号公報
本開示の目的は、上記の事情を鑑みたものである。本開示の目的は、外部振動に対する成形コイルとバスバーとの接続部分の信頼性を向上でき、かつ、コストの増加を抑制できるステータ及びステータ製造方法を提供することである。
本開示の一態様のステータは、コアと、複数の成形コイルと、バスバーと、絶縁樹脂と、を備える。コアは、筒状のヨーク及び前記ヨークの内周面から前記ヨークの内側に突出した複数のティースを有する。複数の成形コイルは、複数のティースに配置されている。バスバーは、複数の成形コイルと電気的に接続されており、外部回路と電気的に接続可能である。絶縁樹脂は、絶縁性を有する。前記絶縁樹脂は、第1樹脂部と、第2樹脂部と、第3樹脂部と、を含む。第1樹脂部は、前記バスバーをモールドする。第2樹脂部は、前記複数のティースと前記複数の成形コイルとの間に配置されている。第3樹脂部は、前記複数の成形コイルをモールドする。第1樹脂部、前記第2樹脂部及び前記第3樹脂部は一体に成形されている。
前記第1樹脂部、前記第2樹脂部及び前記第3樹脂部は、互いに同じ樹脂材料によって形成されていてもよい。
前記絶縁樹脂は、前記第1樹脂部、前記第2樹脂部及び前記第3樹脂部を区分する境界面を含まなくてもよい。
前記コア、前記複数の成形コイル、前記バスバー及び前記絶縁樹脂は、インサート成形によって一体化されていてもよい。
本開示の他の一態様のステータ製造方法は、第1工程と、第2工程と、第3工程と、第4工程と、第5工程と、を有する。前記第1工程では、筒状のヨークと、前記ヨークの内周面に組み付けられる複数のティースとを準備する。前記第2工程では、複数の成形コイルとバスバーとを準備し、前記複数の成形コイルと前記バスバーとを所定の相対配置で位置決めして相互接続して、接続体を組立てる。前記第3工程では、前記接続体を成す前記複数の成形コイルに前記複数のティースを挿入し、治具を用いて前記接続体と前記複数のティースとの相対配置を位置決めした状態で、前記複数のティースを前記ヨークの内周面に組み付けて組付体を組立てる。前記第4工程では、成形金型を準備し、前記組付体において、前記複数の成形コイルと前記複数のティースとの相対配置を維持した状態で、前記治具の代わりに前記成形金型を前記ヨークに組み付けてなる金型組付体を組立てる。前記第5工程では、前記金型組付体において、前記ヨーク、前記複数のティース、及び前記成形金型で囲まれた内部空間に溶融樹脂を流し込み、前記溶融樹脂の硬化後に、前記ヨークから前記成形金型を取り外す。
特に、前記第4工程では、前記複数のティースは、前記ヨークの内周面に組み付けられて前記ヨークの内周面から突出している。前記複数の成形コイルは、前記複数のティースに配置されている。前記バスバーは、前記ヨークの中心軸方向において前記複数の成形コイルの一端側に配置されている。前記成形金型は、前記ヨークの両側の開口部を塞ぐように前記ヨークの両側に組み付けられている。前記成形金型は、前記ヨークに対する前記複数の成形コイルの周方向の相対位置及び前記中心軸方向の相対位置を位置決めすることで、前記複数の成形コイルと前記複数のティースとの間に前記溶融樹脂が流れ込む隙間を確保している。
前記接続体を組立てる工程では、前記複数の成形コイルに対応し、対応する成形コイルを保持する複数のブロックを準備し、前記複数のブロックの少なくとも1つは、前記バスバーのうち前記対応する成形コイルの一端側に配置された部分を更に保持し、前記複数のブロックによって前記複数の成形コイルと前記バスバーとが所定の相対配置で位置決めされた状態で、前記複数の成形コイルと前記バスバーとを接続することで、前記接続体を組立ててもよい。
前記組付体を組立てる工程では、前記治具は、中芯治具と保持治具とを有し、前記中芯治具は、前記複数の成形コイルに前記複数のティースが挿入された状態で前記接続体の中央孔に挿入されており、かつ、前記中芯治具に対する前記複数の成形コイルの周方向の位置を位置決めしており、前記保持治具は、前記複数の成形コイルに前記複数のティースが挿入された状態で前記接続体の一端側に組み付けられており、かつ、前記中芯治具の周方向において前記複数の成形コイルと前記複数のティースとの相対配置を位置決めしており、前記中芯治具及び前記保持治具を用いて前記接続体と前記複数のティースとを所定の相対配置で位置決めして組み付けることで、中間組付体を構成し、前記中間組付体を前記ヨークの中央孔に挿入することで、前記中間組付体の前記複数の成形コイルを前記ヨークの内周面に組み付けて、前記組付体を組立ててもよい。
前記金型組付体を組立てる工程では、前記成形金型は、第1金型及び第2金型を有し、前記第1金型は、前記中芯治具と外周金型を有し、前記組付体において、前記保持治具の代わりに前記第2金型を前記ヨークの一端側の開口部に組み付け、前記外周金型を前記ヨークにおける前記第2金型の側とは反対側の開口部に組み付け、前記第2金型及び前記外周金型はそれぞれ、前記ヨークに対する前記複数の成形コイルの周方向の相対位置を位置決めし、かつ、前記ヨークに対する前記複数の成形コイルの前記中心軸方向の相対位置を位置決めしてもよい。
本開示によれば、外部振動に対する成形コイルとバスバーとの接続部分の信頼性を向上でき、かつ、コストの増加を抑制できる、という効果を有する。
図1は、実施形態に係るステータの斜視図である。 図2は、同上のステータにおいて、絶縁樹脂を透視し、絶縁樹脂以外の部分を部分的に分解した部分分解斜視図である。 図3は、同上のステータの成形コイルの斜視図である。 図4は、同上のステータにおいて、絶縁樹脂を透視し、絶縁樹脂以外の部分を上側(バスバー側)から見た平面図である。 図5は、図1のX1―X1断面の部分拡大図である。 図6は、図1のX2―X2断面の部分拡大図である。 図7は、同上のステータの製造方法を説明するフローチャートである。 図8は、治具を用いて複数の成形コイルとバスバーとを組み付けた状態の斜視図である。 図9Aは、図8の治具を構成する第1ブロックの斜視図である。 図9Bは、図8の治具を構成する第2ブロックの斜視図である。 図10は、複数の成形コイルとバスバーとを接続して組立てられた接続体の斜視図である。 図11は、中芯治具、保持治具、接続体、複数のティース及びヨークを組み付けて組立てられる組付体を部分的に分解した部分分解斜視図である。 図12は、図11の組付体のうち、中芯治具、保持治具、接続体及び複数のティースからなる部分を分解した分解斜視図である。 図13は、図11のX3-X3断面の部分拡大図である。 図14は、図11のX4-X4断面の部分拡大図である。 図15は、図11のX5-X5断面の部分拡大図である。 図16は、接続体、複数のティース、ヨーク、第1金型及び第2金型を組み付けて組立てられる組付体の斜視図である。 図17は、図16の組付体の分解斜視図である。 図18は、図16のX6-X6断面の部分拡大図である。 図19は、図16のX7-X7断面の部分拡大図である。 図20は、図16のX8-X8断面の部分拡大図である。
(実施形態)
(1)ステータの構成
本実施形態に係るステータ1について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態で説明する構成は、本開示の一例にすぎない。本開示は、本実施形態に限定されず、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態に係るステータ1は、例えば車両(例えば自動車)で使用可能なモータのステータとして使用可能である。より詳細には、ステータ1は、ステータ1の内部に同心状かつ回転可能に配置されるロータと共にモータを構成する。
図1は、実施形態に係るステータ1の斜視図である。図2は、同上のステータ1において、絶縁樹脂を透視し、絶縁樹脂以外の部分を部分的に分解した部分分解斜視図である。図1及び図2に示すように、ステータ1は、コア2と、複数の成形コイル3と、バスバー4と、絶縁樹脂5とを備えている。
(1-1)コア
図5は、図1のX1―X1断面の部分拡大図である。図1、図2及び図5に示すように、コア2は、複数の成形コイル3の各々で発生した磁束が通る磁路を構成する部材である。コア2は、金属(例えば鉄などの強磁性の金属)で形成されている。コア2は、ヨーク(O形コアともいう)21と複数のティース(I形コアともいう)22とを有する。
ヨーク21は、複数のティース22を支持する部分である。ヨーク21は、例えば円筒状である。ヨーク21は、円形の中央孔21aを有する。中央孔21aは、ヨーク21の中央(中心C1)においてヨーク21の中心軸L1方向に貫通している。ヨーク21は、中心軸L1方向の両端にそれぞれ開口部を有する。以下の説明において、中心軸L1は、ヨーク21の中心C1を通る中心軸である(図4を参照)。
ヨーク21は、ヨーク本体213と複数(例えば3個)の連結部214とを有する。中心軸L1は、ヨーク21及びヨーク本体213の両方の中心軸である。ヨーク本体213は、中央孔21aを有する円筒状である。ヨーク本体213は、ヨーク本体213の中心軸L1方向の両端部にそれぞれ開口部を有する。複数の連結部214は、絶縁樹脂5を形成するための成形金型と連結する部分である。連結部214は、実質的な円筒状である。複数の連結部214は、ヨーク本体213の外周面において中心軸L1方向に沿って設けられており、かつ、ヨーク本体213の外周面において周方向に等間隔で配置されている。連結部214には、連結部214の上面と下面との間を貫通する嵌合孔214aが設けられている。連結部214に形成された嵌合孔214aには、上記の成形金型の嵌合突起が嵌合可能である。
複数(例えば12個)のティース22は、複数(例えば12個)の成形コイル3が巻回(換言すれば配置)される部分である。ティース22は、ヨーク21の内周面に設けられており、ヨーク21の内周面からヨーク21の内側に突出している。ティース22は、中心軸L1方向から見た平面視で、実質的なT字形状である。より詳細には、ティース22は、ティース本体22pと、一対の張出部22gとを有する(図5を参照)。ティース本体22pは、直方体状である。ティース本体22pは、ヨーク21の内周面からヨーク21の内側に突出している。一対の張出部22gは、ティース本体22pの先端部において、ヨーク21の周方向の両側に張り出している。張出部22gは、平面視三角形状である。複数のティース22は、ヨーク21の内周面において、ヨーク21の周方向に沿って等間隔に配置されている。複数のティース22は、ヨーク21における中心軸L1方向の一端端から他端端に渡って形成されている。
ヨーク21と複数のティース22は、互いに嵌り合って組み付けられている。より詳細には、ヨーク21の内周面には、複数の嵌合溝部211が設けられている。複数の嵌合溝部211は、複数のティース22と1対1に対応し、対応するティース22の後述の嵌合凸部221が嵌り合う部分である。嵌合溝部211の断面形状は、台形である。すなわち、嵌合溝部211の横幅(ヨーク21の周方向の幅)は、嵌合溝部211の底面側からその反対側の開口面側に行くほど狭くなる。嵌合溝部211は、ヨーク21における中心軸L1方向の一端から他端まで設けられている。嵌合溝部211における中心軸L1方向の両端部は、ヨーク21における中心軸L1方向の両端部で開口している。複数の嵌合溝部211は、ヨーク21の内周面において、ヨーク21の周方向に等間隔に配置されている。
ティース22の基端面(すなわちティース22における突出方向とは反対側の端面)には、嵌合凸部221が設けられている。嵌合凸部221は、ヨーク21の嵌合溝部211と嵌り合う部分である。嵌合凸部221の断面形状は、逆台形である。すなわち、嵌合凸部221の横幅(ヨーク21の周方向の幅)は、嵌合凸部221の基端側から先端側に行くほど広くなる。嵌合凸部221は、ティース22の基端面においてティース22の長手方向(すなわちヨーク21の中心軸L1方向)の一端から他端まで設けられている。
ティース22の嵌合凸部221とヨーク21の嵌合溝部211とが嵌り合うことで、ティース22はヨーク21に組み付けられる。ティース22の嵌合凸部221は、ヨーク21の嵌合溝部211における中心軸L1方向の一端開口から中心軸L1方向に沿って嵌合溝部211に挿入される(図2を参照)。これにより、嵌合凸部221は、嵌合溝部211に嵌め合わされる。
(1-2)成形コイル
図3は、実施形態に係るステータ1の成形コイル3の斜視図である。図2及び図3に示すように、複数の成形コイル3は、外部からの電流が通電することで磁束を発生させる部材である。複数の成形コイル3は、コア2の複数のティース22のうちの対応するティース22に巻回(すなわち配置)されている。成形コイル3は、細長い板状の導体3c(図3を参照)を巻回しながら各巻回部分を積層したコイルである。成形コイル3を用いることで、成形コイル3の外径及び内径の寸法を精度良く形成することができ、かつ、占積率(コイルの断面に占める導体の割合)を高めることができる。成形コイル3は、ティース22の外周に嵌合可能なように矩形の枠状に形成されている。
成形コイル3がティース22に巻回された状態で、成形コイル3の両端部3a,3bは、ヨーク21の上端開口部(すなわち同じ側の開口部)からヨーク21の外部に引き出されている(図2を参照)。また、成形コイル3の両端部3a,3bのうち、一端部3aは、成形コイル3において、ヨーク21の径方向の外側に配置されている。他端部3bは、成形コイル3において、ヨーク21の径方向の内側に配置されている(図2を参照)。
(1-3)バスバー
図4は、実施形態に係るステータ1において、絶縁樹脂を透視し、絶縁樹脂以外の部分を上側(バスバー4側)から見た平面図である。図4に示すように、バスバー4は、複数の成形コイル3を所定の結線方式(例えばスター結線方式)で接続し、かつ複数の成形コイル3を外部回路と接続するための配線として機能する導体である。バスバー4は、複数の成形コイル3と電気的に接続されており、外部回路と電気的に接続可能な導体である。
バスバー4は、複数の成形コイル3を例えばスター結線方式で接続している。すなわち、本実施形態では、ステータ1は、例えば12個の成形コイル3を備える。12個の成形コイル3は、4つのU相コイル31U~34Uと、4つのV相コイル31V~34Vと、4つのW相コイル31W~34Wとを含む。4つのU相コイル31U,32U,33U,34Uは、この順番で、環状に並んだ12個のティース22において例えば右回りに2つ置きに配置されている。4つのV相コイル31V,32V,33V,34Vは、この順番で、環状に並んだ12個のティース22において例えば右回りに2つ置きに配置されている。4つのW相コイル31W,32W,33W,34Wは、この順番で、環状に並んだ12個のティース22において例えば右回りに2つ置きに配置されている。
そして、バスバー4は、U相バスバー4Uと、V相バスバー4Vと、W相バスバー4Wと、中性点バスバー4Kとを含む。U相バスバー4Uは、U相外部端子41Uと、複数(例えば3個)のU相導体部42U~44Uとを含む。U相導体部42U~44U及び中性点バスバー4Kはそれぞれ、ヨーク21の周方向に沿って実質的に円弧状に曲がった帯状の平角導体である。U相導体部42Uは、例えば、U相コイル31U,33Uの各々の一端部3aを接続する。U相導体部43Uは、例えば、U相コイル31Uの他端部3bとU相コイル32Uの一端部3aとを接続する。U相導体部44Uは、例えば、U相コイル34Uの他端部3bとU相コイル33Uの一端部3aとを接続する。中性点バスバー4Kは、例えば、U相コイル32U,34Uの各々の一端部3bを接続する。すなわち、4つのU相コイル31U~34Uは、U相バスバー4U及び中性点バスバー4Kによって、2直列2並列となるように接続されている。
同様に、V相バスバー4Vは、V相外部端子41Vと、複数(例えば3個)のV相導体部42V~44Vとを含む。4つのV相コイル31V~34Vは、V相バスバー4V及び中性点バスバー4Kによって、2直列2並列となるように接続されている。同様に、W相バスバー4Wは、W相外部端子41Wと、複数(例えば3個)のW相導体部42W~44Wとを含む。4つのW相コイル31W~34Wは、W相バスバー4W及び中性点バスバー4Kによって、2直列2並列となるように接続されている。
3つの外部端子41U,41V,41Wは、ヨーク21の中心軸L1方向の一端部(すなわち周端部)において、ヨーク21の周方向の一カ所に集められて配置されている。3つの外部端子41U,41V,41Wは、ヨーク21の周方向に並んでいる。3つの外部端子41U,41V,41Wは、それらの配置場所からヨーク21の外周側に突出している。
バスバー4は、ヨーク21の中心軸L1方向から見て、複数の成形コイル3と重なるように配置されている。より詳細には、バスバー4は、ヨーク21の中心軸L1方向において、上下2層(上層及び下層)のうちの少なくとも1層を用いて配置可能である。下層は、成形コイル3側の層であり、上層は、成形コイル3側とは反対側の層である。バスバー4は、ヨーク21の径方向において、内外2列(外側列及び内側列)のうちの少なくとも1列を用いて配置可能である。すなわち、バスバー4は、2層2列の範囲内で配置可能である。このように、バスバー4は、2層2列配置構造を有する。
なお、バスバー4は、終始同じ列及び層を通って配置されてもよいし、途中で上層と下層の間で移り変わってもよいし、内側列と外側列の間で移り変わってもよい。例えば、U相導体部42Uは、U相コイル31の一端部3aからU相コイル34Uの一端部3aまで上層かつ外側列を通って配置されている。U相導体部43Uは、U相コイル31Uの他端部3bから下層かつ内側列を通り、途中で下層かつ外側列に移ってU相コイル32Uの一端部3aまで配置されている。
(1-4)絶縁樹脂
図6は、図1のX2―X2断面の部分拡大図である。図1、図5及び図6に示すように、絶縁樹脂5は、複数の成形コイル3及びバスバー4を樹脂モールドする部材である。より詳細には、絶縁樹脂5は、複数の成形コイル3及びバスバー4を封止し、かつ複数の成形コイル3と複数のティース22との間(より詳細にはティース22とそのティース22に配置された成形コイル3との間)を絶縁する部材である。絶縁樹脂5は、絶縁性を有する樹脂で形成されている。絶縁樹脂5は、例えば、30%以上50%以下のガラス繊維を含有するポリフェニレンサルファイド(Poly Phenylene Sulfide、PPS)樹脂である。特に、絶縁樹脂5として、40%程度のガラス繊維を含有するPPSを用いた場合、絶縁樹脂5を注入する際の流動性がよく、また、絶縁樹脂5が硬化した後の強度の点でも好ましい。
あるいは、絶縁樹脂5に高い耐熱性が求められない場合、ポリブチレンテレフタレート(Poly Butylene Terephthalate、PBT)を用いることができる。10%以上40%以下のガラス繊維を含有するPBTを用いれば、PPSと同様の作用効果を得ることが期待できる。
さらに、絶縁樹脂5として不飽和ポリエスエルを用いることもできる。不飽和ポリエステルを用いる場合、目的に応じて、適量のガラス繊維を加えてもよい。不飽和ポリエステルは、ガラス繊維を加えることなく用いることもできる。
絶縁樹脂5は、例えば円筒状である。絶縁樹脂5は、ヨーク21の内周面において設けられている。絶縁樹脂5は、複数の成形コイル3の全体、バスバー4のうち外部端子41U,41V,41W以外の部分、及び複数のティース22のうち先端面22s以外の部分を覆っている。絶縁樹脂5は、ヨーク21の中心軸L1方向の両端から中心軸L1方向に突出している。
より詳細には、絶縁樹脂5は、第1樹脂部51と、第2樹脂部52と、第3樹脂部53と、第4樹脂部54とを含む。第1樹脂部51、第2樹脂部52、第3樹脂部53及び第4樹脂部54は、互いに同じ材料(例えばPPS)によって形成されている。なお、第4樹脂部54は、無くてもよい。
第1樹脂部51は、バスバー4をモールド(すなわち封止)する部分である(図6を参照)。第1樹脂部51は、例えば、絶縁樹脂5において中心軸L1方向の一端部5aから他端部5b側に一定距離下がった部分である。
第2樹脂部52は、複数のティース22と複数の成形コイル3との間に介在してインシュレータ(絶縁部材)として機能する部分である(図5及び図6を参照)。すなわち、第1樹脂部51は、複数のティース22の各々に設けられている。第1樹脂部51は、ティース22の外周面と、そのティース22に配置された成形コイル3の内周面との間に配置された部分である。
第3樹脂部53は、複数の成形コイル3をモールド(すなわち封止)する部分である(図5及び図6を参照)。すなわち、第3樹脂部53は、複数の成形コイル3において各成形コイル3の内周面以外の部分をモールドする部分である。第3樹脂部53は、絶縁樹脂5の各部分53a~53eを含む。部分53aは、隣り合う成形コイル3の間の部分である(図5を参照)。部分53bは、絶縁樹脂5のうち、成形コイル3のヨーク21側の面を覆う部分である(図5を参照)。部分53cは、絶縁樹脂5のうち、成形コイル3のヨーク21側とは反対側の面を覆う部分である(図5を参照)。部分53dは、成形コイル3と第1樹脂部51との間の部分である(図6を参照)。部分53eは、絶縁樹脂5の他端部5b(バスバー4側とは反対側の端面)と成形コイル3との間の部分である(図6を参照)。
第4樹脂部54は、3つの外部端子41U,41V,41Wの基端部を覆う部分である。第4樹脂部54は、例えば直方体形である。第4樹脂部54は、第1樹脂部51の外周面から突出している(図1を参照)。
第1樹脂部51、第2樹脂部52、第3樹脂部53及び第4樹脂部54は、一体に成形されている。すなわち、絶縁樹脂5は、その内部に、第1樹脂部51、第2樹脂部52、第3樹脂部53及び第4樹脂部54を区分する境界面を含まない。このような一体成形は、例えば、コア2、複数の成形コイル3、バスバー4及び絶縁樹脂5をインサート成形によって一体化することで実現可能である。
(2)ステータの製造方法
図7は、実施形態に係るステータ1の製造方法を説明するフローチャートである。図7に示すように、ステータ1の製造方法は、ティース・ヨーク準備工程ST1(第1工程)と、成形コイル・バスバー接続工程ST2(第2工程)と、ステータ組立工程ST3(第3工程)と、成形金型組付工程ST4(第4工程)と、絶縁樹脂成形工程ST5(第5工程)とを含む。
ティース・ヨーク準備工程ST1は、ステータ1の製造で用いるヨーク21と複数のティース22とを準備する工程である。成形コイル・バスバー接続工程ST2は、ステータ1の製造で用いる複数の成形コイル3とバスバー4とを接続することで、接続体6(図10を参照)を組立てる工程である。図10は、複数の成形コイルとバスバーとを接続して組立てられた接続体の斜視図である。ステータ組立工程ST3は、上記のヨーク21、複数のティース22及び接続体6を、治具10(図11を参照)を用いて所定の相対配置で組み付けることで、組付体110(図11を参照)を組立てる工程である。成形金型組付工程ST4は、上記の組付体110において治具10の代わりに成形金型70(図16を参照)を組み付けることで、金型組付体130(図16を参照)を組立てる工程である。図16は、接続体、複数のティース22、ヨーク21、第1金型及び第2金型を組み付けて組立てられる組付体の斜視図である。絶縁樹脂成形工程ST5は、金型組付体130に溶融樹脂を注入して硬化させることで、ヨーク21の内周面に絶縁樹脂5を成形する工程である。絶縁樹脂5の成形後に成形金型70を取り外すことで、ステータ1が完成する。以下、各工程ST1~ST5について詳しく説明する。
(2-1)ティース・ヨーク準備工程
ティース・ヨーク準備工程ST1では、コア2を構成するヨーク21及び複数のティース22を準備する。また、ステータ1を構成するための複数の成形コイル3及びバスバー4を準備する。
(2-2)成形コイル・バスバー接続工程
成形コイル・バスバー接続工程ST2では、複数の成形コイル3とバスバー4とを準備する。成形コイル・バスバー接続工程ST2では、複数の成形コイル3とバスバー4とを所定の相対配置で位置決めして相互接続して、接続体6を組立てる(図10を参照)。所定の相対配置とは、ステータ1内での相対配置と同じ相対配置である。
(2-2-1)治具の説明
図8は、治具8を用いて複数の成形コイルとバスバーとを組み付けた状態の斜視図である。図9Aは、図8の治具8を構成する第1ブロック82の斜視図である。図9Bは、図8の治具8を構成する第2ブロック83の斜視図である。図8、図9A及び図9Bに示すように、治具8は、複数のブロック81を有する。複数のブロック81は、例えば金属で形成されている。複数のブロック81は、複数の成形コイル3と1対1に対応し、対応する成形コイル3を保持する。複数のブロック81のうちの少なくとも1つのブロックは、バスバー4のうち対応する成形コイル3の一端側に配置された部分を更に保持する。すなわち、上記の少なくとも1つのブロック81は、対応する成形コイル3と、バスバー4のうち上記の対応する成形コイル3の上側(一端側)に配置する部分とを所定の相対配置で位置決めして保持する。
複数のブロック81は、複数の第1ブロック82と、例えば1つの第2ブロック83とを含む。第1ブロック82は、バスバー位置決め部を有するブロックであり、上記の少なくとも1つのブロックである。第2ブロック83は、バスバー位置決め部を有さないブロックである。
図9Aに示すように、第1ブロック82は、ブロック本体85と、第1位置決め部86と、第2位置決め部87とを有する。ブロック本体85は、第1位置決め部86及び第2位置決め部87を支持する部分である。ブロック本体85は、例えば矩形板状である。ブロック本体85の断面(ブロック本体85の長手方向に直交する断面)は、例えば台形である。
第1位置決め部86は、成形コイル3の中央孔に挿入されることで成形コイル3を位置決めする部分(成形コイル位置決め部)である。第1位置決め部86は、成形コイル3の中央孔と嵌合可能な直方体状である。第1位置決め部86は、ブロック本体85の内側主面85a(例えば内側主面85aの中央)に設けられている。第1位置決め部86は、内側主面85aから内側主面85aの法線方向に突出している。
第2位置決め部87は、第1位置決め部86によって位置決めされた成形コイル3と重なる区間のバスバー4を挟持することで、当該区間のバスバー4を位置決めする部分(バスバー位置決め部)である。第2位置決め部87は、ブロック本体85の上端面(例えば上端面の中央)に設けられている。第2位置決め部87は、ブロック本体85の上端面からブロック本体85の内側主面85aの法線方向に突出している。
第2位置決め部87は、支持部88と2つの挟持片89とを有する。支持部88は、2つの挟持片89を支持する部分である。支持部88は、ブロック本体85の上端面に設けられており、ブロック本体85の上端面からブロック本体85の内側主面85aの法線方向に突出している。2つの挟持片89は、支持部88の先端面からブロック本体85の内側主面85aの法線方向に突出している。2つの挟持片89は、支持部88の先端面において上下方向に間隔を空けて配置されている。支持部88の先端面の上縁88aは、2つの挟持片89のうちの上側の挟持片89aよりも上側に突出している。
2つの挟持片89の間には、バスバー4の2層2列配置構造のうちの下層の2列に配置されたバスバー4が配置される。すなわち、2つの挟持片89は、下層の2列のバスバー4を挟持する。上側の挟持片89aの上面には、バスバー4の2層2列配置構造のうちの上層の2列に配置されるバスバー4が配置される。
支持部88の先端面は、上下2つの接触面S1,S2を有する。上側の接触面S1は、支持部88の先端面の上縁88aによって構成されている。上側の接触面S1は、上側の挟持片89aの上面に配置されたバスバー4のうち一番外側のバスバー4の外側側面と接触する。下側の接触面S2は、支持部88の先端面のうちの2つの挟持片89の間の部分によって構成されている。下側の接触面S2は、2つの挟持片89の間に配置されたバスバー4のうち一番外側のバスバー4の外側側面と接触する。
なお、上記の「一番外側のバスバー4」とは、バスバー4が2層2列配置構造の外側列と内側列の両方に配置されている場合、及び、バスバー4が外側列のみに配置される場合は、外側列に配置されたバスバー4である。また、上記の「一番外側のバスバー4」とは、バスバー4が内側列のみに配置されている場合は、内側列に配置されたバスバー4である。
なお、バスバー4は、複数の成形コイル3と重なる複数の区間を有する。複数の区間は、ヨーク21の周方向に並んでいる。各区間におけるバスバー4の2層2列配置構造は、各区間に応じて異なる。複数のブロック81は、複数の区間と1対1に対応する。各第1ブロック82の第2位置決め部87の2つの接触面S1,S2の位置(支持部88の突出方向の位置)は、対応する区間におけるバスバー4の2層2列配置構造に応じて異なる。
図9Bに示すように、第2ブロック83は、第1ブロック82において、第2位置決め部87を省略した構造である。すなわち第2ブロック83は、ブロック本体85と第1位置決め部86とを有する。
(2-2-2)成形コイル・バスバー接続工程の詳細
図8に示すように、まず、複数(例えば12個)のブロック81の各々の第1位置決め部86に、成形コイル3を配置させる。この配置状態では、成形コイル3の両端部3a,3bは、ブロック81の上側に突出している。
そして、複数のブロック81を、予め決められた並び順に環状に配置させる。このとき、複数の第1ブロック81の並び順は、これから製造するステータ1内のバスバー4の複数の区間の並び順と同じ並び順である。上記の配置状態では、複数のブロック81は、成形コイル3が内側に向けられ、かつ隣り合うブロック81が接触している。
そして、バスバー4を、環状に配置させた複数の第1ブロック82の各々の第2位置決め部87に配置させる。このとき、バスバー4の2層2列配置構造のうち、下層に配置されるバスバー4は、第2位置決め部87の2つの挟持片89の間に配置される。その際、下層に配置されるバスバー4のうち、一番外側のバスバー4の外側側面は、第2位置決め部87の下側の接触面S2と接触する。バスバー4の2層2列配置構造のうち、上層に配置されたバスバー4は、第2位置決め部87の上側の挟持片89aの上面に配置される。その際、上層に配置されたバスバー4のうち、一番外側のバスバー4の外側側面は、第2位置決め部87の上側の接触面S1と接触する。
バスバー4は、上述のように複数の第1ブロック82の各々の第2位置決め部87に配置されることで、治具8に対して位置決めされて配置される。複数の成形コイル3は、複数のブロック81の各々の第1位置決め部86に配置されることで、治具8に対して位置決めされて配置される。この結果、複数の成形コイル3とバスバー4とは、所定の相対配置(ステータ1内での相対配置と同じ相対配置)となるように位置決めされて治具8に配置される。この配置状態では、バスバー4は、複数の成形コイルの上側(一端側)に配置されている。上記の配置状態では、複数の成形コイル3の各々の両端部3a,3bは、バスバー4の予め決められた部分と接触して配置している。
この配置状態で、複数の成形コイル3の各々の両端部3a,3bとバスバー4との接触部分を接続する。この接続では、例えばレーザ溶接又はスポット溶接が用いられる。上記の接触部分を接続した後、治具8を複数の成形コイル3及びバスバー4から取り外す。このようにして、所定の相対配置で複数の成形コイル3とバスバー4とを接続した接続体6が組立てられる(図10を参照)。すなわち、治具8によって複数の成形コイル3とバスバー4とが所定の相対配置で位置決めされた状態で、複数の成形コイル3とバスバー4を接続することで、接続体6が組立てられる。
(2-3)ステータ組立工程
図11は、中芯治具、保持治具、接続体6、複数のティース22及びヨーク21を組み付けて組立てられる組付体110を部分的に分解した部分分解斜視図である。図11に示すように、ステータ組立工程ST3(第3工程)では、組付体110を組立てる。組付体110は、接続体6の複数の成形コイル3に複数のティース22を挿入し、治具10を用いて接続体6と複数のティース22との相対配置を位置決めした状態で、複数のティース22をヨーク21の内周面に組み付けることで組立てる。すなわち、組付体110は、ティース・ヨーク準備工程ST1で準備した複数のティース22及びヨーク21と、成形コイル・バスバー接続工程ST2で組立てた接続体6と、治具10とを、組み付けて組立てられている。すなわち、組付体110は、ステータ1の構成部品のうち絶縁樹脂5以外の構成部品(ヨーク21、複数のティース22、複数の成形コイル3及びバスバー4)と、治具10とを組み付けて組立てられている。治具10は、接続体6の複数の成形コイル3と複数のティース22との相対配置を位置決めするために用いられている。
(2-3-1)治具の説明
図12は、図11の組付体110のうち、中芯治具11、保持治具12、接続体6及び複数のティース22からなる部分を分解した分解斜視図である。図12に示すように、治具10は、中芯治具11と保持治具12とを備えている。中芯治具11及び保持治具12は、金属で形成されている。中芯治具11は、中芯治具11に対する接続体6の周方向の相対位置を位置決めする。中芯治具11は、保持治具12と協働して、中芯治具11に対する接続体6の中心軸L2方向の相対位置を位置決めする。中芯治具11は、保持治具12と協働して、中芯治具11に対する複数のティース22の中心軸L2方向の相対位置を位置決めする。保持治具12は、保持治具12に対する複数のティース22の周方向の相対位置を位置決めする。中心軸L2は、中芯治具11及び保持治具12の中心C2を通る中心軸である(図12を参照)。
(2-3-1-1)中芯治具
図12に示すように、中芯治具11は、円柱部13と、フランジ部14と、複数の位置決めリブ15と、複数の位置決め突部16と、段部17とを有する。
円柱部13は、接続体6の中央孔に配置される部分である。かつ、円柱部13は、環状に配置された複数のティース22の内側の空間に配置される部分である。
フランジ部14は、円柱部13の外周面における中心軸L2方向の一方の周縁に設けられている。フランジ部14は、円柱部13の外周側に突出している。フランジ部14には、溶融樹脂を流し込むための複数の貫通孔(ゲートともいう)が設けられている。複数の貫通孔は、フランジ部14の厚さ方向に貫通している。複数の貫通孔は、フランジ部14の周方向に沿って間隔を空けて配置されている。
複数の位置決めリブ15は、中芯治具11に対する接続体6の複数の成形コイル3の周方向(この周方向とはヨーク21の周方向である。以下同様)の相対位置を位置決めする。複数の位置決めリブ15は、円柱部13の外周面に設けられている。複数の位置決めリブ15は、中心軸L2方向に沿って設けられている。複数の位置決めリブ15は、円柱部13の外周側に突出している。複数の位置決めリブ15の上端は、フランジ部14の下面に連結している。複数の位置決めリブ15は、円柱部13の外周面において、円柱部13の周方向に沿って等間隔で配置されている。隣り合う2つの位置決めリブ15の間の間隔は、成形コイル3における円柱部13の周方向の幅と同じ長さである。図13は、図11のX3-X3断面の部分拡大図である。接続体6の複数の成形コイル3は、円柱部13の外周面において、隣り合う2つの位置決めリブ15の間に嵌り合って配置される(図13を参照)。これにより、中芯治具11に対する複数の成形コイル3の周方向の相対位置が位置決めされる。
複数の位置決め突部16は、中芯治具11に対する接続体6の複数の成形コイル3の中心軸L2方向の位置を位置決めする部分である。複数の位置決め突部16は、フランジ部14の下面から下方に所定の長さ突出している。位置決め突部16の下端が成形コイル3の上端に接触することで、中芯治具11に対する成形コイル3の上方(フランジ部14側)への移動を規制する(図15を参照)。図15は、図11のX5-X5断面の部分拡大図である。複数の位置決め突部16によって、複数の成形コイル3とフランジ部14との間に、絶縁樹脂5が形成される隙間が確保される。位置決め突部16の下端は、位置決めリブ15の下端よりも上側に配置されている。複数の位置決め突部16は、隣り合う2つの位置決めリブ15の間に例えば1つずつ配置されている。
段部17は、複数のティース22の上面の縁と引っ掛かる部分である。ティース22の上面の縁が段部17に引っ掛かることで、中芯治具11に対する複数のティース22の上側への移動を規制する。段部17は、円柱部13の外周面において、段部17よりも上側(フランジ部14側)の領域が段部17よりも下側の領域よりも円柱部13の外周側に突出している。段部17は、円柱部13の外周面において複数の位置決めリブ15の下側に設けられている。段部17は、円柱部13の周方向の全体に渡って形成されている。
(2-3-1-2)保持治具
保持治具12は、基板部24と、複数の固定棒25と、複数の位置決めリブ26と、複数の位置決め突部27とを有する。
基板部24は、円形の板状である。基板部24の上面24aは、中央部24bと周縁部24cとを有する。中央部24bは、周縁部24cよりも上方に突出している。中央部24bは、中央上面24dと中央周側面24eとを有する。中央部24bの中央上面24dは、中芯治具11の円柱部13の下面と当接する部分である。中央上面24dは、円柱部13の下面と同大の円形である。
複数の固定棒25は、保持治具12に対する複数のティース22の周方向の相対位置を位置決めする。複数の固定棒25は、中芯治具11の円柱部13の外周面との間で複数のティース22の張出部22gを挟み込む。複数の固定棒25は、基板部24の中央上面24dの外周縁に設けられている。複数の固定棒25は、基板部24の上方に突出している。複数の固定棒25は、基板部24の中央上面24dの外周縁において、中央上面24dの周方向に沿って等間隔に配置されている。
図14は、図11のX4-X4断面の部分拡大図である。複数の固定棒25は、環状に並んだ複数のティース22において、隣り合うティース22の間に配置される(図14を参照)。固定棒25は、固定棒25の両隣のティース22の張出部22gを中芯治具11の円柱部13の外周面との間で挟み込む。
より詳細には、固定棒25の断面(中心軸L2に直交する断面)形状は、例えば台形である。すなわち、固定棒25は、上記台形の両側の斜辺に対応する両側の側面と、上記台形の上底(短い方の底)に対応する内面とを有する。固定棒25は、上記の内面を中芯治具11の円柱部13の外周面に当接させた状態で、上記の両側の側面と円柱部13の外周面との間で両隣のティース22の張出部22gを挟み込む。これにより、複数のティース22は、中芯治具11の円柱部13の外周面において円柱部13の周方向において位置決めされて固定される。
複数の位置決めリブ26は、保持治具12に対する接続体6の複数の成形コイル3の周方向の相対位置を位置決めする。複数の位置決めリブ26は、保持治具12の基板部24の中央周側面24eと周縁部24cとの間の凹角部に設けられている。複数の位置決めリブ26は、矩形の平板状である。複数の位置決めリブ26は、基板部24の周方向に等間隔で配置されている。隣り合う2つの位置決めリブ26の間の間隔は、成形コイル3の横幅と同じ長さである。接続体6の複数の成形コイル3は、隣り合う2つの位置決めリブ26の間に嵌り合って配置される。これによっても、保持治具12に対する複数の成形コイル3の周方向の相対位置が位置決めされる。
複数の位置決め突部27は、中芯治具11に対する接続体6の複数の成形コイル3の各々の中心軸L2方向の位置を位置決めする。複数の位置決め突部27は、基板部24の周縁部24cから上方に所定の長さ突出している。位置決め突部27の上端が成形コイル3の下面に接触することで、中芯治具11に対する成形コイル3の下方への移動を規制する(図15を参照)。位置決め突部27は、基板部24の周縁部24cにおいて隣り合う2つの位置決めリブ26の間に2つずつ設けられている。複数の位置決め突部27によって、複数の成形コイル3と保持治具12の周縁部24cとの間に、絶縁樹脂5が形成される隙間が確保される。
(2-3-2)ステータ組立工程の詳細
図11に示すように、ステータ組立工程ST3では、まず、中間組付体100を組立てる。中間組付体100は、ティース・ヨーク準備工程ST1で準備した複数のティース22と、成形コイル・バスバー接続工程ST2で組立てた接続体6と、治具10(中芯治具11及び保持治具12)とを組み付けて組立てられる。
より詳細には、図11及び図12を参照して、複数のティース22を、接続体6の内側から、複数の成形コイル3の各々の中央孔に挿入する。その際、複数のティース22の全部を一度に複数の成形コイル3の各々の中央孔に配置できない。このため、複数のティース22を複数の組に分けて、1組ずつティース22を成形コイル3の中央孔に挿入する。このように複数のティース22が接続体6に環状に配置される。
そして、複数のティース22が配置された接続体6の中央孔に(すなわち環状に配置されて複数のティース22の内側に)、中芯治具11の円柱部13を挿入する。このとき、中芯治具11の段部17が複数のティース22の上面の縁に接触するまで、中芯治具11の円柱部13を接続体6の中央孔に挿入する。すなわち、中芯治具11は、複数の成形コイル3に複数のティース22が挿入された状態で接続体6の中央孔に挿入される。
この挿入状態では、円柱部13は、複数のティース22を接続体6の内側から外側に押圧する。これにより、複数のティース22の基端面の嵌合凸部221が、複数の成形コイル3の各々の中央孔から接続体6の外周側に突出する。なお、複数のティース22の先端面22sは、中芯治具11の円柱部13の外周面と接触している。上記の挿入状態では、接続体6の複数の成形コイル3はそれぞれ、中芯治具11の複数の位置決めリブ15の間に配置されている。これにより、中芯治具11は、中芯治具11に対する複数の成形コイル3の周方向の位置を位置決めする。また、中芯治具11の複数の位置決め突部16の下面が、接続体6の複数の成形コイル3の上端に接触する。
中芯治具11を接続体6の中央孔に挿入した後、保持治具12を接続体6の下端側(一端側)に組み付ける。すなわち、保持治具12を、複数の成形コイル3に複数のティース22が挿入された状態で接続体6の一端側に組み付けられる。より詳細には、保持治具12の複数の固定棒25を、接続体6の下側から、保持治具12の基板部24の中央上面24dが中芯治具11の円柱部13の下面に接触するまで、接続体6の複数の成形コイル3の間(すなわち複数のティース22の間)に挿入する。
この挿入状態では、各ティース22の両側の張出部22gは、ティース22の両側の固定棒25と中芯治具11の円柱部13の外周面との間に挟み込まれる。これにより、複数のティース22は、複数の固定棒25によって、中芯治具11の円柱部13の外周面において固定される。複数の固定棒25によって、中芯治具11に対する複数のティース22の周方向の位置が位置決めされる。接続体6の複数の成形コイル3はそれぞれ、保持治具12の複数の位置決めリブ26の間に配置される。これにより、保持治具12は、中芯治具11に対する複数の成形コイル3の周方向の位置を位置決めする。これらの結果、保持治具12は、中芯治具11の周方向において複数の成形コイル3と複数のティース22との相対配置を位置決めする。保持治具12の複数の位置決め突部27の上端が、接続体6の複数の成形コイル3の下端に接触する。
このように、まず、中芯治具11及び保持治具12を用いて接続体6と複数のティース22とを所定の相対配置で位置決めして組み付けることで、中間組付体100を組立てる(図11を参照)。
中間組付体100では、中芯治具11の複数の位置決めリブ15及び保持治具12の複数の位置決めリブ26によって、中芯治具11に対する接続体6の複数の成形コイル3の周方向(この周方向はヨーク21の周方向である。)の相対位置が位置決めされている(図13を参照)。中芯治具11の複数の位置決め突部16及び保持治具12の複数の位置決め突部27によって、中芯治具11に対する接続体6の複数の成形コイル3の中心軸L2方向の相対位置が位置決めされている(図15を参照)。保持治具12の複数の固定棒25によって、中芯治具11に対する複数のティース22の周方向の相対位置が位置決めされている(図14を参照)。中芯治具11の段部17及び保持治具12の中央上面24dによって、中芯治具11に対する複数のティース22の中心軸L2方向の位置が位置決めされている(図15を参照)。この結果、複数の成形コイル3及び複数のティース22は、ステータ1内での相対配置と同じ相対配置(所定の相対配置)で位置決めされている。すなわち、複数のティース22と複数の成形コイル3との間(すなわち各ティース22と、各ティース22に配置された成形コイル3との間)には、絶縁樹脂5が形成可能な隙間R1が確保されている(図19を参照)。バスバー4は、ヨーク21の中心軸L2方向において複数の成形コイル3の一端側(上側)に配置されている。
次に、この中間組付体100を、ティース・ヨーク準備工程ST1で準備したヨーク21の中央孔21aに挿入する(図11を参照)。これにより、中間組付体100の複数のティース22、ヨーク21の内周面に組み付けられる。この組付状態では、複数のティース22の嵌合凸部221が、ヨーク21の内周面の複数の嵌合溝部211に嵌め合わされる。これにより、複数のティース22はヨーク21の内周面に位置決めされて固定される。このように、組付体110が組立てられる。
(2-4)成形金型組付工程
図17は、図16の組付体の分解斜視図である。図16及び図17に示すように、成形金型組付工程ST4では、金型組付体130を組立てる。金型組付体130は、成形金型70を準備し、ステータ組立工程ST3で組立てた組付体110において、複数の成形コイル3と複数のティース22との相対配置を維持した状態で、治具10の代わりに成形金型70をヨーク21に組み付けて組立てられる。成形金型70は、第1金型71及び第2金型72で構成される。第1金型71は、中芯金型73及び外周金型74で構成される。中芯金型73は、中芯治具11と兼用されている。
(2-4-1)成形金型の説明
図16及び図17に示すように、成形金型70は、第1金型71と、第2金型72とを備える。
(2-4-1-1)第1金型
図16及び図17に示すように、第1金型71は、これから形成する絶縁樹脂5(図1参照)の内周面と、絶縁樹脂5におけるコア2よりも上側の部分と、第4樹脂部54(図1を参照)とを形成する金型である。第1金型71は、ヨーク21の中心軸L2方向の一端部に組み付けられる。第1金型71は、中芯金型73と、外周金型74と、端子金型75とを有する。中心軸L2は、中芯金型73、外周金型74及び第2金型72の各々の中心軸である。
(2-4-1-2)中芯金型
中芯金型73は、これから形成する絶縁樹脂5の内周面と、絶縁樹脂5の上面の内周側半分の領域とを成形する金型である。中芯金型73は、中芯治具11を流用した金型である。中芯金型73は、ステータ組立工程ST3で接続体6に組み付けられた中芯治具11をその組み付けられたままの状態で中芯金型73として兼用される。このため、中芯金型73において、中芯治具11と同じ構成要素には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
中芯金型73が接続体6に組み付けられた状態では、中芯金型73の円柱部13は、接続体6の中央孔に挿入されている。円柱部13の外周面は、接続体6の複数のティース22の先端面22sに接触している。中芯金型73の複数の位置決め突部16の下端は、接続体6の複数の成形コイル3の上端に接触している(図20を参照)。図20は、図16のX8-X8断面の部分拡大図である。接続体6の複数の成形コイル3はそれぞれ、中芯金型73の複数の位置決めリブ15の間に配置されている(図18を参照)。図18は、図16のX6-X6断面の部分拡大図である。
外周金型74は、これから成形する絶縁樹脂5の上面の外周側半分の領域と、絶縁樹脂5におけるコア2よりも上側の部分の外周面とを成形する金型である。外周金型74は、円環板部741と、外周壁部742と、複数の位置決めリブ743と、複数の位置決め突部744と、複数の連結部745と、を有する。
円環板部741の中央には、円形の貫通孔741aが設けられている。貫通孔741aは、中芯金型73のフランジ部14が嵌り合う部分である。
外周壁部742は、円筒状である。外周壁部742は、円環板部741の下面の外周縁に設けられている。外周壁部742は、外周壁部742の下方に突出している。外周壁部742は、矩形の切欠部742aを有する。切欠部742aは、端子金型75が配置される部分である。切欠部742aは、外周壁部742の下端の一部を矩形形状に切り欠くように設けられている。
複数の位置決めリブ743は、外周金型74に対する接続体6の複数の成形コイル3の周方向の相対位置を位置決めする部分である。複数の位置決めリブ743は、外周壁部742の内周面に設けられている。複数の位置決めリブ743は、外周壁部742の内周面から外周壁部742の内側に突出している。複数の位置決めリブ743は、かつ外周金型74の中心軸L2方向に沿って設けられている。位置決めリブ743の上端は、円環板部741の下面に連結されている。複数の位置決めリブ743は、外周壁部742の内周面において、外周壁部742の周方向に等間隔に配置されている。隣り合う2つの位置決めリブ743の間の間隔は、成形コイル3における外周金型74の周方向の幅と同じ長さである。接続体6の複数の成形コイル3は、外周金型74において、隣り合う2つの位置決めリブ743の間に嵌り合って配置される(図18を参照)。これにより、外周金型74に対する複数の成形コイル3の周方向の相対位置が位置決めされる。
複数の位置決め突部744は、外周金型74に対する接続体6の複数の成形コイル3の中心軸L2方向の相対位置を位置決めする部分である。複数の位置決め突部744は、円環板部741の下面から下方に所定の長さ突出している。位置決め突部744の下端が成形コイル3の上端に接触することで、外周金型74に対する成形コイル3の上方への移動を規制する(図20を参照)。複数の位置決め突部744によって、複数の成形コイル3と外周金型74の円環板部741との間に、絶縁樹脂5が形成される隙間が確保される。位置決め突部744の下端は、位置決めリブ743の下端よりも上側に配置されている。複数の位置決め突部744は、円環板部741の下面において、隣り合う2つの位置決めリブ743の間に例えば1つずつ配置されている。
複数(例えば3個)の連結部745は、ヨーク21の複数(例えば3個)の連結部214と連結する部分である。複数の連結部745は、実質的に円柱状である。複数の連結部745は、外周壁部742の外周面において、中心軸L2方向に沿って設けられており、かつ外周壁部742の周方向に等間隔で配置されている。連結部745の下端には、ヨーク21の連結部214の上面の嵌合孔214aに嵌合する嵌合突起745aが設けられている。外周金型74の嵌合突起745aとヨーク21の上面の嵌合孔214aとが嵌り合うことで、ヨーク21と外周金型74は、ヨーク21の周方向に相互に位置決めされて連結される。
外周金型74は、接続体6のヨーク21の上面(すなわち第2金型72の側とは反対側)の開口部に組み付けられる。この組付状態では、外周金型74の貫通孔741aには、中芯金型73のフランジ部14が嵌り合っている。外周金型74の外周壁部742の下端面は、接続体6のヨーク21の上端面と接触している。外周金型74の複数の連結部745の嵌合突起745aは、ヨーク21の複数の連結部214の上面の嵌合孔214aに嵌り合っている。外周金型74の複数の位置決め突部744の下端は、接続体6の複数の成形コイル3の上端に接触している(図20を参照)。接続体6の複数の成形コイル3はそれぞれ、外周金型74の複数の位置決めリブ743の間に配置されている(図18を参照)。接続体6のバスバー4の3つの外部端子41U,41V,41Wの先端部が、外周金型74の切欠部742aから外周金型74の外部に突出している。
(2-4-1-3)端子金型
端子金型75は、第4樹脂部54を形成する部分である金型である。端子金型75は、外周金型74の切欠部742aに嵌め合わされる。端子金型75は、横方向に長い直方体形である。端子金型75の一側面75aは、一側面75aの長手方向に沿って凹状に湾曲している。端子金型75の一側面75aには、成形凹部75bが設けられている。成形凹部75bの内面が第4樹脂部54の外周面を成形する。成形凹部75bの底面(すなわち一側面75aと対向する内面)には、接続体6の3つの外部端子41U,41V,41Wの各々先端部が挿入される3つの孔75cが設けられている。
この端子金型75は、外周金型74の外周壁部742の切欠部742aに取り付けられる。この取付状態では、端子金型75の一側面75a側が切欠部742aに嵌め込まれている。端子金型75は、外周金型74の外周壁部742から外周側に突出している。接続体6の3つの外部端子41U,41V,41Wの先端部は、端子金型75の3つの孔75cに挿入されている。
(2-4-1-4)第2金型
図16及び図17に示すように、第2金型72は、これから形成される絶縁樹脂5(図1を参照)におけるコア2よりも下側の部分を形成する。第2金型72は、保持治具12の代わりに、ヨーク21の中心軸L2方向の一端側(第1金型71側とは反対側)の開口部に組み付けられる。第2金型72は、例えば円形の板状である。第2金型72は、基板部76と、複数の位置決めリブ77と、複数の位置決め突部78と、複数の連結部79とを有する。
基板部76は、例えば円形の板状である。基板部76の上面には、環状溝部80が設けられている。環状溝部80は、基板部76の上面の外周縁に沿って円環状に形成されている。
複数の位置決めリブ77は、第2金型72に対する接続体6の複数の成形コイル3の周方向の相対位置を位置決めする部分である。複数の位置決めリブ77は、環状溝部80において、底面80aと内周面80bとの間の凹角部と、底面80aと外周面80cとの間の凹角部とに設けられている。複数の位置決めリブ77は、矩形の平板状である。複数の位置決めリブ77は、基板部76の周方向に等間隔で配置されている。基板部76の周方向に隣り合う2つの位置決めリブ26の間の間隔は、成形コイル3の横幅と同じ長さである。接続体6の複数の成形コイル3は、基板部76の周方向に隣り合う2つの位置決めリブ77の間に嵌り合って配置される。これにより、第2金型72に対する複数の成形コイル3の周方向の相対位置が位置決めされる。
複数の位置決め突部78は、第2金型72に対する接続体6の複数の成形コイル3の中心軸L2方向の位置を位置決めする部分である。複数の位置決め突部78は、環状溝部80の底面から上方に所定の長さ突出している。位置決め突部78の上端が成形コイル3の下端に接触することで、第2金型72に対する複数の成形コイル3の下方への移動を規制する(図20を参照)。複数の位置決め突部78によって、複数の成形コイル3と第2金型72との間に、絶縁樹脂5が形成される隙間が確保される。位置決め突部78は、環状溝部80の内周縁及び外周縁において、隣り合う2つの位置決めリブ77の間に例えば2つずつ配置されている。
複数(例えば3個)の連結部79は、ヨーク21の複数(例えば3個)の連結部214と連結する部分である。複数の連結部79は、実質的に円柱状である。複数の連結部79は、基板部76の外周面において中心軸L2方向に沿って設けられている。かつ、複数の連結部79は、基板部76の外周面において周方向に等間隔で配置されている。連結部79の上端には、ヨーク21の連結部214の嵌合孔214aに嵌合する嵌合突起79aが設けられている。第2金型72の嵌合突起79aとヨーク21の嵌合孔214aとが嵌り合うことで、第2金型72とヨーク21は、ヨーク21の周方向に相互に位置決めされて連結される。
第2金型72は、組付体110のヨーク21の下端側(外周金型74の側とは反対側)の開口部に組み付けられる。この組付状態では、第2金型72の上面のうち、中央部は、中芯金型73の円柱部13の下端面と接触する。外周縁は、接続体6のヨーク21の下端面と接触する。第2金型72の複数の連結部79の嵌合突起79aは、ヨーク21の複数の連結部214の下面の嵌合孔214aに嵌り合っている。第2金型72の複数の位置決め突部78の上端は、接続体6の複数の成形コイル3の下端に接触している。接続体6の複数の成形コイル3は、第2金型72の複数の位置決めリブ77の間に配置されている。
(2-4-2)金型組付体130の組付状態の説明
上述のように金型組付体130が組立てられる。
金型組付体130では、ヨーク21の上端の嵌合孔214aと外周金型74の嵌合突起745aとが嵌り合っている。ヨーク21の下端の嵌合孔214aと第2金型72の嵌合突起79aとが嵌り合っている。これにより、ヨーク21に対する外周金型74及び第2金型72の周方向の相対位置が位置決めされている。外周金型74の複数の位置決めリブ743、及び第2金型72の複数の位置決めリブ77によって、ヨーク21に対する複数の成形コイル3の周方向の相対位置が位置決めされている。複数のティース22はヨーク21に位置決めされて固定されている。外周金型74の複数の位置決め突部744、及び第2金型72の複数の位置決め突部78によって、ヨーク21に対する複数の成形コイル3の中心軸L2方向の相対位置が位置決めされている。これらから、複数のティース22と複数の成形コイル3との相対配置が位置決めされて、各ティース22と、各ティース22に配置された成形コイル3との間に、絶縁樹脂5の第2樹脂部52を形成するための隙間R1が確保されている(図19及び図20を参照)。成形コイル3を用いることで、成形コイル3の外径及び内径の寸法を精度良く形成している。これにより、隙間R1がより精度良く確保されている。バスバー4は、ヨーク21の中心軸L2方向において複数の成形コイル3の上側(隣り)に配置されている。
(2-5)絶縁樹脂成形工程
絶縁樹脂成形工程(ST5)では、成形金型組付工程(ST4)で組立てた金型組付体130の内部空間(すなわちヨーク21、複数のティース22、及び成形金型70で囲まれた空間)に、第1金型71に設けた貫通孔(ゲート)を通じて、絶縁樹脂5の溶融状態である溶融樹脂を流し込む。このとき、上述のように、複数のティース22と複数の成形コイル3との間には隙間R1が確保されている。このため、流し込んだ溶融樹脂は、複数のティース22と複数の成形コイル3との間の隙間R1に行き渡って、絶縁樹脂5の第2樹脂部52を形成する。また、流し込んだ溶融樹脂は、バスバー4をモールドして絶縁樹脂5の第1樹脂部51を形成する。流し込んだ溶融樹脂は、複数の成形コイル3の各々をモールドして第3樹脂部53を形成する。そして、流し込んだ溶融樹脂が硬化することで、ヨーク21の内周面に絶縁樹脂5が形成される。流し込んだ溶融樹脂が硬化した後に、ヨーク21から成形金型70(第1金型71及び第2金型72)を取り外すことで、ステータ1が完成する。
(3)主要な効果
以上のように、本実施形態に係るステータ1は、コア2と、複数の成形コイル3と、バスバー4と、絶縁樹脂5と、を備える。コア2は、筒状のヨーク21及びヨーク21の内周面からヨーク21の内側に突出した複数のティース22を有する。複数の成形コイル3は、複数のティース22に配置されている。バスバー4は、複数の成形コイル3と接続されており、外部回路と接続可能である。絶縁樹脂5は、絶縁性を有する。絶縁樹脂5は、第1樹脂部51と、第2樹脂部52と、第3樹脂部53と、を含む。第1樹脂部51は、バスバー4をモールドする。第2樹脂部52は、複数のティース22と複数の成形コイル3との間に配置される。第3樹脂部53は、複数の成形コイル3をモールドする。第1樹脂部51、第2樹脂部52及び第3樹脂部53は一体に成形されている。
この構成によれば、第1樹脂部51と第2樹脂部52と第3樹脂部53とは一体に形成されている。このため、一回の樹脂モールドの形成によって第1樹脂部51と第2樹脂部52と第3樹脂部53を形成できる。これにより、コストの増加を抑制できる。また、第1樹脂部51と第3樹脂部53が一体に形成されているため、外部振動に対する成形コイル3とバスバー4との間の接続部分の信頼性を向上できる。
また、以上のように、本実施形態に係るステータ製造方法は、ティース・ヨーク準備工程ST1(第1工程)と、成形コイル・バスバー接続工程ST2(第2工程)と、ステータ組立工程ST3(第3工程)と、成形金型組付工程ST4(第4工程)と、絶縁樹脂成形工程ST5(第5工程)とを有する。ティース・ヨーク準備工程ST1では、筒状のヨーク21と、ヨーク21の内周面に組み付けられる複数のティース22とを準備する。成形コイル・バスバー接続工程ST2では、複数の成形コイル3とバスバー4とを準備し、複数の成形コイル3とバスバー4とを所定の相対配置で位置決めして相互接続して、接続体6を組立てる。ステータ組立工程ST3では、接続体6の複数の成形コイル3に複数のティース22を挿入し、治具10を用いて接続体6と複数のティース22との相対配置を位置決めした状態で、複数のティース22をヨーク21の内周面に組み付けて組付体110を組立てる。成形金型組付工程ST4では、成形金型70を準備し、組付体110において、複数の成形コイル3と複数のティース22との相対配置を維持した状態で、治具10の代わりに成形金型70をヨーク21に組み付けてなる金型組付体130を組立てる。絶縁樹脂成形工程ST5では、金型組付体130において、ヨーク21、複数のティース22、及び成形金型70で囲まれた内部空間に溶融樹脂を流し込み、溶融樹脂の硬化後に、ヨーク21から成形金型70を取り外す。成形金型組付工程ST4(第4工程)では、複数のティース22は、ヨーク21の内周面に組み付けられてヨーク21の内周面から突出している。複数の成形コイル3は、複数のティース22に配置されている。バスバー4は、ヨーク21の中心軸L2方向において複数の成形コイル3の一端側に配置されている。第1金型71及び第2金型72は、ヨーク21の両側の開口部を塞ぐようにヨーク21に組み付けられている。第1金型71及び第2金型72は、ヨーク21に対する複数の成形コイル3の周方向の相対位置及び中心軸L2方向の相対位置を位置決めすることで、複数の成形コイル3と複数のティース22との間に溶融樹脂が流れ込む隙間R1を確保している。
この構成によれば、第1金型71及び第2金型72は、ヨーク21に対する複数の成形コイル3の周方向の相対位置及び中心軸L2方向の相対位置を位置決めする。これにより、複数の成形コイル3と複数のティース22との間に溶融樹脂が流れ込む隙間R1を確保している。このため、ヨーク21、複数のティース22、第1金型71及び第2金型72で囲まれた内部空間に溶融樹脂を流し込んだとき、流し込んだ溶融樹脂が、複数のティース22と複数の成形コイル3との間の隙間R1にも流れ込む。これにより、流し込んだ溶融樹脂によって、バスバー4をモールドする樹脂部(第1樹脂部51)と、複数の成形コイル3をモールドする樹脂部(第3樹脂部53)と、複数の成形コイル3と複数のティース22との間に配置される樹脂部(第2樹脂部52)とを一体に形成できる。すなわち、一回の樹脂モールドの形成によって第1樹脂部51と第2樹脂部52と第3樹脂部53を形成できる。これにより、製造コストの増加を抑制できる。また、第1樹脂部51と第3樹脂部53が一体に形成されているため、外部振動に対する成形コイル3とバスバー4との間の接続部分の信頼性を向上できる。
(4)態様
上記の実施形態及び変形例から本開示は下記の態様を取り得る。
第1の態様のステータ(1)は、コア(2)と、複数の成形コイル(3)と、バスバー(4)と、絶縁樹脂(5)と、を備える。コア(2)は、筒状のヨーク(21)及び複数のティース(22)を有する。複数のティース(22)は、ヨーク(21)の内周面からヨーク(21)の内側に突出している。複数の成形コイル(3)は、複数のティース(22)に配置されている。バスバー(4)は、複数の成形コイル(3)と電気的に接続されており、外部回路と電気的に接続可能である。絶縁樹脂(5)は、絶縁性を有する。絶縁樹脂(5)は、第1樹脂部(51)と、第2樹脂部(52)と、第3樹脂部(53)と、を含む。第1樹脂部(51)は、バスバー(4)をモールドする。第2樹脂部(52)は、複数のティース(22)と複数の成形コイル(3)との間に配置されている。第3樹脂部(53)は、複数の成形コイル(3)をモールドする。第1樹脂部(51)、第2樹脂部(52)及び第3樹脂部(53)は一体に成形されている。
この構成によれば、第1樹脂部(51)と第2樹脂部(52)と第3樹脂部(53)とが一体に形成されている。このため、一回の樹脂モールドの成形によって第1樹脂部(51)と第2樹脂部(52)と第3樹脂部(53)を形成できる。これにより、製造コストの増加を抑制できる。また、第1樹脂部(51)と第3樹脂部(53)が一体に形成されているため、外部振動に対する成形コイル(3)とバスバー(4)との間の接続部分の信頼性を向上できる。
第2の態様のステータ(1)は、第1の態様において、第1樹脂部(51)、第2樹脂部(52)及び第3樹脂部(53)は、互いに同じ樹脂材料によって形成されている。
この構成によれば、第1樹脂部(51)、第2樹脂部(52)及び第3樹脂部(53)を1回の製造工程で形成できる。これにより、製造コストの増加を抑制できる。
第3の態様のステータ(1)は、第1又は第2の態様において、絶縁樹脂(5)は、第1樹脂部(51)、第2樹脂部(52)及び第3樹脂部(53)を区分する境界面を含まない。
この構成によれば、第1樹脂部(51)、第2樹脂部(52)及び第3樹脂部(53)を一体に形成できる。
第4の態様のステータ(1)は、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、コア(2)、複数の成形コイル(3)、バスバー(4)及び絶縁樹脂(5)は、インサート成形によって一体化されている。
この構成によれば、第1樹脂部(51)、第2樹脂部(52)及び第3樹脂部(53)を一体に形成できる。
第5の態様のステータ製造方法は、第1工程(ST1)と、第2工程(ST2)と、第3工程(ST3)と、第4工程(ST4)と、第5工程(ST5)とを有する。第1工程(ST1)では、筒状のヨーク(21)と、ヨーク(21)の内周面に組み付けられる複数のティース(22)とを準備する。第2工程(ST2)では、複数の成形コイル(3)とバスバー(4)とを準備し、複数の成形コイル(3)とバスバー(4)とを所定の相対配置で位置決めして相互接続して、接続体(6)を組立てる。第3工程(ST3)では、接続体(6)の複数の成形コイル(3)に複数のティース(22)を挿入する。そして、治具(10)を用いて接続体(6)と複数のティース(22)との相対配置を位置決めした状態で、複数のティース(22)をヨーク(21)の内周面に組み付けて組付体(110)を組立てる。第4工程(ST4)では、成形金型(70)を準備し、組付体(110)において、複数の成形コイル(3)と複数のティース(22)との相対配置を維持した状態で、治具(10)の代わりに成形金型(70)をヨーク(21)に組み付けてなる金型組付体(130)を組立てる。第5工程(ST5)では、金型組付体(130)において、ヨーク(21)、複数のティース(22)、及び成形金型(70)で囲まれた内部空間に溶融樹脂を流し込み、溶融樹脂の硬化後に、ヨーク(21)から成形金型(70)を取り外す。第4工程(ST4)では、複数のティース(22)は、ヨーク(21)の内周面に組み付けられてヨーク(21)の内周面から突出している。複数の成形コイル(3)は、複数のティース(22)に配置されている。バスバー(4)は、ヨーク(21)の中心軸(L2)方向において複数の成形コイル(3)の一端側に配置されている。第1金型(71)及び第2金型(72)は、ヨーク(21)の両側の開口部を塞ぐようにヨーク(21)に組み付けられている。第1金型(71)及び第2金型(72)は、ヨーク(21)に対する複数の成形コイル(3)の周方向の相対位置及び中心軸(L2)方向の相対位置を位置決めすることで、複数の成形コイル(3)と複数のティース(22)との間に溶融樹脂が流れ込む隙間(K1)を確保している。
この構成によれば、第1金型(71)及び第2金型(72)は、ヨーク(21)に対する複数の成形コイル(3)の周方向の相対位置及び中心軸(L2)方向の相対位置を位置決めする。これにより、複数の成形コイル(3)と複数のティース(22)との間に溶融樹脂が流れ込む隙間(R1)を確保している。このため、ヨーク(21)、複数のティース(22)、第1金型(71)及び第2金型(72)で囲まれた内部空間に溶融樹脂を流し込んだとき、流し込んだ溶融樹脂が、複数のティース(22)と複数の成形コイル(3)との間の隙間(R1)にも流れ込む。これにより、流し込んだ溶融樹脂によって、バスバー(4)をモールドする樹脂部(第1樹脂部(51))と、複数の成形コイル(3)をモールドする樹脂部(第3樹脂部(53))と、複数の成形コイル(3)と複数のティース(22)との間に配置される樹脂部(第2樹脂部(52))とを一体に形成できる。すなわち、一回の樹脂モールドの形成によって第1樹脂部(51)と第2樹脂部(52)と第3樹脂部(53)を形成できる。これにより、製造コストの増加を抑制できる。また、第1樹脂部(51)と第3樹脂部(53)が一体に形成されているため、外部振動に対する成形コイル(3)とバスバー(4)との間の接続部分の信頼性を向上できる。
第6の態様のステータ製造方法は、第5の態様において、第2工程(ST2)では、複数の成形コイル(3)に対応し、対応する成形コイル(3)を保持する複数のブロック(81)を準備する。複数のブロック(81)の少なくとも1つ(第1ブロック82)は、バスバー(4)のうち対応する成形コイル(3)の一端側に配置された部分を更に保持する。複数のブロック(81)によって複数の成形コイル(3)とバスバー(4)とが所定の相対配置で位置決めされた状態で、複数の成形コイル(3)とバスバー(4)とを接続することで、接続体(6)を組立てる。
この構成によれば、複数のブロック(81)を用いることで、複数の成形コイル(3)とバスバー(4)との相対配置を精度良く位置決めして、接続体(6)を組立てることができる。
第7の態様のステータ製造方法は、第5又は第6の態様において、第3工程(ST3)では、治具(10)は、中芯治具(11)と保持治具(12)とを有する。中芯治具(11)は、複数の成形コイル(3)に複数のティース(22)が挿入された状態で接続体(6)の中央孔に挿入されており、かつ、中芯治具(11)に対する複数の成形コイル(3)の周方向の位置を位置決めしている。保持治具(12)は、複数の成形コイル(3)に複数のティース(22)が挿入された状態で接続体(6)の一端側に組み付けられており、かつ、中芯治具(11)の周方向において複数の成形コイル(3)と複数のティース(22)との相対配置を位置決めしている。
中芯治具(11)及び保持治具(12)を用いて接続体(6)と複数のティース(22)とを所定の相対配置で位置決めして組み付けることで、中間組付体(100)を組立てる。そして、中間組付体(100)をヨーク(21)の中央孔に挿入することで、中間組付体(100)の複数の成形コイル(3)をヨーク(21)の内周面に組み付けて、組付体(110)を組立てる。
この構成によれば、中芯治具(11)と保持治具(12)とを用いることで、複数の成形コイル(3)と複数のティース(22)との相対配置を精度良く位置決めした状態で、複数のティース(22)をヨーク(21)の内周面に組み付けることができる。
第8の態様のステータ製造方法は、第7の態様において、第4工程(ST4)では、成形金型(70)は、第1金型(71)及び第2金型(72)を有し、第1金型(71)は、中芯治具(11)と外周金型(74)を有する。
組付体(110)において、保持治具(12)の代わりに第2金型(72)をヨーク(21)の一端側の開口部に組み付け、外周金型(74)をヨーク(21)における第2金型(72)の側とは反対側の開口部に組み付ける。第2金型(72)及び外周金型(74)はそれぞれ、ヨーク(21)に対する複数の成形コイル(3)の周方向の相対位置を位置決めし、かつ、ヨーク(21)に対する複数の成形コイル(3)の中心軸(L2)方向の相対位置を位置決めする。
この構成によれば、中間組付体(100)の組付精度を維持して、第1金型(71)及び第2金型(72)をヨーク(21)に組み付けることができる。
1 ステータ
2 コア
21 ヨーク
22 ティース
3 成形コイル
4 バスバー
5 絶縁樹脂
11 中芯治具
12 保持治具
51 第1樹脂部
52 第2樹脂部
53 第3樹脂部
70 成形金型
71 第1金型
72 第2金型
74 外周金型
100 中間組付体
110 組付体
130 金型組付体
ST1 ティース・ヨーク準備工程(第1工程)
ST2 成形コイル・バスバー接続工程(第2工程)
ST3 ステータ組立工程(第3工程)
ST4 成形金型組付工程(第4工程)
ST5 絶縁樹脂成形工程(第5工程)

Claims (8)

  1. 筒状のヨーク及び前記ヨークの内周面から前記ヨークの内側に突出した複数のティースを有するコアと、
    前記複数のティースに配置された複数の成形コイルと、
    前記複数の成形コイルと電気的に接続されており、外部回路と電気的に接続可能なバスバーと、
    絶縁性を有する絶縁樹脂と、を備え、
    前記絶縁樹脂は、
    前記バスバーをモールドする第1樹脂部と、
    前記複数のティースと前記複数の成形コイルとの間に配置されている第2樹脂部と、
    前記複数の成形コイルをモールドする第3樹脂部と、を含み、
    前記第1樹脂部、前記第2樹脂部及び前記第3樹脂部は一体に成形されている
    ステータ。
  2. 前記第1樹脂部、前記第2樹脂部及び前記第3樹脂部は、互いに同じ樹脂材料によって形成されている
    請求項1に記載のステータ。
  3. 前記絶縁樹脂は、前記第1樹脂部、前記第2樹脂部及び前記第3樹脂部を区分する境界面を含まない
    請求項1又は2に記載のステータ。
  4. 前記コア、前記複数の成形コイル、前記バスバー及び前記絶縁樹脂は、インサート成形によって一体化されている
    請求項1に記載のステータ。
  5. 筒状のヨークと、前記ヨークの内周面に組み付けられる複数のティースとを準備し、
    複数の成形コイルとバスバーとを準備し、前記複数の成形コイルと前記バスバーとを所定の相対配置で位置決めして相互接続して、接続体を組立て、
    前記接続体を成す前記複数の成形コイルに前記複数のティースを挿入し、治具を用いて前記接続体と前記複数のティースとの相対配置を位置決めした状態で、前記複数のティースを前記ヨークの内周面に組み付けて組付体を組立て、
    成形金型を準備し、前記組付体において、前記複数の成形コイルと前記複数のティースとの相対配置を維持した状態で、前記治具の代わりに前記成形金型を前記ヨークに組み付けてなる金型組付体を組立て、
    前記金型組付体において、前記ヨーク、前記複数のティース、及び前記成形金型で囲まれた内部空間に溶融樹脂を流し込み、前記溶融樹脂の硬化後に、前記ヨークから前記成形金型を取り外し、
    前記金型組付体を組立てる工程では、
    前記複数のティースは、前記ヨークの内周面に組み付けられて前記ヨークの内周面から突出しており、
    前記複数の成形コイルは、前記複数のティースに配置されており、
    前記バスバーは、前記ヨークの中心軸方向において前記複数の成形コイルの一端側に配置されており、
    前記成形金型は、前記ヨークの両側の開口部を塞ぐように前記ヨークに組み付けられており、
    前記成形金型は、前記ヨークに対する前記複数の成形コイルの周方向の相対位置及び前記中心軸方向の相対位置を位置決めすることで、前記複数の成形コイルと前記複数のティースとの間に前記溶融樹脂が流れ込む隙間を確保している、
    ステータ製造方法。
  6. 前記接続体を組立てる工程では、
    前記複数の成形コイルに対応し、対応する成形コイルを保持する複数のブロックを準備し、
    前記複数のブロックの少なくとも1つは、前記バスバーのうち前記対応する成形コイルの一端側に配置された部分を更に保持し、
    前記複数のブロックによって前記複数の成形コイルと前記バスバーとが所定の相対配置で位置決めされた状態で、前記複数の成形コイルと前記バスバーとを接続することで、前記接続体を組立てる、
    請求項5に記載のステータ製造方法。
  7. 前記組付体を組立てる工程では、
    前記治具は、中芯治具と保持治具とを有し、
    前記中芯治具は、前記複数の成形コイルに前記複数のティースが挿入された状態で前記接続体の中央孔に挿入されており、かつ、前記中芯治具に対する前記複数の成形コイルの周方向の位置を位置決めしており、
    前記保持治具は、前記複数の成形コイルに前記複数のティースが挿入された状態で前記接続体の一端側に組み付けられており、かつ、前記中芯治具の周方向において前記複数の成形コイルと前記複数のティースとの相対配置を位置決めしており、
    前記中芯治具及び前記保持治具を用いて前記接続体と前記複数のティースとを所定の相対配置で位置決めして組み付けることで、中間組付体を構成し、前記中間組付体を前記ヨークの中央孔に挿入することで、前記中間組付体の前記複数の成形コイルを前記ヨークの内周面に組み付けて、前記組付体を組立てる、
    請求項5又は6に記載のステータ製造方法。
  8. 前記金型組付体を組立てる工程では、
    前記成形金型は、第1金型及び第2金型を有し、前記第1金型は、前記中芯治具と外周金型を有し、
    前記組付体において、前記保持治具の代わりに前記第2金型を前記ヨークの一端側の開口部に組み付け、前記外周金型を前記ヨークにおける前記第2金型の側とは反対側の開口部に組み付け、
    前記第2金型及び前記外周金型はそれぞれ、前記ヨークに対する前記複数の成形コイルの周方向の相対位置を位置決めし、かつ、前記ヨークに対する前記複数の成形コイルの前記中心軸方向の相対位置を位置決めする、
    請求項7に記載のステータ製造方法。
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