JPWO2022230652A5 - - Google Patents

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JPWO2022230652A5
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本開示は、発電素子、エンコーダ、磁性部材の製造方法および信号取得方法に関し、特に、大バルクハウゼン効果を利用した発電素子、エンコーダ、磁性部材の製造方法および信号取得方法に関する。
従来、モータの回転等を検出するためのエンコーダにおいて、バッテリを用いずに回転を検出するために、大バルクハウゼン効果を利用した発電素子が用いられたエンコーダが知られている(例えば、特許文献1)。このような発電素子は、例えば、大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材にコイルが巻回された構成を有する。大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材は、外部磁界の変化によって磁束密度が急激に変化するため、磁束密度の急激な変化により磁性部材に巻回されたコイルに電力が生じる。エンコーダは、このような電力による電気信号を用いて、モータの回転等を検出する。
特開2012-198067号公報 特開2019-132698号公報
上述のエンコーダにおいて、発電素子によって発電される電力のばらつきが大きい場合には、精度良くモータの回転等を検出できない場合が生じる。
本開示は、このような問題を解決するためになされたものであり、発電電力のばらつきを低減できる発電素子、エンコーダ、磁性部材の製造方法および信号取得方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示の一態様に係る発電素子は、外部磁界の変化によって大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材と、前記磁性部材に巻回されたコイルと、を備える。前記磁性部材は、第1感磁性部と、前記第1感磁性部よりも軟磁性である第2感磁性部と、を有する。前記第1感磁性部は、前記コイルの巻回軸方向に磁化しており、前記外部磁界の方向の変化によって磁化方向が変化しない。
また、本開示の他の一態様に係る発電素子は、外部磁界の変化によって大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材と、前記磁性部材に巻回されたコイルと、を備える。前記磁性部材は、3以上の感磁性層が積層された構造を有する。前記3以上の感磁性層のそれぞれの保磁力は、積層方向の並び順で高くなる。
また、本開示の他の一態様に係る発電素子は、外部磁界の変化によって大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材と、前記磁性部材に巻回されたコイルと、を備える。前記磁性部材は、前記コイルの巻回軸方向に延在する第1感磁性部と、前記第1感磁性部よりも軟磁性であり、前記第1感磁性部と前記コイルの巻回軸方向と交差する方向に並ぶ第2感磁性部と、を有する。前記第1感磁性部は、前記コイルの巻回軸方向において、両端それぞれから中央に向かうにつれて、前記コイルの巻回軸方向と直交する方向に切断した場合の断面積が大きくなる。
また、本開示の他の一態様に係る発電素子は、外部磁界の変化によって大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材と、前記磁性部材に巻回されたコイルと、を備える。前記磁性部材は、ワイヤ状または膜状の第1感磁性部と、前記コイルの巻回軸方向と交差する方向から前記第1感磁性部を被覆し、前記外部磁界によって磁化しない非磁性部と、前記非磁性部における前記第1感磁性部側とは反対側から前記非磁性部を被覆し、前記第1感磁性部と異なる磁気特性を有する第2感磁性部と、を有する。
また、本開示の他の一態様に係るエンコーダは、回転軸とともに回転する磁石と、前記磁石が回転することによる、前記磁石によって形成される磁界の変化によって電気信号を生成する上記態様のいずれかに係る発電素子と、を備える。
また、本開示の他の一態様に係る磁性部材の製造方法は、発電素子に用いられ、大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材の製造方法であって、同一の磁性材料で構成される複数の薄膜を、各薄膜の成膜ごとに温度を上げながらまたは下げながら順次成膜することで積層する工程と、積層された前記複数の薄膜を冷却する工程と、を含む。
また、本開示の他の一態様に係る磁性部材の製造方法は、発電素子に用いられ、大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材の製造方法であって、ワイヤ状または膜状の磁性体を準備する工程と、前記磁性体の表面に、前記磁性体の保磁力を高める元素をドーピングする工程と、を含む。
また、本開示の他の一態様に係る信号取得方法は、外部磁界の変化によって大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材と前記磁性部材に巻回されたコイルとを備える発電素子が生成する電気信号を取得する信号取得方法であって、前記発電素子に印加される前記外部磁界が繰り返し変化することによって前記発電素子が生成する電気信号を取得するステップと、前記電気信号の取得中または取得前に、前記磁性部材を脱磁するステップと、を含む。
本開示によれば、発電電力のばらつきを低減できる。
図1は、大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材の模式的なBH曲線の例を示す図である。 図2は、実施の形態1に係るエンコーダの概略構成を示す断面図である。 図3は、実施の形態1に係るエンコーダにおける磁石の上面図である。 図4は、実施の形態1に係る発電素子の概略構成を示す断面図である。 図5は、実施の形態1に係る磁性部材の模式的なBH曲線の例を示す図である。 図6は、実施の形態1の変形例1に係るエンコーダの概略構成を示す断面図である。 図7は、実施の形態1の変形例1に係るエンコーダにおける磁石の上面図である。 図8は、実施の形態1の変形例1に係る発電素子の概略構成を示す断面図である。 図9Aは、発電素子がバイアス磁石を備えない場合の磁性部材の磁化挙動の変化を説明するための図である。 図9Bは、発電素子がバイアス磁石を備える場合のバイアス磁石による磁性部材の磁化挙動の変化を説明するための図である。 図10は、実施の形態2に係る発電素子の概略構成を示す断面図である。 図11は、実施の形態2に係る磁性部材の製造方法のフローチャートである。 図12は、実施の形態3に係る磁性部材の概略構成を示す断面図および上面図を示す図である。 図13は、実施の形態3に係る磁性部材の製造方法例のフローチャートである。 図14は、実施の形態4に係る磁性部材の概略構成を示す断面図である。 図15は、実施の形態5に係る磁性部材の概略構成を示す断面図である。 図16は、実施の形態6に係るエンコーダの概略構成を示す断面図である。 図17は、実施の形態6に係るエンコーダの動作例のフローチャートである。
(本開示の一態様を得るに至った経緯)
上述の大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材には、例えば、ウィーガンドワイヤなどの、径方向における中心部分と外周部分とで磁気特性の異なる複合磁気ワイヤが用いられる。ウィーガンドワイヤは、一般的に、ワイヤ状の磁性材料を捻ることによって中心部分と外周部分とで異なる応力が印加されることで製造される。このように異なる応力が印加された結果、中心部分と外周部分とで残留応力が異なるため、外周部分と中心部分とが異なる磁気特性になる。ウィーガンドワイヤでは、中心部分および外周部分のうちの一方が軟磁性であり他方が硬磁性である。
ここで、大バルクハウゼン効果について説明する。図1は、大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材の模式的なBH曲線の例を示す図である。図1では、外周部分が中心部分よりも軟磁性である複合磁気ワイヤを磁性部材として用いた例が示されている。また、図1は、ワイヤの長手方向において、印加される磁界の方向が変化する場合の図である。また、図1の(1)から(6)には、磁化の方向を矢印で示した磁性部材が模式的に示されている。破線の矢印が軟磁性である外周部分の磁化の方向を示しており、実線の矢印が硬磁性である中心部分の磁化の方向を示している。なお、図1において、磁化の方向を示す矢印は、磁化の方向のみを示しており、磁化の大きさとは関係なく同じ大きさの矢印で磁化の方向が示されている。
磁性部材の長手方向に沿って一定以上の大きさの磁界が磁性部材に印加されると、図1の(1)に示されるように、磁性部材の中央部分および外周部分は、同じ方向に磁化される。図1の(i)のように磁界の方向が変化しても、ある程度の磁界の変化までは、硬磁性の中心部分の影響で軟磁性の外周部分の磁化方向は変化しない。磁界の変化が閾値を超えた破線Jaで囲まれた箇所で、図1の(2)および(3)に示されるように、軟磁性の外周部分の磁化方向が一気に反転する。この現象は大バルクハウゼンジャンプとも呼ばれる。これにより、磁性部材の磁束密度が急激に変化し、磁性部材に巻回されたコイルに電力(発電パルス)が生じる。さらに磁界を変化させると、図1の(4)に示されるように、中心部分の磁化方向も逆転し、図1の(1)とは逆方向に磁性部材が磁化される。この場合も、図1の(ii)のように磁界の方向を変化させ、磁界の変化が閾値を超えた破線Jbで囲まれた箇所で、図1の(5)および(6)に示されるように、外周部分の磁化方向が一気に反転する。これにより、磁性部材の磁束密度が急激に変化し、磁性部材に巻回されたコイルに再び電力(発電パルス)が生じる。このような発電パルスを検出することで、発電素子をエンコーダに利用することができる。図1に示される例の場合、1往復の磁界の方向の変化で、磁界の方向が2回反転するため、2回の発電パルスが生成する。
このような磁性部材を用いる発電素子において、繰り返し発電パルスを検出する場合に、発電パルスにおける発電電力がばらつく場合が生じる。例えば、5000回の発電パルスを検出した場合、発電電力の平均値に対して、標準偏差の10倍(いわゆる10σ)以上の差がある発電電力の発電パルスが検出される場合もある。
例えば、特許文献2には、所定の条件でワイヤ状の磁性材料を捻ることで製造された磁性部材を発電素子に用いることで、発電する電力のばらつきを低減できる技術が開示されている。しかしながら、特許文献2に開示されている技術では、捻る条件の制御の精度によっては、十分に発電電力のばらつきを低減できない可能性がある。また、特許文献2に開示されている技術では、磁性材料を捻る条件のばらつきに起因する発電電力のばらつきしか低減できない。例えば、発明者らは、外部磁界の影響で、磁性部材の硬磁性部に磁束の偏りが生じることによって発電電力がばらつく可能性があることを見出した。
そこで、本開示では、上記問題を鑑み、発電電力のばらつきを低減できる発電素子、エンコーダ、磁性部材の製造方法および信号取得方法を提供する。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、各図において縮尺などは必ずしも一致していない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、本明細書において、平行などの要素間の関係性を示す用語、および、矩形などの要素の形状を示す用語、ならびに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
(実施の形態1)
実施の形態1に係るエンコーダ1および発電素子100について説明する。
図2は、本実施の形態に係るエンコーダ1の概略構成を示す断面図である。図3は、本実施の形態に係るエンコーダ1における磁石10の上面図である。なお、図2において、発電素子100の筐体190に収容されている磁性部材110およびコイル130が破線で模式的に示されている。また、見やすさのため、図3においては、磁石10、回転軸30ならびに発電素子100における磁性部材110およびコイル130以外の図示は省略されている。これらは、以下で説明するエンコーダおよび磁石の図についても同様である。
図2に示されるエンコーダ1は、例えば、サーボモータ等のモータと組み合わせて用いられるロータリーエンコーダである。また、エンコーダ1は、例えば、発電方式のアブソリュートエンコーダである。エンコーダ1は、発電素子100が生成する電気信号に基づいて、例えばモータ等の回転軸30の回転角、回転量および回転数等を検出する。エンコーダ1は、磁石10と、回転板20と、基板40と、制御回路50と、メモリ60と、発電素子100とを備える。エンコーダ1では、発電素子100が、磁石10が回転することによる、磁石10によって形成される磁界の変化によって電気信号を生成する。
回転板20は、モータ等の回転軸30とともに回転する板状の部材である。回転板20の一方の主面の中央部は、回転軸30の軸方向(回転軸30が延びる方向)における回転軸30の端部に取り付けられている。回転板20は、回転軸30の軸方向と直交する方向に延びる。回転板20は、回転軸30を回転中心として回転する。回転軸30の回転動作は、回転する機器の回転動作に同期している。回転板20の平面視形状は、例えば、円形である。回転板20は、例えば、金属製、樹脂製、ガラス製またはセラミック製等である。
磁石10は、発電素子100に対して外部磁界を形成する磁界発生源である。磁石10は、例えば、板状の磁石である。磁石10は、回転板20と対向し、回転板20の回転軸30側とは反対側の主面上に位置する。回転板20の厚み方向および磁石10の厚み方向は同じであり、回転軸30の軸方向である。磁石10は、回転板20と共に回転軸30を回転中心として回転する。磁石10の回転方向は、例えば、時計回りおよび反時計回りの両方であるが、時計回りおよび反時計回りのいずれか一方のみであってもよい。磁石10の平面視形状は、中央部が開口した円形状であるが、矩形等の別の形状であってもよい。また、磁石10は、開口していなくてもよい。また、磁石10は、発電素子100に印加する磁界を変化させることができれば、棒状の磁石等、他の形状の磁石であってもよい。
磁石10は、厚み方向に着磁されている一対の磁極を複数有しており、複数の一対の磁極は、磁石10の回転方向に並んでいる。図3においては、磁石10の発電素子100側の面である主面11側の磁極が示されている。各一対の磁極は、磁石10の回転方向に隣り合う一対の磁極に対してN極とS極とが反転するように着磁されている。
磁石10において、複数の磁極が、磁石10の発電素子100側の主面11において回転方向に並ぶ。複数の磁極は、少なくとも1つのN極と少なくとも1つのS極とを含み、N極とS極とが回転方向に沿って交互に並んでいる。磁石10の複数の磁極において、N極の数とS極の数とは同じである。
複数の磁極は、回転軸30を挟んでN極とS極とが対向するように並んでいる。つまり、複数の磁極のうちのN極は、回転軸30を挟んでS極と対向し、複数の磁極のうちのS極は、回転軸30を挟んでN極と対向している。複数の磁極では、磁石10の回転方向において、N極と180度ずれた位置にS極が位置し、S極と180度ずれた位置にN極が位置する。回転軸30の軸方向から見た場合に、複数の磁極の各磁極の大きさは、等しい。このような磁石10が回転することにより、発電素子100に印加される磁界が変化する。図3に示される例では、複数の磁極は2つであり、1つのN極と1つのS極とを含む。そのため、磁石10が回転軸30と共に1回転すると、発電素子100に印加される磁界の方向が2回反転(1往復)する。複数の磁極の数は、特に制限されず4つであってもよく、6つ以上であってもよい。磁石10が1回転すると、発電素子100に印加される磁界の方向は、複数の磁極の数の回数だけ反転する。そのため、複数の磁極の数を増やすことで、磁石10が1回転する際の磁界の方向の反転回数を増やすことができ、その結果、発電素子100による発電パルスの生成の回数を増やすことができる。
基板40は、回転板20の磁石10側において、回転板20および磁石10と間隔を空けて対向するように位置する。つまり、回転軸30の軸方向に沿って、回転軸30、回転板20、磁石10および基板40は、この順で並ぶ。基板40は、磁石10および回転板20とともに回転しない。基板40は、回転軸30の軸方向を厚み方向とする板状である。基板40の平面視形状は、例えば、円形状である。例えば、回転軸30の軸方向から見た場合に、回転軸30、回転板20、磁石10および基板40それぞれの中心は一致する。
基板40は、例えば、配線基板であり、発電素子100、制御回路50およびメモリ60等の電子部品等が実装される。図2に示される例では、基板40の磁石10側の主面に制御回路50およびメモリ60が実装されており、基板40の磁石10とは反対側の主面に発電素子100が実装されている。基板40は、例えば、エンコーダ1またはモータ等の一部を構成するケース(不図示)に固定される。
発電素子100は、基板40の磁石10側とは反対側の主面上に位置する。そのため、発電素子100における基板40側が、磁石10側である。発電素子100は、回転軸30の軸方向に沿って、磁石10および回転板20と並んでいる。以降、磁石10および回転板20と発電素子100とが並ぶ、矢印Zで示される方向を「並び方向」と称する場合がある。並び方向は、磁石10の主面11の法線方向でもある。発電素子100は、磁石10および回転板20と共に回転しない。発電素子100は、少なくとも一部が回転軸30の軸方向において磁石10および回転板20と対向するように設けられている。また、発電素子100は、磁石10の径方向と交差(具体的には直交)する方向に延びるように、基板40の主面に沿って延在する。発電素子100は、磁石10が回転することによる、磁石10によって形成される磁界の変化によって発電し、電気信号を生成する。発電素子100のコイル130の巻回軸方向(磁性部材110の長手方向)が、発電素子100が延在する方向である。コイル130の巻回軸方向は、図中の矢印Xで示される方向である。以降、図中の矢印Xで示されるコイル130の巻回軸方向を、単に「巻回軸方向」と称する場合がある。
発電素子100は、例えば、磁性部材110と、コイル130と、図4の断面図に示すフェライト部材150(図2および図3では図示省略)と、端子181、182と、筐体190とを備える。
磁性部材110、コイル130およびフェライト部材150の詳細については後述するが、磁性部材110は、大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材であり、磁性部材110に巻回されたコイル130に発電パルスが生じる。なお、発電素子100の配置は、特に制限されず、発電素子100は、磁石10によって発生する磁界が印加される領域に位置し、回転軸30が回転することによる磁界の変化によって発電パルスを生成するように配置されればよい。
端子181、182は、発電素子100と基板40とを電気的に接続するための部材である。端子181、182は、発電素子100における基板40側の端部に位置する。発電素子100における端子181、182側に、磁石10が配置されている。端子181は、コイル130を構成する導線の一端に電気的に接続され、端子182は当該導線の他端に電気的に接続される。つまり、コイル130と基板40とは、端子181、182を介して電気的に接続されている。
筐体190は、磁性部材110、コイル130およびフェライト部材150を収容し、これらを支持している。また、筐体190は、端子181、182の一部を収容する。筐体190は、例えば、発電素子100における磁石10側に開口している。筐体190は、例えば、図示の省略されている固定部材等によって、基板40に固定されている。
制御回路50は、基板40の磁石10側の主面上に位置する。制御回路50は、発電素子100と電気的に接続されている。制御回路50は、発電素子100が生成する発電パルス等の電気信号を取得し、取得した電気信号に基づいて、モータ等の回転軸30の回転角、回転量および回転数等を検出(算出)する。制御回路50は、例えば、IC(集積回路)パッケージ等である。
メモリ60は、基板40の磁石10側の主面上に位置する。メモリ60は、制御回路50と接続されている。メモリ60は、制御回路50が検出した結果を保存する半導体メモリ等の不揮発メモリである。
次に、本実施の形態に係る発電素子100の詳細について説明する。
図4は、本実施の形態に係る発電素子100の概略構成を示す断面図である。図4は、コイル130の巻回軸R1を通るように、並び方向に沿って切断した場合の断面を示している。なお、見やすさのため、図4において、端子181、端子182および筐体190の図示は省略されている。これらは、以下で説明する各発電素子の図においても同様である。
図4に示されるように、発電素子100は、磁性部材110と、コイル130と、フェライト部材150とを備える。
磁性部材110は、磁石10等が形成する外部磁界の変化によって大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材である。磁性部材110は、第1感磁性部111と、第1感磁性部111と磁気特性の異なる第2感磁性部112と、を有する。本実施の形態においては、第2感磁性部112は、第1感磁性部111よりも保磁力が低く軟磁性である。磁性部材110は、例えば、コイル130の巻回軸方向が長手方向である長尺状の部材である。磁性部材110の径方向に切断した断面形状は、例えば、円状または楕円状であるが、矩形状または多角形状等の他の形状であってもよい。巻回軸方向において、磁性部材110の長さは、例えば、コイル130の長さより長い。
磁性部材110は、例えば、ウィーガンドワイヤ等の径方向における中心部分と外周部分とで異なる磁気特性を有する複合磁気ワイヤである。本実施の形態では、磁性部材110において、例えば、径方向の中心部分は保磁力が高い第1感磁性部111であり、径方向の外周部分は保磁力が低い第2感磁性部112である。第1感磁性部111および第2感磁性部112は、それぞれ、巻回軸方向に延在する。第1感磁性部111および第2感磁性部112は、共に巻回軸方向に延びる長尺状である。詳細には、第1感磁性部111は、巻回軸方向に延びるワイヤ状であり、第2感磁性部112は、巻回軸方向に延びる筒状である。第2感磁性部112は、巻回軸方向から見た場合の第1感磁性部111の外周となる表面、言い換えると、巻回軸方向に沿って延びる表面を被覆する。第1感磁性部111と第2感磁性部112とは、巻回軸方向と交差(例えば直交)する方向に並ぶ。なお、磁性部材110は、このような形状に限らず、異なる磁気特性の第1感磁性部111と第2感磁性部112とを有することで大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材であればよい。例えば、磁性部材110において、中心部分が第2感磁性部112であり、外周部分が第1感磁性部111であってもよい。また、磁性部材110は、例えば、磁気特性の異なる薄膜が積層された構造を有する磁性部材であってもよい。
第1感磁性部111は、巻回軸方向に磁化している。図4には、第1感磁性部111の磁化方向が矢印B1で模式的に示されている。例えば、第1感磁性部111の磁化状態が飽和する磁界が磁性部材110に印加されることで、第1感磁性部111は、完全に磁化されている。第1感磁性部111は、磁石10等が形成する外部磁界の方向の変化によって磁化方向が変化しない。なお、矢印B1の方向は、巻回軸方向に沿った方向であれば、逆方向であってもよい。
コイル130は、コイル130を構成する導線が磁性部材110に巻回されているコイルである。具体的には、コイル130は、磁性部材110の中心を通り、磁性部材110の長手方向に延びる巻回軸R1に沿って巻回されている。また、コイル130は、2つのフェライト部材150の間に位置する。
フェライト部材150は、コイル130の巻回軸方向に沿ってコイル130と並ぶように、磁性部材110の端部に設けられている。本実施の形態においては、2つのフェライト部材150が、磁性部材110の両端部にそれぞれ1つずつ設けられている。2つのフェライト部材150は、コイル130を挟んで対向し、対称な形状である。以下では、主に、2つのフェライト部材150のうちの一方について説明するが、同様の説明が他方にも適用される。
フェライト部材150は、開口部153が形成された板状の部材であり、例えば、軟磁性材料で構成されるフェライトビーズである。フェライト部材150は、磁石10からの磁束の集磁、および、磁性部材110における磁束の安定化等のために設けられている。巻回軸方向から見た場合のフェライト部材150の形状は、例えば、外形が円状であるが、矩形状または多角形状等の他の形状であってもよい。フェライト部材150は、例えば、磁性部材110における第2感磁性部112よりも軟磁性である、つまり、保磁力が低い。磁性部材110の端部は、開口部153内に位置する。開口部153は、巻回軸方向に沿ってフェライト部材150を貫通する貫通穴である。
次に、磁性部材110における大バルクハウゼン効果について説明する。図5は、磁性部材110の模式的なBH曲線の例を示す図である。図5には、図1と同様に、磁性部材110における磁化の方向が実線および破線の矢印で示されている。なお、図5において、磁化の方向を示す矢印は、磁化の方向のみを示しており、磁化の大きさとは関係なく同じ大きさの矢印で磁化の方向が示されている。
図5の(1)に示されるように、磁性部材110では、第1感磁性部111の磁化方向と逆方向の磁界が印加されても、第1感磁性部111の磁化方向は変化しないため、第1感磁性部111と第2感磁性部112とは逆方向に磁化する。そのため、図5の(i)のように磁界の方向が変化すると、図5の(2)に示されるように、第2感磁性部112の磁化方向が第1感磁性部111の磁化方向と同じになるように反転する。この場合には、図1の破線Jaで囲まれた箇所のような、第2感磁性部112の磁化方向の急激な反転が生じにくいため、大バルクハウゼンジャンプは生じない。
一方、図5の(2)に示される状態から、図5の(ii)のように磁界の方向が変化すると、ある程度の磁界の変化までは、第1感磁性部111の影響で第2感磁性部112の磁化方向は変化しない。磁界の変化が閾値を超えた破線Jbで囲まれた箇所で、図5の(3)および(4)に示されるように、第2感磁性部112の磁化方向が一気に反転する。これにより、磁性部材110の磁束密度が急激に変化し、磁性部材110に巻回されたコイル130に電力(発電パルス)が生じる。
従来のウィーガンドワイヤ等の磁性部材では、図1に示されるように、1往復の磁界の方向の変化で、破線Jaおよび破線Jbでそれぞれ囲まれた2箇所で大バルクハウゼンジャンプが生じ、コイルに2回の発電パルスが生成する。そのため、2回の発電パルスは、逆方向の磁界の変化に起因するため、磁性部材の磁化状態に偏りが生じると、2回の発電パルスの発電量にもばらつきが生じる。例えば、外部磁界の影響で、図1の(2)における硬磁性部の磁化の大きさと、図1の(5)における硬磁性部の磁化の大きさとが異なると、大バルクハウゼンジャンプにおける磁束密度の変化量が、破線Jaで囲まれた箇所と破線Jbで囲まれた箇所とで差が生じる。
これに対して、磁性部材110では、第1感磁性部111が完全に磁化されていて、磁化方向が変化しないため、1往復の磁界の方向の変化で、破線Jbで囲まれた1箇所で大バルクハウゼンジャンプが生じ、コイル130に1回の発電パルスが生成する。そのため、従来の磁性部材のように、1往復の磁界の方向の変化で生じる2回の発電パルスの間のばらつきが生じない。よって、発電素子100の発電電力のばらつきを低減できる。また、第1感磁性部111が完全に磁化されていない場合には、磁石10等が形成する外部磁界では磁化しにくい領域が第1感磁性部111に存在する可能性があるものの、第1感磁性部111が完全に磁化されていることで、当該領域も磁化され、大バルクハウゼンジャンプでの磁性部材110の磁束密度の変化を大きくできる。よって、発電素子100は、より安定した発電パルスを生成できる。
[変形例1]
次に、実施の形態1の変形例1について説明する。以下の本変形例の説明において、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略または簡略化する。
図6は、本変形例に係るエンコーダ1aの概略構成を示す断面図である。図7は、本変形例に係るエンコーダ1aにおける磁石10aの上面図である。
図6および図7に示されるように、エンコーダ1aは、エンコーダ1と比較して、磁石10の代わりに磁石10aを備える点、および、発電素子100の代わりに発電素子100aを備える点で相違する。発電素子100aは、発電素子100と同様に、磁性部材110を用いた発電素子であり、1往復の磁界の方向の変化で1回の発電パルスを生成する。詳細は後述するが、エンコーダ1aでは、1往復の磁界の方向の変化で2回の発電パルスが生成する発電素子を用いる場合と、発電パルスが生成する回数を合わせるため、磁石10aにおける磁極の数を増やしている。
磁石10aは、主面11aにおいて回転方向に並ぶ複数の磁極の数が、磁石10の主面11において回転方向に並ぶ複数の磁極の数が異なる以外は、磁石10と同様の構成である。
磁石10aにおいて、複数の磁極の数は4つである。複数の磁極は、2つのN極と2つのS極とを含み、N極とS極とが回転方向に沿って交互に並んでいる。そのため、磁石10aが回転軸30と共に1回転すると、発電素子100aに印加される磁界の方向が4回反転(2往復)する。そのため、1往復の磁界の方向の変化で、発電パルスが生成する回数が1回に減るような場合であっても、磁石10aが1回転することで、2回の発電パルスが生成する。回転軸30の軸方向から見た場合に、複数の磁極の各磁極の大きさは、等しい。
図8は、本変形例に係る発電素子100aの概略構成を示す断面図である。発電素子100aは、発電素子100の構成に加えて、さらにバイアス磁石170を備える。
バイアス磁石170は、第1感磁性部111の磁化方向と同じ方向の磁界を磁性部材110に対して印加する磁石である。バイアス磁石170は、磁性部材110およびコイル130の磁石10側とは反対側に、磁性部材110およびコイル130と対向して配置される。磁性部材110、コイル130およびバイアス磁石170は、矢印Zで示される並び方向に沿って並んでいる。
バイアス磁石170は、例えば、巻回軸方向に磁化している。図8には、バイアス磁石170の磁化方向が矢印B2で模式的に示されている。また、バイアス磁石170により発生する磁束線が破線の矢印で示されている。バイアス磁石170の磁化方向は、第1感磁性部111の磁化方向とは反対方向である。バイアス磁石170の外側を周る磁束は、バイアス磁石170の磁化方向とは逆方向になるため、磁性部材110には、第1感磁性部111の磁化方向と同じ方向の磁界が印加される。
次に、バイアス磁石170による磁性部材110の磁化挙動の変化について説明する。図9Aおよび図9Bは、バイアス磁石170による磁性部材110の磁化挙動の変化を説明するための図である。図9Aは、発電素子100aがバイアス磁石170を備えない場合の磁性部材110の模式的なBH曲線の例を示しており、図9Bは、バイアス磁石170を備える発電素子100aにおける磁性部材110の模式的なBH曲線の例を示している。
図9Aに示されるように、図5で説明した場合と同様に、磁性部材110では、1往復の磁界の方向の変化で1回の大バルクハウゼンジャンプが生じる。また、エンコーダ1aでは、磁石10aにおける複数の磁極の数が4つであり、磁石10よりも複数の磁極の数が多い。磁石10と磁石10aとが同じ大きさである場合には、磁石10aの方が、複数の磁極の数が多いために、各磁極の大きさが小さくなり、磁性部材110に印加される磁界の大きさが小さくなる。そのため、図9Aの白抜きの矢印で示される、エンコーダ1aにおける磁界の変化範囲は、図5で説明したエンコーダ1における磁界の変化範囲よりも小さくなる。その結果、磁性部材110に磁界が印加されても、磁性部材110の磁束が大きくなりにくく、大バルクハウゼンジャンプJ0での磁性部材110の磁束密度の変化が小さくなりやすい。そのため、コイル130の発電量が小さくなる。
これに対して、発電素子100aがバイアス磁石を備えることで、図9Bに示されるように、白抜きの矢印で示される、エンコーダ1aにおける磁界の変化範囲は、図9Bに示される磁界の変化範囲から、バイアス磁石170による磁性部材110への磁界の印加方向(図9Bにおいてはマイナス方向)にシフトする。そのため、(ii)の方向に磁界が変化する際に生じる大バルクハウゼンジャンプJ1が生じる前に、磁性部材110へ十分な大きさの磁界を印加することが可能になる。その結果、大バルクハウゼンジャンプJ1における磁束密度の変化は、大バルクハウゼンジャンプJ0における磁束密度の変化よりも大きくなる。そのため、コイル130に生成する発電量が、バイアス磁石170が備えられていない場合と比べて大きくなる。また、(i)の方向に磁界が変化する場合には、大バルクハウゼンジャンプが生じないため、磁性部材110に印加される磁界の大きさが小さくても、発電パルスへの影響がない。よって、発電素子100aは、より安定した発電パルスを生成できる。このような発電素子100aは、磁極の数が多い磁石10aを備えるエンコーダ1aに用いられる場合に特に有用である。なお、発電素子100aは、エンコーダ1の発電素子100の代わりに用いられてもよい。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。以下の本実施の形態の説明において、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略または簡略化する。
図10は、本実施の形態に係る発電素子200の概略構成を示す断面図である。本実施の形態に係るエンコーダは、例えば、実施の形態1に係るエンコーダ1の発電素子100の代わりに発電素子200を備える。
図10に示されるように、発電素子200は、発電素子100と比較して、磁性部材110の代わりに磁性部材210を備える点で相違する。
磁性部材210は、第1感磁性部211と、第1感磁性部211と磁気特性の異なる第2感磁性部212とを有する。本実施の形態においては、第2感磁性部212は、第1感磁性部211よりも保磁力が高く硬磁性である。磁性部材210は、外部磁界の変化によって大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材である。第1感磁性部211および第2感磁性部212の形状および配置は、例えば、上述の第1感磁性部111および第2感磁性部112と同じである。
発電素子200に用いられる磁性部材210は、以下の製造方法で製造された磁性部材である。
[製造方法]
磁性部材210の製造方法について説明する。図11は、磁性部材210の製造方法のフローチャートである。
図11に示されるように、磁性部材210の製造方法において、まず、ワイヤ状または膜状の磁性体を準備する(ステップS11)。ワイヤ状または膜状の磁性体に、上述の第1感磁性部211および第2感磁性部212が形成される。ワイヤ状または膜状の磁性体の材料には、例えば、保磁力が20Oe以下である磁性材料が用いられる。
次に、ワイヤ状または膜状の磁性体の表面に当該磁性体の保磁力を高める元素をドーピングする(ステップS12)。磁性体がワイヤ状である場合、例えば、磁性体の外側面となる表面に元素がドーピングされる。これにより、磁性体表面からの元素の粒界拡散で磁性体表面近傍のみの保磁力が高められる。その結果、磁性体の中心部分に第1感磁性部211が形成され、磁性体の表面近傍に第2感磁性部212が形成される。元素のドーピング方法としては、例えば、ドーピングする元素が含まれる微小な粉末を磁性体に埋め込み、高温にさらすことでドーピング元素を磁性体に拡散させる方法等が挙げられる。また、保磁力を高める元素としては、Nd、Pr、Dy、Tb、Ho、T、Al、Cu、Co、Ga、Ti、V、Zr、Nb、Mo等が挙げられる。このようにして、磁性部材210が製造される場合、磁性部材210の表面側であり、硬磁性である第2感磁性部212が形成され、磁性部材210の中心側であり、軟磁性である第1感磁性部211が形成される。また、磁性体が膜状である場合、例えば、磁性体の少なくとも一方の主面に元素がドーピングされる。
このような製造方法によって磁性部材210が形成されることで、ドーピング条件を制御することによって、形成される第2感磁性部212の保磁力および厚みを精密に制御することができる。そのため、大バルクハウゼンジャンプにおける磁性部材210の磁束密度の変化量が安定化する。よって、発電素子200の発電電力のばらつきを低減できる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。以下の本実施の形態の説明において、実施の形態1および実施の形態2との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略または簡略化する。
図12は、本実施の形態に係る磁性部材310の概略構成を示す断面図および上面図である。具体的には、図12の(a)は、磁性部材310の断面図であり、図12の(b)は、図12の(a)における上側から見た磁性部材310の上面図である。図12の(a)には、図12の(b)におけるXIVa-XIVa線で示される位置での断面が示されている。本実施の形態に係るエンコーダは、例えば、実施の形態1に係るエンコーダ1の発電素子100の代わりに磁性部材310を用いた発電素子を備える。本実施の形態に係る発電素子は、例えば、実施の形態1に係る磁性部材110の代わりに、磁性部材310を備える。
磁性部材310は、外部磁界の変化によって大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材である。磁性部材310は、発電素子に用いられる。磁性部材310は、3以上の感磁性層311、312、313、314が積層された構造を有する。積層方向から見た場合の磁性部材310の形状は、長尺状の矩形である。磁性部材310の長手方向は、巻回軸方向と同じ方向である。また、磁性部材310の長手方向は、例えば、並び方向と直交する方向である。積層方向から見た場合、磁性部材310の長手方向の長さは、例えば、磁性部材310の短手方向の長さの2倍以上である。図12に示される例では、3以上の感磁性層311、312、313、314の数は、4であるが、3であってもよく、5以上であってもよい。
3以上の感磁性層311、312、313、314は、矢印Xで示される巻回軸方向と交差(例えば直交)する方向に沿って積層されている。図示されている例では、3以上の感磁性層311、312、313、314は、矢印Zで示される並び方向に沿って積層されている。
3以上の感磁性層311、312、313、314のそれぞれの保磁力は、積層方向の並び順で高くなる。例えば、3以上の感磁性層311、312、313、314のうち、感磁性層311の保磁力が最も高く、感磁性層314の保磁力が最も低い。
3以上の感磁性層311、312、313、314のそれぞれは、磁性材料で構成され、例えば、同一の磁性材料である。3以上の感磁性層311、312、313、314のそれぞれは、例えば、残留応力が異なることで、保磁力が上述のような関係となる。3以上の感磁性層311、312、313、314のそれぞれが同一の磁性材料であることにより、感磁性層ごとに磁性材料を変更することなく製造できるため、製造工程を簡素化できる。磁性材料としては、例えば、V-Fe-Co等のバイカロイおよびCo-Fe-Si-B、Fe-Si-B、Fe-Ni、Fe-Si、Fe-Si-Al等のアモルファス材料等、残留応力が異なることで大バルクハウゼンジャンプを示す材料が挙げられる。なお、3以上の感磁性層311、312、313、314のそれぞれは、保磁力が上述のような関係となるような互いに異なる磁性材料で構成されていてもよい。
3以上の感磁性層311、312、313、314のうちの隣り合う感磁性層の保磁力の差は、例えば、どの隣り合う感磁性層の組み合わせにおいても等しい。
磁性部材310が、このように積層された3以上の感磁性層311、312、313、314を含むことで、積層方向に沿って保磁力が変化し、各感磁性層における磁束の相互作用を安定化させることができる。その結果、大バルクハウゼンジャンプにおける磁性部材310の磁束密度の変化量が安定化する。よって、磁性部材310を用いた発電素子の発電電力のばらつきを低減できる。
次に、磁性部材310の製造方法について説明する。図13は、磁性部材310の製造方法例のフローチャートである。
図13に示されるように、磁性部材310の製造方法では、同一の磁性材料で構成される複数の薄膜を、各薄膜の成膜ごとに温度を上げながら順次成膜することで積層する(ステップS21)。例えば、成膜用の基板を準備し、基板上に複数の薄膜を成膜する。複数の薄膜は、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法および真空蒸着法等により成膜する。なお、ステップS21において、複数の薄膜を、各薄膜の成膜ごとに温度を下げながら順次成膜してもよい。
次に、積層された複数の薄膜を冷却する(ステップS22)。複数の薄膜は、例えば、複数の薄膜の成膜のうちの最後の薄膜の成膜時の温度から、常温(例えば23℃程度)まで冷却する。これにより、複数の薄膜は、積層された順で、成膜時の温度が高いため、複数の薄膜の冷却時に発生する残留応力が後に積層された薄膜ほど大きくなる。残留応力が大きいほど保磁力が低くなりやすいため、この残留応力の違いにより、複数の薄膜のそれぞれの保磁力は後に積層された薄膜ほど小さくなる。これにより、3以上の感磁性層311、312、313、314のそれぞれの保磁力が積層方向の並び順で高くなる積層構造を有する磁性部材310が形成される。なお、ステップS21において、複数の薄膜を、各薄膜の成膜ごとに温度を下げながら順次成膜した場合には、3以上の感磁性層311、312、313、314のそれぞれの保磁力が積層方向の並び順で低くなる。
なお、磁性部材310の製造方法は、上述の例に限らず、例えば、複数の薄膜を、各薄膜の成膜ごとに異なる成膜条件で積層することにより磁性部材310が形成されてもよい。この際、例えば、成膜時の真空度または成膜速度等の成膜条件を一方向に変化させて各薄膜を成膜する。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について説明する。以下の本実施の形態の説明において、実施の形態1から実施の形態3との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略または簡略化する。
図14は、本実施の形態に係る磁性部材410の概略構成を示す断面図である。本実施の形態に係るエンコーダは、例えば、実施の形態1に係るエンコーダ1の発電素子100の代わりに磁性部材410を用いた発電素子を備える。本実施の形態に係る発電素子は、例えば、実施の形態1に係る磁性部材110の代わりに、磁性部材410を備える。
磁性部材410は、外部磁界の変化によって大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材である。磁性部材410は、第1感磁性部411と、第1感磁性部411と磁気特性の異なる第2感磁性部412と、を有する。本実施の形態においては、第2感磁性部412は、第1感磁性部411よりも保磁力が低く軟磁性である。磁性部材410は、例えば、巻回軸方向が長手方向である長尺状の部材である。磁性部材410は、例えば、ワイヤ状である。磁性部材410の径方向に切断した断面形状は、例えば、円状または楕円状であるが、矩形状または多角形状等の他の形状であってもよい。磁性部材410がワイヤ状である場合、径方向において、第1感磁性部411が磁性部材410の中心部分を構成し、第2感磁性部412が磁性部材410の外周部分を構成する。
本実施の形態では、磁性部材410において、例えば、中心部分は保磁力が高い第1感磁性部411であり、外周部分は保磁力が低い第2感磁性部412である。第1感磁性部411および第2感磁性部412は、それぞれ、巻回軸方向に延在する。第1感磁性部411および第2感磁性部412は、例えば、それぞれ、巻回軸方向に延びる長尺状である。詳細には、第1感磁性部411は、巻回軸方向に延びるワイヤ状であり、第2感磁性部412は、巻回軸方向に延びる筒状である。第2感磁性部412は、巻回軸方向から見た場合の第1感磁性部411の外周となる表面を被覆する。第1感磁性部411と第2感磁性部412とは、巻回軸方向と交差(例えば直交)する方向に並ぶ。なお、磁性部材410は、このような形状に限らず、異なる磁気特性の第1感磁性部411と第2感磁性部412とを有することで大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材であればよい。例えば、磁性部材410において、中心部分が第2感磁性部412であり、外周部分が第1感磁性部411であってもよい。また、磁性部材410は、例えば、磁気特性の異なる薄膜が積層された構造を有する磁性部材であってもよい。
第1感磁性部411は、巻回軸方向において、両端それぞれから中央に向かうにつれて、巻回軸方向と直交する方向に切断した場合の断面積が大きくなる。第1感磁性部411がワイヤ状である場合、第1感磁性部411は、巻回軸方向において、両端それぞれから中央に向かうにつれて、径が大きくなる。第1感磁性部411では、巻回軸方向において、中央部の径が最も太く、中央部の断面積が最も大きい。第1感磁性部411を構成する材料としては、例えば、保磁力が60Oe以上である磁性材料が挙げられる。
第2感磁性部412は、巻回軸方向において、両端それぞれから中央に向かうにつれて、巻回軸方向と直交する方向に切断した場合の断面積が大きくなる。第2感磁性部412は、例えば、巻回軸方向において、両端それぞれから中央に向かうにつれて、厚みが大きくなる。第1感磁性部411と第2感磁性部412とで、巻回軸方向における同じ位置での断面積を比較した場合、例えば、どの位置においても一定の比率である。第2感磁性部412を構成する材料としては、例えば、保磁力が20Oe以下である磁性材料が挙げられる。
磁性部材410では、外部磁界の影響を受けやすい磁性部材410の中央部において、上述のように、硬磁性である第1感磁性部411の断面積が大きい。また、硬磁性である第1感磁性部411には、外部磁界の影響が残留しやすい。例えば、外部磁界の影響が残留すると、第1感磁性部411の内部の磁束に偏りが生じる。そのため、本来は、図1に示されるように、2回の大バルクハウゼンジャンプで同程度の磁束密度の変化が生じるのに対して、第1感磁性部411の磁束の偏りによって、第2感磁性部412の反転前の磁化状態も2回の大バルクハウゼンジャンプの間で変化し、2回の大バルクハウゼンジャンプで磁束密度の変化量に違いが生じる。そのため、磁性部材410に巻回されたコイルに発生する電力がばらつくことになる。強い磁界が磁性部材410に印加された場合でも、磁性部材410の中央部において、硬磁性である第1感磁性部411が太くなることで、第1感磁性部411の磁界への耐性が高まり、第1感磁性部411に外部磁界の影響が残留しにくくなる。そのため、2回の大バルクハウゼンジャンプの間での磁束密度の変化量の違いが小さくなる。よって、磁性部材410を用いた発電素子の発電電力のばらつきを低減できる。
(実施の形態5)
次に、実施の形態5について説明する。以下の本実施の形態の説明において、実施の形態1から実施の形態4との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略または簡略化する。
図15は、本実施の形態に係る磁性部材510の概略構成を示す断面図である。本実施の形態に係るエンコーダは、例えば、実施の形態1に係るエンコーダ1の発電素子100の代わりに磁性部材510を用いた発電素子を備える。本実施の形態に係る発電素子は、例えば、実施の形態1に係る磁性部材110の代わりに、磁性部材510を備える。
磁性部材510は、外部磁界の変化によって大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材である。磁性部材510は、第1感磁性部511と、第1感磁性部511と異なる磁気特性を有する第2感磁性部512と、外部磁界によって実質的に磁化しない非磁性部513とを有する。磁性部材510は、例えば、巻回軸方向が長手方向である長尺状の部材である。磁性部材510は、例えば、ワイヤ状または膜状である。図15においては、磁性部材510がワイヤ状である場合の例が示されている。磁性部材510の径方向に切断した断面形状は、例えば、円状または楕円状であるが、矩形状または多角形状等の他の形状であってもよい。
第1感磁性部511は、例えば、ワイヤ状または膜状である。図15においては、第1感磁性部511が巻回軸方向に延びるワイヤ状である場合の例が示されている。第1感磁性部511は、巻回軸方向に延在する。
第2感磁性部512は、非磁性部513における第1感磁性部511側とは反対側から非磁性部513を被覆する。第2感磁性部512は、例えば、膜状または筒状である。図15においては、第2感磁性部512が巻回軸方向に延びる筒状である場合の例が示されている。第2感磁性部512は、巻回軸方向に延在する。第2感磁性部512は、例えば、第1感磁性部511および非磁性部513を内包する。第1感磁性部511と第2感磁性部512とは、非磁性部513を介して離間している。
第1感磁性部511および第2感磁性部512のうち、一方は他方よりも保磁力が高い硬磁性部であり、他方が軟磁性部である。磁性部材510において、第1感磁性部511が硬磁性部であってもよく、第2感磁性部512が硬磁性部であってもよい。硬磁性部を構成する材料としては、例えば、保磁力が60Oe以上である磁性材料が挙げられる。また、軟磁性部を構成する材料としては、例えば、保磁力が20Oe以下である磁性材料が挙げられる。
非磁性部513は、巻回軸方向と交差(例えば直交)する方向から第1感磁性部511を被覆する。非磁性部513は、例えば、膜状または筒状である。図15においては、非磁性部513が巻回軸方向に延びる筒状である場合の例が示されている。非磁性部513は、巻回軸方向に延在する。非磁性部513は、例えば、第1感磁性部511を内包する。非磁性部513は、第1感磁性部511と第2感磁性部512との間に位置する。非磁性部513を構成する材料としては、例えば、Ag、Cu、Au等が挙げられる。
なお、第1感磁性部511、第2感磁性部512および非磁性部513が膜状である場合、例えば、巻回軸方向と直交する方向に沿って、第1感磁性部511、非磁性部513および第2感磁性部512の順で積層される。
磁性部材510は、例えば、以下のようにして製造される。まず、ワイヤ状または膜状の第1感磁性部511となる磁性体を準備する。次に、第1感磁性部511に、PVD法、CVD法またはメッキ法等を用いて非磁性部513を被覆する。そして、第1感磁性部511を被覆する非磁性部513に、PVD法、CVD法またはメッキ法等を用いて第2感磁性部512を被覆する。
以上のように、磁性部材510では、第1感磁性部511と第2感磁性部512との間に位置することになる非磁性部513が存在する。非磁性部513が存在しない場合、第1感磁性部511と第2感磁性部512との界面近傍では、第1感磁性部511と第2感磁性部512との間の磁化状態となり、磁化状態が不安定な中間層が発生するおそれがある。中間層の磁化状態が変動することでよって、大バルクハウゼンジャンプにおける磁性部材の磁束密度の変化量が変動する可能性もある。非磁性部513が存在することにより、第1感磁性部511と第2感磁性部512とが離間し、中間層が発生しにくくなるため、大バルクハウゼンジャンプにおける磁性部材の磁束密度の変化量の変動を抑制できる。よって、磁性部材510を用いた発電素子の発電電力のばらつきを低減できる。
(実施の形態6)
次に、実施の形態6について説明する。以下の本実施の形態の説明において、実施の形態1から実施の形態5との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略または簡略化する。
図16は、本実施の形態に係るエンコーダ1bの概略構成を示す断面図である。
図16に示されるように、エンコーダ1bは、エンコーダ1と比較して、発電素子100の代わりに発電素子100bを備える点、および、脱磁回路70をさらに備える点で相違する。
発電素子100bは、発電素子100の磁性部材110の代わりに、磁性部材110bを備える点以外は、発電素子100と同様の構成である。磁性部材110bは、軟磁性部と硬磁性部とを有し、大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材であり、例えば、ウィーガンドワイヤ等の複合磁気ワイヤである。また、磁性部材110bには、実施の形態2から実施の形態5のいずれかに係る磁性部材が用いられてもよい。
脱磁回路70は、コイル130に、磁性部材110bを脱磁するための交番電流を流すための回路である。脱磁回路70は、例えば、配線基板である基板40を介してコイル130に電気的に接続される。脱磁回路70は、コイル130に徐々に減衰する交番電流を流すことで、磁性部材110bを脱磁する。脱磁回路70は、徐々に減衰する交流電流を流す回路であってもよく、徐々に減衰する直流反転電流を流す回路であってもよい。脱磁回路70は、例えば、制御回路50の制御に基づいて、磁性部材110bの脱磁を行う。脱磁回路70は、例えば、スイッチ等の操作受付部によって、エンコーダ1bの使用者の操作を受け付けることで磁性部材110bを脱磁してもよい。脱磁回路70は、例えば、エンコーダ1またはモータ等の一部を構成するケース(不図示)に固定されている。脱磁回路70は、基板40に実装されていてもよい。
次に、エンコーダ1bの動作例について説明する。エンコーダ1bの動作例は、具体的には、外部磁界の変化によって発電素子100bが生成する電気信号を取得する信号取得方法についての動作例である。図17は、エンコーダ1bの動作例のフローチャートである。
図17に示されるように、まず、回転軸30の回転が開始すると、制御回路50は、発電素子100bが生成する電気信号を取得する(ステップS31)。制御回路50は、発電素子100bに印加される外部磁界が繰り返し変化することによって発電素子100bが生成する発電パルスを電気信号として取得する。発電素子100bに印加される外部磁界は、モータ等の回転軸30と共に磁石10が回転することで繰り返し変化する。
次に、ステップS31での電気信号の取得中に、制御回路50は、脱磁回路70によって、磁性部材110bを脱磁する(ステップS32)。例えば、制御回路50は、発電素子100bが生成する電気信号の取得を開始した後、所定のタイミングで、コイル130との電気的な接続を切り替え、脱磁回路70を用いてコイル130に減衰する交番電流を流すことで、磁性部材110bを脱磁する。制御回路50は、例えば、回転軸30の回転が終了するまで、所定の期間の間、電気信号を取得することと、磁性部材110bの脱磁とを繰り返す。
磁石10が形成する磁界の大きさの変動または別の磁界発生源等によって、発電素子100bに大きな磁界が印加されると、磁性部材110bのうちの保磁力の高い硬磁性部に、外部磁界の影響が残留する可能性がある。例えば、外部磁界の影響が残留すると、硬磁性部の内部の磁束に偏りが生じる。そのため、本来は、図1に示されるように、2回の大バルクハウゼンジャンプで同程度の磁束密度の変化が生じるのに対して、硬磁性部の磁束の偏りによって、軟磁性部の反転前の磁化状態も2回の大バルクハウゼンジャンプの間で変化し、2回の大バルクハウゼンジャンプの間で磁束密度の変化量に違いが生じる。そのため、コイル130に発生する電力がばらつくことになる。そのため、磁性部材110bが脱磁されることにより、磁性部材110b(特に硬磁性部)における磁気特性を、偏りの無い初期状態に戻すことができ、2回の大バルクハウゼンジャンプの間での磁束密度の変化量を同程度に戻すことができる。よって、発電素子100bの発電電力のばらつきを低減できる。
なお、ステップS32は、ステップS31における電気信号の取得前に行われてもよい。これによっても、電気信号の取得前に、発電素子100bに大きな磁界が印加された履歴があっても、磁性部材110bの脱磁が行われるため、2回の大バルクハウゼンジャンプの間での磁束密度の変化量の違いが無い状態で生成した電気信号を取得できる。
(その他の実施の形態)
以上、本開示に係る発電素子およびエンコーダについて、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。上記の各実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で異なる実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、モータと組み合わせて用いられるロータリーエンコーダを例にとって説明したが、これに限らない。本開示の技術は、リニアエンコーダにも適用することができる。
本開示に係る発電素子およびエンコーダ等は、モータ等の回転または直線移動する機器や装置等に有用である。
1、1a、1b エンコーダ
10、10a 磁石
20 回転板
30 回転軸
40 基板
50 制御回路
60 メモリ
70 脱磁回路
100、100a、100b、200 発電素子
110、110b、210、310、410、510 磁性部材
111、211、411、511 第1感磁性部
112、212、412、512 第2感磁性部
130 コイル
150 フェライト部材
153 開口部
170 バイアス磁石
181、182 端子
190 筐体
311、312、313、314 感磁性層
513 非磁性部
R1 巻回軸

Claims (10)

  1. 外部磁界の変化によって大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材と、
    前記磁性部材に巻回されたコイルと、を備え、
    前記磁性部材は、第1感磁性部と、前記第1感磁性部よりも軟磁性である第2感磁性部と、を有し、
    前記第1感磁性部は、前記コイルの巻回軸方向に磁化しており、前記外部磁界の方向の変化によって磁化方向が変化しない、
    発電素子。
  2. 前記第1感磁性部の磁化方向と同じ方向の磁界を前記磁性部材に対して印加するバイアス磁石をさらに備える、
    請求項1に記載の発電素子。
  3. 外部磁界の変化によって大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材と、
    前記磁性部材に巻回されたコイルと、を備え、
    前記磁性部材は、3以上の感磁性層が積層された構造を有し、
    前記3以上の感磁性層のそれぞれの保磁力は、積層方向の並び順で高くなる、
    発電素子。
  4. 前記3以上の感磁性層のそれぞれは、同一の磁性材料で構成される、
    請求項3に記載の発電素子。
  5. 外部磁界の変化によって大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材と、
    前記磁性部材に巻回されたコイルと、を備え、
    前記磁性部材は、前記コイルの巻回軸方向に延在する第1感磁性部と、前記第1感磁性部よりも軟磁性であり、前記第1感磁性部と前記コイルの巻回軸方向と交差する方向に並ぶ第2感磁性部と、を有し、
    前記第1感磁性部は、前記コイルの巻回軸方向において、両端それぞれから中央に向かうにつれて、前記コイルの巻回軸方向と直交する方向に切断した場合の断面積が大きくなる、
    発電素子。
  6. 外部磁界の変化によって大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材と、
    前記磁性部材に巻回されたコイルと、を備え、
    前記磁性部材は、
    ワイヤ状または膜状の第1感磁性部と、
    前記コイルの巻回軸方向と交差する方向から前記第1感磁性部を被覆し、前記外部磁界によって磁化しない非磁性部と、
    前記非磁性部における前記第1感磁性部側とは反対側から前記非磁性部を被覆し、前記第1感磁性部と異なる磁気特性を有する第2感磁性部と、を有する、
    発電素子。
  7. 回転軸とともに回転する磁石と、
    前記磁石が回転することによる、前記磁石によって形成される磁界の変化によって電気信号を生成する請求項1から6のいずれか1項に記載の発電素子と、を備える、
    エンコーダ。
  8. 発電素子に用いられ、大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材の製造方法であって、
    同一の磁性材料で構成される複数の薄膜を、各薄膜の成膜ごとに温度を上げながらまたは下げながら順次成膜することで積層し、
    積層された前記複数の薄膜を冷却する、
    磁性部材の製造方法。
  9. 発電素子に用いられ、大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材の製造方法であって、
    ワイヤ状または膜状の磁性体を準備し、
    前記磁性体の表面に、前記磁性体の保磁力を高める元素をドーピングする
    磁性部材の製造方法。
  10. 外部磁界の変化によって大バルクハウゼン効果を生じる磁性部材と前記磁性部材に巻回されたコイルとを備える発電素子が生成する電気信号を取得する信号取得方法であって、
    前記発電素子に印加される前記外部磁界が繰り返し変化することによって前記発電素子が生成する電気信号を取得し、
    前記電気信号の取得中または取得前に、前記磁性部材を脱磁する、
    信号取得方法。
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