JP3106144B2 - 複合磁性体の起電力発生装置 - Google Patents

複合磁性体の起電力発生装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気電子機器の構
成材料として用いられる強磁性体に、複合磁性体を適用
した誘導起電力発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複合磁性体を用いて電磁誘導起電
力を発生させようとする、特公昭55−15797号公
報、特公昭59−12142号公報、特公昭61−28
196号公報あるいは特公平4−49070号公報など
にみられる技術がある。例えば、応力加工等を施した1
本の磁性金属細線に検出コイルを巻いて成る磁気センサ
などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】強磁性体を用いた従来
の電気電子機器は、その強磁性体の形状に基づいて必然
的に生じる反磁界が、減磁作用を惹起し電磁変換効率の
低下をもたらしている。磁気センサにおいても、自己減
磁率に基づき有効磁気エネルギを減少する問題等のた
め、出力の増大をはかるうえの障害とされてきた。
【0004】また、最近の検出感度のよい小型化された
磁気センサは、一般に検出信号や半値幅が小さいシャー
プなパルス電圧であるため、トランジスタ等の能動素子
や記憶回路を直接駆動させたり、情報信号処理その他の
周辺回路の電源用エネルギとして用いることが困難であ
った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述のような
問題点を克服して比較的大きい起電力を効率的に発生さ
せる手段を提供し、さらに磁気センサや起電力発生装置
の具体的な構成方法を提供するものである。
【0006】本発明に用いる複合磁性体は、磁気異方性
を有する固定磁気成分と双安定磁気成分とか互いに磁気
結合して成る、複合磁気成分の多数を累積して一体状に
構成したものである。そして、この複合磁性体は最終的
な完成形状と前記磁気成分の性状とに依存して定まる自
己減磁率に基づき、負方向に作用する反磁界機能を有す
る。
【0007】この場合、固定磁気成分の磁気的性状は比
較的保磁力が大きく所定方向(正方向と呼ぶ)に磁気異
方性を備えており、双安定磁気成分の性状は比較的保磁
力が小さく前記正方向および逆方向(負方向と呼ぶ)を
含む一軸磁気異方性を有するものである。
【0008】このような複合磁性体に、第1の外部磁界
として負方向に比較的弱いセット磁界を作用させると、
先に反磁界により補助的に負方向磁化を受けていた双安
定磁気成分が磁化反転を完了し、固定磁気成分とは反平
行の安定な磁化状態(セット状態と呼ぶ)を達成する。
【0009】次に第2の外部磁界として正方向に比較的
強いリセット磁界を印加すると、反磁界が相殺されて、
双安定磁気成分に正方向の磁化が働く。これがトリガと
なって双安定磁気成分は、隣接する固定磁気成分による
磁化とリセット磁界による磁化との協働に基づく磁気的
相互作用を受けて、急速に磁化反転を達成し平行磁化状
態(リセット状態と呼ぶ)で安定する。
【0010】従って、例えば電磁コイルを装着した所定
の複合磁性体に、外部磁界として負方向のセット磁界と
正方向のリセット磁界とを交互に作用させた時、双安定
磁気成分は反磁界との相互作用と相俟って反転現象を繰
り返す。そして、この時の磁束変化により起電力を発生
させるものである。故に、その外部磁界が極めて緩慢に
所定の大きさに達するような場合でも、ほぼ一定の起電
力を誘起するという特異性がある。
【0011】しかるに本発明に係る複合磁性体を用いた
起電力の発生原理は従来の方式とは異なり、各双安定磁
気成分が状態転位を行った時に誘発する起電力である。
依って、複合磁性体の材質や完成形状その他の磁気的性
状が決まると、双安定磁気成分の転位速度は自ずから所
定の値に定まる。これが常にほぼ一定の大きさの起電力
eを誘発する卓越した現象の要因になっているものと考
える。
【0012】故に、本発明に係る起電力発生装置で得ら
れる起電力Eは、E=e+U但し、起電力Uは従来から
定説の電磁誘導に基づき電磁コイルに外部から鎖交する
磁束φの時間的変化割合に比例し、一般にU=−dφ/
dtで与えられるものである。印加磁界の時間的変化割
合が小さい場合とか、あるいは超緩慢な磁束鎖交状態に
おいては起電力が小さくなり、遂にはU≒0になる。
【0013】なお、各双安定磁気成分を保磁力の大きさ
が段階的に異なる各種の成分で形成した場合には、反磁
界あるいは外部磁界の作用に追随して順次段階的に磁化
反転を生じるから、これに対応した連続的な起電力を発
生できる。さらに、比較的弱い外部磁界を間欠的に負方
向に作用させておく手段は、反磁界により惹起される双
安定磁気成分のセット状態への急速な反転作用を補う効
果があり、誘導起電力の効率的な発生に寄与する。
【0014】
【発明の実施の形態】以上のような作用原理と磁気的態
様にもとづく実施例について説明する。先ず、本発明に
用いる複合磁性体の磁気的性状について述べる。図1
は、互いに一軸磁気異方性を備えた双安定磁気成分1の
磁性層と固定磁気成分2の磁性層とが直接または中間層
(図示せず)を介して磁気結合された複合磁気成分3を
示した図である。そして、それらの多数層が密接に寄合
い累積されて構成された一体状の複合磁性体4を示した
ものである。
【0015】比較的保磁力の大きい固定磁気成分2(大
白矢印)のそれぞれは、正方向(右向き)に磁化された
定常状態を示している。比較的保磁力の小さい双安定磁
気成分1(中黒矢印)のそれぞれは、反磁界5(小白矢
印)の大きさに依存して自律的に負方向(左向き)に磁
化されようとする機能が働く。これに負方向の外部磁界
(図示せず)を作用させて、各双安定磁気成分1と各固
定磁気成分2とが互いに完全な反平行のセット状態を形
成した場合を示している。
【0016】そして、図2に示すように複合磁性体4に
対し外部磁界6(大黒矢印)を正方向(右向き)に印加
すると、反磁界5が相殺されて消滅すると同時に、各双
安定磁気成分1は外部磁界6の磁化作用と各固定磁気成
分2による磁気交換相互作用との磁気的協働により、急
速に正方向に反転し互いに平行のリセット状態になる。
【0017】次に、印加中の外部磁界6の作用を消勢す
ると、各双安定磁気成分1は反磁界5の作用に基づく制
御機能により、再び図1のように各固定磁気成分2と反
平行のセット状態に移行せんとする。この場合、弱い負
方向のセット磁界(図示せず)を作用すると、より完全
なセット状態に定常化させることができる。
【0018】図3(a),(b)は、1本の磁性合金線
の線心部から外周部にかけて保磁力が異なる複数の磁性
層を積層し、反磁界機能を有する複合磁性体4を構成し
ている。この複合磁性線は最外周部8に双安定磁気成分
1を、その内層部に固定磁気成分2を、さらにその内層
部に双安定磁気成分1を、そして線心部に固定磁気成分
2を有するように処理したものである。これは図1と同
様に反磁界5および負方向のセット磁界を作用させたセ
ット状態の磁化態様を示している。
【0019】そして、正方向(右向き)の外部磁界が印
加されて双安定磁気成分1が磁化反転しリセット状態へ
転位する現象は、図2で説明した態様とほぼ同様であ
る。このように、リセット状態になる時と再びセット状
態に復帰する時に、各双安定磁気成分の反転に基づく磁
束変化を電磁コイルに鎖交させることにより誘導起電力
を発生させる。
【0020】図4は多数の複合磁性線10を一体状に束
ねた複合磁性体13に、電磁コイル14を巻回したもの
である。複合磁性体13に対し断続的に負方向磁界6s
の次に正方向の外部磁界6rを鎖交させると、そのたび
ごとに各双安定磁気成分は反磁界の作用と相俟って磁化
反転現象を繰り返す。このとき束ねた複合磁性線10の
本数に対応した大きさの起電力Eを連続的に電磁コイル
14に発生する。
【0021】この場合、複合磁性体に印加する外部磁界
の断続速度が極めて遅い時、例えば1ヘルツ以下の時で
も誘導起電力の波高値は20ヘルツの時と同じ大きさに
なる。このような複合磁性体における反磁界は、一般に
複合磁性体の磁化の強さとその形状によって決まる自己
減磁率Nとの積に比例する。故に断面形状が小さく長い
線の場合ほどNは減少し、反磁界の作用は小さくなる。
【0022】自己減磁率Nは、1本の複合磁性線の半径
をr、長さをLで表わした時の寸法比k(=L/2r)
との間に図5に示したような関係をもつ。長さLの複合
磁性線の多数を束ねて棒状に構成した複合磁性体は、断
面積の実質的な増大に匹敵するから寸法比kの値を減少
し、平均自己減磁率Nの増大をもたらすから反磁界の作
用は大きくなる。
【0023】また右の縦軸は、密着して束ねた複合磁性
線の本数nを表わし、直径2r=0.25(mm)、長
さL=50(mm)の実際の複合磁性線について求めた
結果を例示した。図に見るように1本の複合磁性線では
寸法比kが十分に大きく、従って自己減磁率Nが小さ
い。そのため双安定磁気成分の反磁界の作用だけによる
自律的な磁化反転は殆ど生じない。故に双安定磁気成分
をセット状態に完全に磁化反転させるためには、負方向
のセット磁界Hsを印加してやればよい。
【0024】図6は、複合磁性線の本数nの異なる各種
の複合磁性体において、セット磁界Hsとリセット磁界
Hr(80エルステッド、一定)とを順次印加した時に
誘起する起電力eの実験結果を例示したものである。n
=25および100(本)を束ねたものでは、セット磁
界Hs=0の場合にも双安定磁気成分が反磁界の作用で
転位が行なわれており、それが起電力eの発生に寄与し
ていることが判る。
【0025】殊に、n=100(本)を束ねたもので
は、強力な反磁界機能により双安定磁気成分の総てがセ
ット状態に磁化反転しているような現象を示している。
従って外部磁界としては、リセット磁界Hrを印加する
だけでほぼ一定の起電力を発生する。しかしながら、起
電力は必ずしも束ねた本数に比例して増大しない場合が
あり、発生効率の減少傾向がみられる。
【0026】次に、複合磁性線10の具体的な製法につ
いて一言する。例えば比較的磁気歪の大きいFc−Co
−V系のバイカロイ合金細線に所定のひねり応力を内蔵
するように捻り処理を加えると、外周部に保磁力の小さ
い双安定磁気成分が形成される。線心部は比較的保磁力
の大きい固定磁気成分の性状を保有した1本の複合磁性
線10になるから、所定の本数を束ね自己減磁率をもつ
棒状の複合磁性体13を構成する。
【0027】あるいは、Fc−Ni系のパーマロイ合金
線にひねり応力処理を加えると、その外周部に保磁力の
大きい固定磁気成分が形成される。線心部に双安定磁気
成分の性状を備えた1本の複合磁性線10が形成される
から、それらの多数を束ねて棒状の複合磁性体13を構
成してもよい。
【0028】図7は、混成磁性酸化物で形成した棒状の
複合磁性体15に電磁コイル14を巻回して成る磁気セ
ンサ16である。これに予め作用させる負方向の外部磁
界(図示せず)と、正方向の外部磁界が作用する永久磁
石17を矢印のように近接離間させると、そのたびごと
に複合磁性体15の双安定磁気成分が磁化反転し起電力
Eを誘起する。
【0029】この場合、複合磁性体15はA→B方向に
配向磁化した固定磁気成分と、反磁界機能および負方向
の外部磁界によって磁化方向が定まる双安定磁気成分と
が結合して成る酸化鉄粉のごとき微粒子の多数を累積さ
せて形成したものである。図8は,複合磁性体15と1
8とにそれぞれ電磁コイル14と19を巻回して成る磁
気センサ16と20を対向させる。そして矢印で示すよ
うに互いに近接離間させた場合に起電力Eを誘起させる
態様である。
【0030】複合磁性体15の固定磁気成分はS→Nの
方向に配向磁化されており、図のようにN極とS極とを
有する磁石として外部へ磁力線を分布する。複合磁性体
18も同様である。従って、対向する磁気センサ16と
20とが互いに近接し離間する時点で、それぞれの各双
安定磁気成分の磁化転位に伴う起電力Eを電磁コイル1
4と19とに誘起する。
【0031】図9は、図3で例示した反磁界機能を有す
る多層状の複合磁性体7に電磁コイル14を巻回して成
る磁気センサ16である。これに近接させた永久磁石1
7の回転軸21を中心にして回動させることにより起電
力Eを誘起する。この場合、複合磁性体7はA→B方向
が配向磁化方向であるように構成されたものであれば、
図示の状態では永久磁石17の正方向(右向き)磁界が
作用して双安定磁気成分をリセット状態に磁化した時を
表している。
【0032】永久磁石17が180度回転した時にはセ
ット状態に転位する。同様にして順次セット、リセット
状態への反転を繰り返すたびごとに起電力Eを誘起す
る。このように交番磁界を印加する場合には、複合磁性
体7に対し正方向のバイアス磁界を常時作用させておけ
ば、交互にセットとリセット状態の磁化過程を形成させ
る非対称励磁手段になる。なお、複合磁性体7に代えて
前記複合磁性体13あるいは15を用いても、その作用
効果は同様である。
【0033】図10は、円筒28の内面に沿って回動す
る2本の永久磁石22、23を備えた回転子と、円筒外
面に複合磁性線10の多数を束ねた複合磁性体24のそ
れぞれに電磁コイル25、27等を巻回して配列した固
定子である。29は回転軸を示す。この場合、各電磁コ
イルを直列や並列等に接続することにより起電力を重畳
させて波高値あるいは出力幅を増大するように構成する
ことができる。
【0034】図11は、円筒30の外周に多数の複合磁
性線10をまとめて円筒状複合磁性体31を形成した固
定子と、その円筒状複合磁性体31の全体を包囲するよ
うに電磁コイル32を巻回して成る起電力発生装置であ
る。その円筒内で回動させる回転子は、回転軸29に懸
架された複数の永久磁石22等である。
【0035】なお、円筒状複合磁性体31がセット状態
には達しない程度の比較的弱い負方向の永久磁石33に
より円筒30を構成しておく。この磁化作用は双安定磁
気成分が反磁界によるセット状態への急速な磁化反転を
補うように作用する。従って永久磁石22等が近接した
時の複数の複合磁性線10から効率的に誘導起電力を発
生させることができる。以上に述べた起電力発生装置に
おいて、固定子に磁界発生源を、回転子に多数の複合磁
性体を装着する、上述とは逆の構成にしても作用効果は
同様である。
【0036】以上の各実施例で述べた複合磁性体の構成
材料としては、磁性金属、磁性酸化物、金属間化合物お
よび非晶質磁性材料などの同種または異種材料の組み合
わせや、複合磁気成分の磁性粒子を混在させたもの、あ
るいは結晶層と非晶質磁性層との混成磁性層などを用い
ることができる。そして、その薄膜状、積層状、圧接状
あるいは角材や丸棒状に束ねたりして形態を整えること
により、所定の反磁界機能を有する複合磁性体を構成す
ることができる。
【0037】また、異種の複数の円筒磁性合金を1本の
棒状に嵌合したものを線引きして成るクラッドワイヤ
や、異種の磁性合金をメッキ、蒸着、スパッタまたは噴
射法等により被着して成る複合磁性線を用いても、反磁
界機能を有する複合磁性体を構成することができる。こ
のような棒状磁性体に継鉄部を付加したり、あるいは曲
げ加工により閉磁路の形状に構成して適用できることは
いうまでもない。
【0038】これらの構成において、双安定磁気成分と
固定磁気成分との層間や多数の各複合磁気成分間あるい
は複合磁性体間に、電気絶縁層や非磁性層および異種磁
性層その他の中間層を介在させることができる。このよ
うな中間層により、層間における磁気的相互作用の助長
または反磁界制御効果、渦流損の防止などに役立たせる
ことができる。
【0039】例えば図示はしてないが、図1、2および
3の各層間、または図4の各複合磁性線10の表面絶縁
や線間の絶縁処理、あるいは図9のような複合磁性体の
構成において混在させる異種磁性粒子表面に絶縁処理を
施したものとか、積層状の混成磁性層等で形成した複合
磁気成分間の各層間処理は有効である。
【0040】
【発明の効果】本発明にかかる複合磁性体を用いて発生
させる起電力は、従来のように外部磁界の磁束鎖交数の
変化割合に依存するものとは異なる。外部磁界を一種の
トリガのように働らかせ、反磁界機能を備えた複合磁性
体内部における双安定磁気成分と固定磁気成分との相互
作用による、自律的な高速磁化反転に基づく起電力であ
る。
【0041】依って、外部磁界として例えば永久磁石を
超低速で回転させて作用させても、あるいは回転速度に
ムラがあっても、ほぼ一定の大きささの起電力を誘発す
るという卓越した効果を有する。このように外部磁界の
作用が緩慢でもよいから、その駆動源は風力、流水その
他各種の動くものが利用の対象となり、検出起電力の大
きい磁気センサや回転型起電力発生装置のごとき電力発
生手段の一助となることが期待される。
【0042】さらに本発明に係る起電力発生装置は出力
エネルギが比較的大きいので、その出力信号でトランジ
スタや記憶装置などの電子回路を充分に直接駆動するこ
とができる。故に、例えば長期にわたって無電源で信号
発生時点を記録しておけるデバイスなどが構成できる。
しかも、これらの起電力の発生時点をLEDで直接観測
したり、光ファイバーに導入して遠隔地で観測するデバ
イスを構成できるなどの効用がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】反磁界機能をもつ複合磁性体の模型的構成と、
そのセット状態の磁気的態様を例示する概要図である。
【図2】複合磁性体のリセット状態の磁気的態様を例示
する概要図である。
【図3】1本の磁性合金線に多数の磁性層を積層して成
る複合磁性体の実施例で、(a)は各磁性層の一部断面
の態様を示す斜視図,(b)は全体の切断面の態様を示
す概要図である。
【図4】多数の複合磁性線を束ねたものに電磁コイルを
装着したて成る実施例の態様を示す概要図である。
【図5】複合磁性体の寸法比kと、自己減磁率Nとの関
係および束ねた複合磁性線の本数nとの関係を示す図表
である。
【図6】反磁界機能を検証するため、束ねた複合磁性線
に対する外部磁界の印加条件と起電力eとの実験結果を
例示したものである。
【図7】他の態様の複合磁性体に電磁コイルを装着した
起電力発生装置の原理的構成を示す概要図である。
【図8】複合磁性体に電磁コイルを巻回して成る磁気セ
ンサの1対を、互いに近接離間させる実施例の態様を示
す概要図である
【図9】1本の複合磁性体に電磁コイルを巻回して成る
磁気センサに、永久磁石を近接して回転させる磁化態様
の概要図である。
【図10】円筒の外周に多数の複合磁性体を配列し、そ
の円筒内面に沿って永久磁石が回転するように構成した
起電力発生装置の概要図である。
【図11】円筒状複合磁性体の内面に沿って永久磁石が
回転するように構成した、他の実施態様の起電力発生装
置を示す概要図である。
【符号の説明】
1:双安定磁気成分 、 2:固定磁気成分、 3:複合磁気成
分、 4、7、13、15、18、24、26:複合磁性体、 5:反磁界、 6:外部磁界、 8:最外周部、 9:反磁界、 10:複合磁性線、 14、19、25、27、32:電磁コイル、 16、20:磁気センサ、 17、22、23、33:永久磁石、 21、29:回転軸、 28、30:円筒、 31:円筒状複合磁性体

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定方向の磁気異方性を有する固定磁気成
    分と前記所定方向を含む一軸磁気異方性を持つ双安定磁
    気成分とが磁気的に結合して成る磁気成分を、多数累積
    して構成された反磁界機能を持つ複合磁性体、および前
    記複合磁性体に設けられ、該複合磁性体における磁束が
    鎖交するように巻装された電磁コイルを有するコイル付
    き複合磁性体と、 前記コイル付き複合磁性体に対して磁界を作用させて、
    前記双安定磁気成分を前記所定方向に磁化させ、また前
    記双安定磁気成分を前記所定方向とは反対方向に磁化さ
    せる外部磁界印加手段と、 を備えた複合磁性体を用いた起電力発生装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の複合磁性体を用いた起電力
    発生装置において、 前記複合磁性体は、 線心部と外周部との何れか一方に比較的保磁力の大きい
    固定磁気成分を有し、他方に比較的保磁力の小さい双安
    定磁気成分を有するように形成された複合磁性線を多数
    束ねて反磁界機能を持つように構成されて成るものであ
    る、 複合磁性体を用いた起電力発生装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の複合磁性体を用いた起電力
    発生装置において、 前記外部磁界が印加されることにより、前記反磁界の作
    用によって前記固定磁気成分とは反平行のセット状態に
    磁化されている前記双安定磁気成分を、前記固定磁気成
    分と平行のリセット状態に反転し、また前記外部磁界が
    消勢されることにより前記反磁界の作用によって前記セ
    ット状態に反転復帰するようにした、 複合磁性体を用いた起電力発生装置。
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Cited By (1)

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