JPWO2020203724A1 - 樹脂多層基板、および樹脂多層基板の製造方法 - Google Patents

樹脂多層基板、および樹脂多層基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

樹脂多層基板(101)は、複数の樹脂層(11,12)を積層して形成される積層体(10)と、樹脂層(12)に形成される第1平面導体(外部導体(41))と、樹脂層(12)に形成される層間接続導体と、を備える。層間接続導体は、外部導体(41)に接続される第1層間接続導体(V1)と、第1層間接続導体(V1)および平面導体(31)にそれぞれ接合される第2層間接続導体(V2)を有する。第2層間接続導体(V2)は、第1層間接続導体(V1)とは異なる材料からなる。また、第2層間接続導体(V2)は、第1層間接続導体(V1)の接合部と平面導体(31)の接合部との間に、他の部分よりも平断面積の小さな括れ部(CP)を有する。

Description

本発明は、樹脂多層基板に関し、複数の樹脂層を積層してなる樹脂多層基板、およびその製造方法に関する。
従来、複数の樹脂層を積層してなる積層体と、積層体に形成される平面導体および層間接続導体と、を備える樹脂多層基板が知られている。
例えば、特許文献1には、いずれかの樹脂層に形成される平面導体(導体パターン)と、この樹脂層に形成される孔の内部に配設された円柱形の第1層間接続導体(めっきビア)と、第1層間接続導体と他の導体とを接合する円柱形の第2層間接続導体(導電性接合材)と、を有する樹脂多層基板が開示されている。上記構成によれば、層間接続導体(互いに接合された第1層間接続導体および第2層間接続導体)を介して、平面導体と他の導体とを容易に接続できる。
特開2001−160686号公報
しかし、特許文献1に示される構成の場合、樹脂多層基板を曲げたときや樹脂多層基板に外力が加わったときに生じる応力が、平面導体と層間接続導体との接合部に集中するため、この接合部で剥離(破損)が生じやすい。特に、平面導体と層間接続導体との接合部が機械的強度の低い異種材料界面である場合(例えば、平面導体と第2層間接続導体との接合部)には、その接合部での剥離がさらに生じやすくなってしまう。
本発明の目的は、互いに接合された第1層間接続導体および第2層間接続導体を有する層間接続導体を介して、平面導体と他の導体とを接続する構成において、積層体に外力が加わった際の、平面導体と層間接続導体との接合部における剥離を抑制できる樹脂多層基板およびその製造方法を提供することにある。
本発明の樹脂多層基板は、
複数の樹脂層を積層して形成される積層体と、
前記複数の樹脂層のいずれかに形成される第1平面導体と、
前記複数の樹脂層のいずれかに形成され、前記第1平面導体に接続される層間接続導体と、
を備え、
前記層間接続導体は、第1層間接続導体と、前記第1層間接続導体とは異なる材料からなり、前記第1層間接続導体および他の導体にそれぞれ接合される第2層間接続導体と、を有し、
前記第2層間接続導体は、前記第1層間接続導体の接合部と前記他の導体の接合部との間に、他の部分よりも平断面積の小さな括れ部を有することを特徴とする。
平面導体と層間接続導体との接合部を有する構造においては、樹脂多層基板に外力が加わった際に生じる応力は、平面導体と層間接続導体との接合部(界面)に集中しやすい。そのため、樹脂多層基板に外力が加わった際、平面導体と層間接続導体との接合部で剥離が生じやすい。特に、平面導体と層間接続導体との接合部が機械的強度の低い異種材料界面である場合には、その接合部での剥離はさらに生じやすい。
一方、上記構成によれば、樹脂多層基板に外力が加わった際に第2層間接続導体が受ける応力は、他の部分よりも平断面積が小さな括れ部に多く掛かる。そのため、第2層間接続導体が括れ部を有していない場合と比べて、外力が加わった際の上記接合部に掛かる応力が低減され、平面導体と層間接続導体との接合部における剥離が抑制される。
本発明の樹脂多層基板の製造方法は、
複数の樹脂層のいずれかに第1平面導体を形成する、平面導体形成工程と、
前記平面導体形成工程の後、前記複数の樹脂層のいずれかに貫通孔を設けた後、前記貫通孔の内部に、前記第1平面導体に接続される第1層間接続導体を形成する、第1層間導体形成工程と、
前記第1層間導体形成工程の後、前記第1層間接続導体の表面に、前記第1層間接続導体とは異なる材料からなる導電性部材を形成する、導電性部材形成工程と、
前記導電性部材形成工程の後、前記導電性部材が前記複数の樹脂層のいずれかに形成された他の導体に当接するように、前記複数の樹脂層を積層して加熱プレスすることにより積層体を形成するとともに、前記導電性部材を前記第1層間接続導体および前記他の導体にそれぞれ接合する第2層間接続導体へ変化させ、且つ、前記第2層間接続導体のうち、前記第1層間接続導体の接合部と前記他の導体の接合部との間に、他の部分よりも平断面積の小さな括れ部を形成する、積層体形成工程と、
を備えることを特徴とする。
本発明の樹脂多層基板の製造方法は、
複数の樹脂層のいずれかに第1平面導体を形成する、平面導体形成工程と、
前記平面導体形成工程の後、前記複数の樹脂層のいずれかに貫通孔を設けた後、前記貫通孔の内部に、前記第1平面導体に接続される第1層間接続導体を形成する、第1層間導体形成工程と、
前記第1層間導体形成工程の後、前記複数の樹脂層のいずれかに形成される他の導体のうち、後に複数の樹脂層を積層する際に前記第1層間接続導体と対向する部分に、前記第1層間接続導体とは異なる材料からなる導電性部材を形成する、導電性部材形成工程と、
前記導電性部材形成工程の後、前記導電性接合材が前記複数の樹脂層のいずれかに形成された他の導体に当接するように、前記複数の樹脂層を積層して加熱プレスすることにより積層体を形成するとともに、前記導電性部材を前記第1層間接続導体および前記他の導体にそれぞれ接合する第2層間接続導体へ変化させ、且つ、前記第2層間接続導体のうち、前記第1層間接続導体の接合部と前記他の導体の接合部との間に、他の部分よりも平断面積の小さな括れ部を形成する、積層体形成工程と、
を備えることを特徴とする。
この製造方法によれば、互いに接合された第1層間接続導体および第2層間接続導体を有する層間接続導体を備えた構成において、積層体に外力が加わった際の、平面導体と層間接続導体との接合部における剥離を抑制できる樹脂多層基板を容易に得られる。
本発明によれば、互いに接合された第1層間接続導体および第2層間接続導体を有する層間接続導体を介して、平面導体と他の導体とを接続する構成において、積層体に外力が加わった際の、平面導体と層間接続導体との接合部における剥離を抑制できる樹脂多層基板を実現できる。
図1(A)は第1の実施形態に係る樹脂多層基板101の一部を示す断面図であり、図1(B)は樹脂多層基板101の一部を示す平面図である。 図2は、樹脂多層基板101の製造工程を順に示す断面図である。 図3は、樹脂多層基板101の別の製造工程を順に示す断面図である。 図4は、第2の実施形態に係る樹脂多層基板102の一部を示す断面図である。 図5は、樹脂多層基板102の製造工程を順に示す断面図である。 図6は、第3の実施形態に係る樹脂多層基板103の一部を示す断面図である。 図7は、第4の実施形態に係る樹脂多層基板104の一部を示す断面図である。 図8は、第5の実施形態に係る樹脂多層基板101Mの一部を示す断面図である。
以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付している。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態を分けて示すが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能である。第2の実施形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用・効果については実施形態毎には逐次言及しない。
《第1の実施形態》
図1(A)は第1の実施形態に係る樹脂多層基板101の一部を示す断面図であり、図1(B)は樹脂多層基板101の一部を示す平面図である。図1(B)では、構造を分かりやすくするため、外部導体41の図示を省略している。
樹脂多層基板101は、積層体10、内部導体31、外部導体41、層間接続導体VC1(第1層間接続導体V1および第2層間接続導体V2)等を備える。図1(A)等に示すように、内部導体31および外部導体41は、層間接続導体VC1を介して接続されている。
積層体10は、長手方向がX軸方向に一致する矩形の平面であり、互いに対向する第1主面VS1および第2主面VS2を有する。積層体10は、樹脂材料(熱可塑性樹脂)からなる複数の樹脂層11,12が積層されて形成されている。複数の樹脂層11,12は、例えば液晶ポリマー(LCP)を主材料とするシートである。
外部導体41は積層体10の第1主面VS1に形成され、内部導体31および層間接続導体VC1は、積層体10の内部に形成されている。本実施形態では、外部導体41が本発明における「第1平面導体」に相当し、内部導体31が本発明における「他の導体」「第2平面導体」に相当する。
樹脂層11の表面には、内部導体31が形成されている。内部導体31は、X軸方向に延伸する線状の導体パターンである。内部導体31は、第1端(図1(B)における内部導体31の右端)に、他の部分よりも線幅の広い幅広部を有する。内部導体31は、例えばCu箔等の導体パターンである。
樹脂層12の表面には、矩形の外部導体41が形成されている。外部導体41は、例えばCu箔等の導体パターンである。
また、樹脂層12には、層間接続導体VC1が形成されている。層間接続導体VC1は、第1層間接続導体V1および第2層間接続導体V2を有する。図1(A)に示すように、第1層間接続導体V1は外部導体41(第1平面導体)に接続されており、第2層間接続導体V2は、第1層間接続導体V1および内部導体31(他の導体)の第1端にそれぞれ接合されている。
第2層間接続導体V2は、第1層間接続導体V1の接合部(図1(A)における第2層間接続導体V2の上面側)と内部導体31の接合部(図1(A)における第2層間接続導体V2の下面側)との間に、他の部分よりも平断面積が小さな括れ部CPを有する。図示省略するが、括れ部CPは、第2層間接続導体V2の側面の全周に亘って形成されている。
本実施形態では、第1層間接続導体V1と第2層間接続導体V2とは、互いに異なる材料からなる。具体的には、第2層間接続導体V2は、第1層間接続導体V1の材料よりも低融点の材料からなる。
第1層間接続導体V1は、例えば、樹脂層12に形成された貫通孔内にめっき処理によって設けられた、Cuを主成分とするめっきビア(スルーホールめっき、またはフィルドビアめっき)である。また、第2層間接続導体V2は、例えば、めっき処理によって第1層間接続導体V1の表面に設けられたSnめっき膜が、加熱プレス時(樹脂層11,12を積層して加熱プレスした際)に、Cuを主成分とする第1層間接続導体V1等と合金反応して生じる、Cu−Sn合金である。
外部導体41(第1平面導体)および第1層間接続導体V1は、同材料(Cu)からなる。また、本実施形態では、第1層間接続導体V1が、面積の小さな一方面(図1(A)における第1層間接続導体V1の上面)と、面積の大きな他方面(下面)とを有する錐台形(テーパー形状)であり、第1層間接続導体V1の一方面は外部導体41に接続され、他方面が第2層間接続導体V2に接合されている。
なお、本実施形態に係る第1層間接続導体V1および第2層間接続導体V2には、樹脂材料が含まれていない。また、図1(A)に示すように、第1層間接続導体V1のZ軸方向(厚み方向、または積層方向)における厚み(L1)は、第2層間接続導体V2の厚み(L2)よりも厚い(L1>L2)。
また、本実施形態に係る第2層間接続導体V2と内部導体31との成す外角θは、鈍角であることが好ましい。これにより、第2層間接続導体V2と内部導体31との界面に生じる剥離に寄与する応力は、低減できる。
本実施形態に係る樹脂多層基板101によれば、次のような効果を奏する。
(a)本実施形態に係る第2層間接続導体V2は、第1層間接続導体V1の接合部と内部導体31(他の導体)との接合部との間に、他の部分よりも平断面積の小さな括れ部CPを有する。この構成によれば、樹脂多層基板に外力が加わった際に第2層間接続導体V2が受ける応力は、他の部分よりも平断面積が小さな括れ部CPに多く掛かる。そのため、第2層間接続導体V2が括れ部CPを有していない場合と比べて、外力が加わった際に平面導体(外部導体41および内部導体31)と層間接続導体VC1との接合面に掛かる応力は低減され、平面導体と層間接続導体VC1との接合部における剥離が抑制される。
また、第2層間接続導体V2のうち相対的に平断面積の小さな括れ部CPは、他の部分よりも変形しやすい。そのため、樹脂多層基板101に外力が加わった際に平面導体と層間接続導体VC1との接合部に掛かる応力は低減される。
(b)本実施形態では、第1層間接続導体V1が、めっき処理によって形成されたCuのスルーホールめっき(または、フィルドビアめっき)であり、外部導体41(第1平面導体)と同材料(Cu)である。この構成によれば、第1層間接続導体V1と外部導体41とは一体化されるため、金属間化合物が第1層間接続導体V1と外部導体41との接続箇所に形成されることは少なく、第1層間接続導体V1と外部導体41との接続箇所の機械的強度は高まる。
(c)なお、本実施形態では、第1層間接続導体V1と外部導体41とが同材料(Cu)であり、錐台形である第1層間接続導体V1の一方面(面積が小さい方の面)が外部導体41に接続され、他方面(面積が大きい方の面)が第2層間接続導体V2に接続されている。一般に、層間接続導体と導体との接合面積が小さいと接合強度は低いため、錐台形の層間接続導体の一方面と外部導体41との接合強度は低くなりやすい。一方、本実施形態では、めっき処理によって形成された第1層間接続導体V1が外部導体41と一体化しているため、第1層間接続導体V1と外部導体41との接合面積が小さい場合でも接合部の強度は高い。
(d)上述したように、第2層間接続導体V2は、第1層間接続導体V1の表面に設けられたSnめっき膜が、加熱プレス時に、Cuを主成分とする第1層間接続導体V1等と合金反応して生じる、Cu−Sn合金である。そのため、第1層間接続導体V1および第2層間接続導体V2は樹脂材料を含んでいない。このように、めっき膜を用いて第2層間接続導体V2を形成することで、導電性ペーストを用いて第2層間接続導体V2を形成する場合のように内部に樹脂材料が残存することはなくなり、層間接続導体の導体損を低減できる。
(e)本実施形態では、Cuからなる第1層間接続導体V1のZ軸方向における厚み(L1)は、Cu−Sn合金からなる第2層間接続導体V2の厚み(L2)よりも厚い(L1>L2)。複数の樹脂層を積層して樹脂多層基板を形成する場合、加熱プレス時に低温状態で樹脂層同士を接着できるよう、導電性部材CMには低融点材料が用いられるが、そのような低融点材料は第1層間接続導体V1(Cuのめっきビア)に比べて導電率の低い材料が多い。一方、本実施形態では、相対的に導電率の高い小さい第1層間接続導体V1の厚みが厚いため、第2層間接続導体V2の厚みが第1層間接続導体V1の厚みよりも厚い場合に比べ、樹脂多層基板に形成される回路の導体損失を低減できる。そのため、高周波特性に優れた樹脂多層基板を実現できる。
(f)さらに、本実施形態では、積層体10を形成する複数の樹脂層11,12がいずれも熱可塑性樹脂からなる。この構成によれば、後に詳述するように、積層体10の形成時(加熱プレス時)に樹脂層11,12が流動し、第2層間接続導体V2の側面に括れ部CPが形成されやすい。また、この構成によれば、後に詳述するように、積層した樹脂層11,12を加熱プレス(一括プレス)することにより、積層体10を容易に形成できるため、樹脂多層基板101の製造工程が削減され、コストを低く抑えることができる。さらに、この構成により、容易に塑性変形が可能で、且つ、所望の形状を維持(保持)できる樹脂多層基板を実現できる。
本実施形態に係る樹脂多層基板101は、例えば次の工程で製造される。図2は、樹脂多層基板101の製造工程を順に示す断面図である。なお、図2では、説明の都合上ワンチップ(個片)での製造工程で説明するが、実際の樹脂多層基板の製造工程は集合基板状態で行われる。
まず、図2中の(1)に示すように、複数の樹脂層11,12を準備する。樹脂層11,12は、例えば液晶ポリマー(LCP)等の熱可塑性樹脂を主材料とするシートである。
次に、複数の樹脂層11,12に、内部導体31および外部導体41をそれぞれ形成する。具体的には、樹脂層11,12の表面に、金属箔(例えばCu箔)をラミネートし、その金属箔をフォトリソグラフィでパターニングすることで、樹脂層11の表面に内部導体31を形成し、樹脂層12の表面に外部導体41を形成する。
このように、複数の樹脂層11,12のいずれかに第1平面導体(外部導体41)を形成するこの工程が、本発明の「平面導体形成工程」の一例である。
次に、図2中の(2)に示すように、樹脂層12に第1層間接続導体V1を形成する。具体的には、「平面導体形成工程」の後に、樹脂層12の裏面(外部導体41が形成された面とは反対側の面)から、外部導体41に重なる位置にレーザーを照射することにより、樹脂層12の裏面から表面に向かって開口径が小さくなる錐台形(テーパー形状)の貫通孔AP1を形成する。その後、貫通孔AP1の内部にCuめっき膜を形成することにより、外部導体41に接続される一方面(上面)の面積の小さく、他方面(下面)の面積の大きな錐台形(テーパー形状)の第1層間接続導体V1を形成する。
このように、「平面導体形成工程」の後に、樹脂層12に貫通孔AP1を設けた後、貫通孔AP1の内部に、第1平面導体(外部導体41)に接続される第1層間接続導体V1を形成するこの工程が、本発明の「第1層間導体形成工程」の一例である。
その後、図2中の(3)に示すように、樹脂層12に導電性部材CMを形成する。具体的には、「第1層間導体形成工程」の後に、第1層間接続導体V1の他方面(下面)に導電性部材CM(Snめっき膜)を形成する。
このように、「第1層間導体形成工程」の後に、第1層間接続導体V1の表面に、導電性部材CMを形成するこの工程が、本発明の「導電性部材形成工程」の一例である。
次に、図2中の(4)に示すように、複数の樹脂層11,12を積層して加熱プレスすることにより積層体10を形成する。具体的には、導電性部材CMが内部導体31(他の導体)に当接するように、複数の樹脂層11,12をこの順に積層し、加熱(例えば300℃)しながら等方圧プレスを行う。このとき、Snめっき膜である導電性部材CMは、Cuを主成分とする第1層間接続導体V1および内部導体31と反応してCu−Sn合金(第2層間接続導体V2)となって、第1層間接続導体V1および内部導体31にそれぞれ接合される。
導電性部材CMがSnのような低融点金属である場合、加熱プレス時に導電性部材CMの融点以上の温度に加熱することで、導電性部材CMが軟化する。加熱プレス時、軟化した導電性部材CMの側面は流動する樹脂に押されて変形する(図2中の(4)に示す矢印参照)。これにより、加熱プレス後の第2層間接続導体V2の側面のうち、第1層間接続導体V1の接合部(上面側)と内部導体31の接合部(下面側)との間に、他の部分よりも平断面積の小さな括れ部CPが形成される。
このように、「導電性部材形成工程」の後に、複数の樹脂層11,12を積層して加熱プレスすることにより積層体10を形成するとともに、導電性部材CMを第2層間接続導体V2へ変化させ、且つ、第2層間接続導体V2に括れ部CPを形成するこの工程が、本発明の「積層体形成工程」の一例である。
この製造方法によれば、互いに接合された第1層間接続導体V1および第2層間接続導体V2を有する層間接続導体VC1を備えた構成において、積層体10に外力が加わった際の、平面導体と層間接続導体VC1との接合部における剥離を抑制できる樹脂多層基板を容易に得られる。
上記製造方法によれば、複数の樹脂層11,12を加熱プレス(一括プレス)することにより、積層体10(樹脂多層基板101)を容易に形成できる。そのため、樹脂多層基板101の製造工程が削減され、コストを低く抑えることができる。さらに、本実施形態では、複数の樹脂層11,12が熱可塑性樹脂からなるため、加熱プレス時に流動しやすく、第2層間接続導体V2の側面に括れ部CPが形成されやすい。
また、上記製造方法によれば、平面導体が形成されていない樹脂層12の裏面からめっき処理することで、第1層間接続導体V1の他方面に導電性部材CM(めっき膜)を形成できる。そのため、マスキングなどを行うことなく、導電性部材CMを容易に形成できる。
さらに、上記製造方法によれば、樹脂層12の裏面から表面に向かって開口径が小さくなる錐台形(テーパー形状)の貫通孔AP1の、一方面(樹脂層12の表面)側に金属材料を形成して第1層間接続導体V1を形成する。この構成によれば、貫通孔AP1が先細りの錐台形であるため、貫通孔AP1内にめっき液を浸入させやすく、貫通孔AP1内に金属材料を形成しやすい。また、貫通孔AP1が錐台形であるため、貫通孔が柱状形である場合と比較して、少ない金属材料で第1層間接続導体V1を形成でき、低コスト化が図れる。さらに、めっき処理で第1層間接続導体V1を形成する場合には、少ない金属材料で第1層間接続導体V1を形成できるため、めっき処理にかかる時間を短縮できる。
なお、本実施形態に係る樹脂多層基板101は、例えば次の工程で製造されてもよい。図3は、樹脂多層基板101の別の製造工程を順に示す断面図である。
まず、図3中の(1)に示すように、複数の樹脂層11,12を準備し、複数の樹脂層11,12に、内部導体31および外部導体41をそれぞれ形成する(平面導体形成工程)。
次に、図3中の(2)に示すように、樹脂層12に第1層間接続導体V1を形成する(第1層間導体形成工程)。
その後、図3中の(3)に示すように、内部導体31のうち、後に複数の樹脂層11,12を積層する際に第1層間接続導体V1と対向する部分に、導電性部材CMを形成する。導電性部材CMは、例えばCu,Snもしくはそれらの合金等の金属粉と樹脂材料とを含む導電性ペーストである。
このように、「第1層間導体形成工程」の後に、内部導体31のうち、後に複数の樹脂層11,12を積層する際に第1層間接続導体V1と対向する部分に、導電性部材CMを形成するこの工程が、本発明の「導電性部材形成工程」の一例である。
次に、図3中の(4)に示すように、複数の樹脂層11,12を積層して加熱プレスすることにより積層体10を形成する(積層体形成工程)。導電性部材CMは、加熱プレス時の熱およびその後の冷却により、第2層間接続導体V2となる。
なお、図3に示すように、導電性部材CMが金属粉と樹脂材料や溶剤とを含んだ導電性ペーストである場合、導電性ペースト自体が柔らかく変形しやすい。また、上記金属粉が低融点金属の場合には、加熱プレス時に金属粉の融点以上の温度に加熱することで、導電性部材CMが軟化する。
加熱プレス時、変形しやすい(または、軟化した)導電性部材CMの側面は流動する樹脂に押されて変形する(図3中の(4)に示す矢印参照)。これにより、加熱プレス後の第2層間接続導体V2の側面のうち、第1層間接続導体V1の接合部と内部導体31の接合部との間に、他の部分よりも平断面積の小さな括れ部CPが形成される。
《第2の実施形態》
第2の実施形態では、他の導体が層間接続導体である(第2層間接続導体V2が第1層間接続導体V1および第3層間接続導体V3にそれぞれ接合された)樹脂多層基板の例を示す。
図4は、第2の実施形態に係る樹脂多層基板102の一部を示す断面図である。
樹脂多層基板102は、積層体10、外部導体41,42、層間接続導体VC2(第1層間接続導体V1、第2層間接続導体V2および第3層間接続導体V3)等を備える。樹脂多層基板102は、内部導体を備えていない点で、第1の実施形態に係る樹脂多層基板101と異なる。また、樹脂多層基板102は、層間接続導体VC2および複数の外部導体41,42を備える点で、樹脂多層基板101と異なる。
以下、第1の実施形態に係る樹脂多層基板101と異なる部分について説明する。
層間接続導体VC2は、第1層間接続導体V1、第2層間接続導体V2および第3層間接続導体V3を有する。図4に示すように、樹脂層11の裏面には、矩形の外部導体42が形成されている。外部導体42は、例えばCu箔等の導体パターンである。また、樹脂層11には、第3層間接続導体V3が形成されている。第3層間接続導体V3は外部導体42に接続されており、第2層間接続導体V2は、第1層間接続導体V1および第3層間接続導体V3にそれぞれ接合されている。本実施形態では、外部導体41が本発明における「第1平面導体」に相当し、第3層間接続導体V3が本発明における「他の導体」に相当する。
本実施形態では、外部導体41,42、第1層間接続導体V1および第3層間接続導体V3は、同材料(Cu)からなる。第3層間接続導体V3と外部導体42とは一体化している。第3層間接続導体V3は、例えば、樹脂層11に形成された貫通孔内にめっき処理によって設けられた、Cuを主成分とするめっきビアである。
また、本実施形態では、第3層間接続導体V3が、面積の小さな一方面(図6における第3層間接続導体V3の下面)と、面積の大きな他方面(上面)とを有する錐台形(テーパー形状)であり、第3層間接続導体V3の一方面は外部導体42に接続され、他方面が第2層間接続導体V2に接合されている。
本実施形態では、第1層間接続導体V1および第3層間接続導体V3がいずれも錐台形であり、第1層間接続導体V1および第3層間接続導体の他方面(面積が大きい方の面)同士が、第2層間接続導体V2を介して接合されている。この構成によれば、いずれも錐台形である第1層間接続導体V1および第3層間接続導体V3の一方面(面積の小さい方の面)同士を接合する場合と比較して、複数の樹脂層を積層する際の位置ずれに起因する接合不良の発生を抑制できる。
また、本実施形態では、第1層間接続導体V1と第2層間接続導体V2との接合面と、樹脂層11と樹脂層12との接合面は、z方向(樹脂多層基板の樹脂層の積層方向)において異なる。これにより、第1層間接続導体V1と第2層間接続導体V2との接合面の剥離、および、樹脂層11と樹脂層12との接合面の剥離は、抑制できる。
本実施形態に係る樹脂多層基板102は、例えば次の工程で製造される。図5は、樹脂多層基板102の製造工程を順に示す断面図である。
まず、図5中の(1)に示すように、複数の樹脂層11,12を準備し、複数の樹脂層11,12に外部導体41,42をそれぞれ形成する(平面導体形成工程)。
次に、図5中の(2)に示すように、樹脂層11に第1層間接続導体V1を形成し(第1層間導体形成工程)、樹脂層12に第3層間接続導体V3を形成する。具体的には、「平面導体形成工程」の後に、樹脂層12に貫通孔AP1を形成した後、貫通孔AP1の内部に金属材料(Cu)を形成して第1層間接続導体V1を形成する。また、「平面導体形成工程」の後に、樹脂層11に貫通孔AP3を形成した後、貫通孔AP3の内部に金属材料(Cu)を形成して第3層間接続導体V3を形成する。
その後、図5中の(3)に示すように、樹脂層12に導電性部材CMを形成し、樹脂層11に導電性部材CMを形成する(導電性部材形成工程)。具体的には、第1層間接続導体V1の他方面(下面)に導電性部材CMを配設し、第3層間接続導体V3の他方面(上面)に導電性部材CMを配設する。
次に、図5中の(3)(4)に示すように、導電性部材CM同士が当接するように複数の樹脂層11,12を積層し、加熱プレスすることにより積層体10を形成する(積層体形成工程)。導電性部材CMは、加熱プレス時の熱およびその後の冷却により固化し、第2層間接続導体V2となる。
《第3の実施形態》
第3の実施形態では、外部に露出する平面導体の表面にめっき膜が形成された樹脂多層基板の例を示す。
図6は、第3の実施形態に係る樹脂多層基板103の一部を示す断面図である。
樹脂多層基板103は、外部導体41,42の表面にめっき膜PL1,PL2がそれぞれ形成されている点で、第2の実施形態に係る樹脂多層基板102と異なる。樹脂多層基板103の他の構成については、樹脂多層基板102と同じである。
以下、第2の実施形態に係る樹脂多層基板102と異なる部分について説明する。
図6に示すように、外部導体41の表面には、外部導体41よりも酸化し難いめっき膜PL1が形成されている。また、外部導体42の表面には、外部導体42よりも酸化し難いめっき膜PL2が形成されている。このように、外部導体41,42の表面にめっき膜PL1,PL2を形成することにより、外部導体41,42の耐腐食性が高まる。めっき膜PL1,PL2は、例えばCuの導体パターンである外部導体41,42の表面にそれぞれ形成されたNi−Au等のめっき膜である。
めっき膜PL1,PL2は、例えば、積層体10を形成した後(「積層体形成工程」の後)、電気めっき法(電解めっき法)によって、積層体10の表面に露出する外部導体41,42上に形成される。
めっき膜PL1,PL2を平面導体に形成する工程が、本発明における「めっき形成工程」の一例である。
《第4の実施形態》
第4の実施形態では、括れ部CPの位置において、第1の実施形態と異なる例を示す。以下では、第1の実施形態と異なる部分について説明する。
図7は、第4の実施形態に係る樹脂多層基板104の一部を示す断面図である。
図7に示すように、樹脂多層基板104では、括れ部CPは、z方向において、第2層間接続導体V2と第1層間接続導体V1との接合面と、第2層間接続導体V2と内部導体31との接合面との間における中央位置からずれている。このような構成であっても、応力の集中する箇所を、各接合面から離すことができる。したがって、各接合面の剥離を抑制できる。
《第5の実施形態》
第5の実施形態では、第1層間接続導体V1の形状において、第1の実施形態と異なる例を示す。以下では、第1の実施形態と異なる部分について説明する。
図8は、第5の実施形態に係る樹脂多層基板101Mの一部を示す断面図である。
図8に示すように、樹脂多層基板101Mでは、第1層間接続導体V1における表面、言い換えれば、第1層間接続導体V1における外部導体41との接合面と反対側の面は、端部に対して中央部が突出するドーム状の端面ARCである。これは、第1層間接続導体V1がめっきビアの場合に生じ易い。
このような場合であって、第2層間接続導体V2に括れ部CPがあることによって、第2層間接続導体V2の立体形状は、ドーム状の端面ARCに追従した形状となる。これにより、接合面に生じる応力を緩和できる。
《その他の実施形態》
以上に示した各実施形態では、積層体10が矩形の平板である例を示したが、この構成に限定されるものではない。積層体10の形状は、本発明の作用・効果を奏する範囲において適宜変更可能である。積層体10の平面形状は、例えば多角形、円形、楕円形、L字形、クランク形、T字形、Y字形、U字形等でもよい。
また、以上に示した各実施形態では、積層体10が2つ樹脂層11,12を積層して形成される例を示したが、これに限定されるものではない。積層体10に含まれる樹脂層の数は、本発明の作用・効果を奏する範囲において適宜変更可能である。また、積層体10の表面には、例えばカバーレイフィルムやソルダーレジスト膜、またはエポキシ樹脂膜等の保護層が形成されていてもよい。
以上に示した各実施形態では、積層体10が、熱可塑性樹脂からなる複数の樹脂層11,12を積層して形成される例を示したが、これに限定されるものではない。複数の樹脂層は、熱硬化性樹脂からなるシートでもよい。また、積層体10は、複数の樹脂の複合積層体であってもよく、例えばガラス/エポキシ基板等の熱硬化性樹脂シートと、熱可塑性樹脂シートとが積層されて形成される構成でもよい。また、積層体10は、複数の樹脂層を加熱プレス(一括プレス)してその表面同士を融着するものに限らず、各樹脂層間に接着材層を有していてもよい。
以上に示した各実施形態では、外部導体41が本発明における「第1平面導体」である例を示したが、この構成に限定されるものではない。「第1平面導体」は、積層体10の内部に形成される内部導体であってもよい。
また、樹脂多層基板に形成される回路構成は、本発明の作用・効果を奏する範囲において適宜変更可能である。樹脂多層基板に形成される回路は、例えば導体パターンで構成されるコイルや、導体パターンで形成されるキャパシタ、各種フィルタ(ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、バンドエリミネーションフィルタ)などの周波数フィルタが形成されていてもよい。また、樹脂多層基板には、各種伝送線路(ストリップライン、マイクロストリップライン、コプレーナライン等)が形成されていてもよい。さらに、樹脂多層基板には、チップ部品等の各種電子部品が実装または埋設されていてもよい。
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
AP1,AP3…貫通孔
PL1,PL2…めっき膜
VC1,VC2…層間接続導体
V1…第1層間接続導体
V2…第2層間接続導体
V3…第3層間接続導体
CM…導電性部材
VS1…積層体の第1主面
VS2…積層体の第2主面
10…積層体
11,12…樹脂層
31…内部導体
41,42…外部導体
101,102,103,104,101M…樹脂多層基板

Claims (17)

  1. 複数の樹脂層を積層して形成される積層体と、
    前記複数の樹脂層のいずれかに形成される第1平面導体と、
    前記複数の樹脂層のいずれかに形成され、前記第1平面導体に接続される層間接続導体と、
    を備え、
    前記層間接続導体は、第1層間接続導体と、前記第1層間接続導体とは異なる材料からなり、前記第1層間接続導体に接合される第2層間接続導体と、を有し、
    前記第2層間接続導体は、前記第1層間接続導体の接合部と他の導体の接合部との間に、他の部分よりも平断面積の小さな括れ部を有する、樹脂多層基板。
  2. 前記複数の樹脂層は熱可塑性樹脂からなる、請求項1に記載の樹脂多層基板。
  3. 前記他の導体は前記複数の樹脂層のいずれかに形成される第2平面導体である、請求項1または2に記載の樹脂多層基板。
  4. 前記第2層間接続導体は前記第1層間接続導体の材料よりも低融点の材料からなる、請求項1から3のいずれかに記載の樹脂多層基板。
  5. 前記第1層間接続導体および前記第2層間接続導体は樹脂材料を含まない、請求項1から4のいずれかに記載の樹脂多層基板。
  6. 前記第1層間接続導体は前記第1平面導体に接続され、
    前記第1層間接続導体および前記第1平面導体は同材料からなる、請求項1から5のいずれかに記載の樹脂多層基板。
  7. 前記第1層間接続導体は、面積の小さな一方面と、面積の大きな他方面とを有する錐台形であり、
    前記第1層間接続導体は、前記一方面が前記第1平面導体に接続され、前記他方面が前記第2層間接続導体に接合される、請求項6に記載の樹脂多層基板。
  8. 前記複数の樹脂層は液晶ポリマーを主材料とするシートであり、
    前記第1平面導体および前記第1層間接続導体は、Cuを主成分とし、
    前記第2層間接続導体は、Cu−Sn合金を主成分とする、請求項1から7のいずれかに記載の樹脂多層基板。
  9. 前記複数の樹脂層の接合面と前記括れ部とは、前記複数の樹脂層の積層方向において、異なる位置にある、
    請求項1から8のいずれかに記載の樹脂多層基板。
  10. 前記第1層間接続導体の前記第2層間接続導体に接合される端面は、ドーム状の端面である、
    請求項1から9のいずれかに記載の樹脂多層基板。
  11. 複数の樹脂層のいずれかに第1平面導体を形成する、平面導体形成工程と、
    前記平面導体形成工程の後、前記複数の樹脂層のいずれかに貫通孔を設けた後、前記貫通孔の内部に、前記第1平面導体に接続される第1層間接続導体を形成する、第1層間導体形成工程と、
    前記第1層間導体形成工程の後、前記第1層間接続導体の表面に、前記第1層間接続導体とは異なる材料からなる導電性部材を形成する、導電性部材形成工程と、
    前記導電性部材形成工程の後、前記導電性部材が前記複数の樹脂層のいずれかに形成された他の導体に当接するように、前記複数の樹脂層を積層して加熱プレスすることにより積層体を形成するとともに、前記導電性部材を前記第1層間接続導体および前記他の導体にそれぞれ接合する第2層間接続導体へ変化させ、且つ、前記第2層間接続導体のうち、前記第1層間接続導体の接合部と前記他の導体の接合部との間に、他の部分よりも平断面積の小さな括れ部を形成する、積層体形成工程と、
    を備える、樹脂多層基板の製造方法。
  12. 前記第1層間導体形成工程は、前記貫通孔にCuめっき膜を形成する工程を含み、
    前記導電性部材形成工程は、前記第1層間接続導体の表面にSnめっき膜を形成する工程を含む、請求項11に記載の樹脂多層基板の製造方法。
  13. 複数の樹脂層のいずれかに第1平面導体を形成する、平面導体形成工程と、
    前記平面導体形成工程の後、前記複数の樹脂層のいずれかに貫通孔を設けた後、前記貫通孔の内部に、前記第1平面導体に接続される第1層間接続導体を形成する、第1層間導体形成工程と、
    前記第1層間導体形成工程の後、前記複数の樹脂層のいずれかに形成される他の導体のうち、後に複数の樹脂層を積層する際に前記第1層間接続導体と対向する部分に、前記第1層間接続導体とは異なる材料からなる導電性部材を形成する、導電性部材形成工程と、
    前記導電性部材形成工程の後、前記第2層間接続導体が、前記複数の樹脂層のいずれかに形成された他の導体に当接するように、前記複数の樹脂層を積層して加熱プレスすることにより積層体を形成するとともに、前記導電性部材を前記第1層間接続導体および他の導体にそれぞれ接合する第2層間接続導体へ変化させ、且つ、前記第2層間接続導体のうち、前記第1層間接続導体の接合部と前記他の導体の接合部との間に、他の部分よりも平断面積の小さな括れ部を形成する、積層体形成工程と、
    を備える、樹脂多層基板の製造方法。
  14. 前記複数の樹脂層は熱可塑性樹脂からなる、請求項11から13のいずれかに記載の樹脂多層基板の製造方法。
  15. 前記第1層間導体形成工程は、
    前記樹脂層のうち、表面に前記第1平面導体が形成された樹脂層の裏面から前記第1平面導体に重なる位置にレーザーを照射することによりテーパー状の前記貫通孔を形成した後、
    前記貫通孔の内部に、前記第1平面導体に接続される一方面の面積の小さく、前記第2層間接続導体に接合される他方面の面積が大きな錐台形の前記第1層間接続導体を形成する工程を含む、請求項11から14のいずれかに記載の樹脂多層基板の製造方法。
  16. 前記積層体形成工程は、前記複数の樹脂層を等方圧プレスする工程を含む、請求項11から15のいずれかに記載の樹脂多層基板の製造方法。
  17. 前記積層体形成工程の後、前記積層体の表面に露出する前記第1平面導体に、電気めっき法によって前記第1平面導体よりも酸化し難いめっき膜を形成する、めっき形成工程をさらに備える、請求項11から16のいずれかに記載の樹脂多層基板の製造方法。
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