JPWO2020166517A1 - ポリマー組成物、ゲル、フィルムおよび粒子 - Google Patents

ポリマー組成物、ゲル、フィルムおよび粒子 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2020166517A1
JPWO2020166517A1 JP2020572224A JP2020572224A JPWO2020166517A1 JP WO2020166517 A1 JPWO2020166517 A1 JP WO2020166517A1 JP 2020572224 A JP2020572224 A JP 2020572224A JP 2020572224 A JP2020572224 A JP 2020572224A JP WO2020166517 A1 JPWO2020166517 A1 JP WO2020166517A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polymer
water
particles
polymer composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020572224A
Other languages
English (en)
Inventor
明士 藤田
敦 稲富
康成 梅田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Publication of JPWO2020166517A1 publication Critical patent/JPWO2020166517A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L101/00Compositions of unspecified macromolecular compounds
    • C08L101/12Compositions of unspecified macromolecular compounds characterised by physical features, e.g. anisotropy, viscosity or electrical conductivity
    • C08L101/14Compositions of unspecified macromolecular compounds characterised by physical features, e.g. anisotropy, viscosity or electrical conductivity the macromolecular compounds being water soluble or water swellable, e.g. aqueous gels
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L25/00Compositions of, homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring; Compositions of derivatives of such polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L33/00Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides or nitriles thereof; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L33/04Homopolymers or copolymers of esters
    • C08L33/06Homopolymers or copolymers of esters of esters containing only carbon, hydrogen and oxygen, which oxygen atoms are present only as part of the carboxyl radical
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L9/00Compositions of homopolymers or copolymers of conjugated diene hydrocarbons

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

硬化性と安全性に優れたポリマー組成物と、機械的強度が高く、広範な用途に適用可能なゲル、フィルムおよび粒子を提供する。架橋性基を有する水溶性ポリマーおよびガラス転移温度が40℃以下である重合体粒子を含むポリマー組成物。好ましくは、前記架橋性基が、ビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニルフェニル基、ノルボルネニル基、およびこれらの誘導体であり、より好ましくは、前記架橋性基の導入率が、前記架橋性基を有する水溶性ポリマーの繰り返し単位に対して0.01〜10mol%である。

Description

本発明は、ポリマー組成物、ゲル、フィルムおよび粒子に関する。
ゲルは架橋された親水性高分子からなる材料であり、水を含む形態および含まない(乾燥)形態を問わず、従来から高吸水性樹脂(Super Absorbent Polymer(SAP))、コンタクトレンズ、ドラッグデリバリー基材、衝撃吸収材料、制振・防音材料、コーティング材料など生活、医療、食品、土木など多岐の用途で利用されてきた。しかし、従来のゲルは機械的強度が低く、応用範囲が限られるという問題があった。これを解決するため、2種類の親水性高分子の網目構造が相互に侵入したダブルネットワークゲルなどが提案されている(特許文献1)。
近年、3Dプリンターに代表されるAdditive Manufacturingと言われる材料の造形手法の開発が活発になっており、これらに適応した材料への要求が高まってきている。特に3Dプリンターにゲルを対応させるには活性エネルギー線などの刺激により一段階で素早く硬化するといった「刺激硬化性」が求められる。さらに医療分野では、刺激硬化性ゲルを患者の患部で硬化させて治療する方法(特許文献2)や、3Dプリンターを用いて手術練習等に用いる臓器モデルや再生医療用の精密スキャホールド(非特許文献1)の製造などへの応用が期待されている。
前記ダブルネットワークゲルは強度と柔軟性を兼ね備えた従来にないゲルを製造できるため、例えば3Dプリンター用ゲルとしても活用できる。しかし、ダブルネットワークゲルは重合を終えたゲルをモノマー溶液で膨潤させなければならないことや、モノマーを重合させるため硬化性に欠けるなど、3Dプリンターへの適用性に問題があった。
以上のダブルネットワークゲルの課題を解決するため、ゲルに架橋ゲル粒子を添加することにより刺激硬化性を向上させる試みがなされている。これはダブルネットワークゲルを構成する2種類の親水性高分子のうち第1の親水性高分子からなる架橋ゲル微粒子を製造し、この架橋ゲル微粒子と第2の親水性高分子を構成するモノマーを混合して硬化させる方法である(特許文献3〜5、非特許文献2〜4)。この方法であれば一段階でダブルネットワークゲルが製造できるため、3Dプリンターへの適用性もより高いと考えられる。このような考えから、架橋ゲル粒子を添加したゲルを3Dプリンターに応用することも最近提案された(特許文献6、非特許文献5)。
国際公開第2003/093337号 特表2008−510021号公報 特開2008−163055号公報 特開2010−260929号公報 特開2015−96560号公報 特開2017−26680号公報 特表平10−513408号公報 特表2002−506813号公報
Chemical Reviews, 116, (2016) 1496−1539 Macromolecules, 44, (2011) 7775−7781 Macromolecules, 45, (2012) 5218−5228 Macromolecules, 45, (2012) 9445−9451 Journal of Solid Mechanics and Materials Engineering, 7, (2013) 163−168
特許文献3〜6、非特許文献2〜5に記載されるゲルにおいて架橋ゲル微粒子とモノマーを混合することにより、一段階で機械的強度に優れるダブルネットワークゲルを製造することが可能となったが、モノマーを重合させるため硬化性には依然として課題が残っていた。加えてモノマーとしてアクリルアミドを使用することが多く、このモノマー自体の毒性が非常に高いことから、医療用途に使用できないなどの課題もあった。
一方、架橋性基を有する水溶性ポリマーは前記モノマーと比較すると毒性が低く、医療用途を含む種々の用途に使用されている(特許文献7、特許文献8)。しかし、水溶性ポリマーを硬化させるだけでは機械的強度が低いゲルしか製造できないという課題があった。
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、硬化性と安全性に優れたポリマー組成物と、機械的強度が高く、広範な用途に適用可能なゲル、フィルムおよび粒子を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討を行った結果、架橋性基を有する水溶性ポリマーに特定の重合体粒子を添加することにより、ダブルネットワーク化が十分に起こらなくても機械的強度の高いゲルが得られることを見出し、当該知見に基づいてさらに検討を重ねて本発明を完成させた。
すなわち本発明は、
[1]架橋性基を有する水溶性ポリマー、およびガラス転移温度が40℃以下である重合体粒子(x)を含む、ポリマー組成物;
[2]前記架橋性基がエチレン性不飽和基である、上記[1]に記載のポリマー組成物;
[3]前記エチレン性不飽和基が、ビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニルフェニル基、ノルボルネニル基、およびこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種である、上記[2]に記載のポリマー組成物;
[4]前記架橋性基の導入率が、前記架橋性基を有する水溶性ポリマーの繰り返し単位に対して0.01〜10mol%である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のポリマー組成物;
[5]前記重合体粒子(x)の平均粒子径が0.01〜10μmである、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のポリマー組成物;
[6]前記重合体粒子(x)が、共役ジエン、芳香族ビニル化合物および(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体単位を含む重合体粒子である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のポリマー組成物;
[7]上記[1]〜[6]のいずれかに記載のポリマー組成物を架橋してなるゲル;
[8]上記[1]〜[6]のいずれかに記載のポリマー組成物を乾燥および架橋してなるフィルム;
[9]上記[1]〜[6]のいずれかに記載のポリマー組成物を乾燥および架橋してなる粒子;に関する。
本発明によれば、硬化性と安全性に優れたポリマー組成物と、機械的強度が高く、広範な用途に適用可能なゲル、フィルムおよび粒子が得られる。
以下、本発明について、詳細に説明する。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」とは「メタクリル」と「アクリル」との総称を意味する。
本発明のポリマー組成物には、架橋性基を有する水溶性ポリマーおよびガラス転移温度が40℃以下である重合体粒子(x)が含まれる。
本発明における架橋とは、活性エネルギー線、熱および混合から選ばれる少なくとも1種の刺激により架橋されることを指す。前記架橋性基を有する水溶性ポリマーは光重合開始剤又は熱重合開始剤の添加により、それぞれ活性エネルギー線又は熱を刺激として硬化させることが可能である。また熱重合開始剤のうちレドックス系重合開始剤の場合は、過酸化物系重合開始剤と還元剤の混合を刺激として硬化させることも可能である。
なお、本明細書において活性エネルギー線とは、光線、電磁波、粒子線およびこれらの組み合わせを意味する。光線としては遠紫外線、紫外線(UV)、近紫外線、可視光線、赤外線などが挙げられ、電磁波としてはX線、γ線などが挙げられ、粒子線としては電子線(EB)、プロトン線(α線)、中性子線などが挙げられる。硬化速度、照射装置の入手性、価格等の観点から、これらの活性エネルギー線の中でも紫外線、電子線が好ましく、紫外線がより好ましい。
<架橋性基を有する水溶性ポリマー>
架橋性基を有する水溶性ポリマーは、原料となる水溶性ポリマーの側鎖や末端に架橋性基を含有するものを指す。
(水溶性ポリマー)
架橋性基を有する水溶性ポリマーの原料となる水溶性ポリマーとしては合成ポリマーおよび天然ポリマーを問わず利用できる。
合成ポリマーの例としては、ポリビニルアルコール(以下、PVAと略称することがある)、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ(N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド)、ポリ(N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド)、ポリ(N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド)、ポリビニルピロリドン、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミンおよびこれらの誘導体などが挙げられる。
これらの合成ポリマーは水溶性を損なわない範囲で他のモノマーと共重合されていてもよい。他のモノマーの含有率は合成ポリマーを構成する全構造単位に対して50mol%未満であることが好ましく、30mol%未満であることがより好ましい。
合成ポリマーのうち、例えばポリアクリルアミド、ポリ(N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド)、ポリ(N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)等のポリ(メタ)アクリルアミド誘導体;およびポリビニルピロリドンなど、アミノ基、水酸基、およびカルボキシル基などの架橋性基の導入のための官能基を含有しない合成ポリマーは、架橋性基の導入のための官能基を有するモノマー、例えばヒドロキシエチルメタクリレートやメタクリル酸などと共重合し、架橋性基の導入のための官能基を側鎖に導入する必要がある。架橋性基の導入のための官能基を有するモノマーの含有率は合成ポリマーを構成する全構造単位に対して20mol%未満であることが好ましく、10mol%未満であることがより好ましい。
天然ポリマーの例としては、水溶性多糖類および水溶性タンパク質が利用できる。水溶性多糖類の例としては、アルギン酸、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アガロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の水溶性セルロース誘導体;グアーガム、カラギーナン、寒天、キトサン、ジェランガム、デキストラン、デンプン、ヒアルロン酸、プルラン、ヘパリンなどが挙げられる。また、水溶性タンパク質の例としてはコラーゲン、ゼラチン、アルブミンなどが挙げられる。
以上に例示した水溶性多糖類のうち、例えばアルギン酸はカルシウムイオンを添加することにより硬化する。また、アガロース、ジェランガム、ゼラチンなども熱水に溶解し、冷却することで硬化する。このように天然ポリマー自体の硬化特性を活用することも可能であるが、硬化のための刺激の選択や成形の自由度、3Dプリンターへの適用を考慮すると架橋性基が天然ポリマーに結合していることが必須である。
(架橋性基)
架橋性基としては活性エネルギー線、熱、レドックス系重合開始剤等により前記水溶性ポリマー鎖間で架橋を形成することができるエチレン性不飽和基を用いることが好ましく、ラジカル重合性基を用いることがより好ましい。ラジカル重合性基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニルフェニル基、シクロヘキセニル基、シクロペンテニル基、ノルボルネニル基、ジシクロペンテニル基等の環式不飽和炭化水素基、およびこれらの誘導体が挙げられる。これらのエチレン性不飽和基は、水溶性ポリマーの側鎖や末端のいずれに存在してもよい。
前記ラジカル重合性基の中でも、本発明のポリマー組成物の硬化性や、後述するゲルやフィルムなどの機械的強度を向上させる観点から、ビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニルフェニル基、ノルボルネニル基、およびこれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。また、反応性の観点からは、末端不飽和炭素結合を有する官能基が好ましく、(メタ)アクリロイルオキシ基がより好ましい。
このような架橋性基は水溶性ポリマーの側鎖や末端官能基、例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、1,2−ジオール基、1,3−ジオール基などを介して導入できる。水酸基やアミノ基に対しては、例えばアクリル酸無水物やグリシジルメタクリレートを塩基存在下で反応させることにより(メタ)アクリロイルオキシ基を導入可能である。即ち、水酸基に対してはエステル化により(メタ)アクリロイルオキシ基、アミノ基に対してはアミド化により(メタ)アクリロイルアミノ基を導入できる。水酸基やアミノ基に対しては、例えばアリルグリシジルエーテルを塩基存在下で反応させることによりビニル基の1種であるアリルエーテル基も導入できる。アミノ基に対しては、例えばアジピン酸ジビニルを塩基存在下で反応させることによりビニル基の1種であるビニルエステル基を導入できる。カルボキシル基に対しては、例えばグリシジルメタクリレートを酸性条件で反応させることでエステル化によりメタクリロイルオキシ基を導入できる。さらに1,2−ジオール基や1,3−ジオール基に対しては、例えばアクロレイン、5−ノルボルネン−2−カルボキシアルデヒドや7−オクテナールなどを酸触媒存在下で反応させることでアセタール化によりビニル基を導入できる。同様にアセタール化により、3−ビニルベンズアルデヒドや4−ビニルベンズアルデヒドなどを反応させることでビニルフェニル基を、N−(2,2−ジメトキシエチル)(メタ)アクリルアミドなどを反応させることで(メタ)アクリロイルアミノ基を導入できる。水溶性ポリマーへの架橋性基の導入は例示された反応以外も用いることができ、2種類以上の反応を組み合わせて使用してもよい。
架橋性基を有する水溶性ポリマーとしては、架橋性基を有するPVA;架橋性基を有するポリアクリルアミド、ポリ(N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド)、ポリ(N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)等のポリアクリルアミド誘導体;架橋性基を有するポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート;架橋性基を有するポリエチレングリコール;架橋性基を有する水溶性セルロース誘導体が好ましく、架橋性基が(メタ)アクリル基、ビニル基および(メタ)アクリロイルアミノ基であることが好ましい。
但し、前記架橋性基のうちビニル基を用いると硬化しにくい場合があるため、例えば1分子内に2つ以上のチオール基を有するポリチオールを、ビニル基を有する水溶性ポリマーに添加して、チオール−エン反応を利用してもよい。前記ポリチオールとしては水溶性を示すものが好ましく、例えば3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、ジチオスレイトール、ポリエチレングリコールジチオールおよびマルチアームポリエチレングリコールの末端チオール化物などが挙げられる。チオール−エン反応はビニル基とチオール基が1対1で反応するため、チオール基がビニル基に対して等モル以下となるように前記のポリチオールを添加することが必要である。この添加量であれば後述するゲルやフィルムなどの強度などを制御するため、任意に前記ポリチオールの添加量を制御できる。
架橋性基の導入率は、架橋性基を有する水溶性ポリマーの繰り返し単位に対して好ましくは10mol%以下、より好ましくは5mol%以下、さらに好ましくは3mol%以下である。また、好ましくは0.01mol%以上、より好ましくは0.1mol%以上である。架橋性基の導入率が高くなりすぎると、後述するゲルやフィルムなどの機械的強度が向上する一方で非常に脆くなる。
本発明における水溶性ポリマーのポリマー鎖に含まれる繰り返し単位数である重合度については特に限定されるものではなく、種々の重合度のものが利用できる。しかし、水溶性ポリマーの重合度が小さすぎると後述するゲルやフィルムなどが脆くなる傾向がある。また、水溶性ポリマーの重合度が大きくなりすぎると水溶液粘度が高くなり、加工が困難になる傾向がある。従って、水溶性ポリマーの重合度は4以上が好ましく、9以上がより好ましく、14以上がさらに好ましい。また、30000以下が好ましく、10000以下がより好ましく、5000以下がさらに好ましい。
本明細書における重合度は、極限粘度[η]を測定し、Mark−Houink式から計算された粘度平均分子量をポリマー鎖に含まれる繰り返し単位の分子量で除することで求めることができる。例えば、水溶性ポリマーとして例示したPVAの重合度は、JIS K 6726:1994に準じて測定される。すなわち、PVAを再けん化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η]から次式により求められる。
重合度=([η]×10/8.29)(1/0.62)
本発明における架橋性基を有する水溶性ポリマーはイオン性基を含有してもよく、その含有率は水溶性ポリマーの繰り返し単位に対して20mol%以下であることが好ましい。イオン性基を20mol%超含有すると吸水力が高くなり、後述するゲルやフィルムなどの強度や寸法安定性が低下することがある。イオン性基としては特に限定されないが、例えばカチオン性基およびアニオン性基が利用でき、カチオン性基としてはアンモニウム塩、アニオン性基としてはカルボン酸塩やスルホン酸塩が利用できる。
<重合体粒子(x)>
重合体粒子(x)を構成する重合体は1種の単量体単位からなる重合体でもよく、複数種の単量体単位からなる共重合体でもよい。また、複数の重合体の混合物であってもよい。
前記単量体としては、例えば、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン;スチレン、α−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリル酸およびその塩;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリルアミド;N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル;酢酸ビニル、n−プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステル;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物;エテン、プロペン、n−ブテン、イソブテン等のモノオレフィン;臭化ビニル、臭化ビニリデン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化エチレン;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸およびその塩;マレイン酸エステル、イタコン酸エステル等の不飽和ジカルボン酸エステル;トリメトキシシラン等のビニルシリル化合物;シクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン;インデン、テトラヒドロインデン等のインデン類;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル;チイラン、チエタン等の環状スルフィド;アジリジン、アゼチジン等の環状アミン;1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、スピロオルソエステル等の環状アセタール;2−オキソザリン、イミノエーテル等の環状イミノエーテル;β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート;ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状シロキサン;などが挙げられる。
これらの中でも、生産性の観点から共役ジエン、芳香族ビニル化合物および(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体が好ましい。
重合体粒子(x)のガラス転移温度は、後述するゲルやフィルムなどへの外的応力を効率的に緩和および/又は散逸させるため、40℃以下であり、25℃以下であることが好ましく、10℃以下であることがより好ましい。また、−100℃以上であることが好ましい。なお、本明細書において、ガラス転移温度は示差走査熱量測定によって求めることができる。
後述するゲルやフィルムなどの内部にガラス転移温度が40℃以下である重合体粒子(x)が含まれると、外的な応力がかかった際に重合体粒子(x)が応力を分散、犠牲的に変形することで応力を緩和および/又は崩壊し、応力を散逸することでゲルやフィルムなどに発生する微小なクラックの進展を止めることができる。このため、ゲル全体やフィルム全体が崩壊することを防ぎ、機械的強度が向上すると推測している。
40℃を超える範囲にガラス転移温度を持つ硬質粒子などを添加すると、ゲルの弾性率や破断強度自体の向上が見られる場合があるが、柔軟性を向上させることは難しい。
重合体粒子(x)は、ガラス転移温度が40℃以下であれば特に限定されないが、架橋性基を有する水溶性ポリマーと水溶媒中で混合させるため、水に分散できることが好ましい。
本発明の重合体粒子(x)としては、水への分散性の観点から、表面が界面活性剤等により親水化された重合体粒子、および被覆重合体粒子が好ましい。被覆重合体粒子の具体例としては、後述するような重合体粒子(x)の少なくとも一部を被覆する重合体被膜(y)を有する被覆重合体粒子が挙げられる。
(被覆重合体粒子)
重合体粒子(x)は、重合体粒子(x)の少なくとも一部を被覆する重合体被膜(y)を有する被覆重合体粒子であってもよい。重合体被膜(y)を構成する重合体は1種の単量体単位からなる重合体でもよく、複数種の単量体単位からなる共重合体でもよい。また、複数の重合体の混合物であってもよい。
前記単量体としては、重合体粒子(x)において挙げたものが挙げられ、好ましいものも同様である。
重合体被膜(y)のガラス転移温度は、粒子同士の融着を防止することや水への分散安定性の観点から、30℃以上であることが好ましく、40℃以上であることがより好ましく、50℃以上であることがさらに好ましい。また、250℃以下であることが好ましい。
被覆重合体粒子における重合体被膜(y)の含有率は、後述するゲルやフィルムなどへの外的応力を効率的に緩和および/又散逸させる観点から、被覆重合体粒子全体の質量に基づいて、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましい。また、80質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましい。
また、重合体被膜(y)は重合体粒子(x)の全体を被覆するものであることが好ましい。
重合体粒子(x)の平均粒子径、および重合体粒子(x)が被覆重合体粒子の場合は重合体被膜(y)も含む被覆重合体粒子全体の平均粒子径は、好ましくは0.01〜10μmであり、より好ましくは0.02〜1μmであり、さらに好ましくは0.04〜0.5μmである。平均粒子径が大きい場合は、ゲル自体が白濁して透明性が失われる傾向があり、かつ、粒子が沈降し易くなるが、少量の含有量であっても後述するゲルやフィルムなど強度の向上が期待できる。一方、平均粒子径が小さい場合は、後述するゲルやフィルムなど強度の向上のためには含有量を増やす必要があるが、高い透明性を発現する傾向がある。なお、本発明における平均粒子径とは、後述する動的光散乱測定装置で測定した平均分散粒子径を指す。
(重合体粒子(x)の製造方法)
重合体粒子(x)の製造方法は特に限定されないが、例えば乳化重合、懸濁重合、樹脂の自己乳化や機械的乳化などにより製造することができる。
重合体粒子(x)の製造方法にかかる乳化重合においては、通常乳化剤を用いる。かかる乳化剤としては、例えばアルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、高級脂肪酸ナトリウム、ロジン系ソープ等のアニオン系界面活性剤;アルキルポリエチレングリコール、ノニルフェノールエトキシレート等のノニオン系界面活性剤;塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム等のカチオン系界面活性剤;コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン等の両性界面活性剤等を用いることができる。また部分けん化PVA(けん化度70〜90mol%)、メルカプト基変性PVA(けん化度70〜90mol%)、β−ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物塩、(メタ)アクリル酸エチルコポリマーなどの高分子界面活性剤を用いることも可能である。ここで、前記高分子界面活性剤は乳化重合終了後に重合体粒子(x)を被覆する重合体被膜(y)と同様に機能することができる。これら乳化剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。かかる乳化剤の使用量は、水に対して0.01〜40質量%が好ましく、0.05〜20質量%がより好ましい。
前記乳化重合においては、通常ラジカル重合開始剤を用いる。かかるラジカル重合開始剤としては、水溶性無機系重合開始剤、水溶性アゾ系重合開始剤、油溶性アゾ系重合開始剤、有機過酸化物などが挙げられる。また、ラジカル重合開始剤としてレドックス系重合開始剤を用いてもよい。
水溶性無機系重合開始剤としては、過酸化水素、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム(過硫酸カリウム)などが挙げられる。水溶性アゾ系開始剤としては、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルフェートジハイドレート、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2−2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]などが挙げられる。
油溶性アゾ系重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、ジメチル2,2−アゾビス(イソブチレート)などが挙げられる。
有機過酸化物としては、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、ジラウロイルパーオキシド、ジベンジルパーオキシド等のジアシルパーオキシド;1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシド;ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキシド;2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン等のパーオキシケタール;1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、α−クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−アミルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーオキシエステル;ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、1,6−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニルオキシ)ヘキサン等のパーオキシカーボネートなどが挙げられる。
前記ラジカル重合開始剤の使用量は、水に対して0.0001〜1質量%が好ましく、0.001〜0.5質量%がより好ましい。
また、生産性の観点から、レドックス系重合開始剤を用いてもよく、該レドックス系重合開始剤としては、前記有機過酸化物と遷移金属塩の併用が好ましい。有機過酸化物と併用する遷移金属塩としては、例えば、硫酸鉄(II)、チオ硫酸鉄(II)、炭酸鉄(II)、塩化鉄(II)、臭化鉄(II)、ヨウ化鉄(II)、水酸化鉄(II)、酸化鉄(II)等の鉄化合物;硫酸銅(I)、チオ硫酸銅(I)、炭酸銅(I)、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、水酸化銅(I)、酸化銅(I)等の銅化合物、又はそれらの水和物などが使用できる。これらのうち、生産性の観点から、クメンヒドロパーオキシドと鉄化合物との併用が好ましく、クメンヒドロパーオキシドと硫酸鉄(II)の水和物との併用がより好ましい。
また、前記ラジカル重合開始剤とともに還元剤を用いてもよい。かかる還元剤としては、塩化鉄(II)、硫酸鉄(II)等の鉄化合物;硫酸水素ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のナトリウム塩;アスコルビン酸、ロンガリット、亜ジオチン酸ナトリウム、トリエタノールアミン、グルコース、フルクトース、グリセルアルデヒド、ラクトース、アラビノース、マルトース等の有機系還元剤などが挙げられる。このうち、鉄化合物と有機系還元剤を併用することが好ましい。かかる還元剤の使用量は、水に対して0.0001〜1質量%の範囲が好ましく、0.001〜0.5質量%の範囲がより好ましい。
前記製造方法において、乳化重合の系内に必要に応じて金属イオンキレート剤を添加してもよい。具体的には、エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム等の金属イオンキレート剤が挙げられる。
前記製造方法において、乳化重合の系内に必要に応じて増粘抑制剤として電解質を添加してもよい。具体的には、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム等の電解質が挙げられる。前記製造方法において、乳化剤と増粘抑制剤とを併用する場合、増粘抑制剤の使用量は、乳化液中のミセルの安定性の観点から、乳化剤に対して20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましい。
前記還元剤、金属イオンキレート剤および電解質は、重合反応中に添加してもよいが、乳化重合当初から水中に添加しておくことが好ましい。
前記製造方法において、乳化重合の系内に必要に応じて連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤としては、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、ヘキサデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタン等のメルカプタン;メルカプト酢酸、メルカプト酢酸2−エチルヘキシル、メルカプト酢酸メトキシブチル、β−メルカプトプロピオン酸、β−メルカプトプロピオン酸メチル、β−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル、β−メルカプトプロピオン酸3−メトキシブチル、メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール等のチオール類;α−メチルスチレンダイマー等の連鎖移動定数の大きい炭化水素化合物などが使用できる。
水溶性のラジカル重合開始剤を用いる場合は水溶液として添加すればよいが、水に難溶なラジカル重合開始剤を用いる場合は、水および乳化剤を用いてラジカル重合開始剤の乳化液をあらかじめ調製し、これを添加してもよい。この場合、使用する乳化剤は乳化重合で用いるものと同じでもよいし、異なっていてもよい。また、2種以上の乳化剤を組み合わせてもよい。
乳化重合の重合温度は、通常0〜100℃の範囲が好ましく、重合率を高める観点から、50〜90℃が望ましい。
本発明において、重合体粒子(x)を用いる際は乳化重合後の乳化液をそのまま使用してもよいし、塩析、酸析、凍結、溶剤添加等の公知の方法により重合体粒子(x)を回収して用いてもよい。またこうして回収した重合体粒子(x)をさらに洗浄、再沈殿、スチームストリッピング等の公知の方法によって精製してもよい。
本発明において、重合体粒子(x)の劣化を抑制する観点から、乳化重合後の乳化液、又は回収処理後や精製処理後の重合体粒子(x)に老化防止剤を添加してもよい。老化防止剤は、重合反応後の重合体粒子(x)の回収処理や精製処理における劣化を抑制する観点からは、乳化重合後の乳化液に老化防止剤を添加した後、重合体粒子(x)を回収処理又は精製処理をしてもよい。また、得られた重合体粒子(x)の使用中の劣化を抑制する観点からは、重合体粒子(x)の回収処理後や精製処理後の重合体粒子(x)に、老化防止剤を添加してもよい。ただし、老化防止剤を乳化重合後の乳化液に加えた場合は、重合体粒子(x)の回収処理又は精製処理によって、添加した老化防止剤が除去されることがあるため、重合体粒子(x)の回収処理後や精製処理後に再度添加することが望ましい。
老化防止剤としては、一般的な材料を使用することができる。具体的には、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,5−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ(t−ブチル)−4−メチルフェノール、モノ(又はジ、又はトリ)(α−メチルベンジル)フェノール等のフェノール系化合物;2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のビスフェノール系化合物;2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール等のベンズイミダゾール系化合物;6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、ジフェニルアミンとアセトンの反応物、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体等のアミン−ケトン系化合物;N−フェニル−1−ナフチルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等の芳香族二級アミン系化合物;1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チオ尿素、トリブチルチオ尿素等のチオウレア系化合物などが使用できる。
また、重合体粒子(x)の製造方法としては、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、イソブチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体、ハロゲン化イソブチレン−イソプレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体の部分水素添加物、ポリクロロプレン等のゴムなどの重合体を予め製造しておき、これらを水中に乳化又は懸濁させてスプレードライ等により取り出す方法によっても製造することができる。ガラス転移温度が25℃以下の重合体粒子を前記方法によって製造すると粒子同士が融着して水などに再分散しにくくなるため、乳化剤として例えば高分子界面活性剤である部分けん化PVAなどを用いて乳化させることが好ましい方法である。
<ポリマー組成物>
本発明のポリマー組成物は、例えば、前記架橋性基を有する水溶性ポリマーおよび前記重合体粒子(x)を溶媒中で混合することにより得られる。
本発明のポリマー組成物における架橋性基を有する水溶性ポリマーの濃度は、ポリマー組成物に対して1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましい。また、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。架橋性基を有する水溶性ポリマーの濃度が1質量%未満では後述するゲルやフィルムなどの強度が低く、70質量%を越えるとポリマー組成物の粘度が高く成形が困難になる傾向がある。
本発明のポリマー組成物における重合体粒子(x)の含有量は、架橋性基を有する水溶性ポリマーに対して1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。また、300質量%以下が好ましく、200質量%以下がより好ましい。重合体粒子(x)の含有量が1質量%以上であれば後述するゲルやフィルムなどの機械的強度が増す傾向があり、300質量%以下であれば架橋性基を有する水溶性ポリマーの硬化を阻害しない。
本発明のポリマー組成物には溶媒が含まれていてもよく、溶媒としては水が好ましい。さらに、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、等のモノアルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールなどの水溶性溶媒を混合して使用してもよい。
<重合開始剤>
本発明のポリマー組成物には、重合開始剤が含まれることが好ましい。重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤や熱重合開始剤などが挙げられる。
熱重合開始剤としては、ラジカル重合で一般的なアゾ系重合開始剤や過酸化物系重合開始剤が使用できるが、透明性や物性に優れたゲルやフィルムなどを得るためには気体を発生しない過酸化物系重合開始剤が好ましい。また、還元剤と組み合わせたレドックス系重合開始剤を使用してもよい。前記のとおり、レドックス系重合開始剤であれば過酸化物系重合開始剤と還元剤の混合という刺激により架橋させることが可能である。
ポリマー組成物に水溶媒を用いる場合は、水溶性の高い過酸化物系重合開始剤が好ましい。具体的には、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの無機過酸化物が挙げられる。レドックス系重合開始剤として組み合わせる還元剤としては既知の還元剤が使用できるが、これらの中でも水溶性の高いN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ハイドロサルファイトナトリウムなどが好ましい例として挙げられる。
既に述べたように、気体を発生しない過酸化物系重合開始剤が好ましく使用されるが、特にゲルやフィルムなどの透明性や物性が問われない場合は水溶性のアゾ系重合開始剤を用いてもよい。具体的には、例えば2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩(商品名「VA−044」、和光純薬工業(株)製)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩二水和物(商品名「VA−044B」、和光純薬工業(株)製)、2,2’−アゾビス[2−メチルプロピオンアミジン]二塩酸塩(商品名「V−50」、和光純薬工業(株)製)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]四水和物(商品名「VA−057」、和光純薬工業(株)製)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](商品名「VA−061」、和光純薬工業(株)製)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド](商品名「VA−086」、和光純薬工業(株)製)、2,2’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)(商品名「V−501」、和光純薬工業(株)製)などが挙げられる。
光重合開始剤としては、紫外線(UV)や可視光線などの光線によって重合を開始させるものであれば特に問題なく使用できるが、水溶性を示すものが好ましい。具体的には、例えばα−ケトグルタル酸、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名「Irgacure2959」、BASF社製)、フェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィン酸リチウム塩(商品名「L0290」、東京化成工業(株)製)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド](商品名「VA−086」、和光純薬工業(株)製)、エオジンYなどが挙げられる。
光重合開始剤を含むポリマー組成物を硬化させる場合、ポリマー組成物は光吸収剤を含んでいてもよい。光吸収剤は、光造形法の3Dプリンターによる造形の際に精密性を確保するために必要となることが多い。光吸収剤としては、水溶性を示すものであれば特に限定されないが、ケミプロ化成(株)製「KEMISORB111」、「KEMISORB11S」やBASF社製「Tinuvin477−DW」、「UVA805」、「Tinuvin1130」などが挙げられる。
光重合開始剤を含むポリマー組成物を硬化させる場合、ポリマー組成物はさらに重合禁止剤を含んでいてもよい。重合禁止剤としては水溶性を示すヒドロキノンやp−メトキシフェノールなどが例示できるが、これ以外の重合禁止剤も利用できる。重合禁止剤を添加することによりポリマー組成物の保存安定性を高めることができる。
<共存モノマー>
本発明のポリマー組成物には、さらに共存モノマーが含まれていてもよい。共存モノマーとしては水溶性のラジカル重合性モノマーである2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、N−イソプロピルアクリルアミド、ビニルピリジン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、スチレンスルホン酸、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
<架橋剤>
本発明のポリマー組成物には、架橋剤が含まれていてもよい。架橋剤としては、特に水溶性を示すものが好ましく、ラジカル重合性の不飽和基を2個以上有するN,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、N,N’−ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
<無機粒子>
本発明のポリマー組成物には、水不溶性の無機粒子が含まれていてもよい。水不溶性の無機粒子としては、例えば沈降シリカ、ゲル状シリカ、気相法シリカ、コロイダルシリカ等のシリカ;アルミナ、ヒドロキシアパタイト、ジルコニア、酸化亜鉛、チタン酸バリウム等のセラミック;ゼオライト、タルク、モンモリロナイト等の鉱物;硫酸カルシウム等の石膏;酸化カルシウム、酸化鉄等の金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の金属炭酸塩;ケイソウ土、土壌、粘土、砂、砂利などが挙げられる。これらの無機粒子は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。水不溶性の無機粒子を添加することで、後述するゲルやフィルムなどに高い機械物性や磁性などの機能を付与することができる。また、無機粒子を含むゲルを乾燥、さらには焼結などを行うことにより成形された無機焼結体を得ることも可能である。
無機粒子のポリマー組成物への含有量は特に制限されないが、好ましくは99.5質量%以下、より好ましくは99質量%以下、さらに好ましくは95質量%以下である。さらに、無機粒子の添加効果を得るためには、無機粒子の含有量は0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上である。
前記ポリマー組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、色素、防腐剤、防黴剤などの添加剤が含まれていてもよい。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
<ゲル>
本発明のゲルは、前記ポリマー組成物を架橋することにより得られる。架橋方法としては、ポリマー組成物を所定の型枠等に流し込んだあと、活性エネルギー線、熱および混合から選ばれる少なくとも1種の刺激により架橋する方法が挙げられる。また、3Dプリンターのように材料押出堆積法やインクジェット法を用いる場合は、ポリマー組成物をシリンジやプリンターヘッドから吐出した後、刺激により架橋させ、所望の形状に成形することが可能である。さらに、光造形法では光重合開始剤を含むポリマー組成物をバスタブ型の容器に入れ、光造形することで所望の形状に成形することが可能である。
本発明のゲルはそのまま使用することもできるが、水などの溶媒に浸漬して平衡膨潤状態にした後に使用してもよい。浸漬操作によって未反応原料や未架橋ポリマー成分を除去する効果も期待できる。未反応原料や未架橋の水溶性ポリマー成分を更に除きたい場合は、溶媒を交換して浸漬操作を繰り返せばよい。しかし、本発明のポリマー組成物は架橋性基を有する水溶性ポリマーを用いるため、そのまま使用しても通常モノマーが示す毒性をほとんど示さないという特長がある。
<フィルム、粒子>
本発明のフィルムおよび粒子は、前記ポリマー組成物を架橋および乾燥にすることにより得られる。架橋および乾燥方法としては、例えば、上述のようにポリマー組成物を架橋してゲルを得た後に乾燥して、本発明のフィルムおよび粒子を得る方法が挙げられる。または、ポリマー組成物を成形した後、乾燥し、その後、架橋することにより、本発明のフィルムおよび粒子を得ることも可能である。ポリマー組成物を成形した後、乾燥する方法としては、溶液キャスト法による皮膜形成やスプレードライ法による粒子形成後に、乾燥する方法などが挙げられる。
本発明のフィルムおよび粒子は、水などに浸漬することで再度吸水して膨潤し、含水したゲルにすることも可能である。
本発明のゲル、フィルムおよび粒子の用途としては、例えば紙おむつや生理用品などの衛生用品、コンタクトレンズや創傷被覆材などの体外で使用する医療機器、衝撃吸収材料、制振・防音材料などに限らず、医療機器の表面コーティングや人工臓器などのより高度な医療機器、現場施工が必要な土壌改良材などの土木・建築用材料、保水材料などの農業用資材、オンディマンドで成形する3Dプリンター用の硬化性原料などが挙げられる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
合成例、実施例および比較例において使用した各成分は以下の通りである。
(単量体)
・アクリル酸n−ブチル:日本触媒(株)製
・トリメチロールプロパントリメタクリレート:商品名「ライトエステルTMP」、共栄社化学(株)製
・アリルメタクリレート:東京化成工業(株)製
・ジシクロペンタニルメタクリレート:商品名「ファンクリルFA−513M」、日立化成(株)製
・ブタジエン:JSR(株)製
・スチレン:キシダ化学(株)製
(水溶性ポリマー)
・ポリビニルアルコール:商品名「PVA117」、(株)クラレ製
・ポリビニルアルコール:商品名「PVA105」、(株)クラレ製
(架橋剤)
・N,N’−メチレンビスアクリルアミド:東京化成工業(株)製
(連鎖移動剤)
・n−ドデシルメルカプタン:アルドリッチジャパン(株)製
・t−ドデシルメルカプタン:東京化成工業(株)製
(乳化剤)
・アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム:商品名「エレミノール JS−20」三洋化成工業(株)製
・メルカプト基変性PVA(重合度500、けん化度88mol%):(株)クラレ製
・ラウリル硫酸ナトリウム:商品名「エマール2FG」、花王(株)製
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸:商品名「カオーアキポ RLM−100」花王(株)製
(ラジカル重合開始剤)
・ペルオキソ二硫酸ナトリウム:和光純薬工業(株)製
・過酸化水素水溶液:和光純薬工業(株)製
・クメンヒドロパーオキシド:商品名「パークミルH−80」、日油(株)製
・ペルオキソ二硫酸カリウム(過硫酸カリウム):和光純薬工業(株)製
(遷移金属塩)
・硫酸鉄(II)(7水和物):和光純薬工業(株)製
(金属イオンキレート剤)
・エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム:関東化学(株)製
(増粘抑制剤)
・塩化ナトリウム:和光純薬工業(株)製
・酢酸ナトリウム:和光純薬工業(株)製
(老化防止剤)
・オリゴマー型ヒンダードフェノール:商品名「セロゾールK−840」、中京油脂(株)製
(溶媒)
・イオン交換水:電気伝導率0.08×10−4S/m以下のイオン交換水
(硬質粒子)
・コロイダルシリカ:商品名「スノーテックス ST−C」(濃度20質量%)、日産化学工業(株)製
合成例において、各種分析条件は以下に示す方法に従って行った。
[乳化液中の平均粒子径]
重合体粒子(x)の乳化液(0.1mL)とイオン交換水(10mL)の混合液を動的光散乱測定装置(装置名:FPAR−1000、大塚電子(株)製)を用いて粒子の粒度分布を体積基準で測定し、メディアン径を平均分散粒子径として測定し、乳化液中の平均粒子径とした。
[架橋性基を有する水溶性ポリマーの重合度]
下記合成例において得られた架橋性基を有する水溶性ポリマーの重合度は、JIS K 6726:1994に準じて測定した。
[架橋性基の導入率]
下記合成例において得られた架橋性基を有する水溶性ポリマーの架橋性基の導入率は、プロトンNMRにより測定した。架橋性基のシグナルと水溶性ポリマーのシグナルの積分値の比から導入率が求められる。
(プロトンNMR測定条件)
装置:日本電子株式会社製 核磁気共鳴装置「JNM−ECX400」
温度:25℃
実施例および比較例における評価は、以下に示す方法に従って行った。
[刺激硬化性]
下記実施例1〜9および比較例1〜5により作製したポリマー組成物を硬化させた際に、一体感のあるゲルを形成したものは「良:good」、弱いが何とか一体感を示すゲルを形成したものは「可:fair」、全体が硬化せずゲルとして取り扱えないものは「不良:poor」とした。
[ゲルの引張物性の評価]
実施例1〜9および比較例1〜5で得られたゲルの引張物性を次の手順により測定した。JIS K 6251の3号ダンベルカッターを用いて、2mm厚で作製した各ゲルシートから試験片を切り出した。白色テープを使用して試験片に標点を2つ付け、ノギスでその標点間距離を測定し、マイクロメータで試験片の幅と厚みを測定した。その後、イーストン社製引張試験機に試験片をセットして、画像データを取得しながら100mm/分の速度で引張破断応力および破断歪を測定した。なお、1%、100%の歪に対応するそれぞれの応力から簡易的に初期弾性率を求めた。
[フィルムの引張物性の評価]
実施例10、11および比較例6、7で得られたフィルムの引張物性を次の手順により測定した。温度23℃、相対湿度45%にて14日間フィルムを平衡化した後、JIS K 6251の1号ダンベルカッターを用いて、作製したフィルムから試験片を切り出した。白色テープを使用して試験片に標点を2つ付け、ノギスでその標点間距離を測定し、マイクロメータで試験片の幅と厚みを測定した。その後、イーストン社製引張試験機に試験片をセットして、画像データを取得しながら破断歪を測定した。なお、0.05〜0.25%の歪に対応するそれぞれの応力から初期弾性率を求めた。
[合成例1]
(アクリル酸n−ブチル(BA)/ジシクロペンタニルメタクリレート(TCDMA)粒子)
(工程1)
乾燥させた2Lの耐圧重合槽にイオン交換水240g、「エレミノール JS−20」91.368g、ペルオキソ二硫酸ナトリウム1.08gを添加した後、30分間窒素ガスにてバブリングすることで脱酸素処理を行い、水溶液を得た。該水溶液を60℃に昇温した後、重合体粒子(x)を形成する単量体混合物(アクリル酸n−ブチル:トリメチロールプロパントリメタクリレート:アリルメタクリレート=360:1.8:3.6(質量比))365.4gを脱酸素処理した後、10mL/分の速度で連続的に添加した。
(工程2)
総単量体転化率が99質量%を超えたことを確認した時点で、前記工程1で得られた乳化液に、重合体被膜(y)を形成するジシクロペンタニルメタクリレート45gを脱酸素処理した後、10mL/分の速度で連続的に添加した。
(工程3)
総単量体転化率が99質量%を超えたことを確認した時点で、前記工程2で得られた乳化液を100℃に昇温し、2時間撹拌することで残留重合開始剤の分解処理を行った。重合槽を25℃まで冷却して、被覆重合体粒子(BA/TCDMA粒子)の乳化液を取り出した。乳化液中の平均粒子径は47.4nm、固形分濃度は28質量%であった。重合体粒子(x)のガラス転移温度は−55℃、重合体被膜(y)のガラス転移温度は175℃であった。
[合成例2]
(BA/メルカプト基変性PVA粒子)
(工程1)
乾燥させた2Lのガラス製重合槽に、メルカプト基変性PVAの2質量%水溶液537.12g、硫酸鉄(II)(7水和物)0.0059g、酢酸ナトリウム0.145gを添加し、1規定硫酸水溶液でpH5.0に調整した後、30分間窒素ガスにてバブリングすることで脱酸素処理を行い、水溶液を得た。該水溶液を70℃に昇温した後、アクリル酸n−ブチル133.16g、n−ドデシルメルカプタン0.66gからなる混合物を脱酸素処理した後、一括で添加した。この後0.9質量%過酸化水素水溶液86.74gを2.48mL/分の速度で連続的に添加し、40分間かけて添加が終了するまで撹拌しながら重合を行った。
(工程2)
前記工程1で得られた乳化液に、1規定硫酸水溶液でpH5.0に調整したメルカプト基変性PVAの10質量%水溶液107.42gを脱酸素処理した後、一括で添加した。続いて、アクリル酸n−ブチル133.16g、n−ドデシルメルカプタン0.66gからなる混合物を脱酸素処理した後、一括で添加した。この後0.9質量%過酸化水素水溶液86.74gを2.48mL/分の速度で連続的に添加し、40分間かけて添加が終了するまで撹拌しながら重合を行った。
(工程3)
前記工程2で得られた乳化液に、工程2と同様の操作を行った。
(工程4)
前記工程3で得られた乳化液に、工程3と同様の操作を行った後、4時間撹拌し、総単量体転化率が99.5%を超えたことを確認した時点で、重合槽を25℃まで冷却して、重合体粒子(BA/メルカプト基変性PVA粒子)の乳化液を取り出した。乳化液中の平均粒子径は306.3nm、固形分濃度は33質量%であった。重合体粒子(x)のガラス転移温度は−55℃であった。
[合成例3]
(ブタジエン/スチレン粒子)
クメンヒドロパーオキシド3.45g、ラウリル硫酸ナトリウム3.75g、イオン交換水150gからなる乳化液に脱酸素処理を行い、ラジカル重合開始剤乳化液を得た。乾燥させた0.5Lの耐圧重合槽にイオン交換水200g、ラウリル硫酸ナトリウム5g、硫酸鉄(II)(7水和物)0.032g、エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム0.02g、塩化ナトリウム0.2gを添加した後、30分間窒素ガスにてバブリングすることで脱酸素処理を行い、水溶液を得た。該水溶液を60℃に昇温した後、脱酸素処理した重合体粒子(x)を形成するブタジエン78gを添加した。次いで、前記ラジカル重合開始剤乳化液を0.02mL/分の速度で連続的に添加することで重合を開始した。単量体転化率が95質量%を超えたことを確認した時点で、得られた乳化液に前記ラジカル重合開始剤乳化液を0.02mL/分の速度でフィードしながら、脱酸素処理した重合体被膜(y)を形成する単量体混合物(ブタジエン:スチレン:トリメチロールプロパントリメタクリレート=2.8:19:0.2(質量比))22gを1.7mL/分の速度で連続的に添加した。単量体混合物の添加後、単量体転化率が95質量%を超えたことを確認した時点で、前記ラジカル重合開始剤乳化液の添加を停止させ、重合停止剤であるヒドロキノンの脱酸素水溶液を添加した。重合槽を25℃まで冷却して、被覆重合体粒子(ブタジエン/スチレン粒子)の乳化液を取り出した。
なお、重合開始から重合停止剤添加までの重合時間は10時間であった。該乳化液に老化防止剤として「セロゾールK−840」を0.5g添加し、乳化液中の平均粒子径は48nm、固形分濃度は34質量%であった。重合体粒子(x)のガラス転移温度は−76℃、重合体被膜(y)のガラス転移温度は62℃であった。
[合成例4]
(BA粒子)
「カオーアキポ RLM−100」を3.73gとイオン交換水41.7gを容器に入れ、撹拌しながら炭酸ナトリウム0.44gを仕込み、室温で十分に撹拌し、分散剤を得た。該分散剤を還流管付の反応容器に入れた後、イオン交換水255gを添加し、内容物を室温で30分間窒素ガスにてバブリングすることで脱酸素処理を行った後、70℃に昇温した。その後、予め別の容器でイオン交換水30gにペルオキソ二硫酸カリウム(過硫酸カリウム)(重合開始剤)0.1gを溶解させて前記同様の方法で脱酸素処理を行ったペルオキソ二硫酸カリウム(過硫酸カリウム)水溶液3.01gを添加した。
次いで、アクリル酸n−ブチルとt−ドデシルメルカプタンとを混合した溶液(脱酸素処理済み)を、フィードポンプを用いて85分かけて連続添加した。添加終了後、1時間保持し、さらに90℃に昇温して2時間加熱した。重合槽を25℃まで冷却して、重合体粒子(BA粒子)の乳化液を取り出した。乳化液中の平均粒子径は93nm、固形分濃度は31質量%であった。重合体粒子(x)のガラス転移温度は−55℃であった。
[合成例5]
[架橋性基を有する水溶性ポリマーの合成1]
40g(モノマー繰り返し単位:911mmol)の「PVA117」を1Lのジムロート冷却管を備えたセパラブルフラスコに入れ、350mLのDMSOを加えてメカニカルスターラーにて撹拌を開始した。ウオーターバスにより80℃まで温度を上昇させて、撹拌を4時間続けた。PVAが溶解したことを目視で確認し、加熱撹拌しながらメタクリル酸ビニル1.2g(10.8mmol)を直接加え、さらに80℃で3時間撹拌した。放冷後、2Lのメタノール中に撹拌しながら反応溶液を注ぎいれた。撹拌を止め、1時間そのまま放置した。得られた固体を回収した後、さらに1Lのメタノールに1時間浸漬して洗浄した。この洗浄作業を合計3回行った。回収した固体を室温で一晩真空乾燥してメタクリロイルオキシ化PVAを得た。メタクリロイルオキシ基導入率はPVAのモノマー繰り返し単位に対して1.2mol%であった(以下、MA−PVA117(1.2)と略称する)。
[合成例6〜8]
[架橋性基を有する水溶性ポリマーの合成2〜4]
合成例5と同じ方法を用いて、PVAの重合度およびメタクリロイルオキシ基導入率を種々変更したメタクリロイルオキシ化PVAを製造した(表1)。
[合成例9]
[架橋性基を有する水溶性ポリマーの合成5]
60g(モノマー繰り返し単位:1.36mol)の「PVA117」を1Lのジムロート冷却管を備えたセパラブルフラスコに入れ、540mLのイオン交換水を加えてメカニカルスターラーにて撹拌を開始した。ウオーターバスにより80℃まで温度を上昇させて、撹拌を4時間続けた。PVAが溶解したことを目視で確認し、40℃まで温度を低下させた。40℃で撹拌しながら5−ノルボルネン−2−カルボキシアルデヒド2.5g(20.5mmol)、10vol%硫酸水溶液22mLを直接加え、さらに40℃で4時間撹拌した。放冷後、1規定NaOH水溶液を80mL添加して中和し、分画分子量3500の透析膜に入れて脱塩した(5Lのイオン交換水に対して4回実施)。2Lのメタノール中に撹拌しながら脱塩後の水溶液を注ぎいれ、1時間そのまま放置した。得られた固体を回収した後、さらに1Lのメタノールに1時間浸漬して洗浄した。回収した固体を室温で一晩真空乾燥してノルボルネン化PVAを得た。ノルボルネン導入率はPVAのモノマー繰り返し単位に対して1.3mol%であった(以下、Nor−PVA117(1.3)と略称する)。
Figure 2020166517
[実施例1]
20gのMA−PVA117(1.2)に80mLのイオン交換水を加えて80℃にて4時間撹拌しながら溶解し、MA−PVA溶液を得た。該MA−PVA溶液15gに合成例1のBA/TCDMA粒子の乳化液(固形分濃度28質量%)を4.5g、イオン交換水を10.5g加えて撹拌した。続けて、水溶性光重合開始剤である「Irgacure2959」を0.1質量%となるように加えてポリマー組成物を作製した。
次いで、2mm厚のスペーサーを挟み込んだガラス板間にポリマー組成物を流し込み、(株)GSユアサ製メタルハライドランプを用いて145mW/cm(照射エネルギー量:1200mJ/cm)の紫外線(UV)を照射したところ十分に硬化し、一体感のあるゲルが得られた。
[実施例2、3]
水溶性ポリマーおよび重合体粒子の配合量や種類を表2に示した通りに変更した以外は実施例1と同様の方法でゲルを作製した。
[実施例4]
実施例1で作製したMA−PVA溶液15gに合成例2のBA/メルカプト基変性PVA粒子の乳化液(固形分濃度33質量%)を0.9g、イオン交換水を14.1g加えて撹拌した。続けて、レドックス系重合開始剤である30mgの過硫酸アンモニウム(APS)およびN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)を45μL添加して撹拌した。その後、レドックス系重合開始剤を添加してポリマー組成物を作製した後、迅速に2mm厚のスペーサーを挟み込んだガラス板間に該ポリマー組成物を流し込み、1時間室温で硬化させたところ十分に硬化し、一体感のあるゲルが得られた。
[実施例5〜9]
水溶性ポリマーおよび重合体粒子の配合量や種類を表2に示した通りに変更した以外は実施例1と同様の方法でゲルを作製した。
[比較例1]
10gのMA−PVA117(1.2)に90mLのイオン交換水を加えて80℃にて4時間撹拌しながら溶解し、MA−PVA溶液を得た。該MA−PVA溶液15gに光重合開始剤として0.1質量%の「Irgacure2959」を加え、実施例1と同様の方法でUVを照射したところ十分に硬化し、一体感のあるゲルが得られた。
[比較例2]
MA−PVA117(1.2)に代えて、MA−PVA117(0.6)を使用した以外は比較例1と同様の方法でUVを照射したところ十分に硬化し、一体感のあるゲルが得られた。
[比較例3]
10gのMA−PVA117(1.2)に90mLのイオン交換水を加えて80℃にて4時間撹拌しながら溶解し、MA−PVA溶液を得た。該MA−PVA溶液を実施例4と同様の方法で硬化させたところ十分に硬化し、一体感のあるゲルが得られた。
[比較例4]
特許文献6を参考に第1のポリマーと第2のポリマーから形成される相互侵入型ゲルを以下のように作製した。1mol/Lの2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、0.04mol/LのN,N’−メチレンビスアクリルアミド(MBAA)、および光重合開始剤として0.001mol/Lのα−ケトグルタル酸を含む水溶液100mLにUVを7時間照射して重合を行い、架橋度4mol%のポリAMPSゲル(PAMPSゲル)を得た。得られたPAMPSゲルを熱乾燥機に1日入れて乾燥させ、乳鉢に入れて粉砕することでPAMPSゲルの粒子を得た(以下、第1のポリマーと称することがある)。
一方、N,N−ジメチルアクリルアミド(DAAm)1mol/Lに対し、架橋剤としてDAAmに対して0.01mol%のMBAAと、水溶性光重合開始剤としてモノマー溶液に対して0.1質量%の「Irgacure2959」とを含むモノマー溶液を作製した(以下、第2のポリマーを形成するモノマー溶液と称することがある)。
第1のポリマーと第2のポリマーを形成するモノマー溶液との比率が質量比で1:30となるような量で、第2のポリマーを形成するモノマー溶液に、第1のポリマーの粒子を投入した。この溶液を実施例1と同様の方法でUVを照射したところ、全体が硬化せず一体感のあるゲルが得られなかった。
[比較例5]
比較例5では比較例4にて製造した第1のポリマーと第2のポリマーから形成される相互侵入型ゲルをレドックス系重合開始剤により作製した。1mol/LのDAAmに対し、架橋剤としてDAAmに対して0.01mol%のMBAAを含むモノマー溶液を作製した。比較例2で作製した第1のポリマーとモノマー溶液との比率が質量比で1:30となるような量で混合した。溶液を実施例4と同様の方法で硬化させたところ、弱いが何とか一体感を示すゲルが得られた。
実施例1〜9および比較例1〜5におけるポリマー組成物の配合およびゲルの評価結果を表2に示す。
Figure 2020166517
[実施例10]
10gのMA−PVA117(0.3)に90mLのイオン交換水を加えて80℃にて4時間撹拌しながら溶解し、MA−PVA溶液を得た。該MA−PVA溶液50gに合成例4のBA粒子の乳化液(固形分濃度31質量%)を1.6g、イオン交換水を48.4g加えて撹拌した。続けて、水溶性光重合開始剤である「Irgacure2959」を0.1質量%となるように加えてポリマー組成物を作製した。
次いで、20cm×20cmのPETフィルムで作製したトレーにポリマー組成物60gを流し入れ、室温にて乾燥した後、(株)GSユアサ製メタルハライドランプを用いて145mW/cm(照射エネルギー量:1200mJ/cm)の紫外線(UV)を照射してフィルムを作製した。
[実施例11]
重合体粒子の配合量を表3に示した通りに変更した以外は実施例10と同様の方法でフィルムを作製した。
[比較例6]
実施例10で作製したMA−PVA溶液50gにイオン交換水を50g加えて撹拌した。続けて、水溶性光重合開始剤である「Irgacure2959」を0.1質量%となるように加えて実施例10と同様にしてフィルムを作製した。
[比較例7]
実施例10で作製したMA−PVA溶液50gにコロイダルシリカ(日産化学(株)製「スノーテックス ST−C」(濃度20質量%))2.5g、イオン交換水を47.5g加えて撹拌した。続けて、水溶性光重合開始剤である「Irgacure2959」を0.1質量%となるように加えて実施例10と同様にしてフィルムを作製した。
実施例10〜11および比較例6〜7におけるポリマー組成物の配合およびフィルムの評価結果を表3に示す。本発明のフィルムは高い破断歪を示し、重合体粒子を含まないフィルムに比べて機械的強度が向上したことが分かる。
Figure 2020166517
本発明によれば、硬化性と安全性に優れ、機械的強度が高いゲル、フィルムおよび粒子が得られるため、例えば紙おむつや生理用品などの衛生用品、コンタクトレンズや創傷被覆材などの体外で使用する医療機器、衝撃吸収材料、制振・防音材料などに限らず、医療機器の表面コーティングや人工臓器などのより高度な医療機器、現場施工が必要な土壌改良材などの土木・建築用材料、保水材料などの農業用資材、オンディマンドで成形する3Dプリンター用の硬化性原料など様々な分野への展開が期待される。

Claims (9)

  1. 架橋性基を有する水溶性ポリマー、およびガラス転移温度が40℃以下である重合体粒子(x)を含む、ポリマー組成物。
  2. 前記架橋性基がエチレン性不飽和基である、請求項1に記載のポリマー組成物。
  3. 前記エチレン性不飽和基が、ビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニルフェニル基、ノルボルネニル基、およびこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種である、請求項2に記載のポリマー組成物。
  4. 前記架橋性基の導入率が、前記架橋性基を有する水溶性ポリマーの繰り返し単位に対して0.01〜10mol%である、請求項1〜3のいずれかに記載のポリマー組成物。
  5. 前記重合体粒子(x)の平均粒子径が0.01〜10μmである、請求項1〜4のいずれかに記載のポリマー組成物。
  6. 前記重合体粒子(x)が、共役ジエン、芳香族ビニル化合物および(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体単位を含む重合体粒子である、請求項1〜5のいずれかに記載のポリマー組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のポリマー組成物を架橋してなるゲル。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載のポリマー組成物を乾燥および架橋してなるフィルム。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載のポリマー組成物を乾燥および架橋してなる粒子。
JP2020572224A 2019-02-12 2020-02-07 ポリマー組成物、ゲル、フィルムおよび粒子 Pending JPWO2020166517A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019022718 2019-02-12
JP2019022718 2019-02-12
PCT/JP2020/004881 WO2020166517A1 (ja) 2019-02-12 2020-02-07 ポリマー組成物、ゲル、フィルムおよび粒子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2020166517A1 true JPWO2020166517A1 (ja) 2021-12-16

Family

ID=72045312

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020572224A Pending JPWO2020166517A1 (ja) 2019-02-12 2020-02-07 ポリマー組成物、ゲル、フィルムおよび粒子

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2020166517A1 (ja)
WO (1) WO2020166517A1 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9804295B2 (en) * 2005-05-05 2017-10-31 Novartis Ag Ophthalmic devices for sustained delivery of active compounds
JP2008184495A (ja) * 2007-01-29 2008-08-14 Kuraray Co Ltd 架橋性水性分散液およびその製造方法、並びに接着剤およびコーティング剤
JP2012184417A (ja) * 2011-02-17 2012-09-27 Mitsui Chemicals Inc アクリル系水分散体およびそれからなる積層体
KR102157157B1 (ko) * 2012-07-17 2020-09-17 제온 코포레이션 이차 전지용 부극 및 이차 전지
JP2014032811A (ja) * 2012-08-02 2014-02-20 Kuraray Co Ltd 高分子電解質膜
WO2014141721A1 (ja) * 2013-03-15 2014-09-18 日本ゼオン株式会社 二次電池用バインダー組成物、二次電池用スラリー組成物、二次電池用負極、および、二次電池
JP6623531B2 (ja) * 2015-03-10 2019-12-25 東洋インキScホールディングス株式会社 ポリビニルアルコール系組成物
JP6884068B2 (ja) * 2017-08-18 2021-06-09 株式会社クラレ 刺激硬化性ゲル

Also Published As

Publication number Publication date
WO2020166517A1 (ja) 2020-08-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6884068B2 (ja) 刺激硬化性ゲル
RU2368627C2 (ru) Гидрогель
JP7410871B2 (ja) 単分散性ハイドロゲル粒子
JP4733471B2 (ja) コンタクトレンズの製造方法およびそれにより得られたコンタクトレンズ
CN106749982A (zh) 生物墨水
JP2002513059A (ja) 機械的に安定なヒドロゲル
JP7463299B2 (ja) ハイドロゲル形成用組成物、ハイドロゲル、及びハイドロゲル形成用組成物の製造方法
JP7014485B2 (ja) ポリビニルアルコール系相互貫入型ゲル
JP2011153174A (ja) 有機無機複合ヒドロゲル及びその乾燥体並びにそれらの製造方法
JPWO2020166517A1 (ja) ポリマー組成物、ゲル、フィルムおよび粒子
JP5262091B2 (ja) 高分子分散剤及び分散化用溶液
JP7251123B2 (ja) 高分子ゲル製造用溶液、高分子ゲル、高分子ゲルの製造方法
JP6119568B2 (ja) 高強度ゲル
WO2012023449A1 (ja) カルボキシル基含有重合体組成物の製造方法およびカルボキシル基含有重合体組成物
JP5133209B2 (ja) オルガノゲルおよびその製造方法
JPH0656933A (ja) 吸水性樹脂およびその製造方法
JP6163287B2 (ja) ゲルの製造方法
JP5544719B2 (ja) ゲルおよびその製造方法
JP2011132491A (ja) ゲル、ゲル乾燥体およびそれらの製造方法
JP2009185258A (ja) ハイドロゲルおよびその製造方法
JP2004307574A (ja) カチオン性高分子ゲル及びそれを用いた薬物徐放性高分子ゲル
WO2021187530A1 (ja) 高強度ゲル
KR20180069421A (ko) 에폭시 수지용 충격 보강제, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 에폭시 수지 조성물
JP7276161B2 (ja) 光硬化性組成物、造形物及びハイドロゲル
JP2703125B2 (ja) 感光性マイクロゲルを含む感光性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231017

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240405