JPWO2020166279A1 - 細胞シート形成部材、基材、および、細胞シート形成部材の製造方法 - Google Patents

細胞シート形成部材、基材、および、細胞シート形成部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

細胞シート形成部材は、細胞シートを形成するための表面を備え、表面は、細胞の接着が優勢な平坦部と、細胞の接着が平坦部に対して劣勢な凹凸部とを備え、平坦部は、表面と対向する方向から見て、円形形状または多角形形状を有し、少なくとも平坦部に細胞塊が形成されるように構成されている。

Description

本開示は、細胞塊が形成された細胞シートを形成するための細胞シート形成部材、基材、および、細胞シート形成部材の製造方法に関する。
創薬開発の分野において、培養細胞は薬剤スクリーニング、薬剤スクリーニング、薬剤の安全性評価、毒性試験、再生医療などに利用されており、これらの分野では、生体内組織と同様な、三次元組織が用いられることがある。(特許文献1参照)。
国際公開第2007/097120号
ところで、薬剤スクリーニングや毒性試験の分野においても、iPS細胞などの幹細胞を使用する試験が導入されつつある。しかしながら、細胞塊などの三次元組織を用いる試験法は、三次元組織化する手法が煩雑である。
本開示の目的は、細胞塊を含む細胞シートを容易に形成することを可能とした細胞シート形成部材、基材、および、細胞シート形成部材の製造方法を提供することにある。
本開示の一態様に係る細胞シート形成部材は、細胞シートを形成するための表面を備え、前記表面は、細胞の接着が優勢な平坦部と、前記細胞の接着が前記平坦部に対して劣勢な凹凸部とを備え、前記平坦部は、前記表面と対向する方向から見て、円形形状または多角形形状を有し、少なくとも前記平坦部に細胞塊が形成されるように構成されている。
上記構成によれば、細胞塊が平坦部に形成され、凹凸部の細胞が凝集して形成された細胞塊の少なくとも一部が平坦部に接着することで、細胞塊が遊離しにくいものとなる。したがって、細胞塊の識別、細胞塊の大きさや拍動などの動きの計測が容易となる。また、画像処理などの解析を行い易くなる。
上記細胞シート形成部材において、前記凹凸部における凸部のピッチは、10nm以上、10μm以下であることが好ましい。上記構成によれば、凹凸部の細胞は、接着性が低下し、凝集可能となり、細胞塊を形成し易くなる。
上記細胞シート形成部材において、前記平坦部の面積は、100μm以上、10000μm以下であることが好ましい。上記構成によれば、細胞塊が確実に平坦部に接着される。
本開示の一態様に係る基材は、以上のような細胞塊形成部材の表面に細胞塊が形成されている。上記構成によれば、基材に固定された状態で平坦部に接着された細胞塊の識別、細胞塊の大きさや拍動などの動きの計測が容易となる。また、画像処理などの解析を行い易くなる。
本開示の一態様に係る細胞シート形成部材の製造方法は、凹版を形成することと、細胞シートを形成するための細胞シート形成部材の表面を前記凹版の転写によって形成することとを含み、前記表面は、細胞の接着が優勢な平坦部と、前記細胞の接着が前記平坦部に対して劣勢な凹凸部とを備え、前記凹版は、前記平坦部を成形する平坦成形部と、前記凹凸部を成形する凹凸成形部とを備え、前記凹版を形成することは、前記平坦成形部および前記凹凸成形部を、フォトリソグラフィー法、コロイダルリソグラフィー法、陽極酸化法、および、干渉露光法の少なくとも1種を用いて形成することを含む。
本開示の別の態様に係る細胞シート形成部材は、細胞シートを形成するための表面を備え、前記表面は、細胞の配向性を制御するための配向性制御部と、前記細胞が凝集され細胞塊を形成するための細胞塊形成部とを備え、前記配向性制御部は、第1方向に延びる形状を有し、かつ、前記第1方向と交差する第2方向に並ぶ第1平坦部と、相互に隣り合う前記第1平坦部の間を埋める第1凹凸部とを備え、前記細胞塊形成部は、前記配向性制御部に隣接する第2平坦部と、前記配向性制御部に隣接し、かつ、前記第2平坦部と繋がる第2凹凸部とを備え、前記第2平坦部に少なくとも細胞塊の一部が形成されるように構成されている。
上記構成によれば、配向性制御部では、第1方向に、細胞の伸長方向を揃えることができる。結果として、二次元方向に広がる細胞シートにおいて、細胞の配向性を向上させることができる。また、細胞塊形成部では、第2平坦部に、第2凹凸部に位置する細胞が凝集され、少なくとも細胞塊の一部が第2平坦部に接着する。これにより、細胞塊が第2平坦部に形成され、細胞塊が第2平坦部に接着されることで、遊離しにくいものとなる。したがって、細胞塊の識別、細胞塊の大きさや拍動などの動きの計測が容易となる。また、画像処理などの解析を行い易くなる。
上記細胞シート形成部材において、前記第2平坦部は、前記第1凹凸部に挟まれて位置していることが好ましい。上記構成によれば、配向性を有する細胞の近くに細胞塊を形成することができる。
上記細胞シート形成部材において、前記第2凹凸部は、前記第1凹凸部に挟まれて位置していることが好ましい。上記構成によれば、配向性を有する細胞の近くの細胞で細胞塊を形成することができる。
上記細胞シート形成部材において、前記第2平坦部は、50μm以上、200μm以下の前記第2方向の長さと、100μm以上の前記第1方向の長さとを有することが好ましい。上記構成によれば、第2平坦部には、第2凹凸部に位置する細胞が凝集し、少なくとも細胞塊の一部を第2平坦部に接着することができる。
上記細胞シート形成部材において、前記第2凹凸部において隣り合う前記配向性制御部に挟まれた部分の前記第2方向の長さが50μm以上、1mm以下であり、前記第2凹凸部における凸部のピッチは、10nm以上、10μm以下であることが好ましい。上記構成によれば、第2凹凸部に位置する細胞が凝集し易くなる。
上記細胞シート形成部材において、前記第1凹凸部は、10μm以上、50μm以下の前記第2方向の長さと、100μm以上の前記第1方向の長さとを有することが好ましい。上記構成によれば、二次元方向に広がる細胞シートにおいて、細胞の配向性を向上させることができる。
本開示の別の態様に係る基材は、以上のような細胞塊形成部材の表面に細胞塊が形成されている。上記構成によれば、基材に固定された状態で平坦部に接着された細胞塊の識別、細胞塊の大きさや拍動などの動きの計測が容易となる。また、画像処理などの解析を行い易くなる。上記基材において、前記配向性制御部には、前記第1方向に配向性を有した細胞が形成されていることが好ましい。
本開示の別の態様に係る細胞シート形成部材の製造方法は、凹版を形成することと、細胞シートを形成するための細胞シート形成部材の表面を前記凹版の転写によって形成することとを含み、前記表面は、細胞の配向性を制御するための配向性制御部と、前記細胞が凝集され細胞塊を形成するための細胞塊形成部とを備え、前記配向性制御部は、第1方向に延びる形状を有し、かつ、前記第1方向と交差する第2方向に並ぶ第1平坦部と、相互に隣り合う前記第1平坦部の間を埋める第1凹凸部とを備え、前記細胞塊形成部は、前記配向性制御部に隣接する第2平坦部と、前記配向性制御部に隣接し、かつ、前記第2平坦部と繋がる第2凹凸部とを備え、前記凹版は、前記第1平坦部を成形する第1平坦成形部と、前記第1凹凸部を成形する第1凹凸成形部と、前記第2平坦部を成形する第2平坦成形部と、前記第2凹凸部を成形する第2凹凸成形部とを備え、前記凹版を形成することは、前記第1凹凸成形部および前記第2凹凸成形部を、フォトリソグラフィー法、コロイダルリソグラフィー法、陽極酸化法、および、干渉露光法の少なくとも1種を用いて形成することを含む。
細胞シート形成部材をシャーレとともに示す斜視図。 (a)は、第1実施形態における細胞シート形成部材の平面図、(b)は、図2(a)において矢印で示した範囲の断面図。 図2(a)に示す第1実施形態における細胞シート形成部材の製造方法の一例を説明するための図。 (a)は、第2実施形態における細胞シート形成部材の平面図、(b)は、図4(a)において矢印で示した範囲の断面図、(c)は、図4(a)の細胞シート形成部材の配向性制御部の斜視図、(d)は、図4(a)の細胞シート形成部材の配向性制御部の表面を走査電子顕微鏡によって撮影した画像。 図4(a)に示す第2実施形態における細胞シート形成部材の製造方法の一例を説明するための図。 (a)〜(c)は、細胞シートの製造過程を説明するための模式図。 (a)〜(c)は、細胞シートの製造過程を説明するための模式図。 (a)〜(c)は、細胞シートの製造過程を説明するための模式図。 本開示に係る細胞シート形成部材を用いて培養した筋芽細胞の蛍光染色画像。 参考例としての細胞培養シャーレを用いて培養した筋芽細胞の蛍光染色画像。
以下、細胞シート形成部材、細胞シート形成部材の製造方法、および、細胞シートの製造方法の一実施形態について説明する。まず、細胞シート形成部材の構成を説明し、次いで、細胞シート形成部材の製造方法、細胞シートの製造方法を説明する。
[第1実施形態]
[細胞シート形成部材]
図1に示すように、細胞シート形成部材100は、例えば、シャーレの培養皿110に配置されるシート材である。細胞シート形成部材100は、培養皿110に載置されるものであってもよいし、シャーレを直接加工して設けるものであってもよい。シャーレに直接加工して設ける場合、細胞シート形成部材100は、例えばシャーレを射出成型するときにインサート成形される。シャーレは、培養皿110と蓋120とに囲まれた空間に細胞懸濁液を保持する。細胞懸濁液に含まれる細胞は接着性の細胞であれば特に限定されないが、生体内の各組織由来の細胞や幹細胞、ES細胞やiPS細胞から分化誘導した種々の細胞等を使用できる。
図2(a)に示すように、第1実施形態における細胞シート形成部材100の表面111は、複数の平坦部130と、平坦部130の周囲に設けられる複数の凹凸部140とを備える。表面111と対向する方向から見て、各平坦部130は、表面111と対向する側から見て、例えば円形状を有する。または、三角形、四角形、六角形などの多角形形状を有していてもよい。凹凸部140は、凹部と凸部141の段差構造とを備え、段差構造は、島状領域となる平坦部130の間を埋める。平坦部130は、細胞の接着が優勢であり、凹凸部140は、細胞の接着が平坦部130に対して劣勢である。図2(b)に示すように、基材に播種した細胞は、培養初期は基材に単層で広がった状態で培養されるが、一定時間経過すると、自然に凹凸部140に位置する細胞が凝集し、球形状や棒形状をした細胞塊11を形成する。そして、細胞塊11は、少なくとも一部が平坦部130に接着し、表面111からの脱離は無く遊離しなくなる。細胞塊11は、ほぼ全体が平坦部130に接着されていることもある。
凹凸部140を構成する各凸部141は、表面111と対向する方向から見て、例えば、三角格子の各頂点に位置する。各凹凸部140は、凸部141のこうした配列を、第1方向、および、第2方向に繰り返す。三角格子の各頂点に凸部141が位置する凹凸部140であれば、凸部141を形成するための原盤を、微小な繰り返し構造を形成することに適したマスク、例えば、単粒子膜をマスクとしたエッチング法によって形成することが可能となる。
凹凸部140における凸部141のピッチは、下記の(A)を満たすことが好ましい。
(A)凹凸部140における凸部141のピッチ:10nm以上、10μ以下。好ましくは、100nm以上、5μm以下。より好ましくは、300nm以上、5μm以下。更により好ましくは、500nm以上、2μm以下。
また、平坦部130の面積は、下記の(B)を満たすことが好ましい。
(B)平坦部130の面積:100μm以上、10000μm以下。
凸部141は、(A)の条件を満たすことで、培養初期には基材に単層で広がった細胞が凝集し易くなり、細胞塊11を形成することができる。また、平坦部130は、(B)の条件を満たすことで、細胞塊11が接着され、遊離しにくくなる。そして、細胞塊11は遊離しないため、細胞塊11の識別、細胞塊11の大きさや拍動などの動きの計測が容易となる。また、画像処理などの解析を行い易くなる。
なお、(A)の条件において、凸部141のピッチが、たとえば300nm以下であれば、細胞シートを透過した可視光が、凸部141によって干渉されにくい。凸部141の干渉によって表示される色は、顕微鏡を使用した細胞シートの観察を複雑にする。こうした視認性の観点において、凸部141のピッチは10nm以上300nm以下が好ましい。一方、凸部141のピッチが大きいほど、射出成形等によって樹脂表面に凸部の微細構造を正確に形成することができる。たとえば、凸部141のピッチが500nm以上であれば、樹脂表面への微細構造の形成は容易である。こうした加工性の観点において、凸部141のピッチは500nm以上10μm以下であることが好ましい。
[細胞シート形成部材の製造方法]
次に、細胞シート形成部材の製造方法の一例について説明する。なお、以下の説明では、ナノインプリント法を用いて、細胞シート形成部材の表面111を、凹版150の転写によって形成する例を説明する。
図3に示すように、細胞シート形成部材の製造方法は、凹版150を形成する工程と、細胞シート形成部材100の表面111を凹版150の転写によって形成する工程とを含む。
凹版150の下面は、複数の平坦部130を成形する平坦成形部151と、凹凸部140を成形する凹凸成形部152とを備える。凹版150を形成する工程では、例えば、凹版150を形成するためのシリコン基板に対して、フォトリソグラフィー法、コロイダルリソグラフィー法、陽極酸化法、および、干渉露光法の少なくとも1種を用いて、凹凸部が形成される。また、凹版150自体を原盤からの1回、あるいは複数回の転写によって得てもよい。原盤には、例えば、シリコン基板に対するフォトリソグラフィー法、コロイダルリソグラフィー法、陽極酸化法、および、干渉露光法の少なくとも1種を用いて凹版150の表面形状に対応する形状が作り込まれている。
次に、細胞シート形成部材100を形成するための基材160の表面111に、凹版150の下面を対向させる。基材160の形成材料は、例えば、熱可塑性樹脂や光硬化性樹脂である。そして、基材160が流動性を有する状態で、基材160の表面111に、凹版150の下面を押し付ける。次いで、基材160の流動性を抑えた状態で、凹版150を基材160の表面111から離型する。これによって、基材160の表面111に凹版150の成形部151,152が転写され、平坦部130と凹凸部140とが形成される。
基材160の形成材料の熱可塑性樹脂や光硬化性樹脂の表面に、細胞の接着性を高めることを目的として、例えば、ラミニン、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ポリーリシン(PDLまたはPLL)、ヒアルロン酸などの細胞外マトリックス、ポリマー、ゲルなどの接着因子を含む有機物が塗布されていてもよい。また、基材160の形成材料として、多糖類やタンパク質などの生体材料を用いてもよい。
[細胞シートの製造方法]
次に、細胞シート形成部材100を用いて製造される細胞シートについて説明する。
細胞シート形成部材100の表面111上に位置する細胞懸濁液は、例えば、細胞塊11を形成する細胞を含んでいる。この際、表面111に播種された細胞は、培養初期は表面111に単層で広がった状態で培養される。そして、一定時間経過すると、自然に、凹凸部140に位置する細胞が凝集し、少なくとも平坦部130上に球形状や棒形状をした細胞塊11を形成する。細胞塊11は、少なくとも一部が平坦部130に接着され遊離しないようになっていればよい。細胞塊11は、全体が平坦部130に接着されている場合もあれば、一部が平坦部130に接着されている場合もある。何れの場合であっても、細胞塊11は、表面111からの脱離は無く遊離しにくいものとなる。
<実施例1>
上記実施形態に記載の細胞シート形成部材、細胞シート形成部材の製造方法、および、細胞シートの製造方法における実施例1を以下に説明する。
<細胞シート形成部材の作製>
図2(a)および図2(b)に示すように、凹凸部140の内側に複数個の平坦部130を持つ細胞シート形成部材100を、転写によって形成するためのニッケル製凹版を作製した。次いで、ニッケル製凹版をスタンパとして用い、ナノインプリント法によって、温度応答性ポリマー(PIPAAm)を基材表面に固定したポリスチレンシートに凹凸部140、および平坦部130を加工し、それによって、実施例1の細胞シート形成部材100を作製した。実施例1の細胞シート形成部材100における凹凸部140は、複数の段差構造を備え、凹凸部140における凸部141のピッチは300nmであった。凹凸部140における各凸部141の高さはAFMを用いて測定し、凹部142の底面から凸部141の先端までの高さの平均は、446nmであった。また、凹部142の底面から平坦部130までの高さの平均は455nmであった。平坦部130は直径が12μmの円形を有し、隣接する平坦部130との最短距離は、50μmであった。そして、実施例1の細胞シート形成部材100は、直径8.8mmの円形に裁断し、滅菌処理としてUV照射を行った後に、細胞培養試験に使用した。
<細胞培養試験>
先ず、マウス由来の心筋細胞(コスモバイオ社製)を細胞培養用フラスコ(25cm)で培養した。培養条件は、専用培地を用い、37℃、5%CO雰囲気下で行った。細胞の回収にはトリプシンを用い、定法に従い実施した。回収した細胞について血球計算版を用いて細胞数を計測した。
次いで、細胞培養用マルチウェルプレート(48孔)の底面に、直径8.8mmの円形に裁断した実施例1の細胞シート形成部材100を設置した。4×10細胞/mlの濃度に調整した心筋細胞を0.2mlずつ播種した。COインキュベーターで24時間培養した後に培地交換を行い、1日おきに培地交換を行い、細胞の形状を観察した。
培養開始日を0日として、培養2日後には細胞が単層でコンフルエント状態に増殖し、4日後には、細胞が球状に凝集した細胞塊が形成された。細胞塊は、平坦部130に接着しており、培地交換によって基材から遊離することは無かった。次に、細胞シート形成部材100を設置した細胞培養用マルチウェルプレートを20℃のインキュベーターに30分静置した。静置後に、ウェル内の培地をピペッティングし、遊離した細胞塊を培地とともに15mlの遠沈管に回収した。
上記第1実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1−1)平坦部130には、凹凸部140に位置する細胞が凝集し、少なくとも一部が平坦部130に接着する。これにより、細胞塊11が平坦部130に形成され、細胞塊11は、平坦部130に接着することで、遊離しにくいものとなる。したがって、平坦部130に細胞塊11が接着されている状態において、細胞塊11の識別、細胞塊11の大きさや拍動などの動きの計測が容易となる。また、画像処理などの解析を行い易くなる。
(1−2)凹凸部140における凸部141のピッチは、10nm以上、10μm以下である。これにより、凹凸部140の細胞は、接着性が低下し、凝集可能となり、細胞塊11を形成し易くなる。
(1−3)平坦部130の面積が100μm以上、10000μm以下であることで、細胞塊11は、確実に平坦部130に接着される。
なお、上記第1実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・各平坦部130の面積は、100μm以上、10000μm以下に限定されるものではない。すなわち、各平坦部130は、細胞塊11が遊離しない程度に細胞塊11の少なくとも一部が接着するだけの面積を有していていればよい。
・凹凸部140における凸部141のピッチは、細胞を表面111上に保持できる程度であれば、10nm以上、10μm以下に限定されるものではない。
・凹凸部140において、凸部141の有する形状は、円錐や角錐などの錐状、円柱や角柱などの柱状、円錐台や角錐台などの錐台状、および、半球状の何れか1種とすることが可能である。
・凹凸部140において、凸部141の位置は、四角格子上の各格子点、六角格子上の各格子点、さらには、凹凸部140において不規則とすることも可能である。
・凹凸部140の高さは、平坦部130の高さと同じであってもよいし、高くてもよいし、低くてもよい。
[第2実施形態]
[細胞シート形成部材]
図4(a)に示すように、第2実施形態における細胞シート形成部材200の表面211は、培養する細胞の配向性を制御する配向性制御部201と、細胞塊を形成するための細胞塊形成部202とを備えている。表面211には、複数の配向性制御部201が形成され、各配向性制御部201に隣接して細胞塊形成部202が形成されている。
[配向性制御部]
図4(b)に示すように、配向性制御部201は、複数の第1平坦部230と、複数の第1凹凸部240とを備える。第1凹凸部240は、第1方向に延び、かつ、第2方向に並んで形成されている。各第1凹凸部240は、段差構造(第1段差構造)を有し、段差構造は、相互に隣り合う第1平坦部230の間を埋める。段差構造は、凸部、または、凹部である。なお、本実施形態における段差構造は、凸部241であり、第1凹凸部240は、相互に隣り合う第1平坦部230に挟まれた凹部と、凹部の底面に位置する複数の凸部241とを備える。
各第1平坦部230は、1つの方向である第1方向に延びる平坦面である。第1平坦部230は、表面211の全体において、第1方向と直交する第2方向に並ぶ。第1凹凸部240もまた、第1方向に延び、かつ、第2方向に並ぶ。
図4(c)に示すように、第1凹凸部240を構成する各凸部241は、表面211と対向する方向から見て、例えば、三角格子の各頂点に位置する。各第1凹凸部240は、凸部241のこのような配列を、第1方向、および、第2方向に繰り返す。三角格子の各頂点に凸部241が位置する第1凹凸部240であれば、凸部241を形成するための原盤を、微小な繰り返し構造を形成することに適したマスク、例えば、単粒子膜をマスクとしたエッチング法によって形成することが可能となる。
表面211と対向する方向から見て、各凸部241は、例えば円形状を有する。相互に隣り合う凸部241の中心間の距離の最頻値は、凸部241のピッチである。また、凸部241の平面視形状における凸部の最大幅は、凸部241の直径である。
凸部241のピッチである第1ピッチが下記(C)および(D)を満たす構成は、動物細胞、特に上述した筋芽細胞、線維芽細胞、および、心筋細胞の伸長方向を第1方向に揃える観点において好適である。すなわち、凸部241のピッチが下記(C)および(D)を満たす構成は、動物細胞、ヒト・マウスなどの筋芽細胞、線維芽細胞、および、心筋細胞などの接着に対する優劣が、第1平坦部230と第1凹凸部240との間で明確に区画される観点において好適である。
(C)凸部241の第1ピッチ:10nm以上、10μm以下。好ましくは、100nm以上、10μm以下。より好ましくは、100nm以上、5μm以下。更により好ましくは、500nm以上、2μm以下。
(D)凸部241の直径:凸部241のピッチの50%以上、100%以下。
各第1平坦部230の第2方向(短辺方向)での長さは、第1平坦部230の幅である。また、相互に隣り合う第1平坦部230間の第2方向(短辺方向)での長さは、第1凹凸部240の幅である。
第1平坦部230の幅、および、第1凹凸部240の幅は、例えば、培養の対象となる細胞の大きさ(5μm以上、100μm以下)の1/10倍以上10倍以下である。第1平坦部230の幅、および、第1凹凸部240の幅が下記(E)および(F)を満たす構成は、動物細胞、特に上述した筋芽細胞、線維芽細胞、および、心筋細胞の伸長方向を第1方向に揃えることを容易なものとする観点において好適である。
(E)第1平坦部230の幅:10μm以上、50μm以下。
(F)第1凹凸部240の幅:10μm以上、50μm以下。
第1凹凸部240は、相互に隣り合う凸部241、および、第1平坦部230とそれに隣接する凸部241との間に、凹部242を備えてもよい。複数の凸部241が第1凹凸部240に点在するため、凸部241間の空間である凹部242は、第1凹凸部240において、第1方向、および、第2方向に連なる。
細胞シート形成部材200の厚み方向において、凹部242の底面と第1平坦部230との間の長さは、第1平坦部230の高さである。また、細胞シート形成部材200の厚み方向において、各凸部241の先端面と第1平坦部230との間の高低差は、境界段差である。凹部242の底面と各凸部241の先端面の高低差は、凸部241の高さである。各凸部241の先端面と第1平坦部230とが面一である構成では、第1平坦部230の高さと、凸部241の高さとが、相互に等しい。凸部241の高さに対する凸部241のピッチの比は、凸部241のアスペクト比である。
境界段差が下記(G)を満たす構成は、細胞シートの平坦性を高める観点において好適である。凸部241の高さが下記(H)を満たす構成、また、凸部241のアスペクト比が下記(I)を満たす構成は、第1凹凸部240の構造上での安定性を高められる観点、また、第1凹凸部240の形成を容易なものとする観点において好適である。
(G)境界段差:0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下。
(H)凸部241の高さ:5nm以上5μm以下。好ましくは、50nm以上5μm以下。
(I)凸部241のアスペクト比:0.1以上10以下。
また、第1平坦部230と第1凹凸部240とで構成された1つの配向性制御部201は、下記(J)(K)の条件を満たすことが好ましい。
(J)配向性制御部201の幅:50μm以上、1mm以下。
(K)配向性制御部201の長さ:100μm以上。
各配向性制御部201が(H)および(I)を満たす構成では、細胞が第1方向に配向性を有する領域を細胞シートに形成することができる。
そして、上記(J)および(K)を満たす構成であれば、第1平坦部230に対する接着が優勢である細胞であれ、第1凹凸部240に対する接着が優勢である細胞であれ、一方の構造体に対して細胞が優先的に接着し、他方の構造体に対する接着の劣勢と相まって、双方の構造体の延在方向である第1方向に、細胞の伸長方向が揃えられる。結果として、表面111に沿った二次元方向に広がる細胞シートにおいて、細胞の伸長方向を一次元方向に揃えること、すなわち、細胞の配向性を向上させることが可能となる。なお、細胞シートは、培養細胞が一次元方向に揃った状態、すなわち配向性を有する状態で厚さ方向に積み上がって三次元組織を形成することも可能である。
また、上記(G)を満たす構成、特に、各凸部241の先端面と第1平坦部230とが面一である構成は、第1凹凸部240と第1平坦部230とを覆うように形成された細胞シートにおいて、それの平坦性を高めることを可能とする。さらに、上記(H)(I)を満たす構成は、細胞シートの平坦性をより一層に高めることが可能である。
なお、図4(d)は、配向性制御部201の表面を走査電子顕微鏡によって撮影した画像である。
[細胞塊形成部]
細胞塊形成部202は、配向性制御部201に対して隣接する第2平坦部221と第2凹凸部222とを備えている。第2平坦部221は、対をなす2つの配向性制御部201に挟まれ第1方向に延びている。具体的には、第2平坦部221は、各配向性制御部201の第1凹凸部240に隣接し、かつ、一方の配向性制御部201の第1凹凸部240と他方の配向性制御部201の第1凹凸部240とによって挟まれている。
第2平坦部221の幅は、下記(L)(M)の条件を満たすことが好ましい。
(L)第2平坦部221の幅:50μm以上、200μm以下。
(M)第2平坦部221の長さ:100μm以上。
第2平坦部221が(L)および(M)を満たす構成では、第2平坦部221に細胞塊11が接着され、遊離しにくくなる。第2平坦部221の幅は、全ての位置で同じでなくてもよい。
第2凹凸部222は、隣り合う2つの配向性制御部201の第1凹凸部240の間に位置している。また、第2凹凸部222は、第2平坦部221の第1方向の両端部と繋がっている。第2凹凸部222を構成する各凸部223は、表面211と対向する方向から見て、例えば、三角格子の各頂点に位置する。各第2凹凸部222は、凸部223のこうした配列を、第1方向、および、第2方向に繰り返す。三角格子の各頂点に凸部223が位置する第2凹凸部222であれば、凸部223を形成するための原盤を、微小な繰り返し構造を形成することに適したマスク、例えば、単粒子膜をマスクとしたエッチング法によって形成することが可能となる。そして、凸部241と同時に形成することが可能となる。
また、第2凹凸部222の幅は、下記(N)の条件を満たすことが好ましい。
(N)第2凹凸部222の幅(隣り合う2つの配向性制御部201の間の長さ、すなわち、隣り合う2つの配向性制御部201に挟まれた部分の第2方向の長さ):50μm以上、1mm以下。
第2凹凸部222の幅は、全ての位置で同じでなくてもよい。
また、第2凹凸部222を構成する凸部223のピッチは、下記(O)の条件を満たすことが好ましい。
(O)第2凹凸部222における凸部223のピッチ:10nm以上、10μm以下。好ましくは、100nm以上、5μm以下。より好ましくは、300nm以上、5μm以下。更により好ましくは、500nm以上、2μm以下。
凸部223のピッチは、全ての位置で同じでなくてもよい。
第2凹凸部222における凸部223のピッチは、第1凹凸部240における凸部241の第1ピッチと同じであってもよいし、大きくても、小さくてもよい。すなわち、第2凹凸部222における凸部223のピッチは、細胞が凝集し易い寸法であればよい。また、第2凹凸部222の幅は、細胞塊を形成するための細胞を保持できる幅を有していればよく、第1凹凸部240の幅と同じでもよいし、広くても狭くてもよい。
第2凹凸部222は、(N)および(O)の条件を満たすことで、細胞が凝集し易くなり、細胞塊を形成することができる。そして、第2平坦部221には、第2凹凸部222で遊離する細胞が凝集して細胞塊11の少なくとも一部が接着される。
すなわち、表面211は、1つの第2平坦部221を2つの第2凹凸部222で挟んで構成された島状領域が離間して第2方向に並び、各島状領域の周囲に、第2凹凸部222が形成される。このような細胞シート形成部材200では、配向性制御部201において、細胞を第1方向に配向させて培養することができるとともに、細胞塊形成部202において、細胞塊11を形成することができる。
[細胞シート形成部材の製造方法]
次に、細胞シート形成部材の製造方法の一例について説明する。なお、以下の説明では、ナノインプリント法を用いて、細胞シート形成部材の表面211を、凹版250の転写によって形成する例を説明する。
図5に示すように、細胞シート形成部材の製造方法は、凹版250を形成する工程と、細胞シート形成部材200の表面211を凹版250の転写によって形成する工程とを含む。
凹版250の下面は、第1平坦部230を成形する第1平坦成形部251と、第1凹凸部240を成形する第1凹凸成形部252と、第2平坦部221を成形する第2平坦成形部253と、第2凹凸部222を成形する第2凹凸成形部254とを備える。凹版250を形成する工程では、例えば、凹版250を形成するためのシリコン基板に対して、フォトリソグラフィー法、コロイダルリソグラフィー法、陽極酸化法、および、干渉露光法の少なくとも1種を用いて、凹凸部が形成される。また、凹版250自体を原盤からの1回、あるいは複数回の転写によって得てもよい。原盤には、例えば、シリコン基板に対するフォトリソグラフィー法、コロイダルリソグラフィー法、陽極酸化法、および、干渉露光法の少なくとも1種を用いて凹版250の表面形状に対応する形状が作り込まれている。
次に、細胞シート形成部材200を形成するための基材260の表面211に、凹版250の下面を対向させる。基材260の形成材料は、例えば、熱可塑性樹脂や光硬化性樹脂である。そして、基材260が流動性を有する状態で、基材260の表面211に、凹版250の下面を押し付ける。次いで、基材260の流動性を抑えた状態で、凹版250を基材260の表面211から離型する。これによって、基材260の表面211に凹版250の成形部251〜254が転写され、第1平坦部230、第1凹凸部240、第2平坦部221および第2凹凸成形部254が形成される。
基材260の形成材料の熱可塑性樹脂や光硬化性樹脂の表面に、細胞の接着性を高めることを目的として、例えば、ラミニン、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ポリーリシン(PDLまたはPLL)、ヒアルロン酸などの細胞外マトリックス、ポリマー、ゲルなどの接着因子を含む有機物が塗布されていてもよい。また、基材260の形成材料として、多糖類やタンパク質などの生体材料を用いてもよい。
[細胞シートの製造方法]
次に、細胞シート形成部材200を用いて製造される細胞シートについて説明する。
図6(a)に示すように、細胞シート形成部材200の表面211上に位置する細胞懸濁液は、例えば、第1平坦部230に接着する細胞S1を含む。この際、配向性制御部201において、各第1平坦部230は、第1凹凸部240の長辺方向(第1方向)に延び、各第1平坦部230の幅は、一般的な細胞の大きさの1〜数倍程度である。そのため、図6(b)に示すように、細胞S1の位置は、第1平坦部230の範囲内に優先的に分布し、細胞S1は、第1方向に細胞の長軸方向が配置されて直線状に連なる。すなわち、細胞S1の伸長方向は、第1平坦部230の長辺方向と揃うように制御される。図6は、細胞シート形成部材200を用いて培養した筋芽細胞の一例を示しており、図6に示す例では、筋芽細胞の伸長方向が一方向に揃うように制御されている。図9は、細胞シート形成部材200の配向性制御部201で培養された筋芽細胞の一例を示しており、図9に示す例では、筋芽細胞の伸長方向が一方向に揃うように制御されている。
なお、図6(c)に示すように、上記(C)を満たさない細胞塊形成基材では、細胞S1の配向性が制御されないため、細胞の長軸方向はランダムな方向で配置される。図10は、参考例となる市販の細胞培養シャーレを用いて培養した筋芽細胞の一例を示しており、図10に示す例では、筋芽細胞の伸長方向がランダムに配置されている。
図7(a)に示すように、細胞シート形成部材200の表面211上に位置する細胞懸濁液は、例えば、第1凹凸部240に接着する細胞S2を含む。この際、配向性制御部201において、各第1凹凸部240は、第1凹凸部240の長辺方向(第1方向)に延び、各第1凹凸部240の幅は、一般的な細胞の大きさの1〜数倍程度である。そのため、図7(b)に示すように、細胞S2の位置は、第1凹凸部240の範囲内に優先的に分布し、細胞S2は、第1方向に細胞の長軸方向が配置されて直線状に連なる。すなわち、細胞S2の伸長方向は、第1凹凸部240の長辺方向と揃うように制御される。
なお、図7(c)が示すように、上記(A)を満たさない細胞シート形成部材では、細胞S2の配向性が制御されないため、細胞の長軸方向はランダムな方向で存在する。
細胞シート形成部材100の表面111上に位置する細胞懸濁液は、例えば、細胞シートを形成する細胞を含んでいる。図8(a)に示すように、細胞は、第1平坦部230に対して優先的に接着する細胞S1であり、第1平坦部230よりも劣勢ではあるが、第1凹凸部240に対する接着を許容された細胞S2でもある。表面111に播種された細胞は、培養初期は表面111に単層で広がった状態で培養される。配向性制御部201では、図8(b)に示すように、第1平坦部230、および、第1凹凸部240は、第1方向に延び、第2方向に交互に配置される。そのため、細胞シート形成部材の表面211には、例えば、第1平坦部230に優先的に接着された細胞S1の配向性が、第1平坦部230の構造、および、それを区画する第1凹凸部240の構造によって制御される。
そして、相互に隣り合う第1平坦部230に挟まれた第1凹凸部240においては、第1平坦部230よりも劣勢ではあるが、第1凹凸部240に接着した細胞S2にて、平坦部130による配向性の制御が反映される。結果として、図8(c)に示すように、第1方向に配向性の制御された細胞S1,S2が、表面111の全体に広がる細胞シートSAを形成する。
図6(a)〜図8(c)に示す細胞シート形成部材200では、配向性制御部201において、細胞が第1方向に配向性を有するように培養される。これに対して、細胞塊形成部202では、一定時間経過すると、自然に、第2凹凸部222に位置する細胞が凝集し、少なくとも第2平坦部221上に球形状や棒形状をした細胞塊11を形成する。細胞塊11は、少なくとも一部が第2平坦部221に接着され遊離しないようになっていればよい。細胞塊11は、全体が第2平坦部221に接着されている場合もあれば、一部が第2平坦部221に接着されている場合もある。さらに、細胞塊11は、配向性制御部201から細胞塊形成部202にはみ出した部分である。何れの場合であっても、細胞塊11は、表面211からの脱離は無く遊離しにくいものとなる。
<実施例2>
上記実施形態に記載の細胞シート形成部材、細胞シート形成部材の製造方法、および、細胞シートの製造方法における実施例2を以下に説明する。
<細胞シート形成部材の作製>
図4(a)および(b)に示すように、外周部に第2凹凸部222、第2凹凸部222の内側に配向性制御部201(第1平坦部230および第1凹凸部240)、および、2つの配向性制御部201に挟まれた第2平坦部221を備えた細胞シート形成部材200を、転写によって形成するためのニッケル製凹版を作製した。次いで、ニッケル製凹版をスタンパとして用い、ナノインプリント法によって、ポリスチレンシートに第2凹凸部222、配向性制御部201(第1平坦部230および第1凹凸部240)、および第2平坦部221を加工し、それによって、実施例2の細胞シート形成部材200を作製した。
実施例2の細胞シート形成部材200における第2凹凸部222は、複数の段差構造を備え、第2凹凸部222における凸部223のピッチは300nmであった。第2凹凸部222における各凸部223の高さはAFMを用いて測定し、凹部の底面から凸部223の先端までの高さの平均は、446nmであった。
配向性制御部201は、第1平坦部230および第1凹凸部240を備え、各第1平坦部230は、第1方向に延びる形状を有し、かつ、第1平坦部230は、細胞シート形成部材200の表面における外周部を除いた領域で、第1方向と交差する第2方向に並び、各第1平坦部230の幅(第2方向での長さ)は、10μmであった。各第1凹凸部240は、相互に隣り合う第1平坦部230の間を埋める複数の段差構造を備え、隣り合う第1平坦部230間の第2方向での長さ(第1凹凸部240の幅)は10μmであり、第1凹凸部240における凸部241のピッチは300nmであった。第1凹凸部240における各凸部241の高さは、AFMを用いて測定し、凹部の底面から凸部241の先端までの高さの平均は、446nmであった。また、凹部の底面から第1平坦部230までの高さの平均は455nmであった。第2平坦部221の長辺は、第1凹凸部240の長辺に隣接し、各第2平坦部221の幅は、100μmであった。そして、実施例2の細胞シート形成部材200は、直径8.8mmの円形に裁断し、滅菌処理としてUV照射を行った後に、細胞培養試験に使用した。
<細胞培養試験>
先ず、マウス由来の心筋細胞(コスモバイオ社製)を細胞培養用フラスコ(25cm)で培養した。培養条件は、専用培地を用い、37℃、5%CO雰囲気下で行った。細胞の回収にはトリプシンを用い、定法に従い実施した。回収した細胞について血球計算版を用いて細胞数を計測した。
次いで、細胞培養用マルチウェルプレート(48孔)の底面に、直径8.8mmの円形に裁断した実施例2の細胞シート形成部材200を設置した。4×10細胞/mlの濃度に調整した心筋細胞を0.2mlずつ播種した。COインキュベーターで24時間培養した後に培地交換を行い、1日おきに培地交換を行い、細胞の形状を観察した。
培養開始日を0日として、4日後には、細胞が棒状に凝集した細胞塊が形成された。細胞塊は、第2平坦部221に接着しており、培地交換によって基材から遊離することは無かった。
上記第2実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(2−1)配向性制御部201では、第1方向に、細胞の伸長方向を揃えることができる。結果として、二次元方向に広がる細胞シートにおいて、細胞の配向性を向上させることができる。また、細胞塊形成部202では、第2平坦部221には、第2凹凸部222に位置する細胞が凝集し、少なくとも一部が第2平坦部221に接着する。これにより、細胞塊11が第2平坦部221に形成され、細胞塊11は、第2平坦部221に接着することで、遊離しにくいものとなる。したがって、細胞塊11が第2平坦部221に接着された状態において、細胞塊11の識別、細胞塊11の大きさや拍動などの動きの計測が容易となる。また、画像処理などの解析を行い易くなる。
(2−2)第2平坦部221は、2つの第1凹凸部240に挟まれて位置している。したがって、配向性を有する細胞の近くに細胞塊11を形成することができる。
(2−3)第2凹凸部222は、2つの第1凹凸部240に挟まれて位置している。したがって、配向性を有する細胞の近くの細胞で細胞塊11を形成することができる。
(2−4)第2平坦部221は、第2方向の長さが50μm以上、200μm以下であり、第1方向の長さが100μm以上である。これにより、第2平坦部221には、第2凹凸部222に位置する細胞が凝集し、少なくとも細胞塊11の一部を第2平坦部221に接着することができる。
(2−5)第2凹凸部222において、隣り合う2つの配向性制御部201に挟まれている部分の第2方向の長さが50μm以上、1mm以下である。また、第2凹凸部222における凸部のピッチは、10nm以上、10μm以下である。したがって、第2凹凸部222の細胞が凝集し易くなる。
(2−6)第1凹凸部240は、第2方向の長さが10μm以上、50μm以下であり、第1方向の長さが100μm以上である。これにより、二次元方向に広がる細胞シートにおいて、細胞の配向性を向上させることができる。
上記第2実施形態によれば、以下のように変更して実施してもよい。
・二次元方向に広がる細胞シートにおいて細胞の配向性向上が可能であれば、第1凹凸部240は、第2方向の長さが10μm以上、50μm以下、かつ、第1方向の長さが100μm以上でなくてもよい。
・第2凹凸部222に位置する細胞の凝集が可能であれば、第2凹凸部222は、第2方向の長さが50μm以上、1mm以下、かつ、第2凹凸部222における凸部223のピッチは、10nm以上、10μm以下でなくてもよい。
・少なくとも細胞塊11の一部を第2平坦部221に接着可能であれば、第2平坦部221は、第2方向の長さが50μm以上、200μm以下、かつ、第1方向の長さが100μm以上でなくてもよい。
・配向性を有する細胞の近くの細胞で細胞塊11が形成可能であれば、第2凹凸部222は、第1凹凸部240に挟まれて位置していなくてもよい。
・配向性を有する細胞の近くに細胞塊が形成可能であれば、第2平坦部221は、第1凹凸部240に挟まれて位置していなくてもよい。
[第2実施形態における細胞シート形成部材の配向性制御部]
・凸部241の有する形状は、円錐や角錐などの錐状、円柱や角柱などの柱状、円錐台や角錐台などの錐台状、および、半球状の何れか1種とすることが可能である。
・凸部241の位置は、四角格子上の各格子点、六角格子上の各格子点、さらには、第1凹凸部240において不規則とすることも可能である。
・第1凹凸部240の有する形状は、第1方向に延びる直線状に限らず、第1方向に延びる折れ線状や、第1方向に延びる曲線状に変更することも可能である。
・第1凹凸部240の底面と第1平坦部230とを面一に変更すること、すなわち、凸部241の基端部と第1平坦部230とを面一に変更することも可能である。なお、上述したように、第1凹凸部240の先端面と第1平坦部230とを面一とする構成は、細胞シートの平坦性を高める観点において好適である。
・第1凹凸部240を構成する段差構造を、凹部に変更することも可能であり、凹部と凸部との両方に変更することも可能である。例えば、第1凹凸部240は、第1平坦部230に連続する1つの側面を備え、該側面に複数の凹部が形成された構造に変更することも可能である。
・1つの第1凹凸部240の幅と、他の第1凹凸部240の幅とは、相互に異なっていてもよいし、相互に等しくてもよい。なお、1つの第1凹凸部240の幅と、他の第1凹凸部240の幅とが、相互に等しければ、細胞シートが有する特性について、第2方向での均一性を高めることが可能となる。
・1つの第1平坦部230の幅と、他の第1平坦部230の幅とは、相互に異なってもよいし、相互に等しくてもよい。なお、1つの第1平坦部230の幅と、他の第1平坦部230の幅とが、相互に等しければ、細胞シートが有する特性について、第2方向での均一性を高めることが可能となる。
・第1平坦部230の幅と、第1凹凸部240の幅とは、相互に異なっていてもよいし、相互に等しいものであってもよい。例えば、細胞の接着が第1平坦部230において優勢である場合、第1平坦部230の幅は、配向性を制御できる範囲であって、かつ、第1凹凸部240の幅よりも大きいことが好適である。また、細胞の接着が第1凹凸部240において優勢である場合、第1凹凸部240の幅は、配向性を制御できる範囲であって、かつ、第1平坦部230の幅よりも大きいことが好適である。
・第1平坦部230と第1凹凸部240とが交互に並ぶ第2方向は、第1方向と直交する方向に限らず、第1方向と交差する方向であれば、例えば、第1方向と形成する角度が45°である方向とすることも可能である。
[第2実施形態における細胞シート形成部材の細胞塊形成部]
・第2凹凸部222において、凸部の有する形状は、円錐や角錐などの錐状、円柱や角柱などの柱状、円錐台や角錐台などの錐台状、および、半球状の何れか1種とすることが可能である。
・第2凹凸部222において、凸部の位置は、四角格子上の各格子点、六角格子上の各格子点、さらには、第1凹凸部240において不規則とすることも可能である。
・第2凹凸部222の高さは、第1平坦部230および/または第1凹凸部240の高さと同じであってもよいし、高くてもよいし、低くてもよい。
・細胞塊形成部202は、配向性制御部201に隣接して第2平坦部221が設けられ、第2平坦部221に第2凹凸部222が繋がって設けられていれば、例えば第2凹凸部222が配向性制御部201に隣接していなくてもよい。配向性を有した細胞の近くに細胞塊11が形成されればよいからである。
さらに、上記第1実施形態および第2実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・細胞シート形成部材100,200の表面111,211は、細胞の接着性を高めることを目的として、例えば、ラミニン、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ポリーリシン(PDLまたはPLL)、ヒアルロン酸などの細胞外マトリックス、ポリマー、ゲルなどの接着因子を含む有機物が塗布されてもよい。あるいは、金属から構成される面であってもよい。また、細胞シート形成部材100,200の表面111,211は、細胞の接着性や細胞シートの平坦性を高めることを目的として、親水性、あるいは、疎水性を有してもよい。
・細胞懸濁液中には、細胞外基質産生促進因子を添加するようにしてもよい。細胞外基質産生促進因子としては、例えば、TGF−β1、TGF−β3、アスコルビン酸、アスコルビン酸2リン酸またはその誘導体あるいはそれらの塩を挙げることができる。コラーゲン産生の観点から、アスコルビン酸、アスコルビン酸2リン酸またはそれらの誘導体およびその塩(例えば、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩など)とすることが好ましい。アスコルビン酸としては、L体であることが好ましい。
・細胞シート形成部材100,200の表面111,211に形成した細胞シートの剥離・回収を容易にするために、表面111,211には、刺激応答性材料を塗布してもよい。刺激応答性材料としては、温度変化によって水親和性が変化する温度応答性ポリマーが好ましい。具体的にはポリ−N−イソプロピルアクリルアミド(PIPAAm)が好ましい。刺激応答性材料は慣用の塗布方法を用いて基材に塗布してもよいし、刺激応答性材料を処理した基材に下記に記載した方法を用いて構造を加工してもよい。また、細胞塊の剥離・回収を容易にするために、細胞塊が形成された培養基材に対して超音波処理を行ってもよい。
・細胞シート形成部材100,200は、凹版を用いた転写体に限らず、凸版を用いた転写体であってもよく、さらに、射出成形による成形体とすることも可能である。すなわち、射出成形を用いて細胞シート成形部材を製造することも可能である。
[その他]
・細胞シート形成部材は、マルチウェルプレート、シャーレ、フラスコ、チェンバースライドなど、細胞懸濁液を保持可能なものであれば、それに適用することができる。
11…細胞塊、100…細胞シート形成部材、110…培養皿、111…表面、120…蓋、130…平坦部、140…凹凸部、141…凸部、150…凹版、151…平坦成形部、152…凹凸成形部、160…基材、200…細胞シート形成部材、201…配向性制御部、202…細胞塊形成部、211…表面、221…第2平坦部、222…第2凹凸部、223…凸部、230…第1平坦部、240…第1凹凸部、241…凸部、242…凹部、250…凹版、251…第1平坦成形部、252…第1凹凸成形部、253…第2平坦成形部、254…第2凹凸成形部、260…基材。

Claims (14)

  1. 細胞シートを形成するための表面を備え、
    前記表面は、細胞の接着が優勢な平坦部と、前記細胞の接着が前記平坦部に対して劣勢な凹凸部とを備え、
    前記平坦部は、前記表面と対向する方向から見て、円形形状または多角形形状を有し、
    少なくとも前記平坦部に細胞塊が形成されるように構成されている
    細胞シート形成部材。
  2. 前記凹凸部における凸部のピッチは、10nm以上、10μm以下である
    請求項1に記載の細胞シート形成部材。
  3. 前記平坦部の面積は、100μm以上、10000μm以下である
    請求項1または2に記載の細胞シート形成部材。
  4. 請求項1から3のうち何れか1項に記載の細胞シート形成部材の表面に細胞塊が形成された基材。
  5. 凹版を形成することと、
    細胞シートを形成するための細胞シート形成部材の表面を前記凹版の転写によって形成することとを含み、
    前記表面は、細胞の接着が優勢な平坦部と、前記細胞の接着が前記平坦部に対して劣勢な凹凸部とを備え、
    前記凹版は、前記平坦部を成形する平坦成形部と、前記凹凸部を成形する凹凸成形部とを備え、
    前記凹版を形成することは、前記平坦成形部および前記凹凸成形部を、フォトリソグラフィー法、コロイダルリソグラフィー法、陽極酸化法、および、干渉露光法の少なくとも1種を用いて形成することを含む、
    細胞シート形成部材の製造方法。
  6. 細胞シートを形成するための表面を備え、
    前記表面は、細胞の配向性を制御するための配向性制御部と、前記細胞が凝集され細胞塊を形成するための細胞塊形成部とを備え、
    前記配向性制御部は、第1方向に延びる形状を有し、かつ、前記第1方向と交差する第2方向に並ぶ第1平坦部と、相互に隣り合う前記第1平坦部の間を埋める第1凹凸部とを備え、
    前記細胞塊形成部は、前記配向性制御部に隣接する第2平坦部と、前記配向性制御部に隣接し、かつ、前記第2平坦部と繋がる第2凹凸部とを備え、
    前記第2平坦部に少なくとも細胞塊の一部が形成されるように構成されている
    細胞シート形成部材。
  7. 前記第2平坦部は、前記第1凹凸部に挟まれて位置している
    請求項6に記載の細胞シート形成部材。
  8. 前記第2凹凸部は、前記第1凹凸部に挟まれて位置している
    請求項7に記載の細胞シート形成部材。
  9. 前記第2平坦部は、50μm以上、200μm以下の前記第2方向の長さと、100μm以上の前記第1方向の長さとを有する
    請求項6ないし8のうち何れか1項に記載の細胞シート形成部材。
  10. 前記第2凹凸部において、隣り合う前記配向性制御部に挟まれた部分の前記第2方向の長さが50μm以上、1mm以下であり、
    前記第2凹凸部における凸部のピッチは、10nm以上、10μm以下である
    請求項6ないし9のうち何れか1項に記載の細胞シート形成部材。
  11. 前記第1凹凸部は、10μm以上、50μm以下の前記第2方向の長さと、100μm以上の前記第1方向の長さとを有する
    請求項6ないし10のうち何れか1項に記載の細胞シート形成部材。
  12. 請求項6から11のうち何れか1項に記載の細胞シート形成部材の表面に細胞塊が形成された基材。
  13. 前記配向性制御部には、前記第1方向に配向性を有した細胞が形成された
    請求項12に記載の基材。
  14. 凹版を形成することと、
    細胞シートを形成するための細胞シート形成部材の表面を前記凹版の転写によって形成することとを含み、
    前記表面は、細胞の配向性を制御するための配向性制御部と、前記細胞が凝集され細胞塊を形成するための細胞塊形成部とを備え、
    前記配向性制御部は、第1方向に延びる形状を有し、かつ、前記第1方向と交差する第2方向に並ぶ第1平坦部と、相互に隣り合う前記第1平坦部の間を埋める第1凹凸部とを備え、
    前記細胞塊形成部は、前記配向性制御部に隣接する第2平坦部と、前記配向性制御部に隣接し、かつ、前記第2平坦部と繋がる第2凹凸部とを備え、
    前記凹版は、前記第1平坦部を成形する第1平坦成形部と、
    前記第1凹凸部を成形する第1凹凸成形部と、
    前記第2平坦部を成形する第2平坦成形部と、
    前記第2凹凸部を成形する第2凹凸成形部とを備え、
    前記凹版を形成することは、前記第1凹凸成形部および前記第2凹凸成形部を、フォトリソグラフィー法、コロイダルリソグラフィー法、陽極酸化法、および、干渉露光法の少なくとも1種を用いて形成することを含む、
    細胞シート形成部材の製造方法。
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