JPWO2020158934A1 - 合わせガラス - Google Patents

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    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C27/00Joining pieces of glass to pieces of other inorganic material; Joining glass to glass other than by fusing
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Abstract

本発明の合わせガラスは、少なくとも2枚のガラス板と、少なくとも1枚の中間膜とを備える。少なくとも1枚の中間膜は中間膜Xを含み、中間膜Xは、第1の接着層と、第2の接着層と、第1の接着層と第2の接着層との間に配置された赤外線反射層とを有する積層体である。中間膜Xの貯蔵弾性率は40℃において3.0×107Pa以上5.0×108Pa以下である。少なくとも2枚のガラス板の厚さの合計(tg)に対する、少なくとも1枚の中間膜の厚さの合計(ti)の比(ti/tg)は0.7以上である。本発明の合わせガラスの厚さ方向の光線透過率は波長550nmにおいて50%以上であり、波長2000nmにおいて20%以下である。

Description

本発明は、断熱性及び遮熱性の改善された合わせガラスに関する。
合わせガラスは、衝撃を受けて破損した場合でも、衝突物の貫通やガラス破片の飛散等を防止できるため、安全性に優れている。そのため、合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶及び建築物等に広く使用されている。合わせガラスは、複数のガラス板を、接着性を有する樹脂からなる中間膜を挟んで接着一体化することにより製造される。
寒冷地では室内や社内の暖房効果を高め、また、高温地域では、室内や車内の冷房効果を高めるために、窓ガラスに断熱性を付与することが有用である。例えば、合わせガラスの中間膜として一般的に使用されているポリビニルブチラール(以下、「PVB」ということがある。)や、合わせガラスの耐貫通性を高めるためにシート状にしてガラス板の間に介在させられるポリカーボネート及びポリエチレンテレフタレート等の樹脂は、ガラスに比べて熱伝導率が小さい。そのため、これらの樹脂からなる中間膜やシートを使用した合わせガラスは、同じ厚さのガラス板に比べると、合わせガラス全体としての熱伝導率が小さくなり、断熱性が高くなる。
特許文献1には、PVBからなる中間膜の厚さを厚くして合成熱抵抗を大きくした合わせガラスが開示されている。これにより、外気温が低い時にも窓の曇りを防止できることが記載されている。しかし、ガラスの厚さを変えずに中間膜の厚さを厚くした場合には、合わせガラスの剛性は維持できるものの、合わせガラスの厚さが厚くなり、また、重量が増加するという不具合が生じる。他方、中間膜の厚さを厚くしつつガラスの厚さを薄くすることで合わせガラスの厚さや重量を維持しようとした場合には、PVBからなる中間膜の弾性率が小さいために、合わせガラスの剛性が維持できなくなるという、相反する不具合があった。
特許文献2には、ガラス/PVB/ポリカーボネート/PVB/ガラスの層構成から成る合わせガラスにおいて、ガラス層の厚さを小さくしポリカーボネート層の厚さを厚くすることにより、軽量で熱伝導率の小さい合わせガラスが得られることが開示されている。しかし、ガラスの厚さを薄くして単位面積当たりの重量を低減した場合には、ポリカーボネートの弾性率はガラスの弾性率よりも小さく、また、接着層のPVBの弾性率も小さいため、上記と同様に合わせガラスの剛性が低下するという不具合があった。また、合わせガラスの剛性を維持しようとした場合は、合わせガラス全体の厚さを増加させる必要があり、軽量性が維持できなくなるという不具合があった。
特許文献3には、PVBからなる中間膜に替えて、アルコキシシリル基が導入された変性ブロック共重合体水素化物を中間膜に使用した合わせガラスが開示されている。しかし、特許文献3には、合わせガラスの剛性を維持しつつ熱伝導率を低下させて断熱性を改善する技術に関しては記載されていない。
また、特許文献3には、変性ブロック共重合体水素化物からなる中間膜に赤外線を遮蔽するための赤外線吸収剤を配合できることが開示されている。これにより、赤外線が合わせガラスを透過して直接内部の温度を上げることは防止できるが、赤外線を吸収した中間膜の熱がガラスを通して内部に伝わることは防止できず、遮熱効果は必ずしも十分とはいえない。
特許文献4には、アルコキシシリル基が導入された変性ブロック共重合体水素化物を中間膜に使用し、更に中空粒子を含む断熱層をガラス間に1層以上挟持した合わせガラスが開示されている。しかし、特許文献4に記載されている中空粒子は、例えば、コロイド状炭酸カルシウムの表面にシリコンアルコキシドの加水分解反応により生成するシリカを析出させた後、酸処理により炭酸カルシウムを溶解させて製造するものであり、工業的な入手は容易ではない。
特許文献5には、熱線の入射を防ぎ、夏場の冷房効果を高める合わせガラスとして、ガラス/第1の中間膜/熱線反射フィルム/第2の中間膜/ガラスの層構成からなり、前記中間膜が、アルコキシシリル基が導入された変性ブロック共重合体水素化物からなる、合わせガラスが開示されている。しかし、特許文献5には、熱線の入射を防ぐと同時に合わせガラスの剛性を維持しつつ熱伝導率を低下させて断熱性を改善する技術に関しては記載されていない。
特開2006−137648号公報 特開平6−915号公報 国際公開第2016/163409号 特開2017−81775号公報 国際公開第2016/006610号
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、従来のPVBからなる中間膜を使用した合わせガラスに対して同等以上の剛性及び軽量性を有し、且つ、断熱性及び遮熱性が向上された合わせガラスを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の性状を有する接着層及び赤外線反射フィルムを有してなる中間膜を使用すれば、合わせガラスの断熱性及び遮熱性を向上させた場合であっても剛性及び軽量性を維持した合わせガラスを製造することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
かくして本発明によれば、下記(1)〜(4)の合わせガラスが提供される。
(1)少なくとも2枚のガラス板と、少なくとも1枚の中間膜と、を備える合わせガラスであって、
前記少なくとも2枚のガラス板は、第1のガラス板および第2のガラス板を含み、
前記少なくとも1枚の中間膜は、前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との間に配置された中間膜Xを含み、
前記中間膜Xは、第1の接着層と、第2の接着層と、前記第1の接着層と前記第2の接着層との間に配置された赤外線反射層とを有する積層体であり、
前記中間膜Xの動的粘弾性特性における貯蔵弾性率が40℃において3.0×107Pa以上5.0×108Pa以下であり、
前記少なくとも2枚のガラス板の厚さの合計をtgとし、前記少なくとも1枚の中間膜の厚さの合計をtiとしたときの、tgに対するtiの比(ti/tg)が0.7以上であり、
前記合わせガラスの厚さ方向の光線透過率が、波長550nmにおいて50%以上であり、波長2000nmにおいて20%以下である、合わせガラス。
(2)前記第1の接着層および前記第2の接着層の少なくともいずれか一方が、芳香族ビニル化合物由来の構造単位〔a〕を主成分とする、少なくとも2つの重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン(直鎖状共役ジエン、分岐鎖状共役ジエン)化合物由来の構造単位〔b〕を主成分とする、少なくとも1つの重合体ブロック[B]とを有するブロック共重合体[C]を水素化したブロック共重合体水素化物[D]に、アルコキシシリル基を導入してなる変性ブロック共重合体水素化物[E]を主成分とする、(1)に記載の合わせガラス。
(3)前記合わせガラスの厚さ方向の熱伝導率が20℃において0.35W/(m・K)以下である、(1)又は(2)に記載の合わせガラス。
(4)曲げ弾性率が11GPa以上である、(1)〜(3)の何れかに記載の合わせガラス。
本発明によれば、従来のPVBからなる中間膜を使用した合わせガラスに対して同等以上の剛性及び軽量性を有し、且つ、断熱性及び遮熱性が向上された合わせガラスが提供される。
本発明の合わせガラスは、下記(i)〜(vii)で規定されるものである。
(i)少なくとも2枚のガラス板と、少なくとも1枚の中間膜とを構成部材として備える。
(ii)少なくとも2枚のガラス板は、第1のガラス板および第2のガラス板を含む。
(iii)少なくとも1枚の中間膜は、第1のガラス板と第2のガラス板との間に配置された中間膜Xを含む。
(iv)中間膜Xは、第1の接着層と、第2の接着層と、第1の接着層と第2の接着層との間に配置された赤外線反射層とを有する積層体である。
(v)中間膜Xの動的粘弾性特性における貯蔵弾性率が40℃において3.0×107Pa以上5.0×108Pa以下である。
(vi)少なくとも2枚のガラス板の厚さの合計をtgとし、少なくとも1枚の中間膜の厚さの合計をtiとしたときの、tgに対するtiの比(ti/tg)が0.7以上である。
(vii)合わせガラスの厚さ方向の光線透過率が、波長550nmにおいて50%以上であり、波長2000nmにおいて20%以下である。
以下、本発明の合わせガラスについて、(a)ガラス板、(b)中間膜及び(c)合わせガラスに項分けして、詳細に説明する。
(a)ガラス板
本発明の合わせガラスに使用されるガラス板の厚さは、特に限定されない。本発明で使用されるガラス板の厚さは、通常0.2mm以上10mm以下であり、好ましくは0.3mm以上、より好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは0.7mm以上であり、好ましくは3mm以下、より好ましくは2.5mm以下、更に好ましくは2mm以下である。本発明で使用されるガラス板の厚さは、合わせガラスの用途に応じて適宜選定できる。
本発明の合わせガラスにおいては、少なくとも2枚のガラス板が使用される。そして、少なくとも2枚のガラス板は、第1のガラス板及び第2のガラス板を含む。なお、使用される複数のガラス板の厚さは、同一でも、異なっていてもよい。
本発明で使用されるガラス板の厚さ方向の熱伝導率は、温度20℃において、1.4W/(m・K)以下であることが好ましく、1.2W/(m・K)以下であることがより好ましく、1.1W/(m・K)以下であることが更に好ましく、通常0.9W/(m・K)以上である。ここで、ガラス板の厚さ方向の熱伝導率は、ASTM E1530法(円板熱流計法)に基づいて測定して求めた値である。
このようなガラス板の材質としては、例えば、ソーダ石灰ガラス、珪酸塩ガラス、アルミノ珪酸塩ガラス、硼珪酸塩ガラス、アルミノ硼珪酸塩ガラス、硼酸塩ガラス、石英ガラス、シリカガラス、白板ガラス、青板ガラス、鉛ガラス、バリウムガラス、リン珪酸塩ガラス等が挙げられる。
また、ガラス板としては、製法の異なる、汎用的なフロートガラス、熱強化ガラス、化学強化ガラス等も使用できる。
本発明の合わせガラスに使用されるガラス板の厚さ方向の光線透過率は、波長550nmにおいて、通常80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上である。光線透過率がこの範囲であれば、ガラス板は透明性が優れるため好ましい。
(b)中間膜
本発明の合わせガラスには少なくとも1枚の中間膜が使用される。そして、本発明の合わせガラスに使用する少なくとも1枚の中間膜には、第1のガラス板と第2のガラス板との間に配置された中間膜Xが含まれる。
なお、本発明の合わせガラスに中間膜が2枚以上使用される場合、使用される中間膜の材質、構造、大きさ、厚み等は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、本発明の合わせガラスに中間膜が2枚以上使用される場合、当該2枚以上の中間膜としては、中間膜Xのみを使用してもよいし、中間膜Xと、中間膜X以外の中間膜とを併用してもよいものとする。なお、中間膜X以外の中間膜としては、特に限定されず、例えば、中間膜Xが有する接着層と同じ材質の層などを用いることができる。
以下、本発明の合わせガラスに使用する中間膜Xについて詳述する。
本発明の合わせガラスに使用する中間膜Xは、第1の接着層と、第2の接着層と、前記第1の接着層と前記第2の接着層との間に配置された赤外線反射層とを有する積層体である。第1の接着層と赤外線反射層との間及び/又は第2の接着層と赤外線反射層との間には必要に応じて他の機能層を配置することができる。なお、第1の接着層は、赤外線反射層側の面とは反対の面で、上述した第1のガラス板と接着しているものとし、第2の接着層は、赤外線反射層側の面とは反対の面で、上述した第2のガラス板と接着しているものとする。
本発明の合わせガラスに使用する中間膜Xは、赤外線を反射するのと同時に、合わせガラスの積層方向の熱伝導率を同じ厚さのガラスに比べて半分以下に低下させることにより、合わせガラスの断熱性を向上させることができる。
本発明の合わせガラスに使用する中間膜Xは、動的粘弾性特性における貯蔵弾性率が、温度40℃において、3.0×107Pa以上5.0×108Pa以下であることが必要であり、4.0×107Pa以上であることが好ましく、5.0×107Pa以上であることがより好ましく、4.0×108Pa以下であることが好ましく、3.0×108Pa以下であることがより好ましい。ここで、中間膜Xの動的粘弾性特性における貯蔵弾性率は、JIS K7244−2(ねじり振子法)に基づき、角周波数:1rad/sec、測定温度範囲:−100〜+100℃、昇温速度:5℃/minの条件で粘弾性スペクトルを測定して求めた値である。
中間膜Xの貯蔵弾性率が上記範囲である場合、ガラス板の厚さの合計(tg)に対する中間膜の厚さの合計(ti)の比(ti/tg)を大きくして合わせガラスの断熱性を向上させた場合であっても、合わせガラスの剛性を維持し易くなり、且つ、急激な温度変化に対してもガラス板の割れの発生を防止し易くなる。
本発明における中間膜Xの、温度20℃における厚さ方向の熱伝導率は、好ましくは0.20W/(m・K)以下、より好ましくは0.19W/(m・K)以下、更に好ましくは0.18W/(m・K)以下である。ここで、中間膜の厚さ方向の熱伝導率は、ASTM E1530法(円板熱流計法)に基づいて測定して求めた値である。
中間膜の厚さ方向の熱伝導率が上記範囲である場合、ガラス板の厚さの合計(tg)に対応して中間膜の厚さの合計(ti)の比(ti/tg)を大きくすることにより、合わせガラスの熱伝導率をガラス板に比較して低下させることができる。
本発明における中間膜Xの構造は、第1の接着層、赤外線反射層、第2の接着層がこの順に積層された3層構造であってもよい。また、中間膜Xは、第1の接着層と第2の接着層との間に、赤外線反射層の他に、必要に応じて他の単層及び/又は複数層の機能層を有する4層以上の多層構造を有するものであってもよい。他の機能層としては、合わせガラスの断熱性を向上させるための樹脂層、合わせガラスの剛性を維持し易くするための高弾性率の樹脂層、合わせガラスに遮音性を付与するための音波吸収層、合わせガラスの遮熱性を向上させるための赤外線吸収層等が挙げられる。
上述した各機能層の厚さは、中間膜Xの熱伝導率及び貯蔵弾性率が上記範囲になるように適宜選定することができる。
本発明の合わせガラスに使用される中間膜Xの厚さは、通常0.3mm以上であり、好ましくは0.6mm以上であり、より好ましくは1mm以上であり、更に好ましくは1.5mm以上であり、通常10mm以下であり、好ましくは7mm以下であり、より好ましくは5mm以下であり、更に好ましくは4mm以下である。
本発明の合わせガラスで使用する中間膜Xの厚さが上記の範囲であれば、合わせガラスの20℃における厚さ方向の熱伝導率を、通常のガラスの熱伝導率の約1/3以下、即ち、通常0.35W/(m・K)以下、好ましくは0.3W/(m・K)以下、より好ましくは0.25W/(m・K)以下にすることが容易である。更に、本発明の合わせガラスで使用する中間膜Xの厚さが上記の範囲であれば、合わせガラスの曲げ弾性率を、自動車用合わせガラスとして汎用的に使用されている厚さ2mmの2枚のガラス板と厚さ0.76mmのPVBを主成分とする中間膜とから構成される合わせガラスの曲げ弾性率と同等以上である11GPa以上にすることが容易になる。
(接着層)
本発明で使用する中間膜の構成部材である接着層は、主成分である樹脂と、必要に応じて他の配合剤とを含む樹脂組成物からなる。第1の接着層と第2の接着層を構成する樹脂組成物は同一であっても異なっていてもよい。
接着層に使用される樹脂としては、温度20℃における熱伝導率が通常0.1W/(m・K)以上0.2W/(m・K)以下、好ましくは0.19W/(m・K)以下、より好ましくは0.18W/(m・K)以下であるものが好ましく、例えば、(メタ)アクリル系ブロック共重合体、ポリプロピレン系ブロック共重合体、ポリビニルアセタール樹脂、可塑剤を含むポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体水素化物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体水素化物、スチレン−イソブテン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソブテン−スチレンブロック共重合体水素化物及び/又は前記樹脂に酸無水物基やアルコキシシリル基等が導入された変性樹脂、等が挙げられる。
中でも、透明性、耐熱性、耐衝撃性、低温時の柔軟性に優れ、中間膜の温度40℃における貯蔵弾性率を望ましい値に調整し易いことから、芳香族ビニル化合物由来の構造単位〔a〕を主成分とする、少なくとも2つの重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位〔b〕を主成分とする、少なくとも1つの重合体ブロック[B]とを有するブロック共重合体[C]を水素化してなるブロック共重合体水素化物[D]、及び/又は、前記ブロック共重合体水素化物[D]にアルコキシシリル基が導入されてなる変性ブロック共重合体水素化物[E]が好ましい。
上記の樹脂の中で、変性ブロック共重合体水素化物[E]はガラスに対して強固な接着性を示すため、接着層の表面は変性ブロック共重合体水素化物[E]を主成分とする樹脂組成物で構成されていることがより好ましい。
以下、接着層に使用される好適な樹脂である変性ブロック共重合体水素化物[E]について、重合体ブロック[A]、重合体ブロック[B]、ブロック共重合体[C]、ブロック共重合体水素化物[D]、変性ブロック共重合体水素化物[E]の順に詳細に記載する。
<重合体ブロック[A]>
ここで、重合体ブロック[A]は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位〔a〕を主成分とする重合体ブロックである。重合体ブロック[A]中の、芳香族ビニル化合物由来の構造単位〔a〕の含有量は、通常90質量%以上、好ましくは95質量%以上、より好ましくは99質量%以上である。重合体ブロック[A]は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位〔a〕以外の成分を含有していてもよい。他の成分としては、鎖状共役ジエン由来の構造単位〔b〕及び/又はその他のビニル化合物由来の構造単位〔m〕が挙げられる。構造単位〔b〕及び/又は構造単位〔m〕の含有量は、重合体ブロック[A]に対し、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。
重合体ブロック[A]中の芳香族ビニル化合物由来の構造単位〔a〕の含有量が少なすぎると、接着層の耐熱性が低下するおそれがある。
ブロック共重合体[C]に含まれる複数の重合体ブロック[A]同士は、上記の範囲を満足するものであれば、互いに同一であっても、相異なっていてもよい。
<重合体ブロック[B]>
重合体ブロック[B]は、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位〔b〕を主成分とする重合体ブロックである。重合体ブロック[B]中の、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位〔b〕の含有量は、通常70質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。重合体ブロック[B]は、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位〔b〕以外の成分を含有していてもよい。他の成分としては、芳香族ビニル化合物由来の構造単位〔a〕及び/又はその他のビニル化合物由来の構造単位〔m〕が挙げられる。構造単位〔a〕及び/又は構造単位〔m〕の含有量は、重合体ブロック[B]に対して、通常30質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
重合体ブロック[B]中の、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位〔b〕の含有量が上記範囲にあれば、接着層に柔軟性が付与されるので好ましい。
ブロック共重合体[C]が重合体ブロック[B]を複数有する場合、重合体ブロック[B]同士は、互いに同一であっても、相異なっていても良い。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン;α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン等の、置換基として炭素数1〜6のアルキル基を有するスチレン類;4−クロロスチレン、ジクロロスチレン、4−モノフルオロスチレン等の、置換基としてハロゲン原子を有するスチレン類;4−メトキシスチレン等の、置換基として炭素数1〜6のアルコキシ基を有するスチレン類;4−フェニルスチレン等の、置換基としてアリール基を有するスチレン類;等が挙げられる。これらの中でも、吸湿性の観点から、スチレン、置換基として炭素数1〜6のアルキル基を有するスチレン類等の、極性基を含有しない芳香族ビニル化合物が好ましく、工業的な入手の容易さから、スチレンが特に好ましい。
鎖状共役ジエン系化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等が挙げられ、吸湿性の観点から、極性基を含有しない鎖状共役ジエン系化合物が好ましく、工業的な入手の容易さから、1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。
その他のビニル系化合物としては、鎖状ビニル化合物、環状ビニル化合物、不飽和の環状酸無水物、不飽和イミド化合物等が挙げられる。これらの化合物は、ニトリル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシカルボニル基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。これらの中でも、吸湿性の観点から、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテン、4,6−ジメチル−1−ヘプテン等の炭素数2〜20の鎖状オレフィン;ビニルシクロヘキサン等の炭素数5〜20の環状オレフィン;等の、極性基を含有しないものが好ましく、炭素数2〜20の鎖状オレフィンがより好ましく、エチレン、プロピレンが特に好ましい。
<ブロック共重合体[C]>
ブロック共重合体[C]は、ブロック共重合体水素化物[D]の前駆体であり、少なくとも2つの重合体ブロック[A]と少なくとも1つの重合体ブロック[B]とを含有する高分子である。
ブロック共重合体[C]中の重合体ブロック[A]の数は、通常3個以下、好ましくは2個である。ブロック共重合体[C]中の重合体ブロック[B]の数は、通常2個以下、好ましくは1個である。
ブロック共重合体[C]のブロックの形態は、特に限定されず、鎖状型ブロックでもラジアル型ブロックでも良いが、鎖状型ブロックであるほうが、機械的強度に優れ、好ましい。
ブロック共重合体[C]の最も好ましい形態は、重合体ブロック[B]の両端に重合体ブロック[A]が結合したトリブロック共重合体([A]−[B]−[A])である。
ブロック共重合体[C]中の芳香族ビニル化合物由来の構造単位〔a〕の全量が、ブロック共重合体[C]全体に占める重量分率をwaとし、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位〔b〕の全量が、ブロック共重合体[C]全体に占める重量分率をwbとしたときに、waとwbとの比(wa:wb)は、好ましくは30:70〜60:40、より好ましくは40:60〜58:42、更に好ましくは45:55〜55:45である。
waが多過ぎる場合は、接着層の貯蔵弾性率は高くなるが、合わせガラスの低温下での耐衝撃性が低下するおそれがある。一方、waが少な過ぎる場合は、接着層の貯蔵弾性率が低下し、合わせガラスの剛性が低下するおそれがある。
ブロック共重合体[C]の分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常35,000〜200,000、好ましくは38,000〜150,000、より好ましくは40,000〜100,000である。また、ブロック共重合体[C]の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは1.7以下である。
Mw及びMw/Mnが上記範囲となるようにすると、接着層の耐熱性や機械的強度が良好である。
ブロック共重合体[C]を含有する試料のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される溶出曲線は、主ピークと、主ピークのピークトップが示す分子量よりも小さい分子量を示すピークトップを有する第2のピークとを有するものであってもよい。第2のピークのピークトップが示す分子量は1000以上であることが好ましい。主ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(主ピークトップ感度)(mV)に対する第2のピークのピークトップが示すRIの検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)の比(第2ピークトップ感度/主ピークトップ感度)は、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下である。第2のピークは重合工程で触媒の一部が失活すること等により生じることがある。上記溶出曲線が第2のピークを有する場合、ブロック共重合体[C]の水素化物にアルコキシシリル基等を導入した変性ブロック共重合体水素化物[E]を用いれば、接着性により優れた接着層を得ることができる。
ブロック共重合体[C]の製造方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。具体的には、ブロック共重合体[C]の製造方法としては、例えば、国際公開第2003/018656号、国際公開第2011/096389号等に記載の方法が挙げられる。
<ブロック共重合体水素化物[D]>
ブロック共重合体水素化物[D]は、ブロック共重合体[C]の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合のみを選択的に水素化した高分子であってもよいし、ブロック共重合体[C]の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合並びに芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化した高分子であってもよいし、これらの混合物であってもよい。
接着層においては、芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化しない場合と水素化した場合とで、貯蔵弾性率に顕著な差異は生じない。
ブロック共重合体[C]の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合のみを選択的に水素化する場合、主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、通常95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは99%以上であり、芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、通常10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下である。
鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率が高いほど、接着層の耐候性、耐熱劣化性が良好である。また、芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化を抑制することにより、接着層の耐熱劣化性を維持し易くなる。
ブロック共重合体[C]の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合並びに芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化する場合、水素化率は、全炭素−炭素不飽和結合の90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上である。
ブロック共重合体水素化物[D]の水素化率がこの範囲にあれば、接着層は、透明性、耐熱劣化性に優れ、また、鎖状共役ジエン化合物に由来する炭素−炭素不飽和結合のみを選択的に水素化したブロック共重合体水素化物[D]を使用した接着層に比較して、耐光性が優れ、耐熱変形温度も高くなるため特に好ましい。
ブロック共重合体水素化物[D]の、鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率並びに芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、例えば、ブロック共重合体[C]及びブロック共重合体水素化物[D]の1H−NMRを測定することにより、求めることができる。
ブロック共重合体[C]中の不飽和結合の水素化方法や反応形態等は特に限定されず、公知の方法に従って行えばよい。
ブロック共重合体[C]の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合を選択的に水素化する方法としては、例えば、特開2015−78090号公報等に記載された公知の水素化方法が挙げられる。
また、ブロック共重合体[C]の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合並びに芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化する方法としては、例えば、国際公開第2011/096389号、国際公開第2012/043708号等に記載された方法が挙げられる。
水素化反応終了後においては、水素化触媒、或いは、水素化触媒及び重合触媒を反応溶液から除去した後、得られた溶液から溶剤を除去してブロック共重合体水素化物[D]を回収することができる。
回収したブロック共重合体水素化物[D]は、通常、ペレット形状にして、その後のアルコキシシリル基の導入反応やシートの成形加工に供することができる。
ブロック共重合体水素化物[D]の分子量は、THFを溶媒としたGPCにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常35,000〜200,000、好ましくは38,000〜150,000、より好ましくは40,000〜100,000である。また、ブロック共重合体水素化物[D]の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、特に好ましくは1.7以下である。
Mw及びMw/Mnが上記範囲となるようにすると、接着層の耐熱性や機械的強度が良好である。
ブロック共重合体水素化物[D]を含有する試料のGPCにより測定される溶出曲線は、主ピークと、主ピークのピークトップが示す分子量よりも小さい分子量を示すピークトップを有する第2のピークとを有するものであってもよい。第2のピークのピークトップが示す分子量は1000以上であることが好ましい。主ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(主ピークトップ感度)(mV)に対する第2のピークのピークトップが示すRIの検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)は、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下である。第2のピークは重合工程で触媒が失活したり、水素化工程で重合体が一部切断されたりすること等により生じることがある。上記溶出曲線が第2のピークを有する場合、ブロック共重合体水素化物[D]にアルコキシシリル基等を導入した変性ブロック共重合体水素化物[E]を用いれば、粘着性や充填性により優れた接着層を得ることができる。
<変性ブロック共重合体水素化物[E]>
変性ブロック共重合体水素化物[E]は、上記ブロック共重合体水素化物[D]に、有機過酸化物の存在下で、エチレン性不飽和シラン化合物を反応させることにより、アルコキシシリル基が導入されたものである。
ブロック共重合体水素化物[D]にアルコキシシリル基を導入する方法としては、例えば、国際公開第2012/043708号、特開2015−78090号公報等に記載された公知の方法が挙げられる。
ブロック共重合体水素化物[D]にアルコキシシリル基を導入することにより、変性ブロック共重合体水素化物[E]にはガラスや金属に対する強固な接着性が付与される。
アルコキシシリル基としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等の、トリ(炭素数1〜6アルコキシ)シリル基;メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、エチルジメトキシシリル基、エチルジエトキシシリル基、プロピルジメトキシシリル基、プロピルジエトキシシリル基等の、(炭素数1〜20アルキル)ジ(炭素数1〜6アルコキシ)シリル基;フェニルジメトキシシリル基、フェニルジエトキシシリル基等の、(アリール)ジ(炭素数1〜6アルコキシ)シリル基;等が挙げられる。これらの内、接着層にガラス板に対する強固な接着性が付与される観点から、トリメトキシシリル基が特に好ましい。また、アルコキシシリル基は、ブロック共重合体水素化物[D]に、炭素数1〜20のアルキレン基や、炭素数2〜20のアルキレンオキシカルボニルアルキレン基等の2価の有機基を介して結合していても良い。
ブロック共重合体水素化物[D]へのアルコキシシリル基の導入量は、通常、ブロック共重合体水素化物[D]100質量部に対し、0.1質量部以上10質量部以下であり、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上であり、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。アルコキシシリル基の導入量が多過ぎると、得られる変性ブロック共重合体水素化物[E]を所望の形状に溶融成形する前に微量の水分等で分解されたアルコキシシリル基同士の架橋が進み、ゲル化したり、溶融時の流動性が低下して成形性が低下したりする等の問題が生じ易くなる。また、アルコキシシリル基の導入量が少な過ぎると、接着層を介して中間膜をガラス板と接着するのに十分な接着力が得られないという不具合が生じ易くなる。アルコキシシリル基が導入されたことは、IRスペクトルで確認することができる。また、その導入量は、1H−NMRスペクトルにて算出することができる。
用いるエチレン性不飽和シラン化合物としては、ブロック共重合体水素化物[D]とグラフト重合し、ブロック共重合体水素化物[D]にアルコキシシリル基を導入するものであれば、特に限定されない。エチレン性不飽和シラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、等が好適に用いられる。
これらのエチレン性不飽和シラン化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて使用してもよい。
エチレン性不飽和シラン化合物の使用量は、ブロック共重合体水素化物[D]100質量部に対して、通常0.1質量部以上10質量部以下であり、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上であり、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。
有機過酸化物としては、1分間半減期温度が170℃以上190℃以下のものが好ましく使用される。例えば、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシド、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等が好適に用いられる。これらの有機過酸化物を使用した場合、有機過酸化物の分解反応とエチレン性不飽和シラン化合物とブロック共重合体水素化物[D]との反応を同時に進めることができるため好ましい。
これらの有機過酸化物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて使用してもよい。
有機過酸化物の使用量は、ブロック共重合体水素化物[D]100質量部に対して、通常0.01質量部以上1質量部以下であり、好ましくは0.03質量部以上であり、より好ましくは0.05質量部以上であり、好ましくは0.5質量部以下であり、より好ましくは0.3質量部以下である。
上記のブロック共重合体水素化物[D]とエチレン性不飽和シラン化合物とを、有機過酸化物の存在下で反応させる方法は、特に限定されない。例えば、二軸混練機にて所望の温度で所望の時間混練することにより、ブロック共重合体水素化物[D]にアルコキシシリル基を導入することができる。二軸混練機による混練温度は、通常180℃以上220℃以下であり、好ましくは185℃以上、より好ましくは190℃以上であり、好ましくは210℃以下、より好ましくは200℃以下である。加熱混練時間は、通常0.1分以上10分以下、好ましくは0.2分以上、より好ましくは0.3分以上であり、好ましくは5分以下、より好ましくは2分以下である。
具体的には、ブロック共重合体水素化物[D]へのアルコキシシリル基の導入は、温度および滞留時間が上記範囲になるようにして、ブロック共重合体水素化物[D]、エチレン性不飽和シラン化合物および有機過酸化物を連続的に混練、押出しをすればよい。
変性ブロック共重合体水素化物[E]の分子量は、導入されるアルコキシシリル基の量が少ないため、原料として用いたブロック共重合体水素化物[D]の分子量と大きくは変わらない。一方、有機過酸化物の存在下で、エチレン性不飽和シラン化合物と反応させるため、重合体の架橋反応、切断反応が併発し、変性ブロック共重合体水素化物[E]の分子量分布の値は、ブロック共重合体水素化物[D]の分子量分布の値よりも大きくなる。
変性ブロック共重合体水素化物[E]の分子量は、THFを溶媒としたGPCにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常35,000〜200,000、好ましくは38,000〜150,000、より好ましくは40,000〜100,000である。また、分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下、特に好ましくは2.5以下である。
Mw及びMw/Mnが上記範囲となるようにすると、接着層の耐熱性や機械的強度が維持される。
変性ブロック共重合体水素化物[E]を含有する試料のGPCにより測定される溶出曲線は、主ピークと、主ピークのピークトップが示す分子量よりも小さい分子量を示すピークトップを有する第2のピークとを有するものであってもよい。第2のピークのピークトップが示す分子量は1000以上であることが好ましい。主ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(主ピークトップ感度)(mV)に対する第2のピークのピークトップが示すRIの検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)は、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下である。上記溶出曲線が第2のピークを有する場合、変性ブロック共重合体水素化物[E]を用いれば、接着性のより優れた接着層を得ることができる。
<配合剤>
接着層を構成する樹脂組成物は、主成分である上記樹脂に加えて、各種の配合剤を含有することができる。なお、接着層を構成する樹脂組成物中の樹脂の割合は、通常70質量%以上100質量%以下であり、好ましくは75質量%以上、より好ましくは80質量%以上である。接着層を構成する樹脂組成物が樹脂を70質量%以上含有することにより、得られる接着層の耐熱性や機械的強度が維持される。
好ましい配合剤としては、ガラスとの接着性を調整するための粘着性付与剤、接着性付与剤、紫外線を遮蔽するための紫外線吸収剤、加工性等を高めるための酸化防止剤やブロッキング防止剤、耐久性を高めるための光安定剤等が挙げられる。
粘着性付与剤としては、数平均分子量300〜10,000の炭化水素系重合体が好ましい。粘着性付与剤の具体例としては、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリ−1−オクテン、エチレン・α−オレフィン共重合体等の低分子量体及びその水素化物;ポリイソプレン、ポリイソプレン−ブタジエン共重合体、スチレンーイソプレン共重合体等の低分子量体及びその水素化物等が挙げられる。これらの中では、特に透明性、耐光性を維持し、粘着性付与の効果に優れている点で、低分子量のポリイソブチレン水素化物、低分子量のポリイソプレン水素化物及び低分子量のスチレンーイソプレン共重合体が好ましい。
粘着性付与剤の配合量は、主成分である樹脂100質量部に対して、通常30質量部以下、好ましくは25質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。
粘着性付与剤の配合量が多すぎる場合は、中間膜の貯蔵弾性率が低下して、本発明の合わせガラスの剛性を維持できなくなるおそれがある。
接着性付与剤としては、1,3−ペンタジエン系石油樹脂、シクロペンタジエン系石油樹脂、スチレン・インデン系石油樹脂等の石油樹脂及びその水素化物;ビニルシラン系、エポキシシラン系、アクリルシラン系、アミノシラン系等のシランカップリング剤;等が挙げられる。
接着性付与剤の配合量は、主成分である樹脂100質量部に対して、通常10質量部以下、好ましくは7質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
接着性付与剤の配合量が多すぎる場合は、接着層の貯蔵弾性率が低下して、本発明の合わせガラスの剛性を維持できなくなるおそれがある。
紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物等が使用できる。
酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、フェノ−ル系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が使用できる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤等が使用できる。
主成分である樹脂に配合される、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等は、それぞれ1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤の配合量は、主成分である樹脂100質量部に対して、通常5質量部以下、好ましくは3質量部以下、より好ましくは2質量部以下である。
主成分である樹脂に各種の添加剤を配合する方法としては、一般に用いられる公知の方法が適用できる。例えば、樹脂のペレット及び配合剤を、タンブラー、リボンブレンダー、ヘンシェルタイプミキサー等の混合機を使用して均等に混合した後、二軸押出し機等の連続式溶融混練機により溶融混合し、押出してペレット状にする方法;樹脂を、サイドフィーダーを備えた二軸押出し機により、サイドフィーダーから配合剤を連続的に添加しながら、溶融混練して押出し、ペレット状にする方法;等によって配合剤を均一に分散させた樹脂組成物を製造することができる。
(赤外線反射層)
本発明の合わせガラスに使用する中間膜Xが有する赤外線反射層は、厚さ方向の光線透過率が、波長550nmにおいて、通常50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上であり、波長2000nmにおいて、通常20%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下である。
赤外線反射層は、具体的には、(1)基材となる透明な樹脂フィルム上に赤外線反射膜が形成されてなるフィルム、(2)屈折率が異なる熱可塑性樹脂が交互にそれぞれ数十層以上積層されてなる多層樹脂フィルム、等である。
赤外線反射層が、基材となる透明な樹脂フィルム上に赤外線反射膜が形成されてなるフィルムである場合、樹脂フィルムとしては、透明(波長600nmの光線透過率が60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上)なものであって、剛性、耐熱性、等に優れたものであれば特に限定されない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;シクロオレフィンポリマー;ポリカーボネート;ポリエーテルスルフォン;ナイロン;等の合成樹脂からなるフィルムが使用できる。これらの中でも、透明性、強度、経済性等の観点から、ポリエステル樹脂からなるフィルムが好ましく、合わせガラスの製造時の貼り合わせ工程で140℃付近の温度で軟化して、曲面を有するガラスの形状に適応した成形が可能なことから、ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムが特に好ましい。
樹脂フィルム上に形成する赤外線反射膜としては、金属酸化物層と金属層とを交互に積層してなる赤外線反射膜、金属酸化物等からなる誘電体の高屈折率層と低屈折率層とを交互に多層に積層してなる赤外線反射膜、等が挙げられる。
ここで、金属酸化物層および誘電体を構成する金属酸化物等としては、TiO2、Nb25、Ta25、SiO2、Al23、ZrO2、In23、MgF2等が挙げられる。また、金属層を構成する金属としては、Au、Ag、Cu、Al、Pd、Pt、Sn、In、Zn、Ti、Cd、Fe、Co、Cr、Ni、および、これらの金属の2種以上からなる合金などが挙げられる。
赤外線反射層が、異なる屈折率を有する2種以上の熱可塑性樹脂が交互にそれぞれ数十層以上積層されてなる多層構造を有するフィルムである場合の例としては、ポリエチレンテレフタレート層とシクロヘキサンジメタノールカルボキシレート単位を含んでなるポリエステル層とからなる多層フィルム、ポリエチレンテレフタレート層とポリエチレンナフタレート層とからなる多層フィルム、ポリエチレンテレフタレート層とメチルメタクリレート系コポリマーの層とからなる多層フィルム、ポリエチレンナフタレート層とポリメチルメタクリレート層とからなる多層フィルム、ポリビニルブチラール層とポリスチレン層とからなる多層フィルム、等が挙げられる。
また、赤外線反射層が、異なる屈折率を有する2種以上の熱可塑性樹脂が交互にそれぞれ数十層以上積層されてなる多層構造を有するフィルムである場合は、本発明の合わせガラスを自動車の窓等に使用した場合、電波を遮蔽しないため、携帯電話等の電磁波を利用した機器の使用に支障を起こすことがない。
赤外線反射層の厚さは、特に限定されず、通常20〜200μm、好ましくは30〜150μm、より好ましくは40〜100μmである。
また本発明に使用する赤外線反射層としては、赤外線反射フィルム、遮熱フィルム、熱線反射フィルム、赤外線カットフィルム、等として一般的に市販されているフィルムを使用することもできる。
(機能層)
本発明に使用する中間膜Xは、必要に応じて、接着層及び赤外線反射層の他に機能層を有するものであってもよい。機能層は、好ましくは第1の接着層と赤外線反射層との間及び/又は第2の接着層と赤外線反射層との間に配置することができる。
機能層としては、合わせガラスの熱伝導率をより低下させるための樹脂層、中間膜の貯蔵弾性率を調整するための弾性率の高い樹脂層、合わせガラスの耐貫通性を高めるための機械的強度の優れた樹脂層、合わせガラスに遮音性を付与するための振動吸収層等が挙げられる。
機能層が合わせガラスの熱伝導率を低下させるための樹脂層である場合、樹脂層は第1及び/又は第2の接着層と同じ層を使用したものであってもよい。
機能層が弾性率の高い樹脂層である場合、当該樹脂層を構成する樹脂の具体例としては、スチレン含有量の多いブロック共重合体水素化物、ポリメチルメタクリレート、シクロオレフィンポリマー、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、等の透明性に優れた樹脂からなる層が挙げられる。
機能層が機械的強度の優れた樹脂層である場合、当該樹脂層を構成する樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート、ポリカーボネート、等の透明性を有する樹脂からなる層が挙げられる。
機能層が振動吸収層である場合、当該樹脂層を構成する樹脂の具体例としては、−20℃から20℃の温度範囲に粘弾性特性における損失正接(tanδ)の極大値を有する、スチレン−ジエン系ブロック共重合体及び/又はその水素化物、アクリル系ブロック共重合体、可塑剤を配合したポリビニルアセタール樹脂、等が挙げられる。
(中間膜の形成方法)
本発明の合わせガラスに使用する中間膜Xを形成する方法としては、合わせガラスを製造する以前に、第1の接着層、赤外線反射層、第2の接着層、並びに、必要に応じて第1の接着層と赤外線反射層との間及び/又は第2の接着層と赤外線反射層との間に配置された単層あるいは多層の機能層を、適宜積層して接着一体化して中間膜Xを形成する方法;あらかじめ成形された第1の接着層、赤外線反射層、第2の接着層、並びに、必要に応じて第1の接着層と赤外線反射層との間及び/又は第2の接着層と赤外線反射層との間に配置された単層あるいは多層の機能層を、合わせガラスを製造する工程で2枚のガラス板の間に適宜積層して接着一体化し、合わせガラスを製造するのと同時に中間膜Xを形成する方法;等がある。
単層の接着層、第1の接着層/機能層/第3の接着層からなる多層シート、等を成形する方法としては、特に限定されず、公知の、溶融押出し成形法、多層共押出し成形法、押出しラミネート法、熱ラミネート法、カレンダー成形法、等を適用できる。
例えば、溶融押出し成形法により、変性ブロック共重合体水素化物[E]を主成分とする樹脂組成物からなる単層の接着層を成形する場合は、樹脂温度を、通常180〜240℃、好ましくは190〜230℃、より好ましくは200〜220℃の範囲にして、溶融押出し成形法によりシート状に成形すればよい。
樹脂温度が低過ぎる場合は、流動性が悪化し、接着層の押出し速度が上げられず、工業的に不利となるおそれがある。樹脂温度が高過ぎる場合は、成形される接着層のガラス面に対する接着性が不良となったり、接着層の貯蔵安定性が低下して、接着層を長期間貯蔵した後のガラスに対する接着性が低下したりするおそれがある。
また例えば、外層が変性ブロック共重合体水素化物[E]を主成分とする樹脂組成物からなり、内層が弾性率の高いブロック共重合体水素化物[D]を主成分とする樹脂組成物からなる機能層を有する多層シートを成形する場合は、2種3層共押出し成形機等により成形する方法;あらかじめ押出し成形法等により成形された単層の樹脂層同士を熱ラミネート等の方法により積層一体化して接着層を形成する方法;等が適用できる。
(c)合わせガラス
本発明の合わせガラスは、第1のガラス板および第2のガラス板を含む少なくとも2枚のガラス板と、中間膜Xを含む少なくとも1枚の中間膜とを有しており、当該少なくとも2枚のガラス板は中間膜を介して接着一体化されている。ここで、第1のガラス板と第2のガラス板とは中間膜Xを介して接着一体化されているものとする。
本発明の合わせガラスの20℃における厚み方向の熱伝導率は、好ましくは0.35W/(m・K)以下であり、より好ましくは0.3W/(m・K)以下、特に好ましくは0.25W/(m・K)以下である。本発明の合わせガラスの熱伝導率が上記値以下であれば、ガラス板の熱伝導率(通常約1W/(m・K)程度)の約1/3以下であり、また、自動車用合わせガラスとして汎用的に使用されている厚さ2mmの2枚のガラス板と厚さ0.76mmのPVBを主成分とする中間膜とから構成される合わせガラスの熱伝導率(約0.6W/(m・K))よりも小さいため、断熱性に優れている。なお、合わせガラスの20℃における厚み方向の熱伝導率は、熱伝導率測定装置を用い、ASTM E1530法(円板熱流計法)に準拠して、20℃の温度雰囲気で測定して求めた値である。
本発明の合わせガラスにおいて、少なくとも2枚のガラスの厚さの合計をtgとし、少なくとも1枚の中間膜の厚さの合計をtiとしたときの、tgに対するtiの比(ti/tg)は、0.7以上であることが必要であり、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.3以上である。
tgに対するtiの比(ti/tg)を上記の値以上にすることにより、本発明の合わせガラスの厚み方向の熱伝導率を上述した所定値以下にすることが容易になる。
また、tgに対するtiの比(ti/tg)は、通常、3.0以下である。
また本発明の合わせガラスの厚み方向の光線透過率は、波長550nmにおいて50%以上であることが必要であり、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上であり、波長2000nmにおいて20%以下であることが必要であり、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下である。可視光線の透過率が高く、赤外線領域での透過率が低く、断熱性と遮熱性とを両立させた合わせガラスである。なお、本明細書中において、光線透過率は、積分球式分光光度計を用い、JIS K7375法に準拠した測定により求めた値である。
また、本発明の合わせガラスは剛性が高いことが望ましい。合わせガラスの剛性の指標となる合わせガラスの曲げ弾性率は、好ましくは11GPa以上、より好ましくは15GPa以上、更に好ましくは20GPa以上である。なお、合わせガラスの曲げ弾性率は、温度調整用の加熱オーブンを備えたオートグラフを使用し、JIS R1602法(4点曲げ試験法)を参照して、回転形4点曲げ試験治具を使用して、支点間距離:上部=10〜27mm、下部=30〜80mm、支持棒直径6mm、温度40℃の条件で測定して求めた値である。
本発明の合わせガラスの厚さは、通常0.7mm以上であり、好ましくは1mm以上、より好ましくは1.5mm以上、更に好ましくは2.5mm以上、特に好ましくは4.0mm以上、好ましくは9mm以下、より好ましくは8mm以下、更に好ましくは7mm以下、特に好ましくは6.0mm以下である。合わせガラスが上記範囲内の厚さであれば、ディスプレイ用ガラス、自動車用ガラス、建材用ガラス等として好適に使用し得る。
また、合わせガラスの形状は、建材やディスプレイ等に使用する平板状であってもよいし、自動車用合わせガラスのような曲面形状であってもよい。
本発明の合わせガラスを製造する方法は特に限定されない。
例えば、自動車用合わせガラスのような曲面形状をした合わせガラスの一般的な方法としては、例えば、第1のガラス板/第1の接着層/赤外線反射フィルム/第2の接着層/第2のガラス板をこの順に重ね合わせた積層物とし、この積層物を脱気可能な可撓性の樹脂製袋に入れて内部を脱気した後、オートクレーブに入れて、温度100〜150℃、圧力0.01〜1.5MPaの条件下で圧着することができる。
建築物用の合わせガラス等のような平面形状をした合わせガラスの場合は、上記の積層物を真空ラミネータや熱プレス等を用いて加熱加圧して接着一体化させる方法も適用できる。
本発明の合わせガラスは、断熱性及び遮熱性に優れているため、自動車、鉄道車両、船舶、建築物等の窓材、壁材、屋根材、床材、仕切り材等として有用である。また、本発明の合わせガラスは、合わせガラス全体の厚さを厚くすることなく、中間膜の厚さを大きくして、ガラス板の厚さを小さくした場合であっても、剛性を維持しつつ断熱性と遮熱性とを向上させることができるため、合わせガラスの軽量化にも寄与する。このため、自動車用途では、サイドガラス、リアガラス、ルーフガラス、フロントガラス等として、また、建材用途では窓ガラス、間仕切りガラス、天井ガラス等として本発明の合わせガラスを使用することにより、冷暖房の省エネルギー、燃費向上等にも効果を示すことが期待できる。
以下に実施例を示しながら、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は特に断りのない限り質量基準である。
なお、複数種類の化合物を共重合して調製される重合体において、ある化合物に由来する構造単位の当該重合体全体に占める質量分率は、その重合体の調製時に重合する全化合物の総質量に占める当該ある化合物の質量の比率(仕込み比)と当該ある化合物の実測される重合転化率から算出される。
本実施例における評価は、以下の方法によって行う。
(1)重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)
ブロック共重合体[C]及びブロック共重合体水素化物[D]の分子量は、THFを溶離液とするGPCによる標準ポリスチレン換算値として40℃において測定した。測定装置としては、東ソー社製HLC8320GPCを用いた。
(2)水素化率
ブロック共重合体水素化物[D]の主鎖、側鎖及び芳香環の水素化率は、ブロック共重合体[C]及びブロック共重合体水素化物[D]の1H−NMRを測定して算出した。
(3)中間膜の貯蔵弾性率(G’)
各実施例および比較例で作製した中間膜の試験片について、粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、ARES)を使用し、JIS K7244−2法(ねじり振子法)に基づき、角周波数:1rad/sec、測定温度範囲:−100〜+100℃、昇温速度:5℃/minの条件で、粘弾性スペクトルを測定した。得られた粘弾性スペクトルから、40℃における中間膜の貯蔵弾性率G’の値を求めた。
(4)合わせガラスの透明性及び遮熱性
各実施例および比較例で作製した合わせガラスを試験片とし、積分球式分光光度計(V−670、日本分光社製)を用い、JIS K7375法(プラスチック 全光線透過率及び全光線反射率の求め方)に準拠して、波長550nm及び2000nmでの厚さ方向の光線透過率を測定した。
合わせガラスの透明性については、波長550nmでの光線透過率が50%以上である場合を良好、50%未満の場合を不良と評価した。
合わせガラスの遮熱性については、波長2000nmでの光線透過率が20%以下である場合を良好、20%を超える場合を不良と評価した。
(5)合わせガラスの断熱性
各実施例および比較例で作製した合わせガラスを試験片とし、熱伝導率測定装置(製品名:ユニサーモ 2021型、アンター社製)を用い、ASTM E1530法(円板熱流計法)に準拠して、20℃の温度雰囲気で厚さ方向の熱伝導率測定を行った。
合わせガラスの断熱性については、合わせガラスの厚さ方向の熱伝導率が0.35W/(m・K)以下である場合を良好、合わせガラスの厚さ方向の熱伝導率が0.35W/(m・K)超である場合を不良と評価した。
(6)合わせガラスの剛性
各実施例および比較例で作製した合わせガラスを試験片とし、加熱オーブンを備えたオートグラフ(インストロン社製、INSTRON5582)を使用し、JIS R1602法(4点曲げ試験法)を参照して、回転形4点曲げ試験治具を使用して、支点間距離:上部=10〜27mm、下部=30〜80mm、支持棒直径6mm、温度40℃の条件で曲げ試験を行い、曲げ弾性率を測定した。
合わせガラスの剛性については、合わせガラスの曲げ弾性率が11GPa以上である場合を良好、合わせガラスの曲げ弾性率が11GPa未満である場合を不良と評価した。
[製造例1]接着層[G1]の製造
(ブロック共重合体[C1])
攪拌装置を備え、内部が十分に窒素置換された反応器に、脱水シクロヘキサン400部、脱水スチレン10部及びジブチルエーテル0.475部を入れた。全容を60℃で攪拌しながら、n−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.88部を加えて重合を開始させた。引続き全容を60℃で攪拌しながら、脱水スチレン15部を40分間に亘って連続的に反応器内に添加して重合反応を進め、添加終了後、そのままさらに60℃で20分間全容を攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィー(GC)により測定したところ、この時点での重合転化率は99.5%であった。
次に、反応液に、脱水イソプレン50.0部を130分間に亘って連続的に添加し、添加終了後そのまま30分間攪拌を続けた。この時点で、反応液をGCにより分析した結果、重合転化率は99.5%であった。
その後、更に、反応液に脱水スチレン25.0部を、70分間に亘って連続的に添加し、添加終了後そのまま60分間攪拌した。この時点で、反応液をガスクロマトグラフィー(GC)により分析した結果、重合転化率はほぼ100%であった。
ここで、イソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止させることによって、[A]−[B]−[A]型のブロック共重合体[C1]を含む重合体溶液を得た。ブロック共重合体[C1]の重量平均分子量(Mw)は47,200、分子量分布(Mw/Mn)は1.34、wa:wb=50:50であった。
(ブロック共重合体水素化物[D1])
次に、上記の重合体溶液を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒として、珪藻土担持型ニッケル触媒(製品名「E22U」、ニッケル担持量60%、日揮触媒化成社製)4.0部、及び脱水シクロヘキサン30部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度190℃、圧力4.5MPaにて6時間水素化反応を行った。
水素化反応により得られた反応溶液に含まれるブロック共重合体水素化物[D1]の重量平均分子量(Mw)は49,900、分子量分布(Mw/Mn)は1.36であった。
水素化反応終了後、反応溶液を濾過して水素化触媒を除去した後、フェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリトール・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](製品名「Songnox(登録商標)1010」、松原産業社製)0.1部を溶解したキシレン溶液2.0部を添加して溶解させた。
次いで、円筒型濃縮乾燥器(製品名「コントロ」、日立製作所社製)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で、上記溶液から、シクロヘキサン、キシレン及びその他の揮発成分を除去した。溶融ポリマーをダイからストランド状に押出し、冷却後、ペレタイザーによりブロック共重合体水素化物[D1]のペレット95部を作製した。
得られたペレット状のブロック共重合体水素化物[D1]の重量平均分子量(Mw)は49,500、分子量分布(Mw/Mn)は1.40、鎖状共役ジエンに由来する主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率並びに芳香族ビニル化合物に由来する芳香環に由来する炭素−炭素不飽和結合の水素化率はいずれもほぼ100%であった。
(変性ブロック共重合体水素化物[E1])
得られたブロック共重合体水素化物[D1]のペレット100部に対して、ビニルトリメトキシシラン2.0部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(製品名「パーヘキサ(登録商標)25B」、日油社製)0.1部を添加した。この混合物を、二軸押出し機を用いて、樹脂温度200℃、滞留時間60〜70秒で混練し、ストランド状に押出し、空冷した後、ペレタイザーによりカッティングし、アルコキシシリル基を有する変性ブロック共重合体水素化物[E1]のペレット96部を得た。
得られた変性ブロック共重合体水素化物[E1]のペレット10部をシクロヘキサン100部に溶解した後、脱水メタノール400部中に注いで、変性ブロック共重合体水素化物[E1]を凝固させ、凝固物を濾取した。濾過物を25℃で真空乾燥して、変性ブロック共重合体水素化物[E1]のクラム9.0部を単離した。
変性ブロック共重合体水素化物[E1]のFT−IRスペクトルを測定したところ、1090cm-1にSi−OCH3基、825cm-1と739cm-1にSi−CH2基に由来する新たな吸収帯が、ビニルトリメトキシシランのSi−OCH3基、Si−CH基に由来する吸収帯(1075cm-1、808cm-1及び766cm-1)と異なる位置に観察された。
また、変性ブロック共重合体水素化物[E1]の1H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)を測定したところ、3.6ppmにメトキシ基のプロトンに基づくピークが観察され、ピーク面積比からブロック共重合体水素化物[D1]100部に対してビニルトリメトキシシラン1.8部が結合したことが確認された。
(接着層[G1−1]及び[G1−2])
上記で得た変性ブロック共重合体水素化物[E1]のペレット100部に紫外線吸収剤である2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−tert−ブチル−p−クレゾール(住友化学社製、製品名「SUMISORB(登録商標)300」)0.3部を配合し、得られた混合物を、37mmφのスクリューを備えた二軸混練機(東芝機械社製、TEM37B)を有するTダイ式フィルム溶融押出し成形機(Tダイ幅400mm)、キャストロール(エンボスパターン付き)及びシート引き取り装置を備えた押出しシート成形機を使用して、溶融樹脂温度200℃、Tダイ温度200℃、キャストロール温度60℃の条件にて押出し成形し、変性ブロック共重合体水素化物[E1]を主成分とする接着層[G1−1](厚さ0.76mm、幅330mm)及び[G1−2](厚さ0.38mm、幅330mm)を得た。
接着層[G1−1]及び[G1−2]は、押出しシートの片面をニップロールでエンボスロールに押し当てることにより、エンボスパターンを転写した。得られた接着層[G1−1]及び[G1−2]は、それぞれロールに巻き取り回収した。
なお、接着層[G1−1]および[G1−2]の厚さ方向の熱伝導率をASTM E1530に準拠して測定したところ、いずれも0.15W/(m・K)であった。
[製造例2]接着層[G2]の製造
(ブロック共重合体[C2])
製造例1と同様の反応器を使用し、脱水シクロヘキサン400部、脱水スチレン10部及びジブチルエーテル0.475部を入れた。全容を60℃で攪拌しながら、n−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.68部を加えて重合を開始させた。引続き全容を60℃で攪拌しながら、脱水スチレン10.0部を25分間に亘って連続的に反応器内に添加して重合反応を進め、添加終了後、そのままさらに60℃で20分間全容を攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィー(GC)により測定したところ、この時点での重合転化率は99.5%であった。
次に、反応液に、脱水イソプレン60.0部を150分間に亘って連続的に添加し、添加終了後そのまま30分間攪拌を続けた。この時点で、反応液をGCにより分析した結果、重合転化率は99.5%であった。
その後、更に、反応液に脱水スチレン20.0部を、50分間に亘って連続的に添加し、添加終了後そのまま60分攪拌した。この時点で、反応液をGCにより分析した結果、重合転化率はほぼ100%であった。
ここで、イソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止させることによって、[A]−[B]−[A]型のブロック共重合体[C2]を含む重合体溶液を得た。ブロック共重合体[C2]の重量平均分子量(Mw)は61,600、分子量分布(Mw/Mn)は1.35、wa:wb=40:60であった。
(ブロック共重合体水素化物[D2])
次に、上記のようにして得られた重合体溶液を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒として、トルエン1.0部中で、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド0.042部とジエチルアルミニウムクロライド0.122部とを混合した溶液を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、更に溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度90℃、圧力1.0MPaにて5時間水素化反応を行った。
水素化反応後のブロック共重合体水素化物[D2]の重量平均分子量(Mw)は62,900、分子量分布(Mw/Mn)は1.35であった。
水素化反応終了後、反応溶液に水0.10部を添加して、60℃で60分間攪拌した。その後、30℃以下まで冷却し、活性白土(製品名「ガレオンアース(登録商標)」、水澤化学工業社製)1.5部及びタルク(製品名「ミクロエース(登録商標)」、日本タルク社製)1.5部を添加して、反応溶液を濾過ろ過して不溶物を除去した。濾過された溶液にフェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリトール・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.1部を溶解したキシレン溶液1.0部を添加して溶解させた。
次いで、製造例1と同様にして、ブロック共重合体水素化物[D2]のペレット92部を作製した。
得られたペレット状のブロック共重合体水素化物[D2]の重量平均分子量(Mw)は62,300、分子量分布(Mw/Mn)は1.35、鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和合の水素化率は99%、芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は5%未満であった。
(変性ブロック共重合体水素化物[E2])
ブロック共重合体水素化物[D1]のペレットに代えてブロック共重合体水素化物[D2]のペレットを使用する以外は、製造例1と同様にして、アルコキシシリル基を有する変性ブロック共重合体水素化物[E2]のペレット96部を得た。
得られた変性ブロック共重合体水素化物[E2]を製造例1と同様に分析した結果、ブロック共重合体水素化物[D2]100部に対してビニルトリメトキシシラン1.8部が結合したことが確認された。
(接着層[G2−1]及び[G2−2])
変性ブロック共重合体水素化物[E1]に代えて変性ブロック共重合体水素化物[E2]を使用する以外は、製造例1と同様にして、変性ブロック共重合体水素化物[E2]を主成分とする接着層[G2−1](厚さ0.76mm、幅330mm)及び[G2−2](厚さ0.38mm、幅330mm)を得た。
なお、接着層[G2−1]および[G2−2]の厚さ方向の熱伝導率をASTM E1530に準拠して測定したところ、いずれも0.15W/(m・K)であった。
[製造例3]赤外線反射層[H1]の製造
縦40cm、横40cmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:ルミラー、厚さ50μm、東レ社製)の片面に、DCマグネトロンスパッタリング法により、In23(30nm)/Ag(10nm))/In23(60nm)/Ag(10nm)/In23(30nm)の層構成からなる赤外線反射膜を積層し、赤外線反射層[H1]を製造した。赤外線反射層[H1]の厚さ方向の光線透過率は、波長550nmにおいて78%、波長2000nmにおいて5%であった。なお、赤外線反射層[H1]の厚さ方向の光線透過率については、積分球式分光光度計(V−670、日本分光社製)を用い、JIS K7375法(プラスチック 全光線透過率及び全光線反射率の求め方)に準拠して測定した。
[実施例1]
(断熱性評価用の合わせガラス[K1−1])
円形に切り出した2枚の青板ガラス(直径50mm、厚さ1.1mm、熱伝導率:1.0W/(m・K)、光線透過率:91%(550nm、2000nm))の間に、同じく円形に切り出した、製造例1で製造した接着層[G1−1](直径50mm、厚さ0.76mm)2枚、製造例3で製造した赤外線反射層[H1](直径50mm、厚さ0.05mm)1枚を、ガラス板/[G1−1]/[H1]/[G1−1]/ガラス板の順に重ねて配置した。この積層物を、ナイロン/ポリプロピレンの層構成を有する厚さ75μmの樹脂製の袋に入れ、密封パック器(BH−951、パナソニック社製)を使用して、袋内を脱気しながら開口部をヒートシールして積層物を密封包装した。
その後、密封包装した積層物をオートクレーブに入れて、温度140℃、圧力0.8MPaで30分間処理して、ガラス板/[G1−1]/[H1]/[G1−1]/ガラス板の層構成をした合わせガラス[K1−1]を作製した。
得られた合わせガラス[K1−1]の外観は気泡等の欠陥は観察されず、良好であった。また、ガラス板の厚さの合計(tg)に対する中間膜の厚さの合計(ti)の比(ti/tg)は、0.71であった。
(透明性、遮熱性及び剛性評価用の合わせガラス[K1−2])
合わせガラス[K1−1]の作製と同様にして、青板ガラス(長さ100mm、幅20mm、厚さ1.1mm)2枚、接着層[G1−1](長さ100mm、幅20mm、厚さ0.76mm)2枚及び赤外線反射層[H1](長さ100mm、幅20mm、厚さ0.05mm)1枚を使用し、ガラス板/[G1−1]/[H1]/[G1−1]/ガラス板の順に重ねて配置し、合わせガラス[K1−2]を作製した。
(貯蔵弾性率測定用の中間膜[J1])
離型フィルムとしてのPETフィルム(東レ社製、製品名「ルミラー(登録商標)R75」、厚さ75μm)を更に用いて、積層物の作製時に、ガラス板と接着層[G1−1]との間に当該PETフィルムを配置したこと以外は、合わせガラス[K1−2]の作製と同様にして、合わせガラス[K1−3]を作製した。得られた合わせガラス[K1−3]をPETフィルム面から剥離し、[G1−1]/[H1]/[G1−1]の3層構成からなる中間膜[J1]を取り出した。この中間膜から長さ70mm、幅10mmの試験片を切り出し、粘弾性測定用の試験片とした。
(中間膜の貯蔵弾性率)
作製した中間膜[J1]の貯蔵弾性率は8.8×107Paであった。
(透明性及び遮熱性の評価)
作製した合わせガラス[K1−2]の厚さ方向の光線透過率は、550nmにおいて77%、2000nmにおいて5%であり、透明性の評価は良好、遮熱性の評価は良好であった。
(断熱性の評価)
作製した合わせガラス[K1−1]の厚さ方向の熱伝導率は、0.30W/(m・K)で、断熱性の評価は良好であった。
(剛性の評価)
作製した合わせガラス[K1−2]の曲げ弾性率は、31GPaであり、合わせガラスの剛性の評価は良好であった。
これらの結果を表1に示した。
[実施例2]
接着層[G1−1]を2枚、赤外線反射層[H1]を1枚使用することに加えて、機能層として合わせガラスの熱伝導率を小さくするための樹脂層として接着層と同じ[G1−1]を更に2枚使用し、層構成をガラス板/[G1−1]/[H1]/[G1−1]/[G1−1]/[G1−1]/ガラス板の順に重ねて配置すること以外は実施例1と同様にして、断熱性評価用の合わせガラス[K2−1]、透明性、遮熱性及び剛性評価用の合わせガラス[K2−2]、及び、[G1−1]/[H1]/[G1−1]/[G1−1]/[G1−1]の5層構成からなる中間膜[J2]を作製した。
合わせガラス[K2−1]及び[K2−2]のガラス板の厚さの合計(tg)に対する中間膜の厚さの合計(ti)の比(ti/tg)は、1.40であった。
(中間膜の貯蔵弾性率)
作製した中間膜[J2]の貯蔵弾性率は8.6×107Paであった。
(透明性及び遮熱性の評価)
作製した合わせガラス[K2−2]の厚さ方向の光線透過率は、550nmにおいて74%、2000nmにおいて5%であり、透明性の評価は良好、遮熱性の評価は良好であった。
(断熱性の評価)
作製した合わせガラス[K2−1]の厚さ方向の熱伝導率は、0.23W/(m・K)で、断熱性の評価は良好であった。
(剛性の評価)
作製した合わせガラス[K2−2]の曲げ弾性率は、22GPaであり、合わせガラスの剛性の評価は良好であった。
これらの結果を表1に示した。
[比較例1]
接着層[G1−1]を2枚、赤外線反射層[H1]を1枚使用することに加えて、更に機能層として合わせガラスの熱伝導率を小さくするための樹脂層として接着層と同じ[G1−1]を1枚及びポリビニルブチラール樹脂を主成分とする合わせガラス中間膜用シート[G3](ソルーシア社製、製品名「Saflex(登録商標) RF41」、厚さ0.76mm)1枚を使用し、合わせガラスの層構成をガラス板/[G1−1]/[H1]/[G1−1]/[G3]/[G1−1]/ガラス板の順に重ねて配置する以外は実施例1と同様にして断熱性評価用の合わせガラス[K3−1]、透明性、遮熱性及び剛性評価用の合わせガラス[K3−2]、及び、[G1−1]/[H1]/[G1−1]/[G3]/[G1−1]の5層構成からなる中間膜[J3]を作製した。
合わせガラス[K3−1]及び[K3−2]のガラス板の厚さの合計(tg)に対する中間膜の厚さの合計(ti)の比(ti/tg)は、1.40であった。
なお、上記で使用した合わせガラス中間膜用シート[G3]の厚さ方向の熱伝導率をASTM E1530に準拠して測定したところ、0.17W/(m・K)であった。
(中間膜の貯蔵弾性率)
作製した中間膜[J3]の貯蔵弾性率は0.58×107Paであり、本発明の要件を満たしていなかった。
(透明性及び遮熱性の評価)
作製した合わせガラス[K3−2]の厚さ方向の光線透過率は、550nmにおいて74%、2000nmにおいて5%であり、透明性の評価は良好、遮熱性の評価は良好であった。
(断熱性の評価)
作製した合わせガラス[K3−1]の厚さ方向の熱伝導率は、0.25W/(m・K)で、断熱性の評価は良好であった。
(剛性の評価)
作製した合わせガラス[K3−2]の曲げ弾性率は、3GPaと低い値で、剛性の評価は不良であった。
これらの結果を表1に示した。
[比較例2]
厚さ1.1mmのガラス板2枚を使用し、接着層[G1−2]を2枚使用して、層構成をガラス板/[G1−2]/[H1]/[G1−2]/ガラス板の順に重ねて配置する以外は実施例1と同様にして断熱性評価用の合わせガラス[K4−1]、透明性、遮熱性及び剛性評価用の合わせガラス[K4−2]、及び、[G1−2]/[H1]/[G1−2]の3層構成からなる中間膜[J4]を作製した。
合わせガラス[K4−1]及び[K4−2]のガラス板の厚さの合計(tg)に対する中間膜の厚さの合計(ti)の比(ti/tg)は、0.37であり、本発明の要件を満たしていなかった。
(中間膜の貯蔵弾性率)
作製した中間膜[J4]の貯蔵弾性率は9.0×107Paであった。
(透明性及び遮熱性の評価)
作製した合わせガラス[K4−2]の厚さ方向の光線透過率は、550nmにおいて77%、2000nmにおいて5%であり、透明性の評価は良好、遮熱性の評価は良好であった。
(断熱性の評価)
作製した合わせガラス[K4−1]の厚さ方向の熱伝導率は、0.41W/(m・K)と大きい値であり、断熱性の評価は不良であった。
(剛性の評価)
作製した合わせガラス[K4−2]の曲げ弾性率は、42GPaであり、合わせガラスの剛性の評価は良好であった。
これらの結果を表1に示した。
[比較例3]
厚さ2.1mmのガラス板2枚及び合わせガラス中間膜用シート[G3]を1枚使用し、層構成をガラス板/[G3]/ガラス板の順に重ねて配置する以外は実施例1と同様にして断熱性評価用の合わせガラス[K5−1]、透明性、遮熱性及び剛性評価用の合わせガラス[K5−2]を作製した。また、ガラス中間膜用シート[G3]を長さ70mm、幅10mmに切り出して得られた中間膜[J5]を、粘弾性測定用の試験片とした。
合わせガラス[K5−1]及び[K5−2]のガラス板の厚さの合計(tg)に対する中間膜の厚さの合計(ti)の比(ti/tg)は、0.18であり、本発明の要件を満たしていなかった。
(中間膜の貯蔵弾性率)
作製した中間膜[J5]の貯蔵弾性率は0.15×107Paであり、本発明の要件を満たしていなかった。
(透明性及び遮熱性の評価)
作製した合わせガラス[K5−2]の厚さ方向の光線透過率は、550nmにおいて78%、2000nmにおいて88%であり、透明性の評価は良好、遮熱性の評価は不良であった。
(断熱性の評価)
作製した合わせガラス[K5−1]の厚さ方向の熱伝導率は、0.60W/(m・K)と大きい値であり、断熱性の評価は不良であった。
(剛性の評価)
作製した合わせガラス[K5−2]の曲げ弾性率は、11GPaであり、合わせガラスの剛性の評価は良好であった。
これらの結果を表1に示した。
Figure 2020158934
[実施例3]
接着層[G1−1]に代えて製造例2で製造した接着層[G2−1]を使用すること以外は、実施例1と同様にして、断熱性評価用の合わせガラス[K6−1]、透明性、遮熱性及び剛性評価用の合わせガラス[K6−2]、及び、[G2−1]/[H1]/[G2−1]の3層構成からなる中間膜[J6]を作製した。
合わせガラス[K6−1]及び[K6−2]のガラス板の厚さの合計(tg)に対する中間膜の厚さの合計(ti)の比(ti/tg)は、0.71であった。
(中間膜の貯蔵弾性率)
作製した中間膜[J6]の貯蔵弾性率は4.3×107Paであった。
(透明性及び遮熱性の評価)
作製した合わせガラス[K6−2]の厚さ方向の光線透過率は、550nmにおいて77%、2000nmにおいて5%であり、透明性の評価は良好、遮熱性の評価は良好であった。
(断熱性の評価)
作製した合わせガラス[K6−1]の厚さ方向の熱伝導率は、0.30W/(m・K)で、断熱性の評価は良好であった。
(剛性の評価)
作製した合わせガラス[K6−2]の曲げ弾性率は、16GPaであり、合わせガラスの剛性の評価は良好であった。
これらの結果を表2に示した。
[実施例4]
接着層[G1−1]に代えて製造例2で製造した接着層[G2−1]を接着層および機能層として使用すること以外は、実施例2と同様にして、断熱性評価用の合わせガラス[K7−1]、透明性、遮熱性及び剛性評価用の合わせガラス[K7−2]、及び、[G2−1]/[H1]/[G2−1]/[G2−1]/[G2−1]の5層構成からなる中間膜[J7]を作製した。
合わせガラス[K7−1]及び[K7−2]のガラス板の厚さの合計(tg)に対する中間膜の厚さの合計(ti)の比(ti/tg)は、1.40であった。
(中間膜の貯蔵弾性率)
作製した中間膜[J7]の貯蔵弾性率は4.3×107Paであった。
(透明性及び遮熱性の評価)
作製した合わせガラス[K7−2]の厚さ方向の光線透過率は、550nmにおいて74%、2000nmにおいて5%であり、透明性の評価は良好、遮熱性の評価は良好であった。
(断熱性の評価)
作製した合わせガラス[K7−1]の厚さ方向の熱伝導率は、0.23W/(m・K)で、断熱性の評価は良好であった。
(剛性の評価)
作製した合わせガラス[K7−2]の曲げ弾性率は、11GPaであり、合わせガラスの剛性の評価は良好であった。
これらの結果を表2に示した。
[比較例4]
接着層[G1−1]に代えて、接着層[G2−1]を接着層および機能層として使用すること以外は、比較例1と同様にして、断熱性評価用の合わせガラス[K8−1]、透明性、遮熱性及び剛性評価用の合わせガラス[K8−2]、及び、[G2−1]/[H1]/[G2−1]/[G3]/[G2−1]の5層構成からなる中間膜[J8]を作製した。
合わせガラス[K8−1]及び[K8−2]のガラス板の厚さの合計(tg)に対する中間膜の厚さの合計(ti)の比(ti/tg)は、1.40であった。
(中間膜の貯蔵弾性率)
作製した中間膜[J8]の貯蔵弾性率は0.55×107Paであり、本発明の要件を満たしていなかった。
(透明性及び遮熱性の評価)
作製した合わせガラス[K8−2]の厚さ方向の光線透過率は、550nmにおいて74%、2000nmにおいて5%であり、透明性の評価は良好、遮熱性の評価は良好であった。
(断熱性の評価)
作製した合わせガラス[K8−1]の厚さ方向の熱伝導率は、0.25W/(m・K)で、断熱性の評価は良好であった。
(剛性の評価)
作製した合わせガラス[K8−2]の曲げ弾性率は、3GPaと低い値であり、剛性の評価は不良であった。
これらの結果を表2に示した。
[比較例5]
接着層[G1−2]に代えて製造例2で製造した接着層[G2−2]を使用すること以外は、比較例2と同様にして、断熱性評価用の合わせガラス[K9−1]、透明性、遮熱性及び剛性評価用の合わせガラス[K9−2]、及び、[G2−2]/[H1]/[G2−2]の3層構成からなる中間膜[J9]を作製した。
合わせガラス[K9−1]及び[K9−2]のガラス板の厚さの合計(tg)に対する中間膜の厚さの合計(ti)の比(ti/tg)は、0.37であり、本発明の要件を満たしていなかった。
(中間膜の貯蔵弾性率)
作製した中間膜[J9]の貯蔵弾性率は4.5×107Paであった。
(透明性及び遮熱性の評価)
作製した合わせガラス[K9−2]の厚さ方向の光線透過率は、550nmにおいて77%、2000nmにおいて5%であり、透明性の評価は良好、遮熱性の評価は良好であった。
(断熱性の評価)
作製した合わせガラス[K9−1]の厚さ方向の熱伝導率は、0.41W/(m・K)と大きい値であり、断熱性の評価は不良であった。
(剛性の評価)
作製した合わせガラス[K9−2]の曲げ弾性率は、25GPaであり、合わせガラスの剛性の評価は良好であった。
これらの結果を表2に示した。
[比較例6]
(接着層[G4−1])
製造例1で得た変性ブロック共重合体水素化物[E1]のペレット100部に、紫外線吸収剤である2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−tert−ブチル−p−クレゾール0.3部を配合し、サイドフィーダーから粘着性付与剤である水素化ポリイソブテン(日油社製、製品名「パールリーム(登録商標)18」)20部を供給すること以外は、製造例1と同様にして、変性ブロック共重合体水素化物[E1]を主成分とする接着層[G4−1](厚さ0.76mm、幅330mm)を製造した。
なお、接着層[G4−1]の厚さ方向の熱伝導率をASTM E1530に準拠して測定したところ、0.16W/(m・K)であった。
(合わせガラス[K10]および中間膜[J10])
接着層[G1−1]に代えて上記接着層[G4−1]を使用すること以外は、実施例1と同様にして、断熱性評価用の合わせガラス[K10−1]、透明性、遮熱性及び剛性評価用の合わせガラス[K10−2]、及び、[G4−1]/[H1]/[G4−1]の3層構成からなる中間膜[J10]を作製した。
合わせガラス[K10−1]及び[K10−2]のガラス板の厚さの合計(tg)に対する中間膜の厚さの合計(ti)の比(ti/tg)は、0.71であった。
(中間膜の貯蔵弾性率)
作製した中間膜[J10]の貯蔵弾性率は2.8×107Paであり、本発明の要件を満たしていなかった。
(透明性及び遮熱性の評価)
作製した合わせガラス[K10−2]の厚さ方向の光線透過率は、550nmにおいて77%、2000nmにおいて5%であり、透明性の評価は良好、遮熱性の評価は良好であった。
(断熱性の評価)
作製した合わせガラス[K10−1]の厚さ方向の熱伝導率は、0.32W/(m・K)で、断熱性の評価は良好であった。
(剛性の評価)
作製した合わせガラス[K10−2]の曲げ弾性率は、10GPaと低い値であり、剛性の評価は不良であった。
[実施例5]
使用するガラス板(青板ガラス)の厚さを1.1mmから0.7mmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして断熱性評価用の合わせガラス[K11−1]、透明性、遮熱性及び剛性評価用の合わせガラス[K11−2]、及び、[G1−1]/[H1]/[G1−1]の3層構成からなる中間膜[J11]を作製した。
合わせガラス[K11−1]及び[K11−2]のガラス板の厚さの合計(tg)に対する中間膜の厚さの合計(ti)の比(ti/tg)は、1.12であった。
(中間膜の貯蔵弾性率)
作製した中間膜[J11]の貯蔵弾性率は8.8×107Paであった。
(透明性及び遮熱性の評価)
作製した合わせガラス[K11−2]の厚さ方向の光線透過率は、550nmにおいて77%、2000nmにおいて5%であり、透明性の評価は良好、遮熱性の評価は良好であった。
(断熱性の評価)
作製した合わせガラス[K11−1]の厚さ方向の熱伝導率は、0.25W/(m・K)で、断熱性の評価は良好であった。
(剛性の評価)
作製した合わせガラス[K11−2]の曲げ弾性率は、29GPaであり、合わせガラスの剛性の評価は良好であった。
これらの結果を表2に示した。
[実施例6]
使用するガラス板(青板ガラス)の厚さを1.1mmから2.0mmに変更したこと以外は、実施例2と同様にして断熱性評価用の合わせガラス[K12−1]、透明性、遮熱性及び剛性評価用の合わせガラス[K12−2]、及び、[G1−1]/[H1]/[G1−1]/[G1−1]/[G1−1]の5層構成からなる中間膜[J12]を作製した。
合わせガラス[K12−1]及び[K12−2]のガラス板の厚さの合計(tg)に対する中間膜の厚さの合計(ti)の比(ti/tg)は、0.77であった。
(中間膜の貯蔵弾性率)
作製した中間膜[J12]の貯蔵弾性率は8.6×107Paであった。
(透明性及び遮熱性の評価)
作製した合わせガラス[K12−2]の厚さ方向の光線透過率は、550nmにおいて74%、2000nmにおいて5%であり、透明性の評価は良好、遮熱性の評価は良好であった。
(断熱性の評価)
作製した合わせガラス[K12−1]の厚さ方向の熱伝導率は、0.29W/(m・K)で、断熱性の評価は良好であった。
(剛性の評価)
作製した合わせガラス[K12−2]の曲げ弾性率は、26GPaであり、合わせガラスの剛性の評価は良好であった。
これらの結果を表2に示した。
Figure 2020158934
実施例及び比較例の結果から以下のことがわかる。
赤外線反射層を有し、40℃における貯蔵弾性率が3.0×107Pa以上の中間膜を使用し、且つ、ガラス板の厚さの合計(tg)に対する中間膜の厚さの合計(ti)の比(ti/tg)が0.7以上にすることにより、合わせガラスの厚み方向の熱伝導率が0.35W/(m・K)以下であって、遮熱性、断熱性が改善され、且つ、曲げ弾性率が11GPa以上の剛性を有する合わせガラスを製造することができる(実施例1〜6)。
40℃における貯蔵弾性率が3.0×107Paを下回る中間膜を使用した場合、合わせガラスの厚み方向の熱伝導率を0.35W/(m・K)以下にすると、合わせガラスの曲げ弾性率が11GPa未満となり、合わせガラスの剛性が維持できない(比較例1、比較例4、比較例6)。
合わせガラス中間膜として従来一般的に使用されているPVBを主成分とする中間膜は、40℃における貯蔵弾性率が3×107Paを大きく下回っており、曲げ弾性率が11GPaとなる合わせガラスでは厚み方向の熱伝導率が0.35W/(m・K)以下となる合わせガラスは製造できない(比較例3)。
40℃における中間膜の貯蔵弾性率が3×107Pa以上であっても、ガラスの厚さに対して中間膜の厚さが薄い場合は、合わせガラスの剛性は十分に大きいが、熱伝導率を0.35W/(m・K)以下にできない場合がある(比較例2、比較例5)。
本発明の合わせガラスは、断熱性及び遮熱性が改善され、且つ、剛性および軽量性も維持されているため、自動車、鉄道車両、船舶、建築物等の窓材等として使用した場合、冷暖房効果を高めることができるため有用である。

Claims (4)

  1. 少なくとも2枚のガラス板と、少なくとも1枚の中間膜と、を備える合わせガラスであって、
    前記少なくとも2枚のガラス板は、第1のガラス板及び第2のガラス板を含み、
    前記少なくとも1枚の中間膜は、前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との間に配置された中間膜Xを含み、
    前記中間膜Xは、第1の接着層と、第2の接着層と、前記第1の接着層と前記第2の接着層との間に配置された赤外線反射層とを有する積層体であり、
    前記中間膜Xの動的粘弾性特性における貯蔵弾性率が40℃において3.0×107Pa以上5.0×108Pa以下であり、
    前記少なくとも2枚のガラス板の厚さの合計をtgとし、前記少なくとも1枚の中間膜の厚さの合計をtiとしたときの、tgに対するtiの比(ti/tg)が0.7以上であり、
    前記合わせガラスの厚さ方向の光線透過率が、波長550nmにおいて50%以上であり、波長2000nmにおいて20%以下である、合わせガラス。
  2. 前記第1の接着層および前記第2の接着層の少なくともいずれか一方が、芳香族ビニル化合物由来の構造単位〔a〕を主成分とする、少なくとも2つの重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位〔b〕を主成分とする、少なくとも1つの重合体ブロック[B]とを有するブロック共重合体[C]を水素化したブロック共重合体水素化物[D]に、アルコキシシリル基を導入してなる変性ブロック共重合体水素化物[E]を主成分とする、請求項1に記載の合わせガラス。
  3. 前記合わせガラスの厚さ方向の熱伝導率が20℃において0.35W/(m・K)以下である、請求項1又は2に記載の合わせガラス。
  4. 曲げ弾性率が11GPa以上である、請求項1〜3の何れかに記載の合わせガラス。
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