JPWO2020111171A1 - 血管新生促進用組成物 - Google Patents

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Abstract

安全性の点で問題のない血管新生促進用組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、そのような物質を配合した血管新生促進用サプリメント、飲食品及び血管新生促進用化粧料を提供することを課題とする。配列番号1により表されるアミノ酸配列からなるペプチドおよび/又は血管新生促進活性を有するその分解物を有効成分とする血管新生促進用組成物、又は前記血管新生促進用組成物を含む、スキンケア剤、血管新生促進用サプリメント、飲食品、もしくは血管新生促進用化粧料により前記課題を解決することができる。

Description

本発明は、血管機能老化等を防止するのに有用な血管新生促進用組成物、スキンケア剤、血管新生促進用飲食品、血管新生促進用サプリメント、及び血管新生促進用化粧料に関する。
様々な臓器が健全に維持される上で、血管新生(再生)が重要である。血管新生は、既存の血管から新たな血管を形成させることであり、その過程は、ペリサイト(壁細胞)がAng−2(アンジオポエチン−2)により血管壁からの離脱が調節されることにより開始される。その後、血管新生促進因子であるVEGF(vascular endothelial growth factor)が中心的因子として機能して、血管新生は制御され、最終的にはAng−1により安定化、成熟化される。
VEGFは、血管内皮細胞の増殖誘導と生存維持、血管透過性の亢進、血圧の調整、血小板による遊走、マクロファージに対する走化性等の機能を有している。血管内皮細胞におけるVEGFの発現を亢進する物質は、血管新生促進用組成物として皮膚老化の予防又は改善、育毛、心筋機能改善、骨・軟骨機能改善、脳機能改善等の作用が期待できる。
VEGFの発現を亢進する物質としては、大豆由来調整物や植物などからの抽出物(特許文献1)、ペプチド(特許文献2)が見出されている。また、血管新生を促進する牛乳中に含まれる成分としては、Angiogenin−2やLactadherinが報告されている(非特許文献1)。しかしながら、ペプチドとしての報告は無い。
特許第5732207号 特許第5337868号
Nutrients,第6巻, 371頁, 2014年
本発明は、これまでにない血管新生促進用組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、そのような物質を配合したスキンケア剤、血管新生促進用飲食品、血管新生促進用サプリメント、及び血管新生促進用化粧料を提供することを課題とする。
本発明者らは、これらの課題を解決するために、広く食品素材に含まれている血管新生促進作用を示す物質について、鋭意、探索を進めた。そして、β-ラクトグロブリンのアミノ酸配列のうち、LSFNPTQLEEQCHI(配列番号1)からなるペプチドおよびその分解物が、血管新生を促進させることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の態様を含むものである。
<1>配列番号1により表されるアミノ酸配列からなるペプチドおよび/または血管新生促進活性を有するその分解物を有効成分とする血管新生促進用組成物。
<2>前記分解物が、配列番号1により表されるアミノ酸配列からなるペプチドをタンパク質分解酵素で分解して得られたものであることを特徴とする<1>記載の血管新生促進用組成物。
<3>前記タンパク質分解酵素が、トリプシン、パンクレアチン、キモトリプシン、ペプシン、パパイン、カリクレイン、カテプシン、サーモライシン、及びV8プロテアーゼから成る群から選択される1種以上であることを特徴とする<2>記載の血管新生促進用組成物。
<4><1>〜<3>のいずれかに記載の血管新生促進用組成物を含む、血管新生促進用サプリメント、血管新生促進用飲食品、又は血管新生促進用化粧料。
<5>皮膚表面に塗布するためのスキンケア剤である、<4>に記載の血管新生促進用化粧料。
<6>前記スキンケアが、肌荒れの予防及び/又は改善であることを特徴とする<5>記載のスキンケア剤。
<7><1>〜<3>のいずれかに記載の血管新生促進用組成物を、スキンケア剤全量基準で0.03〜1重量%含む、<5>又は<6>に記載のスキンケア剤。
<8>洗顔料、クリーム、乳液、美容液、又は化粧水である、<5>〜<7>のいずれかに記載のスキンケア剤。
本発明により、配列番号1により表されるアミノ酸配列からなるペプチド(以下、配列番号1のペプチドと称することがある)および/または血管新生促進活性を有するその分解物を有効成分とする血管新生促進用組成物、血管新生促進用飲食品、血管新生促進用サプリメント、及び血管新生促進用化粧料が提供される。本発明の血管新生促進用組成物等は、血管新生を促進させる作用を有する。したがって、乾燥、肌荒れや皮膚のしわ、たるみに有用である。
β-ラクトグロブリンのトリプシン消化物(β−LgT)のゲルろ過画分によるVEGF mRNA発現への影響を示すグラフである。 β−ラクトグロブリンのトリプシン消化物のゲルろ過活性画分の逆相クロマトグラフィーの結果を示す図である。 逆相クロマトグラフィーにより分離した、配列番号1のペプチドに該当する試料AによるVEGF mRNA発現への影響を示すグラフである。 配列番号1のペプチドに該当する試料B及びその分解物である試料CによるVEGF mRNA発現への影響を示すグラフである。 配列番号1のペプチドに該当する試料Bの血管新生促進活性の測定結果を示す図である。
本発明者らは、上述の課題を解決するために、広く食品素材に含まれている血管新生促進作用を示す物質について、鋭意、探索を進めた。そして、β-ラクトグロブリンのアミノ酸配列のうち、配列番号1のペプチドおよびその分解物が、血管新生制御因子であるVEGFのmRNAの発現を促進することにより血管新生を促進させることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明において使用される配列番号1のペプチドは、血管新生促進活性を有する。本発明において使用される前記ペプチドはどのような由来のものであっても使用可能である。たとえば、配列番号1のペプチドを得るための原料として、ヒト及びウシ由来のβ-ラクトグロブリンを用いることができる。
β-ラクトグロブリンはすでにその遺伝子配列が明らかになっている。したがって、遺伝子組換えによる生産が可能であり、細胞培養の培養液から回収した細胞由来のものも使用可能である。また、β-ラクトグロブリンは、生乳や粉乳、脱脂乳、還元乳等から、加熱処理、加塩処理、エタノール処理、イオン交換クロマトグラフィーやゲル濾過クロマトグラフィー等の各種クロマト処理、限外濾過処理等によって取得することも可能である。
配列番号1のペプチドは、β-ラクトグロブリンをタンパク質分解酵素で処理して得ることができる。タンパク質分解酵素としては、トリプシン、パンクレアチン、キモトリプシン、ペプシン、パパイン、カリクレイン、カテプシン、サーモライシン、又はV8プロテアーゼをあげることが出来る。また、これらのタンパク質分解酵素を1種以上使用してもよい。配列番号1のペプチドを含有する、β-ラクトグロブリンのタンパク質分解酵素分解物それ自体を本発明の血管新生促進用組成物として使用することもできる。あるいは、β-ラクトグロブリンのタンパク質分解酵素分解物において、配列番号1のペプチドを含有する画分を本発明の血管新生促進用組成物として使用することもできる。β-ラクトグロブリンのタンパク質分解酵素分解物における、配列番号1のペプチドを含有する画分は、例えば、Superdex peptide HR10/30ゲルろ過カラム(GEヘルスケア・ジャパン株式会社)およびAKTA クロマトグラフィシステム(GEヘルスケア・ジャパン株式会社)を用いて分離することができる。
また、配列番号1のペプチドの血管新生促進活性を有する分解物は、配列番号1のペプチドをタンパク質分解酵素で処理して得ることができる。タンパク質分解酵素としては、トリプシン、パンクレアチン、キモトリプシン、ペプシン、パパイン、カリクレイン、カテプシン、サーモライシン、又はV8プロテアーゼをあげることが出来る。また、これらタンパク質分解酵素を1種以上使用してもよい。
配列番号1のペプチドの血管新生促進活性を有する分解物は、例えば、以下の手順で調製することができる。
・配列番号1のペプチドを10mg/mlになるようにMili−Q水に溶解し、ペプチド溶液を調製する。
・プロテアーゼA(アマノ製薬社)を前記ペプチド溶液基準で0.1mg/mlになるよう添加し、37℃で6時間反応させる。
・反応後、95℃、5分間で酵素の失活処理を行い、反応物を凍結乾燥する。
なお、前記プロテアーゼAの代わりに、トリプシン、パンクレアチン、キモトリプシン、ペプシン、パパイン、カリクレイン、カテプシン、サーモライシン、及びV8プロテアーゼから成る群から選択される1種以上を用いてもよい。
さらに、配列番号1のペプチドは、市販のペプチド合成装置により化学合成してもよい。
配列番号1のペプチドの血管新生促進活性を有する分解物は、配列番号1のペプチドの、血管新生促進活性を有するペプチド断片又は部分ペプチドであることができる。配列番号1のペプチドの血管新生促進活性を有する分解物は、配列番号1で示されるアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸が欠失し、かつ、血管新生促進活性を有するポリペプチドであることができる。
本発明の血管新生促進用組成物は、例えば、経口投与あるいは塗布することにより、血管新生促進効果を発揮する。本発明の血管新生促進用組成物を経口投与するに際しては、有効成分である配列番号1のペプチドおよび/または血管新生促進活性を有するその分解物をそのままの状態で用いることもできるが、常法に従い、飲食品や粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤等に製剤化して用いることもできる。なお、配列番号1のペプチドおよび/または血管新生促進活性を有するその分解物は、比較的熱に対して安定である。したがって、配列番号1のペプチドおよび/または血管新生促進活性を有するその分解物を含む原料を通常行われるような条件で加熱殺菌することも可能である。
本発明の血管新生促進用組成物は、経口剤に配合することができる。本発明において、粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等の経口剤は、例えば、澱粉、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等の賦形剤を用いて常法によって製剤化することが可能である。この種の製剤には、前記賦形剤の他に、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、着色料、香料等を適宜使用してもよい。
結合剤としては、例えば、澱粉、デキストリン、アラビアガム、ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、結晶性セルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドンが挙げられる。崩壊剤としては、例えば、澱粉、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶性セルロース等が挙げられる。また、界面活性剤としては、大豆レシチン、蔗糖脂肪酸エステル等、滑沢剤としては、タルク、ロウ、蔗糖脂肪酸エステル、水素添加植物油等、流動性促進剤としては無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等が挙げられる。
本発明の血管新生促進用組成物は、皮膚表面に塗布するために化粧料に配合することができる。本発明の血管新生促進用組成物を塗布するに際しては、その使用目的に応じて、通常用いられる公知の成分に配合することによって、液剤、固形剤、半固形剤等の各種剤形に調製することが可能である。好ましい組成物の形態としては、軟膏、ゲル、クリーム、スプレー剤、貼付剤、ローション、粉末等が挙げられる。例えば、本発明の血管新生促進用組成物をワセリン等の炭化水素;ステアリルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル等の高級脂肪酸低級アルキルエステル;ラノリン等の動物性油脂;グリセリン等の多価アルコール;グリセリン脂肪酸エステル、モノステアリン酸、ポリエチレングリコール等の界面活性剤;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸ブチル等の保存料;無機塩;ロウ;樹脂等に混合することによって、血管新生促進用化粧料や医薬品を製造することができる。
本発明の血管新生促進用組成物の経口投与による有効量は、例えば、成人一人当たり一日10μg以上である。この必要量を確保できるよう飲食品に配合するか、あるいは、医薬として投与することが好ましい。なお、投与は必要に応じて一日数回に分けて行うことも可能である。
本発明の血管新生促進用組成物の塗布による有効量は、剤形により異なるが、適用する組成物全量を基準として、好ましくは、0.001〜2重量%、より好ましくは0.005〜2重量%、さらに好ましくは0.01〜1.5重量%、さらに好ましくは0.03〜1重量%、さらに好ましくは0.03〜0.8重量%となるように、配列番号1のペプチドを配合すれば良い。ただし、入浴剤のように使用時に希釈されるものは、さらに配合量を増やすことができる。
本明細書において「血管新生」とは、既存の血管から新たな血管を形成させることを意味する。本明細書において「血管新生促進」は、インビトロ又はインビボにおいて既存の血管から新たな血管を形成させる活性を増大させることを含むことができる。「血管新生促進」は、血管新生促進因子であるVEGFの発現及び/又は機能の活性促進、及び毛細管様構造形成を含むことができる。VEGFの発現亢進活性は、例えば以下のような手順でリアルタイムPCR法を用いて評価することができる。
HUVEC細胞を24穴プレートに1×10cells/mlになる様に播種し、Humedia−EG2培地にて37℃、5% CO環境下にて1週間培養する。1週間の培養期間の最終の8時間について、評価対象試料をHumedia−EG2培地(KURABO社)に溶解し、HUVEC細胞に添加する。ISOGEN(ニッポンジーン)を、0.5ml添加し5分間静置した後、ピペッティングにて可溶化させた細胞液を1.5ml容チューブに回収する。回収した細胞液に0.1mlのクロロホルムを添加し、十分に攪拌した後、二層に分離した上層(水層)を新たな1.5ml容チューブに回収する。回収液に0.25mlの2−プロピルアルコールを添加し、10分間静置する。その後、15,000rpm、4℃にて15分間遠心し、total RNAの沈殿物を得る。得られた沈殿物を、70%エタノールにて洗浄した後、DEPC水に溶解しRNA液とする。1μg分のRNAから商品名「Takara PrimeScriptTM RT reagent Kit」を用いてcDNAを合成する。得られたcDNAをテンプレートとして、SYBR Green(Takara SYBR Prime Ex Taq II)を使用したリアルタイムPCRを行う。反応条件は、95℃、30秒の初期変性後、95℃、5秒の変性、57℃、15秒のアニーリング、72℃、20秒の伸張で行い、合計40サイクル反応させる。プライマーは表1に記載のVEGF遺伝子発現確認用プライマーを使用する。
本明細書において「スキンケア剤」とは、皮膚表面に直接的に又はガーゼ等を用いて間接的に塗布することによって、皮膚の健康状態を保持及び/又は改善できる薬剤又は化粧料を意味する。本発明のスキンケア剤は、液状又はゲル状であることが好ましいが、例えば、本発明の血管新生促進用組成物を含有させた固体状のもの、例えばガーゼ、マスク、及びパック等もスキンケア剤に含まれる。本発明のスキンケア剤は、好ましくは対象の乾燥感、肌荒れ、シワ、及びたるみのうちの一種以上を改善するものである。本発明のスキンケア剤は、好ましくは洗顔料、クリーム、乳液、美容液、又は化粧水であり、より好ましくはクリーム又は化粧水である。本発明のスキンケア剤は、1日二回、10日間以上、対象の皮膚に塗布するためのものであることができる。
本発明のスキンケア剤及び血管新生促進用化粧料の投与対象は特に限定されることはないが、乾燥感、肌荒れ、シワ、及びたるみからなる群から選択される1種以上の症状を有する対象に投与することが好ましい。本発明の別の観点として、配列番号1のペプチドおよび/又は血管新生促進活性を有するその分解物を有効成分とする血管新生促進用組成物を調製すること、及び該血管新生促進用組成物を皮膚に塗布する対象の美容方法、好ましくは対象の乾燥感、肌荒れ、シワ、及びたるみからなる群から選択される一種以上の改善方法であることができる。
本発明のスキンケア剤、血管新生促進用サプリメント、血管新生促進用飲食品、又は血管新生促進用化粧料は、任意の容器に充填することができ、又は任意の包装材料で包装することができる。
(評価方法)
配列番号1のペプチド及びその分解物の血管新生促進効果は、前記ペプチド又はその分解物の添加が血管新生促進因子であるVEGFのmRNA発現へ及ぼす影響を調べることで評価することができる。血管新生促進因子であるVEGFのmRNA発現へ及ぼす影響は、正常ヒトさい帯静脈血管内皮細胞であるHUVECを用いた細胞実験及びリアルタイムPCR法を用いて確認することができる。
(実施例1)
(トリプシン消化物の調製)
β-ラクトグロブリンのトリプシン消化物を調製した。
β-ラクトグロブリンを30mg/mlになるようにMili−Q水に溶解し、トリプシン(シグマアルドリッチジャパン社)を0.1mg/mlになるよう添加した。1N NaOHにてpH8.0に調整した後、37℃で1時間反応させた。その後、再度、1N NaOHにてpH8.0に調整し、37℃で1時間反応させた。さらに1N NaOHにてpH8.0に調整した後、37℃で一晩反応させ、反応物を凍結乾燥しトリプシン消化物を得た。
このトリプシン消化物をMili−Q水で溶解した後、Superdex peptide HR10/30ゲルろ過カラム(GEヘルスケア・ジャパン株式会社)およびAKTA クロマトグラフィシステム(GEヘルスケア・ジャパン株式会社)を用いて分画を行った。その後、試験例1に示す手順により各画分のVEGF発現亢進活性を調査した結果、画分1(β−LgTGF frac.1)が、VEGF発現亢進活性を有することが分かった(図1)。さらにこの活性画分1(β−LgTGF frac.1)をProteonavi(OSAKASODA社4.6φx 250mm)を用いた逆相クロマトグラフィーに供し、図2に示すようなピークを得て、試験例1により配列番号1のペプチドに相当するピークを回収し、試料Aとした。
このようにして得られた血管新生促進作用を持つペプチドは、そのまま本発明の血管新生促進用組成物として利用可能である。
(試験例1)
(ペプチドのVEGF発現亢進活性測定)
実施例1で得られたトリプシン消化物の分画物である画分1〜5(β−LgTGF frac.1〜5)及び画分1に含まれるペプチド(試料A)について、リアルタイムPCR法を用いてVEGF発現亢進活性を測定した。
HUVEC細胞を24穴プレートに1×10cells/mlになる様に播種し、Humedia−EG2培地にて37℃、5% CO環境下にて1週間培養した。1週間の培養期間の最終の8時間について、トリプシン消化物の分画物(β−LgTGF frac.1〜5)又は試料AをそれぞれHumedia−EG2培地(KURABO社)に溶解し、細胞に添加した。その後さらに、ISOGEN(ニッポンジーン)を0.5ml添加し5分間静置した後、ピペッティングにて可溶化させた細胞液を1.5ml容チューブに回収した。細胞液に0.1mlのクロロホルムを添加し、十分に攪拌した後、二層に分離した上層(水層)を新たな1.5ml容チューブに回収した。回収液に0.25mlの2−プロピルアルコールを添加し、10分間静置した。その後、15,000rpm、4℃にて15分間遠心し、total RNAの沈殿物を得た。得られた沈殿物は、70%エタノールにて洗浄した後、DEPC水に溶解しRNA液とした。1μg分のRNAから商品名「Takara PrimeScriptTM RT reagent Kit」を用いてcDNAを合成した。得られたcDNAをテンプレートとして、SYBR Green(Takara SYBR Prime Ex Taq II)を使用したリアルタイムPCRを行った。反応条件は、95℃、30秒の初期変性後、95℃、5秒の変性、57℃、15秒のアニーリング、72℃、20秒の伸張であり、合計40サイクル反応させた。プライマーは表1に記載のVEGF遺伝子発現確認用プライマーを使用した。画分1〜5(β−LgTGF frac.1〜5)の結果は、実施例1に記載の通り図1に示している。配列番号1のペプチド(試料A)の結果を図3に示す。
Figure 2020111171
図1及び3に示すように、試料Aを含む画分1(β−LgTGF frac.1)又は試料AをHUVEC細胞に添加した時に、VEGF遺伝子の発現量は、試料Aを含む画分1(β−LgTGF frac.1)及びペプチド(試料A)のいずれも有意に亢進した。試料Aを含まない画分2〜5(β−LgTGF frac.2−5)を添加したサンプルにおいては、トリプシン消化物の分画物を添加していないコントロールとの有意差は見られなかった。
(試験例2)
GenScript社より購入した合成ペプチドである配列番号1のペプチド(試料B)、およびその分解物である試料Cによる血管新生促進因子のmRNA発現への影響についてリアルタイムPCR方法を用いて検討した。方法は試験例1に記載の方法に準じた。試料Cは、試料Bを10mg/mlになるようにMili−Q水に溶解し、プロテアーゼA(アマノ製薬社)を試料B溶液基準で0.1mg/mlになるよう添加し、37℃で6時間反応させ、95℃、5分間で酵素の失活処理をした後、反応物を凍結乾燥し調製した。試料B及びその分解物である試料Cを8時間、HUVEC細胞に添加した後、totalRNAを回収してcDNAを合成し、リアルタイムPCRを行った。結果を図4に示す。
図4に示すように、試料Bである合成ペプチドおよびその分解物(試料C)の添加により、VEGFのmRNA発現は、有意に亢進した。
(試験例3)
(ペプチドの血管新生活性測定)
合成ペプチド(試料B)について、Angiogenesis Assay Kit(PromoKine社)を用いて血管新生促進活性を測定した。
RGF BME PathClear(Cultrex社)を予め前日から4℃下に置き、溶液を解凍した。また、試験日当日は、Angiogenesis Assay Kit(PromKine社)に添付されているStaining Dye Solutionを4℃下にて解凍しておき、さらにAngiogenesis Assay Kitに添付されているWash Bufferを37℃にて解凍、保温した。解凍したRGF BME PathClearを氷冷し、4℃以上にさせないよう注意しながら、同じく氷上にて冷却させた96穴プレートに100μl/well注いだ。その後、37℃にて1時間保温し、ゲルを固化させた。固化したゲル上に、HuMedia EG2培地(KURABO社)に50μg/mlアスコルビン酸、1μg/mlハイドロコーチゾン、0.75U/mlヘパリン、10mM L−グルタミン、5ng/ml hEGF、5ng/ml hFGF−bおよび試料Bを添加したものに、HUVEC細胞を0.5×10cells/mlになるようにけん濁した細胞液を100μl分注させた。その後、一定時間37℃、5%COインキュベータ内にて培養した。その後、ゲル上にて培養した細胞の培養液を注意深く除き、Angiogenesis Assay Kitに添付されているStaining Dye Solutionを、37℃に保温したWash Bufferに対して1000倍希釈して細胞染色液を作製した。細胞染色液を細胞上に100μl添加した。37℃、30分間保温し細胞を染色した後、472.5/520nmの励起/蛍光波長条件下で、蛍光顕微鏡(KEYENCE社)にて細胞の血管新生を観察した。結果を図5に示す。
図5において、粒状に見えるのは染色されたHUVEC細胞である。HUVEC細胞間において毛細管様構造形成が確認できれば、添加した成分が血管新生活性を有すると評価することができる。
図5に示すように、試料Bを添加していないコントロールよりも、試料BをHUVEC細胞に添加した時の方が、初期の毛細管様構造形成が多く観察された。したがって、合成ペプチド(試料B)に血管新生促進活性が認められた。
(実施例2)
表2に示す配合の血管新生促進用飲料を常法により製造した。製造した飲料の風味は良好で沈殿等の問題もなかった。
Figure 2020111171
(実施例3)
表3に示す配合のドウを常法により作製し、成形した後、焙焼して血管新生促進用ビスケットを製造した。
Figure 2020111171
(実施例4)
表4に示す配合の血管新生促進剤を常法により製造した。
Figure 2020111171
(実施例5)
表5に示す配合の化粧水を常法により製造した。
Figure 2020111171
(実施例6)
表6に示す配合のクリームを常法により製造した。
Figure 2020111171
(試験例4)
実施例5で得られた化粧水及び実施例6で得られたクリームを用いて、実使用テストを行った。比較品としては、アミノ酸配列LSFNPTQLEEQCHI(配列番号1)からなるペプチドおよびその分解物を除いた以外は実施例5及び6と同じ配合のものを用いた。顔面のたるみや小ジワが認められ、なおかつ乾燥感を有する成人女性20人を、それぞれ10人ずつ無作為に2群(A、B群)に、また、手に肌荒れが認められる女性20人を、それぞれ10人ずつ無作為に2群(C、D群)に分け、A群の顔面には本発明品の化粧水2gを、B群の顔面には比較品の化粧水2gを、C群の手指には本発明品のクリーム2gを、D群の手指には比較品のクリーム2gを、それぞれ1日2回通常の使用状態と同様に10日間塗布し、乾燥感等の改善を評価した。結果を表7に示す。
Figure 2020111171
表7の結果より、本発明品の化粧水は、比較品の化粧水に比べて、乾燥感の改善が顕著であり、肌荒れ、しわ、たるみの改善効果も確認された。したがって、本発明品の化粧水は、血管新生促進効果に優れていることが実証された。また、本発明品のクリームについても、比較品のクリームに比べて、乾燥感の改善に顕著な改善がみられ、肌荒れ等の自然増悪抑制効果を有することが明らかとなった。
本発明によれば、皮膚の荒れ、シワ、弾性低下等を防止するのに有用な血管新生促進剤、血管新生促進用サプリメント、飲食品及び血管新生促進用化粧料を提供することが可能である。

Claims (8)

  1. 配列番号1により表されるアミノ酸配列からなるペプチドおよび/または血管新生促進活性を有するその分解物を有効成分とする血管新生促進用組成物。
  2. 前記分解物が、配列番号1により表されるアミノ酸配列からなるペプチドをタンパク質分解酵素で分解して得られたものであることを特徴とする請求項1記載の血管新生促進用組成物。
  3. 前記タンパク質分解酵素が、トリプシン、パンクレアチン、キモトリプシン、ペプシン、パパイン、カリクレイン、カテプシン、サーモライシン、及びV8プロテアーゼから成る群から選択される1種以上であることを特徴とする請求項2記載の血管新生促進用組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の血管新生促進用組成物を含む、血管新生促進用サプリメント、血管新生促進用飲食品、又は血管新生促進用化粧料。
  5. 皮膚表面に塗布するためのスキンケア剤である、請求項4に記載の血管新生促進用化粧料。
  6. 前記スキンケアが、肌荒れの予防及び/又は改善であることを特徴とする請求項5記載のスキンケア剤。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の血管新生促進用組成物を、スキンケア剤全量基準で0.03〜1重量%含む、請求項5又は6に記載のスキンケア剤。
  8. 洗顔料、クリーム、乳液、美容液、又は化粧水である、請求項5〜7のいずれかに記載のスキンケア剤。
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