JPWO2020100564A1 - ピストンリングの組み合わせ - Google Patents

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Abstract

ピストンリングの組合せであって、セカンドリングの外周面である第2外周面は、該セカンドリングの径方向外側に凸状に湾曲するとともに該凸状の頂点が該第2外周面において該セカンドリングの径方向最外に位置する第2突出面を有し、一対のセグメントの外周面である一対の第3外周面は、該オイルリングの径方向外側に凸状に湾曲した第3突出面であって、該凸状の頂点が該第3外周面において該オイルリングの径方向最外に位置する第3突出面が形成された第3外周領域をそれぞれ有し、一対の第3外周面のうち少なくとも一方において、クランク室側の周縁が燃焼室側の周縁よりも径方向外側に位置し、且つ、第3突出面の頂点が第3外周面におけるオイルリングの軸方向中央よりもクランク室寄りに位置している。

Description

本発明は、ピストンリングの組み合わせに関する。
一般的な自動車に搭載される内燃機関は、トップリング及びセカンドリングを含む2本のコンプレッションリング(圧力リング)と1本のオイルリングとを組み合わせた3本のピストンリングを、シリンダに装着されたピストンに設けた構成を採用している。これら3本のピストンリングは、上側(燃焼室側)から順にトップリング、セカンドリング、オイルリングがピストンの外周面に形成されたリング溝に装着され、シリンダ内壁面を摺動する。燃焼室から最も遠いオイルリングは、シリンダ内壁面に付着した余分なエンジンオイル(潤滑油)をクランク側に掻き落とすことでオイルの燃焼室側への流出(オイル上がり)を抑制するオイルシール機能や、潤滑油膜がシリンダ内壁面に適切に保持されるようにオイル量を調整することで内燃機関の運転に伴うピストンの焼き付きを防止する機能を有する。コンプレッションリングは、気密を保持することで燃焼室側からクランク室側への燃焼ガスの流出(ブローバイ)を抑制するガスシール機能や、オイルリングが掻き落とし切れなかった余分なオイルを掻き落とすことでオイル上がりを抑制するオイルシール機能を有する。このようなピストンリングの組み合わせにより、内燃機関におけるブローバイガスの低減とオイル消費の低減が図られている。
これに関連して、特許文献1や特許文献2には、上下対称なバレル形状を有するトップリングと、テーパ形状を有するセカンドリングと、上下対称なバレル形状又はストレート形状を有するセグメントが設けられたオイルリングと、を含むピストンリングの組み合わせが開示されている。特許文献1及び特許文献2に開示のピストンリングの組み合わせでは、外周面をオイルシールに優れたテーパ形状としたセカンドリングをオイルリングと併用することで、内燃機関におけるオイル消費を低減している。
特開2001−241357号公報 特開2012−215238号公報
ここで、内燃機関の低燃費化においては、各ピストンリングの外周面(摺動面)とシリンダ内壁との間に生じる摩擦(フリクション)を低減し、内燃機関の摩擦損失を低減することが重要である。これに対して、上述のテーパ形状は、オイルシールにおいては優れた性能を発揮するものの、フリクションの低減においては不利となる傾向がある。そのため、摩擦損失をより低減することが可能なピストンリングの組み合わせが望まれているが、オイルシール性能との両立が困難であった。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ピストンリングの組み合わせにおいて、オイルシール性能を確保しつつも摩擦損失をより低減することが可能な技術を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、以下の手段を採用した。即ち、本発明は、内燃機関のピストンに形成されたリング溝に装着されるトップリングとセカンドリングとオイルリングとを含むピストンリングの組合せであって、前記トップリングの外周面である第1外周面は、該トップリングの周長方向に直交する断面において該トップリングの径方向外側に凸状に湾曲した第1突出面であって、該凸状の頂点が該第1外周面において該トップリングの径方向最外に位置する第1突出面が形成された第1外周領域を有し、前記セカンドリングの外周面である第2外周面は、該セカンドリングの周長方向に直交する断面において該セカンドリングの径方向外側に凸状に湾曲した第2突出面であって、該凸状の頂点が該第2外周面において該セカンドリングの径方向最外に位置する第2突出面が形成された第2外周領域を有し、前記オイルリングは、軸方向両側に設けられた一対のセグメントと、前記一対のセグメントを径方向外側へ付勢するエキスパンダ・スペーサと、を有し、前記一対のセグメントの外周面である一対の第3外周面は、前記オイルリングの周長方向に直交する断面において該オイルリングの径方向外側に凸状に湾曲した第3突出面であって、該凸状の頂点が該第3外周面において該オイルリングの径方向最外に位置する第3突出面が形成された第3外周領域をそれぞれ有し、前記一対の第3外周面のうち少なくとも一方において、前記第3外周領域のクランク室側の周縁が燃焼室側の周縁よりも径方向外側に位置し、且つ、前記第3突出面の頂点が前記第3外周面における前記オイルリングの軸方向中央よりもクランク室寄りに位置している、オイルリングの組み合わせである。
ここで、トップリング、セカンドリング、オイルリングの各ピストンリングについて、「外周面」とは、リング(又はセグメント若しくはレール)の幅(軸方向寸法)を規定する軸方向両端面の外周縁同士を接続する面のことを指す。「周長方向」とは、特に指定しない限りは当該ピストンリングの周長方向のことを指す。「径方向」とは、特に指定しない限りは当該ピストンリングの半径方向のことを指す。「内側」又は「径方向内側」とは、当該ピストンリングの内周面側のことを指し、「外側」又は「径方向外側」とは、その反対側(即ち、ピストンリングの外周面側)のことを指す。「軸方向」とは、特に指定しない限りは当該ピストンリングの中心軸に沿う方向のことを指す。
本発明によると、セカンドリングは、径方向外側に凸状に湾曲した第2突出面においてシリンダの内壁に摺接する。つまり、セカンドリングがバレル形状外周面でシリンダの内壁に摺接することとなる。これによると、外周面をテーパ形状とする場合と比較して、シリンダ内壁との間に生じる摩擦(フリクション)を低減することができる。なお、「バレル形状」とは、ピストンリングの周長方向に直交する断面において径方向外側に凸状に湾曲する外周面形状のことを指し、このような外周面の形状としては、対称バレル形状、偏心バレル形状、テーパバレル形状が含まれる。「対称バレル形状」は、該凸状の頂点が外周面において軸方向中央に位置した(リング幅の中央に位置した)外周面形状である。「偏心バレル形状」とは、該凸状の頂点が外周面において軸方向中央よりもクランク室寄りに位置した外周面形状である。また、「テーパバレル形状」は、偏心バレル形状であって、クランク室側の形状ピストンリングの周長方向に直交する断面において径方向外側に凸状に湾曲しており、そこから燃焼室側に向けて直線的に縮径したテーパ形状を形成する外周面形状である。本発明に係るセカンドリングの第2外周領域の形状としては、バレル形状、偏心バレル形状、テーパバレル形状を含むことができる。また、トップリングの第1外周領域の形状としては、対称バレル形状や偏心バレル形状を含むことができる。
一方、セカンドリングをバレル形状外周面でシリンダの内壁に摺接させることで、テーパ形状とした場合と比較してセカンドリングのオイルシール性能が低下する傾向があるが、本発明は、更に、オイルリングに設けられた一対のセグメントの外周面である一対の第3外周面は、オイルリングの周長方向に直交する断面において該オイルリングの径方向外側に凸状に湾曲した第3突出面であって、該凸状の頂点が該第3外周面において該オイルリングの径方向最外に位置する第3突出面が形成された第3外周領域をそれぞれ有しており、一対の第3外周面のうち、少なくとも一方の第3外周面において、第3外周領域のクランク室側の周縁が燃焼室側の周縁よりも径方向外側に位置し、且つ、第3突出面の頂点が第3外周面における軸方向中央よりもクランク室寄りに位置している。これによると、当該セグメントにおいては、クランク室側のバレル落差が燃焼室側のバレル落差よりも小さくなり、第3外周領域の頂点と第3外周領域の下縁との軸方向における距離が当該頂点と第3外周領域の上縁との軸方向における距離よりも小さくなる。これにより、シリンダの内壁と第3外周領域との隙間を、頂点を境としてクランク室側において燃焼室側よりも小さくすることができる。これにより、ピストンの下降時においては、オイルを好適に掻き落とすことができ、ピストンの上昇時においては、くさび効果により第3外周面がオイルに乗り上げるため、オイルの掻き上げを抑制することができる。そのため、ピストンクリアランス内のオイルがクランク室側の隙間を通り抜けてクランク室側から燃焼室側に流出し難くなり、オイル上がりを更に抑制することができる。その結果、セグメントの軸方向中央に頂点が位置した対称バレル形状と比較して、オイルシール性能を向上させることができる。このような第3外周領域の形状としては、偏心バレル形状やテーパバレル形状を含むことができる。
ここで、セグメントにおける「燃焼室側のバレル落差」とは、第3外周領域の頂点と第3外周領域の燃焼室側の縁との径方向における距離を指し、オイルリングがリング溝に装着された状態におけるシリンダの内壁から第3外周領域の燃焼室側の縁までの距離と等しい。また、セグメントにおける「クランク室側のバレル落差」とは、第3外周領域の頂点と第3外周領域のクランク室側の縁との径方向における距離を指し、オイルリングがリング溝に装着された状態におけるシリンダの内壁からセグメントのクランク室側の縁までの距離と等しい。
以上のように、本発明は、セカンドリングのフリクションを低減するとともにオイルリングのオイルシール性能を向上させている。このようなピストンリングの組合せによれば、オイルシール性能を確保しつつも摩擦損失を低減させることができる。
なお、本発明に係るオイルリングは、一対の別体のセグメントと該セグメントをシリンダの内壁に付勢するためのエキスパンダ・スペーサからなる、所謂3ピースのオイルリングであってもよいし、一対のセグメントに相当する一対のレールを一体化したオイルリング本体と該オイルリング本体をシリンダの内壁に付勢するためのコイルエキスパンダからなる、所謂2ピースのオイルリングであってもよい。即ち、本発明は、オイルリングが、軸方向両側に一対のレールが設けられたリング本体と、前記リング本体を径方向外側へ付勢するコイルエキスパンダと、を有し、前記一対のレールの外周面である一対の第3外周面は、前記オイルリングの周長方向に直交する断面において該オイルリングの径方向外側に凸状に湾曲した第3突出面であって、該凸状の頂点が該第3外周面において該オイルリングの径方向最外に位置する第3突出面が形成された第3外周領域をそれぞれ有し、前記一対の第3外周面のうち少なくとも一方において、前記第3外周領域のクランク室側の周縁が燃焼室側の周縁よりも径方向外側に位置し、且つ、前記第3突出面の頂点が前記第3外周面における前記オイルリングの軸方向中央よりもクランク室寄りに位置していてもよい。
また、本発明は、一対の第3外周面の両方において、前記第3外周領域のクランク室側の周縁が燃焼室側の周縁よりも径方向外側に位置し、且つ、前記第3突出面の頂点が前記第3外周面における前記オイルリングの軸方向中央よりもクランク室寄りに位置していてもよい。これによると、一対の第3外周面の両方においてオイルシール性能が高められるため、一方の第3外周面のみにおいて第3外周領域を偏心バレル形状とする場合よりも内燃機関のオイル消費を低減することができる。
また、前記第3外周領域は、前記第3突出面と前記燃焼室側の周縁との間に、前記オイルリングの周長方向に直交する断面において該オイルリングの径方向外側に凸状に湾曲するとともに前記燃焼室側に向けて徐々に縮径した湾曲面を有してもよい。このような第3外周領域の形状としては、偏心バレル形状が含まれる。これによれば、ピストンの上昇時における第3外周領域のくさび効果を高め、オイルの掻き上げを更に抑制することができる。
また、前記第3外周領域は、前記第3突出面と前記燃焼室側の周縁との間に、前記燃焼室側に向けて徐々に縮径したテーパ面を有してもよい。このような第3外周領域の形状としては、テーパバレル形状を含むことができる。
更に、本発明は、前記セカンドリングの外周面である第2外周面において、前記第2外周領域のクランク室側の周縁が燃焼室側の周縁よりも径方向外側に位置し、且つ、前記第2突出面の頂点が前記第2外周面における前記セカンドリングの軸方向中央よりもクランク室寄りに位置していてもよい。このような第2外周領域の形状としては、偏心バレル形状やテーパバレル形状を含むことができる。これによると、セカンドリングにおいて、クランク室側に形成されるシリンダの内壁とセカンドリングの第2外周領域との隙間を燃焼室側の隙間よりも小さくすることができる。これにより、オイルがクランク室側の隙間を通り抜けてクランク室側から燃焼室側に流出することを抑制することができる。その結果、セカンドリングのオイルシール性能を向上させることができ、内燃機関のオイル消費を更に低減することができる。
また、前記第2外周領域は、前記第2突出面と前記燃焼室側の周縁との間に、前記セカンドリングの周長方向に直交する断面において該セカンドリングの径方向外側に凸状に湾曲するとともに前記燃焼室側に向けて徐々に縮径した湾曲面を有してもよい。このような第2外周領域の形状としては、偏心バレル形状が含まれる。これによれば、ピストンの上昇時における第2外周領域のくさび効果を高め、オイルの掻き上げを更に抑制することができる。
また、前記第2外周領域は、前記第2突出面と前記燃焼室側の周縁との間に、前記燃焼室側に向けて徐々に縮径したテーパ面を有してもよい。このような第2外周領域の形状としては、テーパバレル形状を含むことができる。
また、前記第1外周面において、前記第1外周領域のクランク室側の周縁が燃焼室側の周縁よりも径方向外側に位置し、且つ、前記第1突出面の頂点が前記第1外周面における前記トップリングの軸方向中央よりもクランク室寄りに位置してもよい。
更に、前記第1外周領域は、前記第1突出面と前記燃焼室側の周縁との間に、前記トップリングの周長方向に直交する断面において該トップリングの径方向外側に凸状に湾曲するとともに前記燃焼室側に向けて徐々に縮径した湾曲面を有してもよい。
本発明によれば、ピストンリングの組み合わせにおいて、オイルシール性能を確保しつつも摩擦損失をより低減することが可能となる。
実施形態1に係るピストンリングの組み合わせが設けられた内燃機関の全体図である。 実施形態1に係る内燃機関のリング溝付近の拡大図である。 実施形態1に係るトップリングの周長方向に直交する断面図である。 実施形態1に係るセカンドリングの周長方向に直交する断面図である。 実施形態1に係るオイルリングの周長方向に直交する断面図である。 実施形態1に係るオイルリングに設けられたセグメントの周長方向に直交する断面図である。 従来例に係るピストンリングの組み合わせが設けられた内燃機関のリング溝付近の拡大図である。 実験例と比較例におけるエンジン回転数に対するFMEPを示すグラフである。 実施形態1の変形例1に係るセグメントの周長方向に直交する断面図である。 図10Aは、実施形態1の変形例2に係るオイルリングの周長方向に直交する断面図である。図10Bは、図10Aに示すレール外周面43Bの拡大図である。 実施形態1の変形例3に係るピストンリングの組み合わせが設けられた内燃機関のリング溝付近の拡大図である。 実施形態2に係るセカンドリングの周長方向に直交する断面図である。 実施形態2の変形例1に係るセカンドリングの周長方向に直交する断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るピストンリングの組み合わせの好ましい実施の形態について説明する。なお、以下の実施形態に記載されている構成は、特に記載がない限りは発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係るピストンリングの組み合わせが設けられた内燃機関100の全体図である。図2は、内燃機関100のリング溝付近の拡大図である。図1及び図2では、便宜上、各構成を簡略化して図示している。図3は、実施形態1に係るトップリング1の周長方向に直交する断面図である。図4は、実施形態1に係るセカンドリング2の周長方向に直交する断面図である。図5は、実施形態1に係るオイルリング3の周長方向に直交する断面図である。図5では、オイルリング3がリング溝に設けられた状態を示している。図1に示すように、実施形態に係る内燃機関100は、シリンダ20と、シリンダ20に装着されたピストン10と、を有する。以下、内燃機関100において、シリンダ20の軸方向を「上下方向」と定義する。また、シリンダ20の軸方向のうち、燃焼室30側を「上側」(図1における上方向)と定義し、その反対側(即ち、クランク室40側)を「下側」と定義する。
図2に示すように、内燃機関100では、ピストン外周面10aとシリンダ内壁20aとの間に所定の離間距離が確保されることにより、隙間(ピストンクリアランス)PC1が形成されている。また、ピストン外周面10aには、ピストン10の軸方向に所定の間隔を空けて上側から順にトップリング溝101、セカンドリング溝102、オイルリング溝103が形成されている。トップリング溝101、セカンドリング溝102、オイルリング溝103には、それぞれ、トップリング1、セカンドリング2、オイルリング3が組み付けられる。以下の説明において、トップリング溝101、セカンドリング溝102、オイルリング溝103を区別せずに説明するときは、単に「リング溝」と称する。また、各リング溝に形成された上下に対向する内壁のうち、上側の内壁を上壁W1と称し、下側の内壁を下壁W2と称する。また、トップリング1、セカンドリング2、オイルリング3を区別しないで説明するときは、単に「ピストンリング」と称する。図2に示すように、各ピストンリングがシリンダ20に装着されたピストン10の対応するリング溝に設けられた状態を、「使用状態」と称する。各ピストンリングは、使用状態において外周面がシリンダ内壁20aを押圧するように自己張力を有している。
また、各ピストンリング(又はセグメント若しくはレール)の説明において、「外周面」とは、ピストンリング(又はセグメント若しくはレール)の幅(軸方向寸法)を規定する軸方向両端面の外周縁同士を接続する面のことを指す。「周長方向」とは、特に指定しない限りは当該ピストンリングの周長方向のことを指す。「径方向」とは、特に指定しない限りは当該ピストンリングの半径方向のことを指す。「内側」又は「径方向内側」とは、当該ピストンリングの内周面側のことを指し、「外側」又は「径方向外側」とは、その反対側(即ち、ピストンリングの外周面側)のことを指す。「軸方向」とは、特に指定しない限りは当該ピストンリングの中心軸に沿う方向のことを指す。使用状態における各ピストンリングの軸方向は、内燃機関100の上下方向、即ち、シリンダ20の軸方向と一致する。各ピストンリングにおいて、リング溝の上壁W1側(即ち、燃焼室側)を「上側」と定義し、リング溝の下壁W2側(即ち、クランク室側)を「下側」と定義する。
以下、実施形態1に係るピストンリングの組み合わせにおける各ピストンリングの形状について説明する。なお、本明細書において、「バレル形状」とは、ピストンリングの周長方向に直交する断面において径方向外側に凸状に湾曲する外周面形状のことを指し、対称バレル形状、偏心バレル形状、テーパバレル形状を含むものとする。「対称バレル形状」は、該凸状の頂点が外周面における軸方向中央(リング幅の中央)に位置した外周面形状である。「偏心バレル形状」は、該凸状の頂点が外周面において軸方向中央(リング幅の中央)よりもクランク室寄りに位置した外周面形状である。また、「テーパバレル形状」は、偏心バレル形状であって、クランク室側の形状ピストンリングの周長方向に直交する断面において径方向外側に凸状に湾曲しており、そこから燃焼室側に向けて直線的に縮径したテーパ形状を形成する外周面形状である。対称バレル形状、偏心バレル形状、テーパバレル形状の詳細については後述する。
[トップリング]
まず、実施形態1に係るトップリング1について説明する。図2及び図3に示すように、トップリング1は、リング上面11とリング下面12とリング外周面13とリング内周面14とを有する。トップリング1の使用状態において、リング上面11がトップリング溝101の上壁W1に対向し、リング下面12が下壁W2に対向し、リング外周面13がシリンダ内壁20aに摺接する。
図3に示すように、リング外周面13は、トップリング1の径方向外側に凸状を形成する第1外周領域S11と、第1外周領域S11とリング上面11及びリング下面12とをそれぞれ接続する一対の接続領域S12,S12と、を含む。一対の接続領域S12,S12の一方は、第1外周領域S11の上側(燃焼室30側)の周縁(以下、上縁)E11とリング上面11の径方向外側の周縁(以下、外縁)とを接続する。一対の接続領域S12,S12の他方は、第1外周領域S11の下側(クランク室40側)の周縁(以下、下縁)E12とリング下面12の外縁とを接続する。第1外周領域S11は、トップリング1の周長方向に直交する断面においてトップリング1の径方向外側に凸状に湾曲する第1突出面131を有する。第1突出面131における該凸状の頂点P1は、リング外周面13においてトップリング1の径方向最外に位置している。より具体的には、リング外周面13の第1外周領域S11は、全体として対称バレル曲面に形成されている。即ち、第1外周領域S11は、周長方向に直交する断面において第1突出面131が径方向外側に凸状となる円弧を形成するとともに該凸状の頂点P1がリング外周面13において軸方向(上下方向)の中央に位置し、頂点P1を境に軸方向に対称な対称バレル形状を有している。該円弧は、上端が上側の接続領域S12に接続し、下端が下側の接続領域S12に接続している。頂点P1は、リング外周面13において最も径方向外側に位置し、使用状態においてシリンダ内壁20aに摺接する。第1外周領域S11において頂点P1を含む領域が、第1突出面131を構成する。図3に示す符号CL1は、該断面においてトップリング1の中心軸A1に直交するとともにリング外周面13における軸方向中央、即ち、リング幅(リングの軸方向寸法)の中央を通る直線を示す。第1外周領域S11を形成する対称バレル曲面は、リング外周面13よりも径方向内側であって中央線CL1上に中心C1を有する所定の半径r1の円弧を中心軸A1回りに回転させることで形成される曲面とも捉えることができる。図3に示すように、頂点P1は、中央線CL1上に位置する。リング外周面13は、本発明に係る「第1外周面」の一例である。なお、本例では、第1外周領域S11を半径が一様な円弧により形成したが、第1外周領域S11の形状はこれに限定されない。リング外周面13は、バレル形状であればよく、対称バレル形状でなくともよい。即ち、頂点P1は、リング外周面13において軸方向の中央(即ち、中央線CL1上)に位置しなくともよく、頂点P1が燃焼室30側又はクランク室40側にオフセットしていてもよい。即ち、リング外周面13は、径方向外側に凸状に湾曲した第1突出面131を有する形状であればよい。第1突出面131は、周長方向に直交する断面において、半径が一様な円弧形状ではなく、半径の異なる複数の円弧が連なることで径方向外側に凸となった曲線形状を有してもよい。また、第1外周領域S11は、平坦な領域を含んでいてもよい。例えば、第1突出面131は、頂点P1において、軸方向と平行な平坦部を形成してもよい。また、トップリング1は、一対の接続領域S12,S12を有さずに、第1外周領域S11がリング上面11及びリング下面12に連なっていてもよい。即ち、リング外周面13の全域が第1外周領域S11であってもよい。
図3に示す符号a11及びa12は、バレル落差を表す。a11は、リング外周面13における燃焼室30側のバレル落差、即ち、リング外周面13の頂点P1と第1外周領域S11の上縁E11との径方向における距離を示す。a11は、使用状態におけるシリンダ内壁20aから第1外周領域S11の上縁E11までの距離と等しい。同様に、a12は、リング外周面13におけるクランク室40側のバレル落差、即ち、リング外周面13の頂点P1と第1外周領域S11の下縁E12との径方向における距離を示す。a12は、使用状態におけるシリンダ内壁20aから第1外周領域S11の下縁E12までの距離と等しい。本例では、第1外周領域S11が対称バレル曲面に形成されているため、第1外周領域S11の上縁E11と下縁E12とが径方向において揃っている。これにより、a11とa12とが等しい。但し、これに限定されない。また、図3に示す符号b11は、リング外周面13の頂点P1と第1外周領域S11の上縁E11との軸方向における距離を示す。また、b12は、リング外周面13の頂点P1と第1外周領域S11の下縁E12との軸方向における距離を示す。本例では、第1外周領域S11が対称バレル曲面に形成されているため、b11とb12とが等しい。但し、これに限定されない。
[セカンドリング]
次に、実施形態1に係るセカンドリング2について説明する。図2及び図4に示すように、セカンドリング2は、リング上面21とリング下面22とリング外周面23とリング内周面24とを有する。セカンドリング2の使用状態において、リング上面21がセカンドリング溝102の上壁W1に対向し、リング下面22が下壁W2に対向し、リング外周面23がシリンダ内壁20aに摺接する。
図4に示すように、リング外周面23は、セカンドリング2の径方向外側に凸状を形成する第2外周領域S21と、第2外周領域S21とリング上面21及びリング下面22とをそれぞれ接続する一対の接続領域S22,S22と、を含む。一対の接続領域S22,S22の一方は、第2外周領域S21の上縁E21とリング上面21の外縁とを接続する。一対の接続領域S22,S22の他方は、第2外周領域S21の下縁E22とリング下面22の外縁とを接続する。第2外周領域S21は、セカンドリング2の周長方向に直交する断面においてセカンドリング2の径方向外側に凸状に湾曲する第2突出面231を有する。第2突出面231における該凸状の頂点P2は、リング外周面23においてセカンドリング2の径方向最外に位置している。より具体的には、リング外周面23の第2外周領域S21は、全体として対称バレル曲面に形成されている。即ち、第2外周領域S21は、周長方向に直交する断面において第2突出面231が径方向外側に凸状となる円弧を形成するとともに該凸状の頂点P2がリング外周面23において軸方向(上下方向)の中央に位置し、頂点P2を境に軸方向に対称な対称バレル形状を有している。該円弧は、上端が上側の接続領域S22に接続し、下端が下側の接続領域S22に接続している。頂点P2は、リング外周面23において最も径方向外側に位置し、使用状態においてシリンダ内壁20aに摺接する。第2外周領域S21において頂点P2を含む領域が、第2突出面231を構成する。図4に示す符号CL2は、該断面においてセカンドリング2の中心軸A2に直交するとともにリング外周面23における軸方向中央、即ち、リング幅の中央を通る直線を示す。第2外周領域S21を形成する対称バレル曲面は、リング外周面23よりも径方向内側であって中央線CL2上に中心C2を有する所定の半径r2の円弧を中心軸A2回りに回転させることで形成される曲面とも捉えることができる。図4に示すように、頂点P2は、中央線CL2上に位置する。リング外周面23は、本発明に係る「第2外周面」の一例である。なお、本例では、第2外周領域S21を半径が一様な円弧により形成したが、第2外周領域S21の形状はこれに限定されない。リング外周面23は、バレル形状であればよく、対称バレル形状でなくともよい。即ち、頂点P2は、リング外周面23において軸方向の中央(即ち、中央線CL2上)に位置しなくともよく、頂点P2が燃焼室30側又はクランク室40側にオフセットしていてもよい。即ち、リング外周面23は、径方向外側に凸状に湾曲した第2突出面231を有する形状であればよい。第2突出面231は、周長方向に直交する断面において、半径が一様な円弧形状ではなく、半径の異なる複数の円弧が連なることで径方向外側に凸となった曲線形状を有してもよい。また、第2外周領域S21は、平坦な領域を含んでいてもよい。例えば、第2突出面231は、頂点P2において、軸方向と平行な平坦部を形成してもよい。また、セカンドリング2は、一対の接続領域S22,S22を有さずに、第2外周領域S21がリング上面21及びリング下面22に連なっていてもよい。即ち、リング外周面23の全域が第2外周領域S21であってもよい。
図4に示す符号a21は、リング外周面23における燃焼室30側のバレル落差、即ち、リング外周面23の頂点P2と第2外周領域S21の上縁E21との径方向における距離を示す。a21は、使用状態におけるシリンダ内壁20aから第2外周領域S21の上縁E21までの距離と等しい。同様に、a22は、リング外周面23におけるクランク室40側のバレル落差、即ち、リング外周面23の頂点P2と第2外周領域S21の下縁E22との径方向における距離を示す。a22は、使用状態におけるシリンダ内壁20aから第2外周領域S21の下縁E22までの距離と等しい。本例では、第2外周領域S21が対称バレル曲面に形成されているため、第2外周領域S21の上縁E21と下縁E22とが径方向において揃っている。これにより、a21とa22とが等しい。但し、これに限定されない。また、図4に示す符号b21は、リング外周面23の頂点P2と第2外周領域S21の上縁E21との軸方向における距離を示す。また、b22は、リング外周面23の頂点P2と第2外周領域S21の下縁E22との軸方向における距離を示す。本例では、第2外周領域S21が対称バレル曲面に形成されているため、b21とb22とが等しい。但し、これに限定されない。
[オイルリング]
次に、実施形態1に係るオイルリング3について説明する。図2及び図5に示すように、オイルリング3は、上下(軸方向両側)に配置された一対のリング形状を有するセグメント(サイドレールとも呼ぶ)4,4と、セグメント4,4よりも径方向内側に配置されてセグメント4,4をシリンダ内壁20aに付勢するエキスパンダ・スペーサ5と、を含んで構成されている。本実施形態に係るオイルリング3は、一対のセグメント4,4を、同一の形状としている。以下、一対のセグメント4,4のうち、上側(燃焼室30側)に配置されたセグメント4を上側セグメント4Uと称し、下側(クランク室40側)に配置されたセグメント4を下側セグメント4Lと称し、これらを区別しないときは、単にセグメント4と称する。
図5に示すように、セグメント4は、セグメント上面41とセグメント下面42とセグメント外周面43とレール内周面44とを有する。上側セグメント4Uは、オイルリング3が使用状態にあるとき、セグメント上面41においてオイルリング溝103の上壁W1に対向し、セグメント下面42及びレール内周面44においてエキスパンダ・スペーサ5に当接し、セグメント外周面43においてシリンダ内壁20aに摺接するようにして配置される。下側セグメント4Lは、オイルリング3が使用状態にあるとき、セグメント下面42においてオイルリング溝103の下壁W2に対向し、セグメント上面41及びレール内周面44においてエキスパンダ・スペーサ5に当接し、セグメント外周面43においてシリンダ内壁20aに摺接するようにして配置される。
図6は、セグメント4の周長方向に直交する断面を示す断面図である。図6に示すように、セグメント外周面43は、オイルリング3の径方向外側に凸状を形成する第3外周領域S41と、第3外周領域S41とセグメント上面41及びセグメント下面42とをそれぞれ接続する一対の接続領域S42,S42と、を含む。一対の接続領域S42,S42の一方は、第3外周領域S41の上縁E41とセグメント上面41の外縁とを接続する。一対の接続領域S42,S42の他方は、第3外周領域S41の下縁E42とセグメント下面42の外縁とを接続する。第3外周領域S41は、オイルリング3の周長方向に直交する断面においてオイルリング3の径方向外側に凸状に湾曲する第3突出面431を有する。第3突出面431における該凸状の頂点P4は、セグメント外周面43においてオイルリング3の径方向最外に位置している。また、第3外周領域S41においては、下縁E42が上縁E41よりも径方向外側に位置し、且つ、第3突出面431の頂点P4がセグメント外周面43におけるオイルリング3の軸方向中央、即ち、セグメント幅(セグメント4の軸方向寸法)の中央よりもクランク室40寄りに位置している。頂点P4は、セグメント外周面43において最も径方向外側に位置し、使用状態においてシリンダ内壁20aに摺接する。また、図6に示すように、第3外周領域S41は、更に、第3突出面431と上縁E41との間に、オイルリング3の周長方向に直交する断面において径方向外側に凸状に湾曲するとともに燃焼室30側に向けて徐々に縮径した湾曲面432を有する。湾曲面432は、第3突出面431の上端と第3外周領域S41の上縁E41とを接続する。これにより、第3外周領域S41は、非対称バレル曲面に形成されている。即ち、第3外周領域S41は、周長方向に直交する断面において第3突出面431が径方向外側に凸状に湾曲するとともに該凸状の頂点P4がセグメント外周面43において軸方向(上下方向)の中央よりもクランク室40寄りに位置し、頂点P4を境に軸方向に非対称な偏心バレル形状を有している。セグメント外周面43は、本発明に係る「第3外周面」の一例である。
図6に示す符号δ4は、セグメント外周面43における軸方向中央からの頂点P4の偏心量を示す。また、図6に示す符号CL4は、該断面においてオイルリング3の中心軸A3に直交するとともにセグメント外周面43における軸方向中央(セグメント幅の中央)を通る直線を示す。また、符号L4は、オイルリング3の中心軸A3に直交するとともに中央線CL4よりも偏心量δ4分クランク室40寄りに位置する直線を示す。図6に示すように、第3突出面431は、周長方向に直交する断面において径方向外側に凸状となる円弧を形成している。該円弧の下端は、下側の接続領域S42に接続している。第3突出面431は、セグメント外周面43よりも径方向内側に中心C41を有する所定の半径r41の円弧を中心軸A3回りに回転させることで形成される曲面とも捉えることができる。なお、図6では、直線L4上に中心C41が位置しているが、中心C41の位置はこれに限定されない。また、第3突出面431は、周長方向に直交する断面において、半径が一様な円弧形状ではなく、半径の異なる複数の円弧が連なることで径方向外側に凸となった曲線形状を有してもよい。また、第3外周領域S41は、平坦な領域を含んでいてもよい。例えば、第3突出面431は、頂点P4において、軸方向と平行な平坦部を形成してもよい。また、セグメント4は、一対の接続領域S42,S42を有さずに、第3外周領域S41がセグメント上面41及びセグメント下面42に連なっていてもよい。即ち、セグメント外周面43の全域が第3外周領域S41であってもよい。
図6に示す符号a41は、セグメント外周面43における燃焼室30側のバレル落差、即ち、セグメント外周面43の頂点P4と第3外周領域S41の上縁E41との径方向における距離であり、使用状態におけるシリンダ内壁20aから第3外周領域S41の上縁E41までの距離と等しい。同様に、a42は、セグメント外周面43におけるクランク室40側のバレル落差、即ち、セグメント外周面43の頂点P4と第3外周領域S41の下縁E42との径方向における距離であり、使用状態におけるシリンダ内壁20aから第3外周領域S41の下縁E42までの距離と等しい。図6に示すように、第3外周領域S41においては、下縁E42が上縁E41よりも径方向外側に位置しているため、a42がa41よりも小さくなっている。また、図6に示す符号b41は、セグメント外周面43の頂点P4と第3外周領域S41の上縁E41との軸方向における距離を示す。また、b42は、セグメント外周面43の頂点P4と第3外周領域S41の下縁E42との軸方向における距離を示す。図6に示すように、セグメント外周面43においては、第3突出面431の頂点P4がセグメント外周面43における軸方向中央よりもクランク室40寄りに位置しているため、b42がb41よりも小さくなっている。
[従来例]
ここで、図7は、従来例に係るピストンリングの組み合わせが設けられた内燃機関200のリング溝付近を示す図である。従来例に係る内燃機関200は、セカンドリング2に代えてセカンドリング202を用い、オイルリング3に代えてオイルリング203を用いる点で内燃機関100と相違する。セカンドリング202は、シリンダ内壁20aに摺接するリング外周面2023が、燃焼室30側に向かって徐々に縮径されたテーパ形状を有する。オイルリング203は、上下(軸方向両側)に配置された一対のセグメント6,6をエキスパンダ・スペーサ5によってシリンダ内壁20aに付勢する構成としている。一対のセグメント6,6は、一対のセグメント4,4と異なり、何れもセグメント外周面63が対称バレル形状を有している。
[作用・効果]
次に、従来例との対比で実施形態に係るピストンリングの組み合わせによる作用及び効果について説明する。従来例に対して、内燃機関100は、シリンダ内壁20aに摺接するセカンドリング2のリング外周面23を周長方向に直交する断面において径方向外側に凸状に湾曲した形状としている。即ち、セカンドリング2は、径方向外側に凸状に湾曲した第2突出面231においてシリンダ内壁20aに摺接する。つまり、セカンドリング2が曲率を有するバレル形状の外周面でシリンダ内壁20aに摺接することとなる。その結果、外周面をテーパ形状とした従来例に係るセカンドリング202と比較して、シリンダ内壁20aとの間に生じる摩擦(フリクション)を低減することができる。
ここで、オイルシール性能の観点で実施形態1に係るセカンドリング2と従来例に係るセカンドリング202とを比較した場合、バレル形状の外周面でシリンダ内壁20aに摺接するセカンドリング2の方がテーパ形状としたセカンドリング202よりもオイルシール性能が低下する傾向があるが、実施形態1に係るピストンリングの組み合わせでは、オイルリング3に設けられた一対のセグメント4,4のセグメント外周面43を、上述のような偏心バレル形状としている。即ち、一対のセグメント外周面43は、オイルリング3の周長方向に直交する断面において径方向外側に凸状に湾曲するとともに該凸状の頂点P4がセグメント外周面43においてオイルリング3の径方向最外に位置する第3突出面431を有しており、また、第3外周領域S41において下縁E42が上縁E41よりも径方向外側に位置し、且つ、第3突出面431の頂点P4がセグメント外周面43における軸方向中央よりもクランク室40寄りに位置している。そのため、セグメント4,4においては、クランク室40側のバレル落差a42が燃焼室30側のバレル落差a41よりも小さくなり、第3外周領域S41の頂点P4と第3外周領域S41の下縁E42との軸方向における距離b42が頂点P4と第3外周領域S41の上縁E41との軸方向における距離b41よりも小さくなっている。これにより、使用状態において、シリンダ内壁20aと第3外周領域S41との隙間を、頂点P4を境としてクランク室40側において燃焼室30側よりも小さくすることができる。これにより、ピストン10の下降時においては、オイルを好適に掻き落とすことができ、ピストン10の上昇時においては、くさび効果によりセグメント外周面43がオイルに乗り上げるため、オイルの掻き上げを抑制することができる。そのため、ピストンクリアランスPC1内のオイルがクランク室40側の隙間を通り抜けてクランク室40側から燃焼室30側に流出し難くなり、オイル上がりを更に抑制することができる。その結果、オイルリング3は、一対のセグメント6,6のセグメント外周面63を対称バレル形状とした従来例に係るオイルリング203と比較して、オイルシール性能を向上させることができる。例えば、厚み(径方向寸法)1.7mm、幅(軸方向寸法)0.4mmのセグメント4の場合、セグメント外周面43における半径r41、偏心量δ4、バレル落差a41,a42、頂点P4と上下縁との軸方向における距離b41,b42は、r41=約0.5mm、δ4=0.08mm、a41=0.06mm、a42=0.004mm、b41=0.23mm、b42=0.06mmとすることが、オイルシール性能向上の観点から特に好ましい。但し、本発明は、上記の寸法に限定するものではない。
以上のように、本実施形態に係る内燃機関100に設けられたピストンリングの組み合わせは、セカンドリング2のリング外周面23をバレル形状とすることによってセカンドリングによるフリクションを低減するとともに、オイルリング3に設けられた一対のセグメント4,4のセグメント外周面43を偏心バレル形状とすることによって、オイルリングのオイルシール性能を向上させている。このようなピストンリングの組合せによれば、オイルシール性能を確保しつつも摩擦損失を低減させることができる。
ここで、本実施形態に係るピストンリングの組み合わせによると、トップリング1、セカンドリング2、オイルリング3の全ての外周面をバレル形状としている。そのため、トップリング1は、径方向外側に凸状に湾曲した第1突出面131においてシリンダ内壁20aに摺接し、セカンドリング2は、径方向外側に凸状に湾曲した第2突出面231においてシリンダ内壁20aに摺接し、オイルリング3は、径方向外側に凸状に湾曲した第3突出面431においてシリンダ内壁20aに摺接する。即ち、本実施形態に係るピストンリングの組合せでは、全てのピストンリングにおいて曲率を有するバレル形状の外周面でシリンダ内壁20aに摺接することとなる。その結果、内燃機関100の運転初期におけるピストンリングのシリンダ内壁20aへの攻撃性を低下させ、シリンダ内壁20aに傷が生じることを抑制することができる。
更に、本実施形態に係る第3外周領域S41は、第3突出面431と上縁との間に、オイルリング3の周長方向に直交する断面において径方向外側に凸状に湾曲するとともに燃焼室30側に向けて徐々に縮径した湾曲面432を有している。これによれば、ピストン10の上昇時におけるくさび効果を高め、オイルの掻き上げを更に抑制することができる。
なお、本発明は、一対のセグメント4,4の両方のセグメント外周面43において第3外周領域S41を偏心バレル形状としつつも、上側セグメント4Uと下側セグメント4Lとで、半径r4、偏心量δ4、バレル落差a41,a42、頂点P4と上縁E41及び下縁E42との軸方向における距離b41,b42を異ならせてもよい。また、本発明は、一対のセグメント4,4のうち、少なくとも一方のセグメント外周面43における第3外周領域S41が上述した偏心バレル形状であればよく、例えば、上側セグメント4Uのセグメント外周面43を偏心バレル形状とし、下側セグメント4Lのセグメント外周面43を頂点P4が軸方向中央に位置した対称バレル形状としてもよい。但し、本実施形態は、一対のセグメント4,4の両方のセグメント外周面43を偏心バレル形状とし、両方のオイルシール性能を高めることで、一方のみを偏心バレル形状とする場合よりも内燃機関100のオイル消費を低減することができる。また、トップリング1のリング外周面13は、対称バレル形状に限定されない。即ち、リング外周面13は、偏心バレル形状であってもよい。
[実施例]
実施例に係る内燃機関は、実施形態1に係るピストンリングの組み合わせを設けた内燃機関100に相当する。即ち、実施例におけるピストンリングの組み合わせでは、トップリングの外周面を対称バレル形状とし、セカンドリングの外周面を対称バレル形状とし、オイルリングに設けられた一対のセグメントの外周面を偏心バレル形状とした。
[比較例]
比較例に係る内燃機関は、従来例に係るピストンリングの組み合わせを設けた内燃機関200に相当する。即ち、比較例におけるピストンリングの組み合わせでは、トップリングの外周面を対称バレル形状とし、セカンドリングの外周面をテーパ形状とし、オイルリングに設けられた一対のセグメントの外周面を対称バレル形状とした。
[実験]
実験では、実施例に係る内燃機関と比較例に係る内燃機関をそれぞれ、エンジン回転数620rpm、1035rpm、1555rpmで運転したときのFMEP(摩擦平均有効圧:Friction Mean Effective Pressure)を測定した。
[実験結果]
図8は、実施例と比較例におけるエンジン回転数とFMEPの関係を示すグラフである。図8から分かるように、回転数620rpm、1035rpm、1555rpmの何れにおいても、実施例に係る内燃機関の方が比較例に係る内燃機関よりもFMEPが低い。これにより、実施形態に係るピストンリングの組み合わせがフリクションの低減において有効であることが分かる。特に、高回転域である1555rpmにおいては、実施例と比較例のFMEPの差分が1.9kPaであり、高回転域においてフリクション低減効果が顕著であることを確認することができた。
[実施形態1の変形例1]
図9は、実施形態1の変形例1に係るセグメント4Aの周長方向に直交する断面を示す断面図である。図9に示すように、セグメント4Aは、セグメント外周面43Aがテーパバレル形状を有する点で、セグメント4と相違する。より具体的には、セグメント4Aのセグメント外周面43Aでは、第3外周領域S41が、第3突出面431と第3外周領域S41の上縁との間に、オイルリング3の周長方向に直交する断面において径方向外側に凸状に湾曲するとともに燃焼室30側に向けて徐々に縮径したテーパ面432Aを有する。セグメント4Aにおいても、第3突出面431は、周長方向に直交する断面において、半径が一様な円弧形状ではなく、半径の異なる複数の円弧が連なることで径方向外側に凸となった曲線形状を有してもよい。また、第3外周領域S41は、平坦な領域を含んでいてもよい。例えば、第3突出面431は、頂点P4において、軸方向と平行な平坦部を形成してもよい。
[実施形態1の変形例2]
図10Aは、実施形態1の変形例2に係るオイルリング3Bの周長方向に直交する断面図である。図10Bは、図10Aに示すレール外周面43Bの拡大図である。本発明に係るオイルリングは、図10Aに示す、一対のレール4UB,4LBが一体化したオイルリング本体7とオイルリング本体7をシリンダの内壁に付勢するためのコイルエキスパンダ8からなる、所謂2ピースのオイルリングであってもよい。オイルリング本体7の軸方向両側には、一対のレール4UB,4LBが設けられている。一対のレール4UB,4LBは、オイルリング3における一対のセグメント4U,4Lに相当する部位である。
図10Aに示す符号CL4Uは、レール4UBの軸方向と直交するとともにレール4UBのレール外周面43Bにおける軸方向中央を通る直線を示し、符号CL4Lは、レール4LBの軸方向と直交するとともにレール4LBのレール外周面43Bにおける軸方向中央を通る直線を示す。一対のレール4UB,4LBのレール外周面43Bは、一対のセグメント4U,4Lのセグメント外周面43と同様の偏心バレル形状を有している。より詳細には、図10Bに示すように、一対のレール4UB,4LBのレール外周面43Bは、オイルリング3Bの周長方向に直交する断面において径方向外側に凸状に湾曲するとともに該凸状の頂点P4がレール外周面43Bにおいて径方向最外に位置する第3突出面431Bを有し、また、第3外周領域S41において下縁E42が上縁E41よりも径方向外側に位置し、且つ、第3突出面431Bの頂点P4がレール外周面43Bにおける軸方向中央よりもクランク室40寄りに位置している。これにより、オイルリングのオイルシール性能を向上させている。レール外周面43Bは、本発明に係る「第3外周面」の一例である。なお、オイルリング3Bは、一対のレール4UB,4LBのうち、一方のレール外周面43Bのみが偏心バレル形状であってもよい。例えば、レール4UBのレール外周面43Bを偏心バレル形状とし、レール4LBのレール外周面43Bを対称バレル形状としてもよく、その逆としてもよい。
[実施形態1の変形例3]
図11は、実施形態1の変形例3に係るピストンリングの組み合わせが設けられた内燃機関のリング溝付近の拡大図である。変形例3に係るピストンリングの組み合わせは、オイルリング3Cの一対のセグメント4C,4Cの何れのセグメント外周面43Cも対称バレル形状を有している点で、図2に示すピストンリングの組み合わせと相違する。また、変形例3に係るピストンリングの組み合わせは、図7に示す従来例のピストンリングの組み合わせにおいて、セカンドリングの外周面の形状を対称バレル形状に代えたものと捉えることもできる。これにより、変形例3に係るピストンリングの組み合わせでは、トップリング1、セカンドリング2、オイルリング3Cの全ての外周面が対称バレル形状となっている。そのため、変形例3に係るピストンリングの組み合わせは、図2に示したピストンリングの組み合わせと比較してオイルシール性能は低下するものの、摩擦損失を低減することができる。このようなピストンリングの組み合わせは、比較的オイル消費の少ない内燃機関、例えば常用回転数の低い内燃機関に用いることができる。なお、セカンドリング2及びオイルリング3Cのセグメント4C,4Cは、外周面に平坦部を有してもよい。
<実施形態2>
図12は、実施形態2に係るピストンリングの組み合わせに用いられるセカンドリング2Dの周長方向に直交する断面図である。実施形態2に係るピストンリングの組み合わせは、対称バレル形状であるリング外周面23を有するセカンドリング2に代えて、偏心バレル形状であるリング外周面23Dを有するセカンドリング2Dを用いる点で実施形態1に係るピストンリングの組み合わせと相違し、その他の点では同一である。
図12に示すように、リング外周面23Dにおける第2外周領域S21は、セカンドリング2Dの周長方向に直交する断面において径方向外側に凸状に湾曲する第2突出面231Dを有する。第2突出面231Dにおける該凸状の頂点P2は、リング外周面23Dにおいてセカンドリング2Dの径方向最外に位置している。また、リング外周面23Dにおいて、第2外周領域S21の下縁E22が上縁E21よりも径方向外側に位置し、且つ、第2突出面231Dの頂点P2がリング外周面23Dにおけるセカンドリング2Dの軸方向中央(即ち、リング幅の中央)よりもクランク室40寄りに位置している。頂点P2は、リング外周面23Dにおいて最も径方向外側に位置し、使用状態においてシリンダ内壁20aに摺接する。また、図12に示すように、リング外周面23Dは、更に、第2突出面231Dと第2外周領域S21の上縁E21との間に、セカンドリング2Dの周長方向に直交する断面において径方向外側に凸状に湾曲するとともに燃焼室30側に向けて徐々に縮径した湾曲面232Dを有する。湾曲面232Dは、第2突出面231Dの上端と第2外周領域S21の上縁E21とを接続する。これにより、リング外周面23Dは、非対称バレル曲面に形成されている。
図12に示す符号L2は、セカンドリング2Dの中心軸A2に直交するとともに中央線CL2よりも偏心量δ2分クランク室40寄りに位置する直線を示す。図12に示すように、直線L2は、頂点P2を通る。第2突出面231Dは、リング外周面23Dよりも径方向内側に中心C21を有する所定の半径r21の円弧を中心軸A2回りに回転させることで形成される曲面とも捉えることができる。なお、図12では、直線L2上に中心C21が位置しているが、中心C21の位置はこれに限定されない。また、第2突出面231Dは、周長方向に直交する断面において、半径が一様な円弧形状ではなく、半径の異なる複数の円弧が連なることで径方向外側に凸となった曲線形状を有してもよい。また、第2外周領域S21は、平坦な領域を含んでいてもよい。例えば、第2突出面231Dは、頂点P2において、軸方向と平行な平坦部を形成してもよい。
これにより、セカンドリング2Dにおいては、クランク室40側のバレル落差a22が燃焼室30側のバレル落差a21よりも小さくなり、第2外周領域S21の頂点P2と第2外周領域S21の下縁E22との軸方向における距離b22が頂点P2と第2外周領域S21の上縁E21との軸方向における距離b21よりも小さくなっている。これにより、使用状態において、シリンダ内壁20aと第2外周領域S21との隙間を、頂点P2を境としてクランク室40側において燃焼室30側よりも小さくすることができる。その結果、ピストンクリアランスPC1内のオイルがシリンダ内壁20aとリング外周面23Dとの隙間を通り抜けてクランク室40側から燃焼室30側に流出し難くなり、オイル上がりを更に抑制することができる。これにより、セカンドリング2Dのオイルシール性能を実施形態1に係るセカンドリング2よりも高めることができる。
以上のように、実施形態2に係るピストンリングの組み合わせは、セカンドリングの外周面を偏心バレル形状とすることで、セカンドリングのオイルシール性能を高めることができる。その結果、実施形態1に係るピストンリングの組み合わせと比較して、内燃機関のオイル消費を更に低減することができる。なお、リング外周面23Dにおける半径r21、偏心量δ2、バレル落差a21,a22、頂点P2と上下縁との軸方向における距離b21,b22は、r21=約1.6mm、δ2=0.2mm、a21=0.16mm、a22=0.03mm、b21=0.7mm、b22=0.3mmとすることが、オイルシール性能向上の観点から特に好ましい。但し、本発明は、上記の寸法に限定するものではない。
[実施形態2の変形例1]
図13は、実施形態2の変形例1に係るセカンドリング2Eの周長方向に直交する断面を示す断面図である。図12に示すように、セカンドリング2Eは、リング外周面23Eの第2外周領域S21がテーパバレル形状を有する点で、セカンドリング2Dと相違する。より具体的には、セカンドリング2Eのリング外周面23Eは、第2外周領域S21において、第2突出面231Dと第2外周領域S21の上縁E21との間に、セカンドリング2Eの周長方向に直交する断面において径方向外側に凸状に湾曲するとともに燃焼室30側に向けて徐々に縮径したテーパ面232Eを有する。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上述した種々の形態は、可能な限り組み合わせることができる。
100 :内燃機関
10 :ピストン
20 :シリンダ
30 :燃焼室
40 :クランク室
1 :トップリング
11 :リング上面
12 :リング下面
13 :リング外周面
14 :リング内周面
2 :セカンドリング
21 :リング上面
22 :リング下面
23 :リング外周面
24 :リング内周面
3 :オイルリング
4 :セグメント
4U :上側セグメント
4L :下側セグメント
41 :セグメント上面
42 :セグメント下面
43 :セグメント外周面
44 :レール内周面
5 :エキスパンダ・スペーサ

Claims (10)

  1. 内燃機関のピストンに形成されたリング溝に装着されるトップリングとセカンドリングとオイルリングとを含むピストンリングの組合せであって、
    前記トップリングの外周面である第1外周面は、該トップリングの周長方向に直交する断面において該トップリングの径方向外側に凸状に湾曲した第1突出面であって、該凸状の頂点が該第1外周面において該トップリングの径方向最外に位置する第1突出面が形成された第1外周領域を有し、
    前記セカンドリングの外周面である第2外周面は、該セカンドリングの周長方向に直交する断面において該セカンドリングの径方向外側に凸状に湾曲した第2突出面であって、該凸状の頂点が該第2外周面において該セカンドリングの径方向最外に位置する第2突出面が形成された第2外周領域を有し、
    前記オイルリングは、軸方向両側に設けられた一対のセグメントと、前記一対のセグメントを径方向外側へ付勢するエキスパンダ・スペーサと、を有し、
    前記一対のセグメントの外周面である一対の第3外周面は、前記オイルリングの周長方向に直交する断面において該オイルリングの径方向外側に凸状に湾曲した第3突出面であって、該凸状の頂点が該第3外周面において該オイルリングの径方向最外に位置する第3突出面が形成された第3外周領域をそれぞれ有し、
    前記一対の第3外周面のうち少なくとも一方において、前記第3外周領域のクランク室側の周縁が燃焼室側の周縁よりも径方向外側に位置し、且つ、前記第3突出面の頂点が前記第3外周面における前記オイルリングの軸方向中央よりもクランク室寄りに位置している、
    ピストンリングの組み合わせ。
  2. 内燃機関のピストンに形成されたリング溝に装着されるトップリングとセカンドリングとオイルリングとを含むピストンリングの組合せであって、
    前記トップリングの外周面である第1外周面は、該トップリングの周長方向に直交する断面において該トップリングの径方向外側に凸状に湾曲した第1突出面であって、該凸状の頂点が該第1外周面において該トップリングの径方向最外に位置する第1突出面が形成された第1外周領域を有し、
    前記セカンドリングの外周面である第2外周面は、該セカンドリングの周長方向に直交する断面において該セカンドリングの径方向外側に凸状に湾曲した第2突出面であって、該凸状の頂点が該第2外周面において該セカンドリングの径方向最外に位置する第2突出面が形成された第2外周領域を有し、
    前記オイルリングは、軸方向両側に一対のレールが設けられたリング本体と、前記リング本体を径方向外側へ付勢するコイルエキスパンダと、を有し、
    前記一対のレールの外周面である一対の第3外周面は、前記オイルリングの周長方向に直交する断面において該オイルリングの径方向外側に凸状に湾曲した第3突出面であって、該凸状の頂点が該第3外周面において該オイルリングの径方向最外に位置する第3突出面が形成された第3外周領域をそれぞれ有し、
    前記一対の第3外周面のうち少なくとも一方において、前記第3外周領域のクランク室側の周縁が燃焼室側の周縁よりも径方向外側に位置し、且つ、前記第3突出面の頂点が前記第3外周面における前記オイルリングの軸方向中央よりもクランク室寄りに位置している、
    ピストンリングの組み合わせ。
  3. 前記一対の第3外周面の両方において、前記第3外周領域のクランク室側の周縁が燃焼室側の周縁よりも径方向外側に位置し、且つ、前記第3突出面の頂点が前記第3外周面における前記オイルリングの軸方向中央よりもクランク室寄りに位置している、
    請求項1又は2に記載のピストンリングの組み合わせ。
  4. 前記第3外周領域は、前記第3突出面と前記燃焼室側の周縁との間に、前記オイルリングの周長方向に直交する断面において該オイルリングの径方向外側に凸状に湾曲するとともに前記燃焼室側に向けて徐々に縮径した湾曲面を有する、
    請求項1から3の何れか一項に記載のピストンリングの組み合わせ。
  5. 前記第3外周領域は、前記第3突出面と前記燃焼室側の周縁との間に、前記燃焼室側に向けて徐々に縮径したテーパ面を有する、
    請求項1から3の何れか一項に記載のピストンリングの組み合わせ。
  6. 前記第2外周面において、前記第2外周領域のクランク室側の周縁が燃焼室側の周縁よりも径方向外側に位置し、且つ、前記第2突出面の頂点が前記第2外周面における前記セカンドリングの軸方向中央よりもクランク室寄りに位置している、
    請求項1から5の何れか一項に記載のピストンリングの組み合わせ。
  7. 前記第2外周領域は、前記第2突出面と前記燃焼室側の周縁との間に、前記セカンドリングの周長方向に直交する断面において該セカンドリングの径方向外側に凸状に湾曲するとともに前記燃焼室側に向けて徐々に縮径した湾曲面を有する、
    請求項6に記載のピストンリングの組み合わせ。
  8. 前記第2外周領域は、前記第2突出面と前記燃焼室側の周縁との間に、前記燃焼室側に向けて徐々に縮径したテーパ面を有する、
    請求項6に記載のピストンリングの組み合わせ。
  9. 前記第1外周面において、前記第1外周領域のクランク室側の周縁が燃焼室側の周縁よりも径方向外側に位置し、且つ、前記第1突出面の頂点が前記第1外周面における前記トップリングの軸方向中央よりもクランク室寄りに位置している、
    請求項1から8の何れか一項に記載のピストンリングの組み合わせ。
  10. 前記第1外周領域は、前記第1突出面と前記燃焼室側の周縁との間に、前記トップリングの周長方向に直交する断面において該トップリングの径方向外側に凸状に湾曲するとともに前記燃焼室側に向けて徐々に縮径した湾曲面を有する、
    請求項9に記載のピストンリングの組み合わせ。
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