JP6438679B2 - オイルリング - Google Patents

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Description

本発明は、レシプロエンジン(往復動内燃機関)のピストンに用いられるオイルリングに関し、特に、合口を有する円環状に形成されたオイルリング本体の径方向内側部分にコイルエキスパンダーが装着されてなる2ピースタイプの組合せオイルリングに関する。
従来から、レシプロエンジンのピストンには、燃焼ガスをシールするためのコンプレッションリングに加えて、潤滑用のオイルをシールするためのオイルリングが装着されている。
オイルリングには、主としてガソリンエンジンに用いられる3ピースタイプのものと、主としてディーゼルエンジンに用いられる2ピースタイプのものとがあるが、低燃費化等の要請から、ガソリンエンジンにおいても、より軸方向幅を薄型化することが可能な2ピースタイプのオイルリングが用いられるようになってきている。
このような2ピースタイプのオイルリングとしては、通油孔が設けられたウェブ部とこのウェブ部の軸方向両側(上下)に一体に設けられた一対のレール部とを有するオイルリング本体と、このオイルリング本体の径方向内側部分に装着されてオイルリング本体を径方向外側に向けて付勢するコイルエキスパンダーの2つのパーツで構成されたものが知られている。この場合、オイルリング本体は合口を有する円環状に形成され、コイルエキスパンダーにより径方向外側に向けて付勢されることで拡張(拡径)できるようになっており、オイルリング本体が拡張し、各レール部の径方向外側を向く摺接面がシリンダの内周面に一定の接触圧力(面圧)で接触することにより、ピストンが往復動したときに、一対のレール部の間に滞留するオイルをシリンダの内周面に塗布するとともに余分なオイルをレール部により掻き落としつつ通油孔を通して排出して、シリンダの内周面に適切な厚みの油膜を形成するようになっている。
近年、低燃費や低オイル消費などの市場要求による内燃機関用エンジンの性能向上に伴い、オイルリングにも、ピストン上昇行程時のオイル掻きあげ作用の制御やオイル掻き落とし作用の増幅により、シリンダの内周面に対するフリクションを低減させつつオイル消費量を低減させ得る性能を有したものが求められている。このような要求に対応するために、径方向外側を向く外周面を種々の形状としたオイルリングが提案されている。
例えば特許文献1には、上下のレール部の外周面を、軸方向に平行な円筒面状の部分と軸方向に対してRを有する湾曲形状の部分とを有する形状としたオイルリングが記載されている。
また、特許文献2には、上下のレール部の外周面を、その燃焼室側の一部に、該燃焼室の側に向けて徐々に縮径するテーパ状の部分を設けた形状としたオイルリングが記載されている。
国際公開第2004/040174号 特開平9−144881号公報
上記従来のオイルリングの形状では、シリンダの内周面に対する各レール部の摺接面の面積が小さくなるので、当該摺接面のシリンダの内周面に対する面圧が高まり、これによりオイル上がりを抑制してオイル消費量を低減することができるが、その一方で、摺接面はその面圧が高まることにより摩耗し易くなり、長期間使用するとオイル掻き落とし作用が低減してオイル消費量が増加することになる。また、各レール部のシリンダの内周面との摺接面の面積が小さくなると、当該摺接面に発生する油圧が高まり、これによりシリンダの内周面に対するフリクションが高まって、このオイルリングが用いられるエンジンの燃費を悪化させることになる。
本発明は、このような点を解決することを課題とするものであり、その目的は、長期間に亘ってオイル消費量を低減しつつエンジンの燃費を低減することができるオイルリングを提供することにある。
発明者らは、上記の課題の解決手段につき鋭意究明したところ、レール部の摺接面の面積を小さくしつつ当該摺接面の摩耗を防止し、且つ、摺接面のシリンダの内周面に対するフリクションを低減するには、レール部の摺接面とシリンダの内周面との間に十分なオイルを供給しつつ当該摺接面とシリンダの内周面との間における油圧を低減させることが肝要であり、そのために、一対のレール部の径方向外側を向く外周面を、それぞれ軸方向外側から軸方向内側に向けて徐々に拡径するテーパ状部と、該テーパ状部の軸方向内側に該テーパ状部に対して径方向外側に向けて突出して設けられる突起部とを備えた形状に形成し、突起部の径方向外側を向く摺接面に、周方向に沿って延びる環状溝を設けて、摺接面を環状溝により軸方向に分離された構成とすることが効果的であることを新規に知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のオイルリングは、通油孔が設けられたウェブ部と該ウェブ部の軸方向両側に一体に設けられる一対のレール部とを備え、合口を有する円環状に形成されたオイルリング本体と、該オイルリング本体の径方向内側部分に装着され、前記オイルリング本体を径方向外側に向けて付勢するコイルエキスパンダーと、を有するオイルリングであって、一対の前記レール部の径方向外側を向く外周面が、それぞれ軸方向外側から軸方向内側に向けて徐々に拡径するテーパ状部と、該テーパ状部の軸方向内側に該テーパ状部に対して径方向外側に向けて突出して設けられる突起部とを備えた形状に形成され、前記突起部の径方向外側を向く摺接面に、周方向に沿って延びる環状溝が設けられ、該摺接面が前記環状溝により軸方向に分離されており、少なくとも何れか一方の前記突起部に設けられた前記摺接面の前記環状溝を挟んだ軸方向両側部分が、それぞれ軸方向に対して前記テーパ状部と同一方向に0.5度〜5.0度の角度で傾斜していることを特徴とするものである。また、本発明のオイルリングは、通油孔が設けられたウェブ部と該ウェブ部の軸方向両側に一体に設けられる一対のレール部とを備え、合口を有する円環状に形成されたオイルリング本体と、該オイルリング本体の径方向内側部分に装着され、前記オイルリング本体を径方向外側に向けて付勢するコイルエキスパンダーと、を有するオイルリングであって、一対の前記レール部の径方向外側を向く外周面が、それぞれ軸方向外側から軸方向内側に向けて徐々に拡径するテーパ状部と、該テーパ状部の軸方向内側に該テーパ状部に対して径方向外側に向けて突出して設けられる突起部とを備えた形状に形成され、前記突起部の径方向外側を向く摺接面に、周方向に沿って延びる環状溝が設けられ、該摺接面が前記環状溝により軸方向に分離されており、前記摺接面の前記環状溝を挟んだ軸方向の一方側部分と前記環状溝の内面との連結部、前記摺接面の前記環状溝を挟んだ軸方向の他方側部分と前記環状溝の内面との連結部、前記摺接面と前記突起部の軸方向外側の側面との連結部および前記摺接面と前記突起部の軸方向内側の側面との連結部の少なくとも何れか1つの連結部が、0.01mm以上の曲率半径で丸み面取りされていることを特徴とするものである。
なお、上記構成において、「オイルリング本体が合口を有する円環状」とは、円環状のオイルリング本体が、その周方向の一部分において切断されて当該切断部分が合口となったC字形状に形成されていることを意味する。
本発明は、上記構成において、一対の前記レール部のそれぞれに設けられた前記環状溝の軸方向開口幅の合計が、前記オイルリング本体の軸方向幅の30%以下であるのが好ましい。
また、本発明は、上記構成において、一対の前記レール部のそれぞれに設けられた前記環状溝の径方向深さが、前記オイルリング本体の径方向厚みの25%以下であるのが好ましい。
さらに、本発明は、上記構成において、一対の前記レール部のそれぞれに設けられた前記環状溝の周方向に垂直な断面の形状が、開口部の軸方向幅と底部の軸方向幅とが等しい略矩形形状、開口部の軸方向幅よりも底部の軸方向幅が狭い略台形形状、略三角形状および略U字形状の何れかであるのが好ましい。
さらに、本発明は、上記構成において、前記摺接面が、軸方向に平行な円筒面状に形成されているのが好ましい。
さらに、本発明は、上記構成において、前記オイルリング本体はスチール製であり、該オイルリング本体の少なくとも前記摺接面に、窒化処理層、PVD処理層、硬質クロムめっき処理層およびDLC処理層のうちの少なくとも何れか1つの層からなる硬質層が形成されているのが好ましい。
上記「PVD処理層」とは「物理気相成長(Physical Vapor Deposition)により形成された層」を意味し、「DLC(Diamond Like Carbon)層」とは主として炭化水素や炭素の同素体から成る非晶質の硬質炭素膜を意味する。
本発明によれば、テーパ状部がシリンダの内周面との間で生じるくさび効果によって突起部の摺接面とシリンダの内周面との間にオイルを供給し易くするとともに摺接面に設けた環状溝にオイルを保持して、摺接面とシリンダの内周面との間に十分な厚みの油膜を形成することができるので、長期間に亘って摺接面の摩耗を抑制することができる。また、摺接面に設けた環状溝により摺接面とシリンダの内周面との間に発生する油圧を低下させることができるので、摺接面のシリンダの内周面に対するフリクションを低減させることができる。したがって、長期間に亘ってオイル消費量を低減しつつエンジンの燃費を低減することができるオイルリングを提供することができる。
本発明の一実施の形態であるオイルリングの平面図である。 図1に示すオイルリングをピストンに装着されてシリンダに組み込まれた状態で示す縦断面図である。 (a)は上側のレール部の突起部を拡大して示す拡大断面図であり、(b)は下側のレール部の突起部を拡大して示す拡大断面図である。 (a)、(b)はそれぞれ図3に示す突起部の形状の変形例を示す拡大断面図である。
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に例示説明する。
図1〜図3に示す本発明の一実施の形態であるオイルリング1はオイルコントロールリングとも呼ばれるものであり、例えばディーゼルエンジンのピストンの外周面に形成されたリング溝に装着されて使用される。このオイルリング1は2ピースタイプとなっており、オイルリング本体10とコイルエキスパンダー20とを有している。
図1に示すように、オイルリング本体10は、合口10a、10bを備えた円環状つまり周方向の一部分が切断されて当該切断部分が合口10a、10bとなったC字形状に形成されている。オイルリング本体10は、例えばスチール(鋼材)製とすることができる。オイルリング本体10は、合口10a、10bが形成されることにより、これらの合口10a、10bを互いに周方向に離間させるように弾性変形して、径方向外側に向けて拡張(拡径)することができる。また、オイルリング本体10は、ピストンに装着された状態でシリンダ内に配置されると、合口10a、10bが閉じた略円環状となってピストンの全周に亘ってオイルをシールすることができる。
図2に示すように、オイルリング本体10はウェブ部11、上側のレール部12および下側のレール部13を有し、その断面は略M字形状となっている。
ウェブ部11は薄肉の円筒状に形成され、その軸方向の中央位置には、このウェブ部11を径方向に貫通する複数の通油孔14が周方向に間隔を空けて並べて設けられている。これらの通油孔14は、例えば長孔や円形孔に形成することができる。
上側のレール部12はウェブ部11の軸方向の一方側に該ウェブ部11と一体に設けられ、下側のレール部13はウェブ部11の軸方向の他方側に該ウェブ部11と一体に設けられている。各レール部12、13の径方向厚み寸法は、それぞれウェブ部11の径方向厚み寸法よりも大きくなっており、ウェブ部11は各レール部12、13の径方向中間部位において当該レール部12、13に連ねられている。
オイルリング本体10の径方向内側部分(内周面)には、コイルエキスパンダー20を装着するための装着溝15が設けられている。この装着溝15は、ウェブ部11から両レール部12、13にまで達する半円形の凹断面を有し、周方向に沿ってオイルリング本体10の全周に亘って延びている。
図1においては簡略化して示すが、コイルエキスパンダー20は、鋼材等により形成された線材をコイル状に巻いたものを、その両端を接続して円環状に形成して構成されている。このコイルエキスパンダー20は径方向内外方向に向けて弾性変形自在となっており、その自然状態における外径寸法はオイルリング本体10の内径寸法よりも大きくなっている。そして、コイルエキスパンダー20は、図2に示すように、縮径方向に弾性変形した状態でオイルリング本体10の装着溝15に装着され、オイルリング本体10を径方向外側に向けて付勢する。
なお、コイルエキスパンダー20の周方向に垂直な方向から見た半径は、オイルリング本体10の装着溝15の半径よりも僅かに小さくなっている。
上側のレール部12のウェブ部11よりも径方向外側に突出した部分はランド12aとなっており、このランド12aの径方向外側を向く外周面は、テーパ状部16aと突起部16bとを備えた形状に形成されている。また、下側のレール部13のウェブ部11よりも径方向外側に突出した部分はランド13aとなっており、このランド13aの径方向外側を向く外周面は、テーパ状部17aと突起部17bとを備えた形状に形成されている。
より具体的に説明すると、上側のレール部12のランド12aの外周面に設けられるテーパ状部16aは、軸方向外側つまりランド12aの図2中で上方側となる上方端縁から軸方向内側つまり下方側に向けて徐々に拡径しながら延びるテーパ面状に形成されている。一方、突起部16bは、テーパ状部16aに対して径方向外側に向けて突出する環状突起に形成されている。図示する場合では、突起部16bは、径方向外側に向けて徐々に軸方向幅が狭まる略台形形状の断面を有する形状に形成され、テーパ状部16aの軸方向内側つまり下方側に隣接して配置されている。なお、突起部16bとテーパ状部16aとの間は湾曲面により滑らかに連ねられ、また、突起部16bの下側面はランド12aの軸方向内側面(下面)に同一面状に連ねられている。
同様に、下側のレール部13のランド13aの外周面に設けられるテーパ状部17aは、軸方向外側つまりランド13aの図2中で下方側となる下方端縁から軸方向内側つまり上方側に向けて徐々に拡径しながら延びるテーパ面状に形成されている。一方、突起部17bは、テーパ状部17aに対して径方向外側に向けて突出する環状突起に形成されている。図示する場合では、突起部17bは、突起部16bと同様に、径方向外側に向けて徐々に軸方向幅が狭まる略台形形状の断面を有する形状に形成され、テーパ状部17aの軸方向内側つまり上方側に隣接して配置されている。なお、突起部17bとテーパ状部17aとの間は湾曲面により滑らかに連ねられ、また、突起部17bの上側面はランド13aの軸方向内側面(上面)に同一面状に連ねられている。
各突起部16b、17bの周方向に垂直な断面形状は、上記した略台形形状に限らず、例えば長方形状など他の形状とすることもできる。
図3(a)に示すように、突起部16bの径方向外側を向く外周面は、シリンダ30の内周面30aに摺接する摺接面16Aとなっており、図3(b)に示すように、突起部17bの径方向外側を向く外周面は、シリンダ30の内周面30aに摺接する摺接面17Aとなっている。図示する場合では、摺接面16Aは、それぞれ軸方向に平行な円筒面状に形成されて互いに同一面状に並んで配置される摺接面16c、16dからなり、摺接面17Aは、それぞれ軸方向に平行な円筒面状に形成されて互いに同一面状に並んで配置される摺接面17c、17dからなっている。
突起部16bの摺接面16cと摺接面16dとの間には、その全周に亘って周方向に沿って延びる環状溝16eが設けられ、突起部17bの摺接面17cと摺接面17dとの間には、その全周に亘って周方向に沿って延びる環状溝17eが設けられている。図示する場合では、環状溝16eは摺接面16cと摺接面16dの軸方向の間、好ましくは、軸方向の略中心位置に設けられ、環状溝17eは摺接面17cと摺接面17dの軸方向の間、好ましくは、軸方向の略中心位置に設けられる。つまり、突起部16bの径方向外側を向く摺接面16c、16dは、環状溝16eを挟んで上下に分離され、突起部17bの径方向外側を向く摺接面17c、17dは、環状溝17eを挟んで上下に分離されている。図示する場合では、摺接面16c、17cの軸方向幅寸法w1と摺接面16d、17dの軸方向幅寸法w2とは同一とされているが(図3参照)、軸方向幅寸法w1と軸方向幅寸法w2とを相違させた構成とすることもできる。
環状溝16e、17eの周方向に垂直な断面の形状は、例えば図示するように、その開口部の軸方向幅よりも底部の軸方向幅が狭い略台形形状とすることができる。なお、環状溝16e、17eの周方向に垂直な断面の形状は上記した略台形形状に限らず、例えば、開口部の軸方向幅と底部の軸方向幅とが等しい略矩形形状、略三角形状(V溝)および略U字形状など、種々の形状とすることもできる。
オイルリング本体10の摺接面16c、16dおよび摺接面17c、17dには、硬質層(硬質皮膜)18が形成されるのが好ましい。硬質層18は、オイルリング本体10の少なくとも摺接面16c、16dおよび摺接面17c、17dに設けられていればよいが、その他の部分に形成することもできる。例えば、図示する場合では、ウェブ部11の径方向外側を向く外周面、各レール部12、13の径方向外側を向く外周面および各レール部12、13のウェブ部11と連なる軸方向内側面に硬質層18が形成されている。この場合、各突起部16b、17bの摺接面16c、16d、摺接面17c、17dおよび環状溝16e、17eの内面にも硬質層18が形成される。なお、図2、図3においては、便宜上、硬質層18をオイルリング本体10とは別の部材として記載しているが、硬質層18は実質的にオイルリング本体10の一部として構成される。
この硬質層18は、例えば、窒化処理層、PVD処理層、硬質クロムめっき処理層およびDLC処理層のうち少なくとも何れか1つの層を備えた構成のものとすることができる。つまり、上記各処理層の何れか1つの層のみを備えた硬質層18とすることができるとともに、上記各処理層の2種類以上の層を備えた硬質層18とすることもできる。
このような硬質層18を設けることにより、環状溝16e、17eが設けられることによって摺接面16c、16dおよび摺接面17c、17dの面積が小さくなり、当該摺接面16c、16dおよび摺接面17c、17dのシリンダ30の内周面30aに対する面圧が高まっても、当該摺接面16c、16dおよび摺接面17c、17dの摩耗を抑制することができる。これにより、摺接面16c、16dおよび摺接面17c、17dとの間に設けられる環状溝16e、17eを長期間に亘り所定の形状に維持することができる。
なお、オイルリング本体10の外周面に硬質層18を設けない構成とすることもできる。
このような構成のオイルリング1は、ピストン31のリング溝31aに装着されてシリンダ30内に組み込まれると、その自己の弾性力に加えてコイルエキスパンダー20により付勢されて径方向外側に向けて拡張する。これにより、図2に示すように、オイルリング本体10の軸方向の中心位置側にずれて配置された一対の突起部16b、17bの摺接面16c、16dおよび摺接面17c、17dが、シリンダ30の内周面30aに所定の面圧で接触する。また、各突起部16b、17bの軸方向外側には、それぞれテーパ状部16a、17aとシリンダ30の内周面30aとで区画されたくさび状の隙間が設けられる。
そして、エンジンが作動してピストン31がシリンダ30の内部で往復動すると、上下のレール部12、13の間に滞留するオイルをシリンダ30の内周面30aに塗布するとともに余分なオイルをレール部12、13の突起部16b、17bにより掻き落とし、また、上下のレール部12、13の間の過剰なオイルを、通油孔14を通してピストン31のリング溝31aに設けられた排油孔(不図示)に案内して、シリンダ30の内周面30aに所定の厚みの油膜を形成する。
このとき、各突起部16b、17bの軸方向外側にはテーパ状部16a、17aとシリンダ30の内周面30aとで区画されたくさび状の隙間が設けられるので、当該くさび状の隙間が突起部16b、17bに対して前方側となる方向にピストン31が移動する際には、当該隙間が生じるくさび効果によって突起部16bの摺接面16c、16dとシリンダ30の内周面30aとの間および突起部17bの摺接面17c、17dとシリンダ30の内周面30aとの間にオイルが効果的に供給されることになる。また、摺接面16c、16dの間、および摺接面17c、17dの間には、それぞれ環状溝16e、17eが設けられているので、突起部16bの摺接面16c、16dとシリンダ30の内周面30aとの間および突起部17bの摺接面17c、17dとシリンダ30の内周面30aとの間に供給されたオイルを環状溝16e、17eで保持して当該摺接面16c、16dおよび摺接面17c、17dに効果的にオイルを供給することができる。これにより、突起部16bの摺接面16c、16dとシリンダ30の内周面30aとの間および突起部17bの摺接面17c、17dとシリンダ30の内周面30aとの間に十分な厚みの油膜を形成することができる。したがって、突起部16bの摺接面16c、16dおよび突起部17bの摺接面17c、17dの摩耗を長期間に亘って抑制して、このオイルリング1が設けられるエンジンのオイル消費量を長期間に亘って低減させることができる。
また、摺接面16cと摺接面16dとの間および摺接面17cと摺接面17dの間にそれぞれ環状溝16e、17eが設けられることにより、摺接面16c、16dとシリンダ30の内周面30aとの間および摺接面17c、17dとシリンダ30の内周面30aとの間に発生する油圧をそれぞれ低下させることができる。したがって、摺接面16c、16dおよび摺接面17c、17dのシリンダ30の内周面30aに対するフリクションを低減させて、このオイルリング1が設けられるエンジンの燃費を長期間に亘って低減させることができる。
本発明のオイルリング1では、上記の構成において、一対のレール部12、13のそれぞれに設けられた環状溝16e、17eの軸方向開口幅w3(図3参照)の合計を、オイルリング本体10の軸方向幅h(図2参照)の30%以下とするのが好ましい。例えば、本実施の形態では、環状溝16e、17eの軸方向開口幅w3の合計を、オイルリング本体10の軸方向幅hの6.0%に設定するようにしている。
このように、一対のレール部12、13のそれぞれの突起部16b、17bに設けられた環状溝16e、17eの軸方向開口幅w3の合計を、オイルリング本体10の軸方向幅hの30%以下とすることにより、摺接面16c、16dの面積および摺接面17c、17dの面積を所望面積以上に確保しつつ環状溝16e、17eによる上記効果を効果的に生じさせることができる。
また、本発明のオイルリング1では、上記の構成において、一対のレール部12、13のそれぞれに設けられた環状溝16e、17eの径方向深さd(図3参照)を、オイルリング本体10の径方向厚みa(図2参照)の25%以下とするのが好ましい。例えば、本実施の形態では、環状溝16e、17eの径方向深さdを、オイルリング本体10の径方向厚みaの2.0%に設定するようにしている。
このように、一対のレール部12、13のそれぞれに設けられた環状溝16e、17eの径方向深さdを、オイルリング本体10の径方向厚みaの25%以下とすることにより、突起部16b、17bやランド12a、13aの強度を保持しつつ環状溝16e、17eによる上記効果を効果的に生じさせることができる。
図3に示すように、本発明のオイルリング1では、上記の構成において、各摺接面16A、17Aの環状溝16e、17eを挟んだ軸方向の一方側部分となる摺接面16c、17cと環状溝16e、17eの内面との第1連結部41、摺接面16A、17Aの環状溝16e、17edを挟んだ軸方向の他方側部分となる摺接面16d、17dと環状溝16e、17eの内面との第2連結部42、摺接面16c、17cと突起部16b、17bの軸方向外側の側面との第3連結部43および摺接面16d、17dと突起部16b、17bの軸方向内側の側面との第4連結部44の少なくとも何れか1つの連結部41〜44を、0.01mm以上の曲率半径で丸み面取りされた構成とするのが好ましい。例えば、本実施の形態では、摺接面16c、17cと環状溝16e、17eの内面との第1連結部41、摺接面16d、17dと環状溝16e、17eの内面との第2連結部42、摺接面16c、17cと突起部16b、17bの軸方向外側の側面との第3連結部43および摺接面16d、17dと突起部16b、17bの軸方向内側の側面との第4連結部44の全ての連結部41〜44に0.01mmの曲率半径で丸み面取りを施すようにしている。
このように、摺接面16c、17cと環状溝16e、17eの内面との第1連結部41および摺接面16d、17dと環状溝16e、17eの内面との第2連結部42を、0.01mm以上の曲率半径で丸み面取りすることにより、環状溝16e、17eにオイルを保持し易くして、環状溝16e、17eによる上記効果をさらに効果的に生じさせることができる。
また、摺接面16c、17cと突起部16b、17bの軸方向外側の側面との第3連結部43および摺接面16d、17dと突起部16b、17bの軸方向内側の側面との第4連結部44を、0.01mm以上の曲率半径で丸み面取りすることにより、テーパ状部16a、17aとシリンダ30の内周面30aとの間のくさび状の隙間が生じるくさび効果をさらに高めるとともにオイルリング本体10の軸方向内側から摺接面16c、16dおよび摺接面17c、17dにオイルが入り込み易くして、摺接面16c、16dおよび摺接面17c、17dの摩耗をさらに効果的に抑制しつつ摺接面16c、16dおよび摺接面17c、17dのシリンダ30の内周面30aに対するフリクションをさらに低減することができる。
なお、本実施の形態では、上記全ての連結部41〜44を0.01mm以上の曲率半径で丸み面取りを施すようにしているが、これに限らず、任意の連結部にのみ0.01mm以上の曲率半径で丸み面取りを施すこともできる。また、全ての連結部41〜44を丸み面取りが施されない構成とすることもできる。
図4(a)、(b)はそれぞれ図3に示す突起部の形状の変形例を示す拡大断面図である。
図4(a)に示す変形例では、上側のレール部12の突起部16bに設けられた摺接面16Aの環状溝16eを挟んだ軸方向両側部分である摺接面16c、16dを、それぞれ軸方向に対してテーパ状部16aと同一方向に傾斜したテーパ面状に形成するようにしている。
このように、上側のレール部12の突起部16bに設けられた摺接面16c、16dを、それぞれ軸方向に対してテーパ状部16aと同一方向に傾斜したテーパ面状に形成することにより、ピストン31が上死点に向けて移動する際における摺接面16c、16dのシリンダ30の内周面30aに対するフリクションをさらに低減することができるとともに、摺接面16c、16dとシリンダ30の内周面30aとの間により効果的にオイルを供給することができる。
上記構成において摺接面16c、16dに付される軸方向に対する傾斜角度αは、0.5度〜5.0度とするのが好ましい。摺接面16c、16dに付される傾斜角度αを上記の角度範囲とすることにより、摺接面16c、16dのシリンダ30の内周面30aに接する面積が過度に小さくなることを防止しつつ傾斜角度を付けたことによる上記効果をより効果的に生じさせることができる。
なお、図4(a)に示す変形例の構成は、上下のレール部12、13に設けられる摺接面16c、16dおよび摺接面17c、17dのそれぞれをテーパ面状に形成するなど、上下のレール部12、13の少なくとも何れか一方に設けられる摺接面16c、16dおよび/または摺接面17c、17dをテーパ面状に形成する構成とすることもできる。この場合、上側のレール部12に設けられる摺接面16c、16dのみをテーパ面状に形成するのが好ましい。
詳細は図示しないが、下側のレール部13の突起部17bに設けられた摺接面17c、17dを、それぞれ軸方向に対してテーパ状部17aと同一方向に傾斜したテーパ面状に形成するようにした場合には、ピストン31が下死点に向けて移動する際における摺接面17c、17dのシリンダ30の内周面30aに対するフリクションをさらに低減することができるとともに、摺接面17c、17dとシリンダ30の内周面30aとの間により効果的にオイルを供給することができる。
図4(b)に示す変形例では、上側のレール部12に設けられる突起部16bの、摺接面16cと環状溝16eの内面との第1連結部41および摺接面16dと環状溝16eの内面との第2連結部42には丸み面取りを施さず、摺接面16cと突起部16bの軸方向外側の側面との第3連結部43および摺接面16dと突起部16bの軸方向内側の側面との第4連結部44にのみ、0.05mmの曲率半径で丸み面取りを施すようにしている。
このように、突起部16bの、摺接面16cと環状溝16eの内面との第1連結部41および摺接面16dと環状溝16eの内面との第2連結部42には丸み面取りを施さず、摺接面16cと突起部16bの軸方向外側の側面との第3連結部43および摺接面16dと突起部16bの軸方向内側の側面との第4連結部44にのみ、0.05mmの曲率半径で丸み面取りを施すことにより、図3に示す構成の場合に比べて、テーパ状部16aとシリンダ30の内周面30aとの間で生じるくさび効果をさらに高めるとともにオイルリング本体10の軸方向内側から摺接面16c、16dへオイルをさらに入り込み易くして、摺接面16c、16dの摩耗をさらに効果的に抑制することができる。また、環状溝16eの開口端には丸み面取りが施されないので、環状溝16eにオイルを保持し易くして摺接面16c、16dのシリンダ30の内周面30aに対するフリクションをさらに低減させることができる。
なお、詳細は図示しないが、図4(b)に示す変形例の構成は、下側のレール部13に設けられる突起部17bにも同様に適用することができる。
本発明の効果を確認するために、本発明の実施例1〜6のオイルリングと、本発明との比較のための比較例1、2のオイルリングとを用意し、これらのオイルリングについて摩擦力(摩擦損失)の測定試験とオイル消費量の測定試験とを行い、その試験結果を比較した。
実施例1〜3のオイルリングでは、オイルリング本体の軸方向幅寸法(図2における寸法h)を4.00mm、径方向厚み寸法(図2における寸法a)を2.50mm、突起部の環状溝を挟んだ各摺接面の軸方向幅寸法(図3における寸法w1とw2の和)を0.20mm(上下合計で0.40mm)、環状溝の軸方向開口幅(図3における寸法w3)を0.12mm、環状溝の径方向深さ(図3における寸法d)を0.05mmとした。
実施例1、3のオイルリングでは、摺接面は軸方向に平行な円筒面状とした一方、実施例2のオイルリングでは、各突起部の摺接面の環状溝を挟んだ軸方向両側部分を、図4(a)に示す変形例のように、軸方向に対して傾斜面と同一方向に傾斜するテーパ面状に形成し、その軸方向に対する傾斜角度(図4(a)におけるα)を2.0度とした。
また、実施例1、2のオイルリングでは、0.01mmの曲率半径で第1連結部から第4連結部の全ての連結部を丸み面取りし、実施例3のオイルリングでは、図4(b)に示す変形例のように、各レール部に設けられる突起部の、摺接面の環状溝を挟んだ軸方向の一方側部分と環状溝の内面との第1連結部および摺接面の環状溝を挟んだ軸方向の他方側部分と環状溝の内面との第2連結部には丸み面取りは施さず、摺接面と突起部の軸方向外側の側面との第3連結部および摺接面と突起部の軸方向内側の側面との第4連結部にのみ0.05mmの曲率半径で丸み面取りを施した。さらに、実施例3のオイルリングのみに、そのオイルリング本体の摺接面を含む外周面に硬質層を形成した。
実施例4〜6のオイルリングでは、オイルリング本体の軸方向幅寸法(図2における寸法h)を4.00mm、径方向厚み寸法(図2における寸法a)を3.10mm、突起部の環状溝を挟んだ各摺接面の軸方向幅寸法(図3における寸法w1とw2の和)を0.43mm(上下合計で0.86mm)、環状溝の軸方向開口幅(図3における寸法w3)を0.22mm、環状溝の径方向深さ(図3における寸法d)を0.73mmとした。
実施例4、6のオイルリングでは、摺接面は軸方向に平行な円筒面状とした一方、実施例5のオイルリングでは、各突起部の摺接面の環状溝を挟んだ軸方向両側部分を、図4(a)に示す変形例のように、軸方向に対して傾斜面と同一方向に傾斜するテーパ面状に形成し、その軸方向に対する傾斜角度(図4(a)におけるα)を4.0度とした。
また、実施例4、5のオイルリングでは、0.01mmの曲率半径で第1連結部から第4連結部の全ての連結部を丸み面取りし、実施例6のオイルリングでは、図4(b)に示す変形例のように、各レール部に設けられる突起部の、摺接面の環状溝を挟んだ軸方向の一方側部分と環状溝の内面との第1連結部および摺接面の環状溝を挟んだ軸方向の他方側部分と環状溝の内面との第2連結部には丸み面取りは施さず、摺接面と突起部の軸方向外側の側面との第3連結部および摺接面と突起部の軸方向内側の側面との第4連結部にのみ0.05mmの曲率半径で丸み面取りした。さらに、実施例6のオイルリングのみに、そのオイルリング本体の摺接面を含む外周面に硬質層を形成した。
なお、実施例3、6では、各連結部の丸み面取りされた部分の実際の曲率半径は、硬質層が形成される分だけ大きくなる。
このように、実施例1、4のオイルリングの突起部は図3に示す形状、実施例2、5のオイルリングは図4(a)に示す形状、実施例3、6のオイルリングは図4(b)に示す形状とした。
比較例1、2のオイルリングでは、摺接面は軸方向に平行な円筒面状とし、その摺接面に環状溝を設けない構成とした。また、比較例1のオイルリングでは、オイルリング本体の軸方向幅寸法(図2における寸法h)を4.00mm、径方向厚み寸法(図2における寸法a)を2.50mm、突起部の摺接面の軸方向幅寸法を0.34mm(上下合計0.68mm)とし、比較例2のオイルリングでは、オイルリング本体の軸方向幅寸法(図2における寸法h)を4.00mm、径方向厚み寸法(図2における寸法a)を3.10mm、突起部の摺接面の軸方向幅寸法を0.67mm(上下合計1.34mm)とした。さらに、比較実1、2のオイルリングは、何れも、そのオイルリング本体の摺接面を含む外周面に硬質層が形成されない構成とした。
実施例1〜6および比較例1、2のオイルリングは、何れも、ディーゼルエンジンのピストンに装着して用いられるものとし、そのオイルリング本体をJIS SWRH77B相当の鋼材製とし、その呼称径をφ86とした。また、実施例1〜6および比較例1、2のオイルリングは、何れも、オイルリング本体とスペーサエキスパンダーとの組合せ張力を摺接面の面圧が2.0MPaとなるように設定した。
摩擦力(摩擦損失)の測定試験は、浮動ライナー式のリング単体往復動試験機(ボア径86mm、ストローク72mm)を用いて行い、摩擦平均有効圧力(FMEP:Friction Mean Effective Pressure)により評価した。この試験機において、オイルリングの外周面が摺動する相手材としては、面粗度が十点平均粗さ(Rz)で2〜4μmとなる鋳鉄のシリンダライナーを用いた。
この試験機のピストンに実施例1〜6のオイルリングおよび比較例1〜2のオイルリングを順次装着し、ピストンが往復動するときにオイルリングからシリンダライナーに加えられる摩擦力を荷重測定用センサーにより測定した。測定時の回転数は1500rpm、シリンダライナーの内面に供給するオイルの温度は25℃とした。
一方、オイル消費量の測定試験は、水冷4サイクルの自然吸気式のガソリンエンジン(4気筒、排気量2000cc)を用い、このエンジンのピストンに実施例1〜6のオイルリングおよび比較例1、2のオイルリングを順次装着して行った。試験条件は、回転数6500rpm、全負荷(WOT:Wide Open Throttle)とした。オイル消費量は、所定時間行った測定試験の前後におけるオイルの量から算出した。
表1に、摩擦力(摩擦損失)とオイル消費量の試験結果を示す。何れの試験結果も、比較例1を基準(BM:ベンチマーク)とし、当該比較例1の試験結果を100とした場合における当該BMとの比率で示した。
Figure 0006438679
表1から、本発明の実施例1〜3のオイルリングは、何れも、オイルリング本体の外形寸法が同一とされた比較例1のオイルリングに対して、摩擦損失およびオイル消費量が低減されることが解った。また、本発明の実施例4〜6のオイルリングは、何れも、オイルリング本体の外形寸法が同一とされた比較例2のオイルリングに対して、摩擦損失およびオイル消費量が低減されることが解った。
さらに、実施例1と実施例2との比較および実施例4と実施例5との比較から、図4(a)に示す変形例のように、摺接面の環状溝を挟んだ軸方向両側部分を、それぞれ軸方向に対してテーパ状部と同一方向に0.5度〜5.0度の角度で傾斜させることにより、摩擦損失およびオイル消費量をさらに低減でき、特にオイル消費量を効果的に低減できることが解った。
さらに、実施例1と実施例3との比較および実施例4と実施例6との比較から、図4(b)に示す変形例のように、各レール部に設けられる突起部の、摺接面と突起部の軸方向外側の側面との第3連結部および摺接面と突起部の軸方向内側の側面との第4連結部にのみ0.05mmの曲率半径で丸み面取りするとともにオイルリング本体の摺接面を含む外周面に硬質層を形成することにより、摩擦損失をさらに低減できることが解った。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施の形態においては、本発明のオイルリング1をディーゼルエンジンのピストンに装着されるものとして説明しているが、これに限らず、ガソリンエンジンのピストンに装着されるオイルリングに本発明を適用することもできる。
また、オイルリング本体10の材質は鋼材に限らず他の材質とすることもできる。
1 オイルリング
10 オイルリング本体
10a、10b 合口
11 ウェブ部
12 上側のレール部
12a ランド
13 下側のレール部
13a ランド
14 通油孔
15 装着溝
16A 摺接面
16a テーパ状部
16b 突起部
16c 摺接面
16d 摺接面
16e 環状溝
17A 摺接面
17a テーパ状部
17b 突起部
17c 摺接面
17d 摺接面
17e 環状溝
18 硬質層
20 コイルエキスパンダー
30 シリンダ
30a 内周面
31 ピストン
31a リング溝
41 第1連結部
42 第2連結部
43 第3連結部
44 第4連結部
w1、w2 摺接面の軸方向開口幅
w3 環状溝の軸方向開口幅
h オイルリング本体の軸方向幅
a オイルリング本体の径方向厚み
d 環状溝の径方向深さ
α 傾斜角度

Claims (7)

  1. 通油孔が設けられたウェブ部と該ウェブ部の軸方向両側に一体に設けられる一対のレール部とを備え、合口を有する円環状に形成されたオイルリング本体と、該オイルリング本体の径方向内側部分に装着され、前記オイルリング本体を径方向外側に向けて付勢するコイルエキスパンダーと、を有するオイルリングであって、
    一対の前記レール部の径方向外側を向く外周面が、それぞれ軸方向外側から軸方向内側に向けて徐々に拡径するテーパ状部と、該テーパ状部の軸方向内側に該テーパ状部に対して径方向外側に向けて突出して設けられる突起部とを備えた形状に形成され、
    前記突起部の径方向外側を向く摺接面に、周方向に沿って延びる環状溝が設けられ、該摺接面が前記環状溝により軸方向に分離されており、
    少なくとも何れか一方の前記突起部に設けられた前記摺接面の前記環状溝を挟んだ軸方向両側部分が、それぞれ軸方向に対して前記テーパ状部と同一方向に0.5度〜5.0度の角度で傾斜していることを特徴とするオイルリング。
  2. 通油孔が設けられたウェブ部と該ウェブ部の軸方向両側に一体に設けられる一対のレール部とを備え、合口を有する円環状に形成されたオイルリング本体と、該オイルリング本体の径方向内側部分に装着され、前記オイルリング本体を径方向外側に向けて付勢するコイルエキスパンダーと、を有するオイルリングであって、
    一対の前記レール部の径方向外側を向く外周面が、それぞれ軸方向外側から軸方向内側に向けて徐々に拡径するテーパ状部と、該テーパ状部の軸方向内側に該テーパ状部に対して径方向外側に向けて突出して設けられる突起部とを備えた形状に形成され、
    前記突起部の径方向外側を向く摺接面に、周方向に沿って延びる環状溝が設けられ、該摺接面が前記環状溝により軸方向に分離されており、
    前記摺接面の前記環状溝を挟んだ軸方向の一方側部分と前記環状溝の内面との連結部、前記摺接面の前記環状溝を挟んだ軸方向の他方側部分と前記環状溝の内面との連結部、前記摺接面と前記突起部の軸方向外側の側面との連結部および前記摺接面と前記突起部の軸方向内側の側面との連結部の少なくとも何れか1つの連結部が、0.01mm以上の曲率半径で丸み面取りされていることを特徴とするオイルリング。
  3. 一対の前記レール部のそれぞれに設けられた前記環状溝の軸方向開口幅の合計が、前記オイルリング本体の軸方向幅の30%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のオイルリング。
  4. 一対の前記レール部のそれぞれに設けられた前記環状溝の径方向深さが、前記オイルリング本体の径方向厚みの25%以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のオイルリング。
  5. 一対の前記レール部のそれぞれに設けられた前記環状溝の周方向に垂直な断面の形状が、開口部の軸方向幅と底部の軸方向幅とが等しい略矩形形状、開口部の軸方向幅よりも底部の軸方向幅が狭い略台形形状、略三角形状および略U字形状の何れかであることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のオイルリング。
  6. 前記摺接面が、軸方向に平行な円筒面状に形成されていることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のオイルリング。
  7. 前記オイルリング本体はスチール製であり、該オイルリング本体の少なくとも前記摺接面に、窒化処理層、PVD処理層、硬質クロムめっき処理層およびDLC処理層のうちの少なくとも何れか1つの層からなる硬質層が形成されていることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のオイルリング。
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