JPWO2020090372A1 - 回転工具 - Google Patents

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恭也 山田
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Abstract

高性能なブレーカを備えた回転工具を提供することを解決すべき課題とする。回転工具本体10と、多結晶ダイヤモンド(PCD)又は立方晶窒化ホウ素焼結体(CBN)からなり回転工具本体10に設けられた切れ刃を有する刃部20とを有し、刃部20のすくい面には、切れ刃近傍にブレーカを備えるものであり、以下の(i)及び(ii)のうちの少なくとも一方の構成を有する。(i)ブレーカは、切れ刃と垂直方向での断面形状がR形状となる凹みである。(ii)切れ刃は回転工具本体10の回転軸に対して傾斜しており、ブレーカは、切れ刃と平行方向での両端部のうち回転工具本体10の外周方向及び/又は軸芯方向の端部に行くに従い連続的に浅くなる凹みである。

Description

本発明は、回転工具に関する。
従来の回転工具では、切屑を短く分断したり、カール径を小さくしたりするために、刃部のすくい面にブレーカを設けるものがある(特許文献1、2など)。ブレーカが無いと、切屑が長くつながって工具に絡まり、自動運転の妨げになったり、ワークを傷つけたり、刃部に噛み込んで刃先がチッピングしたりする問題があるため、適正な作用が発揮できるブレーカを設けることが望まれている。
特開2017−94467号公報 特許第4185370号公報
本発明は上記実情に鑑み完成したものであり、高性能なブレーカを備えた回転工具を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決することを目的として本発明者らはブレーカの形状と切屑の形態との関係について鋭意検討を行った結果、以下の発明を完成した。
上記課題を解決する本発明の回転工具は、回転工具本体と、多結晶ダイヤモンド(PCD)又は立方晶窒化ホウ素焼結体(CBN)からなり前記回転工具本体に設けられた切れ刃を有する刃部とを有し、前記刃部のすくい面には、前記切れ刃近傍にブレーカを備えるものであり、以下の(i)及び(ii)のうちの少なくとも一方の構成を有する。
(i)前記ブレーカは、前記切れ刃と垂直方向での断面形状がR形状となる凹みである。
(ii)前記切れ刃は前記回転工具本体の回転軸に対して傾斜しており、前記ブレーカは、前記切れ刃と平行方向での両端部のうち前記回転工具本体の外周方向及び/又は軸芯方向の端部に行くに従い連続的に浅くなる凹みである。
特に、前記ブレーカの前記切れ刃と垂直方向での幅が、0.15mm〜0.5mmであることが好ましい。
そして、前記ブレーカと前記切れ刃との間隔が、0.01mm〜0.05mmであることが好ましい。
また、前記ブレーカは、表面に凹凸により形成されたテクスチャをもつことが好ましい。更に、前記ブレーカの内面は、表面粗さRzの値が2.0μm以下であることが好ましい。
本発明の回転工具は上記構成を有することで切削する際に生成する切屑を短く分断することができる。その結果、回転工具などへの切屑の絡まりを抑制できると共に、切屑がワーク表面を傷付けることを抑制することが可能になり、更には刃部のチッピングが効果的に防止できる。
ブレーカの断面形状(切れ刃と垂直方向での断面)をR形状にすることにより、生成した切屑のカール径を小さくすることができる。また、ブレーカの両端部(切れ刃と平行方向)が回転工具本体の外周方向及び/又は軸芯方向の端部に行くに従い連続的に浅くなっている形状にすることにより、生成した切屑が、ブレーカの外周方向の端部の内面に当たって、軸芯方向への応力が加わることが抑制できる。軸芯方向への応力が切屑に加わることを抑制すると、カールした切屑の先端が軸芯方向にずれることによりらせん状につながってしまうことが抑制でき、生成する切屑を短く分断することができる。特にブレーカの両端部共に端部に行くに従って連続的に浅くなっている形状にすることで切屑を短くする効果がより期待できる。
実施形態1における回転工具(リーマ)を表す斜視図である。 実施形態1のリーマが備える刃部の拡大斜視図である。 実施形態1の刃部がもつブレーカの拡大斜視図である。 図3のIV−IV断面概略図である。 実施形態1の変形態様を示す斜視図である。 実施形態2の刃部がもつブレーカ(ディンプル)の拡大斜視図である。 実施形態2の刃部がもつブレーカ(ディンプル)の拡大写真である。 実施形態2の刃部がもつブレーカ(溝)の拡大写真である。 図9(a)は実施形態3の刃部がもつブレーカ(突起)の拡大斜視図である。図9(b)は、図9(a)のb−b断面図である。 実施形態2の刃部がもつブレーカ(突起)の拡大写真である。 試験1の刃部(a)がもつブレーカの拡大斜視図である。 試験1のシミュレーション結果を示す図である。 試験1の切削試験(ブレーカ無しの刃部)で生成した切屑の写真である。 試験1の切削試験(断面R形状のブレーカをもつ刃部)で生成した切屑の写真である。 試験1の切削試験(断面3角形のブレーカをもつ刃部)で生成した切屑の写真である。 試験1の切削試験(ブレーカ無しの刃部)で生成した切屑の写真である。 試験1の切削試験(断面R形状のブレーカをもつ刃部)で生成した切屑の写真である。 試験1の切削試験(断面3角形のブレーカをもつ刃部)で生成した切屑の写真である。 試験2の刃部(a)がもつブレーカの拡大斜視図である。 試験2のシミュレーション結果を示す図である。 試験3の切削試験(条件1)で切削加工を行った後のブレーカの内面のSEM写真である。 試験3の切削試験(条件2)で切削加工を行った後のブレーカの内面のSEM写真である。 試験3の切削試験(条件3)で切削加工を行った後のブレーカの内面のSEM写真である。 試験3の切削試験(条件4)で切削加工を行った後のブレーカに相当する部分のSEM写真である。 試験4の刃部(b)がもつブレーカの拡大斜視図である。 試験4の刃部(c)がもつブレーカの拡大斜視図である。 試験4のシミュレーション結果を示す図である。 試験5のシミュレーション結果を示す図である。 実施形態4のリーマが備える刃部の拡大斜視図である。 実施形態4の変形態様のリーマが備える刃部の拡大斜視図である。 実施形態5のリーマが備える刃部の拡大斜視図である。 実施形態5の変形態様のリーマが備える刃部の拡大斜視図である。
本発明の回転工具について実施形態に基づき以下詳細に説明を行う。実施形態の説明にあたって適宜図面を参照するが、図面上の形態、寸法、相対的な位置関係などは発明の本質を外れない限り変更することが可能である。
本実施形態の回転工具は、軸回転しながら、被切削物であるワークに接触することによりワークを切削する工具であり、金属材料、特にアルミニウムやアルミニウム合金などの非鉄金属からなるワークを切削する工具である。例えば、リーマ、エンドミル、ドリルなどである。本実施形態の回転工具の切削速度は特に限定しない。例えば50m/分以上、100m/分以上、150m/分以上、600m/分以下、500m/分以下、400m/分以下、300m/分以下にすることができる。これらの上限値及び下限値は任意に組み合わせ可能である。
本実施形態の回転工具は、回転工具本体と刃部とを有する。刃部は回転工具の外周に1乃至複数個配設される。刃部はろう付、溶接などの方法にて固定できる。必要ならば脱着自在な構成を採用しても良い。
刃部は切れ刃をもち、すくい面の切れ刃近傍にはブレーカをもつ。刃部はPCD又はCBNから形成される。切れ刃は、回転工具本体の回転軸に対して傾斜していることもある。なお、すくい面は、切れ刃により切削された切屑が当接する面である。
ブレーカは、すくい面上で切れ刃から僅かに離れて形成されることが好ましい。ブレーカは、すくい面に設けられた凹みである。ブレーカの内面には切屑が接触して、連続して生成される切屑をカールさせるように作用する。
ブレーカの切れ刃側は、切れ刃との間隔が一定になるような形状とすることが好ましい。つまり、切れ刃とブレーカとの間の面(ランド)の幅(切れ刃と垂直方向の長さ)は、ほぼ一定であることが好ましい。
ランドの幅の適正値としては、本実施形態の回転工具の一刃送り量よりも小さくすることが望ましい。一刃送り量として0.05mm〜0.1mm程度の値を設定する場合にはランドの幅の値は、下限値として0.01mm、0.02mmが例示でき、上限値として0.05mm、0.04mm、0.03mmが例示でき、これらの上限値及び下限値は任意に組み合わせ可能である。特に一刃送り量の60%以下(特に50%以下)にランドの幅を設定することが好ましい。
ブレーカの幅(切れ刃と垂直方向の長さ)は、下限値として0.15mm、0.2mmが例示でき、上限値として0.5mm、0.4mm、0.3mmが例示でき、これらの上限値及び下限値は任意に組み合わせ可能である。
ブレーカの断面形状(切れ刃と垂直方向)は、すくい面から凹む方向のR形状である。R形状とは、屈曲点を有していない、すなわち曲率の変化が滑らかな形状である。特に、円弧の一部、双曲線の一部などである。ブレーカの内面とランドとは、15°〜20°(165°〜160°)程度の角度(鈍角)で形成することが好ましい。更に、R形状の曲率は一定でなくてもよく、切れ刃から離れるにつれて曲率が大きくなるようにしても良い。
刃部の切れ刃が回転工具本体の回転軸に対して傾斜している場合、ブレーカは、切れ刃と平行方向での両端部のうち回転工具本体の外周方向及び/又は軸芯方向の端部に行くに従い連続的に浅くなる凹みであることが好ましい。以下、ブレーカについて、特に限定せずに「両端」と称する場合には切れ刃と平行な方向での両端を意味し、特に限定せずに「断面形状」と称する場合には切れ刃方向と垂直な方向での断面を意味する。また、ブレーカの「幅」は、特に限定しない場合には切れ刃と垂直方向の長さを意味する。
例えば、ブレーカの凹みの形状として、断面形状が変化しない部分である中央部と、その中央部の両端に向かうほど連続的に浅くなる部分として中央部の断面形状を底面とし一点に収束する錐体(両端部)との組み合わせ形状が採用できる。
ブレーカの内面は表面粗さが小さいことが好ましい。例えば、表面粗さRzの値が2.0μm以下や1.5μm以下にできる。表面粗さを小さくすることにより被削材が刃部(特にブレーカの内面)の表面に溶着することが抑制できる。なお、本明細書におけるRzは十点平均粗さを示す。
ブレーカの内面には、凹凸により形成されたテクスチャを持つことが好ましい。テクスチャの形態としては、規則的に配列された、ディンプル(凹部)、ドット(凸部)が例示される。ディンプルは複数個がつながった溝を形成しても良いし、ドットも複数個がつながったリブ状の突起を形成しても良い。溝としては、切れ刃と平行な方向に延在するように設けることで、摩擦係数の低減効果が向上できる。リブ状の突起については、ブレーカの幅方向に延在するように設けることで切屑の流れの制御性が向上できる。
ディンプルやドットがブレーカの内面に形成されると、ブレーカの内面と切屑との間の摩擦低減効果や、ブレーカの内面における切屑の流れを制御できることが期待できる。特に、切屑とブレーカ内面との間の摩擦が少なくなると、切屑のカールが促進されて切屑の分断を促進できる。また、ディンプルやドットには切削時に用いるオイルを貯める作用も期待できる。切屑の流れが偏向すると、切屑がらせん状になっていつまでも分断されないことがある。そこで切屑の流れを制御して切屑の先端が速やかにワークや、切屑自身に接触するようにすることにより切屑の分断が促進できる。
ここで、ディンプルの作用としては摩擦低減作用が優先して期待でき、ドットの作用としては切屑の流れ制御の作用が優先的に期待できる。
ブレーカは、放電加工、電子ビーム加工、レーザー加工、研削加工などによって成形される。ブレーカの内面に設けるテクスチャの成形についても放電加工、電子ビーム加工、レーザー加工、研削加工などにより行うことができる。テクスチャの成形はブレーカの成形と同時に行っても、ブレーカの成形とは独立して行っても何れでも良い。
(実施形態1)
本実施形態の回転工具について以下図面に基づき詳細に説明を行う。図1に示すように、本実施形態の回転工具1は、回転工具本体10と、回転工具本体10の外周に設けられた刃部20とからなる。回転工具1は、右回りに回転して切削を行うリーマである。
回転工具本体10は、概ね円筒形状であり、軸方向の先端から中途にかけて切り欠き11が形成されている。切り欠き11の先端には刃部20がろう付により固定されている。刃部20を設ける数としては特に限定されない。刃部20は、PCD製であり、図2に示すように、切れ刃21が形成され、すくい面21aにブレーカ22が形成されている。ブレーカ22は、切れ刃21の近傍に形成されている。ブレーカ22の幅は0.2mm〜0.3mm程度としている。
また、図3に示すように、ブレーカ22の中央部22aの切れ刃21と平行な方向での長さは、切削により生成する切屑の大きさが収まる大きさにする。例えば、ワークの半径方向での切り込み深さ(取り代)程度の大きさの切屑が生成されるため、取り代の大きさよりも大きな値(0.15mm〜0.5mm程度)とすることができる。また、ブレーカ22の位置も切削により生成する切屑の位置に応じて決定される。
ブレーカ22の端部22b及び22cの切れ刃21と平行な方向での長さは、0.2mm〜0.3mm程度とすることができる。ブレーカ22の切れ刃21側の形状と、切れ刃21の形状とは平行であり、その間のランド21a1の幅x1は0.01mm〜0.05mm程度とすることができる。
ブレーカ22は、断面形状が円弧の一部である中央部22aと、その両端にある端部22b及び22cからなる。ここで端部22cが回転工具本体10の外周方向の端部である。端部22bは、頂点22b1をもち底面が中央部22aの断面である斜錐体であり、端部22cは、頂点22c1をもち底面が中央部22aの断面である斜錐体である。端部22b及び22c共に両端に向かうにつれて連続的に浅くなっている形状の凹みである。
ブレーカ22の中央部22aでの断面は、図4に示すように、円弧の一部である。ランド21a1と中央部22aとの角度θは15°〜20°程度とすることができる。
(実施形態1の変形態様)
本実施形態の回転工具2は、図5に示すように、回転工具本体30と、回転工具本体30の外周に設けられた、刃部40及び50とを有する。回転工具本体30は、概ね円筒形状であり、軸方向の先端から後端に向けての中途にかけての一部分に切り欠き31が形成され、更に後端に向けての一部分に切り欠き32が形成されている。切り欠き31及び32は、回転工具本体30の周方向で90°毎に4つ設けられている。回転工具本体30の外径は切り欠き31が形成された部分よりも切り欠き32が形成された部分の方が僅かに大きくなっている。
切り欠き31が形成された部分の先端には180°毎に刃部40が2つ、切り欠き32が形成された部分の先端には刃部40とは90°ずれた部位に刃部50が2つ、それぞれろう付により固定されている。なお、刃部40及び50を設ける数としては特に限定されない。刃部40及び50は、PCD製であり、図2に示したものと同様の形状をもつ。
(実施形態2)
本実施形態の回転工具は、ブレーカの内面にテクスチャが形成された以外は実施形態1と同様である。刃部60について図6に示す。すくい面61aのランド61a1についても実施形態1と同様に幅x2が0.01mm〜0.05mm程度とすることができる。
本実施形態の回転工具が備える刃部60のブレーカ62には、その内面にディンプル63が形成されている。ディンプル63は、切れ刃61によりワークを切削する際に生成する切屑の生成方向に整列するように設けられる。ディンプル63の大きさは特に限定しないが、例えば直径0.02mm〜0.05mm程度、深さ0.01mm〜0.025mmにすることができる。ディンプル63の個数についても特に限定せずに、ブレーカ62の内面を満遍なく覆うことができる程度の数を設けることができる。例えば、ブレーカ62の中央部62aの幅方向に4〜6個、ブレーカ62全体の切れ刃61の長さ方向に6〜8個程度配置することができる。
刃部60のブレーカ62部分の顕微鏡写真を図7に示す。また、テクスチャとして溝を採用した場合の刃部70のブレーカ72部分の顕微鏡写真を図8に示す。溝73は、中央部72aでは、切れ刃71と平行な方向に延在するように、両端部72b及び72cでは頂点72b1及び72c1に向けて延在するように形成されている。
(実施形態3)
本実施形態の回転工具は、ブレーカの内面にテクスチャが形成された以外は実施形態1と同様である。刃部80について図9に示す。すくい面81aのランド81a1についても実施形態1と同様に幅x3が0.01mm〜0.05mm程度とすることができる。
本実施形態の回転工具が備える刃部80のブレーカ82には、その内面にリブ状の突起83が形成されている。突起83は、切れ刃81によりワークを切削する際に生成する切屑の生成方向に延在するように設けられる。突起の幅は特に限定しないが、中央部に行くにつれて幅が広くなったり、幅が均一であったりすることができる。
突起の大きさとしては、例えば最大部の幅が0.03mm〜0.07mm程度、ブレーカ底面からの高さが0.01mm〜すくい面81aと同じ程度(例えばブレーカの最も深い部分の深さが0.1mmであった場合には突起の高さh(中央部82aの最も深い部分から突起83の頂点までの高さ)の上限を0.1mmにする。図では突起の高さhをブレーカの深さの半分程度にしている。)にすることができる。ブレーカ82の幅方向の長さは、ブレーカ22の幅と同程度とすることができる。突起83の個数についても特に限定せずに、ブレーカ82の内面を満遍なく覆うことができる程度の数を設けることができる。例えば、ブレーカ82の中央部82aの幅方向に6〜8個程度配置することができる。ブレーカ82の端部82b及び82cには突起83を配置してもしなくてもよい。刃部80のブレーカ82部分の顕微鏡写真を図10に示す。
(試験1:ブレーカ形状の検討。ブレーカの内面の形状)
(a)ブレーカを形成していない刃部、(b)断面形状がR形状のブレーカを有する刃部(図3に相当:ランド幅x1が0.02mm、ブレーカの幅が0.3mm、ブレーカの内面のR形状を形成する円筒の半径が0.3mm)、(c)断面形状が三角形のブレーカを有する刃部(図11:ランド91a1の幅が0.05mm、ブレーカ幅が0.6mm、ブレーカの内面とランド91a1との角度が15°)の3つの刃部をもつリーマについて解析を行った。
切削条件としては、切れ刃の材質がPCD製、被削材がアルミニウム合金(A7075)、切削速度が150m/分、一刃送り量が0.1mm、取り代が0.2mmとした。解析結果を図12に示す。
図12より明らかなように、ブレーカを設けた(b)及び(c)の刃部にて生成する切屑は、ブレーカを持たない(a)の刃部にて生成する切屑と比べて、切屑のカール径が小さくなった。特に、(b)の刃部により生成した切屑の方が、(c)の刃部により生成した切屑よりもカール径が小さく、速やかに切屑の先端が被削材の表面に接触することが分かった。つまり、(b)の刃部の方が、(c)の刃部よりも生成する切屑の先端が速やかに被削材の表面に接触することから切屑の分断が速やかに行われることが期待できることが分かった。
以上の解析結果を確認するために以下の2条件にて実際に切削を行い生成される切屑の形状を観察した。回転工具は刃径12.5mm、全長100mm、刃長5mm、刃数2個とした。
・条件1
被削材としてはアルミニウム合金(A7075)を用い、切削速度は300m/分、一刃送り量0.10mm、取り代0.1mmとして上述の(a)〜(c)の刃部を備えた回転工具にて切削を行った。結果を図13a〜13cに示す。
(b)の刃部を備える回転工具にて切削した切屑はカール径が小さく、8〜10巻き程度のらせん状の切屑が生成し、切屑が回転工具に巻き付くことは無かった。それに対して、ブレーカが存在しない(a)の刃部や、断面形状が3角形のブレーカをもつ(c)の刃部にて切削した切屑は共に連続した長い切屑が生じ回転工具に巻き付いた。
・条件2
被削材としてはアルミニウム合金(ADC12)を用い、切削速度は150m/分、一刃送り量が0.05mm、取り代0.2mmとして上述の(a)〜(c)の刃部を備えた回転工具にて切削を行った。結果を図14a〜14cに示す。
(b)の刃部を備える回転工具にて切削した切屑はカール径が小さく、半巻き〜1巻き程度のらせん状の切屑(長さ1mm程度)が生成し、切屑が回転工具に巻き付くことは無かった。
それに対して、ブレーカが存在しない(a)の刃部を備える回転工具にて切削した切屑は、1巻きで切断はできてはいるものの、切屑のカール径が大きく切屑長さは10mm程度と長かった。
断面形状が3角形のブレーカをもつ(c)の刃部を備える回転工具にて切削した切屑は、切屑のカール径は小さくなっているものの、らせん状の切屑(切屑が軸芯方向に変形したことが推察される)が生成し、長い切屑が生成した。
(試験2:ブレーカ形状の検討。ブレーカの端部の形状)
(a)ブレーカの内面94としてR形状をもつ円筒の一部(図15:断面R形状。端部は切れ刃93に垂直な面。)である刃部をもつリーマ、(b)断面形状がR形状・端部が円錐の一部のブレーカを有する刃部(図3に相当)をもつリーマについてそれぞれ解析を行った。双方の刃部に設けられたブレーカは共に、ランド幅が0.02mm、ブレーカの幅が0.3mm、ブレーカの内面のR形状を形成する円筒の半径が0.3mmである。切削条件としては、試験1と同様である。解析結果を図16に示す。
図16より明らかなように、(a)の刃部にて生成する切屑は、図面左方(リーマの軸芯方向)に変形しており、全体としてらせん形状の切屑が生成している。(a)の刃部では、生成した切屑がブレーカの内面の外周側の端面94aに接触することで、切屑が軸芯側に変形する応力が加わって、切屑がらせん状になっているものと考えられる。
それに対して、(b)の刃部では、生成した切屑がブレーカ22の内面22aから内面22cへと流れることができるため、軸芯方向への応力が切屑に加わらないためにらせん状にならないものと考えられる。更に、刃部の切れ刃はリーマの回転軸に対して傾斜しているため、外周側の方が切屑の生成速度が大きく、元々軸芯側に切屑が変形するように応力が加わっていることも切屑の軸芯方向への変形の一因であると考えられる。
切屑がらせん状になると、切屑の先端が被削材や切屑自身に当接することがなくなるため、切屑の分断が生起しがたくなる。
(試験3:ブレーカ内面の表面粗さの影響)
ブレーカを成形する際の加工条件を変更し、同一形状のブレーカで、その表面粗さを変化させ、ブレーカの内面への被削材の溶着の程度を評価した。ブレーカが無い刃部についても評価を行った。
ブレーカ形状は図3のブレーカ22と同じであり、試験2の(b)の刃部と同様である。ランド幅は0.02mm,ブレーカ幅は0.3mm,ブレーカ中央部の切れ刃と平行方向の長さは0.2mm、ブレーカ内面のR形状を形成する円筒の半径が0.3mmとした。比較用として、ブレーカなしの刃部(条件4:試験1の(a)の刃部)も準備した。
それぞれの刃部の表面粗さは、条件1:Rz2.36μm、条件2:Rz1.95μm、条件3:Rz1.19μmであった。ブレーカの無い刃部(条件4)におけるブレーカに相当する部分の面粗度はRz0.12μmであった。
刃物(リーマ)形状は図1と同じであり、刃径12.5mm、刃数2とした。試験条件は、切削速度が300m/min,一刃送り量が0.1mm,取り代が0.2mmとし、被削材ADC12を100穴加工した。100穴加工終了後の各ブレーカの内面のSEM写真を図17a(条件1)、17b(条件2)、17c(条件3)、17d(条件4)に示す。
図より明らかなように、条件1の刃部(Rz 2.36μm)をもつ回転工具ではAlの明確な溶着が見られ、Alが分厚く堆積している箇所が確認された(図17a)。条件2,3,4については、うっすらと付着した様子が見られる程度であった(図17b〜17d)。
この結果より、Rzを2.0μm以下にすることで、ブレーカ内での被削材溶着を抑制することができることが分かった。ブレーカ内面での被削材の溶着を抑制できる結果、切り屑の詰まりが抑制でき、設計したとおりにブレーカの効果が充分に発揮できる。その結果、刃の欠損が生起し難くなる。つまり、ブレーカ内面の表面粗さを小さくすることにより、工具寿命を長くすることができる。
(試験4:テクスチャの検討)
刃部のすくい面のテクスチャとして、(a)平面、(b)ディンプル:図18、(c)溝:図19の3つの刃部をもつリーマについて解析を行った。ブレーカ無しで検討した。(b)のディンプル96は、切れ刃95と平行方向、及び、切れ刃95と隣接する辺と平行方向のそれぞれについて等間隔でもうけられており、直径が0.04mm、切れ刃95と平行な方向で0.08mm毎、切れ刃95と隣接する辺と平行方向で0.08mm毎に設けている。(c)の溝98は、切れ刃97と平行方向に延設されており、溝98の幅が0.03mm、0.06mm毎に設けられている。切削条件としては、試験1と同様である。解析結果を図20に示す。
図20より明らかなように、(a)の刃部にて生成する切屑よりも、(b)及び(c)の刃部にて生成する切屑の方がカール径が小さく、切屑の分断がし易いことが分かった。これはディンプル96や、溝98の存在によって切屑と刃部との摩擦が低減できるためであると考えられる。
(試験5:ブレーカ内面のテクスチャの検討。突起の影響について)
(a)ブレーカの内面として断面形状がR形状・端部が円錐の一部のブレーカを有する刃部(図3に類似)、(b)ブレーカの内面に突起を有する刃部(図9に相当)の2つの刃部をもつリーマについて解析を行った。双方の刃部に設けられたブレーカは共に、ランド幅が0.02mm、ブレーカの幅が0.3mm、ブレーカの内面のR形状を形成する円筒の半径が0.3mmである。(b)の刃部のブレーカの内面に設けられた突起は、幅0.05mmで、切れ刃81に平行な方向で0.07mm毎に設けられている。突起の高さはブレーカ底面から0.01mm(図9(b)に相当)としている。
切削条件としては、試験1で用いたリーマの刃部に設けたブレーカと比べて中央部の幅が大きくなっている以外は同様の条件である。解析結果を図21に示す。
図21より明らかなように、(a)の刃部にて生成する切屑は、図面左方(リーマの軸芯方向)に変形している。それに対して、(b)の刃部では、(a)の刃部にて生成する切屑よりも図面左方への変形が抑制されている。刃部の切れ刃はリーマの回転軸に対して傾斜しているため、外周側の方が切屑の生成速度が大きく、元々軸芯側に切屑が変形するように応力が加わっていることで切屑の軸芯方向へ変形する。今回の検討条件では中央部の切れ刃の平行方向の長さを他の試験よりも長くしたことにより切屑に加わる軸芯方向への応力が大きくなっており、切屑の形状がらせん状になりやすくなっているが、そのような条件であっても、突起を設けて切屑の流れを制御することで切屑のらせん状の変形を効果的に抑制することができる。
〔追加の実施形態〕
(実施形態4)
本実施形態の回転工具は、切れ刃が湾曲していること及び切れ刃の湾曲に伴い形態などが変更されたこと以外、概ね実施形態1の回転工具と同様の構成をもつ。
実施形態1の刃部20の切れ刃21は真っ直ぐであり、回転工具本体10の回転軸に対して傾斜している。切れ刃21の傾斜方向は、回転工具の先端に向けて縮径する方向である。
それに対し、図22に示すように、本実施形態の刃部100の切れ刃101は回転工具の先端に向けて実施形態1の切れ刃21と同様に回転工具の先端に向かうにつれて縮径しているが、切れ刃101の形状は、回転工具の先端に行くにつれて縮径の程度が大きくなるように湾曲している。換言すれば、切れ刃101の形状は回転工具の回転軸方向の中央付近が外径方向に膨らむような形状である。
本実施形態の刃部100に設けられたブレーカ102も切れ刃101の湾曲に合わせて湾曲している。切れ刃101とブレーカ102の切れ刃側との間隔がほぼ一定になっている。
ここで本実施形態のように切れ刃101が湾曲している場合の「ランドの幅」とは、上述した定義(切れ刃とブレーカとの間の面(ランド)の幅(切れ刃と垂直方向の長さ))から、切れ刃101の刃先が延びる方向と垂直な方向でのランドの長さを意味する。従って、切れ刃101の湾曲に伴い、ランドの幅を測定する方向は変化する。
「ブレーカの幅」についても「ランドの幅」と同じ方向での長さが「ブレーカの幅」となる。本実施形態では、切れ刃101が存在する部分でのブレーカ102の幅やランドの幅は一定に設定されている。
ここで、上述した実施形態では被切削物を切削する部分におけるランドの幅やブレーカの幅の好ましい範囲を提示していた。つまり、切れ刃が形成され且つブレーカが形成されていても、被切削物を切削しない部分においては、「ランドの幅」や「ブレーカの幅」が規定できる部分であっても前述の好ましい範囲や好ましい形態が適用されない場合がある。
本実施形態においても被切削物を切削する部分における「ランドの幅」や「ブレーカの幅」に適正な範囲が規定されるが、切れ刃101を湾曲させた理由として切削後の被切削物の形状にあわせるために、切れ刃101の形状を決定している場合には、切れ刃101の全域にわたって被切削物を切削することも想定され、このように想定される場合には、湾曲した切れ刃101の全域において適正な範囲の「ランドの幅」や「ブレーカの幅」が設定されることが望ましい。
切れ刃101が形成されている部位(切れ刃101の刃先の両端部に垂直な直線の内側の部位)に相当する、ブレーカ102の中央部102aはブレーカの幅が一定である。中央部102aの内径方向の端部102bは、内径方向に向かうにつれて連続的に浅くなっており、中央部102aの外径方向の端部102cは外径方向に向かうにつれて連続的に浅くなっている。
(実施形態4の変形態様)
本実施形態の回転工具、ブレーカの形態以外は実施形態4と同様の構成を有する。
本実施形態の回転工具は、図23に示すように、切れ刃121が構成される。具体的には、ランドの幅は実施形態4と同様に一定であるが、ブレーカの幅が外径方向に向かうにつれて小さくなっている。本実施形態のブレーカ122は、実施形態4と同様に中央部122a、端部122b及び122cからなり、そのうちの端部122cが切れ刃121に隣接してブレーカとしての機能を主に発揮している。端部122b及び122cは両端に向かうにつれて浅くなっている。ブレーカの幅が外径方向に向かうにつれて小さくなっている理由を説明すると以下の通りである。
本実施形態の回転工具が、切削時に進行する方向(回転工具の回転軸と平行な方向である)を方向Aとする。切削の進行に伴い、刃部120は方向Aに平行移動する。切れ刃121が方向Aに進行して行く際の被切削物の削り代は、方向Aと切れ刃121の刃先との角度(以下、「切れ刃の傾斜」と称することがある)が大きくなるにつれて大きくなっていく。本実施形態では切れ刃121の傾斜は、外径方向に向かうにつれて小さくなっているため、削り代は外径方向に向かうにつれて小さくなる。
ここで、後述する試験により削り代が小さい方がブレーカの幅を小さくできること、そして、ブレーカの幅は小さい方がブレーカの効果が高くなる傾向にあることが分かっている。
そのためブレーカの効果を充分に発揮させるために、切れ刃121の削り代が外径方向に向かうに従って小さくなることに対応して、ブレーカの幅も小さくなるように設定している。このことは、外径方向に向けて切れ刃の傾斜が小さくなるのに合わせてブレーカの幅も小さくしているとも換言できる。
(実施形態5)
本実施形態の回転工具は、切れ刃の湾曲の形態が異なること及び切れ刃の湾曲の変更に伴い形態などが変更されたこと以外、概ね実施形態4の回転工具と同様の構成をもつ。
図24に示すように、本実施形態の刃部140の切れ刃141は回転工具の先端に向けて実施形態4の切れ刃101と同様に回転工具の先端に向かうにつれて縮径しているが、切れ刃141の形状は、回転工具の先端に行くにつれて縮径の程度が小さくなるように湾曲している。換言すれば、切れ刃141の形状は回転工具の回転軸方向の中央付近が内径方向に膨らむような形状である。
本実施形態の刃部140に設けられたブレーカ142も切れ刃141の湾曲に合わせて湾曲している。切れ刃141とブレーカ142の切れ刃側との間隔がほぼ一定になっている。
切れ刃141が形成されている部位(切れ刃141の刃先の両端部に垂直な直線の内側の部位)に相当する、ブレーカ142の中央部142aはブレーカの幅が一定である。中央部142aの内径方向の端部142bは、内径方向に向かうにつれて連続的に浅くなっており、中央部142aの外径方向の端部142cは外径方向に向かうにつれて連続的に浅くなっている。
(実施形態5の変形態様)
本実施形態の回転工具、ブレーカの形態以外は実施形態5と同様の構成を有する。
本実施形態の回転工具は、図25に示すように、切れ刃161が構成される。具体的には、ランドの幅は実施形態5と同様に一定であるが、ブレーカの幅が内径方向に向かうにつれて小さくなっている。本実施形態のブレーカ162は、実施形態5とは異なり中央部が無いかあっても僅かであり、端部162b及び162cからなる。そのうちの端部162bが切れ刃161に隣接する。端部162b及び162cは両端に向かうにつれて浅くなっている。
本実施形態の回転工具が、切削時に進行する方向である方向Aを基準として考えると、切削の進行に伴い、刃部160が方向Aに平行移動することになる。切れ刃161が方向Aに進行して行く際の被切削物の削り代は、切れ刃161の傾斜が大きくなるにつれて大きくなっていく。
そのためブレーカの効果を充分に発揮させるために、切れ刃161の削り代が外径方向に向かうに従って大きくなることに対応して、ブレーカの幅も大きくなるように設定している。このことは、外径方向に向けて切れ刃の傾斜が大きくなるのに合わせてブレーカの幅も大きくしているとも換言できる。
〔追加の試験〕
(試験6:ブレーカ幅の適正値の検討)
断面形状がR形状のブレーカを有する刃部(図3に相当:ランド幅x1が0.02mm、ブレーカの幅が0.1mm〜0.6mm、ブレーカの一部(図3のブレーカ22の中央部22aに相当)のR形状を形成する円筒の半径がブレーカ幅と同じ)をもつリーマについてCAE解析を行った。解析は切削により生成した切屑がブレーカの一部に接触している場合に「〇:優」又は「△:良」、接触していない場合には「×:可〜不可」とした。切屑がブレーカの内面に接触している場合でも、詰まり気味になっている場合には「△」、詰まり気味になっていない場合には「〇」とした。詰まり気味になっているかどうかは切屑の長さにより評価した。具体的には切屑の長さは、ブレーカの幅以外が同一条件下ではブレーカの幅が小さいほど短くなるが、ブレーカの幅が小さくなっても切屑の長さが長くなっている場合に「△」とした。
切削条件としては、切れ刃の材質がPCD製、被削材がアルミニウム合金(A7075)、切削速度が150m/分又は300m/分、一刃送り量が0.05mm又は0.1mm、取り代が0.1mm又は0.2mmとした。結果を表1に示す。
Figure 2020090372
表より明らかなように、ブレーカの幅の適正値の決定には、一刃送り量及び取り代の値が大きく寄与することが分かった。
表1の結果から、(1)一刃送り量を0.075mm以下とした場合にはブレーカの幅は0.05mm〜0.45mmとすることができた。取り代を0.15mm以下にすると、ブレーカの幅の上限値を0.55mmとすることができた。
(2)一刃送り量を0.075mm超とした場合にはブレーカの幅は0.125mm〜0.45mm(好ましくは0.175mm〜0.45mm)とすることができた。取り代を0.15mm以下にすると、ブレーカの幅の下限値を0.005mm、上限値を0.55mmとすることができた。
(試験7:ランド幅の適正値の検討)
ブレーカ幅及びブレーカ半径を0.3mmとして、ランド幅の検討を行う試験を試験6と同様の試験にて行った。結果を表2に示す。
Figure 2020090372
表より明らかなように、ランドの幅の適正値の決定には、一刃送り量及び取り代の値が大きく寄与することが分かった。
表2の結果から、(3)一刃送り量を0.075mm以下とした場合にはランドの幅は0.035mm以下とすることができた。取り代を0.15mm超にすると、ランドの幅の上限値を、(3−1)切削速度225m/分以下では0.055mm、(3−2)切削速度225m/分超では0.045mmとすることができた。
(4)一刃送り量を0.075mm超とした場合にはランドの幅は0.065mm以下にすることができた。
更にランドの幅は一刃送り量の60%以下にすることでブレーカの効果を充分に発揮させることができるため好ましく、50%以下であることが更に好ましいことが分かった。
1…回転工具 10…回転工具本体 11…切り欠き 2…刃部 20…刃部 21…切れ刃 21a…すくい面 21a1…ランド 22…ブレーカ 22a…中央部 22b…端部 22b1…頂点 22c…端部 22c1…頂点 30…回転工具本体 31…切り欠き 31a…すくい面 32…切り欠き 40…刃部 50…刃部 60…刃部 61…切れ刃 61a…すくい面 61a1…ランド 62…ブレーカ 62a…中央部 63…ディンプル 70…刃部 71…切れ刃 71a…すくい面 72a…中央部 72b…端部 72b1…頂点 72c…端部 72c1…頂点 73…溝 80…刃部 81a…すくい面 81a1…ランド 82…ブレーカ 82a…中央部 82b…端部 82c…端部 83…突起 91a1…ランド 94a…端面 95…切れ刃 96…ディンプル 97…切れ刃 98…溝

Claims (8)

  1. 回転工具本体と、多結晶ダイヤモンド又は立方晶窒化ホウ素焼結体からなり前記回転工具本体に設けられた切れ刃を有する刃部とを有し、
    前記切れ刃は前記回転工具本体の回転軸に対して傾斜しており、
    前記刃部のすくい面には、前記切れ刃近傍にブレーカを備え、
    前記ブレーカは、前記切れ刃と垂直方向での断面形状がR形状となり、且つ、前記切れ刃と平行方向での両端部のうち前記回転工具本体の外周方向及び軸芯方向の端部に行くに従い連続的に浅くなる凹みである回転工具。
  2. 回転工具本体と、多結晶ダイヤモンド又は立方晶窒化ホウ素焼結体からなり前記回転工具本体に設けられた切れ刃を有する刃部とを有し、
    前記刃部のすくい面には、前記切れ刃近傍にブレーカを備え、
    前記ブレーカは、前記切れ刃と垂直方向での断面形状がR形状となる凹みである回転工具。
  3. 回転工具本体と、多結晶ダイヤモンド又は立方晶窒化ホウ素焼結体からなり前記回転工具本体に設けられた切れ刃を有する刃部とを有し、
    前記切れ刃は前記回転工具本体の回転軸に対して傾斜しており、
    前記刃部のすくい面には、前記切れ刃近傍にブレーカを備え、
    前記ブレーカは、前記切れ刃と平行方向での両端部のうち前記回転工具本体の外周方向及び/又は軸芯方向の端部に行くに従い連続的に浅くなる凹みである回転工具。
  4. 前記ブレーカの前記切れ刃と垂直方向での幅が、0.15mm〜0.5mmである請求項1〜3の何れか1項に記載の回転工具。
  5. 前記ブレーカと前記切れ刃との間隔が、0.01mm〜0.05mmである請求項1〜4の何れか1項に記載の回転工具。
  6. 前記ブレーカの内面は、表面粗さRzの値が2.0μm以下である請求項1〜5の何れか1項に記載の回転工具。
  7. 前記ブレーカの内面は、凹凸により形成されたテクスチャをもつ請求項1〜6の何れか1項に記載の回転工具。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の回転工具を用い、
    前記ブレーカと前記切れ刃との間隔が一刃送り量の60%以下である、
    金属材料からなる被切削物を切削加工する切削加工方法。
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