JPWO2020079539A1 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2020079539A1
JPWO2020079539A1 JP2020552174A JP2020552174A JPWO2020079539A1 JP WO2020079539 A1 JPWO2020079539 A1 JP WO2020079539A1 JP 2020552174 A JP2020552174 A JP 2020552174A JP 2020552174 A JP2020552174 A JP 2020552174A JP WO2020079539 A1 JPWO2020079539 A1 JP WO2020079539A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
insulator
transistor
conductor
oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020552174A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7273054B2 (ja
JPWO2020079539A5 (ja
Inventor
達也 大貫
裕人 八窪
清 加藤
聖矢 齋藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd filed Critical Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Publication of JPWO2020079539A1 publication Critical patent/JPWO2020079539A1/ja
Publication of JPWO2020079539A5 publication Critical patent/JPWO2020079539A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7273054B2 publication Critical patent/JP7273054B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03MCODING; DECODING; CODE CONVERSION IN GENERAL
    • H03M1/00Analogue/digital conversion; Digital/analogue conversion
    • H03M1/12Analogue/digital converters
    • H03M1/124Sampling or signal conditioning arrangements specially adapted for A/D converters
    • H03M1/1245Details of sampling arrangements or methods
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11CSTATIC STORES
    • G11C27/00Electric analogue stores, e.g. for storing instantaneous values
    • G11C27/02Sample-and-hold arrangements
    • G11C27/024Sample-and-hold arrangements using a capacitive memory element
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01DMEASURING NOT SPECIALLY ADAPTED FOR A SPECIFIC VARIABLE; ARRANGEMENTS FOR MEASURING TWO OR MORE VARIABLES NOT COVERED IN A SINGLE OTHER SUBCLASS; TARIFF METERING APPARATUS; MEASURING OR TESTING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01D21/00Measuring or testing not otherwise provided for
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11CSTATIC STORES
    • G11C27/00Electric analogue stores, e.g. for storing instantaneous values
    • G11C27/02Sample-and-hold arrangements
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11CSTATIC STORES
    • G11C7/00Arrangements for writing information into, or reading information out from, a digital store
    • G11C7/16Storage of analogue signals in digital stores using an arrangement comprising analogue/digital [A/D] converters, digital memories and digital/analogue [D/A] converters 
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L29/00Semiconductor devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching and having potential barriers; Capacitors or resistors having potential barriers, e.g. a PN-junction depletion layer or carrier concentration layer; Details of semiconductor bodies or of electrodes thereof ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/66Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/68Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor controllable by only the electric current supplied, or only the electric potential applied, to an electrode which does not carry the current to be rectified, amplified or switched
    • H01L29/76Unipolar devices, e.g. field effect transistors
    • H01L29/772Field effect transistors
    • H01L29/78Field effect transistors with field effect produced by an insulated gate
    • H01L29/786Thin film transistors, i.e. transistors with a channel being at least partly a thin film
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03KPULSE TECHNIQUE
    • H03K17/00Electronic switching or gating, i.e. not by contact-making and –breaking
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03KPULSE TECHNIQUE
    • H03K17/00Electronic switching or gating, i.e. not by contact-making and –breaking
    • H03K17/06Modifications for ensuring a fully conducting state
    • H03K17/063Modifications for ensuring a fully conducting state in field-effect transistor switches
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03MCODING; DECODING; CODE CONVERSION IN GENERAL
    • H03M1/00Analogue/digital conversion; Digital/analogue conversion
    • H03M1/002Provisions or arrangements for saving power, e.g. by allowing a sleep mode, using lower supply voltage for downstream stages, using multiple clock domains or by selectively turning on stages when needed

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Analogue/Digital Conversion (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)
  • Semiconductor Memories (AREA)
  • Electronic Switches (AREA)

Abstract

新規な構成の半導体装置を提供すること。センサと、センサのセンサ信号が入力されるアンプ回路と、アンプの出力信号が入力され、当該出力信号に応じた電圧を保持するサンプルホールド回路と、電圧に応じたサンプルホールド回路の出力信号が入力されるアナログデジタル変換回路と、インターフェース回路と、を有する。インターフェース回路は、センサ信号をアンプ回路に入力し、アンプ回路の出力信号をサンプルホールド回路に保持する第1の制御期間と、サンプルホールド回路に保持した電圧をアナログデジタル変換回路に出力して得られるデジタル信号をインターフェース回路に出力する第2の制御期間と、を切り替えて制御する機能を有する。アナログデジタル変換回路は、第1の制御期間において、デジタル信号の出力を停止するよう切り替えられる。第1の制御期間は、第2の制御期間より長い。

Description

本発明の一態様は、半導体装置に関する。
なお、本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。表示装置(液晶表示装置、発光表示装置など)、投影装置、照明装置、電気光学装置、蓄電装置、記憶装置、半導体回路、撮像装置、信号処理装置、送受信装置、無線センサ、およびセンサ装置などは、半導体装置を有すると言える場合がある。
半導体装置の低消費電力化の研究開発が進んでいる。例えば特許文献1では、センサと、アンプ回路と、サンプルホールド回路と、コンパレータ等を有するアナログデジタル変換回路(Analog to digital:以下A/D変換回路)と、を備えたセンサ付き信号処理装置として機能する半導体装置が提案されている。
特許文献1では、無線信号による電力の供給が行われている期間において、サンプルホールド回路の動作と、コンパレータの動作と、を別の期間とすることで瞬間的な消費電力の増加を抑制する構成を有する半導体装置について開示している。
米国特許出願公開第2016/0094236号明細書
半導体装置の消費電流は、A/D変換回路の消費電流が占める割合が大きい。半導体装置の低消費電力化には、A/D変換回路を間欠的に動作させることが有効である。しかしながら、センサから出力されるアナログ信号は一定期間毎にサンプリングされるため、A/D変換回路を長期間にわたって非動作期間とすることが難しかった。
センサ付きの信号処理装置として機能する半導体装置では、アナログ信号として取得する値の精度を高めるため、複数回のサンプリングによる平均を算出する構成が有効である。しかしながら、複数回のサンプリングごとにA/D変換回路を動作させる必要があるため、A/D変換回路を長期間にわたって非動作期間とすることが難しかった。
本発明の一態様は、センサ付きの信号処理装置として機能する半導体装置において、低消費電力が図られた、新規な構成の半導体装置を提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、センサ付きの信号処理装置として機能する半導体装置において、長時間の駆動を実現可能な、新規な構成の半導体装置を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、外界温度の変化が大きい環境下においても、センサの信号をアナログ電圧として保持することができる、新規な構成の半導体装置を提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、センサ付きの信号処理装置として機能する半導体装置において、低消費電力で且つ、精度の高いサンプリングが可能な、新規な構成の半導体装置を提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、新規な半導体装置等を提供することを課題の一つとする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、センサと、センサのセンサ信号が入力されるアンプ回路と、アンプ回路の出力信号が入力され、当該出力信号に応じた電圧を保持するサンプルホールド回路と、電圧に応じたサンプルホールド回路の出力信号が入力されるアナログデジタル変換回路と、インターフェース回路と、を有し、インターフェース回路は、センサ信号をアンプ回路に入力し、アンプ回路の出力信号をサンプルホールド回路に保持する第1の制御期間と、サンプルホールド回路に保持した電圧をアナログデジタル変換回路に出力して得られるデジタル信号をインターフェース回路に出力する第2の制御期間と、を切り替えて制御する機能を有し、アナログデジタル変換回路は、第1の制御期間において、デジタル信号の出力を停止するよう切り替えられ、第1の制御期間は、第2の制御期間より長い、半導体装置である。
本発明の一態様は、センサと、センサのセンサ信号が入力されるアンプ回路と、アンプ回路の出力信号が入力され、当該出力信号に応じた電圧を保持するサンプルホールド回路と、電圧に応じたサンプルホールド回路の出力信号が入力されるアナログデジタル変換回路と、インターフェース回路と、を有し、インターフェース回路は、センサ信号をアンプ回路に入力し、アンプ回路の出力信号をサンプルホールド回路に保持する第1の制御期間と、サンプルホールド回路に保持した電圧をアナログデジタル変換回路に出力して得られるデジタル信号をインターフェース回路に出力する第2の制御期間と、を切り替えて制御する機能を有し、アナログデジタル変換回路は、第1の制御期間において、デジタル信号の出力を停止するよう切り替えられ、サンプルホールド回路は、アンプの複数の出力信号を加算して得られる電圧を保持する機能を有し、第1の制御期間は、第2の制御期間より長い、半導体装置である。
本発明の一態様において、サンプルホールド回路は、一方の電極が電気的に接続された複数の容量素子を有し、サンプルホールド回路におけるアンプの複数の出力信号の加算は、一方の電極を電気的に浮遊状態として、アンプの複数の出力信号のいずれか一を容量素子の他方の電極のいずれか一に与えることで行われる、半導体装置が好ましい。
本発明の一態様において、サンプルホールド回路は、第1トランジスタ、第2トランジスタ、および第3トランジスタを有し、第1トランジスタ乃至第3トランジスタは、チャネル形成領域に酸化物半導体を有する半導体層を有する半導体装置が好ましい。
本発明の一態様において、第2トランジスタのゲートは、第1トランジスタのソース又はドレインの一方に電気的に接続され、第1トランジスタをオフにすることでアンプの出力信号に応じた電圧を保持する機能を有する半導体装置が好ましい。
本発明の一態様において、第2トランジスタおよび第3トランジスタは、ソースフォロワ回路として機能する半導体装置が好ましい。
なおその他の本発明の一態様については、以下で述べる実施の形態における説明、および図面に記載されている。
本発明の一態様は、センサ付きの信号処理装置として機能する半導体装置において、低消費電力が図られた、新規な構成の半導体装置を提供することができる。本発明の一態様は、センサ付きの信号処理装置として機能する半導体装置において、長時間の駆動を実現可能な、新規な構成の半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様は、外界温度の変化が大きい環境下においても、センサの信号をアナログ電圧として保持することができる、新規な構成の半導体装置を提供することができる。本発明の一態様は、センサ付きの信号処理装置として機能する半導体装置において、低消費電力で且つ、精度の高いサンプリングが可能な、新規な構成の半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様は、新規な半導体装置等を提供することができる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
図1A、図1Bは半導体装置の構成を説明するブロック図及び回路図である。
図2A、図2Bは半導体装置の構成を説明するブロック図である。
図3A、図3Bは半導体装置の構成を説明するブロック図及び回路図である。
図4は半導体装置の動作を説明するタイミングチャートである。
図5A、図5B、図5Cは半導体装置の構成を説明するブロック図及び回路図である。
図6は半導体装置の構成を説明する回路図である。
図7は半導体装置の動作を説明するタイミングチャートである。
図8A、図8B、図8Cは半導体装置の構成を説明する図である。
図9A、図9B、図9Cは半導体装置の構成を説明する図である。
図10A、図10Bは半導体装置の構成を説明するブロック図である。
図11A、図11Bは半導体装置の構成を説明する回路図である。
図12は半導体装置の構成を説明する回路図である。
図13は半導体装置の動作を説明する断面模式図である。
図14は半導体装置の構成を説明する断面模式図である。
図15A、図15B、図15Cは半導体装置の構成を説明する断面模式図である。
図16A、図16B、図16C、図16D、図16Eは電子部品の作成方法を説明するフローチャート及び電子部品の構成を説明する図である。
図17A、図17B、図17Cは半導体装置の応用例を説明する図である。
図18A、図18Bは半導体装置の応用例を説明する図である。
図19A、図19Bは半導体装置の応用例を説明する図である。
図20A、図20Bは半導体装置の応用例を説明する図である。
図21A、図21Bは半導体装置の応用例を説明する図である。
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお本明細書等において、「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものである。従って、構成要素の数を限定するものではない。また、構成要素の順序を限定するものではない。また例えば、本明細書等の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素を、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において「第2」に言及された構成要素とすることもありうる。また例えば、本明細書等の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素を、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において省略することもありうる。
なお図面において、同一の要素または同様な機能を有する要素、同一の材質の要素、あるいは同時に形成される要素等には同一の符号を付す場合があり、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
(実施の形態1)
本発明の一態様の半導体装置の構成および動作について、図1乃至図11を用いて説明する。
本発明の一態様の半導体装置は、インターフェース回路、アンプ回路、サンプルホールド回路、A/D変換回路、およびセンサを備える。半導体装置はバッテリを備え、バッテリが供給する電力で駆動する。半導体装置は、RF(Radio Freqency)信号などの無線あるいは有線による通信回路を備え、外部からの要求に応じて、センサで取得した信号を送信する機能を有する。半導体装置は、A/D変換回路など電力消費の大きい回路の動作を間欠的に駆動し、バッテリの電力をセンサおよびサンプルホールド回路の駆動に割り当てる。サンプルホールド回路は、A/D変換回路の駆動が停止している期間において、バッテリの電力を用いて定期的にセンサで得られる信号を取得し、アナログ電圧として保持しておく。また信号の保持は、チャネル形成領域に酸化物半導体(OS:Oxide Semiconductor)を有するトランジスタ(OSトランジスタ)で構成されるサンプルホールド回路で行う。
OSトランジスタは極めてオフ電流が低く、シリコンを半導体層に有するトランジスタ(Siトランジスタ)と比べて温度による特性変動も小さいため、環境温度の変化が大きい環境下においても定期的にセンシングして得られるセンサ信号をアナログ電圧として保持することができる。
デジタル信号を生成するためのA/D変換回路は、電力消費が大きい。そのため、A/D変換回路の動作を間欠的に駆動して半導体装置の消費電力を抑制する。A/D変換回路の駆動が停止している期間では、センサおよびサンプルホールド回路の駆動をする。A/D変換回路の駆動が停止している期間であっても、センサで得られる信号をサンプルホールド回路で定期的にサンプリングする。サンプリングで得られた複数のアナログ電圧による信号は、A/D変換回路を駆動したタイミングで一括してA/D変換し、外部の上位機器に出力する構成とする。
A/D変換回路を停止してのセンサ信号のサンプリング動作と、A/D変換回路を動作させて保持しておいたアナログ電圧のA/D変換を行う動作と、を切り替えて行う構成とすることで、一定期間ごとのセンシングデータの取得と、低消費電力化との両立を図ることができる。A/D変換回路の駆動を最小限に抑えることで、バッテリの電力による長時間の駆動を実現可能な半導体装置とすることができる。
図1Aには、本発明の一態様を説明するための半導体装置100を図示する。半導体装置100は、一例として、センサ11、アンプ回路12、サンプルホールド回路13、A/D変換回路14、およびインターフェース回路15を有する。半導体装置100は、ホストコントローラ110との間で信号を送受信する機能を有する。また半導体装置100は、図示を省略しているが、半導体装置100の各回路に電力を供給するためのバッテリ等を備える。
センサ11は、光、音、歪み、加速度、圧力、湿度、電界、磁界、あるいは化学物質量等の入力信号を、電気信号の出力信号に変換する機能を有する。電気信号の出力信号は、アナログ値の電圧(アナログ電圧)を有する信号SSNSとして得られる。センサ11は、環境をモニタする各種のセンサ(光センサ、熱センサ、湿度センサ、ガスセンサ、臭気センサ、振動センサ、加速度センサ、歪みセンサなど)、および各種の生体センサなどを用いることができる。図1Aに図示するようなセンサ付きの半導体装置は、建造物や人体に埋め込まれたチップによる一定期間毎の測定の結果を、無線による通信によって送信することができる。そのためセンサ11は、目的に応じた一または複数のセンサを適用することが好ましい。
アンプ回路12は、センサ11で得られる信号を電流あるいは電圧の増幅を行うための回路である。アンプ回路12は、入力される信号SSNSを信号SBUFとして出力する機能を有する。信号SBUFは、信号SSNSの電流あるいは電圧の増幅がなされた信号に相当する。アンプ回路12は、オペアンプあるいは、バッファ等を用いて構成することができる。
サンプルホールド回路13は、アンプ回路12が出力する信号SBUFに応じたアナログ電圧を保持し、当該アナログ電圧に応じた電圧を有する信号SSHを出力する機能を有する。サンプルホールド回路13は、所定の時刻にサンプルホールド回路13が有するスイッチをオンにして信号SBUFをサンプリングすることで、所定の時刻にセンサ11が出力した信号SSNSに応じたアナログ電圧が書き込まれる。
A/D変換回路14は、サンプルホールド回路13が出力する信号SSHをデジタル値の信号SADCに変換するための回路である。A/D変換回路14としては、例えば、並列比較方式A/D変換回路、パイプライン方式A/D変換回路、逐次比較方式A/D変換回路、デルタシグマ方式A/D変換回路、二重積分方式A/D変換回路から任意で選択すればよい。
インターフェース回路15は、外部の上記機器に相当するホストコントローラ110との間で信号の送受信を行う機能を有する。インターフェース回路15は、A/D変換回路14が出力する信号SADCを基にホストコントローラ110に送信するための信号を生成する機能を有する。信号の送受信は、無線による通信であることが好ましい。インターフェース回路15は、無線通信を行うための構成として、アンテナおよび送受信回路を備えることが好ましい。送受信回路は、例えば、整流回路、変調回路、復調回路、発振回路、定電圧回路(レギュレータ)等を含む構成である。建造物や人体にチップを埋め込んで一定期間毎にセンサによる測定を行ない、無線による通信によって得られた情報をホストコントローラ110で収集する構成とすることができる。
インターフェース回路15は、ホストコントローラ110から受信する信号に応じて、センサ11、アンプ回路12、サンプルホールド回路13、およびA/D変換回路14を制御するための信号SENEを出力する機能を有する。信号SENEは、A/D変換回路14の駆動または駆動停止を制御するための信号、サンプルホールド回路13の駆動を制御するための信号、センサ11およびアンプ回路12の駆動または駆動停止を制御するための信号に相当する。
図1Bでは、サンプルホールド回路13の構成について示す。サンプルホールド回路13は、トランジスタ21乃至23を有する。トランジスタ21乃至23は、nチャネル型のトランジスタとしている。信号Sは、トランジスタ21のオンまたはオフを制御し、所定のタイミングで信号SBUFをサンプリングするための信号である。
なおサンプルホールド回路13のうち1つを特定する必要がないときは、サンプルホールド回路13の符号を用いて説明し、任意のサンプルホールド回路13を指すときにはサンプルホールド回路13_1、サンプルホールド回路13_2などの符号を用いて説明する。他の要素についても同様であり、複数の要素を区別するために、「_2」、あるいは「[1]」等を符号に付して用いる。
図1Bは、サンプリングされたアナログ電圧を保持するノードFNを図示している。また図1BではノードFNがソースフォロワ回路の入力端子であるトランジスタ22のゲートに接続される構成を図示している。またソースフォロワ回路のバイアス電圧Vがトランジスタ23のゲートに印加される構成を図示している。なおノードFNには、容量素子が接続される構成を図示しているが、トランジスタ22のゲート容量を十分大きくとるなどの構成とすることで省略することもできる。ソースフォロワ回路があることで、後段にある回路への電荷供給能力を高めることができる。またOSトランジスタは環境温度の変化に対するトランジスタの電気特性の変動が小さい。そのため、ソースフォロワ回路をOSトランジスタで構成することで、外界温度の変化が大きい環境下において流れるリーク電流を低減することができる。
トランジスタ21乃至23は、OSトランジスタで構成される。OSトランジスタをサンプルホールド回路13が有するトランジスタに用いる構成とすることで、オフ時にソースとドレイン間を流れるリーク電流(以下、オフ電流)が極めて低いことを利用して、信号SBUFをサンプリングして得られるアナログ電圧をノードFNに保持させることができる。そのため、アナログ電圧の取得後、すぐにA/D変換せずにアナログ電圧のまま保持させてその後読み出す構成としても、精度の高い出力信号を取得することが可能にでき、半導体装置100の低消費電力化を図ることができる。
加えてOSトランジスタを用いたサンプルホールド回路13では、電荷の充電又は放電することによってアナログ電圧の書き換えおよび読み出しが可能となるため、実質的に無制限回のアナログ電圧の取得および読み出しが可能である。OSトランジスタを用いた信号保持回路は、磁気メモリあるいは抵抗変化型メモリなどのように原子レベルでの構造変化を伴わないため、書き換え耐性に優れている。またOSトランジスタを用いた信号保持回路は、フラッシュメモリのように繰り返し書き換え動作を行っても電子捕獲中心の増加による不安定性が認められない。
またOSトランジスタを用いた信号保持回路は、Siトランジスタを用いた回路上などに自由に配置可能であるため、複数の遅延回路を備える構成にした場合であっても、集積化を容易に行うことができる。またOSトランジスタは、Siトランジスタと同様の製造装置を用いて作製することが可能であるため、低コストで作製可能である。
またOSトランジスタは、ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極に加えて、バックゲート電極を含むと、4端子の半導体素子とすることができる。ゲート電極またはバックゲート電極に与える電圧に応じて、ソースとドレインとの間を流れる信号の入出力が独立制御可能な電気回路網で構成することができる。そのため、LSIと同一思想で回路設計を行うことができる。加えてOSトランジスタは、高温環境下において、Siトランジスタよりも優れた電気特性を有する。具体的には、125℃以上150℃以下といった高温下においてもオン電流とオフ電流の比が大きいため、良好なスイッチング動作を行うことができる。
なお図1Bではサンプルホールド回路13としてアナログ電圧を保持するノードFNを一つ備えた回路構成を図示したが、図2Aの半導体装置100Aとして示すように複数のサンプルホールド回路13_1乃至13_N(Nは2以上の自然数)と表すことができる。あるいは、図2Bの半導体装置100Bとして示すようにサンプルホールド回路13A内に複数の信号保持回路31_1乃至31_Nと表すことができる。
半導体装置100Aが有するサンプルホールド回路13_1乃至13_Nの構成例について、図3Aおよび図3Bを参照して説明する。図4では、図3Aおよび図3Bで説明するサンプルホールド回路13_1乃至13_Nの動作例について説明する。また半導体装置100Bが有する信号保持回路31_1乃至31_Nを有するサンプルホールド回路13Aの構成例について、図5A乃至図5Cを参照して説明する。図7では、図5A乃至図5Cで説明するサンプルホールド回路13Aの動作例について説明する。
図3Aに示すサンプルホールド回路13_1乃至13_Nは、選択回路41、複数の信号保持回路42及び選択回路43を有する。選択回路41は、信号SBUFを複数の信号保持回路42に振り分けてサンプリングするための回路である。選択回路41は、デマルチプレクサとして機能する回路である。複数の信号保持回路42は、図1Bで説明した、サンプリングされたアナログ電圧を保持するノードFNに接続されるトランジスタで構成される回路に相当する。選択回路43は、複数の信号保持回路42において保持されたアナログ電圧を信号SSHとして選択し、順に出力するための回路である。選択回路41は、マルチプレクサとして機能する回路である。信号Sは、デマルチプレクサとして機能する選択回路41を制御するための信号である。信号Sは、マルチプレクサとして機能する選択回路43を制御するための信号である。
図3Bには、図3Aに示すサンプルホールド回路13_1乃至13_Nの具体的な構成例を示す回路図を図示する。図3Bには、選択回路41として機能する、トランジスタ21_1乃至トランジスタ21_Nを図示している。図3Bには、信号保持回路42を構成するトランジスタ21_1乃至トランジスタ21_Nのソースまたはドレインの一方およびトランジスタ22_1乃至トランジスタ22_Nのゲートに接続されたノードFN_1乃至FN_Nを図示している。選択回路43として機能する、トランジスタ24_1乃至トランジスタ24_Nを図示している。
サンプルホールド回路13_1乃至13_Nが有する各トランジスタは、OSトランジスタで構成される。OSトランジスタをサンプルホールド回路13_1乃至13_Nが有するトランジスタに用いる構成とすることで、オフ時にソースとドレイン間を流れるリーク電流(以下、オフ電流)が極めて低いことを利用して、信号SBUFをサンプリングして得られるアナログ電圧をノードFNに保持させることができる。そのため、アナログ電圧の取得後、すぐにA/D変換しなくてもアナログ電圧のまま保持させてその後読み出す構成としても、精度の高い出力信号を取得することが可能にでき、半導体装置100Aの低消費電力化を図ることができる。
図3Bでは、信号SBUFをサンプリングするための信号Sを信号S_1乃至信号S_Nとしている。図3Bでは、保持した複数のアナログ電圧を信号SSHとして順番に読み出すための信号Sを信号S_1乃至信号S_Nとしている。図3Aおよび図3Bに図示するサンプルホールド回路13_1乃至13_Nは、異なるN回のタイミングで信号SBUFのサンプリングを行って信号保持回路42として機能するノードFN_1乃至FN_Nのそれぞれにアナログ電圧を保持する。また図3Aおよび図3Bに図示するサンプルホールド回路13_1乃至13_Nは、異なるN回のタイミングで信号保持回路42として機能するノードFN_1乃至FN_Nのそれぞれ保持したアナログ電圧を信号SSHとして出力する。
図4は、図3Aおよび図3Bに示すサンプルホールド回路13_1乃至13_Nで信号SBUFをサンプリングする動作を説明するためのタイミングチャートである。図4では、信号SBUFの波形とともに、信号S_1乃至信号S_3および信号S_N、ノードFN_1乃至FN_3およびノードF_Nを図示している。図4では、時刻T1乃至TNでの動作について説明する。なおタイミングチャートを説明する図において、ハッチングを付した期間は、不定状態を表す期間である。なお図4で説明する期間において、信号S_1乃至信号S_N(図示せず)は、Lレベルである。
時刻T1では信号S_1をHレベルとし、信号SBUFの電圧V1をノードFN_1に書き込んで信号SBUFのサンプリングが行われる。
期間Tをあけた時刻T2で信号S_2をHレベルとし、信号SBUFの電圧V2をノードFN_2に書き込んで信号SBUFのサンプリングが行われる。
以下、同様に期間Tをあけた時刻T3で信号S_3をHレベルとし、信号SBUFの電圧V3をノードFN_3に書き込んで信号SBUFのサンプリングが行われる。また時刻TNで信号S_NをHレベルとし、信号SBUFの電圧VNをノードFN_Nに書き込んで信号SBUFのサンプリングが行われる。ノードFN_1乃至ノードFN_Nに保持した電圧V1乃至VNは、信号S_1乃至S_NをLレベルとすることで保持することができる。
図5Aに示すサンプルホールド回路13Aは、選択回路44、複数の信号保持回路31_1乃至31_N及び加算回路45を有する。選択回路44は、信号SBUFを複数の信号保持回路31_1乃至31_Nに振り分けてサンプリングするための回路である。選択回路44は、デマルチプレクサとして機能する回路である。複数の信号保持回路42は、ノードFNに接続されるトランジスタおよび容量素子で構成される回路に相当する。加算回路45は、選択回路44のサンプリングに応じた電位の変動を容量素子の一方の電極に与えて、他方の電極に接続されたノードFNを容量結合で変動することで電位の足しあわせを行う回路に相当する。信号Sは、デマルチプレクサとして機能する選択回路44を制御するための信号である。
図5Bには、図5Aに示すサンプルホールド回路13Aの具体的な構成例を示す回路図を図示する。図5Bには、選択回路44として機能する、トランジスタ51_1乃至トランジスタ51_Nを図示している。図5Bには、信号保持回路31_1乃至31_Nを構成するトランジスタ51_1乃至トランジスタ51_N、およびトランジスタ51_1乃至トランジスタ51_Nのソースまたはドレインの一方に接続された容量素子52_1乃至52_Nを図示している。図5Bには、容量素子52_1乃至52_N、トランジスタ53のソース又はドレインの一方、およびソースフォロワ回路の入力端子であるトランジスタ54のゲートに接続されたノードFNを図示している。図5Bには、ソースフォロワ回路のバイアス電圧Vがトランジスタ55のゲートに印加される構成を図示している。トランジスタ53のゲートには信号SINIが与えられる。信号SINIは、ノードFNの電位を初期化するための信号である。
図5Bでは、信号SBUFをサンプリングするための信号Sを信号S_1乃至信号S_Nとしている。図5Aおよび図5Bに図示するサンプルホールド回路13Aは、異なるN回のタイミングで信号SBUFのサンプリングを行って当該サンプリングで得られる電圧を、加算回路45として機能する容量素子52_1乃至52_Nの容量結合を利用して加算する。加算して得られる電圧の和に相当する電圧は、ノードFNに保持される。ノードFNに保持したアナログ電圧は、ソースフォロワ回路として機能するトランジスタ54、55を介して信号SSHとして出力される。なおトランジスタ51_1乃至トランジスタ51_Nのいずれか一と、容量素子52_1乃至52_Nのいずれか一との間のノードには、サンプリングで得られる電荷を保持するための容量素子が設けられる。当該容量素子の静電容量(単に容量という)は、ノードFNの容量と比べて大きくしておくことで、ノードFNの電位の変動に応じた変動を抑制することができる。
サンプルホールド回路13Aが有する各トランジスタは、OSトランジスタで構成される。OSトランジスタをサンプルホールド回路13Aが有するトランジスタに用いる構成とすることで、オフ時にソースとドレイン間を流れるリーク電流(以下、オフ電流)が極めて低いことを利用して、信号SBUFをサンプリングして得られるアナログ電圧をノードFNに保持させることができる。そのため、アナログ電圧の取得後、すぐにA/D変換しなくてもアナログ電圧のまま保持させてその後読み出す構成としても、精度の高い出力信号を取得することが可能にでき、半導体装置100Bの低消費電力化を図ることができる。
なお図5Bでは、トランジスタ51_1乃至トランジスタ51_Nを介してサンプリングされる信号を信号SBUFとして図示したが他の構成でもよい。例えば、図5Cに図示するように、別々のアンプ回路から出力される信号SBUF_1乃至SBUF_Nを、それぞれトランジスタ51_1乃至トランジスタ51_Nを介してサンプリングする構成としてもよい。
なお図5B、図5Cでは、容量結合を用いて、異なるN回のタイミングで信号SBUFのサンプリングを行って当該サンプリングで得られる電圧を足し合わせる構成を図示したが他の構成でもよい。例えば図6に示す構成とすることができる。図6の構成では、容量素子52_1乃至52_Nをトランジスタ56に置き換えた構成を図示している。図6の構成では、サンプリング動作時にはトランジスタ51_1乃至トランジスタ51_Nを順次オンにして、制御信号ENでトランジスタ56をオフにする。サンプリングで得られる電圧によって得られる電圧は、トランジスタ51_1乃至トランジスタ51_Nのいずれか一と、トランジスタ56と、の間のノードの容量に保持される。加算時には、制御信号ENでトランジスタ56を一斉にオンにし、サンプリング時に保持した電圧に応じた電荷がノードFNに分配され、ノードFNで加算して得られる電圧の和に相当する電圧を得ることができる。
図7は、図5Aおよび図5Bに示すサンプルホールド回路13Aで信号SBUFをサンプリングする動作を説明するためのタイミングチャートである。図7では、信号SBUFの波形とともに、信号SINI、信号S_1乃至信号S_4、ノードFNを図示している。図7では、時刻T1乃至T4での動作について説明する。なおタイミングチャートを説明する図において、ハッチングを付した期間は、不定状態を表す期間である。
時刻T0では信号SINIをHレベルとし、ノードFNを初期化(例えば0V)する。その後信号SINIをLレベルとし、ノードFNは電気的に浮遊状態となる。
時刻T1では信号S_1をHレベルとし、信号SBUFの電圧V1を容量素子52_1の一方の電極に与える。容量素子52_1の他方の電極の電位に相当するノードFNは、電気的に浮遊状態にあるため、電圧V1のサンプリングによる電位の変動に応じて上昇する。なお図7の説明では、説明を容易にするため、ノードFNの寄生容量が容量素子52_1乃至52_Nの容量と比べて極めて小さいものとして説明する。そのため、ノードFNの電位上昇は、V1として図示している。その後信号S_1をLレベルとし、ノードFNに電圧V1が保持される。
時刻T2では信号S_2をHレベルとし、信号SBUFの電圧V2を容量素子52_2の一方の電極に与える。容量素子52_2の他方の電極の電位に相当するノードFNは、電気的に浮遊状態にあるため、電圧V2のサンプリングによる電位の変動に応じて上昇する。ノードFNの電位上昇は、V1からV2だけ上昇したV1+V2として図示している。その後信号S_2をLレベルとし、ノードFNに電圧V1+V2が保持される。
時刻T3では信号S_3をHレベルとし、信号SBUFの電圧V3を容量素子52_3の一方の電極に与える。容量素子52_3の他方の電極の電位に相当するノードFNは、電気的に浮遊状態にあるため、電圧V3のサンプリングによる電位の変動に応じて上昇する。ノードFNの電位上昇は、V1+V2からV3だけ上昇したV1+V2+V3として図示している。その後信号S_3をLレベルとし、ノードFNに電圧V1+V2+V3が保持される。
時刻T4では信号S_4をHレベルとし、信号SBUFの電圧V4を容量素子52_4の一方の電極に与える。容量素子52_4の他方の電極の電位に相当するノードFNは、電気的に浮遊状態にあるため、電圧V4のサンプリングによる電位の変動に応じて上昇する。ノードFNの電位上昇は、V1+V2+V3からV4だけ上昇したV1+V2+V3+V4として図示している。その後信号S_4をLレベルとし、ノードFNに電圧V1+V2+V3+V4が保持される。
なお図7では、ノードFNの電位の変動について説明を容易にするため、サンプリングして得られる電圧がそのまま加算されるとして説明したが、実際の回路構成においては配線間およびトランジスタ等の素子に寄生容量が存在する。そのため、ノードFNには加算に応じた電圧、例えば(V1+V2+V3+V4)/a(a:定数)が得られることになる。
以上のような動作でノードFNには、サンプリングして得られた電圧を加算した電圧を保持することができる。保持した電圧は、ソースフォロワ回路を介して所定のタイミングでA/D変換回路14に出力することができる。
図3乃至図7で説明した動作を取り得ることで本発明の一態様の半導体装置100A、100Bは、センサ付きの信号処理装置として機能する半導体装置において、低消費電力が図られた、新規な構成の半導体装置を提供することができる。本発明の一態様は、センサ付きの信号処理装置として機能する半導体装置において、長時間の駆動を実現可能な、新規な構成の半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様は、外界温度の変化が大きい環境下においても、センサの信号をアナログ電圧として保持することができる、新規な構成の半導体装置を提供することができる。本発明の一態様は、センサ付きの信号処理装置として機能する半導体装置において、低消費電力で且つ、精度の高いサンプリングが可能な、新規な構成の半導体装置を提供することができる。
上記図3および図4で説明した信号保持回路31_1乃至31_Nを有する半導体装置100Aの動作について、図8A乃至図8Cを用いて説明する。
図8Aは、半導体装置100Aにおける2つの動作を期間毎に分けて図示したものである。図8Aにおいて、期間61と期間62が交互に切り替わる様子を図示している。
期間61は、A/D変換回路14を非動作として、センサ11の信号を定期的にサンプリングする期間に相当する。期間61において、センサ11の信号のサンプリングは、時刻T1乃至TNとして図示している。期間61から期間62への切り替えは、ホストコントローラ110の制御、あるいはセンサ11におけるサンプリング数が、サンプルホールド回路13_1乃至13_Nで保持可能な数、具体的にはサンプルホールド回路13_1乃至13_Nの数に達した時点で自律的に切り替わる構成が好ましい。
期間61における半導体装置100Aの状態について、図8Bに図示するブロック図を用いて図示することができる。図8Bのブロック図では、停止状態、あるいは機能していない構成を点線で図示し、動作する状態として機能している構成を実線で図示している。センサ11の信号のサンプリングを行う期間、センサ11、アンプ回路12、サンプルホールド回路13_1乃至13_Nの回路、および制御するためのインターフェース回路15を動作させ、A/D変換回路14およびホストコントローラ110を非動作とすることができる。つまりインターフェース回路15は、制御する期間61において、センサ11の信号をアンプ回路12に入力し、アンプ回路12の出力信号をサンプルホールド回路13に保持する。
期間62は、A/D変換回路14を動作させて、期間61でサンプリングして得られる複数のアナログ電圧をA/D変換してホストコントローラ110に出力する期間に相当する。つまりインターフェース回路15は、制御する期間62において、サンプルホールド回路13に保持した電圧をA/D変換回路14に出力して得られるデジタル信号をインターフェース回路15に出力する。期間62において、センサ11の信号のサンプリングは、停止することが好ましい。
期間62から期間61への切り替えは、ホストコントローラ110の制御、あるいは半導体装置100Aからホストコントローラ110へのデータの送信が完了した時点で自律的に切り替わる構成が好ましい。
期間62における半導体装置100Aの状態について、図8Cに図示するブロック図を用いて図示することができる。図8Cのブロック図では、停止状態、あるいは機能していない構成を点線で図示し、動作する状態として機能している構成を実線で図示している。サンプルホールド回路13_1乃至13_Nで保持するアナログ電圧に応じたセンサ11で取得したデータをホストコントローラ110に送信する期間、A/D変換回路14、インターフェース回路15、およびホストコントローラ110を動作させ、センサ11およびアンプ回路12を非動作とすることができる。
図8Aに図示するように期間61に相当する図8Bの動作は、期間62に相当する図8Cの動作より長くする構成とする。本発明の一態様の半導体装置は、複数のアナログ電圧を保持する構成とすることができる。そのため、A/D変換回路を停止してセンサ信号のサンプリング動作を行う期間61と、A/D変換回路を動作させて保持しておいたアナログ電圧のA/D変換を行う期間62と、を切り替えて行う構成とすることができ、一定期間ごとのセンシングデータの取得と、低消費電力化との両立を図ることができる。A/D変換回路の駆動を最小限に抑えることで、バッテリの電力による長時間の駆動を実現可能な半導体装置とすることができる。
上記図5および図7で説明した信号保持回路31Aを有する半導体装置100Bの動作について、図9A乃至図9Cを用いて説明する。
図9Aは、半導体装置100Bにおける2つの動作を期間毎に分けて図示したものである。図9Aにおいて、期間61と期間62が交互に切り替わる様子を図示している。図9Aの説明は、図8Aでの説明と同様である。
期間61における半導体装置100Bの状態について、図9Bに図示するブロック図を用いて図示することができる。図9Bのブロック図では、停止状態、あるいは機能していない構成を点線で図示し、動作する状態として機能している構成を実線で図示している。センサ11の信号のサンプリングを行う期間、センサ11、アンプ回路12、サンプルホールド回路13A、および制御するためのインターフェース回路15を動作させ、A/D変換回路14およびホストコントローラ110を非動作とすることができる。
期間62における半導体装置100Bの状態について、図9Cに図示するブロック図を用いて図示することができる。図9Cのブロック図では、停止状態、あるいは機能していない構成を点線で図示し、動作する状態として機能している構成を実線で図示している。サンプルホールド回路13_1乃至13_Nで保持するアナログ電圧に応じたセンサ11で取得したデータをホストコントローラ110に送信する期間、A/D変換回路14、インターフェース回路15、およびホストコントローラ110を動作させ、センサ11およびアンプ回路12を非動作とすることができる。
図8A乃至図8Cおよび図9A乃至図9Cの動作では、期間61において、A/D変換回路14といった消費電力の大きい回路への電力供給の停止(パワーゲーティング)を行うことができる。その結果、バッテリの電力消費を抑制することができ、長期間にわたって半導体装置の自律的な動作を実現することができる。
図10Aは、複数の半導体装置100_1乃至100_n(nは1以上の自然数)と、ホストコントローラ110の構成例を説明するためのブロック図である。図10Aに図示するホストコントローラ110は、一例として、制御ブロック200、メインCPU201、周辺回路202、および通信用回路ブロック203を有する。また図10Aでは、ホストコントローラ110が収集したデータを送信する上記機器として、クラウド299を図示している。
制御ブロック200は、半導体装置100_1乃至100_nと同期して、自律的に内部の回路の間欠駆動を行う機能を有する回路ブロックである。制御ブロック200は、半導体装置100_1乃至100_nのサンプルホールド回路13で収集したアナログ電圧に応じたデータを収集するための制御信号を送信する機能、半導体装置100_1乃至100_nが送信した信号を受信する機能を有する。
メインCPU201および周辺回路202は、ホストコントローラ110内の制御を行うためのプロセッサ、およびデータを記憶するためのメモリ、発振器等を有する回路ブロックである。
通信用回路ブロック203は、ホストコントローラ110が半導体装置100_1乃至100_nから収集した各種データをクラウド299に送信する機能、およびホストコントローラ110が必要なデータをクラウド299から取得する機能を有する。
なお図10Aでは、ホストコントローラが1つに対して複数の半導体装置を図示しているが、ホストコントローラが1つに対して1つの半導体装置の対応関係であってもよい。また図10Bに図示するように、複数の半導体装置100_1、100_2から、複数のホストコントローラ110_1、110_2、およびクラウド299が必要なデータを収集する構成とすることもできる。
半導体装置の低消費電力化を図ることで、長時間にわたって自律して動作可能な複数のセンサによるデータの取得を行うことができる。そのため、利便性に優れたセンサシステムを構築することができる。
図11A、図11Bには、上述したサンプルホールド回路13の各トランジスタに適用可能な回路構成の変形例を示す。
図1B等において、トランジスタ21乃至23は、バックゲート電極がないトップゲート構造またはボトムゲート構造のトランジスタとして図示したが、トランジスタ21乃至23の構造はこれに限らない。例えば、図11Aに図示するサンプルホールド回路13Bのように、バックゲート電極線BGLに接続されたバックゲート電極を有するトランジスタ21A乃至23Aとしてもよい。図11Aの構成とすることで、トランジスタ21A乃至23Aの状態を外部より制御しやすくすることができる。
あるいは図11Bに図示するサンプルホールド回路13Cのように、ゲート電極に接続されたバックゲート電極を有するトランジスタ21B乃至23Bとしてもよい。図11Bの構成とすることで、トランジスタ21B乃至23Bを流れる電流量を増やすことができる。
あるいは図12に図示するサンプルホールド回路13Dの構成としてもよい。図12には、図1Bの構成に加えて、スイッチ27、複数の容量素子28およびコンパレータ29を有する。スイッチ27および複数の容量素子28は、バックゲート電極線BGLに与えられる電圧を調整してトランジスタ22Cのしきい値電圧を調整する機能を有する。しきい値電圧の調整は、コンパレータ29が参照電圧VREFを参照して信号SSHの電圧をモニタし、コンパレータ29の出力に応じて、容量素子28の一方の電極に与える信号DA1乃至DANを変化させて行う。当該構成とすることで、トランジスタ22Cとトランジスタ23とのしきい値電圧を揃えることができる。
以上説明した本発明の一態様の半導体装置は、複数のアナログ電圧を保持する構成とすることができる。そのため、A/D変換回路を停止してのセンサ信号のサンプリング動作と、A/D変換回路を動作させて保持しておいたアナログ電圧のA/D変換を行う動作と、を切り替えて行う構成とすることができ、一定期間ごとのセンシングデータの取得と、低消費電力化との両立を図ることができる。A/D変換回路の駆動を最小限に抑えることで、バッテリの電力による長時間の駆動を実現可能な半導体装置とすることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した半導体装置の構成に適用可能なトランジスタの構成、具体的には異なる電気特性を有するトランジスタを積層して設ける構成について説明する。特に本実施の形態では、半導体装置を構成する遅延回路が有する各トランジスタの構成について説明する。当該構成とすることで、半導体装置の設計自由度を高めることができる。また、異なる電気特性を有するトランジスタを積層して設けることで、半導体装置の集積度を高めることができる。
図13に示す半導体装置は、トランジスタ300と、トランジスタ500と、容量素子600と、を有している。図15Aはトランジスタ500のチャネル長方向の断面図であり、図15Bはトランジスタ500のチャネル幅方向の断面図であり、図15Cはトランジスタ300のチャネル幅方向の断面図である。
トランジスタ500は、チャネル形成領域に金属酸化物を有するトランジスタ(OSトランジスタ)である。トランジスタ500は、オフ電流が小さいため、これを半導体装置が有するOSトランジスタに用いることにより、長期にわたり書き込んだデータを保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作の頻度が少ない、あるいは、リフレッシュ動作を必要としないため、半導体装置の消費電力を低減することができる。
本実施の形態で説明する半導体装置は、図13に示すようにトランジスタ300、トランジスタ500、容量素子600を有する。トランジスタ500はトランジスタ300の上方に設けられ、容量素子600はトランジスタ300、及びトランジスタ500の上方に設けられている。
トランジスタ300は、基板311上に設けられ、導電体316、絶縁体315、基板311の一部からなる半導体領域313、ソース領域又はドレイン領域として機能する低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bを有する。なお、トランジスタ300は、例えば、上記実施の形態におけるA/D変換回路14が有するトランジスタ等に適用することができる。
トランジスタ300は、図15Cに示すように、半導体領域313の上面及びチャネル幅方向の側面が絶縁体315を介して導電体316に覆われている。このように、トランジスタ300をFin型とすることにより、実効上のチャネル幅が増大することによりトランジスタ300のオン特性を向上させることができる。また、ゲート電極の電界の寄与を高くすることができるため、トランジスタ300のオフ特性を向上させることができる。
なお、トランジスタ300は、pチャネル型、あるいはnチャネル型のいずれでもよい。
半導体領域313のチャネルが形成される領域、その近傍の領域、ソース領域、又はドレイン領域となる低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bなどにおいて、シリコン系半導体などの半導体を含むことが好ましく、単結晶シリコンを含むことが好ましい。又は、Ge(ゲルマニウム)、SiGe(シリコンゲルマニウム)、GaAs(ガリウムヒ素)、GaAlAs(ガリウムアルミニウムヒ素)などを有する材料で形成してもよい。結晶格子に応力を与え、格子間隔を変化させることで有効質量を制御したシリコンを用いた構成としてもよい。又はGaAsとGaAlAs等を用いることで、トランジスタ300をHEMT(High Electron Mobility Transistor)としてもよい。
低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bは、半導体領域313に適用される半導体材料に加え、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、又はホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含む。
ゲート電極として機能する導電体316は、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、もしくはホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含むシリコンなどの半導体材料、金属材料、合金材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。
なお、導電体の材料によって仕事関数が決まるため、当該導電体の材料を選択することで、トランジスタのしきい値電圧を調整することができる。具体的には、導電体に窒化チタンや窒化タンタルなどの材料を用いることが好ましい。さらに導電性と埋め込み性を両立するために導電体にタングステンやアルミニウムなどの金属材料を積層として用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが耐熱性の点で好ましい。
なお、図13に示すトランジスタ300は一例であり、その構造に限定されず、回路構成や駆動方法に応じて適切なトランジスタを用いればよい。例えば、半導体装置をOSトランジスタのみの単極性回路(nチャネル型トランジスタのみ、などと同極性のトランジスタを意味する)とする場合、図14に示すとおり、トランジスタ300の構成を、酸化物半導体を用いているトランジスタ500と同様の構成にすればよい。なお、トランジスタ500の詳細については後述する。
トランジスタ300を覆って、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326が順に積層して設けられている。
絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326として、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いればよい。
なお、本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。また、本明細書中において、酸化窒化アルミニウムとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化アルミニウムとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
絶縁体322は、その下方に設けられるトランジスタ300などによって生じる段差を平坦化する平坦化膜としての機能を有していてもよい。例えば、絶縁体322の上面は、平坦性を高めるために化学機械研磨(CMP)法等を用いた平坦化処理により平坦化されていてもよい。
また、絶縁体324には、基板311、又はトランジスタ300などから、トランジスタ500が設けられる領域に、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、例えば、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ500等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、当該半導体素子の特性が低下する場合がある。したがって、トランジスタ500と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
水素の脱離量は、例えば、昇温脱離ガス分析法(TDS)などを用いて分析することができる。例えば、絶縁体324の水素の脱離量は、TDS分析において、膜の表面温度が50℃から500℃の範囲において、水素原子に換算した脱離量が、絶縁体324の面積当たりに換算して、10×1015atoms/cm以下、好ましくは5×1015atoms/cm以下であればよい。
なお、絶縁体326は、絶縁体324よりも誘電率が低いことが好ましい。例えば、絶縁体326の比誘電率は4未満が好ましく、3未満がより好ましい。また例えば、絶縁体326の比誘電率は、絶縁体324の比誘電率の0.7倍以下が好ましく、0.6倍以下がより好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
また、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326には容量素子600、又はトランジスタ500と接続する導電体328、及び導電体330等が埋め込まれている。なお、導電体328、及び導電体330は、プラグ又は配線としての機能を有する。また、プラグ又は配線としての機能を有する導電体は、複数の構造をまとめて同一の符号を付与する場合がある。また、本明細書等において、配線と、配線と接続するプラグとが一体物であってもよい。すなわち、導電体の一部が配線として機能する場合、及び導電体の一部がプラグとして機能する場合もある。
各プラグ、及び配線(導電体328、導電体330等)の材料としては、金属材料、合金材料、金属窒化物材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を、単層又は積層して用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、タングステンを用いることが好ましい。又は、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。低抵抗導電性材料を用いることで配線抵抗を低くすることができる。
絶縁体326、及び導電体330上に、配線層を設けてもよい。例えば、図13において、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354が順に積層して設けられている。また、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354には、導電体356が形成されている。導電体356は、トランジスタ300と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。なお導電体356は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体350は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体356は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体350が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
なお、水素に対するバリア性を有する導電体としては、例えば、窒化タンタル等を用いるとよい。また、窒化タンタルと導電性が高いタングステンを積層することで、配線としての導電性を保持したまま、トランジスタ300からの水素の拡散を抑制することができる。この場合、水素に対するバリア性を有する窒化タンタル層が、水素に対するバリア性を有する絶縁体350と接する構造であることが好ましい。
絶縁体354、及び導電体356上に、配線層を設けてもよい。例えば、図13において、絶縁体360、絶縁体362、及び絶縁体364が順に積層して設けられている。また、絶縁体360、絶縁体362、及び絶縁体364には、導電体366が形成されている。導電体366は、プラグ又は配線としての機能を有する。なお導電体366は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体360は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体366は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体360が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体364、及び導電体366上に、配線層を設けてもよい。例えば、図13において、絶縁体370、絶縁体372、及び絶縁体374が順に積層して設けられている。また、絶縁体370、絶縁体372、及び絶縁体374には、導電体376が形成されている。導電体376は、プラグ又は配線としての機能を有する。なお導電体376は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体370は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体376は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体370が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体374、及び導電体376上に、配線層を設けてもよい。例えば、図13において、絶縁体380、絶縁体382、及び絶縁体384が順に積層して設けられている。また、絶縁体380、絶縁体382、及び絶縁体384には、導電体386が形成されている。導電体386は、プラグ又は配線としての機能を有する。なお導電体386は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体380は、絶縁体324と同様に、水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体386は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体380が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
上記において、導電体356を含む配線層、導電体366を含む配線層、導電体376を含む配線層、及び導電体386を含む配線層、について説明したが、本実施の形態に係る半導体装置はこれに限られるものではない。導電体356を含む配線層と同様の配線層を3層以下にしてもよいし、導電体356を含む配線層と同様の配線層を5層以上にしてもよい。
絶縁体384上には絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、及び絶縁体516が、順に積層して設けられている。絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、及び絶縁体516のいずれかは、酸素や水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。
例えば、絶縁体510、及び絶縁体514には、例えば、基板311、又はトランジスタ300を設ける領域などから、トランジスタ500を設ける領域に、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。したがって、絶縁体324と同様の材料を用いることができる。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ500等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、当該半導体素子の特性が低下する場合がある。したがって、トランジスタ500と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
また、水素に対するバリア性を有する膜として、例えば、絶縁体510、及び絶縁体514には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、及びトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中及び作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ500への混入を防止することができる。また、トランジスタ500を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ500に対する保護膜として用いることに適している。
また、例えば、絶縁体512、及び絶縁体516には、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。また、これらの絶縁体に、比較的誘電率が低い材料を適用することで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体512、及び絶縁体516として、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、及び絶縁体516には、導電体518、及びトランジスタ500を構成する導電体(例えば、導電体503)等が埋め込まれている。なお、導電体518は、容量素子600、又はトランジスタ300と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。導電体518は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
特に、絶縁体510、及び絶縁体514と接する領域の導電体518は、酸素、水素、及び水に対するバリア性を有する導電体であることが好ましい。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、酸素、水素、及び水に対するバリア性を有する層で、分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体516の上方には、トランジスタ500が設けられている。
図15A、図15Bに示すように、トランジスタ500は、絶縁体514及び絶縁体516に埋め込まれるように配置された導電体503と、絶縁体516及び導電体503の上に配置された絶縁体520と、絶縁体520の上に配置された絶縁体522と、絶縁体522の上に配置された絶縁体524と、絶縁体524の上に配置された酸化物530aと、酸化物530aの上に配置された酸化物530bと、酸化物530b上に互いに離れて配置された導電体542a及び導電体542bと、導電体542a及び導電体542b上に配置され、導電体542aと導電体542bの間に重畳して開口が形成された絶縁体580と、開口の底面及び側面に配置された酸化物530cと、酸化物530cの形成面に配置された絶縁体550と、絶縁体550の形成面に配置された導電体560と、を有する。
また、図15A、図15Bに示すように、酸化物530a、酸化物530b、導電体542a、及び導電体542bと、絶縁体580との間に絶縁体544が配置されることが好ましい。また、図15A、図15Bに示すように、導電体560は、絶縁体550の内側に設けられた導電体560aと、導電体560aの内側に埋め込まれるように設けられた導電体560bと、を有することが好ましい。また、図15A、図15Bに示すように、絶縁体580、導電体560、及び絶縁体550の上に絶縁体574が配置されることが好ましい。
なお、以下において、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cをまとめて酸化物530という場合がある。
なお、トランジスタ500では、チャネルが形成される領域と、その近傍において、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cの3層を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、酸化物530bの単層、酸化物530bと酸化物530aの2層構造、酸化物530bと酸化物530cの2層構造、又は4層以上の積層構造を設ける構成にしてもよい。また、トランジスタ500では、導電体560を2層の積層構造として示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体560が、単層構造であってもよいし、3層以上の積層構造であってもよい。また、図13、図15Aに示すトランジスタ500は一例であり、その構造に限定されず、回路構成や駆動方法に応じて適切なトランジスタを用いればよい。
ここで、導電体560は、トランジスタのゲート電極として機能し、導電体542a及び導電体542bは、それぞれソース電極又はドレイン電極として機能する。上記のように、導電体560は、絶縁体580の開口、及び導電体542aと導電体542bに挟まれた領域に埋め込まれるように形成される。導電体560、導電体542a及び導電体542bの配置は、絶縁体580の開口に対して、自己整合的に選択される。つまり、トランジスタ500において、ゲート電極を、ソース電極とドレイン電極の間に、自己整合的に配置させることができる。よって、導電体560を位置合わせのマージンを設けることなく形成することができるので、トランジスタ500の占有面積の縮小を図ることができる。これにより、半導体装置の微細化、高集積化を図ることができる。
さらに、導電体560が、導電体542aと導電体542bの間の領域に自己整合的に形成されるので、導電体560は、導電体542a又は導電体542bと重畳する領域を有さない。これにより、導電体560と導電体542a及び導電体542bとの間に形成される寄生容量を低減することができる。よって、トランジスタ500のスイッチング速度を向上させ、高い周波数特性を有せしめることができる。
導電体560は、第1のゲート(トップゲートともいう)電極として機能する場合がある。また、導電体503は、第2のゲート(ボトムゲートともいう)電極として機能する場合がある。その場合、導電体503に印加する電位を、導電体560に印加する電位と、連動させず、独立して変化させることで、トランジスタ500のしきい値電圧を制御することができる。特に、導電体503に負の電位を印加することにより、トランジスタ500のしきい値電圧を0Vより大きくし、オフ電流を低減することが可能となる。したがって、導電体503に負の電位を印加したほうが、印加しない場合よりも、導電体560に印加する電位が0Vのときのドレイン電流を小さくすることができる。
導電体503は、酸化物530、及び導電体560と、重なるように配置する。これにより、導電体560、及び導電体503に電位を印加した場合、導電体560から生じる電界と、導電体503から生じる電界と、がつながり、酸化物530に形成されるチャネル形成領域を覆うことができる。本明細書等において、第1のゲート電極、及び第2のゲート電極の電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(S−channel)構造とよぶ。
また、導電体503は、導電体518と同様の構成であり、絶縁体514及び絶縁体516の開口の内壁に接して導電体503aが形成され、さらに内側に導電体503bが形成されている。なお、トランジスタ500では、導電体503a及び導電体503bを積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体503は、単層、又は3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。
ここで、導電体503aは、水素原子、水素分子、水分子、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する(上記不純物が透過しにくい)導電性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)導電性材料を用いることが好ましい。なお、本明細書において、不純物、又は酸素の拡散を抑制する機能とは、上記不純物、又は上記酸素のいずれか一又は、すべての拡散を抑制する機能とする。
例えば、導電体503aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、導電体503bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。
また、導電体503が配線の機能を兼ねる場合、導電体503bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする、導電性が高い導電性材料を用いることが好ましい。その場合、導電体505は、必ずしも設けなくともよい。なお、導電体503bを単層で図示したが、積層構造としてもよく、例えば、チタン又は窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。
絶縁体520、絶縁体522、及び絶縁体524は、第2のゲート絶縁膜としての機能を有する。
ここで、酸化物530と接する絶縁体524は、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む絶縁体を用いることが好ましい。つまり、絶縁体524には、過剰酸素領域が形成されていることが好ましい。このような過剰酸素を含む絶縁体を酸化物530に接して設けることにより、酸化物530中の酸素欠損を低減し、トランジスタ500の信頼性を向上させることができる。
過剰酸素領域を有する絶縁体として、具体的には、加熱により一部の酸素が脱離する酸化物材料を用いることが好ましい。加熱により酸素を脱離する酸化物とは、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy)分析にて、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm以上、好ましくは1.0×1019atoms/cm以上、さらに好ましくは2.0×1019atoms/cm以上、又は3.0×1020atoms/cm以上である酸化物膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下、又は100℃以上400℃以下の範囲が好ましい。
また、上記過剰酸素領域を有する絶縁体と、酸化物530と、を接して加熱処理、マイクロ波処理、またはRF処理のいずれか一または複数の処理を行っても良い。当該処理を行うことで、酸化物530中の水、または水素を除去することができる。例えば、酸化物530において、VoHの結合が切断される反応が起きる、別言すると「VH→V+H」という反応が起きて、脱水素化することができる。このとき発生した水素の一部は、酸素と結合してHOとして、酸化物530、または酸化物530近傍の絶縁体から除去される場合がある。また、水素の一部は、導電体542に拡散または捕獲(ゲッタリングともいう)される場合がある。
また、上記マイクロ波処理は、例えば、高密度プラズマを発生させる電源を有する装置、または、基板側にRFを印加する電源を有する装置を用いると好適である。例えば、酸素を含むガスを用い、且つ高密度プラズマを用いることより、高密度の酸素ラジカルを生成することができ、基板側にRFを印加することで、高密度プラズマによって生成された酸素ラジカルを、効率よく酸化物530、または酸化物530近傍の絶縁体中に導入することができる。また、上記マイクロ波処理は、圧力を133Pa以上、好ましくは200Pa以上、さらに好ましくは400Pa以上とすればよい。また、マイクロ波処理を行う装置内に導入するガスとしては、例えば、酸素と、アルゴンとを用い、酸素流量比(O/(O+Ar))が50%以下、好ましくは10%以上30%以下で行うとよい。
また、トランジスタ500の作製工程中において、酸化物530の表面が露出した状態で、加熱処理を行うと好適である。当該加熱処理は、例えば、100℃以上450℃以下、より好ましくは350℃以上400℃以下で行えばよい。なお、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気、または酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、もしくは10%以上含む雰囲気で行う。例えば、加熱処理は酸素雰囲気で行うことが好ましい。これにより、酸化物530に酸素を供給して、酸素欠損(V)の低減を図ることができる。また、加熱処理は減圧状態で行ってもよい。または、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために、酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、または10%以上含む雰囲気で行ってもよい。または、酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、または10%以上含む雰囲気で加熱処理した後に、連続して窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気で加熱処理を行っても良い。
なお、酸化物530に加酸素化処理を行うことで、酸化物530中の酸素欠損を、供給された酸素により修復させる反応、別言すると「V+O→null」という反応を促進させることができる。さらに、酸化物530中に残存した水素に供給された酸素が反応することで、当該水素をHOとして除去する(脱水化する)ことができる。これにより、酸化物530中に残存していた水素が酸素欠損に再結合してVHが形成されるのを抑制することができる。
また、絶縁体524が、過剰酸素領域を有する場合、絶縁体522は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子など)の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)ことが好ましい。
絶縁体522が、酸素や不純物の拡散を抑制する機能を有することで、酸化物530が有する酸素は、絶縁体520側へ拡散することがなく、好ましい。また、導電体503が、絶縁体524や、酸化物530が有する酸素と反応することを抑制することができる。
絶縁体522は、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、又は(Ba,Sr)TiO(BST)などのいわゆるhigh−k材料を含む絶縁体を単層又は積層で用いることが好ましい。トランジスタの微細化、及び高集積化が進むと、ゲート絶縁膜の薄膜化により、リーク電流などの問題が生じる場合がある。ゲート絶縁膜として機能する絶縁体にhigh−k材料を用いることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減が可能となる。
特に、不純物、及び酸素などの拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)絶縁性材料であるアルミニウム、ハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁体を用いるとよい。アルミニウム、ハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。このような材料を用いて絶縁体522を形成した場合、絶縁体522は、酸化物530からの酸素の放出や、トランジスタ500の周辺部から酸化物530への水素等の不純物の混入を抑制する層として機能する。
又は、これらの絶縁体に、例えば、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。又はこれらの絶縁体を窒化処理してもよい。上記の絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコン又は窒化シリコンを積層して用いてもよい。
また、絶縁体520は、熱的に安定していることが好ましい。例えば、酸化シリコン及び酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため、好適である。また、high−k材料の絶縁体を酸化シリコン、または酸化窒化シリコンと組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の高い積層構造の絶縁体520や、絶縁体526を得ることができる。
なお、図15A、図15Bのトランジスタ500では、3層の積層構造からなる第2のゲート絶縁膜として、絶縁体520、絶縁体522、及び絶縁体524が図示されているが、第2のゲート絶縁膜は、単層、2層、又は4層以上の積層構造を有していてもよい。その場合、同じ材料からなる積層構造に限定されず、異なる材料からなる積層構造でもよい。
トランジスタ500は、チャネル形成領域を含む酸化物530に、酸化物半導体として機能する金属酸化物を用いることが好ましい。例えば、酸化物530として、In−M−Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種)等の金属酸化物を用いるとよい。特に、酸化物530として適用できるIn−M−Zn酸化物は、CAAC−OS、CAC−OSであることが好ましい。また、酸化物530として、In−Ga酸化物、In−Zn酸化物を用いてもよい。
また、トランジスタ500には、キャリア濃度の低い金属酸化物を用いることが好ましい。金属酸化物のキャリア濃度を低くする場合においては、金属酸化物中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性または実質的に高純度真性という。なお、金属酸化物中の不純物としては、例えば、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
特に、金属酸化物に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、金属酸化物中に酸素欠損を形成する場合がある。また、酸化物530中の酸素欠損に水素が入った場合、酸素欠損と水素とが結合しVHを形成する場合がある。VHはドナーとして機能し、キャリアである電子が生成されることがある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成する場合がある。従って、水素が多く含まれている金属酸化物を用いたトランジスタは、ノーマリーオン特性となりやすい。また、金属酸化物中の水素は、熱、電界などのストレスによって動きやすいため、金属酸化物に多くの水素が含まれると、トランジスタの信頼性が悪化する恐れもある。本発明の一態様においては、酸化物530中のVHをできる限り低減し、高純度真性または実質的に高純度真性にすることが好ましい。このように、VHが十分低減された金属酸化物を得るには、金属酸化物中の水分、水素などの不純物を除去すること(脱水、脱水素化処理と記載する場合がある)と、金属酸化物に酸素を供給して酸素欠損を補填すること(加酸素化処理と記載する場合がある)が重要である。VHなどの不純物が十分に低減された金属酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
酸素欠損に水素が入った欠陥は、金属酸化物のドナーとして機能しうる。しかしながら、当該欠陥を定量的に評価することは困難である。そこで、金属酸化物においては、ドナー濃度ではなく、キャリア濃度で評価される場合がある。よって、本明細書等では、金属酸化物のパラメータとして、ドナー濃度ではなく、電界が印加されない状態を想定したキャリア濃度を用いる場合がある。つまり、本明細書等に記載の「キャリア濃度」は、「ドナー濃度」と言い換えることができる場合がある。
よって、金属酸化物を酸化物530に用いる場合、金属酸化物中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、金属酸化物において、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm未満、好ましくは1×1019atoms/cm未満、より好ましくは5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm未満とする。水素などの不純物が十分に低減された金属酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
また、酸化物530に金属酸化物を用いる場合、チャネル形成領域の金属酸化物のキャリア濃度は、1×1018cm−3以下であることが好ましく、1×1017cm−3未満であることがより好ましく、1×1016cm−3未満であることがさらに好ましく、1×1013cm−3未満であることがさらに好ましく、1×1012cm−3未満であることがさらに好ましい。なお、チャネル形成領域の金属酸化物のキャリア濃度の下限値については、特に限定は無いが、例えば、1×10−9cm−3とすることができる。
また、酸化物530に金属酸化物を用いる場合、導電体542(導電体542a、および導電体542b)と酸化物530とが接することで、酸化物530中の酸素が導電体542へ拡散し、導電体542が酸化する場合がある。導電体542が酸化することで、導電体542の導電率が低下する蓋然性が高い。なお、酸化物530中の酸素が導電体542へ拡散することを、導電体542が酸化物530中の酸素を吸収する、と言い換えることができる。
また、酸化物530中の酸素が導電体542(導電体542a、および導電体542b)へ拡散することで、導電体542aと酸化物530bとの間、および、導電体542bと酸化物530bとの間に異層が形成される場合がある。当該異層は、導電体542よりも酸素を多く含むため、当該異層は絶縁性を有すると推定される。このとき、導電体542と、当該異層と、酸化物530bとの3層構造は、金属−絶縁体−半導体からなる3層構造とみなすことができ、MIS(Metal−Insulator−Semiconductor)構造と呼ぶ、またはMIS構造を主としたダイオード接合構造と呼ぶ場合がある。
なお、上記異層は、導電体542と酸化物530bとの間に形成されることに限られず、例えば、異層が、導電体542と酸化物530cとの間に形成される場合や、導電体542と酸化物530bとの間、および導電体542と酸化物530cとの間に形成される場合がある。
また、酸化物530においてチャネル形成領域として機能する金属酸化物は、バンドギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上のものを用いることが好ましい。このように、バンドギャップの大きい金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
酸化物530は、酸化物530b下に酸化物530aを有することで、酸化物530aよりも下方に形成された構造物から、酸化物530bへの不純物の拡散を抑制することができる。また、酸化物530b上に酸化物530cを有することで、酸化物530cよりも上方に形成された構造物から、酸化物530bへの不純物の拡散を抑制することができる。
なお、酸化物530は、各金属原子の原子数比が異なる酸化物により、積層構造を有することが好ましい。具体的には、酸化物530aに用いる金属酸化物において、構成元素中の元素Mの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における、構成元素中の元素Mの原子数比より、大きいことが好ましい。また、酸化物530aに用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物530bに用いる金属酸化物において、元素Mに対するInの原子数比が、酸化物530aに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物530cは、酸化物530a又は酸化物530bに用いることができる金属酸化物を、用いることができる。
また、酸化物530a及び酸化物530cの伝導帯下端のエネルギーが、酸化物530bの伝導帯下端のエネルギーより高くなることが好ましい。また、言い換えると、酸化物530a及び酸化物530cの電子親和力が、酸化物530bの電子親和力より小さいことが好ましい。
ここで、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cの接合部において、伝導帯下端のエネルギー準位はなだらかに変化する。換言すると、酸化物530a、酸化物530b、及び酸化物530cの接合部における伝導帯下端のエネルギー準位は、連続的に変化又は連続接合するともいうことができる。このようにするためには、酸化物530aと酸化物530bとの界面、及び酸化物530bと酸化物530cとの界面において形成される混合層の欠陥準位密度を低くするとよい。
具体的には、酸化物530aと酸化物530b、酸化物530bと酸化物530cが、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする)ことで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することができる。例えば、酸化物530bがIn−Ga−Zn酸化物の場合、酸化物530a及び酸化物530cとして、In−Ga−Zn酸化物、Ga−Zn酸化物、酸化ガリウムなどを用いるとよい。
このとき、キャリアの主たる経路は酸化物530bとなる。酸化物530a、酸化物530cを上述の構成とすることで、酸化物530aと酸化物530bとの界面、及び酸化物530bと酸化物530cとの界面における欠陥準位密度を低くすることができる。そのため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さくなり、トランジスタ500は高いオン電流を得られる。
酸化物530b上には、ソース電極、及びドレイン電極として機能する導電体542a、及び導電体542bが設けられる。導電体542a、及び導電体542bとしては、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウム、ルテニウム、イリジウム、ストロンチウム、ランタンから選ばれた金属元素、又は上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いることが好ましい。例えば、窒化タンタル、窒化チタン、タングステン、チタンとアルミニウムを含む窒化物、タンタルとアルミニウムを含む窒化物、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物などを用いることが好ましい。また、窒化タンタル、窒化チタン、チタンとアルミニウムを含む窒化物、タンタルとアルミニウムを含む窒化物、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物は、酸化しにくい導電性材料、又は、酸素を吸収しても導電性を維持する材料であるため、好ましい。更に、窒化タンタルなどの金属窒化物膜は、水素又は酸素に対するバリア性があるため好ましい。
また、図15では、導電体542a、及び導電体542bを単層構造として示したが、2層以上の積層構造としてもよい。例えば、窒化タンタル膜とタングステン膜を積層するとよい。また、チタン膜とアルミニウム膜を積層してもよい。また、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅−マグネシウム−アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造としてもよい。
また、チタン膜又は窒化チタン膜と、そのチタン膜又は窒化チタン膜上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜又は窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜又は窒化モリブデン膜と、そのモリブデン膜又は窒化モリブデン膜上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜又は窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫又は酸化亜鉛を含む透明導電材料を用いてもよい。
また、図15Aに示すように、酸化物530の、導電体542a(導電体542b)との界面とその近傍には、低抵抗領域として、領域543a、及び領域543bが形成される場合がある。このとき、領域543aはソース領域又はドレイン領域の一方として機能し、領域543bはソース領域又はドレイン領域の他方として機能する。また、領域543aと領域543bに挟まれる領域にチャネル形成領域が形成される。
酸化物530と接するように上記導電体542a(導電体542b)を設けることで、領域543a(領域543b)の酸素濃度が低減する場合がある。また、領域543a(領域543b)に導電体542a(導電体542b)に含まれる金属と、酸化物530の成分とを含む金属化合物層が形成される場合がある。このような場合、領域543a(領域543b)のキャリア濃度が増加し、領域543a(領域543b)は、低抵抗領域となる。
絶縁体544は、導電体542a、及び導電体542bを覆うように設けられ、導電体542a、及び導電体542bの酸化を抑制する。このとき、絶縁体544は、酸化物530の側面を覆い、絶縁体524と接するように設けられてもよい。
絶縁体544として、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、ネオジム、ランタン又は、マグネシウムなどから選ばれた一種、又は二種以上が含まれた金属酸化物を用いることができる。また、絶縁体544として、窒化酸化シリコン又は窒化シリコンなども用いることができる。
特に、絶縁体544として、アルミニウム、又はハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁体である、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム、及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。特に、ハフニウムアルミネートは、酸化ハフニウム膜よりも、耐熱性が高い。そのため、後の工程での熱処理において、結晶化しにくいため好ましい。なお、導電体542a、及び導電体542bが耐酸化性を有する材料、又は、酸素を吸収しても著しく導電性が低下しない場合、絶縁体544は、必須の構成ではない。求めるトランジスタ特性により、適宜設計すればよい。
絶縁体544を有することで、絶縁体580に含まれる水、及び水素などの不純物が酸化物530c、絶縁体550を介して、酸化物530bに拡散することを抑制することができる。また、絶縁体580が有する過剰酸素により、導電体560が酸化するのを抑制することができる。
絶縁体550は、第1のゲート絶縁膜として機能する。絶縁体550は、酸化物530cの内側(上面、及び側面)に接して配置することが好ましい。絶縁体550は、上述した絶縁体524と同様に、過剰に酸素を含み、かつ加熱により酸素が放出される絶縁体を用いて形成することが好ましい。
具体的には、過剰酸素を有する酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素、及び窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンを用いることができる。特に、酸化シリコン、及び酸化窒化シリコンは熱に対し安定であるため好ましい。
加熱により酸素が放出される絶縁体を、絶縁体550として、酸化物530cの上面に接して設けることにより、絶縁体550から、酸化物530cを通じて、酸化物530bのチャネル形成領域に効果的に酸素を供給することができる。また、絶縁体524と同様に、絶縁体550中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。絶縁体550の膜厚は、1nm以上20nm以下とするのが好ましい。
また、絶縁体550が有する過剰酸素を、効率的に酸化物530へ供給するために、絶縁体550と導電体560との間に金属酸化物を設けてもよい。当該金属酸化物は、絶縁体550から導電体560への酸素拡散を抑制することが好ましい。酸素の拡散を抑制する金属酸化物を設けることで、絶縁体550から導電体560への過剰酸素の拡散が抑制される。つまり、酸化物530へ供給する過剰酸素量の減少を抑制することができる。また、過剰酸素による導電体560の酸化を抑制することができる。当該金属酸化物としては、絶縁体544に用いることができる材料を用いればよい。
なお、絶縁体550は、第2のゲート絶縁膜と同様に、積層構造としてもよい。トランジスタの微細化、及び高集積化が進むと、ゲート絶縁膜の薄膜化により、リーク電流などの問題が生じる場合があるため、ゲート絶縁膜として機能する絶縁体を、high−k材料と、熱的に安定している材料との積層構造とすることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減が可能となる。また、熱的に安定かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。
第1のゲート電極として機能する導電体560は、図15A、図15Bでは2層構造として示しているが、単層構造でもよいし、3層以上の積層構造であってもよい。
導電体560aは、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(NO、NO、NOなど)、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。導電体560aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、絶縁体550に含まれる酸素により、導電体560bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、又は酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。また、導電体560aとして、酸化物530に適用できる酸化物半導体を用いることができる。その場合、導電体560bをスパッタリング法で成膜することで、導電体560aの電気抵抗値を低下させて導電体にすることができる。これをOC(Oxide Conductor)電極と呼ぶことができる。
また、導電体560bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、導電体560bは、配線としても機能するため、導電性が高い導電体を用いることが好ましい。例えば、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることができる。また、導電体560bは積層構造としてもよく、例えば、チタン又は窒化チタンと上記導電性材料との積層構造としてもよい。
絶縁体580は、絶縁体544を介して、導電体542a、及び導電体542b上に設けられる。絶縁体580は、過剰酸素領域を有することが好ましい。例えば、絶縁体580として、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素、及び窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコン、又は樹脂などを有することが好ましい。特に、酸化シリコン、及び酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため好ましい。特に、酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンは、後の工程で、容易に過剰酸素領域を形成することができるため好ましい。
絶縁体580は、過剰酸素領域を有することが好ましい。加熱により酸素が放出される絶縁体580を、酸化物530cと接して設けることで、絶縁体580中の酸素を、酸化物530cを通じて、酸化物530へと効率良く供給することができる。なお、絶縁体580中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。
絶縁体580の開口は、導電体542aと導電体542bの間の領域に重畳して形成される。これにより、導電体560は、絶縁体580の開口、及び導電体542aと導電体542bに挟まれた領域に、埋め込まれるように形成される。
半導体装置を微細化するに当たり、ゲート長を短くすることが求められるが、導電体560の導電性が下がらないようにする必要がある。そのために導電体560の膜厚を大きくすると、導電体560はアスペクト比が高い形状となりうる。本実施の形態では、導電体560を絶縁体580の開口に埋め込むように設けるため、導電体560をアスペクト比の高い形状にしても、工程中に導電体560を倒壊させることなく、形成することができる。
絶縁体574は、絶縁体580の上面、導電体560の上面、及び絶縁体550の上面に接して設けられることが好ましい。絶縁体574をスパッタリング法で成膜することで、絶縁体550、及び絶縁体580へ過剰酸素領域を設けることができる。これにより、当該過剰酸素領域から、酸化物530中に酸素を供給することができる。
例えば、絶縁体574として、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は二種以上が含まれた金属酸化物を用いることができる。
特に、酸化アルミニウムはバリア性が高く、0.5nm以上3.0nm以下の薄膜であっても、水素、及び窒素の拡散を抑制することができる。したがって、スパッタリング法で成膜した酸化アルミニウムは、酸素供給源であるとともに、水素などの不純物のバリア膜としての機能も有することができる。
また、絶縁体574の上に、層間膜として機能する絶縁体581を設けることが好ましい。絶縁体581は、絶縁体524などと同様に、膜中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。
また、絶縁体581、絶縁体574、絶縁体580、及び絶縁体544に形成された開口に、導電体540a、及び導電体540bを配置する。導電体540a及び導電体540bは、導電体560を挟んで対向して設ける。導電体540a及び導電体540bは、後述する導電体546、及び導電体548と同様の構成である。
絶縁体581上には、絶縁体582が設けられている。絶縁体582は、酸素や水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。したがって、絶縁体582には、絶縁体514と同様の材料を用いることができる。例えば、絶縁体582には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、及びトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中及び作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ500への混入を防止することができる。また、トランジスタ500を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ500に対する保護膜として用いることに適している。
また、絶縁体582上には、絶縁体586が設けられている。絶縁体586は、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。また、これらの絶縁体に、比較的誘電率が低い材料を適用することで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体586として、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、絶縁体520、絶縁体522、絶縁体524、絶縁体544、絶縁体580、絶縁体574、絶縁体581、絶縁体582、及び絶縁体586には、導電体546、及び導電体548等が埋め込まれている。
導電体546、及び導電体548は、容量素子600、トランジスタ500、又はトランジスタ300と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。導電体546、及び導電体548は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、トランジスタ500の形成後、トランジスタ500を囲むように開口を形成し、当該開口を覆うように、水素、または水に対するバリア性が高い絶縁体を形成してもよい。上述のバリア性の高い絶縁体でトランジスタ500を包み込むことで、外部から水分、および水素が侵入するのを防止することができる。または、複数のトランジスタ500をまとめて、水素、または水に対するバリア性が高い絶縁体で包み込んでもよい。なお、トランジスタ500を囲むように開口を形成する場合、例えば、絶縁体514または絶縁体522に達する開口を形成し、絶縁体514または絶縁体522に接するように上述のバリア性の高い絶縁体を形成すると、トランジスタ500の作製工程の一部を兼ねられるため、好適である。なお、水素、または水に対するバリア性が高い絶縁体としては、例えば、絶縁体522と同様の材料を用いればよい。
続いて、トランジスタ500の上方には、容量素子600が設けられている。容量素子600は、導電体610と、導電体620、絶縁体630とを有する。
また、導電体546、及び導電体548上に、導電体612を設けてもよい。導電体612は、トランジスタ500と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。導電体610は、容量素子600の電極としての機能を有する。なお、導電体612、及び導電体610は、同時に形成することができる。
導電体612、及び導電体610には、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素を含む金属膜、又は上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化タンタル膜、窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる。又は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を適用することもできる。
図13では、導電体612、及び導電体610は単層構造を示したが、当該構成に限定されず、2層以上の積層構造でもよい。例えば、バリア性を有する導電体と導電性が高い導電体との間に、バリア性を有する導電体、及び導電性が高い導電体に対して密着性が高い導電体を形成してもよい。
絶縁体630を介して、導電体610と重畳するように、導電体620を設ける。なお、導電体620は、金属材料、合金材料、又は金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが好ましい。また、導電体などの他の構造と同時に形成する場合は、低抵抗金属材料であるCu(銅)やAl(アルミニウム)等を用いればよい。
導電体620、及び絶縁体630上には、絶縁体640が設けられている。絶縁体640は、絶縁体320と同様の材料を用いて設けることができる。また、絶縁体640は、その下方の凹凸形状を被覆する平坦化膜として機能してもよい。
本構造を用いることで、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、微細化又は高集積化を図ることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、半導体装置の応用例について説明する。
<電子部品の作製方法例>
図16Aは、電子部品の作製方法例を示すフローチャートである。電子部品は、半導体パッケージ、またはIC用パッケージともいう。以下述べる電子部品は、半導体装置が有する各トランジスタを備えた電子部品に相当する。
トランジスタで構成される半導体装置は、組み立て工程(後工程)を経て、プリント基板に脱着可能な部品が複数合わさることで完成する。後工程については、図16Aに示す各工程を経ることで完成させることができる。具体的には、前工程で得られる素子基板が完成(ステップST71)した後、基板の裏面を研削する。この段階で基板を薄膜化して、前工程での基板の反り等を低減し、部品の小型化を図る。次に、基板を複数のチップに分離するダイシング工程を行う(ステップST72)。
図16Bは、ダイシング工程が行われる前の半導体ウエハ7100の上面図である。図16Cは、図16Bの部分拡大図である。半導体ウエハ7100には、複数の回路領域7102が設けられている。回路領域7102には、本発明の形態に係る半導体装置が設けられている。
複数の回路領域7102は、それぞれが分離領域7104に囲まれている。分離領域7104と重なる位置に分離線(「ダイシングライン」ともいう)7106が設定される。ダイシング工程ST72では、分離線7106に沿って半導体ウエハ7100切断することで、回路領域7102を含むチップ7110を半導体ウエハ7100から切り出す。図16Dにチップ7110の拡大図を示す。
分離領域7104に導電層や半導体層を設けてもよい。分離領域7104に導電層や半導体層を設けることで、ダイシング工程時に生じうるESD(Electro Static Discharge)を緩和し、ダイシング工程に起因する歩留まりの低下を防ぐことができる。また、一般にダイシング工程は、基板の冷却、削りくずの除去、帯電防止などを目的として、炭酸ガスなどを溶解させて比抵抗を下げた純水を切削部に供給しながら行なう。分離領域7104に導電層や半導体層を設けることで、当該純水の使用量を削減することができる。よって、半導体装置の生産コストを低減することができる。また、半導体装置の生産性を高めることができる。
ステップST72を行った後、分離したチップを個々にピックアップしてリードフレーム上に搭載し接合する、ダイボンディング工程を行う(ステップST73)。ダイボンディング工程におけるチップとリードフレームとの接着方法は製品に適した方法を選択すればよい。例えば、接着は樹脂やテープによって行えばよい。ダイボンディング工程は、インターポーザ上にチップを搭載し接合してもよい。ワイヤーボンディング工程で、リードフレームのリードとチップ上の電極とを金属の細線(ワイヤー)で電気的に接続する(ステップST74)。金属の細線には、銀線や金線を用いることができる。ワイヤーボンディングは、ボールボンディングとウェッジボンディングの何れでもよい。
ワイヤーボンディングされたチップは、エポキシ樹脂等で封止される、モールド工程が施される(ステップST75)。モールド工程を行うことで電子部品の内部が樹脂で充填され、機械的な外力による内蔵される回路部やワイヤーに対するダメージを低減することができ、また水分や埃による特性の劣化を低減することができる。リードフレームのリードをメッキ処理する。そしてリードを切断及び成形加工する(ステップST76)。めっき処理によりリードの錆を防止し、後にプリント基板に実装する際のはんだ付けをより確実に行うことができる。パッケージの表面に印字処理(マーキング)を施す(ステップST77)。検査工程(ステップST78)を経て、電子部品が完成する(ステップST79)。
完成した電子部品の斜視模式図を図16Eに示す。図16Eでは、電子部品の一例として、QFP(Quad Flat Package)の斜視模式図を示している。図16Eに示すように、電子部品7000は、リード7001及びチップ7110を有する。
電子部品7000は、例えばプリント基板7002に実装される。このような電子部品7000が複数組み合わされて、それぞれがプリント基板7002上で電気的に接続されることで電子機器に搭載することができる。完成した回路基板7004は、電子機器等の内部に設けられる。
電子部品7000は、センサ等の部品と組み合わせて、半導体装置を構成することができる。センサを適用可能な形態としては、電子機器やバッテリ等の定期的な監視が必要な電子部品への適用や、構造物や生体などへの埋め込み等を挙げることができる。
<半導体装置の応用例>
図17Aでは上述の実施の形態で説明した半導体装置の斜視図について示す。図17Aに示すように半導体装置800は、アンテナ801、集積回路部802、センサ805、バッテリ806を有する。
アンテナ801は、電波法に定められた範囲内で目的に合った大きさ、形状であればよい。
集積回路部802は、Siトランジスタ及びOSトランジスタで構成される回路803、アンテナとの接続をするための端子部804を有する。回路803は、Siトランジスタ及びOSトランジスタを形成する前工程を経て形成される。端子部804は、ダイシング工程やボンディング工程を経てチップ化する後工程を経て形成される。集積回路部802は、上述した電子部品に相当する。
センサ805は、熱的、あるいは電磁気学的等の諸情報をアナログデータとして出力する機能を有する回路である。
図17Bには、図17Aの半導体装置800が無線信号811を受信する模式図を示す。このような半導体装置の応用形態としては、図17Cに示す斜視図で説明することができる。例えば、半導体装置800を物品821に貼付、あるいは内部に設置し、外部の質問器822から無線信号811を送信する。無線信号811を受信した半導体装置800は、センサによって温度等の情報をアナログ電圧としてバッテリ806の電力で逐次取得し、質問器822から無線信号811を受信したタイミングでA/D変換して送信することができる。
図18Aおよび図18Bは、本発明の一態様の半導体装置800における、別の応用形態を説明するための斜視図である。半導体装置900は、回路基板901と、バッテリ902と、センサ903と、を有する。バッテリ902には、ラベル904が貼られている。さらに、図18Bに示すように、半導体装置900は、端子906と、端子907と、アンテナ908と、アンテナ909と、を有する。
回路基板901は、端子905と、集積回路910と、を有する。端子905は、導線913を介して、センサ903に接続される。なお、端子905の数は2個に限定されず、必要に応じた数だけ設ければよい。
また、回路基板901は、トランジスタやダイオードなどの半導体素子、抵抗素子または配線などが形成されていてもよい。
アンテナ908およびアンテナ909は、コイル状に限定されず、例えば線状、板状であってもよい。
集積回路910は、SiトランジスタまたはOSトランジスタで構成される回路を有する。
センサ903は、熱的、力学的、あるいは電磁気学的等の諸情報をアナログデータとして出力する機能を有する回路である。
半導体装置900は、アンテナ908およびアンテナ909と、バッテリ902との間に層912を有する。層812は、例えばバッテリ902による電磁界を遮蔽する機能を有する。層912としては、例えば磁性体を用いることができる。
半導体装置900の他の装置への適用例としては、図19A、図19Bに示す模式図で説明することができる。図19Aは自動車951の斜視図である。図19Bは、図19Aで示した自動車951の透視図である。自動車951は、動力部953に制御信号を与えることで駆動するものである。自動車951は、動力部953に制御信号を与えるための電力を供給するバッテリ955、および制御部957を有する。
例えば、半導体装置900を自動車951内部のバッテリ955に設置する。ユーザが自動車951に搭乗したタイミングで、制御部957を起動し、バッテリ955の異常検知に関するアナログデータを制御部957で収集する。半導体装置900は、A/Dコンバータ等を起動することなく、バッテリ955周辺の温度等の情報を取得することができる。上述したようにA/D変換回路を駆動するための消費電力を抑制できるため、停止時におけるバッテリの消耗を低減することができる。
別の半導体装置の応用形態としては、図20Aに示す模式図で説明することができる。例えば、トンネル壁面に半導体装置800を埋め込み、外部から無線信号911を送信する。無線信号911を受信した半導体装置800は、センサによってトンネル壁面の情報を取得し、送信することができる。半導体装置800に、実施の形態1で示した半導体装置を用いることで、トンネル壁面の破損状況を効率よく調査することが可能になる。
また別の無線センサの応用形態としては、図20Bに示す模式図で説明することができる。例えば、橋梁の支柱の壁面に半導体装置800を埋め込み、外部から無線信号911を送信する。無線信号911を受信した半導体装置800は、センサによって橋梁の支柱内の情報を取得し、送信することができる。半導体装置800に、実施の形態1で示した半導体装置を用いることで、橋梁の支柱内の破損状況を効率よく調査することが可能になる。
また別の無線センサの応用形態としては、図21Aに示す模式図で説明することができる。例えば、接着パッド等を用いて人体に半導体装置800を取り付け、リーダー922から無線信号911を送信する。無線信号911を受信した半導体装置800は、配線932を介して人体に取り付けられた電極931等に信号を与えて生体情報等の情報を取得し、送信することができる。取得した情報は、リーダー922の表示部933で確認することができる。半導体装置800に、実施の形態1で示した半導体装置を用いることで、人体の生体情報を効率よく取得することが可能になる。
また別の無線センサの応用形態としては、図21Bに示す模式図で説明することができる。例えば、筐体941に収められた半導体装置800を人体内に埋め込み、体外のリーダー922から無線信号911を送信する。無線信号911を受信した半導体装置800は、生体情報等の情報を取得し、送信することができる。取得した情報は、リーダー922の表示部933で確認することができる。半導体装置800に、実施の形態1で示した半導体装置を用いることで、人体の生体情報を効率よく取得することが可能になる。
(本明細書等の記載に関する付記)
以上の実施の形態、及び実施の形態における各構成の説明について、以下に付記する。
各実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて、本発明の一態様とすることができる。また、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、構成例を適宜組み合わせることが可能である。
なお、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)、及び/又は、一つ若しくは複数の別の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを行うことが出来る。
なお、実施の形態の中で述べる内容とは、各々の実施の形態において、様々な図を用いて述べる内容、又は明細書に記載される文章を用いて述べる内容のことである。
なお、ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)は、その図の別の部分、その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)、及び/又は、一つ若しくは複数の別の実施の形態において述べる図(一部でもよい)に対して、組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
また本明細書等において、ブロック図では、構成要素を機能毎に分類し、互いに独立したブロックとして示している。しかしながら実際の回路等においては、構成要素を機能毎に切り分けることが難しく、一つの回路に複数の機能が係わる場合や、複数の回路にわたって一つの機能が関わる場合があり得る。そのため、ブロック図のブロックは、明細書で説明した構成要素に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、説明の便宜上任意の大きさに示したものである。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は明確性を期すために模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信号、電圧、若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。
本明細書等において、トランジスタの接続関係を説明する際、「ソース又はドレインの一方」(又は第1電極、又は第1端子)、「ソース又はドレインの他方」(又は第2電極、又は第2端子)という表記を用いる。これは、トランジスタのソースとドレインは、トランジスタの構造又は動作条件等によって変わるためである。なおトランジスタのソースとドレインの呼称については、ソース(ドレイン)端子や、ソース(ドレイン)電極等、状況に応じて適切に言い換えることができる。
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合なども含む。
また、本明細書等において、電圧と電位は、適宜言い換えることができる。電圧は、基準となる電位からの電位差のことであり、例えば基準となる電位をグラウンド電圧(接地電圧)とすると、電圧を電位に言い換えることができる。グラウンド電位は必ずしも0Vを意味するとは限らない。なお電位は相対的なものであり、基準となる電位によっては、配線等に与える電位を変化させる場合がある。
なお本明細書等において、「膜」、「層」などの語句は、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
本明細書等において、スイッチとは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有するものをいう。または、スイッチとは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有するものをいう。
本明細書等において、チャネル長とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲートとが重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとの間の距離をいう。
本明細書等において、チャネル幅とは、例えば、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。
本明細書等において、AとBとが接続されている、とは、AとBとが直接接続されているものの他、電気的に接続されているものを含むものとする。ここで、AとBとが電気的に接続されているとは、AとBとの間で、何らかの電気的作用を有する対象物が存在するとき、AとBとの電気信号の授受を可能とするものをいう。
FN_N:ノード、FN_1:ノード、FN_2:ノード、FN_3:ノード、SR_1:信号、ST72:ダイシング工程、SW_1:信号、SW_2:信号、SW_3:信号、SW_4:信号、T0:時刻、T1:時刻、T2:時刻、T3:時刻、T4:時刻、TN:時刻、11:センサ、12:アンプ回路、13:サンプルホールド回路、13_N:サンプルホールド回路、13_1:サンプルホールド回路、13_2:サンプルホールド回路、13A:サンプルホールド回路、13B:サンプルホールド回路、13C:サンプルホールド回路、13D:サンプルホールド回路、14:A/D変換回路、15:インターフェース回路、21:トランジスタ、21_N:トランジスタ、21_1:トランジスタ、21A:トランジスタ、21B:トランジスタ、22:トランジスタ、22_N:トランジスタ、22_1:トランジスタ、22C:トランジスタ、23:トランジスタ、23A:トランジスタ、23B:トランジスタ、24_N:トランジスタ、24_1:トランジスタ、27:スイッチ、28:容量素子、29:コンパレータ、31_N:信号保持回路、31_1:信号保持回路、41:選択回路、42:信号保持回路、43:選択回路、44:選択回路、45:加算回路、51_N:トランジスタ、51_1:トランジスタ、52_N:容量素子、52_1:容量素子、52_2:容量素子、52_3:容量素子、52_4:容量素子、53:トランジスタ、54:トランジスタ、55:トランジスタ、56:トランジスタ、61:期間、62:期間、100:半導体装置、100_n:半導体装置、100_1:半導体装置、100_2:半導体装置、100A:半導体装置、100B:半導体装置、110:ホストコントローラ、110_1:ホストコントローラ、110_2:ホストコントローラ、200:制御ブロック、201:メインCPU、202:周辺回路、203:通信用回路ブロック、299:クラウド、300:トランジスタ、311:基板、313:半導体領域、314a:低抵抗領域、314b:低抵抗領域、315:絶縁体、316:導電体、320:絶縁体、322:絶縁体、324:絶縁体、326:絶縁体、328:導電体、330:導電体、350:絶縁体、352:絶縁体、354:絶縁体、356:導電体、360:絶縁体、362:絶縁体、364:絶縁体、366:導電体、370:絶縁体、372:絶縁体、374:絶縁体、376:導電体、380:絶縁体、382:絶縁体、384:絶縁体、386:導電体、500:トランジスタ、503:導電体、503a:導電体、503b:導電体、505:導電体、510:絶縁体、512:絶縁体、514:絶縁体、516:絶縁体、518:導電体、520:絶縁体、522:絶縁体、524:絶縁体、526:絶縁体、530:酸化物、530a:酸化物、530b:酸化物、530c:酸化物、540a:導電体、540b:導電体、542:導電体、542a:導電体、542b:導電体、543a:領域、543b:領域、544:絶縁体、546:導電体、548:導電体、550:絶縁体、560:導電体、560a:導電体、560b:導電体、574:絶縁体、580:絶縁体、581:絶縁体、582:絶縁体、586:絶縁体、600:容量素子、610:導電体、612:導電体、620:導電体、630:絶縁体、640:絶縁体、800:半導体装置、801:アンテナ、802:集積回路部、803:回路、804:端子部、805:センサ、806:バッテリ、811:無線信号、812:層、821:物品、822:質問器、900:半導体装置、901:回路基板、902:バッテリ、903:センサ、904:ラベル、905:端子、906:端子、907:端子、908:アンテナ、909:アンテナ、910:集積回路、911:無線信号、912:層、913:導線、922:リーダー、931:電極、932:配線、933:表示部、941:筐体、951:自動車、953:動力部、955:バッテリ、957:制御部、7000:電子部品、7001:リード、7002:プリント基板、7004:回路基板、7100:半導体ウエハ、7102:回路領域、7104:分離領域、7106:分離線、7110:チップ

Claims (6)

  1. センサと、
    前記センサのセンサ信号が入力されるアンプ回路と、
    前記アンプ回路の出力信号が入力され、当該出力信号に応じた電圧を保持するサンプルホールド回路と、
    前記電圧に応じた前記サンプルホールド回路の出力信号が入力されるアナログデジタル変換回路と、
    インターフェース回路と、を有し、
    前記インターフェース回路は、前記センサ信号を前記アンプ回路に入力し、前記アンプ回路の出力信号を前記サンプルホールド回路に保持する第1の制御期間と、前記サンプルホールド回路に保持した前記電圧を前記アナログデジタル変換回路に出力して得られるデジタル信号を前記インターフェース回路に出力する第2の制御期間と、を切り替えて制御する機能を有し、
    前記アナログデジタル変換回路は、前記第1の制御期間において、前記デジタル信号の出力を停止するよう切り替えられ、
    前記第1の制御期間は、前記第2の制御期間より長い、半導体装置。
  2. センサと、
    前記センサのセンサ信号が入力されるアンプ回路と、
    前記アンプ回路の出力信号が入力され、当該出力信号に応じた電圧を保持するサンプルホールド回路と、
    前記電圧に応じた前記サンプルホールド回路の出力信号が入力されるアナログデジタル変換回路と、
    インターフェース回路と、を有し、
    前記インターフェース回路は、前記センサ信号を前記アンプ回路に入力し、前記アンプ回路の出力信号を前記サンプルホールド回路に保持する第1の制御期間と、前記サンプルホールド回路に保持した前記電圧を前記アナログデジタル変換回路に出力して得られるデジタル信号を前記インターフェース回路に出力する第2の制御期間と、を切り替えて制御する機能を有し、
    前記アナログデジタル変換回路は、前記第1の制御期間において、前記デジタル信号の出力を停止するよう切り替えられ、
    前記サンプルホールド回路は、前記アンプ回路の複数の出力信号を加算して得られる電圧を保持する機能を有し、
    前記第1の制御期間は、前記第2の制御期間より長い、半導体装置。
  3. 請求項2において、
    前記サンプルホールド回路は、一方の電極が電気的に接続された複数の容量素子を有し、
    前記サンプルホールド回路における前記アンプ回路の複数の出力信号の加算は、前記一方の電極を電気的に浮遊状態として、前記アンプ回路の複数の出力信号のいずれか一を前記容量素子の他方の電極のいずれか一に与えることで行われる、半導体装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一において、
    前記サンプルホールド回路は、第1トランジスタ、第2トランジスタ、および第3トランジスタを有し、
    前記第1トランジスタ乃至前記第3トランジスタは、チャネル形成領域に酸化物半導体を有する半導体層を有する半導体装置。
  5. 請求項4において、
    前記第2トランジスタのゲートは、前記第1トランジスタのソース又はドレインの一方に電気的に接続され、
    前記第1トランジスタをオフにすることで前記アンプ回路の出力信号に応じた電圧を保持する機能を有する半導体装置。
  6. 請求項4または5において、
    前記第2トランジスタおよび前記第3トランジスタは、ソースフォロワ回路として機能する半導体装置。
JP2020552174A 2018-10-18 2019-10-10 半導体装置 Active JP7273054B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018196349 2018-10-18
JP2018196349 2018-10-18
PCT/IB2019/058629 WO2020079539A1 (ja) 2018-10-18 2019-10-10 半導体装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JPWO2020079539A1 true JPWO2020079539A1 (ja) 2021-12-09
JPWO2020079539A5 JPWO2020079539A5 (ja) 2022-09-30
JP7273054B2 JP7273054B2 (ja) 2023-05-12

Family

ID=70284515

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020552174A Active JP7273054B2 (ja) 2018-10-18 2019-10-10 半導体装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US11476862B2 (ja)
JP (1) JP7273054B2 (ja)
KR (1) KR20210074332A (ja)
CN (1) CN112868182A (ja)
WO (1) WO2020079539A1 (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5472059U (ja) * 1977-10-31 1979-05-22
JPS5862927A (ja) * 1981-10-09 1983-04-14 Toshiba Corp アナログ入力装置
JPS60124125A (ja) * 1983-12-08 1985-07-03 Ishida Scales Mfg Co Ltd 多入力信号高速アナログ・デジタル変換回路
JPH0786939A (ja) * 1993-09-14 1995-03-31 Nippon Steel Corp 並列型a/dコンバータ
JPH11225092A (ja) * 1998-02-06 1999-08-17 Kokusai Electric Co Ltd スライディングコリレータ及びマッチドフィルタ及び復調回路
JP2007194877A (ja) * 2006-01-19 2007-08-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体装置
US20080048901A1 (en) * 2006-08-22 2008-02-28 Texas Instruments Incorporated Multiple-bank CMOS image sensor system and method
JP2010245664A (ja) * 2009-04-02 2010-10-28 Seiko Epson Corp 画像処理装置、サンプリング位置調整方法、および、a/d変換装置
JP2015092662A (ja) * 2014-10-07 2015-05-14 セイコーエプソン株式会社 物理量測定装置及び電子機器
JP2016111677A (ja) * 2014-09-26 2016-06-20 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置、無線センサ、及び電子機器

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL7711928A (nl) 1977-10-31 1978-04-28 Oce Van Der Grinten Nv Elektrofotografisch apparaat.
JP3598932B2 (ja) 2000-02-23 2004-12-08 日本電気株式会社 話者方向検出回路及びそれに用いる話者方向検出方法
EP1830695B1 (en) * 2004-12-14 2011-11-30 Koninklijke Philips Electronics N.V. Integrated pulse oximetry sensor
US7659892B2 (en) 2005-03-17 2010-02-09 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Display device and portable terminal
EP1936541B1 (fr) 2006-12-22 2017-08-30 EM Microelectronic-Marin SA Chargeur de batterie fonctionnant par "tout ou rien" avec circuit de protection d'alimentation pour circuits intégrés monolithiques utilisant l'énergie de l'antenne
WO2012029638A1 (en) 2010-09-03 2012-03-08 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device
JP5472059B2 (ja) 2010-11-24 2014-04-16 トヨタ自動車株式会社 蓄電装置
JP5862927B2 (ja) 2011-07-14 2016-02-16 日立化成株式会社 湾曲板状部品の圧粉体成形金型装置
US9110897B2 (en) 2012-11-16 2015-08-18 Electronics And Telecommunications Research Institute Sensor tag and method of providing service using the same
KR102267237B1 (ko) 2014-03-07 2021-06-18 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 반도체 장치 및 전자 기기
JP6615565B2 (ja) 2014-10-24 2019-12-04 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置
EP3218705B1 (en) * 2014-11-14 2024-05-01 URSUS Medical Designs LLC Ultrasound beamforming system and method based on aram array
TWI739796B (zh) * 2016-02-12 2021-09-21 日商半導體能源硏究所股份有限公司 半導體裝置及電子裝置及半導體晶圓
TWI748035B (zh) 2017-01-20 2021-12-01 日商半導體能源硏究所股份有限公司 顯示系統及電子裝置
JP7265986B2 (ja) 2017-06-26 2023-04-27 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置、電子機器
JP2019057873A (ja) * 2017-09-22 2019-04-11 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 固体撮像素子及び電子機器
GB2566978A (en) 2017-09-29 2019-04-03 Nokia Technologies Oy Processing audio signals
US11510002B2 (en) 2018-08-31 2022-11-22 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5472059U (ja) * 1977-10-31 1979-05-22
JPS5862927A (ja) * 1981-10-09 1983-04-14 Toshiba Corp アナログ入力装置
JPS60124125A (ja) * 1983-12-08 1985-07-03 Ishida Scales Mfg Co Ltd 多入力信号高速アナログ・デジタル変換回路
JPH0786939A (ja) * 1993-09-14 1995-03-31 Nippon Steel Corp 並列型a/dコンバータ
JPH11225092A (ja) * 1998-02-06 1999-08-17 Kokusai Electric Co Ltd スライディングコリレータ及びマッチドフィルタ及び復調回路
JP2007194877A (ja) * 2006-01-19 2007-08-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体装置
US20080048901A1 (en) * 2006-08-22 2008-02-28 Texas Instruments Incorporated Multiple-bank CMOS image sensor system and method
JP2010245664A (ja) * 2009-04-02 2010-10-28 Seiko Epson Corp 画像処理装置、サンプリング位置調整方法、および、a/d変換装置
JP2016111677A (ja) * 2014-09-26 2016-06-20 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置、無線センサ、及び電子機器
JP2015092662A (ja) * 2014-10-07 2015-05-14 セイコーエプソン株式会社 物理量測定装置及び電子機器

Also Published As

Publication number Publication date
US20210376848A1 (en) 2021-12-02
US11476862B2 (en) 2022-10-18
WO2020079539A1 (ja) 2020-04-23
CN112868182A (zh) 2021-05-28
JP7273054B2 (ja) 2023-05-12
KR20210074332A (ko) 2021-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN113330554A (zh) 存储装置
KR20210142695A (ko) 반도체 장치
WO2020065440A1 (ja) 半導体装置
WO2020044183A1 (ja) 半導体装置
KR20210127721A (ko) 반도체 장치 및 상기 반도체 장치를 가지는 전기 기기
JP7273054B2 (ja) 半導体装置
WO2021009591A1 (ja) 半導体装置、無線通信装置
JP7092592B2 (ja) 半導体装置、半導体ウエハ、および電子機器
WO2020225640A1 (ja) 半導体装置
JP7344904B2 (ja) 半導体装置
JP7374917B2 (ja) 運転者警告システム
WO2020222068A1 (ja) 冗長メモリセルを有する記憶装置、半導体装置、および、電子機器
WO2020089725A1 (ja) 電源回路、および当該電源回路を備えた半導体装置
WO2022018560A1 (ja) 半導体装置
WO2020240331A1 (ja) 半導体装置、および当該半導体装置を備えた無線通信装置
WO2020079572A1 (ja) 半導体装置、半導体ウェハ、及び電子機器
WO2020136470A1 (ja) 半導体装置
CN115398800A (zh) 半导体装置、放大器及电子设备
CN115668757A (zh) 半导体装置
CN115428167A (zh) 半导体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220921

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220921

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230427

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7273054

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150