JPWO2020053931A1 - 静止誘導器 - Google Patents

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Abstract

本発明は、組立て精度を上げることで、電気絶縁性の向上を容易に図ることができる静止誘導器を提供する。本発明の静止誘導器は、鉄心と、鉄心を軸にして同心円状に巻回された複数の高圧巻線(8)と、高圧巻線(8)を各々覆うように配置され、剛性を有する外殻絶縁部と外殻絶縁部の内側に沿うように設けられた柔軟性を有する弾性シートとの二重構造である角カッコ状絶縁物(13a)とを備える。

Description

本発明は、静止誘導器の電気絶縁構造に関する。
近年、電力用変圧器の大容量化・高電圧化とともに、発電所や変電所の立地条件が厳しくなりコンパクト化や運用費の低コスト化が要求されている。コンパクト化するにあたり、同軸配置された円筒状の一次、二次巻線間の寸法を縮小する方法がある。しかしながら、巻線間の寸法を縮小した場合、巻線は軸方向に配置された縦スペーサに巻回されるため、巻線と絶縁スペーサとの間で形成されるくさび状油ギャップに電界が集中し、絶縁破壊が起きやすくなる。
従来の静止誘導器の一種である電力用変圧器では、くさび状油ギャップが生じる位置に柔軟性のある帯状絶縁物を配置することでくさび状油ギャップを除去し、電気絶縁性を向上させようとしていた(例えば、特許文献1参照)。
実開昭59−93116号公報
しかしながら、このような静止誘導器にあっては、柔軟性のある帯状絶縁物を組み立てて構成することから組立て精度が十分でなく、電気絶縁性の向上を図るのが容易ではなかった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、組立て精度を上げることで、容易に電気絶縁性の向上を図ることができる静止誘導器を提供することを目的とする。
本発明に係る静止誘導器は、鉄心と、鉄心を軸にして同心円状に巻回された複数の巻線と、巻線を各々覆うように配置され、剛性を有する外殻絶縁部と外殻絶縁部の内側に沿うように設けられた柔軟性を有する弾性シートとの二重構造である角カッコ状絶縁物とを備える。
本発明に係る静止誘導器によれば、組立て精度を上げ、電気絶縁性の向上を容易に図ることができる。
本発明の実施の形態1に係る内鉄形変圧器の全体構成図の例である。 本発明の実施の形態1に係る内鉄形変圧器の上面図の例である。 図2のAの矢印方向から見た断面図である。 図3のB領域の拡大図の例である。 図4を斜め上側から見た斜視図の例である。 本発明の実施の形態1に係る内鉄形変圧器に使用される角カッコ状絶縁物の斜視図の例である。 本発明の実施の形態1に係る内鉄形変圧器に使用される角カッコ状絶縁物の断面図の例である。 本発明の実施の形態1に係る内鉄形変圧器に使用される角カッコ状絶縁物を全体に配置した図の例である。 本発明の実施の形態2に係る内鉄形変圧器に使用される角カッコ状絶縁物を一部分のみに配置した図の例である。 本発明の実施の形態3に係る内鉄形変圧器に使用される角カッコ状絶縁物を斜めから見た図の例である。 図10のCの矢印方向から見た断面図の例である。 本発明の実施の形態3に係る内鉄形変圧器のもう一つの別の例の高圧コイルの断面図である。 本発明の実施の形態4に係る外鉄形変圧器の全体図の例である。 図11のD領域の要部を拡大した図の例である。 図14のE領域の要部を拡大した図の例である。 図15で示される角カッコ状絶縁物の斜視図の例である。 図15で示される角カッコ状絶縁物の断面図の例である。 図14のF領域の要部を拡大した図の例である。 図18で示される角カッコ状絶縁物の斜視図の別の例である。 図18で示される角カッコ状絶縁物の断面図の別の例である。 本発明の実施の形態4に係る外鉄形変圧器に使用される角カッコ状絶縁物を全体に配置した図の例である。 本発明の実施の形態5に係る角カッコ状絶縁物を一部分のみに配置した図の例である。
本発明の実施の形態1に係る全体の構成を説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る静止誘導器の一例である内鉄形変圧器1が三相分油浸された三相形の電力用変圧器の全体図の例である。
図1で示すように、内鉄形変圧器1は、鉄心3と鉄心3の主脚部を中心軸として同心円状に巻回された低圧コイル4と低圧コイル4の周りに巻回された高圧コイル5とを備えている。また、低圧コイル4及び高圧コイル5はいずれも円筒状で、両者は円筒状のコイル間絶縁板6及び縦長の縦絶縁スペーサ7を介して隣り合っている。コイル間絶縁板6及び縦絶縁スペーサ7は、低圧コイル4と高圧コイル5とを電気絶縁するために設置されている。
図1に示された三相形の電力用変圧器は、タンク2を備えており、タンク2内には絶縁媒体及び冷却媒体である絶縁油が充填されている。絶縁油として、例えば鉱油・エステル油・シリコン油が用いられる。鉄心3、低圧コイル4及び高圧コイル5を備えた内鉄形変圧器1は三相分がタンク内に収容され油浸されている。
図2は、図1で示した内鉄形変圧器1の上面図である。鉄心3を中心軸として、内側には低圧コイル4、外側には高圧コイル5、各々の間にコイル間絶縁板6を備えている。縦絶縁スペーサ7は、周方向に一定間隔で、低圧コイル4、高圧コイル5及びコイル間絶縁板6の間に設けられている。
図3は、図2のAの矢印方向から見た断面図である。高圧コイル5は、複数の高圧巻線8及び複数の層間絶縁スペーサ9で構成されている。高圧巻線8は、鉄心3を軸にして同心状に巻回されている。また、図3において上下方向に積み重なった高圧巻線8の間には、層間絶縁スペーサ9が設置されている。高圧巻線8間に発生する電位差が大きい場合、層間絶縁スペーサ9が複数枚重ねて設置される場合もある。縦絶縁スペーサ7は、鉄心の軸方向に延在し、層間絶縁スペーサ9を介して上下方向に積層された複数の高圧巻線8を支持している。
低圧コイル4と高圧コイル5の間には、低圧コイル4及び高圧コイル5の軸を中心とした円筒状のコイル間絶縁板6が設置されている。図3では、コイル間絶縁板6が2個示されているが、必要に応じて1個でも3個以上設置されていても良い。また、円筒状の低圧コイル4、高圧コイル5及びコイル間絶縁板6の各々の間に、縦絶縁スペーサ7が設けられている。
図4は、図3のB領域を拡大して示す断面図である。マグネットワイヤ12は、絶縁紙11でコイル導体10を覆って作られている。高圧巻線8は、マグネットワイヤ12が多重に巻回されて構成され、図4では3重に巻回された例を示している。したがって、高圧巻線8は、図4の断面図では横長の形状で示されている。図3では説明を簡潔にするために角カッコ状絶縁物13aについては示さなかったが、実際には一層の高圧巻線8には1個の角カッコ状絶縁物13aが挿入されている。すなわち、高圧コイル5は、複数の高圧巻線8と各高圧巻線8の内周側を覆う複数の角カッコ状絶縁物13aと角カッコ状絶縁物13aの間に挿入された複数の層間絶縁スペーサ9とから構成されている。なお、二重構造となっている角カッコ状絶縁物13aの詳細な構造については後述する。
図5は、図4が示す高圧コイル5の一部を斜め上側から見た斜視図で示したものである。層間絶縁スペーサ9は、高圧巻線8が挿入されている角カッコ状絶縁物13a同士の間の全域にわたって周方向に間隔を置いて複数枚設置されており、設置された層間絶縁スペーサ9同士の間の空間は、図5のKの矢印で示されるように左右方向に冷却媒体が流れる冷却媒体流路となっている。また、縦絶縁スペーサ7が形成するコイル間絶縁板6と角カッコ状絶縁物13aの側面との間の空間は、図5のLの矢印で示されるように、上下方向に冷却媒体が流れる冷却媒体流路となっている。
図6は、角カッコ状絶縁物13aの斜視図の例である。高圧巻線8の内周側を全周にわたって内側から覆う形状となっている。
図7は、図6の角カッコ状絶縁物13aを周方向に見た断面図である。図7に示すように角カッコ状絶縁物13aは、外側に剛性を有する外殻絶縁部14a、内側に柔軟性を有する弾性シート15aの二重構造で構成されている。すなわち、角カッコ状絶縁物13aは、断面視で外殻絶縁部14aの内側に沿って弾性シート15aが設けられた二重構造となっている。
図8は、角カッコ状絶縁物13aが高圧巻線8に配置されている図を示したものである。各高圧巻線8を区別して高圧巻線8a〜8gとそれぞれ呼ぶこととする。角カッコ状絶縁物13aは、高圧巻線8a〜8gまで径方向端部全周の全領域に配置されている。また、図8において高電圧印加端16は高圧巻線8aの箇所にある。
低圧コイル4を構成している低圧巻線と高圧コイル5を構成している高圧巻線8との間の寸法を縮小しコンパクト化した場合、高圧巻線8は縦絶縁スペーサ7に巻回されるためマグネットワイヤ12間の寸法を縮小することになる。すると、高圧巻線8と縦絶縁スペーサ7との間で形成されるくさび状油ギャップに電界が集中し、絶縁破壊が起きやすくなる課題が生じる。
この課題を解決するため、高圧巻線8と縦絶縁スペーサ7との間で形成されるくさび状油ギャップに、角カッコ状絶縁物13aを配置する。角カッコ状絶縁物13aは内側に柔軟性のある絶縁物である弾性シート15aを有しているので、高圧巻線8の周りのくさび状油ギャップを除去し、電気絶縁性を向上させることができる。また、角カッコ状絶縁物13aの外側が剛性を有する外殻絶縁部14aであるため、内側の弾性シート15aの形状が崩れることを防ぎ、高圧コイル5の組立て精度を向上させることができる。
つづいて、比誘電率に関して述べる。低圧コイル4を構成している低圧巻線と高圧コイル5を構成している高圧巻線8との間には高電圧がかかるため、高圧巻線8に近い方から、弾性シート15a、外殻絶縁部14a、縦絶縁スペーサ7の3つの絶縁層が形成されることになる。弾性シート15aの比誘電率をε1とし、順に、外殻絶縁部14aの比誘電率をε2、縦絶縁スペーサ7の比誘電率をε3とする。
例えば弾性シート15aの比誘電率ε1と外殻絶縁部14aの比誘電率ε2の関係をε2<ε1とすると、弾性シート15aに比べて比誘電率の高い外殻絶縁部14a外部に存在する絶縁媒体の絶縁油に電界が集中しやすい構成となる。絶縁油は外殻絶縁部14aに比べて絶縁性能が悪く、絶縁油に電界が集中すると、絶縁破壊が生じやすくなるため、小形化による低コスト化の効果が悪くなる。また、特に高圧巻線8の周囲には電界が集中する。そこで、本実施の形態ではε1<ε2とすることで、弾性シート15a内部への電界集中を抑制し弾性シート15aの電気絶縁性を向上させる。以上のように比誘電率の値を設定したので、変圧器全体の電気絶縁性が向上し、低圧巻線と高圧巻線8の寸法をより小形化し、低コスト化した内鉄形変圧器1とすることができる。また、縦絶縁スペーサ7の比誘電率を考慮して、ε1<ε2<ε3とすれば、さらに変圧器全体の電気絶縁性を向上させることが可能となる。
次に、本実施の形態の内鉄形変圧器1に使用される材質とその各比誘電率の値について述べる。弾性シート15aは、プラスチック材料であるポリエチレン又はポリウレタンを用いることができ、比誘電率ε1の値は2.1〜2.3程度である。外殻絶縁部14aは、高密度なプレスボードを用いることができ、比誘電率ε2の値は2.4〜2.6程度である。縦絶縁スペーサ7は、ポリエステルファイバーを用いることができ、比誘電率ε3の値は3.5程度である。本実施の形態の内鉄形変圧器1は、ε1<ε2の関係を満足している。さらに、本実施の形態の内鉄形変圧器1は、ε1<ε2<ε3の関係も満足している。したがって、本実施の形態の内鉄形変圧器1は、角カッコ状絶縁物13aを適用したことによる組立て精度の向上による電気絶縁性の向上に加えて、比誘電率の適正化による電気絶縁性の一層の向上は実現されている。
実施の形態2.
実施の形態1では、角カッコ状絶縁物13aが高圧巻線8a〜8gまで径方向端部全周の全領域に配置されていた。
実施の形態2において実施の形態1との相違は、角カッコ状絶縁物13aの配置に関する点である。なお、実施の形態1に係る内鉄形変圧器1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を繰り返さない。
本発明の実施の形態2では、図9で示すように角カッコ状絶縁物13aが、高電圧印加端16とこれに隣接する高圧巻線8a〜8cに限定して径方向端部全周を覆っている。
雷インパルス電圧が侵入した際のマグネットワイヤ12の電位分布は均一ではないため、高電圧印加端16付近の高圧巻線8から遠のくにつれ、電位は低くなりくさび状油ギャップの電界は低くなる。そのため、角カッコ状絶縁物13aの挿入による電気絶縁性の向上を図らなくても要求される電気絶縁性を満足する場合がある。
したがって、実施の形態2では、くさび状油ギャップ電界の高い高圧巻線8a〜8cにのみ外殻絶縁部14a及び弾性シート15aを有する角カッコ状絶縁物13aを挿入する。
実施の形態1のように、角カッコ状絶縁物13aが高圧巻線8の径方向端部全周の全領域において配置される場合、角カッコ状絶縁物13aの挿入時間は長くなる。
本実施の形態では、角カッコ状絶縁物13aが、高電圧印加端16とこれに隣接する高圧巻線8a〜8cに限定して径方向端部全周を覆うことで、角カッコ状絶縁物13aの挿入時間が短くなる。
なお、例として高圧巻線8の中でも8a〜8cに限定して覆うこととしたが、覆うようにするべきくさび状油ギャップの電界が高い高圧巻線8については、事前の電界解析により把握する必要がある。
実施の形態3.
実施の形態3において実施の形態1及び実施の形態2との相違は、角カッコ状絶縁物の形状である。以下では、実施の形態3に係る内鉄形変圧器について説明する。なお、実施の形態1及び実施の形態2と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を繰り返さない。
図10は、図5と同様に、本発明の実施の形態3に係る高圧コイル5の一部を斜め上側から見た斜視図の例である。図10で示すように、角カッコ状絶縁物13bの形状は、層間絶縁スペーサ9と接する面の上面が波型、下面が平面となっている。角カッコ状絶縁物13bの上面を波型形状にすることで、層間絶縁スペーサ9と角カッコ状絶縁物13bとの間に冷却媒体流路が形成され、変圧器全体の冷却性能が向上する。なお、角カッコ状絶縁物13bの形状は、この例の形状に限定されるものでなく、冷却媒体を円滑に流すことが可能な形状であれば同様の効果を奏する。
図11は、図10のCの矢印方向から見た高圧コイル5の一部の断面図である。図10と上下方向は同じである。角カッコ状絶縁物13bの上面と層間絶縁スペーサ9との間に空間があることがわかる。
つづいて別の例として、層間絶縁スペーサ9と接する上面及び下面の両面が波型形状である角カッコ状絶縁物13cを図12で表す。図11と同様に高圧コイル5の一部の断面図で表している。角カッコ状絶縁物13cの上面及び下面と層間絶縁スペーサ9との空間が形成されていることがわかる。
本実施の形態では、角カッコ状絶縁物13b及び角カッコ状絶縁物13cの層間絶縁スペーサ9と接する面を波型形状にすることより、層間絶縁スペーサ9と角カッコ状絶縁物13b及び角カッコ状絶縁物13cとの間の空間に冷却媒体流路が形成され、絶縁媒体及び冷却媒体である絶縁油等が流れることによって角カッコ状絶縁物13b及び角カッコ状絶縁物13cが冷却される。これにより、変圧器全体としての冷却性能が向上するため、マグネットワイヤ12の断面積を縮小しても従来同様の冷却性能を保持することが可能になり、変圧器を低コスト化することができる。冷却媒体が流れる方向は、図5で示すK及びLの矢印と同様である。
これら角カッコ状絶縁物13b及び角カッコ状絶縁物13cは、図11及び図12では1種類の波型形状の例を示しているが、このように1種類の形状のみ使用してもよいし、複数種類の形状を使用してもよい。
実施の形態4.
実施の形態1〜3では、内鉄形変圧器について述べたが、実施の形態4では、静止誘導器の一例である外鉄形変圧器17について述べる。図13は、本発明の実施の形態4に係る外鉄形変圧器17が単相分油浸された単相形の電力用変圧器の全体図の例である。
図13で示すように、外鉄形変圧器17は、鉄心18と鉄心18が外側にくるように巻回している低圧コイル19と低圧コイル19同士に挟まれるように鉄心18を巻回している高圧コイル20とを備えている。タンク21内には、絶縁媒体及び冷却媒体である絶縁油が充填されている。絶縁油として、例えば鉱油・エステル油・シリコン油が用いられる。鉄心18、低圧コイル19及び高圧コイル20はタンク21内に収容されている。
図14は、図13のD領域の要部を拡大した図であり、外鉄形変圧器17の一部を示す。なお、図14においては、鉄心18より上側のみ図示している。高圧コイル20は、複数の高圧巻線22と、隣り合う高圧巻線22間に発生する電位差に応じて、層間絶縁板23及び層間絶縁スペーサ24又は層間絶縁スペーサ24のみで構成される。
図14では、隣り合う高圧巻線22間に、4枚の層間絶縁板23と8枚の層間絶縁スペーサ24が設置される場合を示している。隣り合う高圧巻線22a〜22d間に発生する電位差が大きい場合、層間絶縁板23が複数枚設置される場合もある。層間絶縁スペーサ24は、隣り合う高圧巻線22の間、高圧巻線22と層間絶縁板23の間、隣接する層間絶縁板23同士の間に、重なり合う領域の全域にわたって周方向に一定間隔を置いて複数枚設置されている。隣接する層間絶縁スペーサ24同士の間の空間は、左右方向に冷却媒体が流れる冷却媒体流路となっている。
なお、低圧コイル19も高圧コイル20と同様の構成である。低圧コイル19を構成している低圧巻線と高圧コイル20を構成している高圧巻線22との間には、コイル間絶縁板25が1枚もしくは複数枚設置されている。図14では、コイル間絶縁板25が3枚設置されている。低圧巻線とコイル間絶縁板25との間、高圧巻線22とコイル間絶縁板25との間、隣接するコイル間絶縁板25同士の間には、重なり合う領域の全域にわたって周方向に一定間隔を置いて複数枚のコイル間絶縁スペーサ26が設置されている。図14では、コイル間絶縁スペーサ26が4枚設置されている。隣接するコイル間絶縁スペーサ26同士の間の空間は、図14の紙面に対して直角の方向に冷却媒体が流れる冷却媒体流路となっている。
図15は、図14のE領域の要部を拡大した図である。マグネットワイヤ29は、コイル導体27を絶縁紙28で覆って作られている。高圧巻線22は、マグネットワイヤ29が多重に巻回されて構成されている。したがって、高圧巻線22は、図15では縦長の形状で示されている。図14では説明を簡潔にするために角カッコ状絶縁物13aについては示さなかったが、実際には、一層の高圧巻線22には角カッコ状絶縁物13aが1個ずつ挿入されている。
図16は、外鉄形変圧器17に挿入された角カッコ状絶縁物13aの斜視図である。内鉄形変圧器で用いたものと同じ形状であるが、挿入されている方向が90度異なっている。
図16の角カッコ状絶縁物13aを周方向に見た断面図を図17で示す。図17で示すように、角カッコ状絶縁物13aは、外側は剛性を有する外殻絶縁部14a、内側は柔軟性を有する弾性シート15aの二重構造で構成されている。角カッコ状絶縁物13aは高圧巻線22の内周側を全周にわたって内側から覆う形状となっている。
図18は、図14のF領域の要部を拡大した図である。外鉄形変圧器17は、高圧巻線22の外周側も角カッコ状絶縁物13dで覆われている。図15と同様に、マグネットワイヤ29は、コイル導体27を絶縁紙28で覆って作られている。高圧巻線22は、マグネットワイヤ29が多重に巻回されて構成されている。したがって、高圧巻線22は、図18では縦長の形状で示されている。図14では説明を簡潔にするために角カッコ状絶縁物13dについては示さなかったが、実際には、一層の高圧巻線22には角カッコ状絶縁物13dが1個ずつ挿入されている。すなわち、高圧コイル20は、複数の高圧巻線22と各高圧巻線22の内周側を覆う複数の角カッコ状絶縁物13aと各高圧巻線22の外周側を覆う複数の角カッコ状絶縁物13dと4枚の層間絶縁板23と8枚の層間絶縁スペーサ24で構成されている。
図19が、高圧巻線22の外周側を全周にわたって外側から覆うように挿入された角カッコ状絶縁物13dの斜視図である。
図19の角カッコ状絶縁物13dを周方向に見た断面図を図20で示す。角カッコ状絶縁物13aと同様に、外側には外殻絶縁部14d、内側には弾性シート15dの二重構造で構成されている。ただし、高圧巻線22の外周側を外側から覆うため、角カッコ状絶縁物13dは、角カッコ状絶縁物13aとは開いている向きが180度異なっている。
図21は、角カッコ状絶縁物13a及び角カッコ状絶縁物13dが高圧巻線22に配置されている図を示したものである。各高圧巻線22を区別して高圧巻線22a〜22fとそれぞれ呼ぶこととする。角カッコ状絶縁物13a及び角カッコ状絶縁物13dは、高圧巻線22a〜22fまで径方向端部全周の全領域に配置されている。また、図21において高電圧印加端30は高圧巻線22aの箇所にある。
高圧巻線22の内周側だけでなく、外周側も角カッコ状絶縁物13dで覆うことで、電気絶縁性を一層向上させることができる。
内鉄形変圧器では、高圧巻線8を内側から覆う角カッコ状絶縁物13aを用いた場合のみを述べたが、外鉄形変圧器17と同様に内鉄形変圧器にも高圧巻線8を外側から覆う角カッコ状絶縁物13dを用いることができる。角カッコ状絶縁物13a及び角カッコ状絶縁物13dを用いることで、電気絶縁性を一層向上させることができる。
実施の形態5.
実施の形態4では、角カッコ状絶縁物13a及び角カッコ状絶縁物13dは、高圧巻線22a〜22fまで径方向端部全周の全領域に配置されていた。
実施の形態5と実施の形態4との相違は、角カッコ状絶縁物13a及び角カッコ状絶縁物13dの配置に関する点である。なお、実施の形態4に係る外鉄形変圧器17と同様の構成については同一の符号を付してその説明を繰り返さない。
本発明の実施の形態5では、図21で示すように角カッコ状絶縁物13a及び角カッコ状絶縁物13dが、高電圧印加端30に隣接する高圧巻線22a及び高圧巻線22bに限定して径方向端部全周を覆っている。
図22で示すように、角カッコ状絶縁物13a及び角カッコ状絶縁物13dが高圧巻線22a〜22fの径方向端部全周を全領域において配置される場合、角カッコ状絶縁物13a及び角カッコ状絶縁物13dの挿入時間が長くなる。雷インパルス電圧が侵入した際のマグネットワイヤ29の電位分布は均一ではないため、高電圧印加端30付近の高圧巻線22aから遠のくにつれ、電位は低くなり高圧巻線22の周りのくさび状油ギャップの電界が低くなる。こうしたくさび状油ギャップの電界が低い箇所には、角カッコ状絶縁物13a及び角カッコ状絶縁物13dの挿入による電気絶縁性の向上を図らなくても、要求される電気絶縁性を満足する場合がある。
したがって、本実施の形態のように、角カッコ状絶縁物13a及び角カッコ状絶縁物13dを、高電圧印加端30とこれに隣接するくさび状油ギャップ電界の高い高圧巻線22a及び高圧巻線22bに限定して径方向端部全周を覆うことで、挿入時間が短くなり、高圧コイル20の組立て精度が向上した外鉄形変圧器とすることができる。なお、例として高圧巻線22の中でも22a及び22bを覆うこととしたが、覆うように限定するべきくさび状油ギャップの電界が高い高圧巻線22については、事前の電界解析により把握する必要がある。
実施の形態1〜3では、静止誘導器として絶縁油を使用した内鉄形変圧器について説明し、実施の形態4及び5では、外鉄形変圧器について説明した。しかしながら、この発明は、例えば絶縁油または絶縁ガスを使用したリアクトル等他の種類の静止誘導器についても同様に適用でき、同等の効果を得ることができる。
なお、今回開示した実施の形態は全ての点で例示であり、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、記載した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、請求の範囲の記載に基づく。また、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
1 内鉄形変圧器
3 鉄心
7 縦絶縁スペーサ
8、8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g 高圧巻線
9 層間絶縁スペーサ
13a、13b、13c、13d 角カッコ状絶縁物
14a、14b、14c、14d 外殻絶縁部
15a、15b、15c、15d 弾性シート
17 外鉄形変圧器
18 鉄心
22、22a、22b、22c、22d、22e、22f 高圧巻線
24 層間絶縁スペーサ
本発明に係る静止誘導器は、鉄心と、鉄心を軸にして同心円状に巻回された複数の巻線と、巻線を各々覆うように配置され、剛性を有する外殻絶縁部と外殻絶縁部の内側に沿うように設けられた柔軟性を有する弾性シートとの二重構造である角カッコ状絶縁物と、隣り合う巻線の間に設置される層間絶縁スペーサと、を備え、角カッコ状絶縁物の層間絶縁スペーサと接する面の少なくとも一部が波型形状であることを特徴とする

Claims (7)

  1. 鉄心と、
    前記鉄心を軸にして同心円状に巻回された複数の巻線と、
    前記巻線を各々覆うように配置され、剛性を有する外殻絶縁部と前記外殻絶縁部の内側に沿うように設けられた柔軟性を有する弾性シートとの二重構造である角カッコ状絶縁物と、
    を備えた静止誘導器。
  2. 前記外殻絶縁部の比誘電率は、前記弾性シートの比誘導率よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1に記載の静止誘導器。
  3. 前記鉄心の軸方向に延在して、前記複数の巻線を支持する縦絶縁スペーサを備え、
    前記縦絶縁スペーサの比誘電率は、前記外殻絶縁部の比誘電率よりも大きい
    ことを特徴とする請求項2に記載の静止誘導器。
  4. 前記縦絶縁スペーサの材質はポリエステルファイバーであり、
    前記外殻絶縁部の材質はプレスボードであり、
    前記弾性シートの材質はポリエチレン又はポリウレタンである
    ことを特徴とする請求項3に記載の静止誘導器。
  5. 前記角カッコ状絶縁物は、前記複数の巻線のうち一部の巻線を覆うように配置される
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の静止誘導器。
  6. 隣り合う前記巻線の間に層間絶縁スペーサを備え、
    前記角カッコ状絶縁物の前記層間絶縁スペーサと接する面の少なくとも一部が波型形状である
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の静止誘導器。
  7. 前記角カッコ状絶縁物は、前記巻線の内側及び外側から覆うように配置される
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の静止誘導器。
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