JPH07320955A - 静止誘導電気機器 - Google Patents

静止誘導電気機器

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JPH07320955A
JPH07320955A JP10566194A JP10566194A JPH07320955A JP H07320955 A JPH07320955 A JP H07320955A JP 10566194 A JP10566194 A JP 10566194A JP 10566194 A JP10566194 A JP 10566194A JP H07320955 A JPH07320955 A JP H07320955A
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JP
Japan
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winding
electrostatic shield
windings
insulating
gap
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Application number
JP10566194A
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English (en)
Inventor
Tamotsu Inoue
保 井上
Tsuneji Teranishi
常治 寺西
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 巻線端部、特に静電シールド部分の絶縁耐圧
の向上と、機械的強度を向上させた静止誘導電気機器を
提供することを主な目的とする。 【構成】 単位巻線を積み重ね、且つ各単位巻線の積層
間に複数のスペーサ5を介在させて構成してなる巻線
1,3を、鉄心の回りに所定の間隙をもって配設すると
共に、複数個の絶縁筒2,4を同軸状に配設し、且つ各
絶縁筒2,4に絶縁材料からなる間隔片7,16を積層
方向に円周に沿ってほぼ均等に取り付けて挿入し、巻線
1,3の端部に静電シールド18を設ける。そして、巻
線1,3に接する間隔片16を、巻線1,3の端部で切
り取り、巻線3の端部に設けられた静電シールド18の
径を、巻線3の内周面側にあっては、巻線の内径より小
さくし、巻線3の外周面側にあっては、巻線3の外径よ
り大きくしたことを特徴とする静止誘導電気機器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に、巻線相互間ある
いは、巻線鉄心間及び巻線端部の絶縁構造に関する静止
誘導電気機器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、防災上の理由から油入変圧器に変
わる変圧器として、ガスを絶縁媒体としたガス絶縁変圧
器が注目されている。このガス変圧器は、その巻線構成
から種々の構成のものが考案されている。
【0003】図7に、このガス変圧器のうち、従来の油
入り変圧器と同様に、絶縁被覆した平角銅線を絶縁筒の
上に巻回してなる変圧器に於ける巻線部分の垂直方向の
概略断面図を示す。また、図8に図7に於ける変圧器の
巻線部分の水平方向断面図を示す。
【0004】同図において、1は低圧巻線で、この低圧
巻線1の外周面側には絶縁筒2が置かれている。また、
3は高圧巻線で、この高圧巻線3の内周面側には絶縁筒
4が置かれている。
【0005】この絶縁筒2及び絶縁筒4は、鉄心(図示
せず)の回りに所定の間隙を持って同軸状に配設されて
いる。そして、この絶縁筒2,4と巻線3相互間の空隙
には絶縁媒体であるとともに冷却媒体となるSF6ガス
が流れている。
【0006】上記低圧巻線1及び高圧巻線3は、それぞ
れ円板状に巻かれた導体を重ねて構成される円板巻線
で、この円板状に巻かれた導体の間にはスペーサ5が、
円周に沿って等配に置かれて、円板状に巻かれた導体の
間に冷却媒体が流れるための流路を形成している。
【0007】そして、この低圧巻線1及び高圧巻線3
は、鉄心(図示せず)の回りに所定の間隙を持って同軸
状に配設される。また、上記スペーサ5は、巻線の内側
絶縁筒の上に並べられたレール6に取り付けられる。こ
のレール6は、一種の間隔片であり、その上には巻線の
導体が巻かれている。
【0008】上記低圧巻線1の外周面側の絶縁筒2と高
圧巻線3の内周面側の絶縁筒4との間には、この間隙を
保ち、低圧巻線1と高圧巻線3間の半径方向の力を受け
るように間隔片7が、巻線1、3の積層方向に円周にそ
ってほぼ均等に挿入されている。
【0009】また、8は静電シールドで、低圧巻線1及
び高圧巻線3の端部に取り付けられる。同図に示すよう
に、上記間隔片レール6及び間隔片6は、低圧巻線1及
び高圧巻線3のそれぞれの端部に設けられている静電シ
ールド8に接する部分にまで挿入されている。
【0010】ところで、上述したような従来のガス絶縁
変圧器では、次のような問題がある。通常、SF6ガス
を絶縁媒体として用いるガス絶縁変圧器では、固体絶縁
物の誘電率がガスに比べて高いため、ガス部分の電界が
高くなり、その部分から絶縁破壊を生じてしまう。
【0011】周知のように、このSF6ガスは、電界依
存型の絶縁破壊となる。そして、前述のように、絶縁筒
2,4、レール6及び間隔片7が直列になった部分に微
少ガスギャップなどが存在すると、その部分に電界集中
を生じ、微少ガスギャップ部分より絶縁破壊が生じる。
【0012】特に、絶縁筒2,4と間隔片7及びレール
6は、前述のように、ガスに比べて誘電率の高い絶縁材
料で構成されているため、それらが直列に配置された部
分での電界集中が大きい。
【0013】さらに、レール6と巻線が接触する部分に
微少ガスギャップが存在すると、巻線部分の電界がもっ
とも高くなるため、その部分より絶縁破壊を生じる。ま
た、巻線の端部に取り付けられている静電シールド部分
においては、端部であることから電界の集中が大きく、
静電シールド8とレール6とでできる微少ギャップより
絶縁破壊を生ずる場合もあった。ところで、このような
ガスを絶縁媒体としたガス絶縁変圧器においては、次の
ような課題が存在している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、とりわ
けガスを絶縁媒体としたガス絶縁変圧器においては、絶
縁筒、間隔片及びレールは、ガスに比べて誘電率の高い
絶縁材料で構成されているため、それらが直列に配置さ
れた部分での電界集中が大きい。
【0015】特に、巻線端部の静電シールド部分におい
ては、静電シールドが巻線端部に取り付けられているこ
とから、巻線間の電界集中に加え、静電シールドとヨー
ク鉄心との電界集中が加わり、静電シールド端部の電界
集中は、他の部分に比べて大きくなっている。
【0016】これらの対策として、間隔片の一部を切り
欠いた構成なども提案されているが、この場合、変圧器
には、短絡機械力等の電磁力が働くので、前述のよう
に、間隔片の一部が切り欠いてあると、電磁力が均等に
分布しないばかりか切り欠き部分の間隔片の機械力が弱
くなり、短絡時に巻線が変形する恐れを生じる。
【0017】特に、巻線の端部に静電シールドを取り付
ける構成においては、静電シールドの寸法確保のため、
間隔片を切り欠くことができなかった。そのため、その
部分の耐圧向上が、変圧器の小型化への大きな問題点と
なっている。
【0018】また、静電シールド部分の耐圧向上を図る
ために、静電シールドの絶縁厚を厚くすると、静電シー
ルドに隣接している巻線の第1セクションの電界が高く
なり、この場合、特に間隔片のある部分の電界が高くな
り、その部分から絶縁破壊を生じていた。
【0019】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、巻線端部、特に静電シールド部分の絶縁耐圧の
向上と、機械的強度を向上させた静止誘導電気機器を提
供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、まず、請求項1に係る発明の静止誘導電気器は、複
数個の単位巻線を積み重ね、且つ各単位巻線の積層間に
複数のスペーサをそれぞれ単位巻線の円周に沿って、ほ
ぼ均等に介在させて構成してなる複数の巻線を、鉄心の
回りに所定の間隙をもって同軸状に配設すると共に、こ
の巻線相互間の間隙に、複数個の絶縁筒を同軸状に配設
し、且つ各絶縁筒相互間及び絶縁筒と巻線相互間に巻線
軸方向長以上の長さを有する絶縁材料からなる間隔片を
積層方向に円周に沿ってほぼ均等に挿入し、各巻線軸方
向の端部端面に対向配置される中空環状静電シールドを
有する静止誘導電気機器において、前記各絶縁筒相互間
及び絶縁筒と巻線相互間に挿入された間隔片のうち、少
なくとも前記絶縁筒と巻線相互間に挿入された間隔片の
軸方向端位置を、前記各巻線の軸方向端位置とほぼ等し
くしたことを特徴とする。
【0021】また、請求項2に係る発明の静止誘導電気
機器は、複数個の単位巻線を積み重ね、且つ各単位巻線
の積層間に複数のスペーサをそれぞれ単位巻線の円周に
沿って、ほぼ均等に介在させて構成してなる複数の巻線
を、鉄心の回りに所定の間隙をもって同軸状に配設する
と共に、この巻線相互間の間隙に、複数個の絶縁筒を同
軸状に配設し、且つ各絶縁筒相互間及び絶縁筒と巻線相
互間に巻線軸方向長以上の長さを有する絶縁材料からな
る間隔片を積層方向に円周に沿ってほぼ均等に挿入し、
各巻線軸方向の端部端面に対向配置される中空環状静電
シールドを有する静止誘導電気機器において、前記各絶
縁筒相互間及び絶縁筒と巻線相互間に挿入された間隔片
のうち、少なくとも前記絶縁筒と巻線相互間に挿入され
た間隔片の軸方向端位置を、前記各巻線の軸方向端位置
とほぼ等しくし、前記静電シールドの前記絶縁筒との対
向面側は少なくとも前記巻線の幅方向端部端より突出し
て形成されることを特徴とする。
【0022】また、請求項3に係る発明の静止誘導電気
機器は、請求項2記載の静止誘導電気機器に於いて、前
記各巻線のうち最内側巻線より外側の巻線の端部に設け
られた静電シールドは、その静電シールドが設けられて
いる巻線の幅方向長の差が0mm〜14mmであること
を特徴とする。
【0023】さらに、請求項4に係る発明の静止誘導電
気機器は、複数個の単位巻線を積み重ね、且つ各単位巻
線の積層間に複数のスペーサをそれぞれ単位巻線の円周
に沿って、ほぼ均等に介在させて構成してなる複数の巻
線を、鉄心の回りに所定の間隙をもって同軸状に配設す
ると共に、この巻線相互間の間隙に、複数個の絶縁筒を
同軸状に配設し、且つ各絶縁筒相互間及び絶縁筒と巻線
相互間に巻線軸方向長以上の長さを有する絶縁材料から
なる間隔片を積層方向に円周に沿ってほぼ均等に挿入
し、各巻線軸方向の端部端面に対向配置される中空環状
静電シールドを有する静止誘導電気機器において、前記
各絶縁筒相互間及び絶縁筒と巻線相互間に挿入された間
隔片のうち、少なくとも前記絶縁筒と巻線相互間に挿入
された間隔片の軸方向端位置を、前記各巻線の軸方向端
位置とほぼ等しくし、前記静電シールドの前記絶縁筒と
の対向面側は少なくとも前記巻線の幅方向端部端より突
出して形成し、前記間隔片の存在しない前記絶縁筒と前
記静電シールド間の両対向面に絶縁物製の間隔片を前記
鉄心に対して前記静電シールドの内周面側または外周面
側の少なくともいずれか一方に円周に沿ってほぼ等間隔
で設けたことを特徴とする。
【0024】さらに、請求項5に係る発明の静止誘導電
気機器は、複数個の単位巻線を積み重ね、且つ各単位巻
線の積層間に複数のスペーサをそれぞれ単位巻線の円周
に沿って、ほぼ均等に介在させて構成してなる複数の巻
線を、鉄心の回りに所定の間隙をもって同軸状に配設す
ると共に、この巻線相互間の間隙に、複数個の絶縁筒を
同軸状に配設し、且つ各絶縁筒相互間及び絶縁筒と巻線
相互間に巻線軸方向長以上の長さを有する絶縁材料から
なる間隔片を積層方向に円周に沿ってほぼ均等に挿入
し、各巻線軸方向の端部端面に対向配置される中空環状
静電シールドを有する静止誘導電気機器において、前記
各絶縁筒相互間及び絶縁筒と巻線相互間に挿入された間
隔片のうち、少なくとも前記絶縁筒と巻線相互間に挿入
された間隔片の軸方向端位置を、前記各巻線の軸方向端
位置とほぼ等しくし、前記静電シールドの前記絶縁筒と
の対向面側は少なくとも前記巻線の幅方向端部端より突
出して形成し、前記間隔片の存在しない前記絶縁筒と前
記静電シールド間の両対向面に絶縁物製の間隔片を前記
鉄心に対して前記静電シールドの内周面側または外周面
側の少なくともいずれか一方に円周に沿ってほぼ等間隔
で設け、前記静電シールドに接するように設けられた間
隔片は、巻線相互間の間隙に挿入された前記間隔片が存
在する部分のほぼ中間部に取り付けられると共に、巻線
相互間に同心状に配設された前記絶縁筒で固定されるこ
とを特徴とする。
【0025】さらに、請求項6に係る発明の静止誘導電
気機器は、請求項4または請求項5に記載の静止誘導電
気機器に於いて、静電シールドに接するように設けられ
た前記間隔片の絶縁物の比誘電率は、前記静電シールド
を絶縁被覆している絶縁材料の比誘電率より小さくした
ことを特徴とする。
【0026】さらに、請求項7に係る発明の静止誘導電
気機器は、請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載
の静止誘導電気機器い於いて、前記静電シールドに接す
るように取り付けられた前記間隔片は、ハニカム構成で
構成された絶縁物であることを特徴とする。
【0027】
【作用】従って、まず、請求項1に係る発明の静止誘導
電気機器においては、各絶縁筒相互間及び絶縁筒と巻線
相互間に挿入された間隔片のうち、少なくとも前記絶縁
筒と巻線相互間に挿入された間隔片を、各巻線の端部よ
り、静電シールドに対応する側について切り取っている
ので、静電シールド部分がガスギャップで構成され、そ
の結果、静電シールド部分の電界が暖和され、高耐圧化
した変圧器が得られる。
【0028】さらに、巻線部分には、間隔片が従来と同
様取り付けられているため、電磁機械力等に対しても何
等問題とならない。また、請求項2に係る発明の静止誘
導電気機器においては、各巻線のうち最内側巻線より外
側の巻線の端部に設けられた静電シールドの径を、巻線
の内周面側にあっては、巻線の内径より小さくし、巻線
の外周面側にあっては、巻線の外径より大きくして構成
しているので、さらに、静電シールド部分の電界が暖和
され、高耐圧化した変圧器が得られる。
【0029】さらに、請求項3に係る発明の静止誘導電
気機器においては、各巻線のうち最内側巻線より外側の
巻線の端部に設けられた静電シールドと、静電シールド
が設けられている巻線の直径の差を0mm〜14mmで
構成するので、静電シールド部と巻線の第1セクション
部の破壊電圧のバランスがよく、高耐圧化した変圧器を
得ることができる。
【0030】さらに、請求項4に係る発明の静止誘導電
気機器においては、静電シールドに接するように絶縁物
製の間隔片を前記静電シールドの内周面側または外周面
側の少なくともいずれか一方に円周に沿ってほぼ等間隔
で設けて構成することから、機械的強度の優れた変圧器
を得ることができる。
【0031】さらに、請求項5に係る発明の静止誘導電
気機器においては、静電シールドに接するように設けら
れた間隔片は、巻線相互間の間隙に挿入された間隔片が
存在する部分のほぼ中間部分に取り付けられると共に、
巻線相互間に同軸状に配設された絶縁筒で固定されるの
で、さらに機械的強度の優れた変圧器を得ることができ
る。
【0032】さらに、請求項6に係る発明の静止誘導電
気機器においては、請求項4乃至5記載の静止誘導電気
機器に於いて、静電シールドに接するように設けられた
前記間隔片の絶縁物の比誘電率は、静電シールドを絶縁
被覆している絶縁材料の比誘電率より小さくしているの
で、静電シールド部分への電界の集中が少なくてすみ、
さらに、高耐圧化した変圧器が得られる。
【0033】さらに、請求項7に係る発明の静止誘導電
気機器においては、請求項4乃至6記載の静止誘導電気
機器に於いて、静電シールドに接するように取り付けら
れた間隔片は、ハニカム構成の絶縁物を用いているの
で、静電シールド部分においても、機械強度が強く、さ
らにハニカム構成材料は、ガス空間が多いため低誘電率
となっており、間隔片が存在する静電シールド部分おい
ても、静電シールド部に電界の集中を生じないので、そ
の結果、高耐圧化及び機械的強度の優れた変圧器が得ら
れる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。図1は、レール及び間隔片が存在する部
分の変圧器の巻線部分を示す垂直断面図、図2は、図1
の巻線部分を示す水平方向断面図である。
【0035】なお、図7と同一部分には同一符号を付し
てその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ
述べる。図1及び図2において、16は低圧巻線1及び
高圧巻線3の巻線に接する間隔片レールであり、この間
隔片レール16のうち静電シールド18側の間隔片は、
静電シールド18の下側、つまり巻線の端部で切りとら
れている。
【0036】従って、静電シールド18部分には、この
間隔片レール16は存在していない。また、静電シール
ド18は、低圧巻線1側にあっては、低圧巻線1の外周
面側にdだけ、また高圧巻線3側にあっては、高圧巻線
の外周面側及び内周面側にdだけ、それぞれ張り出して
構成されている。
【0037】次に、本発明の一実施例を図3及び図4に
示すレール及び間隔片が存在しない部分で説明する。図
3は、同実施例におけるレール及び間隔片が存在しない
部分の変圧器の巻線部分を示す垂直断面図、図4は、図
3の巻線部分を示す水平方向断面図である。
【0038】なお、図1と同一部分には同一符号を付し
てその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ
述べる。図3及び図4において、20は、巻線間の間隔
片7及び間隔片レール16が存在する部分のほぼ中間部
分に取り付けられ、静電シールド18を固定するための
絶縁物製の間隔片であり、この間隔片20は、静電シー
ルド18を絶縁被覆している絶縁紙の誘電率より低い誘
電率を有する絶縁物で構成する。
【0039】この絶縁物製の間隔片としては、例えば、
図5に示すようなハニカム構成で構成された間隔片を使
用する。同図に示すように、ハニカム構成で構成された
間隔片20には帯21を張り付ける。
【0040】そして、図3に示すように、スペーサ22
をそれぞれ静電シールド18と巻線1,3の間に取り付
け、間隔片20をスペーサ22及び絶縁筒2及び絶縁筒
4によって固定する。
【0041】次に、静電シールド18と巻線の出張寸法
( 段差)dについて説明する。図6は、静電シールド部
及び巻線部の基礎モデルを使用して、インパルス破壊電
圧を調査した結果の一例である。
【0042】同図に示すグラフの縦軸は、最高破壊電圧
を100%としたときの破壊電圧の比を示しており、横
軸はシールドと巻線の差を示している。同図に示すよう
に、破壊電圧の曲線は、山なりの特性を示し、段差7m
m以上では、段差が0mmの場合よりも破壊電圧が低く
なっている。
【0043】しかるに、この破壊電圧の特性は次のよう
に解釈することができる。つまり、段差が0mmの場合
には、同図に示すように巻線端部の電界E2が原因とな
って破壊を生じ、静電シールドと巻線との段差がある場
合には、この電界E2の電界強度が暖和されて、その結
果破壊電圧が上昇する。
【0044】しかしながら、この段差をあまり大きくす
ると、静電シールドと接地電極の間が短くなり、今度
は、静電シールドから破壊を生じてしまう。従って、同
図に示された結果から、段差を7mm以上に広げても破
壊電圧は、0mmの場合の破壊電圧以下となり、段差を
広げることによる効果がないことが確認でき、巻線とシ
ールドとの間の段差は、0mm〜7mmが適切な範囲で
あるといえる。
【0045】次に、以上のように構成した本実施例の変
圧器の作用及び効果について説明する。 (1) 低圧巻線1及び高圧巻線3の間の間隔片のうち
巻線に接する間隔片を、巻線端部の静電シールド部分1
8で切りとるので、その結果静電シールド部分18に
は、間隔片が存せず、静電シールド部分18はガスギャ
ップで構成されるため、静電シールド部分18の電界が
暖和され、高耐圧化した変圧器を得ることができる。
【0046】さらに、巻線部分には、間隔片が従来と同
様取り付けられているため、電磁機械力等に対しても何
等問題とならない。 (2) 静電シールド18を固定する絶縁物製の間隔片
20は、低圧巻線1と高圧巻線3の間に間隔片(レー
ル)が取り付けられていない部分であり、低圧巻線1と
高圧巻線3との間の全体のギャップ長に対して静電シー
ルドに取り付ける間隔片の厚さの割合が少ないので、そ
の部分に対しての静電シールドの電界は問題とならず、
高耐圧化した変圧器を得ることができる。
【0047】さらに、その絶縁物製間隔片20の誘電率
を、静電シールド18を絶縁被覆する絶縁紙の誘電率よ
り低くしてあるので、静電シールド部分18への電界の
集中が少なくてすみ、高耐圧化した変圧器を得ることが
できる。
【0048】特に、前記静電シールド18に取り付けら
れる間隔片20を、ハニカムで構成された絶縁物で構成
しているため、静電シールド部分18においても、機械
強度が強く、さらにハニカム構成材料は、ガス空間が多
いため低誘電率となっており、間隔片20が存在する静
電シールド部分18おいても、静電シールド部18に電
界の集中を生じないので、その結果、耐圧及び機械的強
度に優れた変圧器が得られる。
【0049】(3) 静電シールド18と巻線との間の
張り出し寸法を0〜7mmとしているので、静電シール
ド部分18と巻線の第1セクション部の破壊電圧のバラ
ンスがよく、高耐圧化した変圧器を得ることができる。
【0050】なお、本発明の一実施例では、ガス絶縁変
圧器で説明したが、油入り変圧器に適用しても同様の作
用効果を得ることができる。また、本実施例では、変圧
器について説明したがリヤクトル等の静止誘導機器につ
いても適用することができる。さらに、本実施例では、
高圧巻線及び低圧巻線の2つの巻線について説明を行な
ったが、複数の巻線を用いた静止誘導機器についても適
用することができる。
【0051】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、巻
線間、巻線端部等の電界暖和を図ることができ、破壊電
圧の向上した変圧器がえられるばかりでなく、機械力等
に対しても優れた変圧器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るレール及び間隔片が存
在する部分の変圧器の巻線部分を示す垂直断面図。
【図2】図1の巻線部分を示す水平方向断面図。
【図3】同実施例におけるレール及び間隔片が存在しな
い部分の変圧器の巻線部分を示す垂直断面図。
【図4】図3の巻線部分を示す水平方向断面図。
【図5】同実施例におけるハニカム構成で構成された間
隔片の例を示す図。
【図6】静電シールド部及び巻線部の基礎モデルを使用
して、インパルス破壊電圧を調査した結果の一例を示す
図。
【図7】従来の変圧器の巻線部分を示す垂直方向断面
図。
【図8】図7の変圧器の巻線部分を示す水平方向断面
図。
【符号の説明】
1…低圧巻線 2,4…絶縁筒 3…高圧巻線 5,22…スペーサ 6,16…レール 7,20…間隔片 8,18…静電シールド 21…帯

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個の単位巻線を積み重ね、且つ各単
    位巻線の積層間に複数のスペーサをそれぞれ単位巻線の
    円周に沿って、ほぼ均等に介在させて構成してなる複数
    の巻線を、鉄心の回りに所定の間隙をもって同軸状に配
    設すると共に、この巻線相互間の間隙に、複数個の絶縁
    筒を同軸状に配設し、且つ各絶縁筒相互間及び絶縁筒と
    巻線相互間に巻線軸方向長以上の長さを有する絶縁材料
    からなる間隔片を積層方向に円周に沿ってほぼ均等に挿
    入し、各巻線軸方向の端部端面に対向配置される中空環
    状静電シールドを有する静止誘導電気機器において、 前記各絶縁筒相互間及び絶縁筒と巻線相互間に挿入され
    た間隔片のうち、少なくとも前記絶縁筒と巻線相互間に
    挿入された間隔片の軸方向端位置を、前記各巻線の軸方
    向端位置とほぼ等しくしたことを特徴とする静止誘導電
    気機器。
  2. 【請求項2】 複数個の単位巻線を積み重ね、且つ各単
    位巻線の積層間に複数のスペーサをそれぞれ単位巻線の
    円周に沿って、ほぼ均等に介在させて構成してなる複数
    の巻線を、鉄心の回りに所定の間隙をもって同軸状に配
    設すると共に、この巻線相互間の間隙に、複数個の絶縁
    筒を同軸状に配設し、且つ各絶縁筒相互間及び絶縁筒と
    巻線相互間に巻線軸方向長以上の長さを有する絶縁材料
    からなる間隔片を積層方向に円周に沿ってほぼ均等に挿
    入し、各巻線軸方向の端部端面に対向配置される中空環
    状静電シールドを有する静止誘導電気機器において、 前記各絶縁筒相互間及び絶縁筒と巻線相互間に挿入され
    た間隔片のうち、少なくとも前記絶縁筒と巻線相互間に
    挿入された間隔片の軸方向端位置を、前記各巻線の軸方
    向端位置とほぼ等しくし、 前記静電シールドの前記絶縁筒との対向面側は少なくと
    も前記巻線の幅方向端部端より突出して形成されること
    を特徴とする静止誘導電気機器。
  3. 【請求項3】 前記各巻線のうち最内側巻線より外側の
    巻線の端部に設けられた静電シールドは、その静電シー
    ルドが設けられている巻線の幅方向長の差が0mm〜1
    4mmであることを特徴とする請求項2記載の静止誘導
    電気機器。
  4. 【請求項4】 複数個の単位巻線を積み重ね、且つ各単
    位巻線の積層間に複数のスペーサをそれぞれ単位巻線の
    円周に沿って、ほぼ均等に介在させて構成してなる複数
    の巻線を、鉄心の回りに所定の間隙をもって同軸状に配
    設すると共に、この巻線相互間の間隙に、複数個の絶縁
    筒を同軸状に配設し、且つ各絶縁筒相互間及び絶縁筒と
    巻線相互間に巻線軸方向長以上の長さを有する絶縁材料
    からなる間隔片を積層方向に円周に沿ってほぼ均等に挿
    入し、各巻線軸方向の端部端面に対向配置される中空環
    状静電シールドを有する静止誘導電気機器において、 前記各絶縁筒相互間及び絶縁筒と巻線相互間に挿入され
    た間隔片のうち、少なくとも前記絶縁筒と巻線相互間に
    挿入された間隔片の軸方向端位置を、前記各巻線の軸方
    向端位置とほぼ等しくし、 前記静電シールドの前記絶縁筒との対向面側は少なくと
    も前記巻線の幅方向端部端より突出して形成し、 前記間隔片の存在しない前記絶縁筒と前記静電シールド
    間の両対向面に絶縁物製の間隔片を前記鉄心に対して前
    記静電シールドの内周面側または外周面側の少なくとも
    いずれか一方に円周に沿ってほぼ等間隔で設けたことを
    特徴とする静止誘導電気機器。
  5. 【請求項5】 複数個の単位巻線を積み重ね、且つ各単
    位巻線の積層間に複数のスペーサをそれぞれ単位巻線の
    円周に沿って、ほぼ均等に介在させて構成してなる複数
    の巻線を、鉄心の回りに所定の間隙をもって同軸状に配
    設すると共に、この巻線相互間の間隙に、複数個の絶縁
    筒を同軸状に配設し、且つ各絶縁筒相互間及び絶縁筒と
    巻線相互間に巻線軸方向長以上の長さを有する絶縁材料
    からなる間隔片を積層方向に円周に沿ってほぼ均等に挿
    入し、各巻線軸方向の端部端面に対向配置される中空環
    状静電シールドを有する静止誘導電気機器において、 前記各絶縁筒相互間及び絶縁筒と巻線相互間に挿入され
    た間隔片のうち、少なくとも前記絶縁筒と巻線相互間に
    挿入された間隔片の軸方向端位置を、前記各巻線の軸方
    向端位置とほぼ等しくし、 前記静電シールドの前記絶縁筒との対向面側は少なくと
    も前記巻線の幅方向端部端より突出して形成し、 前記間隔片の存在しない前記絶縁筒と前記静電シールド
    間の両対向面に絶縁物製の間隔片を前記鉄心に対して前
    記静電シールドの内周面側または外周面側の少なくとも
    いずれか一方に円周に沿ってほぼ等間隔で設け、 前記静電シールドに接するように設けられた間隔片は、
    巻線相互間の間隙に挿入された前記間隔片が存在する部
    分のほぼ中間部に取り付けられると共に、巻線相互間に
    同心状に配設された前記絶縁筒で固定されることを特徴
    とする静止誘導電気機器。
  6. 【請求項6】 静電シールドに接するように設けられた
    前記間隔片の絶縁物の比誘電率は、前記静電シールドを
    絶縁被覆している絶縁材料の比誘電率より小さくしたこ
    とを特徴とする請求項4または請求項5に記載の静止誘
    導電気機器。
  7. 【請求項7】 前記静電シールドに接するように取り付
    けられた前記間隔片は、ハニカム構成の絶縁物であるこ
    とを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に
    記載の静止誘導電気機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008205162A (ja) * 2007-02-20 2008-09-04 Toshiba Corp 静止誘導機器および静止誘導機器監視装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008205162A (ja) * 2007-02-20 2008-09-04 Toshiba Corp 静止誘導機器および静止誘導機器監視装置
US8358217B2 (en) 2007-02-20 2013-01-22 Kabushiki Kaisha Toshiba Stationary induction apparatus and monitoring device thereof

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